伝奇で戦いなおすすめアニメランキング 13

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの伝奇で戦いな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年09月20日の時点で一番の伝奇で戦いなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

83.8 1 伝奇で戦いなアニメランキング1位
サマータイムレンダ(TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (602)
2025人が棚に入れました
「潮が死んだ―――。」幼馴染・小舟潮の訃報を聞いた網代慎平は、2年ぶりに故郷である和歌山市・日都ヶ島に帰ってきた。家族や友人との再会。滞りなく行われていく葬儀。しかし、親友・菱形窓は「潮の死には不審な点があり、他殺の可能性がある」と慎平に告げる。翌日、近隣の一家が突如として全員消えてしまう事件が発生。時を同じくして、慎平はある不吉な噂を耳にする。「自分にそっくりな“影”を見た者は死ぬ。影に殺される――!」さらに、潮の妹・澪が「お姉ちゃんが亡くなる3日前に影を見た」と言いだして......!?紀淡海峡に浮かぶ夏の小さな離島で、時をかけるSFサスペンスが、今幕を開ける――!
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

影絵の世界

オー・エル・エム制作。

幼馴染の小舟潮の訃報を聞き、
故郷和歌山の離島に帰省した網代慎平。
葬儀に参列した慎平は、友人から、
潮には他殺の可能性があると打ち明けられる。
同じ頃、島にはある異変が!?

サスペンスならではの強烈な引き。
{netabare}島には自分と同じ姿の影を見たものは、
死が訪れるという伝承があった。{/netabare}

とにかく今日を生き延びること、
起きた事態を注意深く観察すること。

6話視聴追記。
とある女性の存在により事態は動く。
{netabare}影の見分け方、倒し方、そして目的、
母なる存在と首魁らしきものの正体!?
慎平の右目に宿る時間を複製する力は、
不吉な死の連鎖から人々を救えるのか。{/netabare}

10話~12話視聴追記。
山奥にある菱形医院の旧病棟から、
{netabare}異形のヒルコ像と地下壕への入口を発見。
ここらあたりはホラー色が強めの展開が続く。{/netabare}

最終話視聴追記。
{netabare}常軌を逸した離島でのひと夏の体験、
予測出来ない展開、死に戻る違った世界線、
一定以上の緊迫感があり楽しませてくれます。{/netabare}

夏祭りの夜、涼やかな余韻があり、
素敵な物語の着地だったように思います。

投稿 : 2024/09/14
♥ : 43
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

夏の幻影

【紹介】
離島の3日間を何度も繰り返して事件の真相を追うタイムリープ×ミステリー×ホラー×アクションアニメ
閉ざされた田舎に不気味な言い伝え、他人を信用できない疑心暗鬼に次々起きる不穏な事件・・・ロケーションは「ひぐらしのなく頃に」に似ています

【感想】
すごくきれいに話がまとまっていてテンポが良くてあっという間の2クール、面白かった
夏の日差しの眩しさと温度さえ感じられる魂こもった作画が凄い、
ホラーの不気味さと夏の日差しの温かさと夏の夜の静けさと夏祭りの楽しさ
そういった夏の魅力が強く感じられる夏に見たいアニメ!!

回が進むごとにどんどん後付けで設定が増えていくのと、SFとかタイムリープの設定はあんまりこだわりがなさそうなのは残念だった
あとは、最初本格ミステリーを期待してたのでちょっと期待してたのと違う・・・ってなったけど面白かったのでいいです

絵が綺麗でバトルシーンなどとてもよく動くし、時々「映画か!!」ってなるくらい作画が壮大で凄い場面もありました
最初から面白かったけど中盤からどんどん面白くなって先が気になる展開で目が離せませんでした
{netabare} 最初のループで起きた事件のごく一部だけ見せて、この時何が起きていたんだろう?なんでこの人はこんなことしてるんだろう?って不思議に思ったことが
ループを繰り返すたびに主人公の目を通じて一つ一つ答え合わせされていって、また新しい「これはどういうこと?」が生まれていく感じでどんどん物語に引き込まれました
慎平や仲間達はみんな頭がキレるので起きたことをしっかり整理して考察して頭使って動くし、敵も頭を使って追い詰めてくる
タイムリープも万能じゃなくて、繰り返すほど時間遡行が制限されていくという突き詰められた期限が緊張感を持たせているのも良い
前半はミステリーやホラー・アドベンチャーが強めでしたが後半はアクションが強めで頭脳と異能を駆使した駆け引きがあるバトルが面白かった {/netabare}
前半に引き込まれた人が後半も楽しめるかどうかは、キャラクターや世界観が気に入ったかどうかが分かれ目でしょうか?

【BAD】{netabare}
・キャラデザはモブ感なくキャラが立ってるけど慎平と親しい人以外は掘り下げがないので死んでもあまり喪失感がないかも
・みんな死ぬときはあっさり死ぬしループもので同じキャラが何度も死ぬので死が軽く感じるかな?
・後半のバトルは前半の面白さとは違うので好き嫌い分かれそう
どんどん後付けで設定が増えてきてわけわからなくなってくるし、裏読みの裏読みの裏読みって感じがずっと続く
状況説明で忙しそうでした、これがもうちょっとスッキリしていたらよかったかな?
でも前半でキャラクターに愛着が出てくるので、ちょっと蛇足に思ってもみんな幸せになって欲しいって願いながら見ていました
{/netabare}


【主題歌】
OP星が泳ぐ(マカロニえんぴつ)

夏の暑い日差しがイメージできるような夏らしい良曲ですね、好きです!

投稿 : 2024/09/14
♥ : 41
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

消える夏の日々

アニメーション制作:オー・エル・エム、
監督:渡辺歩、シリーズ構成:瀬古浩司、
キャラクターデザイン:松元美季、
音楽:岡部啓一、高田龍一、帆足圭吾、
音楽制作協力:MONACA、
原作:田中靖規(集英社ジャンプコミックス刊)

既視感のある作風だ。
誰もが感じていることだろうが、
舞台設定は『ひぐらしのなく頃に』だろうし、
主人公の設定は『あの花』にも通じる。
もちろん、時間遡行は『シュタインズゲート』や
『Re:ゼロから始める異世界生活』。
またスワンプマンのくだりは、
アメリカの哲学者の思考実験ではなく、
『サクラダリセット』を参考にしたのではないか。
そう感じさせるほど、内容にアニメ的な背景が鮮明に映る。
ストーリーは、『寄生獣』を下敷きにしている。
細部の設定や世界観、根幹をなす部分までも
かなりの相似といえるだろう。
謎解きのエピソードの絵で、
漫画『寄生獣』そっくりのシーンもあり、
大きな影響を受けていることは間違いない。

これだけ他作品の「影」を感じさせる作風は、
『ダーリン・イン・ザ・フランキス』を思い起こさせる。
「観たことがある」感覚は、マイナス感情を抱かせるが、
作品の完成度とは別問題だ。
この作品も『ダーリン・イン・ザ・フランキス』と同じように、
既視感はあっても優れた部分が目立つ。

タイムリープのSF的な辻褄は別にして、
過去作品のマイナス部分を考慮して
作品内の主人公優位性をなくしているのは上手い。
{netabare}例えば、あるときから敵のシデが
ループする慎平とともに記憶を引き継ぐことが
できるようになることや、
ループしたときに戻る場所が少しずつ進んでしまうことなど、{/netabare}
能力に制限をかけているところは、
物語の面白さを増幅させている。

バトル自体は、元々それほど好みではないのだが、
小早川家に踏み込むところや、
ひづるの浜辺の戦いは胸が高鳴った。
緊張感を出すための表現は好みだった。

作品のベースとなっている
慎平と潮のラブストーリーがとても良かった。
慎平は数年前に故郷から離れ、
葬式のために島に戻ってくる。
潮との別れを思い出して、
懐かしい顔や思い出の場所を巡りながら、
事件に巻き込まれていく展開になっている。

{netabare}そんなときに慎平とともに事件の謎を追うのが
死んだはずの潮で、「影」として敵と戦う役目も担う。
影となってもその人自身が持っているものは、
全く失われないことから、
潮は影でありながら、大切な人を優先する思考を持つ。

影の潮の持つ魅力に惹かれる。
謎解きホラー型のストーリーだが、
いちばんのカギとなるのが慎平と潮の関係性だ。
ここの描き方は惹かれた。{/netabare}

しかし、シデがなぜ世界を滅ぼそうと考えたのか
という理由は、相当弱いし、
{netabare}何百年も生きてきた人間が辿り着く思考ではないように思う。
リアリティを感じないし、
共感することができなかった。
何百年も生きてきたということは、
それだけ多くの人々と関りがあったはずだし、
感情を動かされた知り合いの「死」というのも
間近で見てきたはずだ。{/netabare}
その上で、たったあれだけの理由で
世界を終わらせることを選択する思考は、
あまりにも短絡的で説得力がないと言わざるを得ない。
同じ展開にするにしても、もうひとつかふたつ、
重要なエピソードが必要だと思う。

OPとEDの音楽が心に残る。
前期OPのマカロニえんぴつ『星が泳ぐ』は、
重厚なサウンドが特徴のロックで作品の謎を表す歌詞が
とても印象的だし、cadodeの『回夏』は、
ミステリアスな雰囲気でEDにふさわしい。
1話の終了時にこのEDが響くと、
謎めいた余韻を残すようで心地よかった。
後期OPの亜咲花『夏夢ノイジー』は、
敵との戦いやスピード感のある楽曲で
文句のつけようがない。
EDのりりあ。『失恋ソング沢山聴いて 泣いてばかりの私はもう。』は、
作品のラストも思わせる叙情的ともいえる曲。
ただ、この曲を聴いてラストを想像すると、
見事にすかされてしまったというのが正直なところ。
それにしても2期分で、これだけハズレの全くない曲を
揃えたのもあまり記憶にないほどで、
毎回音楽を聴くのが楽しみだった。

シデの感情の推移をもう少し丁寧に描ければ、
完璧とも思える優れた作品。
最終回まで息をつかせぬ展開で、
もう二度と戻らないひと夏の日々を堪能させてくれた。
(2023年1月9日初投稿)

投稿 : 2024/09/14
♥ : 37

88.1 2 伝奇で戦いなアニメランキング2位
十二国記(TVアニメ動画)

2002年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (1683)
9110人が棚に入れました
周囲に合わせるだけの日々を送ってきた平凡な女子高生・中嶋陽子。
ある日、ケイキと名乗る人物に連れられ、たどり着いた異世界。 そこは、十二人の王と十二頭の麒麟によって治められる十二の国々からなる不思議な世界だった。なぜ自分はここへ連れてこられたのか、ここはいったいどこなのか、異世界でケイキとはぐれてしまった陽子は疑問を抱えたまま、生き延びるために見知らぬ世界で生活することとなる…。

声優・キャラクター
久川綾、石津彩、うえだゆうじ、子安武人、相沢まさき、山口勝平、鈴村健一、岡野浩介、釘宮理恵、勝生真沙子、ゆかな、藤原啓治、進藤尚美、石田彰、若林直美、桑島法子、高山みなみ、山崎和佳奈、鈴木れい子、西村知道、平松晶子、川上とも子、千葉千恵巳、大川透、中田和宏、野島健児、西凜太朗、松本保典、大倉正章、家中宏
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

壮大で綿密な世界観と生き方のヒントになる名言の数々。お見事!

