学校生活おすすめアニメランキング 3

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの学校生活成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年02月21日の時点で一番の学校生活おすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

71.8 1 学校生活アニメランキング1位
時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (298)
791人が棚に入れました
久世政近の隣の席に座るアーリャさんは、いつも彼に対して冷ややかな目線を向けている。けれど、時々ボソッとロシア語で彼にデレていて......。 その言葉を政近も聞き逃しはしない。 なんと、政近はロシア語のリスニングがネイティブレベルだったのだ!! 気付いていないと思い込み、時々デレるアーリャさん。 そして、その意味を理解しながらも、気付いていないような振りをする政近。 ニヤニヤが止まらない、二人の恋模様の行方は——!?
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

4話 無理に政近を持ち上げる話が決定的に面白くないです。中断かな。

1話 足の指の作画がすごい。それとOPEDは一見の価値あり。

{netabare} お隣の美少女系のラスボスなんでしょうか。結構題名は聞いた気がします。だからでしょうか、作画はいいですね。動きはそうでもないですが造形は綺麗だと思います。

「なんでこんなやつがモテるんだ」系ご都合主義ハーレムラブコメではあるんですけど、ロシア語で独り言を言うという設定はなかなか面白いですよね。思考が読める一種のテレパシーものに近い感覚です。

 作画・キャラデザは顔はテンプレなのはいまいちです。髪もつやつやしていいんですけど、髪がなびかないのは良くないですね。あと、アホ毛はそろそろやめましょう。
 太ももは今時らしく結構太ましいかな?絶対領域の質感はそれほどでもないです。
 ですが、足指の作画が綺麗で驚きました。CGモデル…ですよね?最近は区別がつかないので何とも言えません。違うのかなあ…とにかくヒロインの足指の形状は素晴らしかったです。

 それとOPEDのアニメの凝り方もすごいですし、EDアニメの作画スタッフは「#01エンディングアニメーション」となっていたし、キャラソンだったので、毎話変えてくるんでしょうか?だとすると相当気合いが入ってます。絶対領域の質感も本編よりいいです。このEDだけでも見る価値はあるかも。

 ということで、本作は見る気がなかったのですが、他のアニメの続きでいつの間にか始まったので見始めたら、結構見るべきところがあってちょっと驚きました。 {/netabare}


2話 アーリャのMプレイが主体?そして毎週1パンツ。

{netabare} 本作の見方はアーリャがいじめられるMプレイを堪能するということでよろしいでしょうか?
 心の内面を公開され、苦手の辛いものを食べさせられ、着替えでも恥ずかしい恰好を見られる。そういうマインドを計算しているのかどうかわかりませんが、無自覚やられ萌えキャラとして愛でる感じです。それと毎週1パンツかな?
 恋愛は今のところおまけかな。生徒会がらみと家族関係でストーリーは作るのでしょう。

 そうそう、妹=幼馴染設定はかなり強引ですが、これもアーリャの勘違いでヤキモチプレイの一環なんでしょうか?

 今週のEDは曲を知りませんでした。もうちょっとメジャーな曲でお願いします。まあ、一応調べましたけどね。

 あと、試着室の着替え…20分43秒のアーリャの四つん這いのポーズですが、脚のデッサンおかしくないですか?かなり違和感がありました。

 視聴継続は…まあ、ありかな。話が展開するまで見てみたい感じですね。{/netabare}


3話 あれ?パンツとロシア語のデレは?

{netabare} 出会いとデレを入れないと説得力がないのはわかります。わかりますけど、どうしてこう理に走るんでしょうね?アーリャの性格はわかりますし、文化祭のところの裁縫のところまでの心情は結構共感できます。

 一方で政近の解決方法はちょっと…いやかなり不自然です…裏での暗躍とクラスのメンバーの動きが想像できません。つまり、2人の関係性を作るための虚構感をものすごく強く感じます。「ごめん」のところはわざとらしすぎて身もだえしました。なぜ、童貞妄想系のラノベはこういう理屈を作るかなあ…と本当に余計なことを…という感じでした。
 
