友情で友達なTVアニメ動画ランキング 13

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の友情で友達な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月31日の時点で一番の友情で友達なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

76.8 1 友情で友達なアニメランキング1位
ゆゆ式(TVアニメ動画)

2013年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (1292)
5914人が棚に入れました
この春、女子高生になった、ゆずこ、唯(ゆい)、縁(ゆかり)の3人組はいつもいっしょの学園生活。
放課後は部員3人、パソコン2台とホワイトボード1代の「情報処理部」で、てきとうに決めた単語をググってその結果でまたおしゃべり。
なんでもない日常は、たまにイベントも発生するけど、やっぱり女の子がいちゃいちゃするだけ。でもなぜか目が離せない新世代女子高生コミュニケーション。
ゆとりかわいい学園生活は、遊びtお部活とところにより百合要素。
ノーイベント・グッドライフ!それがこの三人の”ゆゆ式(ルール)”

声優・キャラクター
津田美波、種田梨沙、大久保瑠美、茅野愛衣、潘めぐみ、清水茉菜、堀江由衣

お茶 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

なんでもないようなことがおもしろかったとおもう。<改稿>

まずは正直ゆゆ式すげーってのが感想。日常系の枠に入る事は確かなんだけど、日常系にも、ある程度の非日常と言うか、パロネタとか不思議な世界観とか、それなりに魅せる要素があるのが定番なんだけど、本作は無いんですよね。日常を描いた日常系。

ギャグって程ボケたワードでもないし、どこかに出かけるとかイベントも少なく、出かけたとしても、そこをネタにする気が全くない。ゆるいとか、ほんわかとかそんなんじゃない何かがこやつにはある。

学生の時ってノリって大事じゃないですか。無茶振りされても必死で面白くさせなきゃいけないみたいな。そんな強制されたものじゃないんだけど、程よく楽しめる関係性で築き上げられた、とりとめのないJKの単なる会話で、これが何でこんなに虜にさせる毒を持つのか、、

日本語って面白いなって改めて感じる作品。日本語に潜むちょっとヘンな部分や、間違って使っているフレーズへの気づきとか、ゴロの響きとか、そんなありふれた会話を、ありふれた女子高生でひたすら見せる。これが何気なく心地いい。

電話かければ誰かと話せるみたいに当然で、そこには何もかけた理由なんてないんだけど、いざ会話を始めると楽しいみたいな感じでしょうか

投稿 : 2024/12/28
♥ : 40

祭理@クソアニメ好 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

まさに『何もない』アニメ

原作既読


タイトルの通り『何もない』アニメである。

……というのは言いすぎですが、とにかく全話通してストーリーが乱高下するようなイベントもない、女子高生の日常をただただゆるゆると描いています。
他の日常アニメと違うのは、それを徹底していること。
観ることにストレスを感じない。それでいてキャラが可愛い。
正にベストオブ日常モノ。
それでいてやたら細かい表情やら仕草やらをきっちりと画面に入れ込んでいて、スタッフさんの苦労を思うと頭が上がりません。

それとあまり評価にあがってませんが、作画の安定感は近年のTVアニメの中でも屈指の出来ではないかと思います。
お母さん先生の部屋で行う鍋だったり、ジャムをかけて食べるアイスクリームだったり、ハムレタスサンドであったり、やたら食べ物の作画が凄いです。

音楽の面でも、ネット界隈で有名な様々なクリエイターさんを起用していて、どの曲も色が違っていて聞いていてとても楽しいです。



結論としては、おもしろい!!

投稿 : 2024/12/28
♥ : 11
ネタバレ

やまだ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

★4/ 無形のカレイドスコープ

萌えではない日常会話劇

縦横無尽な推進力で燃料投下していくスターターゆずこと機知に富んだ多彩な展開力のエキスパンダー縁と俊敏な判断力で応答するリアクター唯。それぞれの役割は秒単位で流動しボケとツッコミも時に1対2、2対1と華麗に変化し絶妙なバランスの上に広がるリアリティ溢れるユートピアを眺める至福を味わえる本作は唯一無二という言葉すら生ぬるい。

これは断じてただの女子高生に萌えるアニメなどではない。メンタルサプリメントであり思考実験であり現代を生き抜く為の極意であり本質であり真実であり本物であり真理でありもうなんかアレだよアレ。

世の中にクソリプを撒き散らす○○どもに限らず我々全国民はこの作品を姿勢を正して手をグーにして正座して腹に力を入れて目を見開いて口を閉じて定期的に周回する義務を課していくべきである。

それはなぜか。
では以下に記述しておく。

例えば縁がゆずこと唯の2人に対してこう呼びかける場面がある。

「みんなは〜」

2人を結べば線となり、3人結べば面となる。団体という概念の最低単位は3である。多分。理想的な家庭環境であれば自分と母親と父親とでこの構造が最初に形成されることになる。

自己が多数派にも少数派にもなり得る流動的かつ不安定な構造の安定を計るには実に多彩で高度な判断が他方に許される範囲内での応答速度を持って求められる。そう、バカには"場"を維持することは難しい。この作品を1話だけチラ見しただけの者から見ればゆずこはただのバカキャラにしか見えないだろうが最後まで視聴した者は成績もそれなりに優秀で他人に対して常識的な対応も出来る人物だと知っているはず。血統の良い縁は言わずもがな。唯も縁と幼馴染であるので家柄も悪くないはずであり、その2人相手の対応を見てもそれなりの判断力を持ち得ている事に疑いはない。

この作品はたとえば繊細なアクセルワークで沈黙を破って進入してきたゆずこの速度と強度を即座に参照算出、適正な戦略と戦術で迅速に適応的な対応を選択し快適なリズムを崩さずに"場"に展開、その後も同様に柔軟な対応を当意即妙に続けていくというとても高度な技能のケーススタディなのである。

これはどんなにスーパーでスペシャルなコンピュータの高性能AIでも実現不可能な芸当である。今後いくら技術が発達しようとも。絶対と言い切れる。何故か?

コンピュータには身体性が無いからだ。

人間の脳は無意識領域であっても周囲の様々な要因に影響される。温度湿度光量音量臭い壁の色人間の数など。身体的にも空腹度疲労度などの体調面。凄まじい数の要素がリアルタイムで次々と変化する。パラメータを計算するだけならAIが得意だろう。だがそれらを測定するセンサ自体が存在しない。彼女らはそれらの複雑なパラメータを瞬時に読み取り計算し時には修整しつつ"場"を整えていく。

では何故"場"を整える必要があるのか。
 
続きは有料となります(嘘)
この作品見たらわかりますよね。

以下各話メモ。
{netabare}
1日1話の勢いレビュースタイル。けいおんとの2本立て。思ったことそのまま。

1話
こりゃスゲェ。ほんとに何も起きない。けいおんがほんとにゴージャスに感じる。なる程これは唯一無二なのかもしれん。じっくり彼女らの生活を覗き見することにしよう。

2話
リズムにハマることあるよね。わかるわかる。胸の話題は流石にわからんが切実なのかもな。男は見せ合いとかしないからどうなんやろ。お母さん可愛い。全く教師感がないがコレはコレでいいのか?先生から何か教わることくらいは無いのかな。2回目にしてオープニングエンディングがいい曲に感じて来た。アレ?ハマってきた?
3話
夏休み。水って何だ?何なんだろ。部屋に何もイジる要素がないのな。けいおんと比べて物凄く濃度が濃いような気がする。何だこれ。女子高生のリアリティとかはわかる訳ないのだが。一応プールなんか行くけどあっさりしててイベント感がまるで無い。なんか凄いものを見てる気がする。展開も何もないのに次が見たくなってる不思議。
4話
何これ凄い。メチャクチャ面白いんだけど。絵柄はもう全く気にならない。他の子との絡みも増えてきた。オープニングエンディング両方落とした。2曲ループで数時間聴いてる。コレはヤバイものを知ってしまった。いや、コレ本当に凄い。マジで。何故かとかは浮かんでは来るが考えたくない。語彙力無くしたままでいい。今は身を任せて味わおうと思う。
5話
いきなりターン制が始まりすぐに終了。様々な口火から不意に急展開しては元の話題に着地したりとアドリブのような会話が楽しいのか。2週目はどんな感想になるのかな。カイザー…、懐かしいなアレ。記憶無くして見たいって最高級の賛辞だと思うけど、だからといって勧めたりはしないのね、なる程。なんか物凄いヒントが沢山詰まってる気がする。ああ、またくだらない長文書きそうだ。
6話
ポテトは木曜日に決まってんだろ。コート姿もいいです。学校指定品に種類あるのか。歳とるとビックリのダメージが大きくなるな。クリスマスの身内お泊り回すらない潔さ。男子の話題が出ないのは新鮮。帰り道の横並びのポジションが度々スイッチするのなんかいいですね。
7話
1クールの作品で後半から急に雰囲気変わるのは何故なんですかね?2人だけの絵面は新鮮。下ネタはちょっと残念。ただ見てるだけで幸せな気持ちになる不思議な体験。時間が経つのが、凄く早い。
8話
やっぱ演出変わってんな。腹とか胸とか足とか要らんのに。胸触っていいよ一回だけ、てのはお返しのつもりなのか。これショートアニメだった?ってくらいにもう終わり?ってなる。え?あと4回しかないの?嘘でしょ?
9話
ふみの後ろ姿から始まり佳と合流して2人で話しているところに縁登場。何なのかわからんが貫禄を感じる。教室に入るとゆずこと唯が話している場面。何この安心感。場面が切り替わるたびに残り時間を確認している。下校時6人並びの絵が新鮮。でもやっぱり一緒に遊ぶ描写はない。
10話
会話の内容を絵で表現するのは普通だけどココではやらなくていいような。でもメンドイ魔物のデザインは好き。グッズあればちょっと欲しい。戦うべき感情を可視化するのは割といいアイデアなのかもしれない。自分との戦いに勝利する為にはやはり他者の存在が必要なのだ。人は1人では生きていけない。いわゆらないって言った事ある。EDの神様は少し笑った。油断してるとすぐ終わる。あと2回。
11話
いやあと1回で終わると思うとなんか身が入らんというかどうせ周回するだろうしと思っていたらあっと言う間に終わってた。少し真面目な青くさい話も。いやでも次が最終回なの?信じられない。本当に?
12話
いやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ終わったああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
{/netabare}

投稿 : 2024/12/28
♥ : 19

80.5 2 友情で友達なアニメランキング2位
明日ちゃんのセーラー服(TVアニメ動画)

2022年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (465)
1474人が棚に入れました
舞台は、田舎の名門女子中学・私立蠟梅学園。 あるきっかけから、この学園のセーラー服を着ることが「夢」だった少女、 明日小路。 念願叶い、ドキドキで入学式当日を迎えるがー 「私はセーラー服に決めました」 決意を胸に、夢の中学生ライフが始まる♪ クラスメート、給食、部活動… “初めて”だらけの毎日を、小路は全力で駆け抜ける! 少女たちの、キラキラ輝く青春日記。 「友達いっぱいできるかな?」

声優・キャラクター
明日小路:村上まなつ
木崎江利花:雨宮天
兎原透子:鬼頭明里
古城智乃:若山詩音
谷川景:関根明良
鷲尾瞳:石上静香
水上りり:石川由依
平岩蛍:麻倉もも
四条璃生奈:田所あずさ
神黙根子:伊藤美来
龍守逢:伊瀬茉莉也
峠口鮎美:三上枝織
蛇森生静:神戸光歩
苗代靖子:本渡楓
戸鹿野舞衣:白石晴香
大熊実:小原好美
明日ユワ:花澤香菜
明日花緒:久野美咲
明日サト:三上哲
福元 幹:斉藤朱夏

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

優れた友情物語と歪んだエロスの視線。だからこそ文学を感じます。

この話、2つの大きな側面から見る事ができると思います。

 一つは、明日ちゃんが田舎暮らしで一人きりで、友達がいない。アイドルと沢山の人間がいる学校に憧れていること。

 その明日ちゃんは学校に通うことで、友人を作って行きます。が、単に友達作りの話ではなく、純粋な明日ちゃんの影響で、皆が自分と向き合ってやりたい事に挑戦するという事でしょう。

 たった1人のセーラー服。セーラー服は明日ちゃんの憧れでもありました。教室に沢山の人に対する憧れ、友達とは一見矛盾します。
 ですが、明日ちゃんはセーラー服が何より好きで、その自分に誇りを持っています。周囲と違う格好でいるのは、通常なら浮いた存在になると嫌がるところです。セーラー服が母の手作りというのもいいですね。時代を超えた良さという価値観にもつながります。

 で、明日ちゃんの自然なふるまいから、周囲を巻き込んでどんどん友達が増えて行き、最後のバレーの練習の時は自然に人が集まりました。

 一方でアイドルに対する憧れ…華やかな世界に対する漠然とした憧れに対して、自分の個性と一番の親友の協力で舞台で踊ることになります。最終的には、皆の前で踊る=学校のアイドルになるというカタルシスが待っていました。
 
 この友達、アイドルへの憧れ=セーラー服という象徴に対して、明日ちゃんは自分を周囲に迎合するのではなくあくまで自分らしく個性的に生きることで素晴らしい学園生活を実現しました。

 バレーで友情を表現し、ダンスでアイドルを表現する。そして、親友が楽器を演奏するという最終回はこの物語の結末として、そのことを非常によく表していました。

 小路が冒頭と最後にトラックの農家のタイラさんという人に挨拶します。この態度に変化がないのは、小路という少女の本質は変わらないという表現もあるのでしょう。



 もう1つの視点。それと同時に13歳の少女の無垢さ、自然のエロスを思う存分に堪能するという側面もあります。エロスと一概にいっても、性行為を夢想するものではないと思います。

 川端康成の「眠れる美女」という話で、枯れた老人が睡眠薬でぐっすりと眠ったうら若い全裸の少女の横で一晩寝られる、という秘密のサービスの店を扱った話があります。
 この話と同じで、本作の視聴者の登場人物に対する視線は、決して性行為の対象としてではありません。なので、性的な視線の対象となる少女の個人名はどうでもいいわけです。少女のアイデンティティは関係なく、自分を相手に知ってもらうこともなく、一方的に少女のエロスを感じるという事です。

 本作の視聴者層は決して老人ではないと思いますが、少女の無垢なエロスを盗撮的に覗き見たいという欲望はどこかにあるのではないでしょうか。マジックミラーのような一方通行の視線です。

 これは日本独特のものかはわかりませんが、すぐにペドフィリアにつなげる海外の倫理観を考えると、その違いに日本人に強く感じるところです。

 若さに対する劣等感が強く作用しているのでしょうか。世界的に日本人ほどルッキズムで若さ崇拝処女崇拝の国はないのではないでしょうか。つまり、醜い自分を美しい少女に知られることなく、そして処女を散らすような行為に及ぶことなく眺めていたいという欲求が文学的でもありました。

 本作って、2次創作の薄い本てあるんですかね?私としては、あまり成立しない気がします。それはこの作品が見ることそのものがエロスなので、行為に至ってしまうとエロスの質が落ちる気がするからです。

 フェチズム…特に下着、髪、足については非常に強く感じます。あるいは衣服そのものについてもでしょう。ここに少女たちを個性でみるか、形式で見るかの視線の分かれ目がある気もします。本作の場合、女子中学生あるいは13歳の少女という記号に対する視線なのか、明日ちゃんという個人に対する感情なのかの境界線があいまいです。

 この友情物語とエロスの視線。どちらもこの作品の本質かと思います。川端の文学は歪んだ老害の性欲の残りかすですが、それが新感覚的物語と私小説的な性癖の両面があって初めて文学となっていることを考えると、両立しているというより両義性が必要なのでしょう。
 女学園という場の13歳の女子中学生の友情物語は普段我々は本来覗き見ることができません。それを赤裸々に覗きみることは、友情に感動することでもあり、歪んだエロスを感じることもあるという両面性かと思います。
 

 キャラデザについてです。まず目の大きさの意味ですが、これって、内面というか感情を描きたいから?表情がちょっと大げさなくらいの描写でしたし。目がよく動いていました。萌え絵ではだめでしょう。特に髪の色が日本人としては、非現実ではありますが実際にある髪の色でないと駄目なんでしょう。

 また、それぞれの登場人物の制服の着方に個性があります。明日ちゃんのセーラー服は特殊ですが、クラスメイトたちの没個性の制服に「性格」が現れます。髪もそうですけど、制服の着方と目に非常に感情というか内面が表現されていた気がしました。

 少女にリアリティを与えると言う意味で本作は作画が乱れては話になりません。髪や衣服はもちろんですが、家も学校も、自然もプールや体育館など少女が配置される空間を含めてでしょう。
 明日ちゃんが学校生活の中で友人を得て行くは話にしても、少女を眺めるにしても、そこに現実感があるかどうかで、その価値はまったく変わってしまいます。
 本作は内容と作画の水準が高いレベルで相乗効果を生み出しています。

 あまりに悪意がない世界観ですので、少女のリアル…ではないですね。少なくともこんな悪意のない世界は世の中にありません。ただ、そのデフォルメされた世界に抽象化された「個性」についてのリアリティがあるんだと思います。また、そのリアリティのある少女の塊が、無個性な少女の集団でもある気がします。

 OPEDは更に上を行く作画でした。どこをとっても超ハイレベルな作品だと思います。縄跳びのEDは最高でした。



 22年8月までにリアルタイムでのレビューと、追記を数度重ねましたが、ゴチャゴチャしていたので、23年7月にまとめています。内容はほぼ変えていません。リアルタイムの時はそのあまりの13歳の少女に対する視線で、拒否反応が無くは無かったですが、しかし、改めて見てみると素晴らしい作品だと思います。

 評価は4.4だったですが、これだけ心に残る作品はめったにないと思います。再視聴も重ねていますので5にします。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 48

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

とんでもないフェチアニメ…、俺じゃなくても見逃さないね。作画とは伝えたいモノを表現する力。

 日常系は安易な道ではなく、作画も見た目が綺麗なら良いというような単純なものではない。この2つの道を見事に踏破した本作は凡百の作品ではない。



 日常系は物語を盛り上げる濃い味付け、即ち劇的なイベントは避けられる。それでいて視聴者に喜びを与えなければならないのだから難しい。成功している作品はそれぞれの戦略があるが、本作の場合それは圧倒的な表現力ある作画に基づいた少女たちのフェチズムと美術の素晴らしさにある。


 大きな出来事がなくても、世界はそれでも美しく素晴らしいと肯定させる力があるかどうかが日常系では大切だが、本作のフェチの描写は見事としか言いようがない。フェチといってもそこには下品な匂いが欠片もなく、そこに目をつけるかぁ!という視点の素晴らしさと、なによりそれを上品に表現する作画力が尋常ではない。さらに、キャラの描き分けや、その魅力を掘っていく丁寧さもあいまってシンプルでも退屈しない作りになっている。


 終盤の音楽に合わせて踊る描写は、色んな作品で何度もやられてきたことであるが、ここまで積み上げてきたものがあるから、そして心まで踊りだすような作画の表現力があるからこそ、「凄い作画だなぁ…以上」というような単なる技術自慢に対する感心ではなく、ジーンと胸に響く感動にまで高まっている。



 単に凄い作画といっても、それだけでは只の技術であって感心はしても感動はない。そこに伝えたいモノ、即ち感情やテーマが組み合わさって初めて人を感動せしめることができる。雄山曰く「人を感動させるものは、人の心のみなのだ」。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 34
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

美しさと無垢の向こう側

アニメーション制作:CloverWorks
監督:黒木美幸、シリーズ構成・脚本:山崎莉乃、
キャラクターデザイン:河野恵美、
サブキャラクターデザイン:川上大志、安野将人、
総作画監督:河野恵美、川上大志、安野将人、
美術設定:塩澤良憲、美術監督:薄井久代、守安靖尚、
音楽:うたたね歌菜、
原作:博(集英社「となりのヤングジャンプ」連載)

人によって、見え方が大きく変わる作品だ。
萌え要素や可愛い女の子を愛でる人にとっては楽しいだろうし、
合わない人は強烈な拒絶反応を示すほど、
偏った視点で女の子が描かれている。
おそらくそういう狙いで制作されたアニメであることは間違いない。
脇を見せたり、太ももを強調したり、お風呂シーンが多かったり。
主人公がすぐに脱ぐアニメとも言える。
口についたクッキーのかけらを舐めるシーンを見せるなど、
フェチ的な要素も満載だ。
初めて観た直後は、それらのシーンがかなり鼻についたのだが、
途中の回の1話分をじっくりと観終えたとき、
この作品がとても高いレベルを目指して、
とんでもない労力と優れたセンスで作られていると感じた。

原作は集英社のウェブコミックサイト
『となりのヤングジャンプ』で連載中。
作者の博氏は、いかに可愛らしく女の子を描くかということを
最重要視するような漫画家でイラストレーター。
アニメ化された『スーパーカブ』では、
ライトノベルの挿絵も担当している。

アニメのウェブサイトを覗くと、この作品には
かなりの資本と期待がかけられていることが見て取れる。
中心の3人以外は、それほど出番がないのに
声優陣の顔ぶれは、主役をのぞいて有名どころばかりで、
全員のコメントまで付いている。
アニメーション制作は、
最近、質の高い作品を手がけることが多い
ソニーグループ傘下・アニプレックスの
子会社であるCloverWorksだ。
そのなかでも特に力を入れた作品だろう。

おそらく、かなり優秀な人材が集められたチームで、
中心は女性スタッフで固められている。
題材からすると、かなり「イロモノ」として
見られる作品のはずだが、女性スタッフが
男目線を排除しているので、それほどいやらしさは感じない。
当初は進んで観ようとは全く思わなかったが、
1度観てみると、その絵作りの見事さと、
何気ないけれど、描きたいことが
はっきりしているストーリーに魅了されてしまった。

特筆したいのは、やはりその絵作りだ。
OPアニメーションは鮮烈。
木崎江利花がシャボン玉を吹くと、
主人公の明日小路のいる教室に
揺れるカーテンを掠めて
多くのシャボン玉が入ってくる。
まるでたくさんの友だちが現れたように。
それを見て微笑する小路。
やがてイントロとともにいくつもの絵が映し出される。
水道からの水を指で押さえて飛ばしているのを
騒ぎながら避けようとしているシーン。
神黙根子を背負っている小路を笑顔で見る谷川景。
「足の美しさ選手権?」を開催している構図は
アンリ=カルティエ・ブレッソンの写真で
見たことがある気がするほど決定的な瞬間を映し出している。
どの止め絵も構図や人物の動きがしっかりした計算で配置されていて
1枚の絵として純粋に楽しめるクオリティがある。

