兄妹でラブコメなアニメ映画ランキング 2

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の兄妹でラブコメな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月26日の時点で一番の兄妹でラブコメなアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

88.1 1 兄妹でラブコメなアニメランキング1位
青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない(アニメ映画)

2019年6月15日
★★★★★ 4.1 (568)
2961人が棚に入れました
空と海が輝く街“藤沢"に暮らす梓川咲太は高校二年生。先輩で恋人の桜島麻衣と過ごす心躍る日常は、初恋の相手、牧ノ原翔子の出現により一変する。何故か翔子は「中学生」と「大人」がふたり存在しているのだ。やむなく翔子と一緒に住むことになった咲太は「大人翔子」に翻弄され、麻衣との関係がぎくしゃくしてしまう。そんな中、「中学生翔子」が重い病気を患っていることが判明し、咲太の傷跡が疼き始める――。

声優・キャラクター
石川界人、瀬戸麻沙美、水瀬いのり、東山奈央、種﨑敦美、内田真礼、久保ユリカ

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

この映画無くして『青ブタ』は語れない_眠れない_トロイメライ_今作に携わった全ての人達に「ありがとう」「がんばったね」「大好き」を伝えたくて(おまけ追記)

まだ記憶にも新しい2018年秋期に全13話のテレビシリーズが放送された『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』(以下、『青ブタ』)
テレビシリーズの中では紐解かれなかった主人公、梓川咲太の胸の傷の謎と咲太の初恋の相手、牧之原翔子の秘密を軸に描かれるシリーズの完結篇となる89分の劇場作品
「思春期症候群」と呼ばれる不可思議現象を発端に描かれるSF青春ドラマです
基本的にテレビシリーズ全話で張られていた全伏線の全回収でありつつ、尺の都合であらすじ等も全てカットした上で矢継ぎ早に展開が進んでいくのでテレビシリーズを最初から最後まで把握していないとさっぱり着いていけないと思います


3年前、小学4年生の牧之原翔子ちゃんは将来のスケジュールという学校の課題を書けずに思い悩んでいた…
実は翔子ちゃんは心臓移植を受けないと治らない病に侵されており、中学の卒業を待たずしてこの世を去る運命にあるのだという
3年後の12月8日、花楓の人格と記憶が元に戻る騒動が落ち着いた梓川家に来訪者が現れる
それは梓川咲太の初恋の人であり、咲太に心の支えが必要なここぞという時に現れる大人の姿をした牧之原翔子さんだった
無理矢理に梓川家に居候する翔子さんと、それを良しとしない現・彼女の桜島麻衣さんの間で火花が散る
そんな修羅場も落ち着かないまま、咲太は病院で中学生の姿の牧之原翔子ちゃんと出くわす
翔子ちゃんから幼い頃から入退院を繰り返している事や心臓移植に関する話を打ち明けてもらった咲太は、翔子ちゃんと翔子さんが同時に存在するのは翔子ちゃんの未来への不安が起こした「思春期症候群」の一種だとして解決策を模索する
やがて翔子さんは移植手術を成功させた未来からやってきた事、そしてその心臓は咲太の心臓である事が明かされていく
翔子ちゃんを救う為、咲太は自分の命を捧げるべきなのか困惑する…


テレビシリーズのレビュでも書きましたが、このシリーズは【ゼロ年代ヲタク文学の総決算】です
○○の“パクリ”と見下すことは簡単なのですが、その一言では片付けられない高尚な、ヲタク文学への愛とリスペクト、そしてSFへの昇華が込められてる作品だと思うのです
その上で今作では2010年前後に隆盛を極めた作品の要素も補完する方向にシフトしています
具体的にオイラが思い浮かべたのは『Angel Beats!』『CLANNAD』『STEINS;GATE』『アスラクライン』辺りです


また、主題に“生命の選択”や“人は何の為に生きていくのか”という普遍的な内容を孕んでいる為、今後新たに世に出てくるであろう無数の作品達と今作を比較してみるのも面白いと感じました
つい昨日も『響けユーフォニアム~誓いのフィナーレ~』(「がんばったね」のくだりについて)や『ミュウツーの逆襲』や『トイストーリー4』や『ニノ国』(生命の選択や自己犠牲を美化するか否か)に絡めて『青ブタ』の方が上手く纏められてるのでは?とか、そんな話ばっかをぽ~か~さん達と話してましたw
アニメだと自己犠牲って美談として描かれがちですが、冷静に考えて17歳の少年が自分の命を捧げる、なんて事が良い話なわけがない
クライマックスまで観ていただければお解りの通り、今作は自己犠牲を否定する作品なんです


