フリ-クス さんの感想・評価
2.9
自己の中心でアイを叫んだウツケモノ
第一期は滝に打たれる思いでなんとか完走したものの、
続く第二期は早々に断念。
要するに、レンタル嬢に入れ込むダメ大学生のお話です。見ちゃおれん。
ちなみにネットで調べたところ、
レンタル彼女というのは本当に存在しているサービスなんですね。
(『レンタル家族』なんてのもあるそうです。すげえな、ニッポン)
最近、一部のよろしくない女子中高生の間で
Hなしの『デート援交』なるものが流行っているらしいんですが、
それを会社として堂々と紹介しているのが『レンタル彼女』であります。
早い話、キャバ嬢を時間なんぼで個人に派遣してるみたいなものかと。
(女性・未成年の方のために申し上げておくと、
キャバクラも会話のみで『おさわり禁止』なんです、一応)
で、前提として言っておきますが、
僕は職業サベツをするつもりはさらさらなく、
キャパ嬢やレンタル嬢を見下したりはしていません。
ただ、そのカンケイを『遊び』と割り切れず、
カネで買った笑顔や親しさをホンモノと勘違いして、
ガチで入れ込んでしまう御仁には、トホホ感を抱いております。
あれ、本人は『大恋愛』をしているつもりなんですよね、
リアルでそういうやつ何人か見てきましたが、いとあはれ。
余裕のないオトコってやだわ。
閑話休題。
アニメにおける非モテ男子が美形女子とお近づきになるきっかけって、
基本的には『部活』あるいは『同居』みたく、
相手が逃げようのない『強制ゼロ距離環境』が主体であります。
で、仕方なく一緒にいるうちにその女子が、
その非モテ男子の『実はいいヤツなところ』をいろいろ発見し、
じわじわと距離が縮まっていくのが王道パターンかと。
なんで目を皿のようにしてそんなヤツの『いいとこ探し』をしなきゃいかんのか、
というのは言いっこなし。
あくまでもマンガやアニメの話なんですから。
本作はその『強制ゼロ距離』の新しいパターンですね。
レンタル嬢とお客さまのカンケイ。
う~ん、確かにこりゃあ、逃げようがありません。
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それでも、その男子がほんとうに『いいヤツ』ならば、
お話がいい感じに転がるのですが、
本作主人公の和也くんは、男の目から見ても『ダメなヤツ』大満開の章。
夢もなく、何の努力もしてないスネっかじり大学生。
親が苦労して稼いだカネをレンタル嬢に貢いでる段階でダメ男確定なのですが、
それ以外にも見栄っぱり、噓っこき、優柔不断、自己チュー、ケーワイ発言など、
ヒトとしてあまりにもアレで、
正直、友だちにするのもめんどくさいタイプかと。
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で、そのダメ男くんの周りに次々と可愛い女の子が現れ、
本人はふらふらしながらも、
なんだかんだでキャッキャウフフ、というのが本作の概要であります。
僕的なおすすめ度は堂々のDからEランク。
作画は悪くないし、役者さん頑張ってるし、OP曲もすごく楽しいし、
個別に評価したものを平均すると2点台後半なんだけど、
主人公のキャラ造形と個々のプロット構築があまりにもアレで
『正視に耐えない』
というのが、僕的な偽らざる感想そす。
モテ要素のない男のモテモテハ-レム、というだけで、
視聴者がかなり限られてくるんじゃないかしら。
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まあ確かに、
周りの友だちから「アレはやめときなよ」なんて言われてるのに、
しょうもないオトコに入れ込んじゃう、
あるいは切るに切れずズルズル深みにハマりこんじゃう、
自爆テロみたいな恋愛をする女子というのは実在するわけです。
しかもそれがけっこう可愛かったり美人であったりなんかして。
そういう実例は、少なからず見てきました。
本人は「わたしって、男運ないんですよ」だなんて、
愁いを含んだ笑顔で言うけれど、
いやいや、あんたにないの『運』じゃなくて『見る目』だから。
そういうのって拙が思いますに、
傍で見ていて『萎える』『痛ましい』『アホらしい』だけで、
シアワセな気持ちにはこれっぽっちもなれないなあ、と。
本作はそういうシチュのど真ん中、
アレな世界観の中でナニな方に勇気と希望をもたらすことに特化した、
いやなら見んな的コンセプトの作品であります。
僕が病みつき的に好きな『異世界おじさん』で、
おじさんが引きこもり生活を続けているメイベルにたいして
「それでいいんだっ」
と背中を押すシ-ンがありましたが、
あれをギャグではなくガチで言っているようなアニメではあるまいかと。
人生変えたかったらまず自分が変わんなきゃダメだろ、
そんなことを考えたり実践したりしている方にとっては、
アウェイ感がハンパありません。
つまるところ本作を楽しめるかどうかの分水嶺は、
主人公(和也)のやることなすことを笑って見ていられるか
という一点に凝縮されております。
笑って見ていられる方には『萌えアニメ』。
笑って見てらんない方には『萎えアニメ』。
丁ハン白黒どっちかで、中間ゾ-ンというものが存在いたしません。
僕はぜんぜんダメでしたが、
それはもちろん個人的な主観であって、
僕が心の狭い、ちっちゃすぎる人間だという可能性は十分にあります。
あくまでもマンガやアニメの話なんですから、
肩ひじ張らず、おおらかな気持ちで楽しむのも一つの選択かと。
ただ、ほんとその分水嶺、エッジが効いておりますから、
未視聴の方、
ご覧になるときは心してどうぞ。
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で、ここからは、こうした『萎えアニメ』の、
ビジネスに関わる考察です。
本編には関係ないので、ネタバレで隠しておきますね。
けっこう辛辣なこと書いたりしていますので、
イタい方にはイタいかも知れません。
ご興味のある方だけ、ど~ぞ。
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