2021年度の卒業アニメ映画ランキング 2

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の2021年度の卒業成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月04日の時点で一番の2021年度の卒業アニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

72.8 1 2021年度の卒業アニメランキング1位
劇場版 きんいろモザイクThank you!!(アニメ映画)

2021年8月20日
★★★★☆ 3.9 (61)
263人が棚に入れました
「きんいろモザイク」の新作劇場版

声優・キャラクター
西明日香、田中真奈美、種田梨沙、内山夕実、東山奈央

テナ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

遠いようで近い場所

安定のキララ作品の劇場版なので安心して見られました。
原作は未読ですが、この劇場版がアニメ作品の完結作であり原作は終了してる様です。

さて、彼女達の過ごした高校最後の時間が詰め込まれています。
修学旅行は京都と奈良が舞台でした。
安定のチョイスですね。

大抵アニメの修学旅行は京都や奈良や沖縄辺りが多いけど、修学旅行の定番って感じでいいですよね。
私も小学校の頃の修学旅行は京都と奈良でした。

そして、京都と奈良は数年前に友達と旅をした場所でもあるし、私達が行った奈良公園やら春日大社やら金閣寺や清水寺などもシノ達が回る場所を見ながら、何だか色々思い出しながら楽しく見えましたꉂ(ˊᗜˋ*)ヶラヶラ

さて、作中では卒業がテーマかな?
受験勉強も大変ですね。
でも、皆で勉強をするのも青春だなぁ〜って思うし、友達から貰ったプレゼントを受験の御守りにして試験に挑もうとするのも凄く可愛くていいと思いますw

シノの髪飾りを付けて、奮闘する綾は頑張りましたねw
あんな金髪邪念の塊の中のプレッシャーでよく立ち向かえたかとw

ホッコリエピソードとしては、シノの母が進路が決まらないまま悩んでいるシノの気持ちに気付いてあげていた点が凄くホッコリしました(⸝⸝⸝´꒳`⸝⸝⸝)

後は、カレンの進路の悩みも印象的でした。
彼女はアリスについて回ってばかりだったけど、日本で沢山の楽しい事を知って日本が好きになって、日本で楽しい日々をまだまだ送ってみたい。

でも、アリスは卒業後にイギリスに帰ってしまう……
そうなると2人はバラバラになる……だからカレンは悩む。

人間大抵の事は慣れたりする。
でも、慣れない事もある。
何百回経験しても慣れないもの「別れ」これだけは何度経験しても寂しいし悲しい。
卒業後の未来はワクワクするけど、それ以上にやっぱり寂しさが勝ってしまうかなって。

だから、カレンも悩む。
その悩みに答えを出したのはアリスでした。
アリスの言葉は迷うカレンの背中を力強く押してあげられる優しい言葉でした。

そうして、シノとアリスは彼女達の母が通っていたイギリスの大学へ

カレン、綾、陽子、穂乃果は日本の女子大へ行く事になります。

作中でも言って居ましたが、イギリスと日本って遠いようで近くですよね。
外国は遠く感じるかもしれませんが、同じ地球の同じ空の下にあり海を跨いだその先の地なんて会いに行こうと思えば、会えるのですよね。
その事をアリスとカレンのお陰で知れたって綾のセリフは凄く良かったです。

卒業式では、シノは笑って居ました。
それは、きっと寂しさよりも楽しかった思い出が勝っていたのでしょう。

アリスは泣いてしまいました。
それはきっと、彼女にとっての3年間は本当に幸せなもので、それが大きければ大きい程、掛け替えなければ掛け替えのない程に、涙も出てくるのです。

そうそう、久世橋先生も泣いてましたね。
受験生の1人1人の為に破産覚悟で1万円を投げ入れようとしたりw
多分、ここはギャグなんだろうけど、私は素敵な先生だなぁ〜って思ってしまいました。
卒業式でも泣いてくれたし本当に生徒を大切に思ってるのだなぁ〜ってw
流石に、願掛けぬいぐるみは重いけどw

後、合格祈願の舞もありましたねw
受験生の間で流行るかもしれませんね……ん……??……流行らない?

