号泣でカタルシスなTVアニメ動画ランキング 2

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ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年02月22日の時点で一番の号泣でカタルシスなTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

74.7 1 号泣でカタルシスなアニメランキング1位
負けヒロインが多すぎる!(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (341)
903人が棚に入れました
第15回 小学館ライトノベル大賞《ガガガ賞》受賞作、待望のTVアニメ化!想い人の恋人の座を勝ち取れなかった女の子——「負けヒロイン」。食いしん坊な幼なじみ系ヒロイン・八奈見杏菜。元気いっぱいのスポーツ系ヒロイン・焼塩檸檬。人見知りの小動物系ヒロイン・小鞠知花。ちょっと残念な負けヒロイン——マケインたちに絡まれる、新感覚・はちゃめちゃ敗走系青春ストーリーがここに幕を開ける!負けて輝け、マケインたち!
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

そういうとこだよ、温水君 by 八奈見杏菜

負けヒロインにスポットを当てた他愛もないアニメ。
負けヒロインは三人、八奈見杏菜、焼塩檸檬、小鞠知花。
どいつもこいつも個性的なキャラだ。
そして、勝ちヒロインも勝ちヒーローも変わってる。

しかし、端的に言ってモブヒーロー温水和彦が再重要キャラだ。
なぜならば、全方位にツッコミを入れる様はこのラブコメには欠かせない。
加えて、ストーカー妹、はちゃめちゃ先生、ゾンビ先輩など、変キャラには困らない。
果たして、これほど楽しい変わり種ラブコメがこれまであっただろうか。

キャラの魅力が半端ない作品の中で燦然と輝くのは、八奈見杏菜。
超かわいいにもかかわらず、超三枚目。
あんな女は見たことない。
{netabare}豊橋名物ちくわ{/netabare}を満面の笑みで食いちぎる様は、芸術的ともいえる。

女の子は二種類に分けられるの、{netabare}幼馴染か泥棒猫。{/netabare}
その自分勝手な杏菜格言は、まさに名言ともいえよう。
例えそれが負けヒロインの遠吠えとはいえ。

各負けヒロインにスポットが当たった素直なストーリー。
哀れさがコミカルさを醸し出し、シュールに突き抜ける。
そんな愛すべき負けヒロインの姿が生々しい。
あっさり、終了? それはないでしょう、たぶん。

舞台である豊橋は、名古屋在住時に良く仕事で通ったもの。
駅前や街並みが少々垢ぬけないのも愛すべきポイント。
路面電車のある風景は魅力的で、どこか懐かしい。

投稿 : 2025/02/22
♥ : 23
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

マケインで 光輝け 豊橋市

恋愛ラブコメでメインヒロインに敗北する“負けヒロイン(マケイン)”を題材にした、
同名ライトノベル(未読)の連続アニメ化作品(全12話)

【物語 4.0点】
原作者の雨森 たきび氏は中々、異色の経歴のラノベ作家。
大学時代、ラノベ新人賞に数回応募するも1次選考敗退……。
その後、事務職に就職し、執筆活動からは離れていたが、
40代前半に入り、仕事にも余裕が出てきて。
体力や頭の回転があるうちに「今できることをやりたい」と、
応募再挑戦した内の一作である本原作で受賞してデビュー。
そして今回のアニメ化に至る(※1)

しばしば“ロスジェネ”と揶揄されたりもするこの世代。
敗北、喪失の経験と取り扱いならお手の物。
何者にもなれなかったと自嘲する声が多いのも同世代の特徴ですが。
この原作者エピソードを見ると、40代から大谷翔平選手を目指すのは流石に無理にしても、
敗北も含めた、これまでの人生を伏線にして、挑戦や再起を志せば、
何某かにはなれるのだなと考えさせられます。

本作は作者が数年前アニメで見かけた青髪の“負けヒロイン”が、
恋愛に負け続けながらも、自分の気持ちに向き合いながら、もがく姿に感動したことから着想を得ているとのことで(※2)

