2023年度の双子おすすめアニメランキング 3

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの2023年度の双子成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月22日の時点で一番の2023年度の双子おすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

85.0 1 2023年度の双子アニメランキング1位
【推しの子】(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (740)
2162人が棚に入れました
「この芸能界(せかい)において嘘は武器だ」 地方都市で働く産婦人科医・ゴロー。 ある日"推し"のアイドル「B小町」のアイが彼の前に現れた。 彼女はある禁断の秘密を抱えており…。 そんな二人の"最悪"の出会いから、運命が動き出していく―。

声優・キャラクター
アイ:高橋李依
アクア:大塚剛央
ルビー:伊駒ゆりえ
ゴロー:伊東健人
さりな:高柳知葉
アクア(幼少期):内山夕実
有馬かな:潘めぐみ
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

アンチアイドルものとして秀逸かも。ただ星野アイが強烈すぎた。

 1回目視聴時は、作品の見方を間違えて脱落しました。時間をおいて冷静になって本作を見てちょっと思った事と何で見方を間違えたのか、です。

 本作の位置付けなんですけどちょっと「まどかマギカ」を思い出しました。つまり同作が魔法少女モノに対するアンチテーゼだったように「推しの子」は「アイドルもの」あるいは「アイドル」というジャンルに対するアンチテーゼなのかな?と。
 その点で出来は良いのですが、まどマギほどのインパクトは残せませんでした。それはやはり星野アイのせいかな、と思います。

 本作のある意味での不幸は1話があまりに強烈でした。星野アイが魅力的、挑戦的、挑発的すぎて、私には星野アイそのものがテーマに見えてしまいました。星野アイについて全編通じてじっくりと描かれて行く話かな、と思ったわけです。その視点で見ると、1話は名作ですが、その後どんどん本題からズレて行っているように見えます。

 まどマギの3話と同じ役割ですが、しかし本作の1話はクオリティが高すぎた気がします。しかも一挙放送ですからインパクトが半端じゃないです。私は8巻くらいまで既読ですが原作もしょっぱなの星野アイパートはあまりに強烈です。絵もいいんですよね。

 ただ、今回冷静にその続きを見ると、アイドルを中心とした芸能界について丁寧に取材し「裏側」つまりは「虚構」「嘘」を描いています。ネットアイドル、実写化、子役、恋愛リアリティショー、アイドルの給料、ダイコン役者…等々要素を1つ1つ描いています。リアリティがありすぎるのか炎上したり、説教臭いと言われましたが、しかし、それだけよく取材しているという事でもあります。

 もちろん嘘がテーマであることは明示されていますので、ちゃんと読めている人には今更何言ってるの?でしょうが、星野アイの生きてきた痕跡を見る物語と思ってしまうのは無理からぬことだと思います。

 アクアとルビーが転生者でアイの何か(嘘と愛?あるいは嘘と魅力?)を引き継いでいる…かの様にみえる目の星も、芸能界あるある、芸能界の裏側という作品のテーマに注目するのには阻害要因になっています。

 そうやって見ると、芸能界のダークサイド、嘘と虚構を丁寧に見せて行く、つまり「偶像としてのアイドル」とか「アイドル物」の解体なのかな、と。そのためにアイの妊娠が必要だったのではないか?と思います。

 ただ、アイの妊娠の相手についてはサスペンスとして残っているのが上手いところで、それがストーリーの中心になりつつ展開しているのでアイについての物語も当然語られるでしょうし、そこは楽しみです。

 OPの「アイドル」の歌詞や小説「45510」を読めば、本作がアイドル=嘘を中心に語っているのが分かります。ただ、どこかで子供たちに残した言葉以外の愛が語られる気もします。
 それは廻りまわって、アイドルへ愛とアイドル肯定の物語になる可能性は感じます…が、現時点ではよくわかりません。今のところ裏側、虚像、アンチになっています。

 そして気になるのはタイトルの魚尾ですね。原稿用紙の真ん中の【 】っぽい記号です。何が言いたいんでしょう?夢オチ?それとも本作そのものが映画の中?とにかく虚構・フィクションの予感はあります。


 評価は4.0にしてましたが、4.2に変更です。ストーリーを3.5から4にあげます。途中で終わっているので完全な評価が出来ないのでちょっと減点があります。
 キャラは…まあ5しかないかなあと思いつつ、やっぱり星野アイが強烈すぎて、作品のバランスを崩したと言う点で4.5のままにしておきます。
 作画はやっぱり背景美術は気に入らないのですが、人物はいいです。3.5を4にします。
 音楽の5はやっぱりOPなんですけど、本作のOPってOPアニメの魅力が支えるところが大きいんですよね。音楽だけならそこまでバズったかわからない気がします。ただ、映像時代の音楽としてアニソンがなぜ売れるか?と言うとやはり映像そして「キャラ」「物語」とセットだから、というのはあると思います。




以下 1回目視聴時のレビューです。

テーマ・ストーリー・設定の構造を取り違えていたかも…

{netabare} 途中で断念しましたが、2期が来るということで結末だけは気になるので多分見ることになると思います。2期発表と同時に一応1期全話確認しました。

 本作については、原作を読んだ時点では、以下のような話だと思っていました。

 ストーリーは、星野アイというスーパーアイドルの殺された原因である恋愛あるいは性交の相手、その情報を犯人に漏らした相手を見つけ出す。
 テーマは「嘘と愛」であり、星野アイがどういう生き方をしてきたか、アクアが芸能界の追体験をすることで理解する。
 話の舞台・話を進めるためのエピソードとして、芸能界の虚構性つまり嘘の部分と、恋愛の部分つまり愛の部分を描く。
 こういう構造かと思っていました。


 ですが、改めて原作ではなくアニメを見て、ひょっとしたらですが見方を間違っていた?と思いました。

 ストーリーは、アクアがアイが生きていた芸能界に染まりつつ嘘と恋愛を知って行く。
 テーマは、各エピソードで芸能界の虚構と現実の部分を赤裸々に描く。
 舞台・設定は、星野アイというスーパーアイドルが殺された世界に転生した熱狂的なファンが星野アイ殺しの裏の事情を探って行く。

 つまり、私は星野アイの20年…あるいはプロファイリングによれば15歳の時に何があったかを追う。星野アイというアイドルの象徴的存在をアクアが知って行く。つまり、星野アイにとっての愛と嘘=アイドルとは何かを描いて行くのがメインの話かと思っていました。
 が、実際にこの作品が描きたいのは芸能界や各種クリエーターの虚構とか裏事情を特に作者は描きたいのかなあと思いました。

 
 当初、これだけ色んな形で子役、実写化、アイドル、ユーチューバー、恋愛ショーという形で、様々な見せ方をされている意味がわかりませんでした。ですので、話が引き延ばされて冗長だなあと感じました。 
 本作原作が段々つまらなくなってゆく…と私が思う原因が、一つは恋愛リアリテショーで星野アイの秘密に何も絡まないじゃん、と思った事が一つ。
 そして2期の冒頭からあるであろう、東京ブレイド多分「刀ラブ」の舞台が本当に演技の話ばっかりになるからです。このパートで私の心は原作から離れました。

 ですが、逆にこういう芸能界・SNS等の様々な形を丁寧に切り取られて見せられると「あれ?こっちがテーマで星野アイが舞台だった?」と思ったわけです。あまりに主義主張が激しいですよね。
 となった時に、私はあくまで物語の謎、星野アイというキャラクターに興味があるのであって、芸能界の裏側には興味はあまりありません。

 そして1話がちょっと色褪せます。あの話はほぼ「パーフェクトブルー」の焼き直しですが、換骨奪胎して一人のスーパーアイドルの人生を追う冒頭としてはものすごい物語だなあと感心していました。が、本当にこの調子で最後までいくならかなりがっかりです。


 で、まあ、それとは別に謎についての仕掛けですが、気になっているところです。

 星野アイが転生している可能性ってないんですかね?あるいは星野アイの相手が転生してないか。
 医者が死ぬ前に、アイは妊娠していたのに転生した矛盾って何かあるんでしょうか?タイムリープとかはないのか?
 星野アイを殺した犯人と医者を殺した犯人って本当に同一人物なの?そこに仕掛けはないの?
 瞳の星の意味は何かありそうですよね。アカネの瞳に宿った以上遺伝だけではなさそうです。

 それとタイトルの「推しの子」の手偏が切れて土偏みたいになっている理由。子のデザインももちろんです。「の」が瞳になっているのは分かります。強調のカッコである【】の意味は?そうではなくて【】の前後に線が入っていますので、カッコではなく原稿用紙の真ん中、魚尾(ぎょび)つまり創作物ということ?推しの子という存在自体が創作だと言うメタ的な仕掛け?


