優等生で百合なTVアニメ動画ランキング 4

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の優等生で百合な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月15日の時点で一番の優等生で百合なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

75.4 1 優等生で百合なアニメランキング1位
citrus(TVアニメ動画)

2018年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (529)
2137人が棚に入れました
ギャルだけど初恋も未経験なjk・柚子は、親が再婚した都合で女子高に編入することに。彼氏ができない!と不満爆発の転校初日、黒髪美人の生徒会長・芽衣と最悪の出会い方をする。さらに、義理の姉妹になった芽衣と同室で生活することに・・・!?

声優・キャラクター
竹達彩奈、津田美波、藤井ゆきよ、久保ユリカ、井澤詩織、葉山いくみ

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

人気爆発はしなさそうだけど、個人的には好きな感じの話。(「ギャル監修」って何(笑)?) → 同性愛でラブコメでジャンプバトルシステム(笑)!

キャラクターデザインは少女マンガ系で、個人的にはほぼドストライク。

原作は読んでいないのでストーリー展開は良く知らないのですが、女子高(エスカレーター式のお嬢様学校)の理事長の息子と母親が再婚したのを機会に、処女ビッチだった柚子が学校の近所に転居、編入したところ、理事長の孫で生徒会長の芽衣と義理の姉妹になってしまったという第1話でした。

第1話の引きのキスによる義理姉妹同士のマウントの取り合いで柚子が劣勢だった感がありますが、おそらく芽衣も純愛に何らかの夢や理想を持っていそうな拗らせキャラと思われるので、これは意外と楽しみな一作になるかも?

それ系の描写もですが、これは序盤においては心理戦が楽しみでしょうか。

2018.1.22追記:
クレジットに「ギャル監修: 平岡りえ」ってあるけど、「ギャル監修」って何なのさ? この平岡りえって人は、ちょっと前の浜田ブリトニー的な人なの? でも、このアニメには必要なのかもしれないですね…。

本編の方は、第3話まで視聴完了。うーん、学園理事長についてはウルトラアクロバットな解決だったなぁ(笑)。

2018.3.26追記:
第12話、最終回を視聴終了。

全体のストーリーとしては、柚子と芽衣の距離が縮まりそうになると「新たな敵(笑)」が現れ芽衣はスルリと遠のいてゆく…。そして「『強敵』と書いて『とも』と読む」な安定のジャンプバトルシステム。

とりあえず柚子の友人としてのはるみんが聖人すぎる。女性同士の同性愛でラブコメをやるっていうのは、ちょっと面白かったです。が、これが長く続いたら飽きるだろうからアニメとしては1クールくらいでちょうど良いかちょっと長いかもしれないくらい。

じゃあ面白くなかったかというとそんなことはない、面白かったです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 54

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

世の中、正しい答はいっぱいある。唯一の正解は意外と少ない

この物語は、百合の要素がふんだんに入っています。
但し、それだけではなく、人間として必要な優しさや温かさもあります。
見終わった後、優しい気持ちに包まれますよ。

日本でも同性婚が認められるようになりました。
「百合だからダメ」とか言う世の中ではなくなったのです。
正しいことは、時代とともにどんどん変わっています。

主人公の柚子(ゆず)は、陽気で自由奔放な高校一年の少女。
ヒロインの芽衣(めい)は、成績優秀で生徒会長をしている真面目な高校一年の少女。
この二人は、親どうしが再婚したことから姉妹となり、一緒に暮らし始めます。

柚子のいでたちは、髪はエアウェーブパーマ、化粧はアイメイク、チーク、リップと手入れをし、
スカートの丈は短く。胸元のボタンも開いている。
彼女は、転校初日から校則違反で生徒会から要注意人物として見なされます。

おそらく、大人の人が彼女を一目見たら、彼女のことを品行方正とは思わないでしょう。

でも、彼女は人を傷つけることは一切しません。
それどころか、義妹の芽衣の悲しそうな顔を笑顔にするために、懸命に頑張ります。
但し、そのやり方は常識はずれなやり方のため、多くの人に誤解を受けます。
そんな行動を繰り返す柚子を、芽衣は好きになります。

柚子の行動は確かに常識はずれです。
でも、目的はしっかりしており、結果として、芽衣をはじめとする他の人も笑顔になります。

仮にあなたが非常に困っていたとして、
常識はずれな行動であなたを助けてくれる人と、常識に縛られてあなたを助けない人がいた場合、あなたはどちらの人を好きになるでしょうか?

もっと具体的な例として
横断歩道を渡ろうとして車の止まるのをずっと待っている盲人の人がいた場合、おそらく柚子は、無理やりにでも車を止めて、盲人の人が渡れるようにするでしょう。


私たちは、中学、高校と、テストで良い点を取ることを教えられてきました。
テストで良い点を取るには、唯一の正しい答を選択しなければなりません。
でも、学校を出て働き始めると、正しいことなど、会社の方針や職場の人間関係でコロコロ変わります。
つまり、世の中で正しいことは一つでなく、たくさんあるのです。

だから、人を傷つけず、結果に対して責任をとる覚悟さえあれば、
今までの枠に縛られること無く、自由に行動して良いのです。
柚子は、それを教えてくれたような気がします。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 46
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

東西の都が百合色に染まってゆく……

原作コミックは一巻だけ立ち読みで。

そもそも当方、百合をテーマにしたアニメを見るのもこれが初めてでして、
「コミック百合姫」(凄い雑誌名ですねw)連載の原作に
手が出てしまったこと自体が既に人生の一大事件w

