任務でラノベ原作なTVアニメ動画ランキング 13

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93.9 1 任務でラノベ原作なアニメランキング1位
幼女戦記(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (2193)
10553人が棚に入れました
統一暦1923年6月。
金髪碧眼の幼女、ターニャ・デグレチャフは帝国軍士官学校の最終課程、
部隊勤務の一環として北方軍管区ノルデン戦区の第三哨戒線で研修に励んでいた。
航空魔導師として輝かしいキャリアを踏み出すための第一歩である研修は
何事もなく無事に終わるはずだった。

しかし事態は思わぬ方向へ転がっていく。
協商連合の越境侵犯をきっかけに帝国と協商連合は戦争状態に突入。
戦時体制への移行に伴い、観測任務が割り当てられるも、
協商連合軍による奇襲が発生し、
ターニャは敵の魔導師中隊と単独で交戦しなければならない事態に陥ってしまう。
多勢に無勢で味方が到着するまで持ちこたえることなどできるわけもなく、
しかし逃げようものなら敵前逃亡で死罪は免れないという絶望的な状況。
何としても生き延び、上層部に対して最善を尽くしたとアピールするため、
ターニャはとある作戦に打って出るのだが……。

“其れは、幼女の皮をかぶった化物――。”

声優・キャラクター
悠木碧、早見沙織、三木眞一郎、玄田哲章、大塚芳忠
ネタバレ

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

神と子供と会社員

【追記に蛇足追加  再読には及びません】


一見かわいらしい見せかけの幼女が、圧倒的な魔力で戦場を蹂躙する異世界の戦争。

タイトルに挿入された「the Evil」そのままに、まさしく邪悪の権化として死を振りまく主人公が「幼女」の姿をしているのは、ひょっとすると「妖女」の含意であるのかもしれない。

この無情な戦場に、殊更に非情に君臨する「幼女」とはいったい何なのだろう。



{netabare}といった緊迫感は、早々に「幼女」の中身が現代日本から転生したサラリーマンであることが暴露され、霧散する。

主人公に寄り添って物語を追えば、転生したサラリーマンの異世界でのサバイバルであり、「幼女」であることにほとんど意味は無い。

無常な「世界」の意味を問うような緊迫感の消失は、物語の焦点が主人公に「罰」あるいは「挑戦」を仕掛ける〈神〉と主人公の抗争にあって、「世界」自体が興味の対象から外されていることによる。

この視点の「矮小化」は、世界観の設定と主人公の設定の、二方面から生じているようだ。


神に逆らうというテーマはアニメやラノベでしばしば見受けられるが、何故かキリスト教の神を特権化して「神なるもの」全般を代理させることが多い。

「神なるもの」に運命や制度や抑圧を象徴させて「敵」として描こうとする意気込みに対して、日本社会に根付いているとは言えないキリスト教的な神をわざわざモデル化することで、たいていの場合、実体的な超越者ではなく、顔に「神」と書いた案山子を相手にシャドーボクシングを仕掛けているような、空回りした空想性が目立つことになる傾向があるようだ。

本作においても、罰や試練を与える抑圧者として〈神〉が一面化されているのは、主人公あるいは製作者が、自分の身の丈に合わせて「神なるもの」を切り縮めている結果だろう。

主人公が神を「存在X」と呼ぶのは、ある程度この空想性に自覚的であるのかもしれないが、この「世界」が超越者の創作であるという世界観の意味に迫ることなく、ただ「試練」との格闘だけに物語のスケールは切り縮められてゆく。

そして、このスケール感は、この「世界」に投げ出される主人公の、視野の狭さの反映でもある。


転生前の自分を有能な人材であったと自己認識する主人公は、転生先の異世界においても、現代日本で有効であったノウハウで「有能な」人間に相応しいエリートコースに乗ろうとする。

が、「生前」のエリート性の実態が、有能な「サラリーマン」=株主でも経営者でも無い「使用人」であったことに自覚的ではない。
主人公の考える有能な「エリート」性とは、「ご主人様」に命じられた課題と「ルール」をいかに忠実になぞるかという一点に焦点化されていて、自らがルールを創造して「ご主人様」になるような「有能」性は、視野の外に追いやられている。

劇中の描写からは、どうやら、自分の「死」は「ルール」に記載されていない「敬虔」や「慈悲」という無価値な美徳を欠いた結果、「存在X」に与えられた「罰」であると、主人公は捉えているらしい。
ルールに忠実な「意識の高い」自分が、インチキな基準で断罪されるのは不当であると。

が、普通に観ている視聴者には、「殺される」という事態を招いたこと自体が、適切に職務を遂行できていなかった「無能」の結果としか見えないのだが、自分の姿を相対化できない視野狭窄としか思えない。

この視野狭窄の一面性が、戦争状態の異世界へ放り込まれても平然と「出世コース」を探るという「牧歌的」な主人公の精神状態と、抑圧者として一面的に描かれる〈神〉との抗争という物語の基礎となっている。


極めて人工的な恣意性を感じさせる「異世界」が、それでも不思議に空想的な印象が希薄なのは、この視野の狭い主人公の設定が奇妙な整合性を感じさせるからだ。
「不思議」と感じるのは、どうも、この「整合性」が作者や製作者の計算によるものとは思えない印象が強いせいだろう。


会社員として身に着けた世間知と異常な魔力を元手に「出世街道」を上ろうとする主人公だが、これほどの「武器」があれば既存の秩序(の少なくとも一部)を自分の都合よくひっくり返して、造り変えることも可能だ。
しかし、既存体制での「出世」以外の選択肢は、主人公にはない。

あくまで「ルール」の「外」を発想しない思考様式は、「生前」に執心であったシカゴ学派のネオリベ理論と奇妙に符合する。
「ルール」がすべて=ルールに載っていないことは何でも「許される」というネオリベの世界把握は、ある意味では子供の理屈だ。

人間の行動を律するものは、法律や明文化された「ルール」のほかにも、社会倫理や自己倫理、単なる因習や気まぐれなど多様にある。

が、子供の世界には「ルール」しかない。
定義として、自己の核としての内的倫理や、共同体の社会倫理を獲得するという成長過程の途上にある者こそが「子供」であるからだ。

子供の行動を定めるものは、「ルール」という与えられた枠と、そこからはみ出せば「怒られる」という他律的な基準しかない。
「廊下を走ってはいけません」「上履きで校庭に出てはいけません」といったルールに過剰に敏感で、一歩でも「校庭に踏み出した」生徒を学級会でルール違反者として吊し上げる下らない規範意識は、「子供じみた」態度の典型例として定番だ。
一方で、「座って読んでいるから立ち読みではない」と「ルール」の言葉じりをとらえて「違反」から逃がれたつもりになる猿知恵もまた。

「怒られない」限り何でもしてもいいのだ、という子供の行動原理が、主人公と重なる。
「いい年をして」子供じみている主人公の行動原理は、単一のルールブックに反していない限りどのような競争も正当であるというネオリベ理論「しか」行動律のない反映でもある。
あるいは、「幼女」の外見は、子供じみた内面の表現であるのか。

多様な基準を貫いて自身の行動を決定する「自己」を持つものが「大人」であるならば、単一の基準しか知らないのが「子供」であるとはいえるが、「この基準が絶対で、それ以外は守る必要などない」と強制するのがネオリベ理論であって、この「強制」にさらされていた主人公の視野の狭さには、確かに整合性がある。

実質的な軍事体制下にある「異世界」が、ソビエト連邦を連想させるくせに殆んど抑圧性を感じさせることなく主人公になじんでいるのは、主人公ご執心のネオリベ理論が、ある意味で(ニワトリと卵のように)平時の日常世界に戦時の非常事態性を持ち込んで固定化する原因でもあり/結果でもあるものだからだろうか。
ここでも、現代日本と同じ方法論で異世界を「世渡り」する主人公の描写は、やはり整合性があり、現代日本が一種の戦争状態であると表現されている、かのように見える。


だが、〈神〉のスケールの小ささが、やはりこの整合性が計算の結果であるのかを怪しくさせる。

「死」の瞬間、「敬虔」や「慈悲」の欠如を指摘された主人公だが、本来、それらは人の行動律として異常なものではない。

時には矛盾も衝突もする多様な規範の中から、その時「自分が」どう行動するか判断できるのが一般的な普通の大人であり、大人としての能力だが、シカゴ学派のネオリベ理論とやらの唯一の「ルール」しか所有していないことが、主人公の過剰な反発の根源だ。

「敬虔」や「慈悲」が数千年にわたって人類社会に「生存戦略」として機能してきたことに対して、崩壊が目前に迫っているネオリベ理論は余りにも貧弱で勝負にはなりそうもない。

が、〈神〉は「存在X」に切り縮められる。

「敬虔」を象徴するイコンであるはずの〈神〉は、単に自分の教えに拝跪することを強制し、従わないものに「罰」を与える、「存在X」という抑圧者に一面化されてしまう。

「生存戦略」の人格化であった〈神〉は、信仰心と「引き換え」に恩寵を与える「契約者」のごときものとして、契約を拒むものに脅迫で契約を迫る悪徳リフォーム業者のごときものとして、「存在X」に変貌してしまう。

主人公を超越するものとして登場したはずの〈神〉が、まさしく主人公の子供の世界観に適合してしまう展開は、果たして作中で何が争われているのかを曖昧化してしまう。
自分に従わなければ「罰」を与えると迫る超越者は、外観上は主人公の価値観と差異が無い。
主人公の「罪」を鳴らして「罰」を与える根拠は、互いの力関係の大小というだけで、両者が争うことに説得的な理由を見出すことが出来なくなる。

一見して整合性が生じているように見える「世界」は、整合性と引き換えに、そもそもの「世界」の意味が混濁していくかのようだ。

一体、主人公は何と戦っているのだろうか。


劇中の「戦場」で、敵も味方も区別せずに死を振りまく主人公が、情実に惑わされずに状況に応じた冷徹な決断を下している、と見える視聴者がもしも居るならば、おそらく「社畜」の素質があるだろう。

そうでないなら、他者に死を与えるたびに主人公が振りかざす「祖国の為」といった理屈を、主人公自身は全く「信じてはいない」事をどう捉えているのか。
それらの理屈は、自分が他者に君臨するための「いいわけ」でしかなく、理屈の実践のために他者を支配するのではなく、生殺与奪という究極的な他者の支配を正当化するために持ち出されている「口実」に過ぎない。
全く信じていない大義名分を持ち出すのは、自分の生存のためですらなく、安楽を手に入れる「出世」のために他者を殺す口実に「使える」からだ。
もっともらしい「大義名分」の下に殺される敵・味方の兵士は、主人公の出世のための犠牲でしかない。

反道徳的な言動で他者を踏みにじる姿は、ニーチェを誤読した中二病患者の妄想する「超人」をモデル化したかのようだが、ルサンチマンを超越する意思もなく、既存の支配的規範の「威を借りて」恣意的な暴力を行使する主人公は、いわばウルトラ化したルサンチマンの権化であり、こんなものを超人と同一視すれば墓の中でニーチェが激怒することだろう。

言ってみれば、ブラック企業の中間管理職が「会社の為」と称して精神や健康を破壊する過剰労働を強制しているのと同じ姑息さに過ぎない。

戦場に君臨する幼女の皮をかぶった「化け物」というよりも、タイトル通りEvil=「邪悪」が相応しく思えるのは、ブラック企業の管理職のように、「信じてもいない」タテマエを持ち出して、自分の安泰のために他者を踏みつけることを正当化している薄汚さのためだ。
ブラック企業においてすら、「会社が絶対」というタテマエを本気で信じているようなら「管理職」にはなれないだろう。


戦時下の「異世界」では、死にたくなければ戦時下の規範を受け入れる他ない。
自分の「死を避ける」ためには、他者に死を「押し付ける」しかない。

主人公の主観では、このように自分の行動は「現実的」なだけだと自己了解されているようだ。
戦争を終わらせ、死なずに済む「平和」をもたらす為には、戦闘で大勝利することが「現実的」な手段であるのだと。

この主人公の自己了解を真に受けて「冷徹な決断」者だと肯定的に見てしまう感性は、「会社の為」というタテマエを真に受けて奴隷労働を受け入れる社畜根性と同型的に見える。

平和を望むのは、自身が「勝者」として生きるために過ぎない。
戦争が終結しなければ=勝敗が決定しなければ「勝者」になりようがないからで、他者の「平和」に関心はない。
「冷徹な決断」は、ようするに自己保身の理論化だ。

押し付けられた規範に嫌々「妥協」しているのではなく、進んで「同化」する態度は、「現実」の日本社会から引きずられて持ち込まれたものだ。
その意味で、この異世界は現代日本を表現するために創作されたかのような整合性は、確かに感じられるとは言えるだろう。

ネオリベ理論を内面化して抑圧的な権力に同化しようとする「生前」の態度は、ミシェル・フーコーが言及した、遍在する微小な権力が統合されて大きな抑圧権力を構成する「生権力」の姿に過不足なく適合する。

抑圧的な権力に支配されることを承認すれば、自分がより弱いものを抑圧して踏みつける行為もまた、許される。
「ルール」に支配される子供が、「学級会の吊るし上げ」リンチを内心で楽しむように。
そのような微細な「権力」を吸い上げて統合するものとして利用されるのが、一つにはネオリベ理論だ。

従って、視野狭窄の主人公の、〈神〉の存在を否定する動機が「合理性」の有無であるという言葉は、鵜呑みにすることはできない。

主人公にとって身体化されている「生権力」の体系を脅かすものであるから、〈神〉は否定されなければならない。
抑圧の根拠たる生権力が揺らぐことは、自身が微小な「権力」を行使する根拠の消滅を招くことになるからだ。
いや、意思的に否定を「決断」しているのではない。
拒絶の根拠は、〈神〉という属性がどうこうという問題ではなく、「身体化」が必然とする思考以前の「脊髄反射」だ。

ネオリベを基礎づける市場原理主義が「世界」を支配出来るのは、「(生存のためのあらゆる必需品を含め)全ての」モノやサービスは「貨幣を媒介とした」交換によって入手しなければ「ならない」、というドグマを確立したからだ。
生存のための手段は、したがって「金銭を稼ぐ」というただ一つの行為に制約され、金儲けの「ルール」が世界を支配するルールにすり替わる。

このようなドグマは、別に自然法則に根拠づけられているわけではない。
もしも金銭以外の価値や、生存を超える価値が承認されたとしたなら、「ルール」の支配性は崩れるだろう。
市場原理ベースの「生権力」の体系は混乱し、これに迎合することで他者を抑圧支配させていた主人公の微小な「権力」もまた、消滅してしまう。
単一の「ルール」しか持たない空虚な人格であるがゆえに、代替えの基準を持たない主人公は、「ルール」の否定性に過剰に反発せざるを得ない。


だが、ネオリベ/市場原理主義の否定性を〈神〉として導入した安易さが、このような主題化を不可能にしているようだ。
いや、「存在X」が、真の意味で〈神〉であったなら、違っていたのかもしれない。

自身が他者の上に立つ「権力」性の確保を目的として支配的な規範/権力にすり寄る、という意味で、主人公の態度は現代日本でも「異世界」でも変らずに一貫している。

「生きたい」を「金銭を稼ぐ」に一面化する市場原理の生権力と、「死にたくない」から軍政に従わせる「異世界」の抑圧性は、外見的には双子のように似ている。
異世界の「戦争」が、拝跪を強制する理不尽な「契約者」に矮小化された〈神〉=「存在X」によって一方的に押し付けられた「試練」であると設定することで、一方の「生権力」もまた、超越的に「押し付けられた」ものであるかのように見せかけてしまう。

両者が曖昧に混濁して見えてしまう結果、主人公の行動原理の深層も曖昧化したままだ。
主人公の、他者を踏みつける「権力」を欲する欲望が、自身をも踏みつける「ルール」に接近させるという倒錯した深層も。

「ルールには従わなければならない」という行動原理は、いささかも変化していない。
主人公の「敵意」は、実行に伴う「苦労」の多さに向けられるだけで、「従う」という行動原理自体への懐疑は全く生じない。
それゆえに、主人公に「罰」を加える理由も、この「異世界」が果たして「罰」として機能しているのかも全く意味不明にする。

そうして、「生前」も「転生」後も他者を踏みにじり続ける主人公の、「生前」も「転生」後も強圧的な「ルール」に翻弄されているかのような「被害者面」を不自然に感じない視聴者も出てくるのだろう。

このように単純な抑圧者「存在X」が、主人公との対立軸をも単調化する。
いや、現代社会の抑圧に対抗するものを、〈神〉という名の別種の抑圧者の形でしか発想できなかった限界性なのだろうか。


主人公の「本音」が見えない作中の兵士たちはともかく、視聴者の立場で、主人公が冷徹な現場指揮官のように見えてしまう屈折した視聴は、この「世界」が「物語」の舞台として緻密に構築されたものではなく、「マジック・ワード」に依存した一種のゲーム空間に過ぎない印象しか視聴者に与えることが出来ていない事を示しているようだ。

アニメを視聴するとき(フィクションを鑑賞するとき)、たいていの視聴者は、何処か虚空に自立して「実在」している別「世界」に入り込んでいるように看做していることが殆どだろう。
作り手は、なんとか「実在」感を生み出し、視聴者の現実感に接続しようとあの手この手で四苦八苦する。
一方で、ゲームにおいては、プレーヤーを引き込む「実在」感は問題にされず、何処までも恣意的に制作される仮想空間として了解されるようだ。

その意味で、存在X=〈神〉という創造主兼管理者のいる「世界」は、架空の時空間に「自生した」固有の歴史性を持つ異世界ではなく、「運営」が恣意的に作るオンラインゲームのステージと同質と言える。
もっともらしい「戦争」は、創造主に「創造」されたゲーム世界の「設定」に過ぎず、死んでいく兵士や市民も、「創造主」に創造されコントロールされているという意味でNPCと同質であると言えるかもしれない。
本作内の戦争について、その是非や悲惨について考慮するのは、この「ゲーム」空間の恣意的な「設定」に合わせてあちこちから引用してきた「背景」に過ぎない以上、あまり意味がないだろうと感じさせる。
主人公の殺戮は、異「世界」での殺人ではなく、ゲーム空間の「無双」ではないかと。


キリスト教的な、世界の「造物主」としての唯一の〈神〉は、絶対的に「世界」の「外部」に在る、「世界-内」存在である人間にとって絶対的な不可知の存在だ。
何であれ不可知のものは、人間が認識できた瞬間に〈世界-内〉に取り込まれる。
どこまでも〈内〉化できない非・認識の絶対性が、神を定義する。
日本の〈カミ〉のように、お供えやお祈りによってご利益を与える、人間と同次元にいる交渉可能な〈世界-内〉に存在する〈神〉とは異なる絶対性が、造物主としての唯一神だ。

決して〈世界―内〉に降りてこない不在としての神、絶対的な「外部」の存在との契約の不可能性と可能性、このような不条理と信仰の絶対性、などなどの難問は、西欧では数百年にわたって考え抜かれている。
日本においても、遠藤周作が『沈黙』を書いたのは50年以上も前だ。

人間の眼前にある案山子に『神』と書き込んであれば〈神〉扱いして疑問を持たない、というのはラノベ/アニメ周辺のローカル・ルールに過ぎない。
〈世界-内〉に入り込んで「世界」に自由に干渉する「造物主」は、ラノベ/アニメの外では存在矛盾として成立できないだろう。
案山子の〈神〉は、「全能の」神という一種の「マジック・ワード」として、製作者の代理として「世界」の創造や改変を容易化してくれるものとして導入される。

しかし、容易化は安易化として、創造された作品「世界」を、人為的なゲーム空間に矮小化してしまう。
「存在X」と呼称する、〈神〉性を引きずった、「世界」内に立ち入って自在に干渉する「造物主」を導入することで、「運営」が作り自在にコントロールする人工的な「ゲーム空間」に、異「世界」は同質化することになる。

主人公の利己的な行動が爽快に見えてしまうのは、主人公が「物語」の登場「人物」ではなく、単なるゲームのキャラとして、「ゲーム空間」で都合よく無双をしているに過ぎないと無意識で解釈されている結果ではないか。
主人公が現代日本から「異世界」に転生したという設定も、単に、初めて絶滅戦争という異様な形態の戦争を経験しようとしている「異世界」にやってきた、すでに絶滅戦争の世界大戦を経験している現代日本人という、一種のチート的な優位性で「無双」をするネタに過ぎないものに、これまた矮小化されている。


【追記】
敗者が抵抗をあきらめずに「復讐」する不合理な感情が、「戦争」を終わらせようとする「合理的な」行動を無駄にすると語る主人公だが、勝者の立場に立ち、他者の反抗を認めない傲慢からくる事実誤認に過ぎない。

敗者の抵抗が続くのは、この「戦争」が現実の世界大戦同様に「絶滅戦争」=どちらかの国家が絶滅するまで終わらない異様な性質のものであるからだ。
作中での、後方の民間人の殺戮も、この性質から余儀なく生じている。

相手が絶滅するまで、あるいは国体が完全崩壊する=敵「国家」が「死滅」するまで戦闘が継続されるということは、死滅しない限り敵への反撃を止めては「ならない」ということでもある。
感情的に「もう戦争は嫌だ」と思っていても、息がある限り「理論上」反抗を止めることが出来ない。

敵の執拗な抵抗は、感情に駆られているのではなく、主人公が敵国家の完全壊滅を完遂しようとするのと正に同じ「論理」の裏返しとして、選択の余地なく発生してくる。
自分が優秀な「合理主義者」で、馬鹿な敵が感情に任せて抵抗してくるという主人公の自己認識は、全くの的外れで、視野の狭さからくる「合理性」の不徹底さを露呈しているに過ぎない。
視聴者までが、この自己認識を真に受けて、優秀な合理主義者だと看做してやるいわれはないだろう。

そもそも転生の原因となった「死」も、一方的な逆恨みの被害であると疑われていないが、普通の企業であれば、職務の遂行において「殺される」ほどのトラブルを発生させることは、直ちに「無能」とみなされる。

逆恨みされて転生した「エリート」が「優秀な合理主義者」として戦争を生き抜こうとしているという主人公の自己認識は妄想的で、「認知のゆがみ」を引き起こしているのではないのか、と疑ってみるほうが自然な気がする。



労を惜しまずに設定を積み重ねれば、「存在X」という案山子の〈神〉など導入しなくても、このような「異世界」とサラリーマンの「転生」を創造することは可能だったろう。
世界を支配するルールと人間の対決を描く為には、〈神〉は必要条件ではない。

設定の土台を、案山子の〈神〉=作者の傀儡に過ぎない造物主に置いてしまった安易さが、「異世界」につづられる「物語」なのか、ゲーム空間での妄想的な無双であるのか、分裂して中途半端に揺れる視聴感になって現れてくる。

一見、現代日本を批判的に再現したような「世界」と「物語」は、結局、オンラインゲームに閉じ込められたトッチャン坊やのクエストと同型だという印象しか与えることが出来ていないようだ。

これだけの道具立てをそろえながら、幼女の外見とサラリーマンの内面のギャップの笑いと、「無双」で破壊されるビジュアルの派手さだけが見どころであるというのは、なんとも勿体ない気がする。{/netabare}



それにしても、アニメ作品の評価に「声優」を独立した項目として入れるのは妥当なのだろうか。

確かに、声優はキャラクターに生命感を与える重要なパートではある。
しかし、世界観の破綻や、脚本上の不備を修正できる立場にいるわけではない。
そのような作品でキャラに生命を吹き込んでも、「不条理な世界にも関わらず『生きいきと』生活する狂人」が生まれるだけだろう。

そんな立場である声優に評価の一端を背負わせるのは、余りに気の毒な気がする。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 15
ネタバレ

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

現代のリーマンが少女に生まれ変わって戦争を生き抜く物語

原作未読。予告でかなり気になったので視聴です。1話見て、最後まで見ようと決めました。

今期の戦争もの。ヨーロッパを下地にしているのかな。魔導を使ってガンガン撃っていく、そして主人公は厳しい性格。キャラデザインも含め、イゼッタよりハードな感じがします。


1話…いきなり前線での戦い
{netabare}最近の戦争ものは、顔見せや世界観を知るためにゆっくりした始まりなるものが多いのですが、これはガンガンやり合いで始まりました。

主人公のターニャは少女というよりは幼女。が、強すぎる戦力。頭も切れるし、非情な性格。この子を軸に、大人たちの思惑が交錯し、戦いと世界の秩序が形成されていくのでしょうか。

