姉さんでオリジナルアニメーションなTVアニメ動画ランキング 2

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の姉さんでオリジナルアニメーションな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月13日の時点で一番の姉さんでオリジナルアニメーションなTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

86.4 1 姉さんでオリジナルアニメーションなアニメランキング1位
東京マグニチュード8.0(TVアニメ動画)

2009年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (2698)
13851人が棚に入れました
中学1年生の小野沢未来は弟の悠貴のお守りとして一緒に東京のお台場へロボット展を見に来ていた。その最中、東京にM8.0の海溝型大地震が発生、連絡橋は崩壊し、東京タワーが倒壊するなど、東京は大きな被害を受ける。
未来と悠貴はお台場で出会ったバイク便ライダー日下部真理の力を借りて世田谷の自宅へ帰ろうとする。

声優・キャラクター
花村怜美、小林由美子、甲斐田裕子、喜多村英梨、豊崎愛生、高平成美、遠藤綾、沢城みゆき、野中藍、中博史、井上喜久子、滝川クリステル
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

綿密な取材によるリアリティとヒューマンドラマ

オリジナルアニメーション。

主人公は中学生1年生の小野沢未来(おのざわみらい)。
彼女は弟の悠貴(ゆうき)と一緒に、お台場へロボット展を見に来ていた。
その時、マグニチュード8.0の首都直下型地震が発生する。

綿密な取材の元、リアルな地震災害を描きつつも、主人公の「成長」にも焦点を当てたヒューマンドラマ。
どこにでもいそうな家族、どこにでもいそうな姉と弟、そんな環境が一変したらどうなるのか……。


実際に地震発生時に起こりうる出来事をしっかりと描いています。

・人災
・二次災害
・救助活動
・危機管理の方法

地震対策の勉強になります。
そのまま教材に使えそうな場面も多々ありました。


なお、未来の一人称視点で物語が進みます。
そのため、「危機一髪!」といった状況が多くなるのは仕方ありません。
群像劇にすればその辺をもっとリアルに描けたとは思います。
しかし、逆に、11話という短さでヒューマンドラマを構築するのは難しくなります。
人間ドラマと、地震への啓発を両立させるには、妥当な落としどころだったと思います。

そして、オリジナルアニメーションならではの、計算されたストーリー構成。
終盤の展開は賛否両論あると思いますが、私は良い終わり方だったと思います。
客観的な視点で見ていたのに、一気に感情移入させられ、どっと涙があふれてきました。
{netabare}
・現実の無慈悲さ
・別れの重さ
・復興への希望

そういったメッセージを描きつつも物語を締めるには、こういう展開も十分にありでしょう。

しかも、状況が状況、必ずしも作り話とは言えません。
未来の精神状況を考えると、幻覚や幻聴だって、起こりうる事なんです。
未来が悠貴に対して精神的に依存していたならなおさらです。
{/netabare}

東日本大震災以来、地震に対する意識というのは高まっていると思います。
2009年の放送当時より、なおのことメッセージ性が大きくなっているでしょう。

放送当時でも、深夜アニメにしては異例の視聴率5.8%を記録するほどのクオリティです。
見応えは十分です。

テーマがテーマですので、「楽しむ」のではなく、「入り込む」作品。
舞台は東京ですが、どこに住んでいても通用する内容です。
泣けるし勉強にもなる作品。

どんな人におすすめかと聞かれたら、「地震に興味がある人、全員」と答えます。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 91
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

生々しい衝撃

<2020/6/1 追記>
明日の深夜、フジテレビで総集編放送するそうです。
6/3(水)1:55〜3:55の2時間
CSBSでもなかなかやってくれない作品なので興味のある方は是非どうぞ。
(ただし、東日本大震災などて被災された方は、ご視聴ご注意ください)

<2017/11/21初投稿です>
もう8年前の作品なんですね。
当時ノイタミナでリアタイで観ました。

専門家を招いての緻密なシミュレーションを元に作り上げたそうです。
テーマは「もし関東にマグニチュード8.0規模の大地震が来たら」

夏休みにお台場に遊びに来た中学生の主人公と小学生の弟。
科学館で災害救助ロボットの展示を見ている時に二人は大地震に見舞われます。
周囲の建物は壊れ、交通網は遮断され、二人は30km離れた練馬の自宅まで歩いて帰ることに・・・。

