伝奇で不老不死なおすすめアニメランキング 4

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの伝奇で不老不死な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月08日の時点で一番の伝奇で不老不死なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

88.2 1 伝奇で不老不死なアニメランキング1位
十二国記(TVアニメ動画)

2002年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (1684)
9123人が棚に入れました
周囲に合わせるだけの日々を送ってきた平凡な女子高生・中嶋陽子。
ある日、ケイキと名乗る人物に連れられ、たどり着いた異世界。 そこは、十二人の王と十二頭の麒麟によって治められる十二の国々からなる不思議な世界だった。なぜ自分はここへ連れてこられたのか、ここはいったいどこなのか、異世界でケイキとはぐれてしまった陽子は疑問を抱えたまま、生き延びるために見知らぬ世界で生活することとなる…。

声優・キャラクター
久川綾、石津彩、うえだゆうじ、子安武人、相沢まさき、山口勝平、鈴村健一、岡野浩介、釘宮理恵、勝生真沙子、ゆかな、藤原啓治、進藤尚美、石田彰、若林直美、桑島法子、高山みなみ、山崎和佳奈、鈴木れい子、西村知道、平松晶子、川上とも子、千葉千恵巳、大川透、中田和宏、野島健児、西凜太朗、松本保典、大倉正章、家中宏
ネタバレ

入杵(イリキ) さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

見紛う事なき傑作!

小野不由美原作の古代中国思想(周)を基盤にした
異世界ファンタジーアニメ。全45話。
文庫本の売り上げは、シリーズ累計750万部以上。
本作は原作の
月の影影の海 上下巻
風の海迷宮の岸 上下巻
書簡
風の万里黎明の空 上下巻
乗月
東の海神西の滄海
をアニメ化している。
乗月と東の海神西の滄海は、
アニメでの反響が予想以上に良かった為、
追加で製作された。
よって39話で視聴完了も可能(アニメ脚本集は40話までしかない)。

あらすじ

何処にでもいる平凡な女子高校生中嶋陽子は、
他人から嫌われることを恐れ、八方美人な優等生を演じていた。
常に周りに合わせ自己を抑圧する日々。
そんな彼女は寝るたびに恐ろしい気配に迫られ、日々その距離は縮まっていった。
ある日彼女の前に「ケイキ」と名乗る謎の男が現れる。
ケイキは彼女を主と呼んで跪き、一方的に謎の盟約を迫る。突然の出来事に戸惑う彼女を異形の獣が襲撃。
ケイキは陽子と友人二人を連れ、
月の影の向こう、地図に無い世界へと出発する。

以下のネタバレは世界観に関するものである。
未視聴で視聴意欲のある方は、是非既存知識無しで視聴いただきたい。
{netabare}
十二国記の舞台となるのは、山海経に登場するような神仙や妖魔の存在する世界である。その名のとおり、12の国が存在する。文化、政治形態は古代中国(特に周王朝)に類似しており、絶対的な王制である。しかし世襲制ではなく、12の国はそれぞれ神獣麒麟(きりん)が天意に従って選んだ王により統治されている。王は諸侯を封じ、政治をさせる。王や一部の高位の官は神仙として不老長寿(だが必ずしも不死ではなく、胴や首を冬器という特殊な武器により断たれれば死んでしまう)の身体を得て、天意に従う形で国を治めることを求められている。麒麟が失道の病にかかりそのまま死・禅譲するか、誰かに討たれない限り王は死なない。王とそれを選ぶ麒麟、そして天意とは何なのかという問いが、作品全体の主題となっている。
{/netabare}

全章概要(ネタバレなので視聴前は観ない事をお勧めしたい)

月の影影の海
{netabare}
日本で生まれ育った普通の女子高生・中嶋陽子は寝る度に恐ろしい気配に追われ、日を追う毎にその距離が縮まっていくという異様で怖い夢を見ていた。そんな陽子の前に、突如「ケイキ」と名乗る異装の男が現れる。ケイキは陽子を主と呼んで跪き、一方的に謎の盟約を迫る。突然の出来事に戸惑う陽子を異形の獣が襲撃、それを辛くも退けたケイキは、強引に陽子を月の影の向こうにある地図にない世界へと連れ去った。陽子はケイキから「決して剣と鞘を離さないように」と碧の玉が付いた鞘に収まった剣を渡され、「剣を振るえない」という陽子に自らのしもべの賓満・冗祐を憑依させ、陽子の意に反して陽子に襲い掛かる獣を体が勝手に動いて撃退するようにして、他のしもべに陽子を託して彼女を異世界に送り出した。

異形の獣の襲撃は月の影に入った後も続き、「敵の攻撃から目をつぶってはいけない」(賓満は憑依した者の目を借りて動くため)という警告を無視して目をつぶってしまったことがきっかけで陽子は、ケイキとそのしもべ達とはぐれ見知らぬ場所(巧州国、略称:巧国)にたどり着く。巧国では自分と同じように日本や中国からこの世界に流された人を徹底的に差別しており多くの場合は処刑されるため、陽子も役人に役所に護送される事になったが、その道中でまた異形の獣に襲われ、陽子は車の下敷きになった鞘から玉だけを切り外してその場を逃走する。全く事情が判らないまま縋る気持ちで現地の人間に助けを求めるも、“海客”として酷い仕打ちを受けたり、利用されそうになったりしたため、夢で見る元いた世界の幻で自分の周りにいた人達が自分の事を悪く言ったこと(実は剣が本当の事を見せていた)や青猿(その正体は陽子が無くした鞘に封じられていた妖魔。剣と鞘が離れたため封印が解けた)の讒言もあって陽子は徐々に人間不信に陥る。人目を避けつつ、なおも襲撃を続ける異形の獣(妖魔)と戦い続ける陽子は満身創痍となり、行き倒れたところを楽俊に救われる。楽俊は陽子を介抱し、さらには海客に対する保護体制が整っている雁国(雁州国)への道案内を買って出る。道中に妖魔と遭遇しそれを退ける陽子であったが、衛士に見つかるという恐怖から、倒れている楽俊を見捨ててしまう。後にそれを後悔する陽子であったが、同時に「口封じに楽俊を殺す」という選択肢を選ばなかった自分に安堵する。そして、「口封じにあのネズミを殺せばよかったのに」と言った青猿を殺すと、無くした鞘が現れた。楽俊との再会はかなわず、陽子は一人で雁国を目指す旅を続けるのであった。

雁国へたどり着いた陽子を待っていたのは楽俊であった。楽俊は先に雁国に渡り、港で働きながら情報を集め、陽子を待っていたのだという。再び二人旅となった陽子たちは、雁国で暮らす海客「壁落人」を訪ね、そこで陽子が胎果であることを知る。その後、陽子と楽俊の何気ない会話で楽俊が「台輔にお目通り願うか?」言った事から陽子がケイキとそのしもべのやり取りを思い出し、「台輔」(宰輔の敬称)という単語がきっかけでケイキとは慶東国(略称:慶国)の麒麟の「景麒」であり、景麒が「主」と呼ぶならば陽子は巧と雁に挟まれた国である慶国の王「景王」であると告げられる。陽子が神である王だと分かり距離を置こうとする楽俊に対し陽子は「私にとっては一歩の距離しかない」と楽俊に言い、それに楽俊は「おいらにとっては三歩だ」と返事をして今まで通りの接し方をしようとする。楽俊から慶王保護の延台輔宛ての書状を受け取り陽子らを妖魔の襲撃から助けた延王から「王は麒麟に跪かれた時点で人として死に、麒麟の霊力で神として生かされる」、「日本に戻ればお前は短い間しか生きられず、その上、慶国の民が大勢犠牲になる」と聞かされ、日本に戻るのか、景王になるのかの選択を迫られる陽子であったが、見るに見かねて「無きものとして振舞え」(陽子が体が勝手に動くのと冗祐の感触を嫌がったために下された命令)という主の命令を破った冗祐から言われた「玉座を望め。そうすれば道は開ける」という言葉に従い、延王の助力を受け、慶国に立った偽王・舒栄を討つことを決意する。
{/netabare}

風の海迷宮の岸
{netabare}
蓬山の捨身木に戴極国の麒麟の卵果・泰果が実り、母親代わりとなる女怪が生まれ、蓬山は麒麟の誕生を待っていた。しかし、突如襲来した蝕に巻き込まれ、泰果が流されてしまった。

それから10年後、泰麒は延麒によって蓬莱で発見され、廉麟の助けを受け、女怪の白汕子が泰麒を連れ戻すことに成功する。普通の人間として育った泰麒は、最初こそ戸惑うものの、程なく蓬山の生活に慣れ始める。だが、身の回りの世話をする女仙から「麒麟は人ではなく獣であり、獣の姿に転変する」、「麒麟は天啓を受けて自らの主である王を選定する」と知らされ、更に麒麟の能力を使えない泰麒を思い女仙の長・玉葉が招いた景麒から「麒麟は妖魔を折伏して使令にする」と知らされ、生まれたときから人間の姿で今も転変できない自分は「麒麟の出来そこない」ではないかと思い悩む。泰麒を泣かせたことで女仙から責められた景麒は、その後泰麒に麒麟の能力や役割を伝授していくが、結局この時は折伏は出来ず、自然に出来るようになる転変の仕方については教えることが出来なかった。

