兄弟で復讐なおすすめアニメランキング 14

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの兄弟で復讐な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月10日の時点で一番の兄弟で復讐なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

86.0 1 兄弟で復讐なアニメランキング1位
青の祓魔師[エクソシスト](TVアニメ動画)

2011年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (2984)
16958人が棚に入れました
主人公・奥村燐は修道院で暮らす少年。同じ修道院に住み、有名高校へと進学する燐の双子の弟・雪男とは違い、就職先が見つからずにいた。修道院の神父である藤本に薦められ、料亭の就職面接に向かう途中、燐は奇妙な光景を目の当たりにする。

声優・キャラクター
岡本信彦、福山潤、花澤香菜、中井和哉、遊佐浩二、梶裕貴、喜多村英梨、佐藤利奈、置鮎龍太郎、柿原徹也、神谷浩史、藤原啓治
ネタバレ

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

息子が父親を超えていくということ

祓魔師としての知識と技術を磨く学園 祓魔塾を主な舞台に、
宗教や国を超えた悪魔祓いのバトルあり、
ある宿命を背負った兄弟愛や家族愛ありのダークファンタジー。
作画や設定はもちろんのこと、時々挿入されるコメディシーンも含め、
これぞ少年漫画!といった作品。

TV版の後半は完全なオリジナルストーリーということだったが、
25話あっても時間的に無理があり、せっかくの壮大な背景に
いろいろ欲張って詰め込みすぎた感があったのは残念。

しかし、原作を知らない方なら充分楽しめる内容ではあったと思う。

ゲーテの『ファウスト』に登場する誘惑の悪魔メフィスト・フェレスが
そのままの名前でこの作品の中に登場し、ゲーテの『ファウスト』からの一節を
口にしたりするのが個人的にはウケたけれども
あの言葉がいったい何を意味するのか、まったく説明されてないため
わかりにくいという印象を持った人も、もしかしたらいたかもしれない。

それでも、主人公である奥村兄弟を育てた修道院の神父 藤本 獅郎の、
息子たちへの愛情を描いたエピソードにはじわっときたし、
使い魔のクロやニーちゃん、ウコバクには和めた。

観終えて数年経っている今、この作品を思い返してみると、
{netabare} 奥村兄弟の実の父である悪魔 サタンを倒すということは、{/netabare}
息子が親を超えていくこと、つまり大人へと成長していくことを揶揄しており、
そこが王道と言われるもう1つの理由なのかもなと思ったり。


また、バトルシーンにかかる挿入曲や、UVERworldや
ROOKiEZ is PUNK'Dが歌うOP、2クール目の黒木メイサの歌うEDなど、
どの曲も好きだったし、声優陣も豪華だったので個人的にはかなり楽しめた。

ちなみに去年公開された劇場版は近々観る予定。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 45

こなぱんだ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

悪魔とかオカルト系のアニメはなぜか面白いですね♪♪

設定は結構よくあるパターンなのですが、やはりジャンプ系作品ということもあってか、先が気になるようになっていますね!

物語は、聖職者(エクソシスト)に育てられた悪魔(サタン)の息子である主人公が、エクソシストになって悪魔と戦っていくという話です♪

成長→戦い→更に成長、見たいな感じでジャンプ作品らしさが出ています(*´ω`*)

やっぱり成長過程などは次が気になる!というように気持ちが持っていかれてしまいます(^_^;)

しかし、悪魔とかエクソシストとか西洋のオカルト系を題材にしたアニメは面白いですよね♪

原作が月刊誌ということもあって、なかなか次が読めませんが
それもまた待つ楽しみがあっていいのかな?

ですがこのアニメは後半からオリジナルストーリーになっているので、原作ファンからしたら少し残念かもしれませんね♪

でも面白いのでオススメです!(*´ω`*)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 43

エウネル さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

エクソシストの話

特別に面白いとは思わない。ギャグが面白いわけでもなく、話に以外な伏線が入っていたとも思えない。ただつまらなくもなかったです。ものすごく無難に楽しみました。

主人公の青い炎を使った戦闘は結構かっこいいですが、ちゃんと評価できるのはそれくらいです。

ストーリーに謎なキャラを残したまま途中からオリジナルストーリーにして終わらせたので2期は作れなさそうな気がします。なので正直無理やり終わらせた感じがしました。前に意外な伏線が無いと書きましたが、回収せずに終わらせたというのが正しいですね。原作のほうが絶対面白いと思います。

見るアニメが無くて困ってる人は見てもいいと思います。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 42

87.6 2 兄弟で復讐なアニメランキング2位
オッドタクシー(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (661)
2215人が棚に入れました
平凡な毎日を送るタクシー運転手・小戸川。身寄りはなく、他人とあまり関わらない、少し偏屈で無口な変わり者。趣味は寝る前に聞く落語と仕事中に聞くラジオ。一応、友人と呼べるのはかかりつけでもある医者の剛力と、高校からの同級生、柿花ぐらい。彼が運ぶのは、どこかクセのある客ばかり。バズりたくてしょうがない大学生・樺沢、何かを隠す看護師・白川、いまいち売れない芸人コンビ・ホモサピエンス、街のゴロツキ・ドブ、売出し中のアイドル・ミステリーキッス…何でも無いはずの人々の会話は、やがて失踪した1人の少女へと繋がっていく。

声優・キャラクター
花江夏樹、飯田里穂、木村良平、山口勝平、三森すずこ、小泉萌香、村上まなつ、昴生、亜生、ユースケ、津田篤宏、たかし、村上知子、高井佳佑、フェニックス、浜田賢二、酒井広大、斉藤壮馬、古川慎、堀井茶渡、黒田崇矢、汐宮あまね、神楽千歌、METEOR
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

タクシードライバーが撃ったものは何か

原案脚本、此元和津也。

冴えないタクシードライバーを、
主人公としたサスペンスフルな群像劇であり、
登場人物は全て擬人化された動物である。
主人公が運ぶ乗客の、何気ない会話から、
やがて失踪中の一人の少女に繋がっていく。

かつてスコセッシ&デニーロは、
戦争で心に深い傷を負った青年を通じ、
虚飾と不正義が蔓延する都会の病巣を描いた。
ここでもそうなのだろうか?
少女の失踪事件が物語の骨子にあるが、
回を追うごとに乗客たちの関係性が、
主人公を通じ点から線へと変わっていく。

{netabare}人が持つ承認欲求、格差が生むもの、
婚活詐欺の裏側、乏しい自己肯定感、{/netabare}
形容しがたいこの有様の底にあるものを、
社会や心の闇とは簡易に片付けるのはよそう。
我々は自覚もないままに人間社会を形成している。
最大の謎は主人公小戸川本人である。
{netabare}彼だけが目にする世界があるのでしょうか。{/netabare}

最終話視聴追記。
まずは設定、演出に称賛を贈りたい。
{netabare}平凡な犯行動機ではあるが返って、
人間社会を生き抜く難しさを物語っている。{/netabare}
少年小戸川の回想が非常に効果的である。

練りこまれた勇敢な物語でしょう。
好みの題材とあり、ほんとに面白い。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 53
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

背乗りタクシー

原作未読

相乗りじゃないよ。
来たよ来た来た!ネタバレ厳禁系。時間延長も使わず1クール全13話で美しくまとめた良作。
タクシーをテーマにすると乗客とのやりとりに様々な人生ドラマを垣間見る秀作ができやすい。フランス映画『TAXI』シリーズみたいにコメディに振るも良し。だが今回のそれはデニーロ主演のマッドでサイコな『タクシードライバー』に近い。

 ふわっとどんな作品か雰囲気だけ
 視聴ハードルとなりそうな先入観

これだけ書いときます。

■ふわっとどんな作品か雰囲気だけ

①オッドだけにオットセイかと思いきやセイウチでした
 ⇒心地よく裏切ってくれます
②あ!?CV花江夏樹さんだったね。納得の最終回
 ⇒演技の幅広げるための意欲作っぽい出だしからの花江節が映えるラスト

月並みですが点と線が繋がる心地よさに身を委ねる作品です。


■視聴ハードルとなりそうな先入観

ずばり動物デフォルメものからくる先入観ですね。あくまで私基準での3類型が以下

1.制作会社/アニメーターや“ノイタミナ”“+ultla”などブランド枠で視聴を決断するやつ
 ⇒『Beasters』『B.N.A』等かっこ良さやメッセージ出てる系。すんなり入りやすい。
2.ケモナー御用達
 ⇒萌え需要供給役。『けものフレンズ』『シートン学園』とかかしら。これもすんなり入りやすい。

1.2.ともに需要はあるのです。私自身2.は興味ないですけど求める層が一定数いることを知っております。そしてこれらグループに入ってすらこないのが

3.みるからに低予算そうな見向きもされないやつ
 ⇒『ビジネスフィッシュ』『アフリカのサラリーマン』等放送した事実すら記憶に残らない系。

この3.に該当しそうなのが本作ではないかと。主要キャラが軒並みアラフォーと巷にあふれてる作品の主人公らより年齢が高い。制作会社聞いたことないし、CVに芸人さん入っててバーター臭ぷんぷんだし、どちらかというと事前の期待はナシですね。
ところがどっこいと掌を返すことなるわけですけど、外形だけでは視聴ハードル高そうなとこあるよねってところご留意ください。

集中して視聴することをお勧めします。早送り厳禁。
そして抑揚のない主人公の発声に眠気との戦いになることも助言しておきます。



※ネタバレ所感

■何を得たのだろうか?

{netabare}ミステリーキッス三矢ユキ殺人事件の真犯人は和田垣さくらということでした。
三矢失踪と内々で処理されたのと並行して後釜に抜擢された娘さん。いかにもな二階堂ルイ逮捕でのびつくり展開だったわけですがちょっと待て。

 デビューご破算じゃないの?

スポットライト浴びる目的での殺人ならその後うまいことスターダムに乗れたのかどうか気になります。背乗り目的の動機で殺人起こしてバレそうになって罪被せただけといえなくもなく、スケールちっさと思えなくもない。{/netabare}


メインの小戸川ストーリーは唸れましたので総じて満足しております。



視聴時期:2021年4月~2021年6月 リアタイ

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2021.07.14 初稿
2022.05.29 修正

投稿 : 2024/11/09
♥ : 52
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

アメリカ的な種の混沌

アニメーション制作:P.I.C.S.、OLM Team Yoshioka、
監督:木下麦、脚本:此元和津也、
キャラクターデザイン:木下麦、中山裕美
音楽:PUNPEE、VaVa、OMSB

絵の雰囲気、話の流れなど、
観るまでのハードルが高い作品かもしれない。
しかし、観始めると良質なシナリオと
連続する謎によって視聴者をグイグイ引っ張る。

登場人物たちが全員動物というのが、
普通のミステリーが得意でない人にも、
新鮮な気持ちにさせてくれる。
まさに私がそうだった。
正直、私はミステリー作品に完全に飽きているので、
そもそも、ほぼ興味が持てないし、
よほど良質なものでないと、
余計な思考ばかりが頭を巡って作品を楽しめなくなってしまう。
しかし、この作品の場合、動物のキャラクターが
そういうミステリー作品鑑賞時の弊害を
ある程度、無効化してくれるのだった。

この作品に興味を持ったことのひとつが、
アメリカの犯罪小説に影響を受けていると
想像できることだった。
日本の昔の犯罪小説やハードボイルドものだと
横溝正史や江戸川乱歩、京極夏彦たちに加え、
大藪晴彦や西村寿行、森村誠一、大沢在昌あたりが挙げられるが、
その影響は皆無に思える。
ところが、ハメットやチャンドラー、ロスマクなどの
アメリカのハードボイルド作品の雰囲気は感じられる。
それは主人公が内省的で気難しいところと、
多種多様な動物たちの絡み合い方に、
アメリカの小説っぽい雰囲気があるからだ。

登場人物がバラエティに富んでいるのも
アメリカっぽい。主人公はタクシー運転手で、
そのほかに看護師、医者、ヤクザ、ヤクザのボス、
悪徳警官、アイドルグループ、そのマネージャー、
キャバクラの店員、お笑い芸人、目立ちたい大学生、
頭の狂った犯罪者などなど。

これだけ多くのキャラについて
それぞれきちんと背景を見せながら、
物語に絡ませて、理由も描いていくのは、
いかにもアメリカの犯罪小説によくある展開といえる。

そのキャラのなかでも面白いのは「ドブ」という存在。
ヤクザの幹部であるゲラダヒヒという動物なのだが、
彼の生き方がとても興味深いし、この「ドブ」という名前が
いかにも社会の底辺をよく表している。

「ドブ」は、昔は街のなかにいくつもあった。
整備されていない下水溝のことで、
ゴミや汚水がいつも垂れ流されていたのだ。
社会の位置づけとしては肥溜めに近い。
最近は全国的にインフラが整備されたため、
「ドブ」は見なくなったのだが、
そんな名前のヤクザの幹部が重要な役割を果たす。
しかも、彼はヤクザとして、男として矜持を
持っているような部分が見え隠れする。

アメリカのブルースの巨星に「マディー・ウォーターズ」と
いう人物がいる。アメリカ音楽が好きなら
ほとんどの人が知っているほどの有名人だが、
彼の芸名を直訳すると「泥水」だったことをふと思い出した。
ボトルネックギターと体の奥底から響いてくるような
太く独特なヴォーカルが一度聴いたら忘れられないほどの
強烈なインパクトを残す。
昔よく使われていた音楽における「アーシー」という言葉は、
まさにマディのためにあるように思える。

私の勝手な想像では、
この作品はアメリカ的な要素に彩られている。
主人公が太っていて、理屈を話すときには
説得力があるのだが、いざ行動すると、
あまり役に立たないのも
アメリカハードボイルド小説の主人公像だったりする。

何だか関係のないことばかり書いてきた気もするが、
この作品は、そういう混沌を広げてみせながら、
緻密な伏線を張り巡らせて、それを1本の線に
上手くまとめていく面白さがある。
常にいくつかの謎が横たわり、想像力を刺激してくれる。
登場人物たちの過去を丁寧に掬い上げ、
ストーリーに組み込んでいく手法も優れている。
おそらく多くの人々がシナリオの展開の妙に
引き込まれていくだろう。

{netabare}この作品のそういう良さが上手く表現されているのが、
ラストの車の飛んでいくシーンだ。
誰もが心に何かを抱え、それぞれが細い糸でつながっている。
そんななか、小戸川が軽々と空を飛ぶ。
関係者は皆、近い場所にいて、その瞬間に直面する。
関係があるようでないような人々が、ある一瞬につながる。
これこそが世界の奇跡のひとつ。
美しい出来事といえるのだろう。
私がこの作品でいちばん気に入っているシーンだ。{/netabare}

人種の坩堝を表現しているような作風だけに、
反面、キャラへの描き方が浅く感じられるのがマイナス点。
ミステリーとしては捻りが足りないし、
そこのキャラの心情表現も描写不足を感じた。
特にドブとの決着については、
私が気に入っていたキャラということもあるが、
あまりにも簡単にまとめようとしているように
見えてしまった。

とは言え、多くの人々を魅了した作品であったことは事実。
4月には事件の裏側と続編を描いた映画
『オッドタクシーイン・ザ・ウッズ』が公開予定。
ローカル局とネット配信だけだった作品だが、
それだけ話題になったのは間違いない。

混沌の先に広がっている景色に着目したい。
(2022年2月5日初投稿)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 50

83.7 3 兄弟で復讐なアニメランキング3位
86-エイティシックス-(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (664)
2251人が棚に入れました
サンマグノリア共和国。そこは日々、隣国である「帝国」の無人兵器《レギオン》による侵略を受けていた。しかしその攻撃に対して、共和国側も同型兵器の開発に成功し、辛うじて犠牲を出すことなく、その脅威を退けていたのだった。そう、表向きは。本当は誰も死んでいないわけではなかった。共和国全85区画の外。《存在しない“第86区"》。そこでは「エイティシックス」の烙印を押された少年少女たちが日夜《有人の無人機として》戦い続けていた――。死地へ向かう若者たちを率いる少年・シンと、遥か後方から、特殊通信で彼らの指揮を執る“指揮管制官(ハンドラー)"となった少女・レーナ。二人の激しくも悲しい戦いと、別れの物語が始まる!

