友達で文化祭なおすすめアニメランキング 7

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの友達で文化祭な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年01月27日の時点で一番の友達で文化祭なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

75.5 1 友達で文化祭なアニメランキング1位
スーパーカブ(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (485)
1394人が棚に入れました
山梨の高校に通う女の子、小熊。両親も友達も趣味もない、何もない日々を送る彼女は、ある日中古のスーパーカブを手に入れる。初めてのバイク通学。ガス欠。寄り道。それだけのことが新鮮で、ちょっと冒険した気分。仄かな変化に満足する小熊に、バイクは人とのつながりも生み出していく。小熊と同じ、バイク乗りの少女・礼子や、バイクに乗って変わっていく小熊に憧れる少女・椎。小熊の世界は少しずつ、広がっていく。友達と一緒の昼ご飯。当てもなく寄り道する放課後。バイクでしかできないアルバイト。そして、これからもバイクと生きていくために少女が選ぶ進路。

声優・キャラクター
夜道雪、七瀬彩夏、日岡なつみ

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

本作が第6話を機に炎上?している理由を細かく解説します

山梨県北杜市を舞台に、両親も友達もお金も趣味もない高校2年の少女、小熊ちゃんが1台の【ホンダ スーパーカブ】と出会ったことをキッカケに彼女の世界が少しずつ開けていく様を描く全12話の青春ドラマ
原作はカクヨムを発端とするトネ・コーケン先生の同名の小説
本作の第6話がプチ炎上騒ぎとなってしまった件について、細かく解説させて頂きます


修学旅行を楽しみにしていた小熊ちゃんですが急な発熱で欠席せざるを得なくなるも、すぐに体調は回復
バスで先に出発した学校側には相談せず、愛車のカブで追走
そして宿泊先の鎌倉に乗り付けてしまいます
当然先生からは厳重注意を受けるも、小熊ちゃんとカブをキッカケに友人となった礼子は用意周到にもヘルメットとタンデムステップを取り出し、憧れていた鎌倉湘南の海岸線沿いを通る国道134号線を小熊ちゃんのカブに2人乗りして走る、というちょっと不良染みた行いを提案するのです


修学旅行に原付バイクで乗り付けたり、そこからさらに抜け出して2人だけの自由行動を取る、というだけで十分常識からは逸脱した行動なのですが、問題は小熊ちゃんが運転して2人乗りをした、という事実です


この話の冒頭で本来のエンジン排気量が49㏄である小熊ちゃんの愛車は、52㏄へと改造が施され、原付一種から原付二種に登録変更をした、という旨が語られています
ナンバープレートも白から黄色に変わっている等、細かい点も再現されています
原付二種になった事のメリットの1つとして、2人乗りも可能になります
ですので車両の点では問題は無い様に見受けられます


ですが2人乗りをする為には“免許取得後1年以上”という条件が実はあるのです
免許取得の為のテストにも出ますし、教習所でも教えてくれます
小熊ちゃんが普通自動二輪の免許を取得したのはこの改造の直前、という事でかなり甘く推察してもせいぜい数ヶ月しか経過していなく
「これは道路交通法違反だ」
と指摘する視聴者も少なからずいたわけです


この案件に関して
「フィクションの中で描かれている事なので騒ぎ立てる必要はない」
と作品側を擁護する意見もあれば
「非日常や異世界を舞台にしたものならともかく、現代劇で堂々と法を無視するのは如何なものか?」
と否定的な意見もあり、正に賛否両論です
ネットニュースで取り上げられたり、便乗する形でワイドショーでも紹介される等、作品側にしてみれば不本意な広まり方で話題になってしまいました


正直、白昼堂々と黄色ナンバーで2人乗りをしている女子高生をわざわざ呼び止めて免許を確認する警察官などいないでしょう
ですから“捕まりはしない”という確証は小熊ちゃんと礼子にはあったと思います


肯定派も否定派も各々の言い分にちゃんと正当性があると思いますが、ちょっと別目線で何故これほどまでに本作が波紋を生んでしまっているのか?
について3つほど持論があるのでそれをご説明します


①【アニメ側の説明不足】
実は原作小説では小熊ちゃんが2人乗りに関して道交法違反になる事を認識していて、2人乗りを渋る一節があります
この時の礼子はこの1話手前のお話で愛車を失ってしまっており、そんな礼子を慰める為に違反を承知で2人乗りをしよう、と決意する小熊ちゃんの葛藤が描写されるのです
ところがアニメではそんな小熊ちゃんの迷いは特に描かれませんでした
主観で描かれる原作小説に対して、アニメ版ではモノローグを各話の冒頭と末尾に絞り、空気感やテンポ感を大切する構成を強調しています
この第6話のクライマックスとなるシークエンスにおいてテンポが大事と取るか、安牌として野暮でも説明台詞を入れるか、と考えて前者を取ったのが本作というわけです
あえてあそこで説明を入れておけば・・・100歩譲って9話のノンアルコールカクテルのくだりの様にテロップで注釈を入れていれば・・・批判意見の態度もまた違っていたと思います


②【本作をほんわか美少女日常系アニメと認識している視聴者が多過ぎる】
正直、本作は流行の日常系アニメとは違います
確かに表面上だけなぞればそーゆー類の作品にも観えなくもないですが、物語を深く読み込めば読み込むほど本作の登場人物は所謂“アウトロー”であることが理解できます
小熊ちゃんはそもそも友達が全くいませんでしたし、礼子はコミュ力があるだけでその実は自分とカブ以外に興味が無いというかなりの変人です
そんな2人の変わり者の非常識な青春が描かれるのが本作なのです
もしこの物語が女子高生2人組ではなく『特攻の拓』とか『あいつとララバイ』だったら誰もが笑って許した事でしょう
実はトネ先生の原作小説に限らず、片岡義男作品にしろ山田深夜作品にしろ、バイクに乗っている若者というのは“多少のハミ出し者”として描かれる傾向にあります
トネ先生もそんな伝統的な“不良の青春”を描きたかったのだと思います
そう考えると小熊ちゃんや礼子がいくらエキセントリックな行動を取ったとしても納得がいくでしょう
彼女達は法を破る事への後ろめたさは感じていても、周りの目などは気にしていないのです
ですがその点が多くの視聴者には伝わっていない、誤解を受けているというのが現状だと思います


③【原作者トネ先生の執拗なコダワリに違和感を覚える人も多い】
どんな作品でもアンチとは出てくるものですが尖っている作品であれば尚更の事です
正直に言って本作、物語そのものの魅力は別にして、トネ先生のコダワリが強過ぎて一部でアンチ化してしまった視聴者もいると感じてます
例えば第1話でバイク屋のお爺さん(シノさん)から曰く付きのカブを1万円で購入する小熊ちゃん
ですが、ヘルメットとグローブを持っていない事を見兼ねたシノさんがキャンペーンの品だとアライヘルメットのクラシックヘルメットとグリップスワニーの本革グローブをプレゼントしてくれます
本来は新車を購入した人を対象にしたキャンペーン・・・であるのにシノさんの過剰なサービス心が施した事であるのは言うまでもないです
ですが2つ合わせて新品で3~4万円もするハッキリ言って高価な品です
1万円のカブに乗る貧乏学生にはどう考えてもオーバースペック
これはトネ先生が登場人物の扱うプロップ(小物、アイテム)には自身が認める一流品を使ってもらい、作品を通してその逸品の素晴らしさを伝えたいとお考えだからです
先述のヘルメットとグローブの様に原作で細かく描写される品はもちろん、アニメ化に当たってかなり細かく実在の品がプロップとしてトネ先生から直接の指定されてるようです
アニメ化に全く口を挟まない原作者もいる一方で、トネ先生はとにかく自身で細かく設定したがる方という事なんですね
問題は貧乏学生の話なのか高級品の性能をアピールしたい作品なのかブレてしまっているという事です
例えば『ゆるキャン』という作品ならば女子高生なのでお金が無い、お金が無いなら無いなりに何か工夫をしてみよう、という話になったりするのですが本作はそういう方向へは話を広げません
トンデモナイ高級品がひょっこり出てきてなんやかんやで手に入ってしまいます
コダワリもここまで来ると考え方に隔たりを覚えてしまい、作品への没入感を阻害されてしまって結果的に、ではありますがアンチ化してしまった人もいると思います
特にバイク界隈に詳しい人ほど本作への評価は分かれているようです
オイラもシノさんが「100km走ったらオイル交換に来い」と言ったのには耳を疑いましたね
本来は最初のエンジンオイル交換って1000kmまでしなくて良いんです
メンテナンスサイクルってプロでも意見が分かれるところなんですが、本作はカブの産みの親である本田技研の監修もちゃんと入っています
それにも関わらず本田技研がやらなくて良い、と言ってる過剰なメンテをしているわけです
少し話が逸れましたがこういったトネ先生自身のコダワリで没入感を削がれてしまった人ほどアンチ化して否定的な意見を飛ばしてるようにも感じます


とまあ以上の3つの点から解るのは本作がとても“尖った作品”だという事です
先鋭化した作品であればあるほど賛否が別れるのは致し方ない事ですが、そこに火種となる第6話の2人乗りの案件が投下されてしまったというわけで、プチ炎上は起こるべくして起こった、とオイラには受け取れるんですね


ちなみにそんな騒ぎなど些細な事だとも言うように第10話では(私有地の中とはいえ)ノーヘル走行をしたり、第11話では(救命措置とはいえ)前カゴに人を乗せて走ったり、どんどん小熊ちゃん達の行動は過激になっていきます


