夏で中学生なおすすめアニメランキング 4

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの夏で中学生な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年09月18日の時点で一番の夏で中学生なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

69.0 1 夏で中学生なアニメランキング1位
夏色キセキ(TVアニメ動画)

2012年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (1001)
4412人が棚に入れました
人気声優の4人組ユニット「スフィア」が、12年放送予定のオリジナルテレビアニメ「夏色キセキ」で主演を務めることが明らかになった。メンバー4人全員で主演を務めるのは初めてといい、監督は「機動戦士ガンダム00」の水島精二さんが務める。 スフィアは、寿美菜子さん、高垣彩陽さん、戸松遙さん、豊崎愛生さんの4人で09年2月に結成されたユニット。10年11月に日本武道館、今年4月に幕張メッセで単独ライブを行うなどパフォーマンスにも定評があり、7月には日本テレビで初の冠番組「スフィアクラブ」をスタートさせた。今回の「夏色キセキ」で、高垣さんは紗季(さき)役、寿さんが夏海(なつみ)役、戸松さんは優香(ゆか)役、豊崎さんは凛子(りんこ)役をそれぞれ演じる。

声優・キャラクター
高垣彩陽、寿美菜子、戸松遥、豊崎愛生、沢城みゆき、真堂圭、三木眞一郎、山崎和佳奈、長沢美樹、名塚佳織、子安武人、恒松あゆみ、宮野真守、鈴村健一、MAKO、斎藤千和、沼倉愛美、五十嵐裕美

PPN さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ひと夏のキセキ(*´▽`*)

幼馴染である4人の女子中学生が経験する
不可思議な一夏を描いたオリジナルアニメ。
全12話。


タイトルにもあるように彼女達に起こる
「奇跡」が主題となっているこのアニメ。
ただ、それだけではなく、彼女達が今まで歩できた
そして歩むであろう「軌跡」を想起させるような
側面を持つストーリーになっていると思います。
意外に深くてびっくりw

基本的には女子中学生の青春もの。
日常、夢、あこがれ、悩み、恋といった
この年代の等身大の姿をしっかりと描いており
懐かしむと共に共感できる点が多かったですw

しかし、この作品の最大の特徴は「スフィア」
「スフィアによるスフィアのためのスフィアアニメ」
であるというところ。 間違いなくコレw

寿美菜子、高垣彩陽、戸松遥、豊崎愛生の4人で
結成さられた声優ユニット「スフィア」
皆さんそれぞれに朝から深夜まで沢山の作品で
活躍されている人気声優ですね(・∀・)/″
おいらも決して嫌いではありませんw

ただ、声優ユニットありきの作品に些か抵抗感を
感じながらの視聴に……
が、途中から全然ヘーキw 普通に楽しんでましたw
内容さえしっかりしてればOKって事ですかねww


まぁ、良くも悪くも「スフィア」のための作品。
彼女達のファンにとっては見逃せないアニメかと。
当然、その逆も然りだと思いますが(;´∀`)

トータルは無難にまとまった作品という評価です。
声優なんて気にしないという方には
彼女達の成長を青春物語を楽しんで頂ければと。




《キャスト》
逢沢 夏海(CV.寿美菜子)
水越 紗季(CV.高垣彩陽)
花木 優香(CV.戸松遥)
環 凛子(CV.豊崎愛生)



《主題歌》
OP
『Non stop road』/スフィア
ED
『明日への帰り道』/スフィア

投稿 : 2024/09/14
♥ : 50
ネタバレ

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

無邪気な世代

7話まで観たところでしばらく放置していたので、
最終話が終了したところで一気に最後まで観てみた。
{netabare}
他力本願だった彼女達にも、具体的な希望ができたおかげで
少し変化があり、案の定・・オーディションを受けることに。
オーディションの光景、けっこう時間割いて細かく描かれており
{/netabare}

大昔、自分も似たような緊張感を味わったことがあっただけに
リアルに彼女達のドキドキと不安が伝わってきて、不覚にも涙がじわり。
懐かしいというよりは、あぁ青春だよなぁ~ってその若さと
目標に向かってひたむきにダンスの練習をするあたりとか、
素直に感動できる部分ではあった。

がしかし、なかなか盛り上がりに欠けてしまったのは
こちらの期待が大きすぎたからなんだろうか?
いやいや、スフィアのファンでもないし、それほどでは・・

ただ、幼い頃よく旅行に行った伊豆急下田の風景が見れた事や
彼女達のはじけるような明るいOP曲が、とても良かったし
観るたびに毎回、なんだかんだ元気をもらっていた気がする。

(以下はこれまでの感想)
------------------------------------------
<7話まで視聴>

これまで、何度か途中で断念しかかったが、
なんとかまだ視聴を続けている。
暗黙の了解で、スフィアを売り出すための作品であることは
重々承知の上でいるわけだけれど、
4人の女の子それぞれはけっこうかわいいと思うし、
くだらないことでワーワーキャーキャー騒いだり、
つまらないことでケンカしたり、意地張ったりしてるのを観て
そういえば中学女子ってこんな感じだったなって思いながら、
個人的にあたたかい想い出のある伊豆下田の風景を眺めるのも
悪くはないなと。