昨年夏頃、新古書店ブラついていたら、何の魔が差したのか……。
ふとコミック版の表紙から迸る、何とも言えない、怪しい妖気に吸い寄せられて……。
気が付いたら、いつの間にか、正座してアニメ観てましたw


よって本作が百合アニメとしてどういう位置づけの作品か、
私は語る知識も経験も持ち合わせていませんが、
シナリオ・構成等は比較的、正統派の?恋愛、ラブコメの筋書きだと感じました。

歩く校則ブレイカーと言うべき制服の着こなし&茶髪のチャラい出で立ちだけど、
恋愛耐性は皆無な純情ギャル。情は熱くて筋は通したい。

血統の良い、お嬢様校の理事長の孫かつ生徒会長で、風紀の取り締まりも厳しい。
他生徒に畏怖され、他を容易に寄せ付けない孤高の黒髪美少女。
だけど、本当はとってもさみしがり屋……。

そんな二人が唐突に義理の姉妹になることにより急接近し、
絡み合う中で、禁断の関係が隠されたギャップを暴いていく。
あの娘の意外な秘密が、本性が……互いに気になって仕方が無い。

さらには次々と投入されるサブキャラが執拗に三角を仕掛け、
その“好き”は姉妹だから?それとも……。
といった尋問も交えつつ、二人の愛を試していく。

その他、極端にデフォルメされた厳格な規律のお嬢様学校ぶりや
愛なきセレブなコミュニティーの陰鬱から繰り出されるトラブル、修羅場など、
どこかの昼ドラなんかを想起させるような力技な展開。

テンポも私が摘まみ食いした初巻など初回で走破するハイペースぶり。
このスピードじゃ、すぐに原作ストック枯渇するのでは?と危惧しましたが、
途中でアニメオリジナルも挟んでいたそうで……。


こんな風に、色々と強引さも感じたりもしました。
けれど、見ていて凄くドキドキさせられて、なんか楽しかったですw

描写については、これも百合として過激かどうかは私には分りませんが、
キス魔だったなと。
付随する着衣や小物の乱れもベタですが淫らでした。
{netabare} キスなんてこんなものですか。そーですか。{/netabare}


そんなこんなで私も狼狽えている内に、
単純にサブキャラの三角繰り返すだけではマンネリと思って
場所でも変えてみようと思ったのか、
東京で吹き荒れた百合の嵐が、急転、京都にも攻め上って参りました。

京都も、歴史や文化に加え、ドラマやサスペンスのメッカ。
さらには乙女ゲーや本作のような百合の聖地になってみたり。
上洛の動機が多彩になって、古都も随分騒々しくなっているなwと思ってみたり。


好きなキャラ……と言うより、安心したのは、はるみんこと谷口はるみ。
息が詰まるくらい堅苦しいお嬢様校と、波乱の百合展開の中で、
自称ステルスギャルという嵐を遠巻きに観察できる立ち位置から、
ノリが普通の?(でもないかw)JKを提供してくれた彼女は貴重な安全地帯。
次のドキドキシーンに向けて心をニュートラルにしてくれる良いダチでした。
({netabare}自転車・はるみん号も貸してくれたしね。{/netabare})


私には次に見るべき百合アニメとか見当も付きませんし、
必要なのかも分りませんが、
また、魔が差したら、懲りずに百合の園に足を踏み入れてみようと思いますw

投稿 : 2024/11/09
♥ : 36

79.6 2 優等生で百合なアニメランキング2位
魔女の旅々(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (730)
2638人が棚に入れました
あるところに一人の旅人がいました。彼女の名はイレイナ。若くして魔法使いの最上位「魔女」となった才女です。幼いころに読んだ旅の物語に憧れて、流されるように気ままな長い旅を続けています。この広大な世界を自由に渡り歩き、わけのわからない可笑しな人や、誰かの美しい日常に触れながら、彼女は旅人として、これといった目的もなく、色々な国や人との出逢いを繰り返します。そして同じ数だけのーー「構わないでください。私、旅人なものですから。先を急がなければならないのです」そんな魔女イレイナが紡ぐ、出逢いと別れの物語…。

声優・キャラクター
本渡楓、花澤香菜、黒沢ともよ、日笠陽子
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

良い記悪い記普通の記

原作未読

これいいやつ(笑) 旅行記の根っこを掴んでます。…と思いきやリリースしてたりやや私が混乱気味。

中世風&魔法の世界での“旅”をテーマとしてます。『旅々』の名に恥じぬ“旅×2”しっかりロードムービーしてるなーという仕上がりっぷりだったと好意的に受け止めております。
その髪の色から“灰色”…じゃなかった“灰の魔女”と呼ばれるイレイナ(CV本渡楓)が文字通り世界を回る物語。1話オムニバスタイプ全12話。

たしか1話終了時点でイレイナのデザインと作画がいい感じと注目株扱いでした。もちろん美麗なグラフィックも牽引役のひとつ。それに加えて序盤にブーストがかかり楽しみながら完走した感じです。

■ブーストについて
{netabare}第3話です。AパートBパートで別の話かつ両方とも鬱々としたやつ。=視聴継続決定!

