内戦でシリアスなおすすめアニメランキング 6

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの内戦でシリアスな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年02月16日の時点で一番の内戦でシリアスなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

86.4 1 内戦でシリアスなアニメランキング1位
進撃の巨人 Season3(TVアニメ動画)

2018年夏アニメ
★★★★☆ 4.0 (804)
4071人が棚に入れました
百年の長きに渡り人類と外の世界を隔ててきた壁。その壁の向こうには見たことのない世界が広がっているという。炎の水、氷の大地、砂の雪原……。本の中に書かれた言葉は、少年の探究心をかき立てるものばかりだった。やがて時が過ぎ、壁が巨人によって壊された現在、人類は一歩ずつ世界の真実へと近づこうとしている。巨人の正体は何なのか? 何故、壁の中に巨人が埋まっていたのか? 巨人化したエレン・イェーガーが持つ「座標」の力とは? そして、ヒストリア・レイスはこの世界の何を知るのか? エレンら104期兵を加え、新たな体制となったリヴァイ班。行動を開始した彼らの前に、最強最悪の敵が立ち塞がる。

声優・キャラクター
梶裕貴、石川由依、井上麻里奈、下野紘、小林ゆう、三上枝織、藤田咲、細谷佳正、橋詰知久、谷山紀章、嶋村侑、津田健次郎、朴璐美、小野大輔、神谷浩史、子安武人
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

リヴァイよ、今夜もありがとう

2018.10.17記


原作既読。


初見時TV版1期2期を観てません。3期放送に先立ち下記劇場版のTV放送をおさえた上で参戦しました。

・劇場版 前編〜紅蓮の弓矢〜 / 後編〜自由の翼〜
・劇場版 Season2〜覚醒の咆哮〜


そうですね。いつしか観ようTV版!(※注:その後視聴済)


そしてTV版のおさらい~wikiより~

・第1期:全25話 + OAD5話
・第2期:全12話

第3期は分割2クールのようでいったん1クールめ12話分のレビューとなります(2018年10月時点)。物語の表現上は“第38話~49話”の扱いとのこと。
放送局は天下のN○Kに移り、ほぼ全国同時放送となりました。人気作の続編として期待と不安入り混じる下馬評だったかと思います。


ぱっと見

 “内戦(仮)”


2期までに綴られたであろう巨人VS人類の構図が変わり、壁内の人間同士の争いに焦点を絞り物語が展開します。そしてこれまでの謎が次々と明かされていくことになり目が離せないです。
ニック司祭殺害に端を発し、ネタバレレビューを読む区切りのいいとこまでやって1クール終了です。
原作通りでもあるし、人間VS人間の萌芽は2期までに描かれていた(たぶん)ため驚きの展開というわけではなかったと思います。

冒頭述べたようにTV版未視聴なので、前期・前々期との比較はできませんが、市外戦闘の作画は凄まじかったと思います。
草原など奥行きのある背景でデカブツを相手にするよりも目まぐるしく絵が変わる市外戦は作品通じての見どころになりますね。

それと、全話通してリヴァイ兵長が出演します。録画した回を観る度に兵長の雄姿を拝めるのは眼福でした。さらにはリヴァイの生い立ち含めた過去話に踏み込むのでファン必須でしょう。


バトルもありながら政治重視の様相を呈する展開には、これまでと趣きが変わる分戸惑うかもしれませんが、原作がそうなのでほんとに好き好きということになるかと思います。
これまでOPを担当していたLinked HorizonからYOSHIKI&HYDE組にバトンタッチして、そこにN○K色を感じなくもない今日この頃ですが、結局のところOP画像のミカサの笑顔はいったいいつ拝めるのだろうと願いつつ、人間同士の抗争(正確には権力闘争)に突っ込んでいく3期前半パートとなりました。

ネタバレレビューを読む


2019年4月再開予定の放映も視聴予定のため、そちら含めて完走したらあらためてレビューも纏めたいと思います。いったん「観終わった」にしときます。



【閑話休題】藤井聡教授の見立て
今から7~8年前くらいだったでしょうか。氏のインタビュー映像かなんかで、氏の息子の薦めで漫画版を読んだ時の印象について言及があり、それがなかなか面白かったので紹介しておきます。
ちなみに私が原作を手に取ったのはこの藤井教授に触発されたのがきっかけ。。
※アニメ関係ないので畳みます

ネタバレレビューを読む

ネタバレレビューを読む



視聴時期:2018年7月~9月 地上波リアタイ

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2019.04.09追記

その後、TV版1期2期を視聴済。劇場版のみでもすんなり入れたのは事実なのですが、もう一度3期前半をおさらいしてみると、ライナーのくだりとかTV版を抑えておいたほうが良いように思えました。少しばかり後悔してます。

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2020.01.31
《配点を修正》+0.1



2018.10.17 初稿
2019.04.09 追記
2020.01.31 配点修正
2022.02.27 修正

投稿 : 2025/02/15
♥ : 64

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

選択できるから自由なのだ

進撃の巨人の3期。
あらすじはネタバレになるため、あにこれのものにおまかせします。

クオリティの高さにびっくり仰天した1期。
それ以来、安定のクオリティを保っています。


今回は、人間と巨人の直接的な戦いは控えめです。

壁内はどのような成り立ちなのか。
巨人とは何か。
そして渦巻く陰謀や策略。

人と人とのやり取りが多いです。
迫力のあるジェットコースターアクションアニメとして見ている人にとっては退屈でしょう。

逆に、世界観や謎に重きを置いている人にとっては、わくわくする内容だと思います。


この作品の優れている点は、話の繋がりの巧みさです。

常にふたつ以上のシナリオが並行して進行しています。
ひとつのシナリオが解決しても、話に空白ができることがありません。

A----------->B----------->C----------->D

という直列つなぎのストーリーではなく、

A--------+
       |
   B------+----+
   |        |
   |   C---------+----+
   |             |
D-----+--------------------+

というように、どこが解決しても、未解決な部分が残る構成になっています。

そのため、「いいところで切って話を繋ぐ」という、
俗にいう「クリフハンガー」に頼らずに話が展開できます。


気になったのは、キャラクターに役割を負わせすぎな点です。
モブだと思ってた登場人物が「実は○○だった」というパターンがあまりに多いです。

程よい量なら「ここまで考えていたのか!」となります。
しかし、量が量だけに「ちょっと偶然が重なりすぎじゃね?」と感じる部分もありました。


テーマは「選択」。
誰しもが選択を迫られ、正しいかどうかもわからないまま責任を負うことになります。
しかし、選択できるこその自由です。

「マブラヴオルタネイティヴ」というゲームがあります。
これは作者が強く影響を受けたと言っている作品です。
「Alternative」は「選択肢」「二者択一」はといった意味。
それが「選択」というテーマのヒントになったのかもしれません。

