たナか さんの感想・評価
3.2
指向性と多様性の時代性
みんなだいすきアイマス最新作
劇場先行上映でも利益確保する最新型カタログビジネス
グッズビジネスの在庫リスクを吸収する上手い搾取じゃなくて方策
内容は女児向け相当だが大きいお友達のみんなの力で支えてね!みたいな
01
ダイジェストと厨二ギャルユニットのPV
厨二ユニットはバンドリでも出てきたな。トレンドなのかね。小学生女子でももっと悪そうにしないと憧れの対象にはならないでしょう。しかしタトゥー入れたキャラなど出そうものならユニコーンの皆さんが傷ついてしまう。難しいやね。
作画は綺麗だしキャラの顔もきちんと見分けがつく。あとはここから推しキャラを選んでグッズやイベントに課金してね!というビジネスモデルなのであとは各々の嗜癖次第。
ふんわりぼんやりした主人公同様に全体的にふんわりぼんやりした空気感。サブカル不遇時代にコソコソと楽しむしかなかったマニア御用達な初代と比べて、毒気が抜けた最大公約数的な薄さに収まってしまうのは致し方ないかも。資金力のある太客の豚さんは軒並みVに流れてるみたいで、アイドルアニメは昔のように狭く深く毟り取れる美味しいビジネスでは無くなってしまった。初代のゲームとアニメは確かにマニアックな好事家の熱量に支えられた発明であり作品でもあったはずだが、規模が大きくなりイノベーターの手から離れてしまうと途端に効率を求められる商品になってしまう。
界隈で人気のあった作品と比べると、本作は一般人が見てもあんまりキモくはないでしょう。それはシリーズの熱狂的なファンにとっては「薄い」ということ。マニアとニワカの二重取りだぜウハウハという欲を出した結果、誰にも見向きもされない「アイマスのような何か」しか生み出せなかった。誰かに深く刺さるということは他の誰かにはキモいということにもなる。多様性とは誰が見ても楽しめるものしか許せないではなくて、他者のキモさを許せる寛容な態度であるはずではなかったか。
アイマスシリーズは個人的に全く好みではないが、それでも初代などを観れば何が支持されているのかが一目瞭然の熱量を感じ取ることは容易だった。本作は「こういう弱そうなキャラ出しとけば弱者男性が食いつくんでしょ」みたいなあざとい計算のようなものが透けて見えるいやらしさが漂うばかり。これまでブラックなアニメ業界を支えてきたのは、きちんと毎回円盤を買ってきた彼らのような存在だった。配信時代で業界の収益構造が変わった今、高度経済成長を支えてきた老人たちと同様に、時代を支えた彼らの功績や恩恵は無視されただ疎まれる存在へと変貌してしまった。
Vアイドルに投げ銭してもスキャンダルのリスクはある。
やはり絶対裏切らないAIアイドルの登場が待たれるか。