nyaro さんの感想・評価
4.0
2期前に再視聴。初回より理解できました。キャラ造形の秀逸さも良かったです。
2期が来ているので改めて見ました。1回目より結構理解が進んだ気もするし面白かったです。
シャイの性格の描写から人を助けることと同時に助けられることが描かれますが、この時に心の闇=指輪の話が出てくるんですよね。とりあえずこの正義と闇の話が直接リンクしていると思ってしまうと、読み取り方を間違える気がします。
で、スターダストの話がまた唐突ですね。共感の話です。ここがシャイの弱さであると同時に強さのような表現になっています。ここまででシャイの性格造形と今後シャイがどうやって戦っていくのか、強くなっていくか、戦う意思が提示されました。
小石川が闇落ちキャラとしての機能がないかと思っていましたが、見返すとシャイが具体的に助ける人を得たことで成長し始めた感じでしょうか。
そして、憎しみのなさと共感力ということで、ここでスティグマと対立構造になっていくんですね。
5話で萌えキャラの黒十字のピルツさんが出ることで強さの形はいろいろあるとかヒーローの力が戦うだけでないということが描かれます。
書道のところはちょっとギャグっぽかったですけどね。まあ、イメージ云々ですからとりあえずおまけですね。
6話のここから少し話の構造が変わって「アマラリルク」が自らを夢みるもの達と定義しての登場ですね。ツィベタは年中寒いということで心の空洞を象徴しているのでしょう。
これが正義に対応する存在として、彼らとの対立構造で話が進むようになるのでしょう。「ペーシャ」スピリッツとの関係性です。あとは「指輪なし」が何を象徴するかです。
7話で指輪の正体がわかり、つまりダークサイドの心=力だということがわかりました。指輪をつけた本人のダークサイドとスティグマの心の組み合わせみたいな感じでしょうか。世界平和=人類補完計画というイメージ。成熟を拒む=永遠の子供でもあります。
ちょっと「シビレボ」のトークショーの意味がわかったようなわからないような感じはありました。子供にとってのヒーロー…でしょうか。
で、8話以降はスピリッツとツィペタです。子供のころのつらい現実と心の空白。思い通りになる空間は幼児性でしょうか。現実拒否の妄想への逃避のようなイメージ。で、母の愛を思い出すことで過去を受け入れる。スティグマは人の心につけ込むイメージです。
で、最後はお姉ちゃんがいたエンドですね。
ということで、拾ってゆくとわかりやすいし、ちょっとはじめは話のつながりが見えないのと、ちょっと新キャラの唐突感、エピソードの断絶感で入り込めない部分がありましたが、今回見直したら、結構面白かったです。
なので、ちょっと評価を上げておきます。特にキャラとエピソードの描き方がうまいので、ストーリーとキャラに+0.5づつしました。作画も動きは乏しいのですが、工夫で見やすいので+0.5します。
以下 初回視聴時のレビューです。
あらゆる点で惜しい、中途半端。製作は初めから2クールにしないと結局損しますよ?
もったいない、惜しい、今一つ、まあまあ、なかなか…面白い要素はあった、テーマもありそうだった、キャラもいいと思う、だけどアニメ作品としては中途半端な印象です。
ヒーローとしての強さ、心の弱さや闇とか、貧困、子供たちの世界への復讐、そういうテーマの要素はありはしましたけど、メッセージがこっちに来ない感じです。
ツィベタとスピリッツのエピソードでの母が子供と酒を…というのは色んな意味とか感情が感じられるいい場面だっただけに、その中途半端観がものすごく残念な感じです。
と思って検索したら、2期の制作発表か…いや、2クール以上で作りなよ…と言いたい。1クールがここまでだとすると満足度、人気という点でものすごく失敗している気がします。
エイトビットでこのクオリティということは、おそらくは予算か人員かいろいろ苦しいであろう感じでした。その点でも悪くはないけど良い訳じゃないというのも、半端な感じです。
まあ、逆に言えば苦労は感じられるます。制作陣は大変なのでしょう。ですが、視聴者側からすると、だったらもっと作り溜めて2クールで初めからやったら?と思わなくはないです。
そこは制作というよりも製作の側がちゃんとお金を出しましょう。結果的にリターンが多いと思います。
メッセージやテーマ的なことも含め原作のポテンシャルは感じますが、惜しいとしかいいようがない感じです。正直考察や深掘りしようにも、素材が足りなすぎます。