もちろん本編の全体の出来栄えがとにかく素晴らしい
ざっくり言って“お涙頂戴モノ”ですのでハッキリと苦手な人の方が多い内容だとは思います
でも面白くなかったらオイラだって計11回も劇場に足を運びませんからねw
人生で一番多くリピートした映画になりましたよ
テレビシリーズから順当に考えると今作は“翔子のお当番回”と考えたくなりますが、これまでもヒロイン達を救う為に必死になってきた咲太が、遂には翔子の為に自らの命を捧げなければいけない、とまでに追い詰められます
そしてこの絶体絶命の咲太の助けとなるのがテレビシリーズで咲太に助けられたヒロイン1人1人だというのがアツい
この辺のくだりは涙を誘う展開と熱量を感じる展開が交互に繰り返されて非常に滾るものがあります
そして広い意味で今作をもってしてシリーズ全体の“咲太の物語”に一区切りが着くことに気付くと思います
咲太を演じた石川界人さんは今作を持ってして完結とするのが一番幕引きに相応しいのでは?と、今後続篇があるとは思っていないようです


それにしてもこれほどの内容を89分に纏め上げた横谷さんの脚本力、それをテレビシリーズ終了から僅か5ヶ月弱で実現した増井監督率いるスタッフの手腕、そしてキャストによる渾身の演技、どれも大変素晴らしいです
先日、スタッフトークショーに参加してきましたが89分という尺は予算の都合上の絶対条件だったそうです、本当にお疲れ様でした
逆に濃密に内容が詰まったテンポ感こそ『青ブタ』だと思うのでこの選択は結果的に正解だと思いますb
最近、アニメ映画にタレントキャストは必要なのか?という話題を度々目にしますが、逆に考えればプロ声優の底力を感じる映画こそがこの『青ブタ』なんだとも思いますね
それにテレビシリーズからこんなにも早期に映画化の企画が為されたにも関わらず、キチンとした作品を完成させたことは本当に賞賛されるべきことだと感じます
完成が遅れて延期に次ぐ延期とか、そもそも企画された枠の中に納まらずお蔵入りとか、完成したものが極端に低クオリティ…とかいう作品も蔓延っているのが現代のアニメ業界の現実ですからね


唯一失敗と言える事を強いて挙げるのであれば、テレビシリーズ放送前から映画化が決まってたので作品人気の度合いが計り知れず、ファーストランの上映館が経ったの31館しか稼げなかった事でしょうか
おかげで連日満員、入場特典はおろかパンフすら瞬殺
あんなバズり方をするアニメ映画は至極久々です


ところで『青ブタ』の場合、テレビシリーズから一貫していた内容を短い尺に詰め込むことや、音を減らしてセリフを聴かせる、といった演出類が“映画だから”と奇をてらわずに実行されてるのが褒め称えたい
特にエンドロールでいつも通りのエンディングテーマ『不可思議のカルテ』で締め括るというのが感無量


オイラの一番お気に入りのシーケンスは12月31日の晩、ICUの前で寝てしまう咲太がこれまでの全ての出来事が走馬灯のように振り返えられていくフラッシュバックで時間が巻き戻る様を表現したカットですね
あの場面に合わせて作った、というfox capture planのBGMのピアノリバースがバッチリとハマっているのが気持ち良いです


正直いまは何の映画やアニメを観ても『青ブタ』との対比になってしまうwという我ながらメンドクサイ状態に陥っていますw
それほど今作を心の底から好きになれているのです
とにかくいま言いたいことを要約すると、今作に携わった全ての人達に
「ありがとう」
「がんばったね」
「大好き」
を伝えたい
これに尽きると思います


はなまる頂けましたかな?w


【おまけで追記】
双葉の髪型がポニーテールとナチュラルロングが日によって変わっていることに気付いた方もいると思います
何か法則があるのかと思い、テレビシリーズ含め"双葉の髪型のみ"を注視して鑑賞した結果を報告します
ずばり日付の末尾が奇数か偶数かで交代してることに気付きました!
…なんだそれだけかって?
基本的に日付の末尾が奇数だとナチュラルロング、偶数だとポニーテールになってました
これはテレビシリーズ8話で2人の双葉が融合した後の9月1日以降、両方の双葉がお互いを尊重し合っている、というメタファーなのでは?と受け取ってます
もちろん髪型以外の性格描写には変化は見受けられません
ちなみに映画劇中で咲太が「大人の梅ソーダ」を呑んだ際に一度リセットされ、奇数日がポニーテール、偶数日がナチュラルロングになってます
その後の大晦日から年明けに掛けて再リセットが起こり、ラストシークエンスの1月6日、つまり偶数日にはポニーテールに戻っています
何が言いたいのかって?
どっちも可愛いので両方交互に出て来てお得感凄い!制作スタッフGJ!って話がしたいだけですよw


【備忘録】
新宿バルト9で5回、川崎チネチッタLIVE ZOUNDで1回、川崎チネチッタ5番スクリーンで1回、ユナイテッドシネマアクアシティお台場で2回、EJアニメシアター新宿で2回、下北沢トリウッドで1回、立川シネマシティ シネマツーcスタ極上音響上映で1回
合計13回劇場で観て名実共に最も映画館でリピートしてる映画です
スタッフトークショーの増井監督、キャラデの田村さん、木田Pのサイン色紙持ってます

