友達で続編なアニメ映画ランキング 4

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の友達で続編な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年09月21日の時点で一番の友達で続編なアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

81.1 1 友達で続編なアニメランキング1位
劇場版 のんのんびより ばけーしょん(アニメ映画)

2018年8月25日
★★★★☆ 4.0 (400)
1800人が棚に入れました
旭丘分校」の生徒はたった5人。学年も性格も違うけれど、いつも一緒に春夏秋冬の変わりゆく田舎生活を楽しんでいます。ある日、デパートの福引で特賞の沖縄への旅行券を当てた「旭丘分校」の面々。夏休みを利用して、皆で沖縄に行く事になるのですが……。

声優・キャラクター
小岩井ことり、村川梨衣、佐倉綾音、阿澄佳奈、名塚佳織、佐藤利奈、福圓美里、新谷良子
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

卓よ、世間ではそれを”ハーレム”と呼ぶんだぜ(笑)

TV版は第1期、第2期とも視聴済み。
TV版と1ミリも違わぬ、安定感抜群のほのぼのほっこりな世界観は秀逸です。

【はじめに】
{netabare}原作の単行本に付属されていたOVA『沖縄へ行くことになった』の前後の物語。
無口なのに存在感抜群の兄ちゃんが福引で沖縄旅行を引き当てるシーンと、全員の服装が同じ辺りからもうかがえる。

OVAでは、『沖縄旅行が当たった~!みんなで行くぞ~!』って、みんなで準備して、飛行機に乗ったところで終了。
あれれ?せっかくの「ひか姉&なっつん」コンビがまさかの不発で、どこか消化不良・・・。
そんな感想だったので、この作品はとても楽しみにしていたんです。{/netabare}

【舞台は日常から非日常へ】
{netabare}夏休み。
まずは、いつも通り4人で遊ぶ光景。
そして、偶然に偶然が重なり、デパートで買い物をする4人とかず姉、駄菓子屋、そして、卓兄ちゃん。
いわば、ここまではいつもの日常。

卓が福引で沖縄旅行を引き当てたところから、物語が徐々に”非日常”へと動き出します。

そして本作の舞台、沖縄へ・・・。
いつもの、山に囲まれた世界(日常)から、海に囲まれた世界(非日常)へと・・・。{/netabare}

【沖縄でも”らしさ”全開の面々】
{netabare}まあ、舞台が変わったとはいえ、いつものメンバーですからね。
ほのぼのほっこりワールド全開です。

面々の”らしさ”は何気ないシーンでもしっかりと描かれています。

個人的に一番ほっこりしちゃうのはバトミントンで遊ぶシーン。
れんげとバトミントンをする蛍。
あちこちに打ち返すれんげに振り回されながらも、れんげが打ちやすい位置に打ち返す蛍。
れんげに対して、しっかりとお姉さん役を果たす蛍らしさが良く表現されているシーンだと思います。

飛行機や食事の時の座席など、絶妙で良く考えられているし・・・。

終始ニヤニヤ、頬が緩みっぱなしです(笑)。{/netabare}

【唯一、いつもとは違うメンバーが、良いアクセントに!】
{netabare}民宿「にいざと」の看板娘・あおい。
夏海と同じ中学一年生。

民宿のお手伝いをする、しっかり者のあおい。
夏海にとっては、とても気になる存在。

夏海にとっては、同じ年齢の娘は”非日常”。
気になって当然ですよね。{/netabare}

【旅行の醍醐味の表現が秀逸】
{netabare}旅行の醍醐味の一つは、いつものメンバーで非日常を体験すること。
そして、最終日に感じる、得体の知れない”寂しさ”も醍醐味の一つだと思います。

あおいの存在が、旅行の醍醐味である、”楽しさ”と”寂しさ”を、分かりやすく伝えてくれます。{/netabare}

【個人的ツボ=ひかげの存在】
{netabare}フライング土下座~飛行機でビビる~難聴でグダグダ~子供部屋で床寝~船酔い~天然記念物~大人部屋でも床寝~ベット死守~泣いてねぇし・・・。
終始安定のボケ要員。
「ひか姉&なっつん」コンビは鉄壁(笑)。{/netabare}

投稿 : 2024/09/21
♥ : 39
ネタバレ

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

上映館が倍以上に増えるようです!

初日の舞台挨拶は抽選漏れしたため
翌日にあにこれ面子と一回目
今週の舞台挨拶には当選したので
舞台挨拶付きで2回目を観てきました

そんなかんじで初めて観た日は
アニサマ全通の3日目に
会場に行く前に新宿まで寄り道して観たのもあって
かなり疲弊した状況での鑑賞となりました

しかし、この最上級の癒しアニメのおかげで
だいぶ活力を取り戻して3日目へと向かえたように思います

ふだんののどかな田園風景とは舞台は違えど
やっていることはいつも通りの
ゆったり日常アニメ
ゲストキャラクターのあおいちゃんとの
ハートフルな交流もあったりと
とにかく沖縄の情景がとてもきれいに描かれていて
なんだかキャラクター達と一緒に
沖縄旅行を楽しんでいるような気分になりました

あとはサブキャラクターのくせに
{netabare}ジャンピング土下座にはじまり
難聴ネタ
ふとん
リバース
天然記念物
泣いてねーし!{/netabare}
と要所要所でギャグ要員として出動し
美味しいところを全部持っていくひかげに
今回はかなりやられましたw
ほんといいキャラしてる

そしてあまり間を置かずに2回目を見に行ったわけですが
舞台挨拶は置いておいても
2度目の鑑賞でも1回目と変わらず癒されたし
楽しく見れました

そして今は久々にTVシリーズを見返したい思いに駆られています
1期2期ともにdアニメにあるので
今期のアニメをいくつか切れば見れるけどどうしよう?