原作未読。
NHKの本気。

主人公の女子高生、中嶋陽子(なかじまようこ)は、突如現れた「ケイキ」と名乗る人物に「王になれ」と言われる。
戸惑いを隠せない陽子だが、妖魔という怪物に襲われたことがきっかけで仕方なく承諾。
その後、気がつくと彼女は見たことのない世界にいた。


言葉の力が大きなアニメです。
次々と飛び出してくる名言。

名言に感じるということは、それだけ分かりやすくてグッとくるということ。
例えば、
{netabare}
「どちらがいいか迷ったなら、やるべきほうをやるんだ。同じ後悔するなら、軽いほうがいいだろ」
「つらいことがあると偉いのか? つらいことがあって辛抱してると偉いのか? 俺ならつらくないようにするけどな」
{/netabare}
このようにストレートな表現をしてくれるおかげで、直接心に響いてきます。


そして、もう一つの大きな見所はその世界観。
三国志時代の中国を思わせる風土。
そして、麒麟(きりん)、妖魔、仙人といったファンタジー要素を含んだ、異世界物語です。
その設定の細かさには驚かされます。
Wikiを見たらめまいがしますヽ(´Д`;)ノ


そんな世界観の中、出来事ではなく、人の心に焦点を当てています。
人間の心は、単純にできているものではありません。
小さな肉体につまった、巨大で繊細な概念です。
国という大きなものと、人間という小さなものは、本質的には似たようなもの。
つまり、文明観と人生観を重ね合わせた人間哲学です。


テーマは一言では表せませんが、最も大きなものをあげるとすれば「無知の知」だと思います。
「真理にたどりつくには、まず『自分が何も知らない』ということを知れ」
つまり、自分を疑ってかかれということですね。
{netabare}
「己を知っている者は己が王にふさわしいなどと決して言わない」
「誰が何と言おうと、私は私を疑っている、だから景麒(ケイキ)、絶対に私を信じろ」
この言葉は陽子の決意の表れ。
とてもかっこよかったです。
{/netabare}
人間は、他人との関わりをもって生きていくものです。
他者から学ぶことはたくさんあります。

しかし、常に相手が正しいとは限りません。
信頼しすぎると裏切られたときに大きく傷つきます。
そうならないためには、自分を知り、他人との距離を測り、バランスをとって関わることが大切です。


序盤は、壮大な世界観に飲み込まれてよく意味が分からないでしょうし、キャラクターにもイライラさせられると思います。
未熟な主人公たちが何も分からない土地に放り込まれ、混乱して、疑心暗鬼になり、自暴自棄になる。
しかし、それは登場人物と視聴者を重ね合わせるためです。
つまり、「知らないとはこういうことだ」と見せつけているわけです。

イライラしても、9話あたりまでは我慢。
そこから本番です。

他者と関わりながら成長していく陽子。
苦悩しながらも、強い人間になっていきます。
陽子だけではなく、たくさんの人々の生き方や成長ぶりを見られます。
それと同時に、見ている側もどんどん内容に引き込まれていきます。


人間として強くなるにはどうしたらいいか教えてくれる、アニメの枠をこえたアニメ。
そしてクライマックスとなる36話では、今までの集大成が見られて大感動!
鳥肌が立つほどかっこよかったです。
ここまで見ると、序盤のヤキモキとした展開は、必要なものだったと感じられます。

ちなみに45話までありますが、37話からは陽子とは別の話になります。
続編でないかなぁ……。


絵はクセがありますし、後半加速型です。
慣れるまでは少し我慢が必要ですが、ぜひ一度は見ていただきたい名作です。

投稿 : 2024/09/14
♥ : 94
ネタバレ

ワタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

この作品に出会えて良かった。

異世界ファンタジーもの、全45話。
物語は大きく分けて3つの章ごとに区切られています。


「月の影 影の海」(1~14話)

平凡な女子高生・陽子が異世界に連れて行かれ、その地で数々の困難を乗り越え成長していく。
異世界ファンタジー系(日常→非日常)の作品と言えば、主人公の華々しい活躍ぶりが
早い段階で描かれるケースが多いと思います。未知の世界であっても割りと柔軟に適応してしまう。
しかし本作の場合、連れて来られた世界のあまりの不条理な現実に弱音を吐き、逃避を繰り返す。
そんな陽子の負の面が強調される展開がしばらく続きます。

観ていて苛立ったり気が滅入ってしまう人も少なくないでしょうが
この極めて現実的な展開・陽子の丁寧な内面描写は、本作の良い点の一つだと思ってます。
何というか「急に成長させない」ところが良いです。
後の展開に説得力とカタルシスを持たせるためにも、間違いなく本作で必須な部分です。

第7話が分岐点、序盤最大の山場。個人的に39話に次いで印象に残ったエピソード。

{netabare}人間不信に陥っていた陽子が自らの迷い(仮面)を「剣で断ち切る」姿が爽快でカッコいい。
人間の真理を突いたセリフの一つ一つに重みを感じます。身に染みる思いです。
「私が相手を信じる事と、相手が私を裏切る事とは、何の関係もなかったんだ」
特にこの言葉にはハッとさせられました。

善意に見える他者の言動に裏があったとしても、それをどう受け取るかは自分次第。
現実的には、なかなか実践するのは難しい理想論ではあると思う。
それでも誰よりも弱さを知り、悩み苦しんできた陽子を今まで見てきたからこそ
その果てに出された数々の言葉がどれだけ力強く響くか。熱い共感を抱かざるを得ない。
そんな陽子の勇ましさが我が事のように嬉しい。私的、本作屈指の名シーンです。{/netabare}


「風の海 迷宮の岸」(15~22話)

本作「十二国記」の舞台は神仙や妖魔が存在する12の国から成り立つ世界。
各国それぞれに国を統治する王と、王に仕える神獣(人と獣の二つの姿を持つ)の麒麟がいる。
麒麟には王を選定する役目があり、それまでは蓬山という地で女仙によって育てられる。

本章では戴国の麒麟として生まれた泰麒というキャラにスポットが当てられ、
慣れない蓬山での生活を経て、自身の過酷な運命と向き合い、王を選定するまでが描かれます。

終盤の展開には非常にハラハラさせられたものの、あっけないオチであったり
結局その後どうなったの?という疑問が残る、イマイチ釈然としない終わり方でした。
原作通りであるならしょうがないけど・・・まあ泰麒の可愛さに免じて許します(笑)
ツンデレ声優で有名な釘宮理恵ですが、ショタキャラの破壊力も抜群で御座いました。


「風の万里 黎明の空」(23~39話)

陽子、そして本章から登場する祥瓊と鈴、3人の主人公の物語。
他人の顔色を覗ってばかりだったり、自分こそが世界で一番不幸であると思い込んだり・・・
多かれ少なかれ、そんな誰もが持つ心の弱さというものを各々の旅路の中で克服していく。

序盤はスローテンポ、状況の説明に手一杯な印象で退屈感は否めないものの
本格的にストーリーが動き出してからは、もう続きが気になり過ぎて視聴が止まりませんでした。
境遇の異なる三者三様の人生が交錯する瞬間や
3人の確かな成長を実感させるシーンの連続に、感慨深さもひとしおです。

そして迎える本章ラストの39話。
この回の素晴らしさは何と言ったらいいか・・・とにかくもう観てもらうしかないです。
「初勅」を発するシーンでの陽子の言葉、その一つ一つが心に突き刺さりました。
ちょっと自分でも驚く程に、鳥肌と涙が止まりませんでした。


・総評

欠点としては、地名や呼び名・役職名等の専門用語が多いので取っ付きにくいところ。
あとは全体的に作画の崩れが目立つぐらいでしょうか。
実質的な最終回は39話なので、40話以降の蛇足感は番外編として割り切りました。

しかしそんな欠点を補って余りある、骨太で壮大なストーリーに引き込まれました。
NHK教育アニメということで啓蒙的な要素も多分にありますが、説教臭さは感じさせません。
独特で良く練られた世界観、そして人間の素晴らしさと愚かさの両面を見事に描いた作品。
OP,ED,BGMどれも文句なしのクオリティ。
声優陣の熱演も光りました。特に陽子役の久川綾さんは本当に素晴らしかった。
魂のこもった演技に身震いする程でしたね。

とんでもないレベルの傑作。この作品に出会えて(あにこれやってて)本当に良かったです。
間違いなく一生忘れられない作品となりました。


多分、ちょっと興奮気味です。
でも、こんなに気持ちを揺さぶられたのも本当に久しぶりです。
原作も読んでみようと思います。

投稿 : 2024/09/14
♥ : 76
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

不思議な感覚を味わえる独特な世界観を持った作品。いろいろなもの思いにふけることができます。<追記;再視聴>

普通の女子高校生の前に突然現れた不思議な男。
あれよあれよという間に古代中国風の異世界に連れて行かれる。
そして、ついには・・・と言うお話。

慶国を巡る話がメインですが、この世界には十二の国があります。
それぞれの国に壮大なドラマがあり、アニメではその一部が描かれてます。
私は、この世界観に深く引き込まれました。
国と人との関わり、ひいては長の在り方等様々な示唆に富む話に感銘を受けました。

ここから余談です。
それはまだ私がこの世界に足を踏み入れる前、つまり一般人だった時。
出張先のホテルでこのアニメをたまたま目にし、異国情緒溢れる雰囲気とその独特の世界観にハマってしまいました。
当然、アニメはすべて見、原作もすべて読んでしまいました。
私がこれほど熱中したのは、後にも先にもこの作品だけですね。
だから、この作品は、私にとって特別な思い入れのあるアニメなのです。

<追記;再視聴>
18年ぶりに新刊が発売とのことで、復習のために再視聴。
やっぱりすごいこのアニメ。
深い内容がわかりやすく描かれています。

<月の影 影の海(1~14話)>
{netabare}人の顔色を伺う優等生陽子。
景麒につれられ、異世界へ。
しかし、トラブル発生。
人に裏切られ、妖魔に追われる日々。

5話まではとても見てられない鬱展開。
そこに半獣楽俊が。
陽子にとっての救世主。
人を想うナチュラルなおもいに陽子の心が次第に溶ける。

陽子の成長物語といった本編。
最初泣いてばかりだった陽子が徐々に景王の振る舞い。
しかし、庶民に寄りそう姿勢に変化なし。
楽俊の言う通り、王となった陽子の収める国を見てみたい。

為政者次第で国の在り方が変わる。
天が支配しているとは言え、それはものの道理ではないだろうか。
利己より滅私。
そんなことを強く思いました。{/netabare}

<風の万里 黎明の空(15~21話)>
{netabare}十二国記世界もう一人の主人公泰麒こと高里要の物語。
要が日本で神隠しにあった1年間に何があったのか?
そう、蓬山に帰還し、泰王を選んだのでした。

陽子が蓬山の女仙と語り合う形で物語は進行。
つまりはすべて回想で構成されます。
この話を聞き陽子は十二国記の定めを感じただろう。

話数も少なく、あまり進展はありません。
泰麒もうじうじとはっきりしません。
ただ、声がくぎゅだから可愛いったらありゃしない。

泰麒にすがる海客の少女。
この少女が後に陽子にとって重要な存在になる鈴とはね。
この時は気づきもしませんでした。{/netabare}

<書簡(22話)>
{netabare}書簡っていうと重々しいが、要はボイスレターです。

陽子と楽俊間の書簡。
二人の信頼関係をひしひしと感じることができます。

この世界に来てまもなく王になった陽子の苦悩。
「風の万里 黎明の空」の序章となっています。{/netabare}

<風の万里 黎明の空(23~39話)>
{netabare}アニメ「十二国記」のクライマックスです。
陽子の他に二人の主人公が登場します。

一人が海客大木鈴。
言葉が通じぬまま、才国で虐げられる日々。
采王に助けを求め、慶国新王陽子を目指し海路慶へ。

もう一人が先の芳国公主祥瓊。
父である峯王を殺した月渓の慈悲により国外追放。
気の強い供王の下女になるも出奔、慶国新王陽子を憎み陸路慶へ。

この二人は生まれも育ちも性格も違うけれど。
どん底から脱出しようとして行動するところは同じ。
そして、未熟な振る舞いや考え方がそれぞれの出会いにより変わります。

特に祥瓊はあの楽俊と出会い、劇的に変わります。
その変化は表情に如実に表れ、険しく醜い顔つきから穏やかで凛とした美人に。
楽俊の知性と物腰の柔らかさが人を変えるのだろう。
出会いはいつでも偶然の風の中です。

慶では陽子が悪戦苦闘。
国を知るために単身民の中へ。
そこで、国の内情を知ることに。
そして、反乱軍に助力することになります。

鈴と祥瓊も紆余曲折ながらも別組織の反乱軍へ。
最終的には3人が合流し、決戦となります。
もちろんラストは水戸黄門的な展開に。
その爽快さはまた格別です。

陽子の王としての資質が垣間見えた本編。
ワイルドに磨きがかかったように思えます。
王の威厳も備わり、決断力も。
二人の友も得、順風満帆です。{/netabare}

<乗月(40話)>
{netabare}芳国のその後です。

王と麒麟を失った芳国。
仮王へと望まれる月渓の苦悩はいかばかりか。

そんな月渓の元に景王陽子の親書を携えた慶国新将軍が。
そして今や慶国に仕える祥瓊の手紙も。

将軍との会話や心のこもった文のおかげか。
民衆の想いを熟慮した月渓は決断します。

宮中での祥瓊の歌が好きだった月渓。
そのことを将軍から聞いた祥瓊の惜別の涙が胸に迫りました。{/netabare}

<東の海神 西の滄海(41~45話)>
{netabare}延王小松尚隆登極から20年。
国は持ち直すも未だ政情は安定せず。
その中心は元州。
収めるは父州候に代わる斡由。
延麒をさらって、延王に勝手な要求を突きつける。

景王陽子に延王が語りかける形で物語は進行。
遥か昔の出来事に己を諫める延王。
民のために国を治める。
この信念が揺るがなければ、この治世も安泰だろう。

民を忘れた為政者の末路は必然。
己のプライドの前に偽善の仮面は剥がれ落ちる。
人は変わるもの、初心を忘れてはならない。
そのために、たまには自分を見つめ直す機会は必要なのです。

景王陽子の治世もまだ始まったばかり。
すばらしい英知と信頼のおける人材はいくらでも必要。
楽俊が慶の大学へ転入したのは朗報でした。
陽子を支える存在となるだろう。
陽子の柔らかな表情が印象的でした。{/netabare}

<おわりに>
ここでアニメは終わりです。

後の供王、おてんば珠晶の昇山を描く「図南の翼」
この話が個人的には一番好きです。
また、泰王と泰麒のその後も気になります。

18年振りの新刊で十二国記はほぼ完結するとのこと。
これを機にリニューアルし、アニメの完結も強く望みます。
そうなればきっと名作大河アニメとなるでしょう。

投稿 : 2024/09/14
♥ : 49

78.0 3 伝奇で戦いなアニメランキング3位
屍鬼[シキ](TVアニメ動画)