{netabare}花に取り込まれそうなお兄ぃを傍観してたのがすこぶるいい。{/netabare}だって旅の途中ですからね。手遅れだったのかもしれないしそうじゃないのかもしれない。
{netabare}Bパートでの村長息子が無邪気な善意をふりまくのもよい。{/netabare}
“地獄への道は善意で舗装されている”を地でゆくエピソードでした。

実際、貧困国を巡っていると下手に施しをする残酷さについて実地で体感できます。こっちは去っていく者ですからね。ガンジス川で死体が浮いてても気にならなくなってくるのと似てます。
おにぃは手遅れだったろうし、仮にそうでなくて一命を取り留めても花の毒に誘われ同じことに。なにしろ妹に会いたがってましたからね。今後も監視し続けていくことは去る者には不可能なことです。

奴隷のニノちゃん初登場時に服はだけてましたしね。村長は小児性愛者だったのかもしれません。また彼女は親に売られたのを知っているのかもしれません。
そこに幸せな親子の映像を見せるとは傷口に塩を塗る以上の残酷な話。あの村長息子が父に刃向かう覚悟でもあればワンチャンあるかもしれませんが…ないでしょうね。{/netabare}


順風満帆なら思い出作りとして終了。それはそれで。。。
あのポスターでも有名なチェ・ゲバラは学生時代に南米縦断の旅で貧困を目の当たりにし革命家に転じたそうです。
イレイナのもなんかしらNEXTの行動を促すような良き旅をしてるように思えます。

作品そのものも道中のちょっと心温まるお話でオムニバスを作っても一定の支持を得られたことでしょう。グリム童話のような啓発的なものもちらほら投入されたところにロードムービーのリアルを感じる意欲作ってところでしょうか。



※ネタバレ所感

■ニケの冒険譚

ニケと聞いて真っ先に思い浮かぶのが“サモトラケのニケ”。教科書にも載ってるヘレニズム時代の有名な大理石像です。スポーツメーカーNIKEの語源と言ったほうが通じるかしら? 勝利(VICTORY)の女神ということでギリシャ語だったかではヴィクトリアと呼ばれてたはず。

{netabare}『星屑の魔女』フラン(CV花澤香菜)、『夜闇の魔女』シーラ(CV日笠陽子)のお師匠さんのお名前がヴィクトリカ(CV伊藤静)ということでなんか関係してくるんでしょうか?{/netabare}


■おかんの小言と冷酒は後で効く

前述の通り。加えて一点。

{netabare}「ただし三つ約束してほしいことがあるの。一つ。危険な目に遭いそうなときは逃げること」
「二つ。自分が特別な人間だとは思わないこと。他の人と同じだということを忘れないでね」
「三つめ。いつか必ず帰ってきて私達に元気な顔を見せること。守れる?」

旅の本質を意外とついてるのでは?{/netabare}

{netabare}おそらく第9話のイレイナの涙って、自分を特別な人間だと思いかけてる節があったタイミングで発生しています。母の戒めから離れて引き起こした事態への悔恨も表れてる涙なのではないかと思います。{/netabare}


■紀行モノでこれはちょっと…

{netabare}1クールで主人公(旅する主体)がほぼ登場しない回があるのは良し悪しよね。旅の先々での出会いやイレイナの心の動きだけ追ってほしかったところ。ご長寿シリーズなら回想やキャラ回もありでしょうが短尺でぶちこむのはNGではないかと思う私です。指摘した回は師匠の師匠に繋がる重要な話ではあるのですよ。これは完全に好みですね。{/netabare}

それと{netabare}本渡さんが15役だったか16役やったのは蛇足。というより奇策。一人○役の“ギネスに挑戦”みたいなもんかしら。「アフレコ大変そう」とか「演じ分け凄い」とか話題さらったのかもしれませんが、物語に必要だったかは微妙。その各々ネーミングセンスと合わせてEDクレジットに本渡さんの名前がずらっと並ぶのは面白かったんですけどね。{/netabare}


全体としては好み。完走してから第1話を観ると感慨深いアニメでもありました。
旅とはいつか終わるもの。{netabare}ニケさんの正体を気づいてて気づかないふりしてたりする理由も含めて、{/netabare}終わった時に何を彼女は得られているのか大変興味があります。

2期ありそうな雰囲気あるしやらないかしら? お待ちしてます。



視聴時期:2020年10月~12月 リアタイ   

------


2020.12.20 初稿
2021.09.22 修正

投稿 : 2024/11/09
♥ : 62
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

スプリンター・リフトバック

原作GA文庫、C2C制作。

魔法が存在する中世世界を舞台とし、
その世界で旅する魔女イレイナが、
様々な場所や人を訪れるロードファンタジー。

お勧めし易い作品ではありますが、
気になるのはオムニバス形式となると、
情報量に制約があるアニメでは、
かなり上手くやらないと記憶に残りづらい。
私的には背景に大きな物語が欲しいです。

世界への冒険、探求、出会いと別れ、
多様な世界観を提示して欲しいと願います。

タイトルはゴダイゴの名曲から、
そよ風と光と希望に満ちた旅をしよう。

5話視聴追記。
寓意的な物語で現実を投影する。
冒険譚にはお手本のような設定ですが、
{netabare}主人公が物語の内にいるのか外にいるのか、
その距離感で印象が変わってくるのだ。
傍観者であることへの不満の声も多い。{/netabare}

最終話視聴追記。
期待していたほどではありませんが、
中盤以降の方が好印象を持ちました。
{netabare}イレイナの感情の動きがよくわかる。
これは旅の供がいると、
また違った感想が持てるかも知れません。{/netabare}
映像・音楽は最後まで美しいです。

寓意的な旅のアニメでしたら、
カイバやソマリも並べてお勧めします。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 60

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

絶世の美しい魔女とそうでない魔女と、あなたはどちらを選びますか?

