地下鉄でシリアスなおすすめアニメランキング 4

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの地下鉄でシリアスな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月04日の時点で一番の地下鉄でシリアスなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

82.2 1 地下鉄でシリアスなアニメランキング1位
残響のテロル(TVアニメ動画)

2014年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (2160)
11406人が棚に入れました
ある夏の日──突然、東京を襲った大規模な爆弾テロ。平穏なこの国を眠りから覚ました事件の犯人は、たったふたりの少年だった──。〝スピンクス〟と名乗る犯人たちの、日本中を巻き込んだ壮大なゲームがいま、始まる。

声優・キャラクター
石川界人、斉藤壮馬、種﨑敦美、咲野俊介、潘めぐみ
ネタバレ

かげきよ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

テロルチョコ

二人の高校生がテロを起こし女子高生が一人巻き込まれていくお話。


1話目から早速テロを起こしたわけですが
今の所、悲しい過去とトラウマは持っていそうだが
彼等なりの正義が描かれていないので賛同しようもない。
テロという重罪を背負う覚悟や認識があるのかも不明。

新宿という実在の街で犯行し現実味のある雰囲気を作ろうとしているようだが
死傷者の描写が無い。だから衝撃や驚き、恐怖もなかった。
テロを正面から描くなら犠牲者も描くべきだと思う。

もし避難してみんな無事というのであれば余りにもヌルく
ご都合主義で嘘くさく感じてしまうし
女子高生に死か共犯かを迫るシーンも殺す気がないクセに…と説得力を失う。

どちら転んでも甘さが残る納得行かないスタートだった。

爆弾に関しても納得行かない。
ぬいぐるみが燃える描写があったが爆発力は感じなかった。
威力があったとしてぬいぐるみ爆弾を置くだけでは爆発の力が逃げ
コンクリぶち抜けやしないだろうし、ビルを綺麗に崩落させられる訳がない。

ぬいぐるみで火災を起こし人を避難させ
ビルに埋め込まれた爆薬で崩落させたのだとも考えられるが
そうすると女の子に渡したぬいぐるみ爆弾が説明が付かない。
電話で誘導した位置の壁に爆薬が仕掛けてあり誘爆したと解釈するしかないが
その様な描写も見られずやっぱり謎。

あの高さから舗装された地面へ怪我無く飛び降りる女子高生も忍者なのか?
そもそも死か共犯かって脅迫で選択肢じゃ無いじゃん…。
とか他にも色々あって、少々口うるさくなってしまった1話でしたが
作画やキャラ、音楽関連はなかなか良さそうですし
全体的なストーリーは楽しめそうではありますから視聴は続けます。

注:【考察・予想】というのが時折出ますが、原作を知らない状態で書き込んでいます。
ネタバレとは異なりますが先入観を持ちたくない方はスルーしてください。

※2話感想{netabare}
爆弾が納得行かないと言っていたら解決編が来た。
3000℃だから溶ける&水蒸気爆発との事。
いやいや、爆弾自身が3000℃でも
柱内部までその熱を持続して伝えないと溶けないのでは?
とか言いたくなるけどここは深く追求せず、そういう事にしておこう。

新宿テロは軽傷者のみとやはり甘々な決着となった。
六本木のテロもモニターチェックしケガ人出ない様にタイミング計って爆破。
ドレもコレも計算尽くの「安全なテロ」らしい…
大分ご都合主義でツッコミたいけどコレも追求すると
作品自体アホらしくなりそうなので勘弁しておこうと思う。
(ただ現時点で緊張感も削がれている…だって核持っても人殺さないんでしょ?)
…でもオカモチごと置いて行く豪快な出前にはツッコんでいいよね!?

スピンクスの神話は聞いた事ある人も多いと思う。
アニメだと「絶対やれるギリシャ神話」で紹介されているので
気になる人は観てみるといいかも。
しかし、4-2-3と2-4-3間違えて行動しちゃうとは情けない…。

ストーリーとしては「VON」や「柴崎の過去」など、謎めいてきて面白くなってきた。
居場所のない女子高生もいつ爆発してしまうのか? テロの爆破よりも興味が出てきた。
{/netabare}

※3話感想{netabare}
柴崎さんが一本返した回。

高いレベルの頭脳戦は好みだし楽しめるのでウェルカムなんだけど、
今回のなぞなぞはマニアック過ぎて全く分からなかった。
メガテンやペルソナかじった位の知識じゃ付いていけないらしい。
付いていける方が怖い気もするけども…。
故に柴崎さんはその過去や正義感も含め色々な意味で恐ろしい気がする。

今後の対決は楽しみではあるけど余り極端に神話の知識の比べ合いには
成らないで欲しいかな。
高いレベルの頭脳戦=マニアックな知識では無い訳だし。

今後の展開は…【予想】{netabare}
犯人を追う敏腕刑事が真相を突き止める『逃亡者』パターンに成りそうな感じ。
スピンクスは計算して「理解力のある優秀な刑事」が現れるように仕向けていそうで
いずれは間接的な協力関係に成るのではないでしょうか。
{/netabare}{/netabare}

VONについて【予想】{netabare}
床や爆弾に記されていて天地が判らないのがミソ。
多分、逆さで「NOΛ」=ナンバーラムダなのだろうと考えている。
Λ(ラムダ)はギリシャ文字の第11字なのでイレブンという意味かな?
ともかくΛは施設から逃げる時に亡くなった子(?)を表している様に思う。
今の段階では施設関係者だけに理解できる復讐や警告のメッセージだと解釈している。
{/netabare}

カラスについて【参考】※ネタバレ無し{netabare}
OP、EDでやけにカラスのイメージを押してくるので意味がありそうですよね。
ギリシャ神話でもカラスは登場しますので参考までに軽く触れて置きます。

元々姿は真っ白で美しい声を持ち言葉も話せアポロンの下僕として仕えていました。
アポロンにはコロニスと言う恋人がいましたがなかなか会えない為
このカラスを遣いとして交際していました。
そんなある日、コロニスは人間の男と親しく話をしていました。
それを目撃したカラスが「コロニスが浮気をしている」とアポロンに告げます。
怒ったアポロンはすぐさま弓矢でコロニスの胸を射ってしまいますが
死の直前にコロニスは妊娠していた事を告げ、変わらぬ愛を示しました。
勘違いだと知り後悔するアポロンはカラスを許せず
声を潰し、体を黒く染め喪に服させました。…とさ。

カラス気の毒な気もしますが…。(笑)
この作品ではどんなメッセージが込められているのでしょうか?
{/netabare}

※4話感想{netabare}
今回のなぞなぞは柴崎さんが解き明かすも警察の余計な動きにより防げませんでした。
戦闘で勝っても戦局で負けては意味がなく
スピンクスの掌の上で踊らされてしまいました。

今回爆発したのは警察の内部資料で「VON」と言うメッセージと共に世に拡散しました。
意味する所、計算尽くのスピンクスが本格的に『施設』に対し
宣戦布告したと捉えています。
「父親殺し」「なぞかけ」「寒い国の音楽」「爆弾」「プルトニウム」等々
ヒントも散らばって来ましたし、どう繋がるのか引き続き予想しながら楽しもうと思います。

また行き場の無くなったリサがとうとうスピンクスの元へ。
風を浴びる表現とか窮屈な日常から解放される描写が美しかったです。
スピンクスの綿密なテロ計画の中でイレギュラーな存在の彼女が何をもたらすのか
足引っ張りそうだけど救いにもなりそうで興味津々です。
白から黒へ変わるカラスのイメージは彼女を表しているのかな。
{/netabare}

寒い国の音楽について【予想】{netabare}
演歌だったら笑えるけどね…。
寒い国と聞いて太っちょ刑事さんは国内をイメージしてたけど
個人的には「ロシアや北欧諸国」と言った海外が思い浮かぶ。

神話をモチーフにするなら北欧かな? 
北欧神話で歌と言えば、英雄ジークフリートの死とその妻の復讐劇を描く物語
『ニーベルンゲンの歌』が思いつく。
…ってか他にもあるかも知れないけど知らない。
楽曲ではワーグナーの『ニーベルングの指環』という長い事で有名な
クラッシックオペラがあるので、それを聴いてたんじゃないかな?
イヤホンで聴くようなものでも無いし
ギリシャ神話から離れている時点でもう違う気もするけど、
根底には復讐が絡んでいそうなのでこういう推測にしておく。
無理矢理だけどね…。もうちょいヒント出ないかな。
{/netabare}

「タイムリミット」からの推察【予想】{netabare}
4話で「俺たちには時間がない」と言う発言があったので何故なのか推察。

普通に考えて二人の寿命がそろそろって可能性もあります。
優れた知能と引き替えに何かリスクがあってもおかしくないですが
元気そうなのでとりあえず次点。

本当にテロを計画しているのは『施設』で、
スピンクスはそれを止めようとして急いでいるのではないかとも考えられます。
その為に優秀な刑事(柴崎)を利用し暴こうという計画なのではないかと。

施設は子供たちに遺伝子操作や薬なども使った超能育成をし
その子供達を使ったクーデターの様な事を目論んでいたのではないでしょうか?