しかし、どうもねぇ・・あのお石様頼りにしすぎるのが、
なんとも思春期らしいっちゃらしいのだけど、
何でもかんでも石にお願いしてるのが共感できず・・

だって夢は、運とかチャンスも影響するだろうけれど、
基本的には自分の努力で叶えていくものだろう?
そうでなければ、叶った時のありがたみも、喜びも半減するし
果ては将来・・自分の半生を振り返った時や、子供が出来た時
胸を張っていられないよ?きっとね。
少なくとも、いざ何かあったとき、自力で乗り越えていくスキルは
他力本願だけだと全然育たないから。

ついつい、そんなことを思って、彼女達を心配しつつ
なんとか自分達の努力だけで夢を叶えて欲しいなと
見届けたい想いだけで、視聴を続けている。たぶん今後もね。


(以下は第1回視聴後の感想)
==========================================

静岡県下田市を舞台にしたオリジナルアニメで、
今のところ2話まで視聴済みだが、どうやら女子中学生4人の
友情と夢の実現を日常風味で描いていくストーリーのようだ。

声優ユニット・スフィアの4人がメインキャストを務めているので
オチはだいたい見えているものの、どう見せてくれるかで
人気の度合いは決まってきそう・・

ただ、今まで幾度となく旅行した下田での記憶が
懐かしくよみがえってくる街並みの風景は、ちょっと嬉しい。

彼女達の、ケンカなんかを見ていると、中学生らしさ満載で
家族との距離感、接し方なんかもリアルだなと。

大きな起伏も今のところなく、遠い目で眺めている感じだけど
今後、大きなキセキが舞い降りるらしいことは必至。

女の子たちのキャラデザは、いろんなアニメで登場してきたような
わかりやすい雰囲気で、素直にかわいい。
彼女達が歌うOP、EDも、なかなか良い感じ。
でも、スフィアのファンだったりする人のほうが
いろんな部分で、もっとずっと深く楽しめるのだろうなぁ。

そういう意味では、スフィアファンのための作品かなと。
4人の女子でご当地アニメとくると、『たまゆら』を思い出すけれど、
この『夏色キセキ』は、まだ幼さの残る中学生らしい友情と、
ほのぼのとは違う、適度に躍動感のある感じがポイントかも。


ちなみに声の出演は・・

逢沢夏海=寿美菜子
水越紗季=高垣彩陽
花木優香=戸松遥
環凛子=豊崎愛生

そのほか、沢城みゆき、三木眞一郎、名塚佳織、
子安武人、宮野真守、斉藤千和など。

投稿 : 2024/09/14
♥ : 44

nk225 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

デキるオタクはここで判断している?

”四人だけの秘密は、夏色の空に溶けたキセキ”

朝起きて、学校に行き、放課後は友達と過ごす。
楽しいことも、悲しいことも、4人一緒に体験する。
ずっと続くと思っていたあたりまえの毎日。

そんな彼女たちに、ひと夏のキセキが舞い降りる。
これは、下田の町で育った4人の少女の物語。

暑くてさわやかな夏色キセキがきっとあなたを包み込む・・・。

夏色キセキ 第1巻
サンライズ制作による、下田の町で育った少女たちのかけがえのない時間を描く青春ストーリー第1巻。
中学2年生の紗季、夏海、優香、凛子の仲良し4人組が、夏休みに体験した不思議な出来事を綴る。
人気声優ユニット・スフィアが声を担当。
オーディオコメンタリー
第1話「11回目のナツヤスミ」寿美菜子、高垣彩陽、戸松遥、豊崎愛生、
水島精二、浦畑達彦

夏色キセキ 第2巻
サンライズ制作による、下田の町で育った少女たちのかけがえのない時間を描く青春ストーリー第2巻。
中学2年生の紗季、夏海、優香、凛子の仲良し4人組が、夏休みに体験した不思議な出来事を綴る。
オーディオコメンタリー
第2話「ココロかさねて」水島精二、菊田浩巳、宮本朋律
第3話「下田ではトキドキ少女は空をとぶ」寿美菜子、高垣彩陽、戸松遥、豊崎愛生

夏色キセキ 第3巻
下田の町で育った少女たちのかけがえのない時間を描く青春ストーリー第3巻。
花木屋旅館に酒を届けに来た憧れの先輩・貴史に紗季のことを尋ねられた優香は、貴史が紗季に想いを寄せているのだと悟る。
オーディオコメンタリー
第4話「ユカまっしぐら」戸松遥、木村隆一、水島精二
第5話「夏風邪とクジラ」寿美菜子、高垣彩陽、戸松遥、豊崎愛生

夏色キセキ 第4巻
サンライズ制作による、下田の町で育った少女たちのかけがえのない時間を描く青春ストーリー第4巻。
紗季とのペアでの最後の試合が決まり、気合が入る夏海。
一方で、母親が仕事で出張のため家事もこなさなければならなくなり…。
オーディオコメンタリー
第6話「夏海のダブルス」寿美菜子、高橋龍也、水島精二
第7話「雨にオネガイ」寿美菜子、高垣彩陽、戸松遥、豊崎愛生