投稿 : 2024/11/23
♥ : 31
ネタバレ

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

初日舞台挨拶にも行ってきました

~・~・~・~・~公開記念舞台挨拶に行ってきました~・~・~・~・~

第一希望の上映後舞台挨拶は落ちて
上映前舞台挨拶に行ってきました

上映前ということはつまり
これから見る人に向けたメッセージですから
原則ネタバレ無しということです

本当はネタバレありで面白い裏話をたくさん聞ける
上映後舞台挨拶の方が好きなのですが
まだ観ていない大多数の方にも
ネタバレなしでトークの内容をお伝えできる点は
いいかもしれませんね

原作は現在読んでいる途中で
まだ劇場版相当部分に辿り着いていませんが
映画の内容は原作の6巻と7巻にあたるようです
TVシリーズは
1巻バニーガール先輩
2巻プチデビル後輩
3巻ロジカルウィッチ
4巻シスコンアイドル
5巻おるすばん妹
までを中心に
最終話で6のエピソードを少し添える形で
青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない
という題名で放送していましたが

今回の劇場版は
6巻ゆめみる少女
7巻ハツコイ少女
の二つを
青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない
というタイトルでアニメ化しています

1~5巻がそれぞれ
麻衣、朋絵、理央、のどか、かえでの話なので
舞台挨拶に行くまではゆめみる少女という題名から
翔子がメインの話だと思っていました
しかし舞台挨拶でこれから見る人たちに向けて監督から出た言葉は
「TVシリーズはそれぞれの女の子達の話でしたが
劇場版は咲太の話です」
というもの
そして実際翔子が重要な役割を担って入るものの
咲太が自身に起きている思春期症候群を解決するため奔走する話であり
TVシリーズで少しずつ蒔いてきた伏線を
がっつり回収する構成になっています

したがってTV版見てないよ!という方は
これを観る前にTV版を見てくるか
原作小説を5巻まで読む必要があります

逆にTV版を観たのであれば
ぜひ劇場版もセットで見るべきだと思います
TV版とは独立したエピソードというよりは
TV版の完結編とでも言うべき作品なので
(原作はそこで完結せずにそのまま続いていますが)
これを見ることでTV版の評価も変わるんじゃないかと思います

一般公開前ということもあり
内容に関してのより突っ込んだ話は控えることにして
一般公開後に原作読了状態で
再び劇場に足を運ぶ予定なので
そのあとでまたレビューしようと思います

おまけ:舞台挨拶雑感(ネタバレ無し)

{netabare}監督:増井壮一

4日前まで今日が何曜日かもわからないような
忙しい生活を続けていた
ふらふらと入ったコンビニで
ちょうど青ブタコラボをやっていて
コラボ商品をぼんやり眺めながら思ったのは
「へぇ・・・青ブタ映画やるんだなぁ」

あんたがボロボロ二なりながら作ってるやつだよ!

梓川咲太役:石川界人

作品の見どころを聞かれて

「人間の限界を越えようと頑張ったけど
実際には全然できてなかった
あれは山寺宏一さんにしかできないやつだと思う」

簡単に説明するとテンションの違う二人の掛け合いを
一人芝居でこなさなきゃいけないシーンがあるんですね
実際には無理だったということなので
おそらく2度に分けて録ったのだと思います

彼は山ちゃんにしか無理と言っていましたが
君嘘フィナーレにおける朗読劇では花江夏樹が
公生と黒猫の一人芝居を見事に生で演じきっていましたよ?(・x・;

桜島麻衣役:瀬戸麻沙美

水瀬「アフレコがだいたい・・・2月くらいだったと思うんですけど」
瀬戸「あれ?3月じゃなかった」
石川「いや4月だったような気も・・・」
瀬戸「それはないよ!4月じゃ昨日じゃん!」

いや・・・昨日ではないと思うよ?
というかそこはそんなに掘り下げ必要かなw?

牧之原翔子役:水瀬いのり

事前情報の無いサプライズ登壇でした
水瀬「この後でみんながツィッターとかにあげて
私のファンが悔しがるやつですよ(にやにや)」
石川「でも、絶対欠かせない役だし、水瀬さんのイベントスケジュール確認して、サプライズ目当てでここにきてるファンもいるかもしれませんよ?」
水瀬「・・・」
司会「今日水瀬さんが来るのを予想してここに来た人っていますか?」
ぱらぱらと手が上がったのを見て、心の底から嫌そうに
水瀬「怖っ!!」

ファンにそういう態度とってるとまた換金所のババァって言われちゃうよw

思春期症候群の話になって
それぞれどんな思春期を送っていたかという質問になりました

監督:増井壮一

「高校の時は勉強とか全然してなかった
数学の二階建ての公式が覚えられなくて
こんなもの覚えて俺の将来に何の役に立つのか?
と先生に訊いたけど
『とにかく覚えろ!』しか言わないから
それ以来勉強するのをやめた」

まぁ勉強なんかしなくてもほかの手段で食べていけるなら
それはそれでいいと思いますねw

梓川咲太役:石川界人

石川「高校生くらいの頃は・・・周りに誰もいませんでしたね」
司会「それはぼっちというやつでは?」
石川「人の傷をえぐらないでください(悲)」
石川「まぁ・・・人間が嫌いでしたからね・・・」

