内戦で漫画原作なおすすめアニメランキング 6

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの内戦で漫画原作な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月27日の時点で一番の内戦で漫画原作なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

86.1 1 内戦で漫画原作なアニメランキング1位
進撃の巨人 Season3(TVアニメ動画)

2018年夏アニメ
★★★★☆ 4.0 (803)
4048人が棚に入れました
百年の長きに渡り人類と外の世界を隔ててきた壁。その壁の向こうには見たことのない世界が広がっているという。炎の水、氷の大地、砂の雪原……。本の中に書かれた言葉は、少年の探究心をかき立てるものばかりだった。やがて時が過ぎ、壁が巨人によって壊された現在、人類は一歩ずつ世界の真実へと近づこうとしている。巨人の正体は何なのか? 何故、壁の中に巨人が埋まっていたのか? 巨人化したエレン・イェーガーが持つ「座標」の力とは? そして、ヒストリア・レイスはこの世界の何を知るのか? エレンら104期兵を加え、新たな体制となったリヴァイ班。行動を開始した彼らの前に、最強最悪の敵が立ち塞がる。

声優・キャラクター
梶裕貴、石川由依、井上麻里奈、下野紘、小林ゆう、三上枝織、藤田咲、細谷佳正、橋詰知久、谷山紀章、嶋村侑、津田健次郎、朴璐美、小野大輔、神谷浩史、子安武人
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

リヴァイよ、今夜もありがとう

2018.10.17記


原作既読。


初見時TV版1期2期を観てません。3期放送に先立ち下記劇場版のTV放送をおさえた上で参戦しました。

・劇場版 前編〜紅蓮の弓矢〜 / 後編〜自由の翼〜
・劇場版 Season2〜覚醒の咆哮〜


そうですね。いつしか観ようTV版!(※注:その後視聴済)


そしてTV版のおさらい~wikiより~

・第1期:全25話 + OAD5話
・第2期:全12話

第3期は分割2クールのようでいったん1クールめ12話分のレビューとなります(2018年10月時点)。物語の表現上は“第38話~49話”の扱いとのこと。
放送局は天下のN○Kに移り、ほぼ全国同時放送となりました。人気作の続編として期待と不安入り混じる下馬評だったかと思います。


ぱっと見

 “内戦(仮)”


2期までに綴られたであろう巨人VS人類の構図が変わり、壁内の人間同士の争いに焦点を絞り物語が展開します。そしてこれまでの謎が次々と明かされていくことになり目が離せないです。
ニック司祭殺害に端を発し、{netabare}ウォール・マリア奪還作戦手前までと{/netabare}区切りのいいとこまでやって1クール終了です。
原作通りでもあるし、人間VS人間の萌芽は2期までに描かれていた(たぶん)ため驚きの展開というわけではなかったと思います。

冒頭述べたようにTV版未視聴なので、前期・前々期との比較はできませんが、市外戦闘の作画は凄まじかったと思います。
草原など奥行きのある背景でデカブツを相手にするよりも目まぐるしく絵が変わる市外戦は作品通じての見どころになりますね。

それと、全話通してリヴァイ兵長が出演します。録画した回を観る度に兵長の雄姿を拝めるのは眼福でした。さらにはリヴァイの生い立ち含めた過去話に踏み込むのでファン必須でしょう。


バトルもありながら政治重視の様相を呈する展開には、これまでと趣きが変わる分戸惑うかもしれませんが、原作がそうなのでほんとに好き好きということになるかと思います。
これまでOPを担当していたLinked HorizonからYOSHIKI&HYDE組にバトンタッチして、そこにN○K色を感じなくもない今日この頃ですが、結局のところOP画像のミカサの笑顔はいったいいつ拝めるのだろうと願いつつ、人間同士の抗争(正確には権力闘争)に突っ込んでいく3期前半パートとなりました。

{netabare}49話でミカサが「これが終わったらあの頃のように…」的なことをつぶやきます。ほんとそうですね。{/netabare}


2019年4月再開予定の放映も視聴予定のため、そちら含めて完走したらあらためてレビューも纏めたいと思います。いったん「観終わった」にしときます。



【閑話休題】藤井聡教授の見立て
今から7~8年前くらいだったでしょうか。氏のインタビュー映像かなんかで、氏の息子の薦めで漫画版を読んだ時の印象について言及があり、それがなかなか面白かったので紹介しておきます。
ちなみに私が原作を手に取ったのはこの藤井教授に触発されたのがきっかけ。。
※アニメ関係ないので畳みます

{netabare}曰く、この壁の中の人類ってまんま今の日本人のこと指してんじゃん、と。

『壁の中なら安全』壁は未来永劫自分たちを守ってくれると固く信じている
『壁の外は知りません』外界の動向をきちんとウォッチすることを放棄
『上記2つを破るものは制裁』現状維持しようしようと躍起になる勢力がある

こんな主旨だったかと思います。
上記3点はすなわち“欺瞞”ということで、いったん壁破られたらどうなん?を描いたのがアニメ1期ということになります。いましたね、昼から飲んだくれてる憲兵団が。そして既得権力として上記3つを堅持しようとする王政府(偽)が。そして壁破られて右往左往する人類が。

劇中では、外の世界に興味津々のアルミンと触発されたエレン。ならびに外を知らずして人類に未来無し!の調査兵団、という組み合わせでした。
外の世界を知り、その上でしっかりと準備し、外敵が来たら駆逐する、といった当たり前のことを作品を通じて訴えており、そこが琴線に触れたんじゃないか、との氏の見立てです。

だからヒットしたかどうかというのは違うと思いますがね。{/netabare}

{netabare}で、今回は内戦(仮)です。巨人には元々人類だったやつもいるよ、からの3期の展開です。
物語として、巨人VS人類から人間VS人間にシフトして戸惑う部分も多いかもしれない本作ですが、一般論として、外敵と対峙する際に内なる敵を抱えたままだとほぼ勝利を収めることは難しいのが世の常。
そんな事情があったかどうかは露ぞ知らぬところではあるものの、壁の中での争いに物語がシフトしたのはある意味当然なのかもしれません。{/netabare}



視聴時期:2018年7月~9月 地上波リアタイ

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2019.04.09追記

その後、TV版1期2期を視聴済。劇場版のみでもすんなり入れたのは事実なのですが、もう一度3期前半をおさらいしてみると、ライナーのくだりとかTV版を抑えておいたほうが良いように思えました。少しばかり後悔してます。

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2020.01.31
《配点を修正》+0.1



2018.10.17 初稿
2019.04.09 追記
2020.01.31 配点修正
2022.02.27 修正

投稿 : 2024/12/21
♥ : 64

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

選択できるから自由なのだ

進撃の巨人の3期。
あらすじはネタバレになるため、あにこれのものにおまかせします。

クオリティの高さにびっくり仰天した1期。
それ以来、安定のクオリティを保っています。


今回は、人間と巨人の直接的な戦いは控えめです。

壁内はどのような成り立ちなのか。
巨人とは何か。
そして渦巻く陰謀や策略。

人と人とのやり取りが多いです。
迫力のあるジェットコースターアクションアニメとして見ている人にとっては退屈でしょう。

逆に、世界観や謎に重きを置いている人にとっては、わくわくする内容だと思います。


この作品の優れている点は、話の繋がりの巧みさです。

常にふたつ以上のシナリオが並行して進行しています。
ひとつのシナリオが解決しても、話に空白ができることがありません。

A----------->B----------->C----------->D

という直列つなぎのストーリーではなく、

A--------+
       |
   B------+----+
   |        |
   |   C---------+----+
   |             |
D-----+--------------------+