夏色キセキ 第5巻
サンライズ制作による、下田の町で育った少女たちのかけがえのない時間を描く青春ストーリー第5巻。
夏休みも半ばを過ぎたある日、引越しを控える紗季は、夏海から「4人で旅行に行こう」と誘われる。
オーディオコメンタリー
第8話「ゆううつフォートリップス」高垣彩陽、綾奈ゆにこ、水島精二
第9話「旅のソラのさきのさき」寿美菜子、高垣彩陽、戸松遥、豊崎愛生

夏色キセキ 第6巻
サンライズ制作による、下田の町で育った少女たちのかけがえのない時間を描く青春ストーリー第6巻。
台風が来るというニュースを聞き、4年前の台風に関する出来事を思い出そうとする夏海たち。
だが4人の記憶がどこか曖昧で…。
オーディオコメンタリー
第10話「たいふうゆうれい、今日のオモイデ」豊崎愛生、村井さだゆき、水島精二
第11話「当たって砕けろ! 東京シンデレラツアー」寿美菜子、高垣彩陽、戸松遥、豊崎愛生

夏色キセキ 第7巻
サンライズ制作、下田の町で育った少女たちのかけがえのない時間を描く青春ストーリー第7巻。
夏海が目を覚ますと、そこは東京のホテルではなく下田の自分の部屋だった。
そこへ優香から「今日が昨日になっている」と電話が入る。
オーディオコメンタリー
第12話「終わらないナツヤスミ」寿美菜子、高垣彩陽、戸松遥、豊崎愛生、
水島精二、浦畑達彦

デキるオタクはここで判断している?
2015年秋アニメも出そろいましたね。しかし、度胆を抜かれたというか……想像していた方向とまったく異なっていたのが「おそ松さん」ではないだろうか。初回の放送がスタートしてからカオスなネタと相次ぐパロディの連続に、ネット界隈を中心に「なんなのこれww(褒め言葉)」状態に。

その一方で「銀魂の監督とスタッフなのか。だったら納得」「監督の過去の作品からすると当然の展開」といった声も。うーむ……どうやらコアなアニメファンは監督などからも事前に情報を得て、放送開始前から内容を想定しているようだ。

【水島精二氏】
2015年秋放送:「コンクリート・レボルティオ~超人幻想~」
過去に関わった作品(例):「夏色キセキ」(監)/「UN-GO」(監)/「機動戦士ガンダム00」(監)/「鋼の錬金術師」(監)

さまざまな良アニメに関わる監督としてネット界でも度々話題にのぼるほど。ちなみに同業で同姓の水島努氏とは血縁関係はないそうだ。

テレビアニメの他にも昨年ヒットした劇場作品「楽園追放 -Expelled from Paradise-」でも監督を務めている。

2012年4月から同年6月まで毎日放送ほかで放送された。全12話。

声優ユニット・スフィアの4人が主要担当声優を務めており、それぞれの特徴を踏まえたキャラクターデザインとなっている。2011年9月17、18日に国立代々木競技場第一体育館にて開催されたライブにて初めて発表された。

元々、スフィア結成時に4人を主役にしたアニメを作る構想があり、それが3年の時を経て形となった作品である。

内容は静岡県下田市を舞台として、同地域で育った女子中学生の日常が描かれている(下田海中水族館など市内の各所風景も登場)。また、8話と9話では伊豆諸島の八丈島が登場している。

また、コンビニエンスストアのローソンが制作協力しており、作中にも実名で登場するほか、同チェーンとのコラボレーションも実施された。その他にも、いくつかの実在する企業・店舗・車両などが作中に実名(あるいは看板・ロゴなど商標類、カラースキームなども改変なし)でそのまま登場している。

オープニングテーマ
「Non stop road」
エンディングテーマ
「明日への帰り道」

投稿 : 2024/09/14
♥ : 42

80.6 2 夏で中学生なアニメランキング2位
蛍火の杜へ(アニメ映画)

2011年9月17日
★★★★☆ 4.0 (1070)
5206人が棚に入れました
祖父の家へ遊びに来ていた6歳の少女・竹川蛍は、妖怪が住むという山神の森に迷い込み、人の姿をしたこの森に住む者・ギンと出会う。人に触れられると消えてしまうというギンに助けられ、森を出ることができた蛍は、それから毎年夏ごとにギンの元を訪れるようになる。