つまり“付いて来れる人だけ付いて来い”というのが本作の最もたるところなのでしょう
本作の終盤では人畜無害を形にしたような少女、椎ちゃんが“不良に憧れる少女”のポジションとして登場し、アウトローな小熊ちゃんと礼子に少しずつ惹かれていきます
果たして椎ちゃんはこの無茶な2人に付いて行くのか否か?
そんなところに着地するのが面白いのです

投稿 : 2025/01/25
♥ : 35

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

道具と仲間と広がる世界。厳しい冬から春を迎えに行きます。

 この数年のTVアニメの中でもっとも面白い作品の1つだと思います。結局小説は全巻揃え、コミックスもコンプリート中です。アニメの本作は多分通しで4回くらい、単話ごとなら数知れず再視聴していると思います。

 本作は1話目が非常に秀逸で、文学性すら感じさせます。ヒロイン小熊を取り巻く白黒の世界、一人の世界、金も物もない。

 ある日通学に苦労していた時、偶然見た原付バイクがきっかけで、行動しようと思う。バイク屋の親父と出会い、1万円のカブを手に入れる。苦労も恐怖もあるけど、それを乗り越えることでやれることが広がって行く。
 ガソリンが無くなるということも分からない。けど、マニュアルを読むことで解決します。

 礼子というカブ仲間ができます。初めは慣れあいのような関係になるのが、ちょっとイヤな気もしますが、「カブつながり」がその根底にあります。それが精神的な依存関係にならない原因だと分かってくると、2人の関係性が心地よくなります。

 礼子が一人暮らしをしているのは、富士山に登るのも閉塞感に押しつぶされそうだからです。5話は唐突だし作画も少し悪いので、1回目はあまり出来が良くないなあと思いましたが、礼子というキャラが見えてくるとなかなかの感動回となります。

 アルバイトをして物が買えるようになる。修学旅行への参加。法律違反が云々という批判もありましたが、青春時代にちょっとした悪さをするのもまた冒険です。修学旅行にバイクに行く、県境をまたぐ、山から海へ、富士山に登る、礼子に対するちょっとしたいたずらで134号を走る。そして2人乗り。どんどん世界が広がります。

 そして文化祭です。ここで小熊は初めて礼子以外の自分からクラスの人間に関わります。もちろんカブの力を借りて解決します。ここで椎という仲間を得ます。

 冬は寒さという足枷がカブにのる小熊と礼子を苦しめます。対策することで何とかします。ここでも工夫、道具というものがクローズアップされます。

 後半はこの椎と言うキャラが重要で、自分の夢をかなえたいとがんばっているキャラです。が、力がありません。あるいはカブがない、と言い換えてもいいかもしれません。親の元ではハキハキてきぱきと自分のやりたい事をどんどん進めてゆきますが、結果として彼女は何も持っていません。

 椎の冬の川への転落です。山地での雪の時期。冬が心底嫌になります。椎も含め冬に苦しめられていた3人は、冬がいやなら春が来ているところまで行けばいい。冬に対応するだけでなく、世界を広げ自分が望んだ場所に出かけてゆきます。

 という感じで、独りぼっち、貧乏、足がない、盆地、山地の冬といった、女子高生…思春期の無力で非力な存在を閉じ込めていたものを、カブという道具で自ら変えて行く話です。

 パンク少年の話とか、礼子の富士山に登る理由とか原作にはあって、アニメで描かれていない部分がありますが、1話はあらゆるアニメの中の1話としては、最高だと思います。1話のピアノと色彩の使い方、ゆったりしたセリフ。最高の演出でした。そして、11話と最終回も感動でした。

 OPの音楽がとても雰囲気がいいです。本編で無音の時間が長いのも雰囲気を作っています。話が進んでゆくごとに色彩が増えて行くような感覚がとても心地いいです。
 若干、作画が乱れる回がある以外はほぼ原作の内容を再現できていると思います。

 リアルタイムで視聴しながら書いた各話ごとのレビューや追記など、ごちゃごちゃしている作品をまとめ中です。主旨はほぼ変えていません。本作は3回にわたって書いた内容を、23年6月にまとめました。
 評価は4.7→4.8と上方修正です。本当は5付けたいんですけど、時々乱れる作画がなあ…

投稿 : 2025/01/25
♥ : 35
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

静謐

<2021/8/13 追記>
下の方に書いた小熊さんにちょい似のYouTuberさんがハンターカブ購入してました。
まんま小熊さん 笑

<2021/4/11 初投稿>
見始めなので評価はデフォルトの3.0。
原作はラノベでしょうか。
未読です。

タイトルのとおり「静謐」な空気感がたまらない作品です。
背景の野山や田舎の街並み、そして建物や部屋の調度品といった背景の深閑とした佇まい。
さながら写真を見ながら描いた写実画のようです。
(もちろん、ところどころCGっぽさはあるものの)

ヒロインは、「何もない女の子」
1話の冒頭、「何もない」が無言で語られていきます。
この子の生い立ちとか気になる、けどそれはこれから語られるのでしょう。

そんな女の子がネタバレレビューを読むと出会うところから物語は始まります。

安い理由はネタバレレビューを読む

ネタバレレビューを読む

閑話休題

ネタバレレビューを読むのお話。

今期、ゴジラSPと同じくらい、次週が気になる作品になりそうです。

<2021/5/14 追記>
6話まで見ました。
湘南道路懐かしい。
夏にドライブすると堪らないんですよね。
私は4輪でしたが。

小熊さんはどんどん変わっていきますね。
いい笑顔がたくさん。
「にへっ」という擬音が聴こえてきそう。

ネタバレレビューを読む
まるで「究極超人あーる」の登坂先輩のよう。
登坂先輩とは、後輩の修学旅行先の「京都へ」「東京から」「250ccのバイクで」「毎日」「日帰りで」「なんの用事もないのに」遊びに来る迷惑な方です笑

ところで礼子さん。
いいキャラしてますね。
自分の趣味に躊躇ない。
躊躇ないのは小熊さんも同類ですが。
礼子さんで「かみちゅ」のまつり(三枝祀)を思い出しました。
見た目も似てるんですけど、
目的のために手段選ばなさそうなところとか。
あと、やけに堂々とした図太い仕種とか。

そういえば小熊さんはまつりの妹の三枝みこにちょっと似てるような気もしないでもない。

6話まできたのでとりあえず評点つけてみました。
背景含む絵と、キャラと、音楽は満点になりました。

<2021/6/24 追記>
最終話まで観ました。
徹頭徹尾カブでしたねえ

趣味に突っ走るのって楽しいんだろなー、と思いながら楽しんで見てました

「ていぼう日誌」のレビューにちょっと書いた巨大ウツボ釣って捌いて喰らうYouTuberさんに小熊さんが少し似てる。
髪型や目元と、あと自分の趣味に傍若無人に突っ走るところとか

でもそのYouTuberさんはもっと明るいし、もっと愛想あるし、シュールな笑いも振り撒くけども
あとカブじゃなくて、釣りと四輪車中泊と猫だけども

そういや本作にも頻繁に出てきるメスティンってこのYouTuberさんの動画で初めて知ったんだった
メスティンで作るお手軽ハンバーグ丼が旨そうでした

あと礼子
やはり「かみちゅ」のまつりに似てるなー
めちゃくちゃ似てる
そう考えると懐かしいっすね

自分は全般的に本作楽しめました

とか書きつつ他の方のレビュー読んだら厳しめの批評多いんすねー笑
アニメは創作物、あんまり気にしすぎると見るものなくなっちゃうから私は気にせず楽しんでます。。

投稿 : 2025/01/25
♥ : 58

71.8 2 友達で文化祭なアニメランキング2位
古見さんは、コミュ症です。(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (287)
988人が棚に入れました
“コミュ症”とは──人付き合いを苦手とする症状。またはその症状を持つ人を指す。留意すべきは──苦手とするだけで、他人と係わりを持ちたくない、とは思っていないことだ。桜舞う高校1年、極度のコミュ症である古見さんが出会ったのは、“普通すぎる”クラスメイト・只野くん。人前で緊張してしまう古見さんの夢は、「友達を100人作る」こと。古見さんの「1人目の友達」になった只野くんは、残り99人の友達づくりを手伝ってくれることになりました。個性派ぞろいの高校で、古見さんの夢は叶うのでしょうか?伝えたい、でも伝えられない…そわそわ、どきどき、思わずにやにやでも時折、胸にチクリと突き刺さる?沈黙の美少女・古見さんのコミュ症コメディーです。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

古見さん、バイブレーション♪

“コミュ症”だが本当は友達100人作りたい美少女・古見 硝子と
変人だらけの私立伊旦高校の日々を描いた同名コメディ漫画(未読)のアニメ化作品第1期。


【物語 3.5点】
上品。

"コミュ障”ではなく"コミュ症"
人様のコンプレックスを底辺と見下して嘲り嗤う下品な"イジり”芸ではなく、
明快に性格をデフォルメされたキャラたちの掛け合いを通じてクスリと笑いを取りつつ、
対人関係あるあるを拾っていく繊細なタッチ。

ヒロインの古見さんもカースト下位でやさぐれているタイプとは異なり、
容姿端麗でルッキズムの視点に晒されても貶められることは無く、
むしろ、無口でも好意的に誤解され、"神"に祭り上げられる有様で、
いっそうコミュ困難になるのが基本のギャグパターン。

少しずつ人間関係が進展するため、構成はゆったり平坦。
けど古見さんがコミュ取って達成したかった当たり前の学生生活が実現する度に、
放たれる空気は確かに神々しく、後味は綺麗。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・OLM(TEAM KOJIMA)

