伝奇で戦いなおすすめアニメランキング 13

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの伝奇で戦いな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月08日の時点で一番の伝奇で戦いなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

84.0 1 伝奇で戦いなアニメランキング1位
サマータイムレンダ(TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (614)
2065人が棚に入れました
「潮が死んだ―――。」幼馴染・小舟潮の訃報を聞いた網代慎平は、2年ぶりに故郷である和歌山市・日都ヶ島に帰ってきた。家族や友人との再会。滞りなく行われていく葬儀。しかし、親友・菱形窓は「潮の死には不審な点があり、他殺の可能性がある」と慎平に告げる。翌日、近隣の一家が突如として全員消えてしまう事件が発生。時を同じくして、慎平はある不吉な噂を耳にする。「自分にそっくりな“影”を見た者は死ぬ。影に殺される――!」さらに、潮の妹・澪が「お姉ちゃんが亡くなる3日前に影を見た」と言いだして......!?紀淡海峡に浮かぶ夏の小さな離島で、時をかけるSFサスペンスが、今幕を開ける――!
ネタバレ

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

本日からサブスク各種順次解禁!

昨日までディズニー独占配信でしたが
本日からほかのプラットホームでも
配信が解禁されています

原作は少年ジャンプのweb版ジャンプ+で連載していた漫画で
完結してすぐアニメ化の発表がありました

紙面の制約を受けないジャンプ+では
かなりたくさんの作品が連載されています
全体的なレベルは掲載作品を絞らなきゃいけない
ジャンプ本誌よりも低いと思いますが
その中の上澄みの部分だけを持ってくれば
本誌に負けないどころか
もしかしたら勝ってるんじゃないないの?
ってくらいにレベルが高いです

サマータイムレンダと同時にアニメ化された
SPY×FAMILY、阿波連さんははかれない
少し前にアニメになっていた彼方のアストラ
既にアニメ化が決定している地獄楽、怪獣8号
読み切りや短期連載で話題になった
ルックバック、タコピーの原罪などなど
そんな中で安定して高い評価を得ていたのがこの作品

作者の田中靖規はもともと
ジョジョの奇妙な冒険の荒木飛呂彦のアシスタント出身で
週刊少年ジャンプで「瞳のカトブレパス」や「鍵人」を連載していました
それぞれオカルト系能力バトルとファンタジー系のバトル漫画で
どちらの作品もあまり長生きはできなかったのですが
バトルシーンの迫力には定評がありました

・・・というところまで知っていれば
この作品がどういう作品なのか
作者がどういうものを描きたいのか
なんとなくわかってもらえると思います

ちょうどアニメが始まってすぐの頃
あにこれのチャットで原作に触れていない人たちと
この作品の話をする機会があって
序盤の2~3話まで見た人たちが
ミステリとかサスペンスみたいな方向を期待していて
ネタバレなしだとほとんど何も言えず困ってしまいました

原作を読まなくてもわかる情報として
田中靖規のそれまでの作風や経歴を話すのが正解だったのかな?
と今では思っていますw

アニメ組同様全く情報がない状態からだったのが
声優キャスティング
特にヒロイン姉妹の二人です

アニメ化が報じられた時の印象は
網代慎平:花江夏樹
また鬼滅便乗か・・・
小舟潮:永瀬アンナ
小舟澪:白砂沙帆
・・・誰?

人気絶頂の花江夏樹に主人公を任せて
ヒロインには売りたい新人を無理やりねじ込んだ
というようにしか見えなかったので
はっきり言って不安しかありませんでした

しかし、ふたを開けてみたら
このヒロイン二人がイメージにぴったりというか
登場シーンの時点でもう
ずっと昔からその子がその声で話しているのを聞いていたかのような
既視感(既聴感?)を覚えるくらいでした

よくまぁいい新人を見つけてきたなぁ
というくらいに思っていたのですが
放送後に実はそうではなかった
ということがトークイベントで判明しました

今回のサブスク解禁の宣伝のために
放送終了記念の無料イベントが開かれ
Twitter上での募集で定員280名に対し
3000名以上の応募があったようですが
無事選ばれたので行ってきました

倍率10倍以上のイベントに当選するなんて運がいい
と思う方もいるかもしれませんが
イベント概要に「抽選で」とはどこにも書いてありません
宣伝になりそうなアカウントを280名選出して招待しているんですね
抽選販売という方法だと恣意的な選別ができなくなるので
宣伝費と割り切って無料イベントを開催するわけです

実際この手の無銭イベントは
ここ数年一度も外れたことがありません
ある程度(数百人で十分)フォロワーがいて
定期的にアニメ関連のツイートをしてれば
高確率で選ばれると思われます

ちなみにこれが私があにこれよりも
Twitterでの活動を重視するようになった
理由の一つでもあります

トークの内容はほぼネタバレなので
視聴後に読むことをお勧めします
{netabare}
それぞれのキャラクターの名シーンを
キャスト・スタッフ・原作者にアンケートを取って
その中から一つずつ劇場スクリーンに流して
トークしていくという企画でした

網代慎平{netabare}

選ばれたのは体育館での演説シーン

花江夏樹:長回しのとこは大体何度も撮り直してる
このシーンは2〜3ページずっと自分のセリフで
台本一回開いたあと心が折れかけて
そのあと2〜3日開けませんでした

渡辺歩監督:それまで人付き合いが苦手だった慎平が
覚悟を決めてみんなと向き合う大事なシーンだと思う
尺をカットすることもできたが花江さんに頑張ってもらうことにした

花江:方言で演技をするのが難しくて
かなり苦戦しました

小泉紀介音響監督:ここは花江くんに
リアル慎平になってもらった
少し時間ずらして
方言のセリフガイドを耳から聞きながらやってる
花江君には2秒先が見えてる
そんなやり方聞いたことない

花江:絶対その方がやりやすいって人もいると思います
次から方言は最初からそれを用意してあげてください
外画の吹き替えなんかに近いイメージです

さらに会場にはいらっしゃらなかった
原作者のコメントとして
「慎平は本来リーダーシップをとれるような性格ではないので
ここはあんまり綺麗なセリフになりすぎないよう
一発書きであえて整えずそのままにした
慎平には思いついたことをそのまま話すことしかできなかった
だから演技も整いすぎていてはダメだと思っていたのが
花江君が覚醒して本当に慎平がそこで喋っているようだった」
というようなものが読み上げられました

原作もアニメも一番盛り上がったのは
ほぼやられる一方だった慎平たちが
背水の陣で真正面から戦う
体育館での総力戦だと思っているので
そこに繋がるこのシーン
とても重要で印象深いシーンでしたね{/netabare}

小舟潮{netabare}

永瀬アンナ:(登壇してすぐ)こういうのは
中学校の合唱コンクール以来なので
すごい緊張してます

選ばれたのは三話の特殊エンディング

脇目も振らず走ってく慎平
cadodeの音楽
遠くで上がる花火

永瀬:エンディングの入り方が神
澪の隣りを駆けてく慎平で
澪せつな・・・って

白洲沙帆:振り返ってくれてもよくないですか・・・

渡辺:ここのシーンには元々力を入れるつもりで
発注するときに原作わたしてここのイメージでって
cadodeに曲を作ってもらった
そしたら思ったより凄いのがきちゃって
アニメが曲に負けないように必死だった
でもこうやってスクリーンで見ると・・・
いいんですけど、もう少し細かくしないと
劇場版としては作り直さないとだめだね

3話のラストは本当によかったというか
あのシーンを見るまでは
原作ファンとして不安な部分も多かったのが
ああこのスタッフはきっと大丈夫だな
って思えるワンシーンでした

さらに追加で流れたシーンが
23話の慎平の告白と
最終回の再会シーン

永瀬:(23話のシーンは)花江さんが潮だけを見てくれて・・・
最初の頃は潮がリードすることが多かったけど
最後はこうやって慎平がひっぱってくれてうれしい
第8話のモノローグとかでも
花江さんに好きって言ってもらえてうれしかった
最後のシーンも何パターンも取り直したので
何回も何回も色んな形で好きって言ってもらえて
ありがとうございますってかんじで・・・

花江:慎平が潮を好きって話だからね!
僕には妻がいるからね!
監督や田中先生と相談しながら
慎平の心情を想像しながら
色々なパターンをやりましたね

白洲:(25話について)同じ収録日で
アンナちゃんと二人だけだったので
ラストのおかえりを録るのを一緒に聞いてた
生で聞いた瞬間それまでのことが
脳裏にふぁーっと蘇ってきて
あ、これだー!って思ったら
ブースの中で大人の人たちも
ガッツポーズして大喜びしてた

永瀬:最終回のおかえりは100回以上やった
最後はだいぶ疲れてたけど
逆にそれがはまったみたいで
スタッフの皆さんがうんうんってうなずいてた

小泉:キャスト陣がやればやるほどどんどん良くなっていくので
もっとやればもっといいものが出るんじゃないか
って欲が出ちゃう

渡辺:正直な話すると
アフレコ終わりたくなかったってのもあった
これが終わったら永瀬さんは潮を卒業しちゃうと思うと
そのままずっとスタジオに閉じ込めておきたかった

ラストに後期EDを流すところに関しては
それまでずっとあの失恋ソングは澪を歌った曲だと思ってたので
いまいちしっくりこなかったんですよねぇ・・・

しかし、新人にしてはよくやってると思ったヒロイン姉妹ですが
ものすごいスパルタで納得のいくものが出てくるまで
ひたすら録り続けてひねり出したんですね・・・
怖い現場だ{/netabare}

小舟澪{netabare}

流されたシーンは窓の再度の告白を断り
慎平に告白して振られるところ

河瀬茉希:ここは失恋ブラザーズ(朱鷺子、窓、澪)で録った

小野賢章:矢印が→なのよ・・・
(当日の席順、朱鷺子、窓、澪、慎平、潮)

白洲:花江さんとご一緒できなくて
まだ声が入ってないところに
一人で告白シーンを入れなきゃいけなかった
うまくできなくてかなり回数付き合ってもらったとき
二人がめちゃくちゃ優しくて
「今の良かったけどなぁ」
「私は好きだけどなぁ」
って後ろで声かけてくれた

河瀬:あ、ディレクションに文句付けてたわけじゃないですからねw

白洲:あとで花江さんの声が入った完成版みて
もう一回画面越しに
澪と一緒に自分も振られたような気がして
悲しくなって泣いた

花江:俺はどちらかというと澪派だからね

一同騒然

永瀬:…
(目が据わってる)

花江:潮はもちろん大前提としてね・・・
ほら、どっちもかわいいよね

原作者メッセージで
「澪と影澪をうまく演じ分けてくださったので
キャラクターの人間性がいろんな角度から見えて
真に迫るものになりました」
というものが読まれて

白洲:澪と影澪の掛け合いは
一番苦戦したところで
遅くまで付き合ってもらって・・・
どうでしたか?

小泉:放送できたんだから
良かったんだと思いますよ

澪は一人二役というか
影澪も前半と後半で大きく変わるので
実質一人三役くらいの重さはあるので
新人に振るのは酷な役だったように思いますね{/netabare}

南方ひずる{netabare}

選ばれたシーンは
最期のシーン

小西克幸:ここは方言がないから
お芝居に集中できるって喜んでましたよね?

日笠陽子:シーッw
第一話の時にひずるは島に忘れ物をして
子供のまんまでいるキャラって言われて
そのひずるが命を使い切るまでに
どれだけ成長したかを表現したかった
あとバトルものをやるときによく
(小泉)紀介さんと話し合っているのが
自分のキャラが今どこに傷を受けていて
それでそういう発声になるのかで
今回のひずるのときもよく話し合ってましたよね

小泉:・・・多分

日笠:なんでわすれてるのー!?
最初の方は喉つぶされて
かひゅかひゅ言ってたり
最期の方は腹をやられて
もう力が入らないとか

渡辺:おっしゃる通り
全身全霊の演技で
本当に死ぬんじゃないかってくらいw
登場したての頃から傷だらけのことが多くて
一番入りが難しいキャラクターだった
龍之介の演技を最初に聞いたときは
小泉さんと二人で椅子から転げ落ちそうになった

日笠:龍之介も私が先に演じなくちゃいけなくて
その時の監督の説明が面白くて
「中二病なんですよ、中二病で慎平にマウント取ってるんですよ」
その監督の独特のセンスで
それでいて真理をついているのがすごいと思う

渡辺:その二面性とあと作家っていう職業の持つ客観性
だから感情を出さないようにってお願いしてました

花江:日笠さんは方言でNGが出たとき
納得がいくまで自己リテイクするのがすごいと思った

日笠:そうだっけ?

花江:監督がもうOKって言ってるのに
今日はもうてっぺんまで行きましょうみたいな

小泉:言ってた

日笠:方言を意識しすぎて
芝居になってないのが自分でわかる
だからできなすぎて自分に切れてた

花江:イントネーションで芝居をしたいのに
方言のせいでそこで芝居ができなくて
どうしたらいいかわからなくなる

日笠:花江君も苦労してたよね
一度花江くんがどういう風に予習してきてるのか知りたくて
台本見せてもらったんだけど
私のと全然違った
花江くんは標準語のとこにマーカー引いて
上がり下がりとかが書き込まれてて
なんか音符みたいだった

花江:アクセント辞典の記号の振り方を参考にしてる
日笠さんの台本はふざけてた

日笠:ふざけてないよw

小泉:顔とか書いてあった

日笠:あ、顔は書いてある

花江:あとは似たようなイントネーションの
別の言葉とかがごちゃごちゃっと書いてあって
逆に普通は無理だしすごいとおもった

日笠:人それぞれってことだよね

他の現場では若手を引っ張っていく役回りの
日本を代表する売れっ子声優のこのふたりが
苦しいって弱音を吐く現場って…
日ごろから舞台挨拶なんかを回ってる身からすると
ちょっと考えられないくらいヤバイ現場だったようです
新人二人にも相当ハードな現場だったはずですが
ヒロイン二人は場数が少なすぎて
現場がやばいのか自分の経験値が足りないのか
あんまり判断ついてないんだろうなぁw{/netabare}

菱形窓{netabare}

ハイライトシーンが
どれも前半のギャグシーンばかり

(その中でも合言葉決めで
山に対してメソポタミア文明と返すシーンを見て)
花江:この前ゲームしてるときに
山って言ったら普通に川って帰ってきた

小野:突然・・・ほんとに突然
山!っていわれて
え?…か、かわ?
ってかえしたら
そこはメソポタミア文明だろ!ってw
あと、ゲームといえば一緒にゲームするとき
台本チェック終わらせてからやるんだけど
分量も違うから僕が先に終わって
花江くんがゲームはしないんだけど
ちょっとゲームしてるの聞きながらやりたい
みたいに言って入ってきて
ミュートにしてチェック頑張ってたりするんだけど
時々そのミュートがはずれてて
あぁ・・・わかんねぇよ・・・
って悲痛な叫びが聞こえてきてた

花江:いや終わらないんですよ・・・
しかも月曜収録だったんで
前日の日曜日が半日台本チェックてつぶれて
どこにも遊びに行けないし
それが本当にきつかった

このふたりプライベートですごい仲いいのが伝わってきますw{/netabare}

菱形朱鷺子{netabare}

11話で朱鷺子が影に協力していたのを明かすシーンと
15話学校のバトルで影澪相手にロズとギルをけしかけるシーン

河瀬:一話の時に一人ずつ方言にダメ出しされて
自分は飛ばされたから
私は完璧か・・・と思ったら最後に
河瀬さんは訂正ってレベルじゃないので
別室でお願いしますって言われて絶望した

アンケートで11話のシーンを上げてたのは
兄役の小野賢章だったという話が上がって

小野:それまではおしとやかというか
物静かな印象だったんだけど
窓は割といつもばーっと言う方なのが
この時はテストのときからばーーーって倍返しされて
窓がはっとするんだけど
リアルに僕もうわってなって
この人は怒らせたらいけないなって思った

河瀬:そんなことないですよw
このセリフはオーディションのときからあって
いよいよこの回が来たかって感じだったんですけど
ほかのみんなはこの三日間戦ってるだけでも
朱鷺子はひとり10年以上秘密を抱えてきてて
そんななかで浮ついたお兄ちゃんの告白を見たりして
どんな感情が胸の内にあったのかなって考えたときに
怒りというよりも悲しみなんかが乗ったセリフだと思う
それでテストでバーンっといってドヤッてしてたら
「ハイ本番はもっと行きましょう」って言われて
本番よしもっとやってやるぞ!ってなったら
「ハイ方言が違います」って言われて
うわー--ってなった

一方15話を上げたのは花江

花江:原作読んでて爆笑しちゃったんだけど
赤ん坊のネーミングセンスとか台詞回しとか
ちょっと厨二病入ってて
自分の思春期を思い出して
そういうのにあこがれた時期があったなぁとw

朱鷺子も序盤と中盤以降とで
大きく印象が変わるキャラクターですね
河瀬さんはその落差を見事に演じられてました{/netabare}

雁切真砂人{netabare}

流れたシーンは
慎平に問い詰められて正体がばらすところから
EDに入って役者名のモザイクが消えていくところまで

最初はシデはクールな感じにして
真砂人とは演技を変えていこうと思った
そうしないとばれちゃうかなと思って
でも監督から
「加工するから大丈夫だよ
真砂人と同じ感じでやって」
って言われて
そのあと少ししてダビング終わったっていうから
どんな感じになりました?って聞いたら
「いやぁいくら加工しても小西君が消えなくってさ・・・」
って言われて小泉さんも
「すごく困りました・・・」
って
まぁでもこのシーンあたりからは
隠す必要もなくなって
楽しくやろうと思って振り切って
どんだけ嫌われられるか?ってテーマでやってました

小泉:このシーンのところは
現場の雰囲気作りが尋常じゃなくて
ブースで二人とも全く話してなかったですよね

花江・小西:うーん・・・どうだったかな?

永瀬:はい、話してないです

小泉:そのくらい緊張感がすごくて
リテイクでブースに入っていっても
うわこれ喋れねえって

小西:それぞれ自分の役のチェックに集中してただけだと思うよ

永瀬:新人に優しく無い現場でした
すごく怖かったです

小西:体を動かしてるバトルじゃないけど
言葉だけで戦ってるのがどうやったら表現できるか
ってのをずっと考えてた

花江:慎平の中ではもう最初から答えは出てたんだけど
それを悟られないようにしつつ
少しづつ表に出していくのが難しかった

キャストのモザイク取れる演出に関して

小西:こういうの見たここ無かったから
粋だなかっこいいなって思いました

監督:あれは最初普通にモザイクなしに変わってるだけだった
V編のときにスタッフが
せっかくずっとモザイクだったんだからって
取れていく演出をつくってれた

小西:あれ素晴らしかったですよ
おー!ってなりました

監督:私もおー!ってなりました

監督まるで他人事w
あそこの演出はほんのちょっとしたところなんですけど
印象深いシーンになってました

小西さんの演技は
前半ものすごい強敵オーラだったのが
終盤はすごい小物臭になってましたが
まぁ原作通りではありますねw{/netabare}

こんな感じでいろいろ収穫の大きいイベントでした
欲を言えばハイネ役の久野ちゃんにも参加してほしかった・・・
久野ちゃんは毎話ごとにTwitterで
その話数のアフレコエピソード等話してくれてたんですが
こういうイベントの会話の中で
ほかのキャラについての話なんかも
聞いてみたかったですね
{/netabare}

序盤からいろいろと仕込んだ伏線を鮮やかに回収していくストーリー
絶望的なまでに圧倒的な敵陣営との手に汗握る攻防
徹底的に妥協を許さないキャストへの演技指導により実現した
原作イメージそのままのキャラクターたち
作画も最後までハイクオリティでした

原作自体が終盤伏線回収が終わったあたりで
本来最後の山場を作らなきゃいけないところで
手札が尽きて失速した感があったので
瑕疵があるとしたらそのあたりでしょうか?

それを差し置いてもとてもよくできたアニメーションで
原作ファンとしてこれ以上ないアニメ化だったと思います

投稿 : 2024/11/02
♥ : 16
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

最終話 視聴の仕方を間違えた気がします。追記 あれ?Dアニに???

 HDD録画が出来ない環境なのでTVerで視聴。1週間しか見られないのでちょっと細かくメモを入れます。あの配信サイトなのでウーン、という感じです。2クールと教えていただいたので、もう1つ独占があるので、6月と9月(7月と10月?)だけ加入かなあ。

 なお、アニメの作品として非常にレベルが高い作画ですが、少年ジャンプということでSF的な深さはそこそこの気がします。構造は非常にテンプレですし。この私の偏見を裏切って欲しいところです。

1話 複製人間の正体は?

視聴メモ
{netabare} レンダの意味がRENDERなのかレンダリングなのか。レンダーなら与える報いる返す。元の意味は形作るという意味です。レンダリングなら3DCGを画面処理するプロセスで良く聞きますね。数字データを画像化すること、でしょうか。

 冒頭のシーン スマホの時刻11;07 Sunday July 22 そして葬儀に帰って来たというセリフの時の日時が7月22日

 通常の視覚から金髪の娘に何かされるとノイズが入りました。手を当てられた前後でVR世界に入る、時間か空間が入れ替わっているなどが起っているのでしょうか。夢から目ざめますので、不連続な何かを感じます。
 プレゼントとは画面の感じから言ってオッドアイですから目の事?なんでしょうねえ。何かを見る力なのか。

 知っている人が知っている人ではない感じですから、人の入れ替わりものでしょうね。寄生獣みたいなものを連想します。

 OPの感じ…巴紋が出ますので神社が関係する。3つ巴なので3人同じ人がいるということ?影とか再生という文字もありました。人のコピーとか再生みたいな絵だったので、やはりそれを裏付けます。2周目3周目という文字とタイムテーブルがあるので、これが謎解きと関係するんでしょうね。

OP文字>>
 〇ルコ様、雁切真砂人、学校4年、島の…成り立ち、天沼矛、天沼、…呂島、紙垂彦、那由他、ハイネ、千代、正子
6;00 品川 新幹線乗る→8;36新大阪着 10;05和歌山着 南海…13;00

7月22日(日)は2周目?11;25、11;18 …フェリーで失礼…
1周目が7月21日?
漁、…ヶ島沖…、木材、…炭…、…漁師
影 ピカー、コピーA
影、コピーA、人間A 右上に首を絞めて殺しているような絵

1945(終戦時?)、髪、和歌山

21;00 南雲先生 境内へ 3周目 ループ 4周目へ

 主人公が銃で自殺するようなシーン。ループを確かめるために何かするんでしょうね。

 主人公 10年前に両親を亡くしコフネ家に引き取られる。
 ウシオの死体はちゃんとある。子供の頃の写真。島を出る日にカレーを食べたがる。葬式が神道。三巴紋だがちょっと違う?ウシオは潮。

 しおりちゃんは目の表現から言ってこの時点で偽物?

 あのおっぱいのお姉さんは何かの組織感がすごいですね。ミオちゃんがいきなり2人ですか。

 この時点で偽物っぽいミオとテンガロンハットの警官(駐在さん)が合う。ああ他殺ですねえ。吉川線というのは自分でつけた引っかき傷なので、誰かに首絞められた跡もある?シオリちゃん溺れる助けに飛び込む。
 貝殻のネックレスは何か個人を特定するギミックになりそう。ミオは殺した奴とはっきり言う。

 7月23日 主人公の偽物もいるみたいだし、行方不明に警官のチッですね。ミオの偽物にやられた?もう入れ替わりが随分進んでいるんでしょう。小早川家全員消えた。借金。しおりちゃんそっくりな女の子、見られている気がする。

 影の病。ヒルコ様…が影への対抗?矛が関係する?神社が対抗手段?
 お姉ちゃんの偽物。で、画面にノイズのようなものがあるので光学的な何かが仕掛けということ?

 やっぱり神社でましたね。そしておっぱいのお姉さんが…最後の演出からいってタイムリープかVRということでしょうか。冒頭のプレゼントの意味ですね。ウシオからもらった能力?あの迷路状の文様が何を意味するか。古代なのか迷い路なのか。{/netabare}

 仕掛けそのものはテンプレですけど、SFでそれを言ってはお終いです。論理性で見せるか、驚きポイントを作るのか。組み合わせでセンスオブワンダーとなるのか。楽しみな1作です。


2話 影 メモ

{netabare} 記憶は残る。スマホは同じく22日11:18。後ろ姿の男の作画はちょっと気になる…けど考えすぎな気も。

沼男 南雲竜之介 画面の文書を読む限り扼殺された男の小説らしい。絞殺と扼殺云々という文章からウシオにつながる?作中は2週間遡って7月10日なので7月24日の話?「鷺森」「親水」公園。電車の作画があるので、やはりタイムテーブルもの?
 これをわざわざ作画したということは何か関係がある?

OPはざっと見ると先週と変わらず。

 ミオちゃん突っ込んでくるのは一緒。ブレーキ切れてる。(先週の作画見たいけど…)、同じことの繰り返し。目の奥がチカチカする。ミオが警官を?つまり他人でも影は他人でも殺してOKのルールらしい。
 カレー喰ってるのが7時50分くらい。ストロボ状態のモノは…なるほど警官の姿形を移す手続きらしい。つまり光学的な処理ということ。
 消去したあとにあとが残る?記憶もコピーできる。思っていたより単純なルールだけど、タイムリープの主体は関係ない?俯瞰…タイムリープ。やっぱりウシオに何か能力を貰った?ソウからの電話でばれる。
 タイムリープのポイントが船内ではなく港到着時になる。

 刺された記憶と意識が残る。いや、あの自転車事故は大けがだろう。死なないの分かっているのに…

 眼鏡のお姉さんの通信。13:02 新大阪 取材0720は日付?
警官に働きかけ。嘘の通報。録画。
眼の色が違うことにここで気が付く。
キャミとタオルの色も位置も一緒の気がする。ただ、この作画が丁寧だしなんども見せるのはなぜ?
 録画は成功。影の話はミオから聞いたけど、「影の病」って1回目でもうちょっと後に爺さんに教えてもらったのでは?

 結果として小説の中身と、洗濯機の上のキャミソールが気になりました。{/netabare}

3話 忌中に夏祭り?大丈夫か?思ったより浅い??

{netabare}23日の8:10にコバマート 影で消される 床を殴った跡 シオリの後ろに大きな影。
俺は影の病に感染した?ストロボ状の光をあびると??影の病の定義は???影の人格というか性格とコピーであることは関係ないということ??
トツムラはもとのまま。
ウシオのスマホ…預かる。
明日(11月24日)夏祭り
ソウ 合言葉 山 メソポタミア文明 
ポスターなおしたのはなぜ?演出?
ミオからシンペイにネックレス渡す。

11月24日 ソウ、トキコ、ミオ、シンスケで夏祭り
調べたい事…忘れてくれ?

 なお、まだ死んで間もないのに、夏祭りで霊が戻ってくるみたいな話はないと思うけど。そもそも喪中…というか49日前の忌中で祭りに出ていいのか?というか親しい幼馴染とか姉とか死んだのに綿あめ喰って笑ってるのってどうなの???そういえば定食屋もやっているし…

 恋愛にしても、そもそもウシオとの関係どうなのよ?人の心理描写が不自然というか甘すぎる?

 パズルだけなんでしょうか?考察するのに値するんですよね? {/netabare}


4話 やっぱりウシオは死んでいたんですね。

 忌中云々の問題がありますがそれをさておいて、ウシオが死んで葬式をやって直ぐに祭りに出て告白するでしょうか。特に若い身内の事故死ですから、普通は喪失感で立ち上がれないと思うんですけど。

 それとパズルが複雑なのはいいんですけど、終盤に新しい設定が明らかになって設定で解決、にはならないですよね?進撃の〇人みたいに。
 新事実ならまあ許せますけど、新しい設定を後半に付け加えないでいただきたい。シラケますので。ちゃんと伏線を見せておくように、それだけはお願いします。

メモ

{netabare}  で、影の他に複製がいる、ということですよね。それがOPの文字でしょうか。影とコピー、オリジナル含めて3人いるということでしょう。そしてタイムリープ(ループ)。
 生きているウシオが何なのか、というのがパズルでしたね。貝殻のネックレスと記憶。

  このあたりはOP映像からいって隠す気はないみたいですね。問題は1話冒頭のシーンになりそうですね。あれはいつ、どこで、なんのウシオなのか。

 影はデジタルノイズのようなエフェクトが入ります。そしてウシオの影は以前には存在したのは振り返りの場面でありました。
 今登場しているウシオは影ではないのは確定です。
 
 オリジナルかコピーということですね。1話冒頭のセリフの記憶がありません。ウシオの登場の仕方からいってどうもオリジナルの雰囲気ですが、ただ、時間軸的に水着のまま何日か飛んでますので保護されていたか、やはりコピーじゃないと辻褄があいません。新しい後付け設定が出てこない限りコピーと思っていたほうがいいでしょう。
 1話冒頭は、本来存在してはいけないコピーが海に帰る場面でしょうか。つまり海でコピーは作られるという感じですね。コピーウシオが自分の真実に気が付いてシンスケに何かを教えて飛び込んで海に帰っていった?つまり最後の方までたどり着いた時間軸が以前あったということの気がします。

お母さんという敵ですが、神社は敵(影)なのか味方(コピー)なのか。

 小説の南雲龍之介という小説家の名前が出てくるのが2回目です。絞殺と扼殺云々という文章が何か関連するんだと思いますが、もちろんウシオの死因でしょうねえ。どうつながるんでしょうか。 {/netabare}


5話 ひぐらしの鳴く頃にのリメイク?マルチエンディングは難しいですが。

{netabare}  南雲龍之介はそうきましたか。これは驚きました。性別と名前を捩じりましたか。そしてあの赤い光の「母」までなら設定として許容しましょう。目の秘密がありますからね。

 でも、あとはキャラとしてあの老人と医者が何者か、南雲の姉とは。そしてウシオの影…あるいはコピーがどういう存在か、ですね。
 設定では神社の設定ですね。何より影の設定の説明にまだまだ何か追加されるか、どうか。

 これから設定がまだ小出しになるんでしょうか。2クールだとしてもキャラと設定過多になりそうです。もし謎解きものならそろそろ謎の考察に集中させてほしいかなあ。

 これ以上キャラと設定を重ねられると飽きてきます。考察の意味がなくなりますので。まあまだ5話なのでいいですけど、影の力を早めに見せられてしまったので、神秘性とかドキドキ感がここで一気に減ります。正直思ってたよりも謎の深さが足りない感じがしてきました。

 ですので、ここからの展開が勝負でしょう。どこに面白さが見いだせるか。

「ひぐらしのなく頃に」を思い出しますね。ディテールは違ってもマインドは似ています。本作はひぐらしに非常に影響を受けている気がします。あれもキャラが小出しで出てきますが、ゲームのマルチエンディングをアニメ化できた非常に秀逸な例です。あれは「ヒトコワ(人怖)」でしたし、敵の正体が最後まで見えなかったのが良かったので、影を先に見せた場合はどうなるんでしょうか。

 次回は軌道共鳴ですか。タイムループする間に事象が干渉して新しい何かが起きる的なことなんでしょうね。それがウシオのコピー?分かりませんけど。 {/netabare}

追記 あーなるほど、舞台と雰囲気、設定はひぐらしのなく頃に、話はシュタインズゲートという感じでしょうか。もちろん本筋となる謎に意外性があればいいですけど、意外性は奇抜さではないです。ウシオが世界線を動かす感じ?SFの類似性は否定しませんし、有りだと思いますが、仕掛けにセンスオブワンダーがあるか、ですね。今のところちょっと心配になってきました。


6話 影のボスが出た後なので、何に注目すればいい?巨乳の主張は何のため?。

{netabare}  一旦影のボス的なのが出てきているので謎の持ち方がどこにあるのか。あのボスを出さないようにするのがゴールイメージ?となるとやっぱりひぐらしかなあ、という感じです。

 小説家の南方…ひづると言ってましたね。過去龍之介という人物に何かあったようですが。
 そして吉川線の定義は誤解がないみたいですけど、索状痕等が無いのに吉川線だけつくんですかね?司法解剖してないなら怪しいのは医者一択じゃんと思ってたらやっぱり怪しそう…にみせて実は…って感じでしょうか。この辺ちょっと気になります。

 あとヘラヘラ笑っている神主。ああいうキャラは闇墜ちが定番ですから多分…だと思いますけどどうでしょう。

 それにしても南雲先生の巨乳が気になります。なんであの服?巨乳を誇ってる?でそして逆さまになるのは影対策?そして最後の推論が牽強付会じゃないことを願います。来週この辺りの謎解きで本作の方向性が見えてくるんでしょうか。 {/netabare}


7話 視聴は継続します。が、シュタゲとかひぐらしと一緒で考えてもしょうがないですね。本作のレビューは…休みます。

{netabare} 基本的に考察の組み立てではなさそうですね。タイムテーブルとか人の動きや出来事を組み合わせて、回避策を考えて解くみたいな展開になったら見る気もするんですけど…この辺やっぱりシュタゲ+ひぐらしですね。
 頭使わないでミステリーホラーの雰囲気を大人しく見ているほうが良さそうな気がしてきました。{/netabare}


9話 ウシオに注目すると面白い話になりそう。

 レビュー休むといいましたが、ちょっとだけ。9話に至るまでウシオが取って付けたような感じで「キャラ」ではなく「設定」にしか見えませんでした。が、この9話でウシオに焦点が当たり出しました。これが良かったです。ウシオの内面が描かれる構成になると物語的に悲しい話になる心配はありますけど、面白そうですね。2クールかあ…感情移入しすぎると最後は泣くかなあ。

 影のボスの能力は示唆されていましたので、これは展開に期待がもてそうです。 



10話 古事記の国造りかあ…妄想したくなるなあ。刑事の不自然なフェードアウトはなに?

