兄妹で続編なTVアニメ動画ランキング 12

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の兄妹で続編な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月10日の時点で一番の兄妹で続編なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

85.9 1 兄妹で続編なアニメランキング1位
ソードアート・オンライン アリシゼーション(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (1017)
5251人が棚に入れました
「ここは……どこだ……?」
気づけばキリトは、なぜか壮大なファンタジーテイストの仮想世界にフルダイブしていた。
ログイン直前の記憶があやふやなまま、手がかりを求めて辺りを彷徨う。

そして、漆黒の巨木《ギガスシダー》のもとにたどり着いた彼は、一人の少年と出会う。
「僕の名前はユージオ。よろしく、キリト君」
少年は、仮想世界の住人――《NPC》にもかかわらず、人間と同じ《感情の豊かさ》を持ち合わせていた。

ユージオと親交を深めながら、この世界からのログアウトを模索するキリト。そんな彼の脳裏に、ある記憶がよみがえる。
それは、幼少期のキリトとユージオが野山を駆け回る想い出――本来、あるはずのない記憶。
更にその想い出には、ユージオともう一人、金色の髪を持つ少女の姿があった。
名前は、アリス。
絶対に忘れてはいけないはずの、大切な名前――。

声優・キャラクター
松岡禎丞、戸松遥、茅野愛衣、島﨑信長、前田佳織里、近藤玲奈、石原夏織、小林沙苗、森川智之、岩瀬周平、木島隆一、潘めぐみ、村田太志
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

アリス イン ワンダーランド

A-1 Pictures制作。
人気の高いアリシゼーション編開幕。

ラースが開発する新型フルダイブシステムは、
VRワールド内部の記憶を現実に持ち出せない。
極めてリアルな仮想世界アンダーワールド。
相変わらずの音響効果で臨場感が凄い。

これは神への挑戦。
量子脳力学は人の心の光の揺らぎを捉え、
真のAI、人工知性を創ることへ向かうのでしょう。
導入部という点では過去シリーズ最高です。

6話視聴追記。
{netabare}壮大な文明シュミレーション、
システムから逸脱する人工知能。{/netabare}
もう少し仕掛けが早ければと願いますが、
丁寧な展開と好意的に考えましょう。

13話視聴追記。
{netabare}図書室の賢者カーディナルが語る、
仮想世界の秩序「禁忌目録」の成り立ち。{/netabare}
カーディナルの存在は世界観に、
大きな影響を与え物語に深みを生む。

前半最終話視聴追記。
技術的特異点を巡る問題でしょうか。
{netabare}心の痛みこそが人であることを教えてくれる。{/netabare}
後半怒涛の展開に興味は尽きず、
欠点はあるも映像も物語も堪能出来ました。

新世代のグローバルヒストリーへ。
これは次章に期待しましょう。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 84
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ハロー『アンダーワールド』

原作未読


そりゃあ観ます。分割4クールの半分24話を視聴完了。
長丁場にはなりますが、1期2期はおさえておきましょう。フェアリィ・ダンス編以降の伝統、アインクラッド起因のこじらせクンが今回もやらかしますし、ファンがアガるポイントも途中からでは掴みづらいでしょう。
SF要素を抜きで考えると、「ランボー」「パイナップルアーミー」みたいなPTSD発症した帰還兵の記録みたいなところありますよね。可能ならSAOサバイバーであるこじらせクンのメンタルケアはきちっとやってあげて欲しいものです。


4クールあるうちの半分ということで期待値抑えめで臨み、終わってみたらやや上回っていたかな、という印象。残り2クールに充分に期待できそうな中締めでしたが、評価は完結するまで据え置きです。

■SAO 1期
 アインクラッド編 フェアリィ・ダンス編
■SAOⅡ 2期
 ファントム・バレット編 キャリバー編 マザーズ・ロザリオ編

仮想と現実を行ったり来たりのSAO。とあるレビュアーさんの「これは異世界ではなくSF作品」とのご指摘が慧眼で、仮想と現実のリンクぶりが本シリーズの魅力に繋がってるんだと思ってます。○○編の各エピソード毎に微妙にずらしを加えて鮮度を保つ工夫もしてきました。
実を言うと、ハーレム、キリト無双あたりの要素ってわりと自分にはどうでもよくて、近しい未来図ってどんなだろう?が楽しみの大部分を占めてたりします。


そして本作『アリシゼーション』。ここでは、仮想世界での記憶を現実に持ち帰れないという新しい題材を持ち込みます。ダイブして戻ってきた後の記憶がない。
これまでは行ったり来たりの中で、どちらが自分の本当の居場所なんだろう?と懊悩する登場人物に共感したりしてたのが、まるであてはまりません。仮想はより独立した世界という位置づけとなるため、目の前で観てるのはSAOながら、「ちょっと何かが違う」違和感を内包したまま進行する展開でした。

・独立性の高い世界を作ったリアルでの目的は?
・独立性の高い世界のユニークキャラクター(アリス、ユージオ)の存在意義は?

{netabare}誕生直後の赤子の精神原型を複製してアンダーワールド内で成長させてどんなシミュレーションをしたいのだろう?副作用はどんなだろう?{/netabare}
全てが完結した時に明らかになるのでしょう。半分時点でどれくらい明らかになっているかは観てのお楽しみってところですね。壮大なお話になりそうです。

さてこの新しい題材。それに伴う変化。私は好意を持って受け止めてます。
エンタメ鮮度を保つこと以上に、仮想世界が行き着くひとつの到達点を提示してくれそうだからです。
マザーズ・ロザリオ編で “メデュキボイド” の思想は、横で綴られたユウキとアスナのストーリーと合わせて終末医療の一つの可能性を示しました。

{netabare}アンダーワールドは臨床試験をノーリスクでできます。これまで不可能だった人の行動心理の精緻なシミュレーションが可能です。

下衆い例えをします。ファンタジー世界を東京に置き換えてみて大地震を起こす。火災、家屋倒壊、備蓄量等事前にパラメータ設定し結果を収集。スパコンでも使えば有用な演算結果をいくらでも集められ、都市防災計画に役立てられます。発生火災の回避行動なんか世帯別で演算できそう。{/netabare}

{netabare}一方でノーリスクながら、倫理の葛藤に苛まれることになります。心を持ったこの仮想東京の住人の阿鼻叫喚を何度も何度もいや一回でも耐えられますか?という問題が付き纏うことになるでしょう。

脱線はこのへんで。
アリスもユージオも実世界には存在しない人格ってことで合ってると思うのですが、だからって切り捨てられるかってところですね。{/netabare}


冗長ないしやや緩慢と言われた展開は評価は分かれるでしょうが、これも悪くはありません。 “天命” “心意” “シンセサイズ” “フラクトライト” “ソウル・トランスレーター” その他もろもろ馴染みのない用語を繰り返し使う時間があって理解の助けになりました。

2019年秋からの続き。終わってみて肩透かしとならないようスタッフの皆さん頑張ってください。応援してます。


■ネタバレ所感
{netabare}それにしてもアドミニストレーターにとどめを刺したのが、チュデルキンの色欲というのが(笑)
仮に二人とも生きてたとして、どんな関係になってるんだろう?アドミンさん許すとは思えません。{/netabare}

実は陰のある神代凛子さんがお気に入りだったりもする。



視聴時期:2018年9月~2019年3月 リアタイ視聴

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2019.04.12 初稿
2019.09.22 追記
2020.08.01 修正
2021.08.04 修正

投稿 : 2024/11/09
♥ : 66
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

フラクトライトは電気人形を人間に進化させられるか?

アニメーション製作:A-1 Pictures
監督:小野学、
総作画監督:鈴木 豪、山本由美子
キャラクターデザイン:足立慎吾、鈴木 豪、
西口智也、山本由美子、原作:川原礫

原作小説が全世界で2000万部以上の
売上を誇るSAOシリーズ四度目のアニメ化。
アインクラッド編から数多の困難を乗り越えた
主人公のキリトが、ファントムバレットの残党に
襲撃されたことをきっかけに、
また新たなVRMMORPGの世界に足を踏み入れる。

近未来を想定した緻密な世界観。
ユーザーの脳に直接接続できるギアを装着し、
仮想の五感情報を受けることによって、
よりリアリティのある仮想世界を体感できるゲーム。
それに人工フラクトライトという
誕生からの記憶を蓄積させていく
ボトムアップ型のAIを搭載することで、
より本物の人間が暮らすような世界を構築した。
ゲーム開発の目的は、育てたAIを
無人兵器に搭載して軍事利用することだった。

ゲーム内のアンダーワールドとされる世界には
「人界」と「暗黒界」というふたつの勢力があり、
お互いの力は均衡状態を保っていた。
キリトは村で出会ったユージオとともに
幼いころの記憶として残っている
アリス捕縛の謎を解き明かすために旅立つ。
相対するのは、禁忌目録や整合騎士、
そして人界を統べるアドミニストレーターだ。
少しずつ謎が明らかになる序盤や
大木に挑戦する物語は、楽しませてくれた。
キリトとユージオの友情がメインの
ストーリーになると思っていた。

しかし、中盤以降の展開は、
個人的には残念な出来と感じてしまった。
そもそも、キリトとユージオに友情というものが
成立していたのだろうかとさえ思える。
この作品は、観るたびにある種の気持ち悪さが残る。
キャラクター造形が浅薄で、
作者の欲望をそのまま具現化したのではと
思えてしまうのが原因だ。
それは俺Tueeeeなどの問題ではなく、
物語自体に他者に対する視点が欠けている
のではないかと感じてしまうからだろう。
VRMMORPGの世界で、フラクトライトという
(攻殻機動隊のゴーストと同じようなもの)
壮大な機能まで登場させているにも関わらず、
それを全く活かした話になっておらず、
結局、人間を表現できていないのが、
このシリーズの最大の弱点だ。

正義と悪が完全に分離するのは良いのだが、
悪はどうして悪になるのか、
正義はどうして正義なのかという描写が
あまりにも不足しているのではないだろうか。
そして主人公は完全無欠の英雄で、
人間らしさがほとんど見られない。
これは、外部キャラからの視点なら
まだ納得できるのだが、ほぼ主人公を
中心に展開するストーリーとしては、
大きな問題点に見えてしまう。

是枝裕和監督の『空気人形』という作品がある。
いわゆるダッチワイフ(ラブドール)が、
自我を持つというストーリーなのだが、
それによって「私は空っぽ」だと感じる。
また、色々な感情を獲得することによって、
持ち主から「面倒臭い」と言われてしまう。
心を持つということは、そういうことなのだ。
SAOは、今回は特に「心」をテーマに
しているにも関わらず、そういう「面倒臭さ」は微塵もない。
だから、私は、この作品に空虚さを
感じてしまうのだろう。

{netabare}シリーズはこの後も2クール続き、
完全な人工知能として目覚めたアリスを巡って
暗黒界と戦うことになるようだ。{/netabare}
難点ばかりを挙げたが、緻密な世界観は良いと思う。
アリシゼーション計画は、どこに向かうのか。
引き続き、最後まで見届けたい。
(2019年5月12日初投稿)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 50

85.6 2 兄妹で続編なアニメランキング2位
かぐや様は告らせたい-ウルトラロマンティック-(TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★★ 4.1 (600)
2019人が棚に入れました
秀才たちが集うエリート校・秀知院学園 その生徒会で出会った副会長・四宮かぐやと生徒会長・白銀御行 誰もがお似合いだと認める2人の天才は、すぐに結ばれるのかと思いきや高すぎるプライドが邪魔して告白できずにいた!! “如何にして相手を告白させるか”という恋愛頭脳戦に知略を尽くしてきた歴戦の2人は各々、心の内にとある決心を固める…… 秀知院高等部の文化祭“奉心祭”の最終日までに、2人の恋愛模様は大きく動き出す事に!? 恋が天才をアホにする!! 新感覚“頭脳戦”? ウルトラロマンティックなラブコメ、再々始動!!


声優・キャラクター
四宮かぐや:古賀葵
白銀御行:古川慎
藤原千花:小原好美
石上 優:鈴木崚汰
伊井野ミコ:富田美憂
早坂 愛:花守ゆみり
柏木 渚:麻倉もも
大仏こばち:日高里菜
柏木の彼氏:八代拓
ナレーション:青山穣

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

最後まで好きだとお互いに言っていないのでは?

これはかぐや様は告らせたいの第三部です。
今までのいきさつを知らない方は、先に第一部である「かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜」のほうを見てください。

この第三部では、ついに四宮 かぐや(しのみや かぐや)と白銀 御行(しろがね みゆき)との恋愛戦に決着がつきます。

かぐやは第一部の最初の頃に比べると、遥かに乙女チックに、そして可愛くなりました。
昔の氷のように美しく冷たく研ぎ澄まされていた瞳は、いつの間にか初恋に胸がときめく少女のようなつぶらな瞳に代わったようです。
そして、いつの間にか多くの友達と話ができるようになりました。

これはまぎれもなく人間としての成長です。
昔みたいに何でもできるけど友達が千花一人しかいなかった頃のかぐやとは、まったく違います。
これからは御行と共に幸せになってほしいと願います。

でも、よく考えると、かぐやも御行も、好きだと告白していないような…
言葉でなく既成事実で付き合い始めるとは…。結構大胆ですね!