 そしてその後のアーリャのデレの心の動きが理解できませんでした。これを入れるくらいなら出会いは「遅刻食パン」の方がましかもしれません。2人って幼馴染だったんですよね?もうちょっとそっちの話を利用すれば自然な展開になるのに…そうだ、そもそもロシア語設定があるんだから、アーリャの気持ちを先取りできて惚れられるでいいじゃないですか。これだとロシア語が出オチになってしまいます。

 今回の展開で特に主人公の作り物感がものすごくでました。もっと薄いキャラにして視聴者が自分がそこにいたら…という妄想にふさわしい薄いキャラにすればいいのに、と思いました。

 真面目に言えば、シリアスをやるならそれなりの覚悟が必要です。アーリャにその性格造形を持たせた以上、それをテーマにした話を展開できるのでしょうか?できないなら入れるべきではないエピソードでした。

 ということで、評価はがた落ちです。がた落ちですが、来週ちゃんとルーティンのパンツとデレがあれば許しましょう。そう…大事なのは型です。

 でEDは「みゆき」のOP?ED?忘れましたが「想い出がいっぱい」ですね。私の印象だと別れの曲のイメージなんですけど、この作品の結末がそうなる暗示なんでしょうか?
 毎週歌は聞くと思いますが、中途半端な展開だと継続はどうしようかな、と思い始めてきました。 {/netabare}


4話 無理に政近を持ち上げる話が決定的に面白くないです。中断かな。

 うーん、話が面白くないです。1,2話は結構面白かったんですけど。エロシーン云々というより、4話のサッカー部と野球部のあれはなんですか?何か感心するところとかありました?
 
 普通高校のグラウンドの予約なんて曜日ごととかで決まってだろうとか、あれだけでかい高校でサッカーと野球のグラウンドが競合しているんかい!という突っ込みはさておいても、解決方法になんのヒネリもないです。アーリャがウニャウニャ言っていたのを政近がはっきり伝えただけでは?手伝いというのはありましたけど…

 生徒会室の問答もこいつら何言ってんの?としか思いません…なんでしょう、ドラマがないというか、エピソードで見せてよとしか言いようがないです。あのシーンで面白い・感動・感心・ほっこりなどの感情の動きはまったく感じませんでした。

 3話の中学生が文化祭でお泊りで準備するとかいう話もそうでしたが、無理やり作った政近スゲーの話がまったく刺さりません。3,4話って話の流れとして非常に不自然で、単にアーリャを下げて政近を上げるためだけの話でした。

 これは正直想像以上に面白くないです。EDのチョイスも良くわからないし。失礼ながら声優さん、決して歌が上手いわけでもないし。

 これは…一旦切ろうかな…アーリャは可愛いですが、話が決定的に面白くないです。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 9

Witch さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

4話まではよかったが・・・木を見て森を見ず

【レビューNo.152】(初回登録:2024/11/10)
ラノベ原作(なろう発)で2024年作品。全12話。
当初はタイトル切りしてましたが、ABEMAの一気見配信を観てたら
「思ってたやつと違うかも」でちょっと期待したのですが・・・


(ストーリー)
私立征嶺学園に通うアリサ・ミハイロヴナ・九条(アーリャ)は、ロシア人
の父を持つ銀髪ハーフの女子高生。
努力家で成績優秀・スポーツ万能の才色兼備で、生徒会役員も務めている。
そんなアーリャの隣の席にいるのは、やる気のないアニオタ男子・久世政近。
アーリャはいつも彼に対して冷ややかな目線を向けているものの、時々ボソ
ッとロシア語で彼にデレていて・・・
しかしは政近は幼い頃にロシア語を話す幼馴染がいたので、彼女のデレを理
解できるのだった。
そのことを知らずにロシア語のデレを繰り返すアーリャと気付いていないよ
うな振りをする政近。
そんな日常も政近が生徒会に誘われたことから変化し始めるのだった。


(評 価)
・4話まではよかった
 当初は上述の通り「どうせいつものツンデレであざといやつやろ」とタイ
 トル切りしてたんですよね。
 でもABEMAの一気見配信をたまたま観たら・・・
 一番感心したのが序盤で政近やアーリャというキャラがしっかり描かれて
 いたところですね

 ・政近
  アニオタのモブ的存在かと思ったら、能力を隠した有能キャラ。
  アーリャへの助太刀でコミュ力が高く調整能力にも秀でた一面を披露。
  それをイヤミなく描いていた点がGood!
 