同じ麒麟として慕った景麒が慶国に戻り、麒麟としての自覚を持てないまま戴国に麒麟旗が掲げられる。泰果の失踪により長年王不在が続いていた戴国の民は喜び、昇山者が続々と先を競って蓬山に集ってくる。天啓が何なのか判らないながらも女仙に付き添われて昇山者と対面する泰麒は、騎獣をきっかけとして承州師将軍の李斎と知り合う。また、昇山者同士の喧嘩で出会った禁軍左軍将軍の驍宗には、恐怖に似たものを感じる。その後も度々李斎の下を訪れ、驍宗とも会話を交わすようになり、彼らが蓬山を去る間際には一緒に騎獣狩りに行くほどの仲になっていた。女仙の反対を押し切って同行した騎獣狩りの最中、李斎が見つけた洞窟に入った3人は、泰麒が嫌な胸騒ぎを感じた直後、内部に潜んでいた妖魔に襲撃される。李斎が囚われ、驍宗も弾き飛ばされ、泰麒は一人で強大な妖魔・饕餮と対峙することとなる。それまで一度も妖魔を折伏できずにいた泰麒であったが、初めて折伏に成功し饕餮を使令に下すのであった。

そして驍宗が蓬山を去る日が訪れる。王になれなかったら禁軍を辞め黄海に入ると驍宗から聞き、蓬山に昇山出来るのは一生に一度だけ、と女仙から聞いた泰麒は驍宗に感じる感覚に戸惑いながら、離れたくないと思う感情が抑えきれずに走り出す。泰麒の姿は、燐光を放って夜を駆け上がっていく漆黒の獣と化していた。

驍宗を王に選定した泰麒だったが、「驍宗の傍に居たいがために、天啓が無いのに偽者の王を選んでしまった」と思い悩み後悔し続けた。天勅を受ける儀式で罰を受けると思っていたが何事も無く、それが余計に泰麒を不安にさせ、泰麒の様子を伺いに載国の王宮を訪ねた景麒に「偽者の王を選んでしまった」事を打ち明ける。その事を知った景麒と驍宗は、誼がある延王を載国に呼び、泰麒に延王に対し叩頭礼をするよう命じる。言われるまま叩頭しようとしても体が動かない事で泰麒は「麒麟は自らの主以外に叩頭できない」という事を身を以って知り、景麒から彼が舒覚を王に選定した時も「この人は王になるべきではないと感じた」と聞かされ自分が運命に身がすくんでいたと言われる。
{/netabare}

書簡
{netabare}
陽子と楽俊、かつて共に旅をした2人は、全く違う生活を送り、鸞で現状を伝え合っていた。
陽子は楽俊に「官吏とも問題がなく」と伝えていたが、実際は問題が起こるほど意見も出来ていない状態であった。楽俊は「生徒も教師も皆よくしてくれる」と伝えていたが、実際は半獣であることから苦労が絶えない生活を強いられていた。そんな嘘は互いに理解しており、それでもなお励まし合う仲となっていた。
{/netabare}

風の万里黎明の空
{netabare}
陽子が景王となって1年、玉座にありながら冢宰の靖共ら官吏の顔色をうかがう自らの姿に苦悩を感じていた。特に皆がいつも自分に対して平伏する事については、自分が通りかかる度に相手の仕事の手が止まる不合理さに悩み、相手の顔が見えない事に少々不信と恐怖を感じていた。そんな中、太師に謀反の疑いが掛けられ、陽子は靖共の言うがまま謀反に関わったとされる人を処罰し、監督責任を怠ったとして靖共を太宰に降格、政治の実権を握らせるべきではないとされる景麒に「自分よりこの国のことが分かっているから」と次の冢宰が決まるまでの間として実権を握らせた。そして陽子は、この世界の理も、国情も知らない自分に憤りを感じ、自ら市井に降りることを決意する。景麒の勧めにより遠甫という老人のもとで理を学ぶこととなるが、和州で暴政が行われているという噂を確かめに和州に出かけた間に里家が襲われ遠甫がさらわれた事から虎嘯らと出会い、和州の乱へと繋がっていく。

大木鈴はその100年ほど前に蓬莱から流されてきた海客である。長く才国の飛仙・梨耀から執拗な虐めを受け続けていたが、決死の覚悟で采王に申し立て自由の身となった。女性・海客でありながら王となった景王に興味を持ち慶国を目指す道中で清秀と出会い、妖魔から受けた怪我で衰弱していく彼を支え共に慶国にたどり着くが、彼は慶国和州止水郷で郷長・昇紘の馬車に轢殺されてしまう。自暴自棄となり、郷長・昇紘を庇う者の最上位にある景王を暗殺しようと才国の遣いを装い王宮に入る鈴であったが、景王不在の為その機会さえなく王宮を去る。虎嘯らと出会い宥められ、打倒昇紘の郎党に加わることとなる。

祥瓊は先の芳国の公主であったが、謀反によりその地位を失い、里家での貧しい暮らしや恭国での屈辱的な仕打ちが耐えられず出奔する。自分と同じ年頃で王宮に入った景王を妬み、逆恨みし、簒奪してやろうと慶国を目指していたが、道中で楽俊と出会ったことで考えを改めた。慶国の実情を知り、桓魋たちと出会った祥瓊は、呀峰討伐、和州の乱に身を投じることとなる。

陽子・虎嘯・鈴らは打倒昇紘を掲げ郷城へと乗り込む。郷城への突入は成功したが、呀峰は昇紘を庇うため州師を派遣する。州師相手では圧倒的に勢力の劣る虎嘯らであったが、桓魋・祥瓊らの加勢により戦況は一転する。しかし、続いて派遣されたのは王直属の禁軍であった。呀峰もまた靖共に庇われていたのである。王師(王が指揮権を持つ禁軍と首都州師の総称)を目の当たりにして動揺する人々の中にあって陽子は鈴と祥瓊の話を聞き、王としての責任を確信すると共に、王として行動する決意を固める。王の命令がない限り王師が動けない事をいい事に、陽子は景麒の背に乗り反乱軍が王の意思である事を知らしめ、王師に遠甫の救助と、呀峰と靖共を捕らえるよう勅命を出す。王宮に戻った陽子は遠甫を三公(王の相談役。政治の実権はない)の筆頭・太師に、鈴と祥瓊を自分の身の回りの世話をさせる役職に就け、桓魋を禁軍左将軍に、桓魋の上司であり、官吏に言われるがまま追放を命じた後失踪(護送中に靖共一派に襲われたところを桓魋らに救助され、身を隠していた)していた麦州候・浩瀚を冢宰に命じ、靖共派だろうが松塾(靖共らが敵視して焼き討ちした義塾。遠甫はそこの閭胥のような事をしていた。)出身だろうが関係なく個人だけをみる、と大規模な人事改革を宣言。そして景麒の「下の人々から見くびられます」という悲鳴のような諌言を無視して初勅として「人は敬意を持つものに対しては自然に頭を下げる」と平時の伏礼を廃した。
{/netabare}

乗月
{netabare}
芳国恵州州侯の月渓は、諸侯を束ね峯王・仲韃を討った。次の峯王が立つまでの仮王として月渓を推す声は強かったが、当の月渓は頑なにそれを拒み、恵州城に戻ってしまった。
ある日、慶国から青辛と名乗る使いが、景王から恵侯宛の書状を届ける。しかし、国に宛てた書状を、一州侯に過ぎない自分が受け取るわけにはいかないとこれを拒む。仕方なく冢宰にこれを預け、次いで一通の恵侯宛の書状を差し出す。書状の差出人は慶国下官、名を孫昭、先の芳国公主であった。それを知ってもなお受け取りを拒む月渓であったが、青辛の諌言を受け、仮王となる決意を固め、書状を受け取るのであった。
{/netabare}

東の海神西の滄海
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延王・尚隆、延麒・六太は共に胎果であり、蓬莱で生まれ育った。六太は戦乱の中で親に捨てられた経緯から国を統治する者の存在を嫌い、蓬山に帰還した後も王を選べず、蓬莱へと戻ってしまう。その蓬莱で出会ったのが、滅亡に瀕した小松水軍を率いる小松三郎尚隆であった。会った瞬間に王気を感じた六太であったが、前述の理由により誓約を交わすことはなかった。しかし、尚隆の命を懸けて民を守ろうとする姿勢に自らの理想を重ね、絶体絶命の尚隆を助け、延王として十二国へと連れ帰った。

それから20年後、雁国は荒れた荒野から緑の大地へと復興を遂げていた。しかし、元州では治水の権限を王が奪ったままなのに梟王時代に破壊された漉水の堤が復旧されない事に州城の苛立ちが募り、謀反の動きがあるという情報があった。ある日、六太の古い親友である“駁更夜”と名乗る少年が玄英宮を訪れることから事態は進展する。更夜は六太を元州城へと連れ去り、元州の令尹・斡由は六太に「漉水の堤」を名目として、天網で禁じられている「上帝位の新設」を奏上した。権力者の存在に否定的な六太はこれを拒否し、牧伯の驪媚と共に元州城に監禁されてしまう。

尚隆のもとへも同様の要求が伝えられたがこれを拒否すると、成笙を元州に派遣し、道中で民を募って漉水の対岸に堤を築くよう指示する。雨の中で対岸にのみ堤を築かれることに危機を覚えた斡由は州師に対岸の堤を切るよう指示、州師と民の戦いとなり王師が民を守るという、「民のために堤を」を掲げる斡由にとっては皮肉な構図になってしまう。