声優・キャラクター
千葉翔也、長谷川育美

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

あなたはゲームと戦争の違いを知っていますか?

この物語では、『あなたはいつも、他人を自分と同じ人間として尊重していますか?』と、問いかけています。
そして物語の中では、人間の強欲さや軍隊の理不尽な振る舞いが多く描かれます。
あなたはいつも、他人を自分と同じ人間として尊重してられますでしょうか?

この物語の背景では、大国ギアーデ帝国が完全自立無人戦闘機械(レギオン)を用いてサンマグノリア共和国などの諸国へ侵略を行っています。
サンマグノリア共和国も無人戦闘機械を用いて防戦をしているように国民へ公表しますが、その実態は第86区にいる少年少女たちを戦闘機に乗せて戦わせていました。

サンマグノリア共和国では、第86区に住んでいる人たちを人間として認めていません。その理由は『髪の色も瞳の色も違うから』 ただそれだけでした。
だから戦闘が発生しても戦死者はいつもゼロ。たとえ第86区の人たちが何人死んでも、戦死者はゼロと公表されます。

サンマグノリア共和国に住む16歳の少女レーナは、指揮管制官(ハンドラー)として第86区の精鋭部隊・スピアヘッドの指揮を執ることになります。
他の上官や同僚は、『第86区のものは将棋の駒と同じ』と考えているので、どんな犠牲を払おうとも気にしません。
でもレーナは第86区の人たちが人間であることを知っています。髪の色や瞳の色が違っても同じ人間であることを理解しています。

だから彼女は悩みます。
彼女の指令一つで何人もの人間が死ぬことを彼女は理解しています。
彼女は、指揮管制官となるには優しすぎる心の持ち主でした。

レーナは、理不尽な軍のやり方に憤りを感じます。でも、どんなに抗議をしても、軍の冷酷な命令は変わりません。
だから彼女は、隊員たちの命を守るために、あらゆる手段を講じます。
彼らを守るためならば卑怯者と呼ばれても気にしません。軍法違反も覚悟のうえです。

彼女が行ったことは確かに軍人としては問題ですが、人間としては大変立派な行動でした。レーナは部下を人間として尊重していたのです。
そんな彼女を私は尊敬します。


ところで、この物語を見て、ふと思い出したことがあります。
以前、米軍の戦闘機が敵とは無関係の建物を破壊したり、民間の人たちを殺戮したりしている映像をドキュメンタリーで見たときのことです。

数年前から中東やアフガンで戦う戦闘機の操縦者は、実はアメリカの米軍基地で操縦しています。
つまり、リモートで無人機を飛ばして地球の裏側の戦闘をしているわけです。
どんなことがあっても自分の安全が保障されているので、まるでゲームをしているように、「殺せ!、殺せ!」と戦闘員が叫んでいたのが忘れられません。

こうした愚行をする人はほんの一部であり、大部分の人は正常であることがわかっているのですが…
ゲームと戦争の違いが判らない人たちが戦争するのは、困ったものを通り越して恐怖です。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 49

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

舞台は宇宙に出ないけどスペースオペラ味を感じるSF作品

== [下記は第5話目まで視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
第5話まで観終わった時点で、このレビューを書いています。

レギオン戦争と呼ばれる長期間に渡る戦時下で、敵の高性能無人機(多脚戦車)と戦うサンマグノリア共和国軍において後方で指揮管制官(ハンドラー)を務めるレーナと、レーナが担当する実戦部隊である86(エイティシックス)の部隊長であるシンのW主人公的なお話です。

五色旗が掲げる理念から大きく外れた共和国の人権蹂躙、敵の無人機レギオンの兵器としての異常性などが描かれ、戦闘は終始地上戦となっていますが物語の風味としてはスペースオペラ風のSF作品と言えそうです。

電撃小説大賞の大賞受賞作で、電撃文庫から原作が刊行されています。レーベル的にも私が読んでいそうと思われるかもしれませんが、個人的には「大賞受賞作は肌に合わないことが多い」というくだらない理由でこれまで原作は読まないでいました。

第5話でいろいろな作中の状況がわかった時点で、後追いで原作を読み始めてこれを書いている時点ではやっとアニメに追いついたという状況です。なので、今のところ以降の展開を知りません。

ただ、原作第1巻のエピソード消費状況を見る限りでは1クールかけて1巻を終えるペースのようです。既刊は9巻あるので先は長く、売れ行き次第で長期アニメシリーズを狙っているかもしれないですね。

1クールで1巻はゆっくり目のペースのようにも見えますが、原作の密度を考えると妥当というかこれでもアニメ化にあたってのエピソードや登場人物の整理は行われていました。


余談: これまでアニメ化などに関係なく受賞後のすぐの刊行で購入した電撃大賞作品は『ひとつ海のパラスアテナ』だけでしたが、大賞受賞作を避けるという考えを改めて『ユア・フォルマ 電索官エチカと機械仕掛けの相棒』を購入しました。
(↑でも、買っただけでまだ読んでいない…。)
== [第5話まで視聴終了時のレビュー、ここまで。] ==

2021.7.1追記:
「後半へ続く」(ちびまる子ちゃん風)

私は地上波放送で観ましたけど、第11話の翌週に放送された「Special Edition」は配信のないサイトもあるようです。

アニメでのプロモーションに乗っかって原作を買ってしまったのですが読むのは止めてしまっていて、2巻目以降を読むかとか、読むとしたらどこまで読むかとかを思案中。

とりあえず10月から続編が始まるらしいです。まだ未見の人はそこでの評判を待って、良ければ一気見とかでも良いかもしれません。

余談:
AIと人間との関係という点では、普通に喋るヒューマノイドとかよりも本作のファイドくんみたいな方が個人的には好みかもしれないです。

あざといと思いつつも、第10話みたいなのは切ない…。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 45
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

アンダーテイカー

A-1 Pictures制作。

無人戦闘機械レギオンの侵攻と、
隣国サンマグノリア共和国の防衛戦争。
ただ死を待つような戦場の中で、
少年シンはある目的の為に戦い続ける。
{netabare}彼の部隊に新指揮官レーナは着任した。{/netabare}

原作の評判も上々な人気シリーズ。
伊藤計劃作品、アルドノアゼロあたりを、
楽しめる方にはお勧めでしょうか。

人型の豚と揶揄されるエイティシックス、
少年少女たちは国民に知らされず、
使い捨ての駒のように戦場に送られる。
{netabare}共和国の平和の裏に86区は存在し、
そこに居住する彼等の犠牲は増え続けていた。{/netabare}

退役まで残り○○日の黒板!?

最終話視聴追記。
戦記物特有の敷居の高さはありますが、
私としては無味乾燥な戦場の描写にこそ、
一定の評価があったように思う。
{netabare}戦場の最前線では粛々と人は死ぬのだ。
共和国側からすればそれも好都合であろう。{/netabare}

良くも悪くも疲れた。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 44

66.7 4 兄弟で復讐なアニメランキング4位
アルジェントソーマ(TVアニメ動画)

2000年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (161)
1398人が棚に入れました
『アルジェントソーマ』は、2000年10月5日 - 2001年3月29日にかけてテレビ東京で放送されたアニメ。
2054年、人類は突如飛来した巨大なエイリアンと交戦状態に陥り、深刻なダメージを被り、飛来を続けるエイリアンに対抗統べく、国連政府は軍を再編、対エイリアン特殊部隊 “フューネラル”を組織した。
学生タクトは、恋人・マキの行方を追う内に、マキが師事するノグチ博士の研究施設へと導かれ、そこで行われていたエイリアンのパーツを繋ぎ合わせ、金属生命体“フランク”を復元する実験に立ち会う事になる。
しかし、突如覚醒したフランクは暴走しマキとノグチ博士の命を奪い逃走してしまうのだった…。

声優・キャラクター
保志総一朗、桑島法子、高田祐司、井上喜久子、子安武人、堀江由衣、紗ゆり、中田譲治、竹村拓

えんな さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

オリジナルアニメだけど

シナリオはよく出来てると思います
ジャンルはSFロボ系かと思いきや、SFヒューマンドラマでした
エイリアン絡みの事故で恋人を亡くした主人公の憎悪、かたやエイリアンと心が通じ合える少女
2人を軸にエイリアンの正体に迫っていく・・・

続きが気になる構成でとても楽しめました
切ない物語でした、一見の価値はあります
知名度低いのが残念。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 27
ネタバレ

神撃のニャンコ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

隠れた秀作(レビュー修正版)

2000年10月頃に放送された古い作品ですが、
今でも この作品を一番気に入っております

ジャンルで仕分けすると「SFロボット」になりますが
それはメインであるドラマを引立てるスパイスに思えます

謎のエイリアンに様々な思いが絡み合い面白かったですが
キャラの個性や台詞が特に気に入ってます

特に ノグチ博士の生徒達への言葉が良かったです
「物語には関係ないですが一応 伏せて載せときます」

{netabare}****************************************
「探究心」と「好奇心」と「行動力」
どれか 一つ欠けても真実へは辿り着けない

然るに君達は何~故 当たり前の結論に満足する?
この大学には真面な学生はおらんのか~!!

旧約聖書… 人は何度天罰を与えられながらも
追い求める事を止まない

豊穣なイマジネーションの海
我々はその中に揺蕩う小舟 

知りたいと強く願え~!
先に進みたければ…
**********************************{/netabare}

実は ノグチ博士の台詞を探してDVDを観てたら
ウッカリ8巻迄 夜通しで観てしまったのですよ(^^;)

うぇぇ~い! 此処まで来たら 最後迄観ちゃうぜ~
ウラ~~~! あぁ~ 嘘です 寝ますw

な~んて言って 結局その週末に強行軍を行い
全部見ちゃったのですなw 

久しぶりに観て満足しましたが
今 放送されてるアニメと比較して世代を感じ

最近のアニメは、緩やかにモラルが崩壊してると思いました
アルジェントソーマは、その点で品を感じました

当然DVD全巻購入♪ 全巻購入特典のハガキがございましたが
期限過ぎてるや~ん!  orz…ガッカリ 当然だよね

投稿 : 2024/11/09
♥ : 19

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

テレ東深夜黄金期の遺産 表は「侵略SF」 裏は「復讐劇」 桑島法子の演技に注目!