卒業後にシノ達とイギリスで再開します。
やっぱりこの5人がいると安心しますね。
個人的には、金髪同盟の穂乃果も居て欲しかったです。
彼女は、劇場版をみているとメインキャラみたいな描写がいくつかあるのに、たまに居なかったりするのが、少し不思議に思いましたw


さて、ED後に画面に4分割にされた映像が流れるのですが、その内容は過去のアニメ放送の記録です。
彼女達の思い出の青春エピソードが4画面それぞれに流れて、全てのシーンを見るのに目玉で円を描く様に見たのですが、目玉が疲れて来る罠が仕掛けられてます。
あれ?そんな見方するの私だけ?

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

そわそわダンスと合格の舞、さくらコスチューム

 きんモザ集大成とも言うべきお話だったです。卒業後のアリスとしのの思い出から始まる修学旅行と楽しい日々、それぞれの進路への思いと受験、その後を少し描いていたです。

 しの、アリス、綾、陽子、カレン、穂乃花、香奈それぞれの学校生活、しのの金髪愛が更に増していたです。綾、陽子、カレンも相変わらずで、カレンに気にしてほしい穂乃花もらしかったです。楽しらを満喫するみんなが、きんモザらしかったです。

 アリスが卒業後の未来を悩む姿、寄り添うしの、カレンもいまのままでいたい悩みありと高校3年生らしさが、良かったです。めだちやすいダンボール箱が、面白かったです。

 そんな彼女たちを見守り心配する久世橋先生、烏丸先生の姿も最後まで健気だったです。合格の願掛けが、怪しかったです。
 受験当日、その後もありここでうまく行かなければ話にならないのです。アリスの衣装は、その象徴だったです。

 卒業後もどんな場所にいても、常に思い出を積み重ねていくしの、アリスたちの姿が、絵になっていたようです。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 5
ネタバレ

郷音 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

私達の毎日は、きらきらしたきんいろです!これからもずっと。

2021年劇場公開アニメ。

3年生になった忍たちの修学旅行、受験、そして卒業までを描く。

上映時間90分に収めるのがもったいないくらいのテンポで進んでいきます

俺は原作読んでないけどそれでも飛ばしたシーン多いんだろうな…と感じちゃうくらいです

ただちゃんと笑いあり萌えあり感動ありと見ごたえある作品です

種田梨沙さんの喉の調子があまりよろしくないのか少し心配になります

綾と香奈の班長コンビが好き。もっと出番くれよ!

{netabare} 綾陽子カレンの受験は映像化されたけど忍アリスの受験はさらっと終わっちゃったなぁ。結局忍が英語しゃべるシーンなかったよね。合格祈願ダンスだっけ?あれはもっと流行るべき。 {/netabare}

今まで見てきたファンは絶対劇場で見るべきです!

原作の特別編Best wishes.が残ってるから最後にOVAでお願いします…!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2

74.7 2 2021年度の卒業アニメランキング2位
劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト(アニメ映画)

2021年6月4日
★★★★★ 4.1 (68)
235人が棚に入れました
「スタァライト」――それは遠い星の、ずっと昔の、遙か未来のお話。この戯曲で舞台のキラめきを浴びた二人の少女は、運命を交換しました。「二人でスタァに」「舞台で待ってる」普通の楽しみ、喜びを焼き尽くして、運命を果たすために。わずか5歳で運命を溶鉱炉に。――危険、ですねぇ。やがて二人は再会します。一人は悲劇の舞台に立ち続け、もう一人は飛び入り、引き離され、飛び入り、二人の運命を書き換えて……キラめきに満ちた新章を生みだしたのでした。もう目を焼かれて塔から落ちた少女も、幽閉されていた少女もいません。ならば……その新章の結末は?「スタァライト」は作者不詳の物語。キラめきはどこから来て、どこに向かうのか。そして、この物語の『主演』は誰か。私は、それが観たいのです。ねぇ――聖翔音楽学園三年生、愛城華恋さん?