声優・キャラクター
内山昂輝、佐倉綾音
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

恋は儚い人の夢

「夏目友人帳」の緑川ゆきが原作で、同作品のアニメスタッフによって作成された短編映画です。


恋は儚い人の夢。
蛍の様に光り、白銀の雪のように輝き、やがて……。


誰もが開始3分で「あっ……これは」と思うはず。
分かってるんですよ、分かってるのに30分後には泣いている私がいる。


蛍は裏表のない、明るくも利発な女の子。

ギンは雰囲気こそ神秘的なものがあります。
しかし、その行動は迷い、恋し、決断する、真っ直ぐな男。

ピュアなキャラによるピュアなラブストーリーです。


{netabare}気軽に触れられる{/netabare}男子生徒。
蛍から{netabare}のプレゼントのマフラーを身につける{/netabare}ギン。
二人が{netabare}会えない季節も{/netabare}どんどん距離が縮まっていく。
ちょっとしたシーンにも説得力がありますね。

夏のイメージが強い本作ですが、冬があるからこその夏。
それが夏の風物詩である「蛍」と冬のイメージがある「ギン」という名前に込められた意味なのかもしれません。


そしてラスト。
涙が止まらない。

{netabare}
お面越しのとてもとても美しいキス。
その後ギンは転びそうになった人間の男の子に触れてしまいます。

「来い、蛍。やっとお前に触れられる」

お面の向こうの蛍の顔はそれまでにないほどの笑顔でした。


……でもね、これは事故ではないんです。
何年も何十年もお祭りに参加しているギンが、うっかりミスをするとは思えない。

「何があっても、私に触らないでね」

この約束がある限り、ギンも蛍も直接お互いに触れることはできません。

そして、後の妖怪の言葉。

「ギンはやっと人に、触れたいと思ったんだね」

つまり、これはギンの意志だったわけです。

確固たる意志を持っていたわけではないのかもしれません。
しかし、ギンは、蛍との約束を破ることなく、罪悪感を残すこともせず願いを叶えたかった。

そのためにギンは事故を装い、{netabare}「人の手というチャンス」{/netabare}を掴んだのでしょう。
{/netabare}


わずか45分という短くシンプルなストーリー。
それでいながら洗練されていて、温かさ、切なさ、色んな感情が溢れてきます。

美しいお話で完成度が高く、今まで見たアニメ映画の中では一番。
本当に大好きな作品です。

投稿 : 2024/09/14
♥ : 140
ネタバレ

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

出逢ったのが彼女で良かった

『夏目友人帳』でおなじみのスタッフでおくる50分ほどのアニメ映画で、
なんともせつない、だけど心にやさしくしみるお話。

主な登場人物を公式サイトから抜粋すると


〔ギン〕
山神の森に住むキツネの面をかぶった少年。

〔竹川 蛍〕
6歳の時 森で迷子になったところをギンに助けられて以来、
彼に懐き、毎年の夏 彼のもとへ通うことになる少女。


ある夏、妖怪たちが住むと言われている山神の森で迷子になった蛍。
泣いているところを助けてもらったのが、ギンとの出会い。

それ以来の毎夏 森で逢うことを重ね、強く惹かれ合っていくのだが、
人でも妖怪でもないというギンには
「人に触れると消失してしまう」という掟のようなものがあり、
互いに触れ合えないまま蛍だけが高校生へと成長し、
やがてふたりは・・・というお話。

触れ合えないという大きな枷があるせいで、
手を繋ぐことも、抱きしめることもままならない関係。
蛍がまだ幼さの残る少女だった頃は面白おかしく描かれるのだけれど、
中学、高校へと成長していく彼女の、彼への想い方や、
お互いの向き合い方の変化、そしてなんとも初々しい二人の逢瀬など、
丁寧にきめ細やかに描かれていくので、
観ているこちらはもどかしくも切ない想いに駆られる。

このお話は詳しく書いたら野暮なのであまり書けないが、
{netabare}
ギンの正体の真相というか素性に加え、
胸が苦しくなるような出来事が起きた後の妖怪たちの言葉に、
{/netabare}
「あぁ・・・そういうことだったのか」と
山神様がかけた術の本当の意味がわかり、
こらえていた涙がどっとあふれてしまった。

雰囲気的には、『夏目友人帳』1期の8話「儚い光」や
3期の4話「幼き日々に」に近いテーマを感じた。

せつないけれど、悲しいのとは違う温かさ。
妖怪たちや山神の純粋でやさしい想いと、ギンへの愛情。
それらは、観る前に想像していた以上のもので。

また、これは2回以上観るとすぐに気づけるのだが、
蛍の選んだ道がわかる部分にも、ほっとできて。
とても良い後味と、しっとりした余韻に、
エンドロールがなくなってもなお、みつめ続けてしまうほどだった。

満天の星がきらめく夜空や、緑深い森に流れる木漏れ日のようなピアノ曲や
少しとぼけた感じのオルガンのメロディーも、
ふんわりとしたこの作品の空気感を盛り上げてくれる。

現実的に考えれば、少女がたった一人で森に行くというだけで
事件が起きそうな不安がよぎるし、ましてやギンなんて不審者扱いを受けそうな
今の世の中なのに、なんて平和なんだろう・・と。
観ていると・・・のどかでゆったりしていた時代が恋しくなる。