 本作OPは良いですよね。水星の魔女の1期といい内容を織り込んでいるのに好感がもてます。
 そして、アニメの作画は星野アイを初め、アイドル的な場面の作画は大したものだと思います。が、やっぱり背景美術とか、舞台以外の作画は止め画がかなり多いし、線の感じなども私はあまり好みではではありませんでした。

「断念」から「見終わった」になりますが、ストーリー・テーマは思っていたよりも深くないかも、などと思ってしまいました。改めて家に積んである8巻まで読んで、考えてみます。{/netabare}


 

以下 3話断念時のレビュー

{netabare}  断念です。原作8巻くらいまで読んでいるので、そことの違いがないのと、アニメならではの展開がないのを確認しました。OPもPVが公開されてます。

 断念の判断の理由なんですけど、1つ目がアイドル星野アイとはどういう人間だったか、というアウトラインを後からアクアが知って行くという話が大筋になるのかと思いますが、そこが弱いんですよね。つまり1話がピークでそこから2、3話とダダ下がりです。
 もちろん原作を知っているというのもあるんですけど、原作視点でも同じ感想です。結果的にアイドル恋愛もの…になってしまった気がします。(ひょっとしたらアクアが芸能界で生きて行く、恋愛をする(してみる)というアイの追体験を通じて何かを知る、感じるというのはあるかもしれませんけど)

 また、45510という小説が後付けで発表になったのは、つまりストーリーでそこを丁寧に追わないということでしょう。それは作品としては大きなマイナスポイントです。そここそが作品で一番見たい部分です。これをアクアが犯人を追う過程で知るべきでしょう。正直この小説が出たからアニメも漫画も断念する気になりました。

 2つ目が、原作のキャラデザというか絵の雰囲気が中途半端に再現されているアニメとしては見づらいです。しかも、その人物が完全に浮いてしまうような適当な背景美術をなんとかしてください。いくらなんでも適当すぎでしょう。アニメとして画面に魅力が無さすぎます。これも1話のアイが動くシーン以外はですけど。
「その着せ替え人形は恋をする」でもちょっと感じた感覚です。いわゆる狭義の作画はそんなに悪くない感じなんですけど、絵作りです。

 3つめがこのペースだと原作を追い越して結末まで描く気がないだろうと判断したからです。

 ということで、原作がもともとアイデアはものすごく良かったし1巻(アニメ1話)は最高に良かったのに、その後がついて行けていなかったのが最大の失敗でしょう。
 人気作なのでレビューもいっぱい出てくると思いますので、そちらを後で確認します。それと連載で結末が出たころに一気読みするかもしれません。あるいはアニメが原作に先だって、最後まで描き切るなら見直します。

 なお、OPフルコーラスの歌詞に「マリア」という単語が出てきました。マリアが妊娠するのは世界で一番有名な理由ですよね?ですので、そういう結末な気もします。むろんアイドル=偶像でイコンとしてのマリアかもしれませんが。
 あるいは歌詞から言って愛を知るためだけのお試しだったという気もします。興味が残るのはそれくらいですが、2話以降でそこが中心にならなかったのが残念です。

 評価は1話があるので比較的高いですが、アニメになるとトータルの作品で見たときいろんな部分がアンバランスで、見ていて気持ちが悪くなる作品でした。

 なお、原作未読の方は、そうはいっても途中までは普通に面白いのでアニメで見る意味はあると思います。{/netabare}




以下 1話のレビュー

1話 面白いのは知ってますが、長期連載の弊害もある作品かなあと。

{netabare}  最近ではめずらしく本屋で1巻の表紙でジャケ買い大人買いした作品です。本当に魅力的な表紙です。ですので、中身は当然知っています。

 感想は言い辛いです。現段階では原作でアニメの1話部分をもうちょっとじっくり見せて欲しかったということですね。つまりアイの深掘りですね。テーマ的にもドラマ的にもです。まあ、本当はこんな長期連載の予定ではなかったのだと思います。

 そして人気が出たことがちょっと悪い方に作用した作品かなあという気がしなくはありません。アニメ1話部分は本当に面白くて引き込まれました。人気は当然ですけど、こういう作品は終わりを決めて、7巻とかくらいで終わらせてほしかったなあ。そのほうが密度が濃くて結果的に名作になると思います。まあ、書評ではないので、これくらいにしますけど。

 それにしても、最近作画水準が高いアニメが多いせいか、こう止め画が多いとちょっと画面的に退屈ですね。1話くらいもっと動かしても良かった気がします。舞台のシーンは頑張ってましたけどね。

 横槍メンゴさんのカラー絵は本当に魅力的なので、そこの水準は無理にしても、もうちょっとなんとかしてほしいかなあ。

 感想として何が言いたいかというと、結末を原作者とアニメ制作陣で共有しているなら、ストーリーを圧縮して結末まで描いてほしいなあ、ということです。{/netabare}



追記1話は「パーフェクトブルー」に匹敵する素晴らしい出来でした。

{netabare} 追記 1話の出来の良さについて描くのを忘れていました。1話目は施設育ちで愛を知らない「アイ」が、愛していると嘘をついている。だから、自分の最愛の子供たちに愛していると言えなかった。そしてアイが愛していると言えるのは、どうなった時?という話です。

 現状でも相当素晴らしいのですが、正直言ってこの1話だけをブラッシュアップすれば今敏監督の「パーフェクトブルー」と比肩しうる作品になれたかなあと。特にアイというキャラの深掘りがあればなあという気がします。テーマ性は良いし、舞台設定、謎とストーリー展開もエンタメとして本当によくできていました。

 ファンタジー部分については、アイドルのピークで事件が起きないといけないこと、そして、赤ちゃんとしてアイが接しているうちに事件が起きないと、それを理解する自我が赤ちゃん側にないといけないので、こういう形のドラマを作れなかったと思いますので、必然性をちゃんと感じました。

 という感じで私の印象では1話がピークではありますが、そうはいってもその愛を知らないアイが誰の子供を作ったのか?という最大の謎がありますのでその点は目が離せません。

 で、1話目のEDで流れたYOASOBIの曲ですけど、この1話のテーマそのものを歌っていました。フルバージョンのPB付きがアップされていますが、この曲だけでも作品の1話を奇麗に1つのドラマとして歌いきっており、大変すばらしい曲になっています。
 これを1話だけの使用で2話以降曲を変えられたら、素晴らしい演出力だと思いますが、どうでしょうか?

 それと作画は再視聴すると思っていたよりもマシでした。ただ、アイが出ているパートとそれ以外の出来に差がありすぎる気もしました。{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 36

かとー さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.5

一部信者による過大評価の作品だと思います。

アニメは3話まで見ました。YOASOBIのテーマ曲はやっぱり凄いと思う。ただ、個人的にあまりにも過大評価すぎる作品だと思います。漫画は右肩下がりだと思うし、途中で一切見なくなりました。絵の担当の方は18禁作品をメインに描いてたはずだし、かぐや様の作者もありきたりなストーリーを提供してるだけ。底は見えてる作品だと思います。一部の熱狂的なファンがひたすらこの作品の評価を上げてる印象があります。他に面白くて良いアニメたくさんありますよ!
2期も当然見ません。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 8
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

最初からメディアミックス化を意識していたかのような計算された構成

【レビューNo.122】(初回登録:2024/5/5)
コミック原作で2023年作品。全11話。(初回は90分)
元々YOUTUBEで原作が紹介されていて、原作買うか迷ったんだよな。
(結局マイナー感溢れる「早乙女選手、ひたかくす」にしたんだけどw)
まあいうてる間に、順当にアニメ化されたなっと。
・交流あるフリークスさんのレビューに刺激を受けた
・ちょうどABEMAで一気見放送してて復習できた
を受けて、リアタイ時に残念したレビューを書いてみようかと。

(ストーリー)
田舎の産婦人科医ゴローは、自分に懐いていた患者・少女さりなの影響により
アイドルオタクになっていた。そんな彼の元に、活動休止中の彼の推しアイド
ル・星野アイが双子を妊娠した状態で現れたことで物語が動き出す。

(評 価)
・「星野アイ」と「物語の起点」をしっかり印象づけた初回拡大放送
 {netabare}主人公は高校生になった星野アイの息子・星野愛久愛海(アクア)なのです
 が、物語を進めていく上で
 ・彼にとっての「スーパーアイドル・星野アイ」という存在の位置付け
  (そして双子の妹・瑠美衣(ルビー)にとっても)
 ・彼が芸能界に関わる強い動機付け
 をしっかり印象づける必要がある訳ですが、これを出し惜しみせず初回拡大
 放送で一気にみせ、視聴者のハートを鷲掴みにするという・・・
 これはホント上手い戦略でしたね。
 本作の構成的にも、初回分は完全にプロローグ的な位置付けですからね。
 キリがいいプロローグを一気に片付けて、2話以降から本編を展開していく
 というやり方は、理にかなっているなという印象ですね。
 まあこれも「覇権アニメ候補」という金看板があるから打てる強気な戦略な
 んでしょうが、それが功を奏したように思います。{/netabare} 