一方、驪媚の決死の行動によって六太は自由の身となるが、地下迷宮に迷い込んでしまう。六太はそこで先の元州候・元魁と遭遇し、斡由の人となりを知り、斡由は民のためにならないと確信する。六太は斡由と対峙し自分の考えを伝えるが、斡由は非を家臣の白沢や更夜へ転嫁することを試みる。しかし、尚隆によって全てを断罪され、怒りから斡由は尚隆に斬りかかるが、最期は六太の使令によって瀕死の重傷を負い、尚隆に介錯され絶命する。
{/netabare}

感想

本作はホラーで有名な小野不由美が手がける異世界ファンタジーである。小野不由美独特の作風が大変好感である。
元々は「魔性の子」(泰麒が蓬莱に戻った時の話・ホラー)という小説の派生作品で、世界観の精巧さには感服するばかりである。世界観を把握する前に視聴する「月の影影の海」と、知った後での視聴は見方が180度変わる程である。
なので、事前知識無しで観ていただきたい作品である。

また、主人公を始めとした登場人物の成長物語であり、私達の人生観に大きな影響を与える作品である。
精神の糧になる話も多かった。
登場人物が皆、精一杯生きているのが十二分に伝わってくる作品だったと思う。キャラクターは大変魅力的。

私は本作が大変気に入り、原作を購読したのだが、アニメでは原作の設定をより視聴者に理解させ易くする為、
杉本と浅野を陽子と一緒に「あちらへ」連れて行っている。
この点は非常に評価すべきだと思う。
また、月の影影の海に原作ではあまり登場しない塙王が多く登場した点は高く評価している。
只、未完なのと地名・官職名などがやたら面倒なのが、たまに傷であるが・・・
未完なのは待つとして、(おそらく2014年頃に新作が出るはず)地名・官職名は何回か視聴すると覚えるので、2,3回の視聴をお薦めしたい。

39話の初勅のシーンは琴線に触れる素晴らしい出来である。
台詞を乗せると、(脚本集より)
{netabare}
「私は慶の民の誰もに、王になってもらいたい」
「地位でもって礼を強要し、他者を踏みにじることに慣れた者の末路は、昇絋、呀峰の例を見るまでもなく明らかだろう。そしてまた踏みにじられることを受け入れた人々がたどる道も」
「人は誰の奴隷でもない。そんなことのためにうまれるのじゃない」
「他者に虐げられても屈することのない心、災厄に襲われても挫けることのない心、不正であれば正すことを恐れず」
「獣(けだもの)に媚びず―私は慶の民にそんな不羈(ふき)の民になってほしい。己という領土を治める唯一無二の君主に」
「そのためにまず、他者の前で毅然と首(こうべ)を上げることから始めてほしい」
「諸官は私に、慶をどこへ導くのだと訊いた。これで答えになるだろうか。」
「その証として、伏礼を廃す―これをもって初勅とする」
{/netabare}

総評

独特の世界観と、他作品には見られない「名言」や、主人公を始めとした登場人物の成長が本作の魅力だ。
ファンタジーなのに魔法は使えず、日本での生活以上に苦汁を嘗めることになる世界観には感服である。
原作を読めば分かるが、この濃密な世界観に私は引き込まれてしまった。
アニメでは語られていないストーリーとして主なものに、「黄昏の岸暁の空」「魔性の子」が挙げられる。
この二作は風の万里黎明の空の直後の話で、
風の海迷宮の岸で語られた戴のその後の話である。
アニメでも2期を想定してか、杉本と高里を会わせて、魔性の子へ繋げようとしていた事が伺える。
また私の一番好きな作品として、恭州国の供王珠晶の登極に至るまでの話である「図南の翼」も是非読んで欲しい。
(他にも映像化されていない短編が7つ(漂舶を入れれば8つ)あるので其方も読んで欲しい。)
アニメ脚本集と云う本が講談社から出版されており、細かい設定なども記載されていて大変面白かった。興味の有る方は是非原作共々読んで欲しい。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 36
ネタバレ

Ballantine さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

王になるまで(14話まで

原作未読。ハイ・ファンタジー。全45話。
『十二国記』(じゅうにこくき)は、小野不由美の一連の小説作品群の呼称である。古代中国思想を基盤にした異世界ファンタジー作品。2013年時点で未完。


■関連URL
NHKアニメワールド:十二国記
http://www3.nhk.or.jp/anime/12kokuki/
ビクターサイト
http://www.jvcmusic.co.jp/m-serve/tv/junikokki/
講談社サイト
http://www.bookclub.kodansha.co.jp/books/junikokki/
新潮社サイト
http://www.shinchosha.co.jp/12kokuki/


ストーリー性のあるアニメだかの掲示板で紹介されていたので見始めました。


各話感想
{netabare}1話 「月の影 影の海 一章」
謎の夢?髪の毛の色は地毛で赤毛なのか。
天然記念物のガングロwまだいるのだろうか?
委員長なんだ。ショートカットの女の子無視しちゃっていいのか。杉本って言うのか。
中島は委員長続ける事になるのか。杉本嫌われてるのか?いじめ?
やっぱり中島が隣になったか。
夢のなかで杉本に殺される夢を見てたけど何かあるのかな?
浅野くん彼女いたのかな?ん?金髪だったのに黒髪?血の匂い?消えた…
夢に何かありそうだな。陰湿な女子校だな。
なんだ?白髮ロングは誰なんだ。追手が来る?何が起きた…
コチョウ?狼を召喚したのか?今度はカイコを召喚?
ケイキって名前だったのか。なんか色々召喚出来るんだな。
キョウキもしゃべれるのか。今度はジュウサクっていうゴリラか。
ジョウユウって水の化物みたいなのが体を操ってるのかな?
杉本wkwkしすぎだろwショック?あちらの世界へのゲートかな?
浅野と杉本どうなったんだろう。


2話「月の影 影の海 二章」
虚海。浅野と杉本も来てるのか。碧双珠。ゴーユ?また追手か。
剣落としちゃったのか… え!?怪物に変身?ってまた夢か。
剣もちゃんと握ってたか。杉本は誰を見ていたんだ。ケイキ?
渦巻きだらけの海…ってかいきなり孤立とかどうすんだこりゃ。
日本?いやいや怪しいだろ。人にも会ってないのに。
カイキャク?捕まっちゃった。杉本生きてたのか。
え?記憶が無いのか?中島じゃない?作画のせいか顔の違いがわからない。
色黒になったってことかな?
ジョウユウの力のせいで言葉がわかるのかな?
淺野は別のやつと動いてたのか。コチョウ強すぎる。ケイキもやられちゃったのか。
工国。海客って事かな?県庁?覚悟の付かない女だなぁ。
良くて幽閉?悪くて死刑って…やっぱり淺野かw
妖魔なのか…一体誰が妖魔を操ってるんだ?


3話「月の影 影の海 三章」
ケイキの手下だと?助けられたのは白い狼じゃなかったっけ?
杉本なんでそんなやる気満々なんだw
どうしても何もヨウコにしか使えないって言ってたじゃないかw
玉はもってくのにサヤ持って行かないのか…
子供は女の腹から生まれるのが当たり前じゃないのか…
杉本中二病すぎて適応力高いなwお?ケイキ生きてたか。
盗人に走ったか。まぁ懸命だな。杉本w
おばちゃんいい人すぎる…タッキっていうのか。
まぁ杉本正論だな。怪しいよなぁタッキ。
神様や仙人がいるだと?信仰心なのか本当にいるのかわからんな。
碧双珠べんりだなぁ。
ケイ国からの難民山ほどいるんだな。猿まわしとかいるんだな。
お芝居まであるのか。ケイ国の話なのか…恐ろしい国だな…
おいおいハグレるの速すぎるだろ。
夢のなかの奴は誰なんだ一体。


4話「月の影 影の海 四章」
夢の続きか。仮面。皆の本音か。タッキやっぱ怪しいのか。
なんだこの国でも髪の色駄目なのか。ってか分離させるとかますます怪しいな。
言葉の通じるじいさん?!
杉本警戒心強いけどまぁそっちのほうが正しいな。
体を売り払う気満々だったのか。杉本のほうが狙われてたか。
妖魔を呼び寄せた?もしくは召喚?追手か。
ケイキみたいな影がちらつくのはなんなんだ。
じいさんは仲間だったか。第二次世界大戦の頃の人だったのか。
取り乱しちゃったか。なんだじいさんまでも敵だったのかよ。
誰も信用出来ないなこの世界。
杉本は一々正論だな。淺野おいしい立場だなぁw
夢のなかの奴は剣の主かなんかか?どっかの国の女だったな。


5話「月の影 影の海 五章」
あぁ助けてくれた奴はこいつだったのか。選ばれた?杉本頭大丈夫かよw
私の物語w完全にぶっ飛んでるなw
ケイキがお帰りになられただと?ケイキ何してんだ…
背のちっちゃい奴強いな。淺野まるで危機感無いな…
学校の先生よく見てるな。
剣の主らしき人物は闇堕ちを薦めてるのか?
杉本は何処の国の使者になったんだろう。飴売りの子だったか。
生きていくのに辛い環境だな。流れがリアルすぎる。
淺野駄目男すぎる…wそういう事普通言わないでおくもんだろ。
淺野食われたか…
ジョエン様?ケイ国の王女様?
タイホって名前だったのか。ケイキ角を封じられてるのか。
コウリン?杉本…駄目だこりゃ完全にぶっ飛んじゃったw
コウリンは好戦的では無いのかな?鳥が煽り役か。
そろそろ腹減りとか体力限界っぽいな。


