アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価
3.2
月刊レムリア、それ無理や…
糞アニメは当たり前のように量産され続けます。
糞アニメの定義は人それぞれなのでしょうが、 {netabare}視聴者置いてけぼりだったり
全く意図不明な展開なものなど、見終わった後に「???」となる感じのタイプは
糞アニメの範疇に当てはまると言っていいでしょう。
「何故アイドル?」「何故算数ベアナックル?」
その疑問は真っ当であると思えますが、結論は簡単です。
アニメとはそもそも視聴者のために作られるのではなく、出資者様の意向に沿い
作られるため、一般視聴者が見ても全く意味不明なことになるのが宿命なのであります。
運が良ければ自分の好みに合う作品に偶然出会うこともありますが、
糞作品当たり前のなろう系、そして異世界転生やファンタジー作品の類は
その傾向が著しく強いので期待しない方がいいでしょう。
この手の糞作品を理解するのには裏設定の理解が必須であり、これを知らずに見ても
ただの時間の無駄とも言えるような数々の謎展開に当惑するだけでしょう。
裏設定の例を一つ挙げますとまさに【アイドル】であります。
これのルーツは【女神信仰】でございまして、【イナンナスター】が示す
【女神様】は大変尊いということで、これをルーツとする【アイドル信仰】
の描写により、暗示的に女神様の威光を世に知らしめたいという意図が働いている
からこそ【アイドル】という存在が強調されるというわけあります。
「何を言っているのか意味がわからない」そう思った方々…
まともな感性をお持ちであると思います。
しかしながら出資者様にしてもアニメ業界のお偉いさんにしても、残念ながら
まともな感性は持ち合わせていませんので、まともな感性が理解不能な糞作品の類は
今後も大量生産されるのであります。
とは言え、資本主義経済の仕組みを知るならば、
{/netabare}それが必然的帰結であると認めざるを得なくなるでしょう。
個人的に良かったと思う点は、いつもの冒険者ギルドもののワンパターン
でなかったことであります。
異世界転生でありがちな魔物を狩ってスキルを上げるようなゲーム実況動画には辟易しています。
{netabare}回想多めでテンポが悪いのは許容しつつも、全く世界を救ってないことにはフォローできません。
一般論で言えばかなり微妙な作品ということになりそうですが、
何故かそれなりに興味が惹かれたので全体の印象は悪くもないという感じであります。{/netabare}
●【錬金術】師が惑わす世界
なんとなく異世界ファンタジーの冒険者物語のような雰囲気を醸し出しておいて
実は全然そういうのじゃないというのが本作が目指すところのようであります。
タイトルにある人間不信の冒険者ですが、 {netabare}それは主人公のパーティーに限ったことではなく
恰も群像劇のように様々な人間不信の冒険者の状況を描いているようでありまして
そういう事情で回想シーンが多くなりますが、それにはそれぞれの過去の人間関係の失敗談
や人間不信に陥ったエピソードを描く必要性があるというのが背景にあるのでしょう。
回想シーンが多すぎて冒険者が世界を救うという話になかなか繋がらないような
側面もないわけではあませんが、いつもの冒険者ものとは違う斬新な展開をしている
ことには興味が惹かれます。
いつもの冒険者ものを期待している人には残念な話になりますが、「絆の迷宮」では特に
顕著であったように現代的と言いますか、異世界ファンタジーの世界観とは不釣り合いな
超文明的な禁断のテクノロジーの類が出てきたら、それは「スチームパンク」を示している
ということになります。
サイバーパンクは科学的思考で理解可能ですが、スチームパンクは錬金術など非科学的で
仕組みが理解不能な動力機関が当たり前のように登場し、視聴者を困惑させます。
これには超古代の文明が関わっているのですが、それではファンタジーの世界観ですべて
理解できるのか?というとそれがさっぱり見当がつかないからとても厄介であります。
要は自分調べるなりして理解しろということで不親切な作りが特徴的であるとも言えます。
そういう不親切さにもかかわらずそれでも個人的には悪くないと思いますが、
一般論で言えば意味不明過ぎて微妙ということになるのかもしれません。
「絆の剣」を媒介にユニオンというフュージョンみたいなことをしますが、これは
「アルスの巨獣」のカンナギとナギモリが融合するのと全く同じものであります。
これは2柱の神、例えばイザナギとイザナミを表しそれが融合したことにより生まれる
「3柱目の神」を「剣」や「槍」などの先の尖ったもので暗示しているものであります。
このような柱と同じような意味合いがあるのが【オベリスク】であります。
●算数ベアナックルの怪奇
「算数ベアナックル」、これまた斬新な決闘スタイルであります。
狙いとしては仲間との信頼関係やそれを前提とした役割分担を描こうとしている
ようであり、その点ではこの不思議な決闘方式にも意味はそれなりにあるようにも思います。
しかしながら、普通の戦闘方式では仲間同士の信頼関係について描写できないのか
と言えばそういうこともなく、実は「算数ベアナックル」って必然性が無いよね
というのが正論なのかもしれません。
昔々ピタゴラス学派の偉い先生がいましたが、恐らく理由はその学派といいますか
その宗教教団の発想と一緒ではないかと思います。
広い世の中には「数字」に特別な思い入れがある種族がおりまして、そういう都合で数字を
自然に表現できる「算数ベアナックル」という奇妙な決闘方式が選ばれたわけであります。
竜戦士カランによる最初の算数模試の得点は【18】点でありました。
【18】=6+6+6→【666】
「竜神族」だから【666】という数字なんですよと表現するのに算数テストは有効である