もしかしたら、多くの選択が話を作り上げるという意味で、
1本道に感じさせないような工夫をしているのかも。

ストーリーだけではなく、テーマをしっかり決めているのはとても良いと思います。



原作では文字情報が多くごちゃごちゃした印象がありました。
しかし、アニメでは内容がすんなり入ってきました。
原作どおりですが、見せ方がうまいのだと思います。

この先さらに複雑になりますが、続きのアニメ化にも期待が持てそうです。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 49
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

移民の歌

原作、諫山創。

進撃に寄せて雑記あれこれ。

初めて手にした原作に衝撃を受けて以来、
時代を象徴する作品との評価は揺るぎませんが、
私はここまで、2度挫けています。
そしてその度毎に、懺悔をすることになる。

1つ、ネタバレレビューを読む

2つ、この3期で描かれた政治劇。
この世界の真相に興味は尽きませんが、
戦闘の迫力・緊迫感ある描写は影を薄める。

しかし物語は最高の盛り上がりを見せ始める。

ヒストリア・リヴァイの過去と、
ネタバレレビューを読む

無限とも思える悲劇の反復、喪失し続ける日常、
勇敢な死者に意味を与えるのは生きている者たちだ。
世界はまだ終わっていないのだから。

F・Jシャフナー監督の傑作映画、
幼き日に再放送で見たあの衝撃を思い出す。

進撃は新世紀の「猿の惑星」になった。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 52

79.4 2 内戦でシリアスなアニメランキング2位
ゴールデンカムイ(第二期)(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (456)
2038人が棚に入れました
北の大地・北海道に渦巻く野心!!
アイヌから奪われた金塊を巡る生存競争サバイバル、新章突入ッッ!!

アイヌの埋蔵金を求めて旅を続ける、「不死身の杉元」の異名を持つ日露戦争の英雄・杉元佐一とアイヌの少女・アシリパ。
だが、埋蔵金の在り処を示した刺青を持つ24人の脱獄囚を追う中で、新たな事実が浮かび上がる。
埋蔵金を奪い、アシリパの父を殺した人物とされる「のっぺら坊」こそが、アシリパの父だというのだ。
事の真偽を確かめるには、網走監獄に収監中の彼に会うしかない。
「脱獄王」の白石由竹やキロランケを仲間に加えた二人の旅は、小樽から札幌、夕張へとその歩みを進めていく。

一方、彼らと埋蔵金の争奪戦を繰り広げる第七師団の鶴見中尉や新選組「鬼の副長」土方歳三の勢力も、それぞれの野望を胸に次なる行動に打って出る……。

明治時代後期、北の大地に勃発した一攫千金サバイバルは、さらに苛烈さを増していく!

声優・キャラクター
小林親弘、白石晴香、伊藤健太郎、大塚芳忠、中田譲治、津田健次郎、細谷佳正、乃村健次、菅生隆之、内田雄馬
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

さまざまな角度から表現される「純粋な生」の形

アニメーション製作:ジェノスタジオ、
監督:難波日登志、シリーズ構成:高木登、
キャラクターデザイン:大貫健一、
原作:野田サトル

あまりにも中途半端な終わり方だった1期目。
期待した2期は、いきなりグロテスクなネタからの始まり。
江戸貝弥作を観ていて頭に浮かんだのは、
アルフレッド・ヒッチコック監督の『サイコ』、
トビー・フーパー監督の『悪魔のいけにえ』、
ジョナサン・デミ監督の『羊たちの沈黙』という
ホラー・サスペンス映画だった。
この映画の共通点は、アメリカの有名殺人犯、
エド・ゲインをモデルにしていること。
江戸貝弥作の人物像は、明らかにエド・ゲインそのままと言っていい。
私としては、アンソニー・パーキンスの不気味な演技や、
チェーンソーを振り回すレザーフェイスを想起しただけに
少し拍子抜けしてしまったが、衝撃的といえる回だった。

このことに気づいて色々調べてみると、
ゴールデンカムイの登場人物の多くは、
実在の人物をモデルにしていることを今更ながら知った。
舩坂弘軍曹は分かるが、家永カノの殺人ホテルや尾形百之助、
白石由竹まで参考にしている人物がいたことには驚いた。
荒唐無稽なようで、かなり現実に即した設定になっている。

2期の見どころは、網走刑務所でのシーンになるが、
個人的に好きだったのは、谷垣源次郎と尾形百之助の過去の話だった。
谷垣は1期で東北マタギをやめて、軍隊に入ったことが明かされるが、
その理由について語られることはなかった。
それが明らかになる18話では、アイヌの終活についての話から始まる。
アシリパの祖母が死装束を作っているという。
アイヌでは若い者に送ってもらわないと死後の世界に行けないと
考えられている。だから自分の子供のいない人でも、子供を必死で育てる。
谷垣はアシㇼパの祖母に食べさせてもらった恩から、
自分も子供のひとりで、アシㇼパを無事に村へ帰すことが
役目だと思っている。
谷垣は自分の役目をずっと探していたのだった。
そのときに、過去にあったことを思い出す。

東北マタギだった谷垣にとって、狩猟は命懸けの仕事。
想定外のことが起こったときのために、
非常用携行食のカネモチを持参するのが常だった。
カネモチは米粉に水を加え、味噌か塩を混ぜて捏ね、
葉で包んでいろりの火で蒸し焼きにする。
谷垣は自分用として、クルミを混ぜたものを作っていた。
そんな作り方は邪道なのだが、谷垣のこだわりの一品だった。
ネタバレレビューを読む

この物語を観ていると、どれだけ心が歪んでいても
「純粋な生」の形を見せられているような気になる。
過去がしっかり描かれ、ひとりの人間の形が
浮かび上がってくるのがいい。
明治初期の時代背景からすると、このような生き方は、
それほど特別なものではなかったのかもしれないとまで思えてしまう。
アシㇼパの父が娘に対して望んでいたことも明らかになり、
さまざまな人々の想いが交錯していく。

アイヌの金塊の行方。
登場人物たちは何を悟り、何を選び取っていくのか。
原作ファンからは評判が芳しくないようだが、
アニメだけを観てきた者からすると、
1期と2期でとても上手くまとめられていたと思う。
網走刑務所まで描いてくれたことで、物語は一区切りついた。
今後は原作を追っていくつもりだ。
(2019年1月8日初投稿)

