大統領でアンドロイドなおすすめアニメランキング 2

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63.8 1 大統領でアンドロイドなアニメランキング1位
アップルシード APPLESEED(アニメ映画)

2004年4月17日
★★★★☆ 3.5 (178)
960人が棚に入れました
公安警察組織に所属しているデュナンとブリアレオスの活躍を描いた近未来サイエンスフィクション作品。
22世紀。世界は第五次世界大戦を経て荒廃し、北大西洋(アリゾナ州とカナリアの間)の人工島オリュンポスに設置された総合管理局が台頭、世界をその影響下に置いている。主人公である女性隊員デュナンと戦闘サイボーグであるブリアレオスは総合管理局の内務省部隊、ESWAT(ESpesialy Weapon And Tactics)に所属して対テロ作戦などに加わる。その中で巨大な計画、旧大国の策謀が明らかになっていく。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

テーマ性や設定はいい。ストーリーはまあまあだけど単調です。

 本作は2004年ですが、原作は1980年代です。テーマである人類の滅びについては、1999年以前は不思議なリアリティがありました。人類の滅亡は何が原因でおこるのか、ということを今よりもみんなが真剣に考えていたのではないでしょうか。もちろんノストラダムスの予言という戦後日本最大のオカルト都市伝説があったからこそです。
 現実には今現在の方がいつ核兵器が飛んできてもおかしくない状況ですけど。

 オカルト、コンピュータ問題、東西問題などいろんな視点で語られ、創作物でも作られていました。その中でもSFはかなり多角的な視点で人類の滅びを描いていました。本作もその一つです。リアルタイムではないですが、2005、6年には見たと思います。

 本作については、戦争による人類の滅亡が予言される中、{netabare} 遺伝子操作…というか遺伝子を組み合わせて作られた新たな人類に世界を明け渡すかどうかが、テーマでした。新たな人類に生殖機能を付与しメンテナンス不要にし、逆に人類の生殖機能を停止させることで安楽死を迎えよう、{/netabare}というのが本作のメインテーマです。
 で、その舞台になるのは戦争で荒廃した世界の中に作られた人工の都市でした。

 このテーマについては、初めは「ん?」と思うのが、新人類を作る必要があるかどうかでしたが、人類が滅びるときに生活出来なきゃ困るし、穏やかに最後を迎えるためには優しい新人類が必要なのでしょう。

 この人間-新人類-ロボット彼氏という3種類の人類の在り方プラスAIという構造が、生殖問題と相まって愛情とか感情についての多様性と可能性を示唆していました。が、示唆どまりだった気もします。

 本作は、滅びや人類の愛情の形問題は解答を必ずしも出しません。考えようによってはバッドエンドです。が、多分ここでの問題提起が攻殻機動隊にもつながり、ネット、情報、魂、集合的無意識などの「人間とは何か」という問題につながってゆくのでしょう。

 ストーリーは、開始24分くらいのドライブのシーンから始まる10分くらいで世界観や設定など丁寧にセリフで説明してくれますし、その後の展開もさらに10分くらいで理解できます。非常にわかりやすく説明されたあと物語が展開します。その後の話もほぼセリフでの説明があるので攻殻機動隊のようなめんどくささは無く、非常にわかりやすいです。

 その分、ストーリーそのものについては、面白みに欠けるのも事実です。ヒロインに感情移入することで、サラッと見る分には十分面白いんですけど、奥行きがある映画かといえば、そうでもないです。

 それと冒頭の20分くらいがかなり冗長なバトルシーン等で占められていました。この冒頭のシーンの冗長感でかなり損している感じもあります。

 キャラについては、ヒロインもいいんですけど、初めモブの案内役かと思ってたヒトミやメカニックの男がかなり重要でしたし、なかなか新人類の性質をキャラに落とし込んで良くできたキャラだったと思います。ただ、ロボット彼氏がちょっと内面が残念だった気がします。