桜島麻衣役:瀬戸麻沙美

瀬戸「高校に入って知り合いが全然いない環境になったのをきっかけに
いわゆる高校デビューってやつで
クールな一匹狼キャラになろうと思った
そういうのがカッコいいと思ってた
でも入ってすぐにクラスの子に話しかけられて
すぐ仲良くなって部活とかにも入って
全然そういう感じにならなかったw」
石川「( ゚д゚)<・・・」

一匹狼がカッコいいとか言い出した時は
石川君のフォローしてあげるのかな?
とか思ったんですが最終的には
石川君のぼっちぶりが際立つ方向にw

牧之原翔子役:水瀬いのり

水瀬「高校生くらいの頃は
大人のどこがえらいのか?
ちょっと30㎝くらい大きいだけで
なんでそんなに偉そうなのか?
オーデションに行っても
お前ら私を評価するとか何様のつもりだよ!?
って思ってました」
瀬戸「評価してもらうために自分からオーディションにきて
評価されたくないって矛盾してますねw」
水瀬「ほんとその通りですよね
まぁそれでたくさん炎上したりもしました・・・」
瀬戸「自分からほじくり返さないでいいからw」

どうやら炎上の件を多少は気にしている模様w
{/netabare}

~・~・~・~・~公開記念舞台挨拶にも行ってきました~・~・~・~・~

原作をしっかり読んだうえで初日舞台挨拶に行き
その翌日に3回目をあにこれメンバーといってきました

これでもかというくらいぎゅうぎゅうに詰め込んだ作品なので
原作からはいろいろ削られてる部分があったり
地の分の説明が無くなってわかりにくくなっているところがあったり
原作で補完してから見た方がより引き込まれる作品でした

実際初見のときより原作読んでから見た2回目の方が
一人一人の細かい心情まではっきりとわかって倍くらい泣けた
というか上映時間の半分くらい泣いてた気がします(つдT)

おまけ:舞台挨拶雑感(ネタバレ込み)

{netabare}司会(天津向)

どうも!司会のムカイオサムでーす

へー・・・天津の向って下の名前おさむだったんだね
とか思ってたら

梓川咲太役:石川界人

石川「どうも梓川咲太役の向井理です」
向「それさっきダダ滑りだったから!
  傷口に塩塗り込まないで!
  大体やったらバカウケだよって煽ったの君らでしょ!」
石川「いやー・・・面白かったですよね?」

観客に同意を求めるもまばらな拍手

向「義理の拍手すら最低限じゃん!」
瀬戸「そろそろ挨拶してもいいかしら?」
向・石川「…」

初日の映画のヒットの話になって

石川「僕いつもエゴサしてるんですけど・・・」
周りがみんなかわいそうな目で見るのを受けて
石川「エゴサ位したっていいだろぉぉぉ」
周り「・・・」
石川「エゴサして全部のツイート読むようにしてるんですけど
  #青ブタがトレンド入りして
  読んでも読んでも読み切れなくなってる
  嬉しい悲鳴」
水瀬「皆さんこれ終わった後タグ付けてつぶやけば
  もれなく石川さんに読んでもらえますよ!」

たぶん客層的にいのすけに読んでほしいオタクの方が多いと思うんだw

桜島麻衣役:瀬戸麻沙美

「初日舞台挨拶ももう4回目
朝から初日舞台挨拶してきましたが
ようやく初日なんだなぁって実感がわいてきました!」

いやもう夕方だよ!
これ最後の舞台挨拶だよ!
初日の上映終わっちゃうよ!

牧之原翔子役:水瀬いのり

「最初にタイトルを聞いたときに受けたイメージとは全然違ってすごく素敵な話だった
みんなが自分を犠牲にしてでも誰かを救いたいっていう
すごく優しい世界だった」

青ブタは本当にタイトルで損してる作品だと思う・・・

古賀 朋絵役:東山奈央

「キグルミの咲太はどういうつもりで飛び込んだのかすごく気になってます
結果的にはとってもいい結末を迎えたわけだけど
ああいう風になるって事前にはわからなかったわけじゃないですか
私の考えでは咲太はあの時代の咲太を助けて死んで
自分の心臓を翔子ちゃんにあげて
麻衣さん含めた全員を助けるつもりだったんじゃないか?
って思ってます」

なるほど・・・確かにあの結末は結果論で
最悪はねられた方の咲太に収束して
何一つ解決しない可能性もあったわけだなぁ

さすがインテリ声優目の付け所が違う!