というように、どこが解決しても、未解決な部分が残る構成になっています。

そのため、「いいところで切って話を繋ぐ」という、
俗にいう「クリフハンガー」に頼らずに話が展開できます。


気になったのは、キャラクターに役割を負わせすぎな点です。
モブだと思ってた登場人物が「実は○○だった」というパターンがあまりに多いです。

程よい量なら「ここまで考えていたのか!」となります。
しかし、量が量だけに「ちょっと偶然が重なりすぎじゃね?」と感じる部分もありました。


テーマは「選択」。
誰しもが選択を迫られ、正しいかどうかもわからないまま責任を負うことになります。
しかし、選択できるこその自由です。

「マブラヴオルタネイティヴ」というゲームがあります。
これは作者が強く影響を受けたと言っている作品です。
「Alternative」は「選択肢」「二者択一」はといった意味。
それが「選択」というテーマのヒントになったのかもしれません。

もしかしたら、多くの選択が話を作り上げるという意味で、
1本道に感じさせないような工夫をしているのかも。

ストーリーだけではなく、テーマをしっかり決めているのはとても良いと思います。



原作では文字情報が多くごちゃごちゃした印象がありました。
しかし、アニメでは内容がすんなり入ってきました。
原作どおりですが、見せ方がうまいのだと思います。

この先さらに複雑になりますが、続きのアニメ化にも期待が持てそうです。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 49
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

移民の歌

原作、諫山創。

進撃に寄せて雑記あれこれ。

初めて手にした原作に衝撃を受けて以来、
時代を象徴する作品との評価は揺るぎませんが、
私はここまで、2度挫けています。
そしてその度毎に、懺悔をすることになる。

1つ、{netabare}エレンが巨人化したこと。
これにより進撃が持つ至高性が失われた。
得体の知れない未知への恐怖、拒絶、違和感、
そして生理的な不快が、身内に巨人を創ることで、
希薄化されるだろう悪手であると感じ失望した。{/netabare}

2つ、この3期で描かれた政治劇。
この世界の真相に興味は尽きませんが、
戦闘の迫力・緊迫感ある描写は影を薄める。

しかし物語は最高の盛り上がりを見せ始める。

ヒストリア・リヴァイの過去と、
{netabare}フリッツ王政の打倒とレイス領地下礼拝堂。
オルブト区防衛戦から新体制へと。{/netabare}

無限とも思える悲劇の反復、喪失し続ける日常、
勇敢な死者に意味を与えるのは生きている者たちだ。
世界はまだ終わっていないのだから。

F・Jシャフナー監督の傑作映画、
幼き日に再放送で見たあの衝撃を思い出す。

進撃は新世紀の「猿の惑星」になった。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 52

79.4 2 内戦で漫画原作なアニメランキング2位
ゴールデンカムイ(第二期)(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (455)
2030人が棚に入れました
北の大地・北海道に渦巻く野心!!
アイヌから奪われた金塊を巡る生存競争サバイバル、新章突入ッッ!!

アイヌの埋蔵金を求めて旅を続ける、「不死身の杉元」の異名を持つ日露戦争の英雄・杉元佐一とアイヌの少女・アシリパ。
だが、埋蔵金の在り処を示した刺青を持つ24人の脱獄囚を追う中で、新たな事実が浮かび上がる。
埋蔵金を奪い、アシリパの父を殺した人物とされる「のっぺら坊」こそが、アシリパの父だというのだ。
事の真偽を確かめるには、網走監獄に収監中の彼に会うしかない。
「脱獄王」の白石由竹やキロランケを仲間に加えた二人の旅は、小樽から札幌、夕張へとその歩みを進めていく。

一方、彼らと埋蔵金の争奪戦を繰り広げる第七師団の鶴見中尉や新選組「鬼の副長」土方歳三の勢力も、それぞれの野望を胸に次なる行動に打って出る……。

明治時代後期、北の大地に勃発した一攫千金サバイバルは、さらに苛烈さを増していく!

声優・キャラクター
小林親弘、白石晴香、伊藤健太郎、大塚芳忠、中田譲治、津田健次郎、細谷佳正、乃村健次、菅生隆之、内田雄馬
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

さまざまな角度から表現される「純粋な生」の形

アニメーション製作:ジェノスタジオ、
監督:難波日登志、シリーズ構成:高木登、
キャラクターデザイン:大貫健一、
原作:野田サトル

あまりにも中途半端な終わり方だった1期目。
期待した2期は、いきなりグロテスクなネタからの始まり。
江戸貝弥作を観ていて頭に浮かんだのは、
アルフレッド・ヒッチコック監督の『サイコ』、
トビー・フーパー監督の『悪魔のいけにえ』、
ジョナサン・デミ監督の『羊たちの沈黙』という
ホラー・サスペンス映画だった。
この映画の共通点は、アメリカの有名殺人犯、
エド・ゲインをモデルにしていること。
江戸貝弥作の人物像は、明らかにエド・ゲインそのままと言っていい。
私としては、アンソニー・パーキンスの不気味な演技や、
チェーンソーを振り回すレザーフェイスを想起しただけに
少し拍子抜けしてしまったが、衝撃的といえる回だった。

このことに気づいて色々調べてみると、
ゴールデンカムイの登場人物の多くは、
実在の人物をモデルにしていることを今更ながら知った。
舩坂弘軍曹は分かるが、家永カノの殺人ホテルや尾形百之助、
白石由竹まで参考にしている人物がいたことには驚いた。
荒唐無稽なようで、かなり現実に即した設定になっている。

2期の見どころは、網走刑務所でのシーンになるが、
個人的に好きだったのは、谷垣源次郎と尾形百之助の過去の話だった。
谷垣は1期で東北マタギをやめて、軍隊に入ったことが明かされるが、
その理由について語られることはなかった。
それが明らかになる18話では、アイヌの終活についての話から始まる。
アシリパの祖母が死装束を作っているという。
アイヌでは若い者に送ってもらわないと死後の世界に行けないと
考えられている。だから自分の子供のいない人でも、子供を必死で育てる。
谷垣はアシㇼパの祖母に食べさせてもらった恩から、
自分も子供のひとりで、アシㇼパを無事に村へ帰すことが
役目だと思っている。
谷垣は自分の役目をずっと探していたのだった。
そのときに、過去にあったことを思い出す。

東北マタギだった谷垣にとって、狩猟は命懸けの仕事。
想定外のことが起こったときのために、
非常用携行食のカネモチを持参するのが常だった。
カネモチは米粉に水を加え、味噌か塩を混ぜて捏ね、
葉で包んでいろりの火で蒸し焼きにする。
谷垣は自分用として、クルミを混ぜたものを作っていた。
そんな作り方は邪道なのだが、谷垣のこだわりの一品だった。
{netabare} このカネモチを小道具にした、谷垣と妹の夫、賢吉に対する
憎しみと赦しの物語は見ごたえがあった。
賢吉は自分の役目のために命を懸けて行動した。
その姿を見た谷垣は、自分の生まれた役目について、
誰かのために生きることを考え続けている。

谷垣と対照的なのが尾形だ。
妾の子供だった尾形は幼少時に母親が苦しみながら
生きてきたさまを間近で見続けてきた。
夫に家に帰って来て欲しいと願い、毎日あんこう鍋を作る。
そんな母が嫌だった尾形は、銃で鳥を撃つようになる。
鳥鍋を勧めても母はあんこう鍋ばかりを作り続けるのだった。
やがて尾形は、心を失った殺人者になっていく。 {/netabare}

この物語を観ていると、どれだけ心が歪んでいても
「純粋な生」の形を見せられているような気になる。
過去がしっかり描かれ、ひとりの人間の形が
浮かび上がってくるのがいい。
明治初期の時代背景からすると、このような生き方は、
それほど特別なものではなかったのかもしれないとまで思えてしまう。
アシㇼパの父が娘に対して望んでいたことも明らかになり、
さまざまな人々の想いが交錯していく。