閑話休題

この映画かなり見れる劇場が少なく
基本的に都会の映画館でしかやっていない感じでした

隣の芝は青いと言いますか
田舎の人は都会にあこがれ
都会の人は田舎にあこがれるものです

のどかな田園風景とゆったりしたスローライフに
まるで異世界ファンタジーでも見るような感覚で
憧憬の念を抱くのは基本的に都会の生活に摩耗しきった層なので
都会に絞っての公開は戦略的に正しかったと思います

この戦略が吉と出たのかどうかは定かではありませんが
館数からするとかなり好調な収益を上げているようで
今回の舞台挨拶にて上映館が27scrから71scrへと
大幅拡大されることが発表されました

特に東北と九州は仙台と福岡で1館づつの上映だったものが
各県で1~2か所みられるようになり
だいぶ見やすくはなってるんじゃないでしょうか?

もし今まで観たいけど近くでやってないからと敬遠していた方がいれば
ぜひもう一度上映館情報を確認しなおすことをお勧めします

この後全国でさらにヒットすれば
劇場版をもう一作
あるいは3期の制作なんて話になるかもしれません
応援のためにもみんなでぜひ観に行きましょうw

おまけ(舞台挨拶内容・ネタバレ含)

{netabare}今回はれんちょん役の小岩井ことりと
なっつん役の佐倉綾音が登壇
映画に関してのちょっとした裏話などをしてくれました

あやねるの話で面白かったのは
夏海とあおいの関係について

あのど田舎の生活では
同い年の子供がまったくいなかったので
夏海にとってあおいは初めての同い年の友達
そして初めて仲良くなった同い年の子と
出会って数日で別れなくちゃいけない
「ほんと切ないよねー」
と、こっこちゃんと頷き合ってました

こっこちゃんは演じる際に考えていたことを
いくつか話してくれましたが
中でもハッとさせられたのは

TV版ではひらたいらさんとの別れを悲しむれんげを
夏海がなかなかにニクい形で元気づけていました
今回の映画であおいとの別れを悲しむ夏海を
れんげが慰めるシーンは
れんげが夏海に教わったことを
夏海にお返しするシーンだと思っているというお話
言われてみるとなるほどという感じで目からうろこでした

りえしょんみたいに難しいことは何も考えてなくて
それでいて感覚的に何でも器用に演じれてしまう人もいれば
こっこちゃんみたいに一つ一つのセリフの意味を
自分なりにあれこれ考え抜いた上で演じてる人もいる
っていうのが面白いですねw{/netabare}

投稿 : 2024/09/21
♥ : 33
ネタバレ

はあつ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

残暑お見舞いなのん~

テレビアニメ「のんのんびより」のファンムービーとしては期待を遥かに上回る出来映え!
美しい自然と可愛く楽しい女子キャラたちによる極上の和みと癒し。
ストーリー性も充分あり、70分という、映画としては短めの尺ながら満腹度は100分以上の長編並みに感じる密度の濃さがありました。
作品の魅力が存分に表され、テレビ版を未視聴の方でも、日常癒し系アニメの人気作たる所以に納得し楽しめるのではないでしょうか。

《ストーリー》

旭丘分校の生徒たちをはじめとする田舎の村民9人の沖縄旅行顛末記。
ユーモラスなキャラたちの個性に沿った小ネタ満載の展開にニヤニヤと和むことしきり♪
そんな中にしっかり描かれる、脚本・吉田玲子さんお得意の、ちょっぴり切なくも心温まるハートウォーミングなエピソード。
のんのんらしい優しさもたっぷり伝わり大満足です!

《作画&演出》

テレビ版と同じく手書きの自然風景は美しく、キャラ画との親和性も高くて目の保養になります。(特に夜のワンシーンにうっとり!)

本作のシリーズを通して川面真也監督の演出面でつくづく感服するのは、シーン毎の間尺の取り方。
今回の映画でも、静止したキャラを見せられる度に笑い声や涙をこらえるのに必死になり、長回しで映る自然風景や建物などの器物を見てるだけでうっとりと癒されたり感慨に襲われてしまう。
しっかり情感を汲み取れる時間を充分とりながらも、決して間延びを感じさせないのは卓越した手腕ですね。

《音楽》

テレビドラマと同じくnano.RIPEさんによるOP。
nanoさんは作品に合わせた曲作りが上手く、海をイメージさせるサウンドでバカンスへの出発気分を盛り上げてくれました。
そしてこれまた同じくキャラ4人によるEDは、バックで場面を振り返りながら名残惜しい余韻に浸れました。

また、劇場ならではの音響システムで、水しぶきや波の音、無数の虫の音に包まれながら美しい景色を眺めてると、マイナスイオンのシャワーを浴びながらキャラ達と共に大自然の中に居るような幸せな気分になれました。

《キャラ》

今作では、なっつんこと夏海が一番活躍?
メンバーそれぞれの個性で笑わせてくれる中、いつもはからかい上手の彼女にキュンとさせられます!