綺麗で可愛いくて魔力がすごい魔女イレイナが、世界のいろんな場所を旅する物語です。

イレイナは確かに可愛くて美しい。そして強い魔力が魅力的です。
おそらく、多くの男性は、イレイナのような美女を恋人にしたいと願っているでしょう。…
でも、見終わった後、なぜか感動は残りません。
優しさも暖かさも残りませんでした。
それはイレイナが冷たいわけではないのですが、話の内容が…
それに、自分で自分のことを『美人』と呼ぶのはちょっと…避けたくなります。


同じ魔女でも、ふらいんぐうぃっちの木幡 真琴とは真逆の存在です。
木幡 真琴は綺麗でもなく、魔力はほとんど弱く、見ていて危なっかしい魔女です。
でも、真琴と一緒にいると、なぜだか心が安らぎます。
もし結婚するのならば、イレイナよりも木幡 真琴のほうが断然良いです。
ぜいたくな暮らしはできないけど、彼女とならば、お互いよぼよぼの爺さん婆さんになったとしても、いつも笑って幸せに過ごせると思います。


もし結婚するとしたら、あなたは、どちらの魔女を選びますか?

投稿 : 2024/11/09
♥ : 53

64.0 3 優等生で百合なアニメランキング3位
Go!プリンセスプリキュア(TVアニメ動画)

2015年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (78)
327人が棚に入れました
ごきげんよう!わたし、春野はるか!『ノーブル学園』に通う中学1年生!!わたしには大切な夢があるんだ。それはズバリ「プリンセスになること」!!大好きな絵本に出てくるプリンセス…そんなステキな人に絶対なりたいの!昔『カナタ』という男の子とも、夢はあきらめないって約束したんだ。新しい生活、がんばっちゃうぞ~~! と思っていたら、人々の夢を「扉」の中に閉ざし絶望に染めてしまう悪いやつらが目の前に現れて……!!『プリンセスパフューム』と、『カナタ』にもらってお守りにしていた『ドレスアップキー』で、わたし、なんと『プリンセスプリキュア』に変身しちゃった!!「つよさ・やさしさ・美しさ」をかねそなえた真のプリンセスとなり世界を救うこと…それが『プリンセスプリキュア』の使命なんだって。夢のためにも、みんなを守るためにも悪いやつらに閉ざされた夢の扉はわたしが開いてみせる!!

声優・キャラクター
嶋村侑、浅野真澄、山村響、東山奈央、古城門志帆

シャベール大佐 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

夢VS絶望のプリキュア12作目

プリキュアシリーズ12作目。全50話。
「夢」が作品のテーマになっており、プリキュアたちが皆の夢を守るため、また自分自身が夢に向かって進むため、世界を絶望に染めようと企てる敵と戦う、といった正統派のストーリー。
4クールの長丁場なので、途中やや中弛みしているように感じるときもありましたが、終盤の展開はとても盛り上がり、最後も綺麗に纏まっていて、1年間観てきて良かったと満足できる作品でした。
キャラは、明るく元気いっぱいの主人公・春野はるか(キュアフローラ)、お嬢様で優等生タイプの生徒会長・海藤みなみ(キュアマーメイド)など、普通に好感が持てます。個人的にいちばん好きだったのは、スーパーモデルの母を持ち、自身もトップモデルを目指している天ノ川きらら(キュアトゥインクル)。さばさばした性格で、ややツンデレっぽいところもあり、とても魅力的なキャラでした。
作画は、通常の場面に関しては、いかにも普通の子供向けアニメといった絵柄で、特に綺麗というわけではないのですが、戦闘シーンの動きや見せ方はスピード感や迫力があって良かったです。また、プリキュアたちが歌って踊るEDのCG映像は非常に華やか、煌びやかで、素晴らしい出来でした。特に後半のED(第26話~)では、曲の途中のソロパートの担当キャラが週替わりになっていて、毎週楽しみに観ていました。とても完成度の高いEDなので、プリキュアに興味のない人でも、EDだけでも一度観て欲しいです。
音楽も、OP、EDともに作品の内容、雰囲気と完璧に合っていて、とても良かったです。子供向けアニメの主題歌というのはこうあるべし、というような文句なしの出来だったと思います。
夢があって、爽やかで、バトルは熱く、仲間や家族の絆は暖かい。そんな安心して楽しめるプリキュア作品でした。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 14
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

夢を追い求めることは理想の自分を追い求めることでもある

2015年2月~2016年1月放送のTVアニメ。プリキュアシリーズの12作目。
遅まきながら、録画をやっと全部視聴できました。
全キャラに描写の偏りもなく、設定や世界観もテーマに綺麗にリンクしていて最初から最後まで素晴らしかったです。

プリキュアのデザインも良かったですし、作画は不安定な時もありましたがいつも可愛らしく、大切な回にはしっかり力を入れていたので安心して見ていられました。欲を言えばイルカなどの動物がもう少しリアルなら良かったかも。
声優さんの演技もそれぞれ素晴らしかったです。クローズにベテランの真殿さんという配役は最後まで見てなるほどと思わされました。

途中からOPが2番に変わりますが、Aメロの歌詞に抵抗があったなあと…それなりに注目して見ていたのでちょっと気になりました。
まあストーリーには影響しない部分なのですが。