また、この第三部は、かぐやや御行以外にも、いろんな人の魅力が表現されています。

まずは早坂 愛(はやさか あい)。
彼女は四宮家に仕える使用人でかぐやの侍女ですが、彼女の変装能力や性格を切り替える素早さは驚くべきものがあります。そして彼女の女性らしさは大変魅力的で、彼女のしぐさを見ていたら思わず鼻の下を伸ばしてしまいそうです。
早坂にその気があれば、御行を自分の彼氏にできたのではないかと、つくづく感じます。

そして石上 優(いしがみ ゆう)。
彼は子安 つばめ(こやす つばめ)先輩に恋しています。そして勇気を奮い起こしてデートに誘いますが…、
実は彼は、いつも犬猿の仲である伊井野 ミコ(いいの みこ)を陰でサポートしています。彼女が危険な目に会わないように、彼女が涙を流さないようにと…
石上はミコの前では気取らずに何でも気兼ねなく話せます(そのために、いつもケンカになるのですが…)
彼はもしかして、恋に恋しているのかもしれません。自分にとって最も大切な人が誰なのかを気づいていないのかもしれません。

そして伊井野 ミコ。
彼女はいつも正しいことをします。それは確かに正しいことなのですが、あまりにも厳しすぎるので、周りから誤解を受けます。(でも、いつも石上が助けてくれます)
今回、彼女の奮闘努力でキャンプファイアーが実現できました。
おそらくキャンプファイアーを楽しんだ人たちは一生忘れられない思い出ができたでしょう。それはとてもステキなことです。
いつかミコは、いつも石上が守ってくれていたことに気づき、石上を好きになる…そんな気がしてなりません。

そして藤原 千花(ふじわら ちか)
彼女はかぐやの親友であり5か国語を使いこなす天才少女。そして天才ピアニスト。
この物語で天才と呼べる人は彼女しかいません。(かぐやや御行は秀才です)
そして空気が全く読めなく、いつもとんでもないことをしでかす少女。
私は登場人物の中では千花が一番好きです。
千花が友達ならば、いつもとんでもない目に会いますが、悩みなど吹き飛びます。
でも今回は、今迄よりも千花の出番が少なかった。
それが残念でなりません。
もっともっと千花を活躍させてほしかったですね。


エンディングは鈴木愛理さんが歌う「ハートはお手上げ」
とても素敵な歌と描画でした。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 46
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

石上会計は罵られたい?! ウルトラマゾスティック

【紹介】
タイトルでわかりづらいですが、かぐや様は告らせたいの3期です
2期は告らせたい? 「?」がついています

【感想】{netabare}
最初から最後まで最高でした! まさにウルトラロマンティックでしたねー
2期で完成された感じですが3期も相変わらずの面白さで生徒会メンバーのやり取り見ているだけで楽しい

キャラクターの魅力が抜群で雰囲気いいし、笑える!
毎週とても楽しみな最高のコメディ作品です
ずっと面白かったけど特に最後の2話がすごく良くて、最高でした
区切りもよかったですね
退屈な時間なんて全くなくてコメディとしては非の打ち所がない作品

好きすぎて普段なら文句なしで1位に推したくなるけど、今季はいいアニメ多すぎてこれに対抗できるアニメがあるところが素晴らしい
{/netabare}
【キャラクター】{netabare}
全員好きだけど、1期から変わらず石上会計が好きです、次が白銀会長とハーサカ! 圭ちゃんも好きです
不要なキャラがいなくて個性的なキャラクターがうまく掛け合わされていてホント面白いですね

ラブコメ的には石上君とみこちゃんの関係が好き
石上はずっと毎日罵られそう {/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 40
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

UR-ハーサカ・愛

【物語 4.0点】
「恋愛は告白した方が負けである」と逡巡するうちに、
ライバル候補?が増えたり、周囲で他の色恋が花開いたりして、
{netabare}恋愛自粛ムードの懸念{/netabare}など、事態がさらにややこしくなっていく3期目。

前作、打ち消し線で消滅の危機に瀕したサブタイトル『〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』も
『-ウルトラロマンティック-』に取って代わられ、
白銀会長の{netabare}スタンフォード大学合格{/netabare}という区切りにより決着に向け動き出すが……。


前半戦はいつも通り生徒会周辺で方々に脱線して色々グダグダやってる感w
が新キャラや、既存キャラの新形態?などを、笑って楽しんでいるうちに、
恋は盲目。例えば藤原書記から見たら{netabare}死んだアルパカ{/netabare}みたいにダメダメな白銀会長でも、
恋に落ちた、かぐやには良い所ばかり見えるなど。
いつの間にか恋愛に関する視点の補強が下味として仕込まれて、
終盤、最終回1時間SPにはコクのある美味しい紅茶を頂ける。

徹底的な伏線の管理。目的のあるネタの扱い。
恋バナの上で悶え踊るような乙女心。ムズキュンな一言を絞り出す創意工夫。
作品に染み付いた愛ある仕事。間違いない。これは一流のラブコメだ。
(文化祭ネタ拝借。失礼致しましたw)

この辺りが、安定して面白い本作の隠し味でしょうか。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・A-1 Pictures

毎度、キャラ1体につき、何パターンのデザイン用意するんだ?
というくらい多彩なタッチを使い分けるギャグ対応力は健在。
最後の『サザエさん』タッチも交えたオチもズッコケポイント高しw

表情別に様々な形態が発見されて来たヒロイン・かぐや。
恋により豊かになってきた彼女の心模様を逆に実感するのが、
終盤前9話に挟まれた過去話「1年生 春」
“氷のかぐや姫”と評されていた頃の無表情。

赤~紫系の光による撮影処理も引き続きムード向上に貢献。
肌色率が高いわけじゃないのにドキドキするのは、
光源がエロいのもあるかと思いますw


【キャラ 4.5点】
四宮家の従者・早坂愛。
かぐやとの主従関係も含めた秘密保持のため、
校内ではクール系JKに擬態するなど、涙ぐましい努力で滅私奉公して来た早坂。
そんな彼女が見せた普通の乙女心が、前半戦で私のガードを崩した先制パンチでした。
これがあったからこそ終盤、かぐや様を応援する早坂の当たり前の忠誠心も映える。

成績学年3位のモブから、かぐやの周辺に出没し、準レギュラー格に浮上して来た、遠い親戚の四条眞妃。
(再従祖叔母(はとこおおおば)とか初めて見ましたw)
“おば様”のかぐやと似て高飛車?と警戒する間もなく、
秒でデレて自己完結する、不完全なツンデレw

一方で2期の過去話でキャラが立った石上の元には、子安つばめ先輩という春の予感が?
かぐや同様、竹取物語(「燕の子安貝」)がモチーフの学園のマドンナは高嶺の花ですが、
かぐや&白銀会長のロマンスと並行、共鳴するラブコメの波動でクライマックスを彩る。


【声優 4.0点】
恋愛頭脳戦を実況、解説するベテラン・青山 穣さん。
『かぐや様』?3期?もういいでしょう?と躊躇していても、
「ウソである(含み笑い)」などと抑揚が巧みな青山さんのナレーションを聴くと、
安心して結局、完走してしまいますw

早坂愛役の花守 ゆみりさん。
かぐや役の古賀 葵さん並に諸形態への対応力が求められた3期でしたが、
対F仕様の{netabare}ハーサカ君{/netabare}も含めてお見事でした。

出番がわずかでも、要所と見れば実力者をキャスティングする本気度も高ポイント。
白銀会長を生徒会に引き込んだ前会長役にも島﨑 信長さんを起用し、転機を印象付ける。

チョイ役に人気声優と言えば、
{netabare}伊井野ミコが“癒しBGM”として聴いていたイケメンボイスに
梅原 裕一郎さん&斉藤 壮馬さんをねじ込んで来たのもゴージャス。
両耳をイケボで挟まれて「君は偉いよ。とても頑張ってる」などと囁かれたら
男の私も危うく堕ちそうになりますw{/netabare}


【音楽 4.0点】
劇伴担当は1期以来の羽岡 佳氏。
相変わらず往年のトレンディードラマや科捜研?情熱大陸?
と想起させられるパロディぶりで多彩なギャグを追撃。

本音を中々言えない本編とは対照的に、
主題歌では昭和歌謡曲風のメロディに乗せて、
先攻・白銀、後攻・かぐやで心情を吐露する構成も恒例。

OPは鈴木 雅之 feat.すぅ「GIRL GIRL」
“愛を 愛を 愛を 打ち明けてくれ"
"GE・N・KA・I・DA!DA!DA!DA!”
と語句を反復強調して熱を込めていく歌唱が熟練の味。

EDは鈴木 愛理さんの「ハートはお手上げ」
内容は素朴なラブソングなのに、流れるED映像は壮大なスペース・オペラw
『かぐや様』アニメも劇場版実現の暁には是非、
幕前10分で良いので短編冒険アニメとして制作上映しましょうよ。


5話特殊EDにまでエスカレートしたラップバトルも印象的。
ただ白銀会長。いくら歌が下手だからって、ラップでボエボエとはならんでしょうw

投稿 : 2024/11/09
♥ : 38

78.2 3 兄妹で続編なアニメランキング3位
鬼滅の刃 刀鍛冶の里編(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (388)
1312人が棚に入れました
家族を鬼に殺された少年・竈門炭治郎が、鬼になった妹の禰󠄀豆子を人間に戻すため、《鬼殺隊》へ入隊することから始まる本作は、2019年4月より『テレビアニメ「鬼滅の刃」竈門炭治郎 立志編』の放送を開始、2020年10月には『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』を公開、2021年から2022年にかけて、『テレビアニメ「鬼滅の刃」 無限列車編』『テレビアニメ「鬼滅の刃」遊郭編』を放送・配信した。2023年2月からは世界95の国と地域で『ワールドツアー上映「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』を公開、そして、4月より『テレビアニメ「鬼滅の刃」刀鍛冶の里編』の放送が決定。物語は新たなる地へ――――
炭治郎が向かう先は「刀鍛冶の里」。鬼殺隊最強の剣士《柱》である、霞柱・時透無一郎と恋柱・甘露寺蜜璃との再会、忍びよる鬼の影。炭治郎たちの新たな戦いが始まる。
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

霞柱が強いッ!!

原作では微妙なエピソードなので期待してなかったです
この編はいつものように引き延ばさずに大事なところだけ見せたらさっさと次に行った方が良かったように思います、そんな長々と戦うほど魅力のある相手じゃないですし・・・
どうやっても微妙になるので、ねづこのシーンと無一郎や玄弥の掘り下げをしっかりできればそれでいいんじゃないかなと思います

無一郎カッコいい!玄弥いいキャラ!
みつりとねづ子の2ショットがかわいくて好き!
ねづ子は{netabare}消滅しなくてよかったー{/netabare}
この編の感想はこれだけでいいかなー?


原作でこの編が盛り上がらないのは
{netabare}
自分に力がないから煉獄さんを死なせてしまった・・・
自分に力がないから宇随さんを引退させてしまった・・・
だから今度はもっと強くなって絶対誰も犠牲者を出さない!!という炭次郎の決意は共感できますよね

それなら今度は苦戦して死にそうにはなったけど、なんとかギリギリ誰も犠牲にならずに勝てた!やっと上弦の鬼に届いた!!
くらいが炭次郎の成長物語としてちょうどいい具合だと思うんです

でもこの編は無一郎が強くて敵の鬼がこれまでの上弦と比べて小者っぽいし弱くて下弦の鬼と何が違うの?って感じがします
最後のとどめもねづ子の太陽克服に持っていかれちゃっていますし
太陽のシーンは重要だしいいエピソードですが、この太陽のシーンのせいでただでさえ微妙な今回の鬼がもっと微妙に見えて、
そんなにあっさり倒せてしまう上弦の鬼相手に死んだ煉獄さんや戦闘不能になった宇随さんが相対的に弱いように見えてしまうんです、今までの死闘はなんだったの?って
(私は煉獄さんや宇随さんの活躍を穢したくないので、今回の上弦が弱いだけだと思いたいです)
そこが微妙と言われる理由だと私は思います

この編の見どころはとにかく無一郎やみつり、玄弥の活躍とねづ子が太陽を克服して人間にちょっと近づくシーンでそこがしっかりしているから良かったですし、これまで苦しんで苦しんで、勝っても後味悪いことばっかりだったから、たまには「良かったね」で終われるのもいいんじゃないでしょうか!

{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 37
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

霞をつかむバトルアニメーション

引き続き原作未読で視聴。

【物語 4.0点】
1クールですぐに結果を求めるトレンドには目もくれず、今回も着実に積み上げた感じ。
上弦の鬼は相変わらずしつこく戦闘は長期化。
ただ、その中でも人の業を思い知らされる重たい回想も挟んでくるため、
視聴後ゲップが出る程度には、シナリオはぶ厚目。

当然、テンポアップを求める声も出るでしょうが、
私は、この作品に関しては、当初から呼吸レベルから地道に修行を重ねて少しずつ強くなる。
昨今では珍しい丹念なスローペースを好感して観続けているので、安心して楽しめました。


鬼殺隊の土台を支える“刀鍛冶の里”を舞台にした一戦。
長きに亘る鬼との戦いのため、武器についても代々技術を継承し続けて今がある。
{netabare} からくり人形“緑壱零式(よりいちぜろしき)”から刀が出てきた{/netabare} 時には先人たちの想いを特に感じました。


初回SPに炭治郎の夢などで、竈門家の血筋と炭治郎の痣(あざ)の由来を示唆するヒントが。
最終回SPでは{netabare} 太陽克服{/netabare} の悲願に執念を燃やす無惨様の野望の一端が明らかにされ、
今後に向けた手応えも十分。

その上で無惨様のパワハラ問題。
パワハラは部下への愛の鞭だと言い訳され発生する事例が多いのですが、
{netabare} 太陽克服{/netabare} したら同類の鬼など不要と確信している無惨様のパワハラには、
愛の欠片もなかったのですねw鬼さんたち早く転職しましょうw

今回、青い彼岸花など忘れた頃に回収された要素があったのも、手応えが手応えで終わらない信頼感があります。
私の場合、ラストは(※核心的ネタバレ){netabare} 太陽克服した禰豆子自身よりも、
炭治郎が鬼の血のサンプルを提供し続けてきた珠世(たまよ)さんが久々に登場して、禰豆子を人間に戻すための研究進捗を語った{/netabare} 件に感動しました。

『鬼滅』に関しては以前から鬼と言えば古代のイメージなのに何で大正?という疑問もありましたが、
やはり鬼と人の戦いが平安から続く因縁であること。
日本が医学・細菌学で世界的な成果も出す大正時代が特異点となり得ること。

刀鍛冶の里と合わせて少しずつ受け継がれて進歩していく人の営みの力強さを感じるエピソードでした。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・ufotable

音、風、重力など、人間が鍛えてもかわしようがない攻撃が多かった本作の上弦の鬼。
そもそも表現することさえも難しい要素をバトルアニメで再現できているだけで非凡。

助太刀する霞柱・時透無一郎の攻撃も雲をつかむようなエフェクト。
恋柱・甘露寺蜜璃の刀も動きがクネクネで変態的だしw

トリッキーな動きを補佐するようにCGは玉壺が発射する大量の毒針など物量もカバー。
ただ、玉壺が使役する大群の巨大金魚のCG。テカテカして気持ち悪かったですw


【キャラ 4.0点】
上弦の伍・玉壺(ぎょっこ)
{netabare} 半殺しの刀鍛冶たちをオブジェに仕立てて断末魔を愉しむ{/netabare} 残虐非道を芸術と強弁する。
ヘイトを煽る悪役らしい悪役。

上弦の肆・半天狗
外面は怯えた声で弱々しい感じの悪役らしくない悪役。
ですが私がより憎たらしいと思ったのは玉壺よりも半天狗でした。
不祥事から逃げる責任者が俄に情に訴えて責任回避を正当化する。
この鬼の本性には心当りがあり過ぎて虫酸が走りましたw


霞柱・時透無一郎。
高慢な玉壺の挑発を、口数少なめで淡々と煙に巻く無一郎。
煽ってる玉壺の方がだんだんイライラしていく様が可笑しかったですw

玉壺は{netabare} 自分を無視して刀を研ぎ続ける鋼鐵塚蛍 (はがねづかほたる){/netabare} にもカリカリしちゃって。
ストレスで壺に穴開けないようにねw

人間の強い信念を前に鬼の煽りなど無力。
無一郎の「無」の真意には胸を打たれました。


恋柱・甘露寺蜜璃
絶望的な窮地でも彼女が現れるとパッと明るくなる巨乳剣士。
明るいのは良いのですが、ちょっと顔面の圧力が強すぎると思うこともw
それにしても、ピンク&緑の髪色が{netabare} 桜餅の食べ過ぎによるもの{/netabare} との説には絶句しましたw


炭治郎の鬼殺隊同期・不死(しなず)川玄弥が活躍したのが予想外でした。
ハラスメント含みで昇進を焦る同期にも事情があったのですね。

一方で伊之助&善逸は、ほとんど見せ場なし。
しまいには次回予告にて登場がない窮状を訴える始末w
これは鬼滅版“MOREDEBAN”村建設の予兆なのでしょうかw


【声優 4.0点】
霞柱・時透無一郎役の河西 健吾さん。
無口な現在の無一郎だけでなく、饒舌だった幼少期の無一郎、
さらには{netabare} 人格形成の礎となった兄・有一郎まで兼任。{/netabare}
状況に応じたセリフ量と一言当りの心情密度の匙加減。
繊細さを感じる好演でした。