アイヌの金塊の行方。
登場人物たちは何を悟り、何を選び取っていくのか。
原作ファンからは評判が芳しくないようだが、
アニメだけを観てきた者からすると、
1期と2期でとても上手くまとめられていたと思う。
網走刑務所まで描いてくれたことで、物語は一区切りついた。
今後は原作を追っていくつもりだ。
(2019年1月8日初投稿)

投稿 : 2024/12/21
♥ : 76
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

濃ゆい男祭りにさらにキワモノ共を投下

2018.12.30記


原作未読 1期視聴済


2018年春クールのベスト。私にとって『ゴールデンカムイ1期』をこのように位置づけてます。
冒険、グロ、エロ、メシ、歴史、アイヌの文化、サバイバル、狩猟、奇怪な登場人物たち、、、成分豊富な幕の内弁当みたいな良作でした。

1期終了時に3か月後開始の2期の案内があったこと。2期第1話分を第13話と表記していること、実質の分割2クールになりますので、1期第1話“ウェンカムイ”からの視聴は必須になるかと思います。

2期は1期の面白さをそのままに、周囲のキャラにも目を向けた仕様です。新キャラの登場もあり、この作品だからこそ受け入れられるようなキワモノ2トップ、江渡貝くん、鯉登少尉あたりが活躍します。殺人ホテルの主人家永はちゃっかり準レギュラーに収まってますね。総じてキャラクターは豪華絢爛、キャラ立ちもしてるので名前を忘れることもなさそうです。
やや“狩猟”成分が減ってても、それでもグルメは健在。1期では敵対していたあの人この人と食卓を囲むシーンもあったり、相変わらずの面白さを維持してます。1期終了時に定まった目標、

「目指せ!網走監獄」

のっぺら坊はアシリパさんの父親なのか?金塊に群がる男連中のこれまた男臭い物語は続きます。季節は春夏に移り、冬の厳しい北海道でのサバイバルはいったん休止。OPも新芽が芽吹く春夏Verへ。
キワモノ2トップに笑って、シリアスなキャラ回{netabare}(谷垣、尾形){/netabare}に震えて、網走への珍道中は退屈知らずです。谷垣は胸ボタンバァーンの擬似ケンシロウではありませんでしたね。1期最終盤登場のインカラマッも2期で活躍します。
キャラに引っ張られる部分もありましたが、1期で感じた“似非ヒューマニズムを廃した生命のリアリズム”が健在だったことはなによりでした。

“相変わらず面白い”

むしろギャグはより変態的に、シリアスはより人の内面の深掘りに向かって、それでなお相も変わらずバランスが取れている満足の2期でした。
尻切れトンボ感のあった1期最終話と比較しても一段落ついた時点での終幕は好感です。


杉元が干し柿を食める日々が果たして到来するのか?
もう後戻りできない修羅の道に入って抜けられないのか?

当然3期ありますよね?
引き続き期待して待つことにします。



以下余談
■ポーランド人×樺太アイヌ
ポーランドはロシアに蹂躙されてた時期が長く、ちょうどこの時代も政治犯やらの名目で極東に多くのポーランド人が送られていた時期。抵抗の歴史はワルシャワに行くと肌で感じることができます。ショパンの「革命のエチュード」もロシアにやられてた時期に曲にしたものですね。
{netabare}迫害を受けたポーランド人の息子にあたるのが、アシりパの父ウィルクである。娘をレジスタンスのリーダーにという思いは出自を考えれば。国が無くなる経験が血肉に染みついてる者の行動としては理解できる。{/netabare}

■ロシア内のパルチザン
ロクでもない輩と思ってよし。ゴールデンカムイで展開されている年代(明治40年頃?)から10年くらいした後、尼港(ロシア領ニコライフスク)で日本人入植者を虐殺した尼港事件が起こります。
「大正9年5月24日午後12時を忘れるな」
元は帝政ロシア時代の政治犯だったり凶悪犯が母体の連中。国内を掌握しきれていないレーニンが帝政ロシアの残党を掃討することを目的に釈放し武器を与えたならず者集団です。
{netabare}ゴールデンカムイは今後舞台を樺太に移してパルチザンとの連携を示唆していますが、発生から100年を迎えんとするこの時期、日本人は尼港事件を忘れてはいけないんだろうと思います。{/netabare}



視聴時期:2018年10月~12月 リアタイ視聴

-----

2018.12.30 初稿
2020.12.04 修正
2021.10,16 修正

投稿 : 2024/12/21
♥ : 65
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

After the Gold Rush

ジェノスタジオ制作。

アイヌの金塊を巡る一攫千金サバイバルも、
敵見方、登場人物が複雑に絡み合い、
生存競争も苛烈になってきました。

冒険・グルメ・戦闘、そしてアイヌ文化と、
少々ギャグ寄りの演出も多くなってきましたが、
相変わらず引き込まれる序盤の印象です。

明治後期の北海道を転々としながら、
{netabare}のっぺら坊、刺青人皮の行方、
物語は大きな核心へと向かっていきます。{/netabare}

絵柄で避けていると勿体ない、
優れたストーリーテリングを持つ、
近年を代表するサスペンスフルな娯楽活劇。
大きな視点で見ると面白いですよ。

最終話視聴追記。
声優陣の演技とキャスティングを評価したい。
特に鶴見中尉と谷垣は完璧だと思います。

{netabare}アイヌ民族の誇りを後世に伝える、
未来を託された少女は海を渡り樺太へと。
暗躍するパルチザンの革命は何処へ向かうのか!?
杉元、アシリパの活躍に期待したい。{/netabare}

どうか偉大な文化が後世まで伝わりますよう。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 62

81.0 3 内戦で漫画原作なアニメランキング3位
AKIRA アキラ(アニメ映画)

1988年7月16日
★★★★☆ 4.0 (1095)
5198人が棚に入れました
1988年7月、関東地区に新型爆弾が使用され、第三次世界大戦が勃発した。そして31年―東京湾上に構築されたメガロポリス=ネオ東京は、翌年にオリンピック開催を控え、かつての繁栄を取り戻しつつあった。2019年のある夜、ネオ東京郊外の閉鎖された高速道路に侵入するバイクの一団があった。健康優良不良少年、金田をリ一ダーとする職業訓練高校の生徒達だ。一団は無人のはずの路上で掌に26と記す奇妙な小男と遭遇、先頭を行く島鉄雄は転倒、負傷する。この26号=タカシは、アーミーと対立するゲリラが求める軍事機密=アキラとまちがわれ、軍事基地にあるラボ(研究所)から連れ出され、アーミーに追われていたのだ。あっけにとられる金田達の眼前に突如軍用ヘリが下降、26号と同じようなしわだらけの子供27号=マサルの乗るカプセルと大佐が降りて来て、26号と倒れた鉄雄をへリに収容し、飛び去った。

声優・キャラクター
岩田光央、佐々木望、小山茉美、石田太郎、玄田哲章、鈴木瑞穂、中村龍彦、伊藤福恵、神藤一弘

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

賞味期限切れもいいところのキモ・グロ作品

2015年にあったらしいイベントのバナーがまだ表示されてるので一言。

あのね、こんな北朝鮮が喜びそうな変な内容のアニメを有難がることないんだよ?
君たちは、もっと自分自身の目と頭を信じた方が良いと思うぞ。

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※以下、以前のレビュー

あにこれのTOP PAGEで宣伝されている作品で、バンチャの見放題アニメにも入っているので視聴してみました。

何だ?!これは?!

キモ・・・そしてグロ・・・趣味悪い・・・

はい、端的に言ってこんな感想でした。
要するに、日本はダメな国なんだ・・・と言いたかったんですかね?
このアニメの制作者は??