テーマは夢そのものではなくて夢を叶えること、理想の自分を追い求めること、そのためにどう行動するかということだったと思います。
子ども向けなので厳しい描かれ方ではないものの、長期的な目標を持ってそれを叶えるために今何をするかという描写が多く、その点は結構現実感がありました。
夢を叶えて終わりではないところも好印象でした。

【4人の夢への向き合い方】{netabare}
きららは夢(目標)がはっきりしていて、時には避けられない失敗をどうフォローするか、そして一つの夢を叶えたら次はどんな夢を描くか、という現実的かつプロ意識を感じる描写が一貫していて素晴らしかったです。

トワは自分の過去を払拭し、責任を自覚し自分の願いと真剣に向き合う姿が印象的でしたし、みなみは真剣な思いから夢が変わることもあるという描き方はリアルでしたし優しい展開で良かったと思います。

はるかには少し驚かされました。
プリンセスになりたいという夢は夢なのか?とは最初から思っていましたが、理想の自分になる、つまり「人間性の追求」だとは思いませんでした。
これは最も身近で最も難しい目標です。作中で語られた通り、命を終える時まで叶えられたかわからないものをフローラは追い求めることになります。
作中でもレッスンを続ける姿が最後までコンスタントに描かれ、辛いバトルを乗り越える描写も多く、精神的な成長にも説得力があり素晴らしかったと思います。


ちなみにプリンセス4人の中ではみなみが一番好きですね。
はるかに対する厳しさが優しさとして序盤と最終話に描かれたのが凄く好きで、「失敗しても良いから、思うとおりにやってみなさい」と言ってあげられるのは格好良いと思います。一人だけ年上っていう設定が効いてて素敵!自分の悩みが解決したら本来のみなみに戻りましたね。
変身シーンもヴィーナスや人魚姫などのモチーフの取り方も効果的で綺麗で一番好きです。マーメイドラインのドレスはこういう作品でメインで扱われることは少ないので地味に嬉しかったり。
{/netabare}

【男性キャラ】{netabare}
男性キャラクターの役割と活躍のさせ方は素晴らしかったです。

カナタは扱いの難しい立ち位置だったと思います。
戦える男性キャラは戦わないと「女の子に戦わせるなよ!」と思うし、戦えばプリキュアの活躍の妨げになるしで批判の対象になりやすいのですが、カナタはそういうストレスが一切ありませんでした。状況の変化にあわせて立ち位置を柔軟に変え、恋愛面でも最初からはるかのお相手役で一貫していてよく考えられていたと思います。
ラストで国王夫妻とトワの再会にはるかの隣で号泣してるのが和むと同時に、カナタ自身の苦労も偲ばれて良いですね。

クローズははるかに対して酷い事をし続けていましたが、倒して終わりというのはなんだか胸が痛いなと思っていて、最後どうなるかとひやひやしていましたが、良い落としどころが用意されていて感心させられました。
はるかが夢に向かう上で乗り越えるべき具体的なハードルを一身に背負いすぎw

あと、本作のMVPはある意味シャットじゃないですかねw
シャットというキャラクターのおかげで、美しさは内面から来るものと明示されたのは一番評価すべき点ではないかと思います。
衣装やキャラクターの美しさが必須となるこういう作品でそこを曖昧にすると、テーマが誤解されかねません。
コメディリリーフとしても、絶望の中から生まれて夢を追い求めるキャラクターとしても、テーマの一翼を担う存在としても存在感を維持していました。{/netabare}


【テーマについて】{netabare}
夢を叶える学園という無茶にも感じる設定が、ラストで自分の力で絶望の檻を壊すシーンで説得力になっているのは良かったと思います。ノーブル学園の先生と生徒は常に自分の夢と目標に向き合っていて、プリキュアを助けたいと願う流れも自然でした。
その代表としてゆいの立場や頑張りもしっかり描かれましたし、何度も絶望の檻に閉じ込められるうちにどんどん強くなっていって、最後の活躍ぶりは頼もしかったです。

そして絶望を消し去って終わるのではなく、夢と絶望を裏表としたことでより深い作品となったと感じます。
以前のプリンセスに会い、ディスダークとの決着を託されたのはこのエンドのためか!と唸らされました。
序盤でクローズを一度倒したことやその後の敵幹部の顛末を見ていて、敵の扱い方のバランスが悪いと感じていたのですが、ラストでそのモヤモヤが完全に払拭されました。良く考えられていると思います。
ラストのフローラの「ごきげんよう」は、“さようなら”ではなく“またお会いしましょう”なのですね。クローズを倒した時とは違い、笑顔でお辞儀するフローラはとても素敵でした。
{/netabare}

キャラクターのことばっかり書いている気がしますがw
テーマにキャラクター、ストーリーがしっかりリンクしている証拠だと思います。
色んな年代の人にお勧めできる名作です。(2016.8.4)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 12

TDD さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

プリキュア史上最高傑作

プリキュアファンの間では最高傑作がどれかというのは絶えず議論になりますが、私は比較的新しい作品ですが敢えて本作、Goプリンセスプリキュア(Goプリ、ゴープリ)を推したい


全プリキュアの中でトップクラスの完成度(物語、作画、キャラ、声優、音楽全ての安定感という意味で)