・芸能界の表と裏を描写した秀逸なストーリー展開
 {netabare}(アイドルアニメとか基本観ないので、詳しいことは知らないのですが)
 アイドルやマネージャーなど一部の関係者にスポットを当てた作品は数あれ
 ど、こういう大局的な視点から芸能界の表と裏を描いた作品って今まであっ
 たんですかね?!
 ・まず掴みのアイで
  「この芸能界において嘘は武器だ」
  という新しい切り口を提示
 ・次にアクアを
  ・他のアイドル志望者のように芸能界に憧れを抱いておらず
  ・復讐劇のために芸能界に関わっている
  という1歩引いたキャラ付けをした上で、彼の目線を中心に
 ・ルビーで
  ・アイドルに強い憧れをもち、芸能界はキラキラした世界
  という従来のアイドルアニメ要素も残しつつ
  (この2人が二律背反的に描かれているのがホント上手い!)
  また定番的なタレント達の人間ドラマを描きながらも
 ・ここに監督やプロデューサー、ADなど制作陣側の視点なども加えていく
  (これを善や悪というバイアスをかけることなく、それぞれの立場からの
   道理として客観的に描いているのもナイス!) 
 ・更に「ネット炎上」という社会問題をぶっ込み、一般人まで巻き込む
 多角的に芸能界を描いているストーリー展開がホント秀逸です。
 これを(2クールと引っ張らず)11話の1クール作品として濃密に描き、最後
 はアニメ演出が最も映える「アイドルライブ」~「2期のプロローグの引き」
 で完璧に締めるという・・・{/netabare}

・キャラをポイ捨てせず有効活用も上手い
 {netabare}新展開を創るために
 ・新キャラを出してポイ捨て→で、また新展開のために新キャラ登場
 という作品も多いですが、本作はキャラをポイ捨てせずしっかり有効活用
 しているのがニクイですね、
 ・その象徴的なキャラが”有馬かな”ですが
  ・子役として典型的な「天狗になったキャラ」として描かれるも
  ・高校生になり、今度は「挫折を知った『元天才子役』」として再登場
  ・更にまさかのルビーのアイドルユニットに参加
   以降芸能界のよき先輩やアクアのヒロイン候補としてレギュラー入り
 ・また「恋愛リアリティショー編」で共演した2人も
  ・MEMちょ →実は昔アイドル志望で、ルビーのアイドルユニットに参加
  ・黒川あかね →2期の「2.5次元舞台編」で再びアクアと共演決定
          (しかも有馬かなとは子役時代からの因縁つきw)
  いや~、早速使い倒してますねえw
 それに監督やプロデューサーなども長い付き合いになりそうで
 「狭い芸能界=人脈(人の縁)がモノを言う世界」
 というのを体現している部分もあるように感じましたね。
 「使えるキャラをしっかり育てて次に繋いでいく」
 そういうことがきちんと出来ている作品かなっと。{/netabare}
 
芸能界の表と裏を多角的に描く、「新しい芸能界エンタメショー」を展開しつ
つも、アイドル要素はガッツリやり、ライブシーン(劇中歌・振り付け・ファ
ンとの一体感)といったアニメ映え等との親和性やバズりを狙った
「最初からメディアミックス化を意識した計算された構成」
だったのかな、というのは強く感じましたね。
(タレントの人間ドラマなんか実写映えもしそうですし)
もしそうなら、まさに狙い通りなんだろうし。
本作の難点を挙げると、最初に
{netabare}「黒幕を捜して復讐劇」
というミステリーをぶち上げたものの、それがほとんど進まないところですが、
これは長期連載を意識した大人の事情的な部分もありますからねえ。
(これがサクサク進むと連載終っちゃうんでw){/netabare}
さすが「覇権アニメ候補」と前評判が高かっただけのことがある、満足度の高
い作品だったと思います。

OP「アイドル/YOASOBI」
・今更いうまでもなく世界を獲っちゃったし、その功績で「日米首脳会談」に
 も招待されたしねw
ED「メフィスト/女王蜂」
・女王蜂の曲は独自性が強く個人的には苦手なんですが、今回もいい意味でブ
 レていないのかなっと。今回は飛ばさず聴いてましたね(笑)

最後に刺激を下さったフリークスさん、アザ━━━(*゚∀゚*)ゞ━━━ス!!

投稿 : 2024/12/21
♥ : 30

74.3 2 2023年度の双子アニメランキング2位
ウマ娘 プリティーダービー Road to the Top(Webアニメ)

2023年4月16日
★★★★☆ 3.9 (175)
520人が棚に入れました
クラシック三冠レース『皐月賞』『日本ダービー』『菊花賞』一生に一度だけ挑戦できるそのレースで勝つことは、すべてのウマ娘、すべてのトレーナーにとっての夢である。『ナリタトップロード』『アドマイヤベガ』『テイエムオペラオー』三強と呼ばれたウマ娘たちが、絶対に負けられない想いを胸に頂点を目指し競い合う、熱い熱いクラシック戦線。――ウマ娘の新シリーズ配信アニメプロジェクト、いよいよ始動です。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

これでまたナリタトップロードのファンが増えてしまうのか……(いいぞもっとやれ!)

1999年のクラシック戦線を題材にした全4話のOVA作品。
『ウマ娘』YouTubeチャンネル「ぱかチューブ」内で配信済。


【物語 4.5点】
今回『ウマ娘』にとって大きかったのは、題材とする競馬レースに例えばトウカイテイオーの有馬記念クラスの、そのままアニメにしても感動できる伝説級がなくても上々のシナリオが組めたこと。

全4話で描いたナリタトップロード、アドマイヤベガ、テイエムオペラオーの3歳牡馬クラシック路線。
特に上手く脚本してきたなと感心したのがアヤベさん。
{netabare} アドマイヤベガは双子。競馬では双子は互いの能力を奪い合うため、片方は処分される。
アヤベ出生にまつわるエピソードは使って来るとは思ってましたが、
亡き妹への贖罪による闇落ちを、菊花賞の凡走に絡めて行く。
純粋に走りを楽しむトプロと、罪悪感と重圧を背負ったアヤベ。光と闇の対比。
ここまで有効活用してくるとは思いも寄りませんでした。{/netabare}

競馬ファン以外にはあまり知られていないレースでも、丹念にネタを拾い集めて感動作に仕上げる。
安定してこれができるなら、今後、相当マニアックなウマ娘でも行けそうです。


またトプロの現役時代は6歳まで続くわけですが、その一部だけでも作品として成立させられたのも大きいです。

3期キタサンブラックの競争生活も長いので、取捨選択した時どうかな?との懸念もありましたが、
今はどの辺りをピックアップしてくるのか楽しみの方が大きいです。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・CygamesPictures

2期で進化したウマ娘ごとのCGモデルの細分化による個性出し。
加えて本作ではウマ娘の激走に合わせて大胆に崩した腕の主線。
先行ウマ娘を鬼の形相で捕まえに行く顔芸。
など演出、エフェクトの強化によりレースシーンはさらにパワーアップ。

レース中展開するドラマ性の面でも菊花賞にて{netabare} アドマイヤベガが宿命から解放される{/netabare} カットなどは、
星空などをモチーフにした大胆な背景変更。
小宇宙(コスモ)でも燃えているのか?って位コテコテ。
もはや競馬場では何が起きても驚けません。


【キャラ 4.5点】
主人公ウマ娘のナリタトップロード。
この3歳3強世代は馬も熱いが、騎手も熱い。
トプロの渡辺 薫彦騎手、オペラオーの和田 竜二騎手。
両若手騎手がダービー連覇を狙うアヤベ主戦のエース・武 豊騎手に挑んでいく。
所属厩舎のトレーナーもジョッキーを育てるつもりで素質馬の手綱を託す。

走れそうな馬が出てきたら、すぐに外国人ジョッキーに乗せ替える昨今の競馬界ではあまり見られない人情劇。
レース後に号泣するトプロなど、このウマ娘の言動には渡辺騎手のエピソードがかなり反映されています。
トプロも渡辺騎手も生真面目で不器用な委員長タイプなのです。

トプロのトレーナー沖田も渡辺騎手の面倒を見た沖トレーナーに、着用ジャケットまで一致させるレベルで寄せて来ており。
2期までのチームスピカのトレーナーとはまた違った、昔ながらの厩舎の師弟関係を体現。


全ての実在競走馬の権利を網羅できていないという課題を抱える『ウマ娘』
今回は2022年にゲームアプリに実装したアドマイヤベガが登場。

故・近藤 利一氏が築き上げたアドマイヤ軍団の権利初取得は大きな一歩。
この調子で最大派閥の社台グループや、金子真人HD(ディープインパクト、キングカメハメハなど)のウマ娘化実現によるコンテンツ拡大を目指して欲しいです。

一方で残念だったのはラスカルスズカを実名で出せなかったこと。
{netabare} 菊花賞で馬券に絡んだサイレンスズカの半弟なのに、ウイニングライブも描写が飛ばされ、アンコールで3強のステージに取って代わられたのは不遇でした。{/netabare}

あとはトプロの父・サッカーボーイも実名なし。
ただ代わりに登場した?“トプロの父親”は気性難のスピード種牡馬からスタミナ活躍馬が輩出された摩訶不思議を忠実にキャラ表現できていました。
サッカーボーイはオグリキャップを描いたコミック『~シンデレラグレイ』の時代でも活躍する社台系なので是非ウマ娘化して欲しい一頭です。