BGMは重厚、中の人たちも厚いです。悠木さんの声が良いですね。早見さんは今期も戦争ものですか。フィーネと容姿が全く違うのでいいか…{/netabare}

2話…悪魔はいかにして生まれたのか
{netabare}いきなり現代の話。チャンネル間違ったのか?と思いきや、幼女戦記だった。やり手のサラリーマン、会社のため…というより、自分のためにリストラ言い渡しも容赦ない。その帰りの電車待ちの時に、リストラ言い渡した社員にホームから突き落とされる。時間が止まる。神とおぼしき者と会話をする。噛み合わない会話、神とおぼしき者からそのリーマンは転生を余儀なくされる。飛ばされたのは戦争間近な国の孤児院。リーマン時代の意識を意識を残したままの転生だった。
魔導の能力があり、進んで士官に。上級官として下級へのあたりはリーマン時代のまま、愛情の欠片もない。訓練に向かうと戦闘に巻き込まれるが、能力と思いだけで乗り切る。思いとは…「離脱して後方にまわれる」というものだった。しかし、その戦績が高く評価され、思いとは別に軍の顔とされるのだった。

面白い。2話にしてこれはちょっと異例なほど面白いと感じました。これはなかなかない世界観で引き込まれます。後半、ちょっと吹き出すようなセリフぶちこんできて、ターニャの中身や本当の考えが少しずつ分かるようになっていたのも良かったです。
何より悠木さんが良いです。ターニャの怖さと裏側のリーマン的考えを上手く表現しているし、可愛いところも存分に伝わってきます。
これは本当に面白そうだ。{/netabare}

3話…アナタハカミヲシンジマスカ
{netabare}今回も過去の話が中心。
前線から離れることを目論むターニャ。試験飛行に参加するが、失敗の繰り返し。開発担当者はターニャと同じような性格。当然、ぶつかってばかり。そんなときに神とおぼしき者からまた会話を求められる。信仰云々言ってくる。それを追い払うターニャ。
翌日、試験飛行は成功する。担当者は言った。神の存在など信じなかったが、神に祈り成功したと。ターニャは戸惑った。

ターニャは変わり始めているのだろうか。いや、性格は品曲がったままだと思う。{/netabare}

4話…策士、策に溺れてドボン
{netabare}大学生活を謳歌するターニャ。そんな中、軍の幹部と接触する機会も増え、感触が良いと感じる。一人の幹部から先の見通しについて質問を受け、相手の考えを探りながら答える。それが論文となって上層部に伝わるとも知らずに。
ターニャは大学生活で得た感触から後方だと信じていた。が、目論見は脆くも崩れる。ターニャが語った魔導士大隊の責任者に選ばれたのだ。最前線である。愕然としながらも仕事をこなす、しかもわざと遅れるように。が、助っ人参上でそれも叶いそうにない感じで…。

流れるような話の回でした。戦闘シーンはないけど、ターニャの心の中が見えて面白いです。策に溺れて最前線、自分の評価を見誤ったという感じかも…{/netabare}

5話…吹いたビールを返してほしい
{netabare}ターニャのもとを訪れたのはヴィーシャだった。ターニャの目論みが外れ、どんどんと進む面接。しかし、基準が高く、とても大隊を作れるような人材は集まらず。しかし、基準を下げろと言われ、またしても目論みとは違う方向に。
人材は揃ったものの、とても強い隊を作れるような強さはないということで、鍛えることに。しかも1ヶ月で。ターニャの厳しいというより、脱落させるとしか言いようがないほどの訓練に耐え、脱落どころか、強い隊になってしまった。
南東に向かうように指示を受けるが、その先にはダリア公国があった。ダキアは国境付近を探っているようだが、ターニャが掴む情報はとても近代戦のものとは思えないものばかりだった。ターニャは実弾訓練と称し、隊を引き連れ向かう。ダキアの軍はまさに前時代的な戦いだった。魔導隊には全く歯が立たず、壊滅。ターニャは狙いを首都にした。軍事工場をねらい、宣誓を行う「しぇんせぇ~わ僕たち、私たちは…」(幼女風に)。圧倒した。

やることなすこと裏目に出てしまうターニャに笑わせてもらいました。でも最後の幼女宣誓は卑怯です。ビール吹いて拭くの大変だった…。
ヴィーシャの存在が良いです。ターニャのこと分かっているから、とっとと坑を掘りにいった場面は笑いました。キャラデザインどうかとも思いましたが、慣れると可愛くさえ思えます。
ダキアはルーマニアのことか。世界大戦の前だからこんな感じか。{/netabare}

6話…世界大戦はすぐそこまで
{netabare}帝国は2つの戦線を抱えていた。特に協商連合との戦いには苦戦、そこにターニャの軍が送られることになった。
協商のバックには帝国と敵対する列強諸国が加勢し、飛行機はじめ近代兵器が揃っており、帝国は押されていた。そこにターニャの軍がやって来た。ターニャは隊を鼓舞し(25年ものをかけて)、戦う。
ターニャの軍は協商連合の想定を越えていて、協商連合の軍は引かざるを得なかった。ターニャが落とした飛行機に行くと、存在Xがターニャに語りかける。ターニャは振り払うしかなかった。その後、ターニャは協商連合の通信基地を破壊した。

先頭シーンが多くなってきました。戦争が始まるという感じです。ターニャは敵の他に神様的な存在と戦っていかなければなりません。
ターニャの存在が世界大戦を早めてしまっている気がするんだが…{/netabare}

7話…まさに悪魔
{netabare}協商のスー大佐が港で家族を見送る。娘から早めのクリスマスプレゼント(銃)をもらい、どう見てもフラグ。
ターニャは軍幹部と会談中。意見の相違でイライラ。その後、作戦指令が出されるが腑に落ちない。その指令は港の砲台を潰すこと。ターニャは気づく、これは艦隊を寄せ上陸作戦の前段階のことだと。
時間は限られていた。ターニャの部隊は次々と砲台を潰していくが、協商の軍も抵抗する。そして砲台がすべて潰され、協商の軍は作戦の真の狙いに気づくが時すでに遅し。帝国の軍は艦隊とともに現れ、上陸が始まった。最後のあがきとスー大佐が突っ込んでくる。そこには因縁のターニャがいた。ターニャは大佐を撃ち、ライフルを取り上げ、大佐は落ちていった。ターニャは奪った銃を持ち、自分へのクリスマスプレゼントだと言い放った。

1週分すっ飛んで再開。総集編は要らないです…。
ハードな展開にぞくぞくです。ターニャの悪魔さ加減は相変わらずで、容赦なし。ターニャが進む道は天国か地獄か? 天国ではないさね…{/netabare}

8話…これは戦争である
{netabare}協商との戦闘が終わり、ピクシー隊は新たな戦闘員も加わって、ライン戦線で戦っていた。
ターニャに新たな命令が下る。共和国からぶんどった領地の市民が共和国軍をバックに蜂起して帝国軍がガタガタになっており、これを抑えるというものだ。しかし、バックに軍がいるとはいえ市民であり、無差別には攻撃できない。そこで市民の避難勧告を行い、残ったものは共和国軍と見なして殲滅するという非常な作戦だった(しかも、この作戦の原案を構築したのはターニャの論文だった)。
この作戦を部隊に伝えると、部隊はざわついた。民間人を巻き込むことが必至だったからだ。作戦が開始され、街はめちゃくちゃに。市民も多くの犠牲が出ている。それを見た隊のウォーレン少尉はターニャに意見するも、ターニャは言い返す。ウォーレンは頭を壊しながら街を撃つのだった…。
その頃、撃たれて海に沈んだはずのスー大佐が意識を取り戻した。彼が見たのは神で、ターニャを滅してやると誓う。

今週からEDが変わりました。物語はいよいよ佳境に入るということでしょうね。
ターニャの悪魔度が更に増した感じですが、根本はリーマン時代のままなんですよね。上の命令は絶対、義務を果たす、下が上に逆らうことは許されない…。戦争だろうがなんだろうが、自分の仕事をこなすだけ、そこには人の命の重みなど感じてはならないし、自分がこなした仕事の成果が上がれば良いだけである。鬼畜だが、ターニャのような考えを持った人はいる。戦争なら貴重な戦力なのも分かります。すごい重い話です。{/netabare}

9話…もはや人間兵器である
{netabare}列車で本部に向かうなか、ターニャは鉄道部の少佐から今後行うであろう作戦のことを聞く。ライン戦線を捨てる振りをして包囲する作戦だった。
本部では作戦をめぐって意見を交わしていた。そして作戦が実行される。ターニャたちは撤退の殿を努めていた。厳しい状況で負傷者も大勢だった。中には腹が割かれた感じのものもいた。
作戦には新たな兵器が投入されることになった。それを開発したのはターニャの天敵、あのドクトルである。ろくなものじゃないことは察していたターニャだったが、今度の兵器は魔導士入りロケットで、敵の中枢まで飛んでいき、一気に壊滅させるというものだ。本当にろくなものではなかった…そして作戦が実行される。

まさかの人間ロケット…。飛んでいくときのターニャの叫びが非常に…おかしくて(かなり真面目なシーンなんだけど)。隊員たちが緊張するなか堂々と寝ているヴーチャの大物ぶり、Cパートでの腹痛のオチなど、重い話しのなかにちょこちょこ笑いを差し込んでくるところがこの作品の好きなところです。
どんどん厳しい戦いになっていきますが、ターニャは存在Xに一泡ふかせることができるのだろうか?{/netabare}

10話…戦いは終わらない
{netabare}ロケットで敵中枢にぶっ飛んでいったターニャの部隊。電撃作戦であり、時間は限られていた。その頃、帝国では軍と行政官たちが会議を開いていた。戦いの状況が思わしくないことに責める行政側、作戦を隠してのらりくらりの軍部。その時、一報が届く、作戦が成功したと。一気に盛り上がる軍部に対して、呆気にとられる官僚たち。
作戦を成功させたターニャたちは潜水艦で移動した。その頃、帝国の作戦は執行され、次々に成功し、共和国軍を追い詰めようとしていた。ターニャたちは最後の戦いに加わるべく向かったが、謎の魔導軍が現れたという。ターニャの頭に戦後の生活が頭をよぎった瞬間、グランツが撃ち落とされる。相手は海に落としたらはずのスー大佐だった。

このアニメは戦闘のシーンをしっかり描きます。グロいと感じる場面もね。
軍部内の会話も本当に面白いというか、良い声の男たちの競演なので、しっかりした厚みある感じがとても良いです。
それからCパートでのオチ、毎回笑わせてもらいますが、今回は特に可笑しかったです。ヴィーシャ、君は女の子だ…いちおう…{/netabare}

11話…戦後を夢見て
{netabare}協商と共和国の魔導士たちに襲われるターニャたち。苦戦というより、ヤバイ状況。次々落とされ焦るターニャだが、部下たちを見て怒りが湧いてくる感じである。部下をかばい、スー大佐と正面激突、大佐は存在Xとなっており、ターニャはピンチに陥る。激ヴィーシャの機転の利いた一撃で難を逃れたターニャは存在Xを撃ち落とす。
危機を脱出したターニャたちに届いた連絡は共和国軍の掃討作戦で、帝国の勝利が確定したことを伝えるものだった。
共和国は首都を捨てるように無血明け渡ししたが、実は裏があった。それに気付いたターニャは敵の作戦を断とうとするが、帝国軍は聞き流すのだった。

戦後を夢見ていたターニャに追い討ちをかける展開が何とも戦争ものっぽいです。
ここにきてヴィーシャの存在が大きくなってきた気がするんですが、どうなんでしょう。話が続いたらターニャの敵になるんですけどね、パターン的に。
それから、おっさん時代には考えられなかった、部下を気にしたり、かばったりするところ。神を信じる云々より大きな変わり目のように感じました。
いよいよラストです。どうまとめるのでしょうか。{/netabare}

12話…戦争は終わらない、物語も終わらない
{netabare}ターニャが危惧していたことは軍中枢には伝わらない。勝利が軍全体を浮かれさせてしまっていた。ターニャは人の感情が狂わすこと訴えたのだ。
ターニャの危惧していたとおり、共和国軍は着々と反攻の準備を進め、帝国に恨みを持ったり、力を恐れたりした国々が帝国を討とうと加わってきた。それにようやく気付いた軍部は焦った。焦ったところでまともな作戦も立てられない。とりあえずはゴドール率いる共和国軍の集まる港を討とうと進め、その役目をターニャの軍に負わせた。
合衆国では軍への志願者を募っていた。そこに、スー大佐の娘が志願してきた。理由は「憎き帝国を討つ」ことだった。憎しみは憎しみを生み出す。終わらない戦いが続く。
ターニャは隊で檄を飛ばす。神に反抗する、神のごとく戦うことを祈り。

ここで終わりとは…続きが気になります。戦いの続きに存在Xとの決着、ターニャの最大の敵になりそうなスー大佐の娘との因縁等々。スー大佐の娘のシーンで終わったらもっとモヤモヤだったかも。とりあえずはまとめましたということかもしれませんね。
ターニャはなんだかんだ言いながらも、リーマン時代より人間的に大きくなった気がするんですが。部下を守ったり、上司に意見したり、人の感情について考えたりと、リーマン時代には考えられなかったのではないかと思います。でもやっぱり続きが見たい…{/netabare}

少女が主役になるという、しかも裏方ではなく兵士として。異色の戦争ものでした。戦いのこともそうですが、ターニャの人生観や思考について、いろいろ考えるように設定していて、たいへん面白かったです。また、存在Xとターニャの会話の対決も興味深いものでした。

笑いやホッとする場面を所々にぶっ込み(ヴィーシャの存在も)、重くなりすぎないようにしているところが良いです。戦争ものなだけに、どうしても重い話を入れざるを得ません。人が死んでいる場面もキチンと投げずに描写していたと思います。

中の人については文句のつけようがありません。渋い声だらけの重い演技の中に混じっても、跳ね返すだけの迫力と可愛さ、ひときわ存在感が際立っていたように感じました。また、作画も戦いの場面は中々のものでしたし、ロケットで突っ込むシーンも迫力ありました。

戦争ものではありますが、人の感情や考えを捉えるような話が中心になっています。最後まで飽きさせない作品でした。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 68
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.8

やっぱりダメだったよ

自分頭悪いんでイマイチ理解できない…。
ってことで整理のためメモ。

4話までの感想
{netabare}えーっとまず大前提として、リストラ社員に駅で線路に突き落とされたのは「信仰心が無かったから」。
逆に言えば信仰心があれば回避できた事件というワケで、たまたま運悪く頭のおかしい社員の首切り担当をさせられたということではない。
(もしその場合は存在Xも「不運だったね」で話しかけてくることはなかったであろう)

が、この大前提はあくまで存在Xの見立て。
それに対し主人公は「その通り」と思ってるのか「そうではない」と思ってるのか、どっちなんだ?
前者であるなら存在Xの言ってることを信じることとなり、既に信仰してるのと変わりないような?
または後者であるなら、じゃあ突き落とされた原因は何だったのか・どうすれば回避できたかという追及はしないのだろうか?

2話見てから1話を思い返して「あれ?」と思ったのだけど、命令を聞かない部下を死地送りにしたのは単に性格が悪いから、と描かれてるように見えるけど、
実は前世の体験から「使えない部下は生かしておくとこっちが後ろから撃たれる」というトラウマに因り出た行動だったのでは?と思ってしまったり(好意的解釈)。
けど話を見てくとそうではない?

で、4話で違和感がいよいよ看過できないレベルに来たのだけど、「前世で殺害されるほどのことをやらかしたことの反省・教訓」は全く踏まえてない?
学校にライフル携帯して通うのはてっきり味方からの闇討ちを警戒してかと思ったら…え?そうじゃないの?
なんか優秀っぽい振舞いをしてるけど、全然教訓にしてないってのはどうなんだろ?
あくまで突き落としたリストラ社員が特別に異常者なだけだったと思ってるのだろうか?
まぁこれは自分が「存在Xを否定したいのなら“信仰ナシでも誰からも恨まれることのない振舞いをする”が正解じゃね?」って思ってるせいもあるんだろうけどさ(正解は1つだけじゃないからね)、そう考えると軍に入って戦争に参加して人殺した時点で詰みなんじゃねーかなぁと思ったり。
どんなに順風満帆な生涯を送ったところで人である以上いつかは死ぬワケで、転生も1回で終わらせてくれるとは言われてないワケで(※)…。

因みに※部分の考えに至ったのは、3話で、普通に考えたら畜生や虫ケラに転生させるなり地獄落とせばいいのに、何で特別な力与えた上に更にレアアイテムまでプレゼントするんだろ、アホなんかな?と思ったから。
これってむしろ前世で善行積んだものが受ける処遇じゃね?と。
あの世界で魔法も持たず、他に才能もなくミジメな生活をしてる人は前世でどんな悪行したのよ?と、どうしても思ってしまうのよねぇ。
で思ったのが、既に転生は何万回何億回と繰り返すのが予定済みで(異教徒がちょっとやそっとで改宗することはない、ってのはXも承知してるでしょう。拷問にかけて100回殺しても改宗しないぞ、多分)、「一周くらいボーナスステージ与えてもいいかな~?そっちのほうがその次の転生でダメージ大だし」ってことで能力やレアアイテム授けたのかな?って解釈。
つか“命令違反した部下を死地送り”したヤツが“不信心者を能力持ちで転生させた”者に不平不満を述べても説得力が無いしのう。

あーそれとこれは文句じゃなくて、自分みたいな頭カタい人はどう解釈したらこの作品を違和感なく受け入れられるだろう?っていう視聴姿勢の模索です。
こういう見方もあるんだなー程度に捉えてくれるとありがたい。
これでラストが「実は神に寵愛されてた」ってオチなら笑えるけど、果たして…{/netabare}

2月4日追記{netabare}
上でゴチャゴチャと書いたけど、おかげで整理が付き始めました。
存在Xが信仰の無いことが原因だと断じてた「前世で殺された理由」、信仰どうこうは置いておいてもっと直截にいうなれば「人間性の欠如」ではなかろうか、と。
前世で殺される直前まで勝ち組めいたことを嘯いてたけど、家族も友人も居なさそうでとても勝ち組には映らなかったんだよねー、自分の目には。
それに対して何も感じてない辺りただのコミュ障以上に病状は深刻で、ある意味私がモテないのはどう考えても~のもこっち(※)以上に見てて痛々しい。
これは性格悪そうに描かれてる通り、作り手も狙ってそうしてることなので読み間違いとか重箱の隅とかではない…と思いたい。
そして転生後に墓穴を掘るのも、結局は「人間性の欠如→他人の感情を読めない→誤解される・足元を掬われる」ってことかと。

ぶっちゃけオチはどうなるかのネタバレは聞いてます、但しあくまで大雑把なものだけど。
ということでオチは知ってるけどアニメでそこまでやるか知らないし、問題はオチそのものではなくそこへ至る途中で「人間性の回復」があるのかどうか?
ってのが自分的な興味の対象なんだな~と気づきました。
別に人間性の回復といっても大仰なことでなく、合理的ではない感情的な理由で「友達っていいなー」とか「この部下は失いたくないなー」とかその程度に思うことね。
ヴィーシャとかそのための配役なんじゃないかなー、なーんて思ったり。
まぁ一番は前世で殺されるに至った自分の行いを省みることだけど、そこまでは行かない予感がする。
それをしない時点でエリートリーマンにはとても見えないし、自覚症状すらないコミュ障がただ無双するだけの作品に終わる可能性は高い気がするけど…果たしてどうなるであろう。

※コミュ障って言葉を使ったけど、アニメなどで見るコミュ障の大半は対人恐怖症的なものが多いけど、決してそれだけではないかと。
私がモテないのはどう考えても~のもこっちでいえば同級生相手にはオドオドしてたけど、目下の小学生相手には大きな態度をとっていました(カードの回とか)。
ターニャも同様、前世で歴史を知ってるというアドバンテージを引っ提げて他人を下に見てるからこそあんな態度でいられるのであり、前世も会社を笠に着てたキライがある。{/netabare}

5話感想{netabare}
と、やっとこさ見方の整理が付いたところで5話感想。

お?不採用言い渡す時に幻影(?)使って自身の姿は見えないようにしてるのって、前世の教訓を生かしてる?
やっぱ気にしてる…のかな?
おお、これだよこれ、こういうのを見たかった。
今後もこんな感じで、失敗したことを対処→ダメだった部分を改善し続けていったらいつの間にか真人間になってたって流れ(実際にそうはならずとも、そう匂わす程度でいい)になってくれると良いんだけど…。
但しこの場合「どうしてこうなった」に繋がるネタは同じものは二回と繰り返せない、引き出し大丈夫かのう。
んで訓練では例によってコミュ障ゆえの読み違いで士気を高める結果に。
う~ん、言ったそばから同じネタ使い始めてるような気がしないでもないけど…これで恨みを買って後ろから撃たれたら前世の二の舞のような?
今回は見た目が幼女なのと絶大な魔法力を背景に造反は抑え込めると思ってるってことだろうか。

後半の戦闘(虐殺)シーンは、まぁこれはこれで。
侵攻してきたのは向こうだもーん、ってことで虐殺でも何でもどうぞご自由に。
ただ首都まで攻めてしまったので、その功績が思った以上に認められて「どうしてこうなった」に繋がりそうな予感はするけど…。{/netabare}

9話までの感想{netabare}
虐殺だ戦争の悲劇だ、っていう側面についてはこの作品に関しては自分はこれといった感情(良印象も悪印象も)は沸きません。
デグはあの世界の住人を「憎き存在Xの徒」として捉えてて、犯罪でない手段でもって一人でも多く殺したいと思ってるのだろう、と解釈すれば違和感ないかと。
というか何話だったっけ、手にかけた人間が目の前で起き上がって喋り出すなんてことされたらもう人間をゾンビかなんかとしか見ない、人を人と思わなくなっても仕方ないかと。
そういう意味では相変わらず存在Xは何をしたいのかサッパリですね、実は悪魔で殺戮者を育成してるってのが一番シックリ来るような?
ただそうするとデグはまんまと掌の上で踊らされてることになり、それはそれでどうなんだ?という疑問が。
それ以前にあんなんな体験したらトラウマもんな気もするけどねー。

と、そんな感じで殺戮シーン(戦闘シーン)は興味ナシ、関心はデグはいつまで心を閉ざしたまんま突き進むんだろう?って点で見続けてたのだけど9話でビックリ。
存在Xに対し市場原理を叩き込むって、え?まだそんなこと言ってるの!?
しかも前世で突き落とされたのも存在Xのせいってことになってるニュアンス。
あれ、そんな話だったっけ?
無能リーマンが調子フカして部下を煽って、護衛もつけずに無防備にホームに一人で立ったという己のアホ行為を…反省してない!?
前も書いたけど突き落としたヤツが特別に異常ってことでもないみたいだし、もしそうだとしてもその責任は10-0じゃあないかと。
鍵もかけずに家を留守にして空き巣に入られた後で「泥棒がこの世に居るのが悪い」と怒ってもなんだかなぁって感じでしょ。
己の至らない部分を全て他人のせいに押し付けちゃうのはちょっといただけないなぁ。
ってか突き落としたヤツは何か信仰してたのかどうかも不明だし…もしかしたらそいつ自身も市場原理主義者だったりして。
見落としでもしてるのかな?存在Xが操ってた描写でもあったりしたっけ…?

