scandalsho さんの感想・評価
3.6
コメディとして面白い。
セレブニートの座を手に入れた主人公が、異世界転移してブラック企業で働くことに。
そんな中、再びセレブニートを目指して仲間を集めて、成り上がりを目指していく物語。
基本はコメディ。
序盤は、主人公の人生観に賛同できずに、冷ややかに視聴していましたけど、何度も挫折しながら・・・、という物語には惹かれました。
コメディとして普通に面白い作品でした。
scandalsho さんの感想・評価
3.6
セレブニートの座を手に入れた主人公が、異世界転移してブラック企業で働くことに。
そんな中、再びセレブニートを目指して仲間を集めて、成り上がりを目指していく物語。
基本はコメディ。
序盤は、主人公の人生観に賛同できずに、冷ややかに視聴していましたけど、何度も挫折しながら・・・、という物語には惹かれました。
コメディとして普通に面白い作品でした。
レオン博士 さんの感想・評価
3.6
【紹介】
異世界転生してブラック企業社畜という最底辺から成りあがるギャグアニメ。
非常に癖のある主人公があの手この手で絶望的な状況を変えようとします。
主人公が自分の野望のためなら手段を選ばないところがあるので、彼が好きか嫌いかで楽しめるかどうかわかれるでしょうね。
【総評】
もっと不条理ギャグ的なものを期待したが、意外とやることがまともで思っていたよりもキャラクターがマジメだったのが少し残念。
主人公以外のキャラがマジメなキャラばかりで主人公についていくだけな感じで存在感がないし、ヒロイン格の3人がどうにもネタっぽくてヒロイン的な魅力がないし、ネタ要員としても中途半端。
ワニが一番いい味だしていた。
さらに中盤が退屈でつまらなかった。
タイトル通り、この作品は社畜やっててこその面白さですね。
【音楽】
OPテーマもEDテーマもいい曲ですね。
特にEDのワールドイズマインが気に入りました。
前半のEDアニメのポップな感じも温かみがあっていいし、後半の可愛いダンスも良かったです。
【作画】
キャラデザはかなり癖が強いですが、作画自体は悪くないです。
キャラの顔作画は割と変わるのでちょっと気になりました。
【シナリオ】
{netabare}
ほぼご都合主義なのでシナリオに期待するアニメではないですが、前半はうまくいったり、しっぱいしたり、罵倒したり、罵倒されたり、復讐したり、復讐されたり、山あり谷ありでどうなるかわからない急展開の連続が面白くて、RPGのパロディも結構あってネタがわかるとさらに面白い。
中盤少し退屈な期間もありましたが、ワニ達が復帰してから少し盛り返しましたが、やはり初期のころが一番面白かった。
{/netabare}
【キャラクター】
{netabare}
主人公とワニが好き。
主人公は鬼畜の代名詞みたいな手段を選ばない男で、果てしなく大きな野心を持ち、どんな手を使ってでもなりあがってやるという不屈の精神が凄い。
頭も切れるし行動力もあって、人たらしの才能もあって、見ていて退屈しない人物ですが、その破天荒で横暴な生き方は、味方も多く作りますが、それ以上に多くの敵を作るでしょうね。ただ、案外常識人で、底辺にいるときには光るが、底辺から脱出すると途端にまっとうなことばかりしはじめて面白さがなくなる。押さえつけられていないと本領が発揮できないのでしょう。
相棒のワニは平凡な常識人キャラですが、滅茶苦茶なキャラが多い中で常識人ポジションの彼の存在がいい味出していましたね。
ランガとシアは面白くてキャラが立ってるのは良かったですが、キャラデザの癖の強さが気になってしまってマジメなことをしていてもネタに見えてしまい、ヒロイン的な魅力はあまり感じなかったです。
口元とか眉毛とかも気になったけど、特にシアの瞳に入っている十字架のような模様が気になって仕方なかった。しかも一話の中でもこの十字架の自己主張がやけに強い時と控えめな時があって、作画の雰囲気が変わったことが強調されて気になってしまった。
