宇宙海賊アニメ映画ランキング 3

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の宇宙海賊成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年02月05日の時点で一番の宇宙海賊アニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

74.8 1 宇宙海賊アニメランキング1位
銀河鉄道999-The Galaxy Express 999(アニメ映画)

1979年8月1日
★★★★☆ 4.0 (180)
927人が棚に入れました
身体を機械にかえて、人間は死なないですむようになった。そんな時代にも、やはり貧しい人々は存在する。彼らにとって、機械の身体は高価なものであり、買うことができなかった。そんな中、一つの噂が流れる。銀河鉄道999に乗れば、タダで機械の身体を貰える星に行けるというのだ。少年・星野鉄郎は母と二人、噂をたよりに銀河鉄道の停車駅、メガロポリスに向かう。その途中、二人は機械伯爵による人間狩りに遭い、母は殺されてしまう。メガロポリスのスラムに居着いた鉄郎は、銀河鉄道のパスを手に入れる機会を伺い、実行に移すも失敗に終わる。しかし、そのとき知り合った謎の美女メーテルから、鉄郎は銀河超特急999号のパスをもらい受けて、メーテルとともに地球を旅立つのだった。

声優・キャラクター
野沢雅子、池田昌子、一龍斎春水、肝付兼太、井上真樹夫、田島令子、富山敬、小原乃梨子、柴田秀勝、藤田淑子、槐柳二、坪井章子、納谷悟朗

ろき夫 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

世代じゃないけど楽しめた!

名作とは知っていながら、世代じゃないのでスルーしていた作品の1つ。
おススメされたこともあり観てみることに。

1979年の劇場公開作品。30年以上も前の作品です。
古いですね~w まだ私が生まれてもない時代ですよーw

さすがにここまでギャップがあると腰が引けちゃいますよね。
でもでも、実際見てみると物凄く楽しめました!
この作品に関しては殆ど情報を入手せずにピュアな状態で挑みましたw
なんで、名作だからといって変に贔屓目でみているとか、そんな事は無いですよ?断っておきますがw

で、銀河鉄道といったら宮沢賢治が先に思い浮かんじゃうですよねー。
なんで、哲学的で芸術的な印象をこの作品にも勝手に抱いていました。
でも、観てみると全然イメージと違っていてびっくり!
第一級SF超大作といった感じですw
なんだろ、スターウォーズ?みたいな。(この例えもちょっと古いんですけどw)
ストーリーは簡単にいうと、
主人公「星野鉄郎」が「機械伯爵」に母を殺され、その復讐を誓う。そのために永遠の命と圧倒的な力を持つ≪機械の体≫を手に入れるため、謎に包まれた女性「メーテル」の導きのもと、機械化母星の存在するアンドロメダを目指し‘銀河鉄道999’に乗り旅をする…というお話。

…なんですが、ここから話が二転、三転しますw衝撃のラストですww
ある程度先は読めても、ラストまではなかなかw
話が巧く練られており非常に楽しめました!
ただの派手なアクションものとも違い、しっかりと奥深さもあるんですよね~。
哲学的要素も散りばめられてはいるんですが、とても解り易く表現されており、
「子供にも伝わる」…そういう素敵な工夫がなされています。
映像で、鉄郎の台詞で、それを囲む大人達の台詞で、そして時には歌に乗せて…。
特に、酒場での女性の弾き語りの歌!…染みましたw疲れた大人にはゴダイゴの歌よりこっちの方が効くんじゃないかな?w
アニメという、表現媒体をフルに活用した素晴らしい演出でした。もちろん絵も綺麗。
特に女性の描き方が特徴的ですよね~。
人間離れしてるというか…完全に理想化されたモデルです。
あのカラダのラインは芸術的に見えさえしますね。
建造物の崩壊シーンには目を見張るものがあります(崩壊シーン萌えな方必見!…少なくとも私は萌えましたw)
松本零士、りんたろう、金田伊功、野沢雅子…などなど、今となっては伝説級のスタッフのアツい共演。
あの時代で、このクオリティで二時間超の作品を作るのって…どれだけの労力を要したんですかね~。驚嘆しますよ。
テンポも速すぎるwというくらいスピーディーで、視聴者を退屈にさせません!