一方8話から続くグランツの描写。
お、これって…前世でクビを言い渡した時と同じ構図やね、非情な命令を下すって。
ただ前世と違うのはヴィーシャが後でフォローをしてくれてる点。
もしヴィーシャが居なければ背中から撃たれるという前世と同じ轍を踏み、学習しねーなこのバカと呆れる展開になってたところだったかと。
今後もこの違いにより救われるって方向に行くのかね?
ただ問題はデグは意図的にフォロー役としてヴィーシャを傍に置いてるってことではなさそう、たまたま偶然というか成り行き。
要は市場原理とは無関係な「人の縁」に支えられてるワケで、デグはそれに気付くことになるのかどうかが今後の見所になるのかなー?
まさか人の巡りあわせすらも存在Xが仕組んだことだったなんてオチは…ないよね?{/netabare}

全話見ての感想
{netabare}11話、最大のピンチ?を救ったのはやっぱりヴィーシャでした。
上司に追撃を進言するも一蹴され、ぐぬぬするシーン、自分としては「日頃の行いのせい」としか思えなかった。

う~ん、結局なんだったんだろう?
幼女「なのに」ではなく、幼女「だから」が無いってのは一体…。
前世で恨みを買って殺される目に遭いながら、それに対して何も反省はしてない、と。
むしろ存在Xという都合のいい怒りのぶつけ先を用意してもらい、事実から目を背けてるだけのような…?
そのうち自分の思った通りに人が動かないのも存在Xのせいだって言いそう。
前世と今世では何が違うのか分からない。
周囲の人間が違うってことで、その巡り合わせは人によっては「神の思し召し」と言わせしめるもので、それにどう答えるのかくらいは期待したんだがのう。
神が嫌いなら代わりの宗教立ち上げるくらいしないと…霊剣山に負けてるじゃないの。
コミュ障が賞賛されるってのはやっぱり無茶があるような…リアルで成功してる人なんて大概コミュ強っすよ、市場原理であろうとも。
全人類と面接し選別できる状況でなければ完全な市場原理なんて無理だと思うんだがのう。
なのはの二次創作…っていうか戦記モノの二次創作であるのに係わらずメアリースーとか出しても皮肉になってない。
トワプリのミドナは好きだが、これによって“それ系”にケチが付くのは勘弁願いたい。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 18

80.4 2 任務でラノベ原作なアニメランキング2位
86-エイティシックス- 第2クール(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (444)
1459人が棚に入れました
東部戦線第一戦区第一防衛戦隊、通称スピアヘッド戦隊。サンマグノリア共和国から“排除”された〈エイティシックス〉の少年少女たちで構成された彼らは、ギア-デ帝国が投入した無人兵器〈レギオン〉との過酷な戦いに身を投じていた。そして次々と数を減らしていくスピアヘッド戦隊に課せられた、成功率0%、任務期間無制限の「特別偵察任務」。それは母国からの実質上の死刑宣告であったが、リーダーのシンエイ・ノウゼン、ライデン・シュガ、セオト・リッカ、アンジュ・エマ、クレナ・ククミラの5人は、それでも前に進み続けること、戦い続けることを選択する。希望や未来を追い求めようとしたわけではない。“戦場”が、彼らにとって唯一の居場所となっていたのだから。そしてその願いは皮肉にも、知らぬ間に足を踏み入れた新天地で叶うことになるのだった。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

原作読んで総評です。私はもういいかな…原作がちょっと合いませんでした。

 原作読みました…いや、なんとか読み終えました。アニメのレビューサイトなのであまり言いませんが、体言止めと漢字熟語にカタカナルビが多くて辛くて読みこなせませんでした。戦闘シーンが何やってるかわからないし、情景描写もあまりないし、時系列を置き換えている意味がわからないし…読み終えたというか、まあ、なんとかページは最後まで頑張ってめくりました。
 これは私がこのタイプの小説を読み慣れていない、読み方が分かっていないせいだと思います。


 で、アニメについてです。この読めないラノベを画にして見せてくれた功績は大きいと思います。アニメなければ1巻の半分で諦めてます。2、3巻に関してはそのままアニメ化した感じでしょうね。やっぱりちょっと原作を更に水で薄めていた気はしますけど。これはアニメが間延びしているだけではなく、ほぼ原作がそんな感じだったということでした。

 結果的にやっぱりあのロリの王女さまの意味がわかりませんでした。シンと兄の関係をなぞっているだけだし…脳をレギオンが取り込んでいるという説明に厚みを持たせたかったということ?

 うーん。ごめんなさい。私はこのシリーズはもう関わらないかも。アニメで次のシーズンが来たらレーナちゃんが活躍するかの確認はすると思いますが…


 

以下 初回時のレビューです。

 レーナちゃんに免じてぎりぎり及第点。テーマのブレ、長すぎ、読めすぎです。

 結末はこれ以外考えられないでしょうね。そのために2クール目のストレスを耐え忍んだのでそうでなくては困ります。

 本作について構造は「君の名は。」だ、ということでいいと思います。名前も素性も知っているけど直接会った事がない。生死の狭間で相手がどうなったかわからない。そして…ということでした。

 1回目が見終わった後です。

 悪い方からいえば、1クール目の冒頭の部分の冗長な日常描写、SF設定の甘さについては印象が変わりません。
 それでも1クール目は、シンの敵とシンクロできる部分や兄との関係などがありましたし、レーナちゃん覚醒の話なので、1クール目を見終えたときは、まあ、過小評価してたけど面白い部分もあったなあという感想でした。

 そして、2クール目に入って、86というストーリーが戦争もの…それも差別された人種の決死部隊という設定が吹き飛んでしまい、昔の仲間との約束、ロリ王女等々の要素が入り込んできたと思ったら、俺TUEEEの無敵兵士、狂気の自殺願望部隊から、そして「君の名は。」になりました。
 最後のほうの大きな作戦だった、地面効果翼機もなんか出てきただけで、作戦そのものにエピソードとして関心できるところも無かったし、周辺の登場人物の動きも心情も良くわからなかったし…
 テーマも視点もブレブレだったと思います。自分は何を見させられているんだろう、という感じが常に付きまとう展開でした。
 そして、1クール目の最後から2クール目の最後のシーンは完全に予想できました。予想外があるとすれば遅すぎです。

{netabare} そして5人のメンバーたちの様子を見ていると、その戦死した仲間たちの約束とかそういうものが無くなってしまいましたね。もちろんシーンとしては随所にいれてるんですけどお約束程度でしたね。
 長い割には個々のメンバーの内面の掘り下げが無かったと思います。あの背中の入れ墨とかどこに行ってしまったんでしょうか。平和な暮らしと兵役をはかりにかけた葛藤が、シンの狂気に引きずられてなかったことになりました。

 あとはレーナちゃんが最後に合流する部分のストーリー展開はいくらなんでも強引だろうと思います。22話が良かったのに23話でそれだけ?というずっこけはありました。

 ひょっとしたらですけど、原作とアニメの読者・視聴者側の体感時間つまり分量の差があるのではないかと疑っています。構成ですね。レーナちゃんとの邂逅のために時間調整があったのでは?と疑っています。そうでないと2クール目の内容が無さすぎの気がするんですけど…

 良い点と言えるか、まあ、このために見ていました、という点ですね。
 もちろんレーナちゃんとの邂逅あるいは再会といっていいのかもしれませんが、このカタルシスが欲しくずっと見ざるを得なかったのは、制作陣の思惑に乗せられたという気があります。そして、やっぱりここまで引っ張られるとカタルシスは確かにありました。
 2クール…しかも延期もありましたので、半年以上ですからね。この時間があったせいで、勿論最後のシーンはジーンときます。{/netabare}

 作画は昨今のアニメ事情からいって、悪い回、動かない回があるのは諦めてます。その点ではがんばって水準は保っていたと思いますし、良い回は良かったと思います。


 総評です。SFなのでもう1回チェックしたいところですが、2回目見るのに勇気がいります。この冗長なストーリーをまた見るのかあと思うと気が遠くなります。原作読んだ方が早いかなあ、という評価です。

 そしてテーマ性。差別問題がなくなりました。途中で平和OR約束も深掘りできませんでした。脳のつながりも謎からエピソードのネタになりました。シンたちのメンバーがもしかしたら誰か欠けるかもというドキドキも2クール目の前半で消えました。
 つまり2クールは細切れのエピソードの集合体になっていたと思います。

 ラストはもちろん良かったと思います。思いますけど、いくらなんでもそれだけかあ…という感想もあります。ただ、レーナちゃんって初めはミニスカの士官なんているかよ、とか能力低すぎだろう、とか騒いでるだけじゃん、ケーキ喰ってんじゃねえ、お前が戦場に行け、と思っていたのに、2クール目では心待ちにしていたのは、まあ、上手く乗せられたなあと思いました。そこは素直に上手く転換させたなあと思います。

 ということで、1回目の印象ですから後で何か発見があるかもしれませんが、レーナちゃんの涙に免じて及第点、だけどぎりぎりかなあ…SFだから評価は厳しめですけどね。






 17話までみました。まず、分割2クールでやったために、1クール目との物語の密度が違い過ぎるのは失敗だと思います。特殊な状況で制作の関係もあるのかもしれませんが。

{netabare} ストーリーについてです。1クール目に対して格段に面白くなっています。86たちの連邦の扱いに焦点を絞っているのでストーリーに展開があって、理解もしやすいと思います。
 レーナちゃんをもっと出せという気持ちにさせるのも、クリエータ側の意図なのでしょう。後を楽しみにしておきます。

 あのロリ女王さまはどうなのかと思いますけど。マスコットって…いやそれはやりすぎでしょう。1クール目のレーナちゃんもそうですけど、こういう女性の扱いをすると、せっかくのシリアスな物語に、潜在的な性的な願望の匂いを感じてシラケるので止めたほうがいいと思います。

 あと、ユージ?とかいう銀髪の図書館で会った男性の戦死ですが、フラグ立てすぎでしょう。演出なんとかしろよ、という感じでした。

 で、テーマ性です。86については、共和国の差別の中で選択肢がないからこそ、彼らの戦いに意味があったわけです。連邦で彼らは何度も軍は止めろと説得され、それでもなお彼らは軍人になりました。
 ここで死者に対する約束について揺れ動く人間が出るかと期待しましたがいませんでしたね。

 で、軍にはいれば、当然戦力を考慮し突撃部隊要員にされてもここはあまり悲惨さを感じません。それは彼らが軍人になった選択をしたからであって、ここで86だからと拗ねるのは、ちょっと違う気がします。

 そして、86の5人についてはいつの間にかスーパーマンになってしまいました。そこまで無敵な感じではなかったと思うのですが。話に安心感はありますが、1クール目のいつ死ぬかもわからない、という絶望感が無くなってしまいました。まあ、だからこそ誰かが欠けた時にストーリーになるんでしょうけど。

 ストーリー的には面白くなりましたが、テーマ性が1クール目に比べてぶれている気がします。彼らはもはや被差別階級ではない、から周囲の人の反応が、やっぱり差別はあるに急に方向転換したように見えます。
 差別に戻して民主主義のヒューマニズムの薄っぺらさとか入れればまだ良かったんですが。最後に「すまないな、少将」というのを入れてしまったので、本当は彼らに頼るしかないからあえて言った?に見えます。差別を敢えて誘導した?子供を戦場に送りたくないとか…うーん。なにがしたいんでしょう。
 で、妹からの手紙とか、シンの狂気とか、ロリ女王の騎士さまとか…戦争の狂気なら読み取れますか。

 今のストーリーだと、志願兵である以上86のテーマはもはや差別ではなくなりました。現状は以前の戦死した戦友との約束という名の自殺願望がある狂気に支配された集団にしか見えません。レーナちゃん登場で救ってくれる感じでしょうか。

 今後楽しみなのはレーナちゃん側ですね。孤軍奮闘のジャンヌダルクでしょうか。やっぱりレーナちゃんが正しかった?だけですかね。秘密の研究とか、貴族社会とかもう関係ない感じですか?

 結論から言って、話は2クール目で各段に面白くなりました。テンポもいい作画もかなりいいです。レーナちゃんがクールなのはいいし、86たちへの焦点の当て方も良かったと思います。
 ですが、テーマが消し飛んでしまった感じがあります。まあ、途中で何か見えてくればまた、レビューします。


追記 特攻の理由なんですけど、列車砲なら線路をもう1回、今度は滅茶苦茶になるまで攻撃すれば良くね?と思うのは間違ってます? {/netabare}


 18話。言わないようにしていましたが、被差別民族という部分、ロボットの多脚形態といい、今回の浸透作戦といい、指揮官が同乗するところといい、どうしても亡国のアキトの展開を思い出しますね。

 {netabare}そういうところは割り切って、たまたまということでいいですが、じゃあヒューマンドラマとしてはどうか…でも、あのロリ王女ちゃんとのやりとりは茶番にしか見えてきません。それなら早くレーナちゃん出して。

 で、でました。新兵器?地面効果翼機ですか。すごいものを引っ張りだしました。なかなか面白い発想です。ユーチューブの珍兵器とかでたまに見かけます。

 ただし、作中でも言っていますが、数メートルしか浮き上がれません。技術的な設定でいえば、翼が地面にぶつかるのでRの小さいバンク旋回ができないのでほぼ直線でしか飛べません。また、小高い丘も飛び越えられませんので、実用化したのはカスピ海で旧ソビエトが使っていたくらいで、それですら波が高い日は運用できなかったそうです。(ただ、今度海で運用されるみたいです)
 ですので、道中ほとんど湖にするとかそういう設定にすれば良かったんですけどね。

 さらに、地面効果翼機でレーダーを避けられるなら、より小さくて同じように地面すれすれを飛ばせる巡行ミサイルのほうが良いし、また、地面効果翼機で近づいて爆撃じゃあ駄目なの?と思います。

 正直、ロボットや兵器、AI等の戦闘のSF的、技術的、戦略的な設定は、たいしたことがないんだから、そこは短くして、被差別とかヒューマンドラマを深掘りした方がいいと思いますが、そこがブレブレかなあ。{/netabare}



19話 あれだけ決死の戦闘の前振りだったのに…これだけ?

 待たされた割には…心配した作画乱れはあんまりなかったですが、人が動かないこと…まあ、いろいろ厳しいのでしょうか。

{netabare} 地面効果翼機はあれだけ?ピンチにすらならなかったですね。とにかくロリはなんとかしてほしい、鬱陶しいだけ。

 やっぱり脚本かなあ。設定やテーマ、キャラ。どれをとっても悪くないんですけどね。うーん。1クール作品を2クールに伸ばした感というか、小説とアニメの媒体の差を考えずそのままやっちゃったか…他作になりますけど、転スラとか、オリジナルのアクアトープの方も引き延ばし感満載だからなあ。

 以前なら少し遊びが入った2クール作品もありだったんですけどね。昨今の密度が高いアニメになれると考え方が古い気がしますね。SFだから集中して見たいし。
 それに最近の2クールって、原作消化のペースを遅らせたりダラダラ展開がで引き延ばしてますからね。特に分割2クールにその傾向が多い気がします。以前の2クールは原作が溜まってからやってたので引き延ばしも少ないし、構成も無理がないし、感情移入も途切れないし。

 後はレーナちゃんかあ。最後あの列車砲やっつけるのに、レーナちゃん登場?多分あと3~5話くらいですよね?早くしてほしい。

 それにしてもテクノロジーの設定がわからねー…あの電磁砲的なやつももそうですけど、機体そのものがオーバーテクノロジーじゃん…って思うんですけどね。{/netabare}


20話です。残りは3月ですか…。

{netabare} 私は適当な作画で作品を作られるくらいなら延期賛成派なんですけど、だったら18話で決断すべきだったと思います。正直19話の作画は痛痛しかったと思います。

 さて、本作のここまでの総括ですが21話見てないですがどうせ話は進んでいないでしょう。2クール目後半はあまりにエピソードの密度が薄すぎです。

 1クール目は全体的に話がごちゃごちゃしてるしその癖間延びしているし、エピソードは当たりはずれが大きかったと思います。ですが、1クール目には中心のテーマがありました。2クール目はそれが吹き飛んでしまいました。86つまりスピアヘッドたちの行動原理に説得力が無くなってしまっています。

 無論、以前の仲間への約束で死を選択する、というのはあると思いますが、やっぱりシンの狂気に引きずられているというか、もっと悪くいえば単なる俺TUEEEになってしまっています。
 ロリ王女はそこに意味性を持たせるために登場させたのだとは思いますが、悲劇をいくら積み重ねても、1クール目の86の悲惨さにはかないません。

 何よりレーナちゃんですよね。ラノベで良くある手法ですが、待望のキャラのじらしプレイですね。人気キャラを出さないで引っ張って引っ張って、最後登場させてのカタルシスを狙ってはいるのでしょうけど、2クールのこの薄い密度の話でそれをやりますか?という感じです。小説とアニメのメディアの特性の違いは良く考えたほうがいいと思います。

 2クールを連続してやったとしても相当薄い内容で冗長感がある本作で更に延期ですからね。だったら1クール目+3月の2話で十分なくらいです。{/netabare}


22話です。つまり「君の名は」だったと。

{netabare}  油断しました。やってたんですね…23話もう見た方いるみたいですね。すっかり忘れてました。

 やはり2期はレーナちゃんとの再会というより初コンタクトが最大のカタルシスでしたね。1期の86とレーナちゃんの関わり方、2期の関わらないストーリーはそのための舞台装置だったということでしょう。つまり若干変形はしてますけど構造は「君の名は。」ですよね。

 関わり、対立、事件、別れ、想いの自覚、探索、葛藤、再会…ですね。探索部分が86では表現されていませんでした。

 ただなあ…戦場でいつ死ぬかわからない状況なら名乗れよ…それが3.11東日本大震災以降の人の関わりだと思うんですけどね。旧時代の別れが美しいとか秘めた想いは、命あってこそ、再会の期待があってこそですからね。「君の名は」で最後声をかけた意味ってそこにあると思うんですけど。

 一度邂逅するまでは、2人は絶対に死なないだろうなあ、という予測にもなってしまいますし…いくらハードな事件が起きようとも、そうしないと話にならないですからね。
 これが頭にあるのでちょっと2クール目の途中から冷めてしまいましたね。もうちょっと早く会ってから、展開してくれたほうが良かったかなあ。

あーでも、22話がカルデラ山の上のシーンだとすると、その先は…まあ、そういうことですね。裏切ってくれても面白いですけど、ここは順当にひねらないで行ってほしいかな…

 で、23話でなんかあるんでしょうか。楽しみです。{/netabare}




 

投稿 : 2024/11/02
♥ : 26
ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

Where Have All the Flowers Gone(花はどこへ行った?)

戦争をモチ-フにしたアニメ作品は、
これまでにイヤというほど製作されておりますし、
これからもイヤというほど製作されることは想像に難くありません。

そして、一口に『戦争アニメ』と言っても内容は千差万別、玉石混合。

んで、僕はそれら『戦争モノ』アニメを個人的に、
大きく三つに分類して視聴したり考察したりしています。
ほんとうに、あくまでも私的かつ便宜的な線引きに過ぎないのですが、
ご参考までに紹介すると以下の通りです。

 ① 戦争は悲惨だアニメ

   戦争被害だの困窮する市民だのにスポットをあて、
   ほらね、戦争ってよくないでしょ?
   みたいなことを啓蒙する、いわば『反戦』アニメ。

   言ってることは決して間違っちゃいないし、
   若い世代に伝えていかなきゃイケナイことではあるのだけれど、
   「だから?」という問いにまったく答えておらず、
   その後の利用のされ方がおおむねアレなのが玉にキズ。

 ② 戦争はニンゲンの縮図だアニメ

   戦争そのものより戦争をモチ-フとして『人間』を描くことが主題で、
   人間の『愚かさ』『傲慢さ』『業の深さ』『狂気』や、
   それに対峙する『強さ・気高さ』『絆』なんかを描くアニメ。
   (もちろん、飲み込まれていく『弱さ』も描かれたりします)

   別の言い方をするなら『戦争ドラマ』になるのかしら。

   中には、かわぐちかいじ氏作品のように、
   軍事力と平和の共生を模索する『現実秩序論』的アニメもありますが、
   社会派ということで、一応この中に入れています。

 ③ 戦争かっけえアニメ

   戦争をモチ-フにした、エンタメ特化型アクション娯楽アニメ。
   前線で戦う兵士を中心にして描かれるのがほとんどで、
    中二成分が入ってみたりみなかったり、
     萌え成分が入ってみたりみなかったり、
      ラブ成分も入ってみたりみなかったり。

   設定はかなり緻密に作られ、
   メカデザインだの演出だのにはタマシイかなり入っているものの、
   言ったりやったりしていることは昔っからだいたい一緒です。

これら①~③に「どれがエラい」という序列なんかありませんし、
もちろん、すべての作品が明確に線引きできるわけでもありません。
それぞれの要素が混じり合っていたり、
何かを足したり引いたり揉んだり伸ばしたり、
それなりの『個性』があるのが一般的なのではあるまいかと。
(なんの『個性』もない寄せ集めアニメも少なくないですが)


で、本作『86』でありますが、
先に放送された第一ク-ルと、この第二ク-ルでは、
作品の色彩が潔いほどガラッと変わっております。

第一ク-ルは②の『戦争ドラマ』的色彩が強かったのですが、
そういうのはほとんどなんもなしです。
ヒトの思惑とかがちょいちょい足を引っ張るものの、
基本的には勧善懲悪の電車道、
③の、ドキハラ楽しい『戦争かっけえアニメ』に仕上がっております。

というか、そもそも『戦争モノ』ですらなくなり、
戦争っぽいSF娯楽アクションアニメ、みたいな感じではあるまいかと。
だってさあ……{netabare}

(1)そもそも『人と人の殺し合い』じゃなくなってるし。

  周辺諸国に侵略戦争をふっかけ、
  大戦の元凶になった軍事国家『ギア-デ帝国』なのですが、
  市民革命であっさり滅亡いたしております。

  後を継いだのは人道派のエルンスト率いる民主国家、ギア-デ連邦。
  他の国に侵攻したり特定民族・国家を差別したりするつもり、
  さらさらありんせん。

  だからもう、国と国との『戦争』じゃないんですよね。

  じゃあ何と戦っているかというと、
  ギア-デ帝国が開発した自立型の殺戮兵器であり、
  勝手に人間の脳を取り込んで増殖するようになった『レギオン』であります。

  ようするに『ツブれた交戦国』が遺した、
  勝手に増殖して人類を攻撃する『メイワク兵器』なんですね。

  もう帝国いないし、戦争やめてまったりしたいんだけど、
  こいつらがわさわさ攻めてくるのでしゃあなく戦っているという、
  なんとも締まりのない『戦いの構図』が物語の根幹になっております。


(2)仲間、死なないし。

  これは、戦争かっけえアニメではほとんどお約束。
  戦隊ものや美少女戦士ものなんかと同じで、
  どんなに強大な敵と戦おうが、
  味方の主要キャラって、まず死ぬことはありません。

  本作も、第一ク-ルは仲間が無惨にばたばた死んでいったのですが、
  第二ク-ルでは「ないわ」と思うぐらい、
  どんだけ無茶な状況に陥っても86メンバーは不滅のアナタ。

  第一ク-ルの印象が強烈だし、
  そのために用意されたであろうサブキャラが戦死したりするので、
  かなりドキハラさせられるのですが、それは演出。

  もちろん「ああよかった」と僕も胸をなでおろしたわけなんですが、
  よくよく考えてみたら、
  最後に「ああよかった」なんて思える『戦争』なんて、
  アニメの中だけの話ではあるまいかと。


(3)萌えとかラブ成分増し増しだし。

  ロリっ子フレデリカの登場は、市街地なら問題なし。
  そりゃまあ、街中にはロリっ子のひとりやふたりいるでしょう。
  だけど軍部に『マスコット』として配属ってなんだよマスコットって。

  戦闘部隊を幼い娘と寝食を共にさせて疑似家族とし、
  愛するムスメやイモウトのため命を賭して戦う気にさせるって……
  兵士に里心がつくだけでむしろ逆効果なのでは。

    救護班や整備班、補給班などを除き、
    戦時には軍施設に『保護を要する非戦闘員』を入れないのが鉄則です。
    (軍の施設というのは、それだけで敵の攻撃対象ですしね)
    もし戦闘になれば保護に人員を割かねばならず、戦力低下は必至。
    それを『風習』の一言でかたづけるって……パヨクの工作っすか。

  で、前線の経験もない10歳の子どもに知ったような口を叩かれ、
  それに納得したり鼓舞されたりとかね、もうね。
  前線はアキバじゃないんだよっていう話であります。

  それに比べるとシンとミリ-ゼのラブ要素はけっこう控えめ。
  なにを言ってるんだおまえは、
  という台詞もあるにはあるんだけれど、
  戦闘終了後、非戦地域での言葉なのでお咎めなし。

  最終話、二人の手の影が寄っていく甘々カットは、ちょっとアレかしら。
{/netabare}

というわけで本ク-ルは第一ク-ルとうってかわり、
何かを考えさせる・問いかけるような要素はほぼ皆無となっており、
登場人物や戦闘シ-ンを見てもらって
『かっけえ』『すげえ』と思っていただきたい、
そんな作品に仕上がっております。


僕的なおすすめ度はB+ぐらいの感じです。

リアルな『戦争』からは目いっぱい遠ざかっちゃいましたが、
人間の脳を取り込んで増殖する機械兵器など、
シリアスなところはシリアスで、出来のいいバトルアクションアニメかと。

  美少女が『よくわかんない敵』と戦い、
  最後は覚醒だの友情パワーだのでなんだかんだ、みたいな作品よりは、
  遥かに地に足がついた物語に仕上がっております。

  戦地に赴く若者の『覚悟の有無』みたいなものも描けているし、
  ドラマ要素的なものもそれなりに。
  戦略・戦術的なものは強引というかムリあり過ぎですが、
  リアルな戦争ぶっちぎったアクションアニメだからと割り切れば、
  けっこうドキハラしながら楽しめます。
{netabare}
  ただし最終バトルでロリっ子が前線に紛れ込んじゃうのは、
  「しっかりつないどけよ」としか言いようがなく。
  こういうムカシふうの安い演出は、僕的には『萎え』要素に他なりません。
{/netabare}