4話での爆破により施設に「VON」と言うメッセージを突きつけた事もあり
そろそろ施設が動く事を予想し「時間がない」と言ったのだと思います。
{/netabare}

「オイディプスと父親殺し」からの推察【予想】{netabare}
この作品のオイディプスは誰なのかと考えると「柴崎」なのだと思われます。
となると父親は「警察庁」。左遷は捨てられたと捉えられます。
スピンクスの二人がいた『施設』が「警察庁」と深く関わっていたなら
事件を追い解決していくうちに「父を殺す」ことに繋がっていくのかも知れません。
警察上層部の不透明性が引っかかるのであり得そうな気はします。

…うーん。そうすると、子供達は警察の犬として育成されていた可能性も出てきて
上記のタイムリミットの考え(施設がテロをする)が怪しくなるな…。(^_^;

今の所『施設が警察機関説』が本命、『施設がテロリスト説』が対抗って感じかな。
複合の可能性もあるけど、次回以降また推察して行こうと思います。

プルトニウムはコレと言ったものが思い当たらないので保留。
{/netabare}

※5話感想{netabare}
リサの居場所探しとハイブ登場回。

居場所のないリサは何とかスピンクスの元に残ろうと苦闘中。
何をやっても鈍くさく仲間に入ってもスピンクスの弱点になりそうな訳だが、
何かの「鍵」となりそうで興味深く観察中。

一方警察側には「ハイブ」という少女が登場。
アメリカから来たと言うのが意味深げで『施設』とも関連があり能力も高い様子。
スピンクスの存在を確認する為に非人道的な解決策を取ったりと新たな強敵となりそう。
ナインが思い当たる人物なのか、はたまた…。人間関係や想いが複雑に絡んで来ました。
{/netabare}

※6話感想{netabare}
ハイブの掌で踊らされるスピンクス、そして独自に動き出す柴崎。

ナインとハイブは仲の良い友達かと思いきや因縁もある様子。
今までの柴崎VSスピンクスの直接対決の構造から一転し
ハイブの土俵で互いにどう動くのかという構造に。

ただ『空港でチェス』は意味不明で置いてけぼりなのですがね…。
ヒントになってるって言っても序盤多くの最善手あるし、
座標は互いに伝えられても、どの駒なのかはどう伝えるのコレ!?
神話問答よりポカンとしそうなんですが。

柴崎は骨のある所を見せ渋カッコイイ。果たして意地が観られるかな?
リサは相変わらずドジだけど今回は切り札。
次週はこの二人に注目&応援!面白くなってきました。
{/netabare}

※7話感想{netabare}
どうやってチェス対決していたのか凡人には良く解らなかった。
走り回らず監視カメラに向かって筆談とかじゃダメなのかな?

ハイブ達の行動がテロリスト同然なのですが
何故ここまでしてしまうのか出来てしまうのか理由が気になります。

ともあれスピンクスが先勝。
盤外の駒を巧みに使ったことが勝因でしたが、リサは今後弱点になっていきそうです。
{/netabare}

※8話感想{netabare}
警察からは見放されつつもアテネ計画の真相に迫る柴崎。
後輩くんも衝突はあったモノの結構いい奴なのが判ってきたですが、
理解にいたる描写やエピソードがもう一押し欲しかったかなって気もします。
柴崎の若い頃、学生の反政府運動があった話が出ていたのでアテネ計画の首謀者は
これとも絡んでくるのかな。

リサは足手まといを察してスピンクスから離れようとしましたが捕まってしまいました。
どんくさいのもあるんだろうけど、この娘のやること裏目裏目に出て
ちょっと可哀想かなと同情してしまいます。
無事助かるといいのですが…。
{/netabare}

※9話感想{netabare}
ついに、アテネ計画の全容が判明!…そしてスッキリ!ってなるかと思ったけど
「優秀な人材を作っる計画」ってのはここまで観た人ならもう判ってる事なので、
驚きはなかったです。
知りたいのは優秀な人間を「何に使うか」って事だったんだけどな…。
ちょっと微妙な回答でした。

まだまだスピンクスの活動の目的や動機、そして原子爆弾との関連も判らないし
ハイブの思惑も謎なので期待はしてますが、
予想を下回り尻すぼみになりそうな気もして来ました。どっちに転ぶかな?

ハイブ倒れちゃいましたが彼女にも残された時間が僅かって事なのでしょうか?
{/netabare}

※10話感想{netabare}
アテネ計画の内容が更に判明してこれで全容の様です。
前話で知りたかった「何に使うか」という疑問には答えてくれました。
具体的に何に使うかという事ではなく「力の保持」政治や軍事的な圧力強化目的で、
核保有と似た論理でした。
判らなくは無いけどここまで引っ張った割には意外性に欠ける気はします。

ついでに核も兵器として持っていた様ですがこちらも驚くには至らず。
アテネ計画の目的と被ってますしね…。
色々と想像膨らまし過ぎだったのかな?普通の人はこれで驚くのかな?

ハイブの方は愛憎劇がある様ですが何があったかコチラの想像任せ?
それとも最終回に判明するのかな?
急に「私の分まで生きて」と言われても
寿命を与えるとかそれなりの事象みせるか、ちゃんと心境ブツケてくれないので
現状では心は動かないないです…。
もう一週、最後の締めがあるので期待してますが、
このままだと描写不足で独りよがりな作品という評価になってしまうかも。
{/netabare}

※11話感想{netabare}
甘いテロに始まり甘いテロで終わる事になりました。
電子機器イカレたら飛行機に限らず死者は出ます。
他の乗り物もあるし、入院・治療中患者なと電子機器で生きながらえてる人もいる。
更に二次的な事故や事件も考えられるし、放射能の影響だって全部宇宙へ
って訳ではないのに都合の悪い事は無視。

もうちょっとテロを正面から捉えて、それでも覚悟を決めて決行して
観ている側にも善悪を考えさせる内容であって欲しかったです。
こんなご都合主義のヒロイックなテロでは納得し切れません。
(ノイタミナ枠って事もあるけど)

他にもこの最終話は都合の良いことばかり起きてちょっと辟易でした。
「米軍はEMP対策で大丈夫」の一言で
通信や命令系統の混乱無く一介のヘリまで問題なく運用されているし
ヘリのモーター音関係なく会話しているし
ボタン持ってない方のツエルブ先に撃つしで、
うーん…ちょっとありえんなというシーンが矢継ぎ早。
普通にナイン撃たれて死ぬ間際に柴崎と会話で良くない?

あと、彼らの最期にはリサへのメッセージとなる描写が欲しかったかな。
言葉でなくとも彼らの生き様が伝わる描写があれば
彼らとの関わりが立ち直りの一助となったと納得できるし
感動のひとエピソードになったと思う。
彼女の『居場所』というのもこの作品で大事な部分なのに
何もないまま時間も彼女の思いも一年飛ばしてエンディングを迎えるのは勿体ないです。
前話のハイブの最期もそうだけど心に残るかどうかの所での描写不足で
結構勿体無い事しちゃってると思います。
{/netabare}

【総評】
個人的にはもう一段、深い謎が隠されていると読んでしまっていたので
観終わった時に意外とシンプルだったなと思ってしまいましたが
1クール物で締めるには丁度良い落とし所だったと思います。

ただ、謎解きに関しては視聴者が推理する隙のない作りで
一方的に見せられている感じを受けますし、
ハイブが何故あそこまで敵対心を燃やし憎むのかも描写不足でこちらの想像に丸投げ
だったりと不親切な点も目立ちました。
施設脱出やハイブがアメリカに行く事になった経緯とかはもう少し知りたい所。
他にも描写不足で損しているなと思う事の多い作品でした。

一話から感じていた都合の良すぎる「甘いテロ」への違和感も最後まで続きました。
(詳細はネタバレになるので11話感想他で)
被害者が居らず何だか良いテロみたいに表現されているけど、
やっぱり卑劣な行為だという事もちゃんと表現して欲しかった…。
この辺りは作品への不満として大きかったです。

スピンクスはあれだけの能力がありながらテロに頼らなければいけなかったのだろうか?
という思いが観終わって暫くしても残響しています。

作画についてはほぼ満点。
キャラはもう一つ掘り下げてくれれば好きになれたかな…って所です。

描写不足やヌルいなと思う所が多々あり、期待よりは下回って色々と書いちゃっていますが
1クールでまずまず楽しめる大人アニメにはなっています。
強くは勧める程の作品ではないですがお暇ならどうぞ!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 51
ネタバレ

キャポックちゃん さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

テロより恐ろしいもの

【総合評価:☆☆☆☆☆】
 「核テロ」というきわめて難しい題材に果敢に挑戦した、野心的な作品である。
 日本アニメには、テロリストに焦点を当てた傑作が多い。テレビアニメに限っても、本作をはじめ、『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』『GUNSLINGER GIRL』『RIDEBACK』『FLAG』『BLACK LAGOON Roberta's Blood Trail』『輪るピングドラム』『PSYCHO-PASSサイコパス』などがある。特徴的なのは、どの作品もテロリストを悪人として断罪するのではなく、「彼らはなぜテロに訴えるのか」「無差別テロを防ぐためなら何をやっても許されるのか」といった重い問いを投げかける点である。
 これは、かなり奇妙な現象と言える。『ダイ・ハード』シリーズに代表されるように、ハリウッド映画では、無差別テロリストはナチスと並ぶ絶対悪として容赦なく処断され、彼らを殺害する者が英雄視されることが多い(もちろん、そうでない作品もある)。日本でも、実写映画やテレビドラマならば、「テロリスト=悪」という図式の下に制作されるのが一般的である。ところが、アニメになると、なぜかテロリストに対する見方が一変する。
 その理由を解明するのは容易ではないが、一つの推測を述べるならば、90年代後半、テレビアニメが急激な変貌を遂げる時期に制作を任されたのが、子供の頃に学園紛争の終焉を目にした60年代生まれの世代だったからではないかと思われる。核テロがどのように表現されたかを中心に、この推測を跡づけてみよう。
 核兵器を利用して政府を脅迫し、いざとなればその使用をも辞さないという核テロが作品のテーマとして日本で本格的に取り上げられた最初の例は、長谷川和彦監督の実写映画『太陽を盗んだ男』(1979)だろう。1946年生まれの長谷川は、東大在学中に政治に関心のないノンポリ学生として学園紛争(1960~70年代半ば)を間近で体験した全共闘世代である。おそらく、多大な犠牲を伴った紛争が結局は何も生み出さなかったという暗澹たる思いがベースにあるのだろう、『太陽を盗んだ男』は、原爆の製造に成功し政府を脅迫できる立場にありながら、実のある要求を思いつかない中学教師の空虚さを描き出す。
(以下、OVA『機動警察パトレイバー』、劇場版『機動警察パトレイバー 2 the Movie』のネタバレがあります)
{netabare} 全共闘世代後期になると、武力闘争のむなしさがより強烈に意識される。押井守(1951年生まれ)が監督したOVA『機動警察パトレイバー』第5~6話「二課の一番長い日(前後編)」(1989)では、核兵器を入手した組織がいかにクーデターを実行に移したかがリアルに描かれながら、クーデターが成功した暁に何をしたいのかという将来のビジョンは語られない。こうしたビジョンの欠如は、劇場版第2作『機動警察パトレイバー 2 the Movie』(1993)で、「クーデターを偽装したテロ」という象徴的なテーマとして改めて強調される。{/netabare}
 長谷川や押井ら全共闘世代が提示した「目的の曖昧なテロ」という問題は、90年代後半から00年代にかけてテレビアニメの革新を主導した60年代生まれのアニメーターに多大な影響を与えたと考えられる。
(以下、『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』『GUNSLINGER GIRL』『BLACK LAGOON Roberta's Blood Trail』『輪るピングドラム』のネタバレがあります)
{netabare} 神山健治(1966年生まれ)が監督・シリーズ構成を務めた『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』(2004)では、「難民が核テロを画策している」というフェイクニュースを流すことにより、強権的な立場を確保しようとする政権中枢の動きが取り上げられる。状況を演出するゴーダは、元官僚らしい緻密さで計画を立案しており、ニュースのリアリティを増すためには、核兵器の使用をもためらわない。
 この作品に代表されるように、00年代以降のテロリストアニメでは、テロ行為の持つ社会的機能に目が向けられ、社会がテロと対峙するあり方が考察される。
 浅香守生(1967年生まれ)が監督した『GUNSLINGER GIRL』(2003)は、テロリストを抹殺するために身寄りのない少女を殺人サイボーグに改造する寓話的ストーリーを通じて、テロ対策の許容限界を問題とした。反米的活動家を暗殺する任務を帯びた米軍秘密部隊を、恩人を殺された凄腕の元テロリストが血祭りに上げる『BLACK LAGOON Roberta's Blood Trail』(2010)で、片渕須直(1960年生まれ)は「人殺しが許されるような正義はあるのか」と問いただす。オウム事件をベースにした『輪るピングドラム』(2011)で幾原邦彦(1964年生まれ )が取り上げたのは、無差別テロに対する憎悪が憎しみの連鎖を生み出し、新たなテロを引き起こす過程である。{/netabare}
 『残響のテロル』(2014)の原案・監督を担当した渡辺信一郎(1965年生まれ)は、これらの先行作品を参照しながら、核テロが社会に与える影響を改めて熟考したと思われる。目的の曖昧さに目を向けた長谷川・押井の作品に対する返答として、彼は、ほぼ同期の神山と同じく、テロへの恐怖が持つ影響力に目を向け、国家権力との関係性を物語の軸に据える。「テロこそが社会にとって最大の脅威であり、核物質はテロリストの手に渡らないように特定の国家が厳重に管理すべきだ」という国際的な常識にあえて異を唱え、「この世にはテロよりもずっと恐ろしいものがある」と訴える。