個人的な意見ですが、この瞳の十字架は、ないほうがいいと思う。
リムはキャラデザの癖が少ないので普通に可愛い。
癖のあるキャラクターしか作れないのかと思ったら、主人公の仲間以外は割と普通でまともなキャラも多かったし、主要キャラも自分がメインの回以外は割と大人しくて、持ち味が発揮されていなかった。
{/netabare}
剣道部 さんの感想・評価
4.0
[文量→大盛り・内容→雑談系]
【総括】
現実世界で富を得た主人公が、異世界に転生され、ド底辺のブラック企業に務める、というストーリー。
基本的にギャグベースの作品で、結構ブラックなネタが多い。
1期ワンクールのわりには非常に展開が多く、ストーリーとしてはやや破綻している部分もありますし、途中、観るの止めようかと思うこともありましたが、最終話まで観て良かったなと思いました。
10話まで☆3にしてましたが、ラスト2話で☆4にした感じですね。
決して絶賛ではありませんし、好みも分かれる作風で、正直、世間的な評価は65点いけば良いかな?というところですが、個人的には、72点くらいつけたいです(あくまで感覚ですが、私的には70点以上が☆4。85点以上が☆5です)。
既視感はあまりない作品なので、たくさんアニメ観てきた人向けって感じですかね。
あとはまあ、「レッ○ブルに怒られろ」ですね(笑)
《以下ネタバレ》
【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
最後、当然のように二宮は財を失うと思っていた。もしくは、再び違う異世界に転生されてしまうか。
それを、すごく綺麗にまとめたことが意外で、1本取られた感じ。これまで、「ニートになり(楽して稼ぎ)たい」の一心で、ブラックな労働にも耐え、他者を欺き、のしあがろうと野心を滾らせてきた二宮がまさか、働くことにやりがいを見いだすなんてね。
仕事は楽しい。
努力して成功するのも、他人に勝って優越感に浸るのも、賃金を得て好きなことに使うのも、同僚と力を合わせて難局を乗り越えるのも、全部ひっくるめて、楽しい。
私自身は、「仕事=人生」という、(本作で言うなら)シアみたいな生き方をしていて、ブラックな職場ながら、めっちゃ仕事にやりがいを持っているが、そんな私からすると、「ようこそこちら側に」という感じがした(笑) 尤も、仕事や会社に対して自己を犠牲にして働くなんて、気持ち悪いとかバカのやることかと思われるかもしれないが、まあ、私は私の人生を歩んでいるだけなので、放っておいてくれよと。納税もしてるし、犯罪はしていないし、ちょっとアニメとアルコールと美少女が好きなだけなんだから(笑)
奇しくも、11話で二宮が言ったように、「初志貫徹。俺は俺の欲望に純粋なだけだ。そう、俺は他人を騙しても、自分を騙したことは1度もない」という感じです。いや、私は他人も騙さないようにしているが(笑)
私は、自分の意思を持たない人間が嫌いだ。いや、自分の意思を持たない人間なんてホントはいないから、厳密に言うと、自分の現状を周りのせいにして生きている人間が、かな。
私は別に、なんでも自分のしたいことをワガママ放題やる人間が好きだと言っているのではない。むしろそういう人間は嫌いだ。状況によって、場の空気やどうにもできない力によって、自らの望まぬ方向に流されることはあるだろう。私もよくある。
私が好きな人間は、流れに逆らって泳ぐ力や意志がある人間と、流されている状況を受け止め、それでもちゃんと自分の手と足で泳ぐ人間だ。つまり、前者は二宮であり、後者はワニベ。
逆らいきれない大きな流れに流されているなら、いっそ思いきって、下流に向かって全力でクロールをしろよと。そのカーブを上手く曲がるために、流されるルートくらいは自分で選べよと。