投稿 : 2025/02/15
♥ : 76
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

濃ゆい男祭りにさらにキワモノ共を投下

2018.12.30記


原作未読 1期視聴済


2018年春クールのベスト。私にとって『ゴールデンカムイ1期』をこのように位置づけてます。
冒険、グロ、エロ、メシ、歴史、アイヌの文化、サバイバル、狩猟、奇怪な登場人物たち、、、成分豊富な幕の内弁当みたいな良作でした。

1期終了時に3か月後開始の2期の案内があったこと。2期第1話分を第13話と表記していること、実質の分割2クールになりますので、1期第1話“ウェンカムイ”からの視聴は必須になるかと思います。

2期は1期の面白さをそのままに、周囲のキャラにも目を向けた仕様です。新キャラの登場もあり、この作品だからこそ受け入れられるようなキワモノ2トップ、江渡貝くん、鯉登少尉あたりが活躍します。殺人ホテルの主人家永はちゃっかり準レギュラーに収まってますね。総じてキャラクターは豪華絢爛、キャラ立ちもしてるので名前を忘れることもなさそうです。
やや“狩猟”成分が減ってても、それでもグルメは健在。1期では敵対していたあの人この人と食卓を囲むシーンもあったり、相変わらずの面白さを維持してます。1期終了時に定まった目標、

「目指せ!網走監獄」

のっぺら坊はアシリパさんの父親なのか?金塊に群がる男連中のこれまた男臭い物語は続きます。季節は春夏に移り、冬の厳しい北海道でのサバイバルはいったん休止。OPも新芽が芽吹く春夏Verへ。
キワモノ2トップに笑って、シリアスなキャラ回ネタバレレビューを読むに震えて、網走への珍道中は退屈知らずです。谷垣は胸ボタンバァーンの擬似ケンシロウではありませんでしたね。1期最終盤登場のインカラマッも2期で活躍します。
キャラに引っ張られる部分もありましたが、1期で感じた“似非ヒューマニズムを廃した生命のリアリズム”が健在だったことはなによりでした。

“相変わらず面白い”

むしろギャグはより変態的に、シリアスはより人の内面の深掘りに向かって、それでなお相も変わらずバランスが取れている満足の2期でした。
尻切れトンボ感のあった1期最終話と比較しても一段落ついた時点での終幕は好感です。


杉元が干し柿を食める日々が果たして到来するのか?
もう後戻りできない修羅の道に入って抜けられないのか?

当然3期ありますよね?
引き続き期待して待つことにします。



以下余談
■ポーランド人×樺太アイヌ
ポーランドはロシアに蹂躙されてた時期が長く、ちょうどこの時代も政治犯やらの名目で極東に多くのポーランド人が送られていた時期。抵抗の歴史はワルシャワに行くと肌で感じることができます。ショパンの「革命のエチュード」もロシアにやられてた時期に曲にしたものですね。
ネタバレレビューを読む

■ロシア内のパルチザン
ロクでもない輩と思ってよし。ゴールデンカムイで展開されている年代(明治40年頃?)から10年くらいした後、尼港(ロシア領ニコライフスク)で日本人入植者を虐殺した尼港事件が起こります。
「大正9年5月24日午後12時を忘れるな」
元は帝政ロシア時代の政治犯だったり凶悪犯が母体の連中。国内を掌握しきれていないレーニンが帝政ロシアの残党を掃討することを目的に釈放し武器を与えたならず者集団です。
ネタバレレビューを読む



視聴時期:2018年10月~12月 リアタイ視聴

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2018.12.30 初稿
2020.12.04 修正
2021.10,16 修正

投稿 : 2025/02/15
♥ : 65
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

After the Gold Rush

ジェノスタジオ制作。

アイヌの金塊を巡る一攫千金サバイバルも、
敵見方、登場人物が複雑に絡み合い、
生存競争も苛烈になってきました。

冒険・グルメ・戦闘、そしてアイヌ文化と、
少々ギャグ寄りの演出も多くなってきましたが、
相変わらず引き込まれる序盤の印象です。

明治後期の北海道を転々としながら、
ネタバレレビューを読む

絵柄で避けていると勿体ない、
優れたストーリーテリングを持つ、
近年を代表するサスペンスフルな娯楽活劇。
大きな視点で見ると面白いですよ。

最終話視聴追記。
声優陣の演技とキャスティングを評価したい。
特に鶴見中尉と谷垣は完璧だと思います。

ネタバレレビューを読む

どうか偉大な文化が後世まで伝わりますよう。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 62

89.2 3 内戦でシリアスなアニメランキング3位
銀河英雄伝説(TVアニメ動画)

1990年春アニメ
★★★★★ 4.3 (949)
4073人が棚に入れました
西暦2801年を宇宙暦1年とした遥かな未来。宇宙に進出した人類は、専制政治を敷く銀河帝国と民主共和政を唱える自由惑星同盟の二大勢力に分かれ、 150年にもわたる断続的な戦争を続けていた。長く不毛な戦いが永遠に続くかに思われていた宇宙暦700年代末、両陣営に2人の英雄が出現する。銀河帝国の貧乏貴族の家に生まれたラインハルトは、姉を皇帝に奪われた事をキッカケとして、銀河帝国を奪い取る野望を胸に軍人となり、出世していく。 一方、敵国である自由惑星同盟にあって、不本意ながら軍人になってしまい、不本意にも関わらず功績を立て続けるヤン・ウェンリー。 一見正反対の彼ら2人の登場により、人類の歴史が大きく展開し始める
ネタバレ

ラスコーリニコフ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

銀英とあにこれとアニメ業界について

あにこれに参加して1ヶ月時点で書いたレビューを書き直しました。

この作品のレビューを書くのが目標だった。(2013/11)
ネタバレレビューを読む
アニメ視聴数が100未満、銀英を見た事が無い若い人に向けてのメッセージ的な。


あにこれの影響力とアニメ業界全体について
ネタバレレビューを読む
こちらはアニメ視聴数が100以上、投稿レビュー数もそれなりの人への話。
銀英の話を持ち出しているので、多少のネタバレを含みます。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 88
ネタバレ

yapix 塩麹塩美 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

週刊 銀河英雄伝説 復刊!第20号

復刊のご挨拶
 年の瀬も押し迫ってまいりましたが、如何お過ごしでしょうか。
 さて、皆様への御約束通りここに「週刊 銀河英雄伝説」の復刊を宣言いたします!(一週遅れてしまいましたが)
 まだ折り返しにも到達しておりませんが、今後もより一層気を引き締めて刊行を続けていく所存であります。
 今後とも何卒ご愛顧のほどをお願い申し上げまして、挨拶に代えさせて頂きます。
       平成27年12月20日 ヤピゴスティーニ代表 やっぴー