恋柱・甘露寺蜜璃役の花澤 香菜さん。
こちらは騒々しく場を照らす豪快な演技。
ただここも回想では、傷つきやすい乙女心を丁寧に表現。

上弦の肆・半天狗。“分裂鬼”の異名もあり。
本体のCV.古川 登志夫さん以下、喜怒哀楽、
各々の感情を司る分身ごとに高ランク声優を当てる。
挙げ句、{netabare} 憎珀天には山寺 宏一さん{/netabare} まで起用。
半天狗の声優たちだけで並のアニメ作品のギャラ払えるんじゃないか?ってくらい豪華ですね。
この鬼、銭喰い鬼なので成敗に情けは無用ですw


上弦の伍・玉壺役には鳥海 浩輔さん。
私の中で鳥海さんと言えばゲーム『テイルズオブヴェスペリア』主人公・ユーリ役など、
少しダークだけど熱い正義漢のイメージが強くて。
それだけにこの真っ黒なナルシストボイスで残虐なゲージツを語る怪演。
こんな壺に成り果てちゃってって感じで笑撃的でしたw

因みに鳥海さんは壺から飛び出した気色悪い金魚共の声もカバー。
半天狗の声優陣から1人くらいヘルプさせれば良いのにw


【音楽 4.5点】
劇伴は椎名 豪氏&梶浦 由記氏のタッグが継続。
今回は両氏の適材適所がより鮮明になった印象。
特に梶浦氏は恋柱の華の演出に重用。
月に照らされた恋柱を彩る“梶浦語”の女性コーラス。風流でした♪

OP主題歌・MAN WITH A MISSION✕milet「絆ノ奇跡」
ED主題歌・milet✕MAN WITH A MISSION「コイコガレ」

EDが梶浦氏の作詞作曲による恋柱ソングだったので、
OPはコラボの“攻守”を入れ替えた霞柱ソングなのだろうと構えていましたが、
終わってみればOPは本編を総括した歌詞世界。
ラストで曲タイトルも回収された感が得られ納得。

あとは本日配信リリースの挿入歌{netabare} 「竈門禰豆子のうた」{/netabare} で奇跡の余韻に浸りたいと思います。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 30

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

よかった・・・・・・ね。

今となってはアニメに携わる人が「欲しい」と願っているもののほとんどを手にしているアニメではないでしょうかね。

人気(これは上下するからどうかなぁ)、知名度、実績、これらを持つことから得られる制作環境、資金繰りなんかもそうかもしれませんね。
原作の力ももちろんあるでしょうが、いろいろな社会の環境、時世、時流にも恵まれたとはいえ、一時は超一流の評価を受けた作品です。

そりゃあ、観る目が厳しくなるのも当然、期待されるのはやむを得ません。
落ちぶれれば叩かれますし、出来が悪くても悪く言われてしまいます。
なかなか厳しいですが、世の中そんなもんという事実は変えられないでしょうから仕方ないですかね。


それでは、遅ればせながら観ていきましょうかねw。

ところで、相変わらずで私のレビューは物語の流れは言わない方針なので、主に私の「思った」「感じた」が中心のボヤんとしたものになりますのでw悪しからず。

第1話:ほー、しょっぱなかから映画のようなクオリティですね。
思わず、何でもないシーンなのに何かを探すように見てしまいました。
そして鬼舞辻無惨のいわゆるパワハラ会議w。
登場する上弦の鬼たちからでさえ伝わってくる緊張感、こえーーわ。
ふつーに会社勤めしている身とすれば、無惨がこえー以上に、その緊張感の中にぶち込まれている自分を想像するだけで、トラウマが蘇りそうwww(何のだよ?)。

そして、諸々合って、刀鍛冶の里では甘露寺蜜璃が登場します。
正直、個人の感想としては、柱シリーズの皆さんは、初見~ですと、なんだかなぁと思う事が多いのですが、個別に登場してきてフィーチャーされるエピソードになると、その魅力に気づかされることが多いです。
これは、なかなかにすごい事ではないかと個人的には思っています。
それだけのキャラを生み出せたという吾峠さんには敬意を表したいと思います。

まだ、何も始まっていないのに、しっかりと目と興味を奪われてしまいました。
キビシイレビューも拝見しましたが、個人的には問題なし。
今後に期待です。


と、各話感想を書いてみようと思った時期がありました・・・私にもw。


が、一気に見てしまった・・・。
しかも、振り返りというか、ちょっと考えながらという事も薄く、流れに任せてスムーズに物語を楽しんでしまいましたので、総評的に。


いやー、面白かったですねぇ。
確かに話数があと2、3話あってもゴージャスでよかったかもしれんせんが、第1話が長めですし、仕上がってきた作品の密度も濃い。
ここをとやかく言うのは少し酷かもしれません。

確かに「物語」としての立ち位置としては、他のレビュワーが仰っておられるように、いわゆる「ツナギ」に位置するエピソードなのかもしれませんが、個人的には楽しんで視聴するのに全然問題のないレベルでした。
ちなみに、前にも申し上げましたが、私は「原作未読派閥」ですので、アニメ作品のみで追っているという事になります。
そして、この追い方をエンジョイ中なので、とても満足しています。
実際、他作品の視聴などもしておりますので、空いた間隔も特に不自由はないですしおすし。
(追い方・・・、老い方かもしれんなぁ・・・実際w)

まー、某SWシリーズでも、公開された当初は、地味だの、つまらんだの、ツナギだの言われたエピソード5「帝国の逆襲」が長い時を経て、スルメだの、意外とイイだの、あれがあっての~的な再評価をされたこともありましたしね。
この刀鍛冶の里編もシリーズ全体のボリュームが見えてきた際に色々と評価が変わるやもしれません。



そんな中で、もしも気になったところを挙げよ、と言われたら・・・、物語中でのSDの茶番パートですかねぇ。
個人的にはあってもいいけど、もう少し工夫というか、何ならもう少し少なめに・・・なんてね。
特に、物語序盤でのものが何だか気になってしまって。
後は、炭治郎の語りが、少しウザ(クド)く感じた瞬間がありましたが、これも好みの問題かもしれません。

・・・いや実際、これくらいしかケチつけるところが無くって・・・、このケチつけも、このカロリーで仕事をこなし、作品を仕上げてこられた皆様には申し訳なく思いながら、あえて挙げてみた程度の事です。


やっている事は、いわゆる「鬼退治」なので、中枠でテンプレ化しているって言うのは受け止めざるを得ないポイントですし、本当に隙が無いつくりをされていたと思います。
構成だって、コンパクトにスピード感を維持するように、練られていたのを感じました。
盛り上がりの起伏も計算しつくされていた感を感じました。


作品が今までに得てきた評価、プラス面を好循環として取り込んで、きちんと次の作品の反映してきていると思いました。
繰り返しになりますが、そういう作品に育つことができて「よかった・・・ね」って感じです。


今回も視聴してみた後に思った事は、やはり「人の思い」の繋がりに重きを置いている作品であるという事を強く感じましたね。

人と人の横のつながり、縦のつながり、時間、世代を超えたつながり。
他人の期待に応えるとは、自分の思いとは、人に敬意を払うとはどういうことか、人の仕事に敬意を払うとはどういうことか、人に純粋に期待をし、承認し、評価し、感謝し、それを伝える。
見えているモノ、話しているモノが本当(本心)とは限らない。

・・・説教臭いですか、そーですか。

でもね、こういった事に「気づける人」って案外世の中に多くないんです。
私もコーチングやコミュニケーションスキルのトレーニングを受けたりして、再確認、「気づく」までは蔑ろにしてきていたと思いますし。
ああ、偉そうに言いましたが、いろいろと出来ているとは言っていません。

「知っている事」と「行動(実行)出来ている」は全く別物であるという事も、このお勉強の中で学んだ、最も重要な事の一つでしたね・・・(遠い目)。


それにしても、禰豆子はよかったですねぇ。(何がw?)



はてさて、次にアニメ作品を視聴できるのはいつ頃になるのかなぁ。

と、楽しみに待ちたいと思います。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 27

78.5 4 兄妹で続編なアニメランキング4位
干物妹!うまるちゃんR(TVアニメ動画)

2017年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (720)
3596人が棚に入れました
外では、誰もがうらやむ才色兼備の「美妹」が、
家に帰れば、誰も知らないグータラ三昧の「干物妹」に…!?

グータラを極めた干物妹・うまるが、
コーラとポテイトを片手に、漫画やゲーム、アニメ、ネットサーフィン…、
一緒に暮らす兄・タイヘイを横目に、欲望の赴くままに突き進む!

クラスメイトの海老名、きりえ、シルフィンとの絆も深まり、
うまるの日常はますますにぎやかにっ!!!

うまるの最強で最高な最上の 日常が、再び始まる!

声優・キャラクター
田中あいみ、野島健児、影山灯、白石晴香、古川由利奈、安元洋貴、柿原徹也、小清水亜美
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

うまる、ふっかーつ!

動画工房制作。

才色兼備な女子高生うまると、
家ではぐーたらマイペースこまるの、
にめんせいウラオモテライフ!!
楽しくてかわいい日常系コメディ再び。

初回の入りはこまるパートも少なく、
後半、妙にほっこりする展開でしたが、
次回以降キュートなこまる全開ですね。
小さくて丸くて甘えん坊で口達者なんて、
可愛いに決まっています。
相変わらずの主題歌も効果音まで楽しいです。

純然たるコメディ作品では、
シリーズともに最上位の良品だと思います。
キャラを愛でる作品ではあるのですが、
日常の些細なことだけで物語を演出し、
幸せで温かい気持ちになれる。
これって最高ですよね。

最終話視聴追記。
{netabare}前作の強みである兄と妹の絶妙な距離感が、
新キャラ登場で微妙に崩れたりもしましたが、
とにかく可愛いし楽しいし癒されます。{/netabare}
うまるの宴はまだ終わらないでしょう。
小さなチャップリンはここでも健在でした。

素敵な時間をありがとうございます。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 84
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

タイヘイみたいな男性がモテモテなのは・・・

原作未読。最終話まで視聴。

タイヘイみたいな男性がモテモテなのは、同じ男性として好感が持てる、と感じているのは私だけでしょうか?

第2期も安定の面白さでした。
もちろん、この手の話は『出オチ』のインパクトが生命線。
そういう意味では第1期ほどのインパクトは無くなったかもしれませんが、面白くなくなった訳ではありません。

うまるをはじめ、海老名ちゃんも切絵もシルフィンさんも、みんな少しづつ成長していました。
各々が絡む、感動話がとても良かったです。

新キャラのヒカルも面白可愛かった。
ただし、{netabare}何故、うまるにライバル心を抱いているのか{/netabare}良く分からなかった。少しマイナス評価。

切絵が終始安定して面白く、可愛かった。
やはり、私は切絵推しのようだ(笑)。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 58
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

3期も期待。てか、一生観られる(笑)

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
うまる です(笑) 一期と基本は変わらず、でも、いろんな事が少しだけ進展しましたね♪

相変わらず、素晴らしい日常系アニメでした♪

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
一期とのちがいは、恋愛要素の有無。特に、海老名ちゃんとタイヘー。海老名ちゃんには幸せになってほしいな~。でも、カナウにも幸せになってほしいしな~。

あとは新キャラ、ヒカリ。ここは正直、まだキャラが弱くてイマイチ。今後に期待かな。

あとは、うまる(こまる)と海老名ちゃんとシルフィとキリエ、特にうまるを抜いた他3名の仲が深まったのが素敵でした。

個人的には、シルフィが好きですね。なんか、シルフィが笑顔だと安心します♪

まあその分、こまるのワガママ放題が減ったのはやや残念ですが、マンネリ防止のためにはこの方が良いでしょうね。

最終話のBパートなんか象徴的なんだけど、1期は「うまるとタイヘー2人のアニメ」で、2期は「うまる達4人娘のアニメ」なんですよね。個人的には、「アニメとしては正解だけど、もっとうまるのワガママを観たかった」というのが本音です。が、そこは制作もよく分かっていて、最終話Cパートに「うまるらしい」ゲスいエピソードを入れてきたのは、間違いなく「あえて」ですよね♪ なんかあのCパートのおかげで、制作と心(うまる愛)が繋がっていると思えました(笑)

さて、うまるですが、一部の方には、こまる との二重人格的な部分が受け入れられず、「外面だけ良い」みたいな感じで嫌われてるとも聞きます。実際、原作でもあんまり人気ないみたいですし。

でも、私は違った解釈をしていて、多分、「うまる(外うまる)」が本体(素)で、「こまる(家うまる)」が特別なんじゃかいかと思ってます。(勿論、大前提として、両方あってのうまるですが)

「うまる」は、無理してああいうキャラを演じてるんじゃなくて、本来はああいう(外うまるな)性格なんだけど、タイヘーの前だけではダラしなくなるだけじゃないの?と。多分、タイヘーがいなければ、普通に24時間外うまるで過ごせる気がするんですよね。だって、1期でちょろっと出てきた子供時代のうまるは、「こまる」よりも「うまる」寄りでしたし。(根拠は薄いけど)そう考えれば、なんかワガママ放題も可愛くて許せちゃいませんか?

まあ、とにかく3期に期待です。やってくれないなら、タダをこねますよ(笑)
{/netabare}

【余談 ~2017秋は、1期が神OP(ED)だった作品の2期が多かったよね ~】
{netabare}
例えば、「おそ松さん」の「はなまるぴっぴはよいこだけ」や、「血界戦線」の「シュガーソングとビターステップ」。ある意味、「魔方陣グルグル」の「晴れてハレルヤ」「Wind Climbing ~風にあそばれて~」。そして本作「干物妹!うまるちゃん」の「かくしん的☆めたまるふぉ~ぜっ!」。

1期は名曲だったアニメがズラっと並びます。ここまで揃うのは珍しいと思います。

その中で感じたことは、「やはり、空振りかホームランじゃなくて、ヒットを狙いにいくんだな」ということです。

例えば本作のOPは、明らかに1期を意識したつくりでしたね。もし、「かくしん的☆めたまるふぉ~ぜっ!」の二番ですと言われたら信じるかもしれない(笑)

「おそ松さん」も同様に、「はなまるぴっぴはよいこだけ」の二番と言われれば、うっすらそうかもと思う感じ(似た曲調)でした。

「血界戦線」は、EDは1期を意識したダンスミュージック風にしながらも、UNISON SQUARE GARDENはOPに移籍。うまくかわした感はありました。

「魔方陣グルグル」は、きちんとオリジナル色を出そうと、可愛い系ながらも1期とは違う歌の感じにしていて、そういう意味では好感をもてました。

やはり、1期のOPが「神曲」と言われるくらいヒットしてしまうと、2期は難しいよね(汗) 「うまるR」も「おそ松さん2期」も、ホームランも狙わないかわりに空振りもしないように、コツンと当ててシングルヒット狙いに来た感じでした(笑) 両作品とも、勿論1期の方が好きだし良い曲だったと思いますが、2期も充分に良い曲だし、まあ、制作陣の苦労とプレッシャーを感じ、微笑ましい気分になりました(笑)

そういう意味では、「うまるR」はむしろEDの「うまるん体操」の方が印象深いですね♪ 来店の小中学生の文化祭とかで踊る子供とかいそうな感じw なんか力が抜けていて素敵でした♪

ちなみに、今期(2017秋)で好きだったOPは、

1位 「ポールルームへようこそ」の 「Invisible Sensation」(UNISON SQUARE GARDEN)

2位 「アニメガタリズ」の「アイコトバ」(GARNiDELiA)

3位 「ブレンドS」の「ぼなぺてぃーと♡S」(ブレンド・A)

ってところですかね、まだ録り溜めてるのもあるけど。

まあ、私が基本的にアップテンポの曲が好きだというのもあるけど、OPやEDは、(楽曲単体の良さはもとより)やはり「作品の世界観をうまく表しているか」「映像との繋がり」は、大切だなと。「もってけ!セーラーふく」なんかはこの辺が最高レベルだったなと。

そういう意味では、「Invisible Sensation」は、競技ダンスの激しさ、タタラとチーちゃんぶつかり合いなんかを表現できていて良かったですね。

EDなら、「うまるん体操」が、今期一番でしたね! ダラっとしてるけど可愛らしい、そしてノリも良いという、実にうまるの良さを表現していたな~と。
{/netabare}

【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
1期のナレーションをいきなり否定w まあ、1期からのファンには楽しい演出だけど、2期から入った方は、うまるの変身に?が付かないかな? UMRのこととかもワカランでしょ。OP、明らかに1期を意識したつくり。二番と言われても信じるかもw

2話目
どうでも良いんですが、私は1日1回は耳掻きしないと発狂しそうになります(笑) うまるの漫画、デスノートにシャーマンキング、封神演技って、同世代かな(笑)?

