古典文学で幻想的なおすすめアニメランキング 2

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの古典文学で幻想的な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年03月27日の時点で一番の古典文学で幻想的なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

76.5 1 古典文学で幻想的なアニメランキング1位
巌窟王 -がんくつおう(TVアニメ動画)

2004年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (605)
3368人が棚に入れました
パリの青年貴族・アルベールは退屈な日常に飽き、刺激を求めて、親友のフランツとともに、カーニバルで賑う月面都市・ルナを訪れていた。
そのころ、ルナの社交界では東方宇宙からやって来た謎の紳士、モンテ・クリスト伯爵の話題でもちきりだった。オペラ座でモンテ・クリスト伯爵の姿を見たアルベールはその存在感に圧倒され、成金とも怪人とも呼ばれるその紳士に興味を引かれる。やがて、モンテ・クリスト伯爵との交流を深めていったアルベールは、伯爵の妖しい魅力の虜となっていく…。

U-tantan-U さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

もっと評価されるべき!GONZOのすごさがまざまざと出た作品。

GONZO作品の映像は定評があるところですが、カレイドスター、LAST EXILE等見るとそれが分かると思います。この巌窟王はその中でも頭ひとつ抜きん出て素晴らしいです。風景、人、細部まで復讐の愛と憎しみの物語という特殊なテーマを扱った本作の雰囲気を最大限に表現できていたと思います。



そして、ストーリーの深さがハンパじゃないです!復讐、友情、裏切り、愛情、復讐、憎悪....人間の正と負の思念がこれでもかと表現されていて考えさせられる部分が非常に多い。そしてそれが独り歩きせずまとめられ、しっかりと引き込んでくれる。


本作については感じ方、考察等色々あるのだが、濃すぎて文章で表現するのが非常に、難しいです^^;とにかくすごいボリュームです。全24話なのですが、見終わった後にぎっしりと詰め込まれたないようにある種の充足感を得られること間違いなしです^^少しSF描写のところで「?」なところが出てくるかもしれませんが、解説等で補完してみると、「おぉ!」と唸ります。これだけのボリュームの割りに起承転結がしっかりしているのですごい満足の作品でした。


作中でBL要素がちょろっと登場します。BLはメインではないので、BL系が好きな方にはぬるいかもしれないです。ただ私はBLがやっぱりダメなのでそこだけは見てられなかった^^;物語上ある程度必要なものなので、しょうがないですが...目は伏せてましたwもちろんその他がいいので、この作品の評価が下がるほどのものではありません。


とにかく解説が難しいアニメ^^;作品概要やこのレビューを見て少しでも興味をお持ちいただけたら、とにかく入ってみてください!いろんな意味で唸ると思います^^

投稿 : 2025/03/22
♥ : 24

ソーカー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

GONZOの最高傑作、恐るべき復讐劇

パリの青年貴族のアルベールとその親友フランツは刺激を求めて、月面都市ルナにいく
そこで出会った謎めいたモンテクリスト伯にアルベールは心酔していくのだが・・・
モンテクリスト伯の目的とは何なのか?そして巌窟王とは・・・?
アレクサンドル・デュマ・ペールの小説『モンテ・クリスト伯』を原作とするアニメ作品。

その色彩に富んだ鮮やかな作画は、とても幻想的で素晴らしい。
テクスチャを使ったその手法も独特で、この作品の大きな魅力と言えるんじゃないでしょうか。
悪く言えば、目がちかちかするほどの派手さなので、嫌いな人は結構いると思われます。
ただ非常に作風ともマッチしてるので、個人的にはもの凄く好きです。
そして作中の音楽も秀逸で、OPも素晴らしいです。

ストーリーはというと、モンテクリスト伯の復讐劇を描いたミステリーを大筋に
友情や愛、そして裏切りなど様々な人間ドラマが展開されていきます。
序盤こそはかなりスローテンポなのですが、
中盤から終盤にかけての展開が秀逸で、世界観に徐々に引き込んでいくミステリアスな作風。
ストーリー自体は割と単純で分かりやすいです。

