冒険で戦いなアニメOVAランキング 3

あにこれの全ユーザーがアニメOVAの冒険で戦いな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月28日の時点で一番の冒険で戦いなアニメOVAは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

73.4 1 冒険で戦いなアニメランキング1位
FLCL フリクリ(OVA)

2000年4月26日
★★★★☆ 3.9 (580)
2483人が棚に入れました
後に「トップをねらえ!2」で監督を務める鶴巻和哉の初監督作品である。脚本は「少女革命ウテナ」「桜蘭高校ホスト部」の榎戸洋司、キャラクターデザインは「ふしぎの海のナディア」「新世紀エヴァンゲリオン」の貞本義行が担当した。

ベースギターを背負いベスパのバイクに乗ってやってきた謎の女・ハル子と彼女によって頭から変なモノが出てくるようになった小学生・ナオ太、彼と付かず離れずの関係で学校では孤立しているカメラ好きの女子高生・マミ美が主人公の不思議でサブカルな空気の実験的演出が多用された作品。

全編に渡ってthe pillowsの楽曲が使用され、物語の空気感を作る重要な要素となっている。
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

当たり前のことしか起こらない世界

喪失感とともに、バットを抱えたまま前に進めない少年。
恋人への想いにすがり、いじめを受ける少女。
川べりの街に建つ医療機器メーカーの工場。
同じ時刻に吐き出される煙は何かの狼煙のように見えた。
気怠い日常がただ過ぎていくはずだった。
ベスパに跨りベースギターを背負った
ハルハラ ハル子が来るまでは。

アニメーション製作Production I.G・GAINAX、
監督・原案:鶴巻和哉、脚本:榎戸洋司
キャラクターデザイン:貞本義行
音楽:光宗信吉、the pillows

エヴァンゲリオンを制作した後のガイナックスが
2000年にOVAとして手がけたSF青春アニメ。
クリエイターやコアなファンの間ではいまだに語り継がれる作品。
私はあにこれでキャッチしている人のレビューで初めて知った。
発表から20年近くも経って映画『フリクリ オルタナ』や
『フリクリ プログレ』が公開されたことからも、
OVAとして世に出たこの作品が、いかに幅広い人々から
支持されてきたのかが分かる。
ピロウズが海外で認知され、ライヴを行えたのも
この作品で音楽を担当したことが大きく影響した。

静かな展開は1話の序盤だけで、
ほかは全てがぶっ飛んでいる。
ギターリフが印象的なピロウズのロックがいつも流れ、
パロディやスラップスティックが展開されるなど、
クリエイターの遊び心が散りばめられている。
{netabare} バイクには轢かれるし、ギターではぶっ叩かれるし、
頭からロボットは出てくるし、人工衛星が降ってくる。 {/netabare}
エヴァンゲリオン特需のようなものがあったのか、
好きなことを好きなように作っている。

この作品を観ていると『うる星やつら』TVシリーズの
押井守時代後期の作風を思い出した。
優秀なクリエイターがどんどん集まり、
斬新なカットが次々と展開され、
『灰とダイヤモンド』や『2001年宇宙の旅』の
パロディが挿入される。子供に分かるわけがない。
また、タランティーノ監督の『キルビルVol.1』を
初めて映画館で観た時のことも頭に浮かんだ。

監督の趣味ともいえる分野を存分に押し出し、
危ういともいえる均衡を何とか保っている。
良し悪しは別にして、観ていてとても楽しい。

かと言って、過度なイメージとコメディが展開され、
そこにロックが流れるだけの
PVになっているかというとそんなことはない。
行き場のない心を抱えた少年少女を中心に据えた
青春ストーリーとして、しっかり成立させている。

平穏に見えた川べりの田舎町に起こる地球規模の災厄。
皆が色々な気持ちを抱えて生きている。
コメディの間に挟まれる詩的なイメージ。
この作品全体に流れている想いは
「振り切る」ことなのだろう。

私たちの世界では色々なことが起こるけれど、
日常は普通の顔をして、当たり前のように過ぎ去っていく。
鬱屈した心を抱えているだけでは何も変わらない。
バットを振らなきゃ話にならないのだ。
(2018年9月17日初投稿)

投稿 : 2024/12/28
♥ : 64

takarock さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

レモンスカッシュ

本作はどういうアニメなのか?