2010年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (1460)
7823人が棚に入れました
人口1300人の小さな集落、外場村。外部とは国道1本でしかつながっていない隔絶された地ゆえ、いまだに土葬の習慣が残されていた。

ある日、村の山入地区で3人の死体が発見された。村で唯一の医者である尾崎敏夫はこの死を不審に思っていたが、事件性はないとされ、通常通りに取り扱われた。しかし、これ以降、村人が一人、また一人と死んでいくことに…。

声優・キャラクター
内山昂輝、大川透、興津和幸、戸松遥、悠木碧、高木渉、GACKT

ゆりなさま さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

気持ち悪いのに目が離せない・・・。

屍鬼のキャラは髪型が独特で髪型につい目がいってしまいました。
なんだこの髪型・・
まぁアニメだしということでおいといて・・。

最初1話や2話あたりは正直退屈でした。早くも飽きそうっw
しかし、気付いたらストーリーに見事に引き込まれていましたヽ(*´∪`*)ノ"
結構おもしろかった!
あっという間にすべて観てしまいました。

ですが、個人的に主人公の印象があまり残っていません。
原作読んでいないからかもしれないですが・・。

後半すごくハードでした。
村が狂った。
殺害シーン、肌がやける気持ち悪いシーンたくさんありました。
気持ち悪いのになぜか目が話せない・・不思議な変な怖さを感じました。
寝る時目瞑ると蘇る;;っw

グロいのがダメな方にはオススメできない作品です(´_`。)

読んでくださりありがとうございました(○`・∀´・)ゞ★

投稿 : 2024/09/14
♥ : 47

とってなむ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

『人間』と『ヒト』

ジャンルはミステリー/ホラー/サスペンス

外部から隔絶された小さな村が舞台
とある地区から死体が発見されると、
その後も次から次へと村人は不自然に死んでいく
あまりにも死人が多いため、
村の唯一の医者である尾崎は不審に感じる…

ここからの話の展開はお見事でした
ひきつけられます
ただ、途中で失速した感がありました

しかし、この中盤戦は物語の結末の伏線となっていました
ラスト数話の伏線回収が観ててとても面白かったです
やや盛り上がりに欠けた中盤ではありましたが、大事なストーリーでしたね
是非、最後まで観て頂きたいです

盛り上がりという面ではラスト数話はホントに最高です
思わず気分が高揚してしまいました
何が起きたのか、それはご自分の目で確認してほしいです
この作品はあまり前知識なしで観たほうが良さそうなので

ゾクゾクドキドキハラハラの展開
私好みで満足です

ちなみにグロさは中辛くらいです
そこまでグロくはないので、耐性なしでも楽しめると思います


キャラは個人として魅力的な者はいませんが、
村人一人一人に人間味があり、そこがまた面白いです
人間とはなにか。考えさせられます
医者の尾崎は特に人間味が溢れていると思います
彼の言動や行動は良い意味でも悪い意味でも人間らしい
この作品の最重要人物です


OP,EDはどの曲も作品の雰囲気に合っていて良かったように思えます
好きなのは後期OPですが、作品にベストマッチだったのは
前期のOPとEDですね
OPへの入りが見事で、とても良い演出でした
EDはnangiさんの独特な歌声がぴったしでした


この作品は物語性重視の方にオススメです
人間の感情、行動、本能、温かさ、怖さ、謎…
人間本来の姿…一つの動物としての『ヒト』が垣間見られるわけです

ダークな雰囲気が好みの方にも合うかもしれませんね
いい感じに暗いオーラが漂ってます


最後はクソ○○!とか思いましたが、
今ではこの終わり方で良かったと感じています


『人間』と『屍鬼』は違った存在です
ただ、『人間』と『ヒト』となるとどうでしょう?
この二つは似て非なる存在とも言えますし、
イコールの関係とも言えるはずです

そもそもどこからが『人間』でどこまでが『ヒト』なのか、
ナニが『人間』でナニが『ヒト』なのか

このことはいくら考えてもキリがないくらいです
それだけに興味深く、面白い

もちろんネットで調べれば様々な解答が得られますが、
これは自分で考えるからこそ意味があると思います

と、普段は主に可愛い女の子キャラや素敵なOP,EDを
探し求めている私のような者でさえも
いろいろと考えさせられた深い深い作品なわけです

投稿 : 2024/09/14
♥ : 41

ルル さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

キズ物語 ーⅣ 外場村篇ー

原作未読で視聴。


『三方を山で囲まれた僅か1300人足らずの排他的な小さな村「外場村(そとば)」。 ある日3人の村人の死体が村から発見され、それを皮切りに次々と村人が死んでいく。その状況を不審に思った村の医師「尾崎 敏夫」は、伝染病を疑い始めるが死体の検視の結果そうではない事が判明。死因が暗礁に乗り上げたそんな中、敏夫は村の古い言い伝えである「起き上がり」の話を耳にし、暗中模索の中でやがてある一つの結論に辿り着く。それは・・・・』という物語。


この作品のジャンルは、サスペンス ホラーに分類されます。全22話で、TV放映後に発売されたBlu-rayで、TV未放送のOVA2話が特典として追加されました。なお、追加された2話のOVAは、全22話の中の20.5話と21.5話にあたります。


大作ですねこの作品は。特に後半の展開は、形容するならば「凄まじい」と言うべきものでしたよ。作品は全22話なので、登場人物も多く、人物の背景なども丁寧に描かれていて、全体を通してゆっくりと展開して行きました。やはり20話超えの作品は安定感があります。


最初の5話ぐらいまでは、いわゆる典型的なパンデミック状態を描いていましたが、6話以降の死因究明からこの作品の本領発揮でした。村人の死因に疑問を持ち調査を始めたのは医師の「敏夫」と村の青年「結城 夏野(ゆうき なつの)」の2人なのですが、 ほとんど接点のないこの2人が、同時並行的にそれぞれ違った手段で究明に挑む描き方は面白いと思いました。


12話以降の中盤の見せ場はやはり敏夫の「解剖」でしょう。ハッキリ言って拷問シーンでしたよあれは・・お食事中ならご注意を。18話以降の終盤は、それまでのゆったりとした流れとは打って変わって、堰を切ったような怒涛の展開でした。集団になった時の人の怖さが描かれていましたよ。


ちょっとした豆知識。作品中、画面の下に時系列として日時と六曜が表示されるのですが、そこから調べた結果、物語の舞台は1994年のようです。


ごめんなさい。どうしても最後まで馴染めなかったものがありました。それはキャラクターデザインです。1300人の村にはそぐわないキャラデでした。SFバトル系アニメのキャラクターですよあれ。気合い入れたら掌から衝撃波とか出せちゃう感じでした。なぜあのキャラデを原作者がOKしたのかが謎ですね。唯一杭が残りましたね....それだけが。

投稿 : 2024/09/14
♥ : 38

64.5 4 伝奇で戦いなアニメランキング4位
ペルソナ4 ザ・ゴールデン(TVアニメ動画)

2014年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (532)
2912人が棚に入れました
春。都会から離れ穏やかな時間の流れる田舎町。桜の舞い散るなか八十稲羽駅に降り立つひとりの少年・鳴上悠。家庭の事情から叔父のいるこの町へやってきた悠は、地元の八十神高校へと転入することとなる。そしてはじまる学園生活―。放課後のショッピングモール。街で起こる連続殺人事件。深夜に流れるマヨナカテレビ…。悠と仲間たちに“今度は”一体どんな日々が待ち受けているのだろうか?

声優・キャラクター
浪川大輔、森久保祥太郎、堀江由衣、小清水亜美、関智一、釘宮理恵、山口勝平、朴璐美、石塚運昇、神田朱未、真殿光昭、田の中勇、大原さやか、花澤香菜
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

ペルソナ4を観た方のボーナストラック

原作未プレイ 全12話

テレビの中の不思議な世界、そして現実に起こる事件に1年間限定で親戚の家に引っ越して訪れた高校生で主人公の鳴上 悠(なるかみ ゆう)と学校で知り合った友人たち事件の真相に迫るお話です。

観る前は1期に続きだと思いましたが、実際観てみるとペルソナ1期の補完をしているようなお話でした。ただ今回はいつものメンバーに1人謎の新キャラが出て来ます。

1期ではお話は高校生活のお話とバトルが交互になっていましたが、この作品では高校生活でのイベントのお話が大部分を締めていてバトルを期待されていると肩すかしにあいますw

私は1期を観たときにこの高校生活のイベントが好きだったので前々問題ありませんでした。

鳴上 悠の天然ボケが以前より加速しているような感じがしましたねw

この作品だけ観ると何が何だか分かりませんので、先にペルソナ4の1期を観ることをオススメします。

OP/EDは前回と同じ平田志穂子さんが歌っています。曲も前回と同じくお洒落ですね^^

最後に、前回あったお約束{netabare}「カッ」{/netabare}がなかったのが残念でしたが、毎回あったお約束{netabare}ポエム{/netabare}が楽しみでしたw

投稿 : 2024/09/14
♥ : 35
ネタバレ

クッジー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ペルソナ4を視聴してからゴールデン視聴を推奨。

「ペルソナ4」を視聴してからでないと、意味が分からないと思った。

前半は1話以外はバトルはないが面白い、後半は{netabare}マリー{/netabare}を助ける話だった。前半の方が{netabare}マリーのポエム{/netabare}などがあって面白かった。

でも一番エピローグが面白かった。{netabare}皆の変化{/netabare}や{netabare}マリーの天気予報での告白{/netabare}も可愛くて良かった。

作画は前作「ペルソナ4」の方が好みだった。

最近花澤香菜さんは名前がマリーというキャラをよく演じてる気がする。

キャスト
鳴上悠:浪川大輔
マリー:花澤香菜
花村陽介:森久保祥太郎
里中千枝:堀江由衣
天城雪子:小清水亜美
巽完二:関智一
久慈川りせ:釘宮理恵
白鐘直斗:朴璐美
クマ:山口勝平
堂島遼太郎:石塚運昇
堂島菜々子:神田朱未
足立透:真殿光昭
マーガレット:大原さやか

テーマソング
OP:「Next Chance to Move On」/歌:平田志穂子
ED: 「Dazzling Smile」/ 歌:平田志穂子

投稿 : 2024/09/14
♥ : 27

かげきよ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

マリーイベントの抜き出し

ペルソナ4が新要素を引っ提げ帰ってきた。


新たな人物が混ざり付加価値をつけ再スタートという感じ。
作画の構図というかカメラワークが変更されているけど
基本的にはペルソナ4と同じストーリー。
テンポがかなり速くペルソナ4観ていない人にはちょい辛いかも。
かなり端折りもあるし、GSで自分から握手を求めてしまったりと
納得いかない部分も幾つかあった。

ハイテンポに加え鳴上くんが最初の戦闘でかなりの無双ぶりを披露してくれた事もあり
ステータスを引き継いだ2周目プレイの様に感じた。
ファン向けの要素がかなり強い。

新しい女の子がどう絡むのかは新鮮なので楽しみはあるが
わざわざアニメを作り直す必要はあったのか疑問もある。
まぁ観て確かめてみる。


【総評】
後から付け足した物だけを切り取って見せてもやっぱりバランス悪いよね…。

完全にペルソナ4のファン向けの作品で
1期の流れが頭に入っていない人には楽しめない内容でした。
(1期の内容と脳内でリンクさせ補完しながら観ないと楽しさが半減します。)

私個人はペンソナファンですが、VITA持っておらずゲームが出来なかったので
ゴールデンの内容を知ることが出来たのは収穫なのですが、
ファンを抜きにして普通に1クールアニメとして観たら
駄作の部類に入ってしまうと思います。
ゲームと違ってバトルもないし事件と同時進行のハラハラする臨場感もないですしね…。

オススメ出来るのは私のようなゴールデン未プレイのファンの方のみです。
また1期未視聴の人はコチラを先に見るとネタバレにもなりますのでお気をつけ下さい。

投稿 : 2024/09/14
♥ : 23

66.1 5 伝奇で戦いなアニメランキング5位
真月譚 月姫(TVアニメ動画)

2003年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (432)
2369人が棚に入れました
幼い頃、大事故にあいながらも奇跡的に一命を取り留めた少年・遠野志貴。それをきっかけにして、彼には人の目には見えない「モノの壊れやすい線」(そこに刃物を通せばどんなモノでも壊すことが出来る線)が見えるようになっていた。
事件後、親戚の家に預けられ、線を見えなくする眼鏡をかけることで日常生活を営んできた志貴は、高校生になり、父の死を契機に実家へと戻る。だがその町では連続殺人事件が発生しており、彼はその背後にある吸血鬼同士の戦いへと否応無く巻き込まれていくのだった…。

声優・キャラクター
鈴村健一、生天目仁美、折笠富美子、伊東静、植田佳奈、かかずゆみ、櫻井孝宏、田中かほり、木村亜希子、吉野裕行

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

深夜アニメを観るきっかけになった作品のひとつ

2003年にBSで放送され、自分的にはType-Moonを知ったきっかけの作品。
原作は『Fate』『空の境界』シリーズでもおなじみの奈須きのこ氏。
もともとTYPE-MOONの同人ゲームとしては異例の大ヒットとなったらしいが
自分はアニメ版のほうしか知らない。