 本作の結末近くのパスワードの場面については、まあネタバレになりますので描きませんが、ヒトミの役割というか正体についてはちょっと考えますね。単純にその役割だけということかもしれませんけど、なんか乗っかってないと浅い感じですし、その余白は十分ありそうですけど。

 テーマや設定、キャラは良かったんですけど、ストーリーがちょっと単調だった気もします。原作は1980年代ですが本作は2004年ですから、その辺はちょっと古臭さを感じました。

 で、本作で外せないのが、3D表現ですけど、無機物(メカ、建物など)は非常に迫力がありました。これは素晴らしかったと思います。ただ、キャラですね。「3DCGとしては」カッコ付きのすごさでしかありません。本作の人物を2D作画したほうが10倍いい絵になったと思います。

 ただ、ヒロインの戦闘時、顔から立体感を無くしたのっぺりしたレンダリングの時はかなり良かったと思います。つまり、アニメっぽくしたときは、コスチュームの硬質感は3DCGとマッチしていたのだと思います。ただ、通常の衣服の時はやっぱり残念でしたけど。そもそも色っぽくないですね。各キャラが。

 メカニカルデザインは後…というか映画的にはこれ以前の攻殻機動隊とほぼ同じデザインコンセプトですね。ただ、世界観を共有しているかというとどうなんでしょう?ちょっとAIや世界観の方向性は違う気がしますので、世界観の統一性は感じませんでした。

 ちょっとエイリアン2のような映画の影響が感じられました。拾っていけばハリウッド映像の影響が大きいと思います。それが既視感につながって新鮮味が無かった気がします。


 ということで総評すると、コンセプトは素晴らしいと思います。テーマ性は2022年現在の状況を表したようなテーマで普遍性があるテーマだと思いますし、結論を見せるのではなくオープンエンディングにして考える余韻があるのもいいでしょう。

 ストーリーとしてはちょっと単調だった気もします。中だるみというよりも前弛みですね。
 ただ、分かりやすくテーマが織り込んであり、1時間40分の中で主義主張についてはかなり深い話だったと思います。物語が軽いですけど。セリフの説明が多いですけどね。

 映像はバトルシーン多目で迫力があります。が、既視感もあります。人物の3DCGはやはり3Dとしてはがんばったんでしょうけど、2Dのような魅力がないのは残念です。

 ということで、人類の行く末については1999年以前の世紀末感が今は薄れているので、若干ピンとこないかもしれませんが、逆にほぼ第3次世界大戦の真っただ中の状態の今、改めて見る価値があるかもしれません。

 ただなあ…なんか単調で飽きるんですよね。全体的に…構成かなあ。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 6

HIRO さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

荒牧伸志さんの監督デビュー作品。

2004年劇場映画アニメ

原作は士郎正宗さんのマンガ作品です。
アップルシード APPLESEEDは荒牧伸志さん監督デビュー作品です。
フル3Dライブアニメという表現手法によって映像化された作品です。

(フル3Dライブアニメ:3DCGをセルアニメのような画風に変換するトゥーンシェーダーと、登場人物のリアルな動きを可能とするモーションキャプチャ技術を融合させた手法を示す造語である。セルアニメに近い画風でありながら、従来のアニメーションと比べ、自由なカメラワークやよりリアルな動きが表現できる。)

まず驚いたのは2004年作品での画像クォリティーの高さ。2014年にアップルシード アルファを発表していますが、さらに進化しています。

難を言えば、3DCG作品全般に見られる機械の描き方や動きの速さに人の顔の表情がついてこれず主人公、ヒロインが人形のように感じてしまうところです。
そうはいえど2014年製作のアップルシード アルファにおいてはアバターやタイタニックの監督のジェームズ・キャメロン氏が「もはや新次元の領域だ」と言わしめているように次の時代を担っている荒牧伸志監督デビュー作は観ておいて損はないと思います。