この作品のテーマは「少年の旅立ちと成長」です。
序盤で、999号に乗り、Taking Off Over the Galaxy(歌:ゴダイゴ)の「誰も行かない未来へ~♪」
な歌詞に乗せて広大な宇宙へと旅立つわけです。
ロマンを感じずにはいられませんよねw
若者の抱く‘無限の可能性’というヤツを夢いっぱいに表現しています。
義務教育を終える3年くらい前までなら純粋な気持ちで観れた気がしますw
今となっては~…切ないっ!!ちょっと捻くれて観ちゃうかな?w
あと、やっぱり時代を感じました。
宇宙を舞台にした作品って今も昔もたくさんありますが、最近は割と現実的なテーマに触れた作品が多い気がします。
あの頃って若い世代だけではなくある程度の年齢の大人にも今よりは夢があったんじゃないですかね?
日本がイケイケな時代だったというのもありますが、機械分野の技術的な進歩が目覚ましく、未来に対する大きな期待があったのだと思います。
そういった意味では、伸びしろの期待できない現代の世の中ってどことなく寂しいものがありますよねー。夢を見れなくなったというか…。
まあ、どんな時代であっても努力なしには夢は実現できないものですよね~。
その努力を惜しんでアニメを観ちゃうからダメなのかなw
ああ…だんだん鬱に…。(´;ω;`)

最後に一つだけ言わせてほしいのが、鉄郎がまさか15歳とは思いませんでした!w
しぐさ、行動が少し幼い気がします。あとメーテルとの身長差が…。
劇中、その設定に気付かず観ていたので、二人の恋愛に始終違和感を感じてしまいました。
感動するエンディングでさえもそのせいで若干ついていけませんでした。
なんで、これから視聴する方はその年齢を知っておいた方がいいのかもしれませんw

でも、そんな細かいことなんてどうでも良くなるようなエネルギッシュで爽やかな素晴らしい作品で、
数多くのファンがいるのも納得できました^^
子供ができたら観せたい作品の1つになりました。良い子に育ちそうw

世代じゃないからといって敬遠するものじゃないですね~。
私もこの銀河鉄道999のおかげで、過去の名作巡りの旅に駆り出されることになりそうですw

投稿 : 2025/02/01
♥ : 29
ネタバレ

ぶらっくもあ(^^U さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

さらば少年の日よ

昭和期劇場公開されたアニメ作品の中で、
私的お勧め感トップクラス、
シナリオ、音楽、サービス精神、見事という他はない、
よくぞこれだけのものを2時間弱にまとめたものだなと、

銀河鉄道999という事で主人公は当然星野鉄郎、
何をアタリマエな事をと思われるかも知れないが、
キャプテンハーロックやエメラルダス始め、
松本零士氏作品オールスター的キャラ複数登場し、
其々単なるゲストキャラではなくキャラ立ちも半端ない、
{netabare}
特にキャプテンハーロック等登場シーンからカッコいい、
ハーロックはTVアニメ版も大好きだったが、
本作でのハーロックはアルカディア号デザインと共に格別、
トチローも登場しアルカディア号心臓部含む根幹的物語も内包、
もうゲストどころの騒ぎではない、
{/netabare}
ヘタすれば物語統一性単一性欠きかねないが、
徹底した主人公視点駆使し原作999エピソード主軸に、
旅の過程で全てのキャラエピソードや出会いを、
主人公の成長物語として鉄郎中心に必然性保ちつつ、
自然に語られてるのが素晴らしい、

ヤマト革命から端発した70年代後半アニメブームにより、
様々なアニメが劇場にて公開される事になったが、
当初はTVアニメ使用フィルムの再編集的作品も多かった、
999は同時期TVでも原作本沿った形で毎週放送されてたが、
この劇場版999はTV流用無しのオリジナルで、
主人公鉄郎のキャラ画も原作或いはTV版より、
(5歳程)青年的に描かれている、
当初この鉄郎デザイン若干違和感もあったが、
本作フィナーレ迎える頃は、
自然気にならなくなったと言うより成程なと、
というのも、
{netabare}
序盤当初鉄郎にとってメーテルは母親の幻影、
道中冥王星付近で寒がる鉄郎メーテルに抱衣され、
思い出すのは母親の温もり、
{/netabare}
少年が、
{netabare}
様々な出会いや物語初期主人公目的であった、
母の仇打ち成し遂げ。
いつしか人間の機械化そのものに疑問持ち、
目的は終着駅である機械化惑星破壊へ、
真摯さが顕著になってゆく鉄郎の目、