本作には青髪の八奈見さんを始め三人のメイン“マケイン”が登場しますが、
それぞれ三者三様の身の処し方、想いの伝え方で玉砕する見事な負けっぷりで、
心を揺さぶって来ます。

この“マケイン”たち、心残りがないように自分の想いを吐き出しているからか、
恋愛に負けても、経験をいかに糧にできるかという人生においては、
むしろ勝ってるのではと感じます。
逆に恋愛の勝者であるはずの一部“勝ちヒロイン”の方が、
刹那の恋愛勝ちポジションを失う不安を抱えて、思い詰めている感すらあります。

人生では負けより価値がない不戦敗ばかりの自分が言うのもおこがましいですが(苦笑)
原作者の来歴含めて、瞬間負けて強くなった人間こそが人生では勝つという教訓を意識させられたラブコメ作品でした。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・A-1 Pictures

舞台となった作者出身地の愛知県・豊橋市。
現在私が暮らす名古屋から日帰り出来るということで、
この夏、聖地巡礼に行って参りました。
(近いと言っても片道80キロはあります。
返す返す尾張と三河を同県にしたのって、まぁまぁ酔狂な廃藩置県です)

尾張・名古屋城、西三河・岡崎城などに比べて、
インバウンドまで見込める観光資源には乏しい印象だった東三河・豊橋市。
一応、豊橋にも吉田城の櫓くらいは残っていますが、観光地としては正直……。

それだけに路面を走るヤマサちくわのラッピング電車や、パン生菓子のボン.千賀など、
日常風景から魅力的な舞台を切り取って来るロケハンと、
それらを再現する背景美術の仕事には感銘を受け、
気が付けば、この夏もクソ暑かったのに自然と豊橋に足が向いていました。

作中でも巡礼でも特に心に残ったのは、主人公たち高校生の登下校シーンの舞台。
リアルでは愛知大学前駅のホーム。
キャンパスの森をバックにした通学シーンは最高に絵になります。


これらの舞台で躍動するキャラクターの作画も、
通常ワンパターンの影の付け方しかない所、場面に合わせて複数パターン使い分けて心情表現。

さらには、プロップデザイン担当者に「料理作監」を特命し描き込み、食いしん坊の八奈見さんの演出をサポート。

そして第九話。サブの勝ちヒロインのために特設された“姫宮華恋バストコーディネーター”による狂気のプルプル感w

作画コスト度返しで、クオリティを追求するこだわりが半端なかったです。


主人公たちが通う“県立時習館高校”の女子制服。
襟から縦に4つ連なったリボンも、キャラ個性出しに寄与していました。
メインの“マケイン”たちばかりでなく、
バックのモブの女生徒に至るまで一人ひとりちゃんとリボンカラーが異なっている辺りが、本作の妥協なき所。
この作品“マケイン”だけでなくモブキャラも輝いていました。

本作が初監督だという北村 翔太郎氏。今後の活動に注目です。


【キャラ 4.5点】
青髪の“プロ”幼馴染・八奈見杏菜。
褐色ショートヘアの陸上部・焼塩檸檬。
片目が隠れた小心文芸部の小鞠知花。

ビジュアルからして既に「戦う前から負けている」w“マケイン”たち。
焼塩檸檬に至っては名前からして、
平安貴族が藻塩焼いて袖を濡らす失恋歌でも詠みそうな凄まじい“マケイン”名。
私も思わずレビュタイ五七五にしちゃいましたがw


この夏アニメはラブコメが渋滞気味で、
本作も実は初回視聴は後回しになっていた私。

目が覚めたのが、初回放送後ネット界隈で出回った、
校舎屋上にて、やまさチクワをくわえる“マケイン” 八奈見さんの衝撃カット。

令和時代に獅志丸(『忍者ハットリくん』の伊賀忍犬。古くてスイマセンw)以来のちくわキャラ爆誕か!?
と色めき立ち視聴しだした次第。
(実際には、八奈見さん、ちくわ喰ってたの初回だけでしたが)