【声優 4.0点】
テイエムオペラオー役の徳井 青空さん。
常に自分が主役のオペラを演じ続けるかの如く。
ナルシストなノリで「世紀末覇王」を自称。
割りとストイックなトプロとアヤベの間に割って入って空気を変えるボクっ娘を、
「はーっはっはっは!」と明快な高笑いで好表現。

対照的に「はぅぅ~」と自信なさげなロリボイスを響かせるのが、
オペラオーを慕うメイショウドドウ役の和多田 美咲さん。
仮にも後に活躍する{netabare} グランプリホース{/netabare} なんだから同キャストの『ぼざろ』後藤ひとりの妹・ふたり位、ふてぶてしくても良いとは思うのですがw
これはこれで庇護欲をそそられるので良き。


沖田トレーナー役の土田 大さんのしわがれ声。
トプロ役の中村 カンナさんの真っ直ぐな台詞を、優しく包み込む味わい深いボイス。
掛け合いが温かかったです。


【音楽 4.0点】
OP主題歌は3強による「Glorious Moment!」
キーを上げて、ピッチも上げて行く、疾走感溢れる良作。
ウマ娘たちが躍動するOPアニメーションも出色の出来栄え。
5/10(水)リリースのサントラ楽曲集収録のFullver.聴きましたが、
最後まで駆け抜ける構成が素晴らしいですね♪
早速、朝のスタートダッシュ用プレイリストにゲートインしています♪

劇伴は複数作曲家のBGMを使用。
斎木 達彦氏のシンフォニックロック風のレースBGMは末脚爆発って感じでテンション上がります。
一方でEDはOP主題歌のピアノインストで静かに締めくくり、心情もしっかりフォロー。
ま、最終話EDは{netabare} 「うまぴょい伝説」でぶち上がるんですけどね。{/netabare}


【1話感想】長いので折りたたみ
{netabare} アドマイヤベガ、ナリタトップロード、テイエムオペラオー。
3強体制となったクラシック路線。

本作はナリタトップロードを主役に据えて来ました。
トプロの主な戦績{netabare} G1制覇は菊花賞のみ。{/netabare}
決して圧倒的じゃない。
にも関わらずトプロはファンに愛される馬。
足跡をまとめたDVDまでリリースされています。

ライバルのアドマイヤベガは父が米国二冠馬サンデーサイレンス。母の父が凱旋門賞馬トニービン。
生産界の覇者・社台グループ。
アヤベは社台が長年積み重ねて来た血統の総決算。
華奢な馬体にクラシックは獲って当たり前の宿命を。
鞍上にエース武豊騎手を。諸々背負った超良血馬。

もう一強のテイエムオペラオーはセリで1000万円で購買された馬だが、祖父サドラーズウェルズなど重厚な欧州血統を背景に持つ。
後に成り上がり“世紀末覇王”として君臨する名馬。
本格覚醒前のこのクラシックはその序章といった所。

そんな猛者たちに門別の小牧場出身の父内国産馬(※)トプロが、大跳びのズブい脚で、決してトップジョッキーとは言えない渡辺 薫彦騎手の懸命の騎乗に応えて、果敢に挑む姿に、人々は競馬のロマンを感じるのでしょう。
(※当時の生産界はサンデーサイレンスなど依然、外国産種牡馬の優勢が続いており、内国産種牡馬保護のためマル父専用重賞が開催されていた。)


以上を踏まえた本作。初回から期待以上の仕上がりで抜群の手応え。

小回りコーナーで膨らむトプロ。
“あの娘のために”無茶を重ねて走るアヤベ。
オペラオーを慕うまだ条件馬のロリ可愛いメイショウドトウ。

キャラに込められた競馬ネタも豊富でニヤニヤが止まりません。

ただオグリキャップにアドバイスされるオペラオーの元ネタは、私も見た時は分かりませんでした。
{netabare} テイエムオペラオーは出世が急激で、クラシック登録されておらず。
皐月賞には追加登録料払って出走したというエピソードは知っていました。
ですがハードなローテで皐月賞挑戦を決断した裏に、かつてオグリを管理していた瀬戸口 勉調教師の助言があった件は今回元ネタを調べて初めて知りました。{/netabare}
競馬には私が知らない伝説がまだまだたくさんあります。


CygamesPicturesに“乗り替わり”となったアニメーション制作。
コンテンツ成功で羽振りも良いのか、ウマ娘たちのレースシーンの進化には目を瞠(みは)るものがあります。
今回は特に大胆な中割りで疾走感を出す動画が素晴らしいです。

私も、コンテンツのティザーPVにて、棒立ちのウマ娘CGが集団で走るシュールな光景を目撃して、競馬舐めてるのか?と反感を覚えた口。
ですが本話に至っては、春雨の中、激闘を繰り広げるウマ娘たちの姿を見るだけで感動できます。
この作画クオリティで3期以降でキタサンブラック雨中の死闘など是非見てみたいものです。


その上で展開されるウマ娘たちのドラマも上々。

「最も速い馬が勝つ」皐月賞。
「最も運のある馬が勝つ」日本ダービー。
「最も強い馬が勝つ」菊花賞。

牡馬クラシック三冠。競馬界お馴染みの格言も噛み締めながら残り3話見守りたいです。


それにしてもレース解説役にまさかの{netabare} 元中日投手・山本昌氏{/netabare} を起用した件だけは謎ですw{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 29
ネタバレ

Rye さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

無料でこのクオリティ

この作品はウマ娘のYouTubeの公式チャンネルであるぱかちゅーぶにて全4話構成で無料配信かつ、動画間や動画が始まる前の広告がゼロ!のアニメで、無料かつ4話構成で、1期2期のスタッフの方々とほとんど違うので正直どうかなと不安に思っていたのですが、そんな不安を抱いていた自分が馬鹿だったと思い知らされるほど素晴らしい1話でした。
まず、この作品はナリタトップロード、アドマイヤベガ、テイエムオペラオーに焦点が当たっており、皐月賞、日本ダービー、菊花賞のクラシック三冠について描かれています。
1話にて早くも皐月賞について描かれています。

{netabare}
私は、展開を知りたくないためあえて史実を調べずに見ていますが、正直クラシック三冠の一発目の皐月賞は、なんだかんだ言ってトップロードが1位を取るんだろうなと思っていましたが、この1話で1番描かれていなかった?テイエムオペラオーが三冠の1つ目を手にしたことにまず驚きましたし、予想外でした。{/netabare}
あと、4話構成ということで、このウマ娘というコンテンツにはなくてはならない、彼女達のレースに至るまでの努力や、苦悩をどのようにして4話の尺に収めるのか正直そこがとても不安でしたし、努力や苦悩を全部すっ飛ばすとなると、キャラクターへの感情移入もしづらくなるし、一気に作品として薄くなると思い懸念していましたが、そんな不安も感じさせないぐらいしっかり、努力や苦悩であったり、各キャラクターのレースにかける思いが詰め込まれていて、とても上手く構成されていてストーリーとしてもとても良い物になっていると感じました。{netabare}ストーリーでも一泡吹かされたし、{/netabare}作画が本当に無料で放送していいレベルじゃないぐらい良くて何なら2期よりも気合入ってるのでは?と思うほどでした。
具体的に言うと、感情移入するには欠かせない要素である、キャラクター一人一人の心情を表す表情の描き方が本当に心動かされるものになっていたし、表情だけでどんな気持ちを抱いているのか分かる解像度の高い作画は本当に素晴らしいの一言でした。
あと音もとても良いし、OPの楽曲もアニメーションも共に非常にレベルが高いものになっており、本当に無料で見ることに罪悪感を覚えるほどの完成度でしたし、劇場で映画として流しても違和感がないのでは?と思う程の完成度でした。
これから先あと3話分もとっても楽しみだし期待したいと思える1話で滑り出しとしては最高の1話だなと思いました!


【追記】
全話見終わりましたが、作画、音響、構成、シナリオ、演出、キャストの方々の演技全てが圧巻すぎました。
本当に大団円で終われたと思ってます。
{netabare}最後のレースも演出が上手すぎて、菊花賞までアヤべさんがかっさらうのかな?と思ってしまうぐらい、最後までトップロードが勝つ確信が持てなかったです。
本当に演出が上手くて、史実を調べていないが故の楽しみ方と言いますか、本当に誰が勝つか分からないので、尋常じゃないぐらい手に汗握るし、もう何もかもが熱かった!{/netabare}
もう、音響が今期というかおそらくどのアニメ作品と比較しても引け劣らないレベルの音響のこだわりと音響の良さ、あと可愛いもかっこいいも両方凌駕する圧倒的なまでな作画力と、{netabare}ウイニングライブ{/netabare}のアニメーション技術が本当にレベルが高すぎて本当に驚かされましたし、本当に史実に忠実に作られた愛された作品なんだなと心から思いますし、キャラクターたちも皆味があって素敵な子たちばかりです!
もう、正直非の打ち所がないレベルに洗練された素晴らしい作品だったなと本当に心の底から思います!
しかもこれでいて完全無料なのが本当に異次元ですし、もし気になってて見てない方がいらっしゃったら、正直無料公開されてる間に見ないと後悔するレベルの作品だと本気で思っているので、気になっている方は是非これを機にウマ娘というコンテンツに触れてみてもらえると嬉しいですし、初見でも全然楽しめると思います!