休刊のお詫びと挨拶
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創刊の挨拶
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 第一話「永遠の夜の中で」
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 第二話「アスターテ会戦」
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 第三話「第十三艦隊誕生」
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 第四話「帝国の残照」
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 第五話「カストロプ動乱」
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 第六話「薔薇の騎士」
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 第七話「イゼルローン攻略!」
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 第八話「冷徹なる義眼」
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 第九話「クロプシュトック事件」
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 第十話「ジェシカの戦い」
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 第十一話「女優退場」
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 第十二話「帝国領進攻」
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 第十三話「愁雨来たりなば・・・」
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 第十四話「辺境の解放」
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 第十五話「アムリッツァ星域会戦」
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 第十六話「新たなる潮流」
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 第十七話「嵐の前」
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 第十八話「リップシュタットの密約」
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 第十九話「ヤン艦隊出動」
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 第二十話「流血の宇宙」
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 第二十一話「ドーリア星域会戦、そして・・・」
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 第二十二話「勇気と忠誠」
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 第二十三話「黄金樹は倒れた」
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 第二十四話「誰がための勝利」
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 第二十五話「運命の前日」
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 第二十六話「さらば、遠き日」
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 第二十七話「初陣」
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 第二十八話「肖像」
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 第二十九話「細い一本の糸」
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 第三十話「失われたもの」
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 第三十一話「査問会」
 ネタバレレビューを読む
 
 第三十二話「武器なき戦い」
 ネタバレレビューを読む

 第三十三話「要塞 対 要塞」
 ネタバレレビューを読む

 第三十四話「帰還」
 ネタバレレビューを読む

 第三十五話「決意と野心と」
 ネタバレレビューを読む

 第三十六話「雷鳴」
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 第三十七話「幼帝誘拐」
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 第三十八話「矢は放たれた」
 ネタバレレビューを読む
 
 第三十九話「ひとつの旅立ち」
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 第四十話「ユリアンの旅・人類の旅」
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投稿 : 2025/02/15
♥ : 30

イシカワ(辻斬り) さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

徹底して高水準を突き詰めたアニメ

記載されているレビューに対する反論・論戦を行いたい人は、メッセージ欄やメールで送りつけるのではなく、正しいと思う主張を自らのレビューに記載する形で行ってもらいたい。したくない時、受諾しない時は以降の文章を読み進めないこと。受諾する方のみ文面を読んでもらいたい。参考になったと思うときのみ、参キューしてほしい。

長期間もののアニメは、作品の中身が真水であることは少なく、水増しが主であるが、銀河英雄伝説はすべて真水である。
それはTVアニメの見逃しによりストーリーがわからなくなり、結果的に重要な回を設けられないという問題点をすべてOVA作品にすることで解決しているからだ。
視聴していない回があるのならば、購入して観ればよい。拠って見逃すことによる混乱は回避された。
過去のネックとなっていた問題が消失したことにより、本編だけでも110話という壮大なストーリーを描ききることが可能となったのである。
今でこそ映像技術の差により粗さが見られるが、OVA作品による手抜きのない画像だけで構成されている。作画崩壊などありえない。
また、当時の著名な声優はほぼすべて登場するため、銀河声優伝説と評される時もある。
要約すると、非常に質の高いSF作品の原作、画質では豊富で潤沢な予算が取れるOVA作品、銀河声優伝説というほどの豪華な声優陣、音楽は重層なクラッシックと、
何一つとして低レベルの要素がない作りになっているのだ。

銀河英雄伝説には名言集ができるほどの名言が散りばめられている。
ネットでは個人的に挙げるものが多くあり、検索すれば簡単に閲覧できる。
その中でも、これから視聴する人に向けて、ヤン・ウェンリーとラインハルト・フォン・ローエングラム、
二人の名言の幾つかを紹介したい。


ユリアン、戦っている相手国の民衆なんてどうなってもいい、などという考えかただけはしないでくれ。国家というサングラスをかけて事象をながめると、視野がせまくなるし遠くも見えなくなる。できるだけ、敵味方にこだわらない考えかたをしてほしいんだ。

        ――――ヤン・ウェンリー――――

法にしたがうのは市民として当然のことだ。だが、国家が自らさだめた法に背いて個人の権利を侵そうとしたとき、それに盲従するのは市民としてはむしろ罪悪だ。なぜなら民主国家の市民には、国家の侵す犯罪や誤謬に対して異議を申したて、批判し、抵抗する権利と義務があるからだよ。

        ――――ヤン・ウェンリー――――

ユリアン、吾々は軍人だ。そして民主共和政体とは、しばしば銃口から生まれる。軍事力は民主政治を産み落としながら、その功績を誇ることは許されない。それは不公正なことではない。なぜなら民主主義とは力を持った者の自制にこそ神髄があるからだ。強者の自制を法律と機構によって制度化したのが民主主義なのだ。そして軍隊が自制しなければ、誰にも自制の必要などない。


        ――――ヤン・ウェンリー――――

人間の歴史に「絶対的な善と絶対的な悪の戦い」など存在しない。あるのは、主観的な善と主観的な善との争いであり、正義の信念と正義の信念の相克である。
一方的な侵略戦争の場合ですら、侵略する側は自分こそ正義だと信じているものだ。戦争が絶えないのはそれゆえである。人間が神と正義を信じているかぎり・・・戦争は無くなるはずがない。

        ――――ヤン・ウェンリー――――


政治の腐敗とは、政治家が賄賂をとることじゃない。それは個人の腐敗であるにすぎない。政治家が賄賂をとってもそれを批判することができない状態を、政治の腐敗というんだ。貴官たちは言論の統制を布告した、それだけでも、貴官たちが帝国の専制政治や同盟の現在の政治を非難する資格はなかったと思わないか

        ――――ヤン・ウェンリー――――

中尉……私は少し歴史を学んだ。それで知ったのだが,人間の社会には思想の潮流が二つあるんだ。命以上の価値が存在する、という説と、命に勝るものはない、という説とだ。
人は戦いを始めるとき前者を口実にし、戦いをやめるとき後者を理由にする。それを何百年、何千年も続けてきた……このさき、何千年もそうなんだろうか

        ――――ヤン・ウェンリー――――

戦う以上、犠牲が皆無と言う事はありえない。だが同時に、犠牲の増加に反比例して戦勝の効果は減少する。
 この双方の命題を両立させる点に用兵学の存在意義があるはずだ。
つまり最小の犠牲で最大の効果を、という事であり、冷酷な表現を用いれば、いかに効率よく味方を殺すか、という事になるだろうな・・・。