鉄郎が辿りついた終着駅機械化惑星の名前はメーテル、
(ここからのラストまでの一連のBGMは神がかってる)
崩壊する惑星メーテルからの脱出シーンは今観ても圧巻、
戦火の中轟進するアルカディア号
999脱出路の盾となるエメラルダス号
一貫して流れる(BGM惑星メーテル)
メーテルの手を引き999目指し駆ける鉄郎は、
{/netabare}
いつしか大切な人を守るひとりの男になり、
{netabare}
原作上悲しいキャラだったガラスのクレア、
劇場版では助かったと思ったんだけどな、
思い出してしまった、、、
(BGMガラスのクレアフルオーケストラバージョン)

旅のおわり、
メーテルの別れの言葉
「私はあなたの心の中の幻影」
メーテルを乗せ走り出す999を追い駆けだす鉄郎、
(BGM別離そして旅立ち)

さらばメーテル、さらば銀河鉄道999
{/netabare}
さらば 少年の日よ、

というのが、
機械化人間等に象徴される人間性欠如への警鐘と共に、
本作のテーマな故、

放映当時の事だけど本作が凄かったのは、
TV版勿論原作においても表記されない物語クライマックスが、
見事なかたちで描かれ切っていた事、
原作先んじて或いは離れて物語構築し、
ともすれば台無しになった作品も多いが、
本作の場合は、
この劇場版一作こそ正道と言わしめるくらい完成されてた事、
TV版宇宙海賊キャプテンハーロックや同銀河鉄道999通し、
制作会社として関わってきた東映動画の本気度が窺える、

松本零士著作品という事であればその代表作は各人様々であろうが、
映像化された松本零士作品という事であれば、
本作は間違いなく代表格だと感じる。

1979年度劇場公開作品
原作 松本零士 監督 りんたろう 監修 市川 昆 
音楽 青木望 作画監督 小松原一男 制作 東映動画

投稿 : 2025/02/01
♥ : 36

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

評価修正 歴史的意義や絵の美しさはあるが、奥行きは現代アニメに劣る。

追記 歴史的意義を排して、アニメ映画として考えた場合の評価について

 アニメ映画は2016年の3本の素晴らしい劇場アニメ以降、乱造されている印象もあります。が、例えば評判の悪い「打ち上げ花火…」とか「君の膵臓を…」「バブル」「ひるね姫」などと比べてさえ、本作とどちらを評価すべきか、という点で考えてしまいました。

 本作は、冒険活劇、少年の成長ストーリー、それぞれのキャラの重厚感などはさすがだと思います。作画もセルアニメとして素晴らしいですし、色彩は最高峰でしょう。
 ただ、現代的面白さ、キャラ造形、感情移入、テーマ性などを2016年以降のアニメの水準と比較して考えた場合、私は圧倒的に最近のアニメ、特にアニメ映画の方が面白いしテーマ性も感じることが多い気がします。

 単純に2016年の「君の名は」「聲の形」、それ以降の「ポンポさん」「ジョゼと…」「岬のマヨイガ」「地球外少年少女」などのアニメと999にどちらを見るのに時間を割きたいか、先に出したアニメの他、2000年代以降に素晴らしいアニメは沢山あります。

 本作について、冷静に今見て感じる映画的な奥行については、残念ながら少年を意識したアニメ作り感が濃厚で、古さが隠せません。
 ガンダム以前のアニメはヤマトなども含めてやはり古すぎて見ているのが辛いです。
「ローマの休日」は教養としての価値は認めても、今更もう一回見ようと思わないのと一緒です。

 ということで5点満点から評価再調整です。100点満点ですと65点でも付け過ぎかなあ。重ねていいますが歴史的価値、当時としての水準の高さはもちろん認めています。




以下 初回レビュー時の評価です。
メーテルと宇宙の黒さが美しい。2度と作れない奇跡のアニメ。

 映像。宇宙が黒いんですよね。すごく。漆黒。まさに深淵。だから、メーテルの金髪がより美しいし、999の黄色く光る窓が一直線に流れて行くのが、幻影的で。キービジュアルを見ていただければ言っていることはわかると思います。
 自然や都市を写真で切り取ったような美しさばかりを最近見ますが、アニメとしての美しさを堪能するって、こういうことなんだなあ、と思います。

 主題歌。42年前の曲です。こんなに歌い継がれていくアニメの主題歌ってこれからでるんでしょうか。壮大で、力強くて、未来的でもあるし、懐かしくて切なくもある。

 メーテル。青春幻影というのにふさわしい。ここまで儚くも美しい女性キャラは他に類を見ません。2作目になりますが「さよなら」のエンディングのメーテルの髪の作画は異常です。なんなんですか、あの作画は?ちょっと今のアニメでもあれには追い付けてません。といいますか、今のアニメの進化の方向だと、永久に再現できないでしょう。