流れを変える根性もないくせに、流されてしまう自分の実力の無さを認めることもできず、ただ、不満や愚痴を垂れ流すだけで動こうとしない人間が、私は嫌いなのだ。
きっと、二宮も同じような価値観を持っているのだろう。だからこそ、ただ救済を望むだけの未来人(ザゼル)に見切りをつけ、ライザッハ鉱業の中から、(シアは身内だからノーカンとして)唯一、ベルザだけを迷宮ブラックカンパニーの重役にしたのだ。あれだけ自分を虐げてきたベルザだが、(やり方は否定しても)意思の強さや能力は、ちゃんと評価していたんだなと感動した。
もちろん、本作のラストに関して、否定側の意見も良く分かる。本作のテイストなら、権力を握った後の二宮が更に悪事を行い破滅していく流れの方が自然だし、二宮が無双する流れも、ご都合主義的で薄っぺらい部分はあるしね。だから、みんながみんな、好きになるアニメではないと思う。
私は毎クール、20本近くのアニメを観ていて、流石に疲れるし、最近は昔程のアニメ熱もないから、とりあえず録画だけして、評判が良かったアニメを数本だけ観るようなスタイルに変えようかと、ここ1年くらい思っているのだが、たまにこういう掘り出し物(世間の評価と自分の好みにズレがある作品)に出会うと、やっぱり自力で発掘するスタイルを続けようかなと思ってしまうな。ブラックな修羅の道だけれども(笑)
{/netabare}
【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
ちゃんと稼いだからニートじゃないけどな。リム、可愛いな(笑) 二宮、クズ(笑)
2話目 ☆3
なるほど、会社を作る流れか。それは面白そう。
3話目 ☆2
ん? また社員側に戻るの?
4話目 ☆3
ドタバタコメディ。
5話目 ☆3
超展開? この展開は、グズ主人公系としては、結構好きかな
6話目 ☆3
漫喫の解釈(笑)
7話目 ☆4
なるほど。だから日本じゃなくて過去を選択ね(笑)
8話目 ☆2
9話目 ☆4
中毒、、、レッドブルに怒られろ(笑)
10話目 ☆2
もうなんか、ストーリーがむちゃくちゃになってるよな。
11話目 ☆4
ここにきて、少し面白い展開。この展開がもっと早くても良かった。
12話目 ☆5
ニートを目指して頑張ってきたが、働くことのやりがいを感じた。どう考えても、ギャグで終わらせるための前フリだが(笑) と思ったら、なかなか綺麗な終わり方。個人的には、好きだな。
{/netabare}
えたんだーる さんの感想・評価
4.6
ただし「のんびり農家」なのは3話くらいで、どちらかというと「農村」ないしはほぼ「国家」と言った方が正しいかもしれません。
『転生したらスライムだった件』のスピンオフ『転スラ日記』にも通じるところがあるかも。
「小説家になろう」での原作は読んでいて、コミカライズもかみさんが購入しているのでそちらを読ませてもらっていますが、商業出版されているライトノベルは未読です。
お話としては生前はオーバーワークが原因で結局病死してしまった街尾火楽(まちお ひらく)が異世界の創造神さまの力で転生し、そのときに転生ボーナスとして病気にならない健康な身体と「万能農具」を授かり、「死の森」と呼ばれる危険な秘境を開拓して「大樹の村」を作って仲間を増やしていくというものです。
なかなかヒラク以外の男性の住民が増えずにハーレムっぽくなっていく「なろう転生ファンタジー」的なところはあるのですが、このアニメ化ではヒロインの一人であるルールーシー・ルーを中心として演出などでハーレム感をマイルドに表現していて、忌避感を下げていると思います。
またルー中心に描くためのエピソード順の変更や登場キャラクターの整理(原作には出てくるがアニメでは登場しないキャラがいる)ということが生じているのですが、私見としては原作のエッセンスは大きく損なうことなくうまく処理できていたと思います。