        ――――ヤン・ウェンリー――――


軍隊は暴力機関であり、暴力には二種類あるって事だ。
支配し抑圧するための暴力と、解放の手段の暴力だ。国家の軍隊というやつは、本質的に前者の組織なんだ。
残念な事だが、歴史がそれを証明している。権力者と市民が対立した時、軍隊が市民の味方をした例は非常に少ない。

        ――――ヤン・ウェンリー――――


敵の望む事を汲んで乗ってやる、そののち反転。油断した敵を撃破。敵の美点、長所を利用する。敵の思考パターンにそった行動を予測して、その方向にわざと動かしてやる。こちらが一次的に有利になったからといって喜んで動くと敵の策略にはまる。戦略を読め。予測内の思考をするのは凡人。予測を超える思考ができて名将だ。


        ――――ヤン・ウェンリー――――


信念とは、過ちや愚行を正当化するための化粧であるにすぎない。化粧が厚いほど、その下の顔は醜い。
信念のために人を殺すのは、金銭のために人を殺すより下等な事だ。なぜなら、金銭は万人に共通の価値を有するが、信念の価値は当人にしか通用しないからだ。

        ――――ヤン・ウェンリー――――

固い信念なんてもんは かえって信用おけんね。だいたい戦争なんてものは固い信念を持った者同士が起こすんだからね。
正義と信念こそ、この世で最も戦いを好むものだ。

        ――――ヤン・ウェンリー――――

さて、もうすぐ戦いが始まる。ろくでもない戦いだが、それだけに勝たなくては意味がない。
勝つための計算はしてあるから、無理をせず、気楽にやってくれ。かかっているものは、たかだか国家の存亡だ。個人の自由と権利に比べれば、たいした価値のあるものじゃない。それでは、みんな、そろそろ始めるとしようか!

        ――――ヤン・ウェンリー――――


国家が細胞分裂して個人になるのではなく、主体的な意志を持った個人が集まって国家を構成するものである以上、どちらが主でどちらが従であるか、民主主義社会にとっては自明の理でしょう。人間は国家がなくても生きられますが、人間なくして国家は存立しえません。

        ――――ヤン・ウェンリー――――


戦略および戦術の最上なるものは、敵を喜ばせながら罠にかけることだろうね。(中略)種をまいた後、ぐっすり眠って、起きてみたら巨大な豆の木が天にむかってそびえていた、というのが最高だな。 

        ――――ヤン・ウェンリー――――

簒奪(さんだつ)が世襲より悪いなどと、誰が定めたのか。それは既得権を守ろうとする支配者の自己正当化の論理にすぎないではないか。簒奪や武力叛乱による以外、権力独占を打破する方法がないのであれば、変革を志す者がその唯一の道を選ぶのは当然のことである。

       ――――ラインハルト・フォン・ローエングラム――――

奪ったにせよ、きずいたにせよ、最初の者は賞賛を受ける資格がある。それは当然だ。 
……だが、自分の実力や努力によることなく、単に相続によって権力や富や名誉を手に入れた者が、何を主張する権利を持っているというのだ? 奴らには、実力ある者に対して慈悲を乞う道が許されるだけだ。おとなしく歴史の波に消えていくことこそ、唯一の選択だ。血統による王朝などという存在自体がおぞましいと私は思う。権力は一代かぎりのもので、それは譲られるべきものではない、奪われるべきものだ。

       ――――ラインハルト・フォン・ローエングラム――――

運命? 俺は俺の長所によって成功し、自分の短所によって滅びるだろう。運命などに俺の人生を左右されてたまるか。全て、俺の器量の範囲内だ!

       ――――ラインハルト・フォン・ローエングラム――――

私は宇宙を盗みたいのではない、奪いたいのだ。

       ――――ラインハルト・フォン・ローエングラム――――

私に学ぼうと思うな。私の模倣は誰にもできぬ。

       ――――ラインハルト・フォン・ローエングラム――――

体制に対する民衆の信頼を得るには、ふたつのものがあればよい。公平な裁判と、同じく公平な税制度。ただそれだけだ。

       ――――ラインハルト・フォン・ローエングラム――――

ロイエンタール「勝利か死……ですか」 ラインハルト「違うな。勝利か死かではない 勝利か、より完全な勝利かだ」

       ――――ラインハルト・フォン・ローエングラム――――

最も強大で賢明な者が世を支配すればよい。政治体制はどうでもよい。

       ――――ラインハルト・フォン・ローエングラム――――

私は覇者たろうと志してきたし、それを実現するためにひとつの掟を自分自身に科してきた。つまり、自ら陣頭に立つことだ。
かつて戦って倒してきた能なしの大貴族どもと私が異なる点はそこにある。兵士たちが私を支持する理由もだ。
戦うにあたり、卿らにあらためて言っておこう。かつてのゴールデンバウム王朝の過去はいざ知らず、ローエングラム王朝あるかぎり、銀河帝国の軍隊は、皇帝が必ず陣頭に立つ!
ローエングラム王朝の皇帝は、兵士の背中に隠れて、安全な宮廷から戦いを指揮したりする事はせぬ!
卿らに誓約しよう、卑怯者がローエングラム王朝において、至尊の座を占めることは、決して無いと!

       ――――ラインハルト・フォン・ローエングラム――――


追記
レビューに記載された言論を規制したい人は、個人の意見を以てするのではなく、あにこれの法的論拠に基づいて規約に記載する必要がある。
運営諸氏に連絡し、説得し、規制を規約に付け加えてもらうこと。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 50

72.5 4 内戦でシリアスなアニメランキング4位
攻殻機動隊 SAC_2045(Webアニメ)

2020年4月1日
★★★★☆ 3.7 (146)
626人が棚に入れました
2045年。全ての国家を震撼させる経済災害「全世界同時デフォルト」の発生と、AIの爆発的な進化により、世界は計画的且つ持続可能な戦争“サスティナブル・ウォー"へと突入した。だが人々が、AIによる人類滅亡への危機を日常レベルで実感できるまでには衰退の進んでいない近未来――。内戦・紛争を渡り歩き、廃墟が横たわるアメリカ大陸西海岸において、傭兵部隊として腕を奮っている全身義体のサイボーグ・草薙素子とバトーたち元・公安9課のメンバー。電脳犯罪やテロに対する攻性の組織に所属し、卓越した電脳・戦闘スキルを誇っていた彼女らにとって、この時代はまさにこの世の春である。そんな草薙率いる部隊の前に、“ポスト・ヒューマン"と呼ばれる驚異的な知能と身体能力を持つ存在が突如として現れる。彼らは如何にして生まれ、その目的とは。大国間の謀略渦巻くなか、いま再び“攻殻機動隊"が組織される――。

