双子で戦いなアニメ映画ランキング 3

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の双子で戦いな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月28日の時点で一番の双子で戦いなアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

67.6 1 双子で戦いなアニメランキング1位
GODZILLA 星を喰う者(アニメ映画)

2018年11月9日
★★★★☆ 3.7 (54)
218人が棚に入れました
アニメーション映画『GODZILLA』(通称:アニゴジ)がついに最終章を迎える。

二万年後の地球で繰り広げられた、<ゴジラ>とそれに抗う人類の物語。最終章『星を喰う者』では、超科学が生み出した<メカゴジラシティ>をも焼き尽くし、地上の覇者となった究極の生命<ゴジラ・アース>と高次元怪獣<ギドラ>が相まみえる。

『アニゴジ』の誕生は2017年。これにより『ゴジラ』は新たな領域へ足を踏み入れた。同年11月公開の第一章『GODZILLA 怪獣惑星』はゴジラ映画史上初の3DCGアニメーション作品であり、その映像体験は大きな驚きと称賛をもって迎えられ、第二章『GODZILLA 決戦機動増殖都市』は、アニメーションならではの<メカゴジラ>の新解釈で観客を圧倒した。

そして最終章では、虚空の神<ギドラ>と破壊の王<ゴジラ>がついに激突。戦いの果てに待つのは、人類への啓示か。

監督は、昨年公開の劇場版『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』で邦画年間興行収入ランキング1位を獲得し、確かな演出力を遺憾なく発揮する静野孔文と3DCGの第一線で培われた手腕を『シドニアの騎士 第九惑星戦役』、『亜人』、『BLAME!』で磨きあげ、余すことなくその魅力をフィルムに焼きつける瀬下寛之が務め、両者の最高のコンビネーションは最終章でも見事に発揮されている。ストーリー原案・脚本は、『魔法少女まどか☆マギカ』や『PSYCHO-PASS サイコパス』などで知られる虚淵玄が担当。観る者全てを出し抜く突破力抜群のアイデアに今作でも驚かされるのは間違いない。

制作は米国エミー賞最優秀賞(デイタイム・エミー賞アニメーション番組特別部門最優秀賞)を4度受賞を果たし、直近では「スター・ウォーズ」シリーズの最新アニメーション作品「Star Wars: Resistance」を手掛けるなど、国内外から高い評価を得ている3DCGスタジオ、ポリゴン・ピクチュアズ。


声優・キャラクター
宮野真守、櫻井孝宏、花澤香菜、杉田智和、梶裕貴、小野大輔、堀内賢雄、中井和哉、山路和弘、上田麗奈、小澤亜李、早見沙織、鈴村健一
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

『ゴジラ』が食い散らかしたテーマをSFとして総括した力作。

人類&ビルサルド&エクシフの三種族共同戦線が、
怪獣化した地球の奪還を目指してゴジラに戦いを挑む“アニゴジ”三部作の最終章。

昨今の世界における怪獣映画の再興については、
童心に戻って怪獣を楽しむ気持ち半分、斜に見る気持ち半分。
そんな捻くれた私にとっては、『ゴジラ』映画が繰り広げて来たお祭りの中で、
怪獣とは?怪獣退治とは?ゴジラに通用するのは科学か?伝承か?人類はどうあるべきか?
等々、整理されぬまま散乱したテーマを、硬派なSFの枠組みで、
角度を変えて諸要素を考察したりして、再構築を試みた本劇場版シリーズは、
有意義な思索に耽ることができた刺激的なSF映画鑑賞でした。

最終章はバトルそっちのけで時に心象世界も交えた
哲学的な問答が応酬される場面が特に多かったのですが、
私は食い入るように見入ってしまいました。


ただ、やはり明快な怪獣映画として観るのは全くオススメできません。
だって三部作通じて例えば……
{netabare}ビル群や名所を破壊するゴジラの勇姿が観たい。
都市じゃない二足歩行のメカゴジラが観たい。
この世界の物理法則に則った、首だけじゃなく、ちゃんと胴体もあるキングギドラが観たい。{/netabare}
こんな『ゴジラ』ファンとして求めて当たり前の権利すらSFに蹂躙されるw