戦闘シーンの作画の良さ、躍動が頭一つも二つも抜けてる

序盤から中盤、終盤まで絶えず夢を目指すというテーマを貫き通した点も非常に素晴らしい

キャラもかなり可愛い目だし、成長ってのも後付けとか帳尻合わせじゃなく段階的に説得力をもって進んでいくから、いつの間にか心の底から応援してしまうwwww

辛い事と向き合い続け、それでも前を向き、理想を追い続け、笑顔を忘れない彼女達には毎回勇気づけられる

プリキュアとか見た事無い人はこれかスマイルから観て欲しい
絶対楽しめる

投稿 : 2024/11/09
♥ : 3

59.8 4 優等生で百合なアニメランキング4位
恋は双子で割り切れない(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★☆☆ 2.9 (81)
208人が棚に入れました
いつまでも、ただの幼なじみじゃ居られない── 初恋こじらせ系双子ラブコメ開幕! 白崎純と琉実・那織の神宮寺姉妹は小さいころから家族同然で育った幼なじみ。 見た目ボーイッシュで乙女思考な姉・琉実と、 外面カワイイ本性地雷なサブカルオタの妹・那織。 顔はそっくりだけど全く正反対な2人。 純はいつからか芽生えた恋心を抱えながらも、特定の関係を持つでもなく交流は続いていたのだけれど…… 「わたしと付き合ってみない? お試しみたいな感じでどう?」 琉実が発したこの一言が、3人をいびつな三角関係へと導いていく――
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

「純がかわいそう」 →「コイツ、ち●このもげた伊藤誠やんけ!!」

【レビューNo.145】(初回登録:2024/10/6)
ラノベ原作で2024年作品。全12話。
”ラブコメハンター”の私としては、「とりあえず観なきゃ!(使命感)」
というところでしたが・・・


(ストーリー)
幼き日、白崎純のお隣に神宮寺琉実・那織の双子の姉妹が引っ越してくる。
3人は意気投合して一緒に過ごすようになるが、やがてそれぞれが恋心を抱く
ようになる。
姉である琉実は中学3年時、妹である那織の気持ちを知りながら純に告白し、
付き合うことになったものの、その1年後突然別れを切り出すのだった。
それぞれが心に複雑な感情を抱えたまま、高校生となった3人の新たなる恋物
語が動きだす。


(評 価)
・予想外によかった第1話
 ぶっちゃけ「幼馴染×双子姉妹」ということで
 「どうせ冴えないオタク男子が、都合よくかわいいい双子姉妹に言い寄られ
  るいつものやつやろ」
 とあまり期待はしていなかったんですよね。

 そんな中での
 「間違いの多い生き方をしてきた」
 のモノローグから始まる、これまでの経緯を語る姉・琉実のAパート。
 そして
 「私は実に醜い人間であります」
 のモノローグから始まる、これまでの経緯を語る妹・那織のBパート。
 同じ日常風景でも、姉妹によって景色が異なる様が丁寧に描かれており、
 意外と面白いかもと思ったのですが・・・


・ストーリーありきのキャラ描写?!
 ところが1話の終わりで、付き合っている純に琉実が別れ話を切り出す辺り
 から雲行きが怪しくなってきます。
 {netabare}・妹の那織も純のことが好きなことを知っていたが、踏み出せないことを
  見抜いて先制攻撃を仕掛けた。
  (純の初恋相手は那織であることも気付いていた)
 ・それで付き合うことになった2人だが、”那織を出し抜いた”という罪悪感
  から1年で別れ話を切り出す。
  しかも今後は那織と付き合えとか?!
  いろいろと謎の「姉ムーブ」が発動w
 そして純も純で琉実に未練がありそうながらも那織に告白、それで今度は
 那織と付き合うことになるのだが、
 ・2人の心中は全て分かっていたと今度は那織から別れを切り出す。
  → 「3人の関係をリセットした上で再度やり直したい」というこちらも
    謎理論{/netabare}
 ストーリー上姉妹どちらかと上手くいくとそこで終わってしまうので、いろ
 いろ画策したくなるのは分かります。
 しかも別れ話をねじ込んだ方がインパクトがありますし。
 でもそのストーリーありきでキャラを動かしちゃってるんで、姉妹の言動に
 全く共感できないというか、「この茶番は何なんだ?!」という不快感しか
 湧いてこないんですよね。

 で、ここまでの流れをみると「純がかわいそう」って感じにもなりますが、
 そもそもこいつがしっかりしていないから2人が迷走するわけで、終盤の
 大事なところも
 {netabare}・純の友人・坂口が琉実に猛アプローチ
  → デート(?)までこぎつける
 ・坂口の本気度に焦った純はデート現場に駆けつけるも
  「琉実・那織もどちらも同じ位に好きだ。だからどちらかを選ぶことが
   できない。だけど必ず結論を出すから時間をくれないか?」
 え―――っ、人のデートに割り込んでおいて、問題先送りとかどういうこと
 やねん?!
 それを聞いた琉実も
 「ちゃんと考えてくれてるってわかっただけで、私は十分♡」
 って、お前もアタオカやろ!!
 こんな”茶番”で身を引かされる坂口もそりゃ絡みたくもなるわなw{/netabare}
 他のレビューでも書きましたが、こういうどっちつがずで問題先送りキャラ
 (おまけに性には奥手)って個人的には
 「ち●このもげた伊藤誠」
 にしか見えないんだよな~。

 そんな感じで3人の関係を簡単に決められない原作者都合でキャラを動かし
 てる印象が強く、3人の言動には違和感を覚えずにいられなかったですね。


・その他不快要素が・・・
 那織のオタクキャラを不快と感じるレビュアーさんも多いようですね。
 スポーツ好きでコミュ力の高い琉実への対極のキャラ付けでしょうが。
 (あと純とは同好の士というのも)
 私も会話の8割位がサブカルからの引用を絡めてくるので、正直イラっと
 きましたね。
 何かやり過ぎでクドさを感じるというか。
 そのくせ、結構人見知りだったのは内弁慶過ぎてツボでしたが。
 