そして個人的に、ずっとずっと大切にしておきたい愛すべき作品の1つです。

投稿 : 2024/09/14
♥ : 81
ネタバレ

cross さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

儚い恋の始まりから終わりを短い時間の中で纏め上げた感動作品【総合評価:77点】

2011年9月に放映された作品。

夏目友人帳の原作、緑川ゆきの短編をこれまた夏目友人帳のスタッフが作り上げた作品です。
夏目友人帳のスタッフが手掛けていますんで、雰囲気、絵、音楽、更には人間と妖怪の心の触れ合い、どれをとっても夏目友人帳を彷彿とさせます。

人に触れられると消えてしまうという妖怪のギン
祖父の家に遊びに来て、森の中でギンと出会った少女蛍。
とある夏の日に森に迷い込んだ蛍と森に住まうギン、二人の偶然の出会いから、徐々に恋へと移り変わる10年に渡る物語
祖父の家に訪れる夏の間の数日だけ会う約束をする二人。
子供から徐々に大人になるにつれ、ギンへの想いが強くなる蛍。
出会った時から、全く姿は変わらないもののギンも徐々に蛍に心を許していく。

触れさえしなければ、何時までもそこに居てくれるギン。
しかし、成長していく自分に対してギンはほとんど成長しない。
いずれ自分がギンの歳を追い越してしまうのか?
そんな不安を抱えながらも、はやく夏になって欲しい、ギンに早く会いに行きたい。
思春期を迎える蛍は、日々そんな風に考えるようになっていく。

蛍とギン、触れ合うことは出来ずとも心の距離を会う度に縮めていった二人の心情がとても丁寧に描かれています。
展開としては非常にシンプルで時間も50分と言う短い作品ですが、それでもラストでしっかりと感動できたのは、やはり二人の心情描写をしっかりと描けていたからでしょう。

{netabare}そして迎えるラストシーンではもう感動せずに入られませんね。
時を重ね、互いへの思いを深めていった二人が最後の最後に抱き合うシーン
消え行く中でも、今まで触れたくても触れる事が出来なかった蛍へと触れられる喜びに「やっとお前に触れらる」と顔をほころばすギン
そして、最後の最後にギンに触れ、残されてしまう蛍に、今まで蛍とギンを温かく見守って来ていた妖怪達の「ありがとう」と言う言葉にも感動でした。
何というか、本当にギンは幸せの中で消えていったんだなぁと感じさせられました。{/netabare}

予想に容易い展開ではありましたが、切なくも儚い展開には感動を抑え切れませんでした。
視聴後、非常に心温まるとても素晴らしい作品、夏目友人帳が好きな方なら、絶対に楽しめると思います。
終始、暖かく優しい展開、それでいて夏目友人帳以上に心情描写を丁寧に描いている様に思えます。
それ故にラストでの感動は、寧ろ、夏目友人帳を超える作品ではないかと思います。
是非とも一度視聴してみる事をオススメ致します。

投稿 : 2024/09/14
♥ : 60

63.8 3 夏で中学生なアニメランキング3位
夏のあらし!(TVアニメ動画)

2009年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (252)
1578人が棚に入れました
夏休みを利用して田舎の祖父の家に泊まりに来た八坂一。彼はたまたま涼みに入った喫茶店の従業員・あらしに一目惚れをしてしまう。
とあるきっかけであらしが一に触れた瞬間、2人の間に雷のような衝撃が走る。あらしは「通じた!」と声を漏らすと、驚いた一を外へ連れ出す。そのまま2人で裏山を駆け抜けると、目の前には現代の日本だとは思えない風景が広がっていた…。

声優・キャラクター
白石涼子、三瓶由布子、名塚佳織、小見川千明、杉田智和、生天目仁美、安元洋貴、野中藍、堀江由衣

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

原作を買い揃えようとしたらもう買えなくて悲しい

<2024/5/21 追記>
自分の中で評点の基準を変えたので、修正レビューです。
(4.6→4.5 100点満点換算で88点)

誰にでもおすすめできるかというとそうではないかもしれない、人を選ぶ作品
でも好きなんすよ
原作もアニメも

<2018/7/6追記・修正>
<2017/9/12初投稿>
原作既読。

悪ガキ風な中1の少年と、溌剌颯爽とした高校生の年頃の少女の、ちょっと甘酸っぱくてせつない夏休みの冒険コメディ。
キーワードは「幽霊」と「タイムリープ」と「第二次大戦」

これ好きなんですよ。
いろいろてんこ盛りなのにわかりやすくお話に引き込まれます。
それをさらにシャフトが良い味付けしてます。

主人公・八坂ハジメは中学1年。性格は昔の漫画風の熱血悪ガキですが変な発明が好きな理系というある意味新しいタイプのキャラ。

そんなハジメが夏休みにじいちゃんの家の近所の喫茶店「方舟」で出会ったのがヒロイン・嵐山小夜子。
黒髪ロングの見た目清楚なお嬢様。その実、気さくでナチュラルな明るさ、そして凜とした雰囲気を兼ね備えた素敵なお姉さんです。普段はセーラー服着てるので多分高校生。