 ストーリー。出会いと別れ。まさに一期一会ですよね。だからこそ、そのときそのときが命がけなのでしょう。だから成長できるのでしょう。そして、それが旅なのでしょう。
 そう。地元を離れよ。知己を捨てて、新しい出会いを求めよ。別離の悲しみを経験しない少年に成長はない。
 今を批判的に語る必要はないですが、少し内向的保守的になった自分から見ると、自分ではもうできないからこそ眩しく感じるし、憧れてしまいます。

 カット割りが短く、エピソードも少し細切れなところに古さを感じますが、驚異的な美しい映像で、古いどころか、今のアニメの安っぽさ、劣化を感じます。
 「旅立つこと」が「別れ」だった旅客手段も情報通信も発達していなかった時代だからこそ作られた奇跡のアニメ映画でしょう。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 9

62.8 2 宇宙海賊アニメランキング2位
劇場版 モーレツ宇宙海賊 ABYSS OF HYPERSPACE -亜空の深淵(アニメ映画)

2014年2月22日
★★★★☆ 3.7 (107)
622人が棚に入れました
白鳳女学院高等部に通う加藤茉莉香は宇宙海賊船・弁天丸の船長。3年生になる目前の春休み、豪華客船での海賊営業の仕事で、乗客リストを見た際に銀河パス所有者の少年・無限彼方がいることを知る。彼方の父で亜空間ダイバーである無限博士との約束を果たすべく、茉莉香はあることを実行するが……。
ネタバレ

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

決断は自分の選んだベスト!

お台場の舞台挨拶付の上映を観てきました

茉莉香が1~2年生の頃を描いたのがTVシリーズでしたが
こちらは2年生~3年生に上がる春休みのエピソード
これは公開時期に季節を合わせてきたのかな?
とか一瞬思ったわけなのですが、
よくよく考えてみると舞台は地球ではなく鯨座宮たう星系海明星
地球とは自転公転の周期が違う上に赤道直下という設定だったはずなので
日本の四季感覚を適用するのはだいぶナンセンスでした
っていうか赤道直下に春休みってなんぞ!?

そんなどうでもいい話は置いておいて本題に入りましょう
今回の劇場版のメインゲストは劇場版オリジナルキャラ無限彼方少年
演じるのは下田麻美さん

下田麻美と聴いて真っ先に思い浮かぶのはおそらく「とかち」だと思いますが
Vocaloid鏡音リン・レンの中の人でもあるので
少年役という事にそれほど違和感はありませんでした
しかし舞台挨拶でのお話によると、こんなにしっかり少年役をやるのは初だそうでした
確かにレンの声のモデルは少年を「演じる」のとはだいぶ違いますし
キューティクル探偵のゆーた君は女装男子で女の子役に近いかんじ
ちゃんとした少年役は初めてに近かったんですね
佐藤監督によるとオーディションの他の声優さんは
もっとキラキラしたいかにも美少年という感じだった中で
ちょっと擦れた感じの演技が決め手になったそうです

これまでのモーパイは周りが茉莉香とタメか年上ばかりの状態からはじまり
途中で増えた後輩たちも女性キャラばかり
年下の男性キャラは全くいなかったんですね
ですから年下の少年目線で見えるちょっとおねいさんな茉莉香
というのがテーマの一つに有ったそうで
それはとてもうまくいっていたと思いました

良かった点がもう一つ
下田さんが「収録があまりに大人数でびっくりした」
と言っていましたが
TVアニメのメインキャラはほぼ総出演といっていい状態
弁天丸クルーや梨里香さん、セレニティ姉妹にランプ館のマミ
ヨット部はOGから後輩たちまで総出演、
チアキちゃんはバルバルーサクルーまで引き連れて出てきます
さらにそれぞれのキャラにしっかり見せ場を作ってあるので
TV版が好きな人には嬉しいファンサービスになっていたと思います

しかし、それはいい方向だけに機能しているとはいえませんでした
彼方が自分の運命を選択し切り開いていく部分が
この映画のメインテーマだと思うのですが
既存のキャラクターたちを万遍なく活躍させた結果
彼方の描写がすごく薄くなってしまっています
作り手側としてはレビュータイトルのセリフが真中にあって
彼方が自分自身の未来を選択していく話を描いているつもりでも
その決断までの心理描写がさっぱり足りていないので
格好いい宇宙海賊のお姉さんに感化され
雰囲気に呑まれて勢いで動いているだけにしか見えませんでした