{netabare} TVerで視聴中、刑事が警察手帳だしたあと非常に不自然なフェードアウトがありましたが、あれは何?セリフをぶった切った?


 10話で仕掛けが明示されましね。古事記かあ。OPに矛(ほこ)みたいな絵がありました。ヒルコ様ってイザナギイザナミの子供でヒルみたいな恰好だったらしいですね。ヒルコ様=蛭子様ですね。これって日都ケ島が、古事記の国造りのオノゴロ島と関係があるっていうか明示ですね。もうここまで露骨に見せると。

 また、神さまはいろいろくっついたりしますので、エビス様ってヒルコ様と同じってことになってます。オオクニヌシ=大黒様の子供と言うことで、この辺、古事記との関係は民間で流布されているうちに、一緒になってますけど。

 つまり、日都ケ島は古事記の国造りのオノゴロ島のことで、影の親玉=ヒルコ様なのか、ヒルコ様をコピーしたのが影の親玉なのか、影の親玉と対立するのがヒルコ様なのかわかりませんが、舞台の仕掛けとして日本の国造り神話がモチーフということですね。

 これは1話とOP見たら読めたなあ…うまく煙に巻かれました。なかなか面白いストーリ-展開です。


ここから先は妄想です。
 日都ですから、ヒトですね。ヒトの歴史の始まりまで話が行くのか、ヒトガシマはなんとなく鬼が島の対比みたいに見えます。瀬戸内海は桃太郎伝説です。最近だと香川県の島だと言われてますが、以前は岡山でした。当然和歌山にも桃太郎の話はあります。串本でしたっけ?

 ヒンズーの神である恵比須様、古事記のヒルコ様とオノゴロ島、そして考えすぎかもしれませんが、ヒトヶ島と対立する桃太郎の鬼が島?{/netabare}


20話 思っていたよりスケールが小さいし、タイムリープと設定でいろいろ見せられているだけだなあ。

{netabare} 結局タイムリープ…タイムループと設定で、あとはパズル…それも事柄を見せられているだけですし。

 作画とスク水ヒロインが出ずっぱりなのは、すごいとは思います。冒頭数話の期待感も大したものです。ただなあ、話のスケールがこじんまりしていて300年前とか言われてもなあ…宇宙隕石かあ…

 南雲先生の小説というのもあんまり生きてこないし、人間ドラマにテーマ性があるわけでもないし。歴史ミステリーでもなかったし。想像したより頭使わない系で、そうですね、12話くらいから飽きてきて後は惰性でした。

 一応最終回は確認しますけど、想像よりも5分の1くらいの面白さでした。やっぱりストーリー系って、期が終わってからレビューした方がいいのかもしれません。本作は徒労感が…{/netabare}



最終話 20話以降はまとめて見ました。本作の視聴の仕方を間違えた気がします。

 本作の見方は、人物がどう動くか、を見てワクワクするのが楽しいのでしょうね。あまり裏に意味性とか壮大な歴史とか考えないのが正解でしょう。伏線らしきものを考察する努力はやめて、単純に人物を追う。それが正解だと思います。
 なぜ、瀬戸内海和歌山なのか、南雲先生の小説の中身、ヒルコと大黒天の歴史的つながり。釘=鉄と7と言う数字の歴史的意味性、冒頭のシーンにトリックがあるのでは、などというものを脇において、死んでは戻り、工夫して戦って、死ぬ。その展開を楽しめばいいのでしょう。

 私はその点で間違えました。キャラはヒロインと南雲先生、シデが強烈で後はかすんでしまいますが、全体的にキャラ造形は出来ていたと思います。その意味では作品の作りもいいのでしょう。

 ただ、25話ありますので、見方を変えて再視聴は、ディズニーの契約をどこまで続けるかによりますけど。

 ということで低評価はつけ辛いですね。まあ、OPとか初めの数話の雰囲気と演出から、ミスリードされた気もするので作品のせいと言えなくはないですけど、結果的に正しい見方をしていなかった気がするので、第1印象の評価は3.1でしたけど、物語は評価できずの意味で3点、キャラは作画とヒロインで4点をつけておきます。一応観終わったにしますが、断念と紙一重くらいの視聴後感です。

 作画がいいのは認めるところですが、24話後半の作画というか画面の雰囲気、良かったですね。あそこの作画は線の感じが良かったと思います。


追記 いつのまにDアニに…うーん。まちがってディズニーの年間に入ってしまった私の立場は?まあ、スターウォーズとか3Dアニメとかあるのでいいんですけど。


 

投稿 : 2024/11/02
♥ : 21
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ラストがなぁ・・・

{netabare}
各話の評価の平均というなら80点ぐらいになるんだろうけど、ラスト数話が個人的に納得できなくて最終的な印象としては60点ぐらい、そんなアニメ。
1クール目序盤はめっちゃ面白くて、後半少し落ちて、2クール目の学校回辺りからまためっちゃ面白くて、それでラストでうーんってなってしまった。

書きにくいので良かった点と悪かった点に分けて書きます。

良かった点
とにかく毎回先の読めない展開が面白かった。
ループと言うチート能力がありながらも、相手もそのチートを把握したうえで利用しようとしてきたり、ループものでありながら全話通して常に緊張感がある作りで良かった。
ループものと言っても毎回ループする先々で起こる展開が変わっている(同じであることが少ない)ので安心できる場面もなかったし、単純に絵面が変わり映えしているという意味でも退屈しない作りだった。
あと、タイムリープものは「なんでこれをしない?」と言いたくなる場面が多々あったりするけど、この作品の主人公の慎平の場合はあまりそういうのがないどころか、序盤の影の調査などはこちらが思っている以上のことをやってくれたり、口癖通り俯瞰で何をすべきかをしっかりと考えているのが見抜けていてストレスフリーで見られました。
澪やひづるなど他キャラ含め基本的に有能なキャラが多い作品だったと思います。何もしない凸村さんとすぐに死ぬ根津さんは置いておいて。

戦闘パートはそんな慎平と、同じく頭脳派のシデとの対決と言う感じで面白かったです。主人公だけでなく向こうもループを利用して相手を打破したり、常に行動を呼んで先回りしていたり、最初はシデ倒したら終わりなのかよと思ってたけど、敵役としては不足なしでした。
学校での戦闘が個人的クライマックス、駆け引きの末の勝利と言う感じで熱い戦闘回。
戦闘自体もディズニー独占なこともあってか作画はかなり良かったし、ガラスが飛び散るシーンなど見せ方や構図もかなり良かった。
あと、序盤やヒルコ洞の探索パートは間の取り方が上手く、ホラーアニメとしての出来も高かったと思います。
最初の方は未知の現象や敵と戦っている感があってミステリー色も強めで良かった。そのミステリーアニメ的な展開から、バトルアニメへの切り替えも個人的には違和感なくできていたかなと思います。

悪かった点
まず、全話通してシデとの対決ばかりが行われていて、キャラの掘り下げや過去話などが全然なかったのでキャラクター魅力があまりなかったかなと。
慎平に関してはまだ良かったけど、正直その他のキャラに関しては「主人公と一緒に戦ってる仲間」ぐらいの印象しか残らなかった。
だから途中や最後に恋愛話されても何も面白さを感じられなかった。
キャラクター沢山いる割に決まったキャラ以外は全員大した活躍もなくて...。
正直このアニメ好きなキャラは慎平ぐらいだった。

ラストの3話は本当に駄目だったと思います。
まず、唐突に赤い空の世界に飛ばされるのはまだいいとして、ハイネ辺りの設定や遠隔操作の設定など、さすがに設定に設定を重ねている感、後出しじゃんけん感が強すぎて、なんとも萎える展開だった。
序盤からそんな雰囲気はあったもののこの回はさすがに許容範囲を超えた。
まだそこはいいけど、シデを倒し終わった瞬間、「原因不明に」ヒルコ様が生まれる原因となった場所に飛ばされて、なぜかその世界に干渉できて、それで鯨を殺してハッピーエンドと言うのはいかがなものかと思った。
無理矢理ハッピーエンドしましたよ感が強すぎた。
元々ここで死んだら終わりと言う認識で見てたからそもそも復活というだけでも少し萎えるのに、その復活の理由が良くわからないとなると尚更。
影と言う存在がなかったことになったら未来なんて大幅に変わるだろうに、多少ならまだしもそこが軽視されすぎているのはタイムリープものとしてどうかと思った。

それと、予想はしてたけど、シデの動機がしょうもなすぎ。
ただの狂人でしたパターンはあまり好きではない、こちらも共感できるような動機にしてほしかった。
あと、二重人格や憑依、2秒後先読みなど、異能力バトルモノのような特殊能力は雰囲気を壊しているので辞めてほしかった。

体感としてはもっと楽しめてたはずだけど、評価となると物語☆3.5、キャラ☆2.5になってしまった。
けど、一応今期で10番目辺りに良かったアニメでした。
最後の3話見るまでは今期3-5番目ぐらいのアニメだったけど...。

↓1話毎メモ
{netabare}
1話 ☆10
リープ能力貰った? パンモロ。メモとらないと着いていけなくなりそう。
主人公オッドアイなのが何かの能力持ち感あるな。しおりが首絞めたんか?
設定が多い。ひぐらしみてえだな。
強乳を探してたという主人公の目撃情報があったってことは主人公の影武者が負ったんかな。
こういう謎だらけのアニメほんと面白い。影?
銃声なってんのに近づくなw まるで実写だな。完璧な一話。

2話 ☆10
主人公ここに来る前何してたんすかね。丁寧なタイムリープものだな。
主人公が全然自覚しないw やっぱ家見つめてるの伏線だったんだな。
緊迫感がすごい。てかこれもう明かしちゃうのね。何やっとんねんw
いうて自転車って足で止められるよね? もう島影だらけってことか?w
今更オッドアイに気づくんかよw 音が怖い。体感時間短すぎる。

3話 ☆9
なんで母からは逃げるん。一週目の世界と重複してる?
1週目の主人公が影として存在している? こいつも影かもしれんのに。
ひぐらし要素。
確かに祭りの方が都合がいいな。パスワード結局答えてないやん。
これで信頼されるんかw これ影やろ...いやこれが本物説もある。

4話 ☆10
こいつ本物だろ。こいつもループしてる? ひぐらし感がある。
ひぐらし要素。葬式の翌日に告白w ガイジすぎる。は?
むしろ澪達全員が影説。逆だったか...。盲点、予想できん。
敵も頭いいのがいいな。安直に殺そうとせずに対策練るのが。
握力が強すぎる。

5話 ☆9
影を狙えばいいのか。男? 廃銃刀法違反 ときこ影に協力でもしてた?
ひぐらしの大災害っぽさがある。セーブデータを消そう。
こういうラスボスいらん説はある。
主人公と同じ目。規模大きすぎだろ。
スバルとは違ってリープのことを話せる。制限付き厳しいな。
最初から制限付きと示される作品は少ないよね。

6話 ☆8
? よくわからん。ひづるも元この島の人なのか。棺桶開けるやべー奴
結局どっちのパンツが。
ああ、主人公戻ってこれてない時間だから新平じゃなくてひづる主人公?
まあ新鮮だった。あっ。でかい
そこからタイムトラベラー認定は論理が飛躍しすぎている。
タイムトラベラーの存在を確信出来てたならまだしも。

7話 ☆8
このタイムトラベラー認定の流れはあっさり過ぎるし微妙。
何かしらでタイムトラベラーの存在を知ってたのか? 謎二重人格設定。
影と意志が交互になってるとかじゃないよね。先制攻撃は基本。
潮と状況同じなのか。顔芸。二重人格設定いる? 最後の緊張感。

8話 ☆9
2人でタイムリープ? チェックシート。ギャグ面白いじゃん。
草。顔芸やめろ。影相手なのに普通に。潮が情報送った可能性もあるしな。
顔芸アニメだった。そこで引きかよ…。

9話 ☆6
これ割とエロ枠説。普通ドッペルゲンガー気味悪いだろ。
急に髪動かして戦うのシュールすぎる。普通に回想でいいんじゃないかな。草。けどしおり影になってるんだよね? 何か知らんけど軽いんだよな。
盛り上がらないといけない回なのに何かが足りない。
というかわざわざ回想としてやった割にオチが予想通り過ぎた。

10話 ☆8
白石枠? 貝から出てきたら本末転倒じゃんw
てか影が本体ってことは夜なら最強か?
光で影を大きくして攻撃範囲上げられそう。卑猥。影前提の仕掛けか。
ここ窓の実家なんか。主人公立ち回りで完結してしまってるな。
せやな、潮死んだら終わりかもしれん。
主人公の代わりに実質死んではいけないキャラがいることで緊迫感が。
はよ撃てw

11話 ☆6
このための殺虫剤。正味二人いても襲っても勝てるよな。臭そう。
海水もコピーじゃないんか。治すにはループするしてコピーするしかないな。
影じゃなさそう。バグ治されたらどうすんねん。
影が人災だとわかるのが早すぎて得体の知れないものと戦っているといあホラー感は無くなってしまった。
妙に生物学に精通してる影がシュール。

12話 ☆9
陰って情報共有できるんじゃないの?
影と人間の違いとかの話があるのはいいな。リセット確定。
有能か? 初見プレイ

13話 ☆9
5週目。理解力高杉。前ループの内容伝えられる能力は少し興ざめだな。
OPいいな。ひぐらしかな? プリキュアw 初手ラスボス登場。
やっぱ相手もループか。高校生っぽくないな。EDもいい。

14話 ☆8
事案。慎平の目。四本腕が食べてる絵シュールすぎる。楽しそうに食事すなw やっぱりループ情報共有可能設定はいらないな。
おじさんいっつも真っ先にやられてんな。富竹枠な気がしてきたわw

15話 ☆9
RTAかな? もうラストか。まだあと1回死ねるのね。
ジジイはどうせまっさきに死ぬ。運動会かな?
回によってなんか萎える時と面白い時あるのなんだろうな。
朱鷺子急に仲間として活躍してんな。根津初めての活躍。
小学校で何やっとんねんw 放火じゃねーか。
影倒したとして捕まるやろこれw けど警官もグルだから揉み消せる?w
真空で行き吸ったら酸欠なるみたいなニュース見たな最近。
まあいいけど。顔にガラスが。有能やな。本来はスナイプ対策か。
致命傷とは。こいつ仲間になる気あるんか?

16話 ☆8
影澪こんなにあっさり。影澪の方が責め気味なの草。影の方が人間っぽい
ホラゲーかな? 実の子供を打つ。百合かな。
影で永遠の寿命手に入れたいとか?ちゃんと俯瞰していく。
主人公の家族ら何かあると思ったけど特に何も無いのね。シデが父かと。

17話 ☆8
今回話中心なのね。こいつのことだから死にそう。殺したれやw
影絶対許さない主義。確かに妻を殺したのは事実だしな。
シデと会ったらヤバいやろ。この回想いるんか?
そんな堂々と暴れるんかよw 堂々と銃を使って行く。
影を殺すことへの葛藤を描く回? 1周目殺されてたもんな。
最初に会えなかったキャラとやっと会うの終盤感あっていいわ。
けどこんなあっさり会えるんだw

18話 ☆8
セガかな? まあそういうオチだわな。怖い。顔芸やめろw
はよ打て。はい殺人容疑。まあ警察さんが揉み消してくれるかw
潮あっさりすぎるw 確かに俯瞰が足りなかったw

19話 ☆6
AIRかな? 悪あがき。あっ…。話繋がってきたな。
電話番号は見ること出来そう。そういや2人おるんやな敵、分担か。
能力バトルものかな? 演出さぁ…。

20話 ☆8
時間稼ぎw 確かに慎平の性格なら無駄話戦法は効きそうw アビスかな?
このアニメストーリーばかり進めてるからキャラの掘り下げとかバックボーンがあまりなくてそこは弱い気がするな。一クール目OPで見た。
2回目で1回目のこと学習して倒すとか主人公かな? 退場キャラ出るとは。

21話 ☆7
サブ垢で草。帰ってくるってことはあの時点で湧いたってことになるけど?
ラブコメ要素あんま面白いと思えんな…。そういうことか。
潮そんな強かったっけ?

22話 ☆9
一回死んで位置変更か。本体ってヒルコ堂にあるの? なんか草。
花火にやられる結界って弱そう。引きがずるい。

23話 ☆3
グロいな。久野ちゃんに厳しいクール。シデ何がしたいん?
霊との会話いる? ホラゲー感。分裂設定繋がってなくて微妙だな。
話飛躍しすぎとちゃう? さすがになんか違うな…。
遠隔操作とか何でもありすぎん? ここに来てワースト回な気がする。
作画は今回頑張ってたけど。

24話 ☆4
バトル漫画だな。作画回。銃よけられるんかよ。僕の王の力がああああ
手戻ってこんやんこれ。出血量やばそう。2分経ってね?
実質ループ同士の戦いだしな。
相手もちゃんとループで学習してるのがいいわ。まあやっぱり動機はしょうもないな...。最後の盛り上がりは良かったと思う。
成仏。設定に設定重ねてる感が。エンディングも悪くない。
これ全員生存エンドだとしたら嫌だな。
予想外に過去に戻れて鯨を殺せたことがハッピーエンドにつながるというのは。
しかもヒルコを消したならここまで影に殺された人全員が生きてることになって未来がめっちゃ変わると思うけど。
やっぱりピークは学校回終わりだったかなぁ。

25話 ☆7
パンツ見える? 完全ハッピーにはして欲しくなかったな。
そういや澪好きなんだったな。やっぱキャラ弱いよなぁこのアニメ。

OP1「星が泳ぐ」☆10
ED1「回夏」☆7.5
OP2「夏夢ノイジー」☆7
ED2「失恋ソング沢山聴いて 泣いてばかりの私はもう。」☆8
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7

88.2 2 伝奇で戦いなアニメランキング2位
十二国記(TVアニメ動画)

2002年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (1684)
9123人が棚に入れました
周囲に合わせるだけの日々を送ってきた平凡な女子高生・中嶋陽子。
ある日、ケイキと名乗る人物に連れられ、たどり着いた異世界。 そこは、十二人の王と十二頭の麒麟によって治められる十二の国々からなる不思議な世界だった。なぜ自分はここへ連れてこられたのか、ここはいったいどこなのか、異世界でケイキとはぐれてしまった陽子は疑問を抱えたまま、生き延びるために見知らぬ世界で生活することとなる…。

声優・キャラクター
久川綾、石津彩、うえだゆうじ、子安武人、相沢まさき、山口勝平、鈴村健一、岡野浩介、釘宮理恵、勝生真沙子、ゆかな、藤原啓治、進藤尚美、石田彰、若林直美、桑島法子、高山みなみ、山崎和佳奈、鈴木れい子、西村知道、平松晶子、川上とも子、千葉千恵巳、大川透、中田和宏、野島健児、西凜太朗、松本保典、大倉正章、家中宏
ネタバレ

入杵(イリキ) さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

見紛う事なき傑作!

小野不由美原作の古代中国思想(周)を基盤にした
異世界ファンタジーアニメ。全45話。
文庫本の売り上げは、シリーズ累計750万部以上。
本作は原作の
月の影影の海 上下巻
風の海迷宮の岸 上下巻
書簡
風の万里黎明の空 上下巻
乗月
東の海神西の滄海
をアニメ化している。
乗月と東の海神西の滄海は、
アニメでの反響が予想以上に良かった為、
追加で製作された。
よって39話で視聴完了も可能(アニメ脚本集は40話までしかない)。

あらすじ

何処にでもいる平凡な女子高校生中嶋陽子は、
他人から嫌われることを恐れ、八方美人な優等生を演じていた。
常に周りに合わせ自己を抑圧する日々。
そんな彼女は寝るたびに恐ろしい気配に迫られ、日々その距離は縮まっていった。
ある日彼女の前に「ケイキ」と名乗る謎の男が現れる。
ケイキは彼女を主と呼んで跪き、一方的に謎の盟約を迫る。突然の出来事に戸惑う彼女を異形の獣が襲撃。
ケイキは陽子と友人二人を連れ、
月の影の向こう、地図に無い世界へと出発する。

以下のネタバレは世界観に関するものである。
未視聴で視聴意欲のある方は、是非既存知識無しで視聴いただきたい。
{netabare}
十二国記の舞台となるのは、山海経に登場するような神仙や妖魔の存在する世界である。その名のとおり、12の国が存在する。文化、政治形態は古代中国(特に周王朝)に類似しており、絶対的な王制である。しかし世襲制ではなく、12の国はそれぞれ神獣麒麟(きりん)が天意に従って選んだ王により統治されている。王は諸侯を封じ、政治をさせる。王や一部の高位の官は神仙として不老長寿(だが必ずしも不死ではなく、胴や首を冬器という特殊な武器により断たれれば死んでしまう)の身体を得て、天意に従う形で国を治めることを求められている。麒麟が失道の病にかかりそのまま死・禅譲するか、誰かに討たれない限り王は死なない。王とそれを選ぶ麒麟、そして天意とは何なのかという問いが、作品全体の主題となっている。
{/netabare}

全章概要(ネタバレなので視聴前は観ない事をお勧めしたい)

月の影影の海
{netabare}
日本で生まれ育った普通の女子高生・中嶋陽子は寝る度に恐ろしい気配に追われ、日を追う毎にその距離が縮まっていくという異様で怖い夢を見ていた。そんな陽子の前に、突如「ケイキ」と名乗る異装の男が現れる。ケイキは陽子を主と呼んで跪き、一方的に謎の盟約を迫る。突然の出来事に戸惑う陽子を異形の獣が襲撃、それを辛くも退けたケイキは、強引に陽子を月の影の向こうにある地図にない世界へと連れ去った。陽子はケイキから「決して剣と鞘を離さないように」と碧の玉が付いた鞘に収まった剣を渡され、「剣を振るえない」という陽子に自らのしもべの賓満・冗祐を憑依させ、陽子の意に反して陽子に襲い掛かる獣を体が勝手に動いて撃退するようにして、他のしもべに陽子を託して彼女を異世界に送り出した。

異形の獣の襲撃は月の影に入った後も続き、「敵の攻撃から目をつぶってはいけない」(賓満は憑依した者の目を借りて動くため)という警告を無視して目をつぶってしまったことがきっかけで陽子は、ケイキとそのしもべ達とはぐれ見知らぬ場所(巧州国、略称:巧国)にたどり着く。巧国では自分と同じように日本や中国からこの世界に流された人を徹底的に差別しており多くの場合は処刑されるため、陽子も役人に役所に護送される事になったが、その道中でまた異形の獣に襲われ、陽子は車の下敷きになった鞘から玉だけを切り外してその場を逃走する。全く事情が判らないまま縋る気持ちで現地の人間に助けを求めるも、“海客”として酷い仕打ちを受けたり、利用されそうになったりしたため、夢で見る元いた世界の幻で自分の周りにいた人達が自分の事を悪く言ったこと(実は剣が本当の事を見せていた)や青猿(その正体は陽子が無くした鞘に封じられていた妖魔。剣と鞘が離れたため封印が解けた)の讒言もあって陽子は徐々に人間不信に陥る。人目を避けつつ、なおも襲撃を続ける異形の獣(妖魔)と戦い続ける陽子は満身創痍となり、行き倒れたところを楽俊に救われる。楽俊は陽子を介抱し、さらには海客に対する保護体制が整っている雁国(雁州国)への道案内を買って出る。道中に妖魔と遭遇しそれを退ける陽子であったが、衛士に見つかるという恐怖から、倒れている楽俊を見捨ててしまう。後にそれを後悔する陽子であったが、同時に「口封じに楽俊を殺す」という選択肢を選ばなかった自分に安堵する。そして、「口封じにあのネズミを殺せばよかったのに」と言った青猿を殺すと、無くした鞘が現れた。楽俊との再会はかなわず、陽子は一人で雁国を目指す旅を続けるのであった。

雁国へたどり着いた陽子を待っていたのは楽俊であった。楽俊は先に雁国に渡り、港で働きながら情報を集め、陽子を待っていたのだという。再び二人旅となった陽子たちは、雁国で暮らす海客「壁落人」を訪ね、そこで陽子が胎果であることを知る。その後、陽子と楽俊の何気ない会話で楽俊が「台輔にお目通り願うか?」言った事から陽子がケイキとそのしもべのやり取りを思い出し、「台輔」(宰輔の敬称)という単語がきっかけでケイキとは慶東国(略称:慶国)の麒麟の「景麒」であり、景麒が「主」と呼ぶならば陽子は巧と雁に挟まれた国である慶国の王「景王」であると告げられる。陽子が神である王だと分かり距離を置こうとする楽俊に対し陽子は「私にとっては一歩の距離しかない」と楽俊に言い、それに楽俊は「おいらにとっては三歩だ」と返事をして今まで通りの接し方をしようとする。楽俊から慶王保護の延台輔宛ての書状を受け取り陽子らを妖魔の襲撃から助けた延王から「王は麒麟に跪かれた時点で人として死に、麒麟の霊力で神として生かされる」、「日本に戻ればお前は短い間しか生きられず、その上、慶国の民が大勢犠牲になる」と聞かされ、日本に戻るのか、景王になるのかの選択を迫られる陽子であったが、見るに見かねて「無きものとして振舞え」(陽子が体が勝手に動くのと冗祐の感触を嫌がったために下された命令)という主の命令を破った冗祐から言われた「玉座を望め。そうすれば道は開ける」という言葉に従い、延王の助力を受け、慶国に立った偽王・舒栄を討つことを決意する。
{/netabare}

風の海迷宮の岸
{netabare}
蓬山の捨身木に戴極国の麒麟の卵果・泰果が実り、母親代わりとなる女怪が生まれ、蓬山は麒麟の誕生を待っていた。しかし、突如襲来した蝕に巻き込まれ、泰果が流されてしまった。

それから10年後、泰麒は延麒によって蓬莱で発見され、廉麟の助けを受け、女怪の白汕子が泰麒を連れ戻すことに成功する。普通の人間として育った泰麒は、最初こそ戸惑うものの、程なく蓬山の生活に慣れ始める。だが、身の回りの世話をする女仙から「麒麟は人ではなく獣であり、獣の姿に転変する」、「麒麟は天啓を受けて自らの主である王を選定する」と知らされ、更に麒麟の能力を使えない泰麒を思い女仙の長・玉葉が招いた景麒から「麒麟は妖魔を折伏して使令にする」と知らされ、生まれたときから人間の姿で今も転変できない自分は「麒麟の出来そこない」ではないかと思い悩む。泰麒を泣かせたことで女仙から責められた景麒は、その後泰麒に麒麟の能力や役割を伝授していくが、結局この時は折伏は出来ず、自然に出来るようになる転変の仕方については教えることが出来なかった。

同じ麒麟として慕った景麒が慶国に戻り、麒麟としての自覚を持てないまま戴国に麒麟旗が掲げられる。泰果の失踪により長年王不在が続いていた戴国の民は喜び、昇山者が続々と先を競って蓬山に集ってくる。天啓が何なのか判らないながらも女仙に付き添われて昇山者と対面する泰麒は、騎獣をきっかけとして承州師将軍の李斎と知り合う。また、昇山者同士の喧嘩で出会った禁軍左軍将軍の驍宗には、恐怖に似たものを感じる。その後も度々李斎の下を訪れ、驍宗とも会話を交わすようになり、彼らが蓬山を去る間際には一緒に騎獣狩りに行くほどの仲になっていた。女仙の反対を押し切って同行した騎獣狩りの最中、李斎が見つけた洞窟に入った3人は、泰麒が嫌な胸騒ぎを感じた直後、内部に潜んでいた妖魔に襲撃される。李斎が囚われ、驍宗も弾き飛ばされ、泰麒は一人で強大な妖魔・饕餮と対峙することとなる。それまで一度も妖魔を折伏できずにいた泰麒であったが、初めて折伏に成功し饕餮を使令に下すのであった。