それらの絵よりも驚いて、細部まで見入ってしまったのが
体育館の舞台で小路のクラスメイト16人全員が
目を瞑って裸足で座っているシーン。
舞台の質感や赤い幕、左上から射し込む陽光。
キャラクターそれぞれの姿勢など、どれも完璧な構図。
一瞬しか映らない絵にとんでもない労力をかけている。
これを発見したとき、得をした気分になった。
もちろん一時停止して細部まで見入った。
芸術家がこだわりぬいた絵画のような凄みがある。

アニメーションそのもの美しさとセンスで、
ここまで驚かされたのは、京都アニメーションくらいかもしれない。
比較として思いつくのは藤田春香監督のヴァイオレットの外伝だ。
絵が綺麗というだけではないレベルの高さがある。

内容もかなりクオリティが高い。
物語は、小学生時代に過疎の学校に通っていて、
ずっとひとりぼっちだった明日小路が、
新しい学校で友だちを作るというだけのシンプルなもの。
しかし、細部の表現がとても丁寧で、
それぞれの心の動きも感じさせてくれるため飽きさせない。
例えば、2話のクラスでの自己紹介からの
給食の流れの話は、小路の純粋さと周りの反応を
とても上手く掬い取っている。
クラスのみんなと友だちになりたい小路は、
自己紹介のときに、思い切りアピールをして、
クラスメイト全員のことをノートにメモする。
給食の時間には、すぐに名前で呼びかける。
相手を喜ばせるために、いろいろなことにチャレンジする。
また、9話のショッピングモールに出かける回では、
バスに乗り込んだ小路が、読書に夢中になっている智乃に気づくのだが、
邪魔にならないよう近くに座るだけで、
降りる場所が来るまで黙って待っているシーンがある。
何気ないお話のなかに誰かのことを思いやったり、
他人が何を欲しているのかを想像して、
努力をする行動がとても微笑ましい。

{netabare}この積み重ねによって小路は、ほぼ全員と仲良くなり、
最後には自分が通った過疎の小学校の体育館に招き入れる。{/netabare}
セーラー服がテーマの物語ではあるが、
内容は小路が友だちを作るために努力をし、
好きなことに夢中になって周りを幸せな気持ちにする物語だ。
これが「アイドル」の物語というなら確かにそうなのかもしれない。

私はこの作品を観て、登場人物全員に名前があって、
きちんとそれぞれの背景が考えられていることや、
キャラの心の動きを重視しているところなどから、
『響け!ユーフォニアム』に通じる部分があると感じている。

ユーフォのシリーズ構成を担当していたのが山田尚子監督。
彼女の大好きな映画に『エコール』という作品がある。
当時、同僚だった山本寛はそれを聞いて、
「ロリペドの変態が作った映画だ!」と書いて、
山田尚子をクソミソに貶すわけだが、それは女性監督の作品だった。
映画は「美」と「無垢」をテーマにしており、真っ当な内容の作品。
だが、観る人によっては、変態映画に見えてしまう。
例えば、中原俊監督の『櫻の園』という
私の大好きな映画があるのだが、
これも、同じような視点で捉えられてしまうこともある。
岩井俊二監督の作品も然りだ。
昔の芸術家も世間からは白い目で見られることがあっただろう。
この作品にもある種の際どさみたいな部分があるのは理解できる。

しかし全12話という括りで、
とても上手く構成されているのは間違いない。
最終回のひとつ前の11話がクライマックス。
それまでも、毎話、とても完成度が高いが、
11話は特別で、元担任の先生の想いや小路自身の夢を叶えたことで、
これまでの流れを完全に1本のお話として意味のあるものに収斂している。
12話は、おまけ的ともいえるかもしれない。

音楽もとても好感が持てる。
杉山勝彦が手がけたOPの『はじまりのセツナ』は、
ドラム、バイオリン、ピアノを中心に、
コーラスと歌が絶妙に重なり、何度聴いても飽きない。
クラシック音楽調の劇伴も作品の内容とよく合っている。

ひとりぼっちで友だちの欲しかった少女。
彼女はセーラー服から勇気をもらい、
相手を思いやり、積極的に接することでクラス全員と友だちになる。
人との関係性が希薄になりつつある時代にあって、
真正面から人と関わることの大切さを説いているようにも見える。

努力と無垢な心が人を幸せにする物語だ。
(2022年4月30日初投稿)

投稿 : 2024/12/28
♥ : 49

86.8 3 友情で友達なアニメランキング3位
僕は友達が少ないNEXT(TVアニメ動画)

2013年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (3953)
21994人が棚に入れました
友達がいない少年少女たちが「友達作り」を目的とした残念な活動を繰り広げる「隣人部」を舞台にした残念系青春ラブコメディ。羽瀬川小鷹の日常は新しい顔ぶれも加わってますます賑やかになっていく。みんなで遊園地に行ったりゲームをしたり誕生日パーティーをしたり、“リア充”イベントである学園祭にも挑戦していく中で、隣人部内の人間関係にも大きな変化が訪れることに。

声優・キャラクター
木村良平、井上麻里奈、伊藤かな恵、山本希望、福圓美里、花澤香菜、井口裕香、加藤英美里、伊瀬茉莉也、日笠陽子
ネタバレ

ゼロスゥ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

隣人部再始動!

約1年の時を経て再び帰ってきた「はがない」
1期で大いに笑わせてもらい、今回も期待通りでした。

1期と比べて作画の変化がありましたが、特に気にならないほどのものでした。
むしろこっちの方が好きだったりw
OP、EDは共にはがないらしさが出ていて良かったと思います。

OPだけ見てみると理科ちゃんがメインヒロインにしか見えないのは俺だけかな?

1話感想
{netabare}
相変わらずの残念っぷりです。
盛り髪ワロタw
ありゃお父さんも怒るよ。
でも高校生の娘のお尻を叩くってのもどうなんやろ?(;゚∀゚)
今回も泣いて夜空の前から逃げ出す星奈は健在です。
もうこれは鉄板ネタですね(^_^)v

しかし、小鳩ちゃんの出番が少ない・・・
まぁ1話やからしかたないのかもしれんが。{/netabare}

2話感想
{netabare}
え?ちょっと理科ちゃん可愛すぎなんだけど!?
もうずっとこのままでもいいくらいの可愛さでした。
しかも小鷹のどストライク!
これは理科ルートが成立してしまうのだろうか?
メガネの方も十分可愛いけどねw
てかあのメガネって伊達だったんだ。
「ファッション」もとい「キャラ作り」ってのが理科ちゃんらしいですね。

星奈は今回も夜空にいじめられていましたw
エロゲーの恥ずかしいセリフを朗読させられるというやつです。
1期でもこんなことあったよね?
しかし今回はさすがに放送したらまずいと思ったのか途中でCMに入ってしまいました。(チッ・・・)
そして読み終えたはいいが、そのあとのみんなの反応があまりにアレだったのと恥ずかしさに耐えきれずにまたもや部室から泣いて飛び出して行きました。
いつものことですがおもしろかったです。

ところで、星奈のやってたエロゲーのヒロインが小鳩ちゃんにしか見えなかったのだが・・・

後半はマリアちゃんのお姉さんが登場しました。
マリアちゃんをそのまま成長させたような姿で可愛かったんですが、下品すぎる(;゚∀゚)
可愛いんだけど、あれは「ないわー」と思いましたね。{/netabare}

3話感想
{netabare}
最高の回でした。
何が最高かって小鳩ちゃんですよ。
前半は小鷹の家にマリアちゃんが家出をしてくるという話でした。
小鳩ちゃんが出るわ出るわ・・・
1,2話とは正反対にずっと出てましたからね。
俺が最高の回と言ったのも納得でしょ?w

小鳩ちゃんは中2なのに小5のマリアちゃんより発育が悪いようです。
だがそれが良い!
小鳩ちゃんは気にしてるみたいだけどその必要は全くないのです。
変態だって?
いや、違う・・・
俺は変態という名の紳士だ!

まぁそれは置いといて、後半はテストが終わってお疲れ回をするという話でした。
・・・そして何故か王様ゲーム。
あいかわらず発想が残念です(;゚∀゚)
しかも命令がくじってもう王様関係ないよね?w
最初の命令で小鳩ちゃんがいきなりあられもないすがたに・・・

眼福!!(^_^)v

理科はアホな命令を書いてましたね。
幸村やマリアちゃんはどんな命令を書いていたのか気になったんですが、残念ながらわかりませんでした(+_+)
尺の都合上仕方なかったのかな?{/netabare}

4話感想
{netabare}
夜空と星奈・・・
こいつらはホントにメインヒロインなのか?
というよりこいつらがメインヒロインでいいのか?
ジェットコースターに乗った後のあの件はさすがに酷かったぞ(;゚∀゚)
いや、あれは製作者側の問題だろうか。
ああいうのは普通、音声だけでなんとかするものじゃないのかな?(-_-)ウーム

他の子たちは割といつも通りでした。
特に幸村はあいかわらず顔色一つ変えませんでしたね。
それよりもみんな本気で幸村のことを男だと思っていたのか。
ギャグでやってるのかと思ってたわw

あと風呂の場面で井口さんに何言わせてんだ( ̄Д ̄;;
てかマリアちゃんも10才なんだから男女の体くらいある程度知ってるだろうに。

色々カオスな回でしたが、よくよく考えてみるといつもの隣人部って感じがしないでもなかったですw{/netabare}

5話感想
{netabare}
オチが今までのはがないと違うパターンできました。
いつもは一話完結だったのが、今回はシリアス展開から次回に続くという終わり方でした。
めずらしいけどこれはこれでおもしろいし、次回への期待が高まるから別に問題はありませんがねw

今回は最初から最後まで理科ちゃん回って感じでしたね。
ボケまくり、ツッコミまくりでずっと笑わせてもらいました。
ですが、やっぱり一番爆笑したのは「よへちぼらげ」ですねw
そしてキレる理科ちゃん・・・{/netabare}

俺の中でのはがないキャラランキングは今までは小鳩ちゃんがトップだったんですが、2期に入ってから理科ちゃんの順位がどんどん上がってます(^_^)v
それはもう小鳩ちゃんと同じかそれ以上と言ってもいいくらいにw
毎回見た目が変わるのも新鮮でいいですね。
全部可愛いです。

6話感想
{netabare}
夜空と小鷹の関係については割とあっさり流していきましたね。
どうなるのかすごく気になっていただけに、ちょっと拍子抜けしました(;゚∀゚)
まぁはがないはギャグメインだからシリアス展開をそんな無理に引っ張る必要はないのかもしれませんがね。
でもそれやったら前回の内に終わらせてしまってもよかったような気が・・・ま、いっかw

今回もいつも通り笑わせてもらいました。
理科ちゃんキャラおかしくなってね?
最初からおかしい子ではありましたがw
あんなツンデレ俺は嫌やぞ(;゚∀゚)

小鳩ちゃんが部活に出てなかったのは補習のせいだったのか・・・
頭悪かったんだねw
ところでマリアちゃんはどこに行ったんだ?{/netabare}

7話感想
{netabare}
小鳩ちゃんの誕プレ選びという名目で小鷹をデートに誘った4人の美少女たち。
4人は明らかに小鷹に恋愛感情を抱いているっぽいのですが、安定の「主人公鈍感」の補正がかかり5人で買い物という女子たちにとって不快感極まりない状況に(;゚∀゚)

そんな中セナだけちゃっかり小鷹とデートしてたよね?
ちょっと優遇されすぎじゃね?w
たしか遊園地に行った時も二人でデートしてたし・・・
もうちょっと他のヒロインにも良い思いをさせてあげようよ作者さん。

そんな中でも一番不憫なのは理科ちゃんですよね。
この子だけは他のツンデレ軍団と違って小鷹への好意をハッキリと表しています。
それなのに小鷹の見事なまでのスルーっぷり・・・
不憫だ・・・不憫すぎる・・・(T_T)
でもだからこそ俺は理科ちゃんを応援したくなっちゃうんですよね(^_^)v

後半はケイト先生再登場!
最初出てきたときは「下品だし、あんま好きじゃないなぁ」と思っていたんですが、小鷹に好意を持ってるっぽい雰囲気を見るとなんか可愛く見えてきました。
何故だろう・・・?w{/netabare}

8話感想
{netabare}
今回の話の夜空はちょっと酷かったなー(;゚∀゚)
小鷹とのデートは普通に可愛かったけど映画の脚本・・・
あれはダメだ(-_-;)
夜空の気持ちもわからんでもないが、セナたちの言ってることの方が明らかに正論だし、それに逆ギレして挙句の果てにセナに対して「いなければよかった」とな・・・
さすがにこれは酷すぎる。
最後は脚本もちゃんとしたみたいやけど今回の話で俺の中の夜空の株がぐんと下がってしまいました。
もともと特別好きなキャラでもなかったんですけどねw

今週の理科ちゃんは色々な格好をしてましたね。
懐かしの「めがねポニテ」に「ロングヘアー」など。
そして極めつけは「小鳩ちゃん」!
あれはもうイメチェンの域を超えてますねw
セナにはマジギレされてましたが、落ち込む理科ちゃんも可愛いです(^_^)v{/netabare}

9話感想
{netabare}
セナも昔小鷹と会っていたとは・・・
しかも婚約者ですからねー。
他のヒロインと比べて一歩も二歩もリードしてるし、これはもうセナルート確定でいいんじゃないかな?
セナの親父さんも相変わらずおもしろいねーw

新キャラ登場しましたよ。
「遊佐」ちゃんです。
詳しいことはまだいまいちわからないけど小鷹のことをカッコいいと思ってたり、セナと同様で「頭は良いが残念な子」みたいです(;゚∀゚)
まぁはがないキャラに残念じゃない子なんていないんですがねw{/netabare}

10話感想
{netabare}
小鷹はこれまでみんなの好意を知らないフリをしていたのか・・・
確かに小鷹の「ん?何だって?」って言葉が多くて「ここまで鈍感でいいものなのか?」と、ちょっと違和感があったんですけど実は気づいていたということなら納得です。

知らないフリをしてた理由・・・
まぁ普通に考えれば「誰かと付き合ってしまうと今のままの隣人部でいられなくなる」という感じなんでしょうね。
小鷹の考えもわからなくはないですけど、このままだと理科ちゃんたちがかわいそうですよね(T_T)
ここは男らしく「ドーン!!」と決めてほしいですね。

やっとOPにあった映画撮影に取りかかるみたいです。
でも今回は後半のシリアス展開に全部持ってかれた感じがして、いまいち印象が薄かったです(;゚∀゚){/netabare}

11話感想
{netabare}
うん、やっぱりメインヒロインは理科ちゃんだね。
今回の話で確信したよ。
風邪を引いて保健室で寝てる時の色っぽさがヤバいですね。
確かにこれはずっと風邪を引いていてもらいたい気持ちもわかるw

遊佐っちが再び登場しました。
隣人部を潰しにきましたが、夜空とセナの反撃によりあっさり撃沈・・・(;゚∀゚)
逃げてく姿が何か可愛かったりw
てか、俺は別に遊佐っちのキャラは嫌いじゃないですけどね。

顧問の話では俺的には「マリアの代わりにケイトが顧問をやるんじゃないかなー」とか考えていたんですが当てが外れましたw
ちょっと残念です(-_-;)

そしてセナの突然の告白!
アーンド次回最終回!
はがないももう終わっちゃうのかー・・・{/netabare}

最終話感想
{netabare}
これは明らかに3期を狙っている終わり方でしたねw
大歓迎ですけどもw

それにしても最終話だってのに夜空の空気っぷりが半端なかったですね(;゚∀゚)
とてもメインヒロインの扱いとは思えませんでした。

それに対して理科ちゃんの優遇っぷり・・・
かつての夜空のポジションを完全に奪い去るかたちになってしまいましたが、これはこれでありなんじゃないかな?
これからの展開がすごく面白くなりそうで期待できますしね(^^)v{/netabare}

総合的な感想

やっぱりはがないは素晴らしい作品でした。
個人的には1期の頃よりもキャラの魅力がパワーアップしてたんじゃないかと思います。
特に理科ちゃん!
これはもう最初の頃からずっと言ってますけど、ほんとにかわいくなりすぎなんですよ!
俺以外にも理科ちゃんファンが急増したと思いますよ。
新しく増えたキャラもそれぞれ個性的でよかったですね(^^)v

キャラはかわいいし、ギャグは面白い・・・
俺的には超おすすめアニメです!!
3期にも期待しましょう(´∀`)

投稿 : 2024/12/28
♥ : 115
ネタバレ

Appleモンキー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

理科の株価急騰!

ヤンキーと誤解され友達ができない羽瀬川小鷹。
ドSで無愛想な三日月夜空。
ギャルゲー好きの腐った柏崎星奈。


リア充になるために「隣人部」を設立し、日夜トンチンカンな活動を行い暴走する。


■第1話
{netabare}
星奈祭りな第1話!

頭にイカ焼き乗っけたり、お父さんにお尻ぺんぺんされたり、ラストでは夜空のカツラのにおいを嗅いで喜んだり。。。

完全に理科化してます^^;


星奈の部屋で試験勉強する小鷹はリア充★
(メイドさんのあの気遣いはお父さん公認なんだろうか・・・www)

{/netabare}

■第2話~第12話
{netabare}
一気に見ました。

順調に星奈とのフラグをたてまくっていっていましたが
まさかの理科フィーバーでした^^
予想外!

毎回理科の健気さがかわいい^^
2期でメインヒロイン化したかも(笑)

夜空の活躍は3期に期待?ですね('▽'*)

{/netabare}

■ニコ生一挙放送
{netabare}
理科はもう正ヒロインですね^^

一度最後まで見ていると「え?なんだって?」
のセリフが至る所にあって笑ってしまいます(笑)

夜空さん・・・最終回のEDで
過去の思い出が理科に上書きされてて
アドバンテージがすべて無くなってます・・・

3期で大ドンデン返しを期待してます^^
{/netabare}

投稿 : 2024/12/28
♥ : 134
ネタバレ

Yulily さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

隣人部メンバーに何が?意外な展開?シリアスな展開?

第一印象って本当に大事です!

その印象はずっと付きまとい次第に人びとの心に定着します。
もし初対面で悪い印象を持たれてしまったら?
そして、それが誤解だとしたら?

実は...この物語の主人公、羽瀬川 小鷹(はせがわ こだか)がそうなんです。ほんの少しだけ人より見た目が怖いことが悪影響を及ぼし、友達は0ゼロ。

他の主要キャラクターたちも何とも残念ですが揃いも揃って友達0ゼロ!あまりに強烈な個性が災いし常人は彼(彼女)と距離をとってしまうようです。

学園にある友達作り訓練のための「隣人部」ここに共通の悩みを抱えた生徒が在籍しています。
{netabare}
この部には男性は小鷹だけ。
1人また1人と小鷹に惚れていき見渡せばライバルばかりです。そう、ここでは小鷹を巡る恋のバトルが勃発しているのです。

皆、この隣人部に友達を作ろうと入部したはずなのに、端からみたら小鷹の気を引く特訓のようです...

恋って時に闘いです!
ライバルが出現した日には恋心に火がつき..
もっと好きになるってありませんか?自分でも想像出来ないような勇気が出てしまったり。

ライバルを出し抜こうとする超個性派ヒロインたちのそれぞれの「女の武器」が面白いんです。それは武器になってないよ~と何回も突っ込みました 笑

一期以上にハラハラさせる展開が見られました。その理由はキャラクターの心理描写が増えています。
相手の一言や態度で一喜一憂してしまう模様。恋真っ只中のヒロインが鮮やかに、ユーモラスに描き出されています。ここは、かなり惹きつけられました!

意外な展開は、小鷹と幼なじみという強みヒロインの夜空が脱落寸前へと追い込まれるところ
一期とは印象が真逆になる星奈と夜空。
星奈ルートに突入したり、理科ルートに突入したり

そしてクライマックスに来て、まさか理科があそこまでひっぱるとは...
日頃から部のため頑張っている姿が見えてはいましたが、はじめて本音をさらけ出し小鷹にに物申す理科。それはまさに決闘のよう。
最後に理科の評価が上がりました!

