北海道で戦争なアニメ映画ランキング 2

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ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年02月13日の時点で一番の北海道で戦争なアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

72.0 1 北海道で戦争なアニメランキング1位
雲のむこう、約束の場所(アニメ映画)

2004年11月20日
★★★★☆ 3.6 (853)
4713人が棚に入れました
日本が津軽海峡を挟んで南北に分割占領された、別の戦後の世界が舞台。
1996年、北海道は「ユニオン」に占領され、「蝦夷」(えぞ)と名前を変えていた。ユニオンは蝦夷に天高くそびえ立つ、謎の「ユニオンの塔」と呼ばれる塔を建設し、その存在はアメリカとユニオンの間に軍事的緊張をもたらしていた。
青森に住む中学3年生の藤沢浩紀と白川拓也は、津軽海峡の向こうにそびえ立つ塔にあこがれ、「ヴェラシーラ(白い翼の意)」と名づけた真っ白な飛行機を自力で組立て、いつかそれに乗って塔まで飛ぶことを夢見ていた。また2人は同級生の沢渡佐由理に恋心を抱いており、飛行機作りに興味を持った彼女にヴェラシーラを見せ、いつの日にか自分たちの作った飛行機で、佐由理を塔まで連れて行くことを約束する。
しかし、突然佐由理は何の連絡も無いまま2人の前から姿を消してしまう。

声優・キャラクター
吉岡秀隆、萩原聖人、南里侑香、石塚運昇、井上和彦、水野理紗
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

浮き上がれヴェラシーラ

新海誠、映像叙事詩の始まり。

物語を動かすのは2人の少年。
憧れの少女との遠い日の約束。
国境の向こうの塔へと、少年は飛行機を疾らせる。

日本が南北に分断統治されたもう一つの世界。
舞台は東京/青森/北海道/そして少女の夢の世界。

眠り続ける少女の夢。
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今はまだ手が届かないものに共感する。

歩いても、歩いても道に迷い、
たどり着けない遥か遠くの約束の場所。
自分でも驚くほどの、遠回りを経験して、
日々成長していくものだ。
次こそはちゃんと歩こう、ちゃんと飛ばそう。
そんな気にさせられる繊細な作品です。

空の向こうに広がる透明な空、
空と雲の描写が圧倒的に美しいですね。

浮き上がれヴェラシーラ。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 54

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

近未来的 眠れる森の美女

新海誠監督が2004年に制作した90分ほどのアニメーション映画。
数年前に観た時は、集中できない環境にあったせいか、
あまり入り込めなかったのに、今回もう一度観直してみたら、
以前わからなかったことがわかって納得できた。
それに、この作画のクオリティが8年も前のものだなんて、
今だからこその驚きで。

北国らしい風景、窓や空から差す光線、舞い散る雪やそぼ降る雨。
吐く息の白さや湯呑みから立ち上る湯気、さまざまな時間帯の空の色の変化、
廃屋や駅のさびれた感じ、どこかの小さくて古い飲み屋の壁に貼られたメニュー。
思い出すまま書き出してもまだまだ足りないほど、それらは美しく、繊細。
実写映画を観るよりも感動的な景色に映るのは、
カメラで撮影しただけのものと違い、
人によって綿密に描かれたものだからなのだろうね。
それらを鑑賞するだけでも、まずは価値のあるアニメ映画だと思う。

さて、物語のほうは・・・
一言で言ってしまえば、理系的風味の純愛物語、かなと。

背景にある日本の国家的状況や事情、SF要素をはらんだ部分、
ヒロインの病気であるナルコレプシー(原因不明のまま眠り続ける睡眠障害)
など、自分的にはそれらの要素があって楽しめたのだが
観る人によっては難解だったり、退屈だったり、
無駄なエピソードに感じたりするかもしれない。

ただ、飛行機や脳神経医学、ヴァイオリン、平行世界などの
好きな要素があったものの、確かに欲を言えばもう少し、
主要な登場人物3人それぞれの想いに焦点を絞ったほうが、
テーマは伝わりやすかったのかも。

というか、結果的には1クールで見せる物語くらいの内容だったと思うから、
90分の中に中途半端に盛り込みすぎてしまった感は否めない。
ただその分、ものすごくいろいろ想像させてくれるので、
そういう楽しみ方が好きな人には良かったんじゃないかなって思う。

作中に登場する巨大な塔は、誰もが手の届かないもの、叶えられないものの象徴。
その塔に脳的リンクするヒロインとの、かつての約束を果たそうとする主人公 藤沢と、
ヒロインをあからさまに奪うことなく友情をつらぬく白川。
遠く離れた男女それぞれの孤独感と、自覚することなく通じ合っている想い。

単純なはずのテーマも、壮大なスケールの設定によって
近未来的『眠れる森の美女』を観たような感覚だった。

で、個人的に一番感情移入できたのは、ヒロインでもなく、藤沢でもなく、
彼の親友 白川。

なお、川嶋あいさんの歌われるED『きみのこえ』がとても良いです♪

投稿 : 2025/02/08
♥ : 52
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

次元を超えた想い

新海誠監督作品。

北海道が「蝦夷」と呼ばれ、他国の領土に属している、史実とは異なる歴史を歩んだ世界。
青森に住む、藤沢浩紀(ふじさわひろき)、白川拓也(しらかわたくや)は「ヴェラシーラ」という飛行機を作り、沢渡佐由理(さわたりさゆり)を、蝦夷にそびえ立つ白い塔に連れて行くという約束をする。


まず惹かれたのは、その雰囲気。
美しい風景描写、補色を利用したライティング、そして、要所要所で入るBGMの組み合わせが、独特の空気感を作り、視聴者をグイッと物語の世界に引き込んでいきます。
「雰囲気に飲まれる」という言葉がぴったりです。