ちなみにヒロインであるアルクェイド役の生天目仁美さんは、
本作がテレビアニメデビュー作なのだそう。

物語はいわゆるヴァンパイアもの。
大事故に遭って以来「モノの壊れやすい線」を見抜く能力が備わった少年、
遠野志貴(とうの しき)が、父の死をきっかけに実家へ戻り
ある日、アルクェイドという謎の多い女性と出会い、
吸血鬼同士の戦いを背後に持つ連続殺人事件に巻き込まれていくという全12話。

主人公のキャラはごく普通の男子高校生といった感じだけれど、
この志貴は『空の境界』に登場する黒桐幹也を元にしたものと原作者が公言しており
声を演じたのも同じ鈴村健一氏である。

遠野の実家はゴシック調の洋館で、妹はヴァイオリンが趣味のツンデレでブラコン。
大正時代っぽい和装&洋装のメイド二人は少々謎めいていたり。
バトルシーンは地味めで、原作と設定など違う部分が多いらしく
酷評されてることも多いようだが、ゴシック調ヴァンパイアがツボな自分としては
けっこう楽しめたし、ダークな雰囲気のピアノ曲を中心にしたサントラは大のお気に入り。

せつなく物悲しいムードの中、豪華なはずなのに幸せそうに見えない家の中、
満たされない愛情と、信じきれない人間関係。
宿命というものを与えられた家系の背負うもの。
とはいえ、鬱アニメとは違う。
ただ、アクションシーンなどはじめ、グロく残虐なカットもあるので
そういうものが受け付けない人にはオススメできない。

説明不足に感じる部分は確かにあるものの、こういうサスペンスの場合
説明してしまうと野暮になってしまう恐れもあり、難しいところとは思う。
視聴者がある程度、考えながら観ていかないとならないのは
『空の境界』でさんざん課せられたので、もうこれは、きのこ節と思うしかないかも(笑)
ただ、作画も音楽も美しいし、もう少し評価されても良いような気がする。

ちなみにこの作品、同じTYPE-MOONの『Fate』とも繋がる部分があり、
Fateを知っている方なら、一度確認がてらご覧いただくのも良いかも。

投稿 : 2024/09/14
♥ : 50
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

闇夜を月が照らす

原作未プレイ 全12話

空の境界/fateの原作者 奈須きのこさんの作品で、空の境界と共通点{netabare}(時間軸や直死の魔眼など){/netabare}も多いことなどから、空の境界を観た後この作品を視聴してみました。

お話は、幼いころから親戚に預けられていた主人公 遠野 志貴(とおの しき)は自宅に帰ることなり、その帰ってくる途中で、ヒロイン アルクェイド・ブリュンスタッドと出会って色々なことが起こりながら、その町で頻発して起こっている猟奇殺人事件の犯人を追っていくお話です。
空の境界同様、伝奇作品ですね。

非常にゆったりとした雰囲気を持った作品です。
曲もOPからサントラ、そしてEDとピアノやバイオリンを多く使い、コラースなどを含めて独特の世界観を表していますね。

お話の中で最初にガツーンとする場面を持ってきて徐々にあきらかになるのは、空の境界に似ているという印象を持ちました。

ヒロインがたまに駄々をこねるところは、空の境界に似てますねw

空の境界ほどバトルも多くなく、そのバトルも洗練されたものではありませんので、やや退屈になるかもしれません。でも、当初何も分からなかったことが、徐々に分かるように導く流れは好きでした。ただ最後までよく分からないことも多かったですね。

みなさんのレビューを読んで、ハードルを上げて観なかったのも良かったかもしれません。

ちょっと切なくなるお話でした。空の世界のルーツとなるキャラクターも出ていますので、興味がありましたら是非観て下さいね。{netabare}(というかそのまんまなキャラもいましたw){/netabare}

最後に、生天目仁美さん(アルクェイド役)のデビュー作品なのですね~

投稿 : 2024/09/14
♥ : 32

ともか さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

ノベルゲームのアニメ化が難しかったことは察するけれど…

原作のゲームをプレイ済みで視聴。
1クール(全12話)の作品。

原作はTYPE-MOONの同人恋愛ノベルゲーム『月姫』。
音楽やキャラの声等が一切なく、文章(選択肢あり)・動かない絵・効果音のみだったので、
アニメでもう一度作品にふれられたこと自体は良かった。

ジャンルは恋愛・バトル・吸血鬼といったところでしょうか。
流血など、グロ描写があるので苦手な方は視聴の際に注意が必要。

物語は、アルクェイドのルートを軸に構成されている様子。
アルクェイド以外のヒロインのルートにも少しくらい寄り道をして、
最低限の掘り下げは欲しかった。せっかくのキャラがもったいない。
12話の尺に納めるため、不要な部分を一切省いたつもりなのかもしれないけれど、
そのせいか全くダシが効いていなくて、後味も残らないような
非常に薄味な仕上がりになってしまった印象を受けた。


作画は、原作の絵と比べれば大幅に向上していたし、
約10年前の作品としては充分に観られるものだったので良かった。

声優は、キャラの声自体は作品の雰囲気に合っていたと思う。
演技力の面では出来の良い作品と比べてしまうと少し下がる気がした。

音楽は、作品のイメージには合っていたと思う。
OP曲は歌詞のないミュージック。
できれば作中にヴァイオリンの演奏などをもう少し挿入してほしかった。

OP曲: The Sacred Moon
ED曲: 輪廻の果てに…


原作を知っている者の視点で「説明のしかた」にも注目していたけれど、
「アニメ版から入る人がそれで理解してくれると思う?」と問いたくなるような内容だった。
予習した上での視聴をお勧めしたいですが、
あくまでもアニメ単体で楽しみたい方は、
過度の期待を持たずに、視聴している間「不思議な夢を見ていた」ような
感覚になれれば充分かもしれない。

投稿 : 2024/09/14
♥ : 26

75.5 6 伝奇で戦いなアニメランキング6位
虚構推理(TVアニメ動画)

2020年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (576)
2343人が棚に入れました
怪異"たちの知恵の神となり、日々“怪異"たちから寄せられるトラブルを解決している少女・岩永琴子が一目惚れした相手・桜川九郎は、“怪異"にさえ恐れられる男だった!?そんな普通ではない2人が、“怪異"たちの引き起こすミステリアスな事件に立ち向かう[恋愛×伝奇×ミステリ]!!2人に振りかかる奇想天外な事件と、その恋の行方は――!?

声優・キャラクター
鬼頭明里、宮野真守、福圓美里、上坂すみれ、浜田賢二、佐古真弓、下山吉光、本山かおり、塙真奈美、後藤ヒロキ、宮田幸季、前田玲奈、飛田展男、大南悠
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

小粋な言葉遊びをできてただらうか

原作未読


どっからみても小説っぽいです。小説とミステリの相性は基本的に良いものかなということで特に抵抗もなく視聴に至る。

“虚構”そして“推理”。
ジャンルはまんまミステリかと。お化け・妖怪・怪奇現象。この作品では“怪異”という表現を使ってます。『夏目友人帳』『物語シリーズ』未視聴のため適切な比較は不可能ですが、この世ならざる者とのやり取り混じりの推理物ということになります。

一概に推理物といっても捻りが加えられていてそこが本作の面白みでしょう。
なんでも目的というものがありましょうが、例えば“犯人捕まえるぞ”“真実はこうだ”というノリは皆無です。本作の主人公らの目的は、“怪異の世界と人間世界とに保たれている秩序の維持”。そのバランスが崩れそうになる、または崩そうという力が働く時に秩序をキープするために最適解を導き出す。そんなお話です。まぁ口八丁でなんとかする手合いですね。

構成は大胆というかある意味リスキー。一話完結または二~三話完結という当初想定とは全く違うものでした。私は好意的に受け止めてます。
{netabare}ルール説明的な第1話。同じくチュートリアル的なエピソードで第2話。その後第3話のBパートからはひたすら“鋼人七瀬(こうじんななせ)”でした。レビュー書きながら知ったのが、あまりエピソードストックが無かったのでそうせざるを得なかったかなということ。実際のところ、鋼人七瀬は5話分くらいあれば十分だったことでしょう。{/netabare}

岩永琴子(CV鬼頭明里)と桜川九郎(CV宮野真守)が主人公になるのでしょうか。ホームズとワトソンの関係ともちょっと違うパートナー。九郎の元カノ弓原紗季(CV福圓美里)も絡んできて賑やかになってきます。
物語構成と同じく好意的に受け止めてるのが紗季のキャラ設定。主役を引き立てるために周囲にはやや愚鈍というか暗愚なキャラを置いてバランスを保っても良さそうですがそれがない。本作でいえば岩永を際立たせるために同性の紗季をやや落とす手法を取らない。
{netabare}岩永と六花が両方ともぶっ飛んでいるというか情に薄いため、常識人の紗季がオアシスのようでした。常識人かつ聡明さがあるので救われておりました。{/netabare}


推理物なのでこのへんくらいにして。
わりとミステリの変化球のようにして臭みがない作品ではありました。そこそこ楽しめた佳作です。



※袋とじ

■岩永

{netabare}なんというか真顔で卑猥なことをたまに言ってくる琴子さん。鬼頭明里さんになんてこと言わせてるんだとこっそり喜んでました。{/netabare}

{netabare}ただし鬼滅の刃から流れてきたちびっ子が観たらダメなやつです。{/netabare}



視聴時期:2020年1月~3月 リアタイ

-----


2020.04.08 初稿
2020.10.15 修正

投稿 : 2024/09/14
♥ : 58

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

2020年冬クール開始前から期待の一作、出だしは好調! 第3話後半より「鋼人七瀬事件」に突入!

== [下記は第1話視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
第1話を観ました。評価は暫定です。

放送開始前から楽しみだった一作です。作品ジャンルは「伝奇ミステリー」とかそんな感じ。

きっちり1話を使って妖たちの間での岩永琴子の立ち位置であったり、桜川九郎の能力であったりを説明してなおかつ1つの「事件」を次に引きずることなく解決する。でも九郎が何者なのかはハッキリとは明かされず次話への興味を引っ張るという、シリーズ物の第1話としてはかなり上出来なエピソードでした。

琴子のビジュアルと、声や性格のギャップは人気を得る要素になり得そう。視聴継続の判断を1話できっちりとできそうな感じでとても良かったと思います。
== [第1話視聴終了時のレビュー、ここまで。] ==

2020.2.3追記:
第3話後半から「鋼人七瀬(こうじんななせ)事件」編に入っています。第1話が原作1巻プロローグ部分をコミカライズ時に膨らませたもの、第2話~第3話前半が原作短編集に含まれていた1エピソードだったのに対して、「鋼人七瀬(こうじんななせ)事件」は原作小説ほぼ1巻全部に相当するので結構話数を必要とするはずです。

作中でアイドル七瀬かりんのSNSアカウントや、「鋼人七瀬まとめサイト」が出てくるのですが、これらをわざわざ作成しているこのアニメの制作スタッフは良い意味でアホです(笑)。

七瀬かりんtwitter: https://twitter.com/karin7se
鋼人七瀬まとめサイト: https://www.kojin7se.com/

第4話に出てきた、作中ドラマ『青春!火吹き娘!』のOP主題歌も力が入っていますね。

2020.3.29追記:
最終話まで視聴終了。

結局、「鋼人七瀬事件」で終わりましたね。原作は短編集も含めて文庫3巻分しかないので、それほど潤沢に原作エピソードがあるわけでもないということを「こんなものか」という気もしますが、1クールのアニメ作品として見ると「鋼人七瀬事件」に尺を使いすぎてテンポが良くないという見方もあると思います。

私の場合はそこは置いて映像化自体を喜んでいた口ですが、合わない人もけっこういたんじゃないでしょうか。

作画は画が崩れたりはしないのですが、なめらかでない動きなどもあって手放しに「良い」というほどでもないです。(それでも最近だと良い方かも?)

投稿 : 2024/09/14
♥ : 55

えりりん908 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

妖怪や規格外の化け物相手に、ハッタリと嘘八百で勝つ、濃い女の子キャラが素敵(^^)

4話まで放送されたところですけど、
今期ちょっと多めな、ミステリー系では、
いちばん楽しいかも?