そして驍宗が蓬山を去る日が訪れる。王になれなかったら禁軍を辞め黄海に入ると驍宗から聞き、蓬山に昇山出来るのは一生に一度だけ、と女仙から聞いた泰麒は驍宗に感じる感覚に戸惑いながら、離れたくないと思う感情が抑えきれずに走り出す。泰麒の姿は、燐光を放って夜を駆け上がっていく漆黒の獣と化していた。

驍宗を王に選定した泰麒だったが、「驍宗の傍に居たいがために、天啓が無いのに偽者の王を選んでしまった」と思い悩み後悔し続けた。天勅を受ける儀式で罰を受けると思っていたが何事も無く、それが余計に泰麒を不安にさせ、泰麒の様子を伺いに載国の王宮を訪ねた景麒に「偽者の王を選んでしまった」事を打ち明ける。その事を知った景麒と驍宗は、誼がある延王を載国に呼び、泰麒に延王に対し叩頭礼をするよう命じる。言われるまま叩頭しようとしても体が動かない事で泰麒は「麒麟は自らの主以外に叩頭できない」という事を身を以って知り、景麒から彼が舒覚を王に選定した時も「この人は王になるべきではないと感じた」と聞かされ自分が運命に身がすくんでいたと言われる。
{/netabare}

書簡
{netabare}
陽子と楽俊、かつて共に旅をした2人は、全く違う生活を送り、鸞で現状を伝え合っていた。
陽子は楽俊に「官吏とも問題がなく」と伝えていたが、実際は問題が起こるほど意見も出来ていない状態であった。楽俊は「生徒も教師も皆よくしてくれる」と伝えていたが、実際は半獣であることから苦労が絶えない生活を強いられていた。そんな嘘は互いに理解しており、それでもなお励まし合う仲となっていた。
{/netabare}

風の万里黎明の空
{netabare}
陽子が景王となって1年、玉座にありながら冢宰の靖共ら官吏の顔色をうかがう自らの姿に苦悩を感じていた。特に皆がいつも自分に対して平伏する事については、自分が通りかかる度に相手の仕事の手が止まる不合理さに悩み、相手の顔が見えない事に少々不信と恐怖を感じていた。そんな中、太師に謀反の疑いが掛けられ、陽子は靖共の言うがまま謀反に関わったとされる人を処罰し、監督責任を怠ったとして靖共を太宰に降格、政治の実権を握らせるべきではないとされる景麒に「自分よりこの国のことが分かっているから」と次の冢宰が決まるまでの間として実権を握らせた。そして陽子は、この世界の理も、国情も知らない自分に憤りを感じ、自ら市井に降りることを決意する。景麒の勧めにより遠甫という老人のもとで理を学ぶこととなるが、和州で暴政が行われているという噂を確かめに和州に出かけた間に里家が襲われ遠甫がさらわれた事から虎嘯らと出会い、和州の乱へと繋がっていく。

大木鈴はその100年ほど前に蓬莱から流されてきた海客である。長く才国の飛仙・梨耀から執拗な虐めを受け続けていたが、決死の覚悟で采王に申し立て自由の身となった。女性・海客でありながら王となった景王に興味を持ち慶国を目指す道中で清秀と出会い、妖魔から受けた怪我で衰弱していく彼を支え共に慶国にたどり着くが、彼は慶国和州止水郷で郷長・昇紘の馬車に轢殺されてしまう。自暴自棄となり、郷長・昇紘を庇う者の最上位にある景王を暗殺しようと才国の遣いを装い王宮に入る鈴であったが、景王不在の為その機会さえなく王宮を去る。虎嘯らと出会い宥められ、打倒昇紘の郎党に加わることとなる。

祥瓊は先の芳国の公主であったが、謀反によりその地位を失い、里家での貧しい暮らしや恭国での屈辱的な仕打ちが耐えられず出奔する。自分と同じ年頃で王宮に入った景王を妬み、逆恨みし、簒奪してやろうと慶国を目指していたが、道中で楽俊と出会ったことで考えを改めた。慶国の実情を知り、桓魋たちと出会った祥瓊は、呀峰討伐、和州の乱に身を投じることとなる。

陽子・虎嘯・鈴らは打倒昇紘を掲げ郷城へと乗り込む。郷城への突入は成功したが、呀峰は昇紘を庇うため州師を派遣する。州師相手では圧倒的に勢力の劣る虎嘯らであったが、桓魋・祥瓊らの加勢により戦況は一転する。しかし、続いて派遣されたのは王直属の禁軍であった。呀峰もまた靖共に庇われていたのである。王師(王が指揮権を持つ禁軍と首都州師の総称)を目の当たりにして動揺する人々の中にあって陽子は鈴と祥瓊の話を聞き、王としての責任を確信すると共に、王として行動する決意を固める。王の命令がない限り王師が動けない事をいい事に、陽子は景麒の背に乗り反乱軍が王の意思である事を知らしめ、王師に遠甫の救助と、呀峰と靖共を捕らえるよう勅命を出す。王宮に戻った陽子は遠甫を三公(王の相談役。政治の実権はない)の筆頭・太師に、鈴と祥瓊を自分の身の回りの世話をさせる役職に就け、桓魋を禁軍左将軍に、桓魋の上司であり、官吏に言われるがまま追放を命じた後失踪(護送中に靖共一派に襲われたところを桓魋らに救助され、身を隠していた)していた麦州候・浩瀚を冢宰に命じ、靖共派だろうが松塾(靖共らが敵視して焼き討ちした義塾。遠甫はそこの閭胥のような事をしていた。)出身だろうが関係なく個人だけをみる、と大規模な人事改革を宣言。そして景麒の「下の人々から見くびられます」という悲鳴のような諌言を無視して初勅として「人は敬意を持つものに対しては自然に頭を下げる」と平時の伏礼を廃した。
{/netabare}

乗月
{netabare}
芳国恵州州侯の月渓は、諸侯を束ね峯王・仲韃を討った。次の峯王が立つまでの仮王として月渓を推す声は強かったが、当の月渓は頑なにそれを拒み、恵州城に戻ってしまった。
ある日、慶国から青辛と名乗る使いが、景王から恵侯宛の書状を届ける。しかし、国に宛てた書状を、一州侯に過ぎない自分が受け取るわけにはいかないとこれを拒む。仕方なく冢宰にこれを預け、次いで一通の恵侯宛の書状を差し出す。書状の差出人は慶国下官、名を孫昭、先の芳国公主であった。それを知ってもなお受け取りを拒む月渓であったが、青辛の諌言を受け、仮王となる決意を固め、書状を受け取るのであった。
{/netabare}

東の海神西の滄海
{netabare}
延王・尚隆、延麒・六太は共に胎果であり、蓬莱で生まれ育った。六太は戦乱の中で親に捨てられた経緯から国を統治する者の存在を嫌い、蓬山に帰還した後も王を選べず、蓬莱へと戻ってしまう。その蓬莱で出会ったのが、滅亡に瀕した小松水軍を率いる小松三郎尚隆であった。会った瞬間に王気を感じた六太であったが、前述の理由により誓約を交わすことはなかった。しかし、尚隆の命を懸けて民を守ろうとする姿勢に自らの理想を重ね、絶体絶命の尚隆を助け、延王として十二国へと連れ帰った。

それから20年後、雁国は荒れた荒野から緑の大地へと復興を遂げていた。しかし、元州では治水の権限を王が奪ったままなのに梟王時代に破壊された漉水の堤が復旧されない事に州城の苛立ちが募り、謀反の動きがあるという情報があった。ある日、六太の古い親友である“駁更夜”と名乗る少年が玄英宮を訪れることから事態は進展する。更夜は六太を元州城へと連れ去り、元州の令尹・斡由は六太に「漉水の堤」を名目として、天網で禁じられている「上帝位の新設」を奏上した。権力者の存在に否定的な六太はこれを拒否し、牧伯の驪媚と共に元州城に監禁されてしまう。

尚隆のもとへも同様の要求が伝えられたがこれを拒否すると、成笙を元州に派遣し、道中で民を募って漉水の対岸に堤を築くよう指示する。雨の中で対岸にのみ堤を築かれることに危機を覚えた斡由は州師に対岸の堤を切るよう指示、州師と民の戦いとなり王師が民を守るという、「民のために堤を」を掲げる斡由にとっては皮肉な構図になってしまう。

一方、驪媚の決死の行動によって六太は自由の身となるが、地下迷宮に迷い込んでしまう。六太はそこで先の元州候・元魁と遭遇し、斡由の人となりを知り、斡由は民のためにならないと確信する。六太は斡由と対峙し自分の考えを伝えるが、斡由は非を家臣の白沢や更夜へ転嫁することを試みる。しかし、尚隆によって全てを断罪され、怒りから斡由は尚隆に斬りかかるが、最期は六太の使令によって瀕死の重傷を負い、尚隆に介錯され絶命する。
{/netabare}

感想

本作はホラーで有名な小野不由美が手がける異世界ファンタジーである。小野不由美独特の作風が大変好感である。
元々は「魔性の子」(泰麒が蓬莱に戻った時の話・ホラー)という小説の派生作品で、世界観の精巧さには感服するばかりである。世界観を把握する前に視聴する「月の影影の海」と、知った後での視聴は見方が180度変わる程である。
なので、事前知識無しで観ていただきたい作品である。

また、主人公を始めとした登場人物の成長物語であり、私達の人生観に大きな影響を与える作品である。
精神の糧になる話も多かった。
登場人物が皆、精一杯生きているのが十二分に伝わってくる作品だったと思う。キャラクターは大変魅力的。

私は本作が大変気に入り、原作を購読したのだが、アニメでは原作の設定をより視聴者に理解させ易くする為、
杉本と浅野を陽子と一緒に「あちらへ」連れて行っている。
この点は非常に評価すべきだと思う。
また、月の影影の海に原作ではあまり登場しない塙王が多く登場した点は高く評価している。
只、未完なのと地名・官職名などがやたら面倒なのが、たまに傷であるが・・・
未完なのは待つとして、(おそらく2014年頃に新作が出るはず)地名・官職名は何回か視聴すると覚えるので、2,3回の視聴をお薦めしたい。

39話の初勅のシーンは琴線に触れる素晴らしい出来である。
台詞を乗せると、(脚本集より)
{netabare}
「私は慶の民の誰もに、王になってもらいたい」
「地位でもって礼を強要し、他者を踏みにじることに慣れた者の末路は、昇絋、呀峰の例を見るまでもなく明らかだろう。そしてまた踏みにじられることを受け入れた人々がたどる道も」
「人は誰の奴隷でもない。そんなことのためにうまれるのじゃない」
「他者に虐げられても屈することのない心、災厄に襲われても挫けることのない心、不正であれば正すことを恐れず」
「獣(けだもの)に媚びず―私は慶の民にそんな不羈(ふき)の民になってほしい。己という領土を治める唯一無二の君主に」
「そのためにまず、他者の前で毅然と首(こうべ)を上げることから始めてほしい」
「諸官は私に、慶をどこへ導くのだと訊いた。これで答えになるだろうか。」
「その証として、伏礼を廃す―これをもって初勅とする」
{/netabare}

総評

独特の世界観と、他作品には見られない「名言」や、主人公を始めとした登場人物の成長が本作の魅力だ。
ファンタジーなのに魔法は使えず、日本での生活以上に苦汁を嘗めることになる世界観には感服である。
原作を読めば分かるが、この濃密な世界観に私は引き込まれてしまった。
アニメでは語られていないストーリーとして主なものに、「黄昏の岸暁の空」「魔性の子」が挙げられる。
この二作は風の万里黎明の空の直後の話で、
風の海迷宮の岸で語られた戴のその後の話である。
アニメでも2期を想定してか、杉本と高里を会わせて、魔性の子へ繋げようとしていた事が伺える。
また私の一番好きな作品として、恭州国の供王珠晶の登極に至るまでの話である「図南の翼」も是非読んで欲しい。
(他にも映像化されていない短編が7つ(漂舶を入れれば8つ)あるので其方も読んで欲しい。)
アニメ脚本集と云う本が講談社から出版されており、細かい設定なども記載されていて大変面白かった。興味の有る方は是非原作共々読んで欲しい。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 36
ネタバレ

Ballantine さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

王になるまで(14話まで

原作未読。ハイ・ファンタジー。全45話。
『十二国記』(じゅうにこくき)は、小野不由美の一連の小説作品群の呼称である。古代中国思想を基盤にした異世界ファンタジー作品。2013年時点で未完。


■関連URL
NHKアニメワールド:十二国記
http://www3.nhk.or.jp/anime/12kokuki/
ビクターサイト
http://www.jvcmusic.co.jp/m-serve/tv/junikokki/
講談社サイト
http://www.bookclub.kodansha.co.jp/books/junikokki/
新潮社サイト
http://www.shinchosha.co.jp/12kokuki/


ストーリー性のあるアニメだかの掲示板で紹介されていたので見始めました。


各話感想
{netabare}1話 「月の影 影の海 一章」
謎の夢?髪の毛の色は地毛で赤毛なのか。
天然記念物のガングロwまだいるのだろうか?
委員長なんだ。ショートカットの女の子無視しちゃっていいのか。杉本って言うのか。
中島は委員長続ける事になるのか。杉本嫌われてるのか?いじめ?
やっぱり中島が隣になったか。
夢のなかで杉本に殺される夢を見てたけど何かあるのかな?
浅野くん彼女いたのかな?ん?金髪だったのに黒髪?血の匂い?消えた…
夢に何かありそうだな。陰湿な女子校だな。
なんだ?白髮ロングは誰なんだ。追手が来る?何が起きた…
コチョウ?狼を召喚したのか?今度はカイコを召喚?
ケイキって名前だったのか。なんか色々召喚出来るんだな。
キョウキもしゃべれるのか。今度はジュウサクっていうゴリラか。
ジョウユウって水の化物みたいなのが体を操ってるのかな?
杉本wkwkしすぎだろwショック?あちらの世界へのゲートかな?
浅野と杉本どうなったんだろう。


2話「月の影 影の海 二章」
虚海。浅野と杉本も来てるのか。碧双珠。ゴーユ?また追手か。
剣落としちゃったのか… え!?怪物に変身?ってまた夢か。
剣もちゃんと握ってたか。杉本は誰を見ていたんだ。ケイキ?
渦巻きだらけの海…ってかいきなり孤立とかどうすんだこりゃ。
日本?いやいや怪しいだろ。人にも会ってないのに。
カイキャク?捕まっちゃった。杉本生きてたのか。
え?記憶が無いのか?中島じゃない?作画のせいか顔の違いがわからない。
色黒になったってことかな?
ジョウユウの力のせいで言葉がわかるのかな?
淺野は別のやつと動いてたのか。コチョウ強すぎる。ケイキもやられちゃったのか。
工国。海客って事かな?県庁?覚悟の付かない女だなぁ。
良くて幽閉?悪くて死刑って…やっぱり淺野かw
妖魔なのか…一体誰が妖魔を操ってるんだ?


3話「月の影 影の海 三章」
ケイキの手下だと?助けられたのは白い狼じゃなかったっけ?
杉本なんでそんなやる気満々なんだw
どうしても何もヨウコにしか使えないって言ってたじゃないかw
玉はもってくのにサヤ持って行かないのか…
子供は女の腹から生まれるのが当たり前じゃないのか…
杉本中二病すぎて適応力高いなwお?ケイキ生きてたか。
盗人に走ったか。まぁ懸命だな。杉本w
おばちゃんいい人すぎる…タッキっていうのか。
まぁ杉本正論だな。怪しいよなぁタッキ。
神様や仙人がいるだと?信仰心なのか本当にいるのかわからんな。
碧双珠べんりだなぁ。
ケイ国からの難民山ほどいるんだな。猿まわしとかいるんだな。
お芝居まであるのか。ケイ国の話なのか…恐ろしい国だな…
おいおいハグレるの速すぎるだろ。
夢のなかの奴は誰なんだ一体。


4話「月の影 影の海 四章」
夢の続きか。仮面。皆の本音か。タッキやっぱ怪しいのか。
なんだこの国でも髪の色駄目なのか。ってか分離させるとかますます怪しいな。
言葉の通じるじいさん?!
杉本警戒心強いけどまぁそっちのほうが正しいな。
体を売り払う気満々だったのか。杉本のほうが狙われてたか。
妖魔を呼び寄せた?もしくは召喚?追手か。
ケイキみたいな影がちらつくのはなんなんだ。
じいさんは仲間だったか。第二次世界大戦の頃の人だったのか。
取り乱しちゃったか。なんだじいさんまでも敵だったのかよ。
誰も信用出来ないなこの世界。
杉本は一々正論だな。淺野おいしい立場だなぁw
夢のなかの奴は剣の主かなんかか?どっかの国の女だったな。


5話「月の影 影の海 五章」
あぁ助けてくれた奴はこいつだったのか。選ばれた?杉本頭大丈夫かよw
私の物語w完全にぶっ飛んでるなw
ケイキがお帰りになられただと?ケイキ何してんだ…
背のちっちゃい奴強いな。淺野まるで危機感無いな…
学校の先生よく見てるな。
剣の主らしき人物は闇堕ちを薦めてるのか?
杉本は何処の国の使者になったんだろう。飴売りの子だったか。
生きていくのに辛い環境だな。流れがリアルすぎる。
淺野駄目男すぎる…wそういう事普通言わないでおくもんだろ。
淺野食われたか…
ジョエン様?ケイ国の王女様?
タイホって名前だったのか。ケイキ角を封じられてるのか。
コウリン?杉本…駄目だこりゃ完全にぶっ飛んじゃったw
コウリンは好戦的では無いのかな?鳥が煽り役か。
そろそろ腹減りとか体力限界っぽいな。


6話「月の影 影の海 六章」
ケイ国の内戦ってとこかな?
シュジョウは何処の国の人間だ?杉本どうなったんだ?
暮らすことは許されたが戦士を剥奪ってところかな?
今度はネズミが匿ってくれるのか…怪しいなぁ。
しかし三日も寝てたとかどうなんだろう。
ユウコだいぶ成長したな。楽俊。
コウオウ様は海客が国を滅ぼすと言っているが迷信なのか。
エンに行く事になったのか。
お母さんは人間…なのか?もいだ?あのもげなかった木の事か?
リボックって言うのか。あれから子供が生まれるのか…
カンキュウまで三月だと!?遠すぎる…
ネズミ頭いいのか。なるほど半獣ね。エンは差別が無い国なのね。
杉本凄い荒れた何も無い土地に置いてかれたな。
なんだ神様なんてやっぱいなかったのか…
神や妖魔もいる?あれ?どういう事wコチョウが三羽も…


7話「月の影 影の海 七章」
やめろってなんだよ。コチョウ倒さないと皆死ぬだろ。
うわっ街の門を閉めたのか…
ヨウコ色々変わっちまったな。ネズミ放置するのか。
ネズミを処分するのか…ちょっとずつ毒されていくな。
心の葛藤のイメージなのか剣の呪いなのか一体何がこんなに追い詰めているんだ。
「優しくしたいから優しくする。信じたいから信じる。」また1つ成長したな。
見返りを求めなくたっていいじゃない。
また飴売りの女の子か。淺野は諦めてネズミなのか…
神様がどうしてこの地を作ったか?って芝居をしてまわるのか。劇団員なのか。
劇団の用心棒になるのか。
なんだ杉本食べ物はあるんだな。監視付きだけど。
シュセイってなんだろ。旅人かな?
荒れ地に畑を作ったんじゃなくて畑が荒れ地になったのか。
杉本壊れてるなぁ… ユウコ芸で役人から逃れたか。
楽俊のおかげなのか?うーんなんか違う気がする。


8話「月の影 影の海 八章」
なんだ杉本復帰するのか。戦いに出したくないのか。
顔の改変したのか?男っぽくなったな。
あれ?この芝居はもしかしてユウコの劇団か。
中国の神話と違うとな。
杉本はユウコって気付いたのか?何故放置した?
劇団員皆でエンに往く事になったのか。ってかお兄ちゃん呼ばわりはどういう事w
あら?ユウコ何してんだ?コウテツさん…
売り飛ばす人はもっと親切な顔か。まぁそうだな。
コウテツさん妹死んじまったのか。これでシュセイの身分を得たわけか。
コウオウが出動?道を見失う事?最初にキリンが病にかかる?
ヨウコと杉本同じ船に乗ったのか。
半獣の反乱か。ヨウコは杉本に気づかないのかやっぱ。
ってか杉本なんでヨウコ放置なんだ?
やっぱ戦闘になるのか。ここは私の世界ってまだ言ってんのかこいつwどんだけ中二病なんだよw
コチョウどんだけ沸いてんだよ。船ごと沈める気か?
海竜みたいなの出てきたけどこれは…妖魔を食う妖魔だと!?一体なんだったんだ。
ヨウコは杉本を助けるのか…


9話「月の影 影の海 九章」
遂にエン到着か。杉本とまたPT組むんだろうか?
ネズミ生きてたのかよ。同じ船に乗ってたのか?先に来てたのか…
楽俊良い奴だった…のか?うーん。信用しづらいなぁ。
杉本とは別行動するのね。エンの難民は裕福なんだな。
強引だけどここの人はいい人ばっかなのか。
日本国の住所と電話番号だと!?日本語通じるのかよ。
日本と行き来があるのかもってどうなってんだ…
タイホは杉本にくっついてるのか。ってか日本語通じるのかこいつ。
一緒に浴びるってヨウコどんだけ貞操観念無いんだ…
髪の毛染めないのか…赤毛で捕まるフラグ。
タイカ?なんかまた新しい何かに。元々こっちの世界の人間だったのか。
言葉にふじゅうしないのはアヤカシだったのか。ケイ国のキリンだと?
ケイ国の王なのか。謎の女王がいたから反逆しないといけないわけか。
杉本やっぱクズだったか。
助太刀に入ったのは誰だ。エンの王だと!?タイホはエンの国の奴だったのか。


10話「月の影 影の海 十章」
コマツナオタカ。エンシュウ国王。シレイ?司令?
タイホウ?あら?なんか名前がわけわからんくなってきた。
フウカン様?500年続いてるのか。あら?剣が抜ける?サヤ死んでるのか。
水禺刀。水鏡となって心が見えるのか。幻を見せるのか。
猿を見せるのね。やっぱり剣の幻だったのか。
エンキ?ケイ女王?わけわからん。死靈?じゃないと妖魔は扱えないのか。
楽俊は身分で差別すると言うのか?ってより区別だな。
というかヨウコがあまりに自分の身分をわかっていないような感じだな。
カンキュウ山でかすぎ。階段長すぎるだろっと思ったけど魔法?呪?術?
空の上に海があるって雲海違いかよ…
楽俊は最初から男ってか雄だっただろうが。
この国には十二の国があり天帝が選びます。キリンだけが誰が王か知ることが出来て選ぶことが出来る。
名君にたる王を。名君とは民を虐げない王。名君でもその知性は永遠に続かない。王は神に据えられ不老不死になる。
世襲は許されず、キリンが次の王を選び天は王を監視し続ける。
キリンは世界の中心ホウザンに生まれる聖獣で正義と慈悲で出来ている。
キリンは王の言葉に絶対服従する。
王が道を誤るとキリンが病に。キリンが死ねば王も死ぬ。王が死んでもキリンは死なない。
王のいない国は水が枯れて妖魔が現れて荒れ果てると。
エン国は難民で困っててケイ国を助けるのか。ケイキも助けたいのかエンのキリンは。
杉本どんだけ中二病なんだwwわけがわからないよw自信過剰すぎんだろw
エン王もエンキもタイカなのね。
領地を失おうとしてる男。エン王の話かな?エンキの話かな?


11話「月の影 影の海 十一章」
500年前に京都が燃えたのか。タイホはその炎の中にいましたってそこで生まれたのか?
キリンだったのか。あれ?タイホ?エンキ?なんかよくわからなくなってきた。
ホウザンの主なのね。エン国の王なのか。
あれ?もしかしてくぎゅうの人かな?仙人になったのか?
飢え>子供って事か。
ショクを起こして和にって日本に来たって事か。3年もいたのか。
コマツサブロウナオタカ。エンを滅ぼす王?何故滅ぼす?良い殿様じゃないか。
根絶やしか…海賊の出だったんか。エンに戦を呼ぶかもしれない。だから滅ぼすって事なのかな。
民無くして国は成り立たずだな。良い民だな…と思ったらこれはひどい…
なる程そうしてエン王が…


12話「月の影 影の海 十二章」
前のケイ王は自殺したのか。ヨウ王?ヨウって名前なのか?
ギョウテンに女はいらぬ。これあの芝居の話が本当だったのか?恐ろしいBBAだ。
退位を申し出たのはケイキを救う為だったのか。
杉本またコウ王の元で働くのか。
タイキもタイカなのかってタイカってなんぞ。
タイ国のキリンもいないのか。タイ国は内乱中なのね。
なんか言葉が一々ややこしいなぁ…
まさかコウ王がエン王と会談するとは。ケイ国を支配する気なのか。
左翼革命かよ。杉本ご乱心…
人が見えないところではどんな浅ましいことでもやった。
見えるところでも浅ましい事してるじゃねぇか杉本。
ジョウユウやっと出てきたか。愚かな頼みとは?
ヨウコの刀はヨウコを挿しても死なないのか。
ケイのタイカを道連れにするだと…コウ王しょぼいな。
杉本やっと和解したか。


13話「月の影 影の海 終章」
コウリンはシュツドウの病にかかってたのか。コウ国はもうだめだな。
コウリンがかばっただと?血の中に沈んでいったがどうなったんだ…
キリンが死ねば1年と永らえる事は出来ないのか。
偽王?を倒すのかな?
ヨウコだいぶ変わったってかもはや別人だな。
「王になって締め付けられりゃあ早くましな人間になれる…」
「貧しい人間で貧しい人間関係しか作って来られなかった」
ネズミなんで全裸なんだよww前は服着てたじゃないかw
国を奪還する時がやってきたか。
そういやケイキは角を封印されてるんだったっけ。治せるのか。
ジョウユウの命が解けたか。これで自由に話せるのかな?
なんだそのまま変身すると裸なのかw
ヨウコもいよいよケイ王陛下になったか。
ジョエイは金波宮をのっとったけどあっけなく陥落とな。
ひと月で全土統一。ケイの国を統一したのか。
「どっちを選んでいいかわからない時はやるべき方を選ぶ」
ヨウコの物語か。杉本の物語もあるのか?淺野くんまだ生きてるのか?
杉本帰るのか…いやいや子供いっぱい生むとかまず相手見つけろよ。
ヨウコの親に何しに会いに来たんだよ。
タカサトカナメ?何者?