6話「月の影 影の海 六章」
ケイ国の内戦ってとこかな?
シュジョウは何処の国の人間だ?杉本どうなったんだ?
暮らすことは許されたが戦士を剥奪ってところかな?
今度はネズミが匿ってくれるのか…怪しいなぁ。
しかし三日も寝てたとかどうなんだろう。
ユウコだいぶ成長したな。楽俊。
コウオウ様は海客が国を滅ぼすと言っているが迷信なのか。
エンに行く事になったのか。
お母さんは人間…なのか?もいだ?あのもげなかった木の事か?
リボックって言うのか。あれから子供が生まれるのか…
カンキュウまで三月だと!?遠すぎる…
ネズミ頭いいのか。なるほど半獣ね。エンは差別が無い国なのね。
杉本凄い荒れた何も無い土地に置いてかれたな。
なんだ神様なんてやっぱいなかったのか…
神や妖魔もいる?あれ?どういう事wコチョウが三羽も…


7話「月の影 影の海 七章」
やめろってなんだよ。コチョウ倒さないと皆死ぬだろ。
うわっ街の門を閉めたのか…
ヨウコ色々変わっちまったな。ネズミ放置するのか。
ネズミを処分するのか…ちょっとずつ毒されていくな。
心の葛藤のイメージなのか剣の呪いなのか一体何がこんなに追い詰めているんだ。
「優しくしたいから優しくする。信じたいから信じる。」また1つ成長したな。
見返りを求めなくたっていいじゃない。
また飴売りの女の子か。淺野は諦めてネズミなのか…
神様がどうしてこの地を作ったか?って芝居をしてまわるのか。劇団員なのか。
劇団の用心棒になるのか。
なんだ杉本食べ物はあるんだな。監視付きだけど。
シュセイってなんだろ。旅人かな?
荒れ地に畑を作ったんじゃなくて畑が荒れ地になったのか。
杉本壊れてるなぁ… ユウコ芸で役人から逃れたか。
楽俊のおかげなのか?うーんなんか違う気がする。


8話「月の影 影の海 八章」
なんだ杉本復帰するのか。戦いに出したくないのか。
顔の改変したのか?男っぽくなったな。
あれ?この芝居はもしかしてユウコの劇団か。
中国の神話と違うとな。
杉本はユウコって気付いたのか?何故放置した?
劇団員皆でエンに往く事になったのか。ってかお兄ちゃん呼ばわりはどういう事w
あら?ユウコ何してんだ?コウテツさん…
売り飛ばす人はもっと親切な顔か。まぁそうだな。
コウテツさん妹死んじまったのか。これでシュセイの身分を得たわけか。
コウオウが出動?道を見失う事?最初にキリンが病にかかる?
ヨウコと杉本同じ船に乗ったのか。
半獣の反乱か。ヨウコは杉本に気づかないのかやっぱ。
ってか杉本なんでヨウコ放置なんだ?
やっぱ戦闘になるのか。ここは私の世界ってまだ言ってんのかこいつwどんだけ中二病なんだよw
コチョウどんだけ沸いてんだよ。船ごと沈める気か?
海竜みたいなの出てきたけどこれは…妖魔を食う妖魔だと!?一体なんだったんだ。
ヨウコは杉本を助けるのか…


9話「月の影 影の海 九章」
遂にエン到着か。杉本とまたPT組むんだろうか?
ネズミ生きてたのかよ。同じ船に乗ってたのか?先に来てたのか…
楽俊良い奴だった…のか?うーん。信用しづらいなぁ。
杉本とは別行動するのね。エンの難民は裕福なんだな。
強引だけどここの人はいい人ばっかなのか。
日本国の住所と電話番号だと!?日本語通じるのかよ。
日本と行き来があるのかもってどうなってんだ…
タイホは杉本にくっついてるのか。ってか日本語通じるのかこいつ。
一緒に浴びるってヨウコどんだけ貞操観念無いんだ…
髪の毛染めないのか…赤毛で捕まるフラグ。
タイカ?なんかまた新しい何かに。元々こっちの世界の人間だったのか。
言葉にふじゅうしないのはアヤカシだったのか。ケイ国のキリンだと?
ケイ国の王なのか。謎の女王がいたから反逆しないといけないわけか。
杉本やっぱクズだったか。
助太刀に入ったのは誰だ。エンの王だと!?タイホはエンの国の奴だったのか。


10話「月の影 影の海 十章」
コマツナオタカ。エンシュウ国王。シレイ?司令?
タイホウ?あら?なんか名前がわけわからんくなってきた。
フウカン様?500年続いてるのか。あら?剣が抜ける?サヤ死んでるのか。
水禺刀。水鏡となって心が見えるのか。幻を見せるのか。
猿を見せるのね。やっぱり剣の幻だったのか。
エンキ?ケイ女王?わけわからん。死靈?じゃないと妖魔は扱えないのか。
楽俊は身分で差別すると言うのか?ってより区別だな。
というかヨウコがあまりに自分の身分をわかっていないような感じだな。
カンキュウ山でかすぎ。階段長すぎるだろっと思ったけど魔法?呪?術?
空の上に海があるって雲海違いかよ…
楽俊は最初から男ってか雄だっただろうが。
この国には十二の国があり天帝が選びます。キリンだけが誰が王か知ることが出来て選ぶことが出来る。
名君にたる王を。名君とは民を虐げない王。名君でもその知性は永遠に続かない。王は神に据えられ不老不死になる。
世襲は許されず、キリンが次の王を選び天は王を監視し続ける。
キリンは世界の中心ホウザンに生まれる聖獣で正義と慈悲で出来ている。
キリンは王の言葉に絶対服従する。
王が道を誤るとキリンが病に。キリンが死ねば王も死ぬ。王が死んでもキリンは死なない。
王のいない国は水が枯れて妖魔が現れて荒れ果てると。
エン国は難民で困っててケイ国を助けるのか。ケイキも助けたいのかエンのキリンは。
杉本どんだけ中二病なんだwwわけがわからないよw自信過剰すぎんだろw
エン王もエンキもタイカなのね。
領地を失おうとしてる男。エン王の話かな?エンキの話かな?


11話「月の影 影の海 十一章」
500年前に京都が燃えたのか。タイホはその炎の中にいましたってそこで生まれたのか?
キリンだったのか。あれ?タイホ?エンキ?なんかよくわからなくなってきた。
ホウザンの主なのね。エン国の王なのか。
あれ?もしかしてくぎゅうの人かな?仙人になったのか?
飢え>子供って事か。
ショクを起こして和にって日本に来たって事か。3年もいたのか。
コマツサブロウナオタカ。エンを滅ぼす王?何故滅ぼす?良い殿様じゃないか。
根絶やしか…海賊の出だったんか。エンに戦を呼ぶかもしれない。だから滅ぼすって事なのかな。
民無くして国は成り立たずだな。良い民だな…と思ったらこれはひどい…
なる程そうしてエン王が…


12話「月の影 影の海 十二章」
前のケイ王は自殺したのか。ヨウ王?ヨウって名前なのか?
ギョウテンに女はいらぬ。これあの芝居の話が本当だったのか?恐ろしいBBAだ。
退位を申し出たのはケイキを救う為だったのか。
杉本またコウ王の元で働くのか。
タイキもタイカなのかってタイカってなんぞ。
タイ国のキリンもいないのか。タイ国は内乱中なのね。
なんか言葉が一々ややこしいなぁ…
まさかコウ王がエン王と会談するとは。ケイ国を支配する気なのか。
左翼革命かよ。杉本ご乱心…
人が見えないところではどんな浅ましいことでもやった。
見えるところでも浅ましい事してるじゃねぇか杉本。
ジョウユウやっと出てきたか。愚かな頼みとは?
ヨウコの刀はヨウコを挿しても死なないのか。
ケイのタイカを道連れにするだと…コウ王しょぼいな。
杉本やっと和解したか。


13話「月の影 影の海 終章」
コウリンはシュツドウの病にかかってたのか。コウ国はもうだめだな。
コウリンがかばっただと?血の中に沈んでいったがどうなったんだ…
キリンが死ねば1年と永らえる事は出来ないのか。
偽王?を倒すのかな?
ヨウコだいぶ変わったってかもはや別人だな。
「王になって締め付けられりゃあ早くましな人間になれる…」
「貧しい人間で貧しい人間関係しか作って来られなかった」
ネズミなんで全裸なんだよww前は服着てたじゃないかw
国を奪還する時がやってきたか。
そういやケイキは角を封印されてるんだったっけ。治せるのか。
ジョウユウの命が解けたか。これで自由に話せるのかな?
なんだそのまま変身すると裸なのかw
ヨウコもいよいよケイ王陛下になったか。
ジョエイは金波宮をのっとったけどあっけなく陥落とな。
ひと月で全土統一。ケイの国を統一したのか。
「どっちを選んでいいかわからない時はやるべき方を選ぶ」
ヨウコの物語か。杉本の物語もあるのか?淺野くんまだ生きてるのか?
杉本帰るのか…いやいや子供いっぱい生むとかまず相手見つけろよ。
ヨウコの親に何しに会いに来たんだよ。
タカサトカナメ?何者?