作画的にもストーリー面でも、今さら見る価値ゼロの作品だと思います(断言)

投稿 : 2024/12/21
♥ : 45
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

放熱、スピン、衝動

生涯最高得点はこれで決まり。

圧倒的画力で表現されたセルアニメ。
緻密に描かれた摩天楼や廃墟、
モブキャラまで動く凝りに凝った映像、
序盤のバイクシーン、暴徒化した群衆、
そのままアニメ史に残る圧巻のシーンだ。

大友克洋監督が敬愛する、
アメリカンニューシネマと、
サイバーパンクのハイブリッドな映像。

人工物と瓦礫で溢れたネオ東京、
翌年にオリンピック開催を控えている。
{netabare}暴力とドラッグが少年少女を蝕む、
アニメが触れなかった悲しい現実である。{/netabare}
希望もない少年たちの抵抗、放熱、衝動、
生命とは創造的活動として飛躍するものだ。
これはそんな少年たちの物語でしょう。

都市型の宗教、崩壊のカタルシス、
{netabare}途方もない力に翻弄され臨界点が迫る。
巨大な廃墟の緊張は頂点に達し瓦解し、
アキラを巡る壮大な物語は幕を閉じる。{/netabare}

どこまでも色褪せないSFアニメの金字塔。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 67

ひげ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

漫画は漫画 アニメはアニメ 両方原作であってる。

日本アニメを世界に知らしめた伝説の作品。世にビックスクーターブームを巻き起こした元凶でもある。
当時大人気連載中だった大友克洋のサイバーパンクのアニメ版。
漫画版は手塚治虫があまりのセンス、うまさにキレて『俺にだってこれくらい描ける!!』といいはなち、賞の審査員をやめたほど。大友さんの類まれな才能と手塚氏の老いても持ち続ける飽くなき探究心を表した有名なエピソード。

当時の資料、絵コンテもちろんコピーを持っているがコンテ、タイムシート等全部原作者の大友氏本人が書いています。
大友克洋監督の肩書きは伊達ではありません。

漫画終了のはるか前にアニメ映画化されたので漫画と差違が非常にありますが話がまとまっていて終止アクションしている映画版のほうが個人的に好き。
なんといっても有名な冒頭のバイクシーン。
ものすごい滑らかなアニメーション。
流れるテールライトの演出は印象的。
『欲しけりゃお前もでかいのぶんどりな』
『やっとモーターのコイルが暖まってきたとこだぜ』
など名言のオンパレード。
漫画と違い最後まであの赤い愛車に乗っているのも好きです。
たいしたことないけど演出で活躍するキーアイテムなんです。
漫画は1巻あたりで壊されて、だいぶたってから2代目がでるんでしたっけ・・

非常にバイオレンス、グロテスクなのでダメな方は視聴をやめましょう。
映像的な意味でセルアニメーション最高傑作といえばこの作品しかないです。
少し前までは一般教養的な作品でしたが・・。
一応知っておかないとに外人さんに知らないの?っていわれちゃいますぜ。
それくらい世界規模の名作。ぶっちゃけ作品単体の人気はジブリの比ではないかもしれん。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 14

68.3 4 内戦で漫画原作なアニメランキング4位
魔法少女特殊戦あすか(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (229)
935人が棚に入れました
21世紀。人類は遂に他の知的生命体との接触を果たす。しかし、その出会いは幸福なものではなかった。地冥界より侵攻する化け物は、現用兵器の多くを無効化し、人類の運命は風前の灯火と思われた。だが同じく地冥界に苦しめられていた、精霊環境条約機構の助けにより、人類は起死回生の一手を手にする。魔法少女である。強大な魔力を手にした少女たちは、心身に多くの傷を負いながらも、人類を勝利に導き、ついに大戦を終結させる。しかし、それさえも、新たな戦いの始まりに過ぎなかった。国際犯罪、無差別テロ、内戦、紛争……。魔法少女の戦いは終わらない――

声優・キャラクター
洲崎綾、関根明良、松井恵理子、竹達彩奈、高橋李依、橋本ちなみ、M・A・O、日笠陽子、乃村健次、菊池こころ

nozzynozzy さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

エロ、グロ、拷問シーンの詰め合わせ

モブキャラ以外、ほぼ女性ばかり出てくるのに、とにかくお色気シーンと、グログロ描写、生理的嫌悪感満載の拷問シーンの詰め合わせになってました。なので男性受けは良いかもしれませんが、女性には見せるだけで一発でセクハラ認定されそうなぐらい過激な描写だらけでした。また、ストーリーは、恐らく原作が続いてるからか、話がアニメだけだと少々支離滅裂な印象です。音楽は普通ぐらいですが、絵は良くないです。実際主人公の魔法少女に至っては目だけ異様にデカいという絵の印象しかありません。ただ、メインや敵の魔法少女らのキャラやら生い立ちの設定が、闇だらけでだいぶ濃いので、頭のおかしい女性が沢山でてくるのが好きな向きにはおすすめできる作品と思います。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 4

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

まさに魔法少女特殊戦。ただし、グロ注意!

原作未読。最終話まで視聴。

「魔法少女」はともかく、何故「特殊戦」なんだろう?って思いながら視聴開始。
魔法戦アリ、武器戦闘アリ、肉弾戦アリとまさに何でもありのまさに「特殊戦」でした。

彼女たち魔法少女が各国の軍隊の特殊部隊に属しているとか、こういう設定は大好きですね。
魔法少女たちが各々、心に傷を持っているという設定も好印象。

かなりグロイ演出もありまが、最後まで面白く視聴出来ました。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 27
ネタバレ

Takaさん さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

魔法少女=物理?

放送前に過剰にCM打っていた割には…
注目キャラは主人公のあすかではなく、
くるみ一択!

11話~12話
{netabare}
バベル旅団の団長って、声優変えているけど、
元リーダーのフランシーヌなのかな?

俺たちの戦いはこれからだ!エンドだけど、
マジカル・ファイブより、凄い素材が的な対象って、
メガネの方かな?

2期はないだろうから、分からずじまいだけど…
{/netabare}

10話
{netabare}
全体的に薄っぺらい。

魔法少女なんだし、魔法使って欲しいな…
みんな、兵器とかね。

中華な魔法少女は出るのかな?
OPだけ出て終わりとかはないよね?
{/netabare}

9話
{netabare}
タマラと精霊界の将軍もガチ勢とは、
もはや魔法少女ではなく、百合モノではないか…
{/netabare}

8話
{netabare}
ストロングゼロとヨルムンガンドのヨナ、風評被害回。

魔法少女というより、殺戮者だよね、このアニメの魔法少女。

くるみは、ガチ勢+拷問担当だったのも闇が深すぎる…
{/netabare}

7話
{netabare}
あすか、仲間が死ぬことにトラウマがある模様。

ロシアのマジカル・ファイブとは、
次回、遭遇でもするのかな?
{/netabare}

6話
{netabare}
焼き鳥が粘土みたいな形だったり、
万策尽きてきたのかな?

この回は、くるみガチ勢さんが面白かっただけに、
作画頑張ってーと…

一方、テロリスト vs ミア・サイラスで、
マジカル・ファイブしか知らない合言葉が鏡に書かれてたけど、
EDとか見る限り、みんな仲間になりそうだから、
やはり死亡したとされている6人の内の誰かが首謀者なのかな?
{/netabare}

5話
{netabare}
敵が女王様と呼んでいるのが、
元魔法少女で死亡した6人の内の1人の様な気がしてきた。

牧野の記憶は1週間分消されたけど、
あすかが欝になっていくのかな?

しかし、魔法少女というよりは、魔法が少ないような…
{/netabare}

4話
{netabare}
グロ注意、拷問回

牧野の左腕が…欝展開まっしぐら?
{/netabare}

3話
{netabare}
くるみの闇が深い…

3人目の魔法少女が冒頭に出てきたけど、
次回合流するのかな?