 ・アーリャ
  努力家で何事にも全力を尽くす性格は美徳だが、それゆえに周りとの確
  執を生むことも。
  (周りと衝突したり、人に頼ることが出来なかったり)
  何でもできるスーパーヒロインではなく、そういう不器用な欠点に悩む
  1面を描いていたところがGood!

 そんなアーリャをみて、彼女が本気で生徒会長を目指していることを知ると
 政近も心を動かされ、共闘を呼びかけ彼女の手を取るという。
 ここまでが4話までの流れですが、これはダークホースが来たかと期待が高
 まったのですが・・・


・5話以降は消化不良 →木を見て森を見ず
 ところが5話以降が期待外れ。
 一番の問題が政近の「有能キャラ」という扱いの難しさ。
 上述のように掴みはOKだったのですけどねえ・・・
 名門「周防家」(今は両親が離婚して久世姓)で英才教育を受けたので、
 有能らしいのですが、ホワイトルーム出身の某主人公かよwww
 主な戦場は生徒会長選になるのですが、どことなく中途半端さや尺のバラ
 ンスの悪さが気になりましたね。
 ・よく分からないまま「えっ、それが主軸になっていくの?!」みたいな
 ・政近が「俺tueee」で出張ってきた分アーリャの魅力が薄れた印象
  (シナジーでなくアナジー)
  → 有能さアピールもサポートというより概ねアーリャの”子守り”に
    みえてしまうのがなあ

 また「周防家との確執」的なものもあるようですが、この辺も1期では特
 に深堀されることもなく、今のところ「周防家」という設定がむしろ過剰
 要素になっているという印象ですね。

 「周防家」といえば、周防有希という政近の実の妹(同学年)がいて、
 彼女がアーリャの生徒会長選の最大のライバルになります。
 しかし彼女も
 ・周りには兄妹と知らせず幼馴染で通しており、普段は猫を被っている
 ・実は重度のブラコン(しかもアニオタ)でそのノリで政近に迫ってくる
 という観ていてイタイキャラの方が目につくって感じですね。
 彼女も「周防家」ということで有能らしいのですが、やってることはアー
 リャの動揺を誘うなど、相手を下げる行為に知略を使ってる感じで、ここ
 でも「周防家」という設定がなあって感じなんでよね。

 またアーリャについても「ロシデレ」が出オチ的になるのはやむを得ない
 としても、恋愛要素はとってつけたような感じになり、イマイチ物語にハ
 マっていない感じがしました。
 どちらかと言えば、1期は生徒会長選前哨戦を経ての「アーリャの成長譚」
 という側面の方が強く「コテコテのラブコメ展開」を期待した層には肩透
 かしだったんじゃないですかね。
 それに上述の通り政近に”おんぶに抱っこ”というマイナス感も否めないし。

 全体像から見ると話がいろいろ膨らむように設定を盛ったり、多様化を描
 こうしたものの、「木を見て森を見ず」って感じで、個々の要素が点にな
 ってしまい、作品の方向性がぼやけてしまったという印象ですかね。
 (この辺は後述の構成の問題の影響かもですが)


2期も早々に決定のようで、1期の構成をみると2期まで視聴してようやく評価
できる作品のようにも思いますね。(分割2クール的な)
とはいえ、2期も積極的に観たいかと問われれば返答に困るところw
唯一琴線に触れた(かぐやさまの早坂風ギャル)宮前乃々亜の出番が増える
なら考えてもいいかなあ(笑)


(追 記)
「ロシデレ」は原作ラノベの売り上げが1巻から凄かったらしく、2巻をあの
『涼宮ハルヒ』と同数にて制作決定するなど、市場が縮小傾向にある最近の
ラノベ界ではかなり異例の存在のようですね。
で、アニメ化前で260万部、現在は500万部達成と絶好調のようです。
最近ではラノベを原作としたコミカライズがけん引というケースが多い中で、
ラノベだけで500万部というのは、『とらドラ』『はがない』クラスに相当す
るのだとか。
そういえば2年位前に「ロシデレ」がかなりきてるって話を聞いたのを思い出
したわw