あと個人的に一番楽しめたのは宮内三姉妹。
末っ子れんちょんの才能と感受性の豊かさは要所に描かれ、ホント、将来が楽しみな小学1年生。
長女かず姉には、意外な一面に驚きつつ楽しめました。
そして、キャラたちのお笑いの中でも突出してたのが次女ひかげ。
可愛い一面も見せ、今作のR-1グランプリ受賞でしょう♪

《声優さんの舞台挨拶初見学記》

今回、映画上映後にれんちょん役の小岩井ことりさんとほたるん役の村川梨衣さんの舞台挨拶を見る事が出来ました。

幅広い年代の250人程度の観客のほとんどは男性で平均年齢35歳といったところ。
小岩井さんの生「にゃんぱす~!」で始まるおふたりのトークは、村川さんの盛り上げ方も上手で、アニメ関連イベント初参加で変に緊張してた私も和やかな気分で楽しめました。

村川さんの地声は、ほたるんより「ヒナまつり」のアンズっぽく聞こえ、個人的に好きなキャラ声を生で聞けるのはテンション上がる~!
作品の架空の田舎の事をキャストみんなで「(仮)のんのん村」と呼んでるそうで、制作現場の楽しい雰囲気が伝わりました♪

小岩井さんのトークで、 {netabare} れんちょんがスケッチをプレゼントした夏海への気遣いについて、「テレビ版のひらたいらさんのエピソードで、夏海が機転を利かせてれんちょんを元気づけた事に繋がってる」と言われ、 {/netabare}私の感想も深まると共に、小岩井さんの作品への思い入れを強く感じました。


観光地の旅行先がメイン舞台なので、田舎の「のんびりさ」だけが成分不足ですが、それを補う「強壮バカンス成分」がてんこ盛り。
この夏の暑さを和らげるくつろぎと癒しの清涼剤をぜひご一服どうぞ~♪

投稿 : 2024/09/21
♥ : 34

73.8 2 友達で続編なアニメランキング2位
劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥き夕闇のスケルツォ(アニメ映画)

2022年10月22日
★★★★☆ 3.9 (100)
492人が棚に入れました
世界初のVRMMORPG(仮想大規模オンラインロールプレイングゲーム)「ソードアート・オンライン」のプレイヤー1万人がゲームの世界に閉じ込められてから1カ月以上が過ぎた。鋼鉄の浮遊城アインクラッドの第一層を攻略したアスナはキリトとコンビを組んだまま、最上階を目指して旅を続けていた。情報屋アルゴの協力もあり攻略は順調に進んでいるかに見えたが、トッププレイヤー集団「ALS(アインクラッド解放隊)」と「DKB(ドラゴンナイツブリゲード)」という2大ギルドの対立が勃発。死と隣り合わせの日々の中、アスナとキリトは攻略とはまた別の脅威に巻き込まれていく。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

アスナ育成計画の指針

《アインクラッド》第5層

リソースの均等配分を主張する《ALS》(アインクラッド解放隊)
精鋭による早期攻略を主張する《DKB》(ドラゴンナイツ・ブリゲード)

2大攻略ギルドの対立、さらに混乱を煽るPK(プレイヤーキル)集団。
狭間で奮闘するアスナ、キリトたちの活躍を描いた劇場版再起動(リブート)作品第2弾。

【物語 3.5点】
興味深い可能性が数多く示唆……。
が、これ伏線回収されるの何十年後ですか?(汗)


後に《血盟騎士団》へと収束していくであろう攻略ギルドの政治力学。
後にSAOサバイバーたちにトラウマを植え付けるであろうPK集団の萌芽。

加えてアスナ視点については、友人の情報屋アルゴ、
本シリーズのオリジナルキャラ・ミトを合わせ鏡に活用し解像度アップ。

アルゴとの入浴シーン。
{netabare}女の子二人の風呂場での水着バトルに、つい目を奪われてしまいますがw
あのシーンで肝心なのは、キリトがソロでありながら、アスナに気があるからつるんでいると指摘する、アルゴのとっておきの情報。{/netabare}

ミトについて。
{netabare}アスナVSミトのPvPは印象的な場面ですが、
それ以上に興味深いのが、決着後の、キリトとミトによる今後のアスナについての“保護者対談”。
急成長するアスナを誰かが見守り、攻略組の大規模ギルドの中心として開花させねばならない。{/netabare}
要素を先取りしてアスナの成長度や可能性を示すミトの使い方が上手かったです。

アルゴとミトで指摘したアスナの行く先には、
後の《血盟騎士団》副団長・アスナとソロプレイヤー・キリトは互いに好意を寄せ合いながら、一旦、袂を分かたねばならない。
という転機が待っていると思われますが、そこを織り込んだシナリオはファンならば興奮させられます。


が、ここまで10年で7層の原作外伝小説の刊行ペースでは、解答はいつになるのやら。
そもそも作者が不老不死にでもならない限り、完結すら不可能に思えて気が遠くなってきます。
この辺りが私が原作3巻で挫折している理由ですが(苦笑)
初めて未読組としてアニメ鑑賞する『SAO』は新鮮ではありました。

ただ、アニメ化のネタとしては、今後も原作数巻ごとに、ファン以外にも楽しめるだけの要素が十分にストックできるまで。
或いは原作中で大きな動きや傑作エピソードが生み出されるまで。
という方針になるのでしょうか。

本作を“原点の集大成”として『~プログレッシブ』劇場版企画は一区切り。
次の劇場版は完全新作オリジナルで制作するという判断は間違っていないと思います。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・A-1 Pictures

構成上、二回繰り広げられたボス攻略戦の作画は気合十分。
5層ボスに至っては{netabare}部屋そのものがボス{/netabare}なので、背景も一体となってバトルを盛り上げます。

アルゴの俊敏な動きで爪で引っ掻き回すスタイルも再現度上々。
ミトの鎖付き鎌という変則的なスタイルについても、前作以上に活用できていました。


光と影のコントラストによる色彩の美しさにも惹き付けられます。
私はIMAXで劇場鑑賞しましたが、できるだけ黒の違いを表現できる規格で体験することをオススメします。