最後まで慌ただしい隣人部。
ヒロインそれぞれの終末の形がありました。
結末を先に持ち越されたヒロインもいました。
{/netabare}
残念ですがその後の隣人部については二期では描かれていません。余韻を残し次の回に続く終わり方でした。
謎を残した2期は小鷹の得意技。答えをごまかされてしまったようです!!
続き絶対ありますよね?3期待しましょう♡

投稿 : 2024/12/28
♥ : 64

75.4 4 友情で友達なアニメランキング4位
スーパーカブ(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (484)
1395人が棚に入れました
山梨の高校に通う女の子、小熊。両親も友達も趣味もない、何もない日々を送る彼女は、ある日中古のスーパーカブを手に入れる。初めてのバイク通学。ガス欠。寄り道。それだけのことが新鮮で、ちょっと冒険した気分。仄かな変化に満足する小熊に、バイクは人とのつながりも生み出していく。小熊と同じ、バイク乗りの少女・礼子や、バイクに乗って変わっていく小熊に憧れる少女・椎。小熊の世界は少しずつ、広がっていく。友達と一緒の昼ご飯。当てもなく寄り道する放課後。バイクでしかできないアルバイト。そして、これからもバイクと生きていくために少女が選ぶ進路。

声優・キャラクター
夜道雪、七瀬彩夏、日岡なつみ

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

本作が第6話を機に炎上?している理由を細かく解説します

山梨県北杜市を舞台に、両親も友達もお金も趣味もない高校2年の少女、小熊ちゃんが1台の【ホンダ スーパーカブ】と出会ったことをキッカケに彼女の世界が少しずつ開けていく様を描く全12話の青春ドラマ
原作はカクヨムを発端とするトネ・コーケン先生の同名の小説
本作の第6話がプチ炎上騒ぎとなってしまった件について、細かく解説させて頂きます


修学旅行を楽しみにしていた小熊ちゃんですが急な発熱で欠席せざるを得なくなるも、すぐに体調は回復
バスで先に出発した学校側には相談せず、愛車のカブで追走
そして宿泊先の鎌倉に乗り付けてしまいます
当然先生からは厳重注意を受けるも、小熊ちゃんとカブをキッカケに友人となった礼子は用意周到にもヘルメットとタンデムステップを取り出し、憧れていた鎌倉湘南の海岸線沿いを通る国道134号線を小熊ちゃんのカブに2人乗りして走る、というちょっと不良染みた行いを提案するのです


修学旅行に原付バイクで乗り付けたり、そこからさらに抜け出して2人だけの自由行動を取る、というだけで十分常識からは逸脱した行動なのですが、問題は小熊ちゃんが運転して2人乗りをした、という事実です


この話の冒頭で本来のエンジン排気量が49㏄である小熊ちゃんの愛車は、52㏄へと改造が施され、原付一種から原付二種に登録変更をした、という旨が語られています
ナンバープレートも白から黄色に変わっている等、細かい点も再現されています
原付二種になった事のメリットの1つとして、2人乗りも可能になります
ですので車両の点では問題は無い様に見受けられます


ですが2人乗りをする為には“免許取得後1年以上”という条件が実はあるのです
免許取得の為のテストにも出ますし、教習所でも教えてくれます
小熊ちゃんが普通自動二輪の免許を取得したのはこの改造の直前、という事でかなり甘く推察してもせいぜい数ヶ月しか経過していなく
「これは道路交通法違反だ」
と指摘する視聴者も少なからずいたわけです


この案件に関して
「フィクションの中で描かれている事なので騒ぎ立てる必要はない」
と作品側を擁護する意見もあれば
「非日常や異世界を舞台にしたものならともかく、現代劇で堂々と法を無視するのは如何なものか?」
と否定的な意見もあり、正に賛否両論です
ネットニュースで取り上げられたり、便乗する形でワイドショーでも紹介される等、作品側にしてみれば不本意な広まり方で話題になってしまいました


正直、白昼堂々と黄色ナンバーで2人乗りをしている女子高生をわざわざ呼び止めて免許を確認する警察官などいないでしょう
ですから“捕まりはしない”という確証は小熊ちゃんと礼子にはあったと思います


肯定派も否定派も各々の言い分にちゃんと正当性があると思いますが、ちょっと別目線で何故これほどまでに本作が波紋を生んでしまっているのか?
について3つほど持論があるのでそれをご説明します


①【アニメ側の説明不足】
実は原作小説では小熊ちゃんが2人乗りに関して道交法違反になる事を認識していて、2人乗りを渋る一節があります
この時の礼子はこの1話手前のお話で愛車を失ってしまっており、そんな礼子を慰める為に違反を承知で2人乗りをしよう、と決意する小熊ちゃんの葛藤が描写されるのです
ところがアニメではそんな小熊ちゃんの迷いは特に描かれませんでした
主観で描かれる原作小説に対して、アニメ版ではモノローグを各話の冒頭と末尾に絞り、空気感やテンポ感を大切する構成を強調しています
この第6話のクライマックスとなるシークエンスにおいてテンポが大事と取るか、安牌として野暮でも説明台詞を入れるか、と考えて前者を取ったのが本作というわけです
あえてあそこで説明を入れておけば・・・100歩譲って9話のノンアルコールカクテルのくだりの様にテロップで注釈を入れていれば・・・批判意見の態度もまた違っていたと思います


②【本作をほんわか美少女日常系アニメと認識している視聴者が多過ぎる】
正直、本作は流行の日常系アニメとは違います
確かに表面上だけなぞればそーゆー類の作品にも観えなくもないですが、物語を深く読み込めば読み込むほど本作の登場人物は所謂“アウトロー”であることが理解できます
小熊ちゃんはそもそも友達が全くいませんでしたし、礼子はコミュ力があるだけでその実は自分とカブ以外に興味が無いというかなりの変人です
そんな2人の変わり者の非常識な青春が描かれるのが本作なのです
もしこの物語が女子高生2人組ではなく『特攻の拓』とか『あいつとララバイ』だったら誰もが笑って許した事でしょう
実はトネ先生の原作小説に限らず、片岡義男作品にしろ山田深夜作品にしろ、バイクに乗っている若者というのは“多少のハミ出し者”として描かれる傾向にあります
トネ先生もそんな伝統的な“不良の青春”を描きたかったのだと思います
そう考えると小熊ちゃんや礼子がいくらエキセントリックな行動を取ったとしても納得がいくでしょう
彼女達は法を破る事への後ろめたさは感じていても、周りの目などは気にしていないのです
ですがその点が多くの視聴者には伝わっていない、誤解を受けているというのが現状だと思います


③【原作者トネ先生の執拗なコダワリに違和感を覚える人も多い】
どんな作品でもアンチとは出てくるものですが尖っている作品であれば尚更の事です
正直に言って本作、物語そのものの魅力は別にして、トネ先生のコダワリが強過ぎて一部でアンチ化してしまった視聴者もいると感じてます
例えば第1話でバイク屋のお爺さん(シノさん)から曰く付きのカブを1万円で購入する小熊ちゃん
ですが、ヘルメットとグローブを持っていない事を見兼ねたシノさんがキャンペーンの品だとアライヘルメットのクラシックヘルメットとグリップスワニーの本革グローブをプレゼントしてくれます
本来は新車を購入した人を対象にしたキャンペーン・・・であるのにシノさんの過剰なサービス心が施した事であるのは言うまでもないです
ですが2つ合わせて新品で3~4万円もするハッキリ言って高価な品です
1万円のカブに乗る貧乏学生にはどう考えてもオーバースペック
これはトネ先生が登場人物の扱うプロップ(小物、アイテム)には自身が認める一流品を使ってもらい、作品を通してその逸品の素晴らしさを伝えたいとお考えだからです
先述のヘルメットとグローブの様に原作で細かく描写される品はもちろん、アニメ化に当たってかなり細かく実在の品がプロップとしてトネ先生から直接の指定されてるようです
アニメ化に全く口を挟まない原作者もいる一方で、トネ先生はとにかく自身で細かく設定したがる方という事なんですね
問題は貧乏学生の話なのか高級品の性能をアピールしたい作品なのかブレてしまっているという事です
例えば『ゆるキャン』という作品ならば女子高生なのでお金が無い、お金が無いなら無いなりに何か工夫をしてみよう、という話になったりするのですが本作はそういう方向へは話を広げません
トンデモナイ高級品がひょっこり出てきてなんやかんやで手に入ってしまいます
コダワリもここまで来ると考え方に隔たりを覚えてしまい、作品への没入感を阻害されてしまって結果的に、ではありますがアンチ化してしまった人もいると思います
特にバイク界隈に詳しい人ほど本作への評価は分かれているようです
オイラもシノさんが「100km走ったらオイル交換に来い」と言ったのには耳を疑いましたね
本来は最初のエンジンオイル交換って1000kmまでしなくて良いんです
メンテナンスサイクルってプロでも意見が分かれるところなんですが、本作はカブの産みの親である本田技研の監修もちゃんと入っています
それにも関わらず本田技研がやらなくて良い、と言ってる過剰なメンテをしているわけです
少し話が逸れましたがこういったトネ先生自身のコダワリで没入感を削がれてしまった人ほどアンチ化して否定的な意見を飛ばしてるようにも感じます


とまあ以上の3つの点から解るのは本作がとても“尖った作品”だという事です
先鋭化した作品であればあるほど賛否が別れるのは致し方ない事ですが、そこに火種となる第6話の2人乗りの案件が投下されてしまったというわけで、プチ炎上は起こるべくして起こった、とオイラには受け取れるんですね


ちなみにそんな騒ぎなど些細な事だとも言うように第10話では(私有地の中とはいえ)ノーヘル走行をしたり、第11話では(救命措置とはいえ)前カゴに人を乗せて走ったり、どんどん小熊ちゃん達の行動は過激になっていきます


つまり“付いて来れる人だけ付いて来い”というのが本作の最もたるところなのでしょう
本作の終盤では人畜無害を形にしたような少女、椎ちゃんが“不良に憧れる少女”のポジションとして登場し、アウトローな小熊ちゃんと礼子に少しずつ惹かれていきます
果たして椎ちゃんはこの無茶な2人に付いて行くのか否か?
そんなところに着地するのが面白いのです

投稿 : 2024/12/28
♥ : 35

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

道具と仲間と広がる世界。厳しい冬から春を迎えに行きます。

 この数年のTVアニメの中でもっとも面白い作品の1つだと思います。結局小説は全巻揃え、コミックスもコンプリート中です。アニメの本作は多分通しで4回くらい、単話ごとなら数知れず再視聴していると思います。

 本作は1話目が非常に秀逸で、文学性すら感じさせます。ヒロイン小熊を取り巻く白黒の世界、一人の世界、金も物もない。

 ある日通学に苦労していた時、偶然見た原付バイクがきっかけで、行動しようと思う。バイク屋の親父と出会い、1万円のカブを手に入れる。苦労も恐怖もあるけど、それを乗り越えることでやれることが広がって行く。
 ガソリンが無くなるということも分からない。けど、マニュアルを読むことで解決します。

 礼子というカブ仲間ができます。初めは慣れあいのような関係になるのが、ちょっとイヤな気もしますが、「カブつながり」がその根底にあります。それが精神的な依存関係にならない原因だと分かってくると、2人の関係性が心地よくなります。

 礼子が一人暮らしをしているのは、富士山に登るのも閉塞感に押しつぶされそうだからです。5話は唐突だし作画も少し悪いので、1回目はあまり出来が良くないなあと思いましたが、礼子というキャラが見えてくるとなかなかの感動回となります。

 アルバイトをして物が買えるようになる。修学旅行への参加。法律違反が云々という批判もありましたが、青春時代にちょっとした悪さをするのもまた冒険です。修学旅行にバイクに行く、県境をまたぐ、山から海へ、富士山に登る、礼子に対するちょっとしたいたずらで134号を走る。そして2人乗り。どんどん世界が広がります。

 そして文化祭です。ここで小熊は初めて礼子以外の自分からクラスの人間に関わります。もちろんカブの力を借りて解決します。ここで椎という仲間を得ます。

 冬は寒さという足枷がカブにのる小熊と礼子を苦しめます。対策することで何とかします。ここでも工夫、道具というものがクローズアップされます。

 後半はこの椎と言うキャラが重要で、自分の夢をかなえたいとがんばっているキャラです。が、力がありません。あるいはカブがない、と言い換えてもいいかもしれません。親の元ではハキハキてきぱきと自分のやりたい事をどんどん進めてゆきますが、結果として彼女は何も持っていません。

 椎の冬の川への転落です。山地での雪の時期。冬が心底嫌になります。椎も含め冬に苦しめられていた3人は、冬がいやなら春が来ているところまで行けばいい。冬に対応するだけでなく、世界を広げ自分が望んだ場所に出かけてゆきます。

 という感じで、独りぼっち、貧乏、足がない、盆地、山地の冬といった、女子高生…思春期の無力で非力な存在を閉じ込めていたものを、カブという道具で自ら変えて行く話です。

 パンク少年の話とか、礼子の富士山に登る理由とか原作にはあって、アニメで描かれていない部分がありますが、1話はあらゆるアニメの中の1話としては、最高だと思います。1話のピアノと色彩の使い方、ゆったりしたセリフ。最高の演出でした。そして、11話と最終回も感動でした。

 OPの音楽がとても雰囲気がいいです。本編で無音の時間が長いのも雰囲気を作っています。話が進んでゆくごとに色彩が増えて行くような感覚がとても心地いいです。
 若干、作画が乱れる回がある以外はほぼ原作の内容を再現できていると思います。

 リアルタイムで視聴しながら書いた各話ごとのレビューや追記など、ごちゃごちゃしている作品をまとめ中です。主旨はほぼ変えていません。本作は3回にわたって書いた内容を、23年6月にまとめました。
 評価は4.7→4.8と上方修正です。本当は5付けたいんですけど、時々乱れる作画がなあ…

投稿 : 2024/12/28
♥ : 35
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

静謐

<2021/8/13 追記>
下の方に書いた小熊さんにちょい似のYouTuberさんがハンターカブ購入してました。
まんま小熊さん 笑

<2021/4/11 初投稿>
見始めなので評価はデフォルトの3.0。
原作はラノベでしょうか。
未読です。

タイトルのとおり「静謐」な空気感がたまらない作品です。
背景の野山や田舎の街並み、そして建物や部屋の調度品といった背景の深閑とした佇まい。
さながら写真を見ながら描いた写実画のようです。
(もちろん、ところどころCGっぽさはあるものの)

ヒロインは、「何もない女の子」
1話の冒頭、「何もない」が無言で語られていきます。
この子の生い立ちとか気になる、けどそれはこれから語られるのでしょう。

そんな女の子が{netabare}一万円で売られているスーパーカブ{/netabare}と出会うところから物語は始まります。

安い理由は{netabare}「三人が死んでるから」{/netabare}

{netabare}バイクで人死には珍しいことじゃなくて。
四輪と違い、バイクで事故ったら
「運が良くて大怪我、運が並なら死」
という感じです。
保険の仕事してるとそれが本当によくわかります。
バイクは本当に怖いです。
だから自分はバイク乗らない。
{/netabare}

閑話休題

{netabare}
でも三人は多いですね。
そんなわけありスーパーカブと、
なにやらわけのありそうな女の子
{/netabare}のお話。

今期、ゴジラSPと同じくらい、次週が気になる作品になりそうです。

<2021/5/14 追記>
6話まで見ました。
湘南道路懐かしい。
夏にドライブすると堪らないんですよね。
私は4輪でしたが。

小熊さんはどんどん変わっていきますね。
いい笑顔がたくさん。
「にへっ」という擬音が聴こえてきそう。

{netabare}修学旅行先へ向かってカブで疾走する小熊ちゃん。{/netabare}
まるで「究極超人あーる」の登坂先輩のよう。
登坂先輩とは、後輩の修学旅行先の「京都へ」「東京から」「250ccのバイクで」「毎日」「日帰りで」「なんの用事もないのに」遊びに来る迷惑な方です笑

ところで礼子さん。
いいキャラしてますね。
自分の趣味に躊躇ない。
躊躇ないのは小熊さんも同類ですが。
礼子さんで「かみちゅ」のまつり(三枝祀)を思い出しました。
見た目も似てるんですけど、
目的のために手段選ばなさそうなところとか。
あと、やけに堂々とした図太い仕種とか。

そういえば小熊さんはまつりの妹の三枝みこにちょっと似てるような気もしないでもない。

6話まできたのでとりあえず評点つけてみました。
背景含む絵と、キャラと、音楽は満点になりました。

<2021/6/24 追記>
最終話まで観ました。
徹頭徹尾カブでしたねえ

趣味に突っ走るのって楽しいんだろなー、と思いながら楽しんで見てました

「ていぼう日誌」のレビューにちょっと書いた巨大ウツボ釣って捌いて喰らうYouTuberさんに小熊さんが少し似てる。
髪型や目元と、あと自分の趣味に傍若無人に突っ走るところとか

でもそのYouTuberさんはもっと明るいし、もっと愛想あるし、シュールな笑いも振り撒くけども
あとカブじゃなくて、釣りと四輪車中泊と猫だけども

そういや本作にも頻繁に出てきるメスティンってこのYouTuberさんの動画で初めて知ったんだった
メスティンで作るお手軽ハンバーグ丼が旨そうでした

あと礼子
やはり「かみちゅ」のまつりに似てるなー
めちゃくちゃ似てる
そう考えると懐かしいっすね

自分は全般的に本作楽しめました

とか書きつつ他の方のレビュー読んだら厳しめの批評多いんすねー笑
アニメは創作物、あんまり気にしすぎると見るものなくなっちゃうから私は気にせず楽しんでます。。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 58

83.1 5 友情で友達なアニメランキング5位
NARUTO ナルト(TVアニメ動画)

2002年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (1084)
6446人が棚に入れました
忍者を目指しアカデミーに通う主人公うずまきナルトは、忍者アカデミーの超問題児で毎日イタズラ三昧。
落ちこぼれで、3回卒業試験に落第していたが、自分の身を呈して守ってくれた教師うみのイルカの行動をきっかけとして目覚め、何とか下忍になる。下忍になったナルトは、うちはサスケ、春野サクラと共に、上忍はたけカカシの班に配属される。
カカシから鈴を奪い取るサバイバル演習では自分たちの未熟さを思い知るが、“仲間の大切さ”に気付き、これまで合格者を出したことのないカカシから正式に下忍として認められ、以後一人前の忍者となるべく様々な任務をこなして成長していく。

声優・キャラクター
竹内順子、杉山紀彰、中村千絵、井上和彦、関俊彦、森久保祥太郎、柚木涼香、水樹奈々、柴田秀勝
ネタバレ

ロボ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

『悪者見参』うちはサスケ 【R-15指定】

まず初めに
このレビューは正義や悪
加害者や被害者についての
レビューなので、未成年者や
嫌な思いをするかもしれない方は
読まないで下さい。

こちらを聴きながら
読んでいただけると嬉しいです♪
テーマ曲
http://www.youtube.com/watch?v=lZAU_xj-U28&feature=youtube_gdata_player
テーマ曲2
http://www.youtube.com/watch?v=H1z86xGB6WA&feature=youtube_gdata_player

疾風伝で、たまに過去のサスケが
出てくると思わず泣けてしまう(;_;)

あにこれレビューを読んで
考えさせられてしまうのが
争いあってる者どうし
どちらも正義でどちらも悪?
ただ多数派が勝つから
多数派が正義で少数派が悪?
「絶対的な悪者は生まれない。
絶対的な悪者は作られるのだ」
by『悪者見参』
僕はルルーシュが好きだし
夜神月、キラ推進派だし
サスケが好き…悪?ですか^^

法治国家なのに
法で守られるのは加害者だけ…
法で裁きを受ける?
自分の概念を守りたい弁護士が
加害者ではなく自分の為に
被害者家族を更に傷つける…
救われない…
二人以上殺さなければ
死刑にならないのなら
殺人者の命は被害者の倍重い?
許せないし、許したくない…
個人的には
罪をもっと重くしてほしい…
被害者家族を救ってほしいのと
被害者を加害者を
増やさないでほしい…
犠牲者は被害者と被害者家族…

被害者家族と少年法に
一石を投じた東野圭吾の小説
『さまよう刃』。
加害者家族について書かれた
『手紙』は感動作(T-T)
全ての作品で一番泣けました!
一番好きなのは『秘密』(^^)
面白いのは『殺人の門』『変身』
話しの面白さをなくして
心理描写だけで見せつける作品☆
小説苦手な方も読めるかも^^
~~~~~~~~~~~~~~~
以前、ダウンタウンの松っちゃんが言った発言が面白く印象的で
『明日から犯罪したら撃ちます
ってしたらえ~のに…』
万引きする人にばきゅ~んて^^
(驚いて手を引っ込める素振り付き)
あれは半分冗談で半分本気の話し
~~~~~~~~~~~~~~~
ロボのおまけ曲
メッセージソング編
必ず聴いて、忘れてはいけない曲

http://www.youtube.com/watch?v=q_rY6y24NAU&feature=youtube_gdata_player

気分直しに、真逆の素敵な原曲を♪

http://www.youtube.com/watch?v=TeSoBpjPeRI&feature=youtube_gdata_player

最初から反れてしまいましたが…
イタチの真実からのサスケ
{netabare}木の葉への復讐…
やはりサスケの気持ちが
分かってしまうんです(><)
木の葉への復讐=悪と思われる方
ほとんどがそうかもしれませんが
ちょっとだけ待って下さい!
自分に置き換えて一番大切な人で
考えてみると
復讐を選ばなくても
理解はできてしまうかも(><)
個人的には主人公が
NARUTOではなくJIRAIYAから
SASUKEみたいな感じですが
今後サスケが木の葉を滅ぼして
Bad Endになったとしても
イタチの真実を観たからには
一番好きな作品です^^
{/netabare}

投稿 : 2024/12/28
♥ : 13
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

これはNARUTOの罪?

<2018/9/16初投稿>
原作もアニメも途中で挫折しました。
めちゃくちゃ面白かったですよ。
でも長過ぎて
どこまで読んだっけ(´・_・`)?
どこまで観たっけ(´・_・`)?

と、どこから再スタートしてよいかわからなくなり挫折です。

朧な記憶を辿るとたぶん{netabare} 「イタチが死んだとこ?」{/netabare} ぐらいまで観た(読んだ)ような。
雑な記憶です。

なのであらすじなどはWikiとかをご覧ください。

それにしてもスペシャルな作品ですよね。
その人気は凄まじいの一言。

海外人気も忍者ものというプラスαがある分、その熱はONE PIECEを上回ってるような気がします。

カロリーナ・ステチェンスカさん(ポーランド)という外国人初の女流プロ棋士がいます。
(その名前からカロリーメイトのCMにアニメで出たりしてるのでご存知の方もいるかも)
彼女はナルトで将棋というゲームを知ったそうです。
カカシ先生が縁側で将棋を指すシーンを見て興味を持ったのだとか。
つまり東欧ポーランドでも大人気

この作品を始めて読んだのはジャンプ掲載の第1話。
その絵柄のセンスの良さに眼を見張ったことを今でも覚えています。
とにかくデザインがカッコ良く、強烈な個性がありました。

同じようなインパクトを私が受けた作品はこの「ナルト」の岸本斉史先生の他、

「Dr.スランプ」「ドラゴンボール」の鳥山明先生
「ONE PIECE」の尾田栄一郎先生
そして「ソウルイーター」大久保篤先生
があります。

どの作品にも私のようなど素人にまで一目で違いを感じさせる「力」がありました。

惜しむらくはどの作品もジャンプの悪習である「人気作はいつまでも引き伸ばし」にあってしまったことでしょう(ソウルイーターは会社違うから違いますね 笑)。

で。
ようやくアニメの話です。

アニメもほぼ原作読んだとこまでくらい観たと思います。
基本原作に忠実によくできてます。
ナルトの声は初めて聞いた時全く違和感ありませんでした。
もう今では竹内さん以外考えられないんじゃないでしょうか。
口癖の「だってばよ」
決めセリフの「まっすぐ自分の言葉は曲げねえ!」
これらのセリフをたまに他作品などで見かけますがその度に脳内で竹内順子さんの声が自動再生されます。
最新作「ボルト」での大人ナルトも竹内さんが演じてて、その違和感の無さにびっくりしたのは最近の話。

他のキャラクターも一人一人個性的でアニメでもよく表現されてます。

そんなナルトですが一つ罪があると思うんですよ。

それは「走り方」
両腕を後ろに伸ばしたままテケテケ走るいわゆる「ナルト走り」

ナルト以降、バトルもののアニメではこのナルト走りが標準になりました。
リアル志向なもの、ハードボイルドなものとか以外のファンタジー要素が入ってるような作品はみーんな「ナルト走り」。
なにこれ?
なんで走るのに両手振らないの?
ウサイン・ボルトが見たら怒るよ。

ナルトはいいんですよ。
それまで前例が少なかった(※1)し、忍者(※2)だし、何より作品の雰囲気に合ってる。

(※1)思い起こすとサザエファミリーも走る時両腕横に広げてますね。ナルト走りの元祖かな。
(※2)忍者ものアニメは古来よりあんま腕振ってなかったような気がします。あと忍者は特殊だしね。

ぱっと見かっこいいからってなんとかのひとつ覚えみたいになんでもかんでも「ナルト走り」はどうなの?と思ってしまいます。
やっぱ作画が楽なんでしょうかねぇ。

できれば普通に走って欲しいし。
そうでなければそろそろ新しい走りを導入しても良いのでは?
例えば十傑集の走り方とか斬新すぎて寧ろ可愛いですよ。

ナルトがここまで人気を博さなければもしかしたらここまで「ナルト走り」は普及しなかったかもしれません。
これはナルトの罪なんだろうか?