98年のガサラキ、99年のリヴァイアスに続いてサンライズ第9スタジオが制作した作品
(ちなみにこの作品の後に同スタジオはガンダムSEEDの制作に入る)


実験中のエイリアンのツギハギが暴走し恋人を失った主人公が、そのツギハギ「フランク」を利用して地球に飛来するエイリアンを撃退する組織に入隊する
表向きには侵略を阻止するために働く主人公ですが、真の目的は恋人を殺したフランクに復讐を果たさんとすること


一貫して暗い題材を扱ってきた第9スタジオらしい作品ですが、今まで地味な仕事をしてきたことが裏目に出たのか
異形の侵略者との戦いというエヴァ辺りの影響をモロに受けた内容の割にちょっと地味すぎるのがタマにキズだったりします


フランクの正体、エイリアンの目的、組織が使うロボ「ザルク」など、かなり謎を散らばめているものの
オチは某特撮ヒーロードラマに詳しい方なら特別に意外性があったとも感じ難いでしょう
そしてなにより中盤の弛みを凌ぐのはちょっと辛い;


そんな今作ではありますが、もっとも注目してもらいたいのは2話以降に登場する「もう一人の主人公」ともいうべき少女「ハティ」の存在とそれを演じる桑島法子さんの熱演です


精神的な疾患で実年齢より幼い少女
という難しい役柄でしたが、これを桑島さんは完璧に演じきって見せました
「後のステラ・ルーシェ」などにも通ずるものがありますよ


また中盤を耐え抜いた方には、ハティやフランクと触れ合ったことで変化や成長を見せていった人物達の心情が昇華されていき味わい深い余韻を生む最終話が待っています
やっぱり最終話って「ココまで見てくれた人ありがとう」って気持ち伝わってくると良いっすよね


音楽はリヴァイアスでの試みを引き継ぎ、オーケストラを得意とする服部克久とダンスミュージックを得意とするKH-Rのダブルコンポーザー

投稿 : 2024/11/09
♥ : 18

74.6 5 兄弟で復讐なアニメランキング5位
【推しの子】第2期(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (233)
797人が棚に入れました
「この芸能界(せかい)において嘘は武器だ」 地方都市で働く産婦人科医・ゴロー。 ある日"推し"のアイドル「B小町」のアイが彼の前に現れた。 彼女はある禁断の秘密を抱えており…。 そんな二人の"最悪"の出会いから、運命が動き出していく―。
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

2.5次元舞台

原作未読 全13話

亡くなったアイドルの子供たち(双子)が、亡くなった真相を求めて芸能界に飛び込んでいくお話です。

今回は双子の一人であるアクアが出演する2.5次元の舞台公演がメインとなっています。

まるで舞台を観ているような演出は見事でしたね。

また、黒川あかねと有馬かなとの確執というかライバル対決も見どころですね。

また、それぞれの役者の心情を舞台の中や稽古でも色々と見せてくれるので、思い入れが強くなっていきます。
{netabare}
特にメルトくんは感情移入できましたね。気持ちが凄く伝わってきました。

また、アビ子と頼子の師弟での本音で言い合うシーンも凄く伝わりましたね。
{/netabare}
そして舞台公演が終わり、この物語の本流が描かれていくわけですが、短い話数でかなりの情報量でしたね。
{netabare}
黒幕ついに登場(姫川・アクアとルビーの父親?)、カラス一緒に出てきた女の子は?、ルビー瞳にも黒い星が、最後のシーンはどんな流れで亡くなった?のか。
{/netabare}
色々と伏線が沢山ありましたね。

第3期の制作が決定しました。楽しみですね。

OPはGEMNさん、EDは羊文学さんが歌っています。

最後に、MEMちょだけ蚊帳の外みたいになっていて、ちょっと残念でした。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 16
ネタバレ

lumy さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

なんてすごい国なんだ。

原作未読、1期視聴済みです。

タイトルは、ジャパンすげえってことなんですが、
いろいろと意味があります。

まず、推しの子という作品の完成度が高いです。
1期も十分すぎるほどの完成度でしたが、
2期は、1期を超えてきたと思っています。
原作の展開や盛り上げ方に加えて、
演出や作画もグレードアップしてます。
個人的には、エンディングのルビィのダンスが
美しいと感じました。
動画工房、推しの子にめちゃくちゃ力入れてるのが伝わります。

次に、{netabare}神話要素 {/netabare}が出てきたことです。
原作未読なんで、その方向は想像してなかったのですが、
これが今後どのように物語に影響するのか、
とても興味深かったりします。
これ系で印象に残っている作品は{netabare}AIR {/netabare}かなあ。
日本人だからこそ揺さぶられる要素かもしれません。

最後に、3期が決まりましたが、
葬送のフリーレンの2期も決まったりして、
大作が交互に観れる国ジャパン、すごすぎる。
感情が追い付かなくなりそうなので、
とにかく、同クールで放送するのだけはやめてくれw

というわけで、大変楽しませていただきました。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 13

ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

お気に召すまま

“アイのお気に召すまま”と言うべきか。
これは今期のオープニングを見るまでもなく、2.5次元の住人に、原作者と製作者、役者を巻き込んで演じられるメタ世界。

"All the world's a stage,
(この世はすべて舞台だ)
And all the men and women merely players;
(男も女もすべて、ただの役者に過ぎない)
They have their exits and their entrances."
(皆それぞれに登場し、退場していく)

足し引きすることは何もなかろう。

しかし、このセリフの直前には「見るがよい、不幸なのは我々だけではない。この世という広大な劇場(This wide and universal theatre)では、もっと悲惨な見世物が演じられている」というセリフが置かれているそうだ。
それゆえに、かの名セリフが際立つのである。
(音楽之友社WebマガジンONTOMO、体感シェイクスピア! より抜粋)

あえて言うなら、その語り手である『憂鬱なジェイクイズ』同様、すべてを達観し、俯瞰する“脇”、アクアくんの存在が映えるのであり、“アイ”と言う見せ物がさらに輝きを放つわけだ。

もちろん、キレッキレの演出と作画、そして今回もまた道化役を演じてくれる有馬カナ、何よりアビ子先生の個性があればこその舞台であることは間違いない。そうでなければコメディとして成り立たないのであるから^ ^。
                (2024/07/19)
それぞれの“願い”が結界を越えるとき、
夢が現実に滲み出すのである。
それは神仏の戯れか…、
登場する者、そして…、

えっ!えぇぇぇぇ〜〜〜!

3期が待ち遠しい。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 12

74.0 6 兄弟で復讐なアニメランキング6位
憂国のモリアーティ(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (275)
1051人が棚に入れました
19世紀末。産業革命が進む中、着実に勢力を拡大し栄華を極めたイギリス。しかし技術の進歩と発展とは裏腹に、古くから根付く階級制度によって、人口の3%にも満たない貴族たちが国を支配していた。当たり前のように特権を享受する貴族。明日の暮らしもままならないアンダークラス。人々は生まれながらに決められた階級に縛られて生きている。ウィリアム・ジェームズ・モリアーティは、そんな腐敗した階級制度を打ち砕き、理想の国を作り上げるために動き出す。シャーロック・ホームズすら翻弄した“犯罪卿"モリアーティ。犯罪による革命が、世界を変える――

声優・キャラクター
斉藤壮馬、佐藤拓也、小林千晃、日野聡、上村祐翔、古川慎、小野友樹
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

目的は手段を正当化する

原作未読 そういえば原典も未読


 これはかの名探偵シャーロック・ホームズをすら翻弄した
 犯罪狂モリアーティ教授の物語


海外ミステリだとアガサ・クリスティは読んだことあるけど超有名なシャーロックホームズは未経験です。おおむね三毛猫ホームズ止まりな私。
その赤川次郎氏の連作『三毛猫ホームズ』だって数多あるオマージュ作品の一つ。アニメでも“家頭”と書いてホームズと読ませる京都の骨董品屋のお話をついぞ最近やってたり。ホームズの冠をつけなくても『ミシシッピー殺人事件』たしか助手の名はワトソン、と匂わせグレーゾーンを漂ってみたり。この二人の名前を出しとけば謎解きものであることを万人に共有せしめる現代用語の基礎知識。

とどのつまり説明不要な名作をモチーフにしてるわけで。そしてこの私。ホームズとワトソン君とベイカーストリート何番は知っているものの本作の主人公モリアーティは初耳。
知っていれば視聴前にもろもろ脳内整理できたかもしれません。あ、そういう人がいるのね~とニワカ全開で本編突入しました。

原典の挿絵みると禿茶瓶なおっさんですが、本編はそのおっさんの若かりし頃ということでブロンドイケメンになってます。こういうの元ネタ知ってると差分を楽しめそうですね。

 主人公の敵役で稀代の悪党の前日談

STARWARSのepisodo1であのダースベイダーの幼少期をかわいらしい少年が演じたのと同様に、人は無垢で生まれ何かのきっかけや積み重ねで進んではいけない分岐へと歩を進めた物語になってそうです。「なってそうです」と推定なのは分割2クールの前半だから。断定するにはちと早いのでお預け。
彼(モリアーティ)にとってのきっかけは『階級制がもたらす不条理』ということになるのでしょうが、そこの描かれ方を好意的か否定的かどのように捉えるかによって作品評価が分かれそうな印象です。私はやや好意的に捉えた側。来たる後半戦も観るつもり。

原典をご存じの方はその差分を探ってもよし
私みたいなニューカマーは100年前の英国の空気を浴びにいく心持ちでよろしいかと。

ちなみにタイトル『憂国のモリアーティ』。
どこらへんが憂国かをなんとなく理解できる仕様になってるのは好感です。
リスクを丁寧に潰していき真相に迫らんとする探偵ホームズと、完全犯罪をもくろむモリアーティ。方向や立場は違えどアプローチは似たようなもんだというツボもおさえておりますね。
奇抜さよりも丁寧な仕事。作中のライバル二人の仕事ぶりよろしく、アニメ制作もなんやら怪しいとこありますが少なくともきっちりやろうという姿勢はうかがえた手堅さを感じる一品となってます。


なお、CVさん歌唱の主題歌は映像含め楽しめました。
{netabare}ゴールデンカムイ尾形弟の役をされてた方ね。いい声だわ。{/netabare}



※ネタバレ所感

■目的は手段を正当化する

謎解きよりも稀代の犯罪者の生成過程に興味が向いた本作。スパイスとなるはイギリスの階級制度。

 なんでこの人そうなったん?

共感はできませんが説得力はあったかなぁ…。

{netabare}貴族階級の傲慢さへの怒り。それを許してる社会への怒り。根本となる階級制度の破壊を志向していくことになります。階級制度そのものについては長くなるので割愛。

受け取ったメッセージひとつは破壊志向、アナーキズムの限界といったらいいでしょうか。とある不満があったとして「それを破壊orガラガラポンしちゃえ!そしたら万事ハッピー」って発想は規模が大きくなるほど難易度が増し国家規模ではまず不可能。やらかしたら歴代とてつもない混乱を経て落ち着く以外に例外はなし。フランス革命もギロチン送りしてすぐ革命勢力は瓦解したでしょ? 明治維新だってガラガラポンに見えて禅譲だし、それでも鳥羽伏見や戊辰戦争が起こるくらい急激な変化には相応のハレーションがつきものです。現実は粘り強く改善するのが近道だったりします。
それ(地道な改善)を放棄したらこうなりました!がモリアーティだったかと。起点は“憂国”で理想をぶつ姿に魅力を感じるやもですが、実際の行動は崇高(仮)な目的と合致してません。しまいには目的そっちのけに見えてしまってるところが“あるある”だなぁと思って眺めてました。そのうち“貴族”だけがターゲットだったところから“労働者”に刃が向くんじゃねーの?と予想してます。手段が目的化することで本末転倒になる。その時のモリアーティ一派の心情の機微に注目したい。{/netabare}


{netabare}ふたつめは善意の思考停止。来たる後半ではモリアーティ家の義憤にかられたお兄ちゃんにも注目したい。冒頭、モリアーティと共謀し自分の家族をポアしちゃった少年です。高貴なお方がもつ富める者特有の後ろめたさからのダークサイド突入。西園寺公一や近衛文麿なんかそんな感じでしょ? 前者は意図的、後者は無自覚に国家を破壊へと導いたってのが一般的な見解です。ヘタに力があるだけに悪影響は絶大なのよね。
だからこのお兄ちゃんに「で、英国の階級制はどうなったん?」と当初の目的に関しての結果報告を求めたいですね。きっと答えられないか「道半ば。俺たちの革命はこれからだ」的回答になることでしょう。彼らが軌道修正する可能性はゼロに等しく、常に搾取されていると自己肥大化させ続けているのです。犯罪を正当化する理由なんてないのにね。

あくまでモリアーティ視点なので貴族階級層の人間が持つ良い点、ノーブレスオブリージュみたいなのに作品では触れてません。目が曇り見えないのかあえて蓋をしてるのか、おそらく両方あるのでしょう。
ノーブレスなんちゃら“持てる者の責任”と言われてピンとこないかもしれませんが、直近なら鬼滅の煉○さん思い出していただければよろしいかと。あれがノーブレスオブリージュの好例です。
さすれば少しは貴族層に好意的な視線も注がれそうですが、彼らがそうなることはなく、支配構造を終わらせるには、敵を倒し、社会を変えるしかないとの思考から抜け出せません。妥協したら引きずりおろされますからね。そもそも支配者階級と彼らが考えている層を“支配を維持・強化することしか考えていない悪人”と捉えています。となれば耳を塞ぎ純化の道まっしぐら。
そして倒した後のことは考えてません。“倒せば良くなる”それだけ。
後に控えるさらなる受難そっちのけで○獄さんに向かって「偉いんだからてめーが責任取れ!タヒんでこいや!」が基本姿勢の彼らに一般人はドン引きすることと同じです。{/netabare}


{netabare}最後みっつめは犯罪コンサルタントというポジション。いいですよね姑息で(笑) 当事者にならず批評家のポジションに安穏とする。ここはシンプルに“四列目の男”。モリアーティその人は、お遍路好き元総理のものすごく頭の切れるバージョンにしか見えなかった私でした。
だってすでにブロンドイケメンな若い頃にホームズと交錯していて、禿茶瓶になる程の年月を重ねるまで逃げおおせたわけでしょ?(適当) 改革を口では標榜しそれでいて矢面に立たない。いくらイケメンで弁が立とうが私は信用しません。

そこはしっかりと悪人に嫌悪感を抱かせる仕上げをしていたともいえ、キャラ設定よい感じでした。{/netabare}



階級社会へのアンチテーゼはまあよいとしてその解決に導く方法論が間違ってると思わせる一品。
だからこそキャラの口からあちら界隈の用語でいう“総括”を聞いてみたい。

 アンチ貴族社会の理念のもとに行動した結果有効打を打てたのだろうか?

そしてそのしどろもどろの言い訳をニヤニヤしながら「まあそのへんがきみらの限界だよね」と侮蔑する未来を想像しながらSっ気全開で待機します。
{netabare}…とここまで煽ったところで語られることはないでしょうね。逃亡/責任回避は彼らの常套ですから。{/netabare}



視聴時期:2020年10月~12月 リアタイ   

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2021.02.28 初稿
2021.09.30 修正
2022.06.02 修正

投稿 : 2024/11/09
♥ : 42

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

もちろん、あのモリーアティです。「憂国」は、なるほどそういうことなんですね…。<シャーロック・ホームズ>シリーズのメインキャラクターが軒並み登場!