【物語の構図】
 『残響のテロル』は、テロリスト-市民-国家権力という3項対立の物語として、図式的に読み解くことができる。
(以下、本作のネタバレがあります)
{netabare} それぞれの対立項は、性格の異なる二人の人物によって代表される。ネットで予告しては爆弾テロを繰り返す二人組のテロリスト・スピンクスの正体は、怜悧なナインと子供っぽさの残るツエルブ。彼らを追跡するのが刑事の柴崎で、警視庁という国家組織に所属しながら、人々を守ることに徹する市民側の存在。逆に守られる立場の市民として登場するのが、学校にも家庭にも居場所のない女子高生のリサ。権力側には、NSAもかくやという監視網を駆使してナインとツエルブを追い詰めるエージェント・ハイブがいる。もう一人、国家権力の黒幕として間宮なる人物も登場するが、私が思うに、実は彼は手駒となる小者に過ぎず、真の黒幕は、それ自体が人格的存在となった国家理性ではないだろうか。{/netabare}
 ストーリーの前半は、テロリストと警察の頭脳合戦として娯楽色豊かに展開されるが、ハイブが強引な動きを見せる第7話辺りから、深刻な社会派ドラマの様相を呈する。人によっては、痛快さが失われるため後半はつまらないと感じるかもしれない。しかし、渡辺が最も言いたいことは、後半に集約されているので、この部分をしっかりと見つめてほしい。
 注目すべきは、柴崎とハイブの差違である。どちらもテロリストを捕まえる立場にありながら、柴崎の言動が常に豊かな人間性に溢れているのに対して、ハイブは、高い知性を持ちながら、いかにも酷薄で感情を見せない。市民と国家どちらの側にいるかが、象徴的に示される。
 ちなみに、柴崎が最も人間的な姿を見せるのは、大学で応用物理学を勉強中の娘に、一般人にプルトニウム原爆が作れるかと訊ねに行く第8話Aパートのシーンである。{netabare}体のラインがあらわな薄着姿の娘(一番上のボタンを留めていない)を前に、ずっと目を背けたまま会話し、後で奥さんに「子供ってのは、いつのまにか大人になるもんだな」としみじみ述懐する。お父さん、カワイイ!{/netabare}
 最初に視聴したときには、警察を手玉にとるナインとツエルブに惹かれたものの、二人の心情が充分に表出されておらず、やや物足りなさを感じた。しかし、二度三度と繰り返し見るうちに、二人の外面ばかりが描かれるのは、その行動を柴崎とリサに見せるために設定されたキャラだからだとわかってきた。ナインとツエルブ(あるいは、ハイブを加えた三人)は、対立的な構図を客観視させるための要員であり、それ故に内面が理解しがたい天才として描かれる。その一方で、柴崎とリサという感情移入しやすい普通人を、天才たちの行動を見る立場に配置することにより、事件の全体像が浮かび上がるようにしたのである。そう考えると、柴崎とリサこそ真の主人公であり、この二人の立場に身を置くことが、作品を深く理解する鍵だと言えよう。

【音楽について】
 『残響のテロル』の音楽は、これまで、『マクロスプラス』『カウボーイビバップ』『坂道のアポロン』などで渡辺監督と組み、優れた作品を生み出してきた菅野よう子が担当した。特にEDの「誰か、海を。」は、聞くたびに胸が締め付けられる名曲である。
 作中で重要な役割を果たすアイスランド音楽は、渡辺監督の方から事前に菅野に聴かせたものらしい(TVアニメ『残響のテロル』公式サイト「INTERVIEW 04:菅野よう子」より)。北の音楽を聴いて育ったことを手がかりに、主人公たちの「体感温度を表す音」として、「緊張感があり、研がれていて、冷たい響き」をイメージしたという。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7
ネタバレ

jcnEu08058 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

つまんねえ長文

つまんなかったなー
率直な感想です
俺がつまんないとおもった理由が知りたいなら以下を読んでください
長過ぎるのでタグで囲っておきました
偏見と差別意識に塗れたレビューなのでご注意ください
内容に関する苦情等はあにこれ宛にお願いします
既にこのテキストはあにこれのものですので

{netabare}
何がザンキョーのテロルじゃw
何で残響?意味わからん

無駄に頭いい連中の成れの果てがはた迷惑なクソ爆弾魔かよ

今回は、テロる(テロってるw)連中サイドの視点から物語を描いてみました
そんなスタンスなのかな?
従来の警察ドラマなんかの構図をとりあえず反転させてみたってわけか


スッピンのクズだっけか?
つーかお前らが死ねって感じ
クズどもがチョーシこいて真面目に働いてる人間の経済活動全般めちゃくちゃにしておきながら「僕たち被害者なんです〜、かわいそうなんでぷ〜」ってか?
いっぺん死んでこいよw

中二病もここまで拗らせれば歴史に名を残す大犯罪者になれるって話だろ?これ
脳や身体の機能にこれといったハンデもないクセして人並みのことすら満足にできねえ、やろうともしねえカスがニヒル気取って上から物言ってやりたい放題やってんじゃねえっての

甘ったれんな!w


【シナリオがクソ】
精神疾患っぽい症状を都合良く利用するシナリオが酷い
トラウマ持ち出せばデタラメやっても誰も文句は言えねえだろう、非難しにくいだろう、という便利な近代魔法に頼りすぎ
弱者()の目線導入して意義深い作品性とやらを演出してるつもりかw
それやるなら、いろいろあっても自分にできる範囲内でそれなりにやってる連中のことも併せて描いとけ
そんで両者をそれとなく作品内で比較せい
その方が視聴者も手応え得られるじゃろうが
トラウマって脳が物理的なダメージ負ってるってことでもあるんでしょ?
もっと慎重に扱うべきなんじゃないの?
ファッションでトラウマ扱うのとか流行ってんの?
それとも伝統なわけ?

そもそも都市部で無差別爆弾大爆発ゲリラパーティー決行って人々の暮らしに著しい実害と悪影響を及ぼす凶悪な犯罪行為じゃん
やってることだけ見たらあんな連中間違いなく死刑だろw
てめえらが街ぶっ壊してくれたおかげで一時的にでも仕事できなくなった人らの給料は誰が保証してくれんだよ
てめえらボンバーマンは誰のおかげで道路をバイクで疾走できると思ってんだ

いい加減にしなさいw
スピンクズには憤りしか湧いて来ないわ

自分「だけ」が特別、自分だけが犠牲者被害者とか思えちゃってる中2系ナルシストコンビの爆弾オナニーの被害者のこともちっとは丁寧に扱えっての
無論、あんだけのことやっといて「一般人は死んでませんのですぅ」なんて都合のいいことは言わせねえからなw
(事や経緯の真相はどうであれ)例のアメリカのビル倒壊では実際に人が死んでるわけだ
パロディやるならそこも踏んどけ
やるからには気概を見せてみろってんだよw
ネタ重視の姿勢もいいけど、少しは実害にも重きを置いたらどうなんだ
そういうとこしっかりやらねえからいつまで経ってもアニメは舐められ続けんじゃねえの?w
これじゃコミックに勝てないでしょー、ダサいよ、手応えナイヨ
勝つ気ないなら別にいいけどね
そもそも勝ち負けとかじゃねえし、ってか?w