投稿 : 2024/12/21
♥ : 7

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

その時、馬は泣いたのか、笑ったのか・・・。

このレビューの土台となっているのは、過去作のウマ娘作品に対する自身のレビューである事を前置きした上で・・・。

「その時」に、リアルの、史実の競走馬は泣いたのか?笑ったのか?


・・・正直判りません。


何故、走ったのか・・・。

走る「生き物」だったからなのか・・・。
走るのが仕事だったのか・・・。
鞭で打たれるのが嫌だったのか・・・。
それとも、楽しかったのか・・・。


やっぱり、わかりません。


その馬たちが走り、結果を残し、史実に名を刻んだ。
その裏で、いろいろなドラマがあり、関係した人たちの思いや、願い、失望、があったことも事実です。

我々も、いろいろな思いを重ねたかもしれません。


でも、お馬さんたちがそんなことを気にしていたかどうか・・・。


わかんないですw。


結局、わかんない事だらけなのですが。

このアニメ作品は、とりあえず、史実などをかみ砕いた上で、それをわかるよように見せてくれます。
何故なら、それぞれのウマ娘が自身の願いを口にし、思いを表し、行動します。
もちろん、これはこの作品をつくった人たちのバイアスがかかっている事でしょう。
それを踏まえた上でも、面白い、何なら、心が震えるまでもある。

もしかしたら、そんなものに乗せられて、心を動かすなんて、ただの勘違いかもしれません。
そんなものに影響される自身はバカなのかもしれません。


おどる阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損損・・・。


心が動き、楽しんだり、悲しんだりできるのなら、乗って楽しめばいい。
一つ心が動くエピソードを詰めるだけ、人生が豊かになるw。

そんな気持ちで、楽しんで観ていました。



何ですかね、競走馬を擬人化して、それも全てが美少女。
このいびつさを指摘されることに「ですよねぇ、わかります」と答える自身もいるのですが、
「でも、いいじゃないすかwそれくらい」と言ってしまう自分もいます。

そちら界隈の人たちから見たら「とんでもない人間」なのかもしれませんが、おかしいと思うのなら、あなたたちが「美男子ばかりのもの」をつくればいいじゃないですか、禁止されていませんし、私も認めますよ、と答えます。
これも、ある意味フラットなモノの見方だと思いますw。


ああ、また余計な事を・・・。


今作は、4話で終わりという事で、コンパクトに作られ、スポットはナリタトップロード、テイエムオペラオー、アドマイヤベガの3人に平等に振り分けられていた気がしています。

トップロードはメインヒロインでしたね。
正統派な役回りで、菊花賞ではしっかりとまとめ役として活躍しましたが、少しあっさり目でしたかね。

アヤベさんはダービーを獲得しましたが、少し重めのキャラクターになっていました。
少し、意外でしたが、出生時のエピソードを知っている方なら、うまく物語にしたという評価もできるかもしれません。
でも、個人的には少し重すぎたように思いました。

で、今作で、一番好きだったキャラは実はオペラオーです。
作中でも「へんなキャラ」扱いをされていました。
実際、私自身がトレーナーとしてwウマ娘をプレイした際にも、これは濃いキャラだなぁ・・・と少し苦手意識を持ったものです。
しかしながら、今作中では、自身の目標を公言し、努力も惜しまず、その上でなお、プレッシャーに苛まれる姿も描かれていました。

その姿を見て、私は「世紀末覇王になるのも大変だ・・・」と当たり前の事に気づいたのです。
そりゃそうだ、言っただけで成れるのなら、こんな楽なことは無い、と。

そして、そんな中でもなお、あのキャラを維持しているオペラオーが一気に好きになりました。



あー、一体、何を書いているのかわからなくなってきました。



とにかく、ウマ娘が世に出て、もう何年もたっています。
いずれ、消えていく事にもなるのでしょうけれど・・・。

1期、2期、BNW、RoTと楽しませていただいています。
今作も、十分楽しませていただき、感謝しています。

願わくば、この勢いが今しばし、続いて欲しいと思っている所なのですがw。

さて、3期については、いつごろから視聴開始しようかw。
全部そろってから、観ようかと思ったりもするのですが、昨今は、某youtubeでの同時視聴なんかも楽しいので、どうしたもんかなと考え中です。

まぁ、お気に入りの配信者さんをとっかえひっかえ、何回か視聴するのも楽しそうかな。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 24

65.6 3 2023年度の双子アニメランキング3位
TRIGUN STAMPEDE[トライガンスタンピード](TVアニメ動画)

2023年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (99)
322人が棚に入れました
砂嵐吹き荒れる大地。 そこは地球よりはるか遠く、5つの月が輝く、灼熱の星・ノーマンズランド。 人類の生き残りは、あらゆる物質をゼロから生み出す生態動力炉“プラント”を頼りに異形の生物蠢く不毛の地で、血肉を削り暮らしていた。 その過酷な世界に一人、 懸賞金600万$$を懸けられた、“関われば必ず災厄に見舞われる” 人間台風(ヒューマノイドタイフーン)と呼ばれるトラブルメーカーがいた。 名を、“ヴァッシュ・ザ・スタンピード”という#### ──。 新人記者のメリル・ストライフは、飲んだくれのベテラン記者・ロベルト・デニーロと共に人間台風という一大スクープを求め、1人の深紅のコートに包まれたガンマンにたどり着くが、出会ったのは「決して人を殺さない」、誰よりもお人よしの風来坊だった!? 無頼の葬儀屋ニコラス・D・ウルフウッドを道連れに、悪に染まったヴァッシュの双子の兄ミリオンズ・ナイヴズを追う旅が始まる。 立ちはだかる無数の刺客たちと、ナイヴズの恐るべき計画とは。 全ての謎が明らかになる時、世界を賭けた戦いが始まる!
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

乱闘プランと台風男

●カオス【ゲート】は開かれる

因縁の兄弟対決である最終決戦は、{netabare}一言でいえばカオスでした。

イデア論的多重世界に二コラ・テスラの脳内を組み合わせたらこうなります的なのが
最終回の映像表現だったようにも思えます。

主人公とナイヴズの双子は、「便利屋斎藤さん」のラスボスである双子の悪魔同様に
「2本の柱」=「ゲート」を表します。
双子の悪魔が白と黒のローブを纏っていたように本作でも白と黒の対比が示されています。

白い翼は「天使」、黒い翼は「悪魔」を表しますが
そもそも「天使」と「悪魔」は同族なので、一対の関係であると言えます。

天使と悪魔の最終決戦は【ハルマゲドン】を表現しているということであります。

兄のナイヴスは有能で好戦的、一方弟の主人公は心優しく平和的ということで
男性と女性の対比関係を示しています。

これは「ニーアオートマタ」の兄妹「アダムとイヴ」と同じでありますが、
この関係性からナイが意図したものが見えてくるわけであります。

それは「インディペンデンツ」という新たな生命体を生み出すということを意味しますが
より具体的に言えば妊娠と出産を成し遂げるということになります。

弟のバッシュに【ゲート】という「穴」が現れるのは、彼が女性担当であり
その穴から男役担当のナイが入って、生命の源たる中核にアクセスするという表現は
まさに妊娠を表現しているわけであります。

前回「ハルマゲドン」と「ソドムとゴモラ」について言及しましたが
このような男同士での性的行為を【ソドミー】と呼ぶという話に見事繋がるわけです。

【ソドミー】ついでに言いますと「お兄ちゃんはおしまい」=「【鬼】舞い」兄妹も
肉体的性別上はどちらも女性であります。

正月には兄妹で神社に初詣に出かけますが、神社とは女性の人体を再現しておりまして
要するに「賽銭箱」に「お金」を入れて「※願い事」をするわけであります。

鳥居は【ゲート】でもありますが、股を表し、参道は産道、お宮は子宮
であると言われています。

鈴を鳴らし賽銭を投入するわけですが、鈴も性的なものを表しているとのことです。

「お金」は「種」でありますから、「種」を投入して「※願い」が叶うという流れであります。

「【鬼】舞い」兄妹で神社に参拝するというのは、【ソドミー】を暗示していると解釈
できますが、同性の兄妹で妊娠擬制を表現するという意味では本作と同じ
であると考えられるわけであります。

ナイの企てたインディペンデンツ誕生計画は阻まれ、高次元の生命エネルギーは
【ゲート】ごと主人公に封じ込められます。

すべては主人公が持つ「キューブ状の立方体」の中に封じ込められますが、
これは【ブラックボックス】というものであります。

【ブラックボックス】は「正解するカド」や「ニーアオートマタ」にも出て参りますが
それが示すのは【✡】=【土星】であり、【✡】由来の【錬金術】と密接な関係を示します。

本作は一見すると「SFもの」のように見えますが、特に最終話でカオスな映像表現が
目立つのは【錬金術】の発想が背景にあるからでありまして、【ユグドラシル】という
【生命の樹】の表現が強調されるのもこの【錬金術】と深い繋がりがあるからであります。