第一部・人類の知恵と勇気、第二部・マッドな狂気を含んだ科学と
ゴジラに立て続けにぶつけて、
特に第三部に至っては、カルトな狂信を含んだ宗教が出張って来るわけです。

私としては、カルトじみた宗教の描き方にしても、
人類文明が説明できない現象をカルトと断じるのは、
人類がその現象を理解できるレベルにないからである。
さらに進歩した文明は神への信仰による奇跡をも数学的に説明できる。
などとキチンとSF設定として組み上げられており、
それらを骨組みにして具現化した脅威(即ち{netabare}ギドラ{/netabare})には、
背筋が凍る迫力を感じました。

けれどSFに興味ない方にとっては、怪獣プロレス見物に胸躍らせて劇場に足を運んだら、
怪しげな宗教勧誘ビデオを見せられたwといった感じでトラウマにすらなりかねないので、
鑑賞の際は、自らの視聴動機と本SF映画との
折り合いの目処を立てて行くのが必須だと思います。


本三部作を展開した時期も尚早だと感じました。
例えば、魔法少女が消費し尽くされ、ブームも底を打った所へ、
諸要素を逆さに見たり、SFも交えて再構築してみたりすれば、
それはブレークスルーになり得ます。

が、『ゴジラ』の場合は、2014年に二度目のハリウッドリメイクが成功し、
2016年に日本で『シン・ゴジラ』の大ヒットがあって、
2019年公開予定のハリウッド版続編『~キング・オブ・モンスターズ』と
再興した怪獣映画の収穫期へと向かう上り坂の途上。

そこでゴジラの周辺に転がった諸々のテーマをSFとして冷静に振り返っても、
ゴジラに熱狂していく人々にとっては水を差されかねないタイミング。
私も怪獣バトル要素が悉くお預けにされて、
これは興行的には上映前に予告編が打たれた『~キング・オブ・モンスターズ』が
全部持って行くパターンかな?と苦笑してみたりw


とは言え、再興した『ゴジラ』ブームもやがて踊り場に至り下り坂に向かうでしょう。
パーティーの後で、取り残された人々の耳元に、
実はこんな渋いSFゴジラもあるんですよ♪と囁いてみる。
本作はそう言うポジションの映画だと感じますw

だから私としては本作を良作SFとして評価し語り継ぎつつ、
来たるべき終焉の時を待ちたいと思いますw
(但し怪獣映画ファンの端くれとしては、ブームの終わりは勿論来て欲しくないので、複雑な心境ですw)


以下、一部、時事ネタや私見も交えたキワドい感想&考察長文。

{netabare}人類文明の過ちが怪獣を生んだのではない。
そもそも人類は怪獣を生み出すための前座に過ぎなかったのではないか?

冒頭から虚淵玄氏&ニトロプラスとその一味による
逆からテーマを再構築する伝統の捻り技に脳汁を分泌させられた最終章。

前作で提示された決して倒せないからこそ怪獣という視点も交えつつ、
加速するSF設定はやがて、文明とは興隆と栄華の果てに
怪獣を生み出し滅び去ると言う宇宙観に到達。
主人公は無敵のゴジラとの死闘に加え、
エクシフの信仰や宇宙観から滅びの運命を受け入れ、心地よい終焉を迎えるよう迫られ、
心身共に過酷な状況に追い込まれる。
次第に、主人公はゴジラ相手に単純な勝ち負けとは異なる道。
敗北する運命との向き合い方等を自問するようになり……。


世界にとって普遍的な文明論を投げかける一連の流れの中で、
私が異彩を感じたのは、主人公とエクシフの司教が心象世界で対峙する中で、
やがて破滅する運命にある文明のイメージとして、
“ヒロシマ”や“ナガサキ”を連想させる入り組んだ島国と思しき地形に炸裂する
原子爆弾のキノコ雲と言う、ローカルな題材が提示されたこと。