物語は比較的淡々と進んでいきます。
リアルは地味なのです。
それなのにどんどん引き込まれていきます。
SF的な要素、破天荒な要素はありません。
地震の怖さと息苦しくなるような不安がじんわりと伝わってきます。
そして(重いネタバレです){netabare}実は弟が・・・という衝撃的な{/netabare}ラストを迎えます。
呆然となりながら、背筋が寒くなったのを覚えています。

さらにそして。
今思うとその翌々年に発生した東日本大地震。
その時の東京がまんまこんな感じでした。
交通網はストップし、歩いて帰ろうとする人でごった返し。
都内の高校などが帰宅難民の休憩所として解放され。
マグニチュード8.0と同じ光景。

震災の恐怖とインパクトが強すぎる作品。
間違いなく名作です。
ですが、東日本大地震で被害を受けた方には視聴お勧めできません。
災害の種類は違えど、です。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 55

suggest@休止 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

地震大国に生まれた私たちだから観るべき作品!

思春期まっさかりの中学生の姉と出来のいい弟の2人が物語の中心です。もうこれだけで嫌な予感しかしないですよね(^^)

最初見始めてお姉ちゃんがなーんか好きになれませんでした。
でもそんなお姉ちゃんの成長も垣間見れます。




タイトルに地震大国うんぬん書きましたが、そうでない国の方達にも見て欲しい作品です。
テーマが『地震』という大きいものだけど、それに負けないストーリー性をもっています!1クールでよくまとめられていて良かった。


表現がむずかしいけど、序盤は少し嫌な気持ちの涙がでそうだった。でも最後は綺麗な涙を流してました!

投稿 : 2024/11/09
♥ : 54

76.8 2 姉さんでオリジナルアニメーションなアニメランキング2位
ケムリクサ(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (531)
1824人が棚に入れました
赤い霧に包まれた、荒廃した建造物に囲まれた人気の無い世界を舞台に3人の姉妹が生き抜く物語。物語の中心的人物でまとめ髪の特徴的なりん、猫耳でいつもおっとりしているお姉さんキャラのりつ、メイド調の服に身を包み天真爛漫なムードメーカーりな。謎多き世界でこの姉妹が目指すものは一体…

声優・キャラクター
小松未可子、清都ありさ、鷲見友美ジェナ、野島健児
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

世界の終末に「好き」を探すロードムービー

アニメーション製作:ヤオヨロズ、
原作・脚本・監督:たつき、
作画監督:伊佐佳久、美術監督:白木優子

赤い霧が漂う暗黒の空間。
廃墟と化した街並みはまるで世界の終末だ。
最初の舞台は長崎の軍艦島。
そこで、異形の化物である赤虫と戦い、
懸命に生きる3人の姉妹がいた。
彼女たちはまるで植物のように、
水を飲むことで生命を維持し、
道具としてケムリクサを駆使していた。

けものフレンズを指揮した、たつき監督が
かつてニコニコ動画に投稿した自主制作アニメを元に
再構築して完成させた作品。
降板したけものフレンズの続編と放映タイミングが重なり、
何かと作品以外の部分でも話題となった。
脚本、演出、監督を全てたつき氏が担当し、
CGを駆使して作り上げている。
制作はたつき監督が属するirodoriの
たつき、伊佐佳久、白水優子を中心に行われた。
キャラの動きや赤と黒をメインにした作画は、
少人数体制を思わせる粗い仕上がりだが、
世界観や巧みな脚本によって、それらの全てが
あまり気にならないように見せている。

私は未視聴なので分からないが、
世界観は、けものフレンズとの共通点があるようだ。
廃墟に囲まれた謎の世界で3人の姉妹が赤虫と戦い、
水を求めながら生きている。
そこに突然、わかばという男が現れる。
謎が解明されないまま、姉妹と男は
旅をすることになる。