主人公の琴子ちゃんが、抜群に可愛い(≧▽≦)
可愛いって意味の可愛い、じゃなくて、
凄くわがままで、濃い性格してて、
それが面白いんです(*^。^*)

1話完結タイプのミステリーアニメじゃないみたいなのが、ちょっと残念ですけど、
キャラの設定とデザイン、
凄くいいと思います。

お話がこれから、どういう風に展開するのか、
全然わからないけど、
これからに凄く、期待しています(*^^*)



~~~~~~~~~~
観終わって感じたこと。
ちょっとがっかり。
で、評点下げちゃいました。

琴子ちゃんのキャラは、ウソで真実に勝ってしまう頭脳も、
キャラデザインも、濃お~い性格設定も、
とっても好きなんですけど、
お話しのほとんどは、鋼人七瀬との対決。

もっと、
最初の方の、
図書館の化け物とか、
沼の大蛇の話みたいな短いエピソード、
いっぱい積み上げて
観せて欲しかった、というのが本音です。

原作準拠らしいからしょうがないんですけど、
琴子ちゃんと九郎先輩コンビの屁理屈&超常能力を、
いろんなエピソードで観たかったと思います。

投稿 : 2024/09/14
♥ : 49

70.6 7 伝奇で戦いなアニメランキング7位
刻刻(TVアニメ動画)

2018年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (427)
1694人が棚に入れました
佑河家に代々伝わる止界術
止界術を使うと、森羅万象が止まった“止界”に入る事が出来る。
ある日、主人公樹里の甥と兄が、誘拐犯にさらわれてしまう。
救出の為にやむを得ず“止界術”を使うが、
そこにいるはずのない自分以外の“動く”人間たちに急襲される。
彼らは、止界術を崇める「真純実愛会」。
止界術を使用する際に必要な“石”をめぐり、
止界の謎、佑河家の謎が徐々に解明されてゆく…

声優・キャラクター
安済知佳、瀬戸麻沙美、山路和弘、郷田ほづみ、辻谷耕史、野島裕史、内田夕夜、吉野裕行、岩田龍門
ネタバレ

〇ojima さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

止まった世界から脱出するんだ!

あらすじ。
主人公樹里は就職活動が連戦連敗で落ち込んでいる。
帰れば自宅にはさえない男共(祖父、父、兄)がいて更に気が滅入ってしまう。
この家族の中で一番偉いのは、息子の真を一人前に育てるためにがんばって働いている姉だけ。
自分はこの家庭から抜け出したいと思っている。
こんな低層家庭に真の誘拐事件が起きる。
30分以内に500万円を用意しないと殺されてしまう。
父が身代金を手に出かけるところに、祖父が一言。
佑河家に特別な力があるので、その力を使い、真を助けよう。と、
その力は止界術と言って時を止めて自分たちだけその世界を移動出来る。
この力で真を難なく救出するはずが、この世界でなぜか動く人間達が樹里たちを待ち構えていた。しかも殺す勢いで。。。。

というお話。

最後まで観ました。
面白かったです。
物語の流れはスムーズで見やすいですね。
原作未読ですが、補完で是非観てみたいと思います。

気になる点は {netabare}
悪役の佐川が本当は悪人ではない。 {netabare}現在に興味がなく未来を観たい。 {/netabare}
悪役の間島が本当は悪人ではない。 {netabare}止界で離れた家族に会うための手段。 {/netabare}
悪役の 迫が本当は悪人ではない。 {netabare}ただ雇われただけ。 {/netabare}
悪い奴はいませんでした。 {/netabare}

物語のキーワードは家族。 {netabare}
樹里はもちろんだけど、間島も家族のために実愛会と手を組み、
佐川も普通の家族を望んでいた。 {/netabare}

確かに家族はいいもんだ。
「よし、家長である俺が守ってやらなきゃいけないな」
       佑河家の家長と同じ立場の〇ojima談


以下途中コメント

5話まで一気に観ました。
物語にアクションをとてもうまく交えており私的には観易く興味深いです。
カヌリニ タマワニ 止界 止者 石・・・
止界にまつわるキーワード。徐々に明かされてゆくのでしょう。
この作品、最後まで楽しみたいです。
 

投稿 : 2024/09/14
♥ : 52
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

掴みは良かった。

原作未読。最終話まで視聴。

第1話のインパクトはとても良かった。
物語としては面白かったとは思うんだけど、2巡目視聴するほどでもないって感じかな?

序盤の掴みはとても良かった。
少し独特な、癖のあるキャラデザと世界観の物語。

中盤までは、楽しめたんだけど、終盤~ラストが・・・。
ちょっと微妙というか、強引というか、何と言うか・・・。

『時間停止』なんて非科学を扱う作品なので、強引な展開もありとは思うのですが、実際にやられちゃうと・・・。

最終的に、主人公が{netabare}無事に帰還出来たことを、素直に喜ぶべきなんだろう{/netabare}けどね(笑)

あと、主人公の親父はクソです(笑)
こんな大人になっちゃダメです。
反面教師という意味で、一見の価値ありかもです(笑)

【以下は、各話レビュー的な「何か」です】(笑)
{netabare}
【第1話】
作画綺麗。
第1話から一気に引き込まれた。

【第2話】
あれっ?作画が微妙・・・。(気のせい?)
樹里やじいさんたちと、真純実愛会のバトル的な話のようだ。
派手さはないけど、なかなかに面白い作品。

【第3話】
樹里が特殊能力に目覚める。
敵が分かり易くゲスいので主人公たちに感情移入しやすい。
しかし、敵の数多いな・・・。

【第4話】
翼と真も行動開始。
カヌリニの事も、徐々に判明。
あとは、親父だ!足引っ張んな~!

【第5話】
前半は間島の過去話。
後半。相変わらず親父だけがピントがズレているのが面白い。

【第6話】
佑河家全員集合。良かった、良かった。
ここを変に引っ張られると視聴がつらくなるところだった。

親父の発した殺意って、いったいどれだけ?

迫の存在が妙に頼もしく感じた回。
間島の両親は残念だったけど、兄は?

【第7話】
迫と間島の存在が妙に頼もしい。
一気に形勢逆転かと思いきや、本石が・・・。
真純実愛会の方でも何やら・・・。

【第8話】
物語が一気に動き出す。
最後のキーパーソンはやはり親父か?

【第9話】
樹里が本石を破壊しちゃう。
しかし真が特殊能力の目覚める。
親父は調子に乗る(笑)

【第10話】
ここにきて、佐河の過去話!?
ここまできて佐河まで救ちゃう話なの!?

【第11話】
親父、大活躍からの、まさかの大けがであっさり退場。
もの凄い殺気を発した第6話といい、親父、どれだけストレス貯めているんだ?
真も退場させて・・・。
しかし、樹里の能力は最強だな。
で、最後に佐河が赤ちゃんに!?

【第12話】
ん~?
最後がこれ?
ん~?
まあ、樹里が無事に帰還出来たことを喜ぶべきか、強引な〆をツッコむべきか?
{/netabare}

投稿 : 2024/09/14
♥ : 51

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

就活生+シングルマザー+隠居+失業者+ニートという、この行き詰まり感(笑)。→ 無事完走。とても良かったと思います!

前評判が高かったのでまずは第1話を観てみたのですが、こんなん観るしかないじゃないですか。原作マンガは読んでないので知らんけど…。

…とりあえず時間停止能力を中心としたバトルものみたいです。そして血を注ぐと一部の人間以外は行動できない時間停止した世界(止界)というのに入れる石が存在するようで、どうやらこの石を巡って闘うことになるみたいですね。

この変にワクワク感のない、地に足が着いたっぽい能力バトルっていうのがちょっと新しい感じがして面白そうです。

2018.3.26追記:
最終回である第12話を視聴終了して無事に完走しました。

少数派意見だとは思いますが、本作のキャラクターデザインはわりと好きな方です。主人公の佑河樹里(ゆかわ じゅり)や間島翔子(まじま しょうこ)などの女性キャラも含めて、いわゆる「アニメ絵」的な萌え要素を排していてビジュアル的にはどストライクな感じでした。

シリーズ構成としても予定話数の中で視聴者の興味を次回に繋ぎつつ、各回でしっかり山場のあるストーリーで「完結している原作」のアニメ化としてはかなりレベルが高かったと思います。

第1話で止界に入る場面でフォーカスされた人物が何者だったのかずっとわからなかったのですが最終話でその伏線も回収されましたし、作画面での破綻もなくOP、ED、BGMなど音楽面でも作品に合ったもので総合的な満足度の高い作品でした。

「霊回忍(タマワニ)」、「神ノ離忍(かのりに)」などの用語についても、これらの概念を教義に取り入れている宗教団体である佐河順治(さがわ じゅんじ)率いる実愛会ではかなりキッチリとしたものなのに対して、単なる家庭内でのあやふやな伝承や、樹里の祖父や樹里自身の個人レベルの体験でしかなかった佑河家ではポヤポヤした適当な呼び名(「管理人」、「クラゲ」)で呼んでいたりとかの地味なリアリティがありました。

私自身が原作を未読だったこともあり2018年冬クールにおいては、次回への興味という点ではこの『刻刻』と『宇宙よりも遠い場所』(こちらはオリジナル作品)の2作品が毎週の楽しみでした。

本作品も含めて講談社のモーニング・アフタヌーン系の漫画原作は一癖ありつつ面白いものが多いので、今後もアニメ化に注目してゆきたいですね。

投稿 : 2024/09/14
♥ : 50

73.2 8 伝奇で戦いなアニメランキング8位
バンパイアハンターD(アニメ映画)

2001年4月21日
★★★★☆ 4.0 (169)
1076人が棚に入れました
菊池秀行の人気小説『吸血鬼ハンターD』を天野嘉孝キャラクター原案で映画化した劇場版アニメ。最終戦争後、人類の頭上には貴族“バンパイア”が君臨していた。そのバンパイアに対して戦いを挑むプロフェッショナルは、いつしかハンターと呼ばれるようになっていた。ある日、理想のハンターとして知られるダンピール――Dは、バンパイアに誘拐されたエルバーン家の娘・シャーロットを救出するよう依頼される。バンパイアの馬車を追うDのもとに現れたのは…。

声優・キャラクター
田中秀幸、永井一郎、山寺宏一、林原めぐみ、篠原恵美、屋良有作、大塚芳忠、関俊彦、大友龍三郎、大塚周夫、青野武、清川元夢、辻谷耕史、西凜太朗、沢海陽子、藤原啓治、鈴鹿千春、矢島晶子、小山力也、かないみか、石塚運昇、前田美波里
ネタバレ

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

…飛んで!飛ぶのよ!!

川尻善昭監督作品。
登場人物たちは奇抜な能力を持っており、アクションが盛大ですが、人間くさいところも凄く良かったです。

かつて発売されていた竹谷隆之作のスタチューの出来が素晴らしく印象的でした。
アニメも雰囲気が良いのだろうな、クラシックな吸血鬼の雰囲気かな、酔えるんだろうな、いつか観よう、と思っていたのですが。もっと早く観てもよかった。


吸血鬼と人との間に生まれ、祝福されない宿命を背負った吸血鬼ハンターのD、どこか禍々しい能力を身につけて吸血鬼を追う出稼ぎハンター達、冷徹そうで美しい吸血鬼族達、吸血鬼に雇われた用心棒の怪物共…
その中で戦いぬき、時に気持ちが揺れ動く様子が見て取れた女戦士・レイラ姐さんが、ラストへ向けて力強く光っていました。

吸血鬼によって孤児にされ、復讐のために生きてきた姐さん。
彼女がたてまえや信条とは離れたところで受け入れたもの、励ましたもの、希望したもの、それらが多く語られることはないのだけれど。終盤のセリフと林原めぐみの演技から滲み出る発露に胸打たれ、ジワジワ泣けました。
「…飛んで!飛ぶのよ!!」って、忘れられないと思います。


ハンターの人間たちは、一体どうやったらそんな魑魅魍魎じみた身体になれるんだ?という、ジョジョやバジリスクのような特殊な能力をもった者ばかりです。
レイラ姐さんの仲間のグローヴ兄さんの能力が、切なかったですね。
平時は寝たきり状態の痩せ細ったグローヴ兄さん、戦闘時に薬物で霊体として出現すると、眩い後光を放出しながら滑るように浮遊し、吸血鬼達をなぎ倒してゆくのです。この時の解き放たれた恍惚の表情が、命の限りの向こうを匂わせる夢うつつの切なさです。


絵の動きは非常に細かく美しいです。天野喜孝キャラデザの幽玄さが生かされた独特の動きで、今風の作画とは異なりクドイと感じられる人もいるのだろうなと思います。
しかしこのねちっこいのが、よいですねぇ。植物の成長を早回しで視せられている時のようです。

何度も書きますが、レイラ姐さんがよかった…。
彼女の見せる吸血鬼への正義が、吸血鬼貴族の耽美でささやかなロマンスにぶち当たって振りかざされるシーンで最も生きていました。
{netabare}(吸血伯爵にさらわれた美女は、実は彼と純愛を貫こうとしており、伯爵は彼女の血を吸うことをはばかり、ただ二人が生きられる場所へ行こうとしていました。そうなると追手である者達のほうが不粋に見えてくるのですが、レイラはキレる。「それがなんだっていうの!関係のない者達がたくさん犠牲になったのよ!?」)
しかし、彼らの健気な寄り添いあいを視ているうちに、レイラ姐さんの中で何かが変化してゆきます。 {/netabare}