[総評]
お話は<シャーロック・ホームズ>シリーズのジェームズ・モリアーティが何を同期に事件を起こしたかという観点の二次創作ものです。

ウィリアム・ジェームズ・モリアーティのやっていることは「毒を以て毒を制す」じゃないですが、素直に「ダークヒーロー物」と思うのか、それでも「社会秩序を破壊しようとしているテロリスト」と思うのかは視聴者の価値観にもよりますよね。

「貴族がやっていることが横暴だから民衆のために制裁する」というのは崇高な理念とも捉えられますし、単に彼が楽しみたいだけのお題目なのかもしれません。

もっともシャーロック・ホームズの側も、名探偵ではあっても必ずしも人格者であったり正義の味方であったりはしないわけで、謎に挑みたいという欲求を表に出しているぶん正直な人だとは言えます。

とりあえず二人の関係については、才能を持つ者同士が違う立場に立った結果として対決するというまさに「ライバル関係」といえるんだと思います。

物語は必ずしも勧善懲悪である必要はないので、フィクションをフィクションとして楽しめるのであれば本作を面白いと思える素養は充分にあると言えそうです。

== [下記は第4話まで視聴時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
第4話まで視聴時点でこのレビューを書いています。

コナン・ドイル作の「シャーロック・ホームズ」シリーズにおいて、「犯罪卿」として名を馳せるジェームズ・モリアーティ。

本作はそんな彼が「犯罪卿」となる動機として十九世紀末のイギリスにおける階級格差の解消を掲げる、異色のクライムサスペンスです。

ジェームズ・モリアーティに兄弟がいるという設定は「シャーロック・ホームズ」シリーズから引き継がれたものですが主人公ウィリアム、兄アルバート、弟ルイスの名前は本作オリジナルのものですね。

当然ですが主人公ウィリアム・ジェームズ・モリアーティは犯罪を仕掛ける側です。基本的には特権階級に属さない「被害者」がただ揉み消されてしまう悲嘆に明け暮れているところを「クライム・コンサルタント」としてウィリアムが復讐をサポートするというストーリーであるようです。

第1話ではストーリーのテンプレートとして労働者階級や貧民の少年たちが巻き込まれた猟奇事件の犯人の特定と、被害者の父親による復讐をウィリアムがサポートする様を見せてくれました。

第2、3話の前後編ではクライム・コンサルタントとなるに至ったジェームズ・モリアーティ三兄弟の生い立ちが描かれ、第4話では使用人に恨みを買った子爵が復讐される様が描かれました。

ということで作品との相性は概ね第3話か第4話まで観れば判断できると思います。私は結構面白いと思っているので、このまま視聴継続予定です。
== [第4話まで視聴時のレビュー、ここまで。] ==

2020.12.3追記:
第8話まで視聴終了。サブタイトルは「シャーロック・ホームズの研究 第1章」で、これは元々の「シャーロック・ホームズ」シリーズの第1作『緋色の研究』へのオマージュなんでしょうか。

第6話でのシャーロック・ホームズに続いて、ついにジョン・H・ワトソン登場です。人名は小説準拠のようですが、事件自体はいろいろとアレンジされている模様。

2020.12.8追記:
第9話まで視聴終了。ラストのカットでのワトソンの日記(?)の開かれたページの左上には「A STUDY IN SCARLET」の文字(原作のタイトル: 邦題『緋色の研究』)が書かれていましたね。

2020.12.29追記:
最終2話(第10、11話)で前後編を持ってきました。ウィリアムとシャーロック・ホームズが直接対面するストーリーでしたね。

二人が互いに興味を深めて、さらにストーリーには王室関係の何かがありそうな描写で2021年4月から予定されている第2クールへの良い助走だったと思います。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 35

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

分割2クールの第1期

原作未読。最終話まで視聴。
分割2クールの第1期。

シャーロック・ホームズの最大にして最強の宿敵であるジェームズ・モリアーティ教授を主役に据えた物語。

貴族が平民を蔑み、虐げる階級社会が舞台。
こんな階級社会を激しく憎むモリアーティ教授が、平民を手助け、復讐を手助けしていく物語。
まあ、あくまでも非合法な復讐なのが犯罪者・モリアーティ教授らしい。
ただ、裁かれる貴族が相当クズなので、非合法な復習も止むを得ないだろう、って感じさせる。
このあたりが主人公としてふさわしいんだと思う。

ひとつの物語が1~2話でまとめられているので、サクサクと視聴できます。
ただ、貴族を貶める部分のタネが少々強引だったり、ご都合主義的な感じは否めませんが・・・。

中盤。シャーロック・ホームズが登場してからが本番でしょう。
ホームズとモリアーティがどう絡んでいくのか?

2021年4月からの第2期が楽しみです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 27

68.5 7 兄弟で復讐なアニメランキング7位
天狼 Sirius the Jaeger(TVアニメ動画)

2018年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (210)
831人が棚に入れました
昭和初期、帝都 東京府。楽器ケースを抱えた奇妙な一団が、東京駅に降り立った。彼らは、吸血鬼たちを狩るためにやってきた「狩人」――。そのなかに一際静かでただならぬ雰囲気を漂わせる青年がいた。狼と人間との混血で、吸血鬼に故郷を滅ぼされたその男、名をユーリィという。「天狼の匣」と呼ばれる聖櫃を巡り、吸血鬼と死闘を繰り広げるユーリィたち。彼らが戦いの果てに知り得た真実とは……? 悠遠たる恩讐と策謀の螺旋が交錯する、至極のサスペンス・アクション、ここに開幕!

声優・キャラクター
上村祐翔、櫻井孝宏、堀内賢雄、森なな子、小林裕介、武内駿輔、間島淳司、高橋李依、田所陽向、津田健次郎、子安武人、大原さやか、飛田展男
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

サクライ大戦

2018.10.09記


“P.A.WORKSのオリジナルだから”

放送前にそんな声がちらほら聞こえ、“じゃあいってみよ~”という理由で視聴。
昭和初期の日本という時代設定も後押しの材料ともなりました。街並みや乗り物描写も興味ありますもんね。
ちなみにP.A.さんの作品、私は「Angel Beats!」と最近の「ウマ娘」くらいの視聴遍歴。過去タイトルの知名度をみれば皆さんの本作への期待度の高さもさもありなんというところです。

物語は吸血鬼と対峙する狩人のバトルを軸とした『シリウスの匣(はこ)』争奪戦といったところでしょうか。
どうやら吸血鬼は諸般の事情で絶滅危惧種みたいになっており、その挽回の策としてシリウスの匣を狙い、対峙する狩人たちは人間世界の平安を守るため文字通り吸血鬼を“狩り”ます。狩人集団は人間を中心に一人(一匹?)人狼が混ざっている構成です。人狼はシリウスと呼ばれてます。一人人外である人狼は、種族としては人間と敵対してる存在ではないとの設定で、それも諸般の事情で唯一の生き残りとなったユーリィ青年が主人公となります。
終盤はこのユーリィに焦点を絞った展開となることから、まさにTHE主人公の様相を呈します。シナリオは予想の範疇におさまる王道の作りでもあるため、ユーリィの見た目、セリフ、行動がしっくりこないとなかなかノレないかもしれません。

その彼が見出した結論

{netabare}父が封印したシリウスの匣を解放し、種族を超えての調和を目指す{/netabare}

共感しやすい思想ではあるものの、その結論に至る過程がふわっとしているため腑に落ちるかどうかは微妙でしょう。
しかしながら、

・終始安定した作画
・なかなかエモいOPED
・新人/中堅/ベテラン声優たちの好演
・キャラ相関{netabare}(ユーリィとミハイルの兄弟を筆頭に){/netabare}がいわくありげ

と底上げ材料に固く、「ヴァンパイアVS何か」というありふれた素材かつ1クールと深掘り要因少なめながら健闘しており、最後まで面白く視聴できました。
視聴前の想定通り、昭和初期の東京の背景作画は充分堪能できてます。意外と大正~昭和初期の時代設定は数多くないので、希少価値があるかもしれませんね。

作画と合わせて時代ならびにその周辺設定など作画以外も突拍子のなさは感じませんでした。
・教授を筆頭とする狩人集団は英系が多く、日英同盟下では軍や政府との協力は取り付けやすかったのかも
・諜報など特務機関といったらまぁ陸軍となるよね
・{netabare}敵国(ソ連)との隣接地域は諜報のメッカで、南樺太に情報将校を配置するのは妥当だよ{/netabare}

私個人としては物語の説明不足と合わせて、もう少しこの時代設定のアドバンテージを活かしてほしかっな、というより見たかったな、というのが物足りなさを感じる部分です。
{netabare}中盤以降、南樺太に舞台を移して物語が進み、またその南樺太が森林や荒野がほぼほぼの舞台だったので時代感薄め。ただし、そもそも南樺太自体これまで取り上げられたことなど無かったんじゃないかいうのもあるので意義はあるかと思います。大泊の街の賑わいとかちょい感動した。{/netabare}

アルマ商会、新型兵器、百虎党、V海運など組織を絡めて深みを出す可能性を模索するには1クールでは尺が足りなかったものと理解してます。


この手の人外系バトルものを数多く見ているわけではないと前置きしつつ、これまでにものすごい“アタリ”を引いた経験がありません。
それでも、凡作と評ずるのとは違う、滅びゆく種族のその先にあるものへの一つの答えを描いた佳作といっていいでしょう。
少なくとも中盤までは帝都東京が舞台の中心なので、このへん興味ある方もどうぞ。


■オマケ3発
{netabare}生き残りの吸血娘を「その後」の世界で登場させたのは良いラスト{/netabare}

{netabare}ヒンデンブルク号事故(1937年)を機にその使命を終える飛行船がまだぎりぎり現役だった時期に、エフグラフたちの母船を飛行船とした設定も示唆に富んでいたものと思われる{/netabare}

{netabare}それにつけてもヴァンパイア役としての櫻井孝宏さん遭遇率の高さよww{/netabare}


個人的には帝都東京でのドンパチが楽しかったよ、という作品でした。



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2019.03.14追記
《配点を修正》

投稿 : 2024/11/09
♥ : 53
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ノスフェラトゥ

P.A.WORKS制作。

舞台は昭和初期、帝都東京。
吸血鬼に復讐を誓った青年ユーリィと、
聖櫃「天狼の匣」を巡る因縁の戦い。

生態系の頂点を決し人狼と吸血鬼は、
人知れず歴史の闇で戦ってきたわけですが、
聖櫃の行方を巡り、上海、東京と、
歴史の表舞台へ登場し、夜の帝都に集結を始める。

5話視聴追記。
安定した美術背景が美しい。
帝都には紅い月が良く似合う。
{netabare}反乱、混乱、様々な陣営が入り乱れて、
天狼の匣は謎を深める。{/netabare}

最終話視聴追記。
{netabare}最終話は映像も演出も素晴らしい、
異なる世界、異なる種族、いつか重なり合える。{/netabare}
後半からは戦闘に継ぐ戦闘でしたが、
昭和初期の風景や日常パートが好きだったので、
そちらでもっと物語が展開してくれていたらと、
少し残念に思いますが、お勧めし易い作品でしょう。

すべては因果の流れの中に、努々お忘れなきよう。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 49

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

夏クール、満を持してやってきた注目作。ということで第1話を観た感想としては、わりと良かったです。→ 涼子ちゃんの無鉄砲を愛でるアニメに…。

オリジナルTVアニメ。7月期開始前からオリジナルの大物としてある程度は注目されていたっぽい作品。

あと、7月期開始の大物で第1話が未放送なのは原作付きですが『つくもがみ貸します』くらいだと思います。ということでとりあえず第1話を観ました。

なお「満を持してやってきた」というのは元々の放送スケジュール上の話で、別に放送開始がアナウンスよりも遅れたとかではないはずです。

ストーリーとしては、「バンパイアハンターに人外が混じっている」という伝奇物的にはわりと定番な感じなわけですが、掴みとしてはなかなか良かったんじゃないかと思います。

作画面ではアクションとかも頑張っていた感じですし、キャラも敵味方ともわりと立っている感じですね。

時代は昭和初期ということで、設定年代的には『ジョーカーゲーム』とかとかぶっているでしょうか。何か、陸軍の諜報機関みたいなものも絡んでくるみたいです。

とりあえず、視聴継続の構え。
何かあれば、視聴中にレビューも更新するかも?

2018.10.6追記:
MXでは12話(最終回)が1週遅れましたが、無事視聴終了。

作画面で大きな破綻もなく走りきったのですが、特に後半のストーリー展開に雑なところもあり、アクションシーンなどに見処はあるものの出来としては凡作でした。

ただ全体にキャラクターデザインが自分の好みには合っていたのと中盤以降の涼子お嬢様の無鉄砲ぶりがかわいくて、最終回まで完走できた感じです。

結局シリウスの匣(はこ)とか大戦との関係については、ようわからん…(笑)。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 40

69.1 8 兄弟で復讐なアニメランキング8位
機動新世紀ガンダムX [エックス](TVアニメ動画)

1996年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (339)
1847人が棚に入れました
アフターウォー (A.W.) 15年。人類と地球に壊滅的な打撃を与えた勝者無き大戦争、第7次宇宙戦争後の荒廃した地球が舞台。戦争で孤児となった主人公ガロード・ランは、ジャンク屋やモビルスーツ狩りを生業として逞しく生きていた。そこにある依頼が来る。内容はバルチャー艦「フリーデン」に誘拐されたティファ・アディールという少女を取り戻してほしいというものだった。しかしティファに一目惚れしたガロードは、依頼者を見て激しく怯えたティファをつれて逃走。そしてティファに導かれたガロードは、幻のモビルスーツ「ガンダムX」を発見する。紆余曲折を経て二人は、フリーデン艦長ジャミル・ニートと共に、「ニュータイプ」と呼ばれる人々を探す旅に出るのだった。

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

幽玄の中の新人類(ニュータイプ)

※1劇場版「機動戦士ガンダム」公開からおよそ15年後に製作された、テレビシリーズとしては7作目のガンダム作品。全39話。

ガンダム平成3部作(アナザーガンダム3部作)と呼ばれる作品群の中では、G、Wに続く最後の作品あたり、監督を務めた高松信司さんの言によると、作品のテーマは「ガンダムを考えるガンダム」との事。

スペースコロニーの独立運動に端を発する大戦争の末、人類の99%以上が死滅し、文明の名残も僅かとなった広漠とした世界が舞台のお話。

※2バルチャーの少年ガロードは、運命に導かれるまま(成り行きのままにとも言う笑)に、ニュータイプの少女ティファ、かつてニュータイプと呼ばれていた男ジャミル、その仲間達と共に、放浪の旅へと繰り出します。

従来(あるいはそれ以後の)のガンダム作品とは異なり、物語の中心に据えられているのは戦争ではなく、あくまでも探求の旅。上で引用させてもらった高松監督の示唆する通り、メタフィクション的な視点からガンダム、あるいはニュータイプを再評価した、珍作「Gガンダム」に負けず劣らず(方向性は全く違うけど笑)の冒険的な試みを断行した、シリーズ中屈指の異色作品になっていると思います。