映像はふつうにかっこいいです。
動と静、いずれのシ-ンの描写にも繊細なこだわりが感じられて良き。
無機物・有機物の質感まできれいに表現されています。
アングルにも相当こだわってて、仰角/俯角、引き/寄せの配合が絶妙。
その一つ一つにちゃんと意味があるんだ、これがまた。


キャラクターは、86のメンバーは味があるのですが、
エルンストあたりからちょっと微妙になり、
軍属のほとんどはテンプレの焼き直しがこれでもかと並びます。

フレデリカに至っては、何をかいわんや。{netabare}
レギオンをばらまいたギア-デ帝国最後の女帝という立場なんだから、
(本人の責任じゃないから責めることはないにしても)
そのレギオンと命がけで戦っている兵士に上からモノを言ったり、
私的なこと(キリヤの件)を頼んだりするのはよかわけなかばい。{/netabare}

  もちろん『そんなこと百もわかって言っている』というキャラ設定なんだけど、
  その自己矛盾を『子どもゆえ』の一言で片づけちゃうというのは、
  ドラマの構成として安すぎるのではあるまいかと。

  おなじようなチビ女帝でも
  共感という意味では『うたわれるもの偽りの仮面』のアンジュの方が、
  背負うべきものをきっちり背負っていて良き、と拙は思います。

キャラが最高に立っているのは、やっぱミリーゼかと。
第一ク-ルの最終話から、その足の置き場が一ミリもずれていません。 {netabare}
最終話、墓碑銘の前で「忘れません」という台詞を五回繰り返し、
その後立ち上がって毅然と歩み去る姿を仰角で捉えるカット、
何回見ても鳥肌ものです。 {/netabare}

  ほんとそれだけ、台詞が「忘れません」しかない25秒ほどの演出で、
  彼女が自分自身に刻み付けたものの『深さ』と、
  それに向き合う覚悟の『強さ』が見事に表現されています。

  これ、絵コンテ描いたの監督の石井さんですよね?
  アニメの専門学校ではなく千葉大の理系出身という変わりダネで、
  アニメ-タあがりではなく制作進行あがり。
  しかも初のTVアニメ監督作品でこの表現力はすごい。すごすぎる。
  まじで、駆け寄って握手を求めたいところそす。


音楽は、OP・EDともエンタメ特化。
とりわけOP曲の『境界線』は(少なくとも僕の耳には)、
平和ボケした日本の若者が
アニメの内容に沿ってドラマチックになるよう歌ってみました感満載で、
一般ウケしか狙ってませんという潔さがありありと。


役者さんのお芝居は、高水準で安定。
欠点と呼べるほどの欠点がほとんど見受けられず、
ほんと安心して視聴できます。

特にミリ-ゼ役の長谷川育美さん、
はじめてのメインヒロインなのにすごくがんばっているなあ、と。
気を張ったときと緩めたときの『声の硬度』の使い分けが絶妙です。

今期だと『ぼっち』の陽キャラ喜多郁代を演っているのでわかるように、
使える音域や芝居の幅が広い役者さんです。
まだまだ若いし伸びしろもありそうで、要チェキの一人かと。
いい役引き続けられれば、大化けしそうな感じです。
頼むから『けいおん』みたくなるのだけはやめておくんなまし。

  あと、フレデリカ役の久野美咲さん。
  キャリアも実力も充分すぎるほどの方なので、
  いいかげん、こういう役どころから解放してあげたいな、と。


とにもかくにも第一ク-ルまでの路線をかなぐり捨て、
前線をガタゴト走る無骨な戦車から
テ-マパークのアトラクションに乗り換えたような作品です。
{netabare}
最終話には『戦場のボ-イ・ミ-ツ・ガール』なんて、
ウクライナの方々には絶対にお見せできないようなカンド-演出もあり、
まさに平和の国ニッポンならではの仕上がりではあるまいかと。
{/netabare}
第一ク-ルを『重い・しんどい・クラい』と感じていた方は、
  「おお、やればできるじゃないか」と満足し、
逆に第一ク-ルの『重さ・しんどさ・クラさ』に惹かれていた方は、
  「う~ん……なんかペラペラでやだわ」と感じちゃう、
まさに『トンネルを抜けると雪国アニメであった。』という感じです。

  あとはもう、雪が好きか嫌いかぐらいしか分水嶺がありません。

{netabare}
ちなみに最終話、滅亡したサンマグノリア共和国の市街が映され、
いまだに86への差別意識をもった市民の姿を描くことで、
自業自得だよね的な雰囲気を漂わせています。

だけど、そうじゃない、ただ平和に暮らしていた市民もいたわけです。

 ・瓦礫の中にある、焼けた家族写真や子供の玩具
 ・身を寄せ合っておびえたように凍える戦災孤児たち
 ・倒壊した家屋の前で涙を流し続ける、片足を失った老婦人

そういうカットを数秒間ずつ流すだけでも、伝えられることはあったはずです。
おごりや差別意識があろうがあるまいが、
戦禍に巻き込まれ国が滅ぶというのはそういうことなのですから。

だけど石井監督は『描かなかった』。
最終話の放送は3月12日。
ロシアのウクライナ侵攻開始は2月24日ですが、
その時には完パケあるいはそれに準ずる状態であったはずであり、
国際的配慮などではなく『確信的演出』として。

そういうものをあえて『描かない』ことによって、
『最高のオレたたエンド』なんて評されている大団円をさわやかに見せる。
そういう計算であったであろうことは、容易に推察できるところです。
{/netabare}

そのことの是非は視聴者一人一人が判断すべきことで、
僕ごときがエラそうにあ~だこ~だ言うべきようなことではありません。
(好き嫌いぐらいなら言えますが、言っても詮なきことですし)

ていうか、僕的にはその焼け出されたサンマグノリアの人たちが、
『ケンポ-9条に固執して侵略されちゃった日本人』みたく見えたのですが、
それはまた別の話ですよねえ。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 20
ネタバレ

oneandonly さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

卓越した演出で理想的なBMGを描く作品

世界観:8
ストーリー:9
リアリティ:7
キャラクター:7
情感:8
合計:39

<あらすじ>
あの別れから半年。軍の迎撃砲を無断使用した咎により、少佐から大尉へ降格となったレーナだったが、シンたちスピアヘッド戦隊の遺志を胸に、新たな部隊で、今も絶え間なく続く〈レギオン〉との戦いの指揮を執り続けていた。そして「特別偵察任務」のなかで、〈レギオン〉との交戦の末に戦地に倒れたシン達。深手を負いながらも意識を取り戻した先で、彼らを待ち受けていたのは……。
(公式サイトより)


第1クールから続けての視聴です。
第2クールは、{netabare}特別偵察任務で生き残った5人がギアーデ連邦に助けられ、新たな羊飼い(キリヤの脳が搭載されたレギオン=モルフォ)との戦いが中心になっていくのですが、キリヤとシンは遠い血縁ではあるものの因縁深いものではないので、若干盛り上がりに欠け、物語のテンポは1クールより落ちる印象でした。また、フレデリカという古風な口調のアニメっぽい少女の語りに少々抵抗がありました。{/netabare}

評価点の推移はこんな感じ。
(12話4.3→13話4.2→18話4.0→22話4.2→23話4.6)
ほとんどの期間、優良水準から落ちてしまっていたのですが、最終2話の巻き返しはなかなかのもので、1話単位での評価点が+4ポイント(特に4点以上からの+4)となることは過去にほとんどなく(まどマギ10話だけ?)、神回と言ってよいでしょう。私はその余韻でもう1周してしまいましたし、最終話は何度見ても涙腺に響きます。1クールを見た方、あるいはまだ1クールも見ていない方に対しても、最終話を見るために、視聴をおすすめしたいくらいです。

最後の出来が良かった点について、本作は最終2話をクール中に制作が間に合わず、約3か月放送を延期したという経緯があります。これには賛否あるようですが、私は時間をかけることでより良いものができるならかけてもらって構わないと歓迎するスタンスです。同じアニメ作品が作り直されることはほとんどありませんので、時間が足りずに中途半端なものが残るよりずっと良いです。時間をかけることでのマイナスは権利者側にはあるかもしれませんが、本作が評価され、関係者が評価され作品も2期に繋がれば、結局はプラスになる面も大きいのではないでしょうか。少なくとも作品自体として制作延期の成功例になったのは間違いありませんので、制作陣が万策尽きた場合にはこのような選択肢もあることを示したのも、本作の意義ではないかと思います。

さて、第2クールの感想を掘り下げていきたく思います。
{netabare}まずは気になった点からですが、冒頭から、11話の状況からスピアヘッド戦隊の5人が誰も死んでおらず、また、その後も上官を含め5人が死んだだろうと思えるように見せかけつつ死んでいないということで、容赦なく仲間が死んでいく1クール目と比較して、リアリティが低くなった点があります。これについては後でも触れます。

また、キリヤとシンの関係の設定、キリヤとフレデリカの人間関係をもう少し掘り下げられると良かったように思います。フレデリカにとっては兄のような存在であったことは伝わりましたが、臣下のキリヤにとってフレデリカが特別な存在だったのかが少し足りないと思いました。

22話でのレーナとシンが話をする場面、レーナが写真や絵を見せる演出は少し過剰ではなかったでしょうか。また、その写真が結構鮮明なのですが(ここだけ原作を確認したら、原作では顔の判別ができないような写真だったとされていました)、鮮明にしてしまうと、レーナはシンを意識しているので再会のシーンで顔見てわからないのか? という疑問に繋がってしまうので、ここで写真を登場させないか、写真をぼやけたものにするべきと思いました。

このあたり、レイの名前を彫ったプレートを取ろうとして動けない描写があったと思いますし、動けないからレーナとも機体越しの会話になったと思っていたら、最後に機体からすんなり降りて身軽そうだったのも少し気になりました。


終わり良ければ総て良しということで、最後は個人的に盛り上がる部分を書いていくべく、最終話を中心に良かったところに触れていきたいと思います。

「第23話 ハンドラー・ワン」
本作の第1話のタイトルが、シンのパーソナルネームである「アンダーテイカー」でしたが、対となるレーナの呼称を最終話のタイトルにするところが綺麗です。

この回、Aパートでシン側の物語を、Bパートでレーナ側の物語を描いていて、シンはユージンの墓参り、レーナは父の墓参りをして、再会の日に86の墓標にも参り、それぞれの思いを新たに歩み出し(ここは同じ構図で、改めて2人の物語と思いました。)、再会の場へと向かいます。そして、最後のCパートでは、第3視点としてファイドの目線を使います。これらのシーンは最後の再会のために集約されていて、無駄のない構成です。

Aパートでシンの心を痛ませたユージンの妹の手紙について回収し、マルセルに謝らせたのは、単なるモブ扱いをしない丁寧な作りで好感です。

Bパートでは、レーナが86の墓標に参るシーンでOPの境界線がかかりますが、サビの「境界線の向こう側で、忘れさられ終わる定め」という歌詞に被せるようにレーナに「忘れません」と言わせたり、Cパートの挿入歌「LilaS」でも、「瞼からあふれた」という歌詞をレーナが涙を流すシーンに合わせているなど、芸が細かいです。

1周目の視聴時は、レーナが86の墓標(旧ファイドの壊れたスカベンジャーのある場所)で死者の紙を入れたケースを置いた時に、なぜ5人の紙を入れなかったのか(ここまで辿り着いて死んだと思わせたほうが、再会のサプライズが増すと思ったので)疑問を感じましたが、86の墓標で時間をかけて名前を確認し、5人の名前がなかったので、5人の紙も入れるつもりだったが入れられなかった(だから手に持ったままの状態にもなった)、と考えることで納得できました。(エルンストの「誰かを悼む時間を遅いなどとは思いませんよ」という台詞で説明もしている)

Cパートのファイド視点。レーナ(の印象)について話しているようです。
ライデンは、「俺もちょっと見たんだよな~」と言っていますが、これは9話の視覚同調をした時に、レーナ側の視覚を共有したため、モニターに反射するレーナの顔を見た話です。
アンジュは、レーナが黒猫を飼っているらしいという話をして、猫の繋がりからダイヤとの思い出を想起させる好演出でした。
セオは、3枚目の絵が未来の2人を的確に描いているようで笑ってしまいましたが、セオ自身の笑顔が最高でした。
クレナは、いつも真っすぐなところが良いですね。最後のエンドカードで足を出すところも。

これまでもいくつかのシーンでレールが描かれていたように思いますが、レールが途切れた先に再会の場所を設定していて、無限の未来を思わせる演出でした。
最後の、シンとレーナの手が近づいて86の影を作りタイトルロゴを出すというのもセンスの塊で、どうやって思いつくのかと脱帽しました。初見で、手が近づいたことに違和感を覚えリプレイして、その演出を理解した時は興奮しました(笑)

22話でのシンの進むべき道が示され(「まだ名乗れない。「追いつく」と言われたから。追いついて、たどり着いた先がこんなありさまじゃあんまりだろう。進んだ先で、彼女が見るべき景色は、こんな戦場なんかじゃない。」という所ですね。これは本作で答えを出す必要があると思っていましたので、しっかり自身の問題に決着をつけた点で評価しています)ましたが、最後の1話で何をするのか、当然再会はするのでしょうが、22話も十二分に美しいシーンだったのに、そこで再会させないで、それを超える形で再会できるのか疑問でしたが…杞憂でした。

エルンストが「理想的なボーイミーツガール」になるようサプライズ演出をし(見せたいところがあると86の墓標を案内し、軍の幹部とも共有しているところから確信犯です)、シーン栄えの良い舞台が用意され、それに神懸った挿入歌が乗り、こんなに綺麗な形で締めくくられるとは…、想像を超えた満足のいく最終回でした。

正直、スピアヘッド戦隊が更なる戦闘の中で誰も死なず、リアリティ面が下がった部分は否めませんが、最終回の再会時に誰か1人でも死んでいたら、再会の幸せを心から感じることはできなくなるでしょうから、この最終回のためだったと思えば納得の脚本です。{/netabare}

ということで、久しぶりに世界にどっぷり浸かれた作品でした。
評価点は4.4~4.7の間で彷徨いましたが、とりあえずこの評価に落ち着きました。
第2クールは前述のとおり、最終話を除けば全体的に第1クールよりも見劣りし、良作レベルなのはご留意いただきたいですが、第1クール目の重さに耐えられ、楽しめた方は最後まで視聴すべきと思います。

(参考評価:12話4.3→13話4.2→18話4.0→22話4.2→23話4.6)
(視聴2022.8)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 19

80.1 3 任務でラノベ原作なアニメランキング3位
フルメタル・パニック! The Second Raid(TVアニメ動画)

2005年夏アニメ
★★★★☆ 3.9 (1011)
6267人が棚に入れました
世界中の紛争の火種を秘密裏に消して回る軍事組織ミスリル。その中でも選りすぐりの傭兵の相良宗介に与えられた今回の任務は、「ウィスパード」と呼ばれる特殊な能力を持つ日本人の女子高生・千鳥かなめを護衛すること。
長編の『終わるデイ・バイ・デイ』をアニメ化したものだが、第1話~第4話は、原作には無いエピソードとなっている。
シリアスが中心なためコメディ的な要素は抑えられているが、前作「~ふもっふ」同様、学園内のテンポの良いドタバタラブコメ要素は健在。グロテスクな描写がみられるので、R-15指定された。

声優・キャラクター
関智一、ゆきのさつき、ゆかな、三木眞一郎、根谷美智子、小山力也、大塚明夫、西村知道、田中正彦、浪川大輔、大塚芳忠、篠原恵美、沢城みゆき、木村郁絵、能登麻美子
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

シリアスさを前面に

シリアス展開ばかりが続き、ギャグは入る余地がない。姉妹の殺し屋が襲ってきたり、かなめそっくりの娼婦が出たりとこれまでと違ってのんびりして全年齢対象だなあという感じがない。
{netabare}倒したはずのあいつがまだ生きていたのはびっくり。{/netabare}

OPは南風。EDはあの日に帰りたい。下川みくには欠かせない。

以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
1. 終わる日々
超国家的秘密組織ミスリルは、難民救助のため内戦中のバリク共和国に、宗介たちの部隊を派遣。世界でも最新鋭の装備を誇るミスリルだが、現地ではミスリルの介入を見越していたかのように、対抗できるだけの装備を持った政府軍の部隊が待ち構えていた。宗介の搭乗したアーバレストは、退路を断たれ窮地に追い込まれる。

2. 水面下の状景
千鳥かなめが、何者かに狙われている!? 風間信二から、ホームページのサイトに、無断で、かなめの写真が掲載されていることを知らされる宗介。早速、犯人を拘束すべく、学校内を調査することに。一方、そんな宗介たちの日常とは裏腹に、謎の中国少女他、敵組織らしき人物の存在が明らかになる。

3. 迷宮と竜
南北に分断された中国の南京で、和平会談に出席していた北中国の代表団を武装グループが拉致。中国が再び内戦状態になるのを防ぐため宗介たち、ミスリルの部隊が代表団救出に派遣される。しかし、代表団を拉致したのはゲイツ率いるアマルガムの部隊であり、拉致事件は宗介たちをおびき寄せるための罠だった。

4. デイライト
裏切り者、ブルーノの仕業により、ゲイツ率いるアマルガムの部隊にミスリル部隊の作戦行動が筒抜けとなってしまう。次々と敵に先回りされることをいぶかるテッサは、自分たちの作戦情報が漏れていることを確信する。追い込まれていくミスリルの部隊。万事休すと思われたその時、テッサの取った行動とは?

5. うるわしきシチリア
メリダ島基地会議室。ミスリルの高官たちに取り囲まれているテッサ。今回のブルーノの件でミスリル作戦部、情報部双方から責めを負う。一方、その当人ブルーノは、ミスリルの手から逃れるため、イタリアはシチリアの知人宅に身を隠す。そこで彼は、ある東洋人の美女と出会う。その美女の正体は!?

6. エッジ・オブ・ヘヴン
テストが始まっている中、なかなか姿を現さない宗介。このままでは、留年よ、と心配顔のかなめ。一方、オーストラリアのシドニーにあるミスリル作戦本部では、南京の事件でテッサたちを、撹乱させた裏切り者、ブルーノの尋問が行われていた。ブルーノの真意を聞き出そうとするのだが…。

7. とりのこされて
ミスリルへの帰還命令の出た宗介は、かなめのもう一人の護衛者、情報部のレイスとやり合う。重なる任務に、護衛の不備を突付かれ歯噛みする宗介。その翌日、宗介と二人の時間を過ごすことができたかなめは、ご機嫌! 登校途中、恭子との会話に興じる。まもなく、いつもの授業が始まる。しかし、宗介の席は空席だった…。

8. ジャングル・グルーブ
メリダ島。ミスリル西太平洋基地。着陸するC-17輸送機。輸送機を降りてきたのは、ベルファンガン・クルーゾー中尉。宗介たちの新しい上官である。その近くを早足で通り過ぎていく宗介。彼が向かったのは、戦隊長、テッサのオフィスだった。対面する二人。重苦しい雰囲気の中、テッサは厳しい姿勢で宗介に応待する。

9. 彼女の問題
宗介がいなくなり、急に恐怖心が湧き上がってきたかなめ。朝まで寝付けず、憔悴しきった顔で登校すると、待っていたのは、神楽坂先生のアナウンスだった。職員室に呼ばれたかなめに、手紙を手渡す神楽坂。その手紙の中身は、宗介からの、「退学届け」だった!

10. ふたつの香港
香港で所属不明のASによる大規模な破壊行為が発生した。北中国軍と南中国軍がにらみ合う香港が、火の海になることを防ぐべく、出撃するミスリル部隊。香港到着までの間、宗介は、格納庫のアーバレストに乗り込み、AIの「アル」と会話を始める。

11. 彼の問題
ASを積んで香港に向かうゲイツの部隊。その頃、宗介は当てもなく、玉芳によって破壊された香港の街中を彷徨っていた。香港を火の海にすることは避けたいミスリル。コダールの潜伏先を洗っていたヤンとウーは、上環にある建設中のマンションで死体を発見する。その死体にはあるメッセージが仕込まれていた!

12. 燃える香港
例のメッセージをいぶかる宗介。北中国軍と南中国軍との軍事的緊張感が高まる中、九龍半島に上陸するM9部隊。両軍の開戦までタイムリミットは後わずか…。メッセージに従い、ツィムシャツォイにあるアラブ人街を訪れる宗介。そこで宗介は、更なる行き場所を指示される。そこは、九龍公園だった…。

13. つづく日々
コダールの攻撃で燃える香港市街。「もはや限界だ…」と諦めのボーダー提督。それでも宗介を信じるテッサ。九龍城跡の市街、燃え盛る建物のそばで、蹲る宗介。そこに現れるヤンとウーの二人。かなめが死んだと吹き込まれ呆然とへたりこむ宗介に、ヤンは、銃を向ける!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4
ネタバレ

ガムンダ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

稀有な傑作 他にあったら是非教えて頂きたい

(レビュー更新します 評価変更なし)

「無印」「ふもっふ」の続編になります。
国際テロと戦う無国籍の私兵集団、ミスリルの傭兵相良宗介が日本の高校に通う要人、千鳥かなめの護衛の任に就く、というお話。

ロボットものが苦手の私がお勧めする傑作ロボットアクションです。
ロボットアクションと言いつつこの作品は派手なアクションより、丁寧な心理描写と緊迫感あるストーリーを楽しむ作品と言えます。

以下魅力を順不同で列挙します。

<アクションとラブコメの両立>
{netabare}護衛する兵士(戦争ボケ)と護衛される女子高生(度ツンデレ)との間に深い信頼関係が芽生え、また、ソウスケの上官であるテッサもソウスケに好意を寄せており、見事な三角関係のラブコメが成立します。
シリーズ通して単にラブコメとしても第一級の出来栄えと思います。
ただし「ふもっふ」はラブコメメインで存分に楽しめますが、こちらはシリアスパートになっています。 {/netabare}

<若者の挫折と成長 見事な心理描写>
{netabare} 幼い頃から兵士として訓練され、弱冠17歳で傭兵として働くソウスケがカナメへの好意を自覚し自身の在り様について葛藤します。
このプロセスをよくある厨二キャラの様に多弁を弄する事なく描いていく心理描写が見事です。{/netabare}

<キャラの魅力>
{netabare} ソウスケだけでなく、周囲のキャラの心情も実に見事に描いています。
直接的な台詞で語るのではないのですが、難解と言う訳でもありません。
そのバランス感覚がとても良いです。
カナメとテッサ、両ヒロインも甲乙付け難く魅力的です。
本命はあくまでカナメですがこれはソウスケ困ってしまいます。{/netabare}

<会話劇>
{netabare}キャラに心情を吐露させるのに多弁を弄するわけではない、と書きましたが、会話劇としてもこれまた見事なのです。
情報部レイスとの電話でのやり取り、基地に帰投したソウスケとテッサの問答、テッサとマデューカス副長の問答などがその代表的なシーンです。
凡庸な作品はあくまで作者の脳内での「出来問答」が見え透いて興を削ぎますが、この作品はかの「銀英伝」にも匹敵するキャラとキャラとの緊迫感あるぶつかりあいが楽しめます。
特にテッサとソウスケの問答のシーンでは視聴者もつい主人公であるソウスケに移入してしまいますが、テッサの完全に当を得た発言にぐうの音も出ません。
またこのシーンでのテッサ役ゆかなさんの熱演は特筆ものです。{/netabare}

<私兵組織の丁寧な描写>
{netabare}主人公が所属する私兵集団「ミスリル」について、謎が沢山残されますが、情報部や作戦部の縄張り争いや駆け引きなどが丁寧に描かれます。
また前線部隊だけでなく兵站や間諜などの描写も丁寧です。
対テロを掲げている様ですが、自身も非合法のテロ組織である認識も描かれミリタリー物として一応の説得力を持ちます。 {/netabare}



全体のストーリーや殺し屋姉妹の登場など、ご都合主義の部分も否定できませんが、その前提の下に丁寧に描かれているのでそれは意外と気になりません。
またラストも1クール作品として見事に纏まっています。
むしろこれほどのTVアニメには滅多にお目にかかれない傑作と言えます。

設定が荒唐無稽でも作りこみが丁寧でセンスが良いと名作になり得ます。
その点私にとってはあの「銀英伝」と楽しむ部分が似ています。
他にもこれ程の作品があったら是非教えて頂きたいです。



完全ゴミ余談ですが
{netabare}質問サイトで「カナメを香港に連れて来た女は誰か」「最後に寒空の下で監視する女は誰か」と話題になってるのを見かけた事がありますが、それ以前の伏線を勘案すれば彼女がおじさんの変装を解いたレイスである事は疑いありません。{/netabare}

完結編熱望します。



以下初回レビュー
2014.02.07 23:23
続編ですので前篇を先に観てください。

前篇では割と平和な日本と戦場がハッキリと分かれていましたが、The Second Raidではいよいよ敵の手がヒロインに伸び巻き込まれていくお話。
ラブコメの方も進展し、鈍感な主人公もヒロインへの好意を自覚し始めます。
戦いが二人の仲を引き裂き、それを乗り越え成長する物語も加わりドラマチックな良作でした。

つづきが有る様な終わり方でしたがアニメ化されていないのかな?