吸血鬼女カーミラの館で見せられる幻想の中で、幼子(自分の子供時代)の頑なな孤独を癒そうと抱きしめるシーンでも、懐深さが垣間見えてきます。
そこからラストの種としがらみを超えた励まし…。

事件から数十年後にDがふと見守ったものは、彼女の強さと優しさからもたらされた幸せの一端のようでした。

Dをかばう職人爺さんの存在もいい味でした。スジを通す仕事人、かっこいいです。この人も胸アツです。

Dももちろんかっこよいのですが、「つ、土に埋まらねば…」の所がちょっとオモシロかったです。私も砂風呂に憧れます。


クラシックな雰囲気の人間ドラマが好きな方、ぜひ観ていただきたいです。

投稿 : 2024/09/14
♥ : 28
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

吸血鬼と人間の間に生まれたダンピールの美しくも切ない物語

原作既読(小説)

吸血鬼ハンターシリーズはOVA含めて2本アニメ化されています。
OVAはちょっと可愛いデザインで、中々入り込めにくい作品ですが、この作品はDの世界をよく表現した作品ですね。
キャラクターデザインも原作の挿絵を担当している天野喜孝さんがキャラクター原案として参加しているところがあって、イメージが原作と重なり入り込めやすいです。

お話は、遥か未来の吸血鬼が支配する世界。不老不死、不死身の肉体、超人的な力、超常現象、異世界の魔物などを生み出して人間を奴隷扱いにしている各地の吸血鬼を倒すために旅をしている美しき青年”D”の物語です。ダークファンタジーですね。

とにかく吸血鬼やその他の魔物が細かく書かれていて怖いですね。

主人公であるDがかっこいいです。つばの長い帽子(旅人帽)をかぶり背中には長刀を背負い全身漆黒の格好、そして口数も少なく、馬(アンドロイド)に乗り走る姿は素敵でしたね。{netabare}(特に冒頭の月に照らされたシーン){/netabare}

2001年制作と思えないほど、背景や人物の作画が綺麗で今の作品と比べても全然違和感がありません。

バトルも非常に凝っていましたね。スピード感があり、色々な能力を持った魔物との戦いは面白いです。

お話も1時間40分の中にきちんと収まっています。オススメです。
{netabare}このシリーズの最後の見せ場であるDの微笑が観れて良かったですね^^{/netabare}

最後に、この作品はDの小説3番目”D妖殺行”を元となっていますので、もし気に入った方は是非原作も読んでみてくださいね。

投稿 : 2024/09/14
♥ : 25
ネタバレ

るぅるぅ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

天野嘉孝さんの絵が動いています! 度肝を抜かれた気分で参ったw

原作:菊地秀行
監督:川尻善昭
ブランド:マッドマウス
ジャンル;吸血鬼/伝奇モノ・103分
内容は”あにこれ”の粗筋で充分。

観た方の心に斬りつける正に映像美に尽きます。
キャラクター原案の天野嘉孝さんは、ロマサガやFFのキャラデザインでご存知の方も多くいると想います。人を惹きつける癖のあるタッチで妖艶かつ幻想的な雰囲気と描かれ一度観たら忘れないインパクトある絵。
あの独特の絵を描き起す再現力を観た瞬間、圧倒されました。
キャラだけではなく中世を彷彿させる街並み・荒廃した背景でも世界観を魅せてくれます。

また、主人公のDが寡黙で芯ある男らしい姿に痺れるんですよね。語りも重厚な世界観を潰さない静かな台詞回し、圧倒的な強さを描くバトルシーンから目が離せないです。
相乗効果として格調高いBGMが演出を高め、1シーンがクライマックスとさえ感じさせる絵の強さが伝って来るので、もっと見せろ! となりますw
絵とバトルだけ繰り返し観ているとゲーム感覚に近い爽快感に似た気持ちにもなりました。私だけかもしれませんね、すいませんw 

内容もシンプルでわかりやすくテンポも良いので映像美と音楽を壊さず、最後の結末も巧く素晴らしい余韻です。

不満は1つだけです。{netabare} カロリーヌ とのバトルをカットしすぎです! どんなバトル演出かと期待していたら一瞬で斬られたw{/netabare}

絵に抵抗なければ世界観・映像美に満足する作品です。

投稿 : 2024/09/14
♥ : 24

66.3 9 伝奇で戦いなアニメランキング9位
ガサラキ(TVアニメ動画)

1998年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (114)
695人が棚に入れました
日本の経済を影で操る豪和家は、代々伝わる「骨嵬」(くがい)の組成を研究応用し、特務自衛隊と共に「タクティカルアーマー(TA)」と言う二足歩行兵器を開発した。余流能楽継承者である豪和家四男ユウシロウは、「餓沙羅の舞」の実験途中にミハルという名の少女と精神接触をする。ミハルを擁する組織「シンボル」もまたガサラキへの接触実験を行っていた。一方、豪和家長男である一清は、国学者・西田啓、特務自衛隊の広川参謀と共謀し、クーデターに拠って日本の権力を手に入れようとする。同じ力を持つユウシロウとミハルは波瀾の運命に翻弄されていく。

声優・キャラクター
檜山修之、高田裕司、速水奨、千葉一伸、小山武宏、こおろぎさとみ、藤生聖子、秋元羊介、安井邦彦、中田和宏、日高奈留美、菅原淳一、高山みなみ、岩永哲哉、丹下桜、神奈延年、拡森信吾、岸野幸正、宮崎一成、徳弘夏生、金月真美
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

今だから分かる“破格の面白さ”《軍事SF込み政治劇》の最高傑作はこれだ!

80年代前半に制作されたリアルロボットアニメの名作『装甲騎兵ボトムズ』、『太陽の牙ダグラム』の監督として知られる高橋良輔氏ですが、90年代にも、こんな凄い作品を作っていたんですね!

◆最硬派にして最右翼、リアルロボットアニメの顔をした“本格政治劇”

1998年10月~1999年3月迄の放送ということで、一見して明らかに少し前に大ブームを巻き起こした『新世紀エヴァンゲリオン』のフォロワー作品(和風エヴァ)なのですが・・・

(※例)
{netabare}ユウシロウ&ミハル → 碇シンジ&綾波レイ ※主人公&メインヒロインであり異能者
美鈴         → 惣流・アスカ・ラングレー ※サブヒロインでありもうひとりの異能者
安宅大尉      → 葛城ミサト ※主人公をサポートする年上女性
豪和一清      → 碇ゲンドウ ※主人公やヒロインを実験に利用する「肉親」
豪和総研      → ネルフ
特務自衛隊    → 戦略自衛隊
TA、MF、クガイ  → エヴァ
ガサラキ      → 使徒
シンボル      → ゼーレ
西田啓       → ×(該当なし)  ←注目!{/netabare}

↑↑↑
本作の場合、何といっても「憂国の思想家」「国士」として描かれる西田啓(にしだ・ひらく)が凄い!!
こんな濃いキャラは他のアニメ作品ではまず見ることが出来ません。

この西田啓に比べたら、『攻殻機動隊 2nd G.I.G.』の合田某とか、『機動警察パトレイバー(初期OVA)』に出てくる甲斐某とか、陳腐もいいところです。
辛うじて、『PSYCHO-PASS サイコパス (第1期)』に出てくる槙島聖護が、その思想的な迫力で西田に迫るものがありましたが、彼の場合は{netabare}動かした組織が西田啓に比べて全然しょぼいタダの私兵ですし、何といっても肝心のシビュラ討滅計画が結局失敗{/netabare}に終わっていますし。

・・・ということで、アニメでは本作に比肩するような作品を私は思いつくことが出来ませんでしたが、強いて挙げるなら、同じく1990年代の緊張を孕んだ日米関係をベースとするリアル志向の軍事SFマンガであり政治劇でもある『沈黙の艦隊』(かわぐちかいじ著)が、本作と描かれているテーマがかなり似ている、と思いました。

→しかも、私の個人的な感想では、政治劇としては、内容が間延びしている『沈黙の艦隊』よりも、本作の方がよりテーマが濃縮されていて面白かったように思います。

何といっても、1998-99年の放送ということで、当時であっても本作の凄さを評価する人は勿論沢山いたと思いますが、その作品内容がネックになって?積極的に本作を持ち上げようとする声は、当時のアニメ業界には少なかったのでしょう、本作は残念ながらアニメ作品としては「知る人ぞ知る」異色作・・・という扱いになったようで、本サイトでの評判もイマイチですが!そんなもの、作品の実際の面白さに何の関係があるのか!

「政治劇」アニメというと、本サイトでは、『銀河英雄伝説』が、やたらと高評価ですが、私が実際に視聴してみた限りでは、本作や同じ高橋良輔監督の『太陽の牙ダグラム』も、内容的には同作に決して勝るとも劣らぬ面白さを備えた良作に思えました。
(※なお、『銀英伝』、『ダグラム』ともレビュー済みです)

・・・ということで、軍事SF込みの政治劇(アニメ作品)として有名な、『銀英伝』、『ダグラム』、更にアニメではありませんが、上記のかわぐちかいじ氏の大人気マンガ『空母いぶき』(※現在某誌で連載中)、『沈黙の艦隊』、『ジパング』(※一部アニメ化)といった作品が好きな人には、自信を持ってお薦めしたい作品です。


◆視聴メモ
{netabare}
・第1話視聴終了時点
初回から、作品世界やメカ等の凄い作り込み具合に驚く。
特務自衛隊(特自)→『エヴァンゲリオン』の戦略自衛隊と同種の存在か?
・第8話視聴終了時点
西田啓(にしだ・ひらく)←元陸軍少尉で、依願退職後に五・一五事件(1932年5月に起きた一部軍人等による犬養健首相暗殺を始めとするクーデター未遂事件)の首謀者の一人となった西田税(にしだ・みつぐ)から苗字を借りたものと思われる。
・第25話(最終話)視聴終了時点
第1話から第24話まで一話も外すことなく面白いのに、最終話だけシナリオが滑っているのは残念(※それでもラスト2話で滑った『新世紀エヴァンゲリオン』(TVシリーズ)よりマシかも)。{/netabare}


◆制作情報
{netabare}
原作         矢立肇(サンライズの便宜的ペンネーム)、高橋良輔(原案)
監督         高橋良輔
助監督        谷口悟朗
シリーズ構成     野崎透
脚本         野崎透、竹田裕一郎、小中千昭
キャラクターデザイン 村瀬功、山形厚史(ゲスト)
メカニックデザイン  出渕裕、荒牧伸志
音楽         蓜島邦明
アニメーション制作  サンライズ{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

=============== ガサラキ (1998年10月-1999年3月) ===============

- - - - -- - - OP「MESSAGE #9」、ED「LOVE SONG」 - - - - - - - -
{netabare}
第1話 石舞台 ★★ TAヴァーチャル実験、石舞台の舞(ガサラキ召喚実験、ミハルの干渉、実験中断) ※他に類例のない独特の雰囲気で掴みは上々
第2話 序ノ舞 ★ TA(Tactical Armor 二足歩行型戦術装甲機)、作品世界の説明回(豪和家、秘密結社シンボル、中東ベギルスタン情勢、TAリアル実験)
第3話 天気輪 ★★ 特自TA部隊派遣決定、MF(Metal Fake シンボル側のTA呼称)強襲、多国籍軍(実質は米軍)戦車部隊壊滅
第4話 蜃気楼 ★ 特自TA部隊の初実戦投入(神殿の丘制圧)、爆心地の舞、MF部隊来襲
第5話 接触 ★ TA・MF交戦(ユウシロウvs.ミハル)、MFサンプル捕獲命令、シンボル撤収、首都カハ侵攻
第6話 操り人形 ★ 停戦、特自撤収準備と妨害、アクラ石窟教会(正教会)での対面接触、二人の逃亡、フィーゼラーの逃亡幇助
第7話 帰還 ★★ 米軍の特自輸送機離陸妨害、アルメキスタン領空戦(TAvs.スホーイ戦闘機)
第8話 火宅 ★ 第二幕開始、豪和一清・西田啓(憂国の思想家)・広川中佐の密議(クーデター計画)、豪和総研ビルへのMF襲撃 ※憂四郎は8年間に死亡と判明
第9話 御蔵 ★ 再び鬼哭石(きなし)郷の石舞台、空知師匠、ガサラキ(餓沙羅鬼)を呼び起こす者(嵬=カイ)、MF隊の襲撃
第10話 骨嵬 ★ 偽りの舞、骨嵬(クガイ)復活、対MF格闘戦、改良型TA実験、ユウシロウ&ミハル逃走
第11話 絆 ☆ TA(谷口機=SAT4)暴走、速川隊のSAT4捕獲作戦、安宅大尉&美鈴のユウシロウ&ミハル追跡
第12話 綻び ★ 特殊部隊のユウシロウ&ミハル確保、「首級を挙げた」、谷口機vs.ユウシロウ機、「七支ノ剣の傷となるべし」
第13話 旅立ち ★ シンボル(世界最大のコングロマリット)、豪和家総代の交替、ユウシロウ&ミハル再逃走
第14話 同行 ★ 京都・渡邊の里へ、餓沙羅鬼(ガサラキ)・骨嵬(クガイ)・嵬(カイ)の伝承、8年前の実験{/netabare}

- - - OP「REMIX OF MESSAGE #9:type M」、ED「LOVE SONG」 - - -
{netabare}
第15話 閾(しきみ) ★ 千年前(平安中期)、渡邊党(神事の中断、皇(すめら)への反逆)、嵬たち(勇四郎・美晴)
第16話 宿業 ★★ 渡邊党の上京、鳥辺野(とりべの)の戦、ナダの神事、渡邊党敗れる、蘇る前世の記憶{/netabare}

- - - - - OP「MESSAGE #9」、ED「LOVE SONG」 - - - - - - - -
{netabare}