・・・ええとですね、ベースギターで頭をぶん殴られたら角が生えてきて、
角から射精したようにドバっとロボットが現れてバトルする・・そんなアニメです。

意味不明である。
本作を未視聴の方に「こいつ何言ってるんだ?」と思われても仕方がないと思いますw
でも、そんなアニメなんですw

これ程レビュアー泣かせの作品もそうはありませんw
そりゃ表層面を掬えば、「スタイリッシュ」ですとか、「ぶっ飛んでます」とか、
「考えるより感じろ!」というアニメですなんてフレーズは出てきますが、
本作の本質部分を言葉にするのは困難極まりますw

本作の主人公であるナンダバ・ナオ太は小学6年生で、
やや斜に構えているところがあって、生意気なんですけど、実は純情で繊細と、
まぁこれから思春期に突入するであろう(または、もう突入している)
少年像の典型のようなキャラですw

ただ、彼を取り囲む異性の関係性は他の同年代よりも少し進んでいて、
ナオ太に何かとちょっかいを出してくる女子高生のサメジマ・マミ美だったり、
ナオ太の前に突如現れたハルハラ・ハル子(自称19歳)だったり、
ナオ太と同級生でナオ太のことを意識しているニナモリ・エリだったりに囲まれていて、
小学6年生のナオ太には少々刺激の強い環境です。

男の場合ですけど、思春期に突入する頃というのは、
異性への興味が即物的なものに変化していきます。
つまり、異性を性的な対象として求め始めるというということです。

他にも父と母の間には家族という関係以前に男女としての関係性が存在することに
気付き始めるのもこの時期ですかね。

あるいは、夏休み前に「学生の本分を忘れずに清く正しい生活を送るように」なんて
言っている先生が、ゲス不倫しているなんてことに気付くのもこの時期ですw

大人の世界の理不尽さに触れ、偽善と欺瞞を唾棄し、葛藤に苛まれる、それが思春期ですw

私は本作に、自身のバイブルである「行け!稲中卓球部」と似ている空気を感じていて、
思春期の時期に萌芽する初々しいまでの性への興味や、
この世(大人の世界)への葛藤だったりをギャグに昇華したのが「行け!稲中卓球部」ならば、
ハチャメチャなロボットバトルに昇華したのが本作かなと。

そのハチャメチャなロボットバトルを始めとする
(映像)制作に携わっているのは、錚々たる顔ぶれです。
価格.comでは、「ガイナックス全盛期の傑作」なんて宣伝文句もあるくらいですw
とにかく驚嘆の出来です。
アニメーションの文法に忠実に則った方法論を取りながらも、
そこに高密度な情報を乗せて、有無を言わさず直接視聴者の脳に叩き込むような、
ある種暴力的な映像です。
設定だとかストーリーだとかを考える暇もないテンポで、
言葉にしてしまえば荒唐無稽な事象が、
高い技術に裏打ちされた圧倒的映像で、形象化されています。
とにかく映像の訴求力が強くて、もうこちらはただただ呆然としていましたw
これが本作の「考えるより感じろ!」と言われている正体だと思います。

ところで、本作では様々な比喩が用いられていますが、
本作に登場するベースギターだったり、
バットだったりは男性器のメタファーというのは有名な説です。
その説に従うと、様々なシーンが実に興味深いんですけど、
そこはあまり考察せず、「考えるより感じろ!」ってことにしときますw

思春期の味が酸っぱいレモン味ならば、
そこに脳まで溶かすような強烈な炭酸が加わった
(本作にも登場する)レモンスカッシュこそが本作の味ですw

男ってのは、いくつになってもこの味が忘れられない馬鹿な生き物なんですよw

投稿 : 2024/12/28
♥ : 34

Anna さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

驚愕の、ミラクル演出!!