14話「月の影 影の海 転章」
玉座、国、国土。枝は筆になった。
国土とは民を、国とは法律を、筆は歴史を、玉座とは王の徳目である人道、すなわちキリン。
この世は十二の国に十二のキリンがいる。ヨウコのキリンがケイキ。
麒麟とは霊獣。麒麟だけがその国の王を選ぶことが出来る。王が道を外せば失道の病に倒れる。
雄の麒麟は麒(キ)。雌なら麟(リン)。
名君とは民を虐げない王。王は神に据えられ不老不死になる。この辺復習か。
麒麟が死ねば王は死ぬ。王が死んでも麒麟は死なない。
完全に復習回だな。
コウ王はタイカの王が誕生するのが許せなかったのか。ケイ国を乗っ取る気なのかと思ってた。
声を届けてくれる鳥。どういう仕組み何ですかーw


15話「迷宮の岸 一章」

{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 15
ネタバレ

青龍 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

「異世界転移もの」の「古典」ともいうべき作品

『ゴーストハントシリーズ』などの小野不由美による原作小説は、現在は「新潮文庫」(新潮社)にて刊行中(既刊15巻、原作未読)。
アニメは、全45話(2002年)。監督は、『英國戀物語エマ 』などの小林常夫。制作は、『東京喰種トーキョーグール』、『キングダム』などのぴえろ。放送はNHK。
(2024.5.8投稿、5.30一部推敲)

本作は20年以上前の作品です(GW中に長い「古典作品」を見直しておこうと思って観始める)。
改めて見直してみると、画面サイズが4:3で作画の雰囲気も今と違うし、声優の演技も声優の起源である舞台俳優っぽさを残している感じがしました。
もっとも、一人の女子高生が大人として自立していく姿を描いた普遍性のある成長ストーリーなので、今でも色あせない魅力があり、異世界転移ものの「古典」といえるような作品です。

また、本作は、『薬屋のひとりごと』と同じ、いわゆる「中華風ファンタジー」なのですが、そこに留まらない独特な世界観をもった作品で、テンプレ的な異世界ではない様々な不思議と遭遇する楽しさもあります。

こんな感じで主人公の成長する姿と不思議な世界にまつわる秘密が気になり、一度観始めると先が知りたくなって止まらなくなる作品です。

さて、本作は、45話と長編なのですが、大きく分けると4章立てになっているので、章ごとにあらすじとその見処を書いていこうと思います。

【第1章「月の影 影の海」(第1話~14話)】
舞台は現代の日本。主人公の女子高生・中嶋陽子(CV.久川綾)は、学級委員長を務める「優等生」であったが、両親、先生、クラスメイトなど周囲の期待に応えることに息苦しさを感じ始めていた。そんなある日、薄い金の長い髪、中華風の黒い服を着た異様な男性(景麒(けいき):CV.子安武人)が突如として教室に入り、陽子の眼前に立って彼女を主と呼び一方的に主従の契約を交わそうとする。突然の出来事に戸惑う陽子であったが、異世界から来た怪鳥に襲われ、これを撃退する成り行きで、クラスメイトの杉本優香(CV.石津彩)、浅野郁也(CV.うえだゆうじ)と共に、「月の影」の向こう地図にない異世界へ連れ去さられる。しかし、異界へ行った後も陽子たちへの執拗な攻撃は続き、3人は景麒とはぐれてしまうのだった…

【1章の見処】
主人公の陽子は、ただ周囲の期待に応えようとしていただけなので、自分が何をしたいかがなかった。特に1章では、そんな受け身の主人公が過酷な環境の異世界に放り出されれば、状況を積極的に把握できず、ただ元の世界に帰りたいと泣き叫ぶだけの普通の女子高生がよくシミュレートされています。

加えて、陽子は世間知らずのいわゆる純粋培養の「お嬢様」なので、人を疑うことや争うことを好まない。
したがって、もはや約束された長編アニメでしか描くことが許されない、ダメダメな主人公が様々な失敗を経て大人になっていく過程を描いた成長ストーリーがメインになってます(久川さんのオドオドした序盤と自分に自信を持ち始めた終盤の演じ分けがすごい)。

一方、このグダグダな主人公と対照的に頼もしく見えるのが主人公と一緒に異世界に行くことになった杉本(3人の高校生の関係が「ただの友達」ではなく、実は互いに屈折しているのが重要になってくる。)。彼女は、高校で浮いていたため、この異世界こそが自分が本来いるべき世界なのだと思い込む。

正に、突然、異世界転移した高校生が「あなたは救国の英雄に選ばれました!」と王様に言われたにも関わらず、「あーよくラノベとかである異世界転移ってやつね」とあっさり受け入れてしまうアレ。

しかし、今まで周囲の期待に応えようとだけしてきた主人公と、王様に言われた使命にただ従うだけの杉本の二人は、一見対照的に見えて、結局のところ自分で自ら進むべき道を選んでいないという共通点をもつ。

さて、二人は、過酷な異世界で自らが進むべき道を自ら選ぶことができるようになるのか!?
特に陽子が異世界で過酷な扱いを受け人間不信に陥った後に、人とネズミの姿になれ人でも獣でもない半獣の楽俊(CV.鈴村健一)の優しさに触れ、これを素直に受け入れるべきかどうかで葛藤するところが見処の一つとなっています。


【第2章「風の海 迷宮の岸」(第15話~21話)】
本作では、そのタイトルの通り十二の国が存在する。その創造主は、十二国の王を選ぶ十二頭の幻獣・麒麟を誕生させた。その麒麟は「卵果」という木の実から生まれるのだが、卵果の状態であった戴極国の麒麟(泰麒:CV.釘宮理恵)は突如発生した異界とのゲートである「蝕」に巻き込まれ、我々の世界(蓬莱)に転移して普通の人間の子として育てられることに。
その十年後、泰麒は、蓬莱で発見され異世界に連れ戻される(蓬莱では神隠しにあったことに)。もっとも、泰麒は、他の麒麟と違う育ち方をしたため、人の姿から麒麟の姿に変化することができず、自分が「麒麟の出来そこない」ではないかと思い悩む。しかし、その悩みを他所に麒麟の使命である戴極国の王の選定が始まるのだった…

【2章の見処】
私がオススメする2章の見処は、その独特な異世界設定。

本作の世界観は、「天は己に成り代わって王朝に地上を治めさせるが、徳を失った現在の王朝に天が見切りをつけたとき、「革命(天命を革める)」が起きる」(引用:Wikipedia)とされる「易姓革命」という中国の思想を下敷きにしていると思われます。

ただ、「革命」のために王を選ぶという重大な使命を帯びている麒麟が十年もいなくなってしまうなど(しかも王がいない国は危険な妖魔が出て国が荒れてしまう。)、この創造主が作った世界が割とポンコツ(笑)。

でも、こういう完全じゃないところが人間的な神様が作った世界の魅力なのだと思います(逆に完全な世界はSF的な管理された機械的なイメージ)。

惜しむらくは、泰麒が現在は蓬莱に戻って高校生をしているという謎がアニメでは解明されていないところでしょうか(原作小説が2019年に再開されたようですが、アニメの続編も作って欲しいですね。)。


【第3章「風の万里 黎明の空」(第23話~39話)】
慶東国の王である景王に即位した陽子は、政治に無関心で異世界の世情に疎く、これまで慶東国を治めてきた王が政治を官僚任せにしてきたこともあり、実際の政治を動かしていた官僚たちに政治の実権を握られてしまう。
陽子は、王とは名ばかりで官僚の顔色ばかりをうかがう今の姿を過去の自分と重ね、このままではダメだと感じ、世情を知るため市井での暮らしを始めるのだった…

【3章の見処】
3章は、王となった陽子が官僚の権力闘争に巻き込まれ、一人の剣士として国情を査察して官僚の悪企みを暴き、これを懲らしめるという時代劇の「暴れん坊将軍」に近いお話。

そこに陽子の100年ほど前に蓬莱からきた大木鈴(CV.若林直美)と、過酷な法による処罰により民の反感を買って弑逆された芳極国の先王の娘・祥瓊(しょうけい:CV.桑島法子)という陽子と「見た目は同年代」の二人の女性が絡んでくる(※麒麟によって王に選ばれると不老になり、王の一部の家来・家族も仙人として不老となる。したがって、同じ王による治世が数百年続く場合がある。)

まあ、この鈴と祥瓊の二人が出始めの頃が特にムカつくんですよ(笑)。

鈴は自分の境遇を哀れむばかりで自ら何もしようとせず、祥瓊は自分は何も知らなかったので自分の父親である王による圧政の責任がないと、他人のせいにしてばかり。

3章は、この二人と陽子が、様々な人と出会い、色々な経験をしてさらに人として成長するというお話にもなっています。


【第4章「東の海神 西の滄海」(第41話~45話)】
雁州国の王である延王・尚隆(しょうりゅう:CV.相沢正輝)の話。尚隆は、戦国時代の瀬戸内水軍の国人領主・小松家に生まれ、戦で領地が滅ぼされたところを雁州国の麒麟である延麒(CV.山口勝平)により延王として連れ去られた過去を持つ。
その20年後、雁州国内の一州である元州で、尚隆の治水政策に対する不満を理由に謀反が起こるのだった…

【4章の見処】
4章も基本的には、延王・尚隆の「暴れん坊将軍」的なお話。

また、この延王、陽子が異世界にきた時には既に500年以上にわたって雁州国を治めていた名君なのですが、その名君たる由縁を紹介するエピソードでもあります。

「権力は腐敗する」という格言があるように、かつて名君と呼ばれた王であっても、権力欲にとりつかれ、いつの間にか堕落するなんてことは歴史上よくあること。

民のためといいながら自分のため(自己満足)になってはいないか、王として常に自問自答すべき、あるべき為政者の姿とは?


【国民一人一人がしっかりしなきゃダメ(感想)】
さて、本作を理想的な王様の話とまとめてもいいのですが、もう少し話を進めるなら、本作は、民主主義って各国民が主権をもって国を治める王様みたいなもんだから、国民一人一人がしっかりしなきゃダメなんですよということを中華風ファンタジーを用いて説教臭くなく説明した作品だと思うわけです。

私がそう思う理由は、有名な景王(陽子)による初勅(施政方針演説)のシーン(第39話)。

{netabare}「私は人に礼拝されたり、人の間に序列あることが好きではない。
相手の顔が見えないことが嫌だ。人から叩頭されることも、叩頭する人を見るのも不快だ。
これ以後、礼典・祭典・及び諸々の定めある儀式・他国からの賓客に対する場合を除き、伏礼を廃し、跪礼・立礼のみとする。
他者に頭を下げさせて、それで己の地位を確認しなければ安心できない者のことなど、私は知らない。
それよりも人に頭を下げるたび壊れていくものの方が問題だと私は思う。」
「人はね、景麒。真実相手に感謝し、心から尊敬の念を感じたときには、自然に頭が下がるものだ。
他者に対しては礼をもって接する。そんなことは当たり前のことだし、するもしないも本人の品性の問題で、それ以上のことではないだろうと言っているんだ。」
「私は慶の民の誰もに王になってもらいたい。地位でもって礼を強要し、他者を踏みにじることに慣れたものの末路は、昇紘、呀峰(謀反人)の例を見るまでもなく明らかだろう。
そしてまた、踏みにじられることを受け入れた人々が辿る道も。」
「人は誰の奴隷でもない。そんなことの為に生まれるのじゃない。
他者に虐げられても屈することない心、災厄に襲われても挫けることのない心。
不正があれば正すことを恐れず、獣に媚びず、私は慶の民に、そんな不羈(ふき)の民になって欲しい。己という領土を治める唯一無二の君主に。」
「そのためにまず他者の前で毅然と頭を上げることから始めて欲しい。」{/netabare}

この初勅では、「徳のある統治者がその持ち前の徳をもって人民を治めるべきである」(引用:Wikipedia)とした孔子の政治思想である「徳治主義」の影響を感じます。そして、「私は慶の民の誰もに王になってもらいたい。」、「己という領土を治める唯一無二の君主」という表現は、いってしまえば「民主主義」を目指すということでしょう。

その心は、民主主義って一人一人が国を治める王様みたいなもんだから、他人任せにすることなく、それぞれがしっかりしてなきゃ、いつかあるべき道を「失道」して、因果応報、世の中が乱れることになりますよってことだと思うわけです(文字にすると途端に説教臭くなりますね(笑))。

特に3章の鈴や祥瓊は、政治に対して文句をいうだけで何かするわけでもなく、また、自ら知ろうとする努力もせず自分は何も知らないから責任がないと言い逃れようとする現代的な大衆のメタファーともとれます。

まあ、そこまでの内容と捉えないとしても、特に一人の女性が自立するまでを描いた成長物語としても秀逸な作品だと思います。さすがNHKというべきか、是非、青少年に観て欲しい作品です。

ただ、いずれにせよ単なる娯楽作とは言い難い内容なので、昨今の異世界転移ものと同じように異世界で無双する冒険譚を期待しているなら、肩透かしを食らうかもしれません。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 5

75.5 3 伝奇で戦いなアニメランキング3位
虚構推理(TVアニメ動画)

2020年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (577)
2347人が棚に入れました
怪異"たちの知恵の神となり、日々“怪異"たちから寄せられるトラブルを解決している少女・岩永琴子が一目惚れした相手・桜川九郎は、“怪異"にさえ恐れられる男だった!?そんな普通ではない2人が、“怪異"たちの引き起こすミステリアスな事件に立ち向かう[恋愛×伝奇×ミステリ]!!2人に振りかかる奇想天外な事件と、その恋の行方は――!?

声優・キャラクター
鬼頭明里、宮野真守、福圓美里、上坂すみれ、浜田賢二、佐古真弓、下山吉光、本山かおり、塙真奈美、後藤ヒロキ、宮田幸季、前田玲奈、飛田展男、大南悠
ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

真相はマズいのでウソつきに極振りしたいと思います。

アニメ好きの方なら誰しも一本ぐらいは
  『個人的には好きなんだけど、ぱっとしないからおススメし難い』
という作品をお持ちなのではと思います。
(そんなもんねえよ、という方、ごめんしてくださいまし)

本作『虚構推理』は僕にとってまさしくそんな感じのアニメで、
  ほめるべきところは少なく、
  あのねお前ね、とセッキョ-したくなるところがやたらと多い。
  そのくせ、気になる。はっきり言って『好き』。
という、ダメ女にほれるバカ男的立ち位置で見ている作品であります。

まさかの二期開始ということで、
個人的にはとってもウレシイのでありますが、
おそらく、また『ぱっとしない』アニメになることが充分に予想されます。

  というか、
  カントクや制作会社にもモンダイがあるけれど、
  お話の構造的に『ぱっとさせにくい』作品なんですよね、これって。

  ストーリーがどうこうという以前の問題として、
  そもそも作品のタイトルからして、
  いわゆる『タイトル詐欺』みたいなものなんだもの。

  登場人物は誰も『推理』なんかしちゃあいません。

  じゃあ何をしているかというと、
  カンタンに、そして身もふたもない言い方をすると

                     ウソをつく。

  人間界ともののけたちの世界をまたにかけ、
  さまざまな事件を口先八丁で解決して回るという、
  言わば、うそつき『もののけ姫』のお話なのでありますよ。


ただし、ただ性格が悪いからウソをついているとか、
その場をしのぐために出まかせを並べ立てているわけではありません。
そこには、ちゃんとした『理由』みたいなものがあるわけで。


本作の主人公(ヒロイン)の岩永琴子は、
人間ではあるのですが、わけあって、
もののけ・妖怪の類の『知恵の神』みたいなことをしております。

人間界ともののけの間に起こる問題や疑問、
あるいは、もののけ間におこるトラブルなんかを解決する、
いわば『駆け込み寺』みたいな存在と考えていただければ、だいたい合ってます。

なにせ、もののけたちの『知恵の神』ですから、
現実の人間界で何が起こったのかという『真相』はすぐにわかります。
  といっても、
  琴子自身になにかものすごい能力があるというわけではなくて、
  事件現場の地縛霊に聞いたりするだけなんですが。

ただ、その明らかになった『真相』が、
事件解決のためにはいささか都合が悪いものだったりするわけです。

  あ~、これ、絶対アイツ納得しね~だろ~な~、とか、
  うわ、これ、明らかにしたら余計に話がややっこしくなるじゃん、
  みたいな感じですね。
  (まあ、リアルでもよくある話っちゃよくある話です)

というわけで『ウソをつく』。
と言っても、相手もその事件に関する情報をもっているわけですから、
思いつきとか出まかせではダメなわけです。

  きちんと下調べをしたうえで、
  相手に明らかになっている断片をつなぎ合わせ、
  辻褄を合わせつつ、
  相手が納得できるような『真相っぽいもの』を『デッチあげる』。

そういうのが、本作のキモというか、
やってることのほとんど全てなのであります。


新しいっちゃ新しいし、着眼点はすごくいいのと思うのです。
むかし流行ったシドニイ・シェルダン作品のように、
アクションとかではなく『知略』を楽しむタイプのお話ではあるまいかと。

  え? なんかフツーに面白そうじゃん。

なんて感じていただける方もいらっしゃるかと思います。
いや、確かに着想なり設定なり話の運びなりはすごく面白いんです。
ほんと、面白いっちゃ面白いんですが、
そういうお話の構成上、
どうしても『会話劇』が中心で絵面的に『ジミ』になっちゃうんですよね。

そういう原作をアニメ的に面白くするためには、
作画と演出に力を入れて視覚的に惹きつけるしかないんですが、
その作画と演出がブレブレで、
この際だからはっきり言っちゃうと『しょぼい』んです。

いやほんと、しょぼ過ぎて、人さまにおススメするのをためらうぐらい。

制作は、あたりはずれの落差が激しい、ブレインズ・ベース。
やるときはけっこうやる会社なんですが、
こっちはダメな方のブレインズ・ベースさんですね。

  力の入ったカットは、けっこう力が入ってます。  
  妖怪の類はおどろおどろしく描かれ、ちゃんと深夜アニメしているんです。
  ただ、そのテイストが安定しないんですよね。

  できそこないの『ゲゲゲの鬼太郎』や『ぽんぽこ』みたく、
  いやこれ深夜アニメじゃなくてジュニア向けアニメのテイストでしょ、
  とツッコミたくなるカット・演出が散見され、
  どこに焦点を当ててモノ作りをしているのか見当もつきません。

  もう、そこのあたりで世界観がぐりとぐら。

  作品の性質上、会話劇中心でアクションはほとんどないのですが、
  たまに出てくるそれは、
  なんかもう語りたくないな的なアレであり。

  唯一、第一話だけが『けっこう見られる』レベルなんですが、
  それは典型的な『第一話サギ』。
  そのイメージで続きを見ると、見事にうっちゃられてしまいます。


そして致命的なのが『話が長い』ということ。
(これ、他の方のレビュ-拝読してても、ほぼ共通意見かと)

第一期は全部で十二話。
その中で三つの事件を解決しているわけなのですが、
三話Aパ-トの途中から最終話である十二話のラストまで、
ほとんど10話分の尺をまるまる使って
『鋼人七瀬』という一つのお話をやっちゃってるわけです。

一話、二話と、ポンポンとリズムよく話が進んでいくので、
  お、このアニメ、けっこう面白いんじゃね、
なんて思っていた視聴者も、さすがに飽きたりドン引いたりするんですよね。
話そのものはよく練られていて面白いのですが、
いかんせん『長い』、そしてもちろん『テンポが悪い』。

  第七話のサブタイなんて「鋼人攻略戦準備」だもんなあ。
  『準備』で一話まるっとなんて、
  サブタイだけで視聴者が引くと思わんかったんか、おい。

そもそもメインの『鋼人七瀬』事件はそこまで重厚長大なお話でもなく、
話の合間合間に物語の設定解説みたいな話、
  ・琴子のパートナ-である九朗が不死になったヒミツ
  ・事件の裏にいる六花との関連性
みたいなものが差し込まれて、解決が引き延ばされていくわけです。

そういう
  時系列を入れ替え、
  少しずつ情報を出して全貌を明らかにしていく
という演出自体、古臭いし、そもそも意味がない、と拙は思います。

時系列をぐちゃぐちゃ入れ替えるのが『カッコいい』なんて、
いったい、いつの時代の感性なんだよ、とか強めに言ってもみたり。

  原作がどうなってるのかは読んでないのでわかりませんが、
  鋼人七瀬事件以前のできごとは
  アニオリのエピなどを加えて事前に数話かけて流してしまい、
  その分、七瀬をコンパクトでリズムよく進めた方が、
  視聴者も集中できて楽しい作品になったのではと愚考する次第です。


あと「ひどいなあ」と思うのが、OP・EDのカット割り。
曲自体はぜんぜん悪くないのですが、
流れている映像がひどすぎて、作品本編まで薄めちゃってる感じがいたします。

  そもそもOP映像というのは、
  その作品の世界観を簡潔かつ魅力的に語る『招待状』である『はず』なんですよね。
  (OP詐欺もままありますが、それは置いといて)

  ところがこの作品、OPをいくら眺めても、
  バラバラなカットがぐちゃぐちゃに並んでいるだけで、
  なにがやりたいアニメなのか、全然、これっぽっちもわかりんせん。

  EDなんかもっとひどくて、
  琴子と九朗が、ドレスとタキシードで踊っているだけ。

  お話が地味だからEDぐらい明るく華やかに、とでも思ったのでしょうが、
  本編の世界観ぶっちぎっていますし、
  そもそも『華やか』の具現がドレスとタキシードって……あんたは昭和のおっさんか。


というわけで、僕のおすすめ度は残念ながらBランクです。

お話は、ほんと面白いんです。
細部まで設定や伏線がほんとによく練られていますし、
オチも素晴らしいものなのですが、
いかんせん『アニメとしての完成度』はBクラスとしか言いようがなく。
胸を張って万人におすすめできるレベルにはありません。

  萌え成分はほとんどなきに等しく、
  血沸き肉躍るようなアクションなんて別の惑星の話ですし、
  目の覚めるような美しい映像なんて、1カットも存在いたしません。

  え゛、ジュニア向け? とか思ってしまうカットと、
  シリアスなカットが入り乱れて、
  作画や演出のテイストそのものが不安定な神様状態でもありますし。

  そして、一つのお話が長い。
  ムダに長い、あまりにも長い。長すぎて死にそう。


ただ、そういう作画や演出、シリーズ構成の『しょぼさ』も、
見慣れてくると、あまり気にならなくなってきます。
(少なくとも僕はそうでした)
しょぼさも味のうち、なんてモノすごい理屈で割り切ってしまえば、
それなりに楽しめる作品になってきます。
{netabare}
  とりわけ、九朗と六花の『未来決定能力』のアイディアは秀逸。
  この、便利そうで実はそうでもない能力のおかげで、
  作品の絵面にも、物語の構成にも、ぐっと奥行きが生まれています。
{/netabare}

あと、基本『会話劇』が中心の作品なのですが、
その『会話』を成り立たせている役者さんのお芝居が、すごくいいんです。
これは一聴の価値アリではあるまいかと。

  琴子(ヒロイン)役      鬼頭明里さん
  九朗(パートナ―)役     宮野真守さん
  紗季(九朗の元恋人)役    福圓美里さん
  六花(九朗の従姉で黒幕)役  佐古真弓さん

映像がしょぼいので気がつかない方が多いかも知れませんが、
この四人が織りなすドラマ、お芝居としての完成度は『すごい』です。

泣いたり叫んだりわめいたりというシ-ンがほとんどなく、
全体的に抑え気味、適度に『間』をもたせた、淡々としたお芝居なんですね。
ですが、その淡々とした語り口調の中で、
その台詞の奥にある感情や心の『揺れ』『ひだ』みたいなものが、
ものの見事に表現されています。

  特に、紗季役を演じた福圓美里さん。
  作品の主要キャラではほぼ唯一の『一般人枠』であり、
  感情の波が一番大きい役どころなんですね。

  そこのところを、他の役者さんに合わせた抑え気味のお芝居で、
  時にコミカルに、時にシリアスに、そして時にはエモく、
  バランスをとりながらうまく演じきっています。

これぞ役者の真骨頂。叶うことならば舞台劇として謹聴したいレベルかと。

  あと、この四人の中で、佐古さんだけは事前に存じ上げなかったのですが、
  調べてみたところ、文学座に二十年も在籍し、
  外画吹き替えで数えきれないほど主演を張ってきたベテランさんなんですね。

  お父さんは、演劇集団円の設立から参加した、故・佐古正人さん。
  (血統書付きなんだ)

  佐古さんのおかげで、
  ヘタをしたら『アタマおかしい危ない女』にしかならなかった六花が、
  ミステリアスで思慮深い、そしてかなりヤバい、
  素晴らしくかっこいいキャラとして立ち上がりました。

  実を言うと、拙はこの六花さんが大のお気に入りで、
  六花さん目当てで二期を視聴するところが無きにしも非ずかと。
  (いえ、別に萌えちゃいませんが)


ほんと、ほめるところってそのぐらいかなあ……

最初に言ったように、僕的には『好き』な作品なんですが、
その『好きポイント』がけっこうマニアックなところに集中してるし、
欠点がすごくはっきりしているので、
どんなに推したところでダメな方にはまるっきりダメだと思います。
ムリ推しするような作品でもないですしね。

ちなみに、本作監督の後藤佳二さんって、
これまで六本のテレビアニメを監督されている方なんですが、
あにこれでの人気ランキング最高位は、
二十年前の監督デビュ-作『キディ・グレイド』で、3961位です。
それ以降、一度も4000位以内に入ったことがなく、
直近の監督作だった『エンドライド』(2016年)は7076位なんですね。

  もちろん、あにこれランキングがなんぼのもんじゃい、とも言えるし、
  アニメの評価って、監督『だけ』の責任じゃないわけですが、
  さすがに六本もやって、ギリ4000位以内が一本だけってのはなあ……。

  で、本作はなんと841位!(2023/01/09現在)

  これって、すごく申し訳ないんだけど、客観的に言って、
  カントクや制作の手柄じゃなくて、
  純粋に原作が面白いのと役者さんの力だと考えるのが妥当みたいな気がします。

  これはほんとうに100%拙の主観であり、
  誰かを貶めてやろうなんてつもりは全くありませんが、
  もうちょっとマトモにつくれば
  充分に300位以内が狙えるポテンシャルの作品だと思うんですよね。

  惜しい。もったいない。嗚呼口惜しや。


**************************************************************


ちなみに、二期も総作監が変わっただけで、
本作とまったく同じ制作スタッフでお送りすることになっております。

一話見たそす。いや、見たんだけどさあ……

 ・OP、相変わらず、何がしたいアニメなのか皆目わからず。
 ・本編開始から丸々三分、モブがぐだぐだと設定を説明するだけ。
  (番宣じゃなくて本編なんですよ?)
 ・バトル、激しょぼ。
  おまけにバトル中、モブが九朗の能力をぐだぐだ解説。

もちろん、会話にのっけて設定を説明するのは他でもやってますよ。
確かにやってはいるんだけどさ、
ここまで『あからさま』かつ『長い』かつ『つまらない』のは、
さすがにちょっと見たことないかなあ。

  というか、こんなに『これまでのおさらい』をするなら、
  サブタイに13話(一期からの通番)なんてつける意味、なくない?
  ちなみに、コンテも演出も監督本人なんだけど。

まあ、このあと雪女で悠木碧さんが出てくるみたいだから、
続きは2nd seasonのレビュ-にて。
もしも途中で心が折れて描くの挫折したら、ごめんしておくんなまし、

投稿 : 2024/11/02
♥ : 21
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

観終わった

5話までの感想{netabare}
えっ、監督後藤圭二なのか、何故か自分は勝手に経営側に回って現場は退いたのだと思ってた、トンだ勘違い、ホント何でだろー?
じゃあキャラデザは門之園?と思ったらそうじゃないみたい、けど門之園の雰囲気がする、名前変えて参加してるのか?そこんところよく知らんから参る。

でもって内容。
どうしても自分は「人間がアヤカシの類とおいそれと関わってはマズい」という価値観が染み付いてて、もっと言っちゃえば関わってる間に人間ならざるものに段々と変容してしまうんじゃないか?という思想が根底にありまして。
一体何の影響だろう、ゲゲゲ?
ということで1話見た時点では「そうそう、こうだよこう」と妙に納得。
そういえば“かくりよの宿飯”では幼い頃にアヤカシから食い物の施しを受けて「あれ食ったのはヤバいんじゃないか」とよもつへぐい的な印象を持ったのだけど、全然そうじゃなくて「あれー?」となったのを思い出したりもしたり。
自分はやっぱこっち(なにかリスクがある)の方がシックリ来るなぁ。
と、1話の感触は上々だったものの2話で方向性がよく分からず困惑、そして3話でやーっとこの作品の方向性が分かった気分。
人間から見たらアヤカシの価値観なんて道理が違いすぎて理解し難い、それはアヤカシから人間を見た時もそうだろう、琴子はそれの間を取り持つ──事実はどうあれ納得させる屁理屈をでっち上げる──のがこの作品のテーマかな?と。
ってか3話Aパートまでが2話の続きで構成が変則的だねぇ、2話終わった段階で「え、まだこの件続くの?」と思いかけてたくらいで、Aパートで終わってよかったんだけどさ。

が、4話から再び戸惑うことに。
また続くんかい!ってかアイドルのPVシーン思い切り監督の趣味だろwww
そんなんで時間稼ぎして引っ張って、なんかイヤ~な予感がするんだけど…。
そして5話、予感的中。
人の噂話などの集団心理が具現化してアヤカシになるって…怪奇モノやオカルト系では超メジャーじゃない?それこそよもつへぐいよりも。
題材にするのは構わないのだけどそこまで引っ張るほどのネタかなー?
同期放送の“自縛少年花子くん”なんか第二話の中でサラっと触れてサラっと解決してたし…もうひと捻りあるのかな。
ってかホラ、大蛇の件でも触れてたじゃない?人からの信仰が薄まって弱くなった、みたいなの。
鋼人七瀬も同じじゃん?
大蛇の時点で「この作品世界ではそういう法則なのねー」ってのは出来上がってて、5話は伏線どころか公開した設定を謎のトリックにしただけで…なんだコレ?
なにより大して驚くようなネタでもないのに話が長い、アクションも冗長、あっるぇ~?

…と思ったら、アニメは原作と順序が違うらしい。
あらー、じゃあアニメスタッフが順番入れ替える際に調整ミスしたってことか?
とにかく妙に引き伸ばし感を感じる、ヘタに引っ張らなければ気にしなかったのに…。
「原作のここまでをアニメにする」ってのを決める時、かなり巻数が少なかったとか?{/netabare}

6話感想{netabare}
6話は終始「ああもう分かった、分かったから話進めてくれ」って感じ、朝礼の校長挨拶かな?
噂が力を与えてるので別の噂を流しましょうってだけの話で、「想定される問題」は実際に問題にブチ当たってから説明すればいいよ、もう。
ってか簡単な話を簡単に説明するのと簡単な話を難しく説明するの、どっちが賢いんだろう?
難しい話を簡単に説明できるのが最も賢いと思うので、その正反対は?と考えると…うん。
ところで、単純な事件をゴチャゴチャとかき回してズルズルと時間を引っ張るのをネタに昇華したギャグ作品で、実写だけど“33分探偵”ってのがありまして。
なーんかこれ見てたらそれを思い出して仕方なかった、「なんやかんや」の部分をアヤカシに置き換えてつまらなくした感じ。

ま、まぁこれはね、↑でも書いたけど“自縛少年花子くん”と放送時期が被ってるせいかもしれない。
あっちはあっちでオガメグとツダケンが何喋ってるのか聞き取れなくて困ったことになってるけどw{/netabare}

8話までの感想{netabare}
話は置いといて絵について。
派手なアクションがあるでもなしキャラ数が多いワケでもなし、絵を描く側としてはそれなりに余裕があるのだろうか。
ってことなのか、六花の「痩せギスっぷり」はよく描けてるんじゃない?
自分はそうじゃないけど、世の中には枯れ木のようなガリガリのヒョロヒョロが好みって人も居て、そこら辺のフェチは感じたw
他のアニメでこういうキャラは大体目の下にクマがある程度かもしくは極端にブサイクに描かれて、ここまでガリガリに描いておいて美女ってのは珍しいと思う。
さすが絵描き上がりを監督に就けただけはある、と言っていいのかな?(話は置いといてね)
しかも六花は人魚肉食って不死、見た目ああでも多分健康には問題無くて、痩せギス好きには理想に近いんじゃなかろうか。
そりゃ九郎も惹かれるわw
それと同期放送の“異種族レビュアーズ”が対極的にムチムチした肉感的(時にはデブ)なのが大々大好きなうのまことが大暴れしてて引き立ったせいもあるかも?
(逆に、果たしてレビュアーズは痩せギスを描けるのか?ってところも興味湧いてきたり)
↑で書いた様に“花子くん”とネタ被りしてツイてないなぁと思ってたけど、レビュアーズと被ったのはラッキーかも?{/netabare}

9話感想{netabare}
ネット世界のイメージ映像、ナデシコのルリやキディグレイドのリュミエールを思い出した。
ああ、これで後藤監督を起用だったのか?