日本人にとっては“ヒロシマ”や“ナガサキ”は確かに進化し過ぎた文明がもたらす
悪夢や破滅の代表的なイメージです。
ところが世界にとっては、ある人は“ヒロシマ”や“ナガサキ”の悲劇の詳細なども知らなかったり、
原爆など大きな爆弾程度の認識だったり……。
さらに一部の戦勝国(と思っている方々も含む)にとっては、かのキノコ雲、
特に日本に上がったそれは勝利確定や解放の祝砲だったりもします。
先日も、キノコ雲に抱くイメージの相違に起因する騒動が持ち上がったばかり……。

さらに本作はエクシフの司教への抵抗として、
モスラがエノラ・ゲイと思しき重爆撃機を撃墜する、
一部米軍遺族等にとっては噴飯物?のイメージも展開。

そして葛藤の末、披露されたラストの、
美化された特攻映画の如き?ゴジラへの単機突撃。

こんなローカルな日本のネタや思考法で、
普遍的なテーマをNetflixを通じて世界へ発信しても、
一体どれ位の方が理解してくれるだろう?と訝しんでいた私ですが、
やがて『ゴジラ』は日本のローカルな土壌から生まれた作品だと、
スタッフは暗に主張したかったのでは?との仮説も芽生えて来ました。


そこで私が思い出すのは初代『ゴジラ』
水爆実験による第五福竜丸・被爆事故から着想を得たという製作エピソードの流布により、
進歩した人類科学文明による環境破壊への怒りを具現化した
反核怪獣映画とのイメージが一般化している初代『ゴジラ』

ですが私がもう一つ重視するのは昭和二十九年という製作・公開年代。
米軍の焼夷弾により東京が焼け野原と化してから間もなく十年。
東京の街を眺めると一見綺麗で、戦後復興も順調に進んでいるように見える。
けれど敗戦の記憶は未だ人々の心に燻り続けている。

どうにか心の荒廃をなだめて、取り繕った東京の街並みが、
ゴジラによって再び破壊され火の海となる惨劇。
展開される地獄絵図はまさに十年前の大空襲の再来!?

これはもう日本人は敗北や喪失に対して狂気するか、達観するか、墜ちるか。
もはや悟りでも開くしかない、いたたまれない心境。

この敗北感の二段重ねもある点こそが、
私が未だに『ゴジラ』映画は初代が原点にして頂点と信じる理由の一つ。

当時鑑賞した900万人超の日本人がゴジラに抱いた原点の絶望感を説明し切るには、
敗北を重ね、追い打ちをかけられたと言う、
二次大戦での敗戦経験も含めた日本人のローカルな心情の表現が欠かせないのではないか?

こうした視点に立った場合、
一度ゴジラに敗れて地球を追われた人類が再戦を挑んでは跳ね返される。
という敗北を重ねる基本設定の上に、
敗れ続ける人々の心境を日本人特有の?敗北感や死生観も交えて、
ラストに向けて最大化させていく構成は、
これも、ある意味、『ゴジラ』の原点をリスペクトして
世界に向けて誤解や白眼視も恐れず発信した、
勇気ある試みだったと私は受け止めています。{/netabare}

投稿 : 2024/12/28
♥ : 25
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

勝つ事と負ける事、人の救いとは?

 前作でゴジラを倒す機会を目前に思いとどまったハルオ、これからどうなるのかなぁなお話です。

 これまであの手この手で、戦いを挑んだけどもうだめ状態、ハルオたちに広がる中、遂に行動を起こした最初からいたメトフィエスだったです。
 あからさまに怪しそうな振興で、言葉巧みに生き残った人たちを誘導する姿は、正に宗教ぽかったです。

 前作でメトフィエスがハルオにつぶやいたギドラ、どうやって出てくるのか?見どころです。黄金の終焉って???。{netabare}神の名は、ギドラ??。
 非科学的としか言いようのない、まるで召喚みたいだったです。さらにここまでくると何でもありな感じです。