食いしん坊の八奈見さんが、お弁当などを持参して、
主人公男子の温水くんへの借りを返済していくネタも、
視聴動機を持続させる“連載ネタ”として有効でしたね。


“連載ネタ”と言えば、小鞠と温水の水道水談義。
私も小学生の頃、あの洗面台は端っこの上向き蛇口が一番冷えていて旨いと蛇口による味の違いを知る人間であった栄華?を思い出し懐かしくなりましたがw
流石に、時間帯や階層まで計算に入れて水分補給はしていませんでしたw

公式HPも“八奈見杏奈カロリーメーター”や“マケイン水道探索”を随時更新するなど、ノリノリでしたねw


温水くんと“マケイン”たちの今後については、
“正妻感”は圧倒的に八奈見さんで、肉体的に濃厚接触していたのは{netabare} 用具室の汗だく{/netabare} 檸檬ですが。
掛け合いに将来の夫婦感出ていたのは小鞠だった印象。
小鞠ちゃんの温水に対してだけ毒舌が先鋭化する姿はある意味アットホームでしたし。

ですが、これは結婚相手ではなく、1年以内に7割破局するという高校生カップル(なんて世知辛い初回冒頭ナレだw)
に至るかどうかの論点なんですよね。

やっぱり八奈見さん?と思い直しつつ、
もういっそ妹の佳樹に甘えて、お友だちいないんですねと憐れまれるモラトリアムに逃げ込みたい心境もw


【声優 4.0点】
八奈見杏菜役の遠野 ひかるさん、焼塩檸檬役の若山 詩音さん、
小鞠知花役の寺澤 百花さん。

“マケイン”たちの三者三様のボイスは目を瞑っていても判別できるレベルでキャラ立ち良好。

その中でも特に寺澤さんの陰キャ演技に感心させられました。
アニメ観ていると、相当、声を張り上げる元気キャラでも、セリフが聞き取れないシーンがあったりしますが、
小鞠の声に関しては、ボソボソ濁声でありながら、つぶやき一つに至るまで明瞭に聞き取れたのが凄いと思いました。

これは音響の調整による所も大きいのかもしれませんが。
寺澤 百花さん。昨年初レギュラーの新人ながら、中々侮れない声優さんです。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は、うたたね 歌菜氏。
基本は多彩な音で会話劇を下支えするミニマル・ミュージックに徹する。
が、ピアノやストリングスのアレンジが盛られた際は、
宮廷ファンタジーBGM並みに優雅かつ繊細で、
いつの間にかキャラ心情を視聴者のハートに注入されている油断ならないお仕事ぶり。

が、“BGM”として何より優秀だと感じたのが蝉の声などのSE。
夏は前半で終わってしまう本作ですが、
私の中では巡礼も相まって、青空が眩しい夏アニメとして記憶されるのだと思います。

OP主題歌は、ぼっちぼろまる「つよがるガール feat. もっさ(ネクライトーキー)」
冒頭から“負け”を連発し、遊んでいると思わせておいて、
歌詞世界では負けて強くなる“マケイン”の本懐を捉える良作アニソン♪

ED主題歌。
八奈見杏菜「LOVE2000」(hitomi)
焼塩檸檬「CRAZY FOR YOU」(Kylee)
小鞠知花「feel my soul」(YUI)
“マケイン”たちによる平成懐メロリサイタル。

その中でも八奈見さんの「LOVE2000」のカバー。
実写の豊橋市の背景に、セルアニメ制作でキャラを重ねて、8mmフィルムで撮影処理したというED映像。
「2013年9月29日のサザエさん以来、10年9か月ぶり」だという新作セルアニメがいっそう平成ノスタルジーを醸す。