高水準。

背景は桜並木などを描き込み季節を好表現。
人物も、例えば古見さんも、黒髪ロング&凛とした瞳というザ・サンデー美人って感じのリアルタッチから、
丸目が可愛いコミカルタッチまで崩さず描き分ける。
CGも隠し味に調整しながら、多数の人物が交錯しても映像の遠近感が保たれ、
工程の安定を感じる。


正直、漫画ならではの吹き出し文字表現等を流用する演出は、私はあまり好みではないです。
基本アニメーションは絵で魅せて欲しいと言いましょうか。
ただ、古見さんに限っては、喋れない彼女の心情を精一杯描いた上での
テロップ追加説明なので斟酌できます。


特筆したいのは、古見さんは、字も綺麗なのがステキです♪
憧れ、そして、習字をサボって来た、我が人生を悔いますw


【キャラ 4.0点】
"コミュ症"だから、古見 硝子(こみ しょうこ)
波風立てない凡人でいたいから、只野 仁人(ただの ひとひと)
みんなの幼馴染になれる位コミュ力お化けだから、長名(おさな) なじみ。

人物名の語呂合わせで外面を視聴者に覚え込ませた上で、
掘り下げて、意外な一面を見せて興味を繋ぐ、明快なキャラ構成。


この高校は変人度がキツイので、
仮に、私が入学したら速攻ロックマンの如く四散してゲームオーバーでしょうねw
山井 恋のネタバレレビューを読むを伴う病みっぷりは言うに及ばず、
友ではなくネタバレレビューを読むになり下がる上理 卑美子ですらアクが濃すぎてしんどいレベル。
友達100人も要らない。上の三人だけでいいw


古見さんの母親で自称永遠の17歳・秀子も美人さん。
父親も古の寡黙な親父の系譜を継ぎ、娘と会話したいけど中々できないシャイっぷりで、
古見さんの容姿、性格の遺伝に説得力を持たせる。
古見家・父娘による沈黙のコミュニケーション。昭和の親父はコミュ症ですw


それとコミュ症から顧客満足を勝ち取るカリスマに圧倒される新人美容師の新井さん。
カリスマへの道、陰ながら応援致しておりますw


【声優 4.5点】
古見さん役・古賀 葵さん。
喋らずに息遣いでリアクション&感情表現、自身の振動効果音?まで。
たまに出す声は凄く可愛い。しゃっくりも可愛い。という無茶振りに対応。

それ以上に、なじみ役・村川 梨衣さん。
声色だけで友達100人作れそうな人たらしボイス。
古見さん”サボウェイ”にパシらせたり、結構キツイことも言って、
そもそも性別どっちだよ?とツッコミどころも多いはずなのに、
あっと言う間に懐に入り込んでくるのはこの声質あってこそ。

その他、只野くん役・梶原 岳人さんの声から滲み出る優しさ&安心感とか。
声質で性格を体現する声優の力を実感。


ナレーションには日高 のり子さん。
『PSYCHO-PASS』ドミネーター役でもお馴染みの淡々とした執行ボイスで、
コミュ症が、他人と係わりを持ちたくない、とは思っていないことだ。
など留意事項を注意喚起。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は橋本 由香利氏。適宜ポップなサウンド等でコミカルな場面にも対応。
が、やはり印象的なのは古見さんがコミュの階段を昇って気持ちが高まる場面で、
ピアノ、ストリングス、アコースティックギターで優しく寄り添うメインフレーズ。

OP主題歌はサイダーガール「シンデレラ」
丁寧語で語りかける男性ボーカルが、只野くんの古見さんへの心情に重ねやすい良好なアニソン。
"気の利いたことは言えないけど”などと謙遜していますが、
“一緒に猫に会いにいきませんか”とか、こんな洒落たこと中々言えません。

ED主題歌はKitri「ヒカレイノチ」
女性ボーカルに柔和な音を幾重にもアレンジした、古見さんの心情を重ねやすい一曲。
Kitriのピアノ連弾シスターズとしてのアーティスト性がより現れた「シンパシー」
古見さんの最初の一歩を軽快なピアノサウンドで後押し。


【感想】
ドドドドドド……。

昨秋の視聴中、古見さんのコミュ力が限界値(初期値低め)が突破した際の、
心音&振動のコミカル演出が病みつきになった私。
その供給が絶たれたこの冬期。私は禁断症状が辛いので、
震える古見さんのLINEスタンプをスマホのロック画面に仕込み、ますます症状を悪化させましたw

春から始まる2期。震えて待ちます。

投稿 : 2025/01/25
♥ : 27

桶狭間スイッチ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

当たり

まずビビったのは神作画。
特定の話で手抜きはあるけど、平均的にレベル高え。小林ぶりにちゃんと描いてるアニメ見た。

ギャグ調ラブコメスクールアニメ。
昨今市民権を得た共感し易い「コミュ症」がヒロイン。
ぶっちゃけ緘黙症とか失言症、失語症、失音症、吃音とかフツーに病名付くレベルの障害抱えてるわけだが、物語に華を持たせる為盛った演出をしがち。
特別支援学級行き確実だが、そこは超絶美麗容姿なんでルッキズム全開、周りが問答無用でお助け奉。
言語障害者と、反外見至上主義の方たちはキレるかな笑

そこ気にしなければヒロインはめっちゃ可愛い。友達たちも個性的で非常に面白い。
ただ平凡売りの筈の主人公がめっちゃイケメン行動するからツマラなくなる。
プールあたりからもういらない感じ。
ヒロイン1人になってると必ずこの男が隣に来るから面白味も意外性も無い。コイツのオナニー見すぎても飽きる。
ヤンデレとか犬とまさかのユリ路線の方が面白そう。

たぶん「男女の恋」に固めちまったのが勿体無かったかなぁ。。
個性派揃いの進学校なら教師とかもキャラ濃くできただろうし。。
主人公を犬ポジでいいな。

投稿 : 2025/01/25
♥ : 4
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

「コミュ症」という言葉を考えすぎないほうが楽しめる気がします。

 23年夏に再視聴しています。前はまあまあかなと思ってましたが、一度見始めたらあまりに面白くて、もう1周してしまいそうな勢いです。

「コミュ症」というタイトルになっているので、リアル視聴時は、テーマ性をどう読み取るかと肩ひじを張って見ていました。

 ノイズとなるのは古見さんが美少女という点で、これは古見さんの孤独をかなり薄めてしまいます。ルックスのコンプレックスがあってコミュニケーションで苦しんでいる子からは共感されないだろうと思いました。

 また、只野が世話を焼きすぎな上に、なじみが余りにコミュニケーションに関しては俺TUEEEなので、古見さんが自力でなんとかしようという構造になっていないことが気になりました。

 それと話がラブコメの構造をしていますが、只野にとって人の弱点につけ込むような話が展開して行くので、愛情が軽い気がしていました。

 これらの事からコミュニケーション問題を本当に丁寧に描けているのか?と思ってしまいました。

 ただ、今回の再視聴であまり斜に構えずに気軽に見ると、純粋なコメディとしてかなり面白いことはわかります。テンポがいいし、エピソードに緩急があってギャグと感動が上手い配分になっていました。古見さんの顔芸がセリフが無い分引き立っていてそれが不思議な面白さにもつながっていました。

 そして、そうやって物語を素直に見ると、只野を初め出てくるキャラほぼ全部がコミュニケーションに問題があることがわかります。古見さんは極端ですが、見た目、方言、愛情の距離感、テンポ、勝ち負け、厨2病等々いろんな種類のコミュ症が配置されていて、どこか知っている人間、あるいは自分にある要素がキャラ化されてていることがわかります。これは高校の設定から言って計算なんだと思います。

 と考えたときに「聲の形」というコミュニケーション問題を極端にデフォルメした名作がありますが「硝子」つながりで、共通要素が多い気がしてきました。
 あちらの作品も無駄にイヤなキャラを置いたわけでなく、実在のキャラや自分の内部のペルソナを強調していた感じでした。

 つまり、本作は気軽に見るとコメディとして面白いですが、そうやって素直に見ると「聲の形」と同様、伝わらない苦しみをテーマにできている気がしました。悪い面なのか善い面なのかという表裏はありますが、サブキャラの中にいる自分を見出したりして、コミュニケーションやペルソナについて上手く描いている気がしました。

 それとアニメの出来です。これは作画、構図、背景、テンポ、演出が素晴らしいと思います。文字芸がうるさいかなと思っていましたが、今回見たら古見さんのセリフの無さを上手く補っていました。

 OPもセンスが良かったです。あの作画はかなりエモく的確に古見さんの内面と取り巻く状況を1分半のアニメにまとめたと思います。

 原作も少し確認しましたが、絵柄的にはアニメの方が圧倒的に見やすいです。が、古見さんの美少女具合は原作の方が説得力がありました。

 ということで、22年1月時点の評価は3.8でしたが4.3に変更。今回見てストーリー、キャラの評価が爆上がりです。ストーリー、キャラとも4を4.5にします。声優も調整で同じく4.5にします。
 作画はかなり過小評価していたのでこれも3.5を4.5にします。動きというよりは構図や演出の評価です。

 本作を見るコツはテーマを探そうとしないことでしょう。感情に素直になった方がいいと思います。そうやって自然に感情移入するとかえって見えなかったものが見えてくる気がしました。

 本作の段階では気が早いですが、軽い話だからこそ古見、只野の行く末についてはある程度の信頼感がもてます。一方で2人ともコミュ症を卒業したら別れる方が未来につながる気もします。それは最終回があれば考えたいところです。



 以下、22年1月時点のレビューです。


ヒロインを美少女にしてコミュニケーション障害の苦しみが描けるか?