投稿 : 2024/11/02
♥ : 16

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

「人間の本性は変えられない・・・」

この作品は「フルメタル・パニック!」の3期に位置する作品です。
3期とは言いながら2期が作品本来の主旨とは異なる位置付けになっている事から、1期を視聴していれば2期を視聴せずに3期を視聴しても物語的には通ると思います。

ですが、「ヒロインの登場頻度」という個人的な視点で切ってみると、かなめちゃんばかりでテッサの出番が殆ど無かった2期があったから、3期でテッサを見た時の喜びがひとしおだった事を踏まえると、私的には順番に視聴してきて良かったと思っています・・・^^;

1期と2期で物語の部隊が戦場から学校に移った時に感じたギャップ・・・
3期では物語の舞台がまた戦場に戻るので同様のギャップを感じるかと思っていましたが、1話目から一気に戦場に引き戻される感じ・・・ギャップとか余韻に浸る間もなくいきなり物語が動き出します。
この辺りの無駄の無い展開・・・流石京アニさんです^^

かなめちゃんの護衛とミスリル任務の「二足のわらじ」生活に逆戻りした宗介ですが、かなめちゃんと宗介の距離はこれまで以上に縮まってきており、最早「一緒にいるのが当たり前」的な雰囲気すら感じるようになりました。
宗介の言動における唐変木っぷりは相変わらず・・・むしろかなめちゃんの包容力の賜物なんでしょうけれど、少し前からみると劇的な進歩だと思います。

ミスリルでの仕事が忙しさを増し、授業への出席もままならなくなってきた宗介の進級を気遣うかなめちゃん・・・
でも彼を気遣っているのはかなめちゃんだけではありません・・・
任務の合間を縫って試験勉強に励む宗介の上官であるテッサも一緒です・・・
かなめちゃんとテッサの違いは両極端に位置するお互いの立場・・・

テッサにとっては苦渋の判断・・・
どんなに脳内シミュレーションをしても自分が恐れる最悪の結果がついて回る・・・となると、簡単に発言なんて出来ません。
元々テッサは聡明なんです・・・例え立案したのが自分じゃなくても容認した時点で矛先が自分向くことも分かっていたと思います。
それでも・・・勇気ある彼女の英断には脱帽するしかありませんでした。

でも・・・テッサの判断は決して間違っているとは思いません。
何せ彼女の階級は大佐・・・多くの命を預かる身なのです。
きっと私もテッサの立場だったら同じ決断をすると思います。
だって宗介とアーバレストこそが現在の苦境を乗り越えられる唯一無二の存在なのですから・・・

それでも決して非情になりきれないテッサ・・・
相手の立場になって物事を考えることくらい朝飯前の事・・・
そして自身が孤独である事も彼女は分かっています。
だからこそテッサの瞳から堰を切ったように流れる涙と悲痛な叫びには、心底胸が痛みました。

この局面において胸を痛めたのはテッサだけではありません。
当事者であるかなめちゃんも・・・です。
これまで当たり前の様に隣にいた宗介がどれほど大きいモノなのかを身を持って知ることになるのですが・・・正直この展開はかなめちゃんが可哀想過ぎでした^^;

そして物語の終盤・・・直面した部隊の危機に対して大活躍したのは・・・やはりテッサでした。
「人間の本性は変えられない・・・」
「強くて優しいんです・・・」
テッサは最後まで信じる事を諦めませんでした。
部隊の危機・・・気になる方は是非本編でご確認下さい。

1クール13話の作品でしたが、かなめちゃんとテッサ・・・二人のヒロインのこれまでとは違う一面が見れた作品だったと思います。
そして完走して振り返ってみると・・・どちらも甲乙つけがたいほど魅力的だったと思います。
私にとって両者に対する好きの度合いが着実に高まりました^^

これで俄然新作アニメの情報が楽しみになってきました。
でもその前に「フルメタルパニック! わりとヒマな戦隊長の一日」を視聴しようと思います^^

投稿 : 2024/11/02
♥ : 26

64.7 4 任務でラノベ原作なアニメランキング4位
対魔導学園35試験小隊(TVアニメ動画)

2015年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (695)
4147人が棚に入れました
魔力を持つ人間が滅びようとしている世界ーー武力の頂点の座は剣から魔法、そして銃へと移り変わっていた。残存する魔力の脅威を取り締まる『異端査問間』の育成機関、通称『対魔導学園』に通う草薙タケルは、銃が全く使えず刀一本で戦う外れ者。そして、そんなタケルが率いる第35試験小隊は、またの名を『雑魚小隊』と呼ばれる、劣等生たちの寄せ集めだった。しかし、ある日、『魔女狩り』の資格を有する超エリートの拳銃使い・鳳桜花が入隊してくる。隊長であるタケルは、桜花たちと魔導遺産回収の任務に赴くのだが-ー。

声優・キャラクター
細谷佳正、上田麗奈、大久保瑠美、白石涼子、伊藤かな恵、野水伊織、遊佐浩二、山田奈都美、安済知佳、三木眞一郎、赤羽根健治、関根明良、津田健次郎、三咲麻里、三瓶由布子、小日向茜、中田譲治

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「トワイライト・エンチャント反転、フレキシブルマテリアル開放・・・私と宿主は最強ですから」

この作品の原作は未読ですが、ラノベ原作の異能バトルラブコメ・・・このジャンルを認識した時点で視聴は決定なのですが、主人公に細谷さん、ヒロインに白石さん、伊藤さん、野水さんと強力なキャストが視聴を後押ししてくれた作品です。

物語の舞台は魔女を取り締まる「異端審問官」の育成機関である「魔導学園」
戦いのスタイルが剣から銃に移り変わる中、主人公である草薙タケルは刀しか使えず、周りからは半端物扱いを受けてきました。
この学園では小隊と称するチームで動き、任務に応じたポイントが与えられる事になっているのですが、タケルが率いる35試験小隊は、他の小隊に入れない劣等生で構成されており、ポイントもままならない状況でした。
そんなある日、この35試験小隊に何故か超エリートである鳳桜花が入隊してくるんです。
そしてエリートと劣等小隊の初の任務に赴き・・・物語が動いていきます。

まず、主人公のタケルが格好良すぎです^^
彼は家族や仲間をとても大切にしています。
「それを守るためなら世界中を敵に回してでも俺は守る・・・守らせて欲しい・・・」
そう有言する彼はそれを全力で実行しようとするんです。

彼の扱う刀は決して最新の武器ではありません・・・
きっと異端審問官としてこの道を極めていく上でのハンデになるのかもしれません・・・
でも、彼の情熱と気迫が・・・そんな事を微塵も感じさせないんです。

そして彼は強いだけではありません・・・
「俺にも半分背負わせてくれ・・・」
これまで誰にも言えなかったトラウマ・・・怒りで狂いそうになった出来事・・・覚えていないことに対する不安・・・
物語の進展に伴い明らかになるメンバーの苦しみを決して一人で背負わせようとはしないんです。

今まで35試験小隊は、周りから落ちこぼれの吹き溜まりのように思われてきました。
でもそれは全てを曝け出せなかったから・・・意地でも自分の考えを曲げなかったから本当に折り合う事ができなかった・・・
一人・・・そしてまた一人と心の内を明らかにして皆んなが本当の意味で繋がった時・・・きっとこの小隊は最強の小隊になるんだと思います。
・・・と思わせる位、主人公のタケルは格好良かったですね^^
細谷さんの声質も主人公に合っていると思いました。

そして小隊は主人公と以下の4人で構成されています。
鳳 桜花(CV:上田麗奈さん)
西園寺 うさぎ(CV:大久保瑠美さん)
杉波 斑鳩(CV:白石涼子さん)
二階堂 マリ(CV:伊藤かな恵さん)
タケルとヒロインの距離・・・物語の回を重ねるごとに確実に縮まっていきます。
劣等生の集まりといえど皆さん可愛い子揃いである上、容姿端麗、ロリ巨乳、すげー巨乳にちっぱいとどこにもスキがありません^^;
タケル・・・全く羨ましい限りです^^;

でもタケルが羨ましいのはこれだけじゃないんです・・・
表向きはタケルの妹とされているラピス(CV:野水伊織さん)の存在が半端ありませんでした^^
彼女の特性上、ヒロインの様に常に登場する訳ではないのですが、作品の中でタケルが格好よく見えたのは間違いなくラピスの功績だと思います。
「トワイライト・エンチャント反転、フレキシブルマテリアル開放・・」
彼女のこの台詞を機に状況が一変します・・・ここから先は鳥肌モノの展開の連続です^^

オープニングテーマは、アフィリア・サーガさんの「Embrace Blade」
エンディングテーマは、いとうかなこさんの「Calling my Twilight」
いとうさんの曲、何て格好良いんでしょう・・・初めて耳にした時から完全にハマりました^^
今期のアニソンBEST10の上位に入る曲になると思います^^

1クール12話の作品でした。でも・・・伏線色々回収されていないですよね^^;
というか、謎を増やして終わったような・・・^^;
続編への布石なのでしょうか^^?
そうだと嬉しく思います♪

投稿 : 2024/11/02
♥ : 20

浩平 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

アスタリスクのような王道展開でもなく、キャバルリィのように目を見張る戦闘描写もないが、派手さは無いものの安定したつくりで個人的には最も心惹かれました

第1話を見た感想としては、面白いと思いました。
継続して視聴しようと思います。


第3話ではアクションたっぷりで面白かったです。
それにしてもラピスちゃん可愛いなぁ
ずっとあの低めのテンションでしゃべるのが、たまらない(*´ω`*)
そして有能感が溢れ出てる!

ところで、なんか想像してたのと違う方向にアニメが進み始めました。
予想外だけどかっこよかったです!!

そういえば、タケルはあんなに強いのに、なんで皆から馬鹿にされてる35小隊にいるんだろ??
その辺の事もいつか分かるのかな?

新キャラも出てきてますます展開が楽しみになってきました!!


第5話では長らく廃止されていた「魔女狩り祭」が復活!
祭りで使われる特殊貨幣が現金と交換可能と聞いたタケルは俄然、やる気を出し始める。現金には弱いわけね(笑)

お風呂からの流れはお約束だったけど、やはりああいう流れはニヤニヤが止まらりませんね(笑)

さりげなく「私というものがありながら!!」 とか言っちゃって完全に彼女気取りのマリちゃんも可愛らしい。

4話5話と尻上がりに楽しくなってきました。 掛け合いも相変わらず面白い。


第7話では、ハーレム展開が進む中、闇が深い感じの子の当番回となり見るのが楽しみでした。

戦績表を見て、作中ではかなり功績上げてるように見えるのにこいつらまだビリなのかとTVにツッコミを入れてしまいました。

『私が何をしていたか教えてやってもいいが、お前に真実を知る覚悟があるか?』
重要なシーンみたいなセリフですね。
『半分背負う宣言したくらいで、そこの奴らみたいに私が容易く落ちると思うなよ!』
容易く落ちたちょろいヒロインズが猛抗議です(笑)

さて、しばらく学校を休学すると言い残し、学校をあとにする。
居場所をつきとめるも、銃撃を食らってしまう。
うんうん、シリアスな展開になってまいりました。
そして、隠れ家へと急ぐ男と女が1人づつ・・・
このシナリオでまたヒロインが1人落ちるというわけですね、と思っていたら・・・!?
なんですと、このシーンでEDですと(笑)
次週どんな感じで始まるんだよ!!と、ツッコミをいれつつ、次週を楽しみに待っていようと思います。


さて、第9話ではヒロイン全員を攻略したところから始まります。

今回は、シリアス路線が続いた後のコメディ回でした(笑)
30分の中に短編2話という構成でした。

シリアスな戦闘も面白いけど、魔導遺産をめぐってドタバタするコメディ回もありですね。
ヒロイン全員攻略後のハーレム状態になってからの海回とか最高のタイミングです!

来週も期待です!ちなみに私はマリ派です。


第10話を視聴して、妹の様子が、いや・・・かなりおかしいんだが・・・

ハーレムに妹属性キャラが加わった!!
妹のために稼いでいると言っていたが、妹は拘束されている。魔女か何か?

最後の言葉には震えあがりました。
「ねぇ、お兄ちゃん。お願いがあるんだけどいいかな・・・」
「おう、なんでも言え。」
「せっかく皆が作ってくれた時間なんだ。今日はなんでもいう事を聞いてやる!」
「じゃあ・・・キセキを〇してくれないかな」

え、今なんて・・・

また続きが気になる引きで終わらせてくれました。
正にクライマックスと言ったところです。次回も期待が高まります。


第12話を視聴して、
兄の死という強烈なイメージに直面し、その力を暴走させる妹。
妹を殺さなければ、世界が危うい。
妹を救うために自分を犠牲にする兄。
世界のために妹を殺すのか・・・それとも・・・兄妹の運命は?

サブタイトル「限りなき願い」、妹死亡フラグびんびんです。


伏線を残しつつ、終わりを迎えましたがはたして2期はあるのでしょうか・・・?

投稿 : 2024/11/02
♥ : 17

紫煙の心 by斑鳩 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

設定や物語の作り込みが浅い

原作は未読なので、原作が悪いのかアニメのスタッフが悪いのか
いまいちわからないが、視聴していてわくわくすることも無く
平坦なシナリオ構成で物語が盛り上がらないとても残念な作品。

物語の骨格となる題材やキャラ設定はそんなに悪くないと思えるのだが
世界観や設定もどちらかと言えばス学園部活物にハーレム要素を継ぎ接ぎ
したような、あまりにもテンプレの枠にはめ込みすぎてシナリオ進行が
やっつけで雑に物語の創作をしたよう感じるのは私だけだろうか?

命を落としかねない戦闘や高度な潜入操作を行う異端審問官を養成する
養成機関なのに授業の内容が普通の学校のような授業内容だったり
そもそも35小隊じたいが正式な異端審問官に任官していない学生の身分で
指導員なしで第一線の捜査活動を行っている事に違和感がある
またチームで捜査や戦闘を行っているのにそんな事を微塵も感じさせない
ストーリー展開はある意味すごいな(笑)
それに命を落とす可能性があるバトル物なのに、まるで部活をしているような
シナリオなので物語に緊迫感が無いのは原作者の責任かな
中二病設定の異能力バトルファンタジーを否定するつもりは無いが、創作の
基礎部分が学校部活物の土台では、緊迫感がまったくなくなってしまい
とてもしょぼい物語になってしまっている。
まぁバトルや軍、警察に詳しくない作家が軽率に手を出して失敗をしてしまう
典型だろう

作画は、バトルアクション物なのにいまいち力が入っていない印象だな
戦闘を行う時は必ずと言って良いほど夜間に行っている、これは背景を
暗くして残像を残し動きを滑らかに見せるのと、背景を書く労力を
省くためだろう。まぁ手抜きだな
女の子のキャラデザはかわいくデザインされていて異論は無いが、バストを
無駄に強調した衣装デザインはいまいちだったかな
まぁ乳袋デザインを小ばかにした風潮に対するキャラデザのひとつの回答なの
だろうけど、ダン町の例の紐と良い今回はガンホルスターねえ(笑)
制服と良い、ラピスの衣装などは個人的に好きなだけにちょっと残念だな

声優陣の演技は全体的に不満は無かった、まぁ配役が良かったこともあるけど
音響監督が亀山俊樹さんなので、演技に波がある上田麗奈、大久保瑠美、
野水伊織あたりもきっちり仕上げてある
それに脇役に三木眞一郎さんや遊佐浩二さんなどベテランがきっちり締めて
いたのも良かった。

結論として
時間的制約もあったので第一話から1.5倍でまわしてしまったが、物語的に
面白くなる事もなかったので最後まで時短でまわしてしまったのは残念だな
個人的にはラブコメやそれに伴うハーレム展開などは嫌いではないし、物語の
着想や舞台設定自体はそんなに悪くはなかった。
ただ、創作の時点での設定や物語の作り込みが浅くて、ラノベ特有のどこかで
見たことあるような設定や創作になってしまっていることは否定できないだろう
アクションシーンの作画も手抜きかなと思えるシーンが多かっただけに残念だけど
一話目と二話目にあったラッキースケベ以外は露骨なローアングルなどの演出が
無かった事は評価したい。
原作が終了していないので伏線も撒くだけ撒いて何の回収もしないまま最終話まで
いってしまい続編を匂わせて終了しだけど果たして2期はあるのかな。
おそらく2期があっても視聴はしないだろうけど

投稿 : 2024/11/02
♥ : 20

66.2 5 任務でラノベ原作なアニメランキング5位
アサシンズプライド(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★★☆ 3.1 (272)
1166人が棚に入れました
マナという能力を持つ貴族が、人類を守る責務を負う世界。能力者の養成校に通う貴族でありながら、マナを持たない特異な少女メリダ=アンジェル。彼女の才能を見出すため、家庭教師としてクーファ=ヴァンピールが派遣される。『彼女に才なき場合、暗殺する』という任務を背負いー。能力が全ての社会、報われぬ努力を続けるメリダに、クーファは残酷な決断を下そうとするのだが…。「オレに命を預けてみませんか」暗殺者でもなく教師でもない暗殺教師の 矜持にかけて、少女の価値を世界に示せ!

声優・キャラクター
小野友樹、楠木ともり、石川由依、薮内満里奈、佐倉綾音、内田真礼、和氣あず未、鈴木達央、森川智之、徳井青空、瀬戸麻沙美
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

観終わった

3話までの感想{netabare}
原作未読。
メリダはマナの才能が無いけど、合わなかったら死ぬかもしれん薬でもって「あたかもあるかのように偽装して」、それがバレてはマズい、って話じゃないのん?
(更には与けられたマナには属性があるみたいで、それが違ってるのもバレてはマズいらしい)
なんか才能を目覚めさせたと解釈してる方が居て「え、そうなん?」と困惑、目覚めたんじゃなくて仮初めなんじゃないの?
と思ったら2話でちゃんと「分け与えた」と言ってるし、更には試合で尽きた描写まであるじゃない…あれー、自分なにか見落としてるかなぁ…。
尽きたと言った後に再びマナ使ってるので「仮初めだと思わせといて実は…」って展開かも知れないけど、それにしても内容の解釈が分かれるのはちと怖い(自分が間違ってるんじゃないか?という意味で)。
で、じゃあなんで主人公はそうしたかというと、普通に考えりゃ主人公自身も元はマナの才能が無かったとか、あったけど生まれ(家系)のせいで今の職にしか就けなかったとかで社会に不満を持ってるとか、そんなんじゃないのん?

と不思議に思いつつの3話。
ああ、どっちかというと“一人之下”の異人みたいな感じなのか、先天性と後天性がある、みたいな。
先天性であれば不倫の子ではないと証明できるけど、後天性では疑われる。
更に属性がパラディンでないと後天性(もしくは不実の子)なのは確実で、強引に書き換えようとウィリアムが仕掛けた、って感じか。
書き換えの技術、それと後天的にマナを授ける技術の存在がどれだけ周知されてるかが今後のカギになる…のか?
ランカンスロープって欄干のスロープとライカンスロープの駄洒落だと思ったら普通にライカンスロープ※のことなのね。
また主人公の名前がヴァンピールでまさかそんなハハハと思ったら普通にダンピールだった、ネタバレでもなんでもないだろこんなのw引っ張る意味が分からない。
ハッカ石って発火石?最初薄荷石だと思ったw
カウンターストップはここではどっちかというと自動ジャスガ(ジャストガード)的な意味だと思う、リミットブレイクはジャスガ無効、と(だいぼうぎょ貫通、みたいな)。
でもって獣人系に特効持ちじゃないとダメージを与えられない、と。

と、ここまでは設定の確認みたいなモン。
感想としては…女性キャラがみんな貧乳なのは素晴らしいのだけど、どうにもダイジェスト感が否めない。
2話で実は大技を鍛錬してたというのも「え、いつの間に?」と唐突だし、発想のベースに“ブラッククローバー”があるせいかも知れないけど「マナに頼らず肉体の鍛錬を積んでたからイザという時底力を発揮する」ということも無いみたいで「あれ?」って感じ。
3話なんてマナ無い時代の修行の成果を見せる恰好の機会だったと思うのだが…。
なにか放つ技も“閃乱カグラ東京ナントカ”みたいに雑だなーと思ってたら本当にセンランカグラ出やがったw(しかも2話の作監にごとうじゅんじの名前アリ)

また、1話にしたって、もしメリダが男キャラだったらクーファに会うまでは修行と「プレッシャー」によって生傷の絶えない姿だったんじゃないかな?
実際は膝小僧に傷一つ無いキレーなお人形さんみたいな身なりで違和感。
ぶっちゃけ全身青アザだらけで「こいつどんな虐待受けてるんだ?」と思わせた方のが、置かれた境遇の厳しさやクーファの心変わりにも説得力を持たせられたのでは?
ってかすぐに傷を治せるマナでもあって実はそれ持ちなんじゃね?と疑ったくらいで…紛らわしいっちゃあ紛らわしい。

一応メリダにはなにか秘めたる才覚があるみたいで、それをウィリアムは感じ取ったっぽいけど、それが何なのかが今後の話になるのかな?
単に後天性であろうともクーファの師事を受ければ脅威になりえるってことではなかろう…まさかねハハハ。
どれだけクライアントを欺き続けられるかが見所だとは思うのだけど、逆に切り込むようなことにはなる…のかね?
とりあえず貧乳素晴らしい。



ライカンスロープの語源は人狼(ワーウルフ)のみを指したのかも知れないけど、ゲームじゃあワーラットもワーバットもワーパンサーも、どれも「獣人系」とひとまとめでライカンスロープ呼び。
少なくとも初代wizの頃からそうで、今はもう狼男以外もライカンスロープでいいと思う(ヴァンパイア≒ワーバット)。
あれだ、“かつて神だった獣たちへ”に出てきたギシン兵、あれ全部ライカンスロープ。{/netabare}

6話までの感想{netabare}
まず5話まで。
原作未読でもアニメがすごいはしょってるのが分かる出来、そんなに急ぐ内容なのかなぁ?
エリーゼと対決だ、と思った次の瞬間にエリーゼが逃走してる体になってて戸惑う。
激しい戦いの末体が傷だらけで~って表現、なんだこの作品でもやるんじゃん、↑で書いた様に1話で主人公に出会う前からその表現しとくべきだったんんじゃないかなぁ?
マディアはFEのチェイニーみたいな能力持ちで、とはいっても下位クラスしかコピーできないそうで、これにより下位クラスは7種あることが判明、多いな。
目的はあくまでクライアントからの指示の完遂なだけなので肝心のクライアントを説得できれば手を引く、考えが分かり易いっちゃあ分かり易い。
一方のミュールは大会出場者偽装をしてたみたいで…こっちはどういう思惑だったのかは次回以降に続く~。

と思ったところで6話、箸休めみたいな回。
裏後夜祭が裏高野(孔雀王ネタ)祭に聞こえて仕方無いwもうちょっと横文字的な呼称は無かったん?
ミュールが妙に親し気で、出場者偽装はちょっとしたいたずら心で…ってワケじゃないよね?まるでそうだったかのよう。
スライム降ってサラシャへ嫉妬を燃やすネタ、前もって胸のことに触れてないと分かりにくくない?
最後「実は本当だったんだ」と思わせるような片鱗は見せて欲しかったかも?「じゃあ○○をやったのも先生だったんですね」「いやそれは知らん」「え」「え」みたいなの。

どうにも「カットされてるっぽい」と思わせる部分が多く、ゲームやアニメ慣れしてる人向けな気がする。{/netabare}

8話までの感想{netabare}
人死に出しまくりな人体実験やってて、首謀者クラスで教祖めいた振る舞いの役(レッドヘリングかも知れんけど)がホーチューって…ああもう、“フェアリーゴーン”と被っちゃったよw
ホーチューも「またこんな役か」と苦笑いしてそう。
なーんてことを思ってたらロゼッティが片目に炎灯してワイルドブラスト(ゾイドワイルドネタ)しちゃったよw
赤尾でこ繋がりかよwww
もし原作からこうだったとしたら赤尾でこも苦笑いしてそう。{/netabare}

9話感想{netabare}
え、自分がヴァンパイアの眷属であるという記憶を封じれば吸血衝動が抑えられるって?