個人的には、牧野が捕まっり、拷問→死亡で、
欝展開はいやだなーと。
{/netabare}

2話
{netabare}
あすか最低だなー
くるみをマジカル・ファイブに誘っておいて一抜けとは…

くるみも、あすかと再開後、
同じ高校に転校してくるとは中々濃いキャラというか闇が深そう。

悪い魔法少女と言っていた「女王」は、マジカル・ファイブの
誰かなのか、先代もしくは、9人だった頃の残りの4人の誰か?
{/netabare}

1話
{netabare}
冒頭5分ぐらいで、第一部完!!

そこから、3年後…2期が始まる。
そして、1話で、俺たちの戦いはこれからだ!終わり。

魔法少女9人いて、冒頭で姿も見せず4人アウトとか、
そもそも、攻撃に魔法使っていない気も…
説明不足な気がする。
{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 7

63.9 5 内戦で漫画原作なアニメランキング5位
かつて神だった獣たちへ(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.1 (237)
841人が棚に入れました
パトリア大陸に生まれた民主主義国家【パトリア】。経済的不一致から【北部パトリアユニオン】と【南部パトリア連合】に分裂したこの国では、長きに渡る内戦が続いていた。劣勢に追い込まれた北部は、南部打倒のため、遂に禁忌の技術を用いてしまう。人間を異形の兵士へと造りかえるその術は、人の姿と引き換えに、神にも喩えられる力を得るというもの。その力により長き戦乱は、和平へと導かれる事となった。【擬神兵】、それは【神】と称えられた救国の英雄。時は経ち、戦争が過去へと移り変わる今。人の姿と引き換えに【擬神兵】となった者たちは、その過ぎたる力故、人々からただ【獣】と称ばれ、恐れ蔑まれる存在へと変わっていた。元擬神兵部隊の隊長・【ハンク】は、【獣】に身を堕としたかつての戦友でもある【擬神兵】を殺す者【獣狩り】として旅を続けていた。擬神兵だった父の仇を探す少女【シャール】はハンクと出会い、父の死の意味を知る為、共に旅することを決意する。やがて知る、戦い続けなければならない本当の理由。そしてハンクが探す【獣を解き放った男】の存在。仲間殺しの罪を一身に背負い続けていく【ハンク】の旅路の行き着く先とは?

声優・キャラクター
小西克幸、加隈亜衣、中村悠一、石川界人、日笠陽子、能登麻美子、市ノ瀬加那、坂本真綾
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

かつて期待した視聴者たちへ

かつて神(とまで称えられ尊敬を受けた兵士)だった 獣(となり下がった者)たちへ


適性ある者が施術を受けて一騎当千の人間兵器化し戦場を駆け抜けるも、戦争が終わったら用済みになったという悲しいお話。
彼ら人間兵器は擬神兵(ぎしんへい)と呼ばれその隊を率いていたハンク・ヘンリエット(CV小西克幸)が主人公。ハンクと行動を共にする少女シャール(CV加隈亜衣)の二人が主要人物となる物語。あらすじは省略。例によって原作は未読です。

全般恋愛要素は薄めで、もっぱら焦点は


 “戦中戦後で評価が逆転した者たちの悲哀”


これにつきます。タイトルから期待する展開はそれ以外考えづらいのです。

神を模した擬神兵との設定は独特。ガーゴイル・ウェアウルフ・セイレーンその他馴染みの神々たち。
{netabare}力を行使し続けた結果としての副作用。人間としての理性を失くしてしまうことで、{/netabare}彼らが邪魔者扱いとなっていく過程は哀しみの色を帯びてます。
下手に視聴者に媚びてないので、題材に興味を持ったら手を出して良いかもしれません。よくある帰還兵PTSDものの範疇かも。


で結論ですが、面白くありませんでした。あっさーいのです。


OPはまふまふさんの「サクリファイス」。
Aメロかっこいい! 
Bメロ盛り上がって来たぞ! 
サビ・・・ん?
ボーカルは音に負けてね?
一聴してカッコいい感じなのですがなんか違う。ネタばらしは簡単。サビのメロディがギターのメロディラインと被ってほぼ一緒。そのためメリハリがなく両者が喧嘩しているかのような曲です。
私の見立ては一点。ギターのフレーズ作りサボったなこいつ、です。メインのメロディいい感じで出来たのをどう活かすかの観点が希薄でした。

なんでこのネタ出したかおわかりですね。
面白い設定を肉付ける周辺要素が脆弱ということで作品そのものを表わしていると思ったからです。


■私の嗜好の観点でイマイチなポイント

兵器の取扱いが雑だと私の場合削がれます。不真面目な軍事描写は心象を悪くする重大要素なのです。
ただしこれは個人的な嗜好によるものなので気にならない方はスルーできるものになります。

{netabare}1.制御不能な兵器は作りません。ここ否定すると物語が成立しないので悩ましいところです。
2.戦後はしっかり管理しなさいよ。無責任です。テロリストの手に渡ったらどうするんですか?
3.遺族恩給など国はもう少し優しくしなさいよ。国のために尽くしたんですよ?
4.おなじく功労者への掌返しで殺処分をイージーに決断って為政者ひどくない?
5.(最終話)“腐食の毒霧”。これ統率の外道。戦時国際法違反なんて生温いファンタジー兵器だろう{/netabare}

本作品の意図するところは、用済み兵器となった者達の悲哀です。ならばその軍事的な背景が嘘くさいと一気に没入感が削がれてしまうのです。


■むべなるかなでイマイチなポイント

・バトル作画:動かない
・神々の戦い方が基本力任せのワンパターン
 {netabare}唯一セイレーンがユニークだったが敵対しなかったしなんだかなぁ。{/netabare}



題材に興味持ったら・・・
なんだかんだ最後まで観れました。たぶん理由は下記3点。

・ケイン(CV中村悠一)の目的ってなんだろう?が気になる。
・姉御肌ライザ少尉(CV日笠陽子)が魅力的。。。いろんな意味で。
・死にゆく擬神兵がそうはいっても同情してしまう。



※ラスト

{netabare}2期を見越した?俺たたエンドで終幕

続編で化ける可能性もなくはない。エレインやケイン側女子2名も気になるところだったりするのです。{/netabare}


真っ向から否定するには忍びない、という中の中な作品。
この期は中の中な作品が多かった印象。手前(春期)とその手前(冬期)は中の下な作品が多かったことを考えれば良しとすべきかもしれません。



視聴時期:2019年7月~9月 リアタイ視聴

-------
2020.04.03追記

“制御不能な兵器は作りません”。コロナウィルス生物兵器説に疑念を持つ理由がこれ。仮に事実でしたら覇権を握らせちゃダメ。いずれにせよコロナ禍が落ち着いたら世界はこの国の解体に向かうでしょう。5年後くらいをお楽しみに。


2019.09.17 初稿
2020.04.03 追記

投稿 : 2024/12/21
♥ : 47

nil さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

最後まで見ないと面白さがわからない

追記 [最後まで観ての]

1話目のつかみはいいです。

2話 ~ 5話はほぼ同じ単調な内容の繰り返しで飽きます


これは微妙かなと思っていた矢先6話が節目となって
7話以降でようやく物語として成立してきたと感じ、最後まで飽きることなく観られました。

このアニメはちょっと工夫が必要というか、人によっては面白くないと思うかもしれませんが、
視聴者が登場人物一人ひとりの視点に立って考えながら観てみると結構面白いです。
特に後半は"正義とは、"ということを頭に据えておくと色々思うところがありました。

総じて作品自体が特段秀逸というわけではありませんが、深読みするとこれを通して考えさせられることが結構あるなといった感じです。

ただ最終話の終わらせ方にはかなり無理がありました。ここを急ぐぐらいだったら、2~5話を詰められただろうにと少し残念。

2期はないのかな?
原作を読みたくなるほどではないですが、
それなりに続きは気になりますね。



_______________________________________

[こちらは3話時点での感想です]

タイトルに'神'というワードが含まれていますが
異世界モノではないです

ここでいう神というのは人間の
人体実験によって創りだされた
戦争のための生物兵器のことです

彼らのおかげで戦争では常に優位に
なっていたのですが
終戦目前というところでまさか
信頼していたはずの仲間に裏切られるとは

死んだかと思われた主人公は強靭な生命力で
2ヶ月後に目を覚ますが
とっくに戦争は終わっていました

兵器として用済みになった'神'たちは
人体実験の副作用により
理性を失うことになるのですが...