あとはいくつか特筆すべき点を挙げるとすると:
[作画]
動きとかで作画枚数を多く割いたりはしてないけど、SDキャラの使い方が最高に上手い。
[声優]
作中で様々な状況により外見年齢や心情の変化が多いルーの、状況による演じ分けが素晴らしい。
[音楽]
第6話でのワイン造りのために収穫したブドウを踏むときに初出だった挿入歌が名曲で、後のエピソードでも様々なアレンジで使用されます。
(ただし、歌詞はまったく意味わからんですが。)
[キャラ]
ヒラク以外のキャラの多くが、大樹の村の内外を問わずけっこう経済的あるいは政治的な合理性に基づいて行動するのでストレスがたまりにくいです。ここまでみんな有能に描かれるなろう作品は少ないかも。
[ストーリー]
ヒラクが感じることと、むこうの世界の常識が微妙にすれ違っていてそこから生じるコント的なやりとりが面白いです。
フリ-クス さんの感想・評価
4.1
いきなり私的な嗜好のハナシで恐縮なのですが、
基本的に僕は『ハ-レムもの』というのがキライであります。
最近だと、完走した作品はほとんどありません。
だってさあ……
なんだコイツ、とか思っちゃうような主人公に、
よりどりみどりの美少女が次々寄ってきてキャッキャウフフ。
ねえよ、と言いたくなるご都合テンカイに世界観がムンクの叫び。
でもって、その美少女たちが、
リアル女子なら一発でカエル化しそうなクサいセリフに感動し、
好きよ好きよのがぶり寄り。
優柔不断な主人公をめぐって押し合いへし合いせめぎ合い。
ラッキースケベもたっぷりあるでよ皆の衆。
と、DT乙、としか言いようがないハナシが目白押しなんですもの。
本作『異世界のんびり農家』も、見る前はその系統かと思っていました。
あいかわらず原作は未読なんですが、その原作が、
なろう系
+異世界転生もの
+ハーレムもの
+スローライフもの
なんて、ほとんどマンガン確定じゃないですか。
ですからまあ「Aパ-トぐらいは見てもいいかな」ぐらいのつもりで、
点棒8000点ぶん握りしめて視聴を開始しました。
結果はというと……みごとに完走。
ためいきもストレスもなく、楽しく見ることができました。
けっこう、というか、かなり好きかもです、これ。
そもそも、妄想ラブ要素が満載の『ハ-レムもの』じゃなく、
いわゆる『環境ハ-レムもの』でしたしね。
アレな方には物足りないでしょうが、拙にとっては実によき。
あにこれの評価を見る限り、けっこう厳しめの意見が多く、
完走しなかった方、ハナから相手にしてなかった方も多そうですが、
モノづくり的にも『かなり興味深いトコロ』があるんですよね。
というわけで、ほとんどの方にスル-されるのを覚悟しつつ、
製作的な見どころも踏まえたりしながら、
ちくちくと本作を語ってみようかと思う次第であります。
おハナシは、神さまの手違いで過酷な人生を強いられたという、
主人公の街尾火楽(まちお ひらく)39歳が、
つぎの人生では人のいないところでのんびり農業でもしたい、
という願いを聞き入れてもらい、
健康なカラダと『万能農具』を与えられ、森の中へ転生したところから始まります。
この森、実は『死の森』と呼ばれ、
魔物がめっちゃ徘徊していて人が寄りつかない(寄りつけない)という、
おおよそ『のんびりと農業を営む』には全く適さない過酷な場所でした。
ただ、与えてもらった『万能農具』がスグレモノ。
あらゆる農具(それも超高性能)に変化するというだけでなく、
・どんなに作業を続けても疲れない。
・念じて使うだけで、種がなくても願った作物がすぐに芽をはやす。
・ドラゴンすら倒す武器にもヘンシンする。
という、リアル農家の方々が逆上しそうなチ-トグッズであるわけです。
この『万能農具』のおかげで、
テレビでしか農業を知らないヒラク君もなんとか体裁を整え、
柵で魔物を防止しつつ、孤独な自給自足生活をスタートさせることができました。