 出てきたギドラ、胴体がなく異空間?宇宙から首だけ伸ばしてくるので、有名なキングギドラとは異なりすぎるです。それが三つも。全く新しい怪獣で更に実態をつかめないのだから、ゴジラ今度こそな状態だったです。ちょとしたギドラの全身の影はあったけど、ゴジラとの戦いの置いては出なかったです。{/netabare}

 メトフィエスがハルオに問いかけること、それぞれも刮目だったです。メトフィエスの言う救いをハルオが受け入れるのか?、自分自身に向き合い、いままでとこれからに気づくシーンはどのような光景をこの先もたらすのだろうか?です。

{netabare} ギドラが脅威過ぎて倒すはずのゴジラを応援したくなってしまう光景は、どうなってんのか?と思えたけど・・・・です。この戦いの行方は、見てのお楽しみです。

 エンドロール前のハルオの行動?ゴジラ倒せたのかなぁな?謎な感じだったです。

 一番最後を見ると、一応平和になったのかなぁだったけど、{/netabare}どこか謎の残ったアニメ版ゴジラに私は思えたです。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 8
ネタバレ

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

勝者と敗者、畏怖と憎悪

三部作目

まぁ前作で衝撃の結末でしたからね
まさか死ぬなんて...

Q 前回のレビューであんだけ「次作みるの躊躇う」とか言ってたのに
A 厄介オタクの謎精神により

ということで「なんか知らんけど見なきゃいけない気がする」という使命感にかられ視聴。ここまでくるとツンデレですね
「べ、別にあんたなんか嫌いなんだから!(チケット購入)」
需要が無さすぎる

さて本編へ。
まぁシルエットがあれですから前回のラストのギドラ宣言はそういうことです
ギドラVSゴジラなんてものすごいありきたりですが、実際私は見たことないので「ついにゴジラとギドラの戦いを目にするのか...」と思っていました
{netabare}結果は虚無の王として五感でしか存在しないチート怪獣。勝ち目ないやん終わったと思ったらまさかの眼帯。もうなんでもありかな。{/netabare}
ここまで来たら二部作目も三部作目も変わらないのですが、一応興味を惹かれるシーンはありました。

それは結末。
{netabare}ハルオくんがユウコちゃんを抱えvultureで自爆したシーン{/netabare}
これが意味が分からない
見てない方は是非意味を理解しようとしながら頑張ってみてください。
{netabare}とはいってもある程度の予想はついてるんですよ
「ハルオはGODZILLAを滅ぼすことより苦痛からの解放を望んでいた」ということをメトフィリスに教えられ、一度は否定したもののそれが気がかりだったところを、博士が修復してしまい人間の醜さを再認識し、人間の愚かさの象徴とともに、大切な人とともに、GODZILLAに唯一従わなかった最後の一人として自爆。
人間の歴史をすべて無に帰した

ということでしょう?でもそれって矛盾ありません?
マイナちゃんに「憎むか?」と問いかけたということは少なくとも自分には憎悪の感情があったということであり、返答曰く彼女らには畏怖の感情のみだった
であればわざわざ運命からの解放の送迎者として憎悪の象徴を選ぶでしょうか。
二部にて合理的判断より感情的判断をしたせいで復讐を果たせなかったハルオがなぜ人類を存続させるという合理的思考にいたったのか。もし自己の解放という利己的な理由をメインにしたとしてもvultureを引っ張り出す理由が説明つかない。
論理的思考と倫理的思考を履き違えてるのかな、とも思いましたが最後には笑ってました
果たしてハルオの最期は言か人かどちらに従ったのでしょうかね
{/netabare}


「この星を一番愛していたのは一体誰だったか」ということで締めます

投稿 : 2024/12/28
♥ : 2

65.1 2 双子で戦いなアニメランキング2位
攻殻機動隊 新劇場版(アニメ映画)