14話「月の影 影の海 転章」
玉座、国、国土。枝は筆になった。
国土とは民を、国とは法律を、筆は歴史を、玉座とは王の徳目である人道、すなわちキリン。
この世は十二の国に十二のキリンがいる。ヨウコのキリンがケイキ。
麒麟とは霊獣。麒麟だけがその国の王を選ぶことが出来る。王が道を外せば失道の病に倒れる。
雄の麒麟は麒(キ)。雌なら麟(リン)。
名君とは民を虐げない王。王は神に据えられ不老不死になる。この辺復習か。
麒麟が死ねば王は死ぬ。王が死んでも麒麟は死なない。
完全に復習回だな。
コウ王はタイカの王が誕生するのが許せなかったのか。ケイ国を乗っ取る気なのかと思ってた。
声を届けてくれる鳥。どういう仕組み何ですかーw


15話「迷宮の岸 一章」

{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 15
ネタバレ

青龍 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

「異世界転移もの」の「古典」ともいうべき作品

『ゴーストハントシリーズ』などの小野不由美による原作小説は、現在は「新潮文庫」(新潮社)にて刊行中(既刊15巻、原作未読)。
アニメは、全45話(2002年)。監督は、『英國戀物語エマ 』などの小林常夫。制作は、『東京喰種トーキョーグール』、『キングダム』などのぴえろ。放送はNHK。
(2024.5.8投稿、5.30一部推敲)

本作は20年以上前の作品です(GW中に長い「古典作品」を見直しておこうと思って観始める)。
改めて見直してみると、画面サイズが4:3で作画の雰囲気も今と違うし、声優の演技も声優の起源である舞台俳優っぽさを残している感じがしました。
もっとも、一人の女子高生が大人として自立していく姿を描いた普遍性のある成長ストーリーなので、今でも色あせない魅力があり、異世界転移ものの「古典」といえるような作品です。

また、本作は、『薬屋のひとりごと』と同じ、いわゆる「中華風ファンタジー」なのですが、そこに留まらない独特な世界観をもった作品で、テンプレ的な異世界ではない様々な不思議と遭遇する楽しさもあります。

こんな感じで主人公の成長する姿と不思議な世界にまつわる秘密が気になり、一度観始めると先が知りたくなって止まらなくなる作品です。

さて、本作は、45話と長編なのですが、大きく分けると4章立てになっているので、章ごとにあらすじとその見処を書いていこうと思います。

【第1章「月の影 影の海」(第1話~14話)】
舞台は現代の日本。主人公の女子高生・中嶋陽子(CV.久川綾)は、学級委員長を務める「優等生」であったが、両親、先生、クラスメイトなど周囲の期待に応えることに息苦しさを感じ始めていた。そんなある日、薄い金の長い髪、中華風の黒い服を着た異様な男性(景麒(けいき):CV.子安武人)が突如として教室に入り、陽子の眼前に立って彼女を主と呼び一方的に主従の契約を交わそうとする。突然の出来事に戸惑う陽子であったが、異世界から来た怪鳥に襲われ、これを撃退する成り行きで、クラスメイトの杉本優香(CV.石津彩)、浅野郁也(CV.うえだゆうじ)と共に、「月の影」の向こう地図にない異世界へ連れ去さられる。しかし、異界へ行った後も陽子たちへの執拗な攻撃は続き、3人は景麒とはぐれてしまうのだった…

【1章の見処】
主人公の陽子は、ただ周囲の期待に応えようとしていただけなので、自分が何をしたいかがなかった。特に1章では、そんな受け身の主人公が過酷な環境の異世界に放り出されれば、状況を積極的に把握できず、ただ元の世界に帰りたいと泣き叫ぶだけの普通の女子高生がよくシミュレートされています。

加えて、陽子は世間知らずのいわゆる純粋培養の「お嬢様」なので、人を疑うことや争うことを好まない。
したがって、もはや約束された長編アニメでしか描くことが許されない、ダメダメな主人公が様々な失敗を経て大人になっていく過程を描いた成長ストーリーがメインになってます(久川さんのオドオドした序盤と自分に自信を持ち始めた終盤の演じ分けがすごい)。

一方、このグダグダな主人公と対照的に頼もしく見えるのが主人公と一緒に異世界に行くことになった杉本(3人の高校生の関係が「ただの友達」ではなく、実は互いに屈折しているのが重要になってくる。)。彼女は、高校で浮いていたため、この異世界こそが自分が本来いるべき世界なのだと思い込む。

正に、突然、異世界転移した高校生が「あなたは救国の英雄に選ばれました!」と王様に言われたにも関わらず、「あーよくラノベとかである異世界転移ってやつね」とあっさり受け入れてしまうアレ。

しかし、今まで周囲の期待に応えようとだけしてきた主人公と、王様に言われた使命にただ従うだけの杉本の二人は、一見対照的に見えて、結局のところ自分で自ら進むべき道を選んでいないという共通点をもつ。

さて、二人は、過酷な異世界で自らが進むべき道を自ら選ぶことができるようになるのか!?
特に陽子が異世界で過酷な扱いを受け人間不信に陥った後に、人とネズミの姿になれ人でも獣でもない半獣の楽俊(CV.鈴村健一)の優しさに触れ、これを素直に受け入れるべきかどうかで葛藤するところが見処の一つとなっています。


【第2章「風の海 迷宮の岸」(第15話~21話)】
本作では、そのタイトルの通り十二の国が存在する。その創造主は、十二国の王を選ぶ十二頭の幻獣・麒麟を誕生させた。その麒麟は「卵果」という木の実から生まれるのだが、卵果の状態であった戴極国の麒麟(泰麒:CV.釘宮理恵)は突如発生した異界とのゲートである「蝕」に巻き込まれ、我々の世界(蓬莱)に転移して普通の人間の子として育てられることに。
その十年後、泰麒は、蓬莱で発見され異世界に連れ戻される(蓬莱では神隠しにあったことに)。もっとも、泰麒は、他の麒麟と違う育ち方をしたため、人の姿から麒麟の姿に変化することができず、自分が「麒麟の出来そこない」ではないかと思い悩む。しかし、その悩みを他所に麒麟の使命である戴極国の王の選定が始まるのだった…

【2章の見処】
私がオススメする2章の見処は、その独特な異世界設定。

本作の世界観は、「天は己に成り代わって王朝に地上を治めさせるが、徳を失った現在の王朝に天が見切りをつけたとき、「革命(天命を革める)」が起きる」(引用:Wikipedia)とされる「易姓革命」という中国の思想を下敷きにしていると思われます。

ただ、「革命」のために王を選ぶという重大な使命を帯びている麒麟が十年もいなくなってしまうなど(しかも王がいない国は危険な妖魔が出て国が荒れてしまう。)、この創造主が作った世界が割とポンコツ(笑)。

でも、こういう完全じゃないところが人間的な神様が作った世界の魅力なのだと思います(逆に完全な世界はSF的な管理された機械的なイメージ)。

惜しむらくは、泰麒が現在は蓬莱に戻って高校生をしているという謎がアニメでは解明されていないところでしょうか(原作小説が2019年に再開されたようですが、アニメの続編も作って欲しいですね。)。


【第3章「風の万里 黎明の空」(第23話~39話)】
慶東国の王である景王に即位した陽子は、政治に無関心で異世界の世情に疎く、これまで慶東国を治めてきた王が政治を官僚任せにしてきたこともあり、実際の政治を動かしていた官僚たちに政治の実権を握られてしまう。
陽子は、王とは名ばかりで官僚の顔色ばかりをうかがう今の姿を過去の自分と重ね、このままではダメだと感じ、世情を知るため市井での暮らしを始めるのだった…

【3章の見処】
3章は、王となった陽子が官僚の権力闘争に巻き込まれ、一人の剣士として国情を査察して官僚の悪企みを暴き、これを懲らしめるという時代劇の「暴れん坊将軍」に近いお話。

そこに陽子の100年ほど前に蓬莱からきた大木鈴(CV.若林直美)と、過酷な法による処罰により民の反感を買って弑逆された芳極国の先王の娘・祥瓊(しょうけい:CV.桑島法子)という陽子と「見た目は同年代」の二人の女性が絡んでくる(※麒麟によって王に選ばれると不老になり、王の一部の家来・家族も仙人として不老となる。したがって、同じ王による治世が数百年続く場合がある。)

まあ、この鈴と祥瓊の二人が出始めの頃が特にムカつくんですよ(笑)。

鈴は自分の境遇を哀れむばかりで自ら何もしようとせず、祥瓊は自分は何も知らなかったので自分の父親である王による圧政の責任がないと、他人のせいにしてばかり。

3章は、この二人と陽子が、様々な人と出会い、色々な経験をしてさらに人として成長するというお話にもなっています。


【第4章「東の海神 西の滄海」(第41話~45話)】
雁州国の王である延王・尚隆(しょうりゅう:CV.相沢正輝)の話。尚隆は、戦国時代の瀬戸内水軍の国人領主・小松家に生まれ、戦で領地が滅ぼされたところを雁州国の麒麟である延麒(CV.山口勝平)により延王として連れ去られた過去を持つ。
その20年後、雁州国内の一州である元州で、尚隆の治水政策に対する不満を理由に謀反が起こるのだった…

【4章の見処】
4章も基本的には、延王・尚隆の「暴れん坊将軍」的なお話。

また、この延王、陽子が異世界にきた時には既に500年以上にわたって雁州国を治めていた名君なのですが、その名君たる由縁を紹介するエピソードでもあります。

「権力は腐敗する」という格言があるように、かつて名君と呼ばれた王であっても、権力欲にとりつかれ、いつの間にか堕落するなんてことは歴史上よくあること。

民のためといいながら自分のため(自己満足)になってはいないか、王として常に自問自答すべき、あるべき為政者の姿とは?