という難癖でした 笑

投稿 : 2024/12/28
♥ : 26

はんぺん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

少年編の方が好きでした

少年編は全部見てる事に気づいたので感想を(笑)

OPとEDは毎回かっこいいです。作画もいい。でも本編の作画は…ってところがぴえろクオリティです…。

漫画にも基本的に忠実です。が、オリジナル部分はやっぱり多少退屈に感じます。

あと原作者も尊敬してるアニメーターさんや、有名なアニメーターさんが何人かいらっしゃって、その方がメインで作画してる回は作画がホント凄いです。別のアニメみたいになってます。良い意味で。

サスケとナルトが最後に戦うとこだったかは確か有名な回です…よね?多分(笑)

疾風伝の方にもたびたび神回(特に重要なシーンとか)が出てきます。その回は本当にクオリティ高いです。
でも疾風伝は今はあんまり見てないので、こちらにまとめて書かせて頂きます。すいません。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 6

81.7 6 友情で友達なアニメランキング6位
ちはやふる3(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (347)
1668人が棚に入れました
クイーンになる夢も、将来の夢も諦めたくない! この一瞬に一生を懸ける―――――高校2年生の夏、新入部員と共に全国大会へ出場した千早たち瑞沢高校かるた部。団体戦では常勝校・富士崎高校を破り瑞沢高校が念願の初優勝、個人戦ではB級が太一、そしてA級では新が優勝を果たす。千早は団体戦で負傷した右指の手術も無事成功し、太一と共に富士崎高校の夏合宿に参加する。顧問の桜沢先生によるスパルタな指導にもめげず、名人・クイーン戦に照準を合わせ練習に励んでいた矢先、出場が危ぶまれるある事実を知ることに……一方、チームを持つことでかるたへの可能性が広がることが知った新は、かるた部創設に向け動き出していた。新たなるライバルの登場、これからの進路、クイーンになる夢……等身大の高校生によるひたむきでまっすぐな想いと情熱が溢れ出す第3期が開幕!

声優・キャラクター
瀬戸麻沙美、細谷佳正、宮野真守、茅野愛衣、奈良徹、代永翼、潘めぐみ、入野自由、坂本真綾
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

普通どこかでダレてくるもんですよ

原作既読 1期2期視聴済み

『アニメ3期決定!』

1期放送が2011年。2期2013年。ざっくり7年ぶりなわけであります。
この吉報は多くのファンから歓迎の意をもって迎えられました。自分も高揚感がハンパなかったっす。
聞けば、実写映画ヒットとメディアミックスでの収益化。福井での細く長いファンのバックアップ。単純に「原作のストックが…」というわけにはいきません。商売面でも企画を通すだけの材料が揃っての3期ということで大げさでもなく奇跡的な続編となりました。ひとえに感謝感謝です。
なお、どんな内容でどんなキャラがいてみたいな説明はばっさりカットであいすみません。
競技かるたに取り組む高校生らの奮闘記です。

 {netabare}方言指導 安済知佳{/netabare}

アニメに限らず映画『上の句』『下の句』『結び』もなんですかね。名も知れた華のある声優さんが裏方に回り後方から支援にあたる。細谷さんのセリフ部分を録音して毎度提供してたりしたんだとか。
福井南雲会と藤岡東高校。そこに確かな“福井”があった裏に福井人あり。
起用の経緯までは存じ上げませんが、このクレジットから役職や知名度に関係なく「良い作品作るぞーっ!」という熱のようなものが伝わってきます。
作品そのものも以前と変わらぬ熱量をもった安定の名作でした。

 ・質の高い原作
 ・継続したスタッフ
 ・変わらぬモノづくり

正直これ以外ではパッとしない『99RadioService』の継続起用もそうだし、2クールものでの楽曲使用では一般的な手法。1クールで曲交替をせずに2クール通して同じ楽曲を使い続けるやり方も1期2期そしてこの3期も変わることはありません。
1期から9年経過してるわけです。
キャストだってキャリアを重ね現在、皆一線級の活躍をされてます。監督さんはじめクリエイターさんだってそう。9年の蓄積を糧に色気を出したくなるのが本音でしょうに見事なまでにそのまんま。継続は力なりを実践されてますね。古典に向き合う上での“型”や“作法”を大事にしてるともいえます。

 {netabare}“作品制作の熱量”{/netabare}

 {netabare}“変えない勇気”{/netabare}

1期からの視聴者は変わらぬ様式美を堪能できます。
原作の信頼とそれを活かす勝利の方程式を知り尽くしたスタッフが仕上げる逸品にハズレはなしです。


 とかいって実は3期ってマンネリなん?


これがまた違うんですな。同じことやってても現状維持も覚束なくて“劣化”と捉えられることも少なくないシリーズもの。
瑞沢高校の面々。間違いなく本作の中枢を担う高校生たち使ってきっちりと掻き回してくれます。ざわつきの原因はしっかり1期からの流れを汲むもので納得感もある。本作の源泉、ちはや・太一・新のかるたを通じた三角関係のことです。
そしてこの三人が作品の根として、瑞沢高校かるた部を例に、同級の机くん・肉まんくんは第二波。1期25話で定評を得てからの第三波で筑波くん・花野菫。登場順で分けられると思うのですが…
想像してみてください。人気作であればあるほど通常は一→二→三と後続のキャラになるにつれ思い入れは浅くなってきます。『SLAM DUNK』みっちーやリョータ『俺ガイル』いろはすのように後から出てきてきっちり中枢に入り込んでくる事例は複数あるものの、けっこう難しい作業なはずです。
そんな『ちはやふる』3期は花野菫のターン。{netabare}この一年間過ごしたかるた部での時間が彼女を人間的に成長させました。“人間的に”です。未だ見ぬ4期ではかるた的な覚醒にも余地を残してたりします。筑波くんは変わらず筑波くん(笑){/netabare}


安定感のみならず、本流でしっかり動きをつけてきたわけでマンネリとも無縁な良作といって差し支えなく、これまで1期2期と視聴されてきた層が視聴を躊躇う理由は皆無と思われます。
ここまでで失速らしい失速も感じませんのでご新規さんも1期25話ずつとボリューミーではありますがこれらを安心材料とみてぜひこの世界に飛び込んできてくれたら嬉しいですね。お待ちしてます。



※ネタバレ所感

■この作品の恐ろしいところ

1.{netabare}もの凄く高いレベルで安定{/netabare}

これまで上のほうで書いてきたやつです。引退間際のイチローだって並の選手と比べれば高いパフォーマンスを残してたのにどうしても比較対象がイチローとなってしまうくらいには我々もマヒしてる。
ここではジョージ・シスラーの年間安打記録を更新した頃と変わらぬパフォーマンスを数年後も保っていて「いやー、良いシーズンだったね」と日常を楽しんでるのに似てるくらい普通の出来事。それでいて「内野安打減ったのは年齢じゃね?」とか無責任に放言してたりもする。
キープするための努力は確実にある。振り子足の幅が狭くなったことやサイズアップといったマイナーチェンジは言われてみないと気づかないレベルなんです。
 

2.{netabare}じじいと子持ちママを主役に!{/netabare}

まさにこの選択をできてしまうのが『ちはやふる』という作品の凄みだと心の底から思います。このレビューで一番訴えたいこと。
高校選手権の比重の高かったこれまでのシリーズからその上流工程、名人戦クィーン戦に重きを置いた3期でした。そして各々絶対王者に挑む挑戦者にこの人選。あり得ない(褒め言葉)。

{netabare}原田秀雄(CV三宅健太)猪熊遥(CV坂本真綾)両名のことです。
片や爺さん。初の名人戦。元々ナイス脇役の原田先生を無理に表舞台に乗せたところでという不安。
片や出戻り。3期初登場の元クィーン。坂本真綾さんで話題作り。はいはい分かりますとノーマーク。

ひとつ冷静になって、爺さんと出戻り以外の選択肢はなかったか?
例えば名人対綿谷新にしとけば新VS太一を活かした展開に容易に繋げられます。強い男子は他にもいます。須郷みたいな若手でも坪口(白波会)や村尾(南雲会)みたいな中堅どころでも不思議はありません。
そんな男子と比べて女子側。こちら対クィーンは新キャラで穏当だった気もします。めぐむたんやまさかの桜沢先生も選択肢としてはなくはないんですけどね。
挑戦者確定で思ったこと。原田先生は想定外。猪熊さんは桜沢先生との絡みも楽しく、とはいえ両名ともかませ犬ポジションを大きく逸脱しないだろうくらいで構えてました。

結果、

 {netabare}誰ぞ二人をかませ犬と誹ることができようか?{/netabare}

周防名人にとって初めて本気で闘わないと勝てない相手だったのが原田先生。
詩暢ちゃんにとって自分以上に札に好かれてるかもと思わせしめた相手だったのが猪熊元クィーン。
鉄面皮と言ってよい圧倒的な個性持ちだった二人の心をぐらつかせる激戦は本作のクライマックスだったと思います。それでいて、千早・新・太一ら若人の物語ともがっつり繋がっているというね。{/netabare}


あと超絶に好きだった猪熊さんのこの台詞。

{netabare}「やっぱりお腹の子、女の子だと思う。お願いしたのよ。男の子でもいいから勝たせてくださいって」

母になると○○ちゃんママの呼称を受け入れて折り合いをつけてく過程が生じます。この子には自分が必要だと思う母性の発動で徐々に消えてく個性や本人の意思。要は諦める作業です。
そんなして一度切り替えたスィッチを再度切り替えるのは旦那の協力があっても困難極まりないことでしょう。復帰するにしても自分なりのルールを決めて。とても納得感がある心の動きです。
そんな思いをして復帰して、マイルールをしっかり守って、でもやっぱり限界はあって子供にも負担をかけて、とクィーン戦を前にして無理がたたってるのも見え隠れしてきた猪熊遥。思い出できたからと気持ちが切れてもおかしくありません。彼女にとってあくまで日常は普段の家庭生活なんです。
そんな彼女がクィーンへの執着を示した精一杯の願い事が上のセリフ。男子三人はマジたいへん。ガキンチョの叫ぶ「一生のお願い!」とは比べ物にならない重みがあります。イマイチ理解できてなさそうな未婚の桜沢先生の表情もいい。{/netabare}



■名人戦クィーン戦に向けて

・名人戦
対立構図や対比がシンプル。
周防名人に新と太一が絡むのでまだ読めないところはある。

{netabare}「青春全部かけてから言いなさい」
を地でいき、かるたに人生を賭けた男と、かるたにしか人生を見いだせなかった男の対比だったのが原田VS周防でした。
全部かけて運命の女神は微笑んだか?運命戦の結末が一つの答えでした。
それでも試合後の清々しい先生の表情が素晴らしい。{/netabare}

{netabare}未来の挑戦者/太一と新はそれこそ一つに絞れないほど多くの場面で、行動言動の比較があったり、同じだったりしてました。その中で一つだけ印象的な場面を挙げると、周防名人のインタビュー場面。
名人を引き留めた新と名人の引退を望んだ太一がどうしようもなく二人らしい。
「真島 おめぇ 卑怯なやつやのー」
引退を望んでることが卑怯とはならないでしょうが、名人につっかかる新を目の当たりにして思うところがあったんだろうなとみられる後の展開です。
卑怯な奴である自分を克服するストーリーが太一自身には必要ですからね。{/netabare}

・クィーン戦
けっこう同じもの同士。

{netabare}若宮詩暢と綾瀬千早に絞られたと思われる。{/netabare}




そもそも最初のアニメ化の時点で紆余曲折があったものらしい。曰く、“売れなそうな商品”。
「セールス的な期待値は低いがアニメ化する意義ある作品」と関係者が企画を通し結果ヒット。

その後、ペイできる実写版がもう完結したし、3期をやる旨味がほぼほぼ無かったろうところをアニメ続編実現にこぎつけたことが至極ありがたい話です。
4期やってくれるかな!?根拠なく全幅の信頼をこの関係スタッフに置いときます。宜しくね!


最後に原田先生役での石塚運昇さんと宮内先生役での藤田淑子さんの訃報に際しあらためましてご冥福をお祈り申し上げます。
後任を見事に務めた三宅健太さん鳳芳野さんお疲れ様でした。



視聴時期:2019年10月~2020年3月 リアタイ

-----
2020.05.06
《配点を修正》-0.1


2020.03.30 初稿
2020.05.06 配点修正
2020.10.23 修正

投稿 : 2024/12/28
♥ : 55
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

時は流れゆく、波は砕け散る

アニメーション制作:マッドハウス
監督:浅香守生、シリーズ構成:柿原優子
キャラクターデザイン:濱田邦彦、
音楽:山下康介、原作:末次由紀

2008年に講談社の少女漫画雑誌
『BE LOVE』で連載を開始して10年以上。
現在では、コミックスが45巻まで刊行され、
累計発行部数は2500万部を超える。
その影響力は、全国に伝播し、
かるた競技人口を大幅に押し上げた。

私は2期が始まるタイミングで
アニメ1期の再放送を視聴し、
物語世界の虜になった。
2期の放送終了時には諸々の理由で、
アニメ化が当分は難しいことが確定していたため、
コミックスを全巻購入。現在も追いかけている。
ちなみに実写映画は未視聴。
映画ヒットの恩恵もあってアニメ化につながったので、
実写化が宣伝として大いに役立った好例だ。

綾瀬千早、綿谷新、真島太一という
幼馴染の3人が物語の中心。
それに加えて部活のメンバーや
ライバル、先生、主人公たちの家族までを
深く掘り下げて描写しているのが最大の特徴だ。
まさに、微に入り細を穿つという言葉が当てはまる。
もちろん、競技かるたの魅力も
余すところなく表現しており、
ポイントを分かりやすく解説。
勝負の分かれ目における思考法や作戦、
必殺技?までを描くことで、
地味と思われていた競技を魅力的に見せている。

3期における最大の見どころは、
これまで楽しく過ごしてきた日々や関係性も
永遠には続かないことを
多くのキャラクターが自覚することだろう。
特に3人の関係性はモラトリアムの状態が
長年続いていたが、決着をつけなければ
ならない時期が迫っていた。
作者がこの物語世界を終わりに向けて
動かし始めたことがはっきりと感じられる3期だった。

競技かるたによってつながった幼馴染3人は、
それぞれに競技に打ち込む理由がある。
千早は競技かるたに対する一途な気持ち。
強さを渇望し、遠くにいる好きな人を近くに感じながら、
クイーンの座を目指している。
新は永世名人の祖父の才能を受け継ぎ、
幼少から積み重ねた努力によって
祖父が辿った道を歩んでいる。
太一は、かるたとの決別を常に意識しながらも、
複雑な想いを胸に抱いて競技を続けている。
才能の面でふたりより大きく後れを取る太一だったが
競技かるた特有の「感じ」とは別方向の
記憶力と洞察力に磨きをかけて覚醒し、
千早を脅かすほどの実力を発揮する。

原田先生の活躍や猪熊遥の登場が、
このクールのもうひとつの大きな見どころ。
両者は膝の痛みや母乳の出る体を抱えた状態で、
年月がもたらす残酷さを何度も味わいながら
懸命に戦っていく。
原田先生は、千早と太一に対して、
いつも含蓄ある言葉を投げかけてくれる存在。
その戦いぶりに、特に太一は心を動かされる。

人は時間経過の必然として変わっていく。
高校卒業後の進路はもちろん、
3人の関係性も、ずっと同じではいられない。

太一は、小学生のとき
千早が好意を持っていた新にかるたで勝利するために
新の眼鏡を隠すという行動に出てしまう。
そのときの自身の暗い感情とずっと対峙しながら、
千早や新のような真っ直ぐな生き方を目指した。
そして、仲間とともに競技かるたに青春をかけてきた。
「青春全部懸けたって、新より強くはなれない」と
思っていた太一は「懸けてから言いなさい」と
原田先生から窘められる。
この言葉が、ずっと太一の心の奥にある。
千早のことが大好きで、ずっと一緒にいたい気持ち。
太一にとってのかるたを続ける理由。
それは千早の存在だけだと思い込んでいる。

{netabare}告白の前に開催された太一杯。{/netabare}
原作を読んでいたときは、
あまり必要のないエピソードだと感じていたが、
アニメで改めて観ると、
ある意味、このクールでいちばん重要な話だと感じた。
ここで行われた源平戦が3人の原点。
競技かるたが人生を豊かにしてくれるのだ。

{netabare}そして、太一の退部後にその気持ちに対して
千早が想う源重之の歌。
「風をいたみ 岩うつ浪(なみ)の おのれのみ
砕けてものを 思ふものかな}
(風が強くて波が岩に向けて砕け散るように、
私だけが心が砕けんばかりに、
あなたを思い悩んでいる)
「私が岩だったんです。岩で粉々に砕いていたんです。
太一の気持ちを。ずっと、ずっと」と
千早は言葉を絞り出す。
千早は太一のこれまでの気持ちを深く想像していた。{/netabare}

太一の行動と決断は、どのような結果をもたらすのか。
かるたを好きな人々の感情と
仲間に対する想いを掬い上げながら、
物語はいよいよ終盤に向かっていく。

3人の関係性の変化とともに、
クイーン・若宮詩暢と名人・周防久志の
生き方にもスポットが当たる。
新は、競技かるたに対しての深い理解を求めて、
千早や太一から1年遅れでチーム作りを始める。
競技かるたがもたらしてくれた大切なもの。
それはどんな形となって現れるのだろう。

感情が解き放たれるクライマックスが近い。
(2020年4月25日初投稿)

15年の連載を終えた原作
(2023年4月2日追記)

{netabare}昨年末に最終巻の50巻が発売され、
完結を迎えた『ちはやふる』。
実は読了したのは、つい最近のことだった。
最終巻のコミックスは購入していたのだが、
ずっと放置して、読めずにいたのだった。
それは終了するのが名残惜しいというよりも、
終わり方については、おおよそ想像ができていたので、
敢えてすぐに読まなくてもいいだろうという思いだった。
もちろん、そこには終わってしまう一抹の寂しさもあったのだが。

そして読了したあと、
納得できる部分も多かったし、驚かされることもあった。
改めて末次由紀氏の温かさに触れたような気にもなった。
この作品は、小倉百人一首のかるたを広く全国に広めて、
競技人口を増やすことに大きく貢献した。
また、読み手やトップの競技者、競技かるたを楽しむ
多くの人々の想いにもスポットを当てた。
競技に対する深い理解も作品のなかで表現した。
最終回を迎えるにあたり、作者が思っていたことは、
おそらく競技かるたとそれに関わる人々に対する
「感謝」だったのだろう。
いや、ある意味、当然のことかもしれないが、
15年間の連載を通して、マイナーな競技かるたに
関わった作者は、コミックスの登場人物のような人々と
ずっと交流してきたのだろうという気がした。
私がちはやふるを読んでいて、いつも感じていたのは、
登場人物たちの圧倒的なリアリティとそこにある深い理解だった。
どのキャラクターも、まるでそこにいるように、
楽しんだり、悩んだり、苦しんだり、そして仲間たちと
喜びを共有していた。
私にとっては、それは奇跡のようにも思えた。
人の気持ちに寄り添うというのは、
こんなにも辛いものなのだと思いもした。

そんなことを含めての最終盤。

作者が行き着いたもの、
選んだもの。

それが凝縮されているように感じた。
長年にわたる競技かるたの世界との関わりで
着地したところは、深い感動を与えてくれた。
ぜひ、アニメで最後まで表現して欲しいと願う。{/netabare}

投稿 : 2024/12/28
♥ : 67

えりりん908 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ずっとスポ根なの?恋とかないの?→恋愛モード突入!!

3期も、開始早々、息も尽かせない激しい展開!

百人一首の競技やってる人、
ひたすら格好よく見えます!!

観てるだけなのに、
このまま試合に出ても勝てそうなグライ。
何か、競技かるた、解ってきてる気がします!

でも実際は、肉体も、脳も酷使する
マインドスポーツ!

そんな簡単な訳、ないですよね(´д`|||)(>_<)

でも、それでいいんです!

千早ちゃんには、
選ばれれた人にしか見られない世界、
しっかり見届けてほしい!



♪♪♪♪→って思ってたら、
名人位挑戦者決定戦の終了直後!
新君が、唐突過ぎるタイミングで
千早ちゃんにいきなり!!!!
周りにかるた部のみんなとかもいるのに(>_<)

これは恋愛免疫ゼロの千早ちゃんでなくても、
固まっちゃいますね~(≧▽≦)

ここでまさかの、周防名人も参戦?
太一に瞬殺されてたけど(#^.^#)

さあいよいよ、
太一v.s.新の、戦いの始まりでしょうか?!