ネタバレレビューを読む

投稿 : 2025/01/25
♥ : 16

68.7 3 友達で文化祭なアニメランキング3位
可愛いだけじゃない式守さん(TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (297)
950人が棚に入れました
最高の“イケメン彼女”現る!不幸体質の男子高校生・和泉くんの彼女は、同級生の式守さん。笑顔が素敵で優しくて、和泉くんと一緒にいるときはいつも幸せそう。可憐で可愛い、愛情たっぷりの彼女だけど、和泉くんがピンチになったりすると……最高にカッコいい、“イケメン彼女”に大変身!可愛い×カッコいいに溢れた式守さんと和泉くんや仲良しフレンズによる楽しい日常は止まらない!尊さ1000%ラブコメ、いよいよスタート!

けいP さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

泉くんは幸運だ!

既に付き合ってるカップルなんですね。

陽キャな高校生達の
リア充な青春を送る様を
見せ付けてくるような内容?

突然くる不運も
とってつけたような。

悪いけどもう観ません😂

(追記)
といいつつ二話目も観ました笑

相変わらずイチャついてるけど、
ア○ザーなら死んでた状態のいずみ君を
武守さんがどう守っていくのかが
見どころになるのかな?

2022/9/8
観終わってから大分経ってしまいました。
式守さんみたいな彼女をゲットするなんて
泉くんは幸運だよ。
末永くお幸せに。

投稿 : 2025/01/25
♥ : 9
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

OPの「待て待て」が頭の中で繰り返す。

動画工房さん、大変でしたね。
穴を埋めるのに四苦八苦。
少し押したけど何とか終わって良かった。
「可愛いだけじゃない」ラブコメ、全12話です。

もちろん、主人公は式守さん。
不幸体質のあの人はいなかったことにしましょう。

ラブコメとしてはどうなんだろう。
インパクトが足りないっていうか。
カッコイイ式守さんの見せ方も露骨。
もっと内面からあふれ出るものが欲しかったです。

それでも、式守さんは可愛かった。
カッコイイだけじゃなく、人間くさい所もまた良し。
意地っ張りで負けず嫌い。
いったい何に嫉妬してるんだか。
頬を赤らめながら膨らます。
それって「可愛いだけじゃん。」って思ってました。

このアニメを盛り上げていたのは脇役の存在と思います。
特に、どこを見てるか分からないハチミツ。
淡々としたツッコミはいちいち笑えます。

それに、物静かな狼谷さん。
彼女が登場すると妙に落ち着きます。
ネタバレレビューを読む

大半が日常系アニメ。
式守さんの鋭い目つきが唯一の非日常でした。
やっぱり、式守さんは可愛いだけじゃないですね。

投稿 : 2025/01/25
♥ : 19

さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

可愛いが詰まったアニメ

不幸体質の和泉くんとかっこかわいい式守さんの可愛さ満載アニメ。

とにかく可愛いが詰まったアニメです(別アニメのタイトルみたいになってしまいました(>_<))

不幸体質だけど周りへの優しさがあふれてどこか小動物っぽい和泉くんと、
外見は可愛いけれど和泉くんを守る時などにイケメンになる、だけど和泉くんの素直でド直球な誉め言葉に赤面してしまう防御力低めの式守さん。
どちらも可愛いがあふれてます(*´▽`*)

他の人達も個性的だけど皆良い人たちばかりで、優しい世界といった感じです(#^^#)

可愛いが詰まったアニメですが、狼谷さんの回はちょっとテイストが違っていて、少しうるっとくるというか、人間関係って難しいんだなと思ったり……

男女ともに可愛いアニメを求めている人にはオススメしたいアニメです(*'▽')

投稿 : 2025/01/25
♥ : 7

76.1 4 友達で文化祭なアニメランキング4位
からかい上手の高木さん③(TVアニメ動画)

2022年冬アニメ
★★★★☆ 4.0 (330)
1007人が棚に入れました
「からかい」が縮める、二人の距離――。 2022年、見守りたい初恋が、ここにある。 とある中学校、隣の席になった女の子・高木さんに、何かとからかわれる男の子・西片。 高木さんをからかい返そうと策を練るも、いつも高木さんに見透かされてしまう。 どうにかして、高木さんにひと泡吹かそうと奮闘する日々…。 移ろうものは季節だけではなく、西片の心にも…? 一方、優勢とみられた高木さんにも、ゆらぐ事態が―? スキを見るか、スキを見せるか― ニヤキュン指数100%の「からかいバトル」、 いよいよ最終ラウンドに…!?


声優・キャラクター
高木さん:高橋李依
西片:梶裕貴
ミナ:小原好美
ユカリ:M・A・O
サナエ:小倉唯
中井:内田雄馬
真野:小岩井ことり
高尾:岡本信彦
木村:落合福嗣
浜口:内山昂輝
北条:悠木碧
田辺先生:田所陽向
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

高木さんの好き好き攻撃増量中♡

中学生の高木さんと西片くんのからかい、からかわれるやりとりを微笑ましく見守るアニメの3期になります。

3期から見ても楽しめると思いますが、1期から2期と、微妙に二人の距離が変わっていく感じもあるので、1期からの視聴もおすすめです♡

3期は二人で見た、あの夏祭りの花火の後のお話になるんでしょうか?
二人のその後のお話を描いた漫画も読んでたので、3期は二人の距離がさらに近くなるようなエピソードを期待しちゃいますね♡

最終話(12話)まで見ました♪
高木さんぐいぐい攻めるなぁwこれは西片くんも自分のことが好きなのを分かったうえでの余裕の攻めだよね♡
高木さんが西片くんをからかうお話は正直おなかいっぱいかなー。
個人的には西片くんが高木さんをデレさせるエピをもっと見たいですね。

3期になって高木さんもさらに好きな気持ちを隠すことなく、結構はっきり好きって言ってるのになぜか気づかない西片くん。。
と思ってたら、中盤でやっと自分の気持ちに気づきましたね!

最後まで見て良かったなぁとは思ったんだけど、西片くん子供すぎない?
ピュアなのかもしれないけど、中3にしては考え方とか小学生かな?って
思う場面もあって、最終話も、え?今そこ?ってこと考えたりするし。

これが1期とかならまだいいんだけど、3期なんだし・・ね。
と辛めのこと言っちゃいましたけど、最後のシーンは良かったですね♡
でも続きは劇場版で!はやめてぇ~(>_<)

6話の文化祭のお話や10話の最後の話など良かったです。
もちろん11話から最終話までのエピも♡

相変わらずEDの選曲すごくいいですねー♫
高橋李依さんが高木さんの声で歌ってるんだけど、透明感があって和みます(#^.^#)

以下、良かったエピソードです。
3話
ネタバレレビューを読む
4話
ネタバレレビューを読む
5話
ネタバレレビューを読む
6話
ネタバレレビューを読む
8話
ネタバレレビューを読む
9話
ネタバレレビューを読む
10話
ネタバレレビューを読む
11話
ネタバレレビューを読む
12話
ネタバレレビューを読む

投稿 : 2025/01/25
♥ : 45
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

西片、覚醒!・・・か?

<2022/1/20 初投稿>
1、2期視聴済みです。

2話まで見ました。
安定のニヤニヤ♪

特に2話は高木さんの隠し包丁的なアピールがよし!
EDは「OVER DRIVE」
1期「自転車」に続くジュディマリ
ジュディマリの軽快で爽やかな曲調は本当に高木さんの世界観に良く合ってる。

<2022/2/5 追記>
5話まで見ました。
ネタバレしない範囲でエピソードいくつか振り返ってみまーす。

1話
『握力のやつ』
西片くんのネタバレレビューを読む
2期のラストエピソードをちょっと混ぜ込んだりしてます。

『日焼け』
高木さんの世界観、空気感が蘇ってきました。ウォーミングアップにちょうどいい。

『新学期』
こちらは高木さんのネタバレレビューを読む
こちらもやはり2期のあのシーンがモチーフです。
目が覚めて、部屋の窓を開けて、満面の笑顔の高木さん。
晩夏の朝の空気がなんとも心地よさげ

2話
『気配』
無声でお送りする。

『図書委員』
音読の態で西片に気づかれないようにネタバレレビューを読む高木さん♪

『夕陽』
ネタバレレビューを読むが見たくて、おつかい終わってから海までの道を自転車で爆走する高木さん♪

3話
『雨』
西片ナイス判断!
この時も高木さんの異常なまでの鋭すぎる対西片洞察力が発揮されてましたけど、これは洞察力というより半分高木さんの願望だったんじゃないかな。
そしてネタバレレビューを読むの嬉しさが爆ぜてましたね。
スキップ♪スキップ♪
あと雨の描写が地味に良い
雨で湿った土の匂いまでしてきそう

4話
『お弁当』
木村は食中毒で休みって普通に言われてたけど、割とよくあることなのかw

『夜』
ネタバレレビューを読むがドキッとしてましたね
こういう回が特に良い。

5話
冒頭からネタバレレビューを読むちーちゃん出てて、最初状況がよく飲み込めなくてびっくりしましたが。
見た目は母親似、性格は父親似なんですねぇ

『役決め』
これはもしかしたらラブコメによくある流れになるのかな?
例えばネタバレレビューを読むという感じの。
それとも木村、食中毒なったりして笑。
それにしてもネタバレレビューを読むとかもう露骨な高木さん笑

そして『釣り』
「ぎゅっ」ってなってた。。

<2022/2/12 追記>
6話見ました
まるまる『文化祭』ですよ
青春ですよ

木村はネタバレレビューを読むの方でしたか 笑
でも期待を裏切らない木村。
2期の最終話といい良い仕事するなー 笑。

そして演劇
ネタバレレビューを読むみたいになってるし。
最高のネタバレレビューを読むでしたね

3期最大の盛り上がりでした。
見てて嬉しくなるアニメは良いアニメ

なお、EDは学園天国でした
ノリノリで終わり。

<2022/2/26 追記>
第8話
寄り道四種が微笑ましい

そして
「いいな、真野ちゃん」
高木さんの鋭く温かい洞察力よ

最後は「いっつも大切なとこで勇気出ないなぁ」と言いつつネタバレレビューを読むがいじらしい

<2022/3/13 追記>
第10話『相談』
これは可愛いやきもち

<2022/5/8 追記>
最終話もリアタイで見たのだけど、レビュー更新忘れてました。

第11話『2月14日』
1話丸ごとバレンタインのお話。
前回「相談」から続いて、ネタバレレビューを読むに葛藤する高木さん。
学校のシーンの「高木さんの眼の表情」に注目です。

第12話『3月14日』
最終回です。
なんかもうあれですね。
本人たちは「付き合ってない」のに、既にクラス公認 笑

第2話『図書委員』、ネタバレレビューを読むの真実に辿り着いた西片!
高木さんに鍛えられて賢くなったのかも笑

といろんな意味で覚醒したかもしれない西片くん。
ラストは走って走って。
追いついて。

映画ではどうなるのでしょう?