第17話 混沌 ☆ アジアン静脈溜(難民街)、米国の穀物輸出停止圧力、クーデター計画進行、王(ワン)へのシンボル接触
第18話 裏窓 ★ 難民街の暴動発生、治安出動命令(広川参謀の首相説得)、特自TA部隊の難民街投入(ユウシロウ&ミハル捜索)
第19話 慟哭 ★★ 西田の速川中佐説得、米軍海兵隊のミハル強奪、穀物モラトリアム(輸出停止)発表、経済統制・戒厳令発令
第20話 動乱 ★ 国会議事堂前の騒擾、特自TA出動、首相重傷、ユウシロウからの連絡
第21話 疾走 ★★ 安全保安部設置、特自装甲車の横田基地突入(ミハル奪還作戦)、TA(ユウシロウ搭乗)vs.ラプター、米軍ヘリ離陸 
第22話 権化 ★★ 第三幕、西田&フィーゼラー(シンボルCEO)対談(対米金融資産売却計画)、ユウシロウ特自TA復帰・デフコン4発令、新たな嵬(美鈴)
第23話 無間 ★ 国籍不明MF市ヶ谷基地侵入・デフコン5発令、閾(しきみ、ガサラキ降下ポイント)、ミハル回復・ガサラキ降下中断
第24話 句読点 ★★ 豪和ビル中枢コンピューター防衛戦(TAvs.MF)、MF排除、穀物モラトリアム停止、対米金融資産売却中止、西田自決 
第25話 餓沙羅 × 豪和一清の野望、美鈴を嵬とするクガイ再生・ガサラキ降下実験、ガサラキによる召喚、帰還 ※特自解体は唐突、またガサラキの正体&ラストの謎会話は稚拙で残念{/netabare}
----------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)8、★(良回)14、☆(並回)2、×(疑問回)1 ※個人評価 ★★ 4.5

投稿 : 2024/09/14
♥ : 19

九条 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

戦後日本の禁忌を懐古的に説く和風伝奇サスペンス。

日本の伝統芸能である能楽や和歌が軍事SFや政経分野と融合する異色の和風伝奇サスペンスであり
自衛隊の価値観や政治闘争など、ミリタリー要素は無論のこと、神話的世界観も内包する難解な作品。
監督を務めるのは「ボトムズ」の高橋良輔であり、定評のあるリアル指向型の手腕を遺憾なく発揮する。
憲法問題や日米安保など、戦後日本における禁忌的側面にも能動的に干渉していく顛末は硬派であり
本来あるべき「日本」の姿とは何か、「日本人」の本質とは何かを国学者の西田啓が懐古的に敷衍する。
尚、本作の制作に谷口悟朗が助監督として、参加している故、「コードギアス」との関係が囁かれており
陰々滅々たる本作と比較することは難しいが、西田啓とルルーシュの思想は互いに通ずるものがある。
それは、確固たる己の理念に従って既存の社会システムに対し反抗する革命家であるということであり
責任の取り方を対比しても西田啓の思想観がルルーシュの原型であると言っても過言ではないだろう。

投稿 : 2024/09/14
♥ : 17

ポール星人/小っさ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

すげぇ惜しい気がした作品

追記と点数見直しです。

 私事ですが、シドニアの騎士とアルドノアゼロを観てる今だから思うんですがガサラキってやっぱカッケェんじゃね? と、ふと思いましてw
まぁ最終話は置いといてなんですが(汗)
 いや、インビテイター云々の部分だってつまんなくは無いんすよね。最終一話で強引に締めちゃったからアレな訳で。
平安編の2体の骨嵬なんて、超カッケェもので当時発売されてたガレキ欲しい位です。ライデンとシンデン、イシュタルのプラモデルは確保済みでしてね。まぁ当時のバンダイですから運河彫りだし成形もダル~んとしててイマイチですが。
なんで、最新の2作品観てガサラキ思い出すのかと自分でも不思議なんですが、多分肝心のメカがイマイチ琴線に触れないからなんすよね。
好みの問題じゃね?と言われると、その通りなんですけども。

でも個人的な感想としては、アニメの中でもことロボット物に関しては多ジャンルに比べてそんなに進歩して無い気がします。

あ、別にお勧め作品って訳では無いです。
/////////////////////////////////////////////
 TAやフェイクの戦闘は文句も無いし、骨嵬の存在もいい感じ。
西田さんの決意と締めもおおぉと受け入れました。

んで最終話が む~ な感じで見た後モヤモヤ。
ちと尺が足りな過ぎたんでないすかね。個人的には最終話を数話かけて丁寧に見せてくれれば不満はそんなに無かったんですが。

投稿 : 2024/09/14
♥ : 8

65.9 10 伝奇で戦いなアニメランキング10位
吸血鬼ハンターD(OVA)

1985年12月21日
★★★★☆ 3.6 (66)
290人が棚に入れました
西歴一万二千九十年、最終戦争後の遥かなる未来の地球は、貴族と呼ばれる吸血鬼が君臨していた。辺境の村ランシルバに弟ダンと二人暮らしの少女ドリスは、小竜狩りの後、吸血鬼に血を吸われた。その吸血鬼を倒さぬ限り、一生呪われた存在になることを恐れたドリスは、一人の吸血鬼ハンターをやとう。名はD、貴族と人間の混血児ダンピールだ。左手は人面。村八分にされたドリスらを夜、農場で貴族である伯爵の娘ラミーカや麗らが襲い、彼らはDの存在を知る。

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

ぜひリメイクを・・

キャラクター原案が天野喜孝氏というので視聴しました。
が、DVDジャケットの繊細な雰囲気とはまったく別物で、
荒削りな感じの作画にちょっと違和感。
他の登場人物のキャラデザも、
残念ながら個人的には好みではありませんでした。
それでも、物語の内容はなかなか興味深く、
中盤からは惹き込まれました。

舞台となるのは、遥か未来の12090年。
気が遠くなるほどの未来ですが、そのわりには・・・
マカロニウェスタンばりの雰囲気です。
人類は「貴族」と称する吸血鬼達によって支配され、
彼らの「食料源=家畜」として隷属させられているという時代。

永遠に続くはずと繁栄した吸血鬼も、
長い歴史の中で種族的衰退と精神的退廃に陥り、
絶対的な支配者の座から降りようとしていたところ、
反旗を翻した人類から追われる立場となり、
元々吸血鬼ゆえの超絶的な力で人々を脅かすため、、
超人的な能力を用いて吸血鬼を狩る吸血鬼ハンターの力を必要としていた、
という背景をベースに、
「貴族」と人間との間に生まれた「ダンピール」でもあり、
「貴族」と人間の業を負った吸血鬼ハンター「D」の、
孤独な激闘の旅を描いた物語です。

人間を善者と断定せず、吸血鬼側のほうも
ただただ悪者として描いていないところには好感持てたし、
観終えたあとの印象も良かったです。

1985年の作品なので、今ではもう貴重で懐かしい感じのタッチで、
それもまたダークな雰囲気に一役買っていて魅力ではありますが、
この空気感をそのままに、できたら今の技術でリメイクしていただくと、
もっともっと魅力が増し、評価の上がる作品になるのではと思います。

ちなみに、音楽は若かりし頃の小室哲哉氏。
主題歌はTM NETWORKが歌っています。

投稿 : 2024/09/14
♥ : 12

しゃあ・あずなぶる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

君を救うのは 時を越えた僕だけだと・・・

私が初めて買ったアニメのサントラがこの作品。
ま、担当が小室哲哉なのでFANKSの私は当然買うんだがw

音楽自体は、まだまだ新人だった小室哲哉がクライアントの要望に答えようとしつつ、自分のオリジナリティをなんとか出そうとしているのが垣間見えて私は好きだけどね^ー^
主題歌となった「YOUR SONG」は、作品に合っているかと言われれば微妙なんだが・・・


原作は1983年から現在まで続いている、菊地秀行の小説。
貴族と呼ばれる吸血鬼に支配された未来世界、吸血鬼と人間の間に生まれたダンピール"D"の孤独な戦いを描く。

1985年のこの作品は、今見れば絵とか展開はしょぼいけど原作の持つ雰囲気は再現しているかなと思う。
無口な主人公"D"はカッコいいね^ー^

投稿 : 2024/09/14
♥ : 7

ポール星人/小っさ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

OVAとしてはかなり早い時期の作品だったかと

 コレが出た頃って、後のOVA乱発されたカオスな時期では無かったと思うんですよね。
同時期の作品見てみるとラピュタとかアリオンとかの頃みたいですが、あそこら辺の大作と比べちゃいけません、念の為。
確かバイファムとかの芦田豊雄が噛んでた記憶ですし、絵的にも天野義孝感は全くない氏らしい柔らかいキャラなんですが、私は特にダメとは思わなかったですね。ヒロインのドリスの少女らしさは逆に出てた気もします。
個人的には古いOVAの中では好きですね。原作1巻のお話です。
もっとも絵的に今の若い方に勧められるかと言うとアレですが・・・

 菊池秀行ってエロじゃね?と勘違いされてる方いらっしゃるのならば、コレは大丈夫ですのでご安心を。当時の朝日ソノラマからの作品は大丈夫ですので。

投稿 : 2024/09/14
♥ : 6

67.1 11 伝奇で戦いなアニメランキング11位
吸血姫 美夕(OVAシリーズ)(OVA)

1988年7月1日
★★★★☆ 3.7 (44)
196人が棚に入れました
美夕は永遠の14歳の監視者として、全国の学校を度々転校しては神魔を見つけ出し、闇の世界に戻していた。神魔もまた、監視者を倒すことで仲間の間での名声を高めようとして美夕に攻撃を仕掛けるなど、美夕の戦いの日々は決して終わることがなかった。\\n\\nある日、時輪女子学園に転校した美夕は千里という少女に声を掛けられ、彼女のグループと一緒に休日の街の散策に付き合わされる。「美夕は一人ぼっちそうだったから声をかけた」と話す千里に、美夕も好意を持つ。二人は友情のイコンを買って、永遠の友情を誓い合う。

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

全ては人の心の中にある

妖怪、鬼、怨霊の類いを討伐する伝奇作品は多い。
あやかしを悪とする勧善懲悪のエンターテイメント作品から、
あやかし側の論理まで斟酌して価値観を揺さぶる作品まで様々ですが、
退治する対象を“神魔”と仮称したこの88年OVA作品はどちらかと言うと後者の部類。


さらに本作はあやかしに対する人間の認識論にまで踏み込んでいるのが特徴的。
よくお化けやUFOが実在するか否かの論争にて、しばしば科学サイドからは、
そんな物は人間の脳が作り出した錯覚、幻に過ぎないとの主張が投げ込まれ、場が荒れますがw

本作は人間の認識があやかしの実像を、己の願望も交えて、歪めて捉えたりもする。
認識と実在の狭間をも伝奇世界の不思議として描く懐の深さを見せます。


“神魔”という呼称には、太古の昔は神として崇められることもあった存在が、
仏教、キリスト教等の世界宗教の流入等で邪なものに解釈し直された。
こうした宗教観、歴史観が滲み出ています。

神魔を討伐する“吸血姫”という存在も、
一般的に語り継がれているヴァンパイアの在り方とはズレがあります。

主人公“吸血姫・美夕”についても、美夕を追う女霊媒師の視点で捉える、
狂言回しを用いた手法で描かれ、美夕の存在すらも固定的ではありません。


こうして古都・京都、鎌倉という舞台が持つ神秘性もスパイスしつつ、
視聴者の認識に繰り返し問いかけることで、思索の迷路に誘い込む。
妖しい魅力を持った作品でした。


BGMは川井憲次さんが担当。
音楽の力を過信した昨今の例に漏れず、
最近は川井さんのBGMもフロントセンターに進出して感動を煽ることを余儀なくされていますがw
本作は正しくバックグラウンドミュージックに徹する良い仕事しています。

投稿 : 2024/09/14
♥ : 14
ネタバレ

ビアンキ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

80年代OVAの名作のひとつ

DVD「吸血姫美夕 完全収録版」を購入して視聴。
1988年に発売されたOVA 全4話


この吸血姫美夕という作品
私は4年ほど前から作品のタイトル、そして名作と評されていることを知っていた。

ただこの作品
発売時期が近く、名作と評されている他のOVA
例えば
「トップをねらえ!」とか「機動警察パトレイバー」なんかと比較すると数段知名度が落ちる印象があるのと
どうもレンタルDVDが存在しないという、
おもに上記2つの理由で、長いこと自分から積極的に見ようという気にはなれない作品だった。

でも去年ついに
「ずっとモヤモヤしてるのは良くない、見よう、買ってみよう」
そう決心してAmazonで買った。

Amazonの画像のサイズから予想はしていたのだが、届いたDVDのケースがCD(ジュエル)ケースだったのがちょっとだけ残念。
しかしそんなことは大した問題ではない。

やっと「吸血姫美夕」を手に入れた、そして見た!


舞台は1988年の?京都
ある理由により妖怪、いや「神魔」を葬り去る使命を課せられた吸血鬼の少女:美夕とその僕:ラヴァ
そして実質的に主人公的な立ち位置に居る霊媒師:一三子の物語。

…なんか説明し辛い、詳しいあらすじはwikipediaなどで見て下され。


では感想。

見ていてまず思ったのは
基本的に何においてもたっぷり間を取って丁寧に描写されているということ。