ただ…こればっかりはどうしようもないのかなぁ、ディテールが現実に対しチト古い、作中時代は一昔前だっけ?
今だったらネット上の主張合戦は掲示板だけでなく動画投稿が大きなウェイトを占めるんじゃないかな、ゆっくり辺りに喋らせたヤツ。
原作を発表してヒットして、アニメ化が決まって作って、放送されるまでのタイムラグは避けようがないか。

で、もしコンクリブロックで撲殺したなら鑑識でバレるんじゃない?ってツッコミはまぁ、推理モノではまぁ…。
あくまでイメージで、便宜上コンクリなだけで「紐で縛れて重くて固くて直撃したら死ぬ」の条件を満たせば『なんでもいい』のだろうけど…だったらもっとこう、モヤ~っとした物質にはできなかったかな?
↑で挙げた“33分探偵”では「鈍器のようなもので殴打」のイメージ映像は壷のようなボーリング玉なようなモヤっとした物質で、「鈍器のようなものって何?」という突っ込みに「鈍器のようなものは鈍器のようなものです!」と返してたのを思い出した。
というかそういった強引な態度で「でっち上げの推理」を押し通すのがウリの作品だった訳だけど…なんか“虚構推理”を見てると33分探偵を思い出して仕方ない。
しかも33分探偵は33分で事件が解決する一話完結モノ、そもそも5分で解決する事件を33分に引き伸ばす内容で、こっちの数週間に渡って鋼人七瀬の話をしてるのはさすがに「引き伸ばしが過ぎる」と思わずにいられない。
ってかさぁ、パク…パロとは言わないけど、着想の一部に33分探偵があるんじゃない?
「正直そっちを見た方…がゲフンゲフン」なんてことにならない展開には期待してるけど…。{/netabare}

10話感想{netabare}
原作は未読、先の展開は全く知らない。
知らないからこそ素っ頓狂な妄想(願望?)すると、最後は「なんでこんなことに夢中になってたんだろう」と掲示板連中の興味を失わせるオチだったりして?
デマって大抵そうじゃない?
で、その可能性がある限り…感情移入?自己投影?なんていうんだ、掲示板のメンバーになったつもりで話に耳を傾けることができない。
とこか冷めた目で「バカみたいなことゴチャゴチャ言ってんなー」って感じで…。
と思ったら、あ!この感覚ってガッチャマンクラウズだw
クラウズがダメってことじゃなくて、{netabare}暴走した集団心理は説得なんて通じなくてもう冷や水ぶっかけるしか手段が無い{/netabare}って内容で…私は発想がそっち寄りだなぁ。
逆を言っちゃうと、本作は「よく話の通じる連中ばかりなことで」と違和感を拭えない。
当然クダンの力のお陰って説明はあるものの、掲示板であんなやりとりってリアイリティとしてどうなんだろう。
いやホント掲示板の連中よくこんな奴真面目に相手できるなぁ、と。
「長文ウザい、3行で」って言われないのか。
仮説だと断ってたクセして言葉の最後を「~なのである」「~であるからだ」と断定口調で締めてるのもキツい、結構イラっと来るw
「まるで見てきたかのようだな」って突っ込みは入らないのか。
それらもオチに向かっての仕込みなら構わないのだけど、果たしてどうなんかな~?{/netabare}

総評(これだけ読めばいいかも){netabare}
鋼人七瀬パートが長すぎ、ってのは私が言わなくても他の方も指摘してるでしょう。
で、冗長なだけでもアレなのに、その内容も…全然共感できないから困りモノ。

ネット上のデマ関係なんて、それこそ最近ではNHKの京アニ報道だとか、ちょっと前ならスマイリーキクチとか色々あって(コロナ関係はノーコメント)。
更には個人的に…そこまで追求はしてないけどボーっと眺める程度には追っかけてる騒動とかもあったりして。
それで感じるのは、現実のネット民ナメ過ぎな気が…。
少なくとも上記の例だけでも、誘導されやすい系って過度な正義感に燃えてる人が多い気がする。
言い方変えれば、被害者でもないのに加害者を設定してそれを叩く自分正しい、みたいなのにすっごい食い付きが良い。
そこら辺考えると“ガッチャマンクラウズ”の方が良くできてたのかな?と思ってしまう…というか“アンパンマン”だってそれをテーマに据えてる訳で(ゲストキャラにバイキンマンが「えーん、アンパンマンに酷いことされたよー」と嘘を吹き込んで「それは酷い、よーしボクが成敗してやる」って話が多い、非常に多い)。
この作品では「人間の興味なんてそんなもの」で片付けようとしてたけど、実際は好奇心より正義感のが勝るんじゃないかな?ネットだと特に。
もし誘導したいのなら正義感をくすぐるような餌をバラ撒けばいいのに…とずっと思ってて、だけどそれはやらず淡々と理屈並べるばかりで、多分それで考えを二転三転する人ってそう多くない気がする。

でもって肝心の理屈が…冗長なうえに説得力を欠くから困ったもので。
これはアニメスタッフの責任になる…のか?
琴子のでっち上げの推理部分、「空想による再現映像」だけど、それが詳細に描(えが)かれ過ぎ。
文章だけならなんとなくボヤーンで済ませるところをハッキリと絵で描いてしまって、そこに更に琴子の断定口調が加わって「まるで見てきたかのよう」と思ってしまう。
立てかけたあった鉄骨を蹴って上手いこと被害者の上に倒すとか、そこは「なんやかんやして鉄骨を落とした」とボヤかせばいいのにハッキリと描いてしまった。
寺田刑事が懐中電灯で気絶させられるのも、「いい感じに手ごろに鈍器のようなものがあってそれで不意打ちした」とボヤかせばいいのにハッキリと描いてしまった。
「あの状況で気絶させた」の条件を満たせばいいだけなので、もしかしたら色仕掛けで隙を突いたでもいいワケで(作家によってはそこを頑張って書くだろう)、あそこまで詳細に描く必要は無い。
大雑把でいい部分を事細かに自信満々で断定するものだから、どうしても「なにをもってそうだと断言してるの?」と疑問の範囲がデカくなってしまう。
その結果琴子の推論に賛同できないし、まんまとノセられてる掲示板の参加者がアホに見えて仕方なくなる。
「あくまでイメージ映像です」ってことで参加者は文章で聞かされてるだけなんだと思おうにもそこまで感情移入はなかなか辛いって、原作未読でアニメでしか知らない人は特にそうじゃない?
要は詐欺の手口の話なので「曖昧なまま気付かれないようにしれっと流す部分」があるのは構わないハズ──場合によっては屁理屈よりそっちの方が腕の見せ所かも──なのに、アニメではそれを律儀に詳らかにしてしまって詐欺師の言い分のおかしい箇所を明かしてしまっている。

正直言ってこれ…原作者が一番頭抱えてそう、「なんでそこそう描いちゃうかなぁ」と。
{netabare}と、これも所詮アニメスタッフを加害者・原作者を被害者に設定したロジックで、ここまで読んで「うんうん、アニメスタッフ酷いよね」と思った方は…まぁそういうこと{/netabare}

本編の大半が鋼人七瀬編なのでそっちに関して先に書いてしまったけど、それ以外の部分は良かった。
「人間と怪異は交わるものではない」は何故か私もその価値観で、というかそういう前提でタブーに踏み込む感じこそが妖怪モノの真骨頂かな?とも思ってて。
なのでもし人間が怪異と交流しようとするなら肉体や精神がマトモでいられない(琴子)、ましてや妖怪の肉なんて食べたら只では済まない(九郎)、そこんところちゃんと踏まえてるのは安心する。
(それが普通だと思うのだけど、最近そうじゃないのがあってね…)
果たして想像の上とはいえ七瀬かりんや寺田をオモチャにするような真似はどうなん?ってのも、怪異と係わりすぎて価値観が真っ当な人間とは違っちゃってる、と考えればそこまで酷いとは思わない。
琴子のシモい性格だって、妖怪(土着信仰?)なんてお下劣なのが多い訳で、それに染まってりゃああもなるんじゃない?とも。
だから尚更「七瀬パートなんていいからもっと短編やってよ」みたいな不満が溜まる…参ったねw

それと最終回で出た花、最初ペンタスかな?と思ったけど葉っぱが違う。
じゃあ何かなーと思ったら…あっ、キョウチクトウか?(自信弱め)
植物に興味無くてもミステリー好きな方ならトリカブトと並んで有名なんじゃないかな、最後の最後でそれ出すかw
「これミステリー作品っスよ、忘れないでね」と慌てて念を押してきたみたいで微笑ましいというかなんというか。
もしくは「これ出しときゃミステリーの体になるだろ」という乱暴さというかw

ってことで総評
原作がどうあれアニオリエピソードでいいのでキャラそのままで1話か2話完結話を続けて欲しかった。
“シティハンター”で例えると一つの依頼を解決するまでに何ヶ月もかけられてもちょっと…ねぇ。
鬼太郎とあんま変わらなくなっちゃう?{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 18
ネタバレ

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

アニメである必要性はどこに?

原作は城平京による小説
2012年に第12回本格ミステリ大賞で小説部門を受賞した
虚構推理 鋼人七瀬という作品
アニメはそこに後から作られた短編集のエピソードを
真ん中に挟み込むような形で構成されています

2015年には少年マガジンRにて漫画化され
講談社の漫画アプリマガポケでは
1日1話無料で読めるようになっており
私はこちらで漫画版を読みました
なので短編が先にきたのはちょっとびっくりしました
原作小説は未読です

城平京の作品がアニメ化されるのは2度目
最初にアニメ化されたのは
絶園のテンペスト
前半クール終盤の問答シーンはなかなか面白かったですが
終盤はアニオリ展開だったのもありますが
それ以外は全体的にいまいちというのが私の評価

でもって今回の作品のメインも
屁理屈をこねまわして押し問答するシーン
つまりは絶園のテンペストで一番面白かった部分に近い
ということはアニメにしても結構面白いのでは?と思っていました

しかしそんな期待に反して
アニメでやる必要性を感じないアニメとなってしまいました
その理由をいくつか挙げていきましょう

まず第一の理由は放送時期が悪かったこと
2020年の冬アニメは割と豊作でした
といっても単にその豊作の中に埋もれてしまったという話ではありません
問題は似たような題材のアニメが複数存在していたことです
噂が具現化して現実世界がピンチ!
って内容の作品がこの作品含めて3つもありました

そのうち一つはマギアレコード
分類としてはソシャゲアニメですが
その源流は人気アニメまどかマギカにあるので
アニメそのものの出来はともかく
知名度の段階でかなり不利な戦いです

もう一つが地獄少年花子君
こちらはおそらく知名度的には勝っているものの
主人公の声優が鬼頭明里で
妖怪たちにおひぃさまと呼ばれているとか
{netabare}人魚の肉を食べて人間と妖怪の混じり物になる{/netabare}とか
共通点が多すぎて・・・
まぁあかりんの両作品のヒロインの演じ分けは
なかなかに見事だったので
そこは評価してあげたいところではあります

見る前の予想としては
物理的な(魔法的な?)力で噂と戦う2作品に対して
{netabare}掲示板のレスバトルで戦う{/netabare}この作品は
一線を画しているようにも思ったのですが
結局アニメーションとしては
{netabare}琴子のシーンはほとんど動きがなく
絵面としては九郎先輩の肉弾戦がメインなので
結局は物理で戦ってるんじゃねーか
みたいな話な上に
バトルが売りの作品じゃない分
アクションもいまいち魅力に欠けます
そもそもお互い不死身同士のバトルなんて茶番には{/netabare}
まったく見ごたえを感じません

物語としての魅力はさておき
クライマックスがヴィジュアル的にいまいちというのが
アニメーションでやる必要性を感じない第二の理由
これなら漫画に朗読CDでもつけておけば
無駄にお金と時間をかけてアニメ化しなくてもいいのでは?
というのがアニメ版に対する率直な感想です

そして最後の理由が原作が評価された背景にあります
ミステリ作品における名探偵の役割は
殺人事件の裏に隠された真相を暴くことです
奇しくもこれまた同じクールのアニメであったID:INVADEDでも
それが題材の一つになっていました
しかし虚構推理における名探偵役の岩永琴子は
真実を見つけるのではなく虚構を作り上げることで事件を解決する
つまりはミステリのお約束というやつを逆手に取ることで
ミステリ作品としてのオリジナリティを作り出しています

ほかにも{netabare}事故に見せかけた他殺だろう!
→やっぱりただの事故でした
顔の無い死体?それはきっと本人じゃないな!
→いいえ本人です
オカルトじみた怪異の仕業?さてはトリックが・・・
→普通に怪異の仕業です
という具合に
{/netabare}ノックスの十戒やらヴァン・ダインの二十則やらを
意図的に違反しまくったうえで
それでいてしっかりとミステリとしての面白さを備えていることが
ミステリ界に新しい風を吹き入れた
というような受け止められ方をしています

つまりこの作品の原作は古典ミステリをひたすら味わってきた層にとって
面白い変わり種として評価されてるのですが
アニメというフィールドでは怪異が実在することなんて
ちっとも珍しくもありません
現に噂が実体化して人を襲うという部分だけで
同じクールで3本ネタ被りしてるくらいです

正統派ミステリがたくさんある中に
こういったアニメっぽいテイストの作品があるから面白いのであって
アニメっぽいからと実際にアニメにしてしまったら
それはもはや作品の長所でも何でもなくなってしまい
毎期おびただしい量放送されるアニメの中に埋没してしまうのも必然だったと言えましょう

虚構推理という作品自体は面白いと思います
しかしアニメならではの良さと言える部分が
動いてるおひぃさまの愛らしさとかあかりんの好演とか
そのくらいしか見当たらないのでは
わざわざアニメ化する必要あったのかな?
という評価にならざるを得ませんでした

おまけ:アニメ化で削られたエピソード
{netabare}
漫画版で面白かった部分なのですが
なぜかアニメ版では削られていた
怪異と噂の関係についてのエピソードです

鎌鼬という妖怪がいます
彼らは鎌のような爪をもっていて
道行く人を高速で切りつけます
すると痛みもなく気が付かないうちに
すっぱりと切れた傷が残る
というのが伝承です

しかし近年それは真空によるものだ
という科学的な解釈が広まり
妖怪が実在する作品世界の鎌鼬は
どんどん力を失っていったという話です
確かに私も子供の頃かまいたち現象の
そんな説明を聞いた覚えがあります

しかし、実際のところそれはエセ科学というやつで
自然現象でそんな大きな気圧差が生じるとは考えにくく
もし生じたとしたら人体以外にもその影響がなければおかしいでしょう
つまり真空説はまったくのデタラメながら
多くの人に浸透してしまっているということ
確かに今考えてみればかなりいい加減な仮説で
ちょっと考えればおかしいとすぐわかりそうなものです

つまり実際には真空によるかまいたち現象なんてものは存在しないのに
多くの人がかまいたち現象を信じてしまったがゆえに
鎌鼬たちは力を失ってしまった
したがって鋼人七瀬の噂をコントロールすることができれば
たとえそれがまったくのデタラメであっても
鋼人七瀬を倒せるはずだ

というのが琴子の主張
これがあるかどうかで
鋼人七瀬の弱点が自身の噂である
という部分の信憑性がだいぶ変わってくると思うんですが
尺の都合なのか削られてしまいました
作品世界をうまく肉付けする
面白い話だったと思うんですけどねぇ・・・{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 23

70.6 4 伝奇で戦いなアニメランキング4位
刻刻(TVアニメ動画)

2018年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (427)
1694人が棚に入れました
佑河家に代々伝わる止界術
止界術を使うと、森羅万象が止まった“止界”に入る事が出来る。
ある日、主人公樹里の甥と兄が、誘拐犯にさらわれてしまう。
救出の為にやむを得ず“止界術”を使うが、
そこにいるはずのない自分以外の“動く”人間たちに急襲される。
彼らは、止界術を崇める「真純実愛会」。
止界術を使用する際に必要な“石”をめぐり、
止界の謎、佑河家の謎が徐々に解明されてゆく…

声優・キャラクター
安済知佳、瀬戸麻沙美、山路和弘、郷田ほづみ、辻谷耕史、野島裕史、内田夕夜、吉野裕行、岩田龍門
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

知っていること、出来ること、やりたいことの範囲内でしっかりと息をするキャラクター達

[文量→大盛り・内容→感想系]

【総括】
「亜人」に似たダークな雰囲気の中で行われる、わりと本格的なSF作品。

能力バトルの側面もありますが、しっかり練られていて無理がなく、原作者の高い力量が伺えます。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
時間停止、しかし、止者に危害は加えられないという制限の中で、主に3つの勢力が、それぞれの利害の為に争う、群像劇という側面もあります。

上手いな~と思ったのは、キャラの各々が、「それぞれに知り得る情報の中」で、「それぞれの価値観や思考回路」で、行動を決めているという点。

最も多くの人員を有し、平気で暴力を行使する実愛会。トップの目的は不老不死、構成員の目的は世直しに金銭。最も力がある勢力ながら、内部分裂の危険性を孕んでいるのがネックか。

止界や管理人に対する知識や経験が豊富な真島チーム。組織力と暴力では実愛会に劣るものの、情報的には優位である点、「家族の解放」という真島の目的に賛同した人員のみで活動するため、一枚岩であるという強みがある。

主人公サイドの佑河家は、止界に対する知識も組織力も最弱ながら、「瞬間移動」「対戦相手の止体化」という破格の能力で優位性を保つ勢力。目的は「家族の奪還」と「元の世界を取り戻す」という「簡単なもの」だが、唯一独自の行動をするクズ父親がネックか。

こういう構造の中、「ああ、この人物ならこの状況でこう動くよな」ということに、納得が出来る展開が多かった。

例えば、スーパーの屋上で、戸愚呂弟、、、じゃなかった(笑)佐河と対決したシーンも、ジジイの血を回収して去る佐河達を追わないのは、本石を実愛会が持っているという状況を佑河家サイドが「知らない」から。知らないことは、判断できない。こういった「整合性のある」シーンがいくつもありました。

「キャラが生きている・死んでいる」とは、何か?

とかく、ラノベやなろう系には多いんだけど、登場人物が「作者の妄想を叶えるための単なる駒」でしかない作品は、正直に言ってレベルが低い(キャラが死んでいる)と思います。作者の一人格を分散して配置したようなキャラクター達は、神(作者)の見えざる糸によってひとつの方向に誘導されているような気持ち悪さがあるというか。

そういう気持ち悪さをほとんど感じない、優れた作品でした。

勿論、本作のキャラクターも、作者が自身の描きたい物語のために動かしていることには変わりません。ようは、それを視聴者に気取られるか否かが、作者の力量なんだと思います。

クズはクズの、狂人は狂人の、バカはバカの、真面目は真面目の、子供は子供の、それぞれの判断基準で動くキャラクターは、実に「生きて」いました。

キャラに関しては、文句なし。

じゃあシナリオは? と言われれば、やや惜しいものだったなと。

無駄にチートな能力や突拍子のない展開などはせず、丁寧に丁寧に進めていたのは好印象でした。しかし、SFはやはり、畳み方(オチ)が難しい。

例えば、9話。樹里が本石を割る展開は素晴らしかった。樹里の覚悟も見てとれたし、これで「止界に置き去りにする」という選択肢がなくなり、さあ、どう戸愚r、、、佐河を倒すかが楽しみだぞ! っとなったけど、、、「管理者の使役」? 新たな能力。そりゃ~、やったらダメでしょって思いました。

例えば、12話。全てを済ませ、独りで止界に残った樹里が、静かに狂っていく過程は素晴らしかった。誰かがいるうちは自分の存在意義があり、誰もいなくなったと気づいた時、「ちゃんとしていることになんの意味があるのか」と思い、アイデンティティが崩壊する様は見応えがありました。異世界に行ったのに、元の世界のことなんか忘れて美少女達とキャッハウフフと乳くり合っているどこぞの主人公に見せてやりたいくらいだった。しかし、結局は創始者という(一応伏線はあったが)新キャラ&チートキャラの手によって、あっさりと解決。

自分で状況を追い込んでおいて、詰んだからって、新たな能力、キャラを出すのは、後出しじゃんけんでしょ。

そこだけ、残念でした。

でもまあ、難しいよね。

SFの畳み方なんて、①予想外で納得のいくラスト。②予想通りだけど納得のいくラスト。③予想外だけど納得のいかないラスト。④予想通りだし納得のいかないラスト。のどれかだと思います。

本作は、②と③の間くらいかな。樹里が現世に戻るのは納得したけど、「まさかそんな安易な方法かい」という意味での、予想外だったからね。

最近のSFで一番しっかりと畳んだのは「サクラダリセット」だと思うけど、それでも①と②の間くらい。バチっと①って作品なんて、すぐには思い付かないレベルです。

まあ、SFって、風呂敷はいくらでも広げられるかわりに、広げたら広げただけ、畳むの難しくなるわけだしね。

とまあ、色々文句はつけていますが、総じてレベルの高い作品であったことは間違いないです。あと、どうでも良いんですが、「止界って、作画楽そうだな」なんて思っていました(笑)
{/netabare}

【視聴終了(要約バージョン小盛りレビュー)】
{netabare}
複数の勢力が入り交じる中で、「ああ、この人物ならこの状況でこう動くよな」ということに、納得が出来る展開が多かった。そういう意味で、「キャラが生きている」アニメだと思った。

一方、シナリオにはやや不満が。樹里の覚悟や絶望など、見処はあったものの、作者自らで状況を追い込んでおいて、詰んだからって、新たな能力、キャラを出すのは、後出しじゃんけんだよなって思った。まあ、SFでラストを綺麗に畳むのは激ムズだから仕方ないけどね。
{/netabare}

【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
ジジイが主役? なら、楽しめそうだけど。本格派のSF? 能力をバトル? 亜人みたいな雰囲気?

2話目
止まった世界の作画は楽そうだな~と、思った(笑) 殺し方がリアルになるんだね、このシステムだと。

3話目
魂が巡るんだね。ちょいギャグを挟むよね(笑) どんだけニートでも、幼稚園児よりは早いだろ。

4話目
一回の時間停止だけで、最後まで引っ張るつもりか? なかなか骨太。

5話目
止界に住みたい、もしくは、死んでしまいたいって思うのが、管理人になってしまう条件? ヤらせてくれるかが条件って、なんか普通で良いな。でも、そんなメイン(第三勢力)になれそうなキャラが一瞬で退場ね。

6話目○
まあ、正当防衛だね。マコトくんが、生きる希望だったわけだね。お互いが知り得る情報の中だけで、ちゃんとそのキャラなりに考えて行動している。

7話目
ちゃんと、リスクを負うのが自分ってのも良いね。本当の殺意を抱けないってね。頭おかしい、父親(笑) 最後、真島さんを殺さなかったのが、管理人の意志か、ただのタイムリミットか。栄養を取られないように、守っていたのかな。

8話目
ほぼ戸愚呂弟ですやん(笑) 本石を相手が持っている情報はないからね。

9話目
お~、思いきったな。最後、自らが止界に残る覚悟か。真島が過去にやられたことを、結果として樹里に行ってしまったか。ダメ親父、じゃあ、働けよ(笑) 「管理者の使役」? 新たな能力。そりゃ~、やったらダメでしょ。自分で状況を追い込んでおいて、詰んだからって、新たな能力出すのは、後出しじゃんけんでしょ。コナン?(笑)

10話目
本格的な能力バトルを堪能。回想。

11話目
回想。お、親父(笑) いや、親父(笑) 佐河は信じなくても、間島は信じるわけね。ここで佐河の誕生とは、予想外。あとの興味としては、物語の畳み方だけだね。

12話目
一人世界に取り残された主人公の苦しみは、なかなかよかった。創始者の登場。しょうがないけど、後だしじゃんけんだな。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 36
ネタバレ

ヲリノコトリ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

この風呂敷を畳めるか、君が視聴して決めてくれ

【あらすじ】
ゆるやかに衰退する家庭で、22歳の樹里は、それでも甥の真だけはまっとうに育ってほしいと、職を探していた。そんな時、その真が誘拐される。多額の身代金に混乱する家族。そして祖父がこの家に伝わる秘術を打ち明ける……。

【成分表】
笑い★☆☆☆☆ ゆる☆☆☆☆☆
恋愛☆☆☆☆☆ 感動★★☆☆☆
頭脳★★★★☆ 深い★☆☆☆☆

【ジャンル】
SF、ホラー、異能、時間停止

【こういう人におすすめ】
SF好きな人。異能バトルものとはちょっと一味違う……と思います多分。

【あにこれ評価(おおよそ)】
55.0点。終了直後。評価いまいち。

【個人的評価】
1作品分は十分楽しめました。が、まあ、おすすめしたり見返したりするほどではないかなあ。あ、エンディング曲が最高でした。

【他なんか書きたかったこと】
{netabare}
 原作は10話くらいアニメ観た後で読みました。

 ラストは原作でもあんな感じです。
 原作は、wikiによると水木しげるさんと伊坂幸太郎さんが推薦していたそうですが、推薦すると表明していたのは、多分あのラストを見る前、つまり連載途中だったと思われます。

 敵女(間島翔子)の家族救出作戦まではすごく良かったんですが、それ以降の展開考えてなかったんじゃないかな(笑) 風呂敷の畳み方が急に下手になった感じがしました。その後も頑張ってはいたんですが、ラストはちょっとさすがに……。
  予想するに家族救出以降は{netabare} 「敵大将(佐河)がたまわにのチカラを利用してカヌリニ化して、やべー感じになる!」 {/netabare}くらいしかプロットがなかったんじゃないかなあ。アニメでは第一話冒頭で挿入されてた伏線も漫画では存在してませんので、ラストのこじつけ感は否めません。

 アニメでも伏線が足りませんでしたね。
 例えば{netabare} 「宗教団体のご神体が元々は男だった。いや違う。実は女だった」とか「"始まりの一人"がいて、佐河はその人を目指していた」 {/netabare}みたいな話を入れとけば、もうちょっとラストでおーってなったかもしれません。

 とはいえ、好きな感じの作品に出会えて満足でした!
 兄&父の無力さは見ていて清々しいです(笑) それでこそ彼らを愛せるし、心配できる。もしあいつらが強くなったらそれはただの「作者と読者の願望」であって、個人的には媚びてる感じがして微妙ですねー。


1話
{netabare}
 私もほぼ注目してなくて、「ゆるアニメはだいたい把握したから、あとは中断してたエヴァーガーデンか豚骨ラーメンを再開して、今期の自分的シリアス枠にしよう」と思ってましたが、シリアス枠はこれにしてみます(笑)
 先が読めませんが今のところ物語の流れは問題なし。「兄や父は割とどうでもいいが真が死んだら"終わり"だ」というのが1話の主人公の深層心理で、私も同意です。幼いからとかかわいいからとかではなく、もっと打算的な将来性と家族という集団の調和の問題。突然現れたヤのつきそうな動ける人たちも、無駄に口上を述べたり設定を説明したりしないで、問答無用で、仲間同士で仕事の確認しながら殴ってくる感じがイイ。「あ、これ主人公死ぬかな?」と思った。
 時を止める秘術、置物みたいな石、それに囚われたものの末路、予想していなかった自分たち以外の動ける人々、そして現れた偶像的な怪物。

 問題はこの風呂敷を畳めるかどうかです。ふわっとさせて終わったら全く見る価値ない駄作。というかふわっとさせそうだったら切ります(笑)
 逆にこの疑問点をSFとしてきれいに収斂させるようなら、とんでもない掘り出し物を見つけたことになります。

 収斂できそうかどうか、原作の出自である程度予測できるかな、と思い調べてみました。
 小説原作ならまず安泰。ラノベでも俺TUEEやハーレムに行かなければまあたぶん大丈夫。アニメオリジナルなら望み薄。
 漫画なら年代やどの雑誌か、今何巻まで発行か、現在連載中かによります。現在連載中の漫画でこの感じだとアニメオリジナル以上に望み薄。50巻とか出てても微妙。割と歴史のある青年誌で、最大でも12巻くらいで完結してて、アングラなあたりで注目されてるようならがぜん期待が高まります。それでも小説よりは信頼性低いけど。

 で、この刻刻(こっこく)という作品ですが、wikiによるとモーニングで2008年から2014年まで続いた全8巻の漫画らしいです。wikiには水木しげると伊坂幸太郎が推薦していると書き添えられてました。アニメ終わったら見てみようかな。まあ正直、水木しげるさんと伊坂幸太郎さんがどういう漫画が好きか知らないのでなんとも言えませんが、ちょっと期待しちゃいますよねー。

 絵も不満無し。音楽はかなりいい。
{/netabare}


2話・3話後追記
{netabare}  いい。たぶんいい。
 少なくとも異能バトルものにはならない。少年向けじゃなく青年向け。
 「誰がどんな能力を持つか」「誰と誰が戦ってどっちが勝つか」みたいな話じゃない。たぶん「この異界の設定」と「敵の思惑」を一番深く理解した者が生き残る。能力は今のところ情報のハンディキャップを埋めるファクターという程度。だが生き残っただけでは意味がない。組織を潰すか異界を潰すか石を壊すか。誰が生き残るのかもわからない。
 原作者に、主人公をいじめたいSの部分があるのはわかった。

 そして、原作者に風呂敷を畳む気があるのはわかった。
 SFとホラーが同じ到達点を目指しているということを分かっているようだ。いや、私がそう思ってるだけだけどさ。水木しげるさんが推薦した理由はわかった気がする。
 ブラックホールになるほど小さく畳まなくてもいいけど、綺麗に手のひらサイズに畳んでくれ(笑)まあ畳み方を気に入るかどうかは個人の主観だから、お手並み拝見といったところ。

 異界の情報も敵の情報も惜しまず出してきているが、まだ底は見えない。
 あの化け物に恒常性がないという設定は今後どう生きるのか。止まっているものと動いているものは明確に区別され、動いているものが止まっているものを動かすと、止まっているものはその地点で慣性を得る。なるほど、時間が止まっているというよりは、止界という別次元の存在になるということか。わかる。面白い。敵は表面的にはなんとなくわかるが、全体像がまだみえない。どれくらいの規模の組織だ?一枚岩というよりはチンピラ数団体を子飼いにしてるのか?そもそもこの敵が異界に0.01秒のずれもなく入れた理由も、ここから出る方法もわからない。てかエロいことはしていいんだ。ふーん。

 新たな謎もポンポン出てくる。
 主人公と敵の女の因縁。主人公の過去。そして主人公の血筋。明らかに家族単位でこの異界とかかわりがある。でなければ白いもやもやがピンポイントでニートと子供に飛んできた説明がつかない。血筋。なんのだ?