投稿 : 2025/01/25
♥ : 43

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

再視聴。面白い作画がいい。ラブコメというよりノスタルジー。

 22年3月のレビューがちょっと頓珍漢だったので書き直します。本シリーズについて3期ずっと同じような展開なので「飽きた」と言われないうちに止めた方がいいのでは?というレビューにしていました。
 再視聴すると話をちゃんと見てませんでした。飽きて流し見してたんだと思います。

 やっぱり過小評価してました。自分の感情の動きで言えば、3期が一番かなという気がします。1期・2期とはまた違った評価をするべきかも。

 特に今まで若干感情が見えづらかった高木さんの感情を意図的にくめるような内容・演出になっている気がして、特に後半の高木さんからのアプローチがエモい…クリスマスくらいからグイグイ来てました。10話後半のヤキモチというかプレゼントについて会話しながら歩いているシーンが可愛かったです。

 ただ、ストーリーとして西方に成長がないというのは事実です。それと初めからバッドエンドが想像できない話だし、メタ的に言えば(元)があって公式も認めているという話を聞いていましたので、ラブコメの中の「ラブストーリー」としての評価がどうなのよ?と思います。

 感じたのは、ラブコメではなくノスタルジー的な何か、青春時代にやり残したものを取り戻した気になる作品ということかなと。

 小豆島のような閉じたコミュニティ…山間の村のような村社会でなく、海に囲まれて人口も多いある程度の街ではある感じの場所。
 イジメもなく成績成績でもなく、純朴な中学生の中で可愛いくて自分より少し大人の女の子とイチャイチャしたかった…という点で、感情が動いているのかなという気がします。あのカップル率は90年代かという感じですが田舎だとそうなの?ノスタルジーで言えば学生服と白いセーラー服もポイントでしょう。

 なお、小豆島は不思議なところで、うどん県の香川県なのに、うどんじゃなくてそうめんなんですよね。それと関西圏なのに濃厚でおいしい濃い口醤油を作っていてビックリします。そういう不思議な文化的な閉鎖性が小豆島の面白いところでもあります。小豆島にいって住宅街を歩いたことがあると、本作の雰囲気の再現性の高さがわかります。

 EDの作り方もそうですけど、やっぱりラブストーリーというより西方の立場になりたいと言う願望…感情移入ではなく…そういう物語の気がします。その視点で高木さんを見ているので、何か都合のいい人形に見えなくはないです。
 瞬きをしていない高木さんを見るとぎょろッとした目が非人間的に感じることがありました。(ときどきちゃんと瞬きはしてますが、こっちを見つめているシーンで瞬きがないと少々違和感を覚えることがありました)

 ここがまあ3期の特に後半で1・2期と比べて高木さんの内面が見えてきたので、どう受け取ればいいのかなあ…ちょっと計算高い小悪魔と見るのも面白いですが、やっぱり高木さんのネガティブな面があまりに見えないのが、この作品の欠点かなあ…

 全体的に評価はします。評価はしますけど、ラブコメとして評価すると首を傾げる作品です。気にせず見れば面白いんですけど…映画ももう一度見ます。


 なお、6話後半の文化祭のシーンの作画がすごかったです。全体的に高クオリティの作画でしたが、この6話(お化け屋敷のシーンかな)は本気で良かった。10話から12話は3話連続して高クオリティの作画だったと思います。
 シンエイ動画系のアニメータ(フリーの人がいるかもしれませんが)「僕ヤバ」も高クオリティだったし、しかも作品全体を通じての安定感がすごい。構図やボカシも素晴らしい、色彩もいいとかなり高レベルだと思います。



 評価は…うーん、ストーリーとキャラ…上記理由で最高ですと言いたいんですけど、やっぱりどこか自分の感情を乗っけられず、俯瞰した視線からのノスタルジーになっている点で4.5ずつにします。作画は言う事ないかも5点。声優は高橋李依さんに自分の名前「ねえ、○○」と言って欲しい。ED最高でした。5点。音楽は…EDはキャラソンでしたが、やはり評価すべきでしょう4.5。

投稿 : 2025/01/25
♥ : 26

72.2 5 友達で文化祭なアニメランキング5位
君は放課後インソムニア(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (202)
631人が棚に入れました
「曲がいると、学校に行きたいと思う。これってどんな関係なんだろう。」 不眠症に悩む高校生・中身丸太は、文化祭の準備を抜け出して入った物置になっている天文台で同じく不眠症の曲伊咲と出会う。二人は秘密の場所を共有することになり...? 青春漫画の旗手・オジロマコトの原作を、若手スタッフ陣がアニメ化。 <あなたの眠れない夜にも、きっと意味がある――>
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

星空を眺めたくなります★彡

[見終わって・・]※各話の感想は下にあります
こういう硬派で真面目な感じのアニメって意外とあんまりないですよね。
健全なイチャイチャも微笑ましかったし、二人の心情も丁寧に描かれてて、静かにココロに沁みてきました。
白丸先輩や顧問の倉敷先生、友人の受川、蟹川、穴水、野々さんなど、まわりの人たちもキャラがいい感じに立ってて、みんなでイベントを頑張ったり、わいわい楽しく打ち合わせをしてたりしてるシーンも良かったです。
先日、原作に手を出して、最新刊の13巻まで読みました。
アニメは6巻くらいまでなんですけど、終盤の展開がネタバレレビューを読むもしかするとこれで完結なのかも。。
とはいえ、この後の展開も個人的にはすごく良かったので、2期やってくれると嬉しいです!!

[初回感想]
石川県の七尾高校の生徒で不眠症に悩む中見丸太(なかみがんた)と曲伊咲(まがりいさき)が出合う青春ドラマ。

原作はビッグコミックスピリッツ連載中みたいですが未読です。

私自身は寝つきが良いほうだし睡眠時間は最低6時間は寝ないとダメな人なので、眠れない人の大変さや悩みはよくわからないかもですけど、PV見たときから雰囲気が良さげで気になっていた作品でした。

なんとなく雰囲気はNHKドラマっぽい硬派な感じ。キャラ絵もかな。
劇中に流れてる曲も静かだけど場面に寄り添ってるような。
この雰囲気好きかもです♡

同じクラスってだけで全然接点のなかった二人が、共通の悩みをきっかけに知り合う展開。
二人だけの秘密の隠れ家、秘密の夜のお楽しみ会・・
そこでは素直な気持ちになれて、なんでも話せるような気がして・・
そんな、素敵な青春ドラマになるような気がします。

隠れ家が天文部ってとこも素敵。
3話で新キャラも登場して、今後の天文部の活動も楽しみです♪

aikoのOP「いつ逢えたら」めっちゃいいです♬
この作品の雰囲気にぴったりですね。

2話「猫の目星」
ネタバレレビューを読む

3話「一つ星さん」
ネタバレレビューを読む

4話「天津甕星」
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5話「飛び上がり星」
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6話「走り星」
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7話「花火星」
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8話「集まり星」
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9話「星合」
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10話「姉はん星」
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11話「夜明けの一番星」
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12話「迷い星」
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13話「最古の星」
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投稿 : 2025/01/25
♥ : 36
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ストーリ-ではない。思春期純愛ポエムであり生々しいリビドーの表出でもある。

 23年11月再評価です。23年春に見たときは、評価は4.1にしながらヒロインの○○設定が気に入らず、それでドラマを作るのは安易だろう?と思い一応全部みてましたが「断念」としていました。
 また、天文や天体観測に対する造形の浅さで単にギミック・モチーフにしてしまっているのが奥行としてどうよ?というのにも反発がありました。

 ただ、23年のラブコメをもう一度振り返っているのですが、この原作者って「富士山さん」の人だったんですね。なるほど…と思いました。何が言いたいかというと、この人は「ポエム」の人です。つまり思春期の恋愛を心情を映像で表したいという感じの人です。

 そうなると「インソムニア」は、天文というより「天体観測」「夜空」なにより「2人だけの夜の空間」そして重要なことですが「純愛・プラトニック」という要素…というより気持ちを、描きたい衝動のまま表現した作品なのかもしれません。
 つまり、ストーリーどころかエピソードすら比較的どうでもよく、そういう気分や雰囲気を絵にした結果出来上がっている作品なのでしょう。