【参考文献】(※1、※2)東愛知新聞「東三河のサブカルチャー③ 豊橋出身のラノベ作家 雨森たきびさん」

投稿 : 2025/02/22
♥ : 26

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

食べ過ぎw

原作未読 全12話

高校生で好きな人に振られたヒロインたち八奈見杏菜(やなみ あんな)・焼塩檸檬(やきしお れもん)・小鞠知花(こまり ちか)の三者三様のラブコメ物語です。

モブのような水道水好きでオタクの高校生で主人公の温水和彦がそこに何故か関わってしまいます。

1話からテンポ良くお話が進んでいきますので、これは面白そうだと思って観ていきました。

主人公とまったく恋愛に発展しなかったので、その分それぞれのヒロインや振った方にもクローズアップしたのも良かったですね。

振られ方はそれぞれですが、振った方はみなさんお付き合いしていますねw

また、振った方も相手も身近な存在というのも共通点でした。

中には危ない子もいましたがwなんか振られたヒロインの心の中は傷ついているかもしれませんが、丸く収まった感じでしたね。

続きがあれば是非観て観たい作品でした。

OPはぼっちぼろまるさん、EDは負けヒロインの中の方、遠野ひかるさん、若山詩音さん、寺澤百花さんが歌っています。

最後に、温水君が八奈見さんを恋愛対象にならない理由は納得してしまいましたw

投稿 : 2025/02/22
♥ : 26

61.9 2 号泣でカタルシスなアニメランキング2位
BanG Dream! Ave Mujica(TVアニメ動画)

2025年冬アニメ
★★★★☆ 3.1 (133)
103人が棚に入れました
「言ったでしょう?残りの人生、わたくしに下さいと」 豊川祥子がメンバーを招き入れたバンド・Ave Mujicaは、 ライブやメディア露出など、商業的な成功を収めていた。 運命をともにすると誓った仲間も、生まれ育った家も失った少女。 彼女は何のために他人の一生を背負い、バンドを続けるのか。 過去も素顔も仮面で覆い隠し、今宵も完璧な箱庭に降り立つ。

たナか さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

シンフォニー・オブ・デストラクション

バンドリ改めギスドリの真打、アヴェムジカ編。
ギスドリ1期のMYGO編見てないとイミフです。

ブシロもやっと商売が上手くなってきたなあ…とほっこり
爆死したD4DJのメンツがバンド組んだりとかで救済できませんかねえ

OP・ユーベルブラットOPに欲しかったのはこの厨二感、いいですねー
ED・同上。

リアルイベントビジネスのライバルはにじさんじやホロライブか。声優の卵を1年かけて育てたプロジェクトは全方位でクオリティが高く、ファン層を拡大していくのは間違いない。ほぼ素人に7弦ギターや5弦ベースを仕込む鬼畜のブシロード。しかしきちんとモノにしてるメンバーはさすが。

Gt.&Vo.ドロリス/三角初華
ギスドリの良心かと思えばただのヘタレ。相方は聖人。

Gt.モーティス/若葉睦
モーティスはただの邪魔者?彼女の救済はナシか

Ba.ティモリス/八幡海鈴
不動のメンタルってか大概なサイコパス、もしくは大人っていう表現なのか

Dr.アモーリス/祐天寺にゃむ
マジで社会性あるのこいつだけ、高1設定は完全に失敗

Key.オブリビオニス/豊川祥子
結局いつも誰かが拾ってくれる、やっと復活の兆し

07
え?モーティス終わり?まあ萌えアニメだしこれくらいでいいのか

1期の種まきがきちんとカタルシスになってていいのですが、やっぱMYGOが本気だすとエロゲみたいな痛々しさが厳しい。自分に酔いすぎ。初期の新海誠みたいなナルシズム。いやまあそれに酔えるのがアニメの良さですけどね、バンドリシリーズは本来ギャン泣きポルノではなかったので。長期シリーズだからこそのバリエーションでいいのですけど。

感情込み上げてるともりが全然まともに歌えてないの、実にいいですね。わざわざ別録までしてるのにそこをあえてキャラに言わせないし誰も触れない。楽器はともかくあそこで「おまえ歌えてないやん台無し」って流石ににゃむや海鈴でも言えないでしょう。こういうところがブシロアニメの良さ。いくらでもゲームで後付け補足できるからってのもあるだろうけど。

やっぱりどうみても上級国民サマのおままごとでしかないのだが、新海誠作品を観るようにピュアでイノセントなメルヘンマインドで観るべきでしょう。とくにMYGOはそうしないとあまりに痛々しすぎる。

海鈴にとってはムジカが参加バンドの最高位なので復活を望むのもまあそりゃそうでしょう。にゃむも同様に上昇志向ってだけでいい。

まだ7話でこれをやるなら、もう完全にさらなる絶望に突き落とす格好の前フリでしかない。しかし上げて落とす前フリにしては高度が高すぎてえらい角度になってしまった。祥子攻略完了、ラスボスは海鈴か、それとも…。

んでクライシックがなんと!!!!first take出演!!!!