京都の街並み
木々の揺れや日差し
キャラクター1人ひとりのしぐさ
そして時にはキャラクターの心情までも、じっくり時間をかけて見せている。

昼間は明るく、十分現代的ながらそれでも和の風格溢れる美しい京都の街並みや、そこにいる人々が丁寧に描かれ、
夜になれば暗く妖しい、なにかが蠢いていそうな世界観を見事に表現し、演出できていると思う。

もちろんその世界観の美しさや演出は、高い作画技術があって初めて成り立つものであろうが、問題ない。
作画クオリティは全話を通して高水準である。


その丁寧に表現された世界観の中に、拍子木とか鼓とか、いかにも「和」で、幻想的な音や音楽が入る。

この音や音楽がさらに和風で妖しい世界観を増幅させている。


目の動きがある時というか、顔のアップのカットでキャラの表情が変わる時に、
高確率で(必ず?)「カカン!」とか「ポーン」とか音が入るのも何かこだわりがあってのことなんだろうけど…
なんだろう?

なんか能とか歌舞伎に詳しい人だったら何か分かるのかな?
それともただ、キャラのその時その時の感情だったり、あるいは目線の先を印象づけるための演出なのか…

ちょっと考えすぎかな。
多分感情表現&印象づけるためだな、うん。


シナリオに関しては
人々を助けるために依頼を受けて除霊などをする霊媒師一三子と
人々の健康等を脅かす原因のひとつとなっている神魔を葬り去ろうとする美夕が出会い、
神出鬼没、自由な性格の美夕に翻弄されつつお互い知り合いっぽい関係になり、そして最終回で
{netabare}美夕と一三子、二人の主人公の過去を描いて終わり。{/netabare}

アレ、終わっちゃった。(全4話、約2時間)


ちょっと気になるのは
特に美夕の発言が説明不足気味で分かりづらいところ。
何があって、何が起こったかに関しても
一三子のセリフと絵的な描写を見て何となく分かる程度。

でも和風で妖しい雰囲気を見せるアニメ、
と考えれば「何となく分かる程度」でも良いんじゃないかなと。


それと
この物語に関して「結局何も解決してない」 って言う人ちょいちょいいるんだけど、私はそれは違うと思うんだよね。

いや、確かに「解決してない」 っていえばそうなんだが、 そもそも分かりやすくて明確な終わりというか
「解決」が必要な物語なのかと最後まで見てちょっと感じたので。

{netabare}最終回で
美夕と一三子が初めて出会ったのは一三子が幼い頃で、さらに言うとおそらく美夕に血を吸われていた。
{/netabare}
っていうのが判明した時点で、吸血姫美夕という物語は
「美夕が神魔をすべて葬り去るまでの物語」
でも
「一三子の霊媒師としての活躍を描いた物語」
でもなくて、
なんかこう…となりのトトロ的な?
いやトトロとも違うか、何て言ったらいいんだろう。

必然の出会いと、これからの宿命を予感させる物語…
漠然とだが私はそんな風に受け取った。
言葉にするとなんか厨二っぽいな。

まあ色んな解釈が出来そう、というところも含めて良い終わり方だったと思います。


まとめ
やっと見れた、80年代OVAの名作のひとつ。
私としては楽しめたし、確かに良い作品だったとも思う。
ただシナリオが凄く面白いというよりかは、雰囲気やその作り方が優れているって感じ。
決してつまらない訳じゃないけどね?

ただ「トップをねらえ!」とか「機動警察パトレイバー」あたりほど有名じゃない、いまいち有名になれない理由も何となくだけど分かった気がする。

和風で妖しい雰囲気の世界観を覗いてみたい方、名作とされているOVAは一通り見ておきたい、という方は是非。

下手くそな文章お読みいただき、誠にありがとうございます。

初投稿日:2016年1月16日

投稿 : 2024/09/14
♥ : 12

イブわんわん さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

とても25年前とは思えない魅力的な作品

30分4話

吸血鬼(ヴァンパイア)と言うと、西洋を連想しますが、設定からキャラまで和の世界で作画やBGMが綺麗でとてもいい。

詳細は省略しますが、小悪魔的な美夕のキャラはTV版とは違った魅力がありました。
また、物言わぬ美夕の僕ラヴァもよかったです。
美夕の逃れられない運命、母と娘の・・・のシーンはずっと涙腺刺激してました。

実はTV版を見てからだったので、なおさらそう感じたのかもしれません。
当時としては、かなりハイレベルなアニメではないでしょうか。

それを踏まえ、評価はこのようになりました。

投稿 : 2024/09/14
♥ : 8

66.2 12 伝奇で戦いなアニメランキング12位
ゲゲゲの鬼太郎 [第1作](TVアニメ動画)

1968年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (22)
168人が棚に入れました
強い妖力と正しい心を持つ幽霊族最後の少年・ゲゲゲの鬼太郎。お化けにゃ学校も試験も何にもないというわけで、いつもは気楽にのんびりと暮らしている。だが、ひとたび妖怪ポストに救いを求める手紙を投げ込めば、カランコロンという下駄の音と共に彼はやってくる。知恵袋は目玉の姿をした父親、武器は霊毛で編んだ先祖の形見のちゃんちゃんこ、そしてリモコン操作のように自由自在に飛ばすことの出来るゲタだ。鬼太郎は人間のために、次々に現れる不気味で手強い妖怪と激闘を繰り広げる

声優・キャラクター
野沢雅子、大塚周夫、田の中勇

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

怪作「墓場の鬼太郎」のアニメ化。レジェンド級のエピソードがずらりと並ぶ。

1968~1969年放送のテレビアニメ 白黒作品 全65話

原作 水木しげる 制作 東映動画

貸本版「墓場鬼太郎」をベースに少年マガジンに連載された「墓場の鬼太郎」のアニメ化。
テレビ放送に当たってタイトルは「ゲゲゲの鬼太郎」に変更。

墓場の鬼太郎は貸本版のような社会風刺やダークヒーロー的な面は無くなりましたが、
正義感の強いヒーロー鬼太郎のピンチに次ぐピンチで壮絶な作品になりました。

妖怪の造形は伝説ですね。
テレビ版はややソフトになりましたが、毎回のように生死をさまよう鬼太郎の姿は、
子供たちに強い印象を残したと思われます。

5~6話「大海獣」 巨大な化物になり果てた鬼太郎と搭乗型ロボットの激突
10~11話「妖怪大戦争」 西洋妖怪軍団との戦い。鬼太郎が操られる
15~16話「吸血鬼エリート」 恐ろしい原作ストーリーをややソフトに
21~22話「妖怪獣」 たぬき妖怪の人類侵略 鬼太郎連続ピンチ

他に猫娘登場の20話「猫娘とねずみ男」など、
ほとんどすべてのエピソードがレジェンド級です

レトロアニメで白黒作品ですが、アニメ史に興味がある人なら、
避けては通れない名作中の名作だと考えています。

投稿 : 2024/09/14
♥ : 17

REI さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

1作目はちゃんと覚えていません(笑)

私が子供の本当に幼い頃、まだ物心がつくかつかない頃に見て泣いた覚えがあります。(笑)本当に怖かったんですってば(笑)
色も付いてないしー

そして2作目、3作目は再放送でなんどもやっていましたね、こちらは飽きずに見ていたような気がします。

日本を代表するホラー(とはちょっと違うような気がします)アニメ
んー伝奇アニメって書いたほうがいいのかな?

昭和から平成も終わろうという頃まで忘れられないっていうのは凄いと思います
水木しげる先生凄い!
目玉のおやじもねずみ男も猫娘も砂かけばばあも子泣き爺も一反木綿も塗り壁も語り継がれて行くんでしょうねー、もう日本の童話っていって良いような気がします(笑)

ちなみに原作の墓場の鬼太郎はアニメよりもっと怖かったです(笑)

今放送中の鬼太郎もいいですが機会があったら一度古いゲゲゲの鬼太郎もご覧あれ

全てのアニメに携わる人に感謝を!

投稿 : 2024/09/14
♥ : 6

たこ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

誰かも知る妖怪アニメの第一作

勧善懲悪の『鬼太郎さん』とは違う初期作品
モノクロアニメの代表作の一つ。
白黒だからこそ映える演出はとても60年代とは思えないクオリティ
音楽・効果音とのバランスも良く水木先生の描く迫力が再現されている上
『敵妖怪』ではなく人間と敵対する話も多く
正直言ってちょっと怖く感じる所も多いかもしれない。
なんだか幼心に折り畳み入道がとても怖かった思い出があります。
原作と比較すると若干マイルドだがそこはご愛嬌
時代背景のせいもあるが登場する人間が非常に貧乏臭く人間臭くて素晴らしい

余談だが声優は3期以降とは違い野沢雅子さんが担当されている
おいおい悟空かよと思われるかもしれないが
これがなかなかマッチしていて個人的には一番好きである

投稿 : 2024/09/14
♥ : 2

計測不能 13 伝奇で戦いなアニメランキング13位
真魔神伝 バトルロイヤルハイスクール(OVA)

1987年12月10日
★★★★☆ 3.6 (9)
25人が棚に入れました
異才漫画家・来留間慎一(別名:秋恭摩)の伝奇SFアクションコミック『魔神伝』のOVA化。 高校生・兵頭力は、格闘技世界一を目指す空手部部員。同部の女子・高柳涼子が案じる脇で、常に強者との死闘を望んでいた。だがそこに、異次元の魔導士ビョウドが出現。ビョウドは実は兵頭の時空を超えた分身的存在で、兵頭に強制合体、支配にかかる。だが結局は兵頭の精神の方が、両者の合体した肉体を制覇した。一方、ビョウドの現世界出現の際に、異世界の妖物・邪妖精も到来。この邪気を認めて、宇宙刑事の斬奸(さんかん)、そして念法の達人・結城が集結する。宿敵ビョウドと合体した兵頭を狙う邪妖精はやがて、兵頭に思いを寄せる後輩の女子・小山恵に接触。その肉体を取り込むが……。 監督は『マクロス』シリーズほかで活躍の、マルチクリエイター板野一郎。メインアニメーター・結城信輝の作画の迫力もあって、60分の本編時間の中に、高密度で見応えのあるアクションシーンが凝縮されている。

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

作画の出来は素晴らしいが、肝心のストーリーがぐちゃぐちゃ

この作品は、来留間慎一氏の漫画を原作としたOVAである。
アニメを見た後に、漫画の存在を知ったため、原作に関する
詳しいコメントはできない。

ジャンルとしては学園アクション物だろうか。自分なりに頑張って
あらすじを書こうと試みたのだが、頭の中で整理するのが
難しかったので断念することにした。理由は下記に後述する。

全体を通した感想としては、ストーリー構成が良くない。作画は
とても気合が入っているのに、ストーリーが全く追い付いていない
印象を受けた。例のシーンで期待が持てたので、割と楽しみに
していたのだが、それは私の勘違いだったようだ。

この作品で唯一褒められる点があるとするならば、終盤における
少女の人体再構成シーンだ。化物に憑りつかれ、最終的に肉体を
支配されてしまった少女を助けるために、主人公が行った
とても貴重な場面だ。

化け物の残骸にも、少女の肉体の一部が残っているとはいえ、
上手いこと少女を構成するパーツのみを抜き出し、融合させる
だけでなく命まで蘇らせる姿に心を打たれた。正に神業。
まるで芸術を見ているかのようだ。誠に感服した。
ただし、その光景はかなりグロテスクなので耐性は
持っておいたほうが良い。慣れていない人が見ると
吐き気を催す可能性がある。近年のTVアニメでは絶対無理だろう。
当時のOVAとして作られたからできたことだ。

ここからは問題点を挙げる。
この作品、余りにもキャラクターが多すぎるのだ。要は、
色々な要素を取り入れすぎたことで、かえって自分の首を
絞めているという悪循環に陥っている。
それにより、四方八方に視点が切り替わるので、キャラクターに
感情移入がしづらい。ほぼ同じ時間帯でそれぞれの戦いが
始まるのだが3つ巴どころの騒ぎではない。もはやスマブラ。
まるで、ゲームをプレイしているかのような錯覚に陥った。
そういった理由から、あらすじを書いていこうという気持ちが
湧いてこず、途中で考えるのを辞めてしまった。

一応、ある程度視点を狭めるために、何か所か合体している
場面があったような気がするが、それなら最初からキャラクター
を絞ればよかったのでは?
明らかに咬ませ犬にしか見えないものもいたし。

ぶっちゃけ、キャラクターもそんな魅力的ではなかった。
無理やり戦いに巻き込まれた者、自分から支配しようとして
逆に肉体を支配された者、妖魔を倒すことに命を懸けている者、
宇宙の秩序を守るために自ら参戦した者、
復讐のために上司を裏切った者等々…。

それぞれの思惑はなんとなく理解できたのだが、いくらなんでも
詰め込みすぎだ。しかも、これを一本のOVAに収めるのには
流石に無理がある。話を3つか4つ程に分散させ、それぞれの
キャラクターを掘り下げれば、かなり見ごたえがあったのに…。勿体ない。

作画に関しては申し分ないのに、ストーリーは非常に残念な作り
に終わってしまった。ぶっちゃけ、面白くないので
特に推奨するつもりはない。例の人体再構成シーンだけ
見れば十分だと思われる。

投稿 : 2024/09/14
♥ : 10
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