【娯楽失格作品】
過去になんかあったことと現に起きてることは別の問題で後者の方が圧倒的に重要
捜査段階で犯行動機の解明を急ぐとかいう流れに違和感はない
でもやった奴の犯行動機と犯行の事実は直接的には関係ない事柄じゃん
それらの評価は別個になされなきゃ気持ち悪いんだわ
そこんとこをウヤムヤにして、個人的な問題を公の場に持ち込んだ挙句やってることに意味持たせようとする安易な発想には呆れる
そういうのは仇討ちストーリーかベタベタな復讐劇でやればいいんじゃない?
もしかしてこれ、復讐劇なの?
だとしたら「街壊して可哀想な僕らの心の叫びを聞いてくれ的アピール」なんてやらせてねえで、ストイックに目的遂げるためにキャラ動かせっての
その過程で障害となる倫理観をキャラに無視させると、娯楽として気持ちいいもんになったりもするわけじゃん
回りくどいことやってる奴らは「僕たち目的意識が希薄です」って周囲にアピールしてるようなもん
容疑者も刑事もこの点では同じ働きぶり
締まりが無い
こんなことじゃ話が盛り上がらんのも無理はない
つまんねえんだよ!w

シナリオがクソ、否、クソは新たな生命の糧にもなるからクソの方が上だな
よってシナリオがクソ以下に確定


【娯楽失格作品・とにかくシナリオがゴミ】
容疑者と公開謎解きゲーム合戦開始
これで見せ場、山場のつもりかよ
雑学自慢大会じゃん
しかも普段全く役に立たないタイプの雑学
一晩寝たら確実に忘れる内容
演出もショボいから面白味が全くない(ここが一番ダメ
喋りメインにすれば作画方面で労力軽減できるメリットがあんのかもしれないけど、ぶっちゃけ観てる人間にはそんな事情なんて知ったこっちゃない

それにあのキャラデザがありえねえ
ロン毛で髭面の小汚ねえ教祖みてえな公務員なんざ普通表舞台に出てこねえだろ
そういう場違いな奴をぱっと見シリアス風のドラマ内で表舞台に引きずり出して違和感醸して作中にアクセント付けようってやり方がガキ臭い、痛々しい、嘆かわしい
ジャリ向けのアニメかっての

なぞなぞ大会とか下らねえお遊びをメインに持ってこなくていいよ
そんな暇あったら動画投稿してちゃらけてる人殺しの爆弾魔なんざさっさと逆探してとっ捕まえて半裸にして拷問にかけろ(逆探できません!じゃねーっての、ケーサツを無能に描くなw
色男の服ひん剥いて適度にいたぶった方が女性ユーザーも喜ぶだろうがw
もっとサービス良くせんかい

本当に観てる人を楽しませようって気があんのか疑わしいわ
じゃなきゃ何のためにあんなキャラデザにしたんだよw


主人公が序盤でとっ捕まっても別に何の問題もない
誰かが救出すりゃ済むし、救出劇は絵になるし、それなりに盛り上がる
なんつっても
・スノーモービルでヒト轢き殺した主人公が逮捕されないシナリオ
・地上4階(だったか?)から飛び降りた小娘を華奢な青年が地上で素手で受け止めても双方怪我ひとつしないシナリオ
これほどのアメイジングな展開が作中で許容されるなら警察の手から仲間奪取するくらい余裕だろーが
要するに
・リアル路線気取ってるクセして端々でファンタスティックなことを躊躇なくやってるシナリオ
つまりは「なんでもアリ」の系統に分類しちゃっていいトンデモ作品なんだよな
個人的にはお世辞にも真面目な社会派作品なんて呼べる代物では無いww
もちろん、何をどう呼ぶかは個人の勝手だけどね


【ソウヒョウ】
甘えたカス共を意味ありげにのさばらせるシナリオで世間から注目浴びようって魂胆がキモい
いい大人がこんな寒いシナリオ書いて妄想膨らましてんのもかなりキモいわ(いい大人がアニメに的外れなマジレスすんのもキモいって言われりゃ返す言葉もねえけど、その指摘こそアニメが舐められてる証
でも体裁がネタアニメってんなら、アリです
ただし残響はネタアニメとして観てもつまんねえことに変わりはない
ほんと面白くない

ハッキリ言いましょう
視聴者に作品の魅力を引き出してもらおうって腹が見え見えです

甘えんなってw


絵や声、音方面はいい仕事してたから、そこは否定できないし、したくない
あくまでも悪いのはシナリオ、雑だし、楽しくねえし、笑えねえし、つまんねえ
キャラもダメ
主人公らの身勝手で甘えた態度には虫唾が走る
甘えた態度を肯定するだけの展開も気に食わん
連れの女も意志薄弱で無能なクズでしかなく秀逸なのはツラだけって、喧嘩売ってんのかw
虐められてる設定追加しとけば誰も文句言えねえだろってノリがウザい
小賢しいテクばっか使って何やってんだか
作品の顔でもあるキャラに何の魅力も感じねえ
思慮深い視聴者に同情してもらう主人公のあり方が昨今のトレンドなのか?w

為にも毒にもならんわ

とにかく話がつまんねえから俺は第4話で観るのやめたよ
正直このレビュー書いてる時の方が楽しかったね
そういう意味では本作のシナリオも高く評価できる
楽しい一時を提供してくれたことにかわりはないから

ケツマツ知らねえけど、どうしても観たいって気分にならない
結果にたどり着くまでの過程がつまらな過ぎる
とりあえず、凶悪な中二病の主人公らとその付属品でしかないクズ女が最後に死ねば及第点ってとこかな
因果応報ってことで一件落着
ネーとは思うけど、ラストでヒゲ刑事がヒゲ剃って短髪にすればなお良し
皆さんもご承知の通り、人の生き方は面構えや風体に滲み出るでしょ
アレは公務員のナリじゃねえよ
アーティストかオマエはw


{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 0

80.4 2 地下鉄でシリアスなアニメランキング2位
BANANA FISH(TVアニメ動画)

2018年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (550)
2482人が棚に入れました
ニューヨーク。並外れて整った容姿と、卓越した戦闘力を持つ少年・アッシュ。ストリートギャングを束ねる彼は手下に殺された男が死ぬ間際に“バナナフィッシュ”という謎の言葉を発するのを聞く。時を同じくして、カメラマンの助手として取材にやってきた日本人の少年・奥村英二と出会う。二人はともに“バナナフィッシュ”の謎を追い求めることに──。


声優・キャラクター
内田雄馬、野島健児、平田広明、石塚運昇、古川慎、細谷佳正、川田紳司、福山潤、森川智之、千葉翔也、斉藤壮馬、上田燿司、小形満、村瀬歩
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

どうせみんなホモになる

自分には珍しい原作既読。{netabare}
とはいえ記憶は殆どなく、印象としては「どうせみんなホモになる」。
アッシュ捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げてーの繰り返しで、そうしてる間に「なんでそんなにアッシュ狙われるん?」って思ってたエイジが、狙ってるヤツらはみんなアッシュのケツ目当てで「ああ、そんなに良いものなのか!」と目覚めてエンドだった記憶。
出てくるキャラがみんなホモで原作読んでる最中結構笑った記憶がある。
自分は隠れホモが嫌いなだけで、最初から「ボクホモです」って言ってる分には気にしないので問題無く見れると予想。

って、アニメ見て「あーそうそう、こういう内容だったわ」と思い出せることを期待したけど全然思出せないw
どうせ捕まって逃げるだけだしw
まぁ出てくるヤツはみんなホモ(この世界はホモしか居ない)って思っとけば間違いないので気は楽なんだけど、ちょっと悔しい。

あ、それと原作の段階から大友克洋っぽい部分がちょくちょくあって、これってライブラリあったりするのん?とかちょっと思ったり。
もしあるならアニメ化は結構効率化できるような?{/netabare}

15話までの感想{netabare}
なんでも作中の銃がまるっきりモデルガンなんだそうな。
実銃には無くてモデルガンに施されてるディテールまで絵で再現しちゃってるらしい。
手元にある資料(モデルガン)をこれでもかと精巧に再現しちゃったんだろうね、当然ながら自分は全然気付かなかったけど。
で、一部では笑い者になってるらしいが…個人的には好感度アップ、実直でいいんじゃなーい?
銃がメインの話でもないしなぁ、これがガンスミスキャッツやガンスリンガーガールだったら「おいおい」ってなるけどさ。
そんなん気にしだしたら植物なんて結構アレだし、オタ友の電気屋は背景の建物の配線に「それはない」と突っ込もうと思えばいくらでも突っ込めると言ってたし…バナナフィッシュに限ったことじゃなくてアニメ全般ね。

と、好意的ではあるとはいえ飛び抜けて面白いってこともなく、ダメってこともなく、だら~んと見続けてるのだけど…15話にしてツッコミどころキター。
色仕掛けで看守の隙を突いて脱獄って、おま…永井豪やすがやみつるの漫画で見た記憶があるが、今の時代にこれって…あるのか?
現代風にリファインした結果がこれ?まぁいいけど。
いや最近もあった気がするが…LOSTSONG…じゃないなぁ、何だっけ?
それよりも色気振りまくのがアッシュで全然嬉しくないw
これ、女性視聴者はキャーと喜ぶところ?それともギャグシーン?
ってか看守はホモだったのか、やっぱりこの世界にはホモしか居ないのか。
もういっそのことポリスアカデミーのブルーオイスターみたいなん出せばいいのに、あそこまでやれば自分もギャグとして楽しめるんだけどなぁ。{/netabare}

最終回までの感想{netabare}
原作読んだハズだけど殆ど記憶が無く、辛うじて残ってる印象は↑で書いた通り「捕まっては逃げ捕まっては逃げ~」。
んでアニメ見てみたら、うっひゃあ、自分の記憶以上に捕まっては逃げ~でした。
病院や刑務所も「捕まって」にカウントすると何回捕まった?数えとけば良かったなぁ。
いっつもアッシュを逃がすためーアッシュを逃がすためー(たまにエイジを逃がすためー)で周囲が右往左往する、いっつもコレで正直飽きる。
フォックスと初顔合わせの時ゲイバーだったけど、やっぱりブルーオイスターほどパンチはなくてう~ん。
またフォックスとの最終対決でお互い鉄パイプ持った時「お、ここでアッシュは棒高飛びのワザ使うか?」と思ったが無かった、まぁいいけど。
そしてラストは…あれ、こんなんだったっけ?全然覚えてないや、ジェットマンオチでした。
ジェットマンオチにしても元ネタあるのでべつにパクりがどうこう言うつもりは無いがなんかやっぱりどこか懐かしい。
あーそれとこれは…何の感想で書いたんだったかな?
その昔“風と木の歌”っていうBLモノの元祖になるのか?っていう少女マンガを読んだことがあって(アニメ化もされてるみたいだがそっちは見てない)、登場キャラが男の筈なんだけど中身がまるっきし女で「こんな男いねーよw」と思った事がありまして。
こっちでもユエルンがソレで、男として見るよりただのヒス女として見た方が理解しやすいと思う。
むしろ「ヒス女」としてはよく描けてて、普通に女性キャラで書けばいいのに…と思わなくもない。