 新キャラのモデルやってて頭のネジが緩そうな雨宮慈衣菜は、いろんな意味
 で浮いていて好きになれなかったですね。
 (CV:石原夏織さんから合っていなかったような)

 あと女バス部員は人の恋路にヅカヅカ踏みこんできたり、「私にだけ内緒な
 んて~」とか女子の友情ごっこが痛々しかったかな。
 そんな中浅野麗良は姉御肌で{netabare}「男は1回ヤるとそればっかになる」{/netabare}との金言
 ありがとうございましたw


最初からあまり期待していなかったですが、第1話で「おっ」と思ったものの
やはりそこまでだったかという感じでしたね。
「琉実・那織もどちらも同じ位に好きだ。だからどちらかを選ぶことができない。
 → ということでオープンな二股交際をさせて欲しい!!」
『かのかの』の主人公直也って「天才かよ!」と思ったのは私だけ?!
ある意味これが一番丸く収まる方法でしょう(笑)

作画は多少低予算感や怪しいところもありましたが、ヒロイン2人はかわいく
描かれていたので、よかったのでは。


OP『パラレルなハート/内田真礼』
ED『ハニーシトロン/神宮寺琉実(後本萌葉)&神宮寺那織(内田真礼)』
・どちらも作品にはマッチしていたんじゃないですかね。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 10
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

幼馴染が結ばれる困難性×双子分

主人公高校生男子と二卵性双生児の姉妹との三角関係などを描いた、
同名ライトノベル(未読)の連続アニメ化作品(全12話)

【物語 4.0点】
主人公が優柔不断なのは想定通り。
そもそも告白がゴールの定番恋愛シナリオをなぞらず、
主人公と姉・琉実のカップル解消を物語のスタートに持って来る時点で、
告白や決断という区切りのドラマに本作の焦点は無いと感じます。

むしろ皆、なんで決め切れないで悩んでいるのかが詳述されていて、
そこが興味深いと思えれば良シナリオ。


「ゼクシィ結婚トレンド調査 2020 首都圏」によると、
結婚した男女の内、幼馴染とゴールインした割合は僅か0.7%だと言う。
幼馴染じゃドキドキできない事などが一因なのだとか。

幼馴染には、確かに一般的な恋愛パターンを踏襲できない難しさがあるのかもしれません。
例えば、お互い知らない者同士だった男女が、憧れ(幻想)を抱き合い接近する。
互いを知る内にドンドン惹かれ合って、告白して結ばれて、めでたしめでたしというテンプレ。
始めから知り過ぎている幼馴染同士じゃ、中々こうはいかないのかもしれません。

本作の主人公・白崎 純と双子の神宮寺 琉実と那織姉妹に至っては、
幼馴染かつ、家もお隣で、昔から家族ぐるみの付き合い。
この親戚の従兄弟同然の至近距離から、恋愛関係にアップデートしようとしても、
心身はそう簡単に切り替えられない。
それにしても、白崎&神宮寺両家の父兄の皆さん。
純くんに、映画トークやミリオタネタばっかり振って恋愛進展には、まるで役に立ちませんw

優柔不断に酌量の余地がまだあったので、私はさほど苦も無く完走できましたし。
どこぞの某豊橋の“プロ幼馴染”でもないですが、
ラブコメにおける幼馴染の“マケイン”率の高さを突き詰めるとこういうことなのかも。
と勉強になりました?という感想が残りました。

本作はそこに、さらに双子の姉妹関係変容への恐れなどが加わり、こんがらがっていくわけですが。

道中、主人公の親友・森脇こと“教授”による、
欲望の赴くまま本能で決めちまえよとの喝だったり。
終盤、{netabare} 坂口から琉実への敗北覚悟の特攻だったり。{/netabare}
とっとと好きと言って決めてしまえばいいじゃん?という方方からの圧力。

決め切れない状況にイライラする視聴者へのガス抜きとも取れますが、
私はモヤモヤした三角関係に、明快に決め過ぎる事例をぶつけることで、
恋愛関係と簡単に割り切れない間柄だってあるんだという主張を浮き彫りにする演出と取りました。


【作画 3.0点】
アニメーション制作はROLL2が初元請け。

キャラデザの一貫性などは無難に保って完走できてましたし、
表情描写も、それなりに豊かで悪くはなかったのですが。

例えば、終盤10話、{netabare} 那織が文字通り裸一貫で純に特攻して来た、{/netabare}
心情表現の面でもエロ方面でも見せ場となるシーン。
私は何故か、ドキドキよりも、もっと画力があればなどと思ってしまったんですよね。

振り返ると、柔らかめのタッチや、全体にぼかした撮影、映像スタイル自体が、
私の好みに合わなかったのかもしれません。

ぼやけていたと言えば、作品タイトルロゴ。
トレンドの右肩上がりの手書き調のレタリングに、
ピンクのぼかし加工が施されているのですが。
この作品タイトルを、白地背景に置いたために、遠目に見ると、
年齢制限受けてモザイクでもかかってるのかって位、目立たないのが難点。

私は本作をサブスク視聴したのですが、
ある時、ガチで本作を探し出せなくて難儀した週がありましたw
これでは、検索画面からアニメ探している利用者には本作は見つけてもらえないのでは?と心配になります。