いやーブシロさんビジネス上手くなったやん。アニメバンドをリアルイベントでやるのは真似されまくって独自性がなくなったイノベーションのジレンマ。アニメやゲームでバンドのバックストーリーを語れる利点を最大限に活かしたグレイトなアイデア。今は無きあの伝説のバンドがついに復活!をゼロイチでやれるマッチポンプ。アメージング!!!!これにはマジでやられた。これは誰も真似出来ないし、パクって二番煎じもシラけるだけで成立しない。んでリアルでも2バンド分で3バンド編成が可能。上手い、上手いなー。いやマジでD4DJのメンツもどうにか拾ってください。睦は7弦あってこそなのでMYGOやクライシックにはもったいない

アップの泣き顔だけ手描きなのはマジでなんなの、顔が幼すぎて萎える
そんなに豚をブヒブヒさせたいのか。まあマーケティングとしては正しいのかも

投稿 : 2025/02/22
♥ : 4
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

【#1~#3先行上映会感想】初回から呑み込まれる

何かスゲーもんを見せつけられたなという感想が残りました。
公開初日、3話まで劇場鑑賞で観終えた夜、私は興奮して中々寝付けませんでした。
TV放送前でもあるので、極力ネタバレを回避しつつ、この整理できない私の感情も含めて言語化していきたいと思います。


こういう作品を観ると、つくづくエンタメ消費というのは残酷な趣味で、
ミュージシャンや声優まで含めた、広く芸能人というのは己が才能や、技術、プライバシーまで消費者に切り売りする、心身を削る過酷な職業なんだなと思い知らされます。

消費者は、私も含めて、芸能人自身が見せたくない物ほど見たいし、
やっちゃいけないことほど、やられると狂喜する。
芸能人はまさに国民の玩具、“お人形”なのです。
そして、お人形は飽きたら捨てられ、また次、次と消費者の欲求は留まるところを知りません。

その無限の欲望の坩堝(るつぼ)に身を投じる芸能人は、
自分のどこまでなら差し出しても自身を壊さずに済むか、
日々ギリギリの駆け引きを行っているのだと思います。

熟練した芸能人ならば、消費者との駆け引きも手慣れたものでしょうが、
経験不足の若手となると技術のみならず、自分の出し入れも未熟で、
時に自分の支柱となる致命的な部分まで差し出してしまい自壊してしまう。
近年、声優さんも含めて、若手芸能人の
精神疾患による活動休止などが相次いでいるのは、
仕事量のコントロールも含めた、自身と消費者との折り合いの問題も一因なのでは?と私は邪推します。

では、この心身を切り売りする芸能活動は残酷だから、
もう一切止めたほうが良いのかと言うと、そうでもなく。
消費者に何をどこまで差し出すかというギリギリの勝負の中でこそ、
覚醒する才能もあるわけで、捨て難い物があります。


何を長々と自説を垂れ流しているのかというと、
本作はAveMujicaバンドメンバーの本性を暴き出す内輪の“ギスドリ”仮面舞踏会(マスカレード)に留まらず、
作品を視聴し消費する我々が秘める残虐性をも指弾して来る危険物だと言うことです。

鑑賞中、私は、昔の映画だと『ブラック・スワン』、近年だと映画『エルヴィス』、
あとは秋元系のアイドルグループで私が唯一推していた欅坂46が、
平手一強の笑顔を見せないアイドルとして、暗黒方面に覚醒し、ぶっ壊れていく過程などを思い出しながら、
コイツはとんでもないアニメだなと放心していました。