【国民一人一人がしっかりしなきゃダメ(感想)】
さて、本作を理想的な王様の話とまとめてもいいのですが、もう少し話を進めるなら、本作は、民主主義って各国民が主権をもって国を治める王様みたいなもんだから、国民一人一人がしっかりしなきゃダメなんですよということを中華風ファンタジーを用いて説教臭くなく説明した作品だと思うわけです。

私がそう思う理由は、有名な景王(陽子)による初勅(施政方針演説)のシーン(第39話)。

{netabare}「私は人に礼拝されたり、人の間に序列あることが好きではない。
相手の顔が見えないことが嫌だ。人から叩頭されることも、叩頭する人を見るのも不快だ。
これ以後、礼典・祭典・及び諸々の定めある儀式・他国からの賓客に対する場合を除き、伏礼を廃し、跪礼・立礼のみとする。
他者に頭を下げさせて、それで己の地位を確認しなければ安心できない者のことなど、私は知らない。
それよりも人に頭を下げるたび壊れていくものの方が問題だと私は思う。」
「人はね、景麒。真実相手に感謝し、心から尊敬の念を感じたときには、自然に頭が下がるものだ。
他者に対しては礼をもって接する。そんなことは当たり前のことだし、するもしないも本人の品性の問題で、それ以上のことではないだろうと言っているんだ。」
「私は慶の民の誰もに王になってもらいたい。地位でもって礼を強要し、他者を踏みにじることに慣れたものの末路は、昇紘、呀峰(謀反人)の例を見るまでもなく明らかだろう。
そしてまた、踏みにじられることを受け入れた人々が辿る道も。」
「人は誰の奴隷でもない。そんなことの為に生まれるのじゃない。
他者に虐げられても屈することない心、災厄に襲われても挫けることのない心。
不正があれば正すことを恐れず、獣に媚びず、私は慶の民に、そんな不羈(ふき)の民になって欲しい。己という領土を治める唯一無二の君主に。」
「そのためにまず他者の前で毅然と頭を上げることから始めて欲しい。」{/netabare}

この初勅では、「徳のある統治者がその持ち前の徳をもって人民を治めるべきである」(引用:Wikipedia)とした孔子の政治思想である「徳治主義」の影響を感じます。そして、「私は慶の民の誰もに王になってもらいたい。」、「己という領土を治める唯一無二の君主」という表現は、いってしまえば「民主主義」を目指すということでしょう。

その心は、民主主義って一人一人が国を治める王様みたいなもんだから、他人任せにすることなく、それぞれがしっかりしてなきゃ、いつかあるべき道を「失道」して、因果応報、世の中が乱れることになりますよってことだと思うわけです(文字にすると途端に説教臭くなりますね(笑))。

特に3章の鈴や祥瓊は、政治に対して文句をいうだけで何かするわけでもなく、また、自ら知ろうとする努力もせず自分は何も知らないから責任がないと言い逃れようとする現代的な大衆のメタファーともとれます。

まあ、そこまでの内容と捉えないとしても、特に一人の女性が自立するまでを描いた成長物語としても秀逸な作品だと思います。さすがNHKというべきか、是非、青少年に観て欲しい作品です。

ただ、いずれにせよ単なる娯楽作とは言い難い内容なので、昨今の異世界転移ものと同じように異世界で無双する冒険譚を期待しているなら、肩透かしを食らうかもしれません。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 5

73.2 2 伝奇で不老不死なアニメランキング2位
バンパイアハンターD(アニメ映画)

2001年4月21日
★★★★☆ 4.0 (169)
1079人が棚に入れました
菊池秀行の人気小説『吸血鬼ハンターD』を天野嘉孝キャラクター原案で映画化した劇場版アニメ。最終戦争後、人類の頭上には貴族“バンパイア”が君臨していた。そのバンパイアに対して戦いを挑むプロフェッショナルは、いつしかハンターと呼ばれるようになっていた。ある日、理想のハンターとして知られるダンピール――Dは、バンパイアに誘拐されたエルバーン家の娘・シャーロットを救出するよう依頼される。バンパイアの馬車を追うDのもとに現れたのは…。

声優・キャラクター
田中秀幸、永井一郎、山寺宏一、林原めぐみ、篠原恵美、屋良有作、大塚芳忠、関俊彦、大友龍三郎、大塚周夫、青野武、清川元夢、辻谷耕史、西凜太朗、沢海陽子、藤原啓治、鈴鹿千春、矢島晶子、小山力也、かないみか、石塚運昇、前田美波里
ネタバレ

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

…飛んで!飛ぶのよ!!

川尻善昭監督作品。
登場人物たちは奇抜な能力を持っており、アクションが盛大ですが、人間くさいところも凄く良かったです。

かつて発売されていた竹谷隆之作のスタチューの出来が素晴らしく印象的でした。
アニメも雰囲気が良いのだろうな、クラシックな吸血鬼の雰囲気かな、酔えるんだろうな、いつか観よう、と思っていたのですが。もっと早く観てもよかった。


吸血鬼と人との間に生まれ、祝福されない宿命を背負った吸血鬼ハンターのD、どこか禍々しい能力を身につけて吸血鬼を追う出稼ぎハンター達、冷徹そうで美しい吸血鬼族達、吸血鬼に雇われた用心棒の怪物共…
その中で戦いぬき、時に気持ちが揺れ動く様子が見て取れた女戦士・レイラ姐さんが、ラストへ向けて力強く光っていました。

吸血鬼によって孤児にされ、復讐のために生きてきた姐さん。
彼女がたてまえや信条とは離れたところで受け入れたもの、励ましたもの、希望したもの、それらが多く語られることはないのだけれど。終盤のセリフと林原めぐみの演技から滲み出る発露に胸打たれ、ジワジワ泣けました。
「…飛んで!飛ぶのよ!!」って、忘れられないと思います。


ハンターの人間たちは、一体どうやったらそんな魑魅魍魎じみた身体になれるんだ?という、ジョジョやバジリスクのような特殊な能力をもった者ばかりです。
レイラ姐さんの仲間のグローヴ兄さんの能力が、切なかったですね。
平時は寝たきり状態の痩せ細ったグローヴ兄さん、戦闘時に薬物で霊体として出現すると、眩い後光を放出しながら滑るように浮遊し、吸血鬼達をなぎ倒してゆくのです。この時の解き放たれた恍惚の表情が、命の限りの向こうを匂わせる夢うつつの切なさです。


絵の動きは非常に細かく美しいです。天野喜孝キャラデザの幽玄さが生かされた独特の動きで、今風の作画とは異なりクドイと感じられる人もいるのだろうなと思います。
しかしこのねちっこいのが、よいですねぇ。植物の成長を早回しで視せられている時のようです。

何度も書きますが、レイラ姐さんがよかった…。
彼女の見せる吸血鬼への正義が、吸血鬼貴族の耽美でささやかなロマンスにぶち当たって振りかざされるシーンで最も生きていました。
{netabare}(吸血伯爵にさらわれた美女は、実は彼と純愛を貫こうとしており、伯爵は彼女の血を吸うことをはばかり、ただ二人が生きられる場所へ行こうとしていました。そうなると追手である者達のほうが不粋に見えてくるのですが、レイラはキレる。「それがなんだっていうの!関係のない者達がたくさん犠牲になったのよ!?」)
しかし、彼らの健気な寄り添いあいを視ているうちに、レイラ姐さんの中で何かが変化してゆきます。 {/netabare}
吸血鬼女カーミラの館で見せられる幻想の中で、幼子(自分の子供時代)の頑なな孤独を癒そうと抱きしめるシーンでも、懐深さが垣間見えてきます。
そこからラストの種としがらみを超えた励まし…。

事件から数十年後にDがふと見守ったものは、彼女の強さと優しさからもたらされた幸せの一端のようでした。

Dをかばう職人爺さんの存在もいい味でした。スジを通す仕事人、かっこいいです。この人も胸アツです。

Dももちろんかっこよいのですが、「つ、土に埋まらねば…」の所がちょっとオモシロかったです。私も砂風呂に憧れます。


クラシックな雰囲気の人間ドラマが好きな方、ぜひ観ていただきたいです。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 28
ネタバレ

チョビ0314 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

左手の人面疽はミギーの先輩かも

この作品は菊地秀行氏のヴァンパイアハンターDシリーズ三作目「D-妖殺行」を原作とした映画で、先に英語版がアメリカで発表され、後にDVD化されるにあたり日本語吹き替え版が追加されました。
英語版も勿論良いのですが、個人的には断然日本語吹き替え版を勧めたいです。
{netabare}その理由として声優陣が豪華だし画に集中出来て見易いというのもあるのですが、吹替版を薦める理由はラストシーンで神父が唱える祈りの言葉にあります。
この祈りの言葉が実は原作六作目「D-聖魔遍歴」でヒロインとDが唱える祈りの言葉を唱えているのです。
普通に聴いていればありきたりな祈りの言葉でしかないので、これに気付けるのはおそらく原作ファンだけです。(しかも麗しボイスで聴けてお得)
違和感削ぐことなく判る人には判る仕込みをしてくれたことに感心してしまいましたよ。{/netabare}