スタートが軍艦島(長崎県)でスペースワールド(福岡県・閉園)、
道後温泉(愛媛県)、瀬戸大橋(香川県、岡山県)、
梅田駅(大阪府・泉の広場は撤去予定)、琵琶湖(滋賀県・沖島)、
黒部ダム(富山県)、富士山(静岡県)、
八王子(東京都・日清食品)、中野(東京都)、新宿(東京都)まで。
日本各地をロードムービーのように旅していく。
{netabare}そして、最後の赤い木との戦いは、
おそらく東京タワーだと思われる。{/netabare}
コラボしていた日清食品も登場。
実際に観ていて、道後温泉や黒部ダムは
分からなかったが、ほかは自分が旅でよく見ていた
場所ということもあって、驚かされることが多かった。
彼らの旅を観ながら、場所を特定する楽しさがある。
サイトでは詳細に比較しているものもあり、
かなり正確に廃墟として再現しているのが分かる。

10話までは少しずつ謎を小出しにしていくだけなので、
観続けるのがなかなか難しいかもしれないが、
11話でこれまでの様々なことが明らかになり、
最終回まで一気に畳みかける展開は見事。
{netabare}全ての出来事が、日本の街並みを再現した
巨大宇宙船のなかで起こっていたという
SFも興味深く、彼らがここにいた意味、輪廻転生、
想いを引き継ぐことを物語に上手く落とし込んでいる。
EDが登場人物の死や誕生の順番を表しているのも面白い。
EDの最終回には、りりとワカバが触れ合う描写もある。{/netabare}

{netabare}ラストで、りょうから語られるのは、
「全員が好きを手に入れられた」ということだった。
おそらく、感覚だけではなく、
りりの「好き」の感情も6つに分かれていて、
りんだけが、手に入れてなかったのだ。
この結末はりんの言葉を「アニメーションが」とするのが、
監督の純粋な想いなのかもしれない。{/netabare}
(2019年4月13日初投稿)

ちょっとした余談(2019年4月14日追記)
{netabare}監督はどこかのメッセージで、好きなことを
このアニメでやった、ということを書いていたが、
おそらく、登場するのは監督の好きなもの
ばかりなのだと想像する。
タイトルの煙草(ケムリクサ)、廃墟、
日本各地の観光地、長崎の路面電車、ルンバ。
そういえば、シロの仲間がたくさんいた
黒部ダムのガルベと呼ばれる遊覧船もそうなのだろう。
この作品は超テクノロジーの暴走によって、
世界が破壊されるという暗い話だが、
監督の「好き」が溢れていることを感じさせてくれた。{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 84
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

ロッソ (赤) ネロ (黒) の世界

たつき監督のオリジナルアニメ


『けもフレ』未視聴。外野ですったもんだあって背景にいろいろ抱えての2019年冬クールでの放送。
著名監督さんが直接の視聴動機となります。放送前に周囲の関心がそこそこありました。

あらすじは割愛。あにこれサムネ(2019年4月時点)にもある赤い髪の三姉妹、りつ(CV清都ありさ)、りん(CV小松未可子)、りな(CV鷲見友美ジェナ)のところにふらっと男の子わかば(CV野島健児)が現れて開幕。4人を中心というかほぼ4人だけでの閉じられた世界で物語は進行します。
ED映像ではこの三姉妹以外の人物を示唆するシルエットが出てきてこれも順を追って明らかになることでしょう。

{netabare}登場時間は少ないですが、他の姉妹も要所を締めてました。
りく(CV天沢カンナ):武骨な子。第5話で登場。
りょう(CV三村ゆうな):長女でまったりした子。第9話で登場。
りょく(CV関根明良):メガネっ子。同じく第9話で登場。

{netabare}最終バトルは胸アツでございました。{/netabare}{/netabare}

全編CGです。お世辞にも表情豊かとは言えません。技術的なことへの物言いはこれくらい。差し引いても世界観が独特すぎて多少のマイナスには目を瞑って観たい。そんな作品でした。
“ケムリクサ”“あかぎり”“アカムシ”“ヌシ”“シロ”。全て目の当たりにするのは初めての内容です。既視感がありません。
第1話???状態から始まる世界観の提示。徐々にネタ明かしと新たな伏線の上乗せ。若干ネタ明かしのペースは遅めと視聴者を焦らします。つまり謎はしばらく残り続けて、{netabare}ようやく最終回手前の第11話で{/netabare}一気に畳みかけて回収する1クールお手本のような構成となってます。