おなじみのTV版からのキャラたちをメインに動かしつつも
物語の中心にはゲストキャラを持ってくるというのは
この手の劇場版の作りとしては王道パターンだと思います
しかし。それが傑作になるための条件として
既存キャラの力に頼らずとも
そのゲストキャラがメインの物語としてみて面白いことが大事です
原作ファンへのサービスに注力し過ぎて
彼方の物語が今一つ盛り上がっていないのが残念です

もうひとつ気になったのは後半のアクションシーン
監督も舞台挨拶で「彼方が決意した時点で話は終わってるんだけど
でも、折角のスクリーンだし(アクションシーンが)欲しいじゃない?」
と、笑いながら蛇足であることを認めていましたが
あのアクションシーンは個人的には減点要素しかありませんでした
{netabare}彼方の乗るマシンが変形したり、オデット2世とバルバルーサが合体したり・・・
まぁ苦笑いしか出てきませんでした
確かにモーパイファンは一般のアニメファンよりも高い年齢層に多くいます
簡単に言うと超合金世代ですよ
変形とか合体とかそういうのに憧れて育った世代です
だけど、いやむしろだからこそ
そういう要素の扱われ方には敏感なんですよ

某ゲームの分類を借りれば変形とか合体とかはスーパーロボットの領域
それに対して茉莉香達の戦い方は機体性能に依存せずに
優秀なクルーの技術と茉莉香の大胆な戦術によるもの
これらはどちらかというとリアルロボットの戦い方に通じるものがあります
茉莉香達の操っているのはロボットですらありませんが
リアルロボットから人型ロボットというアンリアルな部分を捨て去って
よりリアルに志向させたものが戦闘する宇宙船だと考えることもできます
つまり変型とか合体とかはモーパイの魅力とはベクトルが真逆なんですね
この違和感はTV版終盤のオリジナル部分にもありました
あの時は最新鋭の試作戦艦であると説明されて
なんとなく腑に落ちないものを抱えつつも納得はしましたが
今回で違和感の正体がはっきりした感じです{/netabare}

ああ、でもそんな中で流れた小松未可子さんの「Sail away」は良かったです
劇場まで足を運んで映画を見る意義の一つは
どんな立派なホームシアターでも絶対不可能な音響設備にあると思います
そんな中で、ももクロの例のアレを聞かされてスタートした時はどうしようかと思いましたが
「Sail away」と舞台挨拶だけでも見に行った価値がありました

しかし・・・興行的にはかなり残念なことになっているみたいですね
今まで人気作品の舞台挨拶付上映とか大体チケット取れなかったり
取れてもすごい後ろの方だったりしてきました
それが今回は前から4列目という映画を見るには前過ぎるにしても
舞台挨拶の観覧としては相当な上席が取れたのに
周りにぽつぽつ空席があって自分の左も空いている始末
これは普通の回はほとんど入ってないんじゃないかなぁとは思っていましたが・・・

TV版レビュー
http://www.anikore.jp/review/291621/

投稿 : 2025/02/01
♥ : 19

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

【ジュブナイル】×【サイバーパンク】×【スペオペ】×【ちゃんじゃない】=これぞモーパイの全て!

思春期の決断
大宇宙の冒険
巨大組織の陰謀
電子戦
独特の芝居臭さ
無理やりなドンパチ
そして・・・「ちゃんじゃない」


素晴らしい映画でしたb
『モーレツ宇宙海賊』というシリーズがやってきた要素をオリジナルストーリーながらも全て詰め込んだ贅沢な一作です


「超光速跳躍」の鍵を握る亜空間を研究していた「無限博士」を実の父に持つ少年、「無限彼方」
彼は超VIPの証である「銀河パス」と謎めいたメッセージを放つオウム型のロボット「フリント」を亡き父から託されたと同時に、謎の組織から身柄を追われ宇宙を逃亡していた
逃亡生活の果て、彼を捜していたという宇宙海賊船「弁天丸」の船長「加藤茉莉香」に保護され、行動を共にすることとなる
茉莉香は彼女の亡き父である「加藤ゴンザエモン」と「無限博士」との間に交わされたという約束の謎を明かすため彼方を匿う
やがて彼方を追う組織の目的が無限博士が亜空間に残した遺産にあることに辿り着く
が、彼方と関わる者として茉莉香や弁天丸、やがては白鳳女学院ヨット部までもが謎の組織の標的となっていく・・・