高次元にある【プラント】の本質、正体とは【天使】であります。
と言うことで、ゲートを介して高次元の干渉を受けた兄弟は「羽」が生えます。
「羽」は【天使】を表すシンボルなので当然映像表現で強調されます。

白い天使と黒い天使の最終決戦即ちハルマゲドンの背景には高い塔が聳え立っています。
これは【バベルの塔】でもありますが、先の尖った建造物は【オベリスク】
を表しているということになります。

「2本の柱」=【ボアズ】(男性原理)と【ヤキン】(女性原理)の融合により生まれる
「3本目の柱」それが【オベリスク】であると解釈できるわけであります。

下衆な話になりますが融合により誕生するのは「息子」なので
【オベリスク】は「男根」を表しているとも言えたりします。ということで
【オベリスク】とは性的意味合いが強いシンボルということになるのかと思います。

ハルマゲドンを制するのはどちらでしょう?
その鍵を握るのはメリルであったように思われます。

タワーを背景に戦う兄弟を「望遠鏡」で見ながらメリルはこう呟きます。
「やっぱりバッシュさん、エネルギーを宇宙に放出するつもりです」と
彼女が覗き込む「望遠鏡」には「レンズ」が「3つ」付いています。
これは「3つ目」の表現でありますから【プロメテウスの目】を示していることになります。

【プロビデンスの目】=【プロメテウスの目】なので「先見の明」
未来予知を意味しているわけであります。

「先見の明」を持つメリルは女性であり、バッシュを導いたレムも女性、
そしてバッシュも女性原理(【ヤキン】)側の立ち位置でありますから
【ハルマゲドン】を制し【New World Order】を作り出すのも【ヤキン】の側
ということになるのかもしれません。
ちなみに最後に(声だけの出番で)登場した謎の責任者らしき特務中佐も女性でありました。

女性原理による反抗、これは「ソドムとゴモラ」を滅ぼし「大洪水」で人類を壊滅させた
男神に対する皮肉であり【反逆】の意志を意味しているわけであります。

最終決戦の舞台、その背後に聳えるタワーにはまるで太極旗のような模様
「69」が記されております。

これは「【鬼】舞い」で示された「♂♀」「♠♡」のシンボルと
同じ意味合いがあるのだと考えられます。

「♂♀」=「♠♡」=「69」=「↑↓」=「上なる如く、下もまた然り」
これは【錬金術】に関する言葉でもありますが、それとは別の言い方をすると
【グノーシス主義】を表すものと言うことができます。

【グノーシス主義】をわかりやすく説明すると「逆転」の発想であり
ドラえもんの小道具「あべこんべ」がまさにその思想を表していると言えるかと思います。

「あべこんべ」で刺すと「男が女」になり、「光が闇」になり、「善が悪」になる。
この【グノーシス主義】の思想を理解すると様々な作品の謎表現が理解できますので
是非とも参考にしていただきたく思います。

兄弟による最終決戦のハルマゲドン、一見して勝ったのは【ヤキン】側の主人公ですが
最後【ブラックボックス】内のエネルギーが暴発し、「タワー」に重なるようにして
光の閃光が走り「大きな柱」を形成いたます。

強大な「【光】の柱」は街に大損害を齎しますが、その見返りに新たな可能性を生み出します。
(「光」は【金星】の【光の天使】を暗示します)

多次元世界の潜在的可能性が現実世界に現れたということで、要するに
次元シフトが起こりましたということになるのかと思います。

恐らくは「ディメンションW」のオカルト展開の再燃を表すのだと思いますが
「光の柱」によって示されたのは「3本目の柱」でありますから
「息子」が誕生したということになるのではないないかと思います。

ということで、次元シフト後のお話が続編として作られるの{/netabare}ではないかと
予想されるわけでございます。

●【NWO】ソドムのレベンジャーの合言葉

スチームパンクというジャンルにおいて存在というものを考えるとかなりの高確率で
カオスに陥りますので注意が必要であります。

プラントの本質は{netabare}別次元の高次元にあるというある種の多重次元論的な理屈は、
「ディメンションW」にも通じるところありますが、当作品で示されたコイルを媒介にした
エネルギー論は早い話がオカルト全開の思考回路に塗れておりました。

コイルの発明でお馴染みの「二コラ・テスラ」自体がオカルト脳でありまして、しかも
天才という権威を授かった「エジソン」の思考レベルを軽く凌駕していますので、真の天才
「二コラ・テスラ」の思考は凡人には全く理解できないということになるのかもしれません。

本作で示された存在論とは何かと言えば、「プラトン」の「イデア論」みたいなものである
ということになるかと思います。

人間が住まう現実の現象界とは別に「イデア」の世界があるということで、「イデアの世界」
こそが存在の本質(の世界)であるということであります。

人間のイデア(本質)とは要するに「霊魂」ということになりまして、それ故オカルト脳
ということにもなりますが、後にイデア論には他のエッセンスも加えられ
ローマカトリック教会とイエズス会に見事受け継がれます。

非常に興味深いのが、教会に受け継がれた思想だからキリスト教的な思想なのかと言えば
そもそも出所が「プラトン」の思想という時点でズレており、むしろキリスト教の異端思想
として扱われているというのが実態であります。

そしてこの異端思想にかんするワードはアニメファンならどこかで聞いたことあるのには
とても皮肉なものを感じますが、詳しい話は長くなるので別の機会に譲ります。

プラントをインディペンデンツに再創造する計画が実施され、主人公は磔になります。
どう見てもこれは「十字架刑」でありますから、ローマ帝国の趣味そのままと言えます。
そして何だか木の根っこや枝みたいなのが次々とわらわら湧いてきて主人公がいる
「タワー」全体を覆い尽くします。

もちろんこれもお約束の【世界樹】(【ユグドラシル】)を表現しています。

ついでに言いますと木の枝に括りつけられた主人公の姿とそっくりのオブジェが
ローマカトリック教会には飾られています。これが中々に悪趣味なオブジェです。

本質がイデアの世界にあるならば現実世界のプラントは抜け殻であるという考え方は
「不滅のあなたへ」でも確認できます。「肉体滅んでも霊魂は不滅」という考え方
これを覚えておきますと他の作品解釈にも役立つので参考にしてください。

主人公の兄貴分「ナイ」=NAIにはAIと兄(ANI)というアナグラムが隠されていますが
彼はこのような言葉を表明します。

「火の矢を落として町を消し」
「洪水によって大地を浄化させる」
「アルメギドの戦いの日だ」

醜悪なる罪故に滅んだ「ソドムとゴモラ」と同じくその罪故に人類が滅んだ「ノアの大洪水」
そして全く同じ理由で審判が下されるメギドの丘の戦い即ち「ハルマゲドン」それぞれと
彼の言葉は対応していますが、ローマカトリック教会が異端思想に染まっている点を踏まえて
考えてみると実は、ナイブズの言ってることはある種の皮肉ということになります。

「創造主」にかつてにやれた仕打ちの仕返しをやってやるという犯行声明であり
【反逆】の意思表示あると解釈できるわけであります。

「ソドミー」という言葉がありますが、要するに同性愛的変態行為を意味し
由来はそのまんまの「ソドム」であります。

「ソドムの民」と同じように「ソドミー」大好きなのはジャニーズK社長であり、
LGBT絶対擁護の「グローバルエリート」さんたちもみんな大好き「ソドミー」だったりします。

「ソドムとゴモラ」の復讐を是が非でも果たしたいという特殊な思想を持った方々が
この広い世界にはおりまして、そういう人たちが何を願っているのかをナイブズは
代弁しているのかもしれません。

「我らインディペンデンツがこの世界に新たなる秩序をもたらす」

新たなる秩序とは【New World Order】であります。
【グレートリセット】を経て{/netabare}我々は【新世界へ】赴くという話でございます。


●関西人「黄金都市」に立つ

「黄金都市」ジュライ、そのあり様は、{netabare}【大淫婦バビロン】そのものであります。
「ソドムとゴモラ」そして【黄金都市バビロン】、欲にまみれた拝金主義者が集う都市。
【大淫婦バビロン】とは、欲深き人間の本性が表れた快楽「都市」の有り様、
それを象徴的に表現する言葉であります。

サイコパスやその他のサイバーパンク作品で描かれる都市の景観と全く同じように
「その黄金都市」にもお約束のように高い塔、即ち【バベルの塔】が聳え立っています。

それはある意味「大聖堂」と呼べるものなのかもしれません。
人類を超越した究極生命体ミリオンズ・ナイブズは階上の大広間でパイプオルガン?
のようなものを奏でています。

ここで注目すべきは大広間の床にはお約束の【世界樹】=【ユグドラシル】が描かれている
ことでありますが、更にやばいことにはその周囲を【6】体の像で囲っているところです。

サークルに6つの頂点、中心には【ユグドラシル】ですから、
円と【六芒星】=【✡】で「魔法陣」が完成し、【ユグドラシル】は知恵を表すので
【プロビデンスの目】と同じ意味合いになります。

そして【6】体の像は「プラントの屍」ですから、木乃伊を大聖堂内に飾る等の悪趣味性は
ローマカトリック教会の大聖堂その状況と酷似しており、とても不気味なものを感じます。

念動力で釘のようなものを飛ばす実験体の女の子はよく見たら【オッドアイ】ですが、
これも「魔眼」の表現であり、【プロビデンスの目】が元ネタあります。
そしてこの実験体の女の子は性格が悪い感じですが、恐らくは【大淫婦バビロン】を
象徴しているのではないかと考えられるわけであります。

実は【魔法陣】や【錬金術】などすべては【古代バビロン】が由来とも言えるわけであり
裏設定のシンボリックリンクな描写の元ネタをそれとなく仄めかしているのであります。

主人公を案内することでようやく関西人は任務を達成したようですが
黄金都市を振り返り、人情熱い{/netabare}関西人はそこで何を思うでしょうか?