双葉理央役:種﨑敦美

(見どころを聞かれて)
「全部が見どころ
見どころが思いつかないんじゃなくて
見どころしかないんです
私もう3回見てるんですけど
見るたびにどんどん序盤の何でもないようなシーンが好きになっていって
後半のいろんなシーンも含めて
全部が見どころだと思ってます」
・・・というようなことを
たどたどしく断片的に
あの独特の話し方でしゃべっていました
しかしそれだけ引っ張っても最後には
「踏切で最後に理央が小声で感情を吐き出すところ」
と無理やり見どころを吐かされていましたw{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 30
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

藤沢バタフライ・エフェクト

6月に本作を劇場鑑賞した帰り路……。

俺は長い間、自己責任論に蝕まれ、
自分がどうにか助かればそれで良いと言う人生を歩んで来たけれど、
このままじゃお前、いくらなんでも、もうダメだろう……。
との強烈な観念に襲われました。

寄付や募金なんて学校や職場の同調圧力に屈した時以外、
ほとんどろくに手を差し伸べてこなかった男が、
この映画をキッカケに俄に毎回少額ながらネットで寄付とかやり出している……。


本作の評価は?と聞かれれば、
劇場鑑賞後の時点だと、TVアニメ版からの流れを汲んだ良くできた続編映画。
原作未読組の私にとっては想定以上に内容の濃い展開が詰め込まれて、
一回観ただけだと、ちょっと理解が追い付かない&忙しいかも?……位の感想。

劇場鑑賞後の自分の心に起こった現象と作品との因果関係解明などの難題を前に、
長らく書きあぐねていた本作のレビューを年内投稿するため、
寒気強まる季節の威も借りて、先日、レンタル配信で再鑑賞しました。

二回目観て、限られた尺内に、複数の"思春期症候群”が絡まる複雑なシナリオを、
破綻なく成立させつつ、しっかりとキャラ総出演&見せ場あり。
相変わらず毒キツめの"青春ブタ野郎”ギャグ?(笑)も散りばめられた。

私の作品理解度も上昇し、素晴らしい続編映画に格上げされたものの、
やっぱり、TVアニメ版振り返りもOP主題歌も一切ないまま濃厚な本編に突入して行く、
事前予習必須のご新規さんお断り映画なんだよな……。
今年は単体の良作アニメ映画も豊富にある中で、
他の方に広く薦められるか?と言う観点からは優先順位は高くはならないよな……。
との感想は変わらず……。


けれど、私の人生に影響を与えた作品と言う意味では、
本作は今年ぶっちぎりのNo.1でした。

ほんの小さな心境の変化が世界に奇跡を起こすと信じることができた。
私の人生が切り替わるタイミングとかち合ったこと等を考慮しても、
本作のシナリオには、完成度に裏打ちされたパワーがあったのだと思います。


本シリーズの正ヒロイン・麻衣先輩は
TVアニメ版でもサブヒロイン回を経る度に"正妻力”が増していった印象ですが、
本劇場版のそれは極め付けと言って良いと思います。

レビュータイトルは2004年アメリカ映画『バタフライ・エフェクト』より。
「ブラジルで蝶が羽ばたくと、テキサスで竜巻が起こる」
小さな差異が大きな変化をもたらすカオス理論「バタフライ効果」をシナリオに取り込んだ、
野心的なSFスリラー映画。

私は主人公&ヒロインらのピンチを『バタフライ・エフェクト』の鑑賞記憶とも重ね合わせて、
ドキドキしながら本作を観ていましたが、
それだけに咲太&麻衣先輩の決断の凄まじさが倍増した感じ。


『バタフライ・エフェクト』では最後……(※重大なネタバレ)
{netabare} 主人公青年はヒロインと幸せになろうと過去をいじると、誰かが不幸になると悟る。
だからヒロインと親密になる過去をなかったことにして、皆を守る決断をする。
そして過去を改変する手段を処分し、ヒロインとは赤の他人として生きていく……。
と言う、運命を変えるリスクの重たさを思い知らされる、
かなり哀しい"ハッピーエンド”でした。{/netabare}


対して本作では最後……(※重大なネタバレ)
{netabare} 咲太は、翔子ちゃんの過去の心境を変えることで、
中学時代の咲太と翔子さんが出会わない未来を選択する。
これは『青ブタ』がここまで紡いできた物語を、
丸ごとリセットしてやり直すことを意味する。

決断前の未来も、咲太と麻衣先輩が二人でいられる割とマシな未来であったはずですが、
これを捨てて改変すれば、咲太と麻衣先輩が全く出会わない未来すらあり得る。
しかも、過去を変えた記憶は手段も含めてせいぜい夢で残り香として見る程度。
気に入らない未来だったからって、やり直しはまず出来ない。

それでも彼らは再び出会い、世界を善意で満たして、
正真正銘のハッピーエンドを掴み取ってみせました。

運命を変えると言う大きなリスクを取ってでも
咲太との未来を信じて決断した麻衣先輩マジ半端ないです。{/netabare}


麻衣先輩どんだけ咲太との運命の赤い糸に自信持ってるんですか!?
今後、"青春ブタ野郎”の眼前にどんな美少女が現れても
麻衣先輩にはまるで勝てる気がしませんw


6月の鑑賞時、夏を前に12月のシナリオなんて季節的にチョット……(苦笑)
と思ったのも事実w
けれどBD/DVD発売&配信レンタル等が始まったこの冬ならば、
おうちで聖夜のムード取り込みも含めて、季節の効果も見込めるはず。