◻◻◻◻◻◻◻◻◻◻◻◻◻◻◻◻◻◻◻◻◻

24首観終わりました。
本当は何日か前に観終えてました。
3期までずっと、おまけ回入れて25話ずつ。
4期がラストで、ちょうど100首で完結だと思うけど、
原作のボリューム考えると、あと25話で、
きっちりまとめられるのか、心配です( ̄▽ ̄;)

お話の方は、ラスト近くからは、
恋バナ全開でしたね(#^.^#)
太一と千早の不器用さが、際立ってて、
菫がどんどん格好よくなってしまって。

富士崎合宿で始まり、富士崎練習風景で終わる展開。
お話の切り方が、2期同様に、
不自然に中途半端な感じですけど、
「恋バナもあるけど、これは熱血かるたストーリーなの!」って強調してる感じで、
私は続きを素直に待ちたいって思いました。

3年生になった途端にあんなことになったけど、
予備校では、太一君と周防さんが、
運命的に遭遇しちゃって、
ちゃんと太一君の、先に続く道があって、
きっと新君と、東西決戦になる流れ。
個人戦にシフトした太一は、
団体戦をとうとう手に入れた新と、
凄くいい戦いが出来ると思うんです。

ちはやふるは、熱血の、
からくれないの紅色だけじゃなくて、
青春のサクラ色や、かなわぬ恋心の深い青も混ざって、
いよいよクライマックス!
って感じです。

凄く、待ち遠しいです(≧▽≦)

投稿 : 2024/12/28
♥ : 47

77.9 7 友情で友達なアニメランキング7位
王様ランキング アニメ(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (470)
1518人が棚に入れました
国の豊かさ、抱えている強者どもの数、そして王様自身がいかに勇者のごとく強いか、それらを総合的にランキングしたもの、それが“王様ランキング"である。主人公のボッジは、王様ランキング7位のボッス王が統治する王国の第一王子として生まれた。ところがボッジは、生まれつき耳が聞こえず、まともに剣すら振れぬほど非力であり、家臣はもちろん民衆からも「とても王の器ではない」と蔑まれていた。そんなボッジにできた初めての友達、カゲ。カゲとの出会い、そして小さな勇気によって、ボッジの人生は大きく動きだす———— 。
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ボタンの掛け違い

[文量→特盛り・内容→考察系]

【総括】
良いアニメだと思います。

基本は、「少年の成長と旅立ち」という、超王道のストーリー。一見すると、NHKやジブリでも通用しそうな、安心安全の世界観。

ただそこに、多くの不幸や悲しみ、残酷な現実なども混ざり合い、単なる児童アニメにはない深みがあります。大人でも楽しめるというか、大人だから楽しめるというか。

本作は考察しがいがあるアニメなので、久々に考察系で真面目に書いてみました。主に、人物描写について思うことを書きました。相変わらずクソ長いので、大変申し訳なくは思います(苦笑)。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
本作の特徴として、登場人物が「全員不幸を背負っている」「全員他者のために動いている」ことと、それが、「どれもこれも上手くいっていない」ことがあると思う。

例えるなら、オー・ヘンリーの「賢者の贈り物」のようなものだろうか。尤も、「賢者の贈り物」に比べれば、清廉でもないし、幸福でもないけれど。

私は、本作の面白いところは、人物描写の巧みさにあるように思っていて、どの人物も実に「人間らしい」のだ。

日頃から、高い教養と倫理性、社会的制限の元に生み出されたキャラクターを見慣れている我々現代人は、ついついキャラクターに整合性を求めてしまう。しかし、本来の人間は「支離滅裂」なことが普通なわけで。近代の純文学などでは、そういう人物描写がよくみられた。

利己的で、情動的で、短絡的な人間。それでも、100%の悪人とは断罪しきれない人間。大宰作品なんかが分かりやすい。

本作のキャラクターが、なぜ、他人のために動いているのに、誰も上手くいってないかというと、「他人のため」がいつの間にか「自分のため(自己救済)」になってしまっているからではないだろうか。多分、本人すら気付かないうちに。

皆さんの身の回りにもいませんか? 人を救うのが趣味や生き甲斐みたいになっていて、それはとても素敵なことなんだけれど、ちょっとウザがられている人。

簡単に言えば、「余計なお世話」。

論語に、「己の欲せざる所は人に施すこと勿れ」という有名な一節がある。幼小中学校の先生は当たり前のように「自分がやられて嫌なことは人にやるな」「もし自分がやられたらどうか考えてみなさい」と言うが、これは間違いとまでは言わないが、正しくはないと思っている。

本来は、「人の欲せざる所は人に施すこと勿れ」だ。「己の~」は、あくまで価値観が自分の側にある。自分が良いか悪いかはさておき、本来は、「その相手」がどう感じるかを見とる洞察力や想像力こそが、正しい意味での優しさなんだと思っている。

本作の登場人物は、正にこの「余計なお世話」が多い。特に、

ミランジョがボッスを子に転生させようとすること。ボッスがミランジョの魂を救おうとすること。

の2つは分かりやすい。どちらも別に、(今となっては)本人は特に望んでいない。そして、ミランジョがボッスを転生させたいのも、「自分がボッスと共に永久に生きたい」からだし、ボッスがミランジョを救おうとするのは、「自責の念」からだ。彼らはそれを死の間際に気付くけれど、それまでは「相手のため」を免罪符に、悪行の限りを尽くす。

なぜこうなったかというと、ボッスもミランジョも、過去に大きな悲しみを背負っており、そうして胸に空いた穴を、「何か」で埋めなければならなかったから。2人にとってそれは、「互いを救う」ことだった。(宗教なんかもそうだけど、本当に怖いのは、ご立派な大義名分の為にどんな手段でも正当化してしまう、どこまでも盲目的で利己的な人間なんだと思った)

これは、本作のヒロインとも言える活躍をした、ヒリングにしても、少しそういう部分が見える(ちなみに、私が本作で一番好きなキャラはヒリングです)。

序盤、ヒリングがボッジに冷たくあたっていたのは、「無能」な「我が息子」が王位につくことで、かえって苦しむのではないかという、親心(愛情)から。実に母親らしい思考。ただ、ボッジは単純に王になることを応援して欲しかった。

一方、ダイダは、母から「王への期待」をかけられているが、それは、「ボッジの代わり」であり、「ボッジを救う手段」だと(ヒリングの深層心理に)気付いていた(だって、ヒリングの性格上、もしボッジが優秀だったら、実子という理由だけではダイダを王には推薦しないだろう)。

正に、「代打」だと自分を卑下していたのである(本当は優秀だから、期待され、手をかけられなかっただけだが)。

だから、必要以上にボッジを見下し、いじめたのだ。あれは、母親の愛を独占したいという寂しさや、母の深い愛を受けるボッジに対する劣等感からの行動なのだろう(基本的にいじめっ子は、親からの愛情が不足している者がなりやすいという研究結果もある)。

ヒリングがあそこまで息子に大きな愛情を抱いたのも、実は、夫であるボッスからの愛情不足があるのだと思う。2人の夫婦間系は破綻までいっておらず、表面上は良いのもしれないが、実は、冷え込んでいる。

だって、旦那は仕事(王様)ばかりに熱心で、自分以上に亡妻を愛していて、更に心のど真ん中には別の女(ミランジョ)がいる。旦那はそれを上手く隠しているつもりだろうが、女性はそういうところに敏感だ。

ヒリングは根が良い人なので、そういう「満たされない思い」を「子に愛情を注ぐ」ことで埋めていたし、ダイダも、「足りない母の愛」を「ミランジョに頼る」ことで埋めていた。こういう歪なバランスの上で安定している関係は、何か1つのキッカケで崩壊するものだ。

だからまあ、最終話でダイダはミランジョを妻とし、ヒリングはドルーシと良い感じになったのだろう。ダイダのような男が、母性的なものを求めて姉さん女房をもらうのも、ヒリングのような女性が、無骨だが一途に自分だけを思う男性に惚れるのも、ままあることだろう。

この辺の背景を絡めないと、最終話の突然の展開に驚き、場合によっては嫌悪を抱くかもしれないが、私は、本作を「弱き、哀しき、不完全な」大宰的なキャラによる話と捉えていたため、そういう「利己的で、情動的で、短絡的な人間」を愛おしいと思った(これは、近代文学好きならではの歪んだ思考ですねw)。

私は、人間らしい人間が好きだ。そして本作のキャラクターは、実に人間らしい。

話は少しずれてしまったが、ドーマスがボッジに寄せる思いと行動も、デスハーやデスパーがオウケンに寄せる思いと行動も、本人の願いとは少しずつズレているように感じ、

「本質的に優しい人間達の、他者を思いやる尊い行動が、悲しみを背負うことで僅かに感覚を狂わせ、まるでボタンを掛け違うように、悲劇を生み出してしまった話」

のように感じた。これが、本作における主たる感想である。

さて、そんな中、主人公のボッジだけは、「他者の理屈」で動いている。アドラー心理学によると、「共感とは、自分の価値観に合うものを見つけるのではなく、他者の価値観で物事を見聞きすること」だそうだ。

ボッジは、耳が聞こえないため、幼少期から周りを見渡す洞察力に長けていた。そして、口がきけないため、自分の思いを表現することが苦手になった。さらに、力が弱くいじめられたため、他者の弱さに寛容になり、共感的に他者を受け入れる素養をもった。

穿った見方をすれば、それが彼なりの「処世術」だったのかもしれない。

そんな彼が歪まなかったのは、彼が多くの愛情に包まれていたから。父、母からの愛情。継母からの愛情。師匠からの愛情。そして唯一足りなかった、友からの愛情。

それらは一部を除き、本質的な意味では「無償の愛」とは言えなかったが、ボッジはそれを最大限好意的に受け入れている。一昔前、「鈍感力」という言葉が流行ったが、その力が強いのだろうか。

確かに、多くの愛情を受けた子供は、他者を受け入れ、自分を見失わない。多くの挑戦と失敗が出来る。

それはそうのだが、如何せん、ボッジの境遇の辛さと、彼の人柄の良さが乖離しすぎていて、ここに「ご都合主義」を感じてしまった方も多いのではないだろうか。私はそうである。

私は本作を「純文学のような人間らしいキャラに魅力がある」と評したが、そういう意味で、一番「人間らしくない」のがボッジである。

たくさんの人物の歪みや悲しみを、まるでスポンジのように一手に引き受け、包んでしまう優しさ。それはもう、「王の器」を飛び越えて、「神の器」とすら思ってしまう。

ボッジが子供だったのもいけなかったのかもしれない。本来、子供なんて自分の理不尽を周りに撒き散らすのが役割で、それを受け入れるのが大人の役目なのに、本作はその逆。そこが、自分的には一番受け入れ難い部分だった(よって☆4)。

それだけに、ボッジがドーマスに見せた、恐怖と怒りの感情は、大変見応えがあったし、ボッジを「人」らしくしてくれた。ああいう場面が、もう少しあっても良かったと思う。

いや、なにも「歪んだ主人公」を見たいわけではない。性急すぎるのだ。ボッジの最終形態は今のボッジで良いとして、「強さ」も「優しさ」も、もっと時間をかけて獲得して欲しかったのである。

私は本作を観始めた頃は、「ジブリに、2時間映画にまとめてほしい」と思ったが、途中から、「世界名作劇場みたく、1年はやってほしい」と思うようになった。

本当は、ボッジとカゲの友情を丁寧に描き、たくさんの街を旅し、幾人もの「善」や「悪」に触れながら、葛藤し、次第に成長するボッジが観たかった。

尤もそれは、「今後」に描かれる部分だろうし、むしろそれかそが作品の主題で「王様ランキング」に関わるのだろう。

そういう意味で、作品のエピソード0(旅立ちの前)だけでここまで描き切れている本作は非常に優秀な作品だし、今後に期待がもてる作品だと思う。
{/netabare}

投稿 : 2024/12/28
♥ : 30

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

現代版「柳生兵庫介」。もともと王様ランキングの勝利条件が活人だったんでしょう。

 評価が難しいです。王様ランキングはどこへ?というのはまったく気になりませんでした。このレベルで引っ掛かる話では無かったです。まあ、途中で作者が表現したい内容に気が付いて路線変更したんでしょう。

 テーマは「活人剣」=無刀取り=政治の哲学として、個人の力ではなく人を活かすことこそ最強という話なんでしょう。

「活人剣」は津本陽氏の「柳生兵庫介」という小説で読んだくらいなので詳しいわけではありませんが、上泉信綱から石舟斎という系譜で誕生した徳川のお家芸の剣技、柳生新陰流の「無刀取り」です。

 逃げる=負けない剣、細い剣=急所を突く、そして、相手の力を利用する。西洋的な世界観の中でボッジの強さは極めて東洋的なので、物語中ずっとそのことを連想していました。まあ、それだけならありふれていると言えばありふれてるんですけどね。ただ、いろんな強さがありました。

 巨人というのはゴヤの絵画とかマーラーの交響曲にもありますが、極めて西洋的な印象を受けます。ダイダラボッチもありますけど…本作はまあ西洋の巨人でしょう。力=パワーです。そしてパワーは権力という意味もあります。
 不死というのはゾンビもあるし、人魚もありますが、私はターミネーターを連想しました。特にターミネータ2ですね。非人間的なところもT1000みたいでした。

 魔女、暗殺、剣技、怪物…強さの種類上げればキリがないですが、そう言った強さの中で、最強なのは活人剣…人を許し活かして行くことだと思いました。

 障碍、非力設定はその為でしょう。「力ない物は活人の道しかない」ではなく「活人こそ最強」だから「肉体の力は関係ない」です。だから、それぞれの内面を描いているようですが、そこにはテーマ性が見えなかったのかもしれません。

 結末もそれぞれの人が説得されて来たわけでなく「活人」されたわけです。しつこく魔法で傷を治す描写があったのは、このことを表現していたのかもしれません。倒すのではなく懐へ、です。
 王様ランキングという題名、1話の剣の戦いのプロセスとボッジの特徴からいって、この「活人」が描きたかった、主要なテーマだというのは間違いない気がしてきました。キービジュアルも裸ですからね。無力=無刀=最強を表しているんでしょう。

 ただ、それを各国を回って王様同士が比べっこして…とやるとあまりに露骨で寓話的になるので嫌だったんでしょう。あるいはデスパーやミランンジョ、オウケンを動かしているうちに話が変わったか。あるいはダイダとヒリングを動かしているうちに母について書きたくなったのかもしれませんね。 

 オウケン=王権、ダイダ=代打、ヒリング=ヒーリング治す、デスハー=ハーデスのアナグラム、ミランジョ=鏡女ですから名前の付け方単純ですよね。で、オウケンということは多分、初めは違う役割だったんだろうなあ、と思ったりもしました。

 最後魔人がどっかに行きます。つまり、無敵だけど人類の善悪に関わりないですね。彼に人間ではないし政治にも関係ありません。だからどうでもいいということでしょう。

 構造として中身は津本陽氏の「柳生兵庫介」というより柳生一族の「活人剣」がテーマで、舞台設定をシンデレラ、アナユキ、シンドバッドなどのディズニーにしたのでしょう。そこに母の愛がのっている感じです。
(追記 類似性は劉備玄徳でもいいですけどね。活人剣と明確に言っているのでやっぱり柳生でしょう)


 ただ、なぜボッジが活人の達人になれたか、です。耳が聞こえない部分=彼の無垢さ…それはイグノランス…愚かさにもつながります。ただ障碍者だから、ピュアというのはちょっとイヤです。「聲の形」の西宮硝子が障碍者だから不幸だ、少し馬鹿に見えると言っているのと一緒です。

 彼には本質が見えるのでしょうか。それとも母親の愛情を受け取った結果なのでしょうか。その辺、彼の純粋性については明確に読み取れませんでした。強さと表裏だとは思いますが。
 王様ランキングの初期の話からぶれたと思うのは、ここもあって活人の意味が読み取りづらいと思います。

 まあ1回目ということで、評価はマイルドにしています。読み取れない部分もあったかもしれません。

 いずれにせよ2クールで作家性がある完結するアニメを作ったことは素晴らしいと思います。話も単純では無かったので面白かったです。
 再視聴はどうでしょうか。ちょっと長いし原作者が良く勉強しているのかもしれませんが、かえって見たことがあるようなエピソードも多いのですぐは辛いですね。半年、1年たったら見るかもしれないし、放置かもしれません。





以下 2話までの第1印象です。

寓話や感動ポルノでなければいいのですが。結末で評価は決まりそうです。

 現時点ではなんとも言えない作品みたいですね。この悲惨な話はこの絵柄じゃないとみられないでしょう。

 みにくいアヒルの子+手塚治虫(どろろ、ブッダ等々)や999的な母との別れからのスタートでした。

 障碍やダイバーシティ、王様ランキング制度の無意味さみたいな題材の寓話あるいは感動ポルノならがっかりですが、王子とカゲがそういう既存の価値観を超越してくれたところで活躍してくれるなら面白そうです。

 途中経過より見終わった後でないと価値がわからなさそうですね。最後を楽しみに視聴継続します。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 20

kittys さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

いろいろな評価がありますが.....

現3話まで視聴しています。

王様の順位を決めるアニメですが、流行りの最強系ではありません。
むしろ最最最最弱からのスタートです。

結果として昇りつめて行く作品ですが、王様の成長はすこぶる悪く急成長するものでもありません。

では何が面白いのか。結論はまわりの人間関係や敵勢力の立ち位置あります。
ですので、派手なアクション、洗練された作画が好きという方は合わないです。

簡単にあらすじを説明すると王様はしゃべることができず、聞くこともできないのでコミュニケーションを取ることもままなりません。そして力も子どもなので皆無です。

しかし、まわりをどんどん味方につけていきます。理由はぜひ見てください。

噛めば噛むほどいい味を出して行くアニメです。まだ3話なのですが次の4話を見たくてたまりません。

王様ランキングのまわしものみたいなコメントですがそれくらいよかったので素直書いたつもりです。ぜひ一緒に楽しみましょう。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 3

87.1 8 友情で友達なアニメランキング8位
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。完(TVアニメ動画)

2020年夏アニメ
★★★★☆ 4.0 (747)
3335人が棚に入れました
過去のトラウマと、独自のひねくれた思考回路によって「ぼっち生活」を謳歌しているように見える比企谷八幡は、ひょんなことから生活指導担当教師、平塚 静に連れられ「奉仕部」に入部する。同じ部に所属する息を呑むほどの完璧美少女・雪ノ下雪乃や、クラスの上位カーストに属するギャル・由比ヶ浜結衣とともに、クラスメイトの人間関係の問題の解決から生徒会の手伝いに至るまで、数々の案件をこなす毎日をすごしていた。季節は移ろい、春。雪乃から最後の依頼を受けた八幡と結衣。3月の卒業式を控えた中、いろはからブロムの協力を求められ…。― 本物を求めた八幡は3人の関係を変えていく。果たしてこの先、彼の高校生活はどんな結末を迎えるのか!?

声優・キャラクター
江口拓也、早見沙織、東山奈央、佐倉綾音、悠木碧、小松未可子、近藤隆、檜山修之、柚木涼香、中原麻衣、井上麻里奈、ささきのぞみ、小清水亜美、堀井茶渡
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

正三角形の三角関係

原作未読


うむ終わった。3期相当『俺ガイル・完』は全12話。1期からの続きもんで足掛け計38話で完結です。
ラノベはやたら長いタイトルが跋扈していて『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』例外なく長いやつです。たいていはツカミだけのタイトルで中身は別物ですが、本作は看板に偽りなし。

2期で 「お~青春ラブコメだね~」
3期で 「う~んまちがっているね~」

となることはお約束できますのでうっかり1期2期未視聴の方はぜひ振出しに戻ってここまで楽しみながら歩いてきてくださいね。
ラブコメが大きく動き出した2期最終話を受けての3期はこれまでの群像劇っぽいところからより主人公ら個々人の関係性にフォーカスされます。もう奉仕部+αで三角関係しかやらない勢いですね。
人となりは2期までで明らかになりました。ざっと、理性と感情の化け物が揃っていて理性カテゴリに八幡と雪乃。感情カテゴリに結衣となります。理性の化け物二人の緩衝材としてガハマさんは機能しており、彼女がいなければ早晩奉仕部は崩壊していたことでしょう。では似たもの同士八幡と雪乃の決定的な違いは自意識の有無。面白いのは結衣で1期の頃から成長して自分というのを持てるようになった。自意識それあるーカテゴリでは2期終わる頃には八幡と結衣が入ることになります。
ちなみにこの組み分けは陽乃の「理性の化け物」あらため「自意識の化け物」だね、と八幡を評したことに由来します。

    理性   感情   自意識   {netabare}気持ちを言葉にすること{/netabare}
八幡   ◎    ×     ◎    {netabare}  下手{/netabare}
雪乃   ◎    ×     ×    {netabare}  下手{/netabare}
結衣   ×    ◎    △→○   {netabare}  下手{/netabare}

中庸の△や○が無いといいますか、スキルチャートを作れば歪な五角形ができそうな三人組とみてよさそうです。だからこその面白さが本作の持ち味です。
登場人物もめんどくさいですけど抽象的な会話劇は同じかそれ以上にめんどくさい。自分は物語を紐解くのに登場人物相関図を頭に描きながら楽しむクセがあるんですがこの物語ではこんな感じ。合ってるかどうかはわからんです。違ってたらごめんなさい。

もう一つ。言ってることがわけわかんない時は言ってることよりもやってることを重視してます。言動より行動ってやつ。見当違いも多いですけどね。
{netabare}※漫画喫茶!?では隣同士肩にもたれかかる距離感だったのが、後日公園のブランコでは距離を取って座ってる…みたいなそういうとこ。{/netabare}

さらにもう一つ。概念として面白かった“本物を知りたい”について。
互いを出し切っても崩れることのない関係性みたいなものでした。
自己の欲求を追求すると壊れてしまう関係。これすなわち偽りの関係。
自分を偽って維持できる関係。これもすなわち偽りの関係。
大人であればあるほど、『本物』は遥か遠く手の届かないものであることを痛感させられます。若者も直感的には気づいてる。それでも求めてやまない、やはりこの年代ならではの心情の吐露なんです。

こちらを希求して止まないのが主人公比企谷八幡でした。どうやら折り合いをつけそれっぽいものを手に入れそうなところまで来ています。
同じく希求して止まない(…のだと思う)のがおそらく雪ノ下姉の陽乃。なんとなくこじらせたまんま大学生になっちゃった感ありでこれまで同様にちょっかいを出してきます。


まーあくまで一解釈ではありますが軽くおさらいでもしてから楽しんじゃいましょうという作品。
終わってみて思ったのが八幡、雪乃、結衣の関係って各自二方向に等分のきれいな好意の矢印が出ている正三角形のかたちをした三角関係だというのに気づきました。だいたい矢印は片方だったり短かったりするものを三角関係だと思ってきた人生だったのでこういう関係もあるんだなあと思った次第です。

もしかすると『本物』の関係ってこういうことなのかもしれない。
そんな錯覚を覚える青春ラブコメの秀作です。
別の作品でめんどくさい女性は魅力的だが男性の場合はただただめんどくさいみたいなこと書いて今の今も基本的な考え方は変わりませんが、男女ともにめんどくさくても面白いと思わせてくれた作品でもありました。