自覚しなくても本能で発生するものじゃないのか?衝動って。
いわゆる小脳や脳幹の領分で、記憶を司る大脳とは全然別モノだと思うのだが。
むしろ抑えるための記憶を取り払っちゃアカン気が…それこそ無意識に・寝てる間とかに人を襲いそうじゃね?
まるで「性教育をしなければ性欲は発生しない」と言ってるみたいで、この発想は承服しかねる。
というか「記憶や意思とは別の抑えられないナニかが内から沸き出る」ってネタはアニメではよくあるじゃん?
それをこんな手段で回避しちゃうのはどうなんかなぁ…。{/netabare}

最終回までの感想{netabare}
肝心の第一話、暗殺者として登場した主人公のクーファは、ターゲットのメリダを見て“どういうワケか心変わりをして先生を買って出る”。
そこで私が抱いた解釈としては、クーファ一人では実現不可能で諦めてた「何か」があって、メリダにそれを叶える「何か」を見出して師事することにした──だと思ったんだよねー。
ってことでその「何か」が明かされるんじゃない?という好意的解釈の元ダラダラと見続けたのだけど、無いのかい!w
明かされる明かされない以前にあるのかどうかも不明…最終回でもかすかに触れたけど結局1話の段階で匂わせた「高尚な精神に心打たれた」ってことみたい。
うーん、だったらもうちょっと見せ方があったんじゃないかなぁ?
これじゃあ早い段階で「なんで暗殺を取りやめたのか理解できない」として視聴切った方の見込みが正しかったということに。
私が勝手に好意的解釈しただけだし最後まで見て後悔したとは言わないけど、こういうのやられちゃうと「1話の段階で1から10まで説明してないとダメ」って気運が蔓延しそうでなんかヤダ。
アニメスタッフも自分の首を絞めることにならない?

そして途中も何か話の流れに違和感を覚えて。
それもそもハズ、どうやらアニメは原作とは巻数の順番が入れ替わってるんだそうな。
本来は裏後夜祭の話はもっと後なんだって。
その前のエピでミューラが「ふふふ、マナ種別判定装置にメリダのデータ取りできましたわ」って終わり方だったのに、次の登場でマブダチめいた展開になってておかしいと思ったよ。
順番通りにやるとクライマックスを最終回に持って来れないので入れ替えたのだろうけど、もうちょっと辻褄合わせをしようよ…。

そして最終回は作画が…うぎゃああ。
全体的に作画はアレだったけど最終回はホントにもう…落とさないだけマシだったと考えるべきなのか?
なんか最近自分の評価基準がグラつく出来事が多いのだけど、もうどうなってるんだ…。

とツッコミばかりではあれだし良かった点。
作品によっては「戦闘力の高さ=政治的地位の高さ」の設定に全く説得力が無くて参っちゃうのがあるけど、こちらはしっかりと納得のできる設定でした。
ランカンスロープを倒せることが貴族の証、ほうほうナルホド。
じゃあメリダパパは化け物みたいに強いんじゃないか?と睨んでて、クーファと一戦交えるかな?と期待もしたけど残念ながらそれは無し、まぁ仕方ない。
最終回メリダが人を避難させる際、それまで散々嫌がらせをしてた人間も分け隔てることなく避難させてました。
「人間を守る」というヒーロー物なら入れて当然の描写なのだけど、これもやらない作品が目立ってのう…こういう描写はちゃんとやるんだなぁ。
そしてこれ重要、一人を除いて女性キャラはみんな貧乳wハヤテのことくかな?

ということで総評としては、原作未読だけどひょっとしたら原作はマトモなんじゃね?と思わせるような内容でした。
悪い部分がことごとくアニメスタッフのせいじゃんって感じで…実際どうなのかは読んでみないことにはハッキリしませんが、なんか原作者可愛そう…。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 13
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

アニメでも楽しい寄せ鍋パーティーが実現するかどうか→超高速しゃぶしゃぶパーティーでしたw

貴族が“マナ”で戦う責務を負った、人類最後の都市国家“フランドール”にて、
マナが発現せず“無能才女”と蔑まれた少女が、新任の男性家庭教師と共に逆境に立ち向かう、
同名ライトノベル(11巻+短編集1巻まで購読済)のアニメ化作品。


【物語 3.0点】
飛ばし気味。単純に原作3巻分で1クールを消化、
ヒロイン1年生編完結なら、まだ妥当なペースだったが、
中盤以降に短編集のエピソードやヒロイン2年生時の5巻の内容までねじ込みハイペース化。
概ね要点は抑えるも、じっくり物語やテーマを咀嚼したい方にとっては粗く映る懸念。


【作画 2.5点】
作画カロリー不足(特に中盤以降)
シナリオ高速化により多彩となったロケーション、シーンへ対応し切るには兵力不足。

特に残念だったのは最終話の“裁判”のシーン。
{netabare} あの場面はメリダが自身を“無能才女”と蔑む風評に決然と立ち向かう重要な場面。
作画も一丸となって盛り上げるべきクライマックスだったのですが人物、背景共に低調……。{/netabare}

一方で、闇に覆われた世界にシャンデリアのように灯った都市国家
という世界観の再現映像は、原作既読組が見ても新鮮な背景作画。
スタッフの作品愛は確かにある。ただ、愛はあっても、兵力がなくては……。


【声優 4.0点】
奮戦。説明不足のまま感情を振り切ってシナリオを打開する
声優頼みの無茶振りも相当あったが、
ヒロイン・メリダ役の楠木 ともりさんを始めとしたキャスト陣が折れずに熱演。
声優陣にも漲った作品愛により、茶番転落のピンチ脱出を幾度も演出。


【音楽 3.5点】
劇伴はクリエイター集団・MONACAが引き出しの多さを生かし様々なシーンにそつなく対応。
OPはRun Girls, Run!「Share the light」がミステリアスに、
EDはヒロイン・メリダのキャラソン「異人たちの時間」がバラードでシットリと、
どこか寂れた作品世界を表現。

クセのあるOP曲を歌い上げたランガの3人は、
声優アイドルとしてだけでなくアーティストとしても今後、注目していきたい存在です。


【キャラ 3.5点】
正真正銘の“無能才女”から健気に努力を積み重ねるヒロイン・メリダと
彼女を教え守る“暗殺教師”
“三大騎士公爵家令嬢”のJCヒロインズを始めとした顔ぶれのビジュアル再現は華麗。
ただ、やはり高速シナリオにより個々の掘り下げは不十分。

サブキャラに至っては、生徒会長や学院長など見せ場が削られた面々も多数おり、
原作既読組にとっては歯がゆい内容。


【感想】
これ……果たして原作未読組の方は付いて来られたのでしょうか?
とにかくハイペース&乱ペースに目が回ったアニメ化作品でした。

それでも、月並みですが追い掛けてきたラノベ作品のキャラが
アニメで躍動する姿は観ていてやっぱり嬉しかったです♪
(やっぱりJCは良い物ですね♪はいw)


原作既読の私にとって、改めて考えさせられた場面は、メリダとミュールとの関係。

ミュール=ラ・モールについてはアニメ放送期間中に刊行された
原作11巻にて重大な事実が判明していて……
(※かなり核心的なネタバレなので見ても構わない方だけ開いて下さい)
{netabare} ミュールはラ=モール家の本当の娘ではなく、“古代人”の血を受け継ぐ存在。
魔騎士(ディアボロス)の上位位階(クラス)も
義母アルメディア=ラ・モールからの移植により継承された物。
即ちマナに関してはメリダと似た境遇にある。{/netabare}

それを踏まえた上で、
ミュールは“無能才女”に何故、興味を引かれたのか?
という視点で二人のやり取りを再見すると、また違った味わいがありました。


また、これは原作未読の方も薄々感じておられるでしょうが、
本作の世界は、太古の昔、科学が魔法を解析、コントロールし、
“十分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない”レベルにまで高度化した古代文明が、
遺産を残して崩壊したのか、それともなにがしかの実験世界を作ったのか。

世界の真相にSFを感じる面が多々あり、
その解明が原作メインストーリーの牽引力にもなっていて、
現状解禁された情報を元にアニメで初期を振り返り考察するのも、私にとっては一興でした。


アニメは余程のことがない限り1期で終わりでしょうが、
私はこの世界が暴かれるまで、引き続き原作者の掌の上で踊らされようと思います♪




以下、放送前の勇み足長文。長いので折りたたみw
{netabare}
あらすじ

{netabare} 青い空に太陽と月が存在していた時代は、今や遠い昔の話……。

世界は《夜会》と呼ばれる生物を蝕み、
《ランカンスロープ》と呼ばれる化け物に変える闇に覆われていた。
最後に残った人類は夜に輝くシャンデリアをひっくり返したような世界《フランドール》
街を収めた《キャンベル》と言う巨大なガラス容器群の中で、
《太陽の血(ネクタル)》を灯して辛うじて生き長らえていた。

物理攻撃が通じない《夜会》の《ランカンスロープ》を倒せる唯一の力《マナ》
《マナ》を宿した《貴族階級》は人類を守るため戦う責務を負っていた。

その中でも《上位位階》の《マナ》を継承する《三大騎士公爵家》に生まれた
《聖フリーデスウィーデ女学院》一年のメリダ=アンジェルは
未だ《マナ》を発現できず、級友からも《無能才女》と蔑まれていた。

彼女の元に家庭教師として派遣されたクーファ・ヴァンピールは、
メリダの育成と同時に、彼女に才能なしと判断した場合は、始末されるよう依頼されていた暗殺者。
いつもの汚れ仕事。淡々と任務をこなそうとするクーファだったが、
メリダの健気な姿に徐々に心を動かされて行き……。

《暗殺教師》と《無能才女》……禁断と秘密に塗れた運命を生き抜くための、
二人のレッスンが今、始まる……。{/netabare}


深夜アニメで斬新さを求める方には、あまりオススメできない作品になるのでしょうか?

定番の剣と魔法、養成学校という舞台設定に加え、
壁に囲まれた人類の風前の灯って、もう何個目なのか?
ラノベで黒衣の最強剣士の主人公って、もう何体目なのか?
尊氏が金髪ヒロインに飛び付くのは、もう何回目なのかw

といった感じで、見知った設定でごった返していますし、

他に私が気に入っている設定は、
このファンタジー風世界は蒸気機関に列車と結構、文明レベルが高く、
ついでにマスメディアも近代並に発達。
敵は《夜会》の化け物だけじゃない。
むしろヒロインの出自等のスキャンダルを嗅ぎ回る
人類のマスコミも厄介な存在。

といった部分ですが、主人公、ヒロインがゴシップにも立ち向かうファンタジーも
本作が初見でもありませんし……。

決め台詞にしたかったと思われる“暗殺者の慈悲(アサシンズプライド)だ”
も歴代ラノベの名台詞に比べれば、決定力は今ひとつな印象……。


では何故、私がここまで原作にのめり込んでいるのかと言うと、
送り手の作者が執筆を楽しみ、受け手の読者も物語を楽しむ。
と言う創作活動の原点を私が感じているから。

原作者の天城ケイさんは本作で富士見書房ファンタジア大賞を獲って
作家デビューして本シリーズを書き続けておられるわけですが、
本作からは、自分が作家デビューしたら、こういう設定や展開を描いて
読者に披露してみたかったんだ。
こうした迸る創作の喜びが、本文やあとがきから伝わってきて、
読んでいて私もとても嬉しくなるのです。
(実際には裏では締め切りに追われたりして修羅場なのかもしれませんがw)

展開を投げ込むテンポも、
バトル入りました~♪萌え入りま~す♪イケメン入りま~す♪
微百合入りま~す♪ラッキースケベ入りま~す♪
って感じで実に軽妙な“鍋奉行”ぶり♪
天城さんは本作完結したら、《太陽の血(ネクタル)》もネタも
全て枯渇してしまうのではないか?
って位、どんどん投げ込んできてキモチイイです。


テンポと言えば、作品内時間が流れる速度もラノベ学園物としてはハイペース。
10巻にして既に三年目に突入しています。

そして、メリダちゃんたちヒロインズはラノベに多い女子高生相当ではなく、
中等部相当の一年生。中学生、JCですよ!(←おっと……コーフンを抑えないとw)

暗殺者として灰色の青春を送ってきたクーファくんも、
最初はメリダに誘惑?されても、子供のお遊びと能面でスルーできますが、
どんどん流れる月日、彼女がレディーに育っていく中で、
色気を交し続けられるかどうかも秘かな見所です。


この秋からのアニメ化。
制作のEMTスクエアードも、それほど元請け経験が豊富でもないのでしょうか。

私としては、出来れば分割でも良いから2クールで、
4巻以降、学院外の様々なロケーションを盛り込んで来るのを映像としては観たいのですが、
この陣容だと、1クールで、比較的、舞台が学院内に限られる3巻程度まで、
無事にアニメ化できれば御の字なのでしょうね。

それでも、ヒロインズの色々な衣装やら格好やらも含めて、
どんどん投入してくる“鍋奉行”は、宴の序盤でも具材が多彩で、
作画要求も決して低くはなく、楽しい“寄せ鍋”パーティーが、
近ごろ多発しているらしい、ラノベ原作アニメの作画崩壊と言う
“闇鍋”狂宴に転落するリスクは常にあると思われますw


私が本作のアニメ化で期待することは
アニメスタッフの方々にも物語を作り伝える
楽しさの原点を忘れず制作して欲しいということ。

私もいち視聴者の分際で、プロを相手に生意気が過ぎますが、
本作に関しては、楽しみにしていた同人誌の新刊でも読むような心境で、
物語のキャッチボールを楽しむ初心を大事にして、
温かく見守って行きたいと思っています。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 31

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

少女の価値を世界に示せ

この作品の原作は未読ですが、楠木ともりさん、石川由依さん、あやねるが出演されると知り視聴を決めた作品です。
キャラデザと物語の設定が好みだったので、毎週の視聴を楽しみにしていた作品です。


マナという能力を持つ貴族が、人類を守る責務を負う世界。
能力者の養成校に通う貴族でありながら、マナを持たない特異な少女メリダ=アンジェル。
彼女の才能を見い出すため、家庭教師としてクーファ=ヴァンピールが派遣される。
『彼女に才なき場合、暗殺する』という任務を背負い--。
能力が全ての社会、報われぬ努力を続けるメリダに、
クーファは残酷な決断を下そうとするのだが……。
「オレに命を預けてみませんか」暗殺者でもなく教師でもない暗殺教師の
矜持(プライド)にかけて、少女の価値を世界に示せ!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

メリダ=アンジェルはよく耐えていたと思います。
周りは同じ貴族でありながらマナ能力者ばかり…
というか、マナに目覚めていないのはメリダだけ…
そして彼女に付けられた二つ名は「無能才女」

言い換えると、養成校の誰より自分が劣っていることを自覚し続けなければいけない、ということです。
これがどれだけ辛いか…

アンジェル家は聖騎士の階位を継承する伯爵家で、メリダはそこの令嬢なんです。
だから爵位で言えば、そこら辺の貴族よりずっと高いんです。
でもメリダは家の爵位なんかより、喉から手が出るほどマナ能力が欲しかったと思います。
「マナさえあれば…」
きっと何度もこんな台詞を胸に秘めながら下唇を噛んでいたことでしょう。

ところが、偶然か必然か…メリダはマナを手に入れることができたんです。
これがどれだけ嬉しいことか…
ですが、メリダの位階は聖騎士では無かったんです。
これは後にもめるネタにも発展するのですが、メリダにとってはきっと位階なんて些細なことだったことでしょう。
何せこれまでずっと焦がれてきたマナを手にすることができたのですから…
正に世界が変わったと言っても過言では無かったでしょう。

でも、本当に大変だったのは、寧ろここからだったと思います。
マナ能力者は人類を守る責務があるのですが、メリダの周囲で誘拐や襲撃などの事件が次々と勃発するんです。

確かにメリダはマナに目覚めました。
ですが、目覚めたばかりでマナ能力者としての実力が伴う訳ではありません。
何よりメリダはまだ13歳の女の子なんです。
彼女自身は気丈で努力家ですが、一朝一夕で身に付く技術ではないんです。

wikiに位階に関する説明文があったので以下に転載します。
位階とはマナ能力者の持つ特性を11種類に分類したものだそうです。
これで、物語の中ではあまり位階に関する説明がありませんでしたが、下記の説明文を見ると物語の言動で不明だった点も理解できた様に思います。


下級位階

侍(サムライ)
攻撃:B 防御:C 敏捷:A 特殊:中距離攻撃C 攻撃支援:C 防御支援:-
敏捷性に長けた暗殺位階。適正武器は刀。外へ発せられる自分の知覚情報を削減する「隠密」と、自分の知覚能力を拡張する「心眼」によって敵を死角から葬り去る。
また、マナの収斂による中距離戦にも若干の適性がある。その反面、防御性能には期待できない。

舞巫女(メイデン)
攻撃:C 防御:C 敏捷:B 特殊:中距離攻撃A 攻撃支援:C(B) 防御支援:C(B)
マナそのものを具現化して戦うことに長けた位階。適正武器はチャクラム。
ミドルレンジからの多彩な立ち回りは見た目にも麗しく戦場に華を添える。

闘士(グラディエイター)
攻撃:A 防御:A 敏捷:C 特殊:- 攻撃支援:- 防御支援:-
抜きん出た攻撃性能と防御性能で敵を圧倒する位階。適正武器はメイス。

神官(クレリック)
攻撃:D 防御:D 敏捷:D 特殊:- 攻撃支援:- 防御支援:A
味方に己のマナを分け与える後衛位階。適正武器は杖。

魔術師(ワイザード)
攻撃:D 防御:D 敏捷:D 特殊:遠距離攻撃B 攻撃支援:A 防御支援:-
高い攻撃支援で味方をサポートする後衛位階。適正武器は長杖。

剣士(フェンサー)
攻撃:C 防御:A 敏捷:B 特殊:- 攻撃支援:- 防御支援:B
高い防御性能と支援能力を誇る盾の位階。適正武器は剣。

銃士(ガンナー)
攻撃:C 防御:C 敏捷:C 特殊:遠距離攻撃A 攻撃支援:B 防御支援:-
様々な銃器にマナを込めて戦う狙撃手の位階。適正武器は銃。

道化師(クラウン)
攻撃:B 防御:B 敏捷:B 特殊:中/遠距離攻撃C 攻撃支援:C 防御支援:C
他の下級位階の異能を模倣する特殊な位階。あらゆる強化適性が平均を下回る代わりに複数の異能が使えるが、同じだけ修行した正規位階には及ばず、複数の能力を伸ばそうとすれば他人の2~3倍の寿命が必要なため、よく言えば臨機応変、悪く言えば器用貧乏といった扱いをされがち。


上級位階
三大騎士公爵家が受け継ぐ非常に強力な3つの位階。上級階位の血には不可侵の優位性があり、下級階位どころかマナを持たない平民の血と混ざっても生まれてくる子供は上級階位を宿しているとされている。

聖騎士(パラディン)
攻撃:A 防御:S 敏捷:A 特殊:- 攻撃支援:B 防御支援:S
アンジェル騎士公爵家が受け継ぐ位階。適正武器は長剣。優れた防御性能に失った体力とマナを回復する「祝福」によって継戦能力が高い。

竜騎士(ドラグーン)
攻撃:A 防御:B 敏捷:S 特殊:対地攻撃S 攻撃支援:A 防御支援:-
シクザール騎士公爵家が受け継ぐ位階。適正武器は槍。恐るべき跳躍力と対空能力を発揮する「飛翔」による空中での高機動と、その速度と慣性を活かした強力な一撃を繰り出すことを得意とする。
全位階中最速を誇る反面、マナの消費が激しく燃費が悪いため、継戦能力は低い。

魔騎士(ディアボロス)
攻撃:S 防御:A 敏捷:B 特殊:- 攻撃支援:- 防御支援:-
ラ・モール騎士公爵家が受け継ぐ位階。適正武器は大剣。敵のマナを吸収し攻撃力に転化する能力による正面戦闘では無類の強さを発揮する。


オープニングテーマは、Run Girls, Run!による「Share the light」
エンディングテーマは、メリダ=アンジェルによる「異人たちの時間」
オープニングは今期の中でもお気に入りの1曲です。
エンディングはアニメの90秒だけじゃなく、フルサイズで聴くことをお勧めします。
エンディングも結構格好良いんですよ。

1クール全12話の物語でした。
メリダは、両親から生まれた実子であることを証明すると言っていました。
きっと、これからも様々な出来事があると思いますが、是非本懐を遂げて欲しいと思います。
それと気になるのは続編の行方です。
物語は思い切り途中で終わりましたから、続編が制作されると嬉しいです。
原作のストックも残っているようなので…

投稿 : 2024/11/02
♥ : 18

66.6 6 任務でラノベ原作なアニメランキング6位
キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.2 (293)
1028人が棚に入れました
科学技術が高度に発達した機械仕掛けの理想郷「帝国」。超常の力を駆使し、“魔女の国"と恐れられる「ネビュリス皇庁」。百年にわたる戦争を続けてきた両国には、二人の英雄がいた。最年少にして帝国の最高戦力となったイスカ。ネビュリス皇庁の王女にして“氷禍の魔女"の異名を持つアリスリーゼ。戦場でめぐり逢った二人は、命を賭して戦う宿敵となった。国を、家族を、仲間を守るため、決して譲れない矜持と矜持をぶつけ合う。しかし、激闘の中で互いの素顔に触れた二人は、その生き方に、その理想に惹かれてしまう。ともに歩むことはできず、残酷な運命に翻弄されるとわかっていても。……そんな二人を嘲笑うかのように、世界の緊張はなおも高まり、大国の謀略が交錯しようとしていた。分断された世界、それでも少年と少女は想いを募らせていく―― 。

声優・キャラクター
小林裕介、雨宮天、石原夏織、白城なお、土岐隼一、花守ゆみり、和氣あず未、久川綾、笠間淳
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

今観てる

2話までの感想{netabare}
2話まで見て…あれ?なにか忘れ物してるような…。
主人公イスカは捕虜を逃がした罪で「使徒聖」からの降格&懲役を食らってたが、敵につええヤツ(アリス)が居るのでそいつの討伐と引き換えに釈放された…って設定だよね?
完全に自由の身というよりは仮釈放というか、ターゲットのアリスを倒せなかったらor命令に背いたら牢屋に戻されるって立場じゃないのか、監視居ないの?
ロミジュリ展開をするにしても、思想警察とか懲罰部隊とか、そういう奴らの目をいかに欺くかが見所に…なるんじゃないのか。
なんか…自由過ぎ。
それこそ爆弾付きの首輪をハメられててもいい位だと思うのだが…。
囚人のイスカよりもアリスの方がメイドに監視されて息苦しい感じがするのがこれまた不思議。

チームの扱いも謎。
アリスの討伐はまだ叶ってないのに2話で「次の任務」とか言い出して…あれ?任務は継続中じゃないの?
アリス討伐を目的に再結成されたんじゃないのか。
まるでイスカが投獄中もチームは存続してて、任務をこなしてて、釈放後そこに編入したみたいなノリだけど…あれ?
と思ったら2話最後に上層部がイスカへの任務内容を、使途聖への昇格と引き換えにアリスを拘束することに変更して…懲役免除の話はどうなったん?
これは1話で引き分けに終わったことを評価したってこと?
と思って1話を見返したら仲間との会話でイスカは「どうもボクが釈放された理由が、その精霊使い(アリス)を捕まえるためらしくて」と言ってて、あれ?
いや、この段階での指令は「討伐」でしょ、でないと2話の最後が意味不明なものになってしまう。
あれ?
いつか裏切ることになる予定で、上層部の言うことは話半分にしか聞いてないってことを表現してる…のか?