Production I.Gとガイナックスによって製作された、1話30分、全6話のOVA作品。

謎の「べスパ女」ハル子に轢かれた事をきっかけにし、少年ナオ太の額から奇妙な角が生えてきた!
精神的に追い詰められたり、感情がに高まると、その角から××が!ここから驚きの調展開です!

挿入歌とテーマ曲は一部を除き全てthe pillowsが担当しており、脱力感のある絵と、ロックでクールなBGMのギャップが印象的。
脚本が榎戸洋司なだけあり、「少女革命ウテナ」のような、後半の凄まじい引き付け力には驚かされます。

何よりもこの作品の魅力は、他作品とは類を見ないほどの破天荒演出!!
登場人物から作画から何から何まで、かなりぶっ飛んでます!!
この疾走感を言葉で説明することは不可能!!見る物を選ぶ作品ではあるが、一度体験したら病み付きになること間違いなしです!
また、ハチャメチャな展開の裏に描かれた、シリアスで切ないストーリーも見所・・・。ハル子の男前な性格や、ナオ太のへたれっぷりも素敵です!

とりあえず、まずはご覧ください♪

投稿 : 2024/12/28
♥ : 10

69.1 2 冒険で戦いなアニメランキング2位
ロードス島戦記(OVA)

1990年6月1日
★★★★☆ 3.8 (136)
691人が棚に入れました
暗黒皇帝ベルドに率いられたマーモ帝国軍と「至高神ファリス」を奉じる神聖王国ヴァリスを中心とする国々との戦い(英雄戦争)を背景として進む。アラニア王国出身の若き戦士パーンは、亡き父と同じ騎士になる夢を求めて仲間と共に冒険の旅を続けるうちに、英雄戦争の狭間で暗躍する「灰色の魔女」カーラの陰謀に巻き込まれ、「大いなる破壊」を回避するため「光と闇の均等」を説くカーラの言葉に戸惑いつつも誘いを断ってフィアンナ姫を救出し、自らの進むべき道を求めヴァリス王国に向かう。そしてマーモ帝国とヴァリス王国の緊張が高まる中、カーラの考えがロードス島の平和と相容れないものであると悟ったパーンらは、六英雄の一人である大賢者ウォートに助力を求め、遂にカーラの居場所を突き止め魔女に挑む。

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

日本のファンタジーを語る上では外せない作品

自分の人生に最も影響を与えた本です。アニメ、漫画、ラノベ、全てを通して、自分的No.1は、ロードス島戦記の原作です。

人生で初めて読んだラノベ。学校に持ってく本を探していたら、たまたま本屋で安く束売りされてたんで買っただけ。それがまさか、こんな歴史的な名作だったとは(偶然の出会いに感謝)。

エルフは高慢ちきで耳が長く、動きが素早い。なかなか子孫ができない。ドワーフは大酒のみで力が強いが、手先が器用で装飾品などを作るのに適している。

そんな、ファンタジーの「当たり前」を、日本で初めて紹介したのが、このロードス島戦記。(世界初ではない)

日本の国産ファンタジーとしては、シリーズ累計1000万部を超え、「ドラクエ」「FF」と並び、草分け的な作品です。

(TRPG版は)ラノベの老舗、角川スニーカー文庫の初作品でもあります。

まあ、とにかく、偉大な作品ということです。

さて、アニメですが、原作ファンからすると、やっぱり不満は残ります。(尺が限られてるからしょうがないけど)色々カットしてるし。作画と音楽は素晴らしい。作画は、今見れば古くさいですが、同時期の作品の中では高クオリティー。音楽は、いずれも透明感があり、幻想的で、ロードスの世界観をよく現しています。初めてサントラ買っちゃいましたし♪