声優・キャラクター
小山百代、三森すずこ、富田麻帆、佐藤日向、岩田陽葵、小泉萌香、相羽あいな、生田輝、伊藤彩沙
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

凄惨なる青春の滅却処分

【物語 4.0点】
心情説明を非日常的な口上、台詞で表現する様式が確立された歌劇の延長線上にある
“舞台少女”たちが剣戟等も交えて演じる“レヴュー”
その特性を生かして並の青春物では斟酌しきれない思春期心理まですくい上げて、
荒々しいけど、何か見逃せない独特のムードを提供してきた『レヴュースタァライト』

完結編となる本劇場版が題材とするのは卒業前、進路決定に悩む乙女心。
ただでさえ波乱が巻き起こる青春のターニングポイント。
これをレヴューの論理で表現となれば火力は最大化。

卒業までに決着を付けたい、アイツとの心のわだかまりがある。
舞台少女の輝きをもたらした、あの娘との親愛でさえも、
舞台人として次のステージに進むには捨てねばならない枷となる。

構成は前半は各種青春の葛藤の燻り。
愛城華恋と神楽ひかり。メイン二人の幼少期の馴れ初めから運命を再提示し場を暖めた上で、
後半は“ワイルドスクリーンバロック”と称したレヴューの連戦により、
各カップリングのぶちまけられた本音が、熱戦と化す怒涛の展開。

舞台も舞台少女も、
嫉妬も、羨望も、依存も、執心も、
熟れた青春の果実たるトマトも、
約束と運命の象徴たる東京タワーも、

爆  発  だ  !!

精算対象は舞台少女を観劇し続編を欲求する鑑賞者のメタファーたるキリンにまで及ぶ。
もはや鑑賞者も傍観者ではいられず、燃え盛る舞台上に引きずり出される。

そして完全燃焼の先にある新生。

圧巻の青春エネルギーに焼き尽くされる至福。

わかります。

【作画 4.5点】
アニメーション制作はキネマシトラスでシリーズ完投。

延焼する青春パワーはもはや学園地下に潜むレヴューの舞台空間に収まらず市中にまで漏出。
“場外乱闘”となった開幕レヴューでは、{netabare}電車上の激闘で、苛烈な殺戮表現に踏み込むだけでなく、
「私たちはもう 舞台の上」「舞台少女の生と死」「列車は必ず次の駅へ では舞台は」{/netabare}
といったキーワードを舞台演出で暗喩する映像で刻みつける強烈な先制パンチ。

後半のレヴュー連戦では、各カップリングの心象世界が突き抜け、
{netabare}清水の舞台から飛び降りるデコトラ伝説だわ、オリンピックが開幕するわ、{/netabare}
まさに百花繚乱。デザインは複雑化し、作画も高カロリー化するが、
{netabare}10年破られないデコトラを!{/netabare}と意気込む3DCGスタッフなど謎の執念wにより全受け。

盤石な土台の上に“メイン興行”たる華恋VSひかりの王道レヴューが、
{netabare}ぶった切られた東京タワー上部が頭からポジションゼロに突き刺さる{/netabare}
エネルギー有り過ぎな映像で浴びせられる力強い構成。


インパクト大なのは{netabare}アルチンボルド風の静物{/netabare}と化したキリンの風貌。
舞台少女たちが次のステージへ進む糧となる覚悟を作画でも表現し、
燃焼する舞台にさらに薪をくべる。


【キャラ 4.5点】
舞台の夢を追いかける優等生の心理を改めて掘り下げる。

中学時代の華恋に向けられた同級生の評判が象徴的。
舞台少女たちの経歴を表層だけ字面にすれば、
大抵の同年代が進学先すら決められない中、
若くして目標に向けて励む彼女たちは眩しすぎるスタァ。
が、その深層には、ひかりちゃんとの約束だけを支えに舞台に上がり続ける華恋など、
案外子供じみた脆さが混在していたりする。

冒頭、{netabare}ひかりと離別した寂しさが溢れた華恋の演技が、
クラスメイトの胸を打つ{/netabare}場面も、
舞台少女としての輝きの喪失が、新たな舞台人としての輝きを生むという意味で皮肉かつ示唆的。

この青春心理の表層深層がより高解像度で描き分けられたキャラクター造形が、
華恋&ひかりだけでなく、各舞台少女、カップリングまで徹底している。


各レヴューは互いに死力を出し尽くしたシーソーゲーム後に決着する王道バトル。
連れて舞台少女が心の奥底に残った澱(おり)まで出し尽くし、
これが得も言えぬ清々しさに繋がっている。