物語がモヤモヤを描くのは良いのですが、
映像やレタリングはクッキリハッキリでお願い致します。


【キャラ 4.0点】
主人公・白崎 純。
園児の頃から仲が良い双子に恋慕されるという爆発必至のポジションw

ただ純に関しては、モテる理由は一応あったかなとも思います。
特に序盤、小学校時代に、クラスで浮いていた那織がトラブルに陥った際に、
女子同士の喧嘩仲裁に割って入った純くんには感心しました。
あんな女子の魔窟にスーッと入っていく勇気は俺にはありませんw

さらに純の情状を酌量すると、作中、純にはモノローグが一切なかったとの件。
視聴者は、純の心中を置かれた立場や仕草等から類推する他ない。
結果、純は、視聴者への弁明でもある、心の葛藤を独りごつシーンもないまま、
優柔不断などの罪への批判をまともに浴びることにw

ただ、これらの事情を鑑みても私は純くんの爆発を願うことに変わりはありませんがw
最終話の{netabare} 双子ビンタ被弾{/netabare} も当然だと思いましたし。
優柔不断の葛藤が興味深いことと、優柔不断が許されるかは、また別問題です。


モノローグを封じられた純の心中を吐露させたのは親友の“教授”森脇でしょう。

さらには双子の姉・琉実と同じバスケ部の親友で彼氏持ちの浅野 麗良の恋愛相談。
双子の妹・那織と、オタクな毒舌に応酬できる希少な眼鏡っ子“部長”亀嵩璃々須(かめだけりりす)との、知識の青春駄弁への浪費。
などなど本作は、三角関係の当事者間では語り辛い心情を、外部化できる親友ポジが充実していました。


中盤、登場した琉実の親友のギャル・雨宮 慈衣菜(しえな)
上記の、未知の女(ひと)に憧れてゴールインという常道に照らせば、
実は、いっそのこと、純が双子ではなく慈衣菜とくっつくのが、もつれた三角関係をスッキリ精算する最も合理的な方法かもと私は思ってみたり。
彼女、意外と料理もお上手いみたいですし。
が、恋は合理性じゃないでしょうし、
何よりそんなことしたら双子に後ろから刺されかねないでしょうがw


あとは終盤、{netabare} 部室よりも文芸オタクトークに対応できる強敵(とも)との出逢いを優先した、
遊戯部の部長・古間 怜人にある種の男気?を感じました。
あの部室争奪チェス、良い対局でした。{/netabare}


【声優 4.0点】
双子の姉・神宮寺琉実。
体育会系なのに、恋愛では奥手で、駆け引きでも相手の出方待ちの譲り合い。
でも妹に対しては世話を焼く姉でありたい。
そんな姉役にはメインヒロインは初めてとなる後本 萌葉さんを抜擢。
しっかり者でありたいんだけど、初々しさも混ざり合うフレッシュな演技。

一方で妹・神宮寺那織役には経験豊富な内田 真礼さんを起用。
主人公・白崎 純役の坂田 将吾さんと多彩なオタクトークで会話を弾ませ、
姉の焦燥を誘う。
運動したくない帰宅部のクセに、スタイルは“胸部格差”も含めて姉を脅かし。
恋愛でもグイグイ仕掛ける攻撃重視だが、心根は繊細で、
上手く行かないと葛藤するなど、しっかりと世話が焼ける妹。
複雑な役柄を、これまで数多の妹役も演じて来た引き出しの多さで好演し、
展開を引っ掻き回す妹ペースを作り出す。

新人と実力者が交錯するキャスティングが、個人的に一番のドキドキ要素でした。


【音楽 3.5点】
劇伴担当は、うたたね歌菜氏。
同クールの『マケイン』BGM同様、会話劇の下支えから、心情曲まで、
多彩なジャンルを組み込み対応するが、
こちらはバイオリンなど、より優雅な旋律、及び修羅場曲が多かった印象。

OP主題歌は神宮寺那織役の内田 真礼さんの「パラレルなハート」
明るい歌声に乗せて、乙女心の察知を要求する攻め重視のアップテンポナンバー。
那織に、真礼に翻弄されっぱなしの1クールでした。

ED主題歌は琉実(CV.後本 萌葉)&那織のデュエット曲「ハニーシトロン」
劇伴うたたね歌菜氏も編曲で参加し、
本編の引きに合わせて、アップテンポver.とバラードver.を使い分ける。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 10

大重 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

心情をしっとりと描けていていい感じ

作画が微妙だったのであまり期待していなかったのですが…。

内容は良いじゃないですか。
姉妹それぞれの心情をしっとり描いていていい感じでした。

ただ、姉側、ラストは意外な選択を。

姉は一体どうして…。
それを受けて妹はどうするか…。
という感じに、気になる始まりだったのは間違いありません。

これはできるだけ見たいですね。

全話感想
まあ評価としては変わらないですね。
双子の間で揺れ動く気持ち、理解はできます。
そういう点では良かったかと。

作画も微妙だし全体的に微妙なんですがそれは1話でわかっていたことなのでそれ以上の不満は無いです。

でもまあ、一点文句を言うなら…。
ナオリが何を言っているんだかわからねぇ…。
オタクとして濃すぎて、よくわからん。ダチュラって何。

まあ、仲間内のトークってのはああいうものですが、見ていて8割意味不明なのはきつかった。

そういう点でビジュアル的にはナオリなんですが、中身はたしかにルミだな、とはなりました。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 3
ページの先頭へ