声優・キャラクター
田中敦子、阪脩、大塚明夫、山寺宏一、仲野裕、大川透、小野塚貴志、山口太郎、玉川砂記子、潘めぐみ、津田健次郎、林原めぐみ

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

攻殻ブランドの凋落ぶりよ….。

攻殻といえば、言わずとしれた名作SF刑事アニメ!。特にテレビ版1期は、その知性と深みといい、大人な味わいと渋さといい、キャラの魅力にエンタメも備わった歴史的な傑作と言っても過言ではあるまい。


そんなブランド力溢れる作品だが、ソリッドソテイトを最後に神山監督の手を離れてから正直凋落していった感があった。アライズは沖方さんがやると聞いた時は歓喜したもんだなぁ…(遠い目)。しかし、ついに神山監督の手に戻って、お馴染みのメンバーで再アニメ化と聞いて、これは真打ち登場か!と期待せざるをえなかったが…。


ゆ、緩い…。色んな意味でゆるゆる…。ストーリー構成、新キャラ、各話の緊張感、全てが緩い…(藩さんは好きだが、このキャラは攻殻にはねぇだろ)。かつてのメンバーが揃ってるのはファンとしては嬉しいが、テレビ1期から色々進歩したはずなのに肝心の脚本や演出が緩いし温い…。


テーマは興味深い面があるえけど、それ以前になんだこのハリウッドアクション映画的な微妙なノリは…。キャラもなんか違う…。


これはかつてヒットを飛ばした漫画家が、その後に色々やったけどかつてのような成功はなくて、結局凄い久々にかつてのヒット作の続編とかをやってる感じ。この人の中にはもう彼等はいないんだなぁ…というガッカリ感。


まだ話は続くから最終結論ではないが、これなら1期の「タチコマの家出」を見直したほうが有意義。あっちのほうが15年近く前なのに、進んだ内容かつ見事な上手さがあった。攻殻1期のレビューは後で書きます。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 20
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

NO NOISE、NO LIFE

神山健治&荒牧伸志監督、
士郎正宗原作の傑作サイバーパンク。

2042年、米帝、中国など、
主要先進国はお互いに利益を享受する、
持続可能な戦争を模索していた。
世界はサスティナブルウォーと揶揄される、
産業としての戦争をスタートさせた。
経済行為としての戦争の始まり、
サスティナブル、現代を象徴する言葉である。

結論を先に言おう、強烈に面白い。

顔の表情などに違和感が残るも、
初回で慣れれば、むしろ身体の動きや、
背景・戦闘描写など情報量に圧倒される。
フラットに批評すれば悪くはない。

こうなると攻殻の独断場である。
SACシリーズは物語の強度が群を抜いている。
飛び交う攻殻言語に電脳が零れ落ちそうだ。

相対する相手が魅力的なのも変わらない。
ネタバレレビューを読む

ビッグブラザーの登場が待ち遠しい。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 45

えれ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

批判の前に。

レビューとは言えないかもしれないけど早めに書いときます。
CG批判、新キャラ批判だとか初心者向けだとか...
ちょっと待って欲しい。神山監督と荒牧監督のインタビューまず読みましたか?
CGは神山作品の適正だから、新キャラは若者に媚びたとでも思ってもらえばいい、未来予測というアプローチをやめようというのがあったetc...
皆さんの疑問には既にヒントが出てますよ。
CGはキャラこそ変ですが、ネット会議シーンなど複数人が集うシチュエーションで効果的だったと思いますよ。背景も悪く無かったです。4話辺りから夜の縁側がちらほら写りますが、SAC1話の時の夜の縁側と見比べてみてください。

SACの強みっていかに作品が高尚なのかばかり語られますけど、まず士郎正宗の原作から「面白く」作り上げた事も重要で、伝わる物を先ず作っているというプロの匙加減は妙だとは思いませんかね。そもそも攻殻という散々やってきたタイトルですしどこまで期待してたかにもよるとは思いますが。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 14

74.8 5 内戦でシリアスなアニメランキング5位
マスターキートン(TVアニメ動画)

1998年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (256)
1541人が棚に入れました
元SASのキートンがさまざまな難事件を鮮やかに解決していく推理サスペンス。原作=勝鹿北星、作画=浦沢直樹の人気同名マンガが原作。かつてイギリス陸軍特殊空挺部隊SASに所属していた平賀・キートン・太一は、現在は保険の調査員をしている。本当は考古学者をめざしており、考古学だけで食べていきたいのだが望みはかないそうにない。そんな太一は、保険の調査の仕事のほか、SASの要請や考古学の研究などで世界各地を飛び回り、数々のやっかいな事件に巻き込まれる。それらを太一はSASや考古学の研究で培った技術や知識、持ち前の機転で解決していく…。

声優・キャラクター
井上倫宏、桑島法子、永井一郎、菅原正志、辻親八、キートン山田
ネタバレ

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

一話完結の仕事人

普段は柔和で実は…「能ある鷹は爪を隠す」キートンさん。かっこよすぎです。
離婚して未練タラタラなくらいがバランス取れてていいんでしょうか。

携帯電話などなくポケベルもあったかどうかの時代。
今の時代だと「この日本人すご過ぎww」などとすぐSNSに乗っかっちゃって顔が割れてしまうんでしょうか。

台詞で必要なことは語ってくれるので、作業しながらの「ながら観」にも最適でした。
(かわいい女の子も出てこないので画面に目が釘付けにはならないしね)
かと言って、大切な締めの部分では言葉で多くを補い過ぎず…という大人な引きの良さもありました。
味わい深くもアッサリとした一話完結式なので、そこをもっと掘り下げて長く観たいのに物足りない‼、という感覚を残す話もありました。



〜好きだった話〜

ネタバレレビューを読む


原作は、原案やら原作者やらの表記について一悶着あったらしく、長らく再版されなかったらしいですね。
とても面白かったので読んでみたいです。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 38

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

私の人生の必読書。パイナップルアーミーも見たい。

浦沢さんの作品といえば、私にとっては「パイナップルアーミー」と本作。王道エンタメなら「ヤワラ」だが、大人で他にない独自性ならこっちだろう。


冴えない保険の調査員、その実態は元SASの特殊部隊サバイバル教官にして、考古学者になることを夢見るロマンチスト。主人公のキートンのキャラに本作の内容は凝縮していると言っても過言ではない。