このヒロインにはある秘密があり・・・。

基本は日常系のクスッと笑えるオーソドックスなドタバタ・コメディ。
その一方で芯となるシリアスなストーリーが並行して進んでいきます。
この芯のストーリーは、痛く、切なく、恐ろしく、そして心が温かくなるものです。

絵柄や雰囲気が古いと感じる方もいると思いますが、なんせ昭和がテーマのようなところもありますので。

もっともっと評価されて良いと思ってます。

※一期のOP曲について
一期のOPは勇気のある方に是非カラオケで歌っていただきたい。女の子の前で。

私は意気地なしなので無理でした。

投稿 : 2024/09/14
♥ : 30

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

昭和演出のSFコメディー

1期2期をあわせた感想です。

タイプトリップ、幽霊、入れ替わり等の要素を詰め込んだSFコメディー。
タイムトリップについては矛盾だらけですが、コメディーとしては上出来です。
また、入れ替わりの回は凝った作りで笑えます。

キャラは強烈。
性格付けが絶妙。
生き生きしたキャラを眺めているだけでも楽しいです。
中でも、潤のツッコミが面白く、そして可愛いのです。

この作品、音楽が独特ですね。
主題歌が昭和風味。
その上、各話のタイトルや挿入歌も70~80年代の懐メロです。
このため、古めかしさは否めませんが、まさしく郷愁といったところ。
OP映像はシャフト演出がビンビンです。
これは一見の価値ありかな?

投稿 : 2024/09/14
♥ : 27
ネタバレ

ざんば さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

嵐のような時間でした♪

スクールランブルの原作者、小林尽さんの漫画が原作。

1期と2期まとめてのレビューです。

次が見たくてしょうがないほど楽しめたのは
久しぶりだったのでまとめて観ちゃいましたw
早速、お気に入りの棚にいれなければ!

※この作品を観るときの注意点。
{netabare}この人の作品の絵は癖が結構ありますが
見た目だけで断念はしないでほしいですね。
それと1期の1話で困惑するかもしれません。
そこで切らずに2話、3話をみてほしいと思います
それだけの価値がある作品だと思ってます。{/netabare}


あらすじは
昭和20年の美少女、嵐山小夜子(通称:あらし)と
現代の中学生、八坂一を中心に
喫茶店"方舟"の従業員たちと巻き起こす
タイムスリップドタバタラブコメディーです。

この人のキャラは本当に魅力的だなあ~
特に男キャラが本当に素晴らしいです。
スクランの播磨のときもそうでしたが
抜けてるところはあるけど根っこはめちゃくちゃ良い奴だし
何より凄く応援したくなりますしね。
ラブコメ主人公はやっぱりこうでないとね。

もちろん、女の子たちも素晴らしかったですね。
どれも魅力的な女の子達ばかりですが
1番はやっぱりあらしさんですかね。
天真爛漫で人当たりがいいですし、
一が一目惚れしたのも大きく大きく頷けます♪


ストーリーは7割くらいドタバタラブコメですが
昭和20年(1945年)ということで戦時中の話が出てきます。

そういえば、アニメで現実の戦争の話は珍しいですよね
ドラマなどでは知っていたけれど
アニメで観るとまた違った戦争の怖い部分、嫌な部分が見えてきました。
いろいろと勉強になるところが多かったですし、
見てよかったと思えるものでした。


でもラブコメ部分はニヤニヤしっぱなしでしたし、
真面目なところはしっかり真面目に観れますので、
ギャグとシリアスのメリハリがあって
とてもバランスのいい作品だと思いました。

それとタイムスリップ物には付き物のタイムパラドックスについてですが
{netabare}"過去へ行って変えた歴史が現代の歴史"{/netabare}という設定には
納得できますし、なにより話をさらに面白くさせてくれましたね。

ややこしいですがストーリーに矛盾がなかったこともかなり好印象でした。

特に1期の1話、13話、2期の13話と3回に渡って続いた
激辛アイテム、キューティーちゃんを巡っての話は
本当に楽しかったです。
時系列を整理するのは大変でしたが、
納得したときの爽快感は最高でした♪

声優は主人公の一の三瓶さんが最高でした
今のところ少年の声なら三瓶さんが1番ですね!


そういえば、物語シリーズの監督として有名な新房監督と
シャフトなので演出が面白い面白い。
ただし・・・小ネタが圧倒的に古すぎるw
軽く調べたところ1980年代のものばかりでした。
分からなくても楽しめますが、やっぱり悔しい。
分かる人がただただ羨ましくなりました。
ということで80年代の漫画や音楽が詳しい人には特にオススメですね!


凄く楽しい時間でした。
1期2期、26話があっという間に見終わってしまいました。
というか評価されてなさ過ぎでしょう。
こんな面白いのに60点ぐらいなんてありえないですね。
もっと評価されてほしい!!