やがて、一人、また一人と、
同居する『村人』が増えていきます。
(ヒトではなく、吸血鬼や天使、エルフなどの亜人ですが)
最初のころの村人は「追われてる」「住むところがない」など、
ワケありの、そしてけっこうな、いや、かなりの美人さんばっか。
ところがこの村人たち、建築や道具づくりなど村づくりに有用なスキルもち。
しかもなかなかにパワフルかつワイルドで、
居住区は少しずつ、健全かつ文化的に発展していきます。
こうなると移民希望者が増え、雪だるま式に人口が増加。
リザードマンだの鬼人族だのも移住してきて、
ワインなんかも作れるようになり、そこそこの『農村』へ進化します。
近隣の町や村、さらに魔王なんかと物々交換による『交易』もはじまり、
ついにはじめての赤ちゃんも産まれたりして、
のびのびと、明るく楽しい農村ライフが続いていくのでした。
……とまあ、リアル農家の方々からはジト目でにらまれそうな、
ある程度はリアルだけど、かなりのご都合主義、
アニメだからこそ許される『楽しい農村づくり』物語なのであります。
僕がこの作品を『よき』と評価しているのは以下のポイントです。
① ロリっ子がでてこない。
② ラブ要素・恋のさやあてみたいな部分が一つもない。
③ 女の子が『守るべきもの』でなく『たくましきもの』として描かれている。
④ ラッキースケベみたくチープな演出がない。
⑤ 主人公のヒラクくんがオンナにハァハァしない。
まず①『ロリっ子がでてこない』ですが、これ、ダイジですよね。
このテの作品って『ロリ成分命』みたく考えてる方が少なくありません。
開拓初期に非労働力のロリはいらんだろ、
という極めてまっとう、というかイッパン常識的な考察に対しても、
『見た目はロリだけど実は300歳』
なんて使い古された手で強行突破してきますしね。
その点、本作にはロリ成分がほとんどありません。
物語後半、移民の中にショタだのロリっぽいのが混じりますが、
あくまでもモブで本筋にカンケイなし。実によきです。
次に②『ラブ要素・恋のさやあてがない』のもグッジョブかと。
村にやってくる美女たちは、
みんなヒラクくんに『好感』はもつけれど『好感どまり』なんですね。
あくまでも『いい村長さん』であってレンアイ対象じゃありません。
(繁殖の『種馬』にしたいとは思ってますが)
{netabare}
そもそもヒラクくんは第一村人のルールーシーに、
誤解と勢いでプロポーズをして、OKされているんですよね。
ですから、
最初っから『他のオンナのだんなさま』ポジションですので、
ラブの対象としては外れているんです。
{/netabare}
そんなわけで、実にケンゼンにのびのびと、
明るく楽しく農業に従事しているところが実によき、であります。
そして③『女の子がたくましきものとして描かれている』ところも好感度大。
ラノベ系の作家って女の子を『守りたい』傾向があるっぽくて、
どんなツンデレだろうが女騎士だろうが、
最後はオトコに守ってもらって目がハート、というのがお約束かと。
その点、本作のキャラには『男性依存』の傾向がみじんもありません。
ヒラクくんってチ-ト武器のおかげで最強なんですが、
本作においては、それと『目がハ-ト』は別モンダイになっております。
開墾・土木・建築などの力仕事も自分たちでこなしますし、
『自分のチカラで生きる』という姿勢が身についているんですよね。
丸の内の有能OLみたく、しっかり働き、しっかり飲み、しっかり遊び、
いやほんと、みんなかわいいクセに、たくましい。
オトコがなんぼのもんじゃい、と。
こういう自立性、というかたくましさって、
なんかあったら『政府・世間のせい』にする男連中にも
ぜひぜひ見習ってほしいものであります(←差別発言)。
さらに④『ラッキースケベみたくチープな演出がない』ところもよき。
というか、みんなワイルドかつたくましいし、