 そして何よりED!
 朝焼けと熱帯魚/ぼくのりりっくのぼうよみ
 メモメモ。
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 30

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

みんなでかえろう

この物語の原作は未読です。
安済さんが出演すると知って視聴を決めた作品なのですが、キャラデザに懐かしさを感じる作品…という気がしました。
wikiで調べてみると納得…
懐かしさを感じた理由は2014年の冬アニメで放送された「ウィザード・バリスターズ 弁魔士セシル」のキャラデザと同じ梅津泰臣さんが手掛けられていたからです。

これで一気に親近感が高まった気がして早速視聴を開始…

この物語の主人公は、安済さん演じる佑河 樹里…
この佑河家は、稼ぎ頭がいないのが悩みの種…
父親が無職、兄はニート、隠居の祖父、母親、シングルマザーの妹の早苗、甥との7人暮らし
貧しいながらも何とか普通の暮らしを営んでいました。

ところがある日、兄と甥が幼稚園からの帰り道で誘拐されるアクシデントに見舞われます。
犯人から身代金要求の連絡が…
そんな大金…限られた時間で準備できる訳がない…
樹里が覚悟を決めて家を飛び出そうとしたところ、祖父が佑河家に代々伝わる秘術を持ち出してきたのです。
その秘術とは止界術…時間を止められる術だったんです。
時間を止めて家族を助けに行く…そのはずだったのですが、誘拐犯も止界の中で動き回れる相手だったんです。
彼らの目的は止界を発動させた佑河家の「止界術の石」を手に入れること…

数では樹里たちが圧倒的な不利…
しかも腕力・武器に至るまでの準備が何もかも違いすぎ…
相手は相当前から練っていた計画だったんでしょう。
こうして「止界術の石」を巡る戦いが勃発し…物語が動いていきます。

時間が止まっている世界…何とも不思議な感じです。
でも、この止界はただ時間が止まっているだけではありません。
詳しくはネタバレになるので割愛しますが、止界には先住者がいること、その先住者はある法則に則って動くということ…でしょうか。

だから自分たち以外の時間が止まっているからと言って何でもかんでも好き勝手できる訳ではないのです。

ですが、目的を成就させるためなら人を殺すことを相手は厭いません。
目的に対する覚悟の格が違い過ぎる…と思いました。
けれど、樹里たちだって家族を助けたいという思いなら決して負けていません。
思いと思いの激しいぶつかり合い…その成れの果てでどの様な顛末を迎えるのか…

いつもは希薄で目に映らないかもしれない家族の絆…
自分の事しか顧みることがなく、どうすれば楽に過ごせるか…そればかりを考えて生きてきた佑河家の祖父を除いた男たち…
危機的状況に陥った時、どう判断して行動するのだろうか…
この点はこの作品の見どころの一つだと思います。

でも一番の見どころは、樹里の言動そのもの…
一度思い込んだら考えを曲げない頑固な一面を持っているが、本当は誰よりも家族思い…

ずっと止界に居続ける事は…できれば選択肢に入れたくない、が私の本音です。
止界から出る事は可能ですが、とある能力の持ち主の力を借りなければなりません。
その能力の持ち主は、「帰りたい…」という人の要望はきっと受け入れるでしょう…
でもその持ち主は他人を帰せても自分を帰すことはできないんです。

だから「帰りたいを叶える」という事は、自分を孤独に追いやっていることにほかなりません。
自分一人の気ままな生活…これだけを切り取って考えれば決して悪いことのようには思えません。
でも時間が止まっている…ということは、音が聞こえない、日が暮れない、四季が無い…
そう、自分以外は何も無い場所なんです。
私なら絶対に耐えられないと思います。
この物語において最後の一人となった人の在り方…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、MIYAVI vs KenKenさんの「Flashback」
エンディングテーマは、ぼくのりりっくのぼうよみさんの「朝焼けと熱帯魚」

1クール12話に物語でした。
序盤は安済さんの存在に助けられましたが、いつの間にか続きの気になる作品になっていました。
作り手や声優さんに推しの方がいらっしゃるなら、是非押さえておきたい作品の一つだと思います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 22

78.0 5 伝奇で戦いなアニメランキング5位
屍鬼[シキ](TVアニメ動画)

2010年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (1461)
7825人が棚に入れました
人口1300人の小さな集落、外場村。外部とは国道1本でしかつながっていない隔絶された地ゆえ、いまだに土葬の習慣が残されていた。

ある日、村の山入地区で3人の死体が発見された。村で唯一の医者である尾崎敏夫はこの死を不審に思っていたが、事件性はないとされ、通常通りに取り扱われた。しかし、これ以降、村人が一人、また一人と死んでいくことに…。

声優・キャラクター
内山昂輝、大川透、興津和幸、戸松遥、悠木碧、高木渉、GACKT

woa さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

限界集落という場所

2010年放送。全22話+未放送話2話。

三方を死に囲まれた限界集落に謎めいた一家が越してくると同時に、死者がよみがえる「起き上がり」という超常現象が起きるという話。ただしこの際よみがえることが出来るのは、起き上がり=屍鬼に吸血された人間に限る。

尾崎敏夫と結城夏野という二人の主人公がいるが、「小説家」の室井がこの作品に命名したように屍鬼と屍鬼と人間の分かちがたさや神に見放された人間(カインがアベルを殺さざる得なかった理由)がテーマとしてあるため、村人視点の群像劇として見るべきだろう。

この群像劇を通して知るのは、死というのは誰しも平等であるが故に恐ろしく、死をもたらすことで死を超越している存在にはより酷い死を与えたいという普遍的な人間心理なのである。

屍鬼において田舎とは反知性主義、反近代的合理主義の象徴なのだ。

未放送話で描かれた周辺人物の心理描写は、集団狂気以上に現実味があるがゆえに、恐ろしいものである。子育てに加え、舅姑の面倒を見なければならない女性が子育てに絶望した時、家に火を放つというのはこのような世の中だからこそとても生々しいのだ。

それは例えば1話では清水恵視点で「旧弊」な村を脱し、都会に出ていく象徴として夏野が描かれ、彼自身は恵に与えられた主人公としての役割に対し障子を閉めるという形で拒絶の意思を表すのである。

夏野は結果的に屍鬼ではなくその亜種である人狼になることによって、物語の表舞台から退いてしまうし、尾崎は尾崎で自ら率いた屍鬼狩りの結果(屍鬼を駆除することが村を守ることになったのか否か)については何も言わないのである。

尾崎の為したことが必然的に集団狂気(サディズム)に繋がってしまう一方、屍鬼である国広律子が取った餓死いう形での「選択」の方が屍鬼という存在、誰かを殺さねば生きていけないというルールへの批判としては徹が彼女と運命を伴にしたことから分かるように根源的批判であり、有効なアンチテーゼだと思う。

(勿論、彼女自身と彼女の犠牲に供された人物が旧知の看護師だった特殊な事情はあるにせよ)

尾崎によって真実が明らかになって以降、米屋の夫妻が米袋を運ぶように屍鬼の亡骸を運び、血液に塗れた素手で、まかないのおにぎりを食べる描写などには尾崎の嘆いた田舎の思考停止具合がよく表れている。

彼らは伝染病の危険性に対してなんらかの反応も自主的には行わないのだから。

また田舎の人情味の深さに憧れて越してきた人物の末路が示すように、田舎という、特に限界集落のような場所では相互に助け合う=監視しあわなければ生活できないという前提条件がまず最初にあるのである。

たとえば井戸端会議で親しく話しているような間柄でも都会の老人ホームがあけば、生活の不安がある現状など脱して仲間には何も告げずそちらへ行ってしまう。老人ホームとは井戸端会議とは無関係な現象だからである

このような田舎のある意味ドライな人間関係が如実に現れるのも、単純に田舎には人が少ないからに過ぎない。都会ほどの人口密度があれば、ある一つの関係性がどこにつながるかをすべて把握をするのは難しいため、ビジネスライクな形式としての関係を維持するメリットは勝さるのだ。

そして都会に憧れる清水恵が笑われていたのは、彼女が自分たち自身の心情をあまりに滑稽かつ如実に反映する存在だったからに他ならない。

砂子と室井の小説観に関しての会話に表れていることがこうした村の現状から浮世離れしており、それが故に砂子は最後の詰めで失敗するのであるが、その失敗も含めて辰巳がいう滅びの美学なのであり、室井の小説は未完に終わるだ。

最終的に桐敷沙子も求めていたものは、20世紀をさまよい続けた人としての感情の行き着く場所、それは外界から閉鎖されている洋館に表れているような「家」であり、切敷の家族であったのだが、死=滅びの上に成り立つその場所や関係性は、結局のところ滅ぶべくして滅ぶのである。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 5
ネタバレ

ポール星人/小っさ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

のんのんびよりの後にコレ観るってのも、我ながら悪趣味

 20.5話と21.5話を後追いで視聴しました。
これって意図的に本編から外してたんですかね?
とすれば、作品の流れのテンポを崩さないようにと言う考えだったのでしょうから構成が巧いなと思いましたです。流石ベテラン監督と言うところでしょうか。
話の流れとしては本編で唐突に感じる部分を描いているので、あって然るべきエピソードですが、この作品の終盤の畳みかけるようなカタストロフィの一部としては流れを乱すから外したのかなと個人的には思いましたです。
個人的には20.5話はこの作品のエッセンスを凝縮した話としてとても良い出来だと思いました。
本編の一部として観るべきか、後追いで観るべきかに関しては私的にはですが後追いをお勧めしたいです。
////////////////////////////////////////////////
 予想より遥かに良かったです。
本放送の最終話を実は一部目にはしてたので、屍鬼達の凄惨な末路は知ってはいたんですけどね。
こんな複雑な余韻残すような作品とは思ってませんでした。
個人的には、ほんのちょっぴり遠藤周作の臭いする気がします。
まぁ私が無学であまり本読まないから、ちょっと宗教的な話となると遠藤周作思い出しちゃうだけなんでしょうけどねw
話しも複雑さは無いですし、全22話の中でも無駄回は無いんじゃないかなと。全体の作りもとてもバランスいいと思います。
もしかすると冷静に観ると話の筋として変なところ有るかもしれませんが、私は話にドップリ引き込まれて詮索する気はおきませんでした。

 正直、グロと言う点では近そうなテクノライズが観るのがツラくて視聴がナカナカ進まなかったのと違ってコレはサクサクと観れましたです。
テクノライズのイメージのグロと違って、コレのグロさはストレートに視覚に訴えますけど展開も含め頭で理解しやすいですし。

独自なキャラデザインで毛嫌いする方も居るかもしれませんが、コレだけの登場人物の多さですから、キャラの記号化と言う点で判り易いし結果的には良かったんではないかと。
この作品、絵を楽しむ作品では無いですしね。
まぁグロ描写とか凄惨な殺戮とかに関しては絵面的にも結構な代物でしたが(汗)

{netabare}
 終盤の室井と沙子の燃え落ちる教会での会話と恵の最期の一連の台詞がイイすよねぇ。
人を糧とする生き方しか出来なかった沙子も、神へ救いを求めるという結果的な信仰を持ち続けて生きてきた。でも、屍鬼となった時点で神の加護の範疇を逸脱する存在となってしまったのだから神は答えてくれないよ。
って会話の後で燃える教会の中での二人は死と得て救済されるのかなと思ってからのCパート。賛否両論でしょうね、コレw
私はむしろ残酷と言うか冷たい作品だなと思いましたです。
 恵も古い村社会から抜け出したいと願ってただけの女の子なのに起き上がりにされてしまって、しまいにゃあの殺され方ですしねぇ。
尾崎医師の村の存続の為に手段を選ばなかった姿と対象を為し、なんとも複雑な印象の作品だなと。
 この作品の他の方のレビュー読んでませんが、エルフェンリートでルーシーを気の毒に思えるタイプの人は好きな作品でょうが、嫌いな方はコレも受け入れがたい作品かなとは思います。なんだかんだ言っても屍鬼達は自分たちが生きる為とは言え人を散々殺してますしね。{/netabare}

私はこの作品好きですね。
グロ耐性のある方ならば、賛否は別として観といていいんじゃないかと。
ただ、え~この人もそうなっちゃうの?(汗)みたいな凄惨な作品なので、強くはお勧めは致しませんです。
//////////////////////////////////////////////////
本放送時に数話目にしてはいたので、ダークな村社会作品と言うのは知ってたんですが忘れてました。
のんのんびよりで田舎暮らしの美しさにウットリしてたのに(汗)

キャラデザインがクセ強いので若干抵抗ありますけど、数話観た感じはホラーとしてイイ感じですね。
それと何故か出てくる犬が妙にカワイイw

投稿 : 2024/11/02
♥ : 13

★☆零華☆★ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

死に善も悪もない。

数年ぶりに再視聴、2週目です。
いやー名作でした!そして凄くメッセージ性が強い。
2週目なのに終始集中して楽しんで観れました。
ジャンルはゾンビホラーと思われがちですが、サイコホラー(人の狂気を描いているので)です。

ホラーアニメ大好きな私は、名があるホラーアニメは全制覇しています。
(といってもここ10年で、ホラーアニメ10作品くらいしかないですけどね。笑)
需要あまり無いのかもだけど、もっとやって欲しい。

近い内にホラーアニメベスト10作る予定なのですが
屍鬼は自称ホラーアニメ専門官である、私のベスト10、上位に入れますね。


【あらすじ】
舞台は外場村という小さい村落。
村の周囲はモミの木(卒塔婆に使う木)に囲まれ、外界との交流も少なく
正に田舎の中の田舎って所。
そんな村には起き上がり(死人が蘇る)という古くからの言い伝えがあった。
物語は、こんな死に囲まれた場所で始まります。


【感想】
貴方は人殺しを悪いと思いますか?殺してはいけないと思いますか?
大半の人は悪いこと、いけないことだと言うでしょう。
何故ですか?誰が決めたのですか?
それは昔からの暗黙のルール、人が定めた罪の意識、法律があるからです。
ですが屍鬼では、そんなモノ(ルール、罪、法律)を改めて再認識させてくれる作品でした。


屍鬼(起き上がり)達は皆に自我があり、生きています。(肉体は死んでいるが)
彼等は生きる為に人を襲います。血を吸わないと死んでしまうから。
忘れがちだとは思いますが、私達ヒト(人間)も何かの命を奪って生きています。
普段は調理され、お店に並んでいる商品として接しているから気づかない。
けれど確実に命を糧として、奪い、殺し、生きています。
そう、屍鬼達も生きる為に襲っているだけなのです。
私達と何が違うのでしょうか?いいえ同じです。
寧ろ、ヒト(人間)の方が、動物、野菜、果物など、ありとあらゆる命を奪っています。
時には、理由もなく殺すこともする。
彼等(屍鬼)を悪と定めるなら、私達ヒト(人間)はそれ以上の悪であるということです。


それに何かしらの理由や、屁理屈をこねているのはヒト(人間)だけです。
ニュースとかで絶滅危惧種が、というニュースが流れれば
やれ可哀想、酷いだの何だのと騒ぎます。
じゃそれがヒト(人間)に危害を加える存在だったら?
やれ殺せ、居なくなれ何だのと騒ぎます。
実に見ていて愚かだと感じます。


【結論】
生きること、生命を全うすることにおいて、善も悪もない。
あるのは弱肉強食、食物連鎖だけです。
立場が変われば、見方が変わる。
そんなことを屍鬼は伝えたかった。
屍鬼からのメッセージだと感じました。



【豆知識・余談】
ヴァンパイア(吸血鬼)のモデルとなったのは、ワラキア公ヴラド3世(ヴラド・ツェペシュ)という
1431年頃に実在した人物です。
敵国、自国の民共に串刺しにしたことから、串刺し公という異名を持っています。

この方もそうですが、ヴァンパイアの設定によく使われる
日の光に弱いなどの設定は、先天性白皮症(アルビノ)という方達から取ったんだと思います。
髪の毛、皮膚、ありとあらゆる部分の色素がなく、真っ白です。
また紫外線を浴びると、焼け爛れてしまい。目もヴァンパイアみたく赤くなってしまう。
本当に珍しい奇病で希有です。


【PS:追記】
BGMのズンチャ!ズンチャ!ズンチャズンチャッチャッ!が凄く印象に残る(*´艸`*)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 36

66.1 6 伝奇で戦いなアニメランキング6位
真月譚 月姫(TVアニメ動画)

2003年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (432)
2370人が棚に入れました
幼い頃、大事故にあいながらも奇跡的に一命を取り留めた少年・遠野志貴。それをきっかけにして、彼には人の目には見えない「モノの壊れやすい線」(そこに刃物を通せばどんなモノでも壊すことが出来る線)が見えるようになっていた。
事件後、親戚の家に預けられ、線を見えなくする眼鏡をかけることで日常生活を営んできた志貴は、高校生になり、父の死を契機に実家へと戻る。だがその町では連続殺人事件が発生しており、彼はその背後にある吸血鬼同士の戦いへと否応無く巻き込まれていくのだった…。

声優・キャラクター
鈴村健一、生天目仁美、折笠富美子、伊東静、植田佳奈、かかずゆみ、櫻井孝宏、田中かほり、木村亜希子、吉野裕行

二足歩行したくない さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

3クール以上で再アニメ化して欲しい

原作はTYPE-MOONの同人ゲーム。
同人作品が商業アニメ化するということで当時は非常に盛り上がった記憶がありますが、蓋を開けてみると原作改悪で、遠野志貴が主役のハーレムアニメになってしまい、型月信者に燃料を投下する結果となった作品です。

幼い遠野志貴が病院で目覚めるところでスタートします。
彼には病室内や医者に落書きのような線が引かれているのが見え、その線通りに切ると、モノも生物も死んでしまうことが分かる。
全てのモノが死にやすいことを知った彼は、魔法使いと名乗る女性から、その力を抑えるメガネを受け取り、以来は普通に生活することができた。
時が流れて高校生になり、父が死んだことで預けられた有間家から実家に戻ることになる。
また、同時期、街では若い女性を狙って血を抜かれ殺されるという事件が流行っていた。
そんなある日、目の前を歩く女性を志貴は、急な衝動から17の肉片に解体して殺してしまう。
翌日、登校中にバラバラにしたはずの女性に声をかけられる。
「私を殺した責任、ちゃんととってもらうんだから。」

原作は世界観、設定がとんでもないレベルで作り込まれており、シナリオも大ボリュームの超長編です。
そもそもワンクールで収めるのが無理がある話で、そう考えると私的にはかなり頑張っていると思いました。
ちなみに私が原作をプレイしたのは随分昔のため、シナリオ上の相違点はもう上げられないほど忘れてしまっています。
そのためもあってか、純粋にアニメ作品として楽しめましたが、朧気な原作の記憶ですが見ていて違和感のようなものは感じました。
恐らく、もっと記憶がフレッシュで、原作のアニメ版という視点で見た場合、色々気になるのかなと思います。
そういう意味では、原作を忘れた今は視聴するにいいタイミングなのかもしれないと思ったりしました。
なお、マンガ版はより原作よりだそうなので、機会があれば読んでみたいと思います。

やや古いアニメのため表情や動きやらはちょっと固いです。
そのため、今のアニメに慣れた人には辛いところがあるかもしれないです。
また、女の子は複数出てきますが、露出はほぼ無く、日常の回はありますが基本的にまじめでダークな内容です。
そもそも超大量の文章量でも書ききれず裏設定が大量にある作品を端折って分かりやすく抜き出して作られているため、ストーリーの根幹は説明不足で、視聴者を置き去りにしているところもあるため、アニメで月姫に入った人には解説が必要な作品となってしまっています。
ゲームは重いのでアニメから入るのはありですが、アニメでは月姫を知っていると言えないので、注意が必要と思います。
そう考えるとやっぱり月姫でワンクールは短いよなーと思ったり。
少なくとも3クール以上で再アニメ化して欲しいですね。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 3

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

深夜アニメを観るきっかけになった作品のひとつ

2003年にBSで放送され、自分的にはType-Moonを知ったきっかけの作品。
原作は『Fate』『空の境界』シリーズでもおなじみの奈須きのこ氏。
もともとTYPE-MOONの同人ゲームとしては異例の大ヒットとなったらしいが
自分はアニメ版のほうしか知らない。

ちなみにヒロインであるアルクェイド役の生天目仁美さんは、
本作がテレビアニメデビュー作なのだそう。

物語はいわゆるヴァンパイアもの。
大事故に遭って以来「モノの壊れやすい線」を見抜く能力が備わった少年、
遠野志貴(とうの しき)が、父の死をきっかけに実家へ戻り
ある日、アルクェイドという謎の多い女性と出会い、
吸血鬼同士の戦いを背後に持つ連続殺人事件に巻き込まれていくという全12話。

主人公のキャラはごく普通の男子高校生といった感じだけれど、
この志貴は『空の境界』に登場する黒桐幹也を元にしたものと原作者が公言しており
声を演じたのも同じ鈴村健一氏である。

遠野の実家はゴシック調の洋館で、妹はヴァイオリンが趣味のツンデレでブラコン。
大正時代っぽい和装&洋装のメイド二人は少々謎めいていたり。
バトルシーンは地味めで、原作と設定など違う部分が多いらしく
酷評されてることも多いようだが、ゴシック調ヴァンパイアがツボな自分としては
けっこう楽しめたし、ダークな雰囲気のピアノ曲を中心にしたサントラは大のお気に入り。

せつなく物悲しいムードの中、豪華なはずなのに幸せそうに見えない家の中、
満たされない愛情と、信じきれない人間関係。
宿命というものを与えられた家系の背負うもの。
とはいえ、鬱アニメとは違う。
ただ、アクションシーンなどはじめ、グロく残虐なカットもあるので
そういうものが受け付けない人にはオススメできない。

説明不足に感じる部分は確かにあるものの、こういうサスペンスの場合
説明してしまうと野暮になってしまう恐れもあり、難しいところとは思う。
視聴者がある程度、考えながら観ていかないとならないのは
『空の境界』でさんざん課せられたので、もうこれは、きのこ節と思うしかないかも(笑)
ただ、作画も音楽も美しいし、もう少し評価されても良いような気がする。

ちなみにこの作品、同じTYPE-MOONの『Fate』とも繋がる部分があり、
Fateを知っている方なら、一度確認がてらご覧いただくのも良いかも。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 50
ネタバレ

入杵(イリキ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

世界観が堪らない

本作は「TYPE MOON」(有限会社ノーツ)制作の伝奇恋愛ゲーム「月姫」を原作に制作された。
「空の境界」の世界観を受け継ぎ、独特の物語が展開される。
主人公の遠野志貴は外見・性格は「空の境界」の黒桐幹也、能力・名前は両儀式をモデルにしている。
「空の境界」を視聴済みなので世界観はすんなり理解出来た。
また、「空の境界」ほど考察の余地が無く、分かり易い作品だった。

あらすじ
{netabare}
子供の頃の大事故をきっかけに、物や人を容易に解体できる「モノの壊れやすい線」が視えるようになった志貴。
事故後、親戚の家で生活していた彼は、父の死を機に実家に戻ることになるが、引越し当日、体調を崩して学校を早退してしまう。

帰宅途中、志貴は街中で一人の女性に目を奪われる。
真っ白い肌。整い過ぎた顔。圧倒的な存在感、まるで人外の様な...。
その瞬間、志貴は自分を見失っていく。
{/netabare}

考察
{netabare}
「空の境界」との関連
志貴に「魔眼殺しの眼鏡」を授けた蒼崎青子は蒼崎橙子の妹。
遠野家のメイド、琥珀と翡翠は巫条霧絵と同じく巫淨の分家筋とされている。
・遠野志貴について
遠野家の血は引いておらず、魔寄りになった混血を暗殺することを生業としてきた七夜一族の末裔。遠野槙久は彼らを恐れ之を殲滅した。その際、息子と同名の彼に眼をつけ、息子が反転衝動を起こしたときの討伐者として養子に迎えた。
彼の直死の魔眼は両儀式のそれに比べて能力が強く、制御も困難な為、「魔眼殺しの眼鏡」を愛用している。
{/netabare}

感想

原作の膨大なストーリーを12話に収めている点や、TYPE-MOONスタッフが制作に参加していないことが祟って、原作ファンからは酷評され黒歴史扱いされているようである。
しかし、私はTYPE-MOONの世界観を十分に楽しめた割と面白い作品だったのでアニメ化してくれて良かったと思う。
ゲーム原作なのでヒロインが複数用意されていたが、上手く活用できてなかったのではないかと感じた。
また、日常シーンに時間を裂きすぎて、肝心の戦闘シーンや、過去の回想などがなおざりになってしまったのは残念。

総評

「TYPE-MOON」好きであれば観て損は無いと思う。
興味のある方は是非。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 14

65.9 7 伝奇で戦いなアニメランキング7位
吸血鬼ハンターD(OVA)

1985年12月21日
★★★★☆ 3.6 (66)
292人が棚に入れました
西歴一万二千九十年、最終戦争後の遥かなる未来の地球は、貴族と呼ばれる吸血鬼が君臨していた。辺境の村ランシルバに弟ダンと二人暮らしの少女ドリスは、小竜狩りの後、吸血鬼に血を吸われた。その吸血鬼を倒さぬ限り、一生呪われた存在になることを恐れたドリスは、一人の吸血鬼ハンターをやとう。名はD、貴族と人間の混血児ダンピールだ。左手は人面。村八分にされたドリスらを夜、農場で貴族である伯爵の娘ラミーカや麗らが襲い、彼らはDの存在を知る。

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

ぜひリメイクを・・

キャラクター原案が天野喜孝氏というので視聴しました。
が、DVDジャケットの繊細な雰囲気とはまったく別物で、
荒削りな感じの作画にちょっと違和感。
他の登場人物のキャラデザも、
残念ながら個人的には好みではありませんでした。
それでも、物語の内容はなかなか興味深く、
中盤からは惹き込まれました。

舞台となるのは、遥か未来の12090年。
気が遠くなるほどの未来ですが、そのわりには・・・
マカロニウェスタンばりの雰囲気です。
人類は「貴族」と称する吸血鬼達によって支配され、
彼らの「食料源=家畜」として隷属させられているという時代。

永遠に続くはずと繁栄した吸血鬼も、
長い歴史の中で種族的衰退と精神的退廃に陥り、
絶対的な支配者の座から降りようとしていたところ、
反旗を翻した人類から追われる立場となり、
元々吸血鬼ゆえの超絶的な力で人々を脅かすため、、
超人的な能力を用いて吸血鬼を狩る吸血鬼ハンターの力を必要としていた、
という背景をベースに、
「貴族」と人間との間に生まれた「ダンピール」でもあり、
「貴族」と人間の業を負った吸血鬼ハンター「D」の、
孤独な激闘の旅を描いた物語です。

人間を善者と断定せず、吸血鬼側のほうも
ただただ悪者として描いていないところには好感持てたし、
観終えたあとの印象も良かったです。

1985年の作品なので、今ではもう貴重で懐かしい感じのタッチで、
それもまたダークな雰囲気に一役買っていて魅力ではありますが、
この空気感をそのままに、できたら今の技術でリメイクしていただくと、
もっともっと魅力が増し、評価の上がる作品になるのではと思います。

ちなみに、音楽は若かりし頃の小室哲哉氏。
主題歌はTM NETWORKが歌っています。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12

kuroko85 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

OVAとしての品質はとても及第点とは言いがたい。

この作品が発表された時代では、伝奇小説として夢枕獏氏と菊池秀行氏の両巨頭がこのジャンルを牽引していた。その後者の代表作と言われるのがこの作品からなる「Dシリーズ」だ。この製品のパッケージでも使われているが、その小説も天野喜孝氏をイラストレーターとして幾つ物のヒット作品を排出してきた。だが、この作品は表紙こそ天野氏だが、現実のキャラデザは天野氏のそれとはかけはなれ(一応近づけようと努力はしたのか)、ストーリーは良いもののOVAとしての品質はとても及第点とは言いがたい。
それを言えば、2,000年に作られた作品はストーリーも新たに選定し直し、キャラデザは言うまでもなく、メイン音声を英語にすると言う大胆な試みまで敢行した。こちらは個人的に好評を博したと感じている。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 3

ポール星人/小っさ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

OVAとしてはかなり早い時期の作品だったかと

 コレが出た頃って、後のOVA乱発されたカオスな時期では無かったと思うんですよね。
同時期の作品見てみるとラピュタとかアリオンとかの頃みたいですが、あそこら辺の大作と比べちゃいけません、念の為。
確かバイファムとかの芦田豊雄が噛んでた記憶ですし、絵的にも天野義孝感は全くない氏らしい柔らかいキャラなんですが、私は特にダメとは思わなかったですね。ヒロインのドリスの少女らしさは逆に出てた気もします。
個人的には古いOVAの中では好きですね。原作1巻のお話です。
もっとも絵的に今の若い方に勧められるかと言うとアレですが・・・

 菊池秀行ってエロじゃね?と勘違いされてる方いらっしゃるのならば、コレは大丈夫ですのでご安心を。当時の朝日ソノラマからの作品は大丈夫ですので。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 6

73.2 8 伝奇で戦いなアニメランキング8位
バンパイアハンターD(アニメ映画)

2001年4月21日
★★★★☆ 4.0 (169)
1079人が棚に入れました
菊池秀行の人気小説『吸血鬼ハンターD』を天野嘉孝キャラクター原案で映画化した劇場版アニメ。最終戦争後、人類の頭上には貴族“バンパイア”が君臨していた。そのバンパイアに対して戦いを挑むプロフェッショナルは、いつしかハンターと呼ばれるようになっていた。ある日、理想のハンターとして知られるダンピール――Dは、バンパイアに誘拐されたエルバーン家の娘・シャーロットを救出するよう依頼される。バンパイアの馬車を追うDのもとに現れたのは…。

声優・キャラクター
田中秀幸、永井一郎、山寺宏一、林原めぐみ、篠原恵美、屋良有作、大塚芳忠、関俊彦、大友龍三郎、大塚周夫、青野武、清川元夢、辻谷耕史、西凜太朗、沢海陽子、藤原啓治、鈴鹿千春、矢島晶子、小山力也、かないみか、石塚運昇、前田美波里
ネタバレ

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

…飛んで!飛ぶのよ!!