3話目
えびなちゃんは可愛いな~。顔(笑) ただ、ハンバーガー食べる話なのにね、なぜか良いよね。

4話目
タイヘー、早く結婚しろよ(笑) シルフィンが楽しんでると、なんか幸せな気持ちになるんだよね。うまるの葛藤w うまる、どうした? 反省なんてらしくない(笑)

5話目
浜松の聖地? ガヴドロとかかな? なにげに、タイヘーと叶とのペアも良いよね~。応援したくなる。うまるの涙、するいぞw

6話目
絵本うまる、その気になれば30分見られるなw 都大会三位って、普通に凄いよねw 着物凄いのに、デジカメしょぼいw 悪うまるw 扇風機に窓際の天体観測。なんか良いな~。

7話目
キリエのパス、ウケるw キリエ、140ないの? 高校生で? 新キャラ? ということは、ここからあのキャラを掘り下げるの? キリエとアレックスにフラグが? じゃあ、シルフィとボンバかな(笑) どうした? らしくもなく、恋愛要素強めで。

8話目
むしろボンバが可愛いw お? 新たな展開? タイヘー、モテ期(笑)

9話目
ほっこり良い話、二連発。ノスタルジー。

10話目
恋愛バナシはあまり作風に合わないけど、海老名ちゃんには幸せになってほしい♪

11話目
キリエ回。

12話目
あ~、寂しい、、、。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 46

65.7 5 兄妹で続編なアニメランキング5位
棺姫のチャイカ AVENGING BATTLE(TVアニメ動画)

2014年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (607)
3227人が棚に入れました
航天要塞ソアラでの戦いから1ヶ月後、亡き父・禁断皇帝の遺体を求め、チャイカ、そしてトールとアカリ、フレドリカの一行は旅を続けていた。
次なる遺体の所持者は、皇帝を討伐した八英雄のひとり、クローディア・ダッジ。
彼女は優秀な魔法師(ルビ:ウィザード)であったが、いまや広大な葡萄園とワイナリーを経営する女主人となっていた。遺体をかけて勝負を挑むチャイカだったが、その圧倒的な実力差に、なすすべもなく完敗。
「完璧なる敗北…」落ち込むチャイカに、クローディアから意外な提案が……!?

声優・キャラクター
安済知佳、間島淳司、原優子、斎藤千和、佐藤健輔、野水伊織、幸田夢波、森嶋秀太、山本和臣、藏合紗恵子、勝沼紀義、ブリドカットセーラ恵美、金尾哲夫、大空直美、村瀬歩、櫻井孝宏

PPN さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

全10話モノタリナイ(´・_・`)

「ふと眉」「カタコト」ヒロイン・チャイカが
棺を背負って戻ってきましたねw
2014年春に放送されたファンタジー作品の続編。
2期にあたる作品です。
全10話。


1期からの順道な続編に当たるストーリー。
コメディありの前作から一転、ラストまで
シリアス展開が続くのがこの2期の特徴かと。
話の本筋、キャラの魅力等掴む為には
やはり1期からの視聴がオススメですかね。

10話という短い話数でしっかりと
まとめたという印象を受けた反面
駆け足感も否めなかったですね(´∀`;)
物足りなさが残ったのも事実です。

1期では明かされなかった最大の謎
チャイカの正体、存在理由が描かれます。
チャイカの奪われた悲しい記憶、そして運命。
この辺りは重要な核心部分だけあって
より丁寧に作られていると思います。

バトルシーンはスピード感、迫力ともに
前作同様のレベルの高い仕上がり。
なので、作画や声優陣などは前作と同等の評価。


全体的に遊び、余裕が感じられず
1期で見られたチャイカの可愛さは半減。
物語の性質上、仕方ないとしても
ふと眉、カタコトファンとしては残念無念w
物足りないぜ(/´Д`)/

1、2期通期でまとまった物語になっていると
思います。
まだ観てないという方には1、2期全22話を
連続での視聴がオススメです(・∀・)/″




《キャスト》

チャイカ・トラバント(CV.安済知佳)
トール・アキュラ(CV.間島淳司)
アカリ・アキュラ(CV.原優子)
フレドリカ(CV.斎藤千和)
チャイカ・ボフダーン(CV.藏合紗恵子)
チャイカ・カズマ(CV.丹下桜)
レイラ(CV.牧野由依)
アルベリック・ジレット(CV.細谷佳正)
ニコライ・アフトトル(CV.佐藤健輔)
ヴィヴィ・ホロパイネン(CV.野水伊織)
ズィータ・ブルザスコ(CV.幸田夢波)
マテウス・キャラウェイ(CV.森嶋秀太)
レオナルド・ストーラ(CV.山本和臣)
ギイ(CV.村瀬歩)



《主題歌》

OP
『漆黒を塗りつぶせ』/野水いおり
ED
『ワタシハオマエノナカニイル』/Coffin princess


【2015 02/28 レビュー投稿】

投稿 : 2024/11/09
♥ : 57

ato00 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

チャイカ、いっぱい。

チャイカ・トール・アカリ・フレドリカの四人組。
遺体探索継続中。
チャイカ、成長、顕著。
呪文詠唱、短縮、実用的。

アカリ、真面目な冗談、不十分。
その分、バトル、大半。
戦闘シーン、満載。
スピード感、緊張感、いっぱい。
手に汗握る展開、極めて緊迫。

チャイカ、複数存在。
1期、白チャイカ、赤チャイカ・青チャイカ。
2期、半チャイカ、黒チャイカ、双子チャイカ。
最終話、チャイカ、いっぱい。
どのチャイカ、何チャイカ?

ラスト、衝撃の結末?
否定、ややあっさり、残念。
その分、スッキリ。
さらなる延長、推奨。
ウィ、喜劇調OVA、私、所望。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 49
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

出来事 あった とても大事、心残り 肯定、疑問 解決 感謝 心から、うぃ

原作未読 全10話

棺姫のチャイカの2期です。1期(全12話)から観ることをオススメします。

戦乱の世、元凶である魔法帝国「ガズ帝国」のガズ皇帝が8人の英雄に打ち倒されて戦乱が終息なり平和な世となった世界。自称ガズ皇帝の娘というチャイカ・トラバントとサバターであるトール・アキュラ、アカリ・アキュラ兄妹、後で仲間になるフレドリカと共にその英雄が持ち帰ったとされるガズ皇帝の遺体を探すために旅をするバトルファンタジーです。

10話と短いので、果たして伏線が無事回収して終わるのか不安でしたが、きちんと終わっていて良かったです。

短いので仕方がありませんが、終盤は駆け足状態だったのでもう少し丁寧に余韻が残ると良かったですね~{netabare}(全部終わった後のお話がエンドロールだけではなくてもっと観たかったですね){/netabare}

バトルは結構アッサリなのでそれほどではないですが、危機をみんなで乗り越えるところが面白かったです。

気まぐれなフレドリカがお気に入りですw{netabare}(不死身なところもw){/netabare}

これから視聴される方は、1期と2期を一気に観る方が良いかもしれませんね。

OP・EDは1期と同じくOPは野水いおりさん、EDはチャイカトリオが歌ってます。

最後に、トールの{netabare}「我は鋼なり。鋼故に怯まず、鋼故に惑わず。一度敵に会おうては、一切合切の躊躇なく、これを討ち滅ぼす凶器なり。」{/netabare}セリフが好きでしたw

投稿 : 2024/11/09
♥ : 37

75.8 6 兄妹で続編なアニメランキング6位
魔法科高校の劣等生 来訪者編(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (484)
2259人が棚に入れました
2095年10月31日。未観測の戦略級魔法によって、朝鮮半島南端の軍事都市と艦隊が消滅した。《灼熱のハロウィン》と呼ばれたこの日から、世界は新たな戦略級魔法師の登場に震撼することになる。中でも「世界最強の魔法部隊」であるスターズを擁する北アメリカ合衆国(USNA)は危機感を募らせ、秘密裏に未観測の戦略級魔法と、その魔法を使用した魔法師の正体を暴こうと躍起になっていた。それから約二ヶ月後の12月24日。街がクリスマスの飾りとイルミネーションで賑わっているなか、達也たちは交換留学でアメリカに行くという雫の送別会のために、アイネ・ブリーゼに集まっていた。雫がアメリカに行く期間は三ヶ月。雫によると、彼女に代わって第一高校に来るのは、同い歳の女の子だという。同い歳の女の子だという。同じ頃、USNAのスターズ基地では、一人の少女が第一高校への潜入調査に赴く準備を進めていた。彼女の名はアンジェリーナ・クドウ・シールズ。スターズ歴代最年少の総隊長にして、戦略級魔法ヘヴィ・メタル・バーストを操るUSNA最強の魔法師だった――。

声優・キャラクター
中村悠一、早見沙織、日笠陽子、内山夕実、寺島拓篤、佐藤聡美、田丸篤志、雨宮天、巽悠衣子、花澤香菜、井上麻里奈、諏訪部順一
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

大晦日とおにいさま

※注 本レビューは大晦日にUPしたややネタ色が濃いものとなります。予めご承知おきください。

 48年ぶり2回め {netabare}帝京第五高校(愛媛県/2017春){/netabare}
 24年ぶり2回め {netabare}玉置浩二(ソロ/2020紅白){/netabare}
 12年ぶり2回め {netabare}Mr.Children(2020紅白){/netabare}
  6年ぶり2期め {netabare}魔法科高校の劣等生 来訪者編 うぃーっす{/netabare}

魔法科高校と帝京系列の高校は互いに9校ずつあるようです。名盤『深海』にクレジットされてる「Mirror」と同名曲は1期後半のEDでした。作曲はTAMAI KENJI(ちと苦しい)。今回2期EDタイトルはこれまた「名もない花」となんかしら邪推してしまいそうです。
オカルトの一種?魔法といったファンタジーの産物に科学の持つ合理性を持ち込んだ意欲作。のっけから高校物理か生物かで習ったおなじみ半減期を意識したリリース時期や年末に一区切りつける秋クールでの放送にプロモーションの合理性を感じます。きっと大晦日紅白で大物アーティスト久々ご登場の裏にはおにいさまの暗躍があったのかもね。

そんな「言われてみればそんな気もするけどまぁ荒唐無稽だよね」な2020秋クールの注目作品です。


原作未読 全32巻

2クール費やした1期のおさらいは以下

#1-#7  入学編(1-2巻)
#8-#18  九校戦編(3-4巻)
#19-#26 横浜騒乱編(6-7巻)

この長編小説。司波達也(CV中村悠一)が高校を入学するところから卒業するまでの『高校生編』がアニメ2期放送と機を同じくして無事完結との朗報です。
このアニメ2期『来訪者編』は1期からの地続きで達也が高校1年生時代の最後を飾るエピソードとのこと。途中に劇場版を挟んでいますが1期放送から6年越しのアニメ新作に該当します。

2期
#1-#13 来校者編(9-11巻)

歯抜けになってる巻はすっとばしてるかOADとかでやってるんでしょう。2期完走してみて話の繋がりで齟齬を起こしてるようには見えなかったです。
これまで小説2巻分のエピソードで刻んでたのを上中下巻の3巻分を1クール全13話での放送です。1巻あたり3.5話~5.5話のペース配分を踏襲して2期も1巻あたり4.4話と無理もなさそうな構成、といったところでしょうか。


 さすおに

「さすがはお兄様です」の強烈な印象で語られる本作の2期を前に私の観点をおさらいしときます。

1.のめりこむでも揶揄するでも“さすおに”な兄妹を楽しめるか?
2.科学する魔法の論理構築っぷりに唸れるか?
3.特殊部隊や外国の軍事勢力とタメを張れる高校生を許容できるか?

基本的に立ち位置はネガティブ。1.3.はあくまで「我慢できそうか」が判断基準なのです。真顔で言うなら度の過ぎたフェチシズムは気持ち悪いし「なわけねーだろ」な最強ぶり。それなりに話題になってるわりに弾かれた方は似たような理由で撤退してるかと存じます。
そんなわけで少なくとも私にとって引力足り得るのは2.です。ここは2期もきちんとやりつつ新しい風を吹かしてました。だがしかし…

{netabare}「CADを必要としないからキャストジャマーは意味が無い」{/netabare}

私なんて直近の再放送だからまだしも6年ぶり2回めの視聴者の皆さん大丈夫でした?
キャストジャマ―、CADを必要としない、サイオン波パターン、プリズスキャルブ、エシェロン等々。
3日休むと勘を戻すために時間を要すのと同様に、専門用語が多い作風に対しては一気に観るか原作を読んどいたほうが良さそうでした。
なお食い気味に観てなかったからかところどころ理解できておりません。


魔法がひとつの技術みたいな位置づけとなってる世界ですからその源泉であるCAD(シーエーディー)を必要とせずに魔法チックなものを発動できる展開で物語上大きい波風を立ててる2期。
いわゆるとってつけたような安直な作品の一つに見えがちですがなかなかどうして。さはさりながら荒唐無稽なことを大真面目に丁寧にやってるだけが取り柄といった私の評価です。

 結局、司波達也おにいさまがキリッとしちゃえば万事OK!

そんなおにいさまを笑ってはいけないのが本作のルールなんでしょう。
笑っていいおにぃはコ○リコの小っちゃいほうだけです。



視聴時期:2020年10月~12月 リアタイ

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2020.12.31 初稿
2021.10.09 修正

投稿 : 2024/11/09
♥ : 42

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

街の平和は高校生たちが守る!?