>これはダークホースが来たか
私が知らなかっただけで、始まる前は実はド本命だったようですね。
でもアニメの評判はやはり芳しくないようで、分析によるとカットの取捨選択
でミスったとか原作自体のアニメ映えの難しさみたいなものがあるようですね。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 15

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ツンデレじょうずのアーリャさん

男性向けのハーレムラブコメ

でもこれはラブコメなのか?
ラブコメ見てるはずなのに、チートアニメを見ているような気分

アニメのデキはとても良くて、しっかり美少女達の可愛さを引き出せていますね

隣の席のクールビューティー美少女が日本語ではつれない言葉だけど、ロシア語では大胆にデレていて、実はロシア語理解している主人公がドキドキするラブコメ・・・なんだけど、次々とキャラの濃い美少女が表れるし、主人公は実は超ハイスペックで学校で無双して美少女たちにモテモテな様子はまるでなろう系主人公のよう
主役はアーリャさんのハズなのに、どんどん影が薄くなっていきます・・・

話はホントに学園版なろうって感じで特に面白くない。
相手に通じてないと思ってただストレートに気持ちぶっちゃけるだけで、ロシア語なんておいしいネタをうまくいかせてないのも勿体ない

でもかわいいからそれで充分でしょ、知らんけど

1話からミニスカートで靴下履かせて~って言いだして切ろうかと思った

投稿 : 2025/02/15
♥ : 17

65.3 2 学校生活アニメランキング2位
ぷにるはかわいいスライム(TVアニメ動画)

2024年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (46)
130人が棚に入れました
これはスライムのぷにると中学生のコタローがともだちじゃなくなるまでの物語…… 河合井コタローは中学2年生男子。小学生の時に作ったスライムに命が宿り、以来7年間、ぷにると名付けたスライムと“ともだち”として仲良く一緒に過ごしていた。ただし、コタローにとって一つ問題が……。 7年という月日でお互いが大きくなり、ぷにるの姿が超絶美少女に大変身したのだ! 美少女な姿以外にも、スライムとしてあらゆるかわいい姿に変身するぷにるの自由気ままな言動に、毎回ドキドキと振り回されてしまうコタローの前途多難な日々。 果たして、ぷにるとコタローは“ともだち”として、仲良くずっと一緒に過ごせるのか!?

snow さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

気楽さ王<56>

原作は割と序盤で読むのやめてたけど、アニメでの雰囲気の良さで完走。
視聴の気楽さで流し見前提ではめっぽう強く、毎回たわいのない話からEDで今回これが出てきたなぁくらいのゆるいルーティンが心地よかった。

わちゃかわいい<54>
4話まで視聴。
視聴するはずの他作品が2本ほど存外に視聴感が悪く、わちゃわちゃした雰囲気で流し見にノーストレスフィットな本作の視聴復活。
観る観ないボーダー上だと評価基準が面白さよりノーストレス優先やね。
変身バンクをCMスキップで飛ばそうとしたらこの話数から短くなってましたね、くらいの視聴姿勢だけど。

コロコロ初の日常ラブコメはメスガキ系<53>
1話視聴。
コロコロ初の日常ラブコメはメスガキ系でした、というところで出落ちな作品。
話は掲載誌にふさわしいやつなので、どうアニメ化されたかは観たくても観続けるには当方の癖が不足気味。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 0

lostmemory さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

子供向けを偽装した大人向け

ドラえもんとかアンパンマンとかもそうなんだけど、
子供向けに見えて扱っている内容が凄く社会的テーマ
かつ哲学的な内容の作品のタイプ。絵柄は子供向けだし
ギャグとかは昔からの定番みたいに見えるけど、それらは
重いテーマを軽く見せる手段に過ぎない。

特にこの作品ではジェンダーフリー、多様性といった性の
あり方を中心に愛とか恋とは何か。可愛いとは何か。
好きとは何か物と人間の違いとは何かとか普遍的な
哲学的なテーマも同時に扱っている。

今期のアニメで一番考えさせられる作品と言っても過言では
無い。アニメは所詮は娯楽なのでこういう作品が増えるのは
どうかと思うが、こういう作品がたまにあるのは個人的には
歓迎したい。