そもそも亜人ですからジョ-シキも我々とは違うのであります。
ハダカ見られたぐらいで赤面して、
「ばっ、バカっ、あああ、あっち向いてなさいよっ」
なんて定番のセリフ吐くヤツ、いないんですよね。
男の子みんな大好き『モジモジ・うじうじ・テレテレ』演出もなし。
混浴も平気で、ヒラクくんの方がモジモジだし、
脱衣麻雀も大喜びでやって「脱~げっ、脱~げっ」の大合唱。
で、そういう設定だからサービスカット大満開の章かと思いきや、
全12話で、お風呂シ-ンが一回あるだけ。実によき。
おさわり厳禁オトナの社交場、がきんちょはお帰りくださいまし、
最後の⑤『ヒラクくんがオンナにハァハァしない』もポイント高し。
環境的には、美女にかこまれウハウハのハ-レム状態。
そしてその美女たちのほとんどが『繁殖』をしたがっているわけでして、
その気になればアラブの王様みたいな暮らしもできるわけです。
でも、しない。奥さま一筋。
だからといって、べつに草食系をこじらせているわけでもなく、
奥さまとの間には、きっちり子どもを作っております。
いやあヒラクくん、アンタ男だよ。
とまあ、ここまでがアニメに描かれているハナシ。
なかなかにケンゼンな『環境ハ-レム村』だと思うじゃないですか。
で、その方向でレビュ-しようかなと思い、
下調べとしてウィキペディアで原作情報を見てですね……思わず
Dash it!(なんてこった、ちくしょうめ)
と叫んじゃった次第です(あ、いえ、実際には叫んでませんが)。
で、ここからはウィキで調べた原作情報・ウラ設定。
正直『反転術式かよ』と思うぐらい作品を見る目が変わっちゃいますので、
まるっとネタバレで隠しておきますね。
{netabare}
原作では、第二村人のティアって、
入村当初からヒラクくんの『第二夫人』なんですね。
ルールーシーの策略でティアもヒラクくんと「励む」ようになって、
なりゆきで二番目の妻になっているそうなんです。
アニメでルーが「わたし一人じゃカラダがもたないのよぉ」なんて、
なにそのオモシロ掛け言葉、みたいな台詞いってましたが、
実際は掛け言葉でもなんでもなく、マジでガチなアレだったわけです。
(ヒラクくんが転生の際に神さまにもらった
『健康な身体』がゼツ〇ンだったみたいですね)
さらにウィキペディアによりますと、
ヒラクくんは二人の妻でマンゾクしているのですが、
種族繫栄のための『種馬』リクエストにお応えするカタチで、
たいていの女の子とカンケイをもち、
次々に子どもをこさえていくそうであります。
アニメと同じく正妻であるルールーシーの子どもが一人目ですが、
原作ではそれ以降、10人以上も、
別の女の子との間に子どもを作っちゃうんだそうです。
ちなみに原作の時系列では
アニメ最終回のすぐあと、同じ年の秋にティアが出産するんだとか。
え? そんなに原作改変したの? よくカ〇カワが許したなあ、
なんて思って再視聴してみるとですね……
『してる』描写は一つもないけれど、
『してない』とはヒトコトも言ってない。
ということに気づくわけです。
まいった、完全にやられた。
おまえ『シックス・センス』かよってハナシです。
いや、確かにこれ、カ〇カワも文句言えないわ。
原作改変(専門用語で言うと『翻案』)してるわけじゃないんだもの。
まあ確かに、原作に描かれていることをそのまま表現していたら
ご都合満載の『農村ゼツ〇ン物語』
みたくなっていたことが容易に推察できるわけです。
それはそれで別のリアリティなり需要なりはあるかもですが、
少なくとも僕は、あんまり見たくないかな。
そんなもん、大枚はたいてアニメ化する意味がわからんし。
というわけで本作は、
なんかちょっとかなりアレな原作を改変することなく、
『健康的で楽しい農村づくり』
にベクトル変換するという、レベル5級の能力が発揮されているのであります。
製作的には、菓子折りもいらず大助かり。えらい、スゴい。