なお作中頻繁に出てきた3期のキーワード{netabare}“共依存”{/netabare}は結果的に無視しとります。

{netabare}「うがった見方をすればそう受け取ることもできなくはないくらいの話だ」
「君も雪ノ下も由比ヶ浜もそんな関係性ではないよ。共依存なんて簡単な言葉で括るなよ。君の気持ちは言葉一つで済むようなものか?」

絶好のタイミングでその時に1番欲しい言葉をピンポイントで投下する平塚先生についていけばよし。{/netabare}




※軽めの余談

■平塚センセから浮気しそうになりました

いろはすを凌駕するほどあざとかったのが作り手さんだった気がします。

あざとい?:{netabare}ガハマさんに肩入れしてしまう仕様{/netabare}
CASE1:{netabare}表情の作画カロリー消費っぷりは登場キャラ屈指{/netabare}
CASE2:{netabare}モノローグの度に締めつけられましたよ{/netabare}
CASE3:{netabare}ヒッキーとのデートする時間長かったよね{/netabare}
CASE4:{netabare}CMでまで白無垢着させた上に「わたし今が一番幸せだよ」とか言わせちゃダメ{/netabare}


■めんどくさかったです(褒め言葉)

1.{netabare}1期:「どうせ何を言っても伝わらないし関わらない」と卑屈さが全開
 2期:何を言っても壊れないor何も言わなくても通じ合う関係こそ本物だと信じる
 3期:ごちゃごちゃ言ってないで“伝える”“関わる”努力をする

 こんな若者の成長をこねくり回しながら描いたシリーズといえましょう。{/netabare}

2.{netabare}いろはすの「○○です。ごめんなさい」が段々YES寄りに。周囲の人たちも充分めんどくさい。{/netabare}

3.{netabare}結局「スキ」と言ってたのは我らが平塚静先生だけだったぞ。あーめんどくさ。{/netabare}



視聴時期:2020年7月~9月 

-------

2020.10.01 初稿
2021.08.01 修正

投稿 : 2024/12/28
♥ : 65
ネタバレ

tag さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

比企谷君、本物は見つかったかな?+裏バージョンレビュー

1期、2期のレビューを更新するうち、3期には裏バージョン(ネタバレ本音バージョン)のレビューが必要と思い。加筆、評価替えしました。
見ていない方は絶対開かないでください。

ここから裏バージョンレビュー
{netabare}
3期通しで見ると、雪乃と八幡の間の関係は、そのセリフ通りに受け取れず、見た目と実態がかけ離れているのではないかと思える部分が多々あります。
見た目は最後にやっと恋人同士ということですが、これも、実質的には婿養子決定と取れなくもないです。以下の1-3期通して二人の関係変化ポイントと“本当の”状態を考察したものです。

1期1話の奉仕部での初対面会話が弾む(見た目は弾んでいないが)時点:
⇒友達承認(セリフは速攻却下だが)
1期、普通は男子と一緒に絶対行かない雪乃が自ら誘って八幡とモールに買い物に行くシーン
⇒友達以上の存在であることを承認(ただ買い物しただけににしか見えないが、一緒に買ったエプロンはずっと使い続ける)
1期12話で再び奉仕部で友達承認を求める八幡を拒否るがウインクで返す雪乃時点:
⇒好意(好き)の表現(再び友達承認さえ拒否ったように見えるが、雪乃のウインクは相当な勇気が必要)
2期設定ディズニーランドのスプラッシュマウンテンの降下ポイントで袖を指で摘まんだ時点:
⇒雪乃からの恋人認定(単に恐怖から摘まんだようにしか見えないが、その写真は枕元にずっとしまっている)
3期10話でプロム後片付けから帰る八幡の袖を“握って”離さなく、ウルウルした瞳で見つめる時点:
⇒雪乃からのプロポーズ(言葉では別のことを言わんとしているように見えますが、行動は真逆の意思を示している)しかし八幡は優しく立ち去る
3期11話で八幡の5分間告白を受諾時点:
⇒八幡からのプロポーズ受諾(これは言葉と行動にしているので明白)
3期12話のほぼ無双している雪乃
⇒婚約・結婚式(八幡の婿養子入り)と新婚状態(雪乃を束縛する問題は全て解け、素の彼女が出ている、言葉と行動の乖離は消失)

これらは、ハッピーエンドに向かう、ポジティブ面を中心にシナリオを追ったものです。この見た目と本音の乖離が物語を面白くしているのですが、同時に難しくしている面もあります。その難しさの源泉がこの乖離でもあり、ネガティブ面のシナリオです。それを解く鍵が雪乃と陽乃の心理状況にあります。

・雪乃はなぜ、こんなに分かりづらい(面倒くさい)のか?
多分、これが、この物語の最大プロットであり、面白さの源泉です。その割には暗く、苦しいプロットではあります。
家族との関係性に問題があることは陽乃や平塚先生の会話などに1-2期にも表れますが、雪乃の口(特に海浜公園からの帰り道)から語られるのは3期になってです。また、陽乃の口からも語られます(海浜公園の夜、八幡を待ち伏せて)。ここから雪ノ下家の家庭環境、そこから来る、雪乃の心の問題が見えてきます。

・家業は姉が継ぐとなっており、自分はほったらかしで、重要視されていない、期待されていない(と思っている)
・期待されていない人生を過ごしていたので、強い承認欲求があり、期待される姉を後ろ姿を追っていた。
・自分は父の職業に興味を持っている。でも、家族に言ったことはないか、言っても取り合ってもらえなかった(しかし、これも承認欲求から来るもので、ほんとに姉、父と同じ方向に行きたいか微妙)
・結局、子供のころからの、ある意味“ネグレクト”で、普通持っているべき最低限の、「家族からの承認、信頼と安心」をもらっていない。心のよりどころがないため、自我が、とても弱く、攻撃されないための鎧をかぶっている。
・姉のコピーを目指すことでしか「自我の鎧=アイデンティ」を保てなかった。それでも満たされることはなく、常に自分(自ら納得したアイデンティティ)を探している。承認不足から自信がなく、これまで作りえなかった。
・これが、対人恐怖や、恐怖から逃れる(自分を守る)ために心とは裏腹の言葉(論理的、攻撃的ストレートトーク)でしか話せなくなった。
・軽度の解離性同一性障害ともいえる。「言葉として出る対人恐怖からの防御をつかさどる」人格1と心の中の本音としての「強く承認、信頼、安心を求める」人格2が同時に存在している。
・本来は一つになって(最終話の雪乃)、感情と言葉が一致し、強固な承認、信頼、安心に基づいてアイデンティティ作りを始める必要がある。最終話の段階でのアイデンティティはまだ形成されていないが、二人で作ってゆく準備はできている。
・そのため、雪乃の反応が劇中で非常に分かりづらい。言葉と心情が別なので、見たまま、聞いたままで理解すると、本音を見誤ることになる。
・一方、正直でストレートな対人関係(=本物)を探し続ける八幡にとってはとてもフィットし、最初の会話で好きになっていた。しかし、だんだんと、雪乃の心の喪失を知り、恋ゆえに、それを埋めて、助けたいと思うようになった。
・初めての相手からの好意を受け取った雪乃は、人格1だけで普段は過ごすのですが、八幡との間では人格2が出て来るようになります。「それが楽しかった。生まれて初めてだった」と3期で述べます。一方、乖離現象が明確になり、これがこの物語の理解を難しくします。3期の乖離は激しく、かつ分かりづらい。
・この乖離現象が端的にでるのは3期最初のプロムの終了後、帰ろうとする八幡を雪乃が追い、袖を掴んで止めるシーンに現れます。言葉では、「だから。。(わたしたちの関係を絶って、結衣の願いをかなえて、自分は大丈夫だかから)」と言うのですが、心の反映である手は、八幡の袖を掴んで放しません。八幡に腕を触られてはっと気づくのですが、それでも放しません。八幡はこの段階ではまだ、自分を何をすれば、雪乃を救えるのか分からないのでそっと指をほぐし、振りほどきます。八幡にゆっくりほどかれた腕を抱えて呆然と立ち尽くす雪乃。もう少しで人格2だけで言葉が出そうでしたが、それでも無理でした。八幡は問題の根深さを強く再認識し、最終章へと向かいます。
・結局、人格が統合されることは八幡の告白までないのですが、人格2を八幡には出せるが故に、返って言葉と心の乖離が頻発するシーンがこの物語には多い。それが2期で関係がどん底まで下がった時に雪乃の言葉「(自分を)分かってくれていると思っていた」に集約されます。人格2が出ているのに、信頼する八幡には理解されていない、やはり自分の心の喪失は埋めてもらえない。しかし、この後も八幡に期待し続けます。このような関係修復と関係破綻を繰り返しが物語を作り出します。
・八幡にとって、雪乃との単なる関係のみが本物ではなく、雪乃の心の喪失を埋め、助け、助けられる関係になることまでが、彼の求める本物であることに、周囲の助けもあり徐々に気づき、ラストの告白へとつながるということを、観衆に伝えたかったのではないかと思います。
・本来、家族が普通に埋めているはずの心の基盤となる承認、信頼、安心を彼が埋めなきゃいけないので、彼は「全部やる」と告白する必要があった。つまり、雪乃の家族になる覚悟を見せる必要があった。
・そして合同プロム終了後の「好き」発言は、八幡の長い長い告白により、雪乃の基本的承認、信頼、安心が満たされ、人格が統合され本当の雪乃になれたことを意味します。

陽乃“も”、なぜ、こんなにめんどくさいのか? ~平塚先生の最終講義、八幡の告白内容の理由へ続く~
・既に分かるかと思いますが、アイデンティティを強固に持っているように見える陽乃もそれは母親から強制されたモノで、自分のモノではありません。そのようにした母親を憎んでいます。
・「いろんな事を諦め、大人になる」と自分に言い聞かせ、雪乃ほど解離性同一性障害にはなっていないように見えますが、症状は同じです。
・葉山との会話で葉山が「そんなに(母親)を憎んでいるの?」と問い「いえ、大好きよ」と言い返します。言葉と心が乖離していることを陽乃は認識しているのでしょうが、一致させられません。
・1-2期では、雪乃に自己・自我の形成の問題を指摘し続ける嫌な存在です。3期では共依存に基づく八幡との関係を絶ち、自己・自我を作りなさいと脅迫します。これらは全て母親との関係における陽乃自身へのメッセージです。八幡を母親と言い換えればよいだけです。妹は自分と同じになってほしくないと思いながら、結局、自分と同じなるよう強要し続けます。ですが彼女も解離性同一性障害です、言葉と本音は違うはずです。
・そんな陽乃を平塚先生は高校時代から知っていて、お互い強い信頼があるようです。海浜公園の夜、タバコを吸う誰かと深酒していますが、これは平塚先生だと推測されます。平塚先生は雪乃と同様に陽乃も救いたいと思っています。劇中でほぼ描かれませんが。平塚先生と飲んだその夜、八幡との会話ではお姉さんとして、「雪乃の考えを尊重してほしい」と言います。同時に「八幡のようなお兄ちゃんが欲しかった」ととも言います。「君は私と同じで酔えない」とも言います。平塚先生との深酒により、いつになく本音をしゃべっています。
・この三つの陽乃の言葉は、「雪乃の心の喪失を埋めようとしているのを理解してほしい。」「自分も同様に喪失している」「君なら私同様、この状況を理解できるよね」と読み替えることができます。
・この後、陽乃はいつもの調子に戻り、「共依存から逃避を辞めるため八幡との関係を絶つべき」と言う論調に戻ります。しかし、最初のプロムの終了後の八幡との会話では、「本物の関係になるため、共依存を乗り越えろ、それが人を傷つけることでも」と言うトーンに変わります。そして最後の言葉は「本物なんて、ほんとにあるのかな?(私も本物が欲しかったな)」です。やっと陽乃の言葉と心情は一致し八幡にメッセージを伝えます。辛うじて、陽乃の本音は「自分みたいな共依存の中でいろんなものを諦め、偽物になっちゃいけないよ」だと取れます。
・この直後、平塚先生による八幡を告白へと誘う最終講義がバッティングセンターであります。八幡は共依存を乗り越える言葉(「全部やる」ことで雪乃の基本的承認、信頼、安心を作る=家族になる)を紡ぐことになります。長い長い告白ですが、言葉のほとんどは、雪乃の心の喪失を埋めるため、自分の全てをささげると、何度も何度も繰り返します。ひたすら“渡す”ことだけです。普通に考えれば、恋愛や家族関係は渡し/渡される関係にも関わらず。それは満たされてからでよいと八幡は思っています。雪乃は普通の「好き」と言う言葉を求めているように見えますが、八幡はしません。何が必要なのか、100%分かっていたのだと思いますし、それには覚悟を見せる必要(何度も繰り返し、雪乃に自分の本心であると安心させる)があることも理解していました。
・劇中では、分かりにくいですが、陽乃と平塚先生の連携プレイです。二人はこの事を事前に話していたのだと思います。

言葉と心の乖離がこの物語のメインプロットであり、それが故に、観衆は、なんで、そう言っていたじゃん?と混乱する。なんとなく、だんだんに素直になってきたねと喜び、最後の八幡の告白と雪乃の幸せそうな笑顔で救わるのですが、背景を深堀すると、中々に重たいものがあることが分かり、物語の理解を深め、また別の面白みを感じることができます。
{/netabare}
”裏”終わり、表バージョンレビュー開始

随分と、時間差で見てしまいました。1期、2期が中々に心に残り、3期は少し嫌な予感というか、2期の感想でも書いたのだけど、完結編は、ただのラブコメかもと思ったと言うのもあります。

結論から言うと、3期はただのラブコメではなく、”表題通り”のエンドロールのような、でもこの物語の主題に忠実なラブストーリーでしたね。悪い意味ではなく。

「本物が欲しい」と告白した主人公。1期、2期にわたる逆説的主人公の動機と行動という伏線があるからこそ、観衆の心に響きます。別に高校生だからでもなく、どの年齢でも、その”本物とは?”と言う問いは人生において、様々な場面で引きずり続けるから。

この完結編では、一気に登場人物たちの恋愛関係に焦点が移ります。ただ二人、この”本物”というものに強く引っかかる、主人公とヒロインたちの中の一人を除いて。

既にオジサン真っ只中の私も、少しの家族のことを考えました。物語中「共依存」というキーワードが出てきます。この共依存、Wikiによると。「アルコール依存症患者とその面倒を見る近親者との、相手がいなければ生きてゆけない、自分が必要とされている事の証、アルコール中毒という病でさえ、その状況を作り出してくれた必要なこと」と言った良くない事として説明されます。例えがアルコール依存症を題材にしているのでこうなるのですが、そうでは無いポジティブな事柄だったらどうでしょう?「共依存」と「恋愛、家族、夫婦、深い友人の間の関係」との違いは実は曖昧です。実際、Wikiでも精神的な病とは述べておらず、そう言う言葉・状況があると、それだけです。自分と家族の関係も「共依存」と呼べばそうだが、そんなに悪いものかねと、自問自答した次第です。(まあ、このワードも逆説的な引っ掛けではあるんですが)

主人公とヒロインの一人は「本物」と言うことを劇中、最も純粋に捉えようとします。なので、「共依存」という言葉にも強く反応してしまう。本物であるためには共依存から脱しなければならないと。

主人公が頬を自分で引っ叩くシーンがあります。そこで彼は、自分の本物の感情を吐露します。この感情は共依存といった”ラベル”を付けて納得する事じゃないと。(このきっかけを作ったのが、劇中、他のキャラから投げかけられた共依存という言葉なのですが。逆説的だな、これがまた。)

「言葉では伝わらない、言葉にしても伝わらない」と言う言葉が劇中頻出するのですが、一方、言葉は人の意識を支配する道具でもあります。「共依存」と言う”ラベル”を貼れば、そして最もらしい傍証が揃っていれば、本当はそうでなくても「共依存」であると信じてしまいます。知識と知恵があるからこその誤解です。今回は、こうした誤解を逆に活用、「ラベルを剥がす」という行為により主人公を一皮むけさせます。彼らしくない、言葉を尽くして、自分の感情を語らせる原動力とします。

さあ、ラベルをはがした主人公は、ヒロインの一人に向き合います。

実は、その前の回のシーンに、ヒロインは、主人公に図らずも接触してしまいます。その時、言葉ではこれまで通り、「関係を終わりにしよう」と言おうとするのですが、(実際は具体的なことは言ってなくて、「だから・・・」と止めている。両義的に取れるのですが。これまた面倒くさいですが脚本と演出の妙技でもあります。)実際のところ、彼女は、行動と表情で「本心=本物」を表してしまうシーン(作画、妙に気合入ってました。まさに両義的な顔をしてました。)があり、主人公は、多分、表情や行動で本心を分かっていて、それでも、その時は優しく拒絶します(この演出も中々!)。これまた、純粋に本物を追求し、ロジカルモンスターならではの反応(共依存を断ち切ることが、彼女のためである。自分は実のところ納得していなくても)で、非常に興味深いシーンです。

さて、ラベルを剥がした主人公のターンです。今度は、主人公がそのヒロインがやったシーンを上書き(これまた憎い演出です)します。しかし、今度はちゃんと言葉にして。でも「共依存」というラベルワードではなく、彼らしい、不器用で、何故かロジカルな言葉を尽くして(都合5分に及ぶ告白シーン)。ヒロインはちゃんと、ラベルワード(共依存ではないですよ。お互い共依存と言う呪縛を解いたからこそ効果を発揮する別のラベルワードです)を言ってと頼むのですが、本質追求&ロジカルモンスターの彼は言いません、いや、言えませんでした。彼には、このラベルワードを使うことに強い抵抗があります。自分の想いはラベルワードでは語れないと。まあ、ここはヒロインが折れるのですが、ヒロインはヒロインで負けず劣らずのパワフルな言葉で返します。

表題通りのエンドロールと申しましたが、物語はその主題に忠実です。主人公の彼らしい、とても誠意を尽くした告白でした。いやはや、自分(私のことです)の時はここまで言葉を尽くしたかな?主人公に負けず劣らずめんどくさい性格と自負していたのですが、反省しきりでした。でも、この物語らしい、「本物の告白」でした。

{netabare}
まあ、告白は、ほとんどプロポーズみたいでしたが、本物追求主義者の彼からすれば、そうなるのは避けられないかなと。そしてそれに返したヒロインもプロポーズ受諾でした。まあ、本物の告白って、やっぱりこれですかね。

追伸:
比企谷君、雪ノ下さんは、ちゃんと「好き」とラベルワードを言ったのだがら、やっぱ、君も、ラベルワードが嫌いでも、ちゃんと言わんとね!
{/netabare}

世の中がコロナですさんだ感じになっている今、ハッピーエンドの物語は良いもんです。

最終話のヒロインのその一人の”破壊力”が凄まじく、もう既にOver50ですが、かなり心と自らの切ない記憶を揺さぶられました(笑い)。思わず、再視聴。少し加筆し、評点を上げた次第です。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 27
ネタバレ

lumy さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

めんどくさい。でも、そこがいい。

原作未読、1期&2期視聴済みです。
アニメは、7年の時間をかけて完結しました。
しかし本作は、本当に理解するのが難しい。
ぼんやり見ていると何となく良い作品で
終わってしますのですが、
ぜひ知恵熱が出るまでかみ砕いてほしい。
そのためには、1期から3期までの一気見が
おすすめですよ。


【賛否両論】
俺ガイルに対する皆さんのレビューは、
サイコー派とワカラン派で分かれているようです。
特に3期は、少なくとも1期・2期の視聴は当たり前で、
原作を読んでいることが強く推奨されているように
思います。

ワカラン派の主張はごもっともで、
とにかく視聴者に解釈を強要する内容となっていて、
特にセリフ中の主語・目的語の省略がハンパないです。
たださえ、ほとんどの登場人物が普通の考え方をする
JKではないのに、セリフ省略に加えて行間読みの
スキルまで求められると、おそらくただの暗い作品で
終わってしまうと思います。


【おすすめ解釈法】
というわけで、私も当初はワカラン派だったのですが、
たまたま以下の考察サイトを見つけて考え方が変わりました。

サイト名:やはり俺の俺ガイル考察はまちがっている
U R L:https://mythoughtsonimguileiswrong.web.app/

まず先に言っておきますが、この考察サイトを見終わるまでに
5時間以上かかりますw
しかし、このサイトの素晴らしいところは、
原作の該当箇所を引用しながら、
先ほど言ったセリフ中の主語と目的語を明らかにし、
語られない行間を提示してくれるという仕様になっており、
原作未読でもアニメだけで俺ガイルのことを理解できるように
なります。


【私の考える俺ガイルのサイコーなところ】
上記の考察サイトを見ていただくと分かるのですが、
俺ガイルの登場人物は、1巻から14巻まで、
一貫した意思をもったキャラクターであることがよく分かります。

俺ガイルは、名前がいかにもラノベちっくであったり、
画像検索するとイロモノ画像がいろいろと出てきたりして、
誤解されやすい作品かもしれませんが、
これほどキャラクターメイクが初期の段階から完結しており、
最後までキャラクターがぶれない作品は
他に類を見ないと思います。

そんな彼ら(彼女たち)が紡ぐストーリーは、
やっぱり回りくどくて、めんどくさくて、少し辛い部分も
ありますが、彼らならそのように行動することが、
ちゃんと納得できる形で提示されているように私は感じました。


【最終話で渡航さんが伝えたかったこと】
実質的な最終話は11話ですが、
その後の12話の評価が特に割れているようです。

特にBパートにおける物語の締めくくり方は、
なんというか、やっぱりモヤモヤするんですよね。
いや、すごい良い終わり方なんですよ。
たとえば、{netabare}1期の1話の伏線を回収していたり、{/netabare}
また、{netabare}小町が加入した新奉仕部が誕生したり、 {/netabare}
俺ガイルの世界は、「完」が終わっても続いていくという
ことがきちんと分かるんですね。


【でも、俺はそれを納得していないんだわ】
そう、俺ガイルの設定はすごいので、
どうしてもまだ裏設定があるのではと勘ぐってしまうんです。

たとえば、{netabare}なぜ雪乃が家業の承継を唐突に依頼したかとか{/netabare}
どうして、{netabare}比企谷母だけ登場していないのかとか(ちなみに、もし登場するならCVは田中敦子さんだと勝手に思っているw)。{/netabare}

そして、日本の青春群像作品であれば、
やっぱり卒業はきちんと描くべきだと思う。
じゃないと、私が俺ガイルから卒業できませんw

ということで、ヒッキーの本物探しの旅を
もう少し紡いでもらえませんか、渡先生!!


