妖怪で幽霊なアニメ映画ランキング 1

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の妖怪で幽霊な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年03月01日の時点で一番の妖怪で幽霊なアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

80.7 1 妖怪で幽霊なアニメランキング1位
蛍火の杜へ(アニメ映画)

2011年9月17日
★★★★☆ 4.0 (1080)
5228人が棚に入れました
祖父の家へ遊びに来ていた6歳の少女・竹川蛍は、妖怪が住むという山神の森に迷い込み、人の姿をしたこの森に住む者・ギンと出会う。人に触れられると消えてしまうというギンに助けられ、森を出ることができた蛍は、それから毎年夏ごとにギンの元を訪れるようになる。

声優・キャラクター
内山昂輝、佐倉綾音
ネタバレ

★mana★ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

10年分の想いを、今ここに・・(ギン視点で観てみました)

ねえ、蛍。
俺はずっとここに居るよ?
何年、何十年たとうとも。
たとえ、君の瞳に写らない
そんな存在だとしても。

俺が過ごした、途方もない時間。
そんな中で、蛍と過ごした時間は ほんの一瞬だった。
でもね、俺にとってはその一瞬が大切で愛おしくて、仕方がなかった。

蛍は俺に、優しくて、温かい感情をたくさんくれたね。
でも、それは、切なくて、苦しくもあったんだよ?
蛍は気付いてないかもしれないけれど・・
まるで夏の夜に光る、ホタルのヒカリのような、
そんな儚くて脆い、だけど、強くて、美しい。
そんな日々だったね。

蛍は俺に「忘れないで」と言ったよね?
忘れる訳がない。忘れたくない。
でもね、蛍は忘れてしまってもいいんだよ?・・


蛍に出会ったのは、蛍がまだ小さい時だった。

ネタバレレビューを読む

投稿 : 2025/03/01
♥ : 58
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

切なく儚い夏の物語

あらすじは他の方のレビュー等をご参照ください。


 初見でした。自業自得ですが、短編と知らずに見てしまったため、少々の後悔が残ってしまいました。短編と気付いたのは終盤になってからです。短編と知っていれば、見方も少し変わったと思うのですが、残念です。作風はゆっくりしているのですが、テンポは速く感じました。賛否はあるかもしれませんが、もう少しキレを悪くした方が余韻が残ったかも、とも思います。シナリオ自体はかなり良いものです。セリフ回しに感情の機微が表れてますので、逃さないようにしましょう。短編ですので時間がないときでも見やすいです。


ジャンル:
 ジャンルは、妖怪との恋愛ものです。
テーマ:ネタバレレビューを読む


エンディングへのフラグ:ネタバレレビューを読む

手つなぎ、木の棒、布:ネタバレレビューを読む

蝶とホタル、天井:ネタバレレビューを読む

 短編ですが、エッセンスは十分に盛り込まれていたと思います。唐突に来るエンディングも、切なさと儚さを上手く演出していました。対象年齢としては思春期以上が望ましいでしょう。特に女性に好まれる作品ではないでしょうか。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 8

半兵衛♪ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

【ネタバレ有】『最後に残る最高の“余韻”―。 一つの“掟”に縛られた、切なさ全開の恋物語―。』

 
   
 原作の“緑川ゆき”に加え、“大森貴弘(おおもりたかひろ)”監督をはじめとする「夏目友人帳」のスタッフが製作を手がけた劇場版アニメ作品―。

 上映時間40分余りの、いわゆる“中編作品”なのだが―、そこら辺にある凡百の中編作品とは桁違いの魅力が、この作品には詰まっている―。

 一目見ただけでそれと分かる、「夏目」らしさを感じる“優しい空気感や世界観”―。彼女たちにしか描けないその“澄んだ雰囲気”と“心温まるストーリー”は、「夏目友人帳」ファンなら(いやそうでなくても)必見の一作である―。