戦争に駆り立てられる訳でもなく、使命を帯びる訳でもなく、ただただ、個人的な想いをつてに人探しの旅を続けるジャミルおよびバルチャー一行の織り成すドラマは、やや冗長で緩慢。

ガンダム作品ではお約束となっている擬似家族ドラマや恋愛物語としての魅力は充分にあるものの、基本的には人探しと戦闘(小競り合い)の繰り返しの構成となっており、最後半になってやっとの登場となる「D.O.M.E.」なる存在が物語に影を落とすまでは、山場と言える様な大きな展開がありません。心地良い退屈感を覚えてしまいました(笑)

主人公のガロードにしても、言わば地を足で行く努力型。ガンダムシリーズの主人公にはありがちな、※3特別な力を持った存在としてではなく、むしろ生粋の※4オールドタイプの少年として描かれているので、ヒーロー性が弱いと言いましょうか、格好良さや華々しさとは縁遠い印象を受けます。元気印で天真爛漫な姿は見ていて痛快ですが、主役としての覇気に欠け、やや頼りなく、物語を牽引する役割についても脇を固めるティファとジャミルにそっくり譲ってしまっている様にさえ思えました。(二人のお供の立ち位置なので仕方無しですけど)

作品全体を俯瞰して見ると、このヒーローらしくないヒーローであるガロードという少年の人物像は、物語のテーマにしっかりと絡み付いておりまして、その意義は"敢えて特別ではないキャラを主役に据える事"そのものにあったのではないかと思われます。言葉に毒されぬ直感型、頭でっかちにならず体を動かす行動派である彼は「ニュータイプ」と言う言葉で理想化された"進化した人類"という概念の破壊と再構築を担う役回りとして、最適なキャスティングだったのではないでしょうか。

人は理想を求めて生きる動物ですが、あくまでも理想は絵に描いたモチ、それ以上でも以下でもなく^^。理想と現実を混同し、もしそれを自身に強いれば、必ずひずみが生じ、病み、もしそれを他者に強いれば、それはエゴとなり、争いの種となる。幼子が博識な大人を見る時、恋する人が想い人を見る時、それがその瞬間幻となるのと同じように。

ニュータイプ(アニメキャラ)という理想に魅せられた少年少女が大人になる通過儀礼としての一面も備えた本作は、裏を返せば、そんな理想に捉われた人々の心の歪みが紡ぐ青春群像劇と言い変える事が出来るのかも知れません。

ニュータイプなんて関係ねぇ!のポーズをとり続ける自由なガロード、ニュータイプとしての力を求められ戸惑いながらも信念を曲げない強い子ティファ、ニュータイプであった過去から逃れられず苦悩する探求者ジャミル、ニュータイプになりたかった献身の人、高潔な魂のカリス、ニュータイプを憎み、滅ぼさんとするフロスト兄弟。

言霊に縛られた人々が白い闇を抜けて、それぞれの道を歩むまでの姿を描いた「機動新世紀ガンダムX」。これはそんな人たちの物語。心を平らかにしてお楽しみ下さい。

最後に、申し訳程度の説明になりますが、ガロードとティファの繊細で優しさに満ちた恋愛描写につきましては、シリーズ屈指、いやむしろ、恋愛を扱ったアニメ全般をひっくるめても突出した微笑ましさと愛くるしさがあったと評価したいです^^

前途ある二人に祝福あれ!


※1:本作のタイトルは劇場版「機動戦士ガンダム」公開直前に、新宿駅前で行われたイベント「2.22アニメ新世紀宣言」を踏まえているそう。劇中の年号「A.W.(アフターウォー)15年」もこれに因んでいるとの事。

※2:ハゲタカの名の通り、廃墟を漁り、使えるものや金になるものをかっぱらい、自分達で利用したり、売り捌いたりして生計を立てているジャンク屋みたいなもの。いくつもの派閥があり、中には傭兵や追い剥ぎまがいの行為をする連中もいる。

※3:あくまでも設定として。バルチャーとして年齢不相応の抜け目無さと逞しさがあり、モビルスーツ乗りとしての天性にもスペシャルと形容していい程に恵まれている。

※4:ニュータイプの対義語。精神感応や未来予知など超能力に類する能力を全く持っていない人。つまり普通の人。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 27
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ガンダムのフォーマットを借りた少年・少女の初恋ストーリー

視聴率が余り取れなくて、ガンダムシリーズとしては珍しく放送期間が短縮されてしまった不人気作ですが、実際に視聴してみると、その「ガンダムらしくなさ」が逆に個人的には次第に好もしく思えてくる作品となりました。

監督の高松信司氏は、前年(1995年4月-1996年3月)に制作・放送された『新機動戦記ガンダムW』で、本来の監督(池田成氏)が突然途中降板した後、監督代行を本作の放送直前まで務めており、本作のシナリオについては、前作『ガンダムW』と同じく複数ガンダム・複数パイロットとする等の大枠を示した後は、川崎ヒロユキ氏にほぼ丸投げだったそうです。

そして、そういう経緯から本作のシリーズ構成&脚本を一人で担当することになった川崎ヒロユキ氏の方は、その後2005-6年に制作・放送された『ツバサ・クロニクル』(CLAMP原作)の第1-2期の脚本も一人で全話担当している方、ということで、そうした日常系ではない特殊な世界観設定のある「少年・少女の初恋もの」の脚本家として高い適性のある方なのではないか、と思いました。

※つまり本作は、《イベント牽引型》作品の代表格である「ガンダム」向けのシナリオではなく、登場キャラクターたちの細やかな心情推移をゆっくりと描き出す《感情描写型》のシナリオになっている。
→それが、本作が「ガンダム」としては不人気作となってしまった一方で、私には好ましい作品に思われた原因と思います。

なお、《感情描写型》作品ということの補足説明として、本作は、
{netabare}
①ガロード&ティファの初恋だけでなく、
②同じバルチャー艦フリーデンの助っ人パイロットであるウィッツ&ロアビィと、フリーデンの女性クルー達との恋愛模様、
③同じくフリーデンの副官サラのジャミル艦長に対する思慕、
④さらには、ガロード&ティファの2人の成長を見守るジャミル艦長やテクス医師の心境、{/netabare}
・・・等をそれぞれ確り描出しており、視聴者がそうした細かい描写に気付くかどうか、で本作全体への評価も微妙に変わってくる作品かも知れません。


◆制作情報
{netabare}
原作           矢立肇、富野由悠季(『機動戦士ガンダム』より)
監督           高松信司(全話)
シリーズ構成・脚本  川崎ヒロユキ
キャラクターデザイン 西村誠芳
メカニックデザイン   大河原邦男、石垣純哉
音楽           樋口康雄
アニメーション制作  サンライズ{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

============= 機動新世紀ガンダムX (1996年4-12月) ============

 - - - - - OP「DREAMS」、ED「HUMAN TOUCH(英語版)」 - - - -
{netabare}
第1話 月は出ているか? ☆ バルチャー(禿鷹)稼業の少年ガロード&謎の少女ティファの出遭い、ジャミル配下のMSからの逃走、GX起動
第2話 あなたに、力を… ★ 助っ人ロアビィ(Gレオパルド)&ウィッツ(Gエアマスター)との対戦、サテライトキャノン発射、ティファ絶叫
第3話 私の愛馬は凶暴です ☆ ジャミル(バルチャー艦フリーデン艦長)、フロスト兄弟(アルタネイティブ社&フリーデン接触)
第4話 作戦は一刻を争う! ☆ ジャミルの過去とティファに拘る理由、フロスト弟のティファ誘拐
第5話 銃爪(ひきがね)はお前が引け ★ 対フロスト兄(Gヴァサーゴ)・弟(Gアシュタロン)戦、ガロードの戦う理由、ラボ破壊、ティファ帰還
第6話 不愉快だわ… ★ ガロードの落ち込み、化粧、エニル・エルGX襲撃、旧連邦動力施設爆発
第7話 ガンダム、売るよ! ☆ ガロードとティファの行き違い、ガロード逃亡、G競売、ウィッツのお宝
第8話 あの子、許さない! ★ それぞれの想い、ティファへのテクス医師の助言、ガロードGX再搭乗
第9話 巷(ちまた)に雨の降るごとく ★ 湖上の待ち伏せ、水蒸気爆発誘発、3人フリーデン専属パイロットに
第10話 僕がニュータイプだ ★ 北の街フォート・セヴァーン、氷上の待ち伏せ、対ニュータイプ(カリス・ノーティラス)戦
第11話 何も考えずに走れ! ★ ティファの選択、ガロードの逡巡と立ち直り、フロスト兄弟vs.ウィッツ・ロアビィ・ガロード
第12話 私の最高傑作です ★ フォート・セヴァーン潜入、旧宇宙革命軍ライラック作戦失敗の顛末、人工ニュータイプ完成体
第13話 愚かな僕を撃て ★ ティファ奪還、カリスとの再戦、シナップス症候群{/netabare}

 - - - - OP「DREAMS」、ED「HUMAN TOUCH(日本語版)」 - - - -
{netabare}
第14話 俺の声が聞こえるか! ★ カリスとの再々戦、別れ
第15話 天国なんてあるのかな ☆ 助っ人ウィッツ&ロアビィの休日
第16話 私も人間(ひと)だから ★ ティファとイルカの交流回、別のガンダムX
第17話 あなた自身が確かめて ☆ ドルフィン・ナビとイルカの怒り
第18話 Lorelei(ローレライ)の海 ★ ルチル・リリアント出現 ※ガンダム恒例のオカルト現象
第19話 まるで夢を見てるみたい ★ Lシステム、GX-bit機動、ルチルとの別れ
第20話 …また逢えたわね ☆ ガロード&ティファのデート回、エニル・エルの困惑
第21話 死んだ女房の口癖だ ★ 新連邦政府再建委員会、カトック隊のフリーデン襲撃
第22話 15年目の亡霊 ★ エニル・エル救出、ガンダムDX出現、降伏
第23話 私の夢は現実です ★★ 脱出計画失敗
第24話 ダブルエックス起動! ★ カトック死亡、ガンダムDX奪取、新連邦政府樹立
第25話 君達は希望の星だ ☆ 独立国エスタルドとの同盟、新連邦軍撃破
第26話 何も喋るな ☆ 隣国ノーザンベル攻防戦、対「白い死神」戦{/netabare}

 - - - - - - - - OP「Resolution」、ED「銀色Horizon」 - - - - - - - -
{netabare}
第27話 おさらばで御座います ☆ 隣国ガスタールの裏切り 
第28話 撃つしかないのか! ☆ エスタルド降伏
第29話 私を見て ★ 対アベル・バウアー戦(GX-bit操作者)、ティファとの共闘、フロスト兄弟の目的
第30話 もう逢えない気がして ★ ニュータイプ研究所破壊、ニコラ研究員ティファ略奪・宇宙へ 
第31話 飛べ、ガロード! ☆ シャトル打ち上げ、フリーデン突撃・大破
第32話 あれはGファルコン! ☆ スペースコロニー(クラウドナイン)、宇宙革命軍(ランスロー大佐)、Gファルコン(パーラ搭乗)
第33話 どうして俺を知っている!? ☆ 反宇宙革命軍・反ニュータイプ主義組織サテリコン、GファルコンDX
第34話 月が見えた! ★ ダリア作戦(地球へのコロニーレーザー照射)阻止、ティファ救出
第35話 希望の灯は消さない ★ 新連邦ブラッドマン総司令の本心、カリスの救援
第36話 僕らが求めた戦争だ ☆ フリーデン・クルーとの再会、フロスト兄弟の策謀、開戦決定
第37話 フリーデン発進せよ ★ それぞれの恋の進展、ティファの夢(月面のD.O.M.E.)、革命軍の月侵攻、フリーデン月へ
第38話 私はD.O.M.E…かつてニュータイプと呼ばれた者 ☆ D.O.M.E.の招待、1st.ニュータイプ
第39話 月はいつもそこにある ☆ 「人の変革」の否定、フロスト兄弟との最終戦、和平協定{/netabare}
--------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)1、★(良回)21、☆(並回)17、×(疑問回)0 個人評価 ★ 4.0


◆富野氏の作品は「叙事文学」的、それに対して本作は「叙情文学」的?