【キャラ 4.0点】
株を上げたのがキバオウ。
元・ベータテスターを僻む、身勝手なキャラとしてのイメージが流布している彼。  
今回は、攻略組精鋭に取り残されたプレイヤーの意見を代表する公の顔と、
“ビーター”として憎まれ役を買って出る“キリ坊”の事情も汲む私の顔を使い分ける柔軟性を見せる。
人望ある政治家として有能だったキバオウという驚きの事実。

この本音と建前をキリトは弁えていますが、
純粋なアスナはキリト君が損な役回りで傷ついてばかりと嘆く。
ボタンの掛け違いが切ないです。


情報屋アルゴを映像で補給できる待望作。
隠密行動キャラのイメージが先行していたアルゴですが、
正面切っても強いトッププレイヤーだったことが判明。
この先、レベルが上っても生き残って暗躍してくれそうです。


その他、エギル隊をたっぷり補給できたのも、エギル推しの私にとっては望外の喜びでした。


【声優 4.0点】
アルゴ役の井澤 詩織さん。
ケモノじみたマスコット成分もカバーした飄々とした口調で、軽妙な情報屋を表現。
ただ私は『メイドインアビス』2期を観終えた後だったので、
「オイラ」がどうこうと絡んで来るアルゴが、同じく井澤さんが演じるナナチに見える幻覚がw
できればアルゴの一人称は「オレっち」で統一するようお願いしたいですw

後のPK集団首魁〈PoH(ぷー)〉役の小山 剛志さんも「イッツ・ショー・タァーイム」と登場して来るので、ボス攻略してからも油断できません。
配下のジョニー役・逢坂 良太さんに加え、
小林 裕介さんも病んだ怪演で、両ギルドを離間する工作員役として新登場しブラック増量。


【音楽 4.5点】
劇伴は、前作に引き続き、梶浦 由記氏によるフィルムスコアリング。
5層ボス戦もまた複数のBGMを緩急織り交ぜて切り貼りして連続させる献身的な構成。
今回は楽曲群全体をピコピコと共通するアレンジも散りばめて繋ぎ、
長いバトルシーンの緊張感を維持。

音響監督も岩浪 美和氏が続投。
スピーカーの位置までおさえた調整力で鑑賞者の“フルダイブ”を好アシスト。
ここもできれば、立体音響にこだわった環境で体感することをオススメします。

ED主題歌は藍井 エイルさんの「心臓」
作詞・作編曲にヨルシカ・n-bunaを迎え、
大仰なストリングスを廃し、ピアノとバンドサウンドに純化した垢抜けた一曲。

今回、特にEDクレジット後のパートはありません。
が、“2人は雲を抜けたあの彼方へ”
ED映像の最後にあのカットを持ってくるのはファンにとってはエモいし、ズルいです。

投稿 : 2024/09/21
♥ : 22
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

正妻の本領発揮

【紹介】
ソードアート・オンライン プログレッシブの映画化2作目です
星なき夜のアリアから続く話なので前作を視聴してから見てください
SAO本編は見ていなくても楽しめる作りになっていますが、アインクラッド編の1層1層を濃密に描写しているのでファン向けの映画だとおもいます

【感想】
今回も妹と一緒に見に行きました、男女比は8:2くらいかな?
とても面白かったです! 作画や演出、音楽は毎回すごいしシナリオも良かった!
SAOのファンなら是非見て欲しいです

本編だけだとアスナやエギルやアルゴといつの間にこんなに仲良くなったの?っていうのが良くわからなかったけど、その部分がちゃんと描かれているのが嬉しかったです

シナリオは良かったけど話の内容に劇場版感はあまりなくて、ふつうのアニメ2~3話分って感じなのでTVアニメでやってくれればいいのにと思っちゃいますが、低予算になったときにガッカリするのでこれでいいのかも?

{netabare}
見どころは階層ボス戦の絶望感で、ラスボスかっ!!ていいたくなるような意地悪な攻撃パターン、これ絶対誰か死ぬやつでしょ・・・
キリトやアスナは大丈夫ってわかるけど、味方キャラクターはなんか死亡フラグ立ててるし、生き残る保証がないのですごく緊張感がありました

それからキリトとアスナの絆は前作に引き続き丁寧に描かれていて、ここまで相棒感出されると他の女の子は勝てないですよね

あとはキバオウさんの株が今回爆上がり!
これも本編だと最初にいがみ合っていたけど、そのあとどうなったの?って思っていたんですよね、確か生存者リストにキバオウさんの名前はしれっと入っていたので生き残ることは知っていたんですけど
それが今回の映画ではとてもいい役回りをこなしていて好きになりました
{/netabare}

投稿 : 2024/09/21
♥ : 23

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

アスナ最高。ファン向けと割り切れれば結構良かったです。

 プログレッシブは前作の奴はミトというどうでもいいサブキャラに焦点があったって「なんじゃこりゃ?」でした。が、今回は「アスナ萌え」のファンムービー、あるいは2次創作といってもいいでしょう。1作目の方向性から少し方針を変えたのでしょうか。エンタメに振り切っている分、好感が持てます。

 アスナのミニスカ絶対領域と入浴シーン、そして顔芸と絶叫、ウザ可愛いアスナを堪能したい諸兄にはなかなかいい出来なのではないでしょうか。別に茶化しているわけではなく、どうせ結末がわかっているアインクラッド編です。シリアスよりも今回のようなお話のためのお話でアスナ萌えする方がむしろファンに寄り添っていると思います。

 そして私はアスナのファンですので、当然楽しめました。

 作画がかなりいいです。光の使い方がうまくて迫力がある映像でした。時間は100分と少し長い気もしますが、それほど冗長感はありません。冒頭の戦闘シーンはなかなか見ごたえもありましたし、地下のシーンは面白かったです。エンタメとして割り切ってみればレベルは高いと思います。