あらすじ
世界大戦後の廃墟で生き延びていた女性兵士デュナンは、人類への奉仕者として肉体・感情を制御されたクローン人間バイオロイドの管理する理想都市オリュンポスに連行され、そこで全身サイボーグ化していた恋人ブリアレオスと再会する。彼の所属する元老院ESWATの一員となったデュナンは、やがてバイオロイドの開発とオリュンポス計画に自分の両親が関わっていた事実を知り、自身もバイオロイドの軛を解き放つ鍵「アップルシード」をめぐる陰謀に巻き込まれていく。

・スタッフ
監督 : 荒牧伸志
脚本:半田はるか、上代務
絵コンテ-:秋山勝仁、九市、吉田英俊、荒巻伸志
製作 - アップルシード・パートナーズ(ミコット・エンド・バサラ、TBS、ジェネオン・エンタテインメント、やまと、東宝、TYO、デジタル・フロンティア、MBS)

キャスト
デュナン : 小林愛
ブリアレオス :小杉十郎太
ヒトミ :松岡由貴
ウラノス将軍 :藤本譲
ハデス :子安武人
アテナ :小山茉美
ニケ :山田美穂
義経 :森川智之
ほか

投稿 : 2024/11/02
♥ : 13

h02dvvd さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

作画が気にならなければアリ

【萌え】★☆☆☆☆ 【シリアス】★★★★★
【ヒューマンドラマ】★★☆☆☆ 【アカデミック】★★★★☆
【ギャグ】☆☆☆☆☆ 【演出】★★★☆☆

・目がでかい
 全編フル3DCG(フル3Dライブアニメっていうらしいです)でお送りしているこの作品。かなりリアルです。でまあリアルな分には問題ないのですが、キャラクターだけはアニメ絵です。そのため目の大きさがアニメキャラのそれに近い。「どこぞの少女漫画なみにでかい」ということはないのですが、周りの風景がリアルなだけに違和感バリバリ。最初のシーンでデュナンがゴーグルを外した時に「凛々しい!」と感じるか「ん!?」と感じるかでその後楽しめるかどうかが変わってきそう。ただ慣れるに越したことないです。ファイト。

・他は素晴らしい
 上に書いたキャラクター造形など「いかにも作り物」みたいなCGに抵抗がなければ、もしくは慣れてしまえばとても面白い作品。テーマは「人間とアンドロイド」(作中にバイオロイドという言葉が出てきますが要するにアンドロイドのことです)という古典的なものですが生殖機能の有無を中心に絡めてくるのは「ほほー」といったところ。そして特筆すべきはやはりアクション。モーションキャプチャーを使用しているということで動く動く。キャラクターが大きく映っていなければ3Dであることを忘れるほどです。

・アクションSFロボ映画
 基本的なつくりは「いかにしていいタイミングでアクションシーンを持ってくるか」というハリウッド映画のようなものなので、同じシロマサさん原作の攻殻機動隊(特にSAC)を期待して観るのはやめましょう。きれいにまとまっている良作です。ロボットがたくさん出てくるのでロボ好きはぜひ。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4

58.8 2 大統領でアンドロイドなアニメランキング2位
コヨーテ ラグタイムショー(TVアニメ動画)

2006年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (64)
307人が棚に入れました
人類が外宇宙にまで進出し、己の運と腕だけで一攫千金を夢見るコヨーテと呼ばれる無法者達がしのぎを削る、宇宙開拓の時代。銀河統合政府と植民地解放軍の間で戦争が続く惑星グレイスランドには、伝説の海賊王ブルースが遺した100億宇宙ドルが眠っていると噂されていた。コヨーテならばその名を知らぬ者はいないと言われている、通称ミスターとその仲間達は、ブルースの娘である少女フランカと共にブルースの遺産の回収に挑んだ。犯罪集団クリミナルギルドのマルチアーノ率いる殺し屋集団も、ブルースの遺産を狙って動き出す。しかし、統合政府は戦争を終結させる為、グレイスランドに光子爆弾を投下すると宣言。