【追記】
今さらですが、OPを担当したやなぎなぎさんの歌詞も
良くできています。
というか、これこそ俺ガイルダイジェストじゃね、という感じ。

ちなみに、それぞれ以下のとおり。
1期OP「ユキトキ」 :{netabare}雪乃 {/netabare}目線
2期OP「春擬き」  :{netabare}ヒッキー{/netabare}目線
3期OP「芽ぐみの雨」:{netabare}結衣{/netabare}目線

というか、けっこう歌詞でネタバレしてるよねw

投稿 : 2024/12/28
♥ : 42

71.4 9 友情で友達なアニメランキング9位
スローループ(TVアニメ動画)

2022年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (276)
811人が棚に入れました
海辺でひとり、亡き父に教えてもらったフライフィッシングを嗜む少女・ひより。 いつもどおりに釣りをしていると、いきなり海に入ろうとする天真爛漫な少女・小春と出会います。 一緒に釣りをする事になった2人でしたが、実は親の再婚相手の娘どうしで…? ひょんな出会いから「姉妹」になったひよりと小春と一緒に、「釣り」をしながらスローに過ごしてみませんか?

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

きららの皮をかぶった軽く闇(やみ)な人間ドラマ(釣りもやってます!)

まんがタイムきららフォワードに掲載の漫画原作は、連載は読んでいますが単行本は持っていません。

タイトルの「スローループ」はフライフィッシング(毛針を使った釣り)の用語から。フライ(毛針)のついた釣り糸を目的の場所に向かって送り出す(キャスティング)時の方法ですね。

キャラクターデザインは、原作からかけ離れてはいないものの過去のきららアニメっぽさに寄せた感じになっています。私はアニメのキャラデザの方が好きかもしれないです。

さて、そんな『スローループ』ですが…。

母親を亡くしている小春と父親を亡くしているひよりが親同士の再婚で血のつながらないしまいになってしまうという、ときどきラブコメ(の場合は男女ですけど)で見かけるような設定になっています。二人の名前をつなげると「小春日和」になるのはもちろん狙っているんでしょうけどね。

小春とひよりの他に、ひよりの幼馴染みである恋ちゃんを含めた三人がメインキャラとしてED主題歌でもフィーチャーされています。このときの三人でスクリーンを見ているみたいなアニメーションがけっこう好きです。

本作では基本的には、父から教えてもらったフライフィッシングにこだわりを持つひより、釣り用具店の娘として釣りに詳しい恋ちゃん、そしてそんな二人を通して釣りに興味を持ち元々得意であった料理で釣った魚を捌いてゆく小春、といった構図でほのぼのとしたストーリーが展開していきます。

ですがその裏では三人それぞれになんとなく闇を抱えて生きています。そんな三人がそれぞれの闇と向き合いながらお互いの距離を縮めてゆく、『スローループ』はそんな物語…。

個人的にはネタバレとは思わないのですが、三人の闇については一応改行を多めに挟んだ以下で言及しておきますね。





ひより: 実父にはとても可愛がられて育ち、そんな実父を亡くした傷みから立ち直りきっていません。母の再婚自体は祝福しているものの、再婚相手を自身の父親としては認められていなかった感があります。

小春: こちらも母と弟を亡くした経緯がかなり悲しい物であり、ひより同様父の再婚相手を自身の母親としては認められていなかった感があります。

恋: 父親同士も釣りを通して仲が良く、ひよりとは小さな頃からの長い付き合いであったはずなのに、ぽっと出の小春に「ひよりの隣」というポジションを取られてしまったという嫉妬めいた感情が生まれてしまっています。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 22

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

22年冬アニメのきらら枠作品

久々のきらら枠の作品…なのではないでしょうか。
21年冬アニメで放送された「ゆるキャン△ SEASON2」以来かな?

原作は未読ですが、きらら枠であることとアニメーション制作がCONNECTさんと知って視聴を決めた作品です。

CONNECTさんは、「魔法科高校の優等生」ではっきりと認識しました。
本編より作画、特にキャラデザが格段に良くなっていましたからね。


海辺でひとり、亡き父に教えてもらった
フライフィッシングを嗜む少女・ひより。

いつもどおりに釣りをしていると、
いきなり海に入ろうとする天真爛漫な少女・小春と出会います。

一緒に釣りをする事になった2人でしたが、
実は親の再婚相手の娘どうしで…?

ひょんな出会いから「姉妹」になったひよりと小春と一緒に、
「釣り」をしながらスローに過ごしてみませんか?


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

きらら枠独特の癒され感というんでしょうか…
兎に角安心・安定感が抜群の作品でした。

家庭の事情はお互いにちょっと複雑…
だけど、親が再婚する相手同士だったことも相まって、ひよりと小春はフライフィッシングを通してお互いの距離を少しずつ縮めていきます。
この作品は、その距離感の縮め方が抜群であると同時に、最大の見どころになっていると思います。

そして、ひよりの幼馴染である恋ちゃんの存在を忘れてはいけません。
これまでひよりと恋ちゃんだけだった場所に小春が入ってきました。

小春がひよりにとって新しい大切であることをきっと恋ちゃんは誰よりも分かっていたと思います。
でも、それと同じくらい、恋ちゃんはひよりとたった二人だけの時間と場所を物凄く大切にしていました。

好きだからこそ、心がモヤモヤする時ってありますよね。
3人で乗り越えなきゃいけない壁だと思います。
もちろん、乗り越えられない壁じゃないと思いますし、寧ろその先の景色を見たいと誰もが思っている…
3人集まると社会が形成される、とは正にこの事ですね。

私はフライフィッシングについては疎いので良く分かりませんが、虫に触れない、が始めたきっかけというのは可愛らしいと思いました。

私の小さい頃、釣りをするなら海での餌釣りだったので、アオイソメなどに触るのは全く抵抗ありませんでしたけれど…
これが男女の違いなんでしょうね。
そういえば、当時妹の釣り竿にも仕掛けと餌を付けてあげたことがあったっけ…
もう随分昔のことなのですっかり忘れていましたけれど。

きらら枠の王道とも言える作品です。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、奈央ぼうときよのんの新ユニット「ぽかぽかイオン」による「やじるし→」
エンディングテーマは、による「シュワシュワ」
「Three∞Loop」はひより、小春、恋ちゃんの3人組ユニットです。
そういえば、奈央ぼうときよのんがユニット組むってTwitterで挙げてるの見た記憶があります。
2人ともワルキューレ繋がりですからね…歌唱力はピカイチだと思います。

1クール全12話の物語でした。
久々のきらら枠にしっかり癒して貰いました。
やっぱり、毎期1作はきらら枠の作品が見たいんですけど…
少し前までは毎期放送されていましたが、どうしたんでしょう。
コロナの影響とかあるのかな?
とは言え、しっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 21
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

温かい気持ちになれる

久々のきらら系、釣りアニメ

{netabare}
まさにきらららしい百合作品で毎回楽しめた。
家族設定に結構深い闇があったにも関わらず特に何もなく終わって言ったけど、まあきららだし日常回が良かったので特に不満はないです。
ちゃんと題材からも脱線せず、毎回釣り関係の話を入れてくるのもきららではなく、釣り作品としてしっかりしてるなあと思った。
ただ、釣り用具の説明がやたら長かったのは少ししっかりしすぎてたかなぁとも思うけど、釣りアニメだしこんなもんかな。

釣りだけでなくて魚料理も色々紹介されてて結構飯テロアニメだった。美味しそう。
ひよりは釣りが得意で小春は料理が得意、恋は釣り具関係に精通しているというのもいい差別化ですね。

会話は正直滑ってるとこも多かった気がするけどそこ含めてなんやかんや楽しめたかな()

ていぼう日誌の方が評価高いのは理解できるけど、自分はこっち派です。

↓一話毎メモ
{netabare}
1話 ☆9
久々のこういう系。でかい。おいしそう。
正直ノリが結構滑ってる気がするけどかわいいからいいや。
これ系は1クールに一つは欲しい...。

2話 ☆10
とまどい→レシピみたいな曲名だな。
鯉?w 高校生に店番任せるな。解説が分かりやすい。
とんでもない糞親じゃねーかw 
名前の由来面白いわ。このアニメ家族に問題ある人多くないか?
小春も釣り中毒じゃんw 

3話 ☆9
え、重くね? 小春は父と一緒でひよりが母と一緒ね。
オタク特有の早口。恋する小惑星。

4話 ☆8
料理番組かな? こいの父闇深すぎやろ...
日焼けしすぎw 誕生日めっちゃ祝ってくれる人いるじゃんw 

5話 ☆7
厚着こいかわいい。グロい。そっちの寝るかと思った。
安定のおいしそうな料理。離婚したやんけ...。謎シリアス

6話 ☆8
会話の言い回しが結構滑ってるかな...。
今回マジで小春のセリフ滑ってないかw
幼女w 釣り師は色々とつながりがあるのね。
うまそう。地味に飯テロアニメだなこれ。

7話 ☆6
外国人に笑われてそう。時々ギャグが滑ってるよな。
子供たちと遊ぶシーンカットされすぎじゃない?
子供の方が釣れてるじゃん。うまそう。

8話 ☆8
セミ気持ち悪い。異世界食堂のOPかな?
ほんとに言うの?w なんか人間の自己満足自分勝手感があるな
釣ったら食べろや
どっちが母と一緒とかがマジでわからなくなる。

9話 ☆9
ゆるキャン△ ほんとセリフが所々滑ってるw
百合アニメいいぞ。いくらで何でそれを思い出したし
そうなんだ 特殊ED

10話 ☆8
学校での話珍しいな。こいつら詳しすぎやろw
てか男も出るんだ。この二人可愛い。悪趣味すぎるw

11話 ☆8
ゆるキャン△ 自然な導入
仲いい人が自分抜きで楽しそうにしてるってことね。

12話 ☆8
説明長いなw 魚一匹の代わりにスマホが犠牲にw
いっつも飯食ってんな。

曲評価(好み)
OP「やじるし→」☆8.5
ED「シュワシュワ」☆8.5
ED2「ゆるゆらりる」☆8.5
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/12/28
♥ : 7

74.2 10 友情で友達なアニメランキング10位
安達としまむら(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (377)
1353人が棚に入れました
私と安達は体育館の2階で偶然知り合ったサボり仲間だ。一緒に卓球をしたりしなかったり程度の関係で、人付き合いは基本的に面倒だと思っている私にはちょうど良い距離だった。のだが、最近どうも私に対する安達の様子がどうにもおかしい。前はまるで人に興味のない猫みたいだったのに犬になってきている気がする。安達に何かしたっけなあ……。――そんな2人の関係が少しだけ動いていくお話。

声優・キャラクター
鬼頭明里、伊藤美来、沼倉愛美、上田麗奈、佐伯伊織
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

月を抱く太陽

サボりの女子高生・安達&しまむらが、まったりと友情を育む中で、
特別な感情が芽生え、人生が色付き始める、
同名小説(未読)のアニメ化作品。

【物語 4.0点】
人の心情に容易に名前など付けられないことを、
根気良く炙り出していく。

安達としまむらは授業をサボっているという点では不良であり、
自転車二人乗りは違反行為だが、
ステレオタイプな不良とは一線を画し、
正面からグレたと批判するにはユル過ぎるムードが漂う。

安達のしまむらに対する想いは恋慕であり百合であろうが、
そこには友情の他にも、欠落した家族愛の代替も含まれる。

一言では表せない、考察に値する心や状況を、
安達としまむら双方のモノローグも多用して観察、分析する一時が、
見つけてもらえない気持ちへの救済という共感も相まって、
妙な心地よさを醸し出す。


マイベストシーンは、安達は{netabare}喜び爆発し過ぎなクラス替え発表。{/netabare}
しまむらは{netabare}安達母とのサウナ対決。{/netabare}
共に双方向ではないが、お互いを想い合う気持ちの大きさが伝わって来ました。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・手塚プロダクション

作画量などは平凡。人物作画も主要キャラ以外は、置物同然のことも多い。
むしろ、どうでもよいクラスメイトなどは、最初から黒マネキンにすることで、
二人の世界を浮き彫りにする。

その他、夕暮れに染まるJKなどの色彩、
水たまり等、逆光、鏡面を際立たせる撮影、
手描きが不得手とする自転車車輪のCG処理、
画面比率の変動など、
二人の演出に関してはソースを全集中。


惑星や衛星は太陽の光を反射して初めて輝き、
物体は強い光に照らされて初めて色彩を放つ。
人は心が通じる他者に眼差されてこそ色付き変わって行ける。
「しまむらは私の太陽だ」

こうした表現の志向性が背景美術や瞳の描き込み等から意識付けられるのは大きい。

この観点から好きな演出はOPの四季折々の色彩に染まる
安達としまむら。二人のJK制服のミニスカート。


【キャラ 4.0点】
「しゅこー、しゅこー」

何故か乱入してくる自称“宇宙人”の社(やしろ)w

原作・入間人間さんの他作品とのクロスオーバー?など正体考察についてや、
そもそも必要なの?という疑問に対して、
私は答えるだけの予備知識もありませんが、

無自覚に、安達のしまむら独占欲を煽る噛ませ犬役になったり、
百合と“宇宙人”の共存により、
乙女同士の特別な感情に対する未知との遭遇感を意識さえたり、
こじれて煮詰まりそうな想いをニュートラルにしたり、
結構、使える“宇宙人”だったと思いますw


対比の材料という意味では、日野&永藤。
百合としては、こちらの方がスキンシップが直球で、
安達はまだ一線を越えていないと間接的に言い聞かせることも可能w
欠落した愛情の埋め合わせという点では日野は安達と共通点もあり。


あと、エキシャーマンさん。
俺も1000円払うんで、是非、発破をかけて下さいw
「逃げないぞー!」(←何からよw)


【声優 4.5点】
うさぎねずこ、近江彼方だよね~、トニカクカワイイお嫁さん……。
クセになる低音で2020年秋を席巻した鬼頭 明里さん。
中毒症状にのたうち回った私が、最後に手を出したのが、
一番ヤバそうだなと禁断していた、本作の安達桜でしたw

序盤、お馴染みの低音で魅せられ、
後半になるにつれ、気持ちが昂ぶり高音、裏返り……。
堪能致しましたw

加えて、島村抱月(ほうげつ)役の伊藤 美来さん。
「~なのかね」などと、文学作品の紳士みたいな気だるげな口調で、
対人関係のストレスをいなし、
想いを向けて来る安達の挙動不審を冷静に解説する。

どうやら私は、あかりん中毒に加えて、みっく中毒も併発しつつあるようですw

お二人とも、気持ちを込める台詞と、感情を整理するモノローグの演じ分けも良好で、
私も終始、気持ち良く、心情世界にナビゲートされました♪


物語を大きく転換する時こそ、脇役に実力者が必要だとの方針を体現した
樽見役の茅野 愛衣さんも後半の盛り上がりに貢献。

極め付けは、{netabare}一回だけの登場で、安達の体育館二階への再逃避を翻意させた、
図書少女役への花澤 香菜さんの起用。{/netabare}


【音楽 4.0点】
劇伴は田渕 夏海、中村 巴奈重、櫻井 美希、三氏の共同制作。
サティをイメージしたと言うピアノサウンドが作品を牽引。
(どうりで、化粧品メーカーや保険会社のCMを想起する訳だw)

OPは安達としまむらによる「君に会えた日」
アンニュイなデュエットが暫時前進する二人の関係にマッチ。
特に“離れないで~”のユニゾンがユルユルで病み付きにw
二人は他に挿入歌もあり。

EDは鬼頭 明里さんの「キミのとなりで」
アップテンポで、あの娘の傍で、平常心を保てない、
安達のドギマギがダダ漏れになる、胸キュンソング♪
安達さん。いけません。これ、完全に落ちちゃってますw
もう、恋でも、愛でも、お好きな名前を付けちゃえば良いかと。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 28
ネタバレ

えりりん908 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ユリアニメではなかったです。何故なら、

これは、高校生にもなって感性は幼いままの安達の、
高校版の「ひとりぼっちの〇〇生活」なんだからだと思います。
ユリアニメが大嫌いな私が、
不思議なほど、何の抵抗もなく、
すんなり最後まで観れたから間違いありません!(笑)
安達にもしまむらにも、本質的には、ユリ属性、無いです(^^♪


なぜ、ユリアニメ嫌いの私が、
ユリまがいな感じのこの作品は楽しく視聴できたのか?

第一は、主人公二人の心理描写が、すごく丁寧で、
しかも性的な意味での同性のあいだでの葛藤が無かったから。
人付き合いが苦手な安達は、
いろいろと変に性的な妄想に浸ったり、
身体接触や会話の端々に変に過敏に反応してしまったりするけど、
これは、安達が幼な過ぎて、
likeとloveの違いを理解できていなくて、
その線の引き方がまだ分からないから。
一方で、人付き合いが無難にできるしまむらは、
安達の存在を特別に感じていながら、
それで二人ぼっちになったりしないで、
周囲の様子や他人との距離感をうかがって、
けっこう上手に周りの好感度をキープ出来るから、
他の女子たちから「友達になりたい」って感じにモテモテ。
だけど、それもしまむら特有の上手なお付き合いで、
のめり込んだりはしてなくて、どこかで人との関係に線を引いている。

こういう描写の、静かな積み重ねが、すごく効いているって思うんです。


それで、第二が、作画が作品のテイストとカラーに合っていて、
とてもいい感じだったから。
可愛いけどかわいくし過ぎない。
ホワンとした感じでリアルになり過ぎない。
作画に不満な方のレビューを割と見かけますけど、
これだけの品質の作画で不満となってしまうと、
テレビアニメは、ほとんど視聴不可じゃないかなって思います。
たしかに、安達が性的な妄想を膨らませてしまうシーンなどは、
「これ、要るの?」って思いましたけど、
これは作画の問題ではなく演出の問題で、
性的感情と友情や羨望が未分化な安達の、
人間としての幼さを表現しているからなんで、
愉快な絵じゃないけど、しょうがないって思いますし。

あと、自称宇宙人の不思議な小さい子が出て来てますけど、
これは原作のキャラクターなんで、敢えてそのまま、
作品のアクセントとして残したんだと思います。


この作品を視聴し終えたあと、{netabare}レオン博士さんの、{/netabare}私の気持ちを見事にコトバにしてくれた、
素敵なレビューの表現が、あったので、失礼を承知で、そのまま引用させていただきます。

{netabare}「私はこのアニメは一人になるのが怖いから誰かに依存したいあだちと、一人になるのが怖いから誰にも依存したくないしまむらの対比がテーマなんじゃないかと思っています。
二人とも、一人になりたくないという気持ちは一緒だと思うんですよ。」
{/netabare}

投稿 : 2024/12/28
♥ : 37
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

依存したい子と依存したくない子の恋愛模様?

人付き合いが苦手で不登校気味の美少女2人が、学校をサボって会っているうちに意気投合して仲良くなった後の日常の話

あだち視点だと他人から見たらどうでもいいことで延々とうじうじ悩んでいて退屈に感じる人は多そうですが
しまむらの心情を考察してみると、実は結構複雑な感情が渦巻いている話なんじゃないかな?って思ったんです

私はこのアニメは一人になるのが怖いから誰かに依存したいあだちと、一人になるのが怖いから誰にも依存したくないしまむらの対比がテーマなんじゃないかと思っています
二人とも、一人になりたくないという気持ちは一緒だと思うんですよ

その理由は、2人の絆の強さを感じさせるモノローグでした

【しまむらのモノローグから見た本当の気持ち】
{netabare}
しまむらは鈍感でドライだけど、あだちに対してだけは特別な意識を向けています
だけどその特別な意識が一体何なのかはほとんど描写されることはなくて心情がわかりづらいキャラでした

でも途中の話で「あだちとの付き合いはいつまで続くのだろうか、卒業までか、もしかしたらクラスが変われば終わってしまうかも」と思いふけっていたことと、
最終回の最後「目を瞑っている間に1月がたってしまった。高校生の4月はあと一度しかない、5月だって6月だってのんきに毎日を過ごしていられる時間も決して無限じゃないのだ。いつか避けられない将来、春休みなんてない世界、もしかすると隣に誰もいない未来、わたしにも望まなくとも満開の桜を見上げながら春の道を行く日がやってくる、それまでは目の前に咲く桜に満足するのも悪くない、悪くないと確信するのだ。4月末、もうサクラはどこにも咲いていない、だから私はあだちに桜を求める、その横顔には、きっと」という自分語りがありました。

ここを「どうせ安達ともいつか必ず離れ離れになるけど、今はそばにいるあだちで満足しておくか」と解釈するのなら本当にただの一方通行だけど、言葉の使い方の印象からすると、高校生活があっという間に過ぎ去っていくことを寂しく感じているように見えるんですよ

この2つの自分語りから感じたことは、しまむらは誰かに依存するのが怖いんだと思います
誰かと仲良くなって、あだちのようにこの人がいないと生きていけないくらい依存してしまったとしても、来年の4月に一緒にいられるかどうかはわからない
少なくとも、どれだけ高校生活が幸せいっぱいでも、高校生活は確実にいつか終わりを迎える
つまり大切な、幸せな時間を失うことが怖くて、あえて大切なものを作らないようにしているのではないか、と私は思いました
「あだちに桜を求める」と言うのはストレートに「卒業までで終わりでもいいからそばにいてほしい」と解釈すれば良いとおもう

「その横顔にはきっと」きっとの後に何が続くかはわからないけど、横顔が見えるということは、すぐ隣に一緒にいるということですよね
楽しい時間が永遠に続かないことを分かっているが故の漠然とした不安が根底にあって、あだちに依存してしまうことは怖くてできないけれども、少なくとも一緒にいられる間は、一緒にいることが幸せだと、それでいいとしまむらの中で結論を出したのではないでしょうか?