とにもかくにも、原作小説を読んでほしい。それだけですな。正統ファンタジーとはこうあるべき、という教科書みたいな作品です。

初代ヒロインのディードリットは、歴史上一番可愛いエルフです! それだけでも、観る価値はある(笑)

投稿 : 2024/12/28
♥ : 32

ひげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

アニメの角川の原点

ものすっごい制作費を投じて豪華スタッフで作った逸品。
角川スニーカー、角川アニメといえばロードスである。
あとガンダムが朝日から移籍してきたんだよね。
スニーカー文庫はこの2作品のイメージ。

OVA全盛期で高い値段で出しても儲けが出た時代、作品の人気がものすごかった。
原作の発表は85年とずいぶんと昔になる。
指輪物語、D&Dをリスペクトしており、
日本だけでなく世界中のファンタジー、RPGのテンプレートになったんで有名な作品です。エルフの耳がああなったのはディードリットのせい。

肝心のアニメですが絵はきれい、話もそのままなんですが、
ケツから勧善懲悪にされてしまっているのが非常に腹立たしい。
ガンダムも角川だし好きだし、それに習ってか原作は勧善懲悪ではない。
ネタ元の指輪物語との最大の違いなんです。
暗黒神と邪神、がいても、その名は善側からの呼び名。本当に司るは自由の神と破壊の神。悪とは、邪悪とはなんなのかというのが大きなテーマのひとつ。破壊は創造の母であり、私欲は人間の生きる原動力ではないか?律されず自由に生きるのは人として当たり前の行動ではないか?という問いが読者に投げかけられます。
そこだけが非常に気に食わない作品です。
作者のほうからネタバラシしてあったそうですが・・
実際に水野さんも苦言を呈しています。なにテーマ変えてんだと。
まぁ作者が遅筆なのもいけないww。
原因は当時『完結してないから』なんですw
あの頃はみんな遅かったけどクオリティは良かった。
いまは消費ペースはやいから大変だね・・・。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 12

chance さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

【王道ファンタジー】ハーフエルフはエルフ差別、ハーフマンで

当時学生時代に「何でもいいから文庫を読め」指令が先生から出され、プラプラしてた時に見つけた角川文庫の「ロードス島戦記」がキッカケでした。
その後、スニーカー分離後も追いかけ、「イース」等ソレ系の文庫に目覚め、パソコン持ってもないのに「コンプティーク」を購入し、ロードスの元となった「ドラゴンランス」も読んだ人間が、ロードス島戦記OVAにハマらいでか。
ただ正直な所、文庫のドラゴンランスシリーズの方が好きだったり・・・

ちなみに私的にはこの作品が初めて「ツンデレ」を認識した作品ですが、当時「ツンはいらんだろツンは」と思ってました。いったんですね。
ドラゴンランスを日本風タッチの絵にしてアニメ化して欲しいものです。ひゅーん、どかん。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 2

60.1 3 冒険で戦いなアニメランキング3位
ボトムズファインダー(OVA)

2011年4月7日
★★★★☆ 3.6 (24)
105人が棚に入れました
 遥かに深い崖の底にある世界“ボトムズ”。そこに、崖の上にあるという世界“トプ”へと想いを馳せる少年が居た。少年の名はアキ・テスノ。持ち前のAt(アルトロ)操縦技術からタンブラー(曲芸師)と呼ばれている。その彼に突然トプから、ディアハルトという男によってボトムズの地に誘拐された少女を助けて欲しい、との依頼が舞い込んでくる。二つ返事で引き受けるアキ。相棒のエイビィと“島”と呼ばれる廃墟へ向かい、ディアハルトのAtと対峙する。そして無事に少女の救出に成功!―――と思いきや、事態は予想外の方向へと!?
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