カミタマン さんの感想・評価
3.5
エドモンド・ハミルトン「フェッセンデンの宇宙」の系譜
2022/03/28 投稿
現代の視点で見ると
絵はひどいです
作画,画質,色などなど全てにおいてストレスになりますが,次第に慣れるレベルとも言えます。
ストーリーは電脳コイル「ダイチ、発毛ス」(ヒゲ回)と同じエドモンド・ハミルトン「フェッセンデンの宇宙」をルーツとするものと思われます。(さらに元になった物語があるかも知れません・・・というか創造神の存在について考えればこのような話になるような気もしますが^^;)
かいつまんで言うと
のび太がドラえもんの道具で,太陽系を作る話です
ビッグバンから始まる壮大な物語です
途中人類が登場してから
歴史のポイントポイントでのび太に似た人物が登場するのは
冗長に感じると共に,別な宇宙の話なのにのび太のご先祖様を見ているような錯覚に陥りました。
最終的には{netabare}
世界大戦が起こりそうになるのを,驚きの方法で回避してめでたしめでたし,{/netabare}となります。
本作の評価ポイントとしては
1995年に宇宙の創造に関する哲学的なテーマをドラえもんというプラットフォームで展開したこと。
エドモンド・ハミルトン「フェッセンデンの宇宙」をフォローしたこと。
1995年(平成7年)当時の文化が映像中に見られること
(町の書店,のび太の家,カセットテープなどなど)
海援隊の「贈る言葉」以外の曲を聴くことができること
これらに興味があるのであれば,見てみるのも悪くは無いかも知れません。
あと,個人的にはエンディングの絵日記は高評価です。
若干,作中ののび太,しづかちゃん,ジャイアン,スネ夫の関係と違ったリアルな小学生の人間関係っぽい雰囲気が感じられる点が特にお気に入りです。