 今までこの手のTVのスピンオフ的な作品は劇場でお金を出す価値がない、と思っていたのですが「ガンダムシードフリーダム」でやらかしてもらって以来、好意的に見ることができるようになりました。今回はアマプラで見ましたが、この作画レベルで100分間劇場で見られていたら、もっと満足度が高かったかもしれません。

 今や田舎暮らしの私ですら家から30分で4か所もシネコンがある状況ですので、3時間あれば空いた時間で1本楽しめます。劇場版を肯定的に見てエンタメとして楽しむのもありかな、と思います。そういう点で、本作はとてもいい出来でした。

 それと音楽ですね。今回なんかとてもよかった気がします。それも劇場で見ればよかったと思う原因です。

 話は3。キャラと音楽は4。作画は5。声優は4.5とします。そして評価点より主観的な満足度が高い映画でした。

 

投稿 : 2024/09/21
♥ : 8

75.0 3 友達で続編なアニメランキング3位
青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない(アニメ映画)

2023年12月1日
★★★★☆ 4.0 (56)
289人が棚に入れました
卒業式を迎えた高校三年生の恋人、桜島麻衣を待つ梓川咲太の前に、子役時代の麻衣によく似た小学生が現れる。そんな不可思議な体験を思い返していた咲太のもとに父親から電話がかかってくる。咲太の妹、花楓に起きた出来事を受け止めきれず、長期入院していた母親が、花楓に会いたいと話しているという。母との久しぶりの対面に緊張を隠しきれない咲太の体に見慣れない傷跡が現れる。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

咲太の母性への渇望が思春期症候群の女たちを引き寄せたのだろうか?

【物語 4.0点】
『青ブタ』《高校生編》完結編。

梓川家の家庭の事情に踏み込んだ今年6月公開の前作『おでかけシスター』とあわせて、
ひとつのホームドラマとして捉えた方が良い2作品。

そもそもスタッフ陣はTVアニメ版+劇場3作品とあわせて、
《高校生編》全体を2クール相当のイメージでシリーズを構成したとのこと。

鑑賞者もまた各々が目的意識を持って能動的に“観測”しなければ、
拾え切れない要素が多々あるファン向けの集大成。

今回は咲太自身も認識していない家族に関する心の問題を取り扱うため、
解決も一筋縄では行かず、伏線も繊細で観測の精度も高めて行かねばならないですし、
鑑賞者もまた咲太と一緒に悩み苦しむことにもなるでしょう。

前作『おでかけシスター』では上手に憎まれ口を叩く咲太の軽妙なトークに笑わされるシーンもあって、
今回も相変わらず咲太は軽口を叩いては麻衣さんに足を踏みつけられるわけですがw
本作は自分自身と向き合う咲太の葛藤と濃厚な人間&家族ドラマを、終始、神妙な面持ちで受け止める感じ。

私にとっては、咲太が思春期症候群の少女たちを引き寄せてしまうのは、
ラノベ主人公少年の補正だけじゃない。
むしろ咲太が抱えた思春期症候群が一番根深いと感じていたので、
その解答編ともなる本作は待望の一本かつ濃密な75分でした。

咲太がもつれた心の糸を解きほぐした先に示されたラストシーンには感動しました。


伏線には《高校生編》グランドフィナーレに向けた物と、
シリーズの今後を示唆する物があり。
その仕分けと方向性も示されるエンドロール後まで離席せず見届けましょう。
(※核心的ネタバレ?){netabare} 麻衣さんも怒り出す成長した翔子ちゃんのセクシー水着ショットin沖縄。心待ちにしておりますw{/netabare}


【作画 4.0点】
アニメーション制作・CloverWorks

量子力学などに基づいたファンタジー要素を組み込みながら、
日常生活場面も数多く描いて来た本シリーズ。

炊事、洗濯、買い物、ゴミ出し。
咲太はお兄ちゃんとして当たり前に母親の代役をこなして来たわけですが、
これって考えてみれば簡単なことじゃない。
高校生がバイトもしながら家庭と妹も守る。
高校生の頃、しばしば家族に叩き起こされなければ目覚めることもままならなかった私から見ればw咲太は凄く頑張っています。

ともすれば“つまらない邦画”と揶揄されがちな生活感を醸した日常カットを、
近2作品だけじゃなく、シリーズ通じて淡々と積み重ねて来た。
だからこそ一見地味な本作の会話劇が心揺さぶられる物になる。

『青ブタ』は本質的に地に足の付いた人間ドラマだということを、
作画も理解していたのだと感じ入りました。


【キャラ 4.5点】
キャラクタークレジットにおいて、咲太の両親は一貫して咲太の父、咲太の母と表記されます。
作中、特に家庭に入った女性は実名ではなく何々さん家のお母さんと呼ばれる。
全てが子供中心になる現実を指摘されて、
盲点を突かれた私は客席で思わず声を上げそうになる程の衝撃を受けました。

決して面倒だから主要キャラの父母に名前を与えなかったわけじゃない。
楽してると非難されがちな専業主婦だって頑張ってるし様々な葛藤がある。
考え抜かれたキャラ造形に脱帽です。


レビュタイで示した通り、主人公・咲太における母性の欠落に特に注目して鑑賞した私。
絶好の位置から観測した{netabare} 麻衣さん{/netabare} の母性愛。悶絶しました。


あとは{netabare} キスに向けて興奮が高まった咲太&麻衣{/netabare} のとばっちりで風呂上がりにも関わらず電話を取らされれた花楓。
かえでが電話に出るのもままならなかった頃を思うと、
当たり前に電話応対する花楓に、私はラブコメの波動よりも感慨深さを覚えてしまいます。