あなたにとって、ぷにるはどう見えますか?どう感じますか?
かわいいスライム。というタイトルが既に私を凄く悩ませて
いる。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 1

大重 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

子どもの性癖を壊す話と話題になっていましたね

子供向けなのにちょっと大人向けで、性癖が壊れる、みたいなことで以前話題になっていましたね。

それがアニメになって…。
まあ、確かになかなかおもしろかったです。
ぷにるは可愛いですね。

後は友人2人がいい味出していましたね。

ただ、間違いなくなかなか面白かったですが、基本は子供向けなのでガツンと面白いかというと…。
まあ子供向けなりですね。
見るかどうかは…。
まあ、見ないかもしれませんが。

でも、楽しくて結構面白かったです。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 0

75.5 3 学校生活アニメランキング3位
窓ぎわのトットちゃん(アニメ映画)

2023年12月8日
★★★★★ 4.1 (23)
80人が棚に入れました
好奇心旺盛でお話好きな小学1年生のトットちゃんは、落ち着きがないことを理由に小学校を退学になってしまった。そんなトットちゃんは、新しく通うことになった東京・自由が丘にあるトモエ学園の校長先生に、「君は、ほんとうは、いい子なんだよ。」と優しく語りかけられる。子どもの自主性を大切にする自由でユニークな校風のもと、トットちゃんはのびのびと成長し、たくさんの初めてを経験していく。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

本当に、いい子。いい映画。脱帽です。

戦前~戦中期。幼少の頃のトットちゃんこと、黒柳 徹子さんの体験を描いた同名の自伝的小説(未読)の劇場アニメ化作品。

【物語 5.0点】
戦争の時代が舞台だが、メインで描かれるのはトットちゃんの子供目線。
“聖戦”の大局よりも{netabare} 新しく来る電車の“校舎”{/netabare} や級友たちのことの方が大切だった童心が鮮やかに再現されます。

“困った子”として、どの小学校からも拒絶されたトットちゃんをも、
「君は、ほんとうは、いい子なんだよ」と自由な方針で受け入れたトモエ学園校長の教育者・小林先生の生き様。
小児麻痺(ポリオ)の同級生・泰明ちゃんとの交流。
などもプロットの柱となる。


構成は、前半、空想上の世界も含めたトットちゃんの奔放な言動で、
トモエ学園の春夏秋冬の子供たちの日常を取っ散らかしているだけのようにも見えて。
自伝だから体験を羅列しているだけかな?と油断させておいて、
散りばめられた要素は後半一つ残らず見事に回収される。
無駄なシーンは何一つない。練り上げられたシナリオに驚嘆させられます。


戦場について、直接描くシーンは少ないですが、
女児にママをお母様と呼び直させる戦時の同調圧力など、
軍靴に内心の自由が踏み荒らされる理不尽や、
取り締まる官憲に対して直接衝突を避けつつ、売り渡したくない魂をどう守るか。
この辺りの心の機微や矜持については繊細に描写されており、痛切です。

終わってみれば、戦争、障害、差別、教育と取り扱い困難な骨太なテーマをも消化して、鑑賞者の心に残してくる。
史上でも屈指の伏線芸術点の高さに私は5.0点満点付けざるを得ません。
{netabare} チンドン屋{/netabare} に始まり{netabare} チンドン屋{/netabare} で終わるw
暗いだけじゃない同時代の空気に感化されながら、心で読み解きたい名作です。


【作画 5.0点】
アニメーション制作・シンエイ動画

ハイレベルな作品公開が続いた本年アニメーション映画の中でも最高峰の作画。
最初、私は、簡素な人物デザインだな?と高をくくっていましたが、
冒頭トットちゃんが自身の頬をこするカットで、表情筋が豊富に詰まった見応えのあるアニメになると、
私も本気モードのスイッチが入りました。

トットちゃんら子供たちの躍動についても、ちょっと目を離すと車に惹かれそうになる。
『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』などのテレ朝アニメで、長年危なっかしいお子様の行動を取り扱って来た同スタジオならお手の物です。