原作のほうも完結しているようなのでぜひぜひ読みたいですね♪
できれば残りの方もアニメ化してくれるといいなあ・・・


観終わって思ったことは
やっぱりこういったドタバタラブコメが
自分の肌に1番合うということでした。

投稿 : 2024/09/14
♥ : 26

60.5 4 夏で中学生なアニメランキング4位
うた∽かた(TVアニメ動画)

2004年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (85)
576人が棚に入れました
神奈川県の鎌倉に住む中学2年生の少女「一夏(いちか)」は一学期の最後の日、学校の大掃除の途中、藤堂誓唯から貰ったお守りのついた携帯電話を落としてしまう。下校途中にそれに気づいた一夏は夕暮れの学校に戻るが、不思議なことに携帯は鏡の中に入り込んでしまっていた。そこに不思議な少女舞夏が現れ、携帯を返す条件として『神精霊(ジン)』の力を使い、その感想文を代わりに書くことを要求してくる。こうしてあの想い出の夏が始まった…。

声優・キャラクター
本多陽子、浅野真澄、川上とも子、長谷優里奈、田村ゆかり、飛田展男、神奈延年、川村万梨阿

とってなむ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

名作になれそうでなれなかった作品

何かが足りなかった印象です
名作のオーラだけは醸し出してました


本作はわりと暗めのストーリーです

~あらすじ的な何か~
一学期の最終日は大掃除
主人公である一夏はある人から貰ったお守りのついた携帯を掃除中に落としてしまいます
帰り際に気付いた一夏は掃除していた教室にカムバック
そしたら携帯は大きな鏡のなかに…?

鏡の中からこんにちは、謎の少女が現れます
『返してほしい?なら私と契約しなさい』
台詞も内容も全然違うけどこんな感じで、
一夏は魔法少女(仮)にさせられます
『思い出』ではなく『想い出』の夏が始まるわけです…

1話観たときはちょっと鳥肌立ちました
暗めの雰囲気となんとも言えないオーラが
この作品を包んでおり、緊張感がありました
ただ、全話視聴後は少しガッカリ
色々と残念でした


まず気になるのが作画
1話目はまだ良かったのですが、回が進む毎に酷くなっていった気がします
特に背景が…
綺麗なとこは綺麗なので、それだけに残念です


次に登場人物たち
なんか怖い
表情や行動がいちいちおかしい。。
噛み合ってない会話などもあり、不気味でした
まぁ元々、ダークな内容なのでいいのかもしれませんが


そして説明不足なところ
いきなり、謎の単語が出てきたりしてワッツ?ってなりました
代表的なのが『ルール違反』
いやいや!その肝心なルールが分からないから!
ルールについての説明は無かったはずです
どこかで明らかにしておくべきだったと思います


うた∽かた というタイトルだけあって歌は良かったです
まぁ実際には『うたかた』とは泡とかそういう意味ですが

OP「想いを奏でて」 歌ーsavage genius
ED「いつか溶ける涙」 歌ーsavage genius

OPは明るい感じで、作品の雰囲気とは逆で
希望を持たせるようなものでした
曲名や歌詞にも深い意味が感じられます
間違いなく名曲でしょう


最初に何かが足りなかったと述べたのですが、
それはもしかしたら逆なのかもしれません

展開的には面白かったのですが、
伏線などを無理に張りすぎ、詰め込みすぎた感がありました
そして残念なことにパンパンに膨れ上がった状態で
終わりを迎えてしまっていました
単純に尺不足とも思えないのが難なのですが。。

観終わったあとにモヤモヤが残る作品でしたね
物語や設定、雰囲気は悪くなかったと思います
人によって評価がくっきりと分かれそうなので、
是非一度観ていただきたい作品ではあります


泡沫(うたかた)…儚く消えやすいもののたとえ
モヤモヤして私の頭からはなかなか消えてくれなかったよ

投稿 : 2024/09/14
♥ : 30

ソーカー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

試しの子の選択とは

神奈川県の鎌倉に住む真面目で心優しい中学二年生の少女・橘一夏は
鏡から現れた不思議な少女・黒城舞夏に「神精霊」の力を使い、その感想文を書くことを要求される。

「神精霊」の力で出来ることは「見る」ことだけですが、その力を使って友人を助けたりする。
しかし、その中で人の負の面を見せつけられ、徐々に主人公は心を病んでいきます。
見ていて最初は全然気づかなかったのですが、七つの大罪を題材にしていたんですねぇ・・・
人が死ぬような鬱アニメとは違って、思春期の些細な悩みを殊更大きくえぐり出すような内容で
キャラの心情描写もしっかりしているため、結構ずっしり来る展開です。
散々な展開続きで、ラストに重大な選択を迫られるなかなかヘヴィなアニメw

なかなか面白かったのですが、重い展開なので人を選ぶとは思います。
執拗に伏線を張ってくるのですが、最終話まで粘らないと回収されません。
疑問符が付きながら最終話まで見たら、それなりに納得いく作りではありましたが
説明不足な点があり素直に良作だったとは言いづらいかも。

しかしながら、「神精霊」の力を授けられた少女の苦悩を終盤までしっかり描いているので
ラストの主人公の選択にも説得力があり、そこそこ満足いくものではありました。
地味ではあるが、しっかりとした内容なので印象としては悪くはないです。