【声優 5.0点】
咲太の父役の志村 和幸さん。咲太の母役の亀岡 真美さん。
吹き替え等のキャリアも積み重ねて来た二人の人間味のある妙演。
キャスト陣の土台が安定していたことがホームドラマ色の強い今年の2作品を支えていました。

その上で主演・梓川咲太役の石川 界人さんらキャラを掴んだ声優陣たちの熱演。
上記のラストシーン。感動させられたのは演技に寄る所も非常に大きいです。
最後は(※核心的ネタバレ){netabare} 母との関係を取り戻した咲太と母、花楓3人の泣きシーンに。
通常は横で泣いている演者の声と、セリフを入れる演者の声は別録にして、後で調整するのがセオリー。
ですがテストの出来が素晴らしかったので音響監督・岩浪 美和氏の判断で急遽同時収録に切り替えたそうで。{/netabare}
リアリティのある生々しい家族愛まで再現できる最近のアニメ声優の実力。

アニメ映画にて俳優・タレントを起用する監督・スタッフの言い分として、
この俳優のナチュラルな演技が欲しかったんだという主張をよく見かけます。
近年までは私も一理あると感じていましたが、本作みたいな演技を目撃してしまうと今のアニメ声優には役者として俳優の領域まで十分カバーできる可能性があると考え方が改まります。

この演技は俳優じゃないと……と言われるなら、まず本作を観て、最後のシーンを聞いて頂きたい。
それくらいインパクトのある好演だったので、
ここは私も滅多に付けない声優5.0点を付けさせて頂きます。


【音楽 4.0点】
劇伴はfox capture planが《高校生編》シリーズ完投。
会話劇を邪魔しないピアノの心情曲などで作品を下支えして来たBGMですが、
ドラマ成分が強い今回は特に静かに、時に無音のシーンも目立った印象。

ですがクライマックスでは岩浪音響監督のオーダーで、シリーズ最長の劇伴を用意し盛り上がりを好アシストしてくれます。
『ガルパン』砲撃爆音調整の大技だけじゃない、
人間味を引き出す繊細な調整でドラマを演出する小技も冴えるのがこの音響監督の懐の深い所。


ED主題歌は「不可思議のカルテ」でこちらも《高校生編》シリーズ完投。
完投能力のあるテーマソングは早々生み出せる物じゃないので、
今後、制作が決まっている《大学生編》での起用も望みたいです。

投稿 : 2024/09/21
♥ : 19
ネタバレ

lumy さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

レビューが書ける喜び。

原作未読、1期と劇場版2作は視聴済み。

いつもは映画館で作品を観たら即日レビューを書くのですが、
本作は1日寝かせました。
視聴後の衝動的な気持ちはなかったですが、
余韻がじんわりと残る、そんな内容だったからです。

劇場版としてのまとめ方は、1作目がパーフェクトだったでしょう。
(あぁ、映画館で観たかった・・・。)
2作目はステップ、そして本作がジャンプに当たるわけですが、
とびきりのジャンプではなく、
スタッと、落ち着くべきところに落ち着いた、そんな印象です。
落ち着かせ方が少々、大人しい感じもありますが、
本作のテーマが {netabare} 咲太が大人になる話 {/netabare}なので、
劇場版の完結としてはふさわしい終わり方だったと思います。

また、前回はあまり出番がなかった麻衣さんですが、
本作は如何なくその正妻ぶりを見せてくれるので、
安心して麻衣さんに身をゆだねてください。

劇場版1作目から長らく動きがなかった青ブタですが、
ここにきて次々と続編が作られて嬉しい限りです。
こうしてレビューを書けるなら、劇場版をきちんと映画館で鑑賞して、
お布施を払っても全然損はないですね。

でも次は、テレビ放送でお願いしますw

投稿 : 2024/09/21
♥ : 13
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ランドセルガールは水先案内人

原作未読 75分

青春ブタ野郎シリーズの最新作です。

ポスターなど見たらメインヒロインの桜島麻衣さんがメインのお話がかと思いましたが、主人公の梓川 咲太くんの思春期症候群のお話でした。

そう言えば、他のヒロインたちのお話はありますが、咲太くん自身のお話は、なかったと記憶しています。

いつも惚けてあまり本心を見せない咲太くん {netabare}、今回は {netabare}母親の件で {/netabare}、今まで心に仕舞い込んでいた想いが一気に爆発致します。
{netabare}
誰もが存在に気づかなくなったとき、一番最初に気づいたのが麻衣でしたね。流石です。

そして、母親が咲太くんの存在に気づいたとき、一気に感情が爆発しましたね。花楓ちゃんと病室での三人のシーンはこちらもウルウルしてしまいました。
{/netabare}
何点か疑問に残ることもありましたが、 {netabare}(ランドセル姿の麻衣さんが咲太くんの水先案内人になったのか?母親が咲太くんの存在に何故気がついたのか?などなど) {/netabare}終わり方はとても良かったです。

そして伏線のようなことが残りました。 {netabare}(別世界の赤城 郁実さん、何かありそうですね。) {/netabare}

主題歌は、前回に引き続き「不可思議のカルテ」、今回はヒロイン全員で歌っています。

最後に、青春ブタ野郎シリーズ大学編アニメ化決定!できればテレビ放送でお願いしますw

投稿 : 2024/09/21
♥ : 14

75.1 4 友達で続編なアニメランキング4位
劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト(アニメ映画)