そして90分をフルに使った、ストーリー展開。
史実と異なり、日本は北海道とそれ以外に分断され、軍事的な緊張下の中にあります。
青函トンネルも未完成で、塔に向かうには、軍事的に支配されている空を経由して行くしかありません。
約束当時、中学3年生だった浩紀と拓也は、それがどれだけ難しいことなのかまだ分かっていませんでした。
果たして、彼らは約束を叶えることはできるのか。


テーマは「体の距離と心の距離の違い」。
壮大な世界感の中、小さな想いに焦点が当てられています。
ここで、補色を使った光の「対比」が生きてきます。

「手が届くほどに見えているのに、行くことができないその場所」
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それが「雲のむこう、約束の場所」。

同じ想いを持ち、歩み始めた、浩紀と拓也という2人の人物を出したことで、距離感の違いをうまく表現できています。
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2人の想いは奇跡を起こし、約束を果たすことはできるのか。
ラストシーンでは、完全に雰囲気に飲み込まれ、鳥肌が立ちっぱなしでした。

なお、量子力学、平行世界、量子重力論といった科学用語が出てきますので、少し難しく感じるかもしれません。
しかし、キャラクターたちが端的に説明してくれますし、あくまで焦点は心の動きにあります。
深く構えることなく、ムードに任せるままストーリーを追っていけば大丈夫です。
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小さな心の距離感を、SFストーリーで描き、強烈な雰囲気で引き込んでくれる作品。

SFはロマンのかたまり。
恋もロマンのかたまり。

新海誠監督作品の中で一番好きなアニメ。
どちらかというとセカイ系に属し、完全な解決や、分かりやすい説明を求める人には向いていませんが、一度は観ていただきたい作品です。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 48

63.4 2 北海道で戦争なアニメランキング2位
ジョバンニの島(アニメ映画)

2014年2月1日
★★★★☆ 3.8 (43)
177人が棚に入れました
色丹(しこたん)島を舞台に、主人公たち少年の視点から、ソ連軍の進駐する光景や島民の不安、ソ連側の人々とのふれあい、そして家族の絆を描く。

声優・キャラクター
市村正親、仲間由紀恵、柳原可奈子、ユースケ・サンタマリア、横山幸汰、谷合純矢、ポリーナ・イリュシェンコ、北島三郎、犬塚弘、八千草薫、仲代達矢
ネタバレ

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

唄声かさねて

2014年冬作品なのに、画像が無くて残念。
これは本当に美しかったです。
島の景色、暮らし、空の色、花の波。子供達の遊び。

戦争が終わってホッとしたのもつかの間、ソ連軍がやって来て色丹島を占領する。それまでとは違う暮らしを強いられ、先の読めない生活となって…。
日本の子供とソ連の子供が近づいてゆく描写がまた素晴らしかった。
とったとられたの関係でも、そばで暮らしていれば否が応でも文化は影響しあってゆく。
耳で覚えあった歌声を重ねる姿。

壁越しに汽車を走らせるシーンは、目を見張る鮮やかな陰影が走り抜けていきました。
そんな時代でも、身近な物から魔法のように刺激される、子供時代の遊び心が伝わってきます。演出は「ばらかもん」の橘正紀でした。
ここ以外でも、汽車のシーンは映えていて、作品を最後まで引っ張っていきました。


様々な大人たちの存在が極立っていました。
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美化はあるのだろうし、原作(「北の国から」演出家の杉田成道 作)のグロテスクな部分は抜きにしてあるらしいけれど。
戦後の復興期のたくましさを描いたドラマはよく見かける中、その恩恵の下に入れずに抑留されたままだった人々も居るのだと、美しさを交えながら語ったアニメ作品です。



絵の色合いは絵の具を拭きぬぐったようなマチエールが重ねられていて、人物の線は柔らかく省略が小気味良いです。アニメにセンスを求める方にも、充分響くものがあると思います。
(Production I.G.制作、キャラデザと作画監督が「四畳半神話大系」の伊東伸高、原画はそうそうたるメンバーです)


「銀河鉄道の夜」のセリフが重ねられた内容でもあります。ラストに流れる、宮沢賢治の詩にさだまさしが曲をつけ、幾人もで唄われた歌も、とても優しく流麗です。

みのるしさんの実感のこもったアツいレビューで観てみましたが、私もおすすめします。d(^_^o)
子供と観ていたので、私はつい泣けなかったのですが、純度の高さに幾度も波が押し寄せました。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 25
ネタバレ

ねここ時計 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

本当のさいわい

戦争
私は知らない。両親も知らない。
私の思いは伝えることができますが、私の口から次の世代へ伝えることは難しいです。

曽祖父母の体験談、学校での授業、
ドラマ、映画、アニメ、漫画、本
そんなものたちからしか知りえないです。

この作品を通して、
私はまたひとつ、戦争のことを知りました。
内容というよりも、私の感じたことを書いていきます。

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ラストに流れる「星めぐりの歌」
宮沢賢治の世界がよく表現されている美しい歌です。
この作品の最後に相応しい歌でした。


この映画の冒頭で記されていた賢治の綴った文章

「けれども、本当のさいわいは一体何だろう」

とても深い言葉で、私はまだ分かっていないです。
これから段々と分かるようになってゆくのでしょうか。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 23
ネタバレ

ゅず さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

想いが心いっぱいに詰まって、銀河の底に沈む星

【一言紹介】

ジョバンニとカンパネルラの星の旅

【思ったこと】
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【ゅずワールド】
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投稿 : 2025/02/08
♥ : 23
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