倉谷涼一監督、グッジョブです。
{/netabare}
で、本作の拙的なおすすめ度は、
あまり深く考えずまったり楽しむ、という前提でAランクです。
万能農具のチ-ト性能もさることながら、
物語の中盤あたりからかなりのご都合テンカイで村が発展していくので、
そこのところにツッコむと一歩も前にすすめません。
本作の視聴ポイントというのはそこではなく、
健康的でたくましく、おまけに相当きれいな女の子たちが、
元気に、明るく楽しく農村づくりをしていくさまを、
ちょい鼻の下をのばしつつ、にこにこ笑いながら健全に楽しむ。
という、かなりマニアックな楽しみ方に限られるわけなのであります。
そのぶん、見るだけでも楽しめるよう、映像にリキ入ってます。
制作はゼロジ-さんで、
これまで『悪くはないけどクセがあって微妙』なイメ-ジだったんですが、
本作は『健康的できれいなおねいさん』の作画に大成功。
ほとんどのキャラが、姿勢がよく、リッパな谷間をおもちです。
キャラデだけでなく動画さんもがんばってまして、
なめらかな人体曲線やタブりの多い洋服デザインがけっこうあるのに、
動かすべきところはきっちり動かしています。
OP、ル-ル-シ-がジャンプしてくるっと一回転するところなんか、
ちゃんとジャパニメーションしていますもの。
そして、人物作画にリキいれるだけでなく、
畑・森・農作物などもていねいに描き込まれており、
質感や空気感まで表現できていて、世界観が心地よく伝わってきます。
こんなにいちいちリキいれてたら予算合わないだろ、
というような心配は、SD演出の多用でカバ-。
このSD演出、ただ単に枚数稼ぎになっているだけでなく、
ちゃんとカワイイうえに、メリハリが効き、
シ-ンに応じた『演出』として立派に成立しているんですよね。
わりとよく見る枚数稼ぎの手法であり、
キメツでもしょっちゅうやってたりするわけなんですが、
あっちは『箸休め』的な扱いなのに、
こっちは本編進行と連動していて、しかも違和感がありません。
倉谷涼一監督、本作に限って言えば、かなり有能です。
キャラクターの作り込みも、けっこう繊細にできております。
みんな『きれいなおねいさん』であるだけでなく、
『チ-ト的能力もち』『しっかりした自立心もち』『ウジウジしない』
という共通項をもっているのに、
しっかりと性格付けができていてキャラかぶりがありません。
とりわけスゴイと思うのは、
関西弁も廓言葉もにゃんにゃん言葉もボクっ娘もおかしな語尾もなく、
みんな基本的にきれいな言葉遣いをしているのに、
個々のキャラが書き分けられ、きちんと立っているところ。
これ、作家を目指すワカモノたちにぜひ見習って欲しいかも、です。
それだけでなく、同じキャラが同じ内容の話をするときも、
「ラスティって呼んでください」
「ラスティって呼んでね」と、
相手との位置関係で自然に言葉が変化しているんですよね。
こういう『キメ言葉にせず会話の自然さをダイジにしてください』という指示、
脚本家的にはとてもウレしいものなのでありますよ。
キャラに生命を吹き込む役者さんたちも、いい仕事しています。
本作って、難しくとんがったキャラがいない分、ぶっちゃけて言うと
大手事務所に正所属できるレベルの役者さんなら
『誰でもそれなりにできる』タイプの作品なんですね。
正直、駆け出しの若手や預かりレベルの役者さんをずらりと並べても、
ふつうの視聴者さんなら、良し悪しが判別できないテイストかと。
それだけに、違いを生んだり声の表情をつくったりするのがムズカしい、
手を抜こうと思えばいくらでも抜けるけど、
役者の根性見せたんよ、と思えばかなり難易度が高くなる作品であります。
で、根性見せてくれたのが、物語序盤メインのお三方。
下地紫野さん(ルールーシー役)
洲崎綾さん (ティア役)
Lynnさん(リア役)
「わかったわよ」「え? ここにですか?」「皆さん、張り切って働きますよ」