2015年6月20日
★★★★☆ 3.8 (155)
1076人が棚に入れました
2029年3月、総理大臣暗殺事件という戦後最大の事件が発生した。
被害者の中には草薙素子のかつての上司、501機関のクルツもいた。バトーやトグサたち寄せ集めメンバーと捜査を開始する草薙。
「お前たちは私のパーツだ。パフォーマンスを発揮出来ないヤツはパージする」と言い放つ草薙に、「俺たちはパーツか?」と反発するメンバー。
事件の背後にあったのは、戦後の義体開発の行く末を左右する技術的障害【デッドエンド】をめぐる政治的取引。
さらに「洗脳・ゴーストへの侵入・疑似記憶の形成」を一度に行う電脳ウィルス【ファイア・スターター】の存在も見え隠れする。
そして、事件を捜査する中で掴んだ手がかりは、草薙の秘められた生い立ちにも繋がっていたのだった……。暗躍する謎のサイボーグ。
総理大臣暗殺の真相。“第三世界”の存在。その先に待ち構える罠。たった1人で己の“戦場”に向かう草薙は、後に残すメンバーに最後の“命令”を告げる。
「自分のゴースト(魂)に従え」。残された6人が己のゴーストに従う時、はぐれ者の寄せ集め集団は最高のパフォーマンスを発揮するチームへと変化する。
“攻殻機動隊”誕生の瞬間に、世界は震撼する―。

声優・キャラクター
坂本真綾、塾一久、松田健一郎、新垣樽助、咲野俊介、中國卓郎、上田燿司、中井和哉、沢城みゆき、野島健児、浅野まゆみ、潘めぐみ、麦人、宮内敦士、NAOTO

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

【あらそう】セルフオマージュの塊みたいな映画でしたが電脳化、義体化への答えは提示された意欲作では【窓の外だ!】

『新劇場版』と言ってますが95年の『GIS』のリメイクというわけではなく『ARISE』シリーズの完結編という位置づけです
『ARISE』シリーズに登場した人物たちの思惑に終止符が打たれるという内容であるが故に、例え『攻殻』ファンであっても同シリーズを観ていない方にはチンプンカンプンでしょう


逆を言えば『GIS』や『SAC』を全く知らなくても『ARISE』だけ観てればOK
今作に先駆けて『ARISE』をテレビオンエア用に再編集した『AAA』は放送開始当初なぜ時系列をシャッフルしているのか意味が理解出来ませんでしたが、たぶん「あらそう」で始まって「あらそう」で終わりたかったためでしょう(笑)


『AAA』で唯一オリジナルエピソードとなった『PYROPHORIC CULT』はクルツがファイアスターターを完成させる為、と素子の独立攻性部隊に国家予算が降りるキッカケの為、にあった一幕というだけで観ても観なくてもどちらでも


さて『ARISE』シリーズは一貫して人類電脳化、義体化への警鐘を鳴らしてきました
今作ではその答えが出るというカタチの結末となっています
感覚操作の危険性(Pain)、記憶操作の危険性(Whispers)、高度メンテナンスの必要性(Tears)、精神と身体の同一性崩壊の危険性(Stands Alone)
そして最後に今作では電脳の規格が更新されることで規格を選び間違えた義体が救済されること無く朽ち果てていくという【電脳と義体のシェア選択】がテーマ
その答えの鍵を握っているのが産まれた時点で全身義体だった素子、そしてクルツと言うわけ


電脳ウィルス、ファイアスターターに関する一連の事件は『ARISE』シリーズを全部観た方ならクルツが黒幕だとバレバレなわけなんですが、今回なんとそのクルツが密会中だった総理大臣もろとも爆殺されてしまう


荒巻の誘いを断り、独立行動を続ける素子は501機関時代の盟友でありつつ、今作では幼馴染であったことも同時に明かされるクルツの仇討ちを決意し事件を洗いなおしていくのですが・・・


みどころは『ARISE』シリーズから継続して真綾が演じることで血気盛んな若者として描かれる素子
可愛過ぎる沢城ロジコマ


そして今作で注目したいのは満を持してのコドモトコの登場、っていうかまんま子供時代の素子が描かれている
黄瀬総監督自らが描く子供時代の回想シーンは既に今作のクライマックスと呼べるのでは