戦前、戦中のくらしを再現する小物描写も、ガラスや鏡の傷みなどの面倒くさい部分も含めて手を抜かず再現。
氷で冷やす冷蔵庫、マッチで着火するコンロなど時代考証も上々で、
当時のくらしへの興味と共に、日常シーンが続いても鑑賞集中力が持続します。

戦前日本は電髪(パーマ)、洋服、喫茶店にキャラメルと、
実は欧米文化の流入が極致に達した時期でもあります。
それをいざ開戦となったら「ぜいたくは敵だ」などと俄に拒絶し弾圧する風潮。
背景美術やポスターによる、時代の滑稽さと恐ろしさの表現も良好で没入させられます。


何よりアニメーションであることの利点が最大化されるのが、
少女・トットちゃんの脳内で花開く空想ワールドの数々。
各空想シーンごとに、それぞれ作監を付けて表現する力の入れようで、
{netabare} 土砂降りの水たまりで、トットちゃんと泰明が、
歌うことを禁じられた曲のリズムをリトミックで鳴らした{/netabare} 珠玉の場面も映像化し、
長年、映画化の話を断り続けて来た原作者の高い要求に応える。

聖人ではない、ちゃんと喧嘩もできる障害者の取り扱い、
{netabare} 子供たちが真っ裸で遊ぶプールな{/netabare} ど、
“官憲”気取りのクレーマーに火を付けられるリスクを恐れずに描写した勇気も含めて、
本作の映画化がアニメで良かったとの感謝と共に、ここも5.0点付けさせて頂きます。


【キャラ 4.5点】
どの登場人物も戦前・戦中だから、外れ者だから障害者だからと、
変に偶像化されず人間として描かれており好印象。
ここでは特に小林先生についてだけ。


昔、讀賣新聞・終戦の日企画として、戦争当時の体験についてのアンケートが記載。
そこで私の目を引いたのが、教師への強い不信感。
戦前・戦中と軍国主義的な教育によって散々、戦意や国威発揚を煽って置きながら、
戦後一転、教科書を黒塗りにして反戦・平和を叫ぶ。
いい加減極まる大人たちへの怒りを引きずったコメントの数々を見て、
時代に流された信念なき教育の断層の根深さと、
そこへの反発から怪物の如き知識人、為政者の類が多数跋扈(ばっこ)して、
戦後社会をかき回したのもむべなるかなと凄く納得した記憶が。


だからこそ、本作にて、荒れ狂う時代においても自らの教育方針を曲げなかった、
トキワ学園の小林校長先生という信念の教育者の実在を多くの人々が共有することは意義深いことだと私は感じました。

小林先生は{netabare} トットちゃんが汲み取り便所に落とした財布を探して糞尿を掘り返す{/netabare} などの子どもたちの奇行も基本遮らないし、
どうしても叶えられない願いに対しても、{netabare} トットVS泰明の相撲を腕相撲{/netabare} に切り替える柔軟対応で童心を尊重する。
一方で、{netabare} 尾てい骨{/netabare} に関して生徒の子供心を傷つけてしまった大石先生の失策は厳しく叱責する。

温かさと厳しさのコントラストすら素敵な名教師でした。


【声優 4.0点】
主演・トットちゃん役には子役・大野りりあなさん。
台本は他の登場人物のセリフも含めて全て暗記する。
息遣いにも感情を込める。
出来すぎて心配になるくらい意識の高い演技で作品を牽引。

泰明ちゃん役の松野 晃士さんらクラスメイトのキャスト陣との良好な掛け合いも含めて、
本邦の子役の層の厚さを再認識。


小林先生役には役所 広司さんに八鍬監督自らがディレクション方針などを綴った手紙をしたためてオファー。
渋みのある落ち着いた演技で、仏の教育者に時折のぞく激情なども押さえる好演。


その他、俳優・タレント陣中心で固めた脇のキャストに関しては、
上記2人程ではない標準的な俳優のアフレコ。
良い面もあったけど最適ではない位の印象。

ただナレーションも務めた黒柳さん御自らに、
小栗 旬さんの声はパパと「声の雰囲気が似ている」とか言われたんじゃ、
降参するしかないんですよねw


【音楽 4.0点】
劇伴担当は野見 祐二氏。
基本BGMより雨音、蝉の声など四季のSEによる当時の空気感を重視した構成。
劇伴を挿入する際も、当時になかった楽器はアレンジしない方針で、
再現した時代の雰囲気を壊さないことを重視する。
が、ここぞの場面では、オーケストラの心情曲で盛り上げてくれます。