気になった方はアニメでどうぞ

作画やサウンドトラックの雰囲気は
今期だとヴィンランド・サガ
有名な作品で進撃の巨人とかを
イメージするとよいと思います。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 7
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

観終わった

1話感想{netabare}
「今期のフェアリーゴン枠?」と思ったらこっちは原作があって初出はフェアリーゴーンよりも前なんだそうな。
じゃあこっちが元ネタ?…といっても何処かで見た感じがする作品ではあるけど。
フェアリーゴンは第一印象を「あすかっぽい」と感じたのだけど、こっちはあすかっぽさは感じない。
変わりに感じたのは…“ガングレイヴ”?
あれの1クール目を1話に詰め込んだ印象、今後ガングレの2クール目みたいな展開になる?

ってか評判悪いのかな?
その気持ちも分かるんだけど、こう考えりゃいいんじゃね?ってことで…批判じゃないです。
バンバン喜んで人殺しは、そりゃ戦争ですもん「オレは××戦線で敵兵○○人殺してやったぜガハハ」と酒の席で自慢話するような世界なんじゃない?
擬神兵投入される前の無駄な兵力の損耗→指揮権違ったっぽいのは語られてたハズ、その大将がロクでなしな描写も。ひょっとしたらその大将は擬神兵は信用してなかったのかも?
擬神兵の存在そのものが脅威・威嚇になる→だから最後首都攻め入る前に終戦迎えた(多分)んじゃないかな。
話がポンポン進みすぎて、擬神兵なるものがあの世界でどう印象持たれてたか・またその印象がどう変化したかの説明が浅いので仕方ないんだけどね。
そこら辺は今後掘り下げてくれ…たらいいなぁ。
ああ、あと英雄が晩年悲惨な目に遭うのは神話の頃からある、これは「英雄の方が支持率得て為政者から煙たがられる」のが根底にあると思うのだけど、まぁよくある。
ということで上記の部分は自分は「あんまり」気にならない、フォロー描写は欲しいけど。

でもって「これは擁護しきれん」(ウラがあってタネ明かししてくれるならそれでいい)ってのでは、技術流出は、ないのん?
擬神兵そのものが捕虜…ってか鹵獲されて研究されちゃうことは無いのん?
擬神兵は本当にあの部隊だけ?エレイン博士以外に研究者ナシ?
エレイン何者だよ…特殊な儀式が行える古代人の末裔?
敵側が「こりゃ敵わん」と思ったら次に狙うのは博士だと思うのだが、前線に出しちゃって良いの?拉致されたらどうすんの?
ひょっとして、擬神兵化する材料なり儀式行う場所なりが北軍側の領地内にあって動かせない存在だったり?
その場所には他にも研究者が居たりして??
無理心中図ったのは機密保持のための口封じだったりして。
…。
擬神兵を作り出す方法(同時に解除のヒントもあるかも?)を記した「黒の妖精書」を巡る話に展開したら爆笑。

まぁツッコミというよりは妄想ですね、そこら辺明かしてく展開になってくれたいいなぁという。
単に順番にかつての同胞を殺してくだけで、「なんて悲しいんだー」を推すだけだったら、ちょっと…う~ん。
ってかその可能性高そうで評判悪いんだろうね。
げ、原作は読まないぞ。{/netabare}

2話感想{netabare}
ちょwこれギャグアニメだったのかww
戦争行った父ちゃんがドラゴンになって戻ってきて…子供たち受け入れはええw
御伽噺的な…日本昔話的なノリで、リアリティとは真逆を行ってて(1話のノリと違いすぎて)笑っちゃったw
「父のカタキー」で追い回すのかと思ったら「理由知りたいから同行する」だって。
そりゃまぁよくある展開ではあるんだけど、話進むのが早くて説明が足りてないというか、薄っぺらい。
「そういう展開にしたいのでそういうことにした」が丸見えというか…いやでもどうなんだろう。
そこまで話を急いで、この先どうしても見せたいエピソードがあるってことだろうか?

それにしても、あのドラゴン埋葬するの大変だったろうなぁ。{/netabare}

3話感想{netabare}
普段からコート着込んでるから寒冷な気候なのかと思ったら寝る時半裸になっててワケワカランw
案外暖かいの?
でもって戦争終わってから何年経ったんだっけ?
罠かかったらそのまんまもアレだけど、白骨化って…。
砦はずっと拡張し続けてたみたいだから、中心に進むほど亡骸は古いものになってくとかいう演出は欲しかったかも。
あと、ハンクが昏睡中の二ヶ月の間に何があったのか元同僚に尋ねないのね、もうそれは知ってるってことなんだろうか。
それも含め擬神兵が世間からどう認識されてるのか不明でイマイチ入り込めないでいたのだけど(いかんせん悪い噂立ってそうだよね)、次回そこら辺やってくれるのかな?
作画の影響もあるんだろうけど、今んとこ「導けオシエちゃん」の無いキリングバイツ。{/netabare}

4話感想{netabare}
あれ?前回の最後、擬神兵狩りの隊が結成されて「出陣じゃー」みたいな感じで終わったんじゃなかったっけ?一応吸血鬼?も出たけどさ。
今回それの続きかと思ったら関係の無い話に。
そして最後でやっと吸血鬼の方が出て…こ、今度こそちゃんと次回で拾ってくれるんだよね?
「3話感想」でも書いた様に、隊長が昏睡状態の時にナニが起きたのか──他の方も突っ込んでるけど拘束・秘匿されないの?実験動物にされないの?監視居ないの?等──そういった問題に対し何か取り引きをしたので現状のような「お天道様の下そのままの姿で手ぶらで故郷へ帰る」が実現したと思うのだけど、それが分からんことにはどうにもこの作品世界に入っていけない。
鉄道会社の人も、立場上インフラを死守するのは当然のことで、あんまり悪い人の様に描写されるのはちょっと…報連相を怠ったハンクの方が悪くないか?アレ。{/netabare}

6話までの感想{netabare}
5話は口うるさい風紀委員長の話。
それよりも6話ですわ。
「あれー?この展開最近どこかで見たような…」と思ったらアレだ、“ブラッククローバー”だ。
あっちもラスボス的ポジがそれまで信奉して従ってた配下に対し「今までよく働いてくれた、だがもう用済みだ」と始末しにかかる(実際殺すまでは至ってないけど)展開を先週やったばっかりで。
そんな珍しい展開でもないので被るのはまだしも、1週間以内に同じネタとは…しかもブラクロは以前“賢者の孫”とも同じ週にネタ被りしたことがあって「え、また!?」とビックリ。
自分そんなアニメ見てないけど放送されてるアニメ全部見てたらこういうことって結構あるのかね?(更にドラマや特撮見てたら尚更)、クールの変わり目ならまだしもさ。

ということで、ケインは恐らく「和平に不満を持つ富豪達」をスポンサーにしてたけど、もう用済みだとして粛清してくださいました。
これは政府(和平推進派)からしたら願ったり叶ったりだったりして。
ひょっとしてコレを狙ってワザとギシン兵に自由が与えられてたってことは…ないかな?
ようやくギシン兵討伐軍が登場したけど、あんまり「国を挙げて」って感じがしない。
ここはもうちょっとハンクとは別ベクトルの、人の身のままギシン兵を狩るためのエキスパートっぽさを見せて欲しかった。