2021年6月4日
★★★★★ 4.1 (67)
232人が棚に入れました
「スタァライト」――それは遠い星の、ずっと昔の、遙か未来のお話。この戯曲で舞台のキラめきを浴びた二人の少女は、運命を交換しました。「二人でスタァに」「舞台で待ってる」普通の楽しみ、喜びを焼き尽くして、運命を果たすために。わずか5歳で運命を溶鉱炉に。――危険、ですねぇ。やがて二人は再会します。一人は悲劇の舞台に立ち続け、もう一人は飛び入り、引き離され、飛び入り、二人の運命を書き換えて……キラめきに満ちた新章を生みだしたのでした。もう目を焼かれて塔から落ちた少女も、幽閉されていた少女もいません。ならば……その新章の結末は?「スタァライト」は作者不詳の物語。キラめきはどこから来て、どこに向かうのか。そして、この物語の『主演』は誰か。私は、それが観たいのです。ねぇ――聖翔音楽学園三年生、愛城華恋さん?

声優・キャラクター
小山百代、三森すずこ、富田麻帆、佐藤日向、岩田陽葵、小泉萌香、相羽あいな、生田輝、伊藤彩沙
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

凄惨なる青春の滅却処分

【物語 4.0点】
心情説明を非日常的な口上、台詞で表現する様式が確立された歌劇の延長線上にある
“舞台少女”たちが剣戟等も交えて演じる“レヴュー”
その特性を生かして並の青春物では斟酌しきれない思春期心理まですくい上げて、
荒々しいけど、何か見逃せない独特のムードを提供してきた『レヴュースタァライト』

完結編となる本劇場版が題材とするのは卒業前、進路決定に悩む乙女心。
ただでさえ波乱が巻き起こる青春のターニングポイント。
これをレヴューの論理で表現となれば火力は最大化。

卒業までに決着を付けたい、アイツとの心のわだかまりがある。
舞台少女の輝きをもたらした、あの娘との親愛でさえも、
舞台人として次のステージに進むには捨てねばならない枷となる。

構成は前半は各種青春の葛藤の燻り。
愛城華恋と神楽ひかり。メイン二人の幼少期の馴れ初めから運命を再提示し場を暖めた上で、
後半は“ワイルドスクリーンバロック”と称したレヴューの連戦により、
各カップリングのぶちまけられた本音が、熱戦と化す怒涛の展開。

舞台も舞台少女も、
嫉妬も、羨望も、依存も、執心も、
熟れた青春の果実たるトマトも、
約束と運命の象徴たる東京タワーも、

爆  発  だ  !!

精算対象は舞台少女を観劇し続編を欲求する鑑賞者のメタファーたるキリンにまで及ぶ。
もはや鑑賞者も傍観者ではいられず、燃え盛る舞台上に引きずり出される。

そして完全燃焼の先にある新生。

圧巻の青春エネルギーに焼き尽くされる至福。

わかります。

【作画 4.5点】
アニメーション制作はキネマシトラスでシリーズ完投。

延焼する青春パワーはもはや学園地下に潜むレヴューの舞台空間に収まらず市中にまで漏出。
“場外乱闘”となった開幕レヴューでは、{netabare}電車上の激闘で、苛烈な殺戮表現に踏み込むだけでなく、
「私たちはもう 舞台の上」「舞台少女の生と死」「列車は必ず次の駅へ では舞台は」{/netabare}
といったキーワードを舞台演出で暗喩する映像で刻みつける強烈な先制パンチ。

後半のレヴュー連戦では、各カップリングの心象世界が突き抜け、
{netabare}清水の舞台から飛び降りるデコトラ伝説だわ、オリンピックが開幕するわ、{/netabare}
まさに百花繚乱。デザインは複雑化し、作画も高カロリー化するが、
{netabare}10年破られないデコトラを!{/netabare}と意気込む3DCGスタッフなど謎の執念wにより全受け。

盤石な土台の上に“メイン興行”たる華恋VSひかりの王道レヴューが、
{netabare}ぶった切られた東京タワー上部が頭からポジションゼロに突き刺さる{/netabare}
エネルギー有り過ぎな映像で浴びせられる力強い構成。


インパクト大なのは{netabare}アルチンボルド風の静物{/netabare}と化したキリンの風貌。
舞台少女たちが次のステージへ進む糧となる覚悟を作画でも表現し、
燃焼する舞台にさらに薪をくべる。


【キャラ 4.5点】
舞台の夢を追いかける優等生の心理を改めて掘り下げる。

中学時代の華恋に向けられた同級生の評判が象徴的。
舞台少女たちの経歴を表層だけ字面にすれば、
大抵の同年代が進学先すら決められない中、
若くして目標に向けて励む彼女たちは眩しすぎるスタァ。
が、その深層には、ひかりちゃんとの約束だけを支えに舞台に上がり続ける華恋など、
案外子供じみた脆さが混在していたりする。

冒頭、{netabare}ひかりと離別した寂しさが溢れた華恋の演技が、
クラスメイトの胸を打つ{/netabare}場面も、
舞台少女としての輝きの喪失が、新たな舞台人としての輝きを生むという意味で皮肉かつ示唆的。

この青春心理の表層深層がより高解像度で描き分けられたキャラクター造形が、
華恋&ひかりだけでなく、各舞台少女、カップリングまで徹底している。


各レヴューは互いに死力を出し尽くしたシーソーゲーム後に決着する王道バトル。
連れて舞台少女が心の奥底に残った澱(おり)まで出し尽くし、
これが得も言えぬ清々しさに繋がっている。