 この原作者はアダルトコミックも書いているし、ミヒロさんというAV女優の自伝のような作画もしています。気が付くのは確かに線や造形を見ると同一人物の痕跡はあるのですが、絵柄はガラリと違います。
 それでも「富士山さん」にも「インソムニア」の原作にも特にヒロインの肉体には生々しい質感があります。そう…絵柄が写実的でなくなった分より生々しくなっています。

 この人のもともとのモチベーションは、女子の肉体または場面を描きたい人なのかなと思います。冬の場面も結構長いしので身体そのものより女子をいろんな形で切り取りたいだけなのかもしれません。視線の人ですね。
「富士山さん」もそんな感じでした。原作者はどうやら女性のようですので、その女子を描く原動力にどんなリビドーがあるのかはわかりません。
 つまり、女子の内面にある女子に対する歪んだリビドー…それが憧れなのか劣等感なのか願望なのか、しかしそういう性的な内面を昇華した、あるいはよりエロくしたものを形にしたのが本作なのかな、と思います。

 そこに生命…タナトス問題が入って来て、宇宙ですから生命そのものに内在するドロドロした欲望がこういうポエムになったのかな?という気がします。

 その点で「明日ちゃんのセーラー服」と似ていますが、あちらは男の欲望、視線が露骨な分、本作の正反対とも言えます。

 ちょっとネットで話題になったようですが、設定の天文部の2人のストーリーって借り物らしいですね。なるほど、そこに何かこの作者は純愛とそこから先の何かを見たんでしょう。ヒロインの○○設定はそうなると重い話というより設定だけの気もします。

 まあ、アニメとしてはラブコメだと思いますので、その点でこのレビューはどうかとも思いましたが、作画の良さとヒロインの肉感は表現していたと思いますので、このレビューでいいと思います。

 ということで、うーん。ストーリーは過大評価でした。4を3.5にします。その代わりキャラ、特にヒロインと主人公の関係性はなんとなく納得がいったので4を4.5に変更。トータルで4.1のままにしておきます。



以下、1回目視聴時のレビューです。


12話 インソムニアと天文で話を作って欲しかった。

ネタバレレビューを読む





1話 女性原作らしいキャラと展開と恋愛…胸キュンします。

ネタバレレビューを読む


8話 作者は天文に多分興味はなく、雰囲気だけな気がします。また、不眠症設定が活かせてるでしょうか?そこはこれからでしょうけど。

ネタバレレビューを読む


9話 ヒロインの水着の着替えのシーンから言って、展開はまあそういうことかあ…それだけは避けて欲しかった。

 水着の着替えのシーンの傷跡と、ずっとTシャツ着てますもんね。要するに手術痕ですよね?クリエータがこれだけ分かりやすく描いているということは、そこが今後のテーマなんでしょう。

 面白くないわけではないですが、病気で感動を作るのは、もういいです。同じ病気ならインソムニアを出した意味と夜の世界、つまり天文での感動が欲しかったです。ただ、作者はそこに興味ないみたいです。

 病気展開でがっかりするくらいなら辞めておきます。一旦休止で。

投稿 : 2025/01/25
♥ : 20
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

不眠と青春の苛立ちと救済に繊細さを感じる良作

石川県七尾市“九曜高校”。不眠症に悩む高校生男子・中見 丸太(がんた)が、
天文台にて同じく不眠症の同級生少女・曲伊咲(まがりいさき)と出逢い、
秘密と天文部活動などを共有する内に徐々に惹かれ合っていく。
同名コミックのアニメ化作品(全13話)

TVアニメ完走→聖地巡礼→実写映画鑑賞→原作コミック10巻まで購読中の順でコンテンツを満喫中。


【物語 4.0点】
OPアニメでお察しの通りネタバレレビューを読む
ですがTVアニメ版では、あまり設定由来の悲劇性を強調せず。
不眠症を抱えた主人公少年らの青春の悩みを理解してくれない苦しさ、
それをヒロインたちと分かち合えるかけがえの無さ。
等身大の青春劇として多くの視聴者と共有できる要素に絞って構成。

とかく悲劇を煽れば“感動ポルノ”などと批判される昨今のアニメ界隈においては、
この良い意味での感動成分の淡さは心地良かったのでしょうか。
私も特に終盤、ネタバレレビューを読む と“糖度”を増す甘々な恋愛要素も相まって、幸せな気分で完走することができました。

原作もまた悲劇で感動を煽らない作品を志向してはいますが、
アニメ化部分以後には、現実を突きつける局面もあり。

この点については、TVアニメ版でも、終盤、エピソードを詰め込めば悲劇性をピックアップすることもできたはず。
ですが本作では敢えて急がず、現実にもあまり深入りせず、最終回に向けてペースはむしろ鈍化。
丸太と伊咲。少年少女の恋愛模様をジックリ描くことで心地よい余韻が残りました。


もし一般的な感動作の濃度で悲劇性を取り扱ったらどんな風に凡作化するのか?
確かめたい方は実写映画版をご覧下さいw
実写版も恋愛“糖度”が半減しているとは言え、家族問題と向き合うなど青春ドラマとしては悪くはなく、
能登の景観には見るべき点はあったのですが……。

実写映画で私が何より許し難いのは、丸太たちの“眠りの師匠”であらせられる猫たちの出番を丸ごと切り捨てたこと。


【作画 3.5点】
アニメーション制作・ライデンフィルム

作画カロリーが潤沢とは言えない同スタジオ。
しばしばキャパを越える無茶をして作品を台無しにするイメージがあります。

ですが本作ではリッチさを求められる星空も含めた景観再現については背景美術提供の草薙(KUSANAGI)に一任。
ライデン自体は少年少女の好いた惚れたの表情描写に注力する割り切った役割分担で作品を維持していた印象。
割り切りと言えば、EDでのカメラ機器の実写画像導入も思い切った判断でした。


背景についてはネタバレレビューを読む などの映える能登の観光スポットは言うに及ばず、
川や橋を軸とした七尾市内の街並み描写が素敵でした。
私は石川県出身者ですが、七尾ってこんなに美しい街だったけ?とふるさと再発見した気分になり、
思わず聖地巡礼の模様を掲示板にアップしてしまう程。

その他、五郎島金時、のどぐろビーバーなど、
小物設定もダンボールでちょいちょいご当地成分を挿入して石川県人のハートをくすぐってきます。


表情描写については、人物だけでなく猫も印象的。
天文台に居座るツーちゃん(名称不定)にもふてぶてしさがありましたが、
ゲームセンターベティのロロちゃんにも“ヌシ”としての貫禄がありました。

あと個人的に高ポイントだったのはソフト部・穴水さんの日焼け跡。


【キャラ 4.5点】
私自身も高校時代は不眠気味。
寝ようと思って力む。交感神経上位になりますます眠れなくなり苛立つ。
怒ってアドレナリンが分泌されると、さらに神経が昂ぶって眠れなる悪循環。
朝が近づく恐怖を体感したインソムニア経験者として、主人公・中見丸太の心理には非常に共感できるものがありました。

加えて、丸太は、ネタバレレビューを読む
いちいち私と重なる部分が多すぎて、主人公に関しては客観評価が困難なレベルで感情移入してしまいます。

ついでに言うと、もう一人の不眠症、ヒロイン・曲伊咲についても、
ネタバレレビューを読む 頷ける点がありました。


但し、私の一推しキャラは白丸先輩でして。
私も先輩と“スケコマシ”な関係になりたいとは思いませんがw
白丸先輩を褒めておだてて照れさせたいという願望はとてもありますw


あと一点、ヒロインに関して毒を吐きます。
運動会。徒競走。みんなで手をつないでゴールイン。
あれは日本教育史上に残る汚点です。


【声優 4.0点】
主人公・丸太役の佐藤 元さん。
ラジオ等ではゲラゲラと良く笑う明るい青年といった印象の男性声優さん。
作中ではウジウジと理屈と自己嫌悪を並べる面倒くさい少年を好演。

そんなジメジメした少年が恋をして一皮むけた末にヒロインに向け放つ
ネタバレレビューを読む とのキラー発言。悶えます。

ヒロイン・伊咲役の田村 好さんはメインどころは初出演の新人女性声優。
臆せず主人公少年を照らす光源を全うし、潜在能力の一端を発揮。


奥能登関連作の『スキップとローファー』でも出演されていた石川県人・能登 麻美子さんが本作でも出没。
ただ『スキロー』と異なり石川弁は控えめな本作。
能登さんも養護教諭役として標準語で生徒とネタバレレビューを読む を奪い合うw


【音楽 4.0点】
劇伴担当は林 ゆうき氏。
アクションアニメやサスペンスドラマなどパワーで押す印象が強い同氏。
本作ではピアノなど静かな心情曲を中心に癒やしも与える新境地。

OP主題歌はaiko「いつ逢えたら」
ファンの方には申し訳ありませんが、個人的にaikoさんは長らく、ずっと活躍されているけど、
自分には良さがよく分からなかったアーティストの一人。
本作でも当初はEDの方が良いかなといった印象。

ですが作品を深く反映したこの良作バラードを咀嚼する内に、
私自身初めてaikoさんの楽曲がお気に入りになりました。
きっと私は今までaikoをよく噛んで消化できていなかったのでしょうね。
本作視聴は七尾だけでなくaikoも再発見した貴重な体験でした。


ED主題歌はHomecomings「ラプス」
こちらも眠れない夜を題材にした作品にマッチした歌詞世界。
挿入歌「ヘルツ」もラジオ放送にどストライクな佳作。
この両曲やヒット曲「アルペジオ」や「i care」も収録されたアルバム『New Neighbors』は、
本作の余韻に浸ったり、睡眠導入剤としても適した一枚です。