恋愛や友情をベースにしたドラマには、「女性向き」っぽいところがあります。
未来世界を舞台にしているので、微妙にSF設定が入ってくるのですが、SFではないですね。
そのSF設定は、独特な幻想美を活かすための道具にすぎないです。

そして、強烈な個性を放つモンテクリスト伯がこの作品の最大の魅力
彼の不気味さは「MONSTER」のヨハンを連想させます
まぁ性格・人物像や動機もろもろ違う部分の方が多いですが
品格があり理知的でカリスマ性を備えていて、
なにより底知れぬ「憎悪」を秘めている点が非常によく似ている
しかしヨハンはその憎悪自体がかなり人間離れしていますが
モンテクリスト伯にはどこか人間的なものを感じてしまう・・・

ちょっと演出がオーバーなことと、キャラのリアクションや行動に疑問符がつくことがあるのですが
(特に主人公のアルベールのアホさに心底うんざりさせられるw)
それは、マイナス要因としてみるべきか否か・・・微妙なところです
この作品は古典小説を元に作られているので「演劇」としてみるべき作品だと思いますので。

そういった意味でも極めて癖のある作風なので、
それらを受け容れられる人なら十分楽しめるんじゃないでしょうか。

投稿 : 2025/03/22
♥ : 30
ネタバレ

Etzali さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

人は愛するが故に笑い、泣き、そして憎む…。それでも僕は…

(2012/9/9:1週目)
ネタバレレビューを読む

(追記:2012/11/30 2週目)
25年前、無実の罪を期せられた伯爵が25年後に復讐相手の家族を巻き込みながら復讐を成し遂げる物語です。

内容は復讐劇だけあって、かなり濃いですが主役は伯爵ではなく、アルベール子爵です。

伯爵の復讐ですが、ネタバレレビューを読むからもわかるように憎しみを強く抱いています。

ですが、ネタバレレビューを読むので、憎しみだけでなく友人に手を掛ける事に対する悲しみもあったのでしょう。

そんな伯爵の最大の復讐相手であるアルベール子爵に送った言葉がネタバレレビューを読むでした。
なぜ、この言葉を送ったのか?ネタバレレビューを読むから思うのは、かつての伯爵はアルベールのような真っ直ぐな性格だった事が窺がえます。

復讐事態は伯爵メインで進みますが、もう一つの復讐(伯爵の大きな復讐の過程として利用された)で観られるカヴァルカンティ候(CV:関智一)の演技力にも目を向けてみて下さい。

伯爵の復讐は絶望、憎しみ、畏怖の念に満ちていたかもしれない。それでもアルベールはネタバレレビューを読むと伯爵のネタバレレビューを読むに言った。

伯爵の真っ直ぐな愛が何時しか憎しみに変わり、復讐という形で幕を閉じたとしても、それでも僕は傷つく事を恐れずに、かつての伯爵のように真っ直ぐに人を愛する…



以下、楽曲の和訳
(検索したら見つかったので勝手ながら拝借しましたm(__)m)
・OP

ネタバレレビューを読む

・ED

ネタバレレビューを読む

投稿 : 2025/03/22
♥ : 31

77.7 2 古典文学で幻想的なアニメランキング2位
平家物語(TVアニメ動画)

2022年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (356)
1113人が棚に入れました
《祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり 娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす》
平安末期。平家一門は、権力・武力・財力あらゆる面で栄華を極めようとしていた。
亡者が見える目を持つ男・平重盛は、未来(さき)が見える目を持つ琵琶法師の少女・びわに出会い、「お前たちはじき滅びる」と予言される。
貴族社会から武家社会へ―― 日本が歴史的転換を果たす、激動の15年が幕を開ける。
ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