そもそも「ニュータイプ」という「只の超能力者」に関する勿体ぶった(その実、何の内容もない)言説には余り興味が涌かない自分には、本作のような《感情描写系》で「叙情文学的」な作品の方がしっくりくる感じです。

なお、私の個人的意見として、ガンダムシリーズは「文学的」ではあっても全然「哲学的」ではない、と考えています(物語-story-としての面白さはあるが、論理考究的な面白さはない)。

※この点については、現在視聴中の『銀河英雄伝説』が、「哲学的」な面白さも兼ね備えた作品と思うので、そちらのレビューの方で比較考察したいと考えています。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 26

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「月は出ているか?」

私は『ガンダム』シリーズから“戦争映画”の如き性格を見出すオールドタイプの一人ですがw
“戦後映画”の性格を持った、この宇宙世紀以外の『ガンダム』も大好物。

かつて地球とコロニーの間に“大戦”があった。
その後に残った荒廃した地球に打ち捨てられた人々にもそれぞれドラマがある。

戦争後遺症に苦しむニュータイプ兵士、兵器としての意味を取り戻すか否かで揺れ動く改造人間、
先の大戦に不要とされた自らの能力の再評価を求める者たち……。

甘酸っぱいボーイミーツガールから、
ガンダムパイロットになった少年を乗せた地上戦艦が砂埃を巻き上げながら、
旅路の中で、世界各地に点在する戦争の残滓を拾い上げつつ、
ニュータイプ思想など、『ガンダム』がファンに投げかけ続けたテーマについて、
メタフィクション的な視点も交えて問いかけていく。

方々でトラウマを蒸し返していく内容にも関わらず、
月から得たエネルギー源から発射されるサテライトキャノン。
毎回Bパートの引きから流れ込んでくる洋楽バラード(後期は日本語詞になりましたがw)
から次回予告、次回からセリフを切り取ってタイトル表示で締める粋な演出。
などロマンを感じながら視聴できる稀少な『ガンダム』でした。

惜しむらくは放送途中、視聴率低迷による金曜夕方から土曜朝への番組枠移籍と、
併せて行われた1クール短縮。
この影響もあってか、本作が取り組んできたニュータイプ幻想の相対化による、
ファーストガンダム以来のテーマの決着が、言葉足らずとなってしまったこと。


ただそれでも『X』が発掘した『ガンダム』の戦後物が醸す魅力が忘れられず、
これ、宇宙世紀でもやれば絶対面白い。誰かやって下さい……。

そう思い続けていたら、後年、福井晴敏さんが『ガンダムUC』でやってくれました。


こうしてただでさえ埋もれていた『X』は、
『UC』の影に隠れてさらに見えなくなって行きましたがw
私にとっては月を見上げる度に、ふと思い出す大切な『ガンダム』
ROMANTIC MODEが歌う前期OP主題歌「DREAMS」は今でも『ガンダム』で一番好きなOP。

捻くれ者ですが、マイフェイバリットガンダムには敢えて本作を挙げ続けたいと思います。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 23

64.3 9 兄弟で復讐なアニメランキング9位
魔道祖師 日本語吹替版(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (59)
164人が棚に入れました
世は岐山温氏が暴虐の限りを尽くし、人々は苦しみに喘いでいた。姑蘇藍氏・雲夢江氏・蘭陵金氏・清河聶氏ら仙門の修行者たちは「射日の征戦」を行い、力を合わせて温氏を討伐することに成功する。夷陵老祖いりょうろうそである魏無羨は、「射日の征戦」で貢献を果たしたが、彼の修めた鬼道は強大な力を持つがゆえに、人々に恐れられ、謗られ、やがてその身の破滅を招いてしまう。そして十三年後。死んだはずの魏無羨は呪術によって世に蘇り、かつての友、姑蘇藍氏の藍忘機、義兄弟である雲夢江氏の江澄と再会する。しかし、過去の謎は未だ消えず、世間は再び彼を疑い始めるのだった。すべての物語の始まりは、彼らの少年時代の出会いに遡る――

声優・キャラクター
木村良平、立花慎之介、緑川光、早見沙織、森川智之、梶裕貴、土屋神葉、斉藤壮馬、花江夏樹、赤羽根健治、島﨑信長、川澄綾子、吉野裕行、阿澄佳奈、Lynn、浜田賢二、本田貴子、酒巻光宏、速水奨、三宅健太、酒井敬幸、白熊寛嗣、こばたけまさふみ

シャベール大佐 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

映像はとても綺麗な中国時代劇アニメ

悪霊や妖魔がはびこっている古代中国を舞台にした時代劇アニメ。前塵編15話+羨雲編8話で全23話。
予備知識ゼロでなんとなく観始めたのですが、まずは映像の綺麗さにびっくりしました。特に背景は、描かれている土地や建物自体が景色として美しいこともあり、それだけでも一見の価値はありそうです。で、内容のほうですが、雰囲気としては陰陽師のような怨霊バトルと、武侠もののような、権勢を誇るいくつかの名家同士の抗争がミックスされた感じ。設定や世界観などは割とオーソドックスだと思います。ただ、ちょっと問題だったのは、人名などの中国語読みの固有名詞がすんなり頭に入ってこないこと。普通に漫然と観ているとストーリーに置いて行かれてしまいます。なので、大まかな流れはわかるけれど、細かいことはよくわからない、というような感じで眺めていました。それでも前塵編の後半、吉野裕行が演じる悪役が登場してきたあたりはストーリーもわかりやすく盛り上がって、ちゃんと面白かったです。ネットの評判などを見ると、名前が覚えづらいというのは多くの人に共通の感想のようですし、個人的にも、中国を舞台にした小説などを読んでいると、人名や地名の漢字をそのまま日本語の音読みで読ませるものはすんなり覚えられるのに、中国語読みのルビを振ってあったりするとなかなか覚えられず、頭の中で勝手に普通の音読みにして読んでいたりなんかして、中国語読みの名前というのは、どうも日本人には相性が悪いような気もします。この作品も、日本語版については、名前を覚えやすい読み方にするなどの工夫があっても良かったかもしれません。
最後まで観終わって、映像的には高品質でしたし、物語も、とりあえずわかる範囲においては悪くなかったです。あと、どうでもいいですが、この感想を書くためにwikiを見ていたところ、作品のジャンルが「ボーイズラブ」となっていて、あまりそういう印象はなかったのでちょっと驚きました。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 4

pikotan さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

食わず嫌いは良くない

中華アニメというだけで敬遠するのは間違いです。
全てとは言いませんが「なろう系アニメ」より遥かにマシだと思います。
何より驚かされたのが作画の良さ。日本のアニメなら劇場版レベルです。
遂にここまで来たかという感じで、アニメでも中国に抜かれる日が近いかもしれません。

BL作品らしいですが、日本人が考えるようなBLシーンはありません。
日本よりも検閲が厳しそうですからね。

中盤頃に切ろうかと考えたこともありましたが、続きが気になり結局完走してしまいました。
ストーリーはやや分かりづらい点もありましたが、結果的には十分楽しめました。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 3

08261216 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

原作読みました

日本語版を観ました。というかそれしか配信されてなかったです。
前塵編15話、羨雲編8話視聴。
年内?3期(完結編)が日本配信なのかな?

原作既読
BL小説ですが、(ほぼ4巻のみ)
アニメはBL要素(恋愛要素)は全くないです。

配信済23話でも回収できていない伏線が多く。
ファンタジー要素、ミステリー要素が高く。
過去、現世をいききします。
主人公の存在自体(前世・召喚後)も謎が多い。

人名や呼び方が難しすぎる・・・。
アーシェンとかランジャンとか、違う呼び方されたら、ごめん誰のこと?どういう意味?とパニックになりましたので、お高かったですが、原作読みました。

・・・・・原作話・・・・・・
全4巻ですが、1冊が32万文字超え、全部で130万文字超えなのかな?
3巻、4巻は電子書籍化がまだだったので紙で読みましたが、
B6・2段組み。かなりキツイ。
(※通常一冊16万文字で多い方)

1回目通しで読むと、BLなのは4巻のみといった感じですが、
2回目は、恋愛感情はわかるようになりました(2巻から)

BL苦手な人はそこだけ飛ばして読めばいいというレビューが多いですが、その通りで、物語としてはかなりの名作です。
興味のある方は是非読んでみて下さい。
中華ファンタジー世界が舞台のミステリー小説だと思ってます。
伏線が膨大で前世、現代を追いながら、謎を解き明かします。
文字数が多いだけにミステリー好きな方にはご馳走かと。

・・・・終・・・・

アニメは少し切り口が違います。
アニメオリジナルの謎
・クコンの印
・懐蒼山
・金子勲の首
・不夜天の招陰陣
etc
結構沢山あるので、どう着地するのか楽しみです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 3

63.5 10 兄弟で復讐なアニメランキング10位
アフロサムライ:RESURRECTION-AFRO SAMURAI(アニメ映画)

2009年12月12日
★★★★☆ 3.8 (38)
236人が棚に入れました
「一番」のハチマキを持つ者は世界を制する力を持つ。「一番」に挑戦できるのは「二番」のハチマキを持つ者のみ。だが「二番」に対しては誰でも挑戦でき、ハチマキを狙う者達から常に狙われ続けることになる。かつて「一番」を持つ父を殺されたアフロは復讐のため「二番」を手に入れ終わることのない戦いに身を投じる。
ネタバレ

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

GONZO×RZA×サミュエル・L・ジャクソン 

岡崎能士氏の原作をGONZOが見出しアニメーション化を企画。
偶然ハリウッド俳優サミュエル・L・ジャクソンがこの企画を見つけるや
「俺がアフロサムライだ!」と、自ら製作への参加を表明。
主人公アフロサムライを含む二役で、ボイスアクターとしても出演を快諾したらしい。

そして本作では、ルーシー・リューが登場。
主役アフロに対し復讐の執念を燃やす魅惑な謎の女敵役 シヲを華麗に演じる。
さらに音楽をヒップホップグループ、ウータン・クランの総帥で、「キル・ビル」
「ゴースト・ドッグ」などの映画音楽でも有名なカリスマアーティストThe RZAが
担当するなど、日本アニメとハリウッドメジャーの豪華共演を実現させた。(以上 公式サイトより抜粋)


主人公は巨大なアフロヘアの黒人の侍、そしてBGMはヒップホップ。
アンドロイドやアメリカンバイク、コンピューターも登場するはちゃめちゃ振り。
セリフは全編英語100%で字幕スーパー。
海外向けに日本が作った日本のアニメが全米で大人気らしいという
ニュースを見たのは2~3年前だっただろうか?
その時はあまり気に留めていなかったのだが、
今回この作品を観て、アメリカンなものを散りばめてはいるものの、
決して海外に媚びた作品だとは思わなかった。

そして前作より物語は深くなっており、背景の美術もきれいだった。
特に印象に残っているのは、何度か出てくる満開の桜のシーンと
ねぷたが行く祭りでのスタイリッシュなバトルシーン。
それからキラキラとさざめく海を見渡す丘からの眺めなどなど。

音楽は好みが分かれるかもしれないが、ヒップホップが苦手じゃなければ
たいていの人に聴き易い渋めのサウンドだ。

そして前作と何より違うのは、メインキャストに女性がいること。
主人公アフロの友人の妹であり、アフロを兄の仇として追う立ち居地が
物語と映像全体に奥行きと深みを与え、しっとりとした味わいが出ていた。

アフロの過去と友人関係、父親を乗り越えるという意味、
親子の絆というものが、殺伐としたシーンに織り込まれていく中
{netabare}「この世には血よりも濃い絆があるんだ」{/netabare}
というセリフが印象的。
桜の花びら舞う切ないシーンも、とても良かった。

いつか『ゲド戦記』を読んだときも思ったのだけれど
特に息子というのは、父親を自分の手で殺すくらいの覚悟で
精神的に乗り越えなければ、一人前とは言えないのかもなぁ・・

投稿 : 2024/11/09
♥ : 33

che さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

Hy buddy!! This is the entertainment of entertainment men!!

帰ってきたアフロサムライ!アフロサムライの続編!
ハッキリいって前回以上の出来です!悪乗りも磨きがましてます!
今度はアメリカンのバイクが出てきますwフロントフォークやフレームが竹ですww
ヘッドライトのしたに注連飾りついてますw
しかもハンドクラッチです!!無駄にcoolですww

今回は前回より少し内容もある感じですね。でももはや無くても楽しめるからww
音楽も前作に引き続き安定したCoolサウンドです!
今回ヒロイン役をルーシーリューがやってます、アニメにハリウッド俳優ってw
まあこの時点でもう、観る価値あるアニメだと思いますよw

前回より少し違ったかなと思うのが、美術ですかね。
前作から美術も圧倒的なクォリティだったんですが、今回はねぶた祭りのねぶたとか出来てきて、
その上でDJがプレイしてる「祭り」(祭り=(クラブ)イベントてニュアンスなんでしょうがね)
とかが有って凄く面白かったです。
ってかこんなイベント有ったら絶対きます!絶対おもしろいでしょ!!
話それましたが、そのねぶたの上での戦闘や、ねぶたを突き破って中に入って戦闘したり、その時ねぶたにアフロと敵の戦ってる影が映るじゃないですか、中に入ってるわけだから、それを外から描写したりとか。
そいう、面白い描写もあったし、
城の天守閣の屋根の上で戦ったり、桜吹雪が舞う中桜の大輪の下で戦ったりと、
いわゆる日本文化の美を描写した美術が前作に比べて多かった気がしました、それがとても良かったです。

現実離れした美の表現などはアニメでこそ、表現しやすいと思うのでもっとそう言うのを表現するアニメが有ってもいい気がしますが、少ない気がしてとても残念だと思います。
多分日本って国がもつ美意識は独特でその感覚はが他国より勝ってると思うんで、だからかな。
逆にエンターテイメントをやらせたらアメリカ人の右に出る人種は絶対いないと思ってま僕はw
彼等はいい意味でも悪い意味でもバカだからwMTVとか観たらその差は歴然ですw
美しい作品は無い事は無いんだけどね、ジブリの作品とか、最近だたらサマーウォーズ綺麗だったかな
「モノノ怪」の美術や表現はTV作品としてはかなりハイセンスだと思うし、ただやっぱりマイノリティだよね。
あ、因みにこの作品、美術でエミー賞とってますよ、それ程です。

悪乗りや、日本の美意識、こう言った多角的な視点から訴える表現が出来る作品、
それが僕がアフロサムライは「最高のエンターテイメント」だと思う理由です。
ってかこの映像作品つくった監督パネエよまじでw
あ、第3段するらしいですよ!絶対映画館いこw

タイトルは
「ヘイ、兄弟達!! これこそエンターテイメントの中のエンターテイメントだぜ!」


こう言う人にオススメ

前作の人
音楽の人
バトルの人
ルーシーの人
サムエルの人
Qタランティーノの人(QTの映画に感じがにてるからw)
モンスターアフロの人(今作アフロの頭はアフロとは言えないほどの域に達しているからw)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 10

さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ヒップホップなサムライ

サムライチャンプルーが好きなら…とお勧めされたので。
アクションシーンが凝っていて、ヒップホップが効いているので雰囲気は近いかも。

監督はバジリスクの木崎文智さん。
バジリスクは1話しか観てないけど、印象的なキャラ作りと、舞台を最大限に生かした戦闘シーンの見せ方が上手な人なんだなと思った。


良かったところ
作画が常にぬるぬる動いてる。アフロもキャラも常に動いてる。GONZOの気合の入れ方がハンパないなと思った。

バトルシーンは最初の橋上の戦いとねぶた上の戦いが好き
橋の戦いは
揺れながら敵との距離をつめて、傍観視点で斬りかかり、キャラの近くで断面を見せる。この流れるような剣劇が美しいなと思った。
そして最後に木の橋の下を描いて、びちょびちょ垂れる血で上の惨事を表現。とても印象に深く残った。

ねぶたの戦い
こちらは行動範囲が広いため、基本的に傍観視点でのアクション描写だったけれど、ねぶたの内側で戦い、外側から影だけで写す演出はねぶたの大きさも動きの大きさも見せられて面白いと思った。

キャラは濃いキャラだらけだけど、その中でもクマ(仁之助)が好き
着ぐるみのクマの被り物をしたサムライで虚ろな目は吸い込まれそう。
キュートな見かけによらず、バイクを乗り回しアフロに斬りかかるギャップに恐怖と格好良さと可愛さが強調されていて存在感が半端なかった。


気になったところ

物語の縫合性がイマイチ
復讐にハチマキを奪う必要性を感じないし、
最初の襲撃直後は二番のハチマキを手に入れるのに消極的だったアフロが、何故七五郎に戦いを挑んだのだろう。
最後に記憶を取り戻したクマだが、それまで記憶を失っていたという描写がなかったので、唐突に感じてしまった。

それから緩急の差が無くて途中で集中力が切れてしまった。
後半部分は非常に長く感じて、ハチマキはお土産屋さんで入手して早く決着付けよう?
とずっと思ってた。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 2

64.1 11 兄弟で復讐なアニメランキング11位
曇天に笑う(TVアニメ動画)

2014年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (417)
2316人が棚に入れました
時は明治十一年。急速な欧米化に伴い、政府に不満を持つ人々が増え、監獄は囚人で埋まり、脱獄も後を絶たなかった。そこで政府は、滋賀県琵琶湖に重犯罪者専用の檻、日本最大・脱出不可能な湖の監獄、獄門処を設ける。その監獄への橋渡し人を請け負う曇家の三兄弟が織り成す大冒険活劇の幕が上がる……!