AveMujicaを立ち上げたオブリビオニスこと豊川祥子(さきこ)も、
未熟な少女たちがプロとしてやっていく過酷さは重々承知しており、
プロデビュー後も芸能マネージャーなどの他人に管理を委ねず、
祥子がAveMujicaを自分自身の居場所として守り抜くためのリスクマネジメントも周到だったはずでした。

が、これも初回(※核心的ネタバレ){netabare} 成り上がりのため売名を急ぐ、にゃむ(アモーリス)により、ゴシップによるプライバシーの買い叩きから自分たちを守る防具でもあったマスクが剥がされ、{/netabare} あっけなく箍(たが)が外れ、
AveMujicaもまた祥子の手を離れ、消費者の熱狂の坩堝に呑み込まれていくのです。

前作『~MyGO!!!!!』は不穏な伏線をヒタヒタ張って中盤以降、起爆する感じだったので、
リスクを察知しながら徐々にガードを固めていく感じでしのげましたが。
『~AveMujica』は初回から崩壊のカウントダウンが始まる感じなので、それでは間に合いません。

視聴の際は、初回からガードを固めて行くことをオススメします。


呑み込まれるぞ。

投稿 : 2025/02/22
♥ : 8

バンドリマン4世 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

ムジカと迷子と比較

後半からは愚かな海鈴🥰スタートで期待値大
前半は(一時期は駄作か?と感じるくらい)ひどかった
ムジカの本質はバトル物,マイゴとは根本的に別種の生き物。

mygoと比べるとやはり
mygoの文脈には視聴者との信頼関係があったと感じる。


mygoはお化け屋敷、
来客者に裏側を意識させずに純粋に楽しんでもらえるよう
最新の注意が図られた精緻な建物のように感じる。
mygoには来客者に安心してアトラクションへ没頭させる信頼があった。

そういう点からmujicaには粗が目立つ、
ちゃんと見てる人間からしたらmygoと比べて酷評モノ

しかし、ただ可愛いバンドリキャラが好きなだけな人からしたら
お話なんてどうでもいいから7話は史上最強の神回‼て感じになる。

俺からしたらそんな紛い物でいいわけないからやはり酷評ものである。
上っ面だけの物には真の美しさは宿らない
簡単には作れない高度な物を見たいのは
世間がゴミで溢れかえっているから

これとほぼ同じ結論を海外の来客者が見抜いて
大幅な低評価を入れてるだけの事
海外の顧客は表明するのでわかりやすい





追記~
厳しい意見過ぎたかもしれない。
ムジカのキャラと音楽は全然余裕で面白いものを提供してくれる
という期待感があったからこそといえる
それとmygoと比べ過ぎた
まだ6話分あるし、面白くなる余地はあるから気にしなくてもいい



追記~
8話見たけど愚かな海鈴てわけなんやね🥰
海鈴からは「縁の下の力持ち」「屋台骨」を感じる。頼もしい。
7話までは正直アカン感じしたけど何とか巻き返し出来そうだし安心。

それに視聴者の感覚も「終わった感」生み出すための構成ぽいけど
567話らへんを無駄に消費してる。
それでもカタルシスのある構築してるて認識でいいんかな。
本当にひやひや、
一手遅れて中国が暴発してるしギリギリのタイミングじゃない?
海鈴のマッシブさ執行力は頼もしいし

睦ちゃんにはまだ隠しギミックがあったし、
ここから「許容できる後だし設定」を全展開するって感じ。

ムジカは怒涛のイカサマ劇になりそう。
というかこのアニメの見方を間違ってた。

ムジカは型月ワールドのバトル物に近い👊🌙
想像力の高い設定なのでそもそも粗とか以前に準魔法世界だったわ
Mygoとは根本的に既定世界観が違う。別種の生き物。
モーティス睦の存在のおかげで既になんでもありの状況が出来上がったし
真の主役がやっと表舞台に出現した
本物のAve mujicaワールドを見せてくれると期待。

投稿 : 2025/02/22
♥ : 1
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