原作未読。最終話まで視聴。
第1期、劇場版とも視聴済み。

第1期は乱れがちだった作画が、第2期は完璧でした。
この点だけでも、制作陣の力の入り具合が分かります。
こういう作品って、視聴する私たちも、自然と力が入っちゃいますよね。

リーナ(CV日笠陽子)が可愛かったですね。
可愛さとカッコよさ、強さと弱さ。
そして、時折見せるポンコツっぷり(笑)。
これらを兼ね揃えたリーナを、完璧に演じていらっしゃいました。
さすがです。感服しました。

第1期は見せ場らしい見せ場の無かった柴田美月(CV佐藤聡美)にも活躍の場が与えられたり、ピクシーの発言に大慌てする三井ほのか(CV雨宮天)が超絶可愛かったり、と見せ場はテンコ盛り。
可愛いと言えば、バレンタイン回の七草真由美(CV花澤香菜)先輩も超絶可愛かったですね。
七草先輩が達也に対して一本取ったのは初めてでは(笑)。

少し残念だったのは、交換留学でUSNAに行っていた北山雫(CV巽悠衣子)の見せ場が少なかったことくらいかな。

終盤に次々と新キャラも登場しましたし、第3期を期待して待ちたいと思います。

あと、その前に『魔法科高校の優等生』も楽しみですね。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 34

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

USNA(北アメリカ大陸合衆国)スターズ総隊長はポンコツ金髪美少女…。

[総評]
魔法が技術としてある程度確立した世界観の中で、第三次世界大戦後の世界を描いたSFファンタジー作品。本作は2期目に相当します。

1期目のレビューにも書いた通り本作中の世界情勢はわりと殺伐としたもので、第一を含む各魔法科高校についても国の将来を担う士官学校的な空気感が若干感じられます。

そんな世界での「交換留学生」というのが只者であるはずもなく、アクション面に限らない本作原作の特徴が出ていると思います。

そんな原作3巻(上・中・下)に渡る来訪者編を、それなりに尺を取ってアニメしか観ていない層にも楽しめるように上手くアニメ化できていたという印象です。

第11話以降の構成には、来訪者編以降の展望を踏まえたものを感じるので具体的にアナウンスのあった『魔法科高校の優等生』アニメ化以外に、何か未発表の第3期制作スケジュールがあるのかもしれません。

== [下記は第1話視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
電撃文庫から刊行されている人気ライトノベル『魔法科高校の劣等生』のアニメ化第2期目作品です。

原作の『魔法科高校の劣等生』は短編集を含む全33巻にて2020年9月に無事完結を迎えていますが、本作でアニメ化される<来訪者編>は以降のシリーズ終盤まで活躍するキャラクターや設定の結構な部分が軒並み明かされるエピソードなので、今後のアニメ化作品視聴の可能性や原作購入の判断の上でもぜひ観ておくと良いんじゃないかと思います。

アニメ作品中での時系列的には:

1. 魔法科高校の劣等生(1期目)
2. 魔法科高校の劣等生 来訪者編(2期目: 本作品)
3. 劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女

となっていて、1.でアニメ化が割愛された<追憶編>は3.で一部フォローされる感じになっております。3.に出てくるキャラのほとんどは1.もしくは本作品2.中でみんな出てくる感じです。

アニメとしては上記3.で初見だったリーナ(アンジェリーナ・クドウ・シールズ)がシリーズ中のエピソードで初登場となる作品となっています。

本作品を視聴するにあたって3.を観ている必要はまったくないはずですが、1.は観ておくかもしくは1.相当の原作部分を読んでおかないと話にはついていけなくなりそうな気がします。ということで、まだの方はひとまずここでさようなら。




本作では、前作で出てきた外国である大亜連合(大亜細亜連合: 中華人民共和国が母体)に続いて、第二の外国としてUSNA(北アメリカ大陸連合: アメリカ合衆国が母体)が登場します。

作中では第三次世界大戦終結後35年ほど経っていて日本と表立った戦争状態にある外国はありませんが、わりと一触即発的な殺伐とした国際情勢になっていて、主人公の司波達也(しば たつや)や妹の深雪(みゆき)をはじめとする魔法師はいずれの国でも実戦力として海外渡航制限を受けるような世相において、達也や深雪の同級生である北山雫(きたやま しずく)と交換留学という形でリーナがある任務を帯びて入国してくるという第1話でした。

来訪者編が原作で<上・中・下>の3巻構成だったので、1クールの放送であればこの3巻分のエピソードのみがきっちりアニメ化されることになると思います。

第2話以降も楽しみです。
== [第1話視聴時のレビュー、ここまで。] ==

2020.11.19追記:
第7話まで視聴終了。主にリーナが出てくる場面で使用される呑気な曲調のBGMが、彼女のポンコツぶりに天才的にマッチしていてとても気に入っています。

さて、第6話で<来訪者編>では初お目見えしたピクシー(メイドロボ)ですが、こいつは1期目の<横浜騒乱編>で出てきていた奴ですね。当時何を考えて東山奈央をキャスティングしたのかは謎ですが、現在獲得している人気を考えると2014年当時のキャスティングとしては大当たりだったかもしれませんね。

2020.12.29追記:
第13話(最終話)まで視聴終了。

原作本来の意味での「来訪者編」は第11話Aパートまででした。

第11話Bパート以降は次の「ダブルセブン編」のエピソード、あるいはタワー関連の話はアニメオリジナル要素です。

ただ、第12、13話も原作者脚本回なのでオリジナルとはいえ、原作は無視したものにはなっておらず数字落ち(エクストラ)の説明は本編中での説明としては原作よりも詳しかったといえるかもしれません。

原作既読でしたが、面白く観ることができました。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 32

66.7 7 兄妹で続編なアニメランキング7位
地獄少女 二籠 -ふたこもり(TVアニメ動画)

2006年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (375)
2187人が棚に入れました
最近、巷に或る都市伝説めいた噂が流れていた…。深夜0時にだけアクセスできる「地獄通信」に怨みを書き込めば、どこからともなく「地獄少女」が現れて、憎い相手を地獄に堕としてくれる。地獄少女は全てを見通すかの様な涼やかな瞳を相手に向け、ただ一言告げる。「あとは、あなたが決める事よ」と…。掟に殉じて地獄流しを続ける地獄少女――だが、彼女の前世での出来事と相まって、いつしか少しずつ心境に変化が起こり始める。そして物語の終わりは誰も想像できない出来事だった…。
ネタバレ

Appleモンキー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

人を呪わば穴二つ

午前0時にだけアクセスできる地獄通信
地獄通信に書き込まれたものは地獄に落ちる。

■第11話~第26話
{netabare}
地獄少女のいつものメンバーたちにスポットをあてたストーリーが面白いです。

輪入道の温泉の話がお気に入り★
何百年も続く老舗温泉旅館の
最初のお客さんでもあり、最後のお客さんでもある、というのは感慨深いものがありますね^^


物語終盤は懐かしいキャラがでてきました。
つぐみちゃんってどうなってるんだろう。。。
{/netabare}

■第6話~第10話
{netabare}
あい「骨女は?」
輪入道「どっかいっちまったい」
一目連「連れ戻そうか?」
あい「ううん、たまには骨休めも必要よ」

・地獄少女がギャグを言っちゃった
http://www.youtube.com/watch?v=05IrjpLvtQc

第10話は製作者さんが色々と遊び心を出してましたね^^

{/netabare}

■第1話~第5話
{netabare}
第1期に引き続き、1話完結型で進行してます。

第5話のラスト、橋爪力也を地獄に送った時のセリフ
「なめんなよ、タコ」
がツボにはまりました^^

↓問題のシーンのMAD動画
・(MAD)[地獄少女]なめんなよ、タコ
http://www.nicovideo.jp/watch/sm3815328

{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 53

minisaku さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

二期は最後まで飽きずに見れましたw

あらすじは割愛しますね~ 全26話です。

今回は、一期に比べて後日談がしっかり描かれていたり、
地獄少女側の過去エピソードがあったりと、話が単調ではないので
一期より見やすい内容だったと思います。特に後日談が良かったですw

正直、一期は途中で飽きがきて断念しそうにもなりましたが、
今回は楽しんで最後まで見れましたww

まぁ一期を見なくても楽しめる内容だとは思いますが、
一期の1話目+ラスト3話位見ておけば、より楽しめると思います!!

興味のある方は見てみてくださいね~

投稿 : 2024/11/09
♥ : 23
ネタバレ

入杵(イリキ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

浮世は地獄 胸糞悪さ Level up!

本作はスタジオディーンが3期に亙って手掛けた「地獄送り」をテーマとした作品の2期目である。
本作からの視聴でも差し支えないが、出来れば1期からの視聴をお勧めする。
1期は6話から話の進展があったが、今回は22話まで殆どパターンアニメと同等の作りである。新たな登場人物「きくり」の登場や、1話ずつ三藁の過去に纏わる話が用意されている。
1期の視聴で慣れた所為か、憤りを覚える(理不尽なという意味ではない)展開が減少し、胸糞悪さが向上した。この点は非常に評価したい。シュールな演出も増えてよかった。
ただ、「きくり」が小生意気で小癪な子供で鬱陶しく感じた。



基本的なコンセプトは『必殺シリーズ』を元に「法で裁けぬ、晴らせぬ怨みを依頼者から引き受け成敗する」というものである。
依頼方法は『ゲゲゲの鬼太郎』を彷彿させるもので、ネット上に深夜0時に怨みを持ったもののみアクセス出来る「地獄通信」に依頼者がアクセスし、
怨んでいる相手の名前を入力すると、即座に地獄少女が現れ、首に赤い糸が結ばれた「藁人形」を渡し、地獄送りの手順を説明するというものである。
本作はただ怨みを晴らして(相手を地獄送りにして)お仕舞いという安易なものでなく、
「依頼人自身も命に匹敵する代償を支払う」という本作独自の設定がある。
そうした作風について、制作側は「“人を呪わば穴二つ”の言葉の様に、依頼者の人の命を奪うという願いには、それ相応のリスクが必要である」と語っている。地獄流しに出来る相手は1人のみで、一生に一回しか使えない。

地獄流しの手順

①怨みを持つ依頼人が地獄通信へアクセス、名前を入力
②地獄少女が現れ「首に赤い糸が結ばれた黒い藁人形」を渡す
③相手は即座に地獄送りにされるが、依頼者も死後地獄へ行く旨を依頼者に伝え、依頼者の判断に任せる
④依頼者が糸を引いた場合、場合により対象者は三藁にパラレルワールドで仕打ちを受け、罪を認めるように促す。
(認めても認めなくても地獄には流される)
⑤対象者は舟で三途の川を越え、地獄へ流される


怨みは怨みの連鎖を呼び、留まることを知らない。人の世が続く限り怨みは消えない。只、人を怨むことは楽しいことではないので、進んで行うことはない。よって余程の事が無い限り人を怨むことは無いのだ。本作は遊び感覚で地獄通信にアクセスする描写があるがこれはとんでもないことだ。
例え怨みを晴らしたとしても、傷ついた心が癒えることや、無くなったものがかえってくることは無い。そのことが分かっていながらも溜飲を下げるために、遣る瀬無い気持ちを鎮めるために、人は人を怨むのである。

人を呪わば穴二つ
一つ目の穴は「自責の念」。人を殺したという強い認識は死ぬまで付きまとい身を蝕んでゆく。怨みの元と成った傷が癒えることがあっても、この認識が消えることはない。
二つ目の穴は「怨んだ者の周囲の念」。自分が怨んだ相手が、誰に対しても腐れ外道であることはほぼ無く、相手にも家族が居て、信頼している仲間がいるのだ。その人たちの怨みも消えることは無い。

因みに本当の語源は依頼者と対象者二人とも地獄(穴)行きという意味。


本作はしかも怨みを晴らすことを他人まかせにし、自分では一切手を出さないという汚い手で怨みを晴らす。代償として死後地獄に送られるが、これでは安いものだ。他力本願は時に罪なことである(私は浄土真宗(笑))。
特に本作の場合
①自ら怨む相手を殺害することにより殺人の実感を得る。
(他人に依頼する場合、金銭で埋め合わせが必要。)
②殺人の罪に問われるまでは、逮捕に怯えること、
捕まってからは罪刑法定主義に則った裁きを受ける(刑事面の裁き)
③殺人者の家族、親類は必ずと言って良いほど世間で差別・迫害され、縁者への迷惑など社会的責任を負う(民事面の裁き)
④殺人者は死後、極楽浄土(キリシタンの場合、天国)へ行けず、地獄へ落ちる。

これらの①~④の項目の内、地獄少女に依頼する事により、①~③から免れることが出来るのである。しかも、地獄少女への依頼は、「積年の怨み」のような重い怨嗟でなく、「気に入らない」「嫌い」「邪魔」などの軽い憎悪でも簡単に行うことが出来ることも安易な依頼へ拍車をかけている。

・「悪魔の子」事件について
{netabare}
「あれれー可笑しいぞー?」な展開。今まで依頼人の精査と言って依頼人の素性を調査し、その怨みを引き受けるか否か、一々丁寧に考えて仕事を引き受けていたのに、流れ作業の如くガンガン依頼を受け入れていて、可笑しく感じたのは私だけではないだろう。以前にも増して「怨み」とは程遠い理由から地獄送りにする街の人々。「腐ってやがる」としか言いようが無い。何故失踪事件と「悪魔の子」を繋げようとするのか。
地獄送りは全て「悪魔の子」の所為にし、自分は安穏と暮らす(死後地獄行きなんですねどね)。「悪魔の子」という依り代の元、日頃の鬱憤が爆発し地獄通信に依頼が殺到した。自警団の組織も「悪魔の子」というブランドの保持の為。
我慢ならないのは、何故
蓮江保晴→飯合誠一
飯合蛍→紅林拓真
の怨みが成立するのか。全く怨んでなどいなかったろ。
ラストは飯合誠一は死亡。自警団は逃走し、蛍は植物状態というBAD ENDだった。蛍は自業自得かな。
集団真理の恐ろしさを描こうとしたのだろうけど、少々稚拙感が拭えなかった。

最期の地獄少女の決断には感動した。400年経ってやっと理解出来たようである。拓真がかつての自分とリンクして、ジレンマに苛まれたのも理解できる。
拓真に「人を怨んではいけない」ということを諭し、自らは虐げられている彼女は、村人を虐殺したころとは別人である。

柴田一の書籍の登場と、柴田つぐみの登場は嬉しかった。
つぐみの年齢から推測して、1期から少なくとも15年以上は経過している。

人間、些細なストレスに晒されることは当然なのだ。ストレスの捌け口として趣味を作ったり、旨い物を食べたり、酒を飲んだり、旅行に行ったりと楽しいことをする。
人生に於ける幸福と不幸の割合は、天寿を全うした場合、等しく分配されているのだ。今、不幸な人は近い将来、必ず幸福が待っている。今、幸福な人は近い将来、不幸が待っているかもしれない。人生を懸命に生きていれば至極当然の摂理であるのだ。会社の上司が憎い、姑が憎い、自分の気持ちを受け入れて呉れないあの人が憎いなどといっても、自分が憎んでいる対象が腐れ外道なことなど殆ど無く、その人も昔は憎い上司が居たり、憎い姑が居たり、自分の気持ちを受け入れて呉れない人が居たりしたはずなのだ。
あの程度の事で地獄送りに出来るのであれば、私も100回以上流されているのではないかと思ったりした(笑)。
{/netabare}

・地獄少女について
{netabare}
1期2期と視聴して、地獄少女が何故、この様な仕事をさせられているのかは大体理解出来た。人間誰しも自分が一番可愛い。自分の肉親を思うのも自分の遺伝子を守る為の愛情である(なんて言うと大袈裟なので取り消す)。地獄少女の憎悪は正に他人の不幸を知らなかった為に、「何故自分だけがこんな酷い仕打ちを受けなければならないのだ」という感情から生まれたものだ。「十二国記」でも出てきたが、自分が一番不幸であると妄信し、他人に否定されるとこの上なく憤るのである。「こんなに不幸な自分をこれ以上虐げるか」と思うのである。不幸であると思うことは幸福であると思うことと同じくらい気持ちのよいものだ。他人の不幸を知れば、自ずと自分との対比が出来る様になる。閻魔あいを地獄少女にした意図はここにあるのではないか。
{/netabare}




本作は観ていて余りに不快だった為、各話毎に私の主観によるコメントと評価を付けた。
{netabare}
あくまで"主観"であるので、一切のクレームには応じない。
また、視聴後で無いと全く理解出来ないので悪しからず。