川尻善昭監督作品。
登場人物たちは奇抜な能力を持っており、アクションが盛大ですが、人間くさいところも凄く良かったです。

かつて発売されていた竹谷隆之作のスタチューの出来が素晴らしく印象的でした。
アニメも雰囲気が良いのだろうな、クラシックな吸血鬼の雰囲気かな、酔えるんだろうな、いつか観よう、と思っていたのですが。もっと早く観てもよかった。


吸血鬼と人との間に生まれ、祝福されない宿命を背負った吸血鬼ハンターのD、どこか禍々しい能力を身につけて吸血鬼を追う出稼ぎハンター達、冷徹そうで美しい吸血鬼族達、吸血鬼に雇われた用心棒の怪物共…
その中で戦いぬき、時に気持ちが揺れ動く様子が見て取れた女戦士・レイラ姐さんが、ラストへ向けて力強く光っていました。

吸血鬼によって孤児にされ、復讐のために生きてきた姐さん。
彼女がたてまえや信条とは離れたところで受け入れたもの、励ましたもの、希望したもの、それらが多く語られることはないのだけれど。終盤のセリフと林原めぐみの演技から滲み出る発露に胸打たれ、ジワジワ泣けました。
「…飛んで!飛ぶのよ!!」って、忘れられないと思います。


ハンターの人間たちは、一体どうやったらそんな魑魅魍魎じみた身体になれるんだ?という、ジョジョやバジリスクのような特殊な能力をもった者ばかりです。
レイラ姐さんの仲間のグローヴ兄さんの能力が、切なかったですね。
平時は寝たきり状態の痩せ細ったグローヴ兄さん、戦闘時に薬物で霊体として出現すると、眩い後光を放出しながら滑るように浮遊し、吸血鬼達をなぎ倒してゆくのです。この時の解き放たれた恍惚の表情が、命の限りの向こうを匂わせる夢うつつの切なさです。


絵の動きは非常に細かく美しいです。天野喜孝キャラデザの幽玄さが生かされた独特の動きで、今風の作画とは異なりクドイと感じられる人もいるのだろうなと思います。
しかしこのねちっこいのが、よいですねぇ。植物の成長を早回しで視せられている時のようです。

何度も書きますが、レイラ姐さんがよかった…。
彼女の見せる吸血鬼への正義が、吸血鬼貴族の耽美でささやかなロマンスにぶち当たって振りかざされるシーンで最も生きていました。
{netabare}(吸血伯爵にさらわれた美女は、実は彼と純愛を貫こうとしており、伯爵は彼女の血を吸うことをはばかり、ただ二人が生きられる場所へ行こうとしていました。そうなると追手である者達のほうが不粋に見えてくるのですが、レイラはキレる。「それがなんだっていうの!関係のない者達がたくさん犠牲になったのよ!?」)
しかし、彼らの健気な寄り添いあいを視ているうちに、レイラ姐さんの中で何かが変化してゆきます。 {/netabare}
吸血鬼女カーミラの館で見せられる幻想の中で、幼子(自分の子供時代)の頑なな孤独を癒そうと抱きしめるシーンでも、懐深さが垣間見えてきます。
そこからラストの種としがらみを超えた励まし…。

事件から数十年後にDがふと見守ったものは、彼女の強さと優しさからもたらされた幸せの一端のようでした。

Dをかばう職人爺さんの存在もいい味でした。スジを通す仕事人、かっこいいです。この人も胸アツです。

Dももちろんかっこよいのですが、「つ、土に埋まらねば…」の所がちょっとオモシロかったです。私も砂風呂に憧れます。


クラシックな雰囲気の人間ドラマが好きな方、ぜひ観ていただきたいです。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 28
ネタバレ

チョビ0314 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

左手の人面疽はミギーの先輩かも

この作品は菊地秀行氏のヴァンパイアハンターDシリーズ三作目「D-妖殺行」を原作とした映画で、先に英語版がアメリカで発表され、後にDVD化されるにあたり日本語吹き替え版が追加されました。
英語版も勿論良いのですが、個人的には断然日本語吹き替え版を勧めたいです。
{netabare}その理由として声優陣が豪華だし画に集中出来て見易いというのもあるのですが、吹替版を薦める理由はラストシーンで神父が唱える祈りの言葉にあります。
この祈りの言葉が実は原作六作目「D-聖魔遍歴」でヒロインとDが唱える祈りの言葉を唱えているのです。
普通に聴いていればありきたりな祈りの言葉でしかないので、これに気付けるのはおそらく原作ファンだけです。(しかも麗しボイスで聴けてお得)
違和感削ぐことなく判る人には判る仕込みをしてくれたことに感心してしまいましたよ。{/netabare}

さて本作の物語は種族を超えた悲恋を描いていて、逃げる者、追う者、守る者、それぞれの思惑が入り乱れたダークファンタジーです。
題材としてはありふれていますけど、もうとにかく美しい!
元々の小説が個性的且つ凄く美しい作品で「映像化は不可能じゃないか」と思われていましたので、ファンにとってこの作品の出来の良さは特別嬉しい事でした。(一度映像化されているのですが、その画はかなり残念でしたので…)
背景、美術、音楽、動きその全てに拘りを感じる事が出来て、ちょっとした風景にすら美術を感じます。
建物はそれぞれの場所で細かく描かれていて、そこがどういう場所なのかすぐに分かりました。
特に感心したのが乗り物の描き分けで、人間の扱う昼夜を問わず動く物は薄汚れ生活感を醸し出し、夜しか動けない物は特殊な処理を施されているのか汚れもせず独特の美しい装飾を保ち続けます。なのでそれが人間の日常から隔絶された代物であると理解させてくれます。
音楽や効果音もレベルが高く作られてるし、独特のおどろおどろしさと美しさを損ねない使われ方をされていて良いですね。

キャラクターは戦う者が多く、各々癖が強く個性的な武器や特技を駆使して戦います。
異能者同士の戦いは描き分けが難しいと思うが、見事に差別化を図り魅力的で迫力のある戦闘シーンが展開されました。

剣士、弓使い、銃使い、影法師、霊体、寄生体等のあくが強い登場人物が多い本作だけど、中でも主人公Dの動きは美しく冒頭の登場シーン等はさながら彫刻の様で何度見ても目を奪われます。
ここまで美しさに拘られた作品は少なかったと思うので、当時とても新鮮に感じたのを憶えています。
そしてこういった独特なキャラクター達の派手な戦いが全編で随所にありつつ、同時にシリアスなストーリーを淀みなく進めてくれるので見ていて飽きさせません。

美しい映像と音楽が織りなすドラマと芸術的ともいえるバトルアクション。
それぞれのキャラクターが歩む顛末と哀しくも温かいラスト…と一見の価値がある作品だと思いますから、多くの方に見て頂ければ幸いです。

そうそう個人的にですが主題歌がちょっと雰囲気とそぐわない様に感じましたので、そこだけはお薦め出来ません。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 11

ビアンキ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

映像・世界観・音楽の3拍子

2年くらい前にAT-Xにて視聴

2001年公開のアニメ映画。
人間とバンパイアのあいだにできた子供である
主人公のバンパイアハンター「D」が、
あるバンパイアにさらわれた娘を、依頼を受けて救出に向かうという
ゴシック調の世界観のバトルファンタジー&少々ラブロマンス


・本作の良い点
それは映像美に尽きる。と思う。

天野善孝氏がキャラクター原案を務めた繊細で美麗なイラストが、
そしてゴシック調で薄暗い、ダークで繊細、美麗な世界観が、
大概の視聴者の抱くイメージどおりそのまま画面に叩きつけられる。


他にも
キャラクターや武器や馬車、飛んでくる コウモリや化け物たち、
それらが迫力をもって奥から手前に、画面の前にいる視聴者に迫りくる。
アニメーションそのものもセル画制作でありながらヌルヌルと動く。
そういった部分も相まってか本作は
繊細さを持ちながらも、非常にダイナミックな印象を視聴者に与えるであろう。


対象物が奥から手前に迫ってくる時の「音、音楽」これも映像の迫力を強くしている一因だろう。

音はそのまま、対象物が奥から手前に迫ってくればどんどん音が大きくなっていく。
作品中の音楽は迫力とともに緊張感も出している。
これも良い。


映像、世界観、音楽
これら3つの持つ繊細さと迫力。
あくまで私個人の意見だが、本作はこれらが全てだと思う。


本作のシナリオは冒頭で書いたとおりである。
バンパイアにさらわれた娘を、主人公が依頼を受けて救出に向かう。
それだけ。

私個人、世界観と映像は素晴らしいと思ったが
このストレートなシナリオは好きになれない。
そのためシナリオは私にとってプラスに出来ない。

もうちょっと複雑なシナリオだったら私はシナリオも高く評価した。

ただ、前述の通り世界観と映像を見せるアニメだとすれば、このストレートなシナリオで十分なのだろう…


主題歌であるDo As infinity「遠くまで」は本作には曲調が明るすぎて、やや合ってないように聞こえる。
しかし歌詞は割と…?
どうだろう?
個人的には結構お気に入りの曲である。



ダイナミックな映像。
ゴシック調でダークで美麗な世界観。

そういったものが見てみたいという方にはオススメする。
映像・世界観・音楽の3つがうまく絡みあった傑作でした。

下手くそな文章、お読み頂きありがとうございます。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 13

66.3 9 伝奇で戦いなアニメランキング9位
ガサラキ(TVアニメ動画)

1998年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (114)
696人が棚に入れました
日本の経済を影で操る豪和家は、代々伝わる「骨嵬」(くがい)の組成を研究応用し、特務自衛隊と共に「タクティカルアーマー(TA)」と言う二足歩行兵器を開発した。余流能楽継承者である豪和家四男ユウシロウは、「餓沙羅の舞」の実験途中にミハルという名の少女と精神接触をする。ミハルを擁する組織「シンボル」もまたガサラキへの接触実験を行っていた。一方、豪和家長男である一清は、国学者・西田啓、特務自衛隊の広川参謀と共謀し、クーデターに拠って日本の権力を手に入れようとする。同じ力を持つユウシロウとミハルは波瀾の運命に翻弄されていく。

声優・キャラクター
檜山修之、高田裕司、速水奨、千葉一伸、小山武宏、こおろぎさとみ、藤生聖子、秋元羊介、安井邦彦、中田和宏、日高奈留美、菅原淳一、高山みなみ、岩永哲哉、丹下桜、神奈延年、拡森信吾、岸野幸正、宮崎一成、徳弘夏生、金月真美
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

今だから分かる“破格の面白さ”《軍事SF込み政治劇》の最高傑作はこれだ!

80年代前半に制作されたリアルロボットアニメの名作『装甲騎兵ボトムズ』、『太陽の牙ダグラム』の監督として知られる高橋良輔氏ですが、90年代にも、こんな凄い作品を作っていたんですね!

◆最硬派にして最右翼、リアルロボットアニメの顔をした“本格政治劇”

1998年10月~1999年3月迄の放送ということで、一見して明らかに少し前に大ブームを巻き起こした『新世紀エヴァンゲリオン』のフォロワー作品(和風エヴァ)なのですが・・・

(※例)
{netabare}ユウシロウ&ミハル → 碇シンジ&綾波レイ ※主人公&メインヒロインであり異能者
美鈴         → 惣流・アスカ・ラングレー ※サブヒロインでありもうひとりの異能者
安宅大尉      → 葛城ミサト ※主人公をサポートする年上女性
豪和一清      → 碇ゲンドウ ※主人公やヒロインを実験に利用する「肉親」
豪和総研      → ネルフ
特務自衛隊    → 戦略自衛隊
TA、MF、クガイ  → エヴァ
ガサラキ      → 使徒
シンボル      → ゼーレ
西田啓       → ×(該当なし)  ←注目!{/netabare}

↑↑↑
本作の場合、何といっても「憂国の思想家」「国士」として描かれる西田啓(にしだ・ひらく)が凄い!!
こんな濃いキャラは他のアニメ作品ではまず見ることが出来ません。

この西田啓に比べたら、『攻殻機動隊 2nd G.I.G.』の合田某とか、『機動警察パトレイバー(初期OVA)』に出てくる甲斐某とか、陳腐もいいところです。
辛うじて、『PSYCHO-PASS サイコパス (第1期)』に出てくる槙島聖護が、その思想的な迫力で西田に迫るものがありましたが、彼の場合は{netabare}動かした組織が西田啓に比べて全然しょぼいタダの私兵ですし、何といっても肝心のシビュラ討滅計画が結局失敗{/netabare}に終わっていますし。

・・・ということで、アニメでは本作に比肩するような作品を私は思いつくことが出来ませんでしたが、強いて挙げるなら、同じく1990年代の緊張を孕んだ日米関係をベースとするリアル志向の軍事SFマンガであり政治劇でもある『沈黙の艦隊』(かわぐちかいじ著)が、本作と描かれているテーマがかなり似ている、と思いました。

→しかも、私の個人的な感想では、政治劇としては、内容が間延びしている『沈黙の艦隊』よりも、本作の方がよりテーマが濃縮されていて面白かったように思います。

何といっても、1998-99年の放送ということで、当時であっても本作の凄さを評価する人は勿論沢山いたと思いますが、その作品内容がネックになって?積極的に本作を持ち上げようとする声は、当時のアニメ業界には少なかったのでしょう、本作は残念ながらアニメ作品としては「知る人ぞ知る」異色作・・・という扱いになったようで、本サイトでの評判もイマイチですが!そんなもの、作品の実際の面白さに何の関係があるのか!

「政治劇」アニメというと、本サイトでは、『銀河英雄伝説』が、やたらと高評価ですが、私が実際に視聴してみた限りでは、本作や同じ高橋良輔監督の『太陽の牙ダグラム』も、内容的には同作に決して勝るとも劣らぬ面白さを備えた良作に思えました。
(※なお、『銀英伝』、『ダグラム』ともレビュー済みです)

・・・ということで、軍事SF込みの政治劇(アニメ作品)として有名な、『銀英伝』、『ダグラム』、更にアニメではありませんが、上記のかわぐちかいじ氏の大人気マンガ『空母いぶき』(※現在某誌で連載中)、『沈黙の艦隊』、『ジパング』(※一部アニメ化)といった作品が好きな人には、自信を持ってお薦めしたい作品です。


◆視聴メモ
{netabare}
・第1話視聴終了時点
初回から、作品世界やメカ等の凄い作り込み具合に驚く。
特務自衛隊(特自)→『エヴァンゲリオン』の戦略自衛隊と同種の存在か?
・第8話視聴終了時点
西田啓(にしだ・ひらく)←元陸軍少尉で、依願退職後に五・一五事件(1932年5月に起きた一部軍人等による犬養健首相暗殺を始めとするクーデター未遂事件)の首謀者の一人となった西田税(にしだ・みつぐ)から苗字を借りたものと思われる。
・第25話(最終話)視聴終了時点
第1話から第24話まで一話も外すことなく面白いのに、最終話だけシナリオが滑っているのは残念(※それでもラスト2話で滑った『新世紀エヴァンゲリオン』(TVシリーズ)よりマシかも)。{/netabare}


◆制作情報
{netabare}
原作         矢立肇(サンライズの便宜的ペンネーム)、高橋良輔(原案)
監督         高橋良輔
助監督        谷口悟朗
シリーズ構成     野崎透
脚本         野崎透、竹田裕一郎、小中千昭
キャラクターデザイン 村瀬功、山形厚史(ゲスト)
メカニックデザイン  出渕裕、荒牧伸志
音楽         蓜島邦明
アニメーション制作  サンライズ{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

=============== ガサラキ (1998年10月-1999年3月) ===============

- - - - -- - - OP「MESSAGE #9」、ED「LOVE SONG」 - - - - - - - -
{netabare}
第1話 石舞台 ★★ TAヴァーチャル実験、石舞台の舞(ガサラキ召喚実験、ミハルの干渉、実験中断) ※他に類例のない独特の雰囲気で掴みは上々
第2話 序ノ舞 ★ TA(Tactical Armor 二足歩行型戦術装甲機)、作品世界の説明回(豪和家、秘密結社シンボル、中東ベギルスタン情勢、TAリアル実験)
第3話 天気輪 ★★ 特自TA部隊派遣決定、MF(Metal Fake シンボル側のTA呼称)強襲、多国籍軍(実質は米軍)戦車部隊壊滅
第4話 蜃気楼 ★ 特自TA部隊の初実戦投入(神殿の丘制圧)、爆心地の舞、MF部隊来襲
第5話 接触 ★ TA・MF交戦(ユウシロウvs.ミハル)、MFサンプル捕獲命令、シンボル撤収、首都カハ侵攻
第6話 操り人形 ★ 停戦、特自撤収準備と妨害、アクラ石窟教会(正教会)での対面接触、二人の逃亡、フィーゼラーの逃亡幇助
第7話 帰還 ★★ 米軍の特自輸送機離陸妨害、アルメキスタン領空戦(TAvs.スホーイ戦闘機)
第8話 火宅 ★ 第二幕開始、豪和一清・西田啓(憂国の思想家)・広川中佐の密議(クーデター計画)、豪和総研ビルへのMF襲撃 ※憂四郎は8年間に死亡と判明
第9話 御蔵 ★ 再び鬼哭石(きなし)郷の石舞台、空知師匠、ガサラキ(餓沙羅鬼)を呼び起こす者(嵬=カイ)、MF隊の襲撃
第10話 骨嵬 ★ 偽りの舞、骨嵬(クガイ)復活、対MF格闘戦、改良型TA実験、ユウシロウ&ミハル逃走
第11話 絆 ☆ TA(谷口機=SAT4)暴走、速川隊のSAT4捕獲作戦、安宅大尉&美鈴のユウシロウ&ミハル追跡
第12話 綻び ★ 特殊部隊のユウシロウ&ミハル確保、「首級を挙げた」、谷口機vs.ユウシロウ機、「七支ノ剣の傷となるべし」
第13話 旅立ち ★ シンボル(世界最大のコングロマリット)、豪和家総代の交替、ユウシロウ&ミハル再逃走
第14話 同行 ★ 京都・渡邊の里へ、餓沙羅鬼(ガサラキ)・骨嵬(クガイ)・嵬(カイ)の伝承、8年前の実験{/netabare}

- - - OP「REMIX OF MESSAGE #9:type M」、ED「LOVE SONG」 - - -
{netabare}
第15話 閾(しきみ) ★ 千年前(平安中期)、渡邊党(神事の中断、皇(すめら)への反逆)、嵬たち(勇四郎・美晴)
第16話 宿業 ★★ 渡邊党の上京、鳥辺野(とりべの)の戦、ナダの神事、渡邊党敗れる、蘇る前世の記憶{/netabare}

- - - - - OP「MESSAGE #9」、ED「LOVE SONG」 - - - - - - - -
{netabare}
第17話 混沌 ☆ アジアン静脈溜(難民街)、米国の穀物輸出停止圧力、クーデター計画進行、王(ワン)へのシンボル接触
第18話 裏窓 ★ 難民街の暴動発生、治安出動命令(広川参謀の首相説得)、特自TA部隊の難民街投入(ユウシロウ&ミハル捜索)
第19話 慟哭 ★★ 西田の速川中佐説得、米軍海兵隊のミハル強奪、穀物モラトリアム(輸出停止)発表、経済統制・戒厳令発令
第20話 動乱 ★ 国会議事堂前の騒擾、特自TA出動、首相重傷、ユウシロウからの連絡
第21話 疾走 ★★ 安全保安部設置、特自装甲車の横田基地突入(ミハル奪還作戦)、TA(ユウシロウ搭乗)vs.ラプター、米軍ヘリ離陸 
第22話 権化 ★★ 第三幕、西田&フィーゼラー(シンボルCEO)対談(対米金融資産売却計画)、ユウシロウ特自TA復帰・デフコン4発令、新たな嵬(美鈴)
第23話 無間 ★ 国籍不明MF市ヶ谷基地侵入・デフコン5発令、閾(しきみ、ガサラキ降下ポイント)、ミハル回復・ガサラキ降下中断
第24話 句読点 ★★ 豪和ビル中枢コンピューター防衛戦(TAvs.MF)、MF排除、穀物モラトリアム停止、対米金融資産売却中止、西田自決 
第25話 餓沙羅 × 豪和一清の野望、美鈴を嵬とするクガイ再生・ガサラキ降下実験、ガサラキによる召喚、帰還 ※特自解体は唐突、またガサラキの正体&ラストの謎会話は稚拙で残念{/netabare}
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★★★(神回)0、★★(優秀回)8、★(良回)14、☆(並回)2、×(疑問回)1 ※個人評価 ★★ 4.5

投稿 : 2024/11/02
♥ : 19

ポール星人/小っさ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

すげぇ惜しい気がした作品

追記と点数見直しです。

 私事ですが、シドニアの騎士とアルドノアゼロを観てる今だから思うんですがガサラキってやっぱカッケェんじゃね? と、ふと思いましてw
まぁ最終話は置いといてなんですが(汗)
 いや、インビテイター云々の部分だってつまんなくは無いんすよね。最終一話で強引に締めちゃったからアレな訳で。
平安編の2体の骨嵬なんて、超カッケェもので当時発売されてたガレキ欲しい位です。ライデンとシンデン、イシュタルのプラモデルは確保済みでしてね。まぁ当時のバンダイですから運河彫りだし成形もダル~んとしててイマイチですが。
なんで、最新の2作品観てガサラキ思い出すのかと自分でも不思議なんですが、多分肝心のメカがイマイチ琴線に触れないからなんすよね。
好みの問題じゃね?と言われると、その通りなんですけども。

でも個人的な感想としては、アニメの中でもことロボット物に関しては多ジャンルに比べてそんなに進歩して無い気がします。

あ、別にお勧め作品って訳では無いです。
/////////////////////////////////////////////
 TAやフェイクの戦闘は文句も無いし、骨嵬の存在もいい感じ。
西田さんの決意と締めもおおぉと受け入れました。

んで最終話が む~ な感じで見た後モヤモヤ。
ちと尺が足りな過ぎたんでないすかね。個人的には最終話を数話かけて丁寧に見せてくれれば不満はそんなに無かったんですが。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8

九条 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

戦後日本の禁忌を懐古的に説く和風伝奇サスペンス。

日本の伝統芸能である能楽や和歌が軍事SFや政経分野と融合する異色の和風伝奇サスペンスであり
自衛隊の価値観や政治闘争など、ミリタリー要素は無論のこと、神話的世界観も内包する難解な作品。
監督を務めるのは「ボトムズ」の高橋良輔であり、定評のあるリアル指向型の手腕を遺憾なく発揮する。
憲法問題や日米安保など、戦後日本における禁忌的側面にも能動的に干渉していく顛末は硬派であり
本来あるべき「日本」の姿とは何か、「日本人」の本質とは何かを国学者の西田啓が懐古的に敷衍する。
尚、本作の制作に谷口悟朗が助監督として、参加している故、「コードギアス」との関係が囁かれており
陰々滅々たる本作と比較することは難しいが、西田啓とルルーシュの思想は互いに通ずるものがある。
それは、確固たる己の理念に従って既存の社会システムに対し反抗する革命家であるということであり
責任の取り方を対比しても西田啓の思想観がルルーシュの原型であると言っても過言ではないだろう。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 17

64.5 10 伝奇で戦いなアニメランキング10位
ペルソナ4 ザ・ゴールデン(TVアニメ動画)

2014年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (532)
2916人が棚に入れました
春。都会から離れ穏やかな時間の流れる田舎町。桜の舞い散るなか八十稲羽駅に降り立つひとりの少年・鳴上悠。家庭の事情から叔父のいるこの町へやってきた悠は、地元の八十神高校へと転入することとなる。そしてはじまる学園生活―。放課後のショッピングモール。街で起こる連続殺人事件。深夜に流れるマヨナカテレビ…。悠と仲間たちに“今度は”一体どんな日々が待ち受けているのだろうか?

声優・キャラクター
浪川大輔、森久保祥太郎、堀江由衣、小清水亜美、関智一、釘宮理恵、山口勝平、朴璐美、石塚運昇、神田朱未、真殿光昭、田の中勇、大原さやか、花澤香菜

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

見なくてもよかったかも?

この2014年付近は見るアニメ見るアニメ花澤香菜が出演していたイメージ。
1話だけリアタイ視聴してなぜか見るのやめていた記憶。
偶然アマゾンプライムにあったので、続きを視聴してみた。

声優さんじたいは豪華でいいんだけど、あんまりドラマチックな感じはないし、取り留めのない話して記憶を取り戻してみたいな。

適当に戦って。あんまり推理するわけでもなく。
そもそもテレビに人間ぶち込むのは殺人??


OP
Shadow World 平田志穂子
Next Chance to Move On 平田志穂子
key plus words 平田志穂子 feat. 川村ゆみ
ED
Dazzling Smile 平田志穂子もしくはマリー(花澤香菜)
全ての人の魂の詩 作曲・編曲 - 目黒将司
Never More 平田志穂子
挿入歌
True story 久慈川りせ(釘宮理恵) & マリー(花澤香菜)
曲はそれなりに良い。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
春。都会から離れ穏やかな時間の流れる田舎町。桜の舞い散るなか八十稲羽駅に降り立つひとりの少年・鳴上 悠。家庭の事情から叔父のいるこの町へやってきた悠は、地元の八十神高校へと転入することとなる。そしてはじまる学園生活―。放課後のショッピングモール。街で起こる連続殺人事件。深夜に流れるマヨナカテレビ…。悠と仲間たちに“今度は”一体どんな日々が待ち受けているのだろうか?


1. THE GOLDEN DAYS
雨降る日の午前0時、消えたテレビに運命の相手が映るという『マヨナカテレビ』その噂を確かめようとしたことをきっかけにテレビの中の世界のことを知った都会からの転校生・鳴上悠は、友人である陽介、千枝と共にテレビの中へ入る。謎の着ぐるみクマと出会い、そして人間を襲う敵であるシャドウに追い詰められた悠は、内なる声に従いペルソナ・イザナギを召喚。鬼神の如き強さで周囲のシャドウを圧倒する。そんな彼に、ベルベットルームの住人マーガレットはひとりの少女を紹介する。少女の名はマリー。記憶がないという彼女との出会いをきっかけに、悠や仲間達の黄金の日々が幕を開ける。

2. THE PERFECT PLAN
「密着計画」の為に陽介と共にバイクの免許を取った悠。 一方マリーは、千枝と雪子から買い物に誘われる。彼女達の付き添いをすることになった悠だが、買い物が運悪く陽介との計画実行の日と重なってしまう。 どちらの約束も裏切れず追い詰められた悠は、同日に両方の約束をこなすというパーフェクトな計画を立てるのだった。 しかし、予想外のトラブルもあり、密着計画は完二も交えた漢の勝負に、買い物は海老原あいを巻き込んだコーディネート対決へと発展。 右往左往し、なんとか両方の約束をこなす悠だが、さらにそこに菜々子からの電話が入り――

3. I have amnesia, is it so bad?
七里海岸にバイクで遊びに来た悠たちは、きらめく太陽の下、水着ではしゃぎ、楽しいひと時をすごす。しかし、ふとしたきっかけでマリーは、みんなとの間に疎外感を覚えてしまう。自分とみんなは、なにがちがうのか?彼らの会話に出た“セーシュン”という言葉にその答えが隠されていると感じたマリーは、マーガレットの助言を受けある行動にでる。それは、ビデオカメラを持ってのインタビューだった。「本当の自分と向き合うって、どういうことですか?」夏の終わりを予感させる花火の中、彼らの答えと向き合ったマリーが思うことは……。

4. THE MAYONAKA OHDAN MIRACLE QUIZ!
マリーの記憶を取り戻すために、唯一の手がかりとなる櫛について調べる悠たち。だが、調査中マリーが謎の頭痛に何度も襲われ、最後には倒れてしまう。さらに櫛にまつわる不吉な話を聞き、ショックを受けたマリーは記憶を取り戻すことを諦めてしまう。後日、何事もなかったかのように振る舞い、皆と楽しく遊ぶマリー。しかし、ふとしたきっかけで自分の記憶がないことを思い知らされ、ベルベッドルームに引きこもってしまう。悩むマリーに対し、悠は一計を案じる。マリーを呼び出した悠が彼女にさしだしたのはものとは……?