上記した通り、原作には無い(というか時系列的には原作を追い越した)完全オリジナルエピソード
さらにテレビシリーズが持っていた魅力的要素を今作の中に全て詰め込んでくるという大胆な構成を無理なく92分に落とし込んでいます
流石の佐藤竜雄監督、『ナデシコ』以来の劇場版とは思えぬ働きぶりには感服です


また、テレビシリーズでは描写が解り辛かった【電子戦】をSD化されたアバターキャラの動きで可愛く魅せた試みはgood


キャラデザは竹内浩志さんから堀内修さんに変更
キャラの年齢が上がったことを意識したのか全体的に大人びた感じで頭身チョイ上げ、輪郭線スマートに、ムッチリ太腿、下まつげ強調が主な違いか


さらに劇場版らしいスペクタクル要素としていわゆる【ドンパチ】が描かれるのも本作の魅力の一つだと思います
遂に梨理香さんの本気が拝めますw


ドンパチに関しては本来の『ミニスカ宇宙海賊』シリーズの魅力とは離れるという指摘もあるでしょうが、この辺はアニメシリーズ独特の魅力として機能しているので本作にもそれが反映されるのは当然のことと感じております


また、わざわざOPにテレビシリーズそのままの「ももクロ」を引っ張ってきたのもまたアニメシリーズの特徴でありますし、好印象でした


モチロンみかこしの挿入歌、angelaとしょこたんコラボによるEDテーマも不服は無いのですが、強いて言うなればももクロまで引っ張ってきたことだしスクリーンで「Black Holy」を聴きたかった・・・ってのが個人的な本音ではあります(笑)


モーパイファン、スペオペファン納得の素晴らしい一作に仕上がったと思います
拍手です

投稿 : 2025/02/01
♥ : 17
ネタバレ

天啓 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

海賊の時間だ!アゲイン

茉莉香たち弁天丸クルーと白鳳女学院ヨット部の面々が 亜空間ダイバー無限博士の息子
無限彼方を敵の手から救うお話

感想
前半は面白かったんだけどね
後半はなんか詰め込み過ぎてグダグダって感じだったね
劇場版で90分という尺じゃ、このシナリオは無理だったんじゃないかな
OPはTV版と同じモモクロ(個人的にはサビからラストあたりまでが癖になってる曲)

モーパイと言えば茉莉香のコスプレと電子戦でしょ
茉莉香の海賊衣装はやっぱりいいよね

電子戦ももちろんあったんだけど、結末うやむやだし
どうなったんだよ!?
敵の電子制御メッタメタにして敵があたふたしてるところまで描写して欲しかったな

TV版の登場人物ほぼ全員登場させたのは、ファンサービスで、その心意気はいいんだが
逆に尺を足らなくして、シナリオの足引っ張る形になっちゃってる
ちあきちゃん(ちゃんじゃない!)も出したけど、必要あったんだろうか?
なにより、彼方少年の掘り下げ不足から彼方少年を襲おうとする敵の行動原理が不明になってる。


{netabare}亜空間潜水艇が変形ロボって・・・おいおい世界観違うだろ!
オデットⅡとバルバルーサの合体って!? {/netabare}

このためだけにちあきちゃん(ちゃんじゃない!)出したみたいだね
なんか無茶苦茶だ

敵の艦隊とのバトルもどうなったか、不明のままだし

なんか中途半端感が大きかったな

モーパイの設定は好きな部分も結構ある
敵の組織の目的が営利目的で、経済の話を盛り込むところとか
結構好きなんだけど
敵の艦長の[サラリーマンの意地を見せてやれ!]は面白くて爆笑したけど
最大の黒幕がどうなったとかまでちゃんと描写してくれよって感じだった。
色々と不満で後味がすっきりしない作品だった。

まあ、茉莉香の海賊衣装と、[サラリーマンの意地」だけだったな

ちょっと酷評気味になっちゃったけど、モーパイは結構好きなんだ
だから、もっとしっかり作って欲しかったんで辛口にさせて貰いました。
続編もあれば 今度はきちんとシナリオ練りこんでやって欲しいな。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 13

65.1 3 宇宙海賊アニメランキング3位
わが青春のアルカディア(アニメ映画)