評価は…ストーリーは深さの片鱗は感じられたので3ではなく3.5にします。2期への期待も込めて。キャラはいいですが1クールの範囲だと使い切れてないので4。作画は頑張ったで賞で3.5。声優さんは早見・東山という私がすごいと思う数少ない声優さんを起用した点で4.5。音楽は3にします。
平均3.7は盛っている感じもありますが、期待値を込めて。
1話 ヒーロー版「ぼっちざろっく」?なかな面白そうです。
{netabare} アレ?ヒーローアカデミアの萌え女子版?という感じでスタートします。ヒロインの少女はもちろんシャイで恥ずかしがり屋です。そして、ヒーロー活動時にアクシデントがという感じです。
まあ、話を見ていくとヒロアカではないことは分かりますし、ヒロインの成長が楽しみになるし、どれくらいサービスがあるんだろうという期待も無くはないです。
エンタメに振り切っても面白そうですが、題名がSHYですからもちろん恥ずかしさを使命と向き合い遂行することで克服する話でしょう。私はストレス多い話も大好きなのでそれはそれで面白そうです。
ヒーロー版「ぼっちざろっく」とも言えます。あの話は全然克服してないですけど。
結構アニメの出来は丁寧です。止め絵とスクロールが多いので作画がすごいというわけではないですが、なかなかの水準に仕上がっていると思います。
ということで、面白そうです。期待枠の一つかもしれません。ダークホース?なんでしょうか。原作付みたいなので人気作だったらごめんなさい。{/netabare}
2話 世界系がすっ飛ばした「他人を助ける」「他人に助けられる」意味をどこまで問えるか?
{netabare} 助ける方と助けられる方の心の闇を描いていました。感謝というのも本当なら、もっともっと早く全員助けて欲しかったというのも本音でしょう。少年マンガ的な展開ではありますが、分かりやすく描けていたと思います。
主人公の性格が暗いしちょっとダークな雰囲気はありますが、勧善懲悪から脱していることと、物事は1つの視点だけでは見られないと言う事が、しっかり入っているのはいいと思います。
としたときにちょっと思うのが、よく経済的には失われた30年とかいいますが、創作の世界で「世界系」が果たした文脈、エヴァ、まどマギの流れが正しかったのか?という気になります。利他の意味が性愛とかパーソナルな感情、つまり「恋愛(友情)」に限定されてしまって、他人とか世間というものをすっ飛ばしてしまった気がします。
世界系という便利な概念の上でなんとなく相対化、ポストモダン、脱構築のような雰囲気で、創作物が難解っぽくテーマ性があるっぽく作られていた気がします。昭和的価値観へのアンチテーゼだけ示して、やり逃げという感じだった気がしてきました。
当時はそれも最先端だったかもしれませんが、今となっては創作、特にアニメ界に対しては安易な物語の創作技術に堕してしまい、マイナス影響が大きかった気がします。
この作品のいいところは、世界系で助けることの葛藤が「恋愛」という便利なツールになってしまった単純な視点からの脱却がはっきりした形で見られます。少年マンガ的な分かりやすく説明が多い進行ですが、読み取れるものはなかなかいいと思います。
助けること助けられることの表裏と深浅と角度をどこまで描けるか。利他の意味を問う作品になってくれそうな感じで、ちょっと…いや、かなり楽しみです。
火事で両親によって命をつなぐ…という話は「天使な小生意気」にも「武装錬金」にもありましたね。両方ともゼロ年前後です。皆こういうのを描きたいと思っていたんだと思います。世界系により失った何かを取り戻せる作品になることを期待します。
なおSHYの尻肉になかなかフェチズムを感じました。{/netabare}
3話 テーマに興味があるし、それ抜きにしても普通に面白い。
{netabare} 黒い指輪の正体で「心」がテーマなのはわかりました。そもそも「SHY」というタイトルから内面の話であることは想像はできますけど、結構直接的な設定でした。
話の展開は少年マンガ的なリアリティラインですけど、その分テンポ良く進むのがいいです。最近の流行なのか、孤独や心の強さなどがテーマになっているのもも興味があるので継続視聴すると思います。本作の原作者の意図がどこまで計算しているのかわかりませんが、指輪の設定から言って時代を反映する何かがありそうです。
それを考えなくても、キャラとアニメの出来がなかなかいいので、エンタメとして見ても普通に面白い感じです。
スターダストがバトルを挑んだ目的が分かってくると、展開も見えてきそうです。 {/netabare}