というか、ハンクとクロードにはこれといった因縁は無いよね?
今後明かされる??
それとシャールを心配するライザのタイミングがおかしいような…。{/netabare}

7話感想{netabare}
原作読んでないぞ?すっとぼけてるワケではないぞ?
2話のドラゴンの死骸はどうやって埋葬したんだろう→地元の住民が埋めたん“だろう”→あら大変ねぇ
ってことで2話感想で書いたワケだけど、えっ?軍が埋葬したの!?
特別な説明描写が無いのなら、軍が関わってるのなら死体は研究用に持ち帰る“だろう”と思うのが普通の判断じゃない?
あっるえ?ギシン兵研究は完全に破棄されたってこと?そんなことある?
南北和平調停の時にそれが条件だったとか?
なーんかね、「国の偉い人がそんな判断する?」ってのがずーっと引っかかってるワケで、ひょっとしたらウラがあるのかも?ってことで見てるワケだけど、なんかずっと違和感が果てしない。
クロードが大統領の息子ってことで、もしかしたらその線で「国の偉い人の思惑」に踏み込んでくれるのかも知れないが、いい加減そこら辺出てきてくれないと違和感が不快感になるのも遠くない。{/netabare}

9話までの感想{netabare}
8話、歌を聴いて欲しいのに途中で眠られてしまって、それに怒って顔にラクガキをする話…ウッソデース。
てかよう、ほんとによう、戦後ギシン兵は監視付けずに放逐したのか、それは確定でいいのか。
9話、う~ん、「人間とバケモノとの間で揺れ動く気持ち」みたいなのを書きたいのは分かるんだど、前期の“どろろ”や同期の“BEM”に比べると弱いというか、感情移入しづらい。
何度も何度も書いてて多分総評でも書くハメになりそうだけど、世界観が釈然としない。
そしてハンクはいつの間にか「手から血が、血が落ちねぇンだよおお」って精神状態に。
ん?「自分がいつ正気を失うか分からない不安に慄く」と「手にかけた人の亡霊に悩まされる」は別じゃね?
自分が正気を失くした時に殺した人間の亡霊に悩まされるのなら分かるけど…あれ?{/netabare}

11話までの感想{netabare}
ヤバイ!意味が分からないw
11話冒頭クロードがハンクを拷問にかけてギシン兵の詳細を吐かせようとしたが…えええ、そんな情報は終戦直後、「放逐」する前に取ってあるんじゃないのか!?
終戦後に新たにギシン兵が生み出されてるって設定ならまだしも、今ん所処刑した連中どいつもこいつも戦争中の思い出話してるじゃん。
終戦時にギシン兵が逃げ出したって設定ならまだしも、1話見る限り軍がわざわざ故郷へ送迎してやってるじゃん、送迎前に調書取らなかったの?
あっれー?
ハンクを責め立てた所で、今更何を聞くんだ?と不思議で仕方ない。{/netabare}

最終回感想・総評(上の各話感想と重複した文もあるのでこれだけ見れば良いかも){netabare}
うわぁ、最終回でやっちゃったなぁ。
2話の頃かからずっと戦後のギシン兵に対する政府・社会の扱いが不可解で、そのせいでこの作品世界に入り込むことが困難でした。
ギシン兵は拘束・秘匿されないの?実験動物にされないの?監視居ないの?等。
エレイン博士の予測が正しいのかも不明だし、他にギシン兵の研究者が居なさそうなのも不思議。
戦争終結&第一人者の博士死亡でギシン兵の研究が凍結って、ある?
要は1話でハンクが撃たれて昏睡してる間に、政府間で「ギシン兵はこれこれこういう処遇とする」という取り決めを“どの様に決定したら、作中のような状況が実現するだろう?”の部分が見えてこない、推察もできない。
それで、何かウラがあるのかも?後で明かされるかも?と見続けた訳だけど、最終回で見事悪い方に予感が当たってしまいました。
「腐食の毒霧」の登場…ギシン兵由来の毒をギシン兵ではなく普通の人間でも使えるようにした兵器なのだけど、「そういうモノを研究するために戦後ギシン兵に自由が与えられることは無いんじゃないの?」という“突っ込み(違和感)”を強化する展開に…ナニソレー!?
総評だし目立つようにもう一回書いておこう。

最終回「腐食の毒霧」の件により、「そういうモノを研究するために戦後ギシン兵に自由が与えられることは無いんじゃないの?」という初期の頃から抱いてた違和感が強化される展開に

「ねぇ、これおかしくない?」と尋ねたら「ああそうだとも!」と殴り返された気分w
だったらもう「戦後実験動物扱いされてたギシン兵が自由を求めて政府と戦う話」ではダメだったのか。
「ケインの暗躍で一旦は自由を得たけど、その肉体を研究したがってる継戦派やテロリストに狙われる話」ではダメだったのか。
「実は南側に死亡扱いとして北に返還してないギシン兵の捕虜が居る」ではダメだったのか。

恐らく「人間同士の戦争」と「バケモノに改造された兵士の悲哀」を描きたかったんだろうけど、組み合わせが悪かったのか混ぜ方を誤ったのか…とにかくバランスが悪い。
または「同胞のモンスター同士の哀しい殺し合いの絵」が先にあってそこから肉付けしたのかも知れないけど、それだったらもっと作画コンテ演出を頑張ってくれないと…う~ん。
ハンク自体が政府公認なのか追われる身なのか、もうそこから分からないし。
そもそも目的が最初から「ウラがあるのかも?」と疑って見てたため、○○は納得できない××は共感できる、みたいなことすら起きない。
また「肉体はどうであれ魂は人間だ」というテーマだと仮定すると、同期にやってる“BEM”や“グランベルム”より何歩も劣るかと。
それと無駄なお色気シーンが意味不明。
オチというか引きについても、単に「なんかありそう」と濁しただけで、別に続編を作る予定は無いんじゃないかな。
というか、もし続きがあったとしても上記の違和感の部分を解消できる納得のいく展開は期待できそうにない気が…。

ただ収穫?としては変な話だけど、自分は“ヴァイオレットエヴァーガーデン”(TV版、映画は見てない)は批判的な意見だったけど、これ見たら「エヴァガって随分マシだったんだなぁ」と考え直すことに。
あっちも終戦直後が舞台で主役が戦時中は生体兵器みたいな扱いで、時には自分が殺めた人の亡霊に悩まされる等、似てるかどうかは置いといて共通してる部分は結構多いかと。
(義手のテクノロジーが禁忌で、それのケリをつけるために同じサイボーグ戦士と殺し合う展開にしたら“かつ神”になりそうじゃない?)
えええ、まさかこんな形で京アニ支援ってワケでも無かろう、いやぁ参ったねハハハ。

もう一つ収穫?としては、やっぱり似た感じの作品“フェアリーゴーン”の分割2クールのインターバル最中にこの作品が放送されました。
少なくともゴーンの1クール目はなかなかにアレな出来で、果たして2クール目をやって「かつ神よりマシ」となるか「かつ神より酷い」となるかは結構楽しみだったり。
そういう意味では楽しんでることになるのか?性格悪いけど。{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 15

74.8 6 内戦で漫画原作なアニメランキング6位
マスターキートン(TVアニメ動画)

1998年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (256)
1539人が棚に入れました
元SASのキートンがさまざまな難事件を鮮やかに解決していく推理サスペンス。原作=勝鹿北星、作画=浦沢直樹の人気同名マンガが原作。かつてイギリス陸軍特殊空挺部隊SASに所属していた平賀・キートン・太一は、現在は保険の調査員をしている。本当は考古学者をめざしており、考古学だけで食べていきたいのだが望みはかないそうにない。そんな太一は、保険の調査の仕事のほか、SASの要請や考古学の研究などで世界各地を飛び回り、数々のやっかいな事件に巻き込まれる。それらを太一はSASや考古学の研究で培った技術や知識、持ち前の機転で解決していく…。