声優・キャラクター
中村悠一、梶裕貴、代永翼、櫻井孝宏、佐藤利奈、鈴村健一、大原さやか、三木眞一郎、能登麻美子、安元洋貴、下野紘、藤原祐規、藤原貴弘、岩崎ひろし

PPN さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

男性声優陣が魅力(*´ω`*)

維新後の混乱する明治を時代背景に
強く生きる3兄弟の姿を描いた作品。
全12話。
原作:漫画(未読)


滋賀県が舞台のお話。
明治維新以降、数多く出る犯罪者や脱獄者を
幽閉する監獄が作られた琵琶湖。
その湖畔に住み、犯罪者の最終的な護送を
担当する曇神社の3兄弟がメインとなる物語。

と、まぁ、こんな感じで始まるお話ですが
視聴前にチラッとチェックしたあにこれでの評価や
人気がイマイチだった事が功を奏した作品ですw
ハードルが下がったおかげで
そこそこ楽しめましたよ(´∀`)w

ジャンル的にはアクションなんでしょうか。
それでも世界観や設定、声優陣など全体的に見ると
やはり女子向けの作品になるかと思います。

ストーリーは可もなく不可もなくといったところ。
意外とテンポよく展開するのでサクサク視聴でき
あっという間の12話でした。
う~ん、何だろう。
悪くはないけど、これといった特徴や驚きが
ないまま終わってしまった印象が強いです。
もう一捻り欲しかったですね。

個人的に一番の魅力は豪華な男性声優陣。
3兄弟を演じる中村悠一、梶裕貴、代永翼を始め
しっかりとした配役が成されていますよ♪


メッセージ性は低いものの、兄弟愛や家族愛を
感じる事ができる作品でした(*´∀`*)ノ

「オススメ!」とまでは言えないかな(^^;)
好きな声優さん目当てなどで視聴するなら
悪くない作品だと思います。




《キャスト》

曇 天火(CV.中村悠一)
曇 空丸(CV.梶裕貴)
曇 宙太郎(CV.代永翼)
金城 白子(CV.櫻井孝宏)
安倍 蒼世(CV.鳥海浩輔)
牡丹(CV.佐藤利奈)
比良裏(CV.鈴村健一)
佐々木 妃子(CV.大原さやか)
武田 楽鳥(CV.下野紘)
屍千狼(CV.岩崎ひろし)
芦屋 睦月(CV.藤原祐規)
錦(CV.能登麻美子)
嘉神 直人(CV.三木眞一郎)
風魔 小太郎(CV.遊佐浩二)




《主題歌》

OP
『毘藍ノ風』/青木隆治(第2話ー第7話)
『流転ノ陽』/青木隆治(第8話ー第11話)
ED
『ATTITUDE TO LIFE』/ Galneryus

投稿 : 2024/11/09
♥ : 35
ネタバレ

Baal さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

数百年をかけて廻る運命を超えて曇り空が晴れ渡るとき・・・

唐々煙による漫画を原作とする作品です。

全12話、原作未読。


明治11年、明治維新以降に士族反乱などで犯罪者が増え

彼らが送り込まれた監獄からの脱獄も絶えなかった。

そんな中300年に一度の長期の曇り空となっていた。

人々に災いをもたらすオロチの器を探すため、右大臣直属の

部隊「犲」が動き始めていたのだった・・・


展開はそんなに奇抜でもなくよくある方だと思うような

感じでしたが、個人的にかなり楽しめた作品でした。

最初の方は雲三兄弟の役割や存在、それから今の状況等を

やっていく話がメインでオロチに関することなんかは裏で

進行していたようで、落ち着いた雰囲気を保っていた風に

感じました。


このまま続くのかなと思っていたのですが(原作知らない

ので)5話あたりで突然物語が急発進し始めて流れが大きく

変わっていき、最初は何なんだと思いましたが、これが

またかなり良かったです。まさかあのタイミングでこの

カードを切ってくるかと思いました。


そこからラストまで急展開だったり、急ブレーキをしたりと

安定しなかったところが多かったですが、大事に大事にと

進んでいるようにも感じ取れたのであんまり気にすることも

なくまた{netabare}雲三兄弟がバラバラになってしまい

三人がそれぞれの視点で描かれる部分もあってなかなか

三人が繋がっていかないところもあってそれが繋がる時に

何が起きるのかな{/netabare}と思うこともあったのでラストまで

かなり入り込んで見ることができ、とても濃かったように

思います。


ただ少し残念だったのが{netabare}オロチが復活を遂げていくあたり

からオロチを倒すまでの間が駆け足すぎたかなと思います。

特にオロチとのラストバトル{/netabare}のところがもう一話取って

いれば割と細かくそして深く描くことができたのではと思えた

ので、そこのところが本当にちょっとだけ「あと一話・・・」

と思いました。


いろいろありましたが、総合的には面白かったと思います。

展開も一転二転するので(と言ってもよくあるとは思いますが)

そこそこ見ごたえがあると思います。

(後半につれてちょっと駆け足なのは否めないけど)

◆個人的点数評価 80.31点

★追記

書いた直後に思い出しましたが、女子向けっぽい感じですが

男の私でも楽しめますし、物語も5~6話あたりで動き出すので

そこくらいまでは見てみるといいと思います。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 35
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

三兄弟の絆

原作未読 全12話

明治維新後のお話、犯罪者が多い世の中で絶対脱獄不可能な監獄(島ようなもの)をつくりその橋渡し役をするのが曇神社の曇家三兄弟(曇 天火(くもう てんか)、曇 空丸(くもう そらまる)、曇宙太郎(くもう ちゅうたろう))の仕事でした。
その一方で、長らく封印されていた世界を滅ぼすといわれる「オロチ」が復活するのではないかと危惧されていて、オロチの器(オロチが人間に憑依している)を捜すために三兄弟たちが巻き込まれるお話です。

最初は兄が大きな存在なため、その兄を超えるために弟たちが頑張る作品になるお話かと思いましたが、それだけでは全然ありませんでした。

中盤から後半にかけて、次々と明らかになって真実を知り、色々なことに巻き込まれ困難な危機を乗り越えるお話は、観ていてグッときましたね。{netabare}(天火の処刑の時の話はウルウルしました){/netabare}

視聴前は期待していない作品でしたが、観ていくうちにどんどん入り込んでしまいました。

駆け足な点もありましたが、伏線も回収されて、最後もきちんと終わっています。良いお話でした。

ファンタジー色も強くバトルもありますが、どちらかというと人間模様を観るお話だと思いますので、そういった作品が好きな方はおススメです^^

投稿 : 2024/11/09
♥ : 27

72.5 12 兄弟で復讐なアニメランキング12位
ミギとダリ(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (186)
558人が棚に入れました
1990年2月、神戸市北区オリゴン村。 児童養護施設で過ごしていた双子の少年ミギとダリは、ある日裕福で穏やかな老夫婦、園山夫妻に養子として迎えられる。 しかしそれはふたりの少年「ミギ」と「ダリ」としてではなく、ひとりの少年「園山秘鳥」としてだった。 二人は正体を隠し、園山秘鳥を演じながらオリゴン村に溶け込んでいく。一体何のために二人で一人の人間を演じているのか。そこには大きな秘密と恐るべき目的があった。
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

シンメトリー

GEEKTOYS×CompTown制作。

双子の少年ミギとダリは自らの正体を隠し、
園山秘鳥としてオリゴン村で新しい生活を始める。
彼らには成し遂げたい大きな目的があった。

シュールな笑いとホラー要素に溢れ、
この先はサスペンスフルな展開も予想され、
歪な人間関係が暴かれるのでしょうか、
独特な世界観で不思議な印象を残しますが、
魅了されるものもあり序盤は楽しい。

{netabare}公式映像には双子の復讐劇とある。
亡くした母の事件の真相を探るべく、
記憶を頼りに、町の住人の調査を始める。{/netabare}

最終話視聴追記。
{netabare}双子の母は一条家の家政婦をしていた。
完璧な家庭像に妄執する一条家の妻玲子、
彼女には大きな挫折があり心が歪んでいる。
事件の真相、双子の出生の秘密が語られる。

そして最後は一条家と対比されるように、
楽しくて穏やかな園山家の日常が描かれる。

幸せな家庭の在り方を教わる、
そんな物語なのでしょう。{/netabare}

最後はこれで良かったと思います。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 30
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

右と左の違い

とても好きな作品
ミステリー?ホラー?サスペンス?ギャグ??
最初はどんなジャンルなのかわからなくて、とにかく怪しく不気味な雰囲気に惹かれてみていました、ただのギャグが実は重要な伏線だったりして驚いた
OPアニメで片方だけパイが食べられるなど作中のいたるところに意味深な描写が多くて、面白い作り
最後の展開もすっきりしていてちょっと感動しちゃいました、本当によくできた話でした
話がテンポ良くて予想外な驚きの連続で楽しい!
アニメスタッフによる、佐野先生の遺作を最高のアニメにしたい!という熱意が伝わってくる素晴らしいアニメ化でした!

坂本ですが?の作者のかたです、作者のかたはまだ若い女性のかたですが、このアニメが放送される直前に癌でお亡くなりになったそうです、せっかくいいアニメ化なので動いているところが見たかったでしょうね、ご冥福をお祈りします

最終回のメッセージの意味{netabare}
幽霊?になったみっちゃんが何か地面に書いていましたね

A la memoire de Sano Nami
筆記体のフランス語で「佐野菜見を偲んで」と書かれています

このメッセージを作中に入れるのは生半可な気持ちではできないでしょう
こんな熱いメッセージ書いておきながら残念なアニメにしてしまったら顔向けできないですからね
佐野先生に完成したアニメを見せたかったという制作チームの熱い想いが感じられてとても感動しました
幽霊になったみっちゃんに書かせたのも、天国の佐野先生に届けたいというメッセージだと思います。
その熱い想い、私は感じとりました。

届くといいな・・・
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 20

みゃー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

シュールでおもろい

作者は坂本ですが?の人らしい。
とりあえず視聴してつまらなかったら即切りの精神で見始めてみたら面白かったので視聴継続してます。ミステリー要素も気になる部分ではありますがこの作品は笑いの感性が合うか合わないかだと思うのでとりあえず1話だけでも視聴して判断されるのをおすすめします。個人的には結構おすすめw

[作品の評価]☆4.0
割とダメ元精神で見始めた作品だったので掘り出し物感も手伝ってか見終えた時の満足感は秋アニメで1番でした。後半のシリアスな展開の中にも随所でギャグシーンを散りばめるセンスとバランス感覚は素晴らしかったと思います。今後佐野先生の作品を見ることが出来なくなってしまったのは残念で仕方ないですね。

[キャラの評価]☆4.0

[作画の評価]☆3.5

[声優の評価]☆4.0

[OP曲]☆3.0

[ED曲]☆4.0

投稿 : 2024/11/09
♥ : 17

71.2 13 兄弟で復讐なアニメランキング13位
トライガン [TRIGUN](TVアニメ動画)

1998年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (320)
2274人が棚に入れました
砂だらけの荒涼たる大地、容赦無く照りつける二重恒星からの日差し……ここは5つの月を従えた砂漠の星。人々は荒れた大地にしがみつき、血と汗で大地を湿らせながら細々と生きている。そのささやかな暮らしも、荒くれどもが銃をぶっ放して台無しにすることもある……ここはそんな世界。その過酷な世界に1人、赤いコートにトンガった金髪の、トラブルメーカーがいた。名をヴァッシュ・ザ・スタンピードという。彼は荒涼としたこの世界を放浪しながら、何かを探している。分かっているのは彼が凄腕のガンマンで、とてつもなくタフで、そして、筋金入りの平和主義者だということ。気のいい青年だが余りの傍迷惑ぶりに、付いた渾名が「人間台風(ヒューマノイド・タイフーン)」。とうとう局地災害指定を受ける羽目になった彼には、保険会社からお目付け役が派遣される始末。しかし、彼には幾つもの秘密と、胸に秘めた決意があった。

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

おおらか晴天活劇

原作・内藤泰弘、監督・西村聡、脚本・黒田洋介

これも楽しいアニメだったなぁ。
ガンアクションだけど主人公がヘラヘラして柔和、お人好しでお調子者で悟られない器用さがあって腕の立つ奴。だけど実は背負ってるものはデカイぜという格好良さげな設定。
人を殺さずも通った街は何故か破壊してしまう「人間台風」ヴァッシュ・ザ・スタンピードの活劇珍道中と、彼を追う保険屋さんの女の子2人組。

女の子がでかいのとちっこいのがいて、ちっこいのが鶴ひろみさんで世話焼きお姉さんぽさがステキ。
でかいのは雪乃五月さんでおっとりマイペースで和ませられます。

全体に漂うB級感がまた応援したい気持ちを促します。
アクションフィギュアのような設定の、ゴテゴテしたギミックの悪者が多く。
90年代テイストで、今観ると荒い…いや当時観ててもザックリした作画やアイキャッチのやっつけ感やエンディングの音階の危うさは何なんだという気持ちはあったっけ。