依頼人=被疑者=疑とする
対象人=被害者=害とする
得点は善:悪とする
話数の脇にある(18)は依頼人が18歳未満の意

1話(18)
疑:恩田麻紀 害:神代瑛子 70:30
精神的に追い詰められただろうけど、親や教育委員会に相談出来たはず。理科準備室に入ってからは、もうしょうがない。塩酸掛けられちゃああする他無い。被害者は腐れ外道。
あの友達も・・・
2話(18)
疑:倉吉弥生 害:男 100:0
妹は何故犯人ではなく姉を怨んだのか。自分を守って呉れなかったからか。一緒に居てもどの道死んでたと思うが。
この娘もいつまでも両親に淡い希望を抱かせて無駄な時間を浪費させずに警察に通報して水死体揚げたらどうか。
3話(18)
疑:坂入多恵 害:花村弓枝 60:40
この依頼者の女の子は変わった愛のカタチを持っていた。
しかし、被害者の女も、向こうから惚れてきたのだから、そこまで酷い女でもないと思うが。
4話
疑:八木沢修一 害:翔貴 70:30
まず病室代が工面出来ないのなら素直に諦めるべきだった。別に病気を治す金が必要な訳では無かったのだから、犯罪に手を染めなくても良いだろ。被害者も腐れ外道だったが、犯行を提案している時点で気づけ。奥さん哀れな最期。
5話(18)
疑:山田麗音 害:橋爪力也 50:50
最近流行のDQNネーム。「名は体を表す」とはよく言ったもので、名の通りのDQN君だった。馬鹿なので憎めない?(それはないか)ところがあった(最期に犬を避けたこととか)。
女性を物扱いし、先輩を地獄送りにしたところまでは良いが・・・
最期のキクリの、死体に彼岸花撒いて「ウハハハハウヒヒヒヒ」という場面は不覚にも笑ってしまった。
6話(18)
疑:新田紀和子 害:杉田宏久 80:20
この被害者も腐れ外道。
ストーカーの細野颯太君が自分で怨みを晴らしにいったのは、大変評価している。やはり自らの手で晴らすのが一番道理に則っている。
7話(18)
疑:茂木恵美 害:茂木和子 70:30
被害者が腐れ外道で無いだけに胸糞悪い。
あの母親も哀れな人だが、あの息子も娘も哀れだった。
最終的に可愛そうなのは親父。地蔵の首接着しとくよーに。
8話
疑:馬場翔子 害:栗山真美 90:10
被害者腐れ外道。割と良い話だった。
9話(18)
疑:須崎真帆 害:須崎幹夫 60:40
これも割りと良い話。愛のカタチを間違えた兄妹の末路。
やっぱり兄妹ラヴコメのようにはいかんのだね。
10話
疑:豊田八六 害:根来哲郎 30:70
あの程度のことで流すな。哲ちゃんの周りに居た女性の方がよっぽど怨みを持っていて可笑しくないはずだったが、
哲ちゃんの人間性から怨まれることは無かった。
11話
疑:天城志津子 害:立花今日子 70:30
ネコステロ→ネコカエセにしていたら変わったかもしれない。
12話
疑:伊藤道郎 害:亀岡一人
今まで観てきた中で一番感動した。事故の要因はジイさんじゃなくて道路の方だろ。
13話
疑:久住喜八 害:牧村達彦 60:40
野次馬にハラが立つのは仕方が無い。死体を平気で写メにする様な腐った日本人が増えてしまった。これは戦後教育が影響し(ry(語ると1万字軽く越えるので)。犯行に串を使うのは足がつくから止めておいたほうが良いだろう。最期に娘の目が覚めるという展開は良かった。キクリNice!
14話
疑:吉原さやか 害:柿沼敏也 70:30
キクリ「怨んでるの?ギタギタにしたいの?流しちゃえ!流しちゃえ!」

「悪魔の子」事件の発端。柿沼のオッサンは只の僻み根性で友達を気取っていたのだ。自分で売り込んで仕事獲れよ。
あの性格じゃ怨まれるのは当然。逆恨みは止めなさいといいたいね。しかし、「悪魔の子」事件はあの男があのタイミングで消えたことが原因だから、あの男の責任は重い。
15話
疑:菅野春美 害:菅野郁志 80:20
この親父も腐れ外道。選挙の後援もいいけど仕事しろや。
あの奥さんもよく辛抱した。
16話
疑:辺見蘭 害:上月マツ 80:20
因果応報。男は選ばないとね。犯罪に手を染めた時点で負け。共犯者の目の前で「自首します」なんて言ったらああなるでしょ。
17話
疑:千脇穂波 害:千脇平太郎 90:10
親父がDVじゃ、流してもOKでしょ。しかし、娘に真実を話さなかったことは痛手に出た(まあまだ話すできではないが)。
母親として、あそこで死んだら娘が可愛そう。
18話
疑:武田公平 害:武田美千代 40:60
これは良い話だった。皆苦しんでいた。正解は無い。
19話(18)
疑:たみ 害:嘉平 90:10
疑:湯元百合江 害:藍田伊智子 80:20
悪いことは出来ないということだ。
20話(18)
疑:森内樹里 害:藤巻真理 50:50
愛情と憎悪は表裏一体。でも一緒に地獄に行くことを選択するとは。地獄ってそんなに生易しいもんじゃないはずなんだけどなぁ。
21話
疑:来生洋子 害:都丸誠 90:10
これは納得。
22話
疑:蓮江美鈴 害:水谷せり 40:60
悪いことは出来ないということだPart2。
{/netabare}

観ていると不快になること間違いなし。しかし何処か引き込まれている自分が居る。鬱アニメと言うが私は鬱要素は全然無いと考える。胸糞悪いだけ。良くも悪くも人間は元来業の深い生き物だということだ。複雑な思いが交錯し、綺麗事で終わっていないのが救いである。愛情と怨嗟は表裏一体。
四苦八苦の内、愛別離苦、怨憎会苦、求不得苦が象徴的に現れていた。余計な話を作らないで「悪魔の子」事件にもっと話数を裂いていたら評価は格段に向上しただろう。
3期も是非観てみようと思う。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 21

62.4 8 兄妹で続編なアニメランキング8位
GUNSLINGER GIRL -IL TEATRINO-ガンスリンガー・ガール イル・テアトリーノ(TVアニメ動画)

2008年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (364)
1845人が棚に入れました
戦いに踊る人形、復讐に駆られた大人たち…廻る舞台。(イル・テアトリーノ)
舞台はとあるヨーロッパ。公益法人”社会福祉公社”
障害者支援のための首相府主催事業を表向きとするこの組織の実態は、瀕死の少女たちに機械の体を与え「条件付け」を施し、その少女たちを使って政府に敵対する勢力を秘密裏に排除する諜報機関であった。
生きることと引き換えに「義体」となった少女たち。それぞれに一人ずつ担当官がつき、いつも行動を共にしていることから、兄妹(フラテッロ)と呼ばれている。
「条件付け」により生身の頃の記憶が封印された少女たちにとっては、担当官の命令に従い、銃を持ち戦うことが何よりも幸せなのだった。
義体や担当官など社会福祉公社の側の人間、そして敵対する五共和国派側、それぞれの過去や想いが複雑に糸のように絡み合う群像劇は、否応なく悲しきクライマックスの舞台へと向かっていく。

リクポテ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

さすがに違和感が隠せない……^_^;

コミック原作 未読


生きるための身体を手に入れる代わりに、銃をもって政府のために戦う運命を背負った少女たちを描くガンスリンガーガールの第2期です。

2期はトリエラと新しい敵ピノッキオの戦いがメイン。

見終わって感じたこと・・・
他の方のレビューにもあるとおり、どうしても悪いところばかりが目についてしまうものでした。

まずキャラデザの変更。
キャラの目が大きくなっていて、変に萌えを意識したようなデザインになってしまっています。
担当官たちが1期の渋いオジサンからただの若いイケメンに豹変……
あからさまに美少女美男子を意識してる感じ……
さすがにこれは戸惑いを隠せませんね( -.-)

さらに、キャラ達の性格まで変わってしまっています。
特に義体の少女たちがやたら明るくなっていました。
ヘンリエッタとリコはすでに別人です………

戦闘シーンもどうも迫力がなくて……

そして声優の変更。
演じてくださっている声優さんにはホントに申し訳ないのですが、ほとんどがキャラに合ってないと思います。


非常に重いテーマを扱っている作品なのに、作画にしても声優さんにしても全体的に2期は明るすぎる印象を受けました。

ただ、OP,EDがすごく良かったです。
OPはKOKIAさんの歌う「たった1つの想い」

EDは「doll」
これはAngel BeatsでOP,EDを担当してくださったLiaさんと多田葵さんが1人ずつ歌ってくださっているという贅沢なものですw

どっちも大好きですが、OPは間違いなく神曲だと思います!


1期を見て気に入った方はかなり衝撃を受けるであろうこの2期。
心して見てください(>。<)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 31
ネタバレ

るぅるぅ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

悪意ある現実を知れ。

1期と対比すると、キャラデザイン・背景・声優に違和感しかないが、原作者である相田 裕氏が携わった結果、なぜ、こうなったとしか言えない2期。

作者が見せたい世界観で自己満足に近いが原作本来の持ち味は2期と解釈するべきか悩む処。
内容は1期に比べ義体と担当官の葛藤・苦悩である心理描写はあまり見られない。
義体である少女は、担当官に従順な殺し屋としか見えず担当官に褒められたい、もっと特別視して欲しい、愛情を欲する一面的な感情しか見えず担当官も笑顔で道具として利用する関係性になっている。
ジョゼとヘンリエッタの関係性に関わらず進展しないが、彼等担当官はその感情すら蓋をした印象が強い。
感傷的な部分としてジョゼの妹とヘンリエッタを重ねている回想。
クラエスが無為な日々を過ごし他の少女にはない喜びを内包している心理描写。
リコ、アンジェリカは部分的には観られるが付属的な意味合いでしかなかった。
1期のような感傷的なエピソードは期待しない方がいい。

それも反政府組織に身をおくピノッキオと対峙するトリエラが主軸に描かれている。
内容は短編シナリオように明確でシンプルな創りになっている。ピノッキオがフランカ・フランコと関わり人間性を取り戻す反面、殺し屋として育てられた想いとは裏腹にある感情は、トリエラと同じく主人に対する愛情でしかなかった。

その辺りをトリエラと対比させ現実の淀み嘆かわしい悪意を見せ付けると同時に互いの主人を守る想いに偽りはなく己の正義を貫く。 正義という定義は難しく、この作品において立場的な関係はあるが、社会情勢から観ず個で考えると敵がいない現実的な視点を見せているように感じた。
フランカの生い立ちを振り返ると悲劇的であるが彼女も被害者であることは変わらない。
この手の作風は答えを提示できない展開として読めてしまう物足りなさを残す余韻と相まってテーマを描く過程が見所として意味を成すのだろう。

どの立ち位置から観ても都合の悪い者は悪でしかない、どちらも救いが無い現れで勧善懲悪とはいかない。
最終話のトリエラの言葉が印象深く{netabare} 「なぜだろうね、あんまり嬉しくない」 {/netabare}トリエラ自身も理解しているが省みることは無いのだろう。
それが義体としての人生であり担当官との絆になるのだから・・・。

それだけに全員死亡フラグしかないキャラ立ちになっている作品だと感じた。

この後味の悪さが作者の狙いなのかは原作未読の為わからないが原作の終わりが気になった。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 31

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

イル・テアトリーノ=廻る舞台 原作遵守の群像劇としての再スタート そして注目してもらいたい「第8話」

ご存知の方も多いように制作スタジオ、スタッフ、キャストの総入れ替えや原作者の脚本参加といったことで1期(以下無印)とは別物に成り果てたIL TEATRINO(以下イルテア)



それは色彩設計や撮影効果が明る過ぎだったり、銃器監修がいるはずなのに戦闘シーンが大雑把だったり、わざわざイタリアロケに行った割には背景がショボかったりとかで、単純に「クオリティが低かった」の一言で終わってしまうかもれません

しかしむしろ無印との比較で、無印とイルテアでは画面的な「リッチさ」はもちろんのこと、如何にして無印が上手く演出されていたのかと気付かされる点も多いです



問題はここからで、このイルテアがガンスリという作品の「別の二つの側面」を妙な形で照らしてしまったということにオイラは見ます



まず一つ目が「群像劇」という面について

無印では大胆に時系列をずらし込んで導入話を作ったり、バラバラな視点のエピソード達を最終的に全てがヘンリエッタの視点(或いは最終話のアンジェリカの視点)に繋がるように原作をかなり改編して構成していました

これがイルテアでは原作者協力の基、原作を遵守する形の構成がなされたのです

ここで重要なのはイルテアには義体少女でも担当官でもない主役格が現れるというところ

それが第2話から登場し、生身で義体と張り合う青年用心棒「ピノッキオ」

彼は完全に敵側の人間であり、彼の視点から見ると義体少女側は仲間の命を奪う非情な存在として描かれるのです

主役側と敵側の視点がほぼ隔週話の間隔で切り替えられながら描かれた今作は、単純に悲劇を背負った義体少女への情の念だけで視聴することを良しとせず、良くも悪くも無印に見られた「お涙頂戴モノ路線」から脱却します
そして血で血を洗うような物語の本質にある残酷さをより際立せて、ガンスリの世界観全体にそこはかとなく漂う「潜在的な不快感」を駆り立てました

結果としてこの物語の真の主役が果たしてピノッキオだったのか、ピノッキオと対峙したトリエラだったのか、或いは(あえて無印からの続編と考えるのであれば)ヘンリエッタだったのか

「誰にも肩入れしない勝者無き物語」はなにひとつまとまらないうちに終わりを迎えてしまいます
この点は端的に構成力不足を感じ、如何なものかと思いました



もう一つの面が少女の殺し屋というキャラクターに対する「シニカルホラー」的な面

画面が明る過ぎるという指摘が見られるように、この作品の重いテーマとはあまりにギャップがありすぎる色彩や撮影効果

さらには新人声優の多数起用で、あまりにフレッシュすぎる義体少女役の演技など

少女達の幼さを強調するあまり、いざ彼女達が「人殺し」を始める様は、それはあまりに冷酷で目を背けたくなります

これに関して特に印象的なのが、リコが拷問のために命乞いをする大の大人をタコ殴りにして返り血を浴びるシーンやトリエラとピノッキオの最終決戦など

義体少女が命令のためなら冷酷な殺人マシンと化す様は、さながら悪趣味なバイオレンス映画にも近い

思えば無印では、悲しげな目で相手に銃口を向けたショットで終われば=殺害
とか
義体少女達が過去に遭った、レイプや暴行などの陰惨な境遇をあえて描写したりはせず、少し遠まわし気味の会話の中で説明するとかしたものです
これらショッキングな表現や直接的な言葉を用いずとも、それとなく魅せる演出が無印には光っていました



以上の2点はガンスリという作品を語る上で忘れてはいけない「刺激」的な要素であり、この点に強く惹かれた視聴者(読者)も多いことであろうと推察します

そして同時にイルテアが強く照らし過ぎてしまった、「ガンスリという“麻薬”が持っている毒素みたいなモノ」でもある、と解釈していただければ幸いです



さて長くなってしまったがオイラがここまでイルテアにムキになる理由が一つあって、
ずばり言って「第8話がネ申回」というところにあるのです

第8話のサブタイは「クラエスの一日」

ご存知の通り、義体少女の一人クラエスは施設の外には一切出ない一見すると不自由な暮らしをしています
が、彼女は施設の中で本を読んだり、家庭菜園を嗜んだり、映画を見たりする生活を送っています