5. Let’s go get it! Get Pumped!
陽介転校の危機を救うため、ジュネスでのライブを承諾するりせ。その条件は悠たちもバックバンドとして参加することだった。マリーは新たな思い出を作るために躍起になるが、その熱意が空回りしてしまう。他のメンバーも慣れない楽器演奏にひと苦労。そんな中りせは、プロとしてのプライドを見せ、ライブの成功を約束する。それに感化され、練習の中で自信をつける仲間たち。しかしライブ当日、噂を聞きつけたりせのファンが家に押し寄せ、大混乱に。りせ救出隊として陽介たちが向かう中、開演が差し迫るライブ会場に残ったマリーは、りせの言葉を思い出し――

6. See? I told you Yu.
足立に不吉なものを感じたマリーは彼の正体を見定めるため後を追うが、マリーを心配し追いついた悠に呼びかけられ、見失ってしまう。「あの人には近づかないほうがいい」と忠告するマリー。一方、マリーの警告を受けてなお、「なんだかほうっておけない」と足立と関わろうとする悠。そんな彼に足立は、「誰かのためにやったことが、本当にその人のためになるのかは分からない」と説く。そして、菜々子がマヨナカテレビに映り――

7. It’s cliche, so what?
事件の真相を聞き出すため足立を追い、ひとりテレビの中へ向かう悠。そこで待ち受けていた足立は、自らが首謀者だと挑発的にほのめかしマガツイザナギを召喚。悠のイザナギと激突する。だが、ふたりのペルソナがぶつかり合った瞬間、互いの過去や相手から見た世界の姿がフラッシュバック。悠は足立の孤独や虚無感を知り、善意のつもりだった行為が逆に彼を追い詰めていたことに気付いてしまう。持つ者と持たざる者の違い。その残酷さを思い知り、足立にかける言葉を失った悠は失意のままテレビの外へ。そんな悠を、マリーはある場所へ連れていく。

8. Not So Holy Christmas Eve
「12月24日、空いてるか?」悠にそう聞かれ、クリスマスデートに誘われたと思いパニックになる千枝。しかし、雪子、りせ、直斗もそれぞれ別の場所で同じ誘いを受けていた。実はそれは陽介達と一緒に催す堂島家でのクリスマスパーティーの誘いなのだが、時既に遅く女子全員がデートだと勘違いする事態に。慣れない誘いに動揺する千枝と雪子。張り切るりせ。混乱を極め迷推理を展開する直斗。そうして各々の思惑が食い違ったまま迎えたパーティー当日、一緒に料理の準備をするはずだった陽介達が来られなくなったことで、事態はさらなる混乱へと――

9. A missing piece
夏にした約束どおり、スキー旅行にやってきた悠たち。春には悠との別れが待っていることを思い出し、陽介たちは一瞬しんみりするが、そんな気分を吹き飛ばすように「遊ぼう!」と盛り上がる。スキー場で思い思いに楽しむ仲間達。だが、悠はどこか引っかかるものを感じていた。その違和感は、不自然に記憶が欠け落ちた思い出話と、本当は居たはずの誰かが忽然と消えてしまったかのような隙間のある、仲間との集合写真で確信へと変わる。悠の説得もあり、陽介達は調査することを決める。そして翌日、悠は突如強い吹雪に巻き込まれ遭難し、その先にある人影を見る――

10. Not a friend anymore
マリーの記憶を取り戻した悠たちは、山小屋にあるテレビからマリーの閉じこもる異世界へといざなわれた。そこでは、彼女の思い出が奇妙なオブジェとなった世界だった。彼らを導いたマーガレットによれば、この異世界はあと数時間で完全に閉ざされ、悠たちはマリーの記憶を完全に失う、それこそが彼女の望みだと話す。到底納得出来ない悠たちはマリーを探すため奥へと進んでいくが、そこでみつけたマリーは変わり果てた姿となっていた。彼女の正体を、人間界をスパイしていた敵だと告白し、悠たちを拒絶しようとする。そんなマリーに、悠は怒りの声を上げる。「なんで黙っていなくなった!」

11. Let it OUT! Let it GO!
アメノサギリが倒れたことによって溢れた大量の霧を吸い込み抱えたまま虚ろの森と共に消える。それこそがみんなを救う唯一の方法であり、クスミノオオカミの本来の役目だと話すマリー。役目を全うするために頑なに悠たちを拒むが、悠たちの真摯な投げかけに、ついに本音が零れ落ちる。「助けてよ、悠」そのマリーの言葉で、一度は倒れた仲間達も再び立ち上がり、彼女を救出すべく最後の戦いが始まった。

12. Welcome Home
唯一残された謎、マヨナカテレビの真実を知りたいと思う悠。一方マリーの身体には、異変が起きていた。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 5
ネタバレ

arias さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

『ペルソナ4』視聴orプレイ必須(12/12話)

niconicoにて(12/12話)
アクション/伝奇/学園/原作ゲーム/実質2期


アトラスのゲーム『ペルソナ4』に新規イベント新規キャラ等追加要素加えた『ペルソナ4ゴールデン』のアニメ化。
アニメ『ペルソナ4ゴールデン』では新規キャラクターの「マリー」を中心に物語が進行する。
うーん説明が難しい。ざっくり簡単に言えば2期みたいなもん

アニメ『ペルソナ4』で語られた本編は『ゴールデン』ではほぼカットされているので前作『ペルソナ4』の視聴かゲームのプレイが絶対に必須。
説明が入る隙もないので『ゴールデン』から入る人は戸惑うだろうし魅力も最大限には伝わらないと思う。

アニメの雰囲気やベースは前作と変わらない、と思う。
シリアス回が減って日常シーンを映したコメディ回が多い事と全体的にテンポが早くなったってくらいかな?
テンポに関しては個人的にこのくらいパッパと進むほうが好きなので前作よりも好感度が高い。
ただ端折りすぎだろーと思うところはある。12話のアバンに出てくるあれ等。


本編の内容知っているか前作のアニメが楽しめたのなら『ゴールデン』も楽しめると思う。
キャラクターもそれぞれ魅力的なのでオススメできる作品


おわり
以下ネタバレありのメモ
長いのでクリック非推奨{netabare}
★★★★★第一話★★★★★ #1「THE GOLDEN DAYS」
アバン
op
A
ガソスタ店員と握手する人
展開はやーい。一期知らないとわからないだろうなぁ

B
初日からLvマックスじゃないかwww
シャドウも云万といるしww
新キャラも何人か登場した

ED
C
新キャラの一人マリー
謎詩人マリー
マリーとのあれこれがメインの話になるのかね?
次回予告
★★★★★第二話★★★★★ #2「THE PERFECT PLAN」
アバン
マリーポエム集  発行 民明書房

OP
A
5/1からいきなり6/6か
番長のギャグっぷりが増してるな
ダブルブッキング。女と男、果たしてどちらを取る番長

B
アホだwww菜々子ちゃんも合わせて3つの予定www
えびはら生存ルート

ED
次回予告

一期の王様ゲームみたいなノリだったなぁ。ギャグ多めで良かった
一話二話とシリアスとか無縁の世界だね。突然ペルソナ3みたいになったらそれはそれで面白いが
★★★★★第三話★★★★★ #3「I have amnesia, is it so bad?」
アバン
マリーポエム集2 発行 民明書房

A
8月23日 水着回ですよ
全員バイクの免許持ってるのか
アイドルがバイクって
やったポロリだ!ホモォ!
悩むマリー

B
8月30日
メインストーリー省かれているだけで本編の事件は起こってるみたいだな
みんなのメガネはクマが作っているのか
イイハナシダナー。カメラの前で照れくさくて話さなかったのかと思ったら
みんなちゃんとマリーに教えていたんだな。いい演出ですわ
★★★★★第四話★★★★★ #4「THE MAYONAKA OHDAN MIRACLE QUIZ!」
アバン
ぽえむとバイクで突撃

op
A
9/19
シリアス回予感

B
マリーの記憶についていろいろ
クイズで思い出がどうとかの話だった

ED
次回予告
★★★★★第五話★★★★★ #5「Let’s go get it! Get Pumped!」
アバン
マリーの公開処刑

OP
A
10月10日らへんの話
花村家のピンチでバンドするみたいな話
この二人は戦闘しかできないのか……?
ペルソナシリーズの曲しか弾けないのは何故

B
自宅を包囲するヲタ達wwwwww
ライブ成功させて
ラスボスから何感づく(?)マリー

ED
次回予告
えっラスボス救うルートみたいなのあるの?
★★★★★第六話★★★★★ #6「See? I told you Yu.」
アバン
処刑

OP

A
10/10
五話の最後と同じ日付
足立の回想シーン
ペルソナサイコホラー話
なのにアイキャッチがりせちーとホモちーのバニー姿

B
で、現在に至る、と
弁当箱返せよwwww
鍋は返せよwwwwwwww
クレイジーサイコホモ「だから言ったのに悠君」 ここで終わりか
さすがにこの話は大まかなストーリーしらなきゃ楽しめないな

ED
次回予告
もうラスボスと戦うの
★★★★★第七話★★★★★ #7「It’s cliche, so what?」
アバン
堕天使の歌
かわいい

A
OPなし。演出が最終回っぽい
12/4
カンスト鳴上君ラスボスに単身で乗り込む
クレイジーサイコホモの嫉妬心すげぇ
でも挫折ばっかりしてたのか

B
マリーとのコミュニティ上げて鳴上がパワーアップ
カンスト+ペルソナチェンジできる鳴上相手に互角の足立って強いよなぁ
あ、マリーから預けられた櫛忘れてるし
電器店で殴られ気絶している男。あやしすぎる
そしてマリーの身になにが

ED
次回予告
クリスマスイブに一人一人女性陣を誘うヤリチン鳴上
里中はアホなのでクリスマスイブだと気づいていないもよう
って次回予告にマリーいねぇぞ
★★★★★第八話★★★★★ #8「Not So Holy Christmas Eve」
アバン
クリア後の話になるのかな
ポエムなかったな

OP
A
12/22
何股する気なんだ
残虐な勘違い回
狼狽える直斗。この子も思考回路が残念だったのか
クリスマスパーティーに誘われただけなのに殺されるとか考えちゃう子

B
番長以外来れないパターンかよwww
ヌウッ
なるほどこういうことか
破滅のフラグ立てすぎだろ……
 完 全 武 装 
マリーのことをみんな忘れてたのか

ED
次回予告
マリーの姿なし

ギャグ回だった。堂島の2人以外誰も幸せになってねぇな
★★★★★第九話★★★★★ #9「A missing piece」
アバン
マーガレットにはポエムの才能はないらしい
2/11
雪山にスキーしにきた

OP
A
貴重な入浴シーン(男共)
マリーは族だった……?
写真からも消えているマリー

B
なにかが後ろを通りましたね
上級者コースにスノーボードで向かう奴
事故の拍子にマリーを思い出した番長。ついでに櫛も再入手
ケッコンカッコカリかな?
櫛を見てみんな思い出したか

ED
今更だけどEDの映像って微妙に違ってるのね

次回予告
マリーが出てきましたよモノクロだけど
★★★★★第十話★★★★★ #10「Not a friend anymore」
アバン
前回からの続き
テレビの中にはマーガレット
OP

A
マリー、得体のしれない何かだった

B
夫婦げんかかな?
ここでこれまで出たポエムが一気にか
やられたところで特殊ED ってバッドエンドやないかい
ED

次回予告
★★★★★第十一話★★★★  #11「Let it OUT! Let it GO!」
アバン
背景のみ
OP

A
霧制御器さん
死んだふり作戦です?
サムライアニメです?
おっボンテージアイキャッチ

B
雪山でマリーの普段着って凍え死ぬわ
あれ、こっちの世界でも使えるの
9話にはなかった貴重な入浴シーン(♀)
BDでも湯気は消えません
2014/2/14
ななこちゃん、料理教えてもらう相手間違ってます
鳴上悠最期の言葉であった
マリーも謎の生物にしか見えないチョコレート作ったのか……
近づく別れの時
ラスト2カットで新キャラ……しかも敵っぽい

ED
はなざーさんver

次回予告
★★★★★第十二話★★★★ #12「Welcome Home」
アバン
2012/3/20
今気づいたけどマリーの腕の衣装デザインってシャドウっぽくなってるんだな
ここで出てくるガソスタ店員

A
イザナミノミコトさん強いっす
というかあなた達も戦いなさいよ……

B
マリーがガソスタ店員と合体して神となった(嘘はいってない)
マリーも消えてしまうのかー
3/21
見えてはないけどマリーの存在は感じるか
そして半年後の夏
みんなイメチェンしてるな
黒髪にして新キャラのようにしか見えないホモ
本編中にスタッフロール
……ん?お?
マリー生きとったんかワレ!
普通にお天気キャスター(神)やってんじゃねぇか
番長の願いも表示されて完

★★★★★おわり★★★★★

ゴールデンも良かったね
リメイクというわけでもなくうまーく拾った感じ
新キャラマリーにも好印象だった
ただガソスタ店員はもうちょっと出て欲しかったな
最後の登場がいきなりすぎて吹き出したわ

ギャグ回も適度にあった。シリアスのほうが少なかった、かな?
テンポもいいので飽きさせませんなー
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4

un1347 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

なるほど、こういう手できたか

※項目別評価が上手く機能してない感じがするので、無視して総合評価星4とします。
ゲーム未プレー、P4A視聴済み。


これはリメイクではないですね。
ファンディスクです。
persona4 the ANIMATIONをまだ観てない方はそちらを先に視聴しましょう。

面白い事に焼き直しでも続編でもないのですがれっきとした周回プレーなんですね、これ。
例えば菜々子ちゃんと初顔合わせのシーンで主人公が自分から声をかけます。
後半では無双状態の戦闘シーン。
これだけでもう強くてニューゲームなのが分かります。
P4は前作もそうですが「ここはゲームの選択肢、演出かな?」という見方で視聴するとより楽しめると思います。

2話目までみた感想。
主人公がおもしろ優等生だった前作に比べて、若干クズい印象。
P4のメイン要素であるマヨナカテレビはばっさりカットして日常パートメインで話が進むようです。
P4という作品はおおまかにマヨナカテレビパート(ミステリー)と日常パート(ギャグ)で成り立つアニメです。
一旦ネタバレしたミステリーは既読スキップして、もう一つの柱である日常ギャグに焦点を置く作りは周回プレー(周回アニメ)の作りとしてベストだと思います。
さて後は新キャラのマリーを軸にどういう物語を展開するのか、今後に期待です。


最終話まで視聴しました。
というわけで総評としては、P4Aファンには手堅い作りのアニメだったのではないかと思います。
非常に楽しめました。
やはりですね、「またこいつらに会えた」という気持ちが大きなウェイトを占めていますよ。

というわけでキャラクターについて。
個人的には花村陽介が一番好きなんですが(次点は久慈川りせと堂島 菜々子)、P4シリーズの核となるのはやはり主人公の鳴上悠でしょう。
本人は真面目なつもり(?)でもそこが面白いというノリは、諫山 創(進撃の巨人)のコメディ論に通じるものがあります。
優しい優等生も明るい二枚目も頼れる熱血漢も一人で全てこなせる、複数のペルソナを体現したような性格で、それでいて嫌味が全くない辺りは監督の手腕によるものでしょうか。

P4Gのシナリオについて。
13話という絆を描くには短い尺において、納得のいくシナリオ展開を綺麗にまとめあげていたと思います。
最初の感想でファンディスクと書きましたが、外伝的な位置付けというよりアナザーストーリーでしたね。
P4Aで描かれた2つのエンドに連なる3つ目のエンディングという感じでしょうか。
ラスト付近、神話の神様が出てくる辺りからgdgd展開になるのもP4Aを踏襲してるというか、まぁそんな感じです(お察し下さい、まぁ悪い意味ではないです)。

ダメな点。
冒頭で楽しめたと書きましたが、某映画評論でいう所のROOKIES的な楽しみ方ですね。
P4Aの時も文化祭の回が顕著でしたが、今回はバンド回、最終回とちょっと内輪ネタを他者が無条件に受け入れすぎじゃないかなー。
個人的にはこういう演出あんまり好きじゃないというのもありますが、ちょっとテーマ的にまずいですよ。
内輪ネタを他者に押し付けるのは、それは絆とは言いません。
他者との関係を徹底的に拒絶する足立透のアンチテーゼとして主人公がいるわけですが、それがシュワリーサムデイ(映画のタイトルです)で本当に良いのかな?
(余談ですが、他者の不在の極地として批判されがちな「けいおん」。
 実はこの部分を巧妙に避けていて、無条件の価値観の共有という描き方はなかったりします)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8

66.9 11 伝奇で戦いなアニメランキング11位
吸血姫 美夕(OVAシリーズ)(OVA)

1988年7月1日
★★★★☆ 3.7 (45)
196人が棚に入れました
美夕は永遠の14歳の監視者として、全国の学校を度々転校しては神魔を見つけ出し、闇の世界に戻していた。神魔もまた、監視者を倒すことで仲間の間での名声を高めようとして美夕に攻撃を仕掛けるなど、美夕の戦いの日々は決して終わることがなかった。\\n\\nある日、時輪女子学園に転校した美夕は千里という少女に声を掛けられ、彼女のグループと一緒に休日の街の散策に付き合わされる。「美夕は一人ぼっちそうだったから声をかけた」と話す千里に、美夕も好意を持つ。二人は友情のイコンを買って、永遠の友情を誓い合う。
ネタバレ

ビアンキ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

80年代OVAの名作のひとつ

DVD「吸血姫美夕 完全収録版」を購入して視聴。
1988年に発売されたOVA 全4話


この吸血姫美夕という作品
私は4年ほど前から作品のタイトル、そして名作と評されていることを知っていた。

ただこの作品
発売時期が近く、名作と評されている他のOVA
例えば
「トップをねらえ!」とか「機動警察パトレイバー」なんかと比較すると数段知名度が落ちる印象があるのと
どうもレンタルDVDが存在しないという、
おもに上記2つの理由で、長いこと自分から積極的に見ようという気にはなれない作品だった。

でも去年ついに
「ずっとモヤモヤしてるのは良くない、見よう、買ってみよう」
そう決心してAmazonで買った。

Amazonの画像のサイズから予想はしていたのだが、届いたDVDのケースがCD(ジュエル)ケースだったのがちょっとだけ残念。
しかしそんなことは大した問題ではない。

やっと「吸血姫美夕」を手に入れた、そして見た!


舞台は1988年の?京都
ある理由により妖怪、いや「神魔」を葬り去る使命を課せられた吸血鬼の少女:美夕とその僕:ラヴァ
そして実質的に主人公的な立ち位置に居る霊媒師:一三子の物語。

…なんか説明し辛い、詳しいあらすじはwikipediaなどで見て下され。


では感想。

見ていてまず思ったのは
基本的に何においてもたっぷり間を取って丁寧に描写されているということ。

京都の街並み
木々の揺れや日差し
キャラクター1人ひとりのしぐさ
そして時にはキャラクターの心情までも、じっくり時間をかけて見せている。

昼間は明るく、十分現代的ながらそれでも和の風格溢れる美しい京都の街並みや、そこにいる人々が丁寧に描かれ、
夜になれば暗く妖しい、なにかが蠢いていそうな世界観を見事に表現し、演出できていると思う。

もちろんその世界観の美しさや演出は、高い作画技術があって初めて成り立つものであろうが、問題ない。
作画クオリティは全話を通して高水準である。


その丁寧に表現された世界観の中に、拍子木とか鼓とか、いかにも「和」で、幻想的な音や音楽が入る。

この音や音楽がさらに和風で妖しい世界観を増幅させている。


目の動きがある時というか、顔のアップのカットでキャラの表情が変わる時に、
高確率で(必ず?)「カカン!」とか「ポーン」とか音が入るのも何かこだわりがあってのことなんだろうけど…
なんだろう?

なんか能とか歌舞伎に詳しい人だったら何か分かるのかな?
それともただ、キャラのその時その時の感情だったり、あるいは目線の先を印象づけるための演出なのか…

ちょっと考えすぎかな。
多分感情表現&印象づけるためだな、うん。


シナリオに関しては
人々を助けるために依頼を受けて除霊などをする霊媒師一三子と
人々の健康等を脅かす原因のひとつとなっている神魔を葬り去ろうとする美夕が出会い、
神出鬼没、自由な性格の美夕に翻弄されつつお互い知り合いっぽい関係になり、そして最終回で
{netabare}美夕と一三子、二人の主人公の過去を描いて終わり。{/netabare}

アレ、終わっちゃった。(全4話、約2時間)


ちょっと気になるのは
特に美夕の発言が説明不足気味で分かりづらいところ。
何があって、何が起こったかに関しても
一三子のセリフと絵的な描写を見て何となく分かる程度。

でも和風で妖しい雰囲気を見せるアニメ、
と考えれば「何となく分かる程度」でも良いんじゃないかなと。


それと
この物語に関して「結局何も解決してない」 って言う人ちょいちょいいるんだけど、私はそれは違うと思うんだよね。

いや、確かに「解決してない」 っていえばそうなんだが、 そもそも分かりやすくて明確な終わりというか
「解決」が必要な物語なのかと最後まで見てちょっと感じたので。

{netabare}最終回で
美夕と一三子が初めて出会ったのは一三子が幼い頃で、さらに言うとおそらく美夕に血を吸われていた。
{/netabare}
っていうのが判明した時点で、吸血姫美夕という物語は
「美夕が神魔をすべて葬り去るまでの物語」
でも
「一三子の霊媒師としての活躍を描いた物語」
でもなくて、
なんかこう…となりのトトロ的な?
いやトトロとも違うか、何て言ったらいいんだろう。

必然の出会いと、これからの宿命を予感させる物語…
漠然とだが私はそんな風に受け取った。
言葉にするとなんか厨二っぽいな。

まあ色んな解釈が出来そう、というところも含めて良い終わり方だったと思います。


まとめ
やっと見れた、80年代OVAの名作のひとつ。
私としては楽しめたし、確かに良い作品だったとも思う。
ただシナリオが凄く面白いというよりかは、雰囲気やその作り方が優れているって感じ。
決してつまらない訳じゃないけどね?

ただ「トップをねらえ!」とか「機動警察パトレイバー」あたりほど有名じゃない、いまいち有名になれない理由も何となくだけど分かった気がする。

和風で妖しい雰囲気の世界観を覗いてみたい方、名作とされているOVAは一通り見ておきたい、という方は是非。

下手くそな文章お読みいただき、誠にありがとうございます。

初投稿日:2016年1月16日

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

全ては人の心の中にある

妖怪、鬼、怨霊の類いを討伐する伝奇作品は多い。
あやかしを悪とする勧善懲悪のエンターテイメント作品から、
あやかし側の論理まで斟酌して価値観を揺さぶる作品まで様々ですが、
退治する対象を“神魔”と仮称したこの88年OVA作品はどちらかと言うと後者の部類。


さらに本作はあやかしに対する人間の認識論にまで踏み込んでいるのが特徴的。
よくお化けやUFOが実在するか否かの論争にて、しばしば科学サイドからは、
そんな物は人間の脳が作り出した錯覚、幻に過ぎないとの主張が投げ込まれ、場が荒れますがw

本作は人間の認識があやかしの実像を、己の願望も交えて、歪めて捉えたりもする。
認識と実在の狭間をも伝奇世界の不思議として描く懐の深さを見せます。


“神魔”という呼称には、太古の昔は神として崇められることもあった存在が、
仏教、キリスト教等の世界宗教の流入等で邪なものに解釈し直された。
こうした宗教観、歴史観が滲み出ています。

神魔を討伐する“吸血姫”という存在も、
一般的に語り継がれているヴァンパイアの在り方とはズレがあります。

主人公“吸血姫・美夕”についても、美夕を追う女霊媒師の視点で捉える、
狂言回しを用いた手法で描かれ、美夕の存在すらも固定的ではありません。


こうして古都・京都、鎌倉という舞台が持つ神秘性もスパイスしつつ、
視聴者の認識に繰り返し問いかけることで、思索の迷路に誘い込む。
妖しい魅力を持った作品でした。


BGMは川井憲次さんが担当。
音楽の力を過信した昨今の例に漏れず、
最近は川井さんのBGMもフロントセンターに進出して感動を煽ることを余儀なくされていますがw
本作は正しくバックグラウンドミュージックに徹する良い仕事しています。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 14

kuroko85 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

短いが上の余韻? 短歌?

1話30分(一応1話完結)、全4話と言う短い構成で
全てを見ても、内容はおろか主人公は何者なのかさえ
判断できず、その後はどうなったのか?
と思い煩う作品
(これこそが平野監督の狙いかもしれませんが、、)

作風として霊媒師一三子(ひみこ)目線で、物語は語られていきます。
1話~3話までは京都、最終話である4話は鎌倉が舞台ですが
作画のレベルが際立っていますので、とても情緒が漂っています。
和風のオカルトテイストです。
(音響も作風と合っており、戦闘シーン「ラヴァの演出」も
好きでした。またEDのインストロメンタルも、、)

●1話 妖の都
物語の設定と共に一三子(ひみこ)と美夕の紹介的な役割の話ですが、
京都の街を舞台に、神魔と呼ばれる敵との戦いが盛り込まれ、
見事に起承転結の起となっています。
●2話 繰の宴
起承転結の承を担っているだけでなく、
単体のOVAとしても完成度の高い話です。
神魔と人間の関係を絶妙な角度から描いています。
まるで主人公である美夕が当て馬!
(能的な演出がこの2話のクオリティを引き上げています)
●3話 脆き鎧
まさに転という趣ですね。
美夕の僕であるラヴァの旧友レムナスが出てきます。
(ラヴァもレムナスも西洋神魔)
それまで個性などが見えなかったラヴァと
美夕の繋がりが見え隠れする話です。
●4話 凍る刻
ここが全く結の役割をなしていないのですね。
美夕の回顧録です。
(ただ、時間軸をあえて曖昧にしているのかもしれません)

振り返ってみて、この作品は各1話毎のクオリティが高いこと。
尺が短い上に饒舌過ぎない事。
それがなんとも言えない余韻を増長していると思います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 5

計測不能 12 伝奇で戦いなアニメランキング12位
真魔神伝 バトルロイヤルハイスクール(OVA)

1987年12月10日
★★★★☆ 3.6 (9)
25人が棚に入れました
異才漫画家・来留間慎一(別名:秋恭摩)の伝奇SFアクションコミック『魔神伝』のOVA化。 高校生・兵頭力は、格闘技世界一を目指す空手部部員。同部の女子・高柳涼子が案じる脇で、常に強者との死闘を望んでいた。だがそこに、異次元の魔導士ビョウドが出現。ビョウドは実は兵頭の時空を超えた分身的存在で、兵頭に強制合体、支配にかかる。だが結局は兵頭の精神の方が、両者の合体した肉体を制覇した。一方、ビョウドの現世界出現の際に、異世界の妖物・邪妖精も到来。この邪気を認めて、宇宙刑事の斬奸(さんかん)、そして念法の達人・結城が集結する。宿敵ビョウドと合体した兵頭を狙う邪妖精はやがて、兵頭に思いを寄せる後輩の女子・小山恵に接触。その肉体を取り込むが……。 監督は『マクロス』シリーズほかで活躍の、マルチクリエイター板野一郎。メインアニメーター・結城信輝の作画の迫力もあって、60分の本編時間の中に、高密度で見応えのあるアクションシーンが凝縮されている。

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

作画の出来は素晴らしいが、肝心のストーリーがぐちゃぐちゃ

この作品は、来留間慎一氏の漫画を原作としたOVAである。
アニメを見た後に、漫画の存在を知ったため、原作に関する
詳しいコメントはできない。

ジャンルとしては学園アクション物だろうか。自分なりに頑張って
あらすじを書こうと試みたのだが、頭の中で整理するのが
難しかったので断念することにした。理由は下記に後述する。

全体を通した感想としては、ストーリー構成が良くない。作画は
とても気合が入っているのに、ストーリーが全く追い付いていない
印象を受けた。例のシーンで期待が持てたので、割と楽しみに
していたのだが、それは私の勘違いだったようだ。

この作品で唯一褒められる点があるとするならば、終盤における
少女の人体再構成シーンだ。化物に憑りつかれ、最終的に肉体を
支配されてしまった少女を助けるために、主人公が行った
とても貴重な場面だ。

化け物の残骸にも、少女の肉体の一部が残っているとはいえ、
上手いこと少女を構成するパーツのみを抜き出し、融合させる
だけでなく命まで蘇らせる姿に心を打たれた。正に神業。
まるで芸術を見ているかのようだ。誠に感服した。
ただし、その光景はかなりグロテスクなので耐性は
持っておいたほうが良い。慣れていない人が見ると
吐き気を催す可能性がある。近年のTVアニメでは絶対無理だろう。
当時のOVAとして作られたからできたことだ。

ここからは問題点を挙げる。
この作品、余りにもキャラクターが多すぎるのだ。要は、
色々な要素を取り入れすぎたことで、かえって自分の首を
絞めているという悪循環に陥っている。
それにより、四方八方に視点が切り替わるので、キャラクターに
感情移入がしづらい。ほぼ同じ時間帯でそれぞれの戦いが
始まるのだが3つ巴どころの騒ぎではない。もはやスマブラ。
まるで、ゲームをプレイしているかのような錯覚に陥った。
そういった理由から、あらすじを書いていこうという気持ちが
湧いてこず、途中で考えるのを辞めてしまった。

一応、ある程度視点を狭めるために、何か所か合体している
場面があったような気がするが、それなら最初からキャラクター
を絞ればよかったのでは?
明らかに咬ませ犬にしか見えないものもいたし。

ぶっちゃけ、キャラクターもそんな魅力的ではなかった。
無理やり戦いに巻き込まれた者、自分から支配しようとして
逆に肉体を支配された者、妖魔を倒すことに命を懸けている者、
宇宙の秩序を守るために自ら参戦した者、
復讐のために上司を裏切った者等々…。

それぞれの思惑はなんとなく理解できたのだが、いくらなんでも
詰め込みすぎだ。しかも、これを一本のOVAに収めるのには
流石に無理がある。話を3つか4つ程に分散させ、それぞれの
キャラクターを掘り下げれば、かなり見ごたえがあったのに…。勿体ない。

作画に関しては申し分ないのに、ストーリーは非常に残念な作り
に終わってしまった。ぶっちゃけ、面白くないので
特に推奨するつもりはない。例の人体再構成シーンだけ
見れば十分だと思われる。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10

66.2 13 伝奇で戦いなアニメランキング13位
ゲゲゲの鬼太郎 [第1作](TVアニメ動画)

1968年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (22)
169人が棚に入れました
強い妖力と正しい心を持つ幽霊族最後の少年・ゲゲゲの鬼太郎。お化けにゃ学校も試験も何にもないというわけで、いつもは気楽にのんびりと暮らしている。だが、ひとたび妖怪ポストに救いを求める手紙を投げ込めば、カランコロンという下駄の音と共に彼はやってくる。知恵袋は目玉の姿をした父親、武器は霊毛で編んだ先祖の形見のちゃんちゃんこ、そしてリモコン操作のように自由自在に飛ばすことの出来るゲタだ。鬼太郎は人間のために、次々に現れる不気味で手強い妖怪と激闘を繰り広げる

声優・キャラクター
野沢雅子、大塚周夫、田の中勇

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

怪作「墓場の鬼太郎」のアニメ化。レジェンド級のエピソードがずらりと並ぶ。

1968~1969年放送のテレビアニメ 白黒作品 全65話

原作 水木しげる 制作 東映動画

貸本版「墓場鬼太郎」をベースに少年マガジンに連載された「墓場の鬼太郎」のアニメ化。
テレビ放送に当たってタイトルは「ゲゲゲの鬼太郎」に変更。

墓場の鬼太郎は貸本版のような社会風刺やダークヒーロー的な面は無くなりましたが、
正義感の強いヒーロー鬼太郎のピンチに次ぐピンチで壮絶な作品になりました。

妖怪の造形は伝説ですね。
テレビ版はややソフトになりましたが、毎回のように生死をさまよう鬼太郎の姿は、
子供たちに強い印象を残したと思われます。

5~6話「大海獣」 巨大な化物になり果てた鬼太郎と搭乗型ロボットの激突
10~11話「妖怪大戦争」 西洋妖怪軍団との戦い。鬼太郎が操られる
15~16話「吸血鬼エリート」 恐ろしい原作ストーリーをややソフトに
21~22話「妖怪獣」 たぬき妖怪の人類侵略 鬼太郎連続ピンチ

他に猫娘登場の20話「猫娘とねずみ男」など、
ほとんどすべてのエピソードがレジェンド級です

レトロアニメで白黒作品ですが、アニメ史に興味がある人なら、
避けては通れない名作中の名作だと考えています。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 17

REI さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

1作目はちゃんと覚えていません(笑)

私が子供の本当に幼い頃、まだ物心がつくかつかない頃に見て泣いた覚えがあります。(笑)本当に怖かったんですってば(笑)
色も付いてないしー

そして2作目、3作目は再放送でなんどもやっていましたね、こちらは飽きずに見ていたような気がします。

日本を代表するホラー(とはちょっと違うような気がします)アニメ
んー伝奇アニメって書いたほうがいいのかな?

昭和から平成も終わろうという頃まで忘れられないっていうのは凄いと思います
水木しげる先生凄い!
目玉のおやじもねずみ男も猫娘も砂かけばばあも子泣き爺も一反木綿も塗り壁も語り継がれて行くんでしょうねー、もう日本の童話っていって良いような気がします(笑)

ちなみに原作の墓場の鬼太郎はアニメよりもっと怖かったです(笑)

今放送中の鬼太郎もいいですが機会があったら一度古いゲゲゲの鬼太郎もご覧あれ

全てのアニメに携わる人に感謝を!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 6

たこ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

誰かも知る妖怪アニメの第一作

勧善懲悪の『鬼太郎さん』とは違う初期作品
モノクロアニメの代表作の一つ。
白黒だからこそ映える演出はとても60年代とは思えないクオリティ
音楽・効果音とのバランスも良く水木先生の描く迫力が再現されている上
『敵妖怪』ではなく人間と敵対する話も多く
正直言ってちょっと怖く感じる所も多いかもしれない。
なんだか幼心に折り畳み入道がとても怖かった思い出があります。
原作と比較すると若干マイルドだがそこはご愛嬌
時代背景のせいもあるが登場する人間が非常に貧乏臭く人間臭くて素晴らしい

余談だが声優は3期以降とは違い野沢雅子さんが担当されている
おいおい悟空かよと思われるかもしれないが
これがなかなかマッチしていて個人的には一番好きである

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2
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