●SDGsの暗示

「プラント」の秘密が徐々に明らかになって行きます。

{netabare}謎の生命体「プラント」、注目すべきはそのデザイン、形であります。
これこそが本作がスチームパンクというジャンルに属するという根拠であります。

他にもシンボルは登場します。
「プラント」は植物を育み、プラント船の中に庭園を再現しますが、
この庭園は【エデン】を表しているので「プラント」は【禁断のテクノロジー】
の類ということになり、故に「プラント」の正体も自ずと確定するわけであります。

そしてまた別のシンボルとして主人公の左手に【ゲート】が発現いたします。
【ゲート】は「2本の柱」から成り立ちますがそれは【2柱の神】を表すものであります。

主人公とナイという双子のような関係性は「2本の柱」の左右対称性(シンメトリー)
を暗示しているように思えます。

「2本の柱」を融合して出来上がったのが【3本目の柱】であります。
【3本目の柱】は槍や長剣など先の尖ったもので表現されることがありますので「ナイブズ」
という名前にも、もしかしたらそういう意味合いが込められていたということなかもしれません。

【ゲート】が開くのは、宜しくないことが起こる暗示でありますから今後の展開に注意が必要となるのかもしれません。{/netabare}


このまま順調に進むならば次回あたりに上方修正しようかと考えております。

●銀河鉄道超特急

旧作が各駅停車だとすると本作は超特急のスピードで独自路線を突っ走っているようにも思います。

{netabare}原作も旧作も詳しいことは知りませんが、本作オリジナルのこの展開は
かなりぶっ飛んでると言えるでしょう。

「プラント」の真相と主人公の回想シーンをリンクさせる手法はお見事であります。
名前の通り植物を意識したようなフォルムでありますが、関西人のくだりであったように
このプラントもある種の人工生命体のようであります。

「インディペンデンツ」というまるで人間そのものような生命体の存在意義とは何でしょう?

持続不可能な人間にとって代わる新人類を示唆するものなのかもしれませんが{/netabare}
真相は、さて?

●【灯火】と死人(しにびと)と

例え運命的再会だとしても{netabare}尺の都合で話はサクサク進むのかと思いましたが
意外にも関西人と弟分との決着は持ち越しとなってしまったようであります。

関西人と弟分との思い出、二人の絆を象徴する「ライターの炎」は【灯火】であります。
【灯火】は女神と「※願い」を暗示し、「※願い」の代償は必ず請求されます。

なので【灯火】は「左目」に映し出されます。

「肉体の死」により「贖いの儀式」は完遂されたかのように思われましたが
スチーム船の暴走というアクシデントがもたらす悲劇的結末の回避は別勘定という話でありますから、新たな代償を支払わなければならないということになるでしょう。

結局のところ関西人は「※願い事」詐欺にでも嵌められたか、「呪い」にでも掛ったかの如く
例え「※願い事」が叶えられても救済はなされないというドツボに嵌ります。

「人の命を天秤にかけた」男の罪深さは、背負った十字架の重みによって示されるように
悲劇的な結末を呼び寄せてしまうでしょう。

兄と弟と、生きる者と死に逝く者と、
寄り添って生きることができるか?{/netabare}
それを問われているのかもしれません。


●【鐘】は天下の回し者

どうやら本作は地味に演出がもの凄く洗練された作品ということが判明いたしました。
ヒロイン担当メリル特派員の{netabare} 「目」にクローズアップした表現法がなかなかに巧で、
非常に印象的であります。

車を運転しながらバックミラー越しに映し出される彼女の「目」がとても饒舌にそして
とても表情豊かに感情を表現しており、このお見事な映像表現には
ただただ唸るしかありません。

車内で回る扇風機の映像描写も何気に凄く、軽く驚愕するレベルであります。
回転してる扇風機を一時停止するとちゃんと羽が4枚あるというのは芸が細かいと言えます。

個人的には旧作は独特の軽いノリが苦手で興味が抱けませんでしたが、
本作のシリアスな雰囲気や巧みな描写表現などには好感が持て
現段階ではかなり良好な印象を抱くまでに至りました。

主人公と関西人の気まずい車中の雰囲気の中でメリル特派員が不意に発した台詞
「おやつの取り合いでもしました?」というジョークもなかなか興味深いものがあります。

その「おやつの取り合い」?あるいは、自分の信じる正義を掛けた言い争いがスチーム船上で
勃発し、主人公と関西人双方一歩も譲らず、「命」の意義についての両者の綱引き合戦は、
まさに「おやつの取り合い」みたいな状況になるというオチであります。

船上ではためく「フラッグ」は戦争のシンボルでありますが、風向き変わって旗は反転
そしてシーツが「幕」のように風に舞い、「おやつの取り合い」から突然の襲撃による {/netabare}
新たなバトルが「開幕」するという一連の演出には粋なものを感じてしまいます。

そしてお約束の裏設定的表現や「数字」遊びも当たり前のように熟してくるわけであります。

関西人の回想シーンでは宗教的色彩 {netabare} が強い孤児院の様子が描写されます。

修道院などに【鐘】=【ベル】があるのはよくある風景ですが、そこに
【8】つの光輪と中心に「目」のような模様が刻まれていることが重要です。

【八芒星】が示す【光の天使】と【プロビデンスの目】そして【ベル】という
三位一体攻撃は珍しいパターンでありますが、ある種の「宗教思想」を表しているという
意味では、この三位一体には矛盾はないように思えます。

孤児院の回想で関西人はライターで煙草のような葉っぱに火をつけますが、
このシーンでは【灯火】が強調されています。

【灯火】の表現はチェンソーマンの狐先輩でも行われていたものでありますが
「最果てのパラディン」の「【灯火】の神」にも相通じるものであり、
「自由の女神」が右手に掲げる「松明」に相当する表現であります。

また【灯火】とは「聖火ランナー」の【聖火】と同じ意味合いのあるものであります。

【灯火】は【女神】と【8】を暗示し、【8】は【5】と【13】に繋がる数字であります。

なので合格者の関西人を迎えに来た教団の男たちは【5】人であり
見送る孤児院の子どもたちと世話役の職員を合わせた人数は【13】人
そして合格した関西人は独りで【8】の十字架を背負わされ教団送りとなる
というようにして数字は示されます。

【8】と【5】と【13】はいづれも【金星】に由来する数字であります。

場面は教団に移り変わり、そして関西人を表すコードが表示されます。

「被験体HL1-06」
「薬剤適性S+」

もしかしたら数字遊びが仕込まれているかもしれませんので数字解釈してみます。
アルファベット表の順番に合わせ数字変換します。
「H」=8
「L」=12
「S」=19

HL1-06=「8」「12」「1」「-06」
S+=「19+」
まず「+」と「-」が付いている数字を計算してみます。
19+(-06)=13
次に12+1=13と計算すると
8、13、13という数字が出ましたが8、5、13の並びではないので同じ数を足してみます。
13+13=26→2+6=8
「H」=8と同じ数字の8の答えが出ます。

「8」「8」=88
左右対称の数字ですが他に似たようなのが無かったか考えてみると
メリルの上着の両腕部分そして襟元には「6」のロゴがあるのが見つかります。
上着に記された「6」は全部で4つ=24→2+4=6
数字を循環させるパターンの数字遊びです。

ちなみに「6」を反転させた「9」でも同じようなことになります。
9×4=36→3+6=9

「88」は2人の人間の「※願い」を意味しているのでしょうか?
だとしたらそれは孤児院の安泰ということでありましょうか?