まぁ今後ここら辺の違和感を解消させる展開があることを期待したいトコロだけど、戦争言ってる割に緊張感の薄さが半端ない。
そうそう、それとイスカがどうして「戦争を終わらせる」という思想に目覚めたのかもちゃんと描写あるよね?ね?
一応、昔実はアリスと出会ってたみたいなシーンがあったので、そこら辺が理由かな~とは思うけど。{/netabare}

3話感想{netabare}
わーお、2話までの感想でやや批判的な感想書いたけど、ちょっと評価変わったかも?
3話、2話で「復活するかも?」と匂わせてたラスボス的存在(アリスの先祖の双子の姉)がいきなり登場していきなり退場w
ノリとしては、もしこの作品が一年枠だったら早くても1クールかけるような内容を一気に片付けた感じ。
ぶっちゃけここまでの話を1クールやって「はい、アニメはここまで。続きは原作で」とやってもバチは当たらんような…それくらい急展開。

いい最終回だった

原作知らんけどめっちゃ内容詰め詰め?
「ここまでの展開をこんなに急ぎ足で処理したのは、この先見せたいモノがあるからだ」というのであるなら「2話までの感想」で指摘したようなことがおざなりでも…まぁ仕方ないかなぁ、と。
あくまで今後面白いって前提ですが。
逆に、こんな感じでダイジェスト調な話が続くようであるなら…疲れちゃうかなw、こっちが。{/netabare}

6話までの感想{netabare}
なんか大事なことを忘れたまんま話が進んでる様な…?
3話で始祖が破れ、祭壇?から始祖が消えたことで女王様大パニックなのでは?と思ったのだが、女王が全然登場しない。
2話であった祭壇に祀られてた始祖と3話で出たのは別個体?(双子らしいし)と思おうにも、アリスに全く気にかける素振りが無いのはどうなんだろう。
また3話の中立都市でのドンパチの顛末も、「100年前の価値観(中立都市がまだ存在してない?)のまま暴れようとしたヤバい奴を止めた」として感謝されるのか、「中立都市で何やってんだ」と怒られるのかどっちだろう?と思ったら、どっちつかずの中途半端な扱い。
ミスミスの書いた報告書とやらもどこまで書かれてるのか分からない。

まぁそれを言ったら1話でイスカが逃がした捕虜、牢から出しただけなのでその後本国まで逃げられたのかすぐに捕まって連れ戻されたのかすら分からない。
あの子はその後どうなった?を気にしないイスカもどうなんだろう(公式サイトのキャラ紹介は見なかったこととする)。
また、皇庁側(アリスの耳)に史上最年少の使途聖であるイスカの情報や、それが帝国で魔女の逃亡を手伝ったというニュースが3話まで伝わってなかったことも不思議で…。
だけどこれは、皇庁が3家に分かれてそれぞれ牽制し合ってるそうなので、他の家が把握しつつも伝わらないように秘匿してた?と思えば納得…できなくもないかな?
こんな感じで後から納得できなくもない設定が明かされるのかな?と思って様子見してる部分も多いのだけど…それにしてもやっぱり、う~ん?って部分が。

4話、ボルテックスの説明が一応はされるのだけど、その説明が不親切というか言葉のチョイスが変。
リシャの説明で個人的には「マグマの噴出口みたいなものかな?」と漠然と解釈したら、その後ネームレスが確保するとか消滅させるとか、まるでトランクに詰めて持ち運びできる物質のような口ぶり。
極めつけは5話、それまで帝国に何年もスパイとして潜伏してたハズのシャノロッテが、どうでもいい、ホントど~~~~でもいいことで正体をバラす。
そもそもはボルテックスに近付く帝国の隊を、友軍のフリして後ろからコロコロするのが任務だったんじゃないの?「帝国の3隊が行方不明」「ネビュリスにやられたんだったら交戦の跡が無いのが変」って前の回で言ってたじゃん?
帝国の兵士を拉致するのが目的ならよりにもよって使途聖イスカの居る隊から拉致せんでも最初の3隊からでいいし、ミスミスがなにか特別な存在で最初から狙ってたとするなら作戦が大雑把すぎる、もっと計画練る時間はあったハズ。
可能な限りスパイを継続できるよう努めるモノじゃない?スパイであることを明かしてまでやる必要のある作戦だとはとても思えない。
せめてネームレスに勘付かれ始めてそろそろ潮時だと思ってたというシーンが一瞬でもあればなぁ…。
なによりスパイで長いこと潜入しといてネームレスの戦闘力を把握してなかったっぽいのが不思議で不思議で。
とりあえず「ミスミスはなにか特別な存在なんだろう」と解釈しようとしたら、6話でミスミス放っといてイスカを拉致する話になっちゃって…そっちかよw
あーでもこれも、ルゥ家が知らないだけでゾア家はなにか掴んでるってこと…なのか?そうなのか?

なんかこう、必要な情報がすっぽ抜けてるのかワザと伏せてるのか判断がつかない。
今後伏せてる部分を明かしてく展開になるのだったらいいのだけど…どうなんかなー?
マスク卿にしたって、ミスミスが100人に一人の逸材だと知っててボルテックスに落としたのか、逃亡用の囮として落としただけでそんなことは全く知らないただの偶然だったのか、これだけでも今後の印象が全然違ってくる。
が、なーんか中途半端になあなあで話が進みそうな予感…。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

「あるいは」という接続詞は合っているのだろうか?

[文量→中盛り・内容→雑談系]

【総括】
ジャンルはファンタジー。バトル。

ラノベらしいラノベっていう作風。科学サイドと魔法サイドに分かれた、少年と少女。2人の特出した力が、やがて世界を革新していく! みたいな。もう大体、どんなアニメか分かったでしょうか?(笑)

レビューでは、このアニメを観ていて、言葉遣いの点で気になったことをいくつか。半分、文法の話です(笑)

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
レビュータイトルの件ですが、結論としては、「『あるいは』で合っている」が、「分かりにくい(誤解を招く)」というところですね。

「あるいは」は、「選択の接続詞」。つまり、「最後の戦場」か「世界が始まる聖戦」の一方だけが解であるということ。

私は、このアニメで言いたかったのは、「君と僕でこの戦争を終わらせよう」「そして、2人で新たな世界を作っていこう」ということなんじゃないかと思っていました。

だから、このアニメの中身的には、「さらに」とか「そして」という、「添加の接続詞」の方が適切な気がしていました。つまり、

『キミと僕の最後の戦場、そして世界が始まる聖戦』

「最後の戦場」であり「世界が始まる聖戦」でもあるという感じ。これの方がぴったりじゃないかと。

ところが、最終話にして自らの初歩的な勘違いに気付いて愕然。

アリス「私は、あなたと共闘したいんじゃなくて、決着をつけたいの!(的な発言)」

、、、「え? この二人(イスカとアリス)って、今まで対立していたつもりだったんだ、、、。」

つまり、私は、「君と僕の最後の戦場」を「君と僕(とが一緒に戦に戦う)の(が)最後」だと思っていたけど、「君と僕と(が争う)の(が)最後」だと、作者は描いていたことに気付いたんです。

つまり、格助詞「と」の用法として、「並立(海と空が青い)」「対象(佐藤さんと言い争う)」「異同(彼と私は違う人間だ)」「引用(元気ですかと手紙に書いてある)」などがありますが、私は、「並立」の「と」だと思っていましたが、「対象」の「と」だったわけですね、作者的には。

であれば、「君と僕は最後に争うのか」あるいは(それとも)「世界を始める聖戦を共に始めるのか」という選択の接続詞としての「あるいは」が成り立つので、一応筋は通ります。

では、なぜ私がこのような勘違いをしたのかというと、

「え? お前ら(イスカとアリス)戦う気ないやん。ベタ惚れやん。絶対に最後は協力するやん。新世界の王と王妃になるやん。ラブコメやん。」

と、最初から思っていたから。勘違いしていた私が悪いのですが、だったら、「イスカとアリスがガチで殺し合う未来の可能性も提示しといてほしいわ~。いけずやな~」と思ってしまう(苦笑)

そんな不信感からか、文学部的にどうも細かいことが気になった。例えば、10話であったアリス達の会話。

「単調で眠くなっちゃう、刺激が欲しいわ」
「刺激という名のスリルなら、先日、十二分に味わっていたじゃありませんか」

って会話、変じゃない? 正しくは、

「スリルという名の刺激なら、先日、十二分に味わっていたじゃありませんか」

だと思うけど。こういうとこ、文章扱うプロとして、どうなの?(原作者かアニメの脚本家かはわかりませんが)

まあ、そんなの別にどっちだっていいんだけど、小説
原作だけに言葉遣いが気になってしまって。アニメの内容に集中できませんでした。

中身としては、「いかにもラノベ」って感じで、懐かしさを感じた。安っぽいし痛い、使い古された台詞や展開のオンパレードだけど、そこまでの不快さはない。7話なんかそうだけど、ラブコメがそこそこ楽しいのと、最近こういう作品が少なくなってきたからかな。

とりあえず、銃がある世界で、剣で最強になるなら、弾丸より速く動けないとね~、最低でも(ちなみに、レーザーを視認して避けるのは物理的に不可能だそうです。レーザー、つまり光を視認している、目に届いているということは、同時に、眼球がレーザーで焼かれている瞬間だから)。

2期あったら、一応観るかなという感じです。学園ラブコメになっても良いですけどね、正直(笑)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
科学VS魔術の構造? THE ラノベって感じだな。

2話目 ☆3
めっちゃいちゃついてるな(笑)

3話目 ☆


4話目 ☆3
敵も味方もキャラが増えてきたね。どちらも一枚岩ではない。

5話目 ☆3
裏切り。なんかバトルが色々? ヴォルテックス、落ちても転移するだけ?

6話目 ☆3
ミスマス隊長の魔女化か。

7話目 ☆4
幸せな捕虜生活(笑)  アリスのぽんこつっぷりが(笑)

8話目 ☆3
サリンジャーね。なぜ、銃をもっているのに、突撃?(笑) オーレルガンとか、ネーミングがいちいち(笑)

9話目 ☆3
ポップじゃん(笑) なんだよ、公認のライバルて(笑)

10話目 ☆2
すげぇ細かいけど、「単調で眠くなっちゃう、刺激が欲しいわ」「刺激という名のスリルなら、先日、十二分に味わっていたじゃありませんか」って会話、変じゃない? 正しくは、「スリルという名の刺激なら、先日、十二分に味わっていたじゃありませんか」だと思うけど。こういうとこ、文章扱うプロとして、どうなの? 

11話目 ☆


12話目 ☆3
え? この二人対決したかったの?(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 25
ネタバレ

鰺鱒 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

絶妙に微妙。でも結構楽しかったんだ。

原作知らず。

「あー。またいつものよくある感じのやつだねぇ・・・」と思いながら、最後まで観てしまったし、結構楽しめた。。。気がします。

物語:
{netabare}それなり以上の科学技術立国と魔法(精霊)立国とが対立するファンタジー世界を舞台とした「(たぶん)どちらも死なないロミオとジュリエット」。ただし、主人公のみ「剣と魔法」の二刀流。ってな感じか。

よくある微妙なラノベ原作ものっぽい、思わせぶり・曰くありげ・裏ありげな雰囲気をほのめかす形で開幕し、最終話は諸々の「曰くや裏」を何一つ明かすことのないまま「俺たちの闘いとハーレムはこれからだEND」。なんだそれ。セリフも、なんて言うか、、、てんぷれ?

いろいろと「え?なんで?」な展開が続くが、なぜだか結構楽しかった?
自分に明確な理由はありません。強いて言うなら、「ハーレムはこれから」で物語が展開したこと(途中まで)、あまりに強引な二人の出会い、再会や展開が却って新鮮に感じたのかもしれません。いやほんと、なんでそうなる?{/netabare}

作画:
{netabare}静止画として上の下~中の上、動画として中の上という印象です。キャラデザインは、女性キャラに関しては好きな類いです。でも、主たる男性陣の線の細さが気になりました。別にマッチョ信仰ではありませんが「兵士」としては厳しい気がしました。虹彩があの形なのはなんでなんだろう。{/netabare}

声優:
{netabare}声優陣は豪華。声優さんに対してネガティブな印象はありません(お一人について、ちょっと思うところがありますが、それは後述)。発声の「あわせ」、さぞ大変だったろうと思います。どんなに実力のある声優さんでも、物語・本に書かれていないものを紡ぎ出すのは至難の業だと思います。{/netabare}

音楽:
{netabare}OP、ED、そして劇伴いずれもあまり印象に残っていません。戦闘シーンにおける勇壮というよりも壮麗な劇伴は、良かったかも?{/netabare}

キャラ:
{netabare}
ダブル主人公の男側、イスカがNeutral過ぎて物足りない感じがしました。ここまで無味無臭な主人公って珍しい気がします。

かたや、女側のアリスはというと、The Templateというに相応しい「ポンコツの令嬢」っぷりでした。キャストが雨宮さんという時点で想像できるポンコツっぷりをそのまま流した、という印象です。嫌いじゃないんですけどね、こういうポンコツ。アリスのお付き、燐も、その性格や言動に驚きを感じるようなことはありませんでした。テンプレに忠実、という感じでしょうか。

アリスの妹、シスベルは、、、第一話でイスカに脱獄させてもらった後、ちょっとのお金とスナックだけで、どうやって自国に帰れたのでしょうね。あんな、パジャマみたいな服装で監獄施設の外に出ても、その先どうにもならなさそうなのに(能力も含めて)。

部隊メンバー(音々とジン)は、僕個人としては完全な空気でした。

さて、主要な面子としては「ミスミス隊長」が残っているわけなのですが。。。
{netabare}作品での描かれ方があまりにテンプレ通りというがっかり感と同時に、ちょっとした驚きを感じました。キャストの白城さんは「球詠」の#10の方だと認識しています。ものすごく特徴のある、他にありそうで実はあまり聴かないタイプの声をお持ちの方、と思っています。正直に言って球詠でのこの方の演技は、おそらくは演出・編集の下手さも手伝ってかなりネガティブな印象を受けていました(一言で言って邪魔だった)。一方、今作での演技は、正直少々邪魔だなと思った場面もあるにはありましたが、それ以上に「嵌まった感」を感じました。

初登場時の第一声で、「がんばるけどダメな子」、「無能な子」であることを理解させてくれ、ほどよく苛つかせてくれました。その意味で、実にマッチしたキャスティングだったと思います。ものすごくネガティブなことを書いているように思われるかもしれませんが、そうではありません。雨宮さんがポンコツ美女に嵌まるのと同じように、白城さんの居所がみえた様に思いました。

それはそれとして、そこまで無能で「隊長」ってどういうことなんだろう。あとその名前、どうして?{/netabare}
{/netabare}

[2021/01/17 v1]

投稿 : 2024/11/02
♥ : 22

61.8 7 任務でラノベ原作なアニメランキング7位
RAIL WARS!(TVアニメ動画)

2014年夏アニメ
★★★★☆ 3.3 (672)
3391人が棚に入れました
超巨大優良企業・國鉄に就職し、安定した将来を夢見る平凡な高校生、高山直人。そんな俺が研修で配属されたのは、男嫌いの桜井をはじめヤバい奴だらけの「鉄道公安隊」だった! しかも、國鉄の分割民営化を企む過激派「RJ」まで暗躍し…… どうなる? 俺の人生設計!
國鉄が分割民営化されなかったもう一つの日本を舞台とした、夢の鉄道パラダイス・エンタテイメント! 出発進行!

声優・キャラクター
福山潤、日野聡、沼倉愛美、内田真礼、五十嵐裕美、中原麻衣、堀江由衣
ネタバレ

見ルンです。 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.8

微妙な原作の改変

自分は鉄道がまあまあ好きなため、レイルウォーズの表紙の絵を見て「面白そうだな」と思い原作を初めに買いました。原作の方は若干無理な設定もあるものの、それを考えても十分満足できる程のマニアックな鉄道ネタが出てくるため、ニヤニヤしながら読めました。また、あくまで「鉄道公安隊」のテロリストとの対立や戦闘を描いていたため、鉄道にあまり詳しくない人にも楽しめる作品でないかと思いました。

そのため、アニメ化にもかなり期待をしていました。

しかしながら、できたアニメは原作を、大した意味も無く改変した微妙なものでした。RJ(テロリスト)が話から外されることや、鉄道の作画に関してはある程度の妥協は必要だと思っていたのですが、それを考慮しても無駄にストーリーを変えてしまったせいで、原作では矛盾の無かったストーリーが、アニメでは矛盾ができてしまったところもありました。鉄道に関してアニメのスタッフがあまり詳しくないのは当たり前のことであるのは分かるのですが、ならばもっと原作参考にして、あるいは用いて作るべきだったと思います。

また、中盤頃からエロに方向転換したようですが、そのエロもあまり上手く描かれていない(揺れ方があまりにも変)ようにみえます。

原作がまだ良かっただけに、「二兎を追うものは...」みたいな結果に終わりそうな製作方針は残念に思いました。

ではでは、ここから下は鉄道描写について、無駄であることを百も承知の上で、一応まじめに批評させていただきたいと思いますが、内容が長く、しかもつまらないものですので、興味のある方以外は飛ばしてしまって下さい。


第一話
{netabare}
・一番最初のシーンで主人公がスマホを見ている時は、外の風景が画面右側(右側が運転席側)から流れているので、『先頭車両』となる。ところがその直後、主人公がドアの窓から外を見るシーンに移ると、車両の傍を流れた電柱のようなもの(架線柱)が、画面右側から画面左側(今度は左側が運転席側)に流れていったので、『最後尾車両』となる。主人公が瞬間的に先頭車両から最後尾車両に移ったとは考えられないので、つまりミス。

・『寝台列車 はやぶさ号』を牽引する機関車(EF68型)の連結器がない(あるいは連結器に見えない程描くのが下手)。

・寝台列車の中で天井の蓋のようなものを開けるシーンがあるが、流石に工具一つも無しで開くとは考えられない(というか、実際の車両にあのような『天井裏』のようなスペースがあるかすらも怪しいレベル)。
{/netabare}

第二話
{netabare}
・OPの後に出てくる機関車(EF82型)の『ジョイント音』(ガッタン、ガッタンという音)が軽すぎる。実際の機関車は、特に低速時の場合「ガッタン」というより「ゴットン」というような相当重い音がする。

・上に加え、上記の機関車のジョイント音が、描かれている速度より少し速めに感じる。

・さらに、継ぎ目で鳴るジョイント音が、継ぎ目のあるはずの『トラバーサー』(レール の向きに対して90度の向きに移動していた緑のアレ)と車庫線のレールとの間で鳴らず、少しズレた所で鳴っているように感じる。

・いくら何人かの人がテコを使っているとしても、あの速さで100tもある機関車を持ち上げるのは不自然。(というか、あのように車両を持ち上げるトラバーサーがあるか自体、微妙なところ)
{/netabare}

第三話
{netabare}
・やはり、機関車のジョイント音が少し軽めに感じる。ただ、その後の車両(客車)は実物も割と軽めなジョイント音なので、そちらはOK。

・OPの後に青い電車(201系)がカーブを曲がるシーンがあるが、そこに出てくる『架線』(電車の上を通っている線)も、それに沿って曲がっている。しかし、この『架線』は正確にはそれを支える『架線柱』のあいだに強い力で張られる線なのでこの描き方は間違っている。つまり、カーブに沿って「円」のように描くのでは無く、頂点が『架線柱』の所にくるように「多角形」のように描かれなければならない。

・ちょう架線がしなっていない。

・同じシーンについて。電車の上のパンタグラフがいくらなんでも多すぎる。

・海の傍の駅で出てきた黄色い電車。これは103系という電車で、その中でも『低運転台タイプ』となる。このタイプは他方の『高運転台タイプ』に比べて運転窓が天地方向に長いのが特徴だが、アニメではこの天地方向の長さが、『低運転台タイプ』にも関わらず、『高運転台タイプ』並みの短さしかない。逆に天地方向の長さから『高運転台タイプ』と仮定しても、今度は運転窓が『高運転台タイプ』としては、かなり低くなってしまう。つまり、どの道作画ミス。

・同じく、その後のシーンでの上記の黄色い電車の窓の描かれ方が、カットによって形状が変わるなど滅茶苦茶すぎて、閉口するレベル。

・犯人は最初に出た『海芝浦駅』でなく、そのとなりの『新芝浦駅』周辺にいたとされるが、アニメにもあった通り、その間は私有地となっていて、外からの行き来ができない。いくら誘拐犯とはいえ、わざわざ危険を冒してまで私有地を通るかという疑問が出てくる。
{/netabare}

第四話
{netabare}
・最初から二番目のシーン。橋を渡る列車が少し速すぎる。
{/netabare}

第五話
{netabare}
・最初のシーン。鉄道模型、あんなにバウンドする程、力ねーぞ!!(# ゚Д゚)/しかもあんなに派手に脱線もしねーぞ!!(# ゚Д゚)/鉄道模型を乳○にぶつけるのは、流石に度が過ぎるぞー!!(# ゚Д゚)/

・レールの幅が広すぎ。

・拳銃でワイヤーを切ろうとするシーン。赤毛が撃っとる間に主人公が手を振るなりして列車を止める方が何倍もマシだろう。
{/netabare}

第六話 特になし ただ、冒頭のシーンはやはり、ちょっと....


第七話 特になし 比較的作画が良い回だと思う。


第八話
{netabare}
・脳筋がトロッコで漕ぐのを止めるシーン辺りのトンネル。少し大きいように思える。

後、臓器輸送のあの女、いくらなんでも「不通の鉄道を使わせろ」って無茶が過ぎて、見ている側が腹立つレベル。まだヘリコプターを使う方法を考えた方がマシだろ....
{/netabare}

第九話 特になし


第十話
{netabare}
・ホームに停車する北斗星が急停車すぎ。機関車にいる運転士は先頭が見えない状態で、しかも終点に入るのだから、もっと慎重に入るはず。

・寝台列車内の通路が少しばかり広すぎ。
{/netabare}

第十一話
{netabare}
・寝台列車内の通路が前回よりも、さらに広くなってしまっている。

・青森駅で、赤い機関車同士で付け替えを行った際、連結するために走る機関車の角度が背景と合っていない。

・函館駅を出発する北斗星を空から描いたシーンでの、北斗星の加速率が良すぎる。

・伊達紋別駅に止まっていた、オレンジ色の列車(キハ40)の側面窓の形状が、アニメでは『日日日日日日』のように中央を横断するよなサッシが入っているが、実際にはこのタイプの窓を有する車両は本州向けののみで、北海道向けの車両では『口口口口口口』のように、そのようなサッシが入っていない。

・伊達紋別駅から北斗星が発車するシーンで誘拐犯側を映しているカットと、主人公側を映しているカットでの、機関車の加速率があまりにも違う。

・伊達紋別駅を発車した直後のシーン。機関車が客車に比べて、大きく描かれすぎている。
{/netabare}

第十二話
{netabare}
・相変わらず機関車のジョイント音が軽い。

・エンジンベルトの代用品にパンストは流石に無茶でないか?
 
・ブレーカーが落ちたのに、それを無理やり繋げるのはショートの危険があるだろ!!!
 (どうやら鉄道の小ネタから持って来たらしいが、いまさら.....)
{/netabare}

大体このくらいです。

正直、これを鉄道アニメと呼んで良いのだろうか.....
鉄道好きより、むしろ一般の人の方が純粋に楽しめるのではないでしょうか。

特に、最近はメカものの中でも精密な作画で人気を博しているアニメもある中で、この程度の詰めの甘い描写では致命的な痛手になってしまいます。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 9
ネタバレ

ココ吉 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.1

ツッコミ所満載のギャグアニメとして観れば結構楽しめちゃうかもよ?

原作未読★全12話★

視聴のきっかけはキャラデザが
自分好みだったのと,「鉄道」を
テーマにしたアニメ作品は珍しく
自分の触れた事のない分野だった
ので興味を持ったからです。

国鉄の運転士になる事を目指している
主人公の高山直人が研修生から学生OJT
として認められ,同じく研修生の頃から
の同僚3人と共に鉄道公安隊に配属されて
様々なトラブルに巻き込まれつつも問題を
解決していくストーリー。

第1話を観た感想は自分が知らない未知の
分野の組織形態に車両の名前,専門用語等が
あって多少は難しく感じられたものの印象的
には新鮮で面白くもあり物語の滑り出しと
して上々だと思いました。


しかし!

第2話以降は苦笑いが出るのを抑えきれ
ないぐらいの話の展開になってきて,その
流れは悪い意味で最終話まで終始一貫性を
保ったまま。

この作品…ガチな鉄道ファンにかなり
怒られるだろうなと途中下車しようか
一度ならず二度は思いましたが、

「どんな作品でも一つくらいは良い所がある」
と言う持論が僕にもあるので,この作品に
関してキャラデザ以外に褒められる箇所は
どこだろうと考えた結果…

「ツッコミ所満載アニメとして楽しもう!」

という決断に至りました。

すると…どうだろう♪
ストーリー性を全く重視しない
ギャグアニメとして切り替えて
観ていれば…

なかなかどうして,面白いじゃないか!

「出るわ出るわツッコミ所がw」という
感じで思いの外,楽しめている自分に
気づきました。


◆ツッコミシーン紹介◆

※ここからは個人的にツッコミを入れず
 にはいられなかったシーンの紹介です。
 ネタバレを伴いますので興味がある方
 のみ見ていって下さいね。

さぁ,ツッコむぜぇ~超ツッコむぜぇ~★

{netabare}
ツッコミ所①
【全話にかけての微エロ】
妙に微エロな描写を放り込んできてます。
まぁ,これは男性視聴者を取り込む為の
重要なファクターだから理解できます。

僕だって至って健康な男子。
「エロが好きか?」と問われれば…

「はい,大好きです♪」と
間髪入れずに答えちゃいますw

でもね,唐突&あざと過ぎやしませんか?
毎回,投げやりとしか思えないような
エロを取り敢えず出しときましたでは
僕は到底…納得できないんだからねっ!