私の推し・星見純那も、より尊くなり嬉しいです。
有名作家の引用という表層がレヴューで指弾され吹き飛ばされた後に口にした
{netabare}「殺してみせろよ 大場なな」{/netabare}
全く知性も理性もあったもんじゃありませんがw
心の底から吐き出された自分の言葉にはどんな名言よりもゾクゾクさせられます。

【声優 4.0点】
TVアニメ版では、一部キャストらに日常会話の固さ等が散見されましたが、
本作では大分馴染んで来たのか、歌や口上と会話劇(痴話喧嘩?)との往復もスムーズで、
レヴューの完成度向上に貢献。

そんな中、ひかる役の最年長声優・三森 すずこさんの若々しさには返す返す驚かされます。
本作では、華恋役の小山 百代さんとの幼稚園時代の掛け合いも上々。
みもりん、幼女役、あと10年はいけます♪

【音楽 4.5点】
複数の作曲者が劇伴にて舞台を金管で砲撃しつつ、大作揃いのレヴュー曲も構築。
レヴュー曲はシンフォニック・ロックを軸に、
民族音楽風、人情(任侠)歌謡曲まで幅広くカバー。
曲中でも転調、緩急を交え、二転三転するレヴュー展開に好対応。
一応、加藤 達也氏は“爆発”、藤澤 慶昌氏は“燃やし”と分担された感じだったそうですが、
いずれにせよ可燃性危険物であることに変わりはありませんw

ED主題歌はスタァライト九九組「私たちはもう舞台の上」
ドロドロが除去された後に、舞台少女の未来を高らかに歌い上げる千秋楽・卒業ソング。
しかし、EDアニメ担当めばちさん。『虹ヶ咲~』でもそうですが、
素朴なイラストで波乱の青春を締め括るストッパー能力には安定感があります。

あと、音楽とは少し違いますが、
華恋&ひかりの馴れ初めで、{netabare}園児たちがカスタネットで同じリズムを取る遊戯をきっかけに、
二人も友情のリズムを掴んでいく。{/netabare}
こんな演出よく思いつくなと感心しつつ、幼女も堪能したw思い出のシーンです。

投稿 : 2024/09/21
♥ : 4

もやし さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

異彩を放つメディアミックスコンテンツの最終章と新たな物語の行方

今やアニメコンテンツはアニメ単体ではなく「ゲーム」・「ライブ」・「舞台」など、メディアミックスと呼ばれるコンテンツは当たり前となっている。

ただ、このタイプ作品のアニメは良い意味でも悪い意味でも平凡な作品に終わってしまうことが多い。どこかで見たような当たり障りのないアニメ。メディアミックスのアニメと聞くとそんな印象を持って第1話を見る機会が多い。

だが、「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」はそんなメディアミックスコンテンツの中でも異彩を放つ作品という事はTVアニメ1話を見れば誰もが知ることだろう。本作の監督の古川知宏さんは「輪るピングドラム」や「ユリ熊嵐」など、幾原さんの作品に携わる機会が多かった事もあってか、スタァライトは幾原節を感じる壮大なスケールで描かれるバトルシーンだ。キービジュアルだけ見て軽い気持ちで見たら度肝を抜かすことになるだろう。制作会社は「メイドインアビス」なども手がけたキネマシトラスだ。

先程も言ったが、メディアミックスの話は比較的平凡な物になりがちだと私は偏見で思っている。それはスタァライトも同じだ。本作の舞台はトップスタァを目指す高校を舞台にしており、劇場版では3年生となったメインキャラクター9人が卒業に向けて足を踏み出すという内容だ。

どんな未来に進めばいいか?悩むという設定は100万回見てきたかもしれない。ただ、この平凡な物語でもアクション・背景・演出を壮大にするだけでここまで見応えのあるものになり、圧倒されてしまう。劇場版という事もあってか、バトルシーンのスケールはTVアニメの頃よりも格段に上がっていた。

バトルシーン以外にもキャラクター同士の魂を込めた掛け合いや、それを彩る挿入歌の出来も素晴らしい。声優陣はTVアニメの頃と比べると見違えるほどに成長している。そんな所が垣間見えるはメディアミックスという形態の良い所かもしれない。

非常に情報量が多く、見終わった後は頭がパンクしそうになるかもしれない。家に帰り落ち着いてパンフレットを読むと頭の整理されるだろう。

恐らくスタァライト…少なくともアニメはこれで終わりだ。メディアミックスという形態の中でここまで力の入った作品は稀有な例であり、私はスタァライトはもっと評価しても良いと思うのだ。時代は変わりメディアミックス作品は今後も沢山出てくるだろう、こんな意欲的な作品がまた見れる事を私は願っている。

「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」 TVアニメに続いて、劇場版も大変素晴らしい作品だった。

投稿 : 2024/09/21
♥ : 1

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

出てきたキリンの役割は!

 舞台少女の織りなす数々の演技??、剣術をえがいていたです。一番の見所は、舞台と思えない風景の数々や面食らう演出だったです。

 音翔音楽学園三年生の進路決定やその経緯で、進められると思いきやです。
 愛城華恋、神楽ひかりの思い出が現在や舞台につながる設定だったり、別の舞台少女の剣の戦いや歌、語りが突然唐突に起こるです。

 私には、その様々な演技か?舞台か?現実か?分かりづらくなっていくようだったです。
 数多くそれが行われる中で、広範囲な舞台?セットが現実離れなすごい迫力で、爆発的に崩れたり、場面が切り替わっていく所が凄かったことは、認識できたです。

 スタァライトしきったと言われたけど、仮想現実と現実の区別がつきにくく、私にはよく意味がわからなかったです。
 ただ、キャラそれぞれが一つひとつの行動に、全力を傾けていたようには、感じたです。

投稿 : 2024/09/21
♥ : 5
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