声優・キャラクター
井上倫宏、桑島法子、永井一郎、菅原正志、辻親八、キートン山田
ネタバレ

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

一話完結の仕事人

普段は柔和で実は…「能ある鷹は爪を隠す」キートンさん。かっこよすぎです。
離婚して未練タラタラなくらいがバランス取れてていいんでしょうか。

携帯電話などなくポケベルもあったかどうかの時代。
今の時代だと「この日本人すご過ぎww」などとすぐSNSに乗っかっちゃって顔が割れてしまうんでしょうか。

台詞で必要なことは語ってくれるので、作業しながらの「ながら観」にも最適でした。
(かわいい女の子も出てこないので画面に目が釘付けにはならないしね)
かと言って、大切な締めの部分では言葉で多くを補い過ぎず…という大人な引きの良さもありました。
味わい深くもアッサリとした一話完結式なので、そこをもっと掘り下げて長く観たいのに物足りない‼、という感覚を残す話もありました。



〜好きだった話〜

{netabare}4話・爺さん回
この老いぼれ、実は…のパターンで、婆さん回もあった。

5話・屋根の下の巴里
「人はどんな時でも学べる」というストレートな勤勉メッセージ。

7話・チャーリー
幼馴染との邂逅。最後、どんな風に受け止めていたのか。
嫉妬とか尊敬とか、…?多くを語らないで、ママへの一言が印象に残る。

12話・御婦人たちの事件
イギリスが舞台だから、ミス・マープルみたいなおばあちゃんも登場。

13話・穏やかな死
テロリストの使用する爆弾を造り続けてきた男の、ある日の気づきとは。手に汗握るスリリングさと、チョコレートの甘さと。もっと早く気づけやと言いたい。

15話・長く暑い日
キートン vs 孟犬。もうちょっと続きどうなったのか(とくに、犬のその後!)観たかった。
若き日の覇気あるキートンお父さんが、かっこよい。

18話・フェイカーの誤算
「一流の仕事人は…」が口癖の詐欺師。なんかおかしい。キートンが対決するのと思いきや、「一流」のこだわりにより二転三転。
ちょっとうまいこと行き過ぎだけど、正直者がバカを見ない話でホッとする。

19話・空へ…
めんどくさい鬱屈少年の話。
「こんなにいい天気なのに学校なんてもったいない」と言えちゃう娘はいいなあ。
平賀家が息子でなく娘なのが、何となく家風が分かるような気がする。

20話・臆病者の島
爺さんかっこいい!回。動きのキレがね。

21話・アザミの紋章
歴史上の逸話から探る人物像。見てきたかのような、個人的記憶のような演出の切り替わり、とても見応えがあった。アニメ独自の演出なのか、原作からなのか知りたいところ。巻物が動く演出はアニメだからな、面白さかな。

22話・シャトー・ラジョンシュ1944
「だんなさまのお考えになる事は、だんなさまが生まれる前から、わかっております。」
忠誠心ですよ…おとっつぁん(誰)!!(T_T)
戦火の中で採りごろの実を採りに行くとか、ほんのちょっとだけ、その気持ち分かる…。たぶん私の中のソレはみみっちいけど

25話・砂漠のカーリマン
キートン賢くかっこよすぎ。
砂漠の過酷なサバイバル。
砂漠に行く前に原作もぜひ熟読しておきたいです。でも砂漠にとても行きたくないです。

26話・家族
かつての金メダリストが夢から目覚める…冒頭のシーンが絶妙に切ない。
26話、27話、28話は面白いけどちょっと似てるかな。ヨーロッパの内紛や分断を下敷きにしていて深みが感じられるぶん、え、深刻な内容なのにもう終わり?ってなる。

33話・背中の裏町
女の求める父の姿。あえて真実を突きつけないキートンはんに惚れてまうで…

34話・瑪瑙色の時間
大人の情けなさやふがいなさを見ている子供達。たぶん私も見られてる。
「俺はもう一度立ち上がろうと思う。自分を憐れんでいる時間なんか、ないんだ。」うむ。

…しかし「瑪瑙」のグリーンて結構、人工染色されてるような…

35話・五月の恋
婆さんかっこいい回。
ここだけミセス向け恋愛漫画みたいなムードだけども。キートンの娘さんステロタイプなお節介やきだけども。

38・39話・狩人の季節
キートンと上官の邂逅。器用貧乏なんだねキートンさん。
あー、見終わっちゃった…という寂しさが募ります。
もっと長く見せて欲しいと度々感じていたものが最後に2話連続になると?時の流れは余裕をもって感じますが、そんなに内容のボリュームアップはしないものですね。むしろこれまでの一話完結の簡潔な強さを感じました。まことに勝手な話ですが。 {/netabare}


原作は、原案やら原作者やらの表記について一悶着あったらしく、長らく再版されなかったらしいですね。
とても面白かったので読んでみたいです。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 38

ひげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

溢れる原作愛。音楽も最高。これぞオトナアニメ

超マニア人気作のアニメ化。原作もビデオも全巻もってても何度も見てしまう。
原作者とひと悶着あって最近まで漫画は買えなかった。
最近決着がつき愛蔵版?的な再販がはじまったのでぜひ。

お話としてはオムニバス形式。
元SAS、オックスフォード、卒?中退?なぞのままだった気がするが、の凄腕保険調査員、キートン山田(日英のハーフ)がその知能と技術をいかしさまざまな事件を解決しながら、ライフワークの考古学を極めんとする物語。
ガチンコで戦うパパ、サラリーマンの物語。
さまざまのお話があるのでカテゴリーはできない。

ついでにほかのサブキャラがメインの場合もある。
ちなみになぜマスターなのかはSASとしての技術が教官(マスター)クラスだから。
浦沢作品では正直パイナップルアーミーかこれしかない。

今となっては作画はお粗末かもしれませんが、当時はかなりのクオリティ。全盛期のマッドハウス製作。
150話くらいある原作すべてをアニメ化はさすがにできなかった。
しかし人気があったためか、相当な数の話をビデオ化の際にOVA化。後年、NHKで全話放送されました。
完全な大人向きです。ロマンに浸りたい方はぜひ。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 18

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

私の人生の必読書。パイナップルアーミーも見たい。

浦沢さんの作品といえば、私にとっては「パイナップルアーミー」と本作。王道エンタメなら「ヤワラ」だが、大人で他にない独自性ならこっちだろう。


冴えない保険の調査員、その実態は元SASの特殊部隊サバイバル教官にして、考古学者になることを夢見るロマンチスト。主人公のキートンのキャラに本作の内容は凝縮していると言っても過言ではない。


キートンは有能で多くの問題を解決に導くがスーパーマンではない。その舞台がしっかり現実のヨーロッパに元づいているように、彼も地に足がついた存在だ。だから、現実の複雑さ、やるせな、決して安易な解決や救いがない面も描く。しかし、同時に夢見る心の素晴らしさ、理想を安易に捨てない人間の矜持も描く。


人間に対しても世界に対しても、積極的な面も否定的な面も描く。これが真に大人な認識と余裕といってよかろう。「ヤワラ」と同じく原作の良さを見事に映像化しているマッドハウスさんの仕事ぶりの素晴らしさも言うまでもない。


マッドハウスさんは、わかりやすい個性や作家性を誇るスタジオではないが、誠実な仕事を淡々とこなす偉大な匠といっていい、もっと賞賛されるべき会社だろう。


オススメエピソードは14話
「心の壁」

原作ではそこまで印象的なエピソードじゃなかったが、アニメはクライマックスで涙が止まらなくなった…。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 29
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