私の推し・星見純那も、より尊くなり嬉しいです。
有名作家の引用という表層がレヴューで指弾され吹き飛ばされた後に口にした
{netabare}「殺してみせろよ 大場なな」{/netabare}
全く知性も理性もあったもんじゃありませんがw
心の底から吐き出された自分の言葉にはどんな名言よりもゾクゾクさせられます。

【声優 4.0点】
TVアニメ版では、一部キャストらに日常会話の固さ等が散見されましたが、
本作では大分馴染んで来たのか、歌や口上と会話劇(痴話喧嘩?)との往復もスムーズで、
レヴューの完成度向上に貢献。

そんな中、ひかる役の最年長声優・三森 すずこさんの若々しさには返す返す驚かされます。
本作では、華恋役の小山 百代さんとの幼稚園時代の掛け合いも上々。
みもりん、幼女役、あと10年はいけます♪

【音楽 4.5点】
複数の作曲者が劇伴にて舞台を金管で砲撃しつつ、大作揃いのレヴュー曲も構築。
レヴュー曲はシンフォニック・ロックを軸に、
民族音楽風、人情(任侠)歌謡曲まで幅広くカバー。
曲中でも転調、緩急を交え、二転三転するレヴュー展開に好対応。
一応、加藤 達也氏は“爆発”、藤澤 慶昌氏は“燃やし”と分担された感じだったそうですが、
いずれにせよ可燃性危険物であることに変わりはありませんw

ED主題歌はスタァライト九九組「私たちはもう舞台の上」
ドロドロが除去された後に、舞台少女の未来を高らかに歌い上げる千秋楽・卒業ソング。
しかし、EDアニメ担当めばちさん。『虹ヶ咲~』でもそうですが、
素朴なイラストで波乱の青春を締め括るストッパー能力には安定感があります。

あと、音楽とは少し違いますが、
華恋&ひかりの馴れ初めで、{netabare}園児たちがカスタネットで同じリズムを取る遊戯をきっかけに、
二人も友情のリズムを掴んでいく。{/netabare}
こんな演出よく思いつくなと感心しつつ、幼女も堪能したw思い出のシーンです。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4

芝生まじりの丘 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

レヴュースターライト(映画)について

[感想]
それなりに面白かった。
あれこれ演出で遊んでいるが、個人的には神楽ひかりの変身シーン的なアレを作ってくれたりとか、もっと演出を面白くできるような気もした。


[蛇足]
レヴュースタァライト(映画)はテレビ本編に対するファンサービスの付録である。これは映画自体が目的となるような映画オリジナル作品と異なる点である。ファンサービスの付録であることそのものは一つの主題となっている。
ファンサービス、付録としての特色を生かし次のような試みがなされる。
* 各登場人物の見せ場を作ること
* 作品のファンは多くの場合キャラクタのファンであるのでキャラクタに見せ場を作ることで喜ぶし、逆に一度も好きなキャラクタに見せ場がなければ損をした気分になる。ファンサービスという都合上、人気なキャラクタに見せ場を作るのが一つの目的になる
* レヴュースタァライトでは各キャラクタの未来やレヴューが描かれることでこの目的が達成される。
* テレビ本編で描きたりなかった事柄を補填すること
* テレビ本編で設定やテーマについて描きたかった部分が尺の都合や構成上カットされてしまうことがある。これを補填する役割を果たす。つまりディレクターズカットとしての役割
* レヴュースタァライトでは愛城 華恋の過去編がこれにあたる。ひかりと二人の思い出がテレビ本編で十分描けていなかったのを補填する役割を果たしている。
* テレビ本編で描かれたものに対するアンチテーゼ、対照するもの、ifとしてのもの
* テレビ本編では全体の構成上の統一感を持つために主題から離れたり、ifに時間を割いたり、筋が撹乱されることは避ける。一方で付録においてはこのようなしがらみがなく、自由に展開することができる。また本編に対する返報として見ることができる。
* レヴュースタァライトではたとえば皆殺しのレヴューがこれに当たる。これは一切の血が描かれないテレビ本編に対するアンチテーゼとしての現実を示す。あるいは、各レヴューにおいて勝敗がテレビ本編と反対になっていることもそうである。それにテレビ本編で構築されていた様式美、ルールがいくつか破壊されている。たとえばバッジの破壊が敗北を意味しないことがそれである。
* 物語は劇の後も続くというテーマ
* これは作中明言されているものなので割愛するが本編の続きならではのテーマといえる。