投稿 : 2025/01/25
♥ : 33

74.4 6 友達で文化祭なアニメランキング6位
負けヒロインが多すぎる!(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (330)
864人が棚に入れました
第15回 小学館ライトノベル大賞《ガガガ賞》受賞作、待望のTVアニメ化!想い人の恋人の座を勝ち取れなかった女の子——「負けヒロイン」。食いしん坊な幼なじみ系ヒロイン・八奈見杏菜。元気いっぱいのスポーツ系ヒロイン・焼塩檸檬。人見知りの小動物系ヒロイン・小鞠知花。ちょっと残念な負けヒロイン——マケインたちに絡まれる、新感覚・はちゃめちゃ敗走系青春ストーリーがここに幕を開ける!負けて輝け、マケインたち!
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

そういうとこだよ、温水君 by 八奈見杏菜

負けヒロインにスポットを当てた他愛もないアニメ。
負けヒロインは三人、八奈見杏菜、焼塩檸檬、小鞠知花。
どいつもこいつも個性的なキャラだ。
そして、勝ちヒロインも勝ちヒーローも変わってる。

しかし、端的に言ってモブヒーロー温水和彦が再重要キャラだ。
なぜならば、全方位にツッコミを入れる様はこのラブコメには欠かせない。
加えて、ストーカー妹、はちゃめちゃ先生、ゾンビ先輩など、変キャラには困らない。
果たして、これほど楽しい変わり種ラブコメがこれまであっただろうか。

キャラの魅力が半端ない作品の中で燦然と輝くのは、八奈見杏菜。
超かわいいにもかかわらず、超三枚目。
あんな女は見たことない。
ネタバレレビューを読むを満面の笑みで食いちぎる様は、芸術的ともいえる。

女の子は二種類に分けられるの、ネタバレレビューを読む
その自分勝手な杏菜格言は、まさに名言ともいえよう。
例えそれが負けヒロインの遠吠えとはいえ。

各負けヒロインにスポットが当たった素直なストーリー。
哀れさがコミカルさを醸し出し、シュールに突き抜ける。
そんな愛すべき負けヒロインの姿が生々しい。
あっさり、終了? それはないでしょう、たぶん。

舞台である豊橋は、名古屋在住時に良く仕事で通ったもの。
駅前や街並みが少々垢ぬけないのも愛すべきポイント。
路面電車のある風景は魅力的で、どこか懐かしい。

投稿 : 2025/01/25
♥ : 23
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

マケインで 光輝け 豊橋市

恋愛ラブコメでメインヒロインに敗北する“負けヒロイン(マケイン)”を題材にした、
同名ライトノベル(未読)の連続アニメ化作品(全12話)

【物語 4.0点】
原作者の雨森 たきび氏は中々、異色の経歴のラノベ作家。
大学時代、ラノベ新人賞に数回応募するも1次選考敗退……。
その後、事務職に就職し、執筆活動からは離れていたが、
40代前半に入り、仕事にも余裕が出てきて。
体力や頭の回転があるうちに「今できることをやりたい」と、
応募再挑戦した内の一作である本原作で受賞してデビュー。
そして今回のアニメ化に至る(※1)

しばしば“ロスジェネ”と揶揄されたりもするこの世代。
敗北、喪失の経験と取り扱いならお手の物。
何者にもなれなかったと自嘲する声が多いのも同世代の特徴ですが。
この原作者エピソードを見ると、40代から大谷翔平選手を目指すのは流石に無理にしても、
敗北も含めた、これまでの人生を伏線にして、挑戦や再起を志せば、
何某かにはなれるのだなと考えさせられます。

本作は作者が数年前アニメで見かけた青髪の“負けヒロイン”が、
恋愛に負け続けながらも、自分の気持ちに向き合いながら、もがく姿に感動したことから着想を得ているとのことで(※2)

本作には青髪の八奈見さんを始め三人のメイン“マケイン”が登場しますが、
それぞれ三者三様の身の処し方、想いの伝え方で玉砕する見事な負けっぷりで、
心を揺さぶって来ます。

この“マケイン”たち、心残りがないように自分の想いを吐き出しているからか、
恋愛に負けても、経験をいかに糧にできるかという人生においては、
むしろ勝ってるのではと感じます。
逆に恋愛の勝者であるはずの一部“勝ちヒロイン”の方が、
刹那の恋愛勝ちポジションを失う不安を抱えて、思い詰めている感すらあります。

人生では負けより価値がない不戦敗ばかりの自分が言うのもおこがましいですが(苦笑)
原作者の来歴含めて、瞬間負けて強くなった人間こそが人生では勝つという教訓を意識させられたラブコメ作品でした。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・A-1 Pictures

舞台となった作者出身地の愛知県・豊橋市。
現在私が暮らす名古屋から日帰り出来るということで、
この夏、聖地巡礼に行って参りました。
(近いと言っても片道80キロはあります。
返す返す尾張と三河を同県にしたのって、まぁまぁ酔狂な廃藩置県です)

尾張・名古屋城、西三河・岡崎城などに比べて、
インバウンドまで見込める観光資源には乏しい印象だった東三河・豊橋市。
一応、豊橋にも吉田城の櫓くらいは残っていますが、観光地としては正直……。

それだけに路面を走るヤマサちくわのラッピング電車や、パン生菓子のボン.千賀など、
日常風景から魅力的な舞台を切り取って来るロケハンと、
それらを再現する背景美術の仕事には感銘を受け、
気が付けば、この夏もクソ暑かったのに自然と豊橋に足が向いていました。

作中でも巡礼でも特に心に残ったのは、主人公たち高校生の登下校シーンの舞台。
リアルでは愛知大学前駅のホーム。
キャンパスの森をバックにした通学シーンは最高に絵になります。


これらの舞台で躍動するキャラクターの作画も、
通常ワンパターンの影の付け方しかない所、場面に合わせて複数パターン使い分けて心情表現。

さらには、プロップデザイン担当者に「料理作監」を特命し描き込み、食いしん坊の八奈見さんの演出をサポート。

そして第九話。サブの勝ちヒロインのために特設された“姫宮華恋バストコーディネーター”による狂気のプルプル感w

作画コスト度返しで、クオリティを追求するこだわりが半端なかったです。


主人公たちが通う“県立時習館高校”の女子制服。
襟から縦に4つ連なったリボンも、キャラ個性出しに寄与していました。
メインの“マケイン”たちばかりでなく、
バックのモブの女生徒に至るまで一人ひとりちゃんとリボンカラーが異なっている辺りが、本作の妥協なき所。
この作品“マケイン”だけでなくモブキャラも輝いていました。

本作が初監督だという北村 翔太郎氏。今後の活動に注目です。


【キャラ 4.5点】
青髪の“プロ”幼馴染・八奈見杏菜。
褐色ショートヘアの陸上部・焼塩檸檬。
片目が隠れた小心文芸部の小鞠知花。

ビジュアルからして既に「戦う前から負けている」w“マケイン”たち。
焼塩檸檬に至っては名前からして、
平安貴族が藻塩焼いて袖を濡らす失恋歌でも詠みそうな凄まじい“マケイン”名。
私も思わずレビュタイ五七五にしちゃいましたがw


この夏アニメはラブコメが渋滞気味で、
本作も実は初回視聴は後回しになっていた私。

目が覚めたのが、初回放送後ネット界隈で出回った、
校舎屋上にて、やまさチクワをくわえる“マケイン” 八奈見さんの衝撃カット。

令和時代に獅志丸(『忍者ハットリくん』の伊賀忍犬。古くてスイマセンw)以来のちくわキャラ爆誕か!?
と色めき立ち視聴しだした次第。
(実際には、八奈見さん、ちくわ喰ってたの初回だけでしたが)

食いしん坊の八奈見さんが、お弁当などを持参して、
主人公男子の温水くんへの借りを返済していくネタも、
視聴動機を持続させる“連載ネタ”として有効でしたね。


“連載ネタ”と言えば、小鞠と温水の水道水談義。
私も小学生の頃、あの洗面台は端っこの上向き蛇口が一番冷えていて旨いと蛇口による味の違いを知る人間であった栄華?を思い出し懐かしくなりましたがw
流石に、時間帯や階層まで計算に入れて水分補給はしていませんでしたw

公式HPも“八奈見杏奈カロリーメーター”や“マケイン水道探索”を随時更新するなど、ノリノリでしたねw


温水くんと“マケイン”たちの今後については、
“正妻感”は圧倒的に八奈見さんで、肉体的に濃厚接触していたのはネタバレレビューを読む 檸檬ですが。
掛け合いに将来の夫婦感出ていたのは小鞠だった印象。
小鞠ちゃんの温水に対してだけ毒舌が先鋭化する姿はある意味アットホームでしたし。

ですが、これは結婚相手ではなく、1年以内に7割破局するという高校生カップル(なんて世知辛い初回冒頭ナレだw)
に至るかどうかの論点なんですよね。

やっぱり八奈見さん?と思い直しつつ、
もういっそ妹の佳樹に甘えて、お友だちいないんですねと憐れまれるモラトリアムに逃げ込みたい心境もw


【声優 4.0点】
八奈見杏菜役の遠野 ひかるさん、焼塩檸檬役の若山 詩音さん、
小鞠知花役の寺澤 百花さん。

“マケイン”たちの三者三様のボイスは目を瞑っていても判別できるレベルでキャラ立ち良好。

その中でも特に寺澤さんの陰キャ演技に感心させられました。
アニメ観ていると、相当、声を張り上げる元気キャラでも、セリフが聞き取れないシーンがあったりしますが、
小鞠の声に関しては、ボソボソ濁声でありながら、つぶやき一つに至るまで明瞭に聞き取れたのが凄いと思いました。