トットちゃんの父が日本屈指のバイオリニストということでクラシックの起用もあった本作。
{netabare} 自分のバイオリンでは軍歌は演奏したくないと、魂を売り渡さなかった明け方のパパの独奏。印象的でした。{/netabare}


ED主題歌は、あいみょん「あのね」
単体で聴くと変哲もない同歌手らしいラブバラード。
エピソードを踏まえた上だと、雨情の記憶など、相応の化学反応で余韻に浸れる。
まずまずのテーマ曲。


【余談】
原作は世界でもベストセラーになっていて、特に中国では1000万部と日本以上の発行部数を誇る人気ぶり。
最近『すずめの戸締まり』が中国公開の日本映画の興行収入記録を塗り替えましたが、
本映画にも相当な海外興収のポテンシャルがあるのではないか?と睨んでいます。
案外、海外市場での資金回収の算段が、細部までこだわるアニメーション、製作委員会への強気の予算出資を後押ししたのでは?と邪推してみたりw

投稿 : 2025/02/15
♥ : 16

薄雪草 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

今年度ベストバイだと思います

あまりにも有名な作品「窓ぎわのトットちゃん」。

その映像化を、長らく、本当に長らく、心待ちにしていました。

ましてや、アニメ化で鑑賞できる機会が得られるなんて、どんなに幸せでしょう。



テレビで拝見している黒柳さんの幼少期の物語。

黒柳さんご自身が、実写では難しいとおっしゃったとおり、アニメならではの表現性のクオリティーがとんでもないと感じました。

演出、構成、キャラデザ、美術、音楽などもそうでしょうが、スクリーン越しに伝わってくるのは、トットちゃんの持つイメージの豊かさ、自由さです。

それは、そのまま黒柳さんの目線であり、琴線なんだと受け止めました。



開戦を挟んだ世相の大きな変化。
生命の重さや、弱者が蔑ろにされる日常。
何より、トットちゃんの心の隙間に忍び込んでくる悪夢。

トモエ学園を中心にしたトットちゃんの暮らしぶりに触れながら、今日の黒柳さんの笑顔や言葉を形作っている、たくさんの夢・希望・祈りが、いたく胸に染み込んできました。

トットちゃんと一緒に、泣いたり笑ったりできた作品。
私は、もう少し彼女に近づきたくて、どうしても次作の映像化を恋しく思いました。

皆さまも、どうぞご覧になってみてください。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 13

メガマインド さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

黒柳徹子の自伝が上質なアニメーションに

トットちゃん(のちの黒柳徹子)は君は本当はいい子なんだよ!!

お茶の間で有名な黒柳徹子さんの自伝の映像化です。

90歳(すごい)を超える方で

監督は八鍬新之助

ドラえもんのび太の日本誕生、大魔境のリメイク、月面探査記やドラえもん作品に

携わること多い方

割と良作の部類に入るドラえもん作品を数多く手掛けています。

最近の映画は戦後や戦争中の日本社会を描く作品が多いなと感じました

最近だと

君たちはどう生きるか、ゴジラ-1.0、ゲゲゲの謎

この作品もしかり。

ずいぶん前だとこの世界の片隅にですね。





原作読んだことないのですが感想といたしましては素晴らしい作品でした。


舞台は第二次世界大戦中の日本

いまじゃ狭い教室の中で、決められた科目を勉強するのがあたりまえだけ

ど、

トモエ学園は自由に自分の好きな科目から勉強できる

学校教育についてかんがえさせられる。

差別もなく、身体障碍者にも手を差し伸べるトットちゃんのやさしさ。




平和な日常の中で徐々に見え隠れする戦争、貧困の描写は不穏極まりなかっ

たが子供から先生や大人まで悪い人は一人も出てこない

優しくも儚い。


子役二人の声優の演技が良い



お話だけでなくクレヨンで描いたかのようなアニメーションの表現にも注目

投稿 : 2025/02/15
♥ : 6
ページの先頭へ