声優・キャラクター
大塚明夫、広橋涼、堀内賢雄、関智一、湯屋敦子、下屋則子、沢海陽子

rurube さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

アニメ史上屈指のシーンがある。

アニメ作品において数字が付く組織・異名は多い。
1 ゴルゴ13    一人の軍隊
2 パトレイバー   特車2科
3 機動戦士ガンダム 黒い三連星
4 セーラームーン  外部太陽系四戦士
5 北斗の拳     南斗五車星
6 マシンロボ    デビルサターン6
7 銀河英雄伝説   獅子の泉の七元師
8 エイトマン    エイトマン
9 甲殻機動隊    公安9課
10ジャイアントロボ 十傑衆
11ガオガイガーFINAL  ソール11遊星主
12コヨーテラグタイムショー マルチアーノ12姉妹

マルチアーノ12姉妹の登場シーンはアニメ史屈指の名シーンだと個人的には思っている。しかも一話目なのもポイントが高い。
全体としてむかつくキャラ達のどうでも良い会話から刑務所の上空から12姉妹が円になって降下してくるシーン。音楽もカメラワークも12姉妹の動きも全て神がかっている。円になって降下してきていたはずの12姉妹が次のシーンでは横一列になって胸に手を置いて祈っている。普通に考えたらありえないはずなんだけどこれぞアニメ。圧倒されるから小さい事はどうでも良いと思わせる程のスタイルッシュさ。
どこか良いシーンがあるとそこまで悪く言わないのが個人的なスタンスなのと実際にこのシーンはまず観て損は無い。
実際に全体的に面白い作品より何処かで燃え尽きている作品の方が評価高いべきだと個人的には思っている。ただ面白い作品て記憶に残らないから。
観た事ない人はこのシーン20秒ぐらいだから是非観て欲しい。
1話目の後半2分目位から。ついでにニコニコ動画には登場シーンだけの動画がある。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8

ネロラッシュ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ufotable版カウボーイビバップ

このアニメは簡単に言えばufotable版カウボーイビバップでしょう。

ufotable代表近藤光氏がプロデュース、構成、脚本、作詞ともう自分の好きな事をこれでもか!と盛り込んでいるのが伝わってくるというか。

コヨーテと呼ばれるならず者集団のベースは特攻野郎Aチーム。
主役のミスターはハンニバルのまんま。
ビショップとカタナはなんとなく白バイ野郎ジョン&パンチの雰囲気もある。
ブルースの最初の子分のスワンプはブルース・ブラザースで牧師役だったジェームズ・ブラウンだろう。

キャラデザは平井久司氏風でCV広橋涼ちゃんのフランカはめちゃくちゃかわいい。

1話のインパクトは特にすごくて、俺たちは天使じゃないも醸し出しつつ、ナウシカのオームかよ!?
マルチアーノ12姉妹なる殺し屋集団の登場場面は、フタコイオルタナティブのOPだよな(笑)
女性捜査官アンジェリカの補佐役のチェルシィのちょっと間が抜けた感じはR.O.D 大英図書館のウェンディだよ(笑)

銀河統合政府と植民地解放軍の間で戦争が続く惑星に隠された遺産を巡っての三つ巴の追跡劇は、途中ちょい緩い回もあったけどそれほど気にならなかったし、ミスターとアンジェリカの追いつ、追われつだけではなく、カリ城のクラリス状態。やつはとんでもない物を盗んでいった。貴方の…
自分好みの内容だったので文句無しです。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 1

2010sw さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

大塚明夫ショー

自分の車のナビは、こんな風にナビる。
”おい! グズグズしてると敵に発見されるぞ!!”
大塚明夫の声だ。
高まるキンチョー感とアドレナリン。
一体誰と戦っているんだ??
どこなんだここは!?

ほどなく認識する。
大塚明夫ワールドじゃないか!!。
同じ感覚である。

この作品は、コヨーテラグタイムショーと銘打っているが、
正しい読み方は オオツカアキオショー だろう。
まさに一部の隙も、そう敵に発見されることも無く
嵌りに嵌ったアキオdeショー。

ファンの人は当然ご存じと思うが
大塚明夫に興味を持った人は、一見おススメ。
そうだよな、ブルース。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 0
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