私にとっては2010年代でも指折りの年末クリスマス映画としても、
心に残る作品になりそうです♪

投稿 : 2024/11/23
♥ : 45

74.2 2 兄妹でラブコメなアニメランキング2位
青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない(アニメ映画)

2023年6月23日
★★★★☆ 3.9 (93)
486人が棚に入れました
高校二年生の三学期を迎えた梓川咲太。
三年生の先輩であり恋人の桜島麻衣と、峰ヶ原高校で一緒に過ごせる学生生活も残り僅かとなった。
そんななか、長年おうち大好きだった妹の花楓は、誰にも明かしたことのない胸の内を咲太に打ち明ける。
「お兄ちゃんが行ってる高校に行きたい」
それは花楓にとって大きな決意。
極めて難しい選択と知りながらも、咲太は優しく花楓の背中を押すことを決める。
『かえで』から『花楓』へ託された想い。
二人で踏み出す未来への物語。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

自己同一性を取り戻すための花楓のお受験

引き続き原作未読で劇場鑑賞。

【物語 4.0点】
ゆったり。

元々60分の短尺予定の所、最終的に73分に。
前作『ゆめみる~』は90分弱に要素を厳選して押し込み、
私など刺さる人にはカタルシスをもたらす傑作に。

一方、本作はジックリと妹・花楓の進路を見守る感じ。
前作みたいに集中力を上げて急展開に付いていこうとイレ込むと、
思わぬスローペースに面喰らうかもしれません。

花楓の“思春期症候群”は{netabare} 2年間入れ替わった別人格のかえでに記憶を取って代わられる。
その背景にはイジメからの不登校という高ストレスがあった。{/netabare}
花楓は未だ他者からの視線に過剰反応する症状を引きずっている。
その上、欠損した過去の記憶の空白とも折り合いを付けようと苦慮している。

そんな花楓が懸命に人生を選択し高校受験に挑んでいる姿を見たら、
私はテンポはゆっくりで良いからとしか言い様がありません。


偏差値や内申点の厳しさを度返ししてでも、兄・咲太や“みんな”と同じ公立高か?
妥協して花楓の学力レベルに合った、内申点評価の少ない私立か?
“普通”の学校での人間関係が花楓にとって苦痛ならば、通信制などの選択肢もある?

特に通信制については“ちゃんとしていない”イメージ払拭のため、
説明会に留まらず、当事者の生の声を聞きに行くという展開を挟むことで、
花楓自身は本当はどうしたいのか?熟慮を深める。
過去の自分とのポジティブな折り合いの付け方について示唆を与えた“取材”には、
普遍的なメッセージ性がありました。


一点“リアリティの無さ”に好感したのが、子供の進路にお金の話を持ち込まなかった事。
親の経済的負担という“ノイズ”を挟まなかったことで、
焦点を、花楓の心の問題に絞れていたと思います。
(不純な私は、あれだけサポート充実した通信制高校は、お値段も中々なんだろうなとの雑念に囚われていましたがw)

兄・咲太もまた冒頭から{netabare} ランドセル背負ったロリ麻衣先輩が見える{/netabare} という症状に見舞われ、
冬公開の次作への伏線に。

咲太の問題には家庭事情も絡んでいると思われますが、
少なくとも妹の学費の心配をおくびにも出さなかったあの親父さんは、
良い父親だと感じたので、咲太の行く末も私はあまり悲観していません。


【作画 4.0点】
アニメーション制作はTVアニメ版以来のCloverWorks。

繊細な表情描写で花楓の心の揺れ動きを捉える。
それ以上に私の脳裏に焼き付いたのは咲太。
特に{netabare} 保健室にて妹を見舞う際に話しかけられた先生に見せた鬼の形相。
それを見た先生の、深入りして刺激しないようにとの神妙な面持ちw{/netabare}

尺に余裕もあったので、物思いに耽るシーンも多々あった本作。
江の島を始め、至る所にたそがれることができる海岸が点在する藤沢市周辺。
パワーありすぎです。

目をみはったのが、のどか所属のアイドルグループ・スイートバレットのライブシーン。
咲太が花楓の視野を広げる話の取っ掛かりに使われたライブですが、
手描き重視で結構力が入っていて、この場面だけは妹の話そっちのけで身を乗り出しそうになりましたw


【キャラ 4.5点】
咲太は相変わらず“絶口調”
年上のお姉さんに対しても減らず口は叩くものの、
ギリギリ怒りを買わずに、君面白いこと言うねという感じで可愛がられる、絶妙な塩梅で毒を入れてくるw
今年、映画館で一番笑いましたw

咲太とヒロインズの掛け合いを眺めていて思ったのは、
やはりユーモアを交えるだけの余裕のある男はモテるなと。

私も大概、ハレーム主人公の爆発やブタ箱行きを願ったりするしょーもない男ですがw
そのクセ、いざ美少女を眼前にして刺激的なトークができるかというと全く自信がありません。
私だったら、古賀ちゃんと同じ職場というだけで平常心を無くしちゃいますしw

