101匹足利尊氏 さんの感想・評価
4.1
激突 ルウム会戦
原作コミックは未読。
「ファーストガンダム」前史をシャアの半生などを軸に
全6作で描いたシリーズの最終章。
ネタバレレビューを読む
~以下、シリーズを総括して……。
総じて前日譚に駄作なしを改めて証明した良シリーズだったと思います。
「ファーストガンダム」を彩った登場人物が表舞台に登場する前の
“語られて来なかった武勇伝”は正直、お話盛り過ぎの感もありましたし、
本編で顔合わせする前のキャラ同士のニアミス!
に、わざとらしさを感じたこともありました。
それでも“知られざる過去”を目撃したプレミア感から、
ニヤニヤが止まらないのは“エピソード0”の特権だったと思います。
ただ、その他にも不満点は少なくなく、
全体的に“軽さ”も目に付いた前日譚でもありました。
特にセリフには重厚さが欠けると思うことが多々ありました。
普通のアニメなら明快な物言いでも、
『ガンダム』でやると、やや直截的過ぎるのかなと。
もっと回りくどく、毒々しく、皮肉を込めて、状況を論評しないと、
“富野節”に繋がる言い回しとしては含蓄がなくなるのかな?と思いました。
「ファースト」から一部変更になったキャスト陣については、
与えられた台本を忠実に好演できていたと思います。
ただ、セリフの軽さ故、旧来のファンからは
キャストに重みがないとの不満を抱かれることもあるのかな?とも感じました。
CGを活用した作画については、
迫力あるMS戦の描画には有効でしたが、
一点、個人的に気になったのは爆発について。
『ガンダム』の爆炎にはピンクが多用されますが、
これが手描きからCGに変わると、
何故だか忍者が遁術で使う煙幕に見えて来るから不思議ですw
その他、人物の所作についても、
通常のアニメーションなら快活で分かりやすい動作でも、
『ガンダム』としては、やや身振り手振りが大袈裟だったかな?とも思いました。
特にドズルはオーバーアクションだったと思います。
個人的にはコミカルで可愛くて?
私の中ではシリーズ通じてドズル閣下は癒やしでしたw
(ネタバレレビューを読む )
ですが、これも頑なな一部ファンが見たら、
落ち着きがないと思われたりもするのかな?と思ってみたり……。
『ガンダムORIGIN』の完走を受けて、
折角だからこのまま「ファースト」もリメイクしちゃえ♪
との声が現状計画がなくても、否応なしに出ているらしく……。
その点、原作・安彦良和氏もインタビューで振られた際に、
本気なのか冗談かなのか、色気を出すなど、
まんざらでもなさそうなのが、ご健勝で何よりですが……。
今後、もしも「ファースト」リメイクという難題に挑むのであれば、
上記に挙げた“軽さ”の重量化は不可欠だと思います。
などと要らぬ心配をしつつw期待せずに次の展開を気長に待とうと思います。