さらに素子の義体がボロボロになっては更新されていくうちに『GIS』や『SAC』、あるいは原作に近いキャラデザになっていくのがポイント
これはまんまラストカットに繋がっていて、まあセルフパロディみたいなもんでオイラのように思わず笑っちゃうか、旧作が好き過ぎて怒りを覚えるかはその人次第ですかね


中盤ファイアスターターのホストが素子と同型の義体を使っていることから素子VS素子、というトンデモナイ絵面が繰り広げられるのも面白かったです


当初から過去作にも増して愚痴を垂れまくるキャラとして描かれていたトグサの憎まれ口も健在


久々に登場したツムギの大活躍は今作で最も泣かせるシークエンス
それに回想シーンに登場するツムギの幼少期は誰もがびっくりしたことでしょう
野島健児さん本人が一番驚いてましたからね


まあなんやかんや旧作ファンに言われていますが『GIS』でも『SAC』でもない上で“SFサイバーパンクサスペンスアクション”という『攻殻』の本文は全うしたのでないかとオイラは思います
それに話しが、キャラが、と散々文句を言われたとしても“音楽面に関しては完全に旧作と肩を並べてますしね”


強いて言うなら肝心の【攻殻機動隊が結成に至るまで】が描かれるという序文だったはずが、ほとんど成り行き任せで荒巻の下に就いているのが残念
もうちょっと盛り上げて欲しかったのが本音です


それとEXILのNAOTOが演じていたヤツはいてもいなくても良かったのでは?と(笑)

投稿 : 2024/12/28
♥ : 19
ネタバレ

SUGAR MAN さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ロジコマとバトーさん

~~攻殻機動隊シリーズ時系列 (一部劇場版除く)~~
■草薙素子 陸軍501機関所属時代~独立部隊結成まで
・攻殻機動隊 ARISE(ALTERNATIVE ARCHITECTURE)2015年4月 - 2015年6月 (全10話)

■独立部隊結成~公安9課所属まで
・攻殻機動隊 新劇場版(2015年6月20日公開)←この映画

■公安9課のお仕事☆
・攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX(S.A.C.)2002年10月1日 - 2003年11月30日(全26話)
・攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG 2004年1月 - 2005年1月(全26話)
・攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society 2006年9月(OVA)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
というわけで
この劇場版は少佐が独立部隊を結成してから公安9課に所属するまでのお話。

まったく新しいアニメとしてみたらどうなのだろう?
普通に面白くはあるのかもしれないけど、やっぱりS.A.C.が好きすぎるのでarise~新劇場版は比べちゃうとちょっとなと思ってしまう部分もいろいろね。。

音楽もコーネリアスだしもちろん良いんだけど、やはり菅野さんに慣れてしまってるんだよねw

意図的にだとは思うけど
音楽も少佐の性格もあえて無機質にしている感じがする。
S.A.C.はどちらももう少し遊びというか彩りがあって、そこが良いんだけどな。

それより一番気になったのは
{netabare}
arise観てたら黒幕もうわかってるし
あとは独立部隊にこだわってた少佐がどうして公安に入る気になったか、そこんとこちゃんと描いてくれるんだよね!?って期待してたのにそこがほとんど描かれてないっていう^^;
{/netabare}

攻殻の癒し系AIタチコマの前身ロジコマちゃんは相変わらず良い仕事してましたが♪
{netabare}
--------------------
ロジコマ「死んだ人はどうしました?」
トグサ 「どうしようもなかったよ」
ロジコマ「修理が不可能ならデータの回収と復旧をオススメします」
トグサ 「死んだら命もゴーストも復旧できねぇの」
タチコマ「不便なユニットですね。バトーさんは死んだことがありますか?」
バトー 「そのはずだったが全身義体になっちまったのさ」
ロジコマ「バトーさんが少佐のパーツとして働くのは死ぬためですか?」
バトー 「オレみたいないい男はなかなか死なねぇの。わかった?」
ロジコマ「はい。いつも貴重な学習経験をありがとうございます♪」