タイプは違うけど、確かにお互いに対して強い気持ちがあったと私は思う
百合と一括りにするのは勿体ない、複雑な心情を描いた作品だと感じました

2期が制作されるのであれば、続きを見たいです
{/netabare}

【聖地は岐阜】
見たことのある景色が何度か登場すると思ったら、聖地が岐阜なんですねー
作者は岐阜出身だそうです
岐阜が舞台のアニメ多いですね、山と世界遺産以外何もない県なのに

【なんで苗字呼び?】
あだちとしまむらだけでなくサブキャラも何故か苗字呼び
中高生の女子同士って、あだ名か名前呼びがほとんどで苗字呼びはあんまりしないから、ずいぶん距離感のある高校だなーって思った

投稿 : 2024/12/28
♥ : 36

74.7 11 友情で友達なアニメランキング11位
ひとりぼっちの○○生活(TVアニメ動画)

2019年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (406)
1543人が棚に入れました
極度の人見知りの女の子・一里(ひとり)ぼっち。中学校でクラス全員と友達にならないと、小学校の唯一の友達と絶交しなければならない!! 友達ってどおしたらできるの!? 絶体絶命友達つくろう作戦始動!

声優・キャラクター
森下千咲、田中美海、鬼頭明里、黒瀬ゆうこ、市ノ瀬加那、小原好美、高橋未奈美
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

この主人公、かなりヤバいです!

原作未読。最終話まで視聴。

この主人公、かなりヤバいです。
見ればわかります(笑)。

序盤は、極度の人見知りであがり症でネガティブ思考な主人公にイライラすると思います。
私はそうでした。

だけど、徐々にこちらが慣れてきます。
全くブレない、ぶっ飛んだ主人公に、徐々にハマっていきます。
私はそうでした。

主要な登場人物も、個性的で良い人ばかりです。
彼女たちも、かなり笑えます。

クオリティの高い日常系コメディです。


第6話の{netabare}「爆笑ボッチ塾」{/netabare}は笑ったなぁ。
『わっはっは~』

投稿 : 2024/12/28
♥ : 44

ISSA さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ね、いっしょにかえろ

原作:コミック電撃だいおうじ(4コマ漫画)

シリーズ構成&脚本:花田十輝(やがて君になる・宇宙より遠い場所・響けユーフォニアム・ラブライブ)


登場人物

一里ぼっち(ひとりぼっち):森下千咲

砂尾なこ(すなおなこ):田中美海(ゾンビランドサガ/星川リリィ・賭ケグルイ/早乙女芽亜里)

本庄アル(ほんしょうアル):鬼頭明里(グランクエスト戦記/シルーカ メルテス・私に天使が舞い降りた/姫坂乃愛)

ソトカ.ラキター(そとからきたー):黒瀬ゆうこ

倉井佳子(くらいかこ):市ノ瀬加那

山田花子(やまだはなこ):長江里加(あそびあそばせ/オリヴィア・私に天使が舞い降りた/星野ひなた)

八原かい(やわらかい):小原好美(あそびあそばせ/野村香純・かぐや様は告らせたい/藤原千花)


1話視聴
これは、令和時代のハイスクール!奇面組か一堂零思い出す…名前ダジャレw

そしてエンドロールに一番の衝撃、花田十輝先生。


パッと見た感じはきらら枠、この美術部には問題がある風。

主人公の声優さんは新人?だけど「あそびあそばせ」「かぐや様」「わたてん」のコメディ系出演してる声優さん多い。

花田十輝先生、原作あるタイプのアニメは失敗してないので期待大かも。


10話まで視聴
今期のダークホース、ぶっちゃけ一番楽しめてる…

中学一年の枠組みから逸脱しない範囲無いで、癒しと笑いを届けてる。
純真な ぼっちちゃんとなこ&アル&ソトカちゃん優しさに癒される。

OP「ひとりぼっちのモノローグ」
ED「ね、いっしょにかえろ」
挿入歌「爆笑ぼっち塾 校歌」「まけるなアル かがやけアル」
どれも印象に残る笑えてほっこり。

今のところ花田先生、原作の良さを生かした脚本はさすがって所。


視聴完了
ぼっちちゃんの純真さと友達の優しさに癒されて笑えるアニメ。
私的にはダークホースでした。

ひとりぼっちが私は決して悪い事でも無い、人それぞれの距離感があるし…
でも楽しい事を経験するには、お金がやっぱり必要。
世の中結局、お金…その為には最低限のコミュニケーション力は必要。

ぼっちちゃんのコミュ力が上がって成長してるのが感じられたアニメ。

何よりもぼっちちゃんに楽しい事が増えたのが親心的に嬉しくなるアニメだった。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 29
ネタバレ

元毛玉 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ライバルは友達に入りますか?

原作未読
やばい。超面白いw 笑いのツボにクリティカルです。

お話のざっくり概要
中学の友達に絶好宣言されて友達がいない「ひとりぼっち」
コミュ障の主人公がクラス全員とお友達になる話
そんな感じ

登場キャラクターがどれもこれも立ってて凄く面白いです。
ただ、主人公の「ぼっち」はいくら何でも
親…ひどい名前つけるなぁ…かわいそ過ぎますw

なこ、アル、ラキターも全部魅力的で可愛いです。
アルの残念さは特にツボっす。

んでもって、先生…すんごい美しい…{netabare}直角三角形w{/netabare}
この先生、すごく好きw

キャラの絵も凄く可愛くて、テンポも良くて楽しいです。
学校は共学っぽいけど男の友達も作るのだろうか?気になる…

2019.06.08追記
{netabare}
かこ…中々手ごわい
それにしても「ライバルは友達に入りますか?」って
バナナがおやつかどうかみたいな名言w
でも、やっとEDに加わった~♪

ソトカちゃん、ついに免許皆伝!
なんかすごくほっこりしました~
{/netabare}

配点修正しました。
OP/ED共に映像&音楽含めてすごい好きです。
特にEDの一人ずつ増えていく演出は特に良いです。
OPも楽しい映像なんですけど、頑張る妖精はいまだに良さが分かりませんw

2019.06.29追記
最後まですっごく楽しく見てました。
最終的に一番好きになったキャラはソトカちゃんですw
もう忍者でいいよね?最終回めっちゃ笑ったw

今まで忍者好きの外人設定は好きじゃなかったのに
ソトカちゃんはめっちゃいいなーと思ったっす

でも、どの子もいいキャラで、「友達になりたい」って思えるキャラばかり
ほんとに癒されるアニメでしたー(先生とも友達になりたいw)

投稿 : 2024/12/28
♥ : 41

74.8 12 友情で友達なアニメランキング12位
三ツ星カラーズ(TVアニメ動画)

2018年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (444)
1672人が棚に入れました
上野の平和を守るため、朝から夕方まで街を駆け回る小学生3人娘・カラーズの活躍が描かれる。

声優・キャラクター
高田憂希、高野麻里佳、日岡なつみ、田丸篤志、玄田哲章、名塚佳織、朝井彩加、東城日沙子
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

自由奔放は子供の特権!

原作未読。最終話まで視聴。

東京・上野を舞台に、小学生の少女3人組の日常を描いた、ほのぼのコメディ。
自由奔放に駆け回る少女たちと、周囲の大人たちの優しさが微笑ましい。

この作品の問題点は作画。
タイトルの通り、色使いもカラフルで、綺麗で見やすい絵だったとは思うんだけど・・・。
いかんせん静止画が多過ぎ。
『紙芝居か!』ってツッコミたくなることがしばしばある。
最終話。結衣が腕を振り回している”静止画”が!
『アニメなんだから動かせよ!』
という訳で、作画の評価は±0で☆3です(笑)

【以下は、各話レビュー的な「何か」です】(笑)
{netabare}
【第1話】
私はロリコンになった覚えはないんだけど、何故か視聴しているだけで和んでしまう作品。
上野の平和を守るために「カラーズ」を結成した、小学生の少女3人組の日常を描いた、ほのぼのコメディ。

【第2話】
今回も愉快に遊びまわるカラーズの面々。
前半のかくれんぼの結末は吹き出してしまった。
結衣ちゃんは、別な小学校に通っているのかな?

【第3話】
バナナ、上手に売り切ったな。

【第4話】
ののかのパンVSももかのおにぎりのくだりは面白かった。
後半のパレードはアニメではなく紙芝居(笑)。

【第5話】
後半の動物園にくだりはまあまあ面白かった。
主要な登場人物以外は張りぼてみたいで気持ち悪いけど(笑)

【第6話】
鍋、不味そう・・・。所詮、小学生のすることだからなぁ・・・。

【第7話】
銀杏・・・、確かに相当臭いよね。

ハロウィンからのゾンビゲームのくだりは面白かった。
カラーズの周囲には付き合いの良い人たちが多いよね。

【第8話】
前半の博物館のくだり。
第5話の動物園同様、主要な登場人物以外は張りぼてみたいで気持ち悪い(笑)
後半の福引のくだりは、ののかとの会話が面白かった。

【第9話】
初詣のくだりも静止画多用・・・。う~ん。

タイムカプセルのくだり。10年後のカラーズの面々ってどうなっているんだろう?
本当にののかは付き合いが良いな。


【第10話】
雪合戦のくだり。
対斎藤用の雪玉に、本当に「ウ〇コ玉」が混じっていたとは!

『バレてるぞ』のくだりのオチは、中年男性として少し心が痛んだ(笑)

招き猫のくだり。静かなのに存在感抜群のさっちゃんって!

【第11話】
前半は花粉症。
カラーズの3人は花粉症ではないのだが、どうやらののかは花粉症らしい・・・。
しかし、小学生とはいえ本気のグーパンをお腹にくらったののかちゃん。
お気の毒に・・・。

後半はハイパーかくれんぼ。
斎藤、ヒドい・・・。

【第12話】
前半は、主な登場人物総出演のくだり。
いかにも最終回っぽい。
中盤は、いかにも子供っぽい話。
コロッケ屋のコロ婆、少し可哀想・・・。
終盤は、お花見会場で、何故かイチゴを売る話。
{/netabare}

投稿 : 2024/12/28
♥ : 35
ネタバレ

ezo さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

カラーズぱわーで乗り越える(BD全巻購入

1話目感想
{netabare}
黄色はよくいる感じの悪ガキタイプ。

青は見た目大人しそうだけどサイコパス。

赤は少し気弱で一番まとも。

そんな3人に付き合う斉藤は優しいのか暇なのか。

キャラは特徴あるしマイナス要素も特にないし気楽に観れる感じで良いと思う。
{/netabare}

2話目感想
{netabare}
秋葉原までのあの道は見覚えある。知ってる場所が映るとなんか嬉しい。

赤はツッコミ上手。将来有望。

そしてとにかく黄色がクソガキ。「大声出すよ」は笑った。
{/netabare}

最終回まで観終えて
{netabare}
やってることは酷すぎるんだけど観ていて楽しいのはアニメだからこそかな。

結衣の辛辣な部分が見え始めてから面白さが加速していった印象。

子供の無邪気さを良く描けている良い日常ものだったと思う。

{/netabare}

個人的には円盤を買うほど気に入った作品だったけど売上はたったの604枚...。メイン3人がクソガキすぎて受け入れられなかったのかな...。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 13

しるまりる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

なんて魅力的な女子小学生たち

上野を守るために日々奮戦する女子小学生たちのドタバタコメディ。

3人の女子小学生が青・黄・赤と信号のようなカラーを持っているわけだけど、みんな個性的で魅力的。
それぞれの言動ややりとりが軽快で、みていて楽しい。

3人の活動は上野のアジトを中心に駅や公園・商店街を舞台に繰り広げられる。
おそらく、意図的に3人の家庭や学校における描写はされていない。そして、それが正解だと思える。

3人を取り巻く大人たちのまなざしはみな優しい。サイトウを含めて。

3人は真剣に上野を守るために日々行動しているが、この世界は平和な世界なので、もちろん彼女たちが意図してるように宇宙人やUMAや殺人事件から上野を守れているわけではない。
…だけど、上野を自由気ままに闊歩して歩く彼女たちの姿は、ある意味上野の住人や来訪者の心を守っているのではないのか。

とても面白くて魅力的な作品でした

投稿 : 2024/12/28
♥ : 11

67.7 13 友情で友達なアニメランキング13位
トモダチゲーム(TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (198)
655人が棚に入れました
何よりも友情を大切にする高校生・片切 友一は、仲の良い友人・沢良宜 志法、美笠 天智、四部 誠、心木ゆとりと充実した日々を送っていた。しかし、とある事件をきっかけに、突如5人は多額の借金返済ゲームに巻き込まれていく。「友達を疑わないこと」、それが唯一“トモダチゲーム”をクリアする方法。固い友情で結ばれた彼らにとって、それは簡単すぎるゲームのはずだったが――累計発行部数370万部突破の大人気コミック、待望のアニメ化! 大切な友達か、それとも金か。人間の本性が暴かれる、極限の心理ゲーム開幕!


声優・キャラクター
片切友一(かたぎりゆういち):小林千晃
美笠天智(みかさてんじ):濱野大輝
沢良宜志法(さわらぎしほ):宮本侑芽
四部 誠(しべまこと):大野智敬
心木(こころぎ)ゆとり:天野聡美
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

実況とかコメ付きで見ると楽しい系

{netabare}
デスゲーム系なので(人は死なないが)全く期待してなかったが、純粋な面白さというか、先の気になる具合で言うなら今期一だった。
全話通してB級感がすごいアニメだったけど、だからこその意味不明な展開を楽しめた作品ではある。唐突なキスや天智の立ち回りなどw
ゲーム自体も、粗がないとまでは行かないけどこれ系にしては第二ゲームまでは割と隅のほうまでしっかりとしていた印象。
見ていてガバいと思った部分にも作中で補填の説明があったりで、自分含め騙された部分もある。
ゲームの攻略法もルールの穴をつつくとかではなく、ルールにのっとった上でできることを考えているし、キャラの動きも自然で脚本に動かされている感がなく、単純に頭脳戦としての出来が良かった。
だんだんと全員が疑心暗鬼になって行きバラバラになる様も自然に描けていたと思う。

ただ、第3ゲームの最後と特別編に関しては打って変わって、相手キャラの知能が低下させられて脚本の都合で動かされている感があって少し残念だった。
頭回るはずの赤髪が友一が演技していることを疑わずに誰も監視を付けずに天智を探しに行くのはちょっと...
最後のじゃんけんも普通に予想通りと言う感じで少しは疑えよと。
まあ突っ込みどころはあれどこのパート含め予想外の方向へと展開が進むから面白かったことは間違いないけど、さすがにこの二つのパートはちょっと粗いなと思った。

展開自体も面白かったけど、このアニメの面白さはどちらかと言うとキャラにあると思う。
登場人物全員が何を考えてるかわからない中でのキャラ同士の駆け引きが緊張感あって良かった。
第二ゲームまでは誰もが裏を持っていそうで犯人が分からないという緊張感、第三ゲームは主人公である友一が何を考えているかわからないという点や謎の主人公側への追加キャラなど常に緊張感のある展開を作れていたと思う。
有能な主人公が手段を選ばない行動で物事を解決していくのも厨二作品らしくかっこよかったしね。

こういう作品は酷評される運命にあるんだろうけど自分は好きですよ。

↓一話毎メモ
{netabare}
1話 ☆6
クソアニメの時間。もう草。
なんで200万円直接、しかも生徒のロッカーに入ってんだよww
みんなで集めたってそんな一人5万ぐらい出さないといけないじゃんw
そんなの聞いたことねえぞw すでにギャグアニメ。
デスゲームの主催が直接手を下すのは珍しいなw
もういいわw 絵面がどうやってもギャグなんだよこれ系。
コナン君怖い。いいやろ、盗んだ奴一人が背負えや。
プレート見せたらだめって謎ルールすぎるけど今後なんかあるのか?
盗んだ奴がわざと間違えるんか。
くっそ頭悪い奴がおるんやろなぁ...。
そんなんなら友達もばれること前提でやってることになるんだからもうちょい考えろよ。
喋ったら借金が二倍(しゃべってはいけないと入ってない)

2話 ☆4
水樹奈々のわりに微妙な曲だな。特殊なインクとはw
は? 配信で停止して確認しろと? The 茶番。
これ主人公が黒オチ?
ダメだな。もう茶番化してる。EDいいな。

3話 ☆7
いや、存在するだろ。茶番感。このOPの一番いいパート、ラララの部分。
これ実は自分で書いた説もあるよな。
じゃあもうすごろく中の借金あんま意味ないじゃんw
当時は若くお金が必要でした。しかるべきところに相談しろ。
ニコ厨さぁ。自覚とはw 犯人って特定されるのに入れるわけないやろw
犯人もう明かすの? 何で盗聴器仕掛けたんだよw

4話 ☆7
スルメ曲なOP。こいつ何が目的なの?
あのキャラなら自分で入れたって疑うわなまあ。
これ芝居臭い。落ち着きすぎてて怪しいやろ、もっと動揺する演技しろw
誘導が露骨すぎ。どうやって申し込んだんだw
親はどうでもええやろ。ガキの発想だった。
けど本人は真っ白って証明されたじゃん。
本人もやってたなら本人のことが暴露されるだろw
メガネ怪しい。いや、それをさっきのあれで暴露しろよ。
自分で書いたんか?

5話 ☆7
ニコ生。ニコカスやっぱゴミだわ。推測でしかないじゃんw
いや犯人はわからんのかよ。犯人のムーブが怪しすぎる。
別にこの作戦やったとこでなんもないんだから不都合ではないだろ。
借金が不安要素だけど。メガネのムーブが怪しすぎるw 茶番だわ。
本当に運営側判断下してくれるんかw ネタアニメとしては...。

6話 ☆8
司会いる? いや、けど複数枚かけるんだよね?w
めっちゃ矛盾してない? 茶番アニメ。ちゃんと説明してくれた。
謎のカメラ。けど、ネームプレートで複数枚書き対策できないだろw
誰が書いたかわからんのだから。ちな人殺したことある。
経験者は語る。草、マジで実況向けアニメ。

7話 ☆8
カッコウの 結局これ死人出るんかよw
この死体は偽装かもしれない。もう友達疑いまくりじゃんw
天智を疑えよ。なおこの会話は丸聞こえの模様。
出会って5秒でバトル感。これ系なのに、暴力はダメって珍しいなw

8話 ☆9
そろそろ探ってくれ。結構バレバレじゃね? 死ぬだろこれw
まあ極限状態だから疑心暗鬼にはなるわな。さすがに何か持って行け。
まともな状態ならこれが辞退に誘導する嘘ってすぐ判断できるんだろうな。
よう実臭があるな。けど理屈がしっかりと通ってる。
確かに食事運べるかゲーだな。ほんとに寝返り?
これ寝返ったら殴ってもOKになるからフィジカルで無双するってオチだよね?w

9話 ☆8
敵チームへの、は。まあ普通情報を探ろうとしてると考えるよな。
キャラの行動や思考が自然で引っかかる所がない。理屈がしっかりとしてる。
体を売るのか...。パンもろブラ見えエロい。
時限爆弾みたいなスイッチ。漏らすな。
いや、これは助かる保証ないのにさすがに。
いや見捨てるつもりだったのかも知れんが。

10話 ☆6
この女も作戦の要ならあの手はご都合でしかないな。
イキリムーブ 味方には手を出せる。
さすがにそうはならんやろ感が強いな。ここで承認とか怪しさ満点だろ。
なんで友一にそのことを伝える。
リーダーチェンジとかよう実か?w こいつは無能なのかよ。
いやな奴だな。面白い設定ではあるけど。四宮は天才。
やっぱ最高に面白いクソアニメだわこれ。怪しさ満点の電話。
作戦なんだろうけど逆に単純すぎて赤髪が疑わないのはおかしいだろ。
ガバってきたな。
どう考えても怪しさ満点だけど赤髪は見逃すのこれ。
金髪過去に何があった?w ガバったな。
面白いのは面白いけどよう実枠になってしまった。

11話 ☆7
もっと本気で殴れ。回復術師で見た。
主人公がちゃんとゴミなのがいいわ。いや、そんなことなかった。
普通に相手の指折っとけや…。
粗かと思ってたけど一話で現金だったことに意味があったんだな。
普通にゲームから遠ざけるための嘘という。
直接運営が手にかけるからチャンスでもあるしな。

12話 ☆6
このゲーム何が楽しいねんw リョナ期待したのに。
ギャグアニメ始まった。このゲームの茶番感w
自分の指の骨折ることを考えたら痛くなさそう。
この展開茶番過ぎて面白くねーぞ。チョキ出せそう。
てか左手使えそう。
グーかパーしか出せない前提で話を勧めさせてチョキの存在を忘れさせる戦法?
知ってた。ちょっと考えたらわかるやろw 最終回は茶番だったな。
大事すぎるだろ。運営楽しそうだなw

OP「ダブルシャッフル」☆8
ED「灯日」☆10
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/12/28
♥ : 4

にゃわん さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

天才主人公と裏切り

6話のあの薔薇展開には衝撃を隠せぬ
ミカサも他3人と運営の目を欺くためにやったとは
分かっていても、アレで世界からもトモダチゲーム(アニメ)の
評価が爆上がりしたのはちょっと笑う


唐突にアマプラに、シーズン1と書かれたことから
2期があるのでは?と期待される。
寧ろやってほしいが…

仲良しだった友達グループが手紙で
呼ばれ行った先にはみんないて
説明をする運営により、5人の中に修学旅行費を
奪った主犯がいて
参加しないと借金を背負う
参加しても借金を背負うがゲームによっては
減額になったり、友達を裏切ったりして
勝つ方法などもある。
主人公チームの首謀者は、3話で明かされる。



ユウイチがとにかく頭がキレ
天才なので、時には残酷な手段も使うが
普通では考えられない方法で今まで勝ち上がってきた。
演技シーンや、真の裏切りシーンは
他チームの登場により
ユウイチのゲスさに磨きがかかる。
オープニング映像にあった裁判ゲームは
まだアニメでは放送されていないが
映像にあるということは、友情裁判まで
やる事は明らかになってる。
はよ見たいが

投稿 : 2024/12/28
♥ : 3

れい。 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

触りだけ見て断念した方は本当に本当にもったいない

原作既読済

個人的に、数多くの作品があると思いますが その中でも
完成度が高すぎる作品の1つがこのトモダチゲームです。
演出の仕方や物語の展開運び、かなりハイレベルな心理戦。
それら全てが本当に素晴らしいと思います。

原作の漫画でも4巻辺りから物語はかなり面白くなっていきます。
その後の展開も飽きることなく素晴らしい展開の連続で
初めて読んだ時は本当に驚かされました。まさに鳥肌ものです。

数話で断念された方は騙されたと思って
最後までご視聴をおすすめします。

そして是非原作漫画を読んでいただきたい作品です。
これほど続きが気になり 引き込まれたのは久々。

滅多にレビューは書きませんが少しでも
この作品を知っていただけましたら幸いです。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 2
ページの先頭へ