投稿 : 2024/09/14
♥ : 18
ネタバレ

おなべ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

あの夏の日

鎌倉を舞台に、中学2年生思春期真っ盛りの少女達の一夏を綴った青春アニメ。
主人公一夏ちゃんが鏡から出て来た謎の少女舞夏ちゃんと出会い、お守りに宿った「神精霊-ジン-」の視る力を使っていきます。
このジンが12種類あり、力を使う度にコスチュームも変わります。毎回デザインが違うのも、作品の見所の一つでしょう。


しかし、このアニメで主体になるのは、思春期の少女たちの心理描写。どこかで落とした物を探す、悪天候を晴天にする等、日常で巻き起こる些細な事件でジンの力を使います。そして、ジンの力を使ったからといって、必ずしも物事が万事解決せず、かえって嫌なものを視てしまうこともあります。真面目で今まで他人を疑った事もなかった主人公は、人のネチネチとしたネガティブな面を見て行き、段々身も心も弱っていくのです。
一夏ちゃんは病んでいくし…人間関係もギスギスしていくし…見ていて気持ちの良いもんじゃないです。鬱アニメの一例として挙げられるのは、このような気疲れしてしまうドロドロ要素が強いからでしょう。


何だと…世界征服を企む輩の野望を阻止する為にジンを使う魔法少女ものじゃなかったのか!?
当時視聴していた中坊の私は、イメージと違っていて、多いに期待を裏切られました。
中坊の頃は、明るい作品じゃないし、主人公死にそうだし、何だかあんま面白くないなーと思っていました。話が反れると、「うたかた」が始めて見た深夜アニメで、対象年齢高めのアニメは、皆こんな感じに暗くて、人間関係が複雑なのかなあ…、よく考えられててすごいなあ…、そうしみじみ感じていました(実際はそーでもないのも多いけど)。

しかし多少、年を重ねた今見返してみたら、SUGEEEEEE丁寧に作られていてビックリしました。見れば見るほど味が出て来る、スルメのようなアニメだなーと改めて考え直しました。


この作品には毎話多くの伏線が見え隠れします。初見だと意味有りげな台詞でよーわからんのですが、二回見ると「ああ、これはこういう意味だったのか…」「だからあんなこと言ったのか…」とわかる描写が多くて面白い。
逆に、伏線で溢れまくっている上、回収されるのが最終話なので、わかるまでは非常にヤキモキしてしまいます。どうしても若干台詞がテンポ悪く聞こえてしまいますね。最終話もやや強引な部分もありますし、結局触れられなかった設定もあります。

また、14歳の多感な時期である一夏の心境の変化を、繊細に描写しているのが良かったです。そんな一夏の心の変化に、ハラハラしながら見守っている舞夏も好いポジションです。この2人の友情は本当に美しい。まさにベストパートナーです(百合だって?百合でいいじゃないか、何が悪い!)。
私は実写映画にしろアニメにしろ、「キャラクターが自分の思っている事をべらべらと口にする」作品は好ましく思わないのですが、うたかたは演出で魅せてくれたのが非常に好印象でした。
例として挙げると
{netabare} 6話でセイとサヤが会話しているのを見た後、フェンスにネックレスが引っ掛かる場面。覗き見なんて悪い…と頭でわかっていても見ている一夏の考えが形になって出ていました。Bパート後半で、想像上でセイに全裸で追及するシーンも一見「!?」ですが、自分をさらけ出したい、セイさんのことで頭が一杯な心境がよく表現出来ていました。{/netabare}

中坊の頃でも強烈に印象的だったのは8話
{netabare} 記憶障害の患者に贈ったドライフラワーを、「こんなゴミみたいなの、花なんかじゃない!」なんて言われながら滅茶苦茶にされる場面。ドライフラワーを一生懸命に作った回想シーンも入れられ、「ゴミなんかじゃ、ありません…」と言う一夏ちゃんがもう、不憫で仕方がなかったです…。あんなこと目の前でされたらそりゃ心病みますわ。でも学校も患者の都合は配慮しなきゃならんかったなあ、と余計なこともしばらく考えてしまいました。 {/netabare}



また、作品を彩る音楽、背景描写がとても美しい。OP、EDもうたかたの世界覧にマッチしていて見事な選曲でした。シャボン玉みたいに丸っこいフォントも素敵です。


少女たちの生々しいガラスのハートのように繊細な心境や、トゲトゲとした裏のある台詞の掛け合いは胸に来るものがあります。キャラクター、特に一夏を好きになれないと感情移入しにくく、作品も楽しみくいでしょう。鬱々しい雰囲気にどんどんなっていくので、好き嫌いも別れそうです。


しかし、もう二度と来ることのない、たった一度きりの夏の思い出を甘酸っぱく、切なく感じられる世界覧は必見です。
"夏"を重点に置いた作品は多々ありますが、私にとって夏アニメと言えば「うたかた」です。未だに「一夏」といえば「IS-インフィニットストラトス-」よりも、「うたかた」を連想してしまいますね。

投稿 : 2024/09/14
♥ : 15
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