さて本作の物語は種族を超えた悲恋を描いていて、逃げる者、追う者、守る者、それぞれの思惑が入り乱れたダークファンタジーです。
題材としてはありふれていますけど、もうとにかく美しい!
元々の小説が個性的且つ凄く美しい作品で「映像化は不可能じゃないか」と思われていましたので、ファンにとってこの作品の出来の良さは特別嬉しい事でした。(一度映像化されているのですが、その画はかなり残念でしたので…)
背景、美術、音楽、動きその全てに拘りを感じる事が出来て、ちょっとした風景にすら美術を感じます。
建物はそれぞれの場所で細かく描かれていて、そこがどういう場所なのかすぐに分かりました。
特に感心したのが乗り物の描き分けで、人間の扱う昼夜を問わず動く物は薄汚れ生活感を醸し出し、夜しか動けない物は特殊な処理を施されているのか汚れもせず独特の美しい装飾を保ち続けます。なのでそれが人間の日常から隔絶された代物であると理解させてくれます。
音楽や効果音もレベルが高く作られてるし、独特のおどろおどろしさと美しさを損ねない使われ方をされていて良いですね。

キャラクターは戦う者が多く、各々癖が強く個性的な武器や特技を駆使して戦います。
異能者同士の戦いは描き分けが難しいと思うが、見事に差別化を図り魅力的で迫力のある戦闘シーンが展開されました。

剣士、弓使い、銃使い、影法師、霊体、寄生体等のあくが強い登場人物が多い本作だけど、中でも主人公Dの動きは美しく冒頭の登場シーン等はさながら彫刻の様で何度見ても目を奪われます。
ここまで美しさに拘られた作品は少なかったと思うので、当時とても新鮮に感じたのを憶えています。
そしてこういった独特なキャラクター達の派手な戦いが全編で随所にありつつ、同時にシリアスなストーリーを淀みなく進めてくれるので見ていて飽きさせません。

美しい映像と音楽が織りなすドラマと芸術的ともいえるバトルアクション。
それぞれのキャラクターが歩む顛末と哀しくも温かいラスト…と一見の価値がある作品だと思いますから、多くの方に見て頂ければ幸いです。

そうそう個人的にですが主題歌がちょっと雰囲気とそぐわない様に感じましたので、そこだけはお薦め出来ません。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 11

ビアンキ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

映像・世界観・音楽の3拍子

2年くらい前にAT-Xにて視聴

2001年公開のアニメ映画。
人間とバンパイアのあいだにできた子供である
主人公のバンパイアハンター「D」が、
あるバンパイアにさらわれた娘を、依頼を受けて救出に向かうという
ゴシック調の世界観のバトルファンタジー&少々ラブロマンス


・本作の良い点
それは映像美に尽きる。と思う。

天野善孝氏がキャラクター原案を務めた繊細で美麗なイラストが、
そしてゴシック調で薄暗い、ダークで繊細、美麗な世界観が、
大概の視聴者の抱くイメージどおりそのまま画面に叩きつけられる。


他にも
キャラクターや武器や馬車、飛んでくる コウモリや化け物たち、
それらが迫力をもって奥から手前に、画面の前にいる視聴者に迫りくる。
アニメーションそのものもセル画制作でありながらヌルヌルと動く。
そういった部分も相まってか本作は
繊細さを持ちながらも、非常にダイナミックな印象を視聴者に与えるであろう。


対象物が奥から手前に迫ってくる時の「音、音楽」これも映像の迫力を強くしている一因だろう。

音はそのまま、対象物が奥から手前に迫ってくればどんどん音が大きくなっていく。
作品中の音楽は迫力とともに緊張感も出している。
これも良い。


映像、世界観、音楽
これら3つの持つ繊細さと迫力。
あくまで私個人の意見だが、本作はこれらが全てだと思う。


本作のシナリオは冒頭で書いたとおりである。
バンパイアにさらわれた娘を、主人公が依頼を受けて救出に向かう。
それだけ。

私個人、世界観と映像は素晴らしいと思ったが
このストレートなシナリオは好きになれない。
そのためシナリオは私にとってプラスに出来ない。

もうちょっと複雑なシナリオだったら私はシナリオも高く評価した。

ただ、前述の通り世界観と映像を見せるアニメだとすれば、このストレートなシナリオで十分なのだろう…


主題歌であるDo As infinity「遠くまで」は本作には曲調が明るすぎて、やや合ってないように聞こえる。
しかし歌詞は割と…?
どうだろう?
個人的には結構お気に入りの曲である。



ダイナミックな映像。
ゴシック調でダークで美麗な世界観。

そういったものが見てみたいという方にはオススメする。
映像・世界観・音楽の3つがうまく絡みあった傑作でした。

下手くそな文章、お読み頂きありがとうございます。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 13

63.8 3 伝奇で不老不死なアニメランキング3位
高橋留美子劇場 人魚の森(TVアニメ動画)

2003年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (76)
379人が棚に入れました
現代より約500年前。漁師の湧太は仲間と共に浜に流れ着いた人魚の肉を面白半分に食べてしまう。すると仲間は次々に死んでいき、湧太だけが生き残った。それどころか、湧太は不老不死の体となってしまった。

不老不死の妙薬と呼ばれる人魚の肉。だがそれは力が強すぎるために、普通の人間にとっては猛毒であり、死ぬか、“なりそこない”と呼ばれる化け物に変わる。それに耐え切り不老不死を得ることができる者は、数百年に一人。湧太がその一人の人間であった。そのために湧太は、人と交われぬ永遠の孤独をその身に背負う事になる。親しいものは皆死に絶え、永遠の時を生きなければならない。いつしか湧太は元の人間に戻ることを切望するようになる。

声優・キャラクター
山寺宏一、高山みなみ

タケ坊 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

高橋留美子が人魚伝説をモチーフに、シリアス路線で描いた珠玉の短篇集

「うる星やつら」「めぞん一刻」「らんま1/2」「犬夜叉」「境界のRINNNE」など、
主な原作の殆どがアニメ化されている漫画家、高橋留美子が、
80年台から不定期で発表してきた短編を高橋留美子劇場の人魚シリーズとして、
2003年に放送された作品。全13話。

高橋留美子と言えば、個人的には「うる星やつら」や「めぞん一刻」のようなラブコメがすぐ思い浮かびますが、
本作はホラー&サスペンス要素を含む終始シリアスな路線で描かれており、
内容には一部過激な描写も含まれるなど、(12,13話はR15指定でDVDのみ収録)
その他の作品とは一線を画するものとなっています。

☆物語☆

人魚の肉を食べ、望まずも不老不死になってしまった主人公ユータが、
元の人間に戻るために人魚を探し、数百年の月日を経てようやく人魚の里へ辿り着くも、
元に戻る方法は無い事を知る..そこで、とある理由から不老不死にされてしまった少女マナを助け出し、
あてどもない旅を続ける事となる。

短篇集ということで殆ど1話か2話で完結するオムニバス形式となっていて、
少々強引と感じる場面もありますが、設定がユニークで興味深く、
どのエピソードも非常によく練られた濃いもので、
観ていて飽きさせない辺りは、やはり原作者の力量に依るものでしょうね。

全話通して悲しく重いものばかりですが、
人魚伝説に翻弄される人間の欲望、悲哀や苦悩がよく伝わってくる、
「命」「生きること」を考えさせられる、深みのある作品となっています。

☆声優☆

メインキャラの山寺宏一さん、高山みなみさんをはじめ、
今となっては実力派のベテラン&重鎮の声優が多く起用されており、
非常に豪華な顔ぶれと演技が堪能できます。

今ではベテランの域に入ってきた小林ゆうさん(デビュー当時)が、
ちょい役で幾つかのエピソードでクレジットされてたんですが、
これにはさっぱり気付きませんでした笑

☆キャラ☆

声優の演技力に依るところもあると思いますが、
各エピソードで出てくる人物達の感情、思いがよく伝わってきます。

☆作画☆

2003年の秋アニメということで、やや古さを感じる作画は致し方ないとは思いますが、
同時期の「プラネテス」と比べてしまうと、少々物足りない出来に思えます。
まぁ「プラネテス」が良すぎるというのもありますが。。

☆音楽☆

OPはアップテンポながらマイナー調の物悲しい楽曲で、本作との相性もとても良く、
EDは物語の余韻を感じさせる物憂げかつ穏やかでもので、どちらも秀逸。
作中BGMは現在に比べるとややバリエーションが少ないながらも、
繰り返し流れることで印象に残ります。


ラブコメ系のイメージの強い高橋留美子作品でしたが、良い意味で裏切られ、
また懐の深さを再認識できました。
シリアスで重く悲しい物語が好きな方には、是非オススメしたい作品です。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

猫は死んだら死んだままなの?