キートンは有能で多くの問題を解決に導くがスーパーマンではない。その舞台がしっかり現実のヨーロッパに元づいているように、彼も地に足がついた存在だ。だから、現実の複雑さ、やるせな、決して安易な解決や救いがない面も描く。しかし、同時に夢見る心の素晴らしさ、理想を安易に捨てない人間の矜持も描く。


人間に対しても世界に対しても、積極的な面も否定的な面も描く。これが真に大人な認識と余裕といってよかろう。「ヤワラ」と同じく原作の良さを見事に映像化しているマッドハウスさんの仕事ぶりの素晴らしさも言うまでもない。


マッドハウスさんは、わかりやすい個性や作家性を誇るスタジオではないが、誠実な仕事を淡々とこなす偉大な匠といっていい、もっと賞賛されるべき会社だろう。


オススメエピソードは14話
「心の壁」

原作ではそこまで印象的なエピソードじゃなかったが、アニメはクライマックスで涙が止まらなくなった…。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 29

ひげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

溢れる原作愛。音楽も最高。これぞオトナアニメ

超マニア人気作のアニメ化。原作もビデオも全巻もってても何度も見てしまう。
原作者とひと悶着あって最近まで漫画は買えなかった。
最近決着がつき愛蔵版?的な再販がはじまったのでぜひ。

お話としてはオムニバス形式。
元SAS、オックスフォード、卒?中退?なぞのままだった気がするが、の凄腕保険調査員、キートン山田(日英のハーフ)がその知能と技術をいかしさまざまな事件を解決しながら、ライフワークの考古学を極めんとする物語。
ガチンコで戦うパパ、サラリーマンの物語。
さまざまのお話があるのでカテゴリーはできない。

ついでにほかのサブキャラがメインの場合もある。
ちなみになぜマスターなのかはSASとしての技術が教官(マスター)クラスだから。
浦沢作品では正直パイナップルアーミーかこれしかない。

今となっては作画はお粗末かもしれませんが、当時はかなりのクオリティ。全盛期のマッドハウス製作。
150話くらいある原作すべてをアニメ化はさすがにできなかった。
しかし人気があったためか、相当な数の話をビデオ化の際にOVA化。後年、NHKで全話放送されました。
完全な大人向きです。ロマンに浸りたい方はぜひ。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 18

60.1 6 内戦でシリアスなアニメランキング6位
FLAG[フラッグ](TVアニメ動画)

2006年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (73)
391人が棚に入れました
20XX年、アジアの小国で勃発した内戦は、国連軍の介入をもってしても拡大し、泥沼化していたが、戦地で偶然撮影された一枚の写真によって、和平への動きが一気に加速した。それはフラッグの写真―敵同士であるはずの兵士が戦闘中に互いに協力して聖地に旗を掲げる姿―だった。フラッグは平和の象徴となった。しかし停戦まであと一歩のところで、妨害を謀る武装勢力過激派にフラッグは奪われてしまった。国連は極秘裏にフラッグを奪還すべく、 SDC(Special Development Command)シーダックの投入を決め、さらにその活動の全てを記録するためカメラマンの帯同を命じた。この任務を依頼されたのは、白州冴子。彼女こそ、ことの発端であるフラッグの写真を撮った本人であった。
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

チベット問題が知れ渡った今となっては、高橋良輔・野崎透両氏にとって、《黒歴史》では?

『ガサラキ』(高橋良輔(監督)、野崎透(シリーズ構成・脚本))というリアル風ロボットアニメが、1998年制作という古い作品にも拘わらず凄く面白かったので、この両氏が手掛けたもう少し最近の作品である本作も視聴してみました。


◆制作スタッフ

原作:高橋良輔、TEAM FLAG
企画:竹内成和
総監督:高橋良輔
監督:寺田和男
シリーズ構成・脚本:野崎透


◆総評

本作は、2006年6月から2007年3月にかけてネット配信された全13話のWebアニメ作品で、その後CSやTOKYO MX、さらにNHK BSというテレビ媒体でも放送されたそうです。
作品内容としては、中央アジアの架空の国家ウディヤーナ(※どうみても現在、中華人民共和国の占領/統治下にあるチベット地域の文化・宗教・習俗・風物等をモチーフとしています)を舞台とする、ロボット兵器を装備した国連特命部隊とその専属カメラパーソンの活動記録となっています。
ところが、本作の完結(2007年3月)からちょうど一年後の2008年3月にチベット騒擾事件が発生し、同年8月に開催が予定されていた北京オリンピックに向けて、ギリシア(*1)から欧州→アメリカ大陸→日本→中国へと続く聖火リレーの沿道にチベット問題に抗議する人々が世界各地で次々と現れて、時に聖火リレーを妨害しながら抗議活動を続けたので、まず最初に欧米のマスメディアがその様子を大々的に報道し始めた。
そのため、それまで中国に不利なニュースはなるべく報道しないようにしてきた日本のマスコミも欧米メディアに追従して聖火リレーに伴うチベット問題への世界各地の抗議活動を取り上げざるを得なくなり、そして日本の聖火リレー時にも大規模な抗議活動が行われたことで、ようやく我が国でもチベット問題が幅広く周知されるようになりました。

(*1)ギリシアは古代オリンピック発祥の地であり、それを記念して近代オリンピックの聖火はまず最初に同国のオリンピアで採取され、次いで世界中の国々をリレー行進され、最後に開催国に運ばれる慣わしとなっています。

そういったチベット問題の経緯を知ってしまうと、本作って、一言でいえば、「確かにアニメ作品としては高水準かも知れないけど、この内容だと、いかにもダライ・ラマを悪の首魁であるかのようにdisってて、制作者は題材選びのセンスが悪過ぎるんじゃないの?」と思ってしまいました。
(※チベット問題に関連してその当時、中国側が大量に制作してネットにバラ撒いていたダライ・ラマを誹謗中傷するプロパガンダ動画を何となく連想する内容に見えてしまう。)

もはや今となっては、本作は高橋良輔氏や野崎透氏にとって、余りアニメファンに知られたくない《黒歴史》の作品になっているんじゃないですか?