そんな彼女の「限られた世界での無限の自由」というものを淡々と描くのがこの第8話なのです

ある日、いつもと同じ毎日を過ごしていたクラエスが、めったに足を踏み入れない射撃訓練場に入るとそこには、担当官ジョゼに指導されながら射撃訓練をするヘンリエッタの姿がありました
そこで薄っすらと浮かんでくる、彼女が無くしたはずの記憶・・・

無印でのクラエスのエピソード(無印:第5話)の直接的な続編とも言える珠玉のエピソードであります

この回では当然のこと戦闘シーンなどは無く、丸一日かけてクラエスの私生活を追うだけの、言うなれば暗い雰囲気の日常系アニメのよう

しかしながら無印に限りなく近い印象の何かをオイラは受けました

クラエスを担当する声優は水野理紗
そして彼女の担当官ラバロ役は堀内賢雄
おわかりいただけますでしょうか?
彼女達はほとんど皆無と言っていい「無印を経験している役者」なのです

多くのキャラクターが、無印とは別の印象を受けるのに対し、クラエスとラバロだけは地に足の着いた落ち着きを感じるのはそんなところにもあるのかもしれませんね

投稿 : 2024/11/09
♥ : 30

73.3 9 兄妹で続編なアニメランキング9位
魔法科高校の劣等生 追憶編(TVアニメ動画)

2022年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (234)
1038人が棚に入れました
魔法が技術として確立され、約一世紀が過ぎた二〇九五年四月。 魔法師を育成する国立魔法大学付属第一高校、通称“魔法科高校”に二人の兄妹が入学した。 一人は魔法師として致命的な欠陥を抱える劣等生の兄・達也。 もう一人は完全無欠の魔法師として讃えられる優等生の妹・深雪。 時に恋人同士と間違われるほど仲睦まじい二人だが、ほんの数年前までは、まるで女主人と使用人のように冷え切った関係だった。 その関係が変わった背景には、ある出来事があった。 三年前の沖縄。 深雪にとって忘れられない出来事によって、二人の心と、その運命が大きく変わっていく。 シリーズ累計2200万部を突破したスクールマギクスの始まりの物語 《追憶編》が幕を開ける。
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

さすがですお爺さま

原作未読


きしょいきしょいとボヤキながらなんだかんだ継続視聴している本シリーズ。
主戦場“魔法科高校”から遡って、お兄様(達也)と妹(深雪)の中学時代を描いた『追憶編』全3話となります。正味1時間半。

劇場版とほぼ同尺で繰り広げられるは近すぎる兄妹関係の前段階。シングルイシューなためたいへんわかりやすいです。
生まれたそばから相思相愛というわけではなかったとの冒頭から、いかにして二人は親密となったのかに着目し、それをどう料理するかだけを楽しめば良い親切設計。本作の持ち味“小難しい各種設定”をいったん横に置けちゃいます。
できることなら視聴にあたって本編1期くらいは押さえて臨むことをお勧めします。主役二人のきしょい関係性をおさえてるからこその感動や衝撃が待ってることでしょう。たぶんね。

では本題。

■良いところ
1.相応の説得力
 極端な関係に至る過程については生半可な理由を提示されても納得はできないものでしょう。濃い味に薄味で抵抗してもかき消されるためです。ここは及第点。
{netabare}母親など縦関係も絡ませて出自とその後の人為的操作で達也が出来上がったというのは良かった。{/netabare}

2.シングルイシュー 
 既出。視点があっちこっちいかないので直球メッセージを受け取れます。

■イマイチなところ
1.これだけに限ったことではありませんが…
 シリーズ通して描かれている軍事描写があいかわらずしょぼい。リアリズムの対極にあるドリーマー発想なんですもの。扱いが刺身のつま程度とはいえこんだけ毎回挿入するんだったら少しは改善してほしいところです。
{netabare}交戦中に差別されてるされてないで茶番しながら説得を試みるために丸腰になるとかちょっと何やってるかわからないです。クーデターかなんかでしょうが作戦目的も不明瞭ならオペレーションも杜撰です。{/netabare}
{netabare}指揮系統が明確な組織の指揮官が遊軍である達也を戦列に組み込むゴーサイン出すのもないかなぁ。あっても戦力劣位にあるゲリラの戦い方であって正規軍じゃないもん。たしか魔法士の質量ともに日本優位な世界だったと思うのでなおさらです。{/netabare}

兄妹無双を見せるための引き立て役に過ぎない設定だとはいえ、底上げできないまま毎度毎度お粗末なのは勿体ないですね。登場機会の多い軍人さんでしょっぱいのよりも主役を食うくらいの傑物が出てきたら、達也の凄さに説得力も出るでしょうに。それだと別の物語になっちゃうのかしら。
{netabare}模擬格闘で完敗する軍人さんと涼しい顔したお兄様。ひょろっちい中学生相手にこれはちょっと(笑){/netabare}


総じて設定マニア(と勝手に私が印象をいただいている)原作者の本領発揮とでも言いましょうか。
こだわりの見える良品だと思います。



※雑感

■その作者について

原作者佐島氏は会社勤めしながら50代で本作を発表したとか。還暦前後人生のベテランです。
あくまで推定での放言なんですけど1960年前後生まれ“ガイナックス”の創業メンバーと同じくらいの世代感です。アニメ視聴層の平均年齢を上げてしまった罪深き人たち。もちろん突発的に『AKIRA』のような作品はありました。大ベテラン高畑氏冨野氏の設定マニアぶりは有名でも表向きは子供向け作品の体をなしてます。あくまで中高生以上の視聴者がアニメを視聴する潮流が出来たのは『エヴァ』以降なんだと思います。
要は切り拓いた世代なんですよね。パイオニアはすなわち脚光浴びるまではイロモノ扱いされながらこだわりを捨てなかったとも言えましょう。影もあります。遡ることちょうど60年前(1962)生まれの宮崎勤・宅八郎両名は侮蔑対象としてのヲタクの象徴でした。

共通するのは“対象への執着(こだわり)”と“外野の声を気にしない”といったところでしょうか。
こだわりが前面に出過ぎて良い意味でも悪い意味でもバランスが全く取れてないのです。
魔法発動の法則含め設定へのこだわりが半端ないことは素人の私でも分かります。正直難解ですよねこれ。一方ザルな軍事描写なんて「あーこの人興味ないんだな」が丸わかりだったり。古き良きヲタク臭を発散しまくりと言い換えてもOK。

SNS時代のクリエイターは否が応でもリアルタイムで評価されるためどうしてもバランサーになりがち。そんなところに殴り込みをかけた特化型のおじいさま。
そんな世代感が反映されている作品とも言えますので今後しばらく追ってみようと思います。



視聴時期:2022年1月 地上波

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2022.03.23 初稿

投稿 : 2024/11/09
♥ : 30

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

私が生まれた日

魔法科高校の劣等生は色々複雑で、特に十師族関係の設定や話はとにかくわかりづらくて敷居が高いんですけど、シリーズの一番面白い部分でもあるんですよね。
追憶編の見どころは謎の多い四葉家の重大な秘密の一つに大きくかかわるエピソードなので、シリーズを追いたい人は必ず見ておきたいですね。

本編ではさすがですお兄様無双な深雪さんですが、今回の追憶編は
なぜ深雪がお兄様大好きっ娘になったのか、どうして達也がああなったのかを描く過去の話です。
達也の秘密もちょっとわかるし二人の絆の根源の物語なのでシリーズファンなら楽しめると思います

さすがですお兄様状態じゃない深雪がとても新鮮で面白い。
深雪の視点で話が進むので深雪の登場シーンが多いのですが、中学の時の深雪がとても可愛くていいですね。お兄様も本編より外見は幼い感じ。

シナリオは本編よりだいぶシンプルでわかりやすく、視聴しやすい話です。
それに視聴することで本編でわかりづらかったこともちょっとだけわかります。
お兄様は相変わらずのさすがです状態なので、お兄様の無双が見たい人も必見。

このエピソードから高校入学までのエピソードも知りたくなりますね。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 27

ひろたん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

私はいったい何を見せられているのだろうか・・・

この兄妹がこうなってしまったのは、いったいなぜなんだろう?
そんな興味のみで観てしまった本作です。

緊迫的な状況で緊迫感や切迫感がないのは相変わらずですね。
脚本や演出の問題なのか、予算の都合上細部を削っているからなのか・・・。
作品、作風が自分に何かを訴えかけてくるような感じがしないんですよね。
たぶん相性の問題かもしれませんが、この淡々とした感じは、私は少し苦手です。


兄「達也」がなぜあのような性格になってしまったのか?
妹「深雪」がなぜあのような性格になってしまったのか?
結局のところ、この作品は、後にも先にも兄と妹に対するこの疑問につきます。
その答えが分かっただけでも、大収穫でした。
なぜなら、いままで話よりもこの二人の関係の方が気になっていましたから。

では、なぜ妹はこんなにも兄ラブになってしまったのでしょう。

兄に「みゆき」と名前で呼ばれて、ドキッとする妹。
兄に「俺がついているから大丈夫」と言われて、ついにスイッチが入る妹。
そして、妹の結論、「私のすべてはお兄様のもの」。

えっ、マジか。こんなことで!?
私はいったい何を見せられているのだろうか・・・。

途中までは、確かにそう思っていました。
でも、実は、もっと深い理由があったというのがミソでもあり良かった点です。

このシリーズを好きな人ごめんなさい。
実は、私は、このシリーズは、ネタとして観ているふしがあります。
でも、そうやって力を抜いて観てみると、意外と楽しめる作品だなと思うのです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 24

62.7 10 兄妹で続編なアニメランキング10位
Lostorage incited WIXOSS(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (232)
979人が棚に入れました
池袋――幼少期にこの街で過ごした高校2年生の穂村すず子が戻ってきた。
「ずっと友達だよ!」幼いころに仲良しだった森川千夏と誓った大切な記憶。その千夏とまた会えるかもしれない…それだけですず子の胸は高鳴る。
 転入した高校にもすぐには溶け込めず、早々に浮いた存在となっていたある日、「WIXOSS」を覚えれば友達ができるかも……そう思って学校帰りに立ち寄ったカードショップでデッキセットを購入する。
 家に帰りカードデッキを開封すると、カードの中に描かれた少女が動きだし、口を開く。

 「ようこそ、セレクター」

 selectorとして選ばれた人間は、自分の記憶のすべてが詰まった5枚のコインを賭けたバトルに参加しなければならない。コインをすべて取り戻し勝利すればこのゲームから脱出できる。逆にすべてコインを全て失い、敗北すると、そのペナルティーとして──。

 「Lostorage」―――この不条理なゲームに巻き込まれる事となったすず子の運命は!?そして、すず子と時を同じくして、千夏の手にも……

声優・キャラクター
橋本ちなみ、井口裕香、伊藤静、金元寿子、井澤詩織、久保ユリカ、興津和幸、菅原慎介、山岡ゆり、洲崎綾、後藤沙緒里、間島淳司、日岡なつみ、西明日香、生天目仁美、中村悠一

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

まあまあ面白いけど、ゲームの販促アニメとしてはダメな気も…(笑)。

カードゲームWIXOSS(ウィクロス)を使って作中でバトルするけどストーリー的にはカードゲームとは独立という、スタイルとしては『遊戯王』シリーズみたいな感じのアニメ作品です。

同じような立場の作品としては『selector infected WIXOSS』や『selector spread WIXOSS』がありますが、設定やストーリとしては「selector」シリーズとは別物ですね。登場人物にも継続性がありません。

何が「販促アニメとしてダメ」かというと、この作品を観ていても「WIXOSS」というゲームそのものにはまったく詳しくならない(カードの種類やルールなど)という点です。

またバトルの決着自体もほぼ各ルリグ固有のコイン技でついてしまうことが多く、カードバトル描写がカードゲームの販促アニメとしては致命的にダメです(笑)。

それは横に置くと、ストーリー自体は「忘れたくない記憶」や「なかったことにしたい記憶」などがテーマになっていて、それほど悪くはなかったとは思いますが…。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 26
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

戦闘狂 versus 友情パワー

作画と演出が割りと好みだったので最後まで何とか見れましたが、このシナリオでは評価点数どうしても低目になってしまいました。

lost + storage → lostorage (造語) 「保管庫を失う(こと)」
incite (他動詞) ~を…に駆り立てる、刺激する

→なので、Lostrage incited WIXOSS で「WIXOSSに駆り立てられる記憶喪失」くらいの意味か?
でも、変な英語(byが欠落?)。

因みに2014年に制作・放送された 「selector infected WIXOSS」及び「selector spread WIXOSS」は、やはり事前に見ておいた方が良いと思います(前作の話がほんの少しだけ出てくるので)。
それ以上は、とくに・・・。


◆制作情報

{netabare}原作        LRIG
監督        桜美かつし
シリーズ構成    土屋理敬
キャラクターデザイン(原案)さらちよみ 
キャラクターデザイン  佐藤嵩光 
音楽          井内舞子
アニメーション制作  J.C.STAFF {/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回


============ Lostorage incited WIXOSS (2016年10-12月) =========
{netabare}
第1話 記憶/裏と表 ★ すず子回(池袋帰郷・高校転入、WIXOSS、最初の対戦)
第2話 少女/理想と現実 ★ 千夏回(家庭事情、WIXOSSの報酬(記憶書換?)、初勝利)
第3話 セレクター/蜜と毒 ★ すず子vs.墨田(シスコン男)、敗北セレクターの運命
第4話 再会/光明と混沌 ★ 情報交換、ブックメーカー里見紅、千夏との再会
第5話 友達/絆と鎖 ☆ 続き、すず子vs.はんな
第6話 バトル/過去と現在 ★ 千夏の新しいバイト、千夏vs.すず子、中断(無効)
第7話 進化/純白と漆黒 ☆ 翔平vs.千夏
第8話 闇/渇望と喪失 ★ すず子の特質、はんなvs.清衣、墨田vs.里見
第9話 真実/終わりと始まり ★★ 千夏vs.清衣、夢限少女、自殺、絶望 ※前作のキャラ(繭、タマ)が初めて登場、前作みてないと話が分からないのは×
第10話 捕食/悲劇と喜劇 × ※前回の途中から真面目にシナリオを追う気持ちが失せる
第11話 二人/すず子と千夏 ☆
第12話 夜明け ☆{/netabare} 
-------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)1、★(良回)6、☆(並回)4、×(疑問回)1 ※個人評価 ☆ 3.5

OP 「Lostorage」
ED 「undeletable」


◆視聴メモ

{netabare}・第1話、今回は主人公が女子高生で、セレクターには男性もいるんだね(※前作は主人公が女子中学生で、セレクターは確か女性だけだった)。
・第2話の時点で、既に街にセレクターがウジャウジャいる様子(※犬もあるけばセレクターに当たる状態)ですが、この世界って大丈夫なのでしょうか?
・第3話、消えるというのは、君の記憶が失われる、ということではなく、人格そのものが失われる、ということ。{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 20

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「selector spread WIXOSS」から2年…今度の代償は無形の宝物…

この作品はオリジナルアニメのようです。「selector spread WIXOSS」の放送から2年…満を持しての登場という形となったこの作品…個人的私見ですが、制作に踏み切るのは勇気のいる選択だったと思います。