【8】は「※願い事」を暗示する数字ですが【灯火】も同じ意味になるようです。
孤児院での2人がライターに着火するのシーンはそういう意味合いがあったようにも見えます。

主人公他4名が車に乗り合わせる冒頭のシーンではヒロイン=メリルの目がクローズアップ
されましたが、実験室のシーンでは被験体である関西人の「左目」に焦点が当たります。

眼帯キャラや魔眼持ちのキャラなどアニメでは腐る程繰り返される
「片目」強調の描写は【プロビデンスの目】を暗示しているものであります。

オペを受ける被験体の関西人、その左目には孤児院の子どもたちの残像が映し出されます。
その人数は【8】人であります。

【8】の数字が示す子どもたち、それが彼の「希望」であり、「※願い」であるのでしょう。

「女神」のような容貌を持つ「美しい天使」は「※願い」を叶えてくれるのであります。
但しその代償はとても高くつきます。

「※願い事」の代償を払うため関西人は自らを【生贄】に捧げます。
これが古より伝わる「女神信仰」であり、美しい「光の天使」の信仰を表すものです。

【八芒星】の【イナンナスター】その「十字架」が刻まれた【ベル】を戴く町の孤児院は
「約束のネバーランド」の「グレイス=フィールドハウス」に相当します。
ハウスは「人間牧場」でありますが、本作中の各種「シンボル」は孤児院の本質を意味づけます。

【ベル】と「【生贄】の人間牧場」が何故につながるのかというのも
「裏設定」の分析により明らかになることでありまして、裏設定というのは
全作品に共通する特殊な概念でありますから、「美しい天使の教団」の本質も
裏設定の解釈により解明できるのでございます。

蒸気機関を原動力とするスチーム船が示すものは本作がスチームパンク作品に属するという
事実でありまして、従いまして同じくスチームパンク作品に属する「影実」と
似たような要素を持つということになります。

「影実」でも謎の教団が登場し、エルフ族を用いた人体実験を行っておりました。
本作では「トランスヒューマニズム」に基づく人体実験が実施されていますが
「トランスヒューマニズム」の技術が実現すれば亜人種でも、性転換でも、
ゴースト・イン・ザ・シェルでも、 {/netabare}何でも好きなものに転身できるのあります。



●残酷な「転身」のテーゼ

『【方舟】の墜落によって 罪深い私たちは この地に降り立った』
{netabare}『祈りなさい』
『神は私たちに「救いの【天使】」を 御遣いになられた』
『【天使】を讃え【天使】を敬い【天使】の【目】となりなさい』
『神の祝福のあらんことを』{/netabare}

冒頭のシーンにて「新興宗教」の宗教放送 {netabare}が流れます。
いかにも?という感じで壁面に描かれているものは【目】、
そして【光輪】であります。

アニメなどよく出てくるこの「【一つ目】小僧」の表現は
【プロビデンスの目】=【プロメテウスの目】と呼ばれるもので
宗教的バックボーンが極めて濃厚な「シンボル」であります。

【光輪】は【天体】の輝き、【光】を表したもので
【8】つのトンガリ(=光輪)ならば【八芒星】を暗示し
それは【金星】を示すものであります。

【8】が示す【救いの天使】とは、ラテン語で【明けの明星】を意味する
(光の天使)【ルシフェル】を表現しているということになるでしょう。

この「新興宗教」の正体とは即ち【ルシファー信仰】ということになります。

現実に存在する「新興宗教」の【ルシファー信仰】によれば
【エデンの園】で「アダムとエバ」に【禁断の果実】を与え、
人類に文明開化をもたらした大いなる存在が【光の天使】であるということらしいです。

【禁断の果実】とは【禁断の知識】であり、【禁断のテクノロジー】を
意味するものでもあります。

そして【プロビデンスの目】とは【土星】に由来するものでありますが
【土星】とは【✡】即ち【六芒星】で表現されるものでございます。

【✡】は【6】つの頂点と内部に【6】角形と【6】つの三角形で
構成されていますので、これを【666】という風に表現したりもします。

【土星】には【ロード・オブ・ザ・リング】という異名がありますが
【リング】は「魔法」あるいは【錬金術】を暗示するものであります。

【土星】は【錬金術】と所縁が深いわけですから、
【666】は【錬金術】、即ち【禁断のテクノロジー】を暗示している
という風に解釈できるわけであります。

少年は「天使の【目】」に祈り、「※願い」ます。
【エデンの園】で「アダムとエバ」がそうしたように…

そして【光の天使】は少年に≪救済≫をもたらします。
「アダムとエバ」と同様、その【果実】を与えることにより…

【トランスヒューマニズム】は人間と機械の融合を実現し
人間を別の存在に【進化】させることを目指す思想であります。

【禁断の果実】が象徴する「このテクノロジー」により
人類が「不死」となる日もそう遠くないことでありましょう。

少年がかぶる帽子には【☆】が記されています。
【☆】は【5芒星】であり、これも【金星】を示すものであります。

【金星】そして【光の天使】は「※願い」を叶えてくれます。

「※願い」には代償が必要というのは【錬金術】が示す「等価交換の原則」でありますから
「※願い」の代償として少年は【生贄】に捧げられます。
【生贄】は≪救済≫をもたらします。それが(【エデン】の)「契約」です。

【死】即ち「肉体の死」は≪救済≫を導き、そして
新たな「身」を授かった新たな人類は【未来】に辿り着くのであります。
これが神=【光の天使】による【祝福】ということでございます。

【トランスヒューマニズム】は人類に≪救済≫をもたらす手段であります。

人間の細胞を人為的に変化させるという「細胞治療」の手法も近年熱心に研究されております。

この「細胞治療」の手法は抗がん剤や(世界でお馴染みの)最新の例のワクチンにも応用される
あらゆる病を治し不死の人間を誕生させる可能性を秘めた先端テクノロジーであります。

望めば「※願い」は叶います。{/netabare}但し、相応の「代償」を覚悟する必要があります。


●無視できない未来の動向
{netabare}【ダボス会議】のグローバルエリート様が言うことには、将来食糧難が来るから
庶民は虫でも食っておけという話でございます。

「大雪海のカイナ」でも昆虫食は貴重なたんぱく源という扱いでありまして
今後の傾向として昆虫食ブーム的演出のための?その手の描写がますます
増えるものと予想されます。{/netabare}

●大乱闘クラッシュブラザーズ
{netabare}ガンアクションよりも兄弟の確執だったりすれ違いめいたものが一つの見どころに
なるように思い、それに期待していましたが、実際その通りの展開になったのは満足しています。

その一方で予想以上にシリアスな方向に舵を切りましたようでありまして
それ自体は悪くないようにも思います。

しかしながら少々残酷過ぎる表現が予想外に多いのは、評価に迷うところでありまして
人によってはやり過ぎに感じたり、やや重すぎると捉えるようなこともあるのかもしれません。

軽すぎるのも微妙ですが、かと言って重すぎるがいいのかと言えばさじ加減が
難しいところであるのかもしれません。{/netabare}



旧作トライガンのリメイク作品?でありましょうか。

旧作には興味がなく完全スルーでしたが、
本作には何気に魅力を感じ、お試し感覚で視聴開始してみました。

作画は綺麗であり、ガンアクションでは見栄えがするシーンもある一方で
確かにCG独特のキャラの動作に抵抗を感じる人も相応にいるのかもしれません。

SF寄りの作品なのかと思いましたが、「プラント」という謎テクノロジーの存在には
やはりスチームパンク的な匂いを感じます。

ストーリーは、主人公が平和主義者であることを含め面白くなりそうな予感を感じます。
初回の印象からすると、不確定な要素がまだ多いとしか言えません。

取り敢えず期待は持てそうな気はいたします。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 6
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

SF×ウェスタン、砂漠の鯨

オレンジ制作。

灼熱の惑星ノーマンズランド、
生き残った人類は異形の生物が蠢く不毛の地で、
血肉を削り暮らしている。
主人公ヴァッシュは双子の兄を追跡している。

荒廃した砂漠の街に無法者が跋扈する、
やはりここは弱肉強食の世界のようだ。
有名な指名手配犯であるヴァッシュは、
数多くの刺客に襲われることとなる。

{netabare}ゼロから物質とエネルギーを生み出す、
人類の生命線である生体動力炉プラント。
このプラントを巡る物語でもあるのだろう。{/netabare}

予測不能な冒険活劇なら歓迎しよう、
SF×ウェスタン、これはかなり楽しい。

6話視聴追記。
それにしてもリアルに良く動く。
ニコラス登場で加速度的に面白さが増し、
{netabare}狂信的な信奉者たち、非人道的な人体実験、
それぞれが抱える過去が浮かび上がる。{/netabare}

最終話視聴追記。
悲しき双子の運命が交差する終幕だ。
{netabare}同胞を救うべく人類に復讐する兄ナイヴズ、
人類との共存を最後まで模索するヴァッシュ、
それぞれの正義が、儒来の街を貫く。{/netabare}

迫力ある映像表現に制作の熱意を感じる。
また新しい冒険があれば、ぜひ観たいと思う。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 20
ネタバレ

かりんとう さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

とにかく2期も観る予定

1クールで全部完結させるのかと思って観ていましたが、漫画と同様1部と2部で区切るみたいです。

オレンジのCG技術は個人的に他のCGアニメーション会社より優れていると感じていて、今作も戦闘シーン等本当に見入ってしまうほど迫力あるものでした。
ストーリーは数年前に原作を読んでいるもののしっかり覚えてる訳ではなかったので、新鮮な気持ちで観ていました。が、あれ?っとなるシーンもあるのでオリジナルに変更されてる部分もあるといった感じです。

{netabare} 最終回でメリルに新人がつくことが連絡に入り、名前が聞き間違えじゃなければミリィでした。
1部ではメリルの新人時代を、2部では先輩として活躍する感じにしたのでしょうか。
ヴァッシュさんも最終回でやっと髪がトンガリ化してましたね。最初からがよかったんですが
{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 2
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