大して面白くもなかったけどこういう系はこういう系で残って欲しいので(ホモは抜きで)、まぁ並ってことで。
とりあえずあれだ、ハードボイルドを謳うのであれば横一列になって滑走路を歩いてくれないとピンと来ないんだ、うん(スゲー偏ってるって自覚はある、あああ~ああああ~んんん~んんんん~※)。

面白くなかったといいつつ評価する点。
例えIQ高かろうが町のチンピラ上がりのアッシュとしては、本場モンのホンモノのフォックスや師匠には手を焼きました。
パワーバランスとしてはこれが正解だよなぁ。
殺し屋養成所出にも関わらず安く買い叩かれ、また実際大して強くなく昨日今日殺し屋になりましたって素人に苦戦する“豚骨ラーメンズ”のアホアホさが際立つ。
それとオチに繋がることだけど、やむを得なかったとはいえショータを殺したことで恨まれ続ける(事情を話そうにもヤバいネタで話せない)ってのは久々に見た気がする。
アンゴルモア?知らんなぁ。
最近は主人公格(作者が投影するキャラ)が悪し様(あしざま:相手を実際よりも悪く、また、いかにも悪いものとして扱うさま)に扱われるのって避けられてる気がするので。
そこら辺も「古い」に組み込まれてしまうのはちょっとイヤかも。

※参考動画
https://www.youtube.com/watch?v=GfJSNWHuFhY


余談、園芸ネタ
バナナフィッシュの原料としてブルグマンシアが出たけど、原作でもそうだったっけ…覚えてないや。
元はダチュラの一種扱いだったけど近年ブルグマンシアは分けようって扱いを受けてる植物で、そこらで観賞用として園芸植物として普通に出回っている、流通名はエンゼルトランペット。
たまに蕾をオクラと誤食して死亡事故が発生する(ボケ老人がやらかす)けど、それは恐らくダチュラのほう…とはいえブルグマンシアも同等の毒性アリ(と言われてる)。
ブルグマンシアでフリー素材検索するとアニメそっくりな画像が出るのはナイショだ。
またアッシュがアタリをつけてニアピンだったペヨーテはサボテンの一種(ロフォフォラ)、メスカリンを含有してるとされてるけどとても幻覚作用を引き起こせるほど抽出できないので“日本では”栽培を規制されてない。
ってかオレ育ててるし…邪な目的は無いヨ。
草餅みたいなカワイイ植物です。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

キース・へリングやバスキアが生きた時代

2019.01.03記


原作未読


書店で平積みされてたり、学校で女子が話題に挙げてたような挙げてないような。20年以上前の記憶です。
タイトルだけは知っていて中身がどんなか知らないものの、吉田秋生先生でノイタミナでという話題性に食いついてみました。

全24話2クール作品です。
舞台はアメリカN.Y。若くしてストリートギャングのボスであるアッシュ・リンクス(♂)は容姿端麗・頭脳明晰・殺人スキルも無問題の完璧超人。イラクで消息を絶った兄が残した「BANANA FISH」という単語を追って動き始める。
同じ頃、カメラマン助手として日本からやって来た青年奥村英二がひょんなことからアッシュと出会い、BANANA FISHを巡るいざこざに巻き込まれながら友情を育んでいく物語です。
けっこうハードなクライム・サスペンスで、コルシカマフィア、華僑の闇勢力、ストリートギャング、はたまた国家機関も出張ってきての組んずほぐれつ。諸悪の根源はBANANA FISHということになるんでしょう。

設定が設定だけに人が死ぬのはしょうがないとして、これでもかこれでもかと不運がアッシュに降りかかるのが本作の特色でしょうか。
30年前なら『おしん』、20年前なら『家なき子』、最近だと『東京喰種』の金木研ばりに過酷な試練の連続です。どうしようもない沼に嵌りこんでいるアッシュをもうこれ以上いじめないでください、となります。
このアッシュに共感できるなら作品にすっと入れると思います。
対する英二は平和ボケの権化みたいな向こうの人から見た“Tipical Japanese”を地でいく青年です。私は苦手なタイプですが、なぜか完璧超人アッシュにとっては安らぎを得られる存在。
生い立ちから歩んできた人生からまるで違う二人がなぜ共鳴し合えるか?
この友情物語を紐解くカギとなります。


私はけっこうながら見でした。
英二がまぬけというか、いや普通そんなんやったら死ぬで!の局面でけっこう素っ頓狂な行動を取ったりでイライラが募り、ストーリーに没入するのを邪魔します。
アウトローが自分に無いものを求めて無垢な存在に惹かれるというモチーフはよくあるため、逆側の無垢な存在がどうアウトローにシンパシーを感じるかの部分で弱い気がしました。

『だから二人は惹かれ合うのね』

ここがもっと欲しかったかな。男同士、女同士、男女でもそれは変わらないと思います。
クライム・サスペンスと友情物語がリンクする作風の中で、前者がなかなか面白いのは事実なものの、後者がしっくりこないと早々に“腐”認定してとりわけ男性視聴者が離脱してもおかしくないでしょう。
逆に両者がかちっとはまるとめちゃくちゃ面白く感じそうです。私はその一歩手前でした。

とはいえ完走はできました。佳作の域にはあると思います。

※メモ//石塚運昇氏遺作



■余談 
地味に良かったのがN.Yの雰囲気。
1985~1994年連載の原作でベトナム戦争帰りの設定だったのがアニメではイラクだったり、スマホがあったりと現代に合わせた調整はしょうがないとしても、ベースとなったであろう1980年代前半の超凶悪な街N.Yの雰囲気がよく出てたのは良かったです。
今と違って観光客が地下鉄に乗るなんてご法度もいいところで、昼間でもサウスブロンクスを歩けるわけがなく、例えばタイムズスクエア近辺のホテルから地下鉄でヤンキースの試合を観戦しに行くことは「死にたいの?」という世界。・・・だったらしい。なにぶんこの時期ガキンチョだったので見聞きした話です。
一方でアートやファッションはとても魅力的だったり。キース・へリングやバスキア。元は落書きの“グラフィティ”は画集を買ったこともあるし、ヒップホップも発祥はこの頃のN.Y。自分がはまったのはちょっと後の東と西でドンパチしてた頃ですが、私には興味惹かれる場所なり時代だったりします。

作中でも地下鉄でドンパチ普通にやるし、建設中ビルや廃墟などいたるところで銃声が響きます。このやさぐれ感はたまんなかったです。

リアルのN.Yで初の黒人市長が出て警官増員したのが1989年。ジュリアーニの登場が1994年。治安は急速に改善してきました。
私の初N.Yが2001年だったのでその頃はもう快適に過ごせましたね。

{netabare}超高層にもかかわらずガラス張りではなく屋外に出られるスポットがあるぜ、とN.Y出身知人のススメで訪れたのがワールドトレードセンター。訪問日は2001年8月11日午前。なんというかね。。。{/netabare}


やっぱり、あんな危ないエリアだったりストリートの悪がきがたむろするところを無警戒でほっつき回る英二って“なんだかなぁ”と思う私でした。


■余談2 ※最終回ネタバレ有
国民的愛唱歌『とんぼ』言わずと知れた長渕剛の名曲ですが、元は本人出演ドラマ「とんぼ」の主題歌です。
{netabare}最終回はヤクザ役の剛が腹を刺されて、倒れた剛をカメラが引きのカットでおさめて終了。図書館ではなくこちらは路上でしたが似たようなカット割りです。{/netabare}

{netabare}ヤクザ剛の役名は “英二” 

すまぬ。これ言いたかっただけです。{/netabare}


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2019.06.02追記
《配点を修正》

投稿 : 2024/11/02
♥ : 53

Jacks さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

二人が紡ぐ絆

街の中に紛れ込んだ男。その男の名は誰も知らない。彼は殺しと仲間の為に生き、そして自分の為に戦う。だが、それだけではない。
復讐、償い、親友。これらは彼にとって大きな鍵となっている。特に親友...もう一人の少年は彼を慕っている。二人は互いに強い絆で結ばれた間柄なのだ。
もしその少年と別れてしまったら、彼はどうなると思う?怒りと悲しみ。あらゆる感情に左右され、成すべき事を見失ってしまう。その可能性がある。
出逢いは難しそうで簡単にできるが、別れはすぐにやってくる。死が二人を分かつまで、彼は足掻く。たとえどのような目に遭っても。
彼がその親友と仲間達を大事にする引き金となったのは、彼自身のモットーだ。同時に彼を取り巻く多くの陰謀と黒幕が関与している。
果たして彼は突き付けられた現実を輝かしい未来へと変えることができるのか?それとも、このまま堕ちていくのか...