スタァライトとは何か。
## 作中劇の名前としてのスタァライト
無論スタァライトとは作中で登場する劇の名前である。
星を掴もうとして戦い、傷つく物語は無論アニメ本編の物語を象徴的に語っている。
この象徴的隠喩をもう少し深く語ることができる。

## 悲劇の象徴としてのスタァライト
スタァライトという作中劇は悲劇である。ゆえに、スタァライトとは悲劇の象徴である。
スタァライトすることを目指し愛城は努力を重ねたわけだが、その目標であるスタァライトとは始めから「悲劇」であることが予告され、明言されていたのだ。

## 遠くに光る星としてのスタァライト
スタァライトという名は星の光を表す。幼少の頃に見た遠くに見える美しい光、それがスタァライトという劇だった。
子供の愛城は「青空の向こうへ」を演じながら、青空の先にある星の明かりに向かって走るのだ。
星=「遠くにある光」、というモチーフはそのまま外国(=遠く)にいる神楽"ひかり"のことを隠喩するモチーフでもある。

## 「スターの煌めき」としてのスタァライト
もっと直接的にスタァライトとは「スターの煌めき」である。
「スタァライトする」とはスターとして他者を眩しく思わせることである。

## メタフィクションとしてのスタァライト
特に映画においてはメタフィクションとしての要素が強く出る。
「スタァライトする」とは劇中劇としての「スタァライト」を演じるという意味であると同時に、アニメーション作品としての「レヴュースタァライト」を劇中劇として自覚的に演じることである。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 0

もやし さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

異彩を放つメディアミックスコンテンツの最終章と新たな物語の行方

今やアニメコンテンツはアニメ単体ではなく「ゲーム」・「ライブ」・「舞台」など、メディアミックスと呼ばれるコンテンツは当たり前となっている。

ただ、このタイプ作品のアニメは良い意味でも悪い意味でも平凡な作品に終わってしまうことが多い。どこかで見たような当たり障りのないアニメ。メディアミックスのアニメと聞くとそんな印象を持って第1話を見る機会が多い。

だが、「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」はそんなメディアミックスコンテンツの中でも異彩を放つ作品という事はTVアニメ1話を見れば誰もが知ることだろう。本作の監督の古川知宏さんは「輪るピングドラム」や「ユリ熊嵐」など、幾原さんの作品に携わる機会が多かった事もあってか、スタァライトは幾原節を感じる壮大なスケールで描かれるバトルシーンだ。キービジュアルだけ見て軽い気持ちで見たら度肝を抜かすことになるだろう。制作会社は「メイドインアビス」なども手がけたキネマシトラスだ。

先程も言ったが、メディアミックスの話は比較的平凡な物になりがちだと私は偏見で思っている。それはスタァライトも同じだ。本作の舞台はトップスタァを目指す高校を舞台にしており、劇場版では3年生となったメインキャラクター9人が卒業に向けて足を踏み出すという内容だ。

どんな未来に進めばいいか?悩むという設定は100万回見てきたかもしれない。ただ、この平凡な物語でもアクション・背景・演出を壮大にするだけでここまで見応えのあるものになり、圧倒されてしまう。劇場版という事もあってか、バトルシーンのスケールはTVアニメの頃よりも格段に上がっていた。

バトルシーン以外にもキャラクター同士の魂を込めた掛け合いや、それを彩る挿入歌の出来も素晴らしい。声優陣はTVアニメの頃と比べると見違えるほどに成長している。そんな所が垣間見えるはメディアミックスという形態の良い所かもしれない。

非常に情報量が多く、見終わった後は頭がパンクしそうになるかもしれない。家に帰り落ち着いてパンフレットを読むと頭の整理されるだろう。

恐らくスタァライト…少なくともアニメはこれで終わりだ。メディアミックスという形態の中でここまで力の入った作品は稀有な例であり、私はスタァライトはもっと評価しても良いと思うのだ。時代は変わりメディアミックス作品は今後も沢山出てくるだろう、こんな意欲的な作品がまた見れる事を私は願っている。

「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」 TVアニメに続いて、劇場版も大変素晴らしい作品だった。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 1
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