チベット問題に関して言えば、フランスのTV局が制作した下記のドキュメンタリー動画を見た方が遥かに有益と思います(PART1-4まで合計1時間弱です。残念ながら英語ナレーションのみですが、映像・音声だけでも視聴する価値あり)
https://www.youtube.com/watch?v=eAUhB08QjGM
※PART1から見たい方はこちらから↓
https://www.youtube.com/watch?v=RlZX9LO0TRc


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

================= FLAG (2006年6月-2007年3月) =================
ネタバレレビューを読む
--------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)3、☆(並回)6、×(疑問回)4 ※個人評価 × 3.3


主題歌 「Lights」

投稿 : 2025/02/15
♥ : 17

ふもふも さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

リアリティある戦争もの

 リアリティある、微SF戦争もの。内戦中の小さな国が舞台です。カメラやモニターを通したシーンを多く使っているのが印象的。
 主人公は二人いて一人は従軍記者、もう一人はフリーのカメラマン。それぞれの交互の視点で物語が進んでいきます。なので「軍で動きがあったため、町の様子が変わり始めた」といったイベントを民と軍の両方の視点で見ることとなります。そのため情勢が刻々と変化していくその様子がしっかりと伝わってきます。
作画・シナリオ共に高レベルであり、一見の価値ありの良作。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 5

キャポックちゃん さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

戦争アニメの最高峰

 富野由悠季とともにリアルロボットものをリードしてきた高橋良輔(原作/総監督)の、到達点にして新たな出発点となる作品。Web配信という形で発表されたこともあって知名度は高くないが、戦争アニメの最高峰と言っても過褒ではない。多くの人に見てほしい傑作である。
 ここで取り上げられるのは、戦争の虚像と真実というテーマである。戦争の実態をゆがめた情報は、かつては主戦国政府が意図的に捏造したが、現在では、ジャーナリストが報道の名の下に垂れ流している。湾岸戦争の際、米軍はピンポイントで軍事拠点のみ破壊し、市街地を狙ったイラクのミサイル攻撃をパトリオットで迎撃したと報じられたが、戦後になって、ピンポイント攻撃できたのはごく一部にすぎず、パトリオットによる迎撃はほぼ全て失敗したことが明らかにされた。イラク戦争においては、バクダット陥落時に独裁政権崩壊を喜ぶ市民が広場に集まったとされるニュース映像が流されたものの、広場の全景を映した引きの映像がないことから、メディアリテラシーの持ち主は、バクダット市民が米軍侵攻を決して歓迎していないと気づいたはずである。
 『FLAG』の舞台となるのは、国連軍が介入したために内紛が泥沼化した中央アジアの架空の小国・ウディヤーナ(マンダラを用いた密教系の仏教が信仰されていてチベットを連想させるが、あくまで戦闘と宗教を並行して描くために設定された舞台であり、現実のチベット問題と絡めて解釈しない方が良いだろう)。そこに、同じ戦争を異なる立場から見つめる二人のジャーナリストが降り立つ。
 語り手となるカメラマン・赤城圭一は、フリーの立場で戦地に赴き、テロリスト殲滅という大義名分の陰で、国連軍による攻撃が市民に大きな被害を与えている実状を知る。一方、彼の後輩カメラマンである白州冴子は、国連軍の“御用”報道員として、2足歩行型ロボット兵器を擁するシーダック隊に同行、テロリストに奪取された平和の象徴である旗(FLAG)を国連が奪い返す過程を撮影する。このFLAG奪還作戦が、報道でしか戦況を知り得ない一般市民向けの茶番であることは、作品冒頭から示唆される。さらに、二人のジャーナリストの間には微妙な感情の行き違い(一方は恋心を抱いているようだが、他方はそうではない)が存在しており、これが全編に漂う重苦しい閉塞感を醸し出す。
 この作品で特徴的なのは、第三者的な視座が徹底的に排されている点。同じ戦争であるにもかかわらず、赤城と白州が目の当たりにするものは全く異なっており、赤城の体験は、ファインダーから見える光景と赤城自身のモノローグによって、白州の体験は、彼女が撮影した映像ないしモニターや通信の記録によって、それぞれ描き出される。短いカットの中に錯綜した無数の断片が提示され、まるでひび割れた合わせ鏡のようで、知的な面白さも味わえる。
 カメラやモニターなどの機械が切り取った断片的な情報を通じてストーリーが展開されるため、多くの戦争アニメで見られるような、非現実的な激しい動きやまばゆい光の明滅を用いた派手な演出--いわゆる子供だまし--はない。戦闘に参加する隊員も、訓練を受けた職業軍人らしく、感情を表に出さず冷静かつ的確に行動するだけである。しかし、彼らの抑揚を欠いた音声からは張りつめた緊張感が滲み出ており、状況を把握できるだけの想像力のある視聴者は、凄まじい迫力を感じられるはずだ。特に、第6話「闇の中の光」における迷宮のような要塞内部での攻防戦は、あまりの緊迫感に見ていて戻しそうになった。アニメで人が死ぬさまを描いても、所詮は単なる絵でしかないためリアリティが感じられない場合が多いが、『FLAG』では、殺戮シーンがモニター画面の抽象的な映像として描かれることで、かえって人を殺す生々しさがひしひしと伝わってくる。湾岸戦争の映像で実戦がゲームのように見える異常さを味わった人は、このアニメから「ゲームのような戦争」が隠し持つ生々しさを感じ取り、戦慄するだろう。
 予算が限られていたからか、画の動きは乏しい。しかし、この制限がある故に、演出家は何をどう動かすべきかを徹底的に考え抜いたようだ。手持ちカメラを思わせる画面の揺れやタイムラグのある焦点補正などを丹念に描いた結果、莫大な予算を投じた大作アニメよりも、奥行き方向の拡がりを感じさせる優れた作画が実現された。この作画を高く評価できない批評家は、アニメを見る目がないと断定したい。
 『FLAG』で最も含蓄があるのは、しばらく離れていた二人のジャーナリストが再会する場面だろう。民衆の側に立って戦争の実態を剔抉しようとする赤城は、国連軍の活動をテロ撲滅のための正義の戦いとして撮影する白州に対して、批判がましい言葉を連ねていた。しかし、だからと言って、赤城の方が戦争の真実を正しく把握していたとも思えない。何よりも、戦闘の現場に肉薄し、隊員の心情を深く感じ取っていたのは白州の方なのだから。再会の場面では、赤城がファインダーごしに白州を見るのと同じように、白州もまたファインダーごしに赤城を見ていた。この状況は、二人の立場のうち一方が優位なのではなく、互いに相対的であることを象徴する。
 アニメ『FLAG』は、曖昧ではないが多義的であり、単純な解釈を拒む。戦争の真実など存在するのか? あるのは、ただ無数の断片的な記録と、しばしば相互に矛盾する人々の記憶だけではないのか? --そんなことを考えさせる作品である。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 5
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