しかし何というか気性がおおらかで良いんです。
クライマックス部分では少年漫画のような熱さもあり。
「…なら仕切り直せばいいだろ!
未来への切符は、いつも白紙なんだ。」

基本、人の善い話です。
乾いた大地に繰り広げられる人情味あるガンアクション。
晴天ばかりでうらやましい。今の季節特に。

原作は途中からシリアスみが深くなって…そういえば続きの「トライガンマキシマム」最後の方まで読んでいませんでした。
でも心の中にこの作品は住んでるんだ!
うん、原作今更読みたくなってきたぞ(`・_・´)



劇場版は絵がキレイ。
のびのび動くお馴染みのキャラにお馴染みの声。
動きに重心を感じるわ、冒頭の殴られるシーンがちゃんと殴られてるみたいだわ、これがテレビ番から10年後の世界か、と。

ハリウッドアクション映画のようなベタな展開ではありますが

たくさんの人物が入り乱れての、音と動きのアクションの切り替わりが爽快。会話の飄々さも、テレビ版でこなした分上手くなってた気がします。

でも劇場版のキレイなの観た後でも、こちらのテレビ版のザックリした雰囲気も嫌いじゃないです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 32
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

極悪人を許す行為と殺す行為 どちらが正義か悩み葛藤する物語

この物語はガンアクションがありますが、とても温かい内容です。

主人公のヴァッシュ・ザ・スタンピードは、最強と噂される凄腕ガンマンです。
だが彼は平和主義者で、どんな時でも人を殺しません。

不殺の信念を貫く彼は、全身のいたるところに生傷が絶えません。
ときには激しい怒りを感じ、悔しい思いもします。
それでも彼は、自分の信念を捨てることはありません。

私だったら、こんなに体が傷つけられて悔しい思いをするのには耐えられません。
きっと不殺の信念を捨てるでしょう。

ところで、どんな極悪人でも決して殺さない彼の判断は、周りの人をも不幸にしていきます。
なぜならば、彼の行く先で、必ず彼に挑戦し名を上げようとするならず者が現れ、
そのあおりを受けて周りの人が傷ついたり死んだりするためです。

だから彼には「人間台風(ヒューマノイド・タイフーン)」というあだ名がつき、彼が通った場所は局地災害指定となります。
しかも彼には600億$$の賞金がかけられます。


ヴァッシュは、3人の仲間(?)と一緒に旅をします。
一人は小柄な女性のメリル・ストライフ。もう一人は大柄な女性のミリィ・トンプソン。
彼女ら二人は、保険協会の災害調査員です。ヴァッシュが事件に巻き込まれ「災害」が発生した際の査定をします。
もう一人は牧師のニコラス・D・ウルフウッドです。

みんなとても温かく、ヴァッシュは3人を信頼し、仲間だと思っています。
だがウルフウッドの本当の目的は、{netabare}ヴァッシュを葬ることでした。{/netabare}

ウルフウッドは牧師ですが、極悪人を平気で殺します。
そうすることで、多くの人を救える確信を、彼は持っています。
実際に、その判断のおかげで、ヴァッシュたちが救われたこともあります。
ウルフウッドの強烈な魅力に、私は圧倒されました。


ウルフウッドの信念とヴァッシュの信念とが異なるところが見ものです。
どちらが牧師なのか、疑ってしまいます(^_^;)

まだ見られていない人は、この物語を見て、おおいに心を葛藤させてください。
きっと心に残る物語となるでしょう。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 30

こたろう さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

西部劇(ちょっとSF入り)

叩かれ、陥れられ、傷つけられ、不当に濡れ衣を着せられても、やさぐれず己の信じる正義を頑なに貫く主人公。
普段はトボけて優しくお人好し。それでいて、戦闘になるとめっぽう強い主人公というのは手堅い一種のテンプレート。今時は流行らないですが、愛嬌があって感情移入の対象としては抜群です。
そんな主人公を取り巻く、ガンアクション活劇。
SFも入ってます。


メインストーリーは、主人公の過去にまつわる謎解き、そして復讐劇。
十字架を背負わされながらも、人間の善意を信じている主人公ですが、旅から旅への行く先々で、過去のしがらみまつわる事件に関わってしまいます。
大抵、ヒドイ目や悲しい目に遭うのですが、苦笑してその運命を受け容れる。
ひょうきんなキャラクターの裏に漂う哀愁と彼をそうさせる信念の強さが本作の軸。
一見、コメディ風にみえますが、話自体はシリアスで重いです。

90年代の作品なので、キャラデザ、作画の古臭さは否めません。
ガンアクションとしては、多少大げさで荒唐無稽なところはありますがバトルはそれなりに面白い。
SF設定や物語としては、可も無く不可もなく。微妙に恋愛要素もありますが申し訳程度です。
やはり見せ場はヒューマンドラマ部分。
痛々しくもいつか報われる日がくるんじゃないか、と感情移入しながら見るものではないでしょうか?


西部劇風ガンアクション+哀愁物語。
こういうジャンルがお好きな方にはオススメできます。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 22

72.2 14 兄弟で復讐なアニメランキング14位
憂国のモリアーティ(2クール目)(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (166)
754人が棚に入れました
「憂国のモリアーティ」は、コナン・ドイルの「シャーロック・ホームズ」シリーズを原案とし、集英社「ジャンプSQ.」にて連載中の⼈気漫画(構成・竹内良輔、漫画・三好輝)。シャーロック・ホームズの宿敵・モリアーティを主人公にした、犯罪による革命の物語だ。コミックスは2021年1月時点で1~13巻まで発売、累計発⾏部数は400万部を突破している。2020年10月から12月までTVアニメ1クール目が放送され、2021年4月より2クール目が放送予定。

声優・キャラクター
斉藤壮馬、佐藤拓也、小林千晃、日野聡、上村祐翔、古川慎、小野友樹、安元洋貴
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

前半に立てた仮説と検証

分割2クールの後半

原典のホームズVSモリアーティの対立構図を踏まえ、適度に煽りながら後半お楽しみに!と良い引きだった前半最終回。たぶん多くの人がそのまま後半に流れていることが予想される期待の作品です。

結果、

 うまいこというね~ …止まり

“唸る”と“うまいね~”の違いってあると思うのです。後者はなんかうまくまとめたでしょ?って向こうに若干ドヤが入ってる感じ。心に余裕ない時に観るとイラっとくるかもわかりません。
結論ではなく途中途中で「ちゃんとしたごしらえしてたら輝きそうなのに」と思えるネタがいくつか。

{netabare}切り裂きジャック キターとか
ジェームスボンド キターとか
フランス革命をイギリスが仕掛けたとか …あ、これパーマストンならやりかねんな{/netabare}

命題は階級制度へのアンチテーゼ。その処方箋にモリアーティの選択した手段が“犯罪”でした。
さてその階級制度打破についてなにかしら答えが出たがどうかは観てのお楽しみですけど、全くの広げっぱなしでノー回収ということはなかったので安心してください。

少しレビューらしいことも書いときます。
ホームズVSモリアーティでのスリリングな知恵比べに手を汗握った前半1クール。ここがそのまま続いて深化していくかと思いきやそうはなりません。“実はアプローチが違うだけで似た者同士な二人”な共闘関係と取れる描写が増えていきます。
いったん提示されてた視点の変更を余儀なくされるわけでして、スムーズに移行できるような手を打ってほしかったと思います。ここが弱い。説明不足ということです。

なので冒頭に触れたように、うまいこと言ってるように見えるだけの納得感に欠ける結果に。とはいえつまんないとは違うんだよなぁ。



※ネタバレ所感


■前半でたてた仮説についての検証(っぽいもの)

元ネタは前半クールのレビューに書いてます。
社会構造を改善ではなく破壊(革命)によって現状変更を試みる場合、ろくな未来は待ってないだろうよ、ということです。モリアーティ一味がそのうち手段が目的化して労働階級の人間にも手をかけることになるだろうとも予想しました。

{netabare}見落としてるかもわからんけど、労働階級には手を出して無かった気がする。予想外しました。
ろくな未来が待ってないことは私じゃなくても予想するに易いですけどこれも外してると思います。
なんか収まるところにいい感じで収まってましたね。なーんだ、つまんねーの、ちっ…{/netabare}

それでも期待のあの人はしっかりやらかしてくれてました、なコレ↓
{netabare}火をつけちゃだめよね。
予想というか行く末を気にしていた登場人物の一人モリアーティ家の長兄。ガチの貴族で善意の思考停止マン。大英帝国の近衛文麿/西園寺公一と言えるあの人は案の定ダメンズでした。火を放ったのはコイツです。多くの守るべき労働者階級を危険に晒すというところまで文麿仕様というのに強い説得力がありました。

さらに ※最終回のネタバレあるのでさらに隠しときます。
{netabare}手を取り合ってバケツリレーってのがお花畑全開です。
違う階級同士手を取り合っての美談扱いということですけどまさにこれが茶番。火付けは物理的破壊行為となりますが国民生活の破壊という意味でのメタファーになってます。ほら、経済を回らなくする/社会不安を煽る/その他国民を困窮させる行為全般とかね。そうすると現体制に不安が溜まって革命が起こるって寸法ですが、はた迷惑な話ですし、それまで破壊しかしてこなかった連中が疲弊した国民を統治するなんてできるわけありません。断言してもいいです。
アニメのように物理的な破壊なら傷は浅いかもしれません。ただしやっちゃだめよね。門を開けない貴族に文句言う前にお前らが火をつけなきゃいい話だろってのを忘れてます。

 ・民が困窮すればワンチャンあると本気で思っている輩 
 ・そうやって実際に放火して罪をなすりつける輩

現実でもよくあることなので騙されないようにと自戒する機会を与えてくれた佳作です。{/netabare}{/netabare}


追伸
壮馬さんのキャッチミーイフユーキャンの発音がなんかこそばゆい



視聴時期:2021年4月~2021年6月 リアタイ

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2021.07.07 初稿
2022.06.02 修正

投稿 : 2024/11/09
♥ : 31
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

おいおい、終盤、急いだなぁ(笑)

第1期から第2期(本作)の中盤まではかなり面白いのに、終盤「うん?」ってなっちゃう作品。

犯罪卿の誕生から、シャーロック・ホームズの登場。
そして、ジェームス・ボンド、切り裂きジャックまで・・・。

ところが、物語は突然終幕を迎えます。

う~ん?

そう、終盤が急ぎ過ぎなんですよね。
{netabare}「社会を変える」という当初の目的を果たした風で終わっちゃう。{/netabare}

そこまでの密度が濃かっただけに、終盤の性急な感じが残念な作品でした。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 22
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

僕にとっての盛りあがりって(1クール目)

[文量→中盛り・内容→酷評系]

【総括】
いや、ダジャレですけど(笑)

2期も悪くはないけれど、やっぱり1期の方が面白かったなと。

ていうか、圧倒的に尺不足ですね。三期か劇場版があったら、もっともっと面白くなっただろうに、勿体無さ過ぎる。逆に、原作読みたくなっちゃうパターンですね(笑)

レビューでは、本作を見て物足りなく感じたことを。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
1話1話は結構面白く、特に、子供時代の裁判の話と、清廉潔白な議員を殺人犯に仕立て上げる話は刺激的だった。ジェームズ・ボンドのチート能力は、本作をファンタジー側に寄せすぎ、微妙だった。

本作を1期に比べて低評価をつけたのは、「性急」ということだ。

本作の見処は、モリアーティが犯罪卿として引き起こした犯罪が、どのようにイギリスを変えていくかというところだったが、そこが全然腑に落ちなかった。

最後に、モリアーティは「準備は整った」、ホームズが「全部繋がっていた」と言っていたから、そうなんだろうけど、そんな描写、あったっけ?

バラバラだった事件が繋がり、1つの結末に向かっていくことを期待していたのに、実際に描かれたのは、犯罪卿チームの格好よさや、ホームズとモリアーティの友情、刺激的な事件がメインで。

それはそれでエンタメとしては面白かったけど、本格ミステリーを期待したこちらとしては、やや肩透かし。

おそらく、この辺は原作ならちゃんと丁寧に描かれているのだろうなとは感じた。

最後も、キレイなラストではあったけれど、本作の場合、せめて生死が不明くらいの曖昧な感じの方が似合っていたと思う。

事件がイギリスを徐々に変えていく様。自身の悪事に耐えられず、徐々に死を望むようになるモリアーティの苦悩。正反対の立場で奇妙な友情を徐々に深めていくモリアーティとホームズ。

やっぱり全てが尺不足だった。好きな作品だっただけに、残念感が残った2期だった。原作買おうかな(笑)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
なんか、新キャラ。兄貴か。その男装を見抜けないホームズじゃないだろ。

2話目 ☆3
フランス革命をイギリスが主導。そりゃ大事件だよな。

3話目 ☆4
犯罪卿チーム、格好良いよな。そこでジェームズボンドかい。

4話目 ☆4
ボンド、恐えよ(笑) ジャック・ザ・リッパーも仲間に(笑) なんか、エンタメ強くなってきたな。

5話目 ☆3
その狙撃の腕前は、やりすぎじゃないかな汗

6話目 ☆3
なんか、チート過ぎるんだよね、ボンドも。

7話目 ☆4
過去回想ね。孤児院から騙し取るとかね。随分公正な裁判だな。

8話目 ☆3
劇場型選挙。目的が達成できれば、手段や誰がやるかは問わないと。清廉潔白。

9話目 ☆4
心折れるか、復讐に向かうか。本質的な悪。議員に殺人を起こさせるまでの犯罪。理性で踏みとどまり、衝動的に殺人を犯す。死ぬことまで覚悟させるか。

10話目 ☆3
久々にホームズサイド。なんか、本筋から外れているよな。

11話目 ☆3
なかなか刺激的だが、ちょっと急ぎすぎの展開。この流れは、(あれば)三期で良かった気がする。

12話目 ☆3
この展開で、もう死にたいってのは、なかなかに斬新。キレイに終わったけど、う~ん。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 17
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