1982年7月28日
★★★★☆ 3.6 (20)
112人が棚に入れました
 大人気漫画家・松本零士の代表的なキャラクターである、キャプテン・ハーロック。その若き日の恋と戦いを描く劇場新作アニメ。地球圏に侵攻する宇宙の軍事国家イルミダス。宇宙戦艦デスシャドウの艦長として戦った青年軍人ハーロックは、敵に降伏した地球で敗北の苦渋を噛み締める。そんな中、先祖の奇縁で結ばれる男・大山トチローと出会った彼は、トチローが秘密裡に建造した新造戦艦アルカディア号に乗船。恋人マーヤや女海賊エメラルダス、そしてトカーガ人ゾルたちの支援の中、ハーロックは再び、敵の司令官・武人ゼーダが率いるイルミダス軍に戦いを挑んだ。1970年代末から製作されてきた東映動画(現・東映アニメーション)による松本零士原作劇場アニメ路線の総決算的な作品。監督は、長編版『宇宙戦艦ヤマト』シリーズなどに参加した勝間田具治が担当した。ハーロック一族の先祖に遡る、三つの時代のハーロックの冒険と戦いが劇中で語られ、最も早い時代に登場するファントム・F・ハーロックI世のCVを石原裕次郎が担当したことも大きな話題になった。

声優・キャラクター
井上真樹夫、富山敬、田島令子、武藤礼子、池田秀一、鶴ひろみ、山本百合子、石田太郎、青野武、高木均、森山周一郎、柴田秀勝、石原裕次郎
ネタバレ

ろき夫 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

そして伝説へ・・・

最強の宇宙海賊キャプテン・ハーロック
アニメ史に輝かしく刻まれるその名は今なお色褪せることはありません。
劇場版・銀河鉄道999ではすでに最強の男として登場してきたわけですが
本作ではその伝説の始まりが描かれています。

若きハーロックが何を見て、何を感じ、どう決断してきたのか・・・
その過程が、哀愁漂う映像と音楽により、大人な渋みのある雰囲気で表現されます。
銀河鉄道999が子供まで楽しめる大衆向けなのに対し、すこし違った嗜好性を感じます。
まさにハーロックファンの期待に応えて作られた作品ということなのでしょうか。
良くも悪くも初見お断り感が強めです。キャラを知ってないと恐らく楽しめません。
なので劇場版・銀河鉄道999を観てからがおススメです。

本作のテーマを彩るのは友情と夢、愛しき人への愛情、そして決して折れない生き方。
そんな満ち溢れる男のロマンと美学。
これだけ揃ってれば男を酔わせるのに酒なんて必要ありませんねw
「夢は、人がそれを見捨てない限り消えることはないのだ」
ハーロックさんの冒頭のセリフが弱った胃にしみます。
捨てた夢やロマンの分だけ、人は酒に酔うのだ。
なーんてよく言われますけどね。どうなんでしょうw
「苦楽を共にするわが青春のアルカディア」かぁ~。
なんてカッコいい響きなんだろう・・・。

個人的に好きなシーンはやはり、アルカディア号が勢い良く飛び立つところ。
アルカディア号少し頑丈過ぎるのはご愛敬? いや、トチローの腕が凄いのかw
銀河鉄道999しかり、旅立つシーンで感じさせる夢とロマンがこのシリーズの魅力の一つですね。
敗北を知り、挫折し、それでもなお諦めず戦い続けるハーロック。
とても清々しくてカッコ良くて・・。当時子供だったら純粋に憧れていたんじゃないかと思います。

ハーロックとトチローの因果関係も印象的でしたね。
{netabare}世代を超えて繋がり続ける男の友情!まさしくロマンだけで構成されてるw
しかし、カッコ良く生まれるのはハーロックの血統を受け継ぐ者の宿命のようですね。
血は争えないというヤツですか・・・



というか遺伝かっ!

ハーロックのあのカッコ良さは遺伝だったのか!