別のシーンで
トグサ 「みんな生きてるか?」
ロジコマ「死んだら修理できませんよ」
バトー 「いい男は死なねぇんだよ!」
--------------------
{/netabare}

S.A.C.は数年に一度は見直してるけど、そろそろまた見直す時期かなw


~好きなセリフ~
草薙素子「真実にたどり着くか、ここで降りるか、お前たちのゴーストに従え」

投稿 : 2024/12/28
♥ : 2
ネタバレ

ポール星人/小っさ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ちゃんとARISE観終えてからにしてネ

円盤買ったので居間で飯食いながらTVで再視聴したんですが、コレ多分ヘッドフォンで観た方がいいですね。台詞聞き洩らすと思う。
かみさんが想像以上の喰い付きで、どんだけ攻殻好きなんだよと亭主引き気味な感じ(汗)
という事で、若干評価点上げます。

 本作の設定での素子は胎児状態での義体化な訳ですが、紅殻のパンドラの福音は10歳。
義体技術の成熟期にゼロから義体を動かすのと、義体技術の黎明期に一度自らの体を捨てての全身義体への適合ってどっちが難しいのかなとか思ったりすると、やっぱ紅殻って変なアニメですが最高に面白いプロットだったなと。

しかし、作品毎に素子の義体化の時期が違うってのも攻殻と言うコンテンツらしいというか(汗)
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押井版に肉薄する様な名作では無いですが、アニメとしてつまんなくはないと思います。
ただ押井版の"あ、俺なんかいい物見ちゃってる?"的なんか頭良さげなシンプルな美しさと完成度は無いです。別に私G.I.Sディスってませんからね。当時VHS版予約して買ったんすからw
正直、新劇場版は独立した映画としては並程度だと思います。
ARISEのTVシリーズのラストとしては満足ですが、個人的には何度も観たくなるという類の作品じゃなかったです。

 原作の冒頭花見のシーンの前が見たいって人にはお勧め。
なんで台詞を 桜の24時間監視・ヌードバーに連れてってやるぞ から変えたのかは?ですが。そもそもフチコマでないし。
そんなものが居るかは判りませんが攻殻難民が居るのだとすれば、そういう層に向けた作品としてはマズマズな出来な気はします。


 私はミリオタではないので見方間違ってるかもしれませんが、{netabare}序盤の大使館突入いくら何でも大味過ぎ。ファイナルオプションを見てるつもりがニューヨーク1997を見せられたような残念感w
小人数だから力技なのかもしれませんが、扉を抜くのに爆薬でなく連射とかやられちゃうと一気に冷めるというか。あれじゃ人質殺されなかった方が不思議。
アクションとしての見栄えはイイですが、もっと緻密な突入で他の戦闘シーンとの差別化しても良かったような。ド派手な戦闘ばかりで食傷気味なシリーズですし。
監視カメラ等の実行犯直視以外の目が多いであろうこの時代で、内視鏡やデンタルミラーでチマチマ覗く方がリスキーだから力押しって事なんすかね。

事の発端を"人形使い"に安易に直結させず、彼が生まれた情報の海を"第三世界"と表現して世界観の繋がりを意識させる作り自体は納得なんですが、故に原作なりG.I.Sを未見の人には訳ワカメになりそうな映画になっちゃってるのは商売的にどうなのよ?とは思いました。

 ARISEの鮨詰めの1時間程濃密でない作りにしてない訳で、なればこそクルツとツムギとの繋がりの部分はお涙頂戴とは言わずとも情感有る演出多めにしてくれた方が個人的には好みすね。施設の子供達という要素と鉛色の大人社会の構図でもう少し印象深い絵に出来たような。
というかラストでの残された施設の子供達に対し原作のあのセリフ吐く?
救済センターでジメジメしてた彼らと施設の子達って立ち位置がちと違う気がするんですけど。
{/netabare}