なぜなら「selectorシリーズ」は緻密な構成に基づく溢れ出る程の痛みを抱えた作品でしたから…
繭…そして白と黒のルリグ…翻弄されるセレクター達…バトルによる明確な勝敗の線引きと敗者に対する容赦の無い仕打ち…
願いは人に対して均等に与えられた権利…その権利を餌に勝っても負けても出口の無い迷路を彷徨い続けるセレクター達…
本気で救いの無い物語だと思っていました。

だからこそこの作品には後発故の難しさがあったと思います。
前作が素晴らしかったから尚更です。
でも個人的には踏み切って貰えた事が嬉しくて仕方ありませんでした。
この作品が放つオーラ…個人的には大好物なので…

この作品の主人公は高校2年生の穂村すず子…彼女は父親の仕事の都合で転校を繰り返してきましたが、8年ぶりにもと住んでいた池袋に戻って来ることができました。
すず子はこの街に戻ってくるのが嬉しかったんだと思います。
なぜならここは幼いころの親友が住む街だったから…
だから転校を繰り返してもその親友の事だけはずっと忘れなかった…

ずっと親友だと思っていた…
出した手紙が宛先不通で帰ってきたとしても、何らかの事情があるだけでお互い顔をみたら直ぐに昔に戻れると思っていた…

だから学校の友達と仲良くなれなくても、たった一人の親友さえ傍にいてくれたら他に何もいらないと思っていた…
でも8年という歳月は振り返ればあっという間の事かもしれませんが、前を向いて歯を食いしばっている人にとっては気の遠くなるような時間…

そんな最中、すず子は気晴らしに「WIXOSS」の構築済みデッキを購入するのですが、そのカードの中に「はじまりのルリグ」が入っていてセレクターにされてしまうんです。
こうして再びセレクターバトルの幕が上がり、物語が動いていきます。

私は「WIXOSS」の細かいルールは分かりませんが、分かっているのはバトルの代償が5枚のコインに置き換わっていること…5枚のコインを全て失う、若しくは5枚全てを集めればセレクターバトルが終わるという事…
私は迂闊にもこのルールを甘く見ていました。
なぜなら「selectorシリーズ」は願いの大きさによって勝つ回数に違いがあれど3回負けたらお終いだったので、こちらの方が条件が厳しいと思ったからです。

でも蓋を開けたら全然違っていました…
代償が5枚のコインに置き換わる…という事は1枚1枚のコイン全てが意味を持っているんです。
だからコインを1枚失えば自動的に1枚分の代償が支払われる…という事なんです。
これがセレクターの精神をどれだけ傷付けるか…少し考えれば分かる事です。
だって、ある瞬間を境にポッカリと穴が開いてしまう訳ですから…

こうして自分の開いた穴に気付きながら、その穴を塞ぎたいと思ってもその保証はどこにもなく、むしろその穴が更に拡大する事を恐れてしまう…
今回のセレクターバトルは自らの意志で死地に赴く…そんな類のバトルだと思いました。
自分自身を構成するモノですからそう思うのも仕方ないと思います。
中途半端に穴が開いた状態…もしそれが自分の身に起こったら本気で怖いと思います。

すず子の大切な親友である森川千夏…ちーちゃんとはセレクターバトルの最中に出会う事となります。
再開を素直に喜ぶすず子…ちーちゃんも一緒だと思っていた…
ですが、ちーちゃんの言動はすず子の予想とは真逆のモノだったんです。
空白の8年…この間にちーちゃんにも色々あったようです。

すず子は大好きだった昔のちーちゃんを取り戻すことができるのか…
そして今回のセレクターバトルの抱える痛みは…
気になる方は是非本編でご確認下さい。
一つ確かなのは、今回のバトルも決して甘くない…という事です。

オープニングテーマは、井口裕香さんの「Lostorage」
エンディングテーマは、Cyuaさんの「undeletable」
井口さんのオープニングが断然恰好良くてお気に入りです。

1クール12話の物語でした。最終話で続編の制作が発表されたのも嬉しい限りですが、この物語の本質はむしろここからだと思います。
これまではこのバトルを知るための前哨戦…きっとこの物語の闇はもっと深く…もっと暗い…
そんな深淵で何が見られるのか…今から楽しみです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 20

69.4 11 兄妹で続編なアニメランキング11位
美少女戦士セーラームーンR[アール](TVアニメ動画)

1993年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (111)
795人が棚に入れました
あたし月野うさぎは14歳、中二!ちょっとおっちょこちょいで泣き虫なところもありますが、実は正義の味方セーラームーンをやってるんです。ホント!クインベリルっていう怖~い敵を倒し、やっと普通の女の子に戻れたっていうのに・・・。ある日、衛さんとのデートの最中に、なんと空から「天災少女」が降ってきたの!あたしと同じ髪型をしたその子の名前も「うさぎ」!頭がどパニックのあたしに「銀水晶をよこせ!」ってピストルを突きつける始末。おまけに家族に暗示をかけ、あたしの従姉妹になりすましちゃうなんて!でも、どうやらこの子、新しい敵に命を狙われているみたいなの。このちびうさ(ってあたし呼ぶんだけど)は一体どこから来たの?どうして銀水晶のことを知っているの?そして敵はどうして東京を襲って来るの!?謎だらけで頭のラッパがプーのあたし。普通の女の子でいたかったけど、まだまだ正義の美少女戦士!としてガンバラなくちゃならないようです。タキシード仮面様、一緒に戦いましょうネ!

キリン  さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

月にかわって母がおしおき

高校2年の時にこっそりビデオに録って
ヘッドホン使用で楽しんでいたアニメ。

新聞のテレビ欄に
『美少女戦士セーラームーン(終)』
と書かれていて、
これからどうやって生きていけばいいんだ・・・
と思って最終回を観ていたら、
『新番組 美少女戦士セーラームーンR』
の予告が出ました。

如何せんこっそり観ているもので、
この喜びを表現するのに至難しましたが、
自室で無音のエア昇龍拳を連発していた記憶があります。
しんどくて
「ハァーハァーハァー」
と言う息遣いだけが部屋の沈黙を破るBGMでした。

自分の息子がこんなんだったら、
将来が心配でなりませんが、
この頃の私は嬉しさのあまりエスカレートして、
自分の部屋の押入れに隠し部屋を作り
今まで隠していた
セーラームーングッズを飾って、単行本やCDを並べて
その秘密の部屋を『ムーンルーム』と名付け
本来の部屋ほったらかしで押入れの中に籠るという
斬新な遊びを考え付きました。

『ムーンルーム』立上げから2日目
「あんたロリコンじゃねんか」
友人の家から帰ってきた私に
母から突然その言葉が浴びせられ
「不覚っ!!」
早くもバレたことを悟りました。
中学生の頃の私なら
「勝手に部屋入いんなって言おうろうがっっ!!!」
と、とりあえずキレてみることしか
出来なかったと思いますが、
高校生の私は、物が物だけにキレるのもみっともない
という冷静な判断スキルが備わっていました。
しかし、このまま言われっぱなしも恥ずかしかった私は
何も言わず
「はぁ?別にあんなの
誰でもやってる普通のことですけど?
今、秘密の部屋を作るのが
高校生の中で流行ってる(大ウソ)の
ご存知ない?もっと世間を勉強したら?」
という意味合いを含めた表情をするのが精一杯でした。

惨敗


こんな感じで健全な男子を狂わすアニメです。
新たに謎の少女『ちびうさ』も加わって
物語は新たなステージへ
(レビューの部分、短けぇ~)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 18

ひげ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

シリーズ最盛期

2期がはじまるときにはもう人気がパなかった。言い方は悪いが『まどか』?は?なにそれ ですよ。時代が違うんで。 
なんといってもあの音楽バブルの時代にキャラソンCDがランクインいましたよね。。たしか・・
結局になにがいいたいかって『乙女のポリシー』が一番の名曲だとおもうんだ。異論はあるかもしれんが。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 6

ろむ_旭菜。 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

大好きでした!!!!

wwww題名乙。
小さいころに見て、すごくハマり・・・・
口癖は決め台詞。
『月に替わっておしおきよ!!』
あぁ厨二病・・・

幼稚園から厨二病とは・・・セーラームーンのせいだ!!!wwwww
まぁいい話です。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 6

59.4 12 兄妹で続編なアニメランキング12位
シスター・プリンセス~リピュア~(TVアニメ動画)

2002年秋アニメ
★★★★☆ 3.3 (58)
342人が棚に入れました
本作は、「ストーリーズパート」(Aパート)と「キャラクターズパート」(Bパート)と呼ばれる全く別傾向の2作品をそれぞれ15分ごとに分けて放送する、二部構成のアニメ放送枠として制作されている。
ストーリーズは、翼多(つばた)市と呼ばれる海に面したトラムの走る街で、家庭の事情により兄と離れて暮らす12人の妹達の日常のエピソードを、街の広場にある古びた時計台の謎を織り交ぜながら描いている。
キャラクターズは、原作単行本『キャラクターコレクション』各巻に収録されているエピソードから1話を拠り抜き、独自のアレンジを加えて映像作品にしたものである。

とってなむ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

かなりの低予算だったのだろうか

「シスタープリンセス」の2期にあたる作品です。
しかし時系列的な繋がりはなく、
キャラは同じでも別物と捉えてしまって良いかと思われます。



感想です。
あちゃ・・。
妹たちの可愛さは1期から引き継げてると思いますが
1つの作品としては、これは酷いと感じました。



まずシナリオ構成。
1話のなかで15分ずつ、ストーリーズパートとキャラクターズパートに分けて作られているのですが、もう何がしたいのか分かりません。
兄と妹一人一人の日常ではあるのですが、作りが雑でして。
1期はこの日常がけっこう面白かったんです。
が、今回ははっきり言って退屈です。
話のオチはたまにしかないですし。
可愛らしい妹たちでカバーするのがやっと・・。



次に主人公(兄)の改変。
これは私にとって大きな痛手。
別に前作の主人公が好きだったわけではありません。
ですが、続投して頂きたかったと今になって心から思います。
今回のは妙に落ち着いてて違和感だらけでした。
(でも原作の兄に一番近いらしい)



良かった点は、また妹たちを眺められたこと。
兄との関係性は多少なりとも変化してるとはいえ、
彼女たち自身は私の好きな子のままでいてくれました。
何だかんだでやっぱりこれが大切です。
展開に飽きながらもわりと楽しく観れたのは、
妹の貢献なくしてあり得ません。


何となく花穂のお話が多かったように思えます。
気のせいかな?
どちらにせよ花穂はお気に入りなので、満足です。


・ストーリーズパート
OP「まぼろし」 歌ーcan/goo
ED「君と生きていく」 歌ーcan/goo

・キャラクターズパート
OP「A Girl in Love」 歌ー※各話登場キャラで異なる
ED「※各話で異なる」(12曲もあるため省略)歌ー※全て岡崎律子


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『シスプリ』という作品そのものは好きなんです。多分。
それだけに、もう少し力を入れて製作して欲しかったとはどうしても思ってしまいます。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 24

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

やさしすぎる兄と可愛い妹たちの物語

1期を知らずにこの2期全13話のみを視聴したせいか、
比較対象がない分、素直なままにこの物語を観ていた。

まず、12人の妹それぞれが、兄に対しての呼び方を変えてることに驚き。

にぃや、おにいちゃん、アニキ、あにぃ、兄さま、お兄ちゃま、兄くん、
兄ちゃま、お兄たま、兄上さま、あにいさま、兄君さま・・・
よくぞこれだけ呼び名があったものだと感心してしまったw

1人の兄(一軒家に1人住まい)と、
12人の妹もそれぞれ一軒家があったり療養所にいたりと、
両親も親戚も登場しないまま兄と妹たちだけの世界が
繰り広げられていることには、多少ツッコみたくもなったが、
もともとリアリティのない設定なのだから、あえてそこは特に
問題視しなくていいような気もする。

むしろそういった設定の中にありながら、ひとりひとりの
妹が想う兄への気持ちにはとてもリアルな部分があり、
深く共感できるエピソードもいくつかあった。

ただ・・・ストーリーそれぞれ単体で観る分には特に問題ないが
1話から最後まで観ていった場合、ストーリーパートとキャラクターパートの
2部構成というのが、とても観づらく感じてしまった。
せめて、ストーリー編とキャラクター編が1話の中で同一の人物なら
良かったのだが、別の妹を持ってくると少々雑な構成に感じてしまい、
もったいないなと。

12人それぞれ個性豊かな妹たちの中、
大人っぽさと妹らしい可愛さを併せ持った咲耶と、
謎めいて落ち着いた魅力のある千影、
ドイツ育ちなのに日本的な古風さがあり、つつましくもおきゃんな雰囲気の
春歌・・の3人が、個人的にはとても可愛く感じた。

エピソードで一番気に入っているのは、春歌編の七夕の夜の縁日デート。
雨になってしまってうなだれている妹に、傘を差し出すところから最後までの
シーンのすべてが目に焼きついてしまっている。
特に、雨上がりの星空を映した水たまりを天の川に見立てて
あえてそこをまたがせる・・・というシーンが繊細でロマンティック。
セリフで説明することもなく、ともすると見落としそうなほど
あっという間のシーンなんだけれど、あぁ2人は地上の彦星と織姫だなと
ちゃんと川を渡って出逢えたとホッとしながら、感動してしまう部分だった。


それと、地味ながらも穏やかで深い兄妹愛を感じさせた鞠絵編も印象深い。
あと、発明家の孫であり自身もロボットなど作っている鈴凛編も、
爽やかでありつつ、じわっとくるラストシーンがなかなか良かった。

というわけで、印象に残った物語はほとんど「キャラクター編」のほうで
しかもこちらは、今は亡き岡崎律子の歌うEDが、
ぞれぞれのキャラの物語にあわせた歌になっており、
そのすべてに感動できたのもポイント高い。

ちなみに、キャラクター編での兄の描き方は顔を描かないモブキャラ
なのだが、個人的にはそのほうが兄の表情をイメージすることができて
良かったのではないかと思っている。

12話の咲耶編「ホーリーウェディング」も良かった。
時間の流れ、兄の些細な変化を描きつつ、いつかは兄も妹である自分も
他の誰かと結婚してしまうであろう現実に、身を震わせながら
変わらぬ想いを胸に秘め、一歩前へと彼女を成長させた展開に
単なる兄妹ハーレムものでは終わらない点を感じ、とても好感が持てた。

そして咲耶編の最後の、木の枝にあった新芽2枚の意味・・
最初観た時は、生まれ変わっても1つの枝に一緒に生えてこれた2人を
意味しているように感じたのだけれど、今回二度目に、観た時は
ひとつの枝に生えながらもやはり距離はあり、触れ合い重なることはできない
そして葉同士では実を結ぶこともできない・・あくまでもどこまでも
兄は兄、妹は妹でしかないのだ・・という揶揄にも感じてしまった。

同じ人が観ても、そのときの心境や状況で、
それぞれ違う受け取り方になるであろう意味深なカットなので
この作品はまたいつか、時間を経てもう一度観てみたいと思う。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 23

ヒロ(4代目) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

12人の妹と 兄のお話 その2

前作同様 内容はあって ないようなもの。
12人の 妹との 日常を描いたお話。

OP「まぼろし」 は 割と好きな曲でした。

カラオケBOXで 歌ってる時に シスプリの
映像が 出た瞬間 うわぁ・・・。
          思ったのは自分だけじゃないはず。

前作OP の Love Destiny に引き続き曲は印象に
残るアニメだと思います。

前作よりは 作画は安定していたので 
そこの部分は評価上げてます。

ですが・・・・
内容に関しては 素人にはお勧めできない一品です。(笑)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 5
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