4話 ベタでテンプレ展開だけど、キャラにテーマがあって熱い作品なのが良い。
{netabare} よくあるヒーローもの覚醒の感じです。ですが、心というテーマが明確にキャラの内面と行動に込められていて、しかも、成長を描こうとしている熱い展開なので面白いです。
少年マンガ的展開を醒めたような客観的な距離感でやられると見てられないんですけど、隠しきれない熱さが非常にいいです。
本当いうと、原作はかなりあるみたいですので、1年4クールを日曜朝とかゴールデンでやって小学生~中学生くらいに見てもらいたいですねえ。
それは決して大人が見て幼稚という意味ではなく、ストレスと挫折と成長がある話は思春期前には必要だし、それを真面目にやるなら大人が見ても面白いと言う意味です。{/netabare}
5話 実験的なカットインの手法。効果的な場面とそうでない場面がありますね。
{netabare} なんか、家の前で変身ポーズと名乗りをしてしまってますが、あんまり身分を隠すことに執着しない世界観なんでしょうか?そもそも腕輪隠してないし。まあ、それはいいでしょう。今回はまあ普通にいい話でした。そしてレディブラックが可愛い話でした。
アニメの技術的な話なんですけど、本作は不思議なカットインを多用してます。キングゲイナーをちょっと思い出す、画面の一部を図形で差し込んだようなカットインです。10分50秒くらい(dアニメで)から始まる山登りして障害について告白するシーンですね。
また、もう1種類。学園生活5話の15分11秒(dアニメで)から始まるカットインの連続があります。
それが効果的かどうかが、本作の演出で問われるところでしょう。予算あるいは人材不足を補うための技法かもしれません。
画面の一部を差し込むようなカットインは、クローズアップの効果で話の焦点がその人物にフォーカスする、という効果は確かにあります。しかし、例えば背景の絵がなんとなくつまらないというかカットインが効果的に見えるような画面になっていない感じがあります。これはもうちょっと工夫した方がいいかなと思います。
連続カットインはコミカルな演出だし作画は動いていないですけど、画面に動きと時間経過があるので、止め画の出来が良ければ見苦しくないしダラダラ話をされるよりも見やすいし今のタイパの世の中だといいかもしれません。
その他、止め画をなんとか面白く見せようという工夫が見られます。工夫次第で止め画を多用しつつバトルなど動かすべき時に動けばいい、という開き直りで新しい演出が生まれればいいと思います。
それともう1点、この作品は女子のデザインが魅力的な作品ですが、可愛い子のスタンプ絵ではなく、それぞれに個性があるのがいいですね。 {/netabare}
9話 なんとなくどういうモノを描こうとしているかは分かりますが、直接的なアナロジーの割には視点が錯綜してテーマが分かりづらいかも。
心の闇問題ですね。それは1話の時点で分かっていましたが、子どもに限定するのかと思っていました。母ということは親子関係なんでしょうか?ただ、まあインナースペースのような表現なので、辛い目にあった人が自分の内部に閉じこもる話?だから外部=記憶の問題が出てくるのかな?
ヒーローショーにおける自分の考えという話と対比して、アマラリルクという自分たち独自の正義感で世界を救う=ネットの適当なインフルエンサー(ひ○ゆき、ホリ○○ン等)に踊らされる小中学生の様にも見えます。自分の言説を持てない歪んだ正義感…というより「はい論破」的正論のことです。
トラウマなのか、毒親と子供なのか、外部世界が辛いからインナースペースに閉じこもることなのか、ネット社会なのか、子供を取り巻く環境をいろいろ重ねているのか。子供というより未成熟とも取れます。つまり、ネット社会か引きこもっている未成熟な大人の可能性もあります。
スティグマが持っている錆びた傘が象徴するもの、ですね。ちょっと壊れたトトロのイメージもあります。一見子供の味方に見えますが、何を考えているのかわからない不気味な存在です。その妖怪が考える平和とは?
また、名前を付ける、意味です。名前とは、つまりこの世に概念あるいは存在として定着させる行為です。つまりアマラリルクというのは、彼らのそれぞれに「辛さ」が定義されているような気がします。
で、まあそういう含意を描こうという気持ちは買いますが、ちょっと分かりづらいかなあという気がします。まあ、ペペシャの母のパートすら終わってないので何ともいえませんけど。第2話~5話、7話の話とその他が錯綜していて、ちょっと的が絞れていない感じはします。