妙に納得。
トチローが気の毒。まあ中身はカッコ良いけど・・。
でも遺伝って生き方にも影響を与えるものなんですねw
遺伝の偉大さをこの作品を通じて改めて痛感した気がします。{/netabare}

って、そんな作品じゃあないですよねw
すいません。

そんな感じで確かに細かいツッコミが自然に湧いてきますが
その辺はあまり気にせず雰囲気を味わった方が良さそうです。
でも、未だにエメラルダスの立ち位置が把握できないw

ハーロックや、その仲間たちへの想いがぎっしり詰まっている本作。
観れて良かったと思います^^

そしてなんと今年、キャプテン・ハーロックが30年ぶりに映画化されるみたいですね!
総製作費3000万ドル、フルCG、スタッフ関連のことなど胡散臭い話題満載ですが・・・すごく観たいw

投稿 : 2025/02/01
♥ : 11

ひげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

俺の旗の下で、俺は自由に生きる

日本の元祖?宇宙海賊、ハーロック様です。運営様ありがとうございます。ほんとご苦労さまです・・。この作品が私の棚にないのは耐えられん。


宇宙なのに旗がはためく?ガンダムみたいにガスでてんじゃね・・。
宇宙なのに船外で操舵してる?バリアがあるか、あの世界は空気あんじゃね・・。
大戦時の照準器なんかなんであんな未来で使うの?かっこいいじゃん・・・

余談ですが・・昔知り合いの蔵から日本軍の爆撃機用とドイツ製の照準器発掘されたけどすごい値段で売れたらしい・・。当時も高いからイチイチ外してたらしいね・・。さすが『俺の眼』


私の中でアルカディアといえばこの作品。
我が家のVHS遺跡のなかにもちろんある。
分かってないと言われようとも、ヤマト、999よりも大好き。
子供のころの夢は「宇宙海賊かガンダムのパイロット」だった。西部警察もはいってたけどw

先祖役にその西部警察のドン、裕次郎が出てる。ここんところはギャラ的な意味でもw賛否両論らしい。
その石原ご先祖ハーロックⅠ世のアバンからはじまって、ドイツ軍のメッサ-シュミットを駆るエース、ハーロックⅡ世とトチローの先祖、敏郎の話からはじまるんさ。
そこんとこのノリは松本節で・・ツッコミどころはある・・がアツい。
その友情が時を越えて・・・というストーリー。
キーアイテムがレヴィ照準器というw

ハーロック作品像がひとそれぞれあるとは思うのですが、私は
このヤマトの風味も若干はいったアホくさい映画版が大好き。
続編は不人気で打ち切りだったらしいけど。
時代的にガンダムの流れにぶっ殺されたんでしょうね。それはいい。現在となっては、
ロボット系、ガチSFのおかげで松本作品はあくまで浪花節なロマン、ファンタジーだということを認識させてくれる。


あと「アルカディア号」のデザインね。劇場999から人気の高いモデル、本作もふくめデザインが最高っす。バンダイさんのハーロック号なるプラモはでかいのもちっこいのもあります。作ってないけど・・。

で、裏設定といか作者脳内設定でこの方「古代守」らしいです。オトナの事情も合ってできなかったとかなんとか。

近年リメイクされても今のご時勢なんだか人気が出ない・・。
やっぱり萌え成分が足らないのか・・。

変な言い方だが客観的にはキャラ、人物相関とメカが強烈にかっこいいだけなので、ストーリーはなんとでもつくれるからなぁ。好きな人たちにもういちどやってほしい。ヤマトが売れればあるいは・・。
声はもちろん山寺さんな。
井上さんが至高なのは間違いないけど。


とにかく私にとっての永遠のヒーローはこの方なのでございます。





投稿 : 2025/02/01
♥ : 7

gkc さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

男の世界です!

この作品は「わが青春のアルカディア」となってますが、
元は「宇宙海賊キャプテンハーロック」という1970年代の作品です。

↑の元のアニメは40話以上あって、絵も古いし、お話の内容もなんとなく覚えているので、今回はこちらの劇場版の方を見ました。

主人公が突出してかっこいい、大人の男。
友情・正義・反逆・自由・ロマンなどの古臭いテーマを

無骨に描いています。

お若い人はあまり見る機会が少ないと思いますが、このキャラクターは実はすごい人気のあるキャラクターなんです。

風貌、セリフ、人格と硬派な抜群の二枚目です。

しかし、私もいい年ですが、私から見ても古い感じがする印象。

気づきますとワザと「古臭い昔っぽい男」としているんでしょうね。

「友情」「男らしさ」「正々堂々」のような世界がお好きな方には超おすすめ。

この劇場版も1982年の作品らしいですが絵に関しては古いながらも充分見れると思います。

この作品はFC動画で見ることが出来ました。

9月にまた、映画になるそうです。
小栗旬くんがハーロック役だそうですが、大丈夫かな?www
すごく渋いキャラクターなんですが・・・
小栗旬くん自体はいいと思いますが・・・

投稿 : 2025/02/01
♥ : 1
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