平家幻想記

この極めて特異な創作物を受容する際に、私たちはごく自然に
二つある出発点のいずれかを選んでいるはずだ。
原典たる『平家物語』か、あるいは京アニの至宝、山田尚子監督か。
別の言い方をすれば、テキストと演出、そのどちらに軸足を置くか。

アニメ作品として鑑賞する場合は、後者の方が正しいのだろう。
山田監督のリリカルで繊細な演出による再現を味わい、さらに踏み込んで、
物語が最後に到達する、"祈りを込めて語り継ぐ"という究極の境地に
監督自らが体験した悲劇を重ねあわせる深い理解のかたちを
他の方のレビューによって教えて頂いた。

おそらく監督は、この一大古典をめぐる目の眩むような経験の堆積を
まずは括弧に入れ、まっさらな気持ちでテキストに向かったことだろう。
だから今、テキスト派の急先鋒である自分もまた、敢えてこの名前を括弧に括り、
純粋にドラマツルギーの観点から、この創造の真価を問うていきたいと思う。


Ⅰ 序・物語の亡霊
ネタバレレビューを読む

Ⅱ 夏椿と揚羽蝶―びわ
ネタバレレビューを読む

Ⅲ 落日の母性―徳子
ネタバレレビューを読む

Ⅳ 物語の定位―びわと徳子
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Ⅴ ドラマツルギー覚書
ネタバレレビューを読む


主観的なイメージを虚しく追い求め、結果的に座礁したこれらの雑文は
削除して然るべきものだが、考えようによっては一種の思考実験とも言えそうだ。
身贔屓のようでも、当面はこのままにしておきたいと思う。

タイトルの「幻想」の含意も変化している。以前は単に、
誘発された想念を好き勝手に書きつける、といった程度の意味合いだったが、
今は少し違う。これらの記述は、あるいは別の世界線に存在したかも知れない(笑)、
もう一つの「平家物語」をめぐる、ささやかな幻想の記録なのである。


(2022.2.3、初投稿。6.20、修正完了。)

投稿 : 2025/03/22
♥ : 29

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

京アニとは全然違う美しき絵巻物。ニコニコで見るとより楽しめた。

 確かパクさんこと高畑さんも映像化を考えていた「平家物語」を京アニの至宝「山田尚子監督」が外部のサイエンスサルに出てて制作というだけで興味深かったが、実に美しく見易いものになっている。


 声優陣が豪華なのは当然として、オリジナルキャラである悠木碧ネキ演じる未来視ができる琵琶に置くことで、悲劇の結末に向かう物語という視聴者の視点を作品内に持ち込むことに成功している。なにより今や声優当代一といっても言い悠木ネキの演技が流石の領域。


 平家は悪役にされがちだが、少なくてもそれは上の一部の男どものせいであって、少なくても女性や子どもたちには罪はなく、彼らは彼らなりの幸せをただ送っていただけだった…。その切なさが物語の推進力にちゃんとなっている。opでみんなが笑い、踊り、楽しんでいるのが余計にその想いを増す。



 そして、本作の一番のポイントだと思うのはビジュアルの美しさである。京アニやユーフォ的な書き込まれた端正な絵柄とは正反対のシンプル過ぎるほどにシンプルな絵柄、それでいながらその少ない線だけで可愛さも複雑な表情も表現できる作画力、そして題材にあった背景力、全てが合わさって他とは全然違う美に到達している。なにより引き算の演出と、線の軽やかさが見事。



 まだ全話見てないので途中レビューですが、少し見ただけで必見の作品として確定の出来栄えですなコレは!。



(追記)


 全話視聴。後半の「平家物語」のメインともいえる平家の都落ちからの滅亡というクライマックスが少々はしょり過ぎな感じと、主役の琵琶がそこから外れてしまったのが少々勿体ないが見事な良作でした。やはり1クールでは厳しかったかな。どうせならnhk枠でやって欲しかった。