因みにMOREDEBAN気味な古賀も含めて各ヒロインズにも、
当初予定から伸びた尺を使って出番は確保されています。

そんな咲太が、妹の窮地となると、余裕も自分もかなぐり捨てて飛んでいく。
次作に向けて咲太のかっこ良さを再認識させられました。


その他、スクールカウンセラーのお姉さんや、通信制に在学する子の母親など、
脇の大人たちも進学について多角的に捉える好材料となる。


【声優 4.5点】
花楓役の久保 ユリカさん。
思えばラブライバーにタスケを求めていた時から、
高音に感情を込めるボイスには光る物がありましたが、
本作ではその特性が遺憾なく発揮されていました。


咲太役の石川 界人さん&麻衣先輩役の瀬戸 麻沙美さん。
麻衣に毒づきつつ、最高に可愛い彼女だと高々と持ち上げる。
怯まず“口撃”する麻衣さん。
スパイシーなのろけトークで余人が立ち入れない聖域(サンクチュアリ)を構築。

お二人の掛け合い演技があまりにも円熟し過ぎていたせいか、
スタッフから「老夫婦みたいになってるからもう少し若さが欲しいな」と注文される笑撃エピソードもw

麻衣は花楓を物心両面で支える絡みも多く、
瀬戸さんの演技からは早くも頼れる“義姉”の風味が醸し出されていました。


今回、出番が多かったのが{netabare} スイートバレットのセンター広川卯月役の雨宮 天さん。
通信制を知る先輩として、花楓に人生経験を伝える重要な役回り。
正直、自称パンツはかないアイドル役に何で天ちゃん?と訝しんでいた私ですが、
本作のための起用なら納得です。{/netabare}


【音楽 4.0点】
劇伴担当はTV版以来のfox capture plan
前作劇場版からのフィルムスコアリングを継続し心情に寄り添う。
今回は音楽も作品リズムに合わせた穏やかなピアノ曲等が目立った印象。
ですがここぞの場面では、険しい音で揺さぶって来ます。

ED主題歌はお馴染みの「不可思議のカルテ」
歌唱は{netabare} 梓川かえで&梓川花楓のデュエットで未来へ向けてアイデンティティが確立。{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 24

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

【お兄ちゃん、私“も”頑張るから】本当に描かれなければいけなかった物語の続きを満願の想いを込めて映像化する素晴らしさを紐解きます

2018年秋期に『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』のタイトルで全13話のテレビシリーズが放送され、2019年にはテレビシリーズに張り巡らせられた伏線を回収する映画『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』が公開された通称『青ブタ』
巷で「思春期症候群」と噂される不可思議現象を発症したヒロイン達との交流や青春模様を描くライトノベル原作の青春SFです
本作はその直接的続編であり、主人公の梓川咲太(あずさがわさくた)の妹である梓川花楓(あずさがわかえで)をヒロインとした物語が描かれる73分の映画



『ゆめみる少女』で最愛の恋人、桜島麻衣(さくらじままい)の事故死や初恋の人、牧之原翔子(まきのはらしょうこ)の病死、さらには自身の事故死といった未来の事象を全て回避する方法として【今見えている現実が全て夢だったと思春期症候群を発祥した翔子に認知させる】事を選んだ咲太
結果的に時間は遡り、初めから翔子には出会わなかったものの、翔子に関する事意外の全ての出会いや事象をもう一度繰り返して麻衣やヒロイン達との関係をやり直し、さらには病気を克服した翔子と再会した際に翔子に関する記憶までもを取り戻した
程なくして受験シーズンが訪れ、いじめによる不登校から立ち直った中学3年生の妹、花楓にも進路選択の期限が迫る
花楓は心の痛みが身体の傷となって具現化する思春期症候群を発症した後、「かえで」というもう1人の人格と入れ替わってしまった過去がある
「かえで」の成長を見届けた咲太だったが「かえで」の人格は思い半ばで消滅し、本来の「花楓」が戻ってきた
「かえで」の消滅に思わず虚しさを隠せなかった咲太だったが「花楓」が戻ってきたことは祝福したい
そんな咲太や麻衣らは「花楓」の受験を応援するのだが彼女の進路は前途多難な道のりである事は明らかだった・・・



テレビシリーズや『ゆめみる』からメインスタッフが続投している点が何よりありがたいですね
昨今、鉄は熱いうちに叩けの理論でスタッフやキャストを変更して続編やリメイクを作るアニメも多いのにです
『ゆめみる』までのClover Worksのプロデューサー、木田和哉氏は2019年12月のアニスタで「これからはファンとして原作の行く末を見届けたい」と発言されてたので、てっきりClover Worksは『青ブタ』から手を引くんだな、と思ってました
ですが、あの発言は木田PがClover Worksを退社されてavexに移籍する、という意味だったみたいですね
そしてスタッフ舞台挨拶で『ゆめみる』の制作中には本作の制作の話が出ていて、その時点で増井壮一監督は本作の監督を快諾してた様です