 (簡単なあらすじとしては―)、妖怪が住むという“山神(やまがみ)の森”に迷い込んだ人間の少女“蛍(ほたる)”が―、「人に触れられると消えてしまう」という、この森に住む妖怪の青年(正確には人間でも妖怪でもない)“ギン”に助けられ―、それから毎年夏の間だけ、ギンの住むこの森を訪れるようになる…という物語―。


 物語の最初に、最も重要な「人に触れられると消える」というテーマを見せる事で、この作品の“(悲しい)終着点”が垣間見え―、同時に、そこに至るまでの二人の会話ややり取りの中に、(そのテーマが)終始、“触れられないもどかしさ”となって付きまとう―。


 蛍が出逢ったのは6歳で、最後の場面では18歳―。

 40分余りの上映時間であるが故に、粗雑(そざつ)にも感じる作中の時間経過(の早さ)が―、逆に、二人の間には、互いが一緒に過ごせる“夏の一時(ひととき)”しか無い事を余計に感じさせ―、だからこそ、かけがえの無いその時間を楽しそうに過ごす二人の姿が、観ていて余計に切なくなる―。



 たとえどんなに心が通じ合っていても、二人の間には、決して看過出来ない“時の流れ”が存在する―。だからこそギンは、自分の気持ちに向き合い、全てを投げ打つ“覚悟”を持って、蛍を夏祭りに誘ったのだろう―。

 そうして迎える最後の場面―。

 ―― (蛍) 「デートみたいですね~」――

 ――(ギン)「デートなんですね~」――

 出逢った日の事を連想させる蛍のセリフ―。けれども、返ってきたのは以前と“真逆”のギンの言葉―。あの時は、子供をあやすかのような反応だったからこそ、全く同じ軽い調子で、全く逆の事を言うあのシーンには、ギンの、蛍への想いや…覚悟や…寂しさが…全て込められていて―、余計に涙腺を刺激する―。


 いつもと違うギンの態度が、ずっとお互いの事を考えて過ごして来た蛍には、口にしなくても伝わり―、(本当はずっと一緒にいたくても)、彼の覚悟を何も言わずに受け入れる―。

 ギンの気持ちを察し、蛍自身も覚悟したからこそ―、夏祭りの帰り道、偶然、人の子に触れて消えゆく事になったギンとの“突然の別れ”にも、その瞬間、ただ真っ直ぐに、“お互いの本当の気持ちを伝えることだけ”を考える事が出来たのだと思う―。

 ――(ギン)「来い、蛍―。やっとお前に触れられる―」――

 最後の瞬間になるはずなのに、二人は“最高の笑顔”をしていた―。それは、二人が本当にしたかった事はこれだったから…。その後の別れの不安など消え去るほどに、ずっとずっと二人はお互いに触れたかった…。あの一瞬の抱擁で、きっとギンは人間の…“蛍の温かさ”を感じることが出来ただろう―。



 (その後の妖怪たちの優しいセリフも良かったが…)、とにかく終始、涙が止まらず、何度見ても泣いてしまう…。「人に触れられると消えてしまう―」。たった一つのそのテーマで、ここまで心に響かせられる―。

 最後の最高の“切なさ”が来る瞬間を徐々に感じながら、その“一瞬の儚さ”を感じて観終わり―、そうして“圧倒的な余韻”だけが最後に残る―。


 時折、「時間が少し短過ぎる」とか「せめてEDの後にもう少し何かが欲しかった」などという感想を目にするが―、もしもこの作品が、2時間の長編映画だったなら、本作に感じた淡さや儚さは“色褪(あ)せる”だろうし、(最高レベルの)あの余韻を感じる事も無かっただろう―。

 お互いの気持ちやその後の出来事など、描く必要は全くない―。観終わった人達それぞれが、各々で感じる“余地”を残すことで―、この作品の“淡さ”や“儚さ”を、“余韻”として感じられるのである―。


 最近観た劇場版作品の中では、最も感動し泣けた、切なさ全開の“傑作”であった―。



 最後に―、山神さま…もう少し“緩い”掟でも良かったんじゃないですか…(涙)。


  (終)

 

投稿 : 2025/03/01
♥ : 7
ページの先頭へ