高橋留美子のアニメ化作品では希少なサスペンスホラー。
人魚に纏る伝記や伝承の様なダーク・ファンタジー作品。

日本各地に伝わる人魚伝説は恐ろしいものがほとんど。
ディズニー作品等の様な綺麗な「人魚姫」のイメージが
強く一般的だと思うけど・・実際には世界各国の人魚
も不吉な象徴や悲しい結末のものが多い。

この作品は日本古来の港町の伝記のようなダークな人魚
の不老長寿に纏る悲しい話を軸に展開してく。

人魚そのものは不老不死ではなく、人魚の肉を食べて
不老不死になった人間の肉を食べて若返るというもの。

人魚の肉は毒性が強く、耐性の強い者は極一部だけ。
大多数は死ぬか「成り損ない」として化け物になる。

人魚の灰は死体をゾンビ化する・・頭を打ち落とされ
なければ、身体に杭を打ち込まれ絶食状態でミイラの
ようになっても絶命しない等・・ドラキュラと似てる。


あらすじ

漁師の湧太は仲間と共に浜に流れ着いた人魚の肉を面白
半分に食べてしまう。
たった一人生き残った湧太は不老不死となってしまった。

親しい者・愛する者は皆死に絶え、永遠の時を生き続け
なけるが・・常に孤独に苛まれる・・人間に戻ることを
切望するようになり、人魚を探す旅を続ける・・

それから500年後・・ある日ついに人魚の里を見つけ出す。
そこで囚われの身の少女・真魚と出逢い助けだすが・・
その里の人魚に・・元の人間に戻る方法は無いと聞かされ
湧太と真魚は共に旅に出る。
その永遠の旅の中、彼らは「人魚の伝説」に翻弄される人々
の悲哀を見続ける。というもの・・

真魚と出逢う前の過去500年戦国、江戸、明治、大正、昭和
の湧太の過去回想等も混じえ悲哀要素など多く含んでいる。

真魚は囚われの身故俗世に疎く、猫を珍しがり慈しむが・・
湧太の「どうせすぐに死んじまうから放っておけ」という。
真魚は「猫は死んだら死んだままなのか?」と聞き直す・・
そうしたちょっとした会話にも悲しさがある・・

OPで雰囲気が良く出ている。EDも古さを感じさせない。
作画は少し古いけど可也作風にあった雰囲気で良い感じ。
※可也力の入った描写や綺麗な背景などもある。

第十二話・最終話は内容的に残酷な表現があり、TV未放送。
ソフトは最終話を含む巻のみR15指定を受けている。
※実際最近の深夜アニメの陰惨グロ映像の方が遥かに酷い。


4~5話人魚の森前後編 神無木登和(島本須美)
此処がひとつのピークかもしれない。



湧太 - 山寺宏一
真魚 - 高山みなみ
登和 - 土井美加
佐和 - 此島愛子
椎名 - 槐柳二
椎名(青年時代) - 田中和実
佐和(少女時代) - 山崎和佳奈

島本須美・桑島法子・折笠愛・佐久間レイ他各話にゲスト
キャラが登場する形式。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 5

おすぎまん さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.3

ストーリーだけは秀逸

元々、原作は読んでましたし、高橋留美子は昔から短編集を出しており、ギャグあり、シュールあり、シリアスありという内容のものでいずれも秀逸なものが多いので、割とこういうのは真骨頂だと思っています。

という訳でストーリーは本当にいいです。
昔読んで懐かしいのと、イマイチ結末が思い出せない話もあったので、観ました。

不死をめぐる人間の醜さや、不死になってしまって周囲とかかわることの切なさは特に勇作の「俺は暮らすことはできない。ただ生きるだけだ」というセリフで胸に来るものがありました。

でも、作画がとにかくひどい。
あと規制のために、血が出るシーンなんかは、有名なゲロ隠しのようにキラキラしているし、なぜか人魚の肉を取り出すシーンも肉がドラえもんの秘密道具のようにキラキラしているとか、演出もひどい。

原作マニアの人が文句言っているなりそこないの指の本数は別にどうでもいいですwww
むしろそんなの覚えていて、そんなことに文句言っている人が気持ち悪いwww
ストーリーに出てくる醜悪なキャラそのものですw

あの作画じゃあここでの評価が低いのは当然でしょうね。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2

62.3 4 伝奇で不老不死なアニメランキング4位
3×3 EYES-サザンアイズ(OVA)

1991年1月1日
★★★★☆ 3.3 (38)
258人が棚に入れました
普通の高校生・藤井八雲。ある時彼は三只眼吽迦羅という妖怪の少女・パイと出会い、彼女と同様に不老不死となってしまう。だが、不老不死の体は永遠の寿命のためにやがて無気力無関心無感動となってしまうため、2人は人間となるために冒険の旅に出る。

Dkn さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

「三只眼吽迦羅」を読める人は私と同じ「无」ですね。

よく原作ファンからはキャラクターデザイン等の面で
良い評価を受けないOVA「3×3 EYES-サザンアイズ」ですが
アニメファンや業界内で高い評価を受ける名作でした。

しっかりとした実力に裏付けされるデザインのため、
同時期のアニメのデザインと比べ、今でも衰えない。

日本のアニメ業界において外すことの出来ない
アニメーター『新井浩一』の作監によるOVAで、
原作のストーリー序盤(当時未完)を全4章で制作された。

※新井浩一
東映動画出身のフリーアニメーター。

ゴリゴリ動くリミテッドアニメーションを得意とし、
「AKIRA」「老人Z」「マクロスプラス」
「攻殻機動隊」「イノセンス」「新世紀エヴァンゲリオン」
その他、主に劇場作品などに参加する
日本の主力アニメーターの一人。
作監、キャラクターデザインなども手がける。


作者の高田裕三は永井豪作品の大ファンであり
特に「デビルマン」の影響を多大に受ける。
好きが高じ、デビルマンのサウンドトラックCDの
ジャケットを描き下ろしたこともある。

その為、この「3×3 EYES-サザンアイズ」にも
イズムは受け継がれ、人間と化物の狭間で揺れ動く葛藤や
生物としてのあり方がテーマとされている。

暗い過去を持つ人物やテーマ性の反面、
明るさが最大の魅力で、終始コミカルさに溢れる。

物語は、
放蕩親父のせいで、
歌舞伎町のオカマバーで働く主人公“八雲”と
不老不死の秘術の謎を知る娘“パイ”が

夜の街で出会いを果たす所から始まる。

街に現れる巨大生物など、
原作漫画には映像的な表現がこれでもかと
つめ込まれていて、アニメにおいても
よくぞここまでと思うほど落とし込まれていた。

惜しむらくは場面によって原作に負けてる点。
だがそれと同じくらい原作に優るシーンも有る。
映像の丁寧さは折り紙つきで、文句のないアニメ化。

数あるOVA作品の中でも特筆すべきものだと思われる。


なんだかんだ一番嬉しかったのは、
キャストの声がイメージにピッタリなことですねw

不死身の主人公と、
可愛い2面性ヒロインをお楽しみ下さい。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 14

おんじい さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

三つ目の美少女は魔性の女ですね。

このOVA第1シリーズは、原作の1巻から2巻までの内容となっています。
分類的には冒険伝奇物か、ダークファンタジー系になるのでしょうか。

原作の漫画を学生の頃よく読んでいました。
三只眼吽迦羅(さんじやんうんから)とか无(ウー)など難しい言葉を
読み仮名なしで読めるようになれたのもこの漫画のおかげでした。
土爪(トウチャオ)ぐらいなら使えるんじゃないかと錯覚した、
黒歴史を築いてくれた漫画でもあります^^;

今思うと、パイはツンデレに八重歯、2重人格と
今のアニメのヒロイン要素をすべて含んだ、初代萌えキャラといえるのではないでしょうか。


アニメになっていたんだーと懐かしさも相まって思わず鑑賞しましたが、
これは思い出だけに留めておくべきでしたねー。
作画が古臭いのはしょうがないとしても、
今見るとあまりにもお粗末な戦闘シーンでした。
それにシナリオ。
原作に忠実に再現されてはいるのですが、
もう少しアニメ用に脚色しても良かったのではないでしょうか。

ただ、原作のエキゾチックなアジアンテイストと
怪しげなエロティックさがよく表現されていたのは良かったです。
それと、林原めぐみさんの三只眼とパイの一人二役の使い分けの上手さも。


こういう『アジアンテイストな伝奇物』という分野のアニメ、
ありそうでなかなかないですねぇ。
需要がないんでしょうか。
自分は好きなんですが^^;

投稿 : 2024/11/02
♥ : 5

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

2重人格ヒロインの魅力を認識させた大作の序章

とは言っても、元ネタ「三つ目がとおる」の2重人格ヒーローがありましたけどね

三只眼という不死に近い存在の少女(三〇〇歳くらい)の「パールバティー」は、人間になること(死ぬこと)を望み、そのためのアイテム「ニンゲンの像」を求めて日本にやってくる
主人公「藤井八雲」は、パイと名乗る東南アジア系の少女と出会うが、直後に事故で死にかける
パイは人間になるためのパールバティーの新しい人格であり、八雲を助けるために自分の下僕であるウーという存在にする術をかける
ウーもまた不死であるが術は自力で覚えなければならない

ということで、ストーリーが進むんですが、この設定のキモは、人間の少女の自覚を持ったパイが、命を捨てて自分を守ってくれる八雲に恋をしていくという、現代のラノベテンプレの走りと言うことです

アニメの出来はあんまりよくないし、4話で物足りないですが、ラストはちょっといいです

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10
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