その一方で増井監督には『天地創造デザイン部』や『アキバ冥途戦争』が、シリーズ構成の横谷昌宏先生には『トロピカル~ジュプリキュア』や『はたらく魔王さま』が控えていた事から察するに、(間にコロナ禍を挟んだ事を踏まえても)メインスタッフの手が空くのをわざわざ待っていたという事が分かります
昨今これほどスタッフやキャストの配置に拘るシリーズは珍しいと思います
ありがたいことです


またエンディング主題歌が5年間変わらずに「不可思議のカルテ」なところにも注目したいです
こんなに1つのエンディング主題歌に拘っている作品は『ガルパン』と『青ブタ』ぐらいなもんですw
そんな「不可思議のカルテ」ですが予告編では「花楓ver.」が流れています
ですが実際の本編を観るとこのver.は一切流れないことに気付くかと思います
そう、つまり嘘予告ですw
予告の主題歌が嘘だったアニメ映画というと同じ角川ラノベのSFアニメ『涼宮ハルヒの消失』を思い出しましたw
嘘予告ではありませんが似た様なパターンでは『呪術廻戦0』の「逆夢」もあります
凄いwこんなことをやるアニメ映画はかなり珍しいんですw


さてトークショー等ではあまり語られていませんが本作では「花楓」が食事を取るシークエンスが2回登場します
実はこの2回とも「花楓」を演じる久保ユリカさんはパク音(いわゆる「モグモグ」と口で言うアドリブ)を出してるんですね
それがどうした?と思う人もいるでしょうが実は『青ブタ』では演出上、「かえで」以外はパク音を禁止しています
コレはテレビシリーズのオーディオコメンタリーで言及されていて、【『青ブタ』はリアリティー重視なのでモグモグと言って食べるヒロインは存在しない、ただ1人初めから虚構の存在である「かえで」を除いては】と岩浪美和音響監督が解説されています
それは『ゆめみる』でも徹底されていました
では何故『おでかけシスター』では突然「花楓」はモグモグと言い出したのでしょうか?

これはつまり「花楓」が「かえで」の日記を読んで「かえで(理想の妹)」に成り代わろうとしていると受け取れます
コレが分かると一見して幸せそうな食事シークエンスも凄く物悲しく見えてくるんですね

『青ブタ』という作品が如何に計算され、真摯に、丁寧に作られているのかよく解る演出の1つだと思います


あと以前のレビュで双葉理央(ふたばりお)の髪型が日付が奇数ならナチュラルロング、偶数ならポニーテールだという法則を発見したと解説しました
本作で双葉が登場するのは1月20日なのでポニーテール、つまり私の発見した法則の通りというわけです


それとまあ、ミトンしか持っていないはずの花楓が入試当日は5本指の手袋をしているのは一体誰が用意してくれたものなのか?といった想像出来る余地も残されているのがニクい
ミトンだと入学願書を鞄から出すのですら苦戦しましたからね;


さて本作は『ゆめみる』という壮大な物語の為に後回しにされてしまった本来描かれるべきだった「花楓」というキャラを改めて描く、とても前向きな物語です
その一方で高校生編の完結作となる次回作『ランドセルガール』への伏線でもあります
いよいよ公開が迫る、『ランドセルガール』を心して待ちたいと思います


【備忘録】
川崎チネチッタ2回、立川シネマシティcスタ極音1回、eスタ1回、jスタ1回、バルト9 6回(7番スクリーンだと左右に画面切れあり)、TOHO新宿1回、109湘南1回(5番スクリーン色温度高過ぎ、真っ青)、池袋シネリーブル1回
計14回鑑賞

投稿 : 2024/11/23
♥ : 11

lumy さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

劇場でちゃんと観ました。

原作未読、テレビ版・劇場版1作目視聴済み。

劇場版1作目は、映画館で観なくて後悔したので、
本作はどんな酷評レビューがあっても
観に行こうと思っていました。

事前に上映時間が短いのが少し気になっていましたが、
青ブタファンなら、続編を制作してくれただけで十分で、
結局時間は全く気になりませんでした。

むしろ、話は冗長にならずに済むし、
作画のクオリティは高く、表情も繊細だし、
不可思議のカルテが素晴らしい高音質で聴けたし、
何も言い残すことはありません。

それにしても、咲太はホントいいやつですね。
青ブタは女性キャラがもちろん魅力的ですが、
咲太という人物は、数ある作品の主人公の中でも
自分もこうありたいと憧れてしまういいやつです。
本作は、そんな咲太が家族である楓のために
頑張るお話なので、そりゃいい話になるに決まっています。

劇場版3作品目、心待ちにしています。

※すごくどうでもいいのですが、映画を観ているときに
 黒い点がスクリーンの上を行ったり来たりして、
 どうやら虫が映り込んでいたようです。
 (最初、自分がいきなり飛蚊症になったのかと思いましたw)
 お詫びに劇場から、本作をもう一度見れる特典をもらえたので、
 書きおろし色紙が(ダブらなければ)もう一枚手に入りそうですw

投稿 : 2024/11/23
♥ : 16
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