という話であります。
本番の算数試験問題は以下の通りになります。
(1) 1+1=
(2) 2+6=
(3) 5+8=
(4) 7+6=
(5) 9+3=
ピタゴラス教団を意識した答えを導いてみます。
(1) 1+1=11…ゲート、2本柱を表します
(2) 2+6=8…金星と女神を表します。
(3) 5+8=13…8と5同様に金星を表します。
(4) 7+6=13…同上
(5) 9+3=12=6+6…土星を表します。
第1問目の得点はクロディーヌ①98点、②カラン86点でした。
①9+8=17→1+7=8
カランの「86」点は「エイティーシックス」であのアニメと同じです。
ということであのアニメタイトル同様に「86」には【シンメトリー】が隠されています。
「86」を反転させると「98」もしくは「89」になります。
「86」と「98」2桁の数字をそれぞれたし算してみます。
②
8+6=14→1+4=5
9+8=17→1+7=8
ちなみに5と8を足すと13になります。
つまり【8】と【5】と【13】の法則です
これらは金星に関する惑星の公転周期運動を表す数字です。
地球が8回公転する間に金星は13回公転し、その間に互いが5回接する
というものであります。
金星と地球が(一直線に並び)接する5点と周回運動の中心点を線で結んで形成された
ものが【☆】=【五芒星】であります。
ちなみに、魔術師ティアーナの帽子には【八芒星】=【イナンナスター】が付いており
更に太陽騎士団の甲冑にも【八芒星】を表す光輪が記されています。
数字に熱烈な思いがある人にはこういう数字遊びがとても重要ということで
「算数ベアナックル」という奇妙な方法が採用されたということであります。
●何故アイドル?
ファンタジー系作品にアイドルはミスマッチ感があるようにも思えますが、実は
【アイドル】のルーツは「ピタゴラス教団」みたいなところにあり、ファンタジーとは
相性は抜群だったりします。
アイドルファンのことを「信者」と言いますが、それは正しい表現ということになります。
しかもアイドルの本名が【ベル】というわけですから、原作者は全部わかっている確信犯
でありまして、虎人族という「野獣と美女」のベル、そして【アイドル】という
この関係性に秘密が隠されているということになります。
「【ベル】の第1法則」は死亡フラグでありますが、カジノでの一件では怪我人が出るも
死人は出ませんでしたのでこの法則は当てはまらなかったようですが、怪我人が多数出た
というで「【ベル】の第3法則」=災いの発動を暗示していたのだということになります。
●オカルトの暗示
月刊「レムリア」の記者が登場しますが、レムリアと言えばレムリア文明であり
要するに「ムー大陸」のことを指しているわけであります。
つまりオカルト雑誌「ムー」を暗示しており、それで何を言い表したいのかというと
恐らくは【アトランティス文明】なんでしょうということになります。
一説によればピタゴラス教団の教祖そしてイデア論のプラトンは、アトランティスの子孫
とかいう話がありまして、「ふしぎの海のナディア」の「ネオ・アトランティス」や
もしかしたら「大雪海カイナ」の「アトランド」も関係があるのではないのかと
個人的にはそのように予測いたします。{/netabare}
●アイドル(の本質)を探せ!?
当方は熱心なアイドル信者と言うわけでなく、むしろ {netabare} アンチ言うべき立ち位置であるのが
真実でありますが、本作の【アイドル】描写には漠然とではありつつも密かに注目しておりました。
結論から言いますと【アイドル】には実は秘密が仕込まれているという話でございます。
本作に登場する【アイドル】の名はお見事なまでに【ベル】であります。
またしても!?ここでも!?【ベル】であります。
「リリ【ベル】」に「ブラック【ベル】」とか、いい加減にしろ!
と言いたいくなるくらいにまたしても【ベル】を繰り返す馬鹿の一つ覚えであります。
【ベル】のごり押しに違和感持てた感性の持ち主は勝ち組であると確信いたしますが
圧倒的多数のアニメファンは【ベル】の繰り返しを目の当たりにしても、
不感症全開という大変残念な結果になるのでありましょう。
作画が凄いとかいうことだけは必死な反面、何が描かれているかという物語の本質については
まるで興味が無いようにも思えてしまうのは気のせいでしょうか?
本作の評価はどうあれ、【ベル】という名の【アイドル】が描かれているという現実は
どんな屁理屈こねても否定できない事実であります。
そして今後も【ベル】という名が様々なところでしつこいくらいに繰り返されるのは
必然であると確信いたします。
結論から言えばほとんどすべてのアニメファンには「裏設定」というものが見えておらず
自己満足的に作品を楽しむことはできても、アニメで表現されている本質には {/netabare}
どうやってもたどり着けないように思えて仕方がありません。
初っ端から「アイドル降臨」には…リアクション困ってしまいますが
狙いとしては人間関係に難がある落ちこぼれ系主人公とその仲間たちの物語を
描こうということなのでありましょう。
「俺百」的な匂いを大いに感じますが、経験値を積んでレベルを上げる、つまり
人間的に成長するということがメインとなる物語であるように見えますので
個人的には期待が持てそうに感じました。
キャラ的には真面目な貴族魔導士の残念な有様などに興味を惹かれますが、
ただパーティー組んでモンスターを狩るだけの展開ではなく、
パーティーの面々の絡み合いに注目できそうなように思います。
「俺百」自体あまり評価されているわけではありませんが、
引き籠り的な残念人間たちの人間模様が上手く描けるならば
それなりの水準にはなるように思いますので
今後の展開に期待したいところであります。