これは音響の調整による所も大きいのかもしれませんが。
寺澤 百花さん。昨年初レギュラーの新人ながら、中々侮れない声優さんです。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は、うたたね 歌菜氏。
基本は多彩な音で会話劇を下支えするミニマル・ミュージックに徹する。
が、ピアノやストリングスのアレンジが盛られた際は、
宮廷ファンタジーBGM並みに優雅かつ繊細で、
いつの間にかキャラ心情を視聴者のハートに注入されている油断ならないお仕事ぶり。

が、“BGM”として何より優秀だと感じたのが蝉の声などのSE。
夏は前半で終わってしまう本作ですが、
私の中では巡礼も相まって、青空が眩しい夏アニメとして記憶されるのだと思います。

OP主題歌は、ぼっちぼろまる「つよがるガール feat. もっさ(ネクライトーキー)」
冒頭から“負け”を連発し、遊んでいると思わせておいて、
歌詞世界では負けて強くなる“マケイン”の本懐を捉える良作アニソン♪

ED主題歌。
八奈見杏菜「LOVE2000」(hitomi)
焼塩檸檬「CRAZY FOR YOU」(Kylee)
小鞠知花「feel my soul」(YUI)
“マケイン”たちによる平成懐メロリサイタル。

その中でも八奈見さんの「LOVE2000」のカバー。
実写の豊橋市の背景に、セルアニメ制作でキャラを重ねて、8mmフィルムで撮影処理したというED映像。
「2013年9月29日のサザエさん以来、10年9か月ぶり」だという新作セルアニメがいっそう平成ノスタルジーを醸す。


【参考文献】(※1、※2)東愛知新聞「東三河のサブカルチャー③ 豊橋出身のラノベ作家 雨森たきびさん」

投稿 : 2025/01/25
♥ : 26

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

食べ過ぎw

原作未読 全12話

高校生で好きな人に振られたヒロインたち八奈見杏菜(やなみ あんな)・焼塩檸檬(やきしお れもん)・小鞠知花(こまり ちか)の三者三様のラブコメ物語です。

モブのような水道水好きでオタクの高校生で主人公の温水和彦がそこに何故か関わってしまいます。

1話からテンポ良くお話が進んでいきますので、これは面白そうだと思って観ていきました。

主人公とまったく恋愛に発展しなかったので、その分それぞれのヒロインや振った方にもクローズアップしたのも良かったですね。

振られ方はそれぞれですが、振った方はみなさんお付き合いしていますねw

また、振った方も相手も身近な存在というのも共通点でした。

中には危ない子もいましたがwなんか振られたヒロインの心の中は傷ついているかもしれませんが、丸く収まった感じでしたね。

続きがあれば是非観て観たい作品でした。

OPはぼっちぼろまるさん、EDは負けヒロインの中の方、遠野ひかるさん、若山詩音さん、寺澤百花さんが歌っています。

最後に、温水君が八奈見さんを恋愛対象にならない理由は納得してしまいましたw

投稿 : 2025/01/25
♥ : 26

72.2 7 友達で文化祭なアニメランキング7位
フルーツバスケット 2nd season(TVアニメ動画)

2020年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (185)
765人が棚に入れました
親を亡くした女子高生の本田透が、縁あってクラスメイトの草摩由希やその親戚のたちと暮らすことに。しかし、"十二支の物の怪憑き"である草摩家には、「異性に抱き着かれると、憑かれた物の怪に変身してしまう」という秘密があった。その秘密ゆえの、家族からの極度な愛情や拒絶、学校でのいじめなど、草摩家の人々を、透は目の当たりにすることになる――。

声優・キャラクター
石見舞菜香、島﨑信長、内田雄馬、中村悠一、釘宮理恵、潘めぐみ、興津和幸、古川慎、櫻井孝宏、上田麗奈、大地葉、河西健吾、豊崎愛生、坂本真綾、森川智之、種﨑敦美、佐藤聡美、沢城みゆき、江口拓也、加隈亜衣

ミュラー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

原作の良さを再認識できる

以前のアニメ化では扱わなかった後半のスタート。
物語りのキーとなる帽子の謎も判明し、物語が佳境に入っていく。
改めてフルバって名作だと感じる。丁寧にアニメ化してくれて、感謝感謝。
このまま最後まで突っ走って欲しいです。
セカンドシーズン、9話良かったなあ。神回だなあ。
今日子さん出てくれたなあ!

この物語のキーパーソンはなんといっても本田透の母、今日子だと断言したい。
漫画での文字だけの心理描写が、声優の演技によって、よりダイレクトに入ってくるのがいいよね。
ちょっとした場面でも感動を感じさせる演出、素晴らしいです。

まだ続くみたいなので、とりあえず中間レビューということで。

2020/9/22
2ndシーズンもこれで終わりのようです。
The Finalシーズンが来年の予定のようだけど、いつになるのかな?
まだ透の父母の話が出ていないけど、やるのかな。
分量的にはもう2クールやると終わる感じ。
2期の最後も衝撃の展開でしたが、原作知っているだけに「ふーん」という感じでした。
でも漫画より何倍も面白いし、Finalも期待して待ってます。
今の世の中でも全く古いと感じない原作の面白さに感嘆します。
アニメ制作スタッフに感謝!

投稿 : 2025/01/25
♥ : 12

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

君を、想う。

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ2001年版と、2019年版の1st seasonは視聴済です。
2001年版は原作が完結していなかったので、全2クール26話で最終話はアニオリとなりました。
ですが、今回は本編の最後までアニメ化される…
2019年版の1st seasonを視聴した時、これがムッチャ嬉しかったのを未だ覚えています。
しかも、1st seasonからいきなり2クールなんですから…
そして2nd seasonも2クールという骨太の作品になりました。


透が紫呉の家に住み始めてから一年が経とうとしていた。

由希と夾だけでなく草摩家の皆とも交流を深めてきたが、
今も気になるのは忌まわしき『呪い』の正体。

進むべき道、決められた宿命、
終わりなき――十二支の――宴を前にして
由希は、夾は、そして透は何を想い、何を決意するのだろうか……。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

透を取り巻く世界の日常を描いた作品…
だけど、2nd seasonも色々なことがありました。

出来事の多くは十二支の呪い…物の怪に纏わる悲しい物語。
異性に抱きつかれると憑かれた獣に変身してしまうという体質の設定は、2nd seasonではすっかり影を潜めています。

それは物語の軸足が「草摩一族の秘密」という十把一絡げの状況から、十二支の個々人の在り方に変わったから…
一本調子だった物語が、登場人物の数だけ分岐し、それぞれの道を歩み始めたんです。

枝分かれした道は細く、脆弱で、行き先が分からず彷徨っているみたい…
時に道同士が交錯したり離れたり、歩みの速度もバラバラ…
心は「真っ直ぐ進め」と叫んでいるのに、右に行ったり左に行ったり…

でも、これらは私たちが「生きている」証なんだと思います。
心の弱い部分、知られたくない秘密、抑えきれない衝動、耐え難い畏怖…
そして誰かを愛する気持ち、大きく包み込む優しさ、温かさ…

ヒトは色んなモノを抱えて生きています。
それは十二支だって一緒…
そう、例え十二支の呪いがあったとしても、皆さん私たちと一緒なんです。
そういう十二支の人間臭さがひしひしと感じられる展開だったと思います。

そして、透の友人の魚ちゃんと花ちゃん…
2nd seasonも「透愛」が変わらず凄まじかったですが、今回は魚ちゃんに一波乱ありましたね。
コンビニ、蕎麦屋とたった2度の出会いでしたが、物凄いインパクトがあったと思います。
思いのたくさん詰まったDVD…両手を振りかざして叫ぶ言葉に、私の涙腺は全く抵抗できませんでした。

2nd seasonの中盤からこのクールじゃ絶対物語が完結しないと予感していました。
どの様に物語を纏めるんだろう…と思っていたら、物語の途中でスパッと切られて終幕となりました。
でも、いいんです…
だって、2021年に「フルーツバスケット The Final」の放送が決定したんですから…
それにしても、2nd seasonの最終話は凄かったですね。
私は原作未読なので、明るみに出た衝撃の事実にビックリすることしかできませんでした。
これで透の野望が一歩前進するかもしれないのは、きっと喜ばしいことなんだと思います。
でも、紅野の口から零れ落ちる台詞を聞いたら、素直に喜べないと思ったのも事実です。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、AmPm feat. みゆなさんの「プリズム」と、土岐麻子さんの「HOME」
エンディングテーマは、THE CHARM PARKさんの「ad meliora」と、MONKEY MAJIKさんの「Eden」

2クール全25話の物語でした。
2nd seasonもしっかり堪能させて頂きました。
ですが、最終話の衝撃から波乱万丈が予想される最終章が気になって仕方ありません。
この状況で一年待ちかぁ…
完成するまで待ちますので、本当のラストまで描き切って貰えるのを期待しています。

投稿 : 2025/01/25
♥ : 16

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

核心の第3期へ!最高のパスを送った第2期

原作未読。最終話まで視聴。

【呪いが・・・!?】
かなり衝撃的な最終話でしたね。
『呪いが・・・!?』
『アキトが・・・!?』
もう、第3期を見るしかない!
そう思わざるを得ないような、衝撃の最終話。

【魚ちゃんと花ちゃん】
修学旅行と文化祭。
魚ちゃんと花ちゃんには笑わせて戴きました。
この2人は透も含めて、個性が際立っているので、どんな状況でも面白い展開になっちゃう。

暗くなりがちな物語の清涼剤的な役割。

ラストシーズンとなる第3期。
楽しみにしています。

投稿 : 2025/01/25
♥ : 16
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