舞台はアメリカ。本作の主人公であるアッシュ・リンクスはギャングのボス。彼は自らの手を汚してまで今の地位にのし上がってきました。
裏社会という名の犯罪行為は頻繁に起こり、その中でアッシュは生きています。頼れるのは自分の力と仲間達との協同です。特にショーターはアッシュにとってかけがえのない存在。
そして訳あって日本から来た奥村英二(おくむらえいじ)もアッシュの仲間の一人。彼らは次第にお互いを大切に思いやるようになります。
アッシュの本心はこの闘争を一刻も早く終結させ、英二達と一緒に平和で幸せな日々を過ごす事でしょう。それがアッシュにとって非常に望ましいと僕は思っています。
しかし、それを邪魔するのはゴルティネを始めとした極悪非道な連中。アッシュは何度も苦渋を味わい、拷問に近い罰を受け、そして時には利用されることになります。
それでもアッシュは諦めません。何故なら、彼には確固とした信念があります。目の前の敵を躊躇なく殺す。それが強き者の使命であり、宿命です。

本作の魅力は何と言っても非常に作り込まれた登場人物と世界観。MAPPAの美麗で安定的な作画も相まって、鮮明に描かれています。
アッシュは基本的にクールで頭脳明晰。自分が認めた人間を受け入れる寛容さも兼ね備えています。とにかく渋いですね。
英二は世話焼きで心優しい少年。アッシュを友人としても仲間としても意識していて、そこに好感が持てます。
他にも李月龍(リー・ユエルン)という後々のエピソードに登場するキャラもいますが、彼もまた魅力的です。
個人的にシン・スウ・リンも好きですね。声と容姿が僕のタイプだからでしょうか。良い意味で威勢のある好青年です。

僕は原作を読んでいませんが、吉田秋生(よしだあきみ)さんの類まれなエッセンスとストーリーテリングが本作を絶妙に味付けしています。
利口で筋の通った会話の数々、予想の斜め上を行く流れ、スリル満載の怒涛の展開。これでもかというぐらいバラエティに富んでいて、視聴者を飽きさせません。
少女漫画らしからぬハードボイルドな作風が本作の特徴ですが、随所に挟まれる意味深なシーンや柔らかな絵柄が実に優秀です。そこに少女漫画らしさを感じます。
台詞回しも海外ドラマのようなカッコよさですね。現代版ゴッドファーザーと言うべきでしょうか。マフィアものが好きな方はハマること間違いなしです。
比率としては男性キャラが圧倒的に多く、女性キャラは申し訳程度でしか出演しません。そこに好みは分かれるでしょうが、僕は気に入っています。

OPとEDは素晴らしいの一言です。1クール目のOPはこれから壮大な物語が始まる予感を匂わせ、EDはアッシュの葛藤が精巧に描かれています。2クール目も同様です。
Survive Said The Prophetの記念すべき初テレビアニメのタイアップでもあります。歌詞とメロディが本作に合いすぎです。そしてカッコよすぎる。
僕は本作がきっかけで、このバンドのファンになりました。僕の好きな音楽はロックとメタルなので、相性はバッチリですね。
King Gnuも本作のおかげで僕は彼らのファンになりました。ミクスチャーとは思えないほど本作に合った曲調に天晴れです。
声優陣の演技も完璧で、キャラにピッタリです。特にアッシュ!彼の魅力が更に増したのは言うまでもないでしょう。

生々しくて胸が痛くなるようなシーンが多い。これは話の展開上仕方がないかもしれませんが、確実に人を選びます。

人間は窮地に陥っても必ず救いはあります。それを改めて実感させられたアニメがBANANA FISHです。
本作は決して万人向けではありません。遥か彼方の程遠い位置です。それぐらいリアリティがあります。
ですが、僕はこの作品を多くの人々に推したい。理由は単に面白いだけでなく、身近にいる大切な人達のありがたみを再び知ってほしいからです。
僕はアッシュと英二が羨ましいです。二人の関係性は僕と実兄に似ています。それだけ本作に感情移入しています。
原作と同様に後世に語り継がれてほしい名作です。僕は明らかに過小評価だと思っています。もっと観られてもらいたいです。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 1

67.5 3 地下鉄でシリアスなアニメランキング3位
DEVIL SURVIVOR 2 the ANIMATION(TVアニメ動画)

2013年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (948)
5373人が棚に入れました
何が正義で、何が悪なのだろうか…?
突然訪れた極限状態の日本。
その背景には日本全土を絶望の淵に叩き落して行く"謎の侵略者"セプテントリオンの存在が!
これは人間への試練なのだろうか!? 残酷で壮絶な現実に翻弄される人々と
悪魔と契約し"謎の侵略者"と戦う力を得た個性豊かな"13人の悪魔使い"たち。
これはそんな極限状態に置かれた人々の"葛藤と選択"の物語。
世界の終末まで、あと7日。
その選択が未来を創る…。
ネタバレ

とろろ418 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

LIVE OR DIE?

視聴前→{netabare}デビルサバイバーは1も2もプレイ済みです。
ゲームとしては面白かったんですが、アニメとなるとどうでしょうか。
気になるところは以下の点です。{netabare}
①プレイヤーの扱い
  ドラクエ型の主人公なので、キャラを定着できるか?
  ここが薄味になってしまうと厳しいでしょうね。

  また、戦闘に参加するか否か?
  ゲームでは参加しますが、アニメでも参加すると浮きそう。
  不参加に(ポケモンっぽく)した方が見栄えは良さそう。
②分岐
  ゲームでは分岐(全部で5つかな?)があり、それによって色々と変わります。
  3つは癖があるので、無難に2択になりそう。
  この2つは大して変りないんですけどね。
③悪魔
  ペルソナ4と違ってメインの仲魔がいないので、何になるのか。
  皆好みは異なると思うので、一番難しいところかも。
  自分の好きな悪魔が出てくることを祈るのみ。
④再現度
  ペルソナ4のようにゲームに忠実に作るのか?
  ①でも述べているように、そのまま表現してしまうと違和感が出てしまう部分もありそうなので、
  変に拘らずに自然な作りにして欲しいです。
⑤なぜ2?
  シナリオは1の方が扱いやすい気がします。
  2はキャラが多い上に、思想がそれぞれ異なるので、相当上手くやらないと……。
  逆にここを上手く描ければ、結構濃い作品になりそう。
  自信の表れだと信じたいところです。
{/netabare}
最近、期待し過ぎて落胆することが多いので、”もしかしたら面白いかも?” ぐらいの心積もりでいようかな。( ̄◇ ̄)
{/netabare}
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視聴中→{netabare}
【第一話 感想】
  イメージのズレに若干戸惑っているところ。
  後2、3話見れば慣れるとは思うのですが、全体的に軽めの印象。
  まずOPが爽やか。今はまだマシですけど、今後内容との落差が目立ちそう。
  キャラの性格も明るめ。ゲームでは、維緒はもう少し消極的で、主人公は淡白な印象でした。
  多分、物語の重さを緩和するための措置なのでしょうね。
  他にもプレイヤーの扱いを変更したりなど製作者さんの工夫が見られるので今後に期待持てそうです。

  ただ、白虎だけはどうしても気になる。
  主人公は強い悪魔扱えるけど同時に一体しか召喚できない。
  維緒は弱い悪魔しか使えないけど、同時に多くを召喚できる。
  とかなら良い感じに個性が出そうだけど、う~ん、わからん。
  あと、技名叫んだほうが意外と様になるのかもしれない。とか思ったり。
(2013.4.5 追記)
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『第三話 感想』
  いやぁ、驚きました。まさかこうくるとは……。
  {netabare}亜衣梨や維緒、純吾あたりは死なないで欲しいなぁ{/netabare}
  {netabare}もしかしたらループ構造にしてるのかもしれませんね。
  1周目は主人公以外全滅、2周目で全員生還とか。
  主人公が白虎扱えるのも周回してる故なのかも。{/netabare}
(2013.4.19 追記)
------------------------------------------------------------
『第四話 感想』
  これは、気合入ってますね。演出面が素晴らしかったです。
  ストーリーの方は、安心半分疑惑半分。
  {netabare}流れ的に、維緒は死亡か覚醒かハッキリした方が自然だったかも。
  緋那子も助かったみたいだし、啓太復帰の可能性が……。{/netabare}
  来週は純吾と亜衣梨が出るらしいので楽しみ♪
(2013.4.26 追記)
{/netabare}
------------------------------------------------------------
『視聴後』
  これは酷い。下げたハードルの更に下を潜り抜けて行きましたね。
  個人的に感じたポイントを羅列してみます。{netabare}
  ①主人公
    ここがもう最悪でした。
    嫌いな主人公ベスト10に入ってもおかしくないレベルです。
    容姿と強さ、性格と声優、といった様子で二人の異なるの人物を合体させたようなちぐはぐさ。
    前者はゲーム仕様、後者はアニメ後付け。
    変に前衛的なキャラにしてしまったため、他のキャラとの掛け合いが上手くいかず、好き勝手に暴走。
    この作品の最大の失敗と言っても良いかもしれません。
  ②台詞
    こちらも酷い。
    自然体じゃないため、聞いてて違和感あります。
    とりあえず叫んどけ、というスタイルが見事に陳腐さを演出していましたね。
  ③構成
    何がしたかったのか解らない。
    まず、原作の一つの売りである思想の衝突。
    本来なら、ヤマト、ロナウド、ダイチ、アルコル、それぞれが思想に向かって歩み、
    主人公がどれかに同調し加担する。といった図式です。
    扱いが難しいので放棄したのは頷けますが、その結果主人公が暴走せざる負えなかった。
    せめてロナウドを生かしていればもっと話が躍動したはずなのに……。
    群像的側面が欠けたことは大きな損失でした。もう少し頑張って欲しかったですね。

    次に捻りのなさ。
    あんな中途半端なENDにするくらいなら、
    『仲間全滅→大和と決戦→敗北→アルコルによってループ暴露、やり直し→仲間生存→略→ポラリス消滅→人間の世界へ』
    くらいはやって欲しかった。
    今となってはn番煎じの展開ですが、あれよりはマシかと。
    前述の群像劇と組み合わせてれば結構良い作品になったように思うんだけどな。
    もともと尺が足りなかったと思って諦めます。
  ④説得力のなさ
    主にキャラの生死に関して。
    あの状況下で新田さんの生存は明らかに不自然。
    一番死んでも納得できるキャラが生存で、他は大した理由もなく次々と……。
    殺すにしてももう少し重み出さないと、生き残った側の存在感も出ませんよね。
  ⑤統一感のなさ
    主人公筆頭に、OPとストーリーなど。
    特に龍脈の件は唖然としました。
    態々、人間非参加の戦闘スタイルにしてたのに、なぜ?
    一時的に強力な悪魔を使役できるようになる、とかじゃ駄目だったのだろうか。
  ⑥悪魔関連
    言うまでもなく主人公補正強過ぎ。
    ループ構造なら納得でしたが、記憶継続仕様などから考えてそういう訳でもなさそう。
    オークションや合体も説明不十分でご都合設定と化してます。
    悪魔の使役に何らかの制限を設けておけば、もっと安定したかも。
    それぞれの特徴設定や『危機→新しい力→危機脱却』なんていう演出もし易くなりますし。
    持論では、能力ものに制限は必須です。