けっこう大事なことだと思うのが、???状態が長引いた時の視聴態度ですね。世界観に身を委ねれば苦にはならないのですが、私はボーダーラインでした。
物語はしばらく“緊張感”を視聴者に強いることになります。
不明な世界観は

『何が起こっているのかわからない』

時おり訪れるピンチは

『何が起こるかわからない』

加えて色調は全編通して赤と黒が基調と暗めです。赤と黒でワクワクするのはロッソネロ(赤黒)、ACミランの選手入場の時か明治アポロを分けて貰った時くらいでしょうか。
暗めの色彩と劇伴。そして何が起こっているのか何が起こるかわからない緊張感と上手くお付き合いできる人が病みつきゾーンに突入しそうです。
ボーダーラインの私にとっては、だからこそED曲の存在は重要でした。所在無げな私に毎度ピッチの速いビートでリセットしてくれました。

※色調について視聴済向けネタバレ所感
{netabare}暗い色調すら伏線で、最後の最後の青々とした森と水の風景が立ち現われた時のカタルシスは凄かったですね。観てて良かった。{/netabare}



ネタバレなしの内容すら説明が憚られる、どうぞ世界観を感じてくれ!とお伝えしたい作品です。

2周目終わりましたが伏線が丁寧に敷かれていました。???状態が解消される気持ち良さがあります。
告白すると、本作は今期の途中寝落ちの常連でした。緊張感に耐えられなかったのか少なくともグイグイ次が気になる感じではなかったのです。
完走して2周して評価を上方修正したアニメという位置づけとなります。



そしてこれ一般ウケはしなさそう。共通する土台が違います。
目の肥えたアニメ視聴者が独創的な世界観を斬新だと捉えたきらいも多分にあったのではないでしょうか。
もしかするとたつき監督へのエールで下駄を履かせたくなる気分も影響してるかもしれません。

とはいえ良作です。こんなものもあるよと日本のアニメの守備範囲の広さというものが一般層にも認知されればいいな、と。
スタンダールの『赤と黒』も発表当時は全く売れなかったみたいですし。。。



■オマケ
どん兵衛とのコラボCMやってました。お湯を沸かすのもケムリクサってどんだけ万能なん?
{netabare}それに色調だと赤と黒なんですが、物語を軸に考えるとケムリクサのヴェルデ(緑)、アカムシのロッソ(赤)なんですよね。ここは朝ドラで勢いのある日清食品さんより東洋水産さんに頑張っていただきたかったかもしれません。どっちかというと緑のたぬきより赤いきつねが好き。アニメでは悪者の赤ですが、これからも赤いきつねを応援し続けます。{/netabare}



-----
2019.08.29追記


視聴時期:2019年1月~2019年3月リアタイ視聴


作家性の強い作品です。今クールでの本作。監督は違いますが翌2019年春期の『さらざんまい』。1期に1作品くらい、こういったアクの強いものが出てくると視聴の選択肢が増えて嬉しいですね。いかがでしょう?


2019.03.31 初稿
2019.08.29 修正

投稿 : 2024/11/09
♥ : 74
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

絶滅のオルガノン

監督・シリーズ構成たつき。

瓦礫の山の荒廃した軍艦島(長崎県)的世界で、
水源を求めて旅をするりつ、りん、りなの3姉妹。
謎の赤い霧、襲い来る虫と呼ばれる異形。

自主制作発表からヤオヨロズ制作に変わり、
当然、けものフレンズが上がるでしょうが、
ディストピアな湯浅監督「カイバ」といった趣です。

{netabare}水源の中から現れた少年わかば。
新種のヒト!?
ヒトは既に絶滅を向かえているのか!?{/netabare}
大きな謎で物語は構成されています。

物語の可能性が見事に炸裂すれば、
今期を盛り上げてくれそうな予感もします。

最終話視聴追記。
11話に続き世界の謎が開示され、
演出にも力が籠っています。
物語の着地はここしかないでしょうね。
まるで聖書の黙示録のようだ。
{netabare}巨大なノアの方舟、最初のヒト、
自立型とも言える赤いケムリクサの真実。{/netabare}
記憶の葉の世界は優しい思いに溢れている。

やはり監督なりの生命讃歌なのでしょう。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 65
ページの先頭へ