 早見さんの演じる透き通るような美しい女性ってタイプは色々見てきたが、本作の徳子は思わぬ凄いハマり役だった。この物語は、男性は欲に囚われて現世の状況によって右往左往し「思い通りの人生」になんとかしようと必死に足掻いているが、女性はそういうった修羅界から外れて切なる祈りと赦しの世界へと解脱する存在として対になっているように思える。


 女性キャラの代表である琵琶は、結末を知っていても何もできない少女だが、自分が共にあった人々のことを語り継ぐということで祈りとなす。もう一人の代表である徳子は母という大いなる赦しの象徴になって、単なる綺麗な女性キャラを超えた大きさに到達している。「思い通り」にならない人生を恨むのではなく、そのことを赦した人だけが得られる道がある。

投稿 : 2025/03/22
♥ : 40
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

平家と女性。花は枯れるが種を残す。諸行無常はまた新たな命につながる。

2回目を視聴しました。というか1話、2話、9話をじっくり見直しました。

 平家という集団の末端ではカブロが恐怖政治を担っていました。その犠牲者としてビワの父は死にました。が、平家の内部には個々の人間がそれぞれの生活をし、そこに喜怒哀楽もあれば家族もいました。

 OPの歌詞です。花は種から咲いて枯れて種を落とす。つまり人間はその時代を生きて子孫を残す。その営みにすぎません。
 白拍子とか女の部分ですね。祇王、仏御前、巴御前、ビワの母、そして静御前を描いていました。まさに平安の花ですよね。子孫を次代につなぐのは女の役割です。徳子も同じです。

 ただ、この中で次代に子供を残せたのはビワの母だけ、ですかね。ビワがどうなったのかはわかりませんが、子孫を残せなかった女たちを描いたところに意味があるのかないのか。静御前と徳子も子供は作りましたけど…

 また、平家の栄華は華ですね。これもまた枯れてしまいましたが、源氏へと時代が移り変わりましたが、確かにそこにはいた、ということでしょう。最終回が決まっていても…というのは、すべてに終わりがあるという意味なのか、あるいはメタ的に今リメイクする意味なんでしょうか。

 平家と女の華を重ねて、確かに次を産み出した。だけどいつかは枯れる。その無常だけでなく、歴史の中の役割を言いたかったのでしょうか。そして、女の役割は子供を作ることもありますが、子をなさなくても時代を作る役割もあるんだということでしょうか。

 ビワの名前、浅葱とは目の色の事だったんでしょうか。父が名前で呼ばない、つまり目の力を認めないということですね。

 ビワと言う存在はやはり平家の過去と未来、つまり重盛と徳子という平家物語の中心だった人物を象徴し、確かにそこに平家があって、平家の中にもいろんな人がいた。善悪だけではない人間の営みがあったと、未来に伝える役割だったんでしょう。
 義経、義仲をクローズアップしたのは、平家を倒した彼らもまた倒されます。

 今この時代に諸行無常…平家物語に触れる機会があったことが良かったと思います。諸行無常の言葉通り永遠はありませんが、人は営み時代がそこにあり、そして、いずれも次の担い手がいます。

 ポピュリズム=個人の権利や損得しか興味が無くなった時代に「次」を考えられたと思います。ちょっと「海賊王女」を見たくなりました。あれも女と時代をテーマにしていたとしか思えないのですがじっくり見ていないので。





1話  重盛か宗盛か…ヒューマンドラマか合戦か。楽しみです。

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2話 うーん、このキャラデザが話を分からなくしている?

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3話 女性…に注目でしょうか。2話と別モノかと思うくらい凄い回でした。

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4話 時間の経過が早いけど、少数の主要人物が理解できると面白い。

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6話 ちょっと言いたい事が分からなくなってきました。

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8話 琵琶は何のためにいるのでしょうか?

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9話 なるほど祈りをびわに重ねましたか…

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11話 徳子はなぜ生き残ったか…ビワはそういう役割でしたね。

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投稿 : 2025/03/22
♥ : 41
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