  良くないところ連ねてきましたが、ここからは良いところを。
  ①ED
    次々と消えていき、最後に復活。という演出。
    本編がもっとしっかりしていれば、かなりの効果が期待できたと思います。
    どうせならOPにも仕掛けが欲しかった。
  ②ラストの合体
    演出としては良かったと思います。ただ、あまりにも唐突過ぎましたね。
    過程がしっかり描けれていれば感動的なシーンになったはず。
  ③4話の羽
    ラストに余計な事をしなければ……。
    4話の時点では、やられた悪魔たちの無残に散る羽という認識で通っていたのに、ラスト意味もなく同じ演出。
    4話もたまたま同調効果が発生しただけで、本来意味がなかったのかも。
{/netabare}

  長々と申し訳ない。少し期待してただけにその反動が出たんです。はい。
  原作未プレイの方にも既プレイの方にもオススメできない何とも残念な作品です。
  未プレイの方には原作をオススメします。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 22

cross さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

使い古された内容で『無難』と言えなくも無いが微妙な点は多々ある。個人的には映像面、音楽面の後押しが大きかった。【総合評価:62点】

2013年春に全13話で放送された作品。
ゲームが原作となっているこの作品。因みに2と言うのはゲーム的にはと言うだけで、アニメとして第二期であると言うわけではありません。
嫌に順序だてた進行など、ゲームが原作と言うのはひしひしと伝わってくる内容でした。

大まかなあらすじは……

高校3年生で主人公の久世響希(クゼ ヒビキ)は、友達の志島大地(シジマ ダイチ)、同じ学校に通う新田維緒(ニッタ イオ)と共に地下鉄の事故に巻き込まれ、ニカイア、通称『死に顔動画』と呼ばれる携帯アプリで悪魔を召還する力を手に入れる。
そして、自分達の意思とは無関係に『セプテントリオン』と呼ばれる謎の侵略者と人類の存亡をかけた7日間の戦いに巻き込まれていきます。
日本全土が極限状態に置かれた中、何が正義で何が悪なのか?
主人公を始めとする登場人物達の"葛藤と選択"、そして選択の先に起こる対立などをテーマとして描いていました。

と、こんな感じになります。


主人公は自身の意志とは関係無く争いに巻き込まれ、共に戦う仲間達との触れ合い、そして戦いの中で散っていく命前に自らの力を自覚していき、決断をするために悩みながら成長していく。
まぁ、主人公としては王道を歩むキャラクターです。
ですが、葛藤と選択、こう言う価値観を戦わせるような作風の主人公は総じてキャラクターが濃く、信念が強い、言い換えれば思想に偏りがあったりしますが、このキャラは正直薄味ですね。
キャラクターとしての主張が弱め、物語の中でなんだか違和感が拭えない存在でした。

キャラクターの死に重みを感じられなかったと言う点が大きく、視聴者に訴える様なものも無くただ死んでしまうキャラクター。
勿論、ただ曖昧な死を迎えたキャラクターも勿論ですが、これでは生き残ったキャラクターへの印象も曖昧なものになりますね。
主人公と共に戦うそれぞれに個性がある仲間を安っぽい扱いで食い潰した結果、単に数が多いだけの脇役達にしてしまっていると感じました。


謎の侵略者との人類存亡を賭けた戦い 。
その中で、迫られる選択に葛藤し、正義と悪の曖昧な境目を巡り対立を描く。
まぁ、かなり使い古されたような物語、設定、テーマですね。
正直、この作品には『目新しさ』と言う物は皆無といっても良いかも知れません。
尻上がりに盛り上がっていきますが、徹頭徹尾、良い意味での意外性も無く、予定調和の元に話は進んでいきます。
悪い意味での意外性として、ご都合主義だったり、突飛な展開も目立ちましたが、これは原作ファンへの仕様が強すぎたためなのか?
まぁ、原作をプレーした事のない身としてはちょっと置いてけぼりを喰らう展開があった。

まぁこれだけだと酷評もいい所ですが、逆を言えば使い古されているからこその安定感と言うか『無難』さは感じられなくもない。
使い古されているだけで、物語、設定、テーマ、どれも『面白くなる』、『面白く出来る』要素は多分に含まれているので……
この作品はそれらをどう捌いたのかと問われれば、残念な点はありますが13話の尺を考慮すれば取りあえず作品として観れないレベルとまでは思いません。

正直、そこまでの魅力を持っているとは言えない作品ですが、作画の面に関しては中々の仕上がりでした。
ちょっとキャラクターのデザインに対しては、個人的には好き嫌いのムラがありましたが概ね良好。
戦闘シーンの演出も激しく、見ごたえはあると思います。
そして、OP『Take Your Way』とED『Be』共に良曲でオシャレ感強め、映像、音楽の面の後押しが非常に大きかったです。

酷評気味な感じになってしまいましたが、ありきたり故の安定感と言うか『無難』さはある作品だと思いますので、一度視聴してみるのも悪くないかと思います。
好きな方には楽しめるような作品だとは思います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 44

Ssoul30 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

One word to describe this Anime is「Let’s Survive.」 生きよう。

あらすじ

学生の間に密かに死に顔サイトの「ニカイア」っと言う携帯アプリが流行っていました。そのアプリに登録しますと、友達が死ぬ時の光景が見れるというアプリでした。

主人公の久世響希は友達の志島大地に「ニカイア」を登録する事をお勧めされ、登録しました。登録した瞬間にある事件が起きました。それはなんと・・・

私の感想。

前半少々微妙な感じでしたが、後半からおもしろさが ぐぐ~ん↑↑ っと上がり最終回は超展開でかなり楽しめました。本当に面白かったです。どういう風におもしろいかといいますと、今まで鬼ごっこを一人でやった事が無い人が始めて数十人と鬼ごっこをするくらい面白いです。

この作品のおもしろさは実に一つ! 時間をかけて我々視聴者を楽しませようとする所です。私が思うにこの作品は11話かけて最終回のおもしろさを100パーセントまで引き立てていると思います。そして、私はこの作品を生で見たのも最終回をもっとおもしろくした理由の一つです。それは何故かって? それは、 一話見た後一週間も来週の次の話までの一週間じっくり今後どうなるかを自分で考えたりする事が一番のおもしろさの調味料だと思います。最高です。

キャラクターデザインも最高でした。少々なれるのに時間がかかると思いますが、一度自分のイメージに当てはまると、最高で最高でしょうがないと思います。男性キャラクターは非常にかっこいいですし、女性キャラクターは魅力的でした。それは萌えだけでなく、美しい、可愛い、もあります。

Ssoulのワンポイントピックアップ!!
「このコーナーではこの作品のおもしろい所、注目してほしい所などをピックアップし、説明したいという事です。」

この作品は少々過激の表現やグロが目立つ所があります。ですので、グロが苦手な人はあまりお勧めできません。けれど、おもしろいので是非見て下さい。

オープニング

「Take Your Way」
かっこいいです。非常にかっこいいです。特に、はじめ方が超かっこいいです。

このオープニングの本当にすごい所はネタバレなんて完全に無視して、キャラクター説明と世界観の説明に専念している所です。
本当にネタバレだらけですが、完全にそんな事を無視して、キャラクター説明に専念しています。

そして、このオープニングがキャラクター説明が終わった瞬間に今までのあらすじをほぼ完璧に教えてくれます。これで、前の話を見忘れた人も話の内容が分かりますね!!

エンディング

「Be」
非常にかっこいい曲です。なんと言うか、他の作品のキャラクターでしたら、非常に地味なエンディングになるかとおもうのですが、この作品のキャラクターでしたら、非常にかっこいいのです。そして、はじめは幸せな一面をあらわして、そして、地獄のような破壊された世界を現すのはなんと言うか、天才の仕業ですか?

投稿 : 2024/11/02
♥ : 20

81.7 4 地下鉄でシリアスなアニメランキング4位
傷物語Ⅲ 冷血篇(アニメ映画)

2017年1月6日
★★★★☆ 4.0 (525)
3512人が棚に入れました
〈III 冷血篇〉は暦と怪異の別れを描く

ドラマツルギー、エピソード、そしてギロチンカッター―
怪異の専門家・忍野メメの助力も得て、3人の強敵との戦いに勝ち抜いた阿良々木暦。

彼はついに、吸血鬼キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードの
四肢を奪い返すことに成功する。
すべては、普通の人間に戻るため……。

しかし再びキスショットのもとを訪れた暦は、吸血鬼という存在、
その恐るべき本質を知ることになるのだった。
決して取り返しのつかいない自分の行為を悔やみ、そしてその顛末に困惑する暦。
後悔にさいなまれる彼の前に現れたのはほかでもない、暦の「友人」羽川翼だった。
そして彼女が暦に告げた、ある提案とは……。

声優・キャラクター
神谷浩史、坂本真綾、堀江由衣、櫻井孝宏、入野自由、江原正士、大塚芳忠

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

演出と作画・3部構成に大きな不満が残る作品。

 この作品は、非常に独特な画面の演出を含む映画の出来、そして、物語そのものという視点、3部作の映画という商業的な試み、の3点で感想があると思います。

 まず、全体に赤みがかった画面の演出ですが、見辛かったです。吸血鬼であることと過去であることから色調を変えるというのに意図は感じられます。が、見ていてストレスがあります。アートかと言われても色調の問題だけです。写真背景と合わせて暗く沈んだ感じにはなっていましたが、しかし、これが3時間半もあるので美しい画面が見たいと言う欲求不満がどんどん募ってきます。

 独特なタッチの作画もどうかなあという感じです。ビックリするような動きがあるわけでもないです。羽川の胸とかキスショットが縮んだときとかにこだわりは感じられましたが、2016年の劇場作品としての作画水準として観客サイドからするとガッカリのレベルです。

「まどマギ」も動きは決してすごいわけでは無く独特な演出・デザインで乗り切った感じだし、後の「打ち上げ花火…」も同様です。その点では演出が胆なのですが、本作は演出もあまり大したことがない上に、女性2人の悲劇性を表現するには「作画」で「演技」をさせられなかったのは大きなマイナスかと思います。
 シャフトはもともと作画(動きと言う点で)での驚きがなく、演出で魅せてきたところがあるのでしょうけど、劇場版としては私は落第だと思います。

 それにキスショットのキャラデザです。美しいキスショットを楽しみにしていたのに、美しさが言葉だけになっています。美しさが足りないしアニメ表現として美が概念にも記号にもなっていません。この完全体のキスショットを楽しみにしていたのに、そこから逃げた感じが凄いです。

 演出・作画(動き・演技)・キャラデザ・背景美術については、大衆映画であることを考えると落第だと思います。

 ストーリーそののもは化物語の前日譚です。忍野忍と羽川の前日譚としてよく練られた話かと思います。吸血鬼という存在の悲劇性、羽川と阿良々木の病的な精神と関係性など、その独特なキャラ造形は素晴らしいです。テーマ的な含意は少ないモノの、キャラにバックボーンとか広がりがあって想像力を掻き立てられます。あまりに人気過ぎて全部描いてしまったところで結果的にシリーズが矮小化してしまった感はありますが、しかし、世界観の提示は素晴らしかったです。そのスタートとして外せない3人の主要キャラの前日譚はかなり面白いです。

 3人のバンパイヤハンターの名前の意味性が気になることろですが、よくわかりません。演劇にちなんだ名の2人の中、なんで1人だけギロチンカッターなのかと思うと、ちょっと味わいはありますけど。(打ち切り?)

