nyaro さんの感想・評価
4.1
あるあるは秀逸です。面白いですが記憶に残りづらい作品かも。
この作品のタイトルである沖縄方言はヒロインの方言が可愛らしく、それをもう1人のヒロインが通訳するという構造はなかなか上手かったと思います。その通訳の場面は話が進むにしたがって省略されることも多いですが、飽きる前にそうしたのでしょう。
沖縄あるあるについては非常に丁寧に作られていると思います。生活習慣、食事、学校などはもちろんですが、祭りや行事に絡んで、歌や踊の話題が多かったのも沖縄らしさが出ていてよかったと思います。
そして、その沖縄あるあるを上手くエピソードに絡めてコミカルに描けたので面白く見られました。
キャラに関しては主役とダブルヒロインが強すぎて他の登場人物が弱いです。それが作品の見やすさに繋がっているので、良し悪しはなんとも言えないです。
ラブ関連は、クリフハンガーでじらされましたが、まあ、そんなもんでしょう。ダブルヒロインが仲良しなので見ていてストレスがないです。
ただ、あまりにストレスが無い面白さで押し切ったので、再視聴の意欲がわくかどうかです。ストレス=深さではないですが、引っ掛かりがなく頭を使わないので、この作品はそれほど心に刺さらないという意味で深くはない気がします。
沖縄文化に対する想いとして情緒的に感動するところはありますが、それは個人の内側にある沖縄の歴史とかの知識に依存すると思います。それも作品の構造だと言えばそうですが、そこを評価すべきかどうかですね。霊的な神秘性とか沖縄の閉鎖性をもっと上手く使えれば、もう1つの沖縄のレイヤーが出そうでしたがそこはあるあるどまりでした。
2クールくらいで完結まで描けたほうが作品の価値が上がりそうなので、ちょっともったいない気がしました。一人、11話で今後にメイン化しそうなキャリーバックを転がしている娘がいましたが、結局見せただけですね。2期への布石なんでしょうか。
キャラデザはなかなか可愛いですが、エロい絵が得意な人が一般誌向けに描いたような何かを感じます。無邪気な描き方だけに、その辺の性癖はちょっと同人的なものを感じます。まあ、アニメ化に際してどれくらいキャラデザをいじったかによりますので、原作者なのかキャラデザなのかわかりませんけど。
作画は綺麗です。とにかく乱れがありませんでした。それほどゴージャスではなく、予算をかけている感じはないのですが、3Dの技術か止め絵を上手く見せる演出が上手いのかわかりませんが、画像に関する満足度は高いです。
総評としては、方言・あるあるものとしては秀逸。コメディの出来が良く面白い。恋愛に関してはドキドキはないわけじゃないしヒーナーが可愛いのでいいんですけど、ちょっと進展が欲しかったかなあ。作画は綺麗でした。音楽もあるあると絡めて沖縄っぽさがでてました。
評価はオール4…作画だけ4.5にしましょうか。ただ、それ以上の点数がつけずらいというのが、この作品の特徴かもしれません。それは記憶に残る作品ではない、つまり面白いけど心に響く深さが物足りないということだと思います。
1話 言葉がわからないのに好きになるのは自然な事なのか?
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2話 悪くないけどいつの間に見なくなっていた…という類の作品かも。
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3話 音楽と踊り…その裏に見える村社会。喜屋武さんの人物像。面白い回でした。
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4話 舌見せ羞恥プレイとロリ。性癖全開ですね。
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5話 3話以降どんどん面白くなってきたかも。字幕は読まない方がいいです。
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6話 ソーキそばって美味しいか?
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10話 ここまで面白く見られていますが、ラブストーリーの進展はなさそう。
ここまで見て、全体の印象です。面白いし出来はいいと思います。
本作の印象はまず作画の安定感です。動きは少なく紙芝居ではあるんですけど、これは大したものだと思います。また、動きは少ないですが、背景美術が上手くて飽きさせない画面作りが上手くいっているのだと思います。沖縄の風景がちょっと同じ場所ばかりなのが残念かな。日常系なのでやむを得ませんが、もうちょっといろいろ沖縄を回ってもいいのかも。
話は、沖縄あるあるに関しては、ここまで丁寧に取材して上手くエピソードに落とし込んだなという印象です。付け焼刃でない沖縄の知識が面白さにつなげられています。
一方で、恋愛に関してはちょっとマンネリ感がでてきました。連載を続けるにはやむを得ないのは理解しますし、ときどきドキドキを入れてくるので悪くはないんですけど、1クールアニメとしてはラブコメのコメは優れていても、ラブの方が設定になってしまったかなという気がします。
全体的に高水準で再視聴にも耐えられるレベルだと思います。しかし、ヒューマンドラマ、ラブストーリーとしての奥行がないので、2回目は良くても3回目はつらいかな、という水準どまりな気がします。秀作とは言えない良作どまりかなあ。最後まで見て判断しますけど。