 ARISEシリーズの総体としての作りはとても親切で、絵と台詞を漏らさず注視していれば展開と物語に考察が必要とされないのはイイと思います。
その点では時代をちゃんと見てますよね、制作側が。
ただ如何せん、出てくる言葉等が攻殻と言う物を知っている前提なのは苦しいトコというか。
攻殻と言うコンテンツに目新しい魅力が無くなってしまった今、イマイチARISEがウケなかったのは出来云々を別として止むを得なかったのかなと。
私的にはジャンクフードの合間にちょっとイイお肉食わせてもらったみたいな満足感は有りましたです。攻殻が好きな方は見ても悪くないんでないかと。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 13

66.5 3 双子で戦いなアニメランキング3位
テイルズ オブ ヴェスペリア-Tales of Vesperia(アニメ映画)

2009年10月3日
★★★★☆ 3.9 (187)
1047人が棚に入れました
人と魔物の大きな戦い「人魔戦争」終結から数年。人々は根源たる力・エアルによって、繁栄を築き上げようとしていた。帝国騎士団ナイレン隊に所属する新人騎士のユーリとフレンは、先輩である双子の姉妹騎士ヒスカ、シャスティルとともに、シゾンタニアの町を守る任務に就いていた。しかし町にほど近い森でエアルが異常噴出し、凶暴な魔物が増殖する事態が発生。これを深刻に受け止めたナイレン隊長は、独自調査を開始する。

せきひろ^ ^ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

続編見たいです!!

新米の騎士ユーリとフレンは
シゾンタニアという街の
帝国騎士団に所属していた。
彼ら二人と仲間の騎士達が
街の周辺にいる魔物の凶暴化のため
撃退任務にあたっている所から
ストーリーは始まってます^ ^

作画が物凄く綺麗で
魔物との戦闘シーンは見やすくて
短い時間の中でのキャラの
把握もしやすく悪くない展開もあって
物語もあまり理解に困らなかったです!
ゲームはしてないのですが
結構楽しめたと思います(^∇^)

この作品はこっから面白くなりそうな
気がしますし、ユーリとフレンが
どうなるのかとても気になるので
続編やってほしいなーって強く思います!

投稿 : 2024/12/28
♥ : 16

スカイオーダー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

若い騎士団時代のユーリ

ゲームの物語が始まる前の世界が舞台。
ヴェスペリア好きだからこそ苦い回答が多くなってしまいますが、悪しからず。

良評価
・騎士団時代の若いガキの頃のユーリとフレンの姿が見られる。
・私お気に入りのリタっちが、短いながらも登場し、可愛いシーンが見られた
●騎士団を辞めた理由が良い意味で原作と矛盾していた。

残念評価
●ヴェスペリアとは思えないほどシリアスな雰囲気。
●ユーリの魅力が原作よりも薄く、原作の頼れる兄貴分とは違い、ただの問題児という印象が強い。
・楽曲もヴェスペリアらしさが感じられなかった。
・騎士団時代だから仕方がないが、どきどきワクワクの冒険ドラマとは程遠い内容。
・やっぱりユーリは黒い普段着の方がずっと似合う。

内容自体は決して悪くはありませんが、やはり原作のヴェスペリアの方が100倍魅力を感じました。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 2

弑羅魏優夜 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

好きすぎる!!

ユーリかっこいいよ、かわいいよ!!
性格が男前ですね!!憧れます。

全体のストーリがとても見やすく面白かったです。
私はこの映画によってヴェスペリアを知ったのですが
普通に面白かったです。

何度見たことか・・・、飽きません。
聞いた話によると、上映中多い人は20回以上見に行ったらしいですね。
いいなぁ、私ももっと早くに知っておきたかったです。

作画、物語、キャラ、音楽、声優、文句ありませんでした。
鳥海さんすごいいいです!!

サントラずっと聞いてます!!
最高だ!!

投稿 : 2024/12/28
♥ : 0
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