 ただ、ちょっと間延びがあったかなあ。テンポで優れていた化物語に比べて冗長感があります。せめて2作品3時間にできなかったんでしょうか?


 そして、映画3部作ですね。これはやっぱりいただけません。人気の上にあぐらをかいてお金の匂いがしちゃったかなと。作品の出来がハイレベルならいいんですけど、上述のとおり画面から得られる喜びが少ない作品です。そもそも「言葉」の西尾維新ですから、化物語はテレビ版で紙芝居・文字芸が活きたんだと思います。それを3回映画館に来いと言われても…という感じです。私は当時レンタルですませたと思います。そして、その判断は正解だったかな、と。

 原作も間延び・引き延ばしで作品の価値がどんどん下がっているし、シャフトは「まどマギ」も擦り倒していますので、どうもなあという反発心も起きます。

 で、挙句の果てに本作の総集編を劇場公開ですか…うーん。京アニに続いてシャフトも凋落の気配が凄いですね。寂しい限りです。

 ということで作品はストーリーは原作既読で悪くないですが長すぎですので、3.5。作画は演出のマイナスを含め2.0。キャラは設定は素晴らしいですがデザインを含めると納得できないので3.5。声優・音楽は評価せずの3かなあ。で、3部通じての戦略の失敗も含めて、ストーリーから0.5マイナスして、ストーリーは3にします。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

Film noir directed by 尾石達也 これが【死闘】である

西尾維新の物語シリーズの全ての始まり、『傷物語』の映画3部作の最終作
過去最長の83分で監督は『化物語』の尾石達也
キャラデザと総作監に守岡英行
シリーズで唯一PG12指定


前作『熱血篇』で眷属の力を駆使した阿良々木暦は、紆余曲折ありつつも見事ドラマツルギー、エピソード、ギロチンカッターに勝利を収めました
キスショットの四肢を取り戻し完全体への復活=暦が眷属から開放される時も目前に迫っていました
しかし忍野メメから衝撃の真実が口にされます
元々のキスショットの実力を持ってすれば、三人のヴァンパイアハンターは敵ではなかったはず
キスショットを弱体化させたのは、メメがキスショットの心臓を密かに奪ったからだと・・・
そう言ってメメは暦にキスショットの心臓を差し出し、そして去っていくのでした
「仕事は失敗に終わった」と、意味深な暗示を口にして・・・
完全体となり満足げなキスショット、これでようやく全てが終わると安堵する暦
しかし暦は最も重大な事実を見て見ぬ振りをしていたことに気付かされます
そう、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードは「鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼」であるという事実を・・・


この映画は大体3つのパートに分かれています
元々『鉄血篇』でも、
①暦の人となりや羽川との関係を描くパート
②キスショットと遭遇するパート
③キスショットを救った暦の身に何が起こったのか説明されるパート
の3つ


さらに『熱血篇』でも
①ドラマツルギー戦
②エピソード戦
③ギロチンカッター戦
の3つに別けられていました


それが今作では
①完全復活したキスショットが過去を語る、キスショットをヒロインとして捉えたパート
②自暴自棄になった暦が羽川に【おっぱいモミモミ】を強要する、羽川をヒロインとして捉えたパート
③最終決戦パート
の3つに分割できます


そう、ここでやっとハッキリする
暦という主人公に対して、表と裏、光と闇、善と悪という対比的な二人のヒロインが並行している映画が今作なのだと
これは単に羽川を選ぶのか、キスショットを選ぶのかという男女関係の話だけでなく、暦のその後の人生(もはや“人”ではありませんが)を左右する決断を迫られる作品だ、という部分に被せてきているのですね
上手いなー


②パートだけ観ればポルノ映画のように観えますし、③パートだけ観ればスプラッター映画、特に『フレディvsジェイソン』とか『エイリアンvsプレデター』とか、悪趣味が極まったアクションスリラーのようにも観えます
数ある物語シリーズにおいて、なんで今作だけが映画なのか、はこの『冷血篇』でハッキリしました
【正直、心臓の弱い方にはオススメしかねる内容だからです】
ですが、テレビ放送で中途半端にやられても誰も満足しなかったことでしょう
血肉飛び散るまさに死闘、よくぞここまで派手にやってくれた!と“本気”のクオリティで描かれる大人の映画と呼べる仕上がりだからです


キスショットが室外機の上を両手を広げて子供のように歩くカットは林勇雄さん?
ブラジャー姿の羽川を真正面から見下すカットは木村貴宏さん?
斬りつけあいはウメンヅだな
吉成兄弟は・・・言わなくてもすぐわかるでしょ?www
ウエダハジメさんや高山カツヒコさん(相変わらず特撮パート担当w)も携わっていて、オールドシャフトの人脈大活用のオールスタースタッフ


とかく【血祭り】という表現が似つかわしい映画でしょう
それもこんな豪華原画陣、さらにはほぼ全ての背景がCGという特殊な作りをした映画、後にも先にも例がありません
映像表現として、とても貴重な一作になったと感じます


さらに人であることを失くしていく暦の絶望感、それを案ずる二人のヒロインの心境が、そこはかとない哀愁を漂わせていて、観終えた後も程よい余韻を味わえます


改めて言わせて欲しいです
尾石達也監督「おかえりなさい」と

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

化物語の前日譚の「第3弾」に該当する本作は「赤く濡れて黒く乾いた血の物語…決して癒えない僕たちの大事な傷の物語…」

ここまであっという間…気が付いたら第3弾に到達してしまった気がします。
これまで視聴してきた2作はどちらも1時間そこそこ…
実質2時間ちょっとしか経っていないのだから当然といえば当然なのですが、内容の濃密さが余計に体感時間を加速させるのでしょう…

阿良々木 暦とキスショットは可能性の低いと思っていた賭けに勝利しました。
これもキスショットの持つ吸血鬼としての能力が結果的に功を奏した訳ですが…

キスショットが歩んできた道程…
時折見せるキスショットの本気の笑顔がとても印象的だったと思います。

でも、心に沸々を湧き上がる違和感が払拭できない…というか徐々に大きくなっていくんです。
それは化物語で最初に見た忍とのギャップです。

本作に登場するキスショットは大人…けれど、化物語に登場する忍はどうみても子供…
そう、容姿にギャップが有り過ぎるんです。

だから本作の一番の見どころは、傷物語がどの様に化物語に繋がっていくのか…という点に尽きると思います。
でも物語の展開上その予兆は一切無く…心の折れるような出来事が突然やってくるんです。
心の準備なんてしている余裕は微塵もありませんでした。

少なくてもこれまで間違った事をしているとは思わなかった…
振り返っても決して間違った行いは無かったと思います。
唯一違うとすれば、たまたま立場が違っただけ…
ただそれだけ…
なのに、僅かなその違いはその後の道筋を真逆に違えるに十分足り得た…という事実だけが取り残されてしまうんです。
そしてその事実は一人の人間が背負うにはあまりに重すぎました…
だから自分の良心への呵責に悩まされるかは別にしても、逃げてもきっと誰も文句は言わなかったと思います。

ううん、正直軸足はだいぶそっち側に向いていたように思います。
だから思います…
彼の友人である彼女は心底優しいと…
言っていることだけなら残酷にも捉えられるその一言一句の裏には、彼の未来に禍根を残したくない、という何とも彼女らしい優しさが感じられるではありませんか…

だから彼女も全力全開で彼に挑みました。
言い方はとてもソフトだったけれど、微塵の隙間もなく否応なしに納得せざるを得ないロジックが展開されたと思います。
彼女の言動の理由は、それがお互いがお互いのままでいられる唯一無二だときっと知っていたから…
ちょっぴりへたれだったのは間違いなく彼の方…
でも、勝機ゼロの戦いに向かおうと決意させてもらったのは事実です。

次の瞬間、画面いっぱいに広がる死闘…死闘…死闘…
その死闘を見ていて思いました…
「これじゃ誰も報われない」という事を…
だからこんな感じでは絶対終わって欲しくないと思っていました。
だって私の愛すべきキャラ像とかけ離れていましたから…
こんな風に壊して欲しくないよ…

阿良々木 暦とキスショットが紡ぐ決意と懇願の物語…
そして死闘の裏に潜む真実に気付いたのは彼女…
どこまで行ったら立ち止まれるのだろう…
どれだけ血を流したら優しさに気付くのだろう…
今言わなきゃ絶対後悔する事を悟った彼女は事態に対して身を呈する事を厭いませんでした。

本懐は遂げられなかったのかもしれない…
この結末は残酷だったのかもしれない…
でも、彼の目から溢れる無色透明な血液は、彼の優しさの証だったと信じています。
だから一緒に歩んでいくと決意した…
ラストの笑顔にそんな彼の強い意志を感じた気がします。
きっとこれ以上無い最高の形で化物語に繋がったと思います。

この作品を視聴したら、化物語がもう一度見たくなりました。
化物語に登場するキャラをもう一歩深掘りしながら視聴できる事に喜びが感じられると思うから…
視聴して良かった…待って良かったと思えた作品でした。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 22
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