なんて、個性の出しようがなさそうなセリフにも徹底的にこだわって、
実に活き活きとした人物像をつくってくれました。
先行役者がいいお芝居をすると後続が『燃える』のが役者の性質であります。
その例にもれず、中ほどから出てくる役者さん、
藤井ゆきよさんや日岡なつみさん、伊藤かな恵さん、岡咲美保さんなどが、
少ない出番でなんとか自分の爪痕を残してやろうと、
テンプレふうでありながらも実はすごく細かいお芝居を披露しています。
おかげさまで、同系統の『なろう系』作品に比べ、
かなり耳ざわり・聴き心地のよい作品に仕上がっております。実によき。
(それにしても洲崎綾さん、相変わらずスゴい声してますよね)
音楽は、OP・EDともに、耳に楽しい素敵な曲かと。
とくにOP、
この曲に下地さん・洲崎さんの二人をあてるのは、反則級のキャスティング。
劇中の、葡萄ふみの唄もいい感じ。
劇伴は……ごめん、なんにも耳に残っていません。
というわけで、作り手側はかなり頑張って、
あちこちに強い『こだわり』を見せている本作なのですが、
ショ-ジキ言って、視聴者の琴線に触れそうなところは少なめです。
のんびり農家、というわりにけっこう新展開が多めでせわしなく、
たとえば『のんのんびより』あたりと比べると、
ぜんぜん、まるっきり『のんびり』感が足りませんしおすし(←死語)。
既述のように、ロリっ子もラッキースケベもなんもなし。
ついでに言うと、リアル農家につきまとうJAとのしがらみもなし。
ほんと、あっちこっち流用されているキャッチコピー、
『なにもない、がある』
みたく、田舎のやけくそ集客作戦が似合いそうな作品であります。
ただまあ、ムネの谷間と自然とおいしそうなごはんはたくさんあります。
そして最終話、出産前後の村人たちを見ればわかるように、
ヒト(亜人ですが)の本能に基く日々の営みが、ていねいに描かれています。
おすすめ度Aと書きましたが、
それはあくまでも『拙はスキ』という主観まみれの評価でありまして、
決して万人にすすめられるタイプの作品ではありません。
ですが、粗製乱造のおおい『のんびり系』において、
細部まできちんと気を使って作り込まれた『良作』ではあるまいかと。
女性の方が見られても
『男の子ってホントこういう話、好きよねえ』
なんて感じにはならないと思います(たぶん、ですが)。
ちなみに、脱サラ・定年退職してあこがれの農村生活を始めたものの、
思ってたのとチガう、
なんていろいろご苦労なさっているハナシをよく耳にします。
まあ、あたりまえですよね。世の中そんなに甘くありません。
都会には都会の、イナカにはイナカの、
いろんなしがらみだったりアレだったりがあるのが人の世かと。
都会であくせく働く方々にとっては、
こういうかなり非ゲンジツ的なアニメをたまに見たりして、
農村っていいなあ、自然っていいなあ、
なんて思ってるのが『ほどよい生き方』なんじゃないのかなあ、
と、愚考する次第なのであります。ゆめゆめ、
あいてます、あなたのNOSON♪
みたいな誘い文句には、カンタンに乗らない方がよろしいかと。
いやほんと『となしば』というのは、
言い古されているようでいて、
いつの時代もけっこう真理だったりするんですよね。
むかし隣の家で飼ってた豆芝は、ガチで可愛かったんですが。
レオン博士 さんの感想・評価
3.4
異世界で農業しながら楽しく生活するアニメ
村って言うなら美少女ばっかりよりも、いろんな人がいたほうが温かみがあって好き
お話も設定も農業もテキトーで、すっごくお気楽だから見ているとたまに現実に帰ってきて「いったい何を見てるんだろう・・・」ってむなしくなったりするけど、村の人達がみんなのんびりまったりしていて、とにかく楽しそうで雰囲気がいいから、細かいことはまーいっかってなるアニメ
頭空っぽにして気軽にまったり見るのがいいかな