エロを舐めてるとしか言いようがない。
やり直しを要求するw


ツッコミ所②
【主要キャラ達の独断専行と
周りの上司達の対応について】

主人公達はあくまでも研修が終わって
学生OJTとして参加を許可されただけの
一介の高校生です。
正式採用された職員ではありません。

国鉄クラスの大きな組織ではまず最初に
仕事のホウレンソウ(報告・連絡・相談)が
徹底的に叩き込まれているはず!


なのに第2話からいきなり
独断で爆弾解体ときましたかww

正直、開いた口がふさがらないが
まだココまでは良しとしましょう。

決定的だったのは桜井が爆弾解体の知識を
『お父さんに聞いた事がある!』と言い放ち,
果敢に爆弾を解体しようとするくだり。

↑ちょww 待って待ってww
爆弾解体は,その道のキャリア20年のプロでも
解除できない爆弾だってあるんだよ。
聞いた事がある程度の生半可な知識でどうこう
できるシロモノなんかじゃないんだからねっ!

極めつけは…
爆弾の解除コードの選択についてのくだり。

『桜井だからピンク色を
 切ればいいんじゃないか?』

↑オマイラ…いい加減,僕を笑い殺す気かww
このくだりは不覚にも爆笑させられました!

笑うシーンではないのだけれど,
コレはもう明らかに…
笑いをとりにきてますよね!?


続きまして

第4話,アイドルの鹿島乃亜を
付け狙う暴漢から高山君が身体を
張って守るシーンのくだり。

胸をナイフで刺されたものの胸ポケット
に入れていたスタンプ手帳のおかげで
助かった高山君を心配する一同の中に
明らかにおかしな人物が1人いましたね。

そう、K4班長の飯田奈々さんである。

彼女の態度には正直、ドン引きでしたw
暴漢が現れた所から助けに入ろうともせず
終始,ニコニコ顔で血の通ってない無感情な
人間に映りました。

↑オイオイ…部下(高校生)が刺されたんだよ?
結果的に運良く助かったものの下手すりゃ
懲戒免職モノだよ?

もしかして飯田さんはこういうキャラなのか?
と思って,この話以降の彼女を観察していたが,
どうやらこの描写だけおかしいみたいで,後は
至って普通の常識人でした。

なので,このシーンの飯田さんが謎で仕方がない。


続きまして

第7話終盤,小さな小屋みたいな教会での
唐突なシリアスなハーレム展開のくだり。

高山君が小海さんと桜井さん,
そして以前に助けたアイドルの
鹿島さんの3名から言い寄られる
構図になってますが…。

↑オイオイ…構成さん。肝心の前置きは
ドコに置いてこられたのでしょうか?
いきなりのハーレム展開で正直、
ついていけないんだがw

個人的にハーレム物は大好物の部類ですが、
ストーリーの流れもキャラの心理描写も無視した
ハーレムは愚の骨頂レベルだと再認識しました。

これではニヤニヤできないし,萌え豚になって
高らかにブヒる事もできないじゃないか!

ハーレムを舐めてるとしか言いようがない。
やり直しを要求するw


続きまして

第9話の臓器を学生OJTだけで列車で
運搬しようとするくだり。

↑そもそも何故,列車で届けなければ
ならないのかが不思議で仕方がない。
ドクターヘリを使えば3倍は早く届けられ
ると思った方はどれぐらいいるだろうかw

「暴風雨が凄くてヘリが飛ばないのか?」と
思いはしたが、その考え方なら列車も動かせ
ない道理になるはずだが。
(でも,よくよく考えると鉄道アニメなので
そこにツッコミを入れちゃうと本末転倒に
なってしまいますよねw)

何と言っても一番の疑問は列車を押しがけ
してエンジンを掛ける時点で大人達が3人
いましたよね?

何で大人が一人も付き添わないで無免許の
少し知識があるだけの高校生に運転させて
いるのだろうか!?
昼間アレだけ偉そうに講釈たれてた大人達が
なんと付き添い同行ゼロなのですよw

臓器運搬中も車体の揺れと称して無理やり
エロを放り込む描写があり、もう流石だね
と呆れてきちゃますw

あとは,皇子を敵から守る時のスタンガンの
シーンも色々とおかし過ぎて笑いが出るが,
このカテゴリーのツッコミはこの辺りで
割愛させてもらって次に行きたいと思います。


ツッコミ所③【作画について】

綺麗な所もアリ,雑過ぎる所もアリで
お世辞にも安定しているとは言えません。
綺麗な画(特に列車の作画は頑張っていた)
があるからこそ,雑な画の印象が際立って
残ってしまいます。

目に余るぐらいにひどかったのは2ヶ所。
まず一つ目が
第9話終盤のショッピングモールでのシーン。
明らかにキャラの顔がおかしくなっていて画が
繋がっていません。
一瞬、「え?新キャラかな?」と思ったぐらいに
キャラの顔が違います。

そして、最もひどかったのは最終話の高山君と
飯田さんが暗い部屋で話すシーン。

↑キャラの口が開いてないのに声優さんの
声が聞こえてきます。
このシーンは「ん?TVがバグったのか?」と
思うぐらいにヒドイですw
最早,いっこく堂の腹話術ですww
放送事故ですww お手上げですww

アフレコ現場でこのシーンを録音している
福山潤さんと堀江由衣さんが苦笑いされて
いる姿が容易に想像できてしまいました。

本当に心中お察し申し上げます。


◆総評◆

僕がここ3~4年で観てきた作品の
中で一番のバカアニメだと自信を
持って言い切れる作品です。

ストーリー構成,作画,シナリオの全てが雑!
「本当にアニメのプロが作っているの?」と
疑ってしまうレベルの作品。

「原作も果たして,アニメと同じクオリティー
で刊行されているのだろうか?」と少々興味が
湧いて確認したい衝動にかられてはいるが
その思いを実行に移す事は無いんだろうなぁ。



{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 41

tao_hiro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

こんなの国鉄じゃなーい

【視聴前の気分】
「国鉄」っていう言葉には懐かしさとともに強烈なマイナスイメージがあります。私が子供の頃の話なので大人たちが「国鉄は客の事を何も考えていない」と憤慨していたのは覚えていますが、記憶があいまいなので、以下の文章はwiki等を参考にして書いてます。(国鉄職員関係者の方に不快な思いをさせたとしたら申し訳ありません。)

1970年代、国鉄は労働組合が猛威を振るっていました。国鉄職員は公務員なので労働条件改善要求のためのストライキができません。なので順法闘争といって、一見正当な理由がたつ(安全速度の遵守とか線路の点検とか)名目をつけて、その実大規模なサボタージュで意図的にダイヤを乱し、列車の運行を混乱させることで当局に圧力をかけるという戦術を開発しました。

例えば、鳥が線路の上に居た場合「障害物を発見したから」と言って列車を停車させたり、一斉に休暇を取ったり、緊急職場集会とかをしていました。

挙句の果てには「スト権スト」といって、ストライキ権を認めさせるためのストライキって冗談のような事を本当にやったりしました。

組合員の雇用を守るために、経営陣が打ち出した合理化策をことごとく反抗しました。そのうえで「運転手二人の復活」とかを要求しました。その根拠はなんと蒸気機関車が主流だった時代に運転手とボイラー手が必要だったから電車でも必要、というものでした。

組合員には「三ない運動」という教育を施していました。管理者に対しては「何も教えない・何も聞かせない・何も知らない(知る必要は無い)」。
行動指針として「三ず主義」というのもありました。「休まず・働かず・無理せず」です。

その結果、国鉄職員は、ヤミ休暇、ヤミ超勤、服装規定違反、食事をしながらの運転行為、業務放棄及び横柄な接客態度、酒気帯び勤務などが常態化しました。

・・・こんなトンデモナイ会社が現代まで存在したら!?
私の妄想は膨らみました。

例)
・客にタメ口をきく駅員
・金髪、ピアス、タトゥー、腰パンの運転手
・ホームには乗客よりも駅員の方が多い
・いつ到着するか、いつ発車するかわからない、無意味なダイヤ
・通勤電車で検札
・運転手4名、車掌4名のエイトマン列車
・膨大な人件費のために運賃がめちゃ高い
etc...

どんなデタラメな会社になっているか期待しまくって、この作品を
視聴しました。

【視聴後の気分】
ふざけるなぁ~!国鉄、むっちゃ普通の会社になっとるやんけぇ~

「お客様の安全が第一」だとぉ!「組合員の生活が第一」じゃないのかぁ~
服装も接客もキッチリしているじゃないかぁ~
さらにいえば鉄道公安が増強され、多発・凶悪化する犯罪や国際テロにも備えているじゃないかぁ~

かろうじて国鉄らしさを描写しているのは、改札がいまだに自動改札じゃないとか(雇用確保)、職員が昼食を高級レストランぽいところで食べられるとか(福利厚生)、異常に巨大かつ高性能な訓練場とか、主人公たちの無茶苦茶な活躍ぶりとかだけじゃないかぁ~

「RAIL WARS!」なんてタイトルつけて、なんとなく「図書館戦争」みたいな緻密な設定を期待させといて・・・

がっかりだよ!(笑)

【鉄道公安について】
主人公たちが実習で配属された「鉄道公安隊」は、実在した「鉄道公安職員」がモデルになっています。鉄道公安職員は国鉄の施設内においてのみ警察権を有し、拳銃を含めた武器の携帯が認められていました。民営化された現在では各都道府県の警察組織に組みいられています。

余談ですが、鉄道公安職員の中には国民体育大会のけん銃競技に出場し、警察官よりも高い得点を取って金メダルを獲得した者も存在したそうです。

この作品では、高校生かつ実習生がガンガン銃をぶっ放しますが、国鉄の事です。たぶん、「凶悪犯罪抑止力強化のため」とかの理由をつけて法的に問題ないようにしたんでしょう(笑)

【作品の感想】
私は若い頃は「乗り鉄」でした。青春18きっぷなどで各地を貧乏旅行していました。この作品の各所に挿入された国鉄時代の車両や風景にはとてもノスタルジーを感じました。

とくに感動したのは「タブレット交換」のシーンでした。単線区間で列車が正面衝突しないように、通行許可証として大きなリングを駅員さんと運転手さんが交換するっていうものです。ん~40代以上じゃないとちょっと分からないでしょうね~(笑)

さてこの作品、中盤までは一話完結ですので気軽に観れます。ただし、ちょっとストーリーの作りこみが甘いので、油断しているとサービスシーンばっかりが印象に残ってしまいます(笑)

ところが後半の二つのエピソード(臓器の運搬・王子護衛)は、すごくよくできています。ハリウッドのアクション映画を彷彿とさせるスリルと興奮が味わえます。

一番の見せ場は、臓器を送り届けるために軌道自転車で爆走するシーンでしょう。次々と襲ってくる危険を、あらゆる操縦技術を駆使し、主人公たち4人が力を合わせてクリアしていきます。

極めつけが、まるでサイドカーレースのパッセンジャー(同乗者)のような体重移動によるコーナーリングという荒業です。

ちなみに軌道自転車は線路の保安員さんが使う乗り物で、実物はフレームだけで作った二人乗りのゴーカートみたいな簡素な作りです。ところがこの作品で登場した軌道自転車はやけに重装備で、ほとんどトロッコ列車状態です。

主人公たち4人を乗せなきゃいけない事とか、いろいろな操縦技術を見せなきゃいけないとか、体重移動によるコーナーリングがギリギリ許せる程度の軽量感を出すとかのために、相当苦労してデザインしたんでしょう。

「車両鉄」の皆さん、「こんなゲテモノあるか!」とかいう野暮はやめましょう。国鉄です。なんでもありです。保安員さんが趣味で作ったんでしょう。もちろん会社の金で(笑)

使命感に燃える主人公たちの姿は爽やかさを感じ好感が持てます。キャラの絵柄も好みのタイプでした。

人情派の気弱な主人公班長代理高山くん、感情派のツンデレ桜井さん、頭脳派の巨乳小海さん、肉体派の防刃チョッキ岩泉くん。それぞれの個性を活かしたチームワークで事件を解決していきます。

彼らの上司はこれまた巨乳の飯田班長。ほんわかふんわりだけど決めるところは決めるって感じがお気に入りです。

そして最後は、同僚の桜井さん・小海さんに加えて、國鉄のイメージキャラクターのアイドル乃亜ちゃん、高山君の同級生の札沼さんでハーレム展開を示唆して終わります。

十分面白い作品でした。2期があれば観たいです。
でもな~多分無理だろうな(笑)

【蛇足】
このレビュー、元鉄ちゃんの血が騒ぎ、自己最多文字数を記録しちゃいました(笑)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 24

71.2 8 任務でラノベ原作なアニメランキング8位
月とライカと吸血姫(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (253)
749人が棚に入れました
世界大戦の終結後、世界を二分する超大国、東のツィルニトラ共和国連邦、西のアーナック連合王国は、その領土的野心を宇宙へと向けた。両国は熾烈な開発競争を繰り広げ、そして今――東歴1960年。共和国連邦最高指導者ゲルギエフは、成功すれば人類初の快挙となる有人宇宙飛行計画『ミェチタ(夢)計画』を発令する。そんな折、宇宙飛行士候補生の補欠、レフ・レプスは、ある極秘任務を命じられる。『ノスフェラトゥ計画』――有人飛行に先立つ実験として吸血鬼を飛ばす計画――その実験体、イリナ・ルミネスク を24時間監視し、訓練で鍛えろというのだ。レフとイリナ、人間と吸血鬼、監視役と実験体――種族の壁や国家のエゴに翻弄されながらも、宇宙への純粋な想いを共有し、2人は共に宇宙を目指すこととなる。

声優・キャラクター
林原めぐみ、内山昂輝、日野聡、小松未可子、木野日菜
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

ちょと古い作りのアニメ。だがそれがいい。今期No1ですね。

 さて、本作は冷静に考えると、差別問題の解決の部分のストーリーが甘く、テーマという意味では期待外れかもしれません。もちろん、イリナとレフの頑張りが人の心を動かしたとのは読み取れますが、トップと女性のあの2人は政治的プロパガンダですからね。もう少しここの話に奥行きがあれば差別問題に関しては深まった気がします。

 ただ、です。本作は恋愛ものだと見た場合、あまりこの差別問題を中心にしてしまうと、尺からいって、2人の心理描写を省略したりセリフだけの恋愛ものになってしまったでしょう。ボーイミーツガール…2人の命がけの宇宙飛行そして命がけの恋愛が、差別問題解決への答えだったと思います。

 ちょっと古いタイプのラノベ的な舞台設定と物語に感じますが、それだけにストーリーにボディがあって、見ごたえもあり、何よりキャラがちゃんと活き活きしていました。
 
 古いと言えばアリプロジェクトに林原めぐみさんですからね。ゼロ年代感がすごいですね。古い言葉でいえば「だが、それがいい」ですね。

 アニメにとって作画は大きな要素だと思いますが、本作をみるとやはりストーリー、脚本、そしてキャラだと思います。本作はその意味では私にとってはですが、今年のTVアニメではブルーピリオドと並んでナンバー1かなあ。



以下 視聴時のレビューです。

 あらすじの吸血鬼という単語でちょっと敬遠していましたが、宇宙飛行士ものということで、なんとなく見始めたらまさかの出来でした。非常に面白いです。今のところ今期NO1ですね。もちろん継続視聴です。

 宇宙飛行士ものというよりもそれは物語の設定です。今のところ幹になっているストーリーは、差別される立場でもプライドと強い想いに基づく試練の選択をする吸血姫、そしてそれを支える落ちこぼれた優等生という、差別問題と人間ドラマの部分に注目ですね。
 ですので、気になるポイントは、吸血鬼全体の被差別問題まで行くのか。あるいはヒロインのアイデンティティの問題か、個人的な救済か。それは現実社会でなのか、命の捨て方による魂の救済なのか。または主人公の命がけの献身となるのか。恋愛の行方は?等々ですね。

 キャラデザは萌え絵の要素はあるんですけどちょっと写実が入っていて、物語の雰囲気とあっていてバランスが非常に良かったです。作画も丁寧だし、人も良く動いていました。

 で、7話です。 {netabare}まさか7話でここまでくると思っていなかったです。逆にいえば話の展開が早くて飽きさせません。宇宙開発もの的な詳細な話をばっさりとカットしたのが不満といえば不満ですが、そのおかげでテンポが良くなったのでキャラに感情移入しやすいのはプラスでした。

 吸血鬼が被差別民族のような感じで、命令を聞かざるを得ないヒロイン…という設定と主人公の関係をどう考えればいいんだろうと、初め戸惑いはありました。
 もちろんですが、主人公と心を通わせる展開になります。ただ、ゆっくりとエピソードを重ねながらなので自然と受け入れられます。その意味では4話が良かったですね。レモンの炭酸水をキーアイテムにしたのは良かったですね。吸血の設定もよく物語とマッチしていました。で、7話です打ち上げ成功…そして帰還と。

 そうですね。ここからが重要なテーマです。ヒロインがどうなるのか。なんか死亡フラグみたいなセリフが結構あったので心配ですが、一方で、この主人公ならなんとかしてくれるかも、という期待もあります。


 SF的にいえば、ロケットの技術的問題をどうやってクリアしたのか、という部分が根性論に見えましたね。
 ストーリー的には、吸血鬼の迫害からヒロインが宇宙飛行士に立候補するまでの心理描写が弱いこと、ロケットの研究所の研究者たちがいつの間にヒロインの心情的な味方になっている部分の描写が弱いです。ここがちょっと残念ポイントです。 {/netabare}


9話 とにかく話が面白いですね。宇宙飛行と恋愛。話の本筋が明確です。そして、テンポもいいし、ツンデレ具合がなかなか悶えます。 {netabare}白薔薇ちゃんもデレましたね。結構チョロくて笑いました。ここはもうちょっとなんかあっても良かった気がしますね。そして、ヤキモチ…ラブコメでした。{/netabare}

 後は人種差別問題ですね。ここがちょっとなあなあになりかけてるんでしょうか。それとも何かこれからあるんでしょうか。テーマ的な深掘りは、正直それほどでもない予感があります。

 ですが、とにかく見ていてこれほどワクワクするアニメは久しぶりです。吸血姫という設定と宇宙飛行競争。うまく組み合わせましたね。原作はとりあえず3巻まで買って寝かしてあります。



10話 こういうのが好きです。切なすぎる。

 設定とか作画とかがすごい…ではなく、話が純粋に面白い話っていいですね。ここまでダレるところ無しですね。

{netabare} お別れ前に何気ないデートをする。自分の死を覚悟して。もう切なすぎます。こういうストーリーできちんと恋愛感情の深さとか相手を思いやる気持ちを表現して、別れ際に笑うって…バス停のシーンとかもう涙なくしては見られませんでした。

 イリナちゃんの生存確率が上がってうれしい半面、政治的思惑の外的要因かあと、ちょっとそこは興ざめはありますね。ただ、レフとイリナががんばったから周囲の心を動かしたのかもしれません。
 最後は2人がどこかで会えるのか、心を遠くで通わせて終わりなのかわかりません。{/netabare}

 それにしても、いい話だなあ…。話の面白さなら2021年度TV部門ではNO1候補かなあ…


11話 恋も自由にできない国ではいけません。今時珍しい純愛ですね。

 そう恋も自由にできない国ではいけません。民主主義というのは欠点も多いですが、やっぱり人の気持ちが尊重されるという意味ではベターな選択なのでしょう。話が面白過ぎてこの辺りのテーマを忘れていました。

{netabare}  吸血鬼の差別問題はちょっと浅くなりましたが、2人の気持ちが痛いほど伝わってきてもうペンダントのシーンは涙失くしては見られませんでした。この差別と不自由の中で命がいつ消えるかもしれない状況で、せめて気持ちだけでも伝えたいという…もう苦しいくらい愛おしいです。{/netabare}本当に今時珍しい純愛ストーリーですね。

 暗躍する人々の思惑ではありますが、もうそういう些末なことはいいです。ぜひハッピーエンドでお願いします。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 25
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

影で生きた英雄

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
ジャンルは、恋愛、ファンタジー。

冷戦期の宇宙開発競争をモデルに、吸血種族「ノスフェラトゥ」が人類と共に月を目指す姿を描く作品。

林原めぐみさんが主演ということでも話題になりました。

1期で綺麗にまとまっている作品です。個人的には、一気見が似合う作品なのかなと。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
1期の尺の中で、しっかりストーリーを作り、あれだけ綺麗にまとめてくれた。よほど、原作者とシリーズ構成が優秀なんだろう、と思って調べたら、原作者がシリーズ構成やってるのね。凄く良いカタチだな。

ラストは、これ以上ないほどのハッピーエンド。ベタですが、こういう綺麗事、大好物です(笑)

私は観点別の評価をしていませんが、もしするならば、ストーリーについては☆5をつけますね。これ、林原めぐみさんのインタビューの引用なんですが、

(全文は長いので畳みます) {netabare} 「ファンタジーなのですが、史実に基づいていて、ただただ吸血鬼の女の子の頑張る物語というわけではないぞ……と。人類がずっと続けている差別に対してのメッセージ性も感じたんです。ファンタジー要素満載なので、安心して読んでいられるのですが、もしこれが本当にどこかの国のどこかの虐げられた少女の話だとしたら、とんでもないことになってしまう。でも、{/netabare}この作品はエンタメとして、過去への攻撃ではなく未来への提示をしていると感じたんです」

というのには本当に共感して、最終回はそれがダイレクトに描かれてましたよね(まだ達成できていないことへの皮肉を込めてw)

一方で、それ以外の観点では☆4かな。

あ、声優さんには文句ないです。林原めぐみさんも、同インタビューの中で、

「 {netabare} 若い子がどんどん活躍している業界の中で、今の私がこの年齢の子を演じるのは老害ではなかろうか?と、正直、頭をよぎるところもありました(笑い)。自分のキャリアや年齢を考えた時に、この純真無垢(むく)な少女を演じることに、いろいろな意見もあるとは思います。原作を読んだ時、この子の人生の苦しみ、喜び、未来への思いなど彼女の複雑な背景を表現するために、かなり深いところまで潜っていく必要があり、心のひだの部分を託されたとも感じました。お手紙、原作を読んで、私が生きてきた時間と経験が役に立つかな?と思ったんですね{/netabare}」

とある通り、制作も演者も賛否あるのを覚悟してやってるし、イリナのキャラには一番似合う声優さんだと思うし、何より私は林原めぐみさんが好きだし(笑)

唯一文句があるとすれば、作画や演出ですね。大きな崩れというより、「これだけ良い原作に、この作画はもったいない」と思いました。

特に、3話の夜間飛行、4話のスケートシーン、8話の願い事、10話の夜のピクニック、12話の2人の邂逅などは、作画次第というか、こういう大事なシーンだけでも、神作画があればな~と。まあ、そこは監督も分かっていて、人的、予算的な問題だからどうしようもなく、なんか謎の演出で誤魔化していた感じですね。そこだけが、残念な作品でした。

wiki見たら、本作は第一部ということなんで、第二部、第三部とシリーズアニメ化されてほしい作品ですね♪
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
ロシアとアメリカね。まあ、イクラはロシア語だからな(笑) やたら綾波だけど、綾波より感情豊かにやってるのは、わざとなのか、キャリアからなのか。

2話目 ☆4
牛乳が血液の代わり、なるほどね。高所恐怖症でかわいい(笑)

3話目 ☆3
そこまで作画が凄いわけじゃないのに、このファンタジーな演出は、ちと似合わない作品、作風かな。負けたくないの一心。

4話目 ☆4
憐れみには強く反応。ちゃんと棺桶で眠る(笑) 酔っぱらいは安定の可愛さ(笑) スケートシーン、変な効果なんかいれず、ここだけでも神作画で勝負できればな~。

5話目 ☆4
ちゃんと生かそうとしている。事故を目撃。

6話目 ☆4
吸血前に歯を磨くか聞くの、斬新だな(笑) ラブコメ展開は面白いが、あの、吸血時の謎の演出はどうなんだろうね。

7話目 ☆4
宇宙にいる間のやりとり、空気感はとても良かった。吸血鬼が寒さに強いことが生きてきたな。レフとイリナ、素敵な2人。

8話目 ☆4
ナショナリズムはあれど、良い人もいる。もちろん、そうじゃない人も。レフの訓練生復帰を喜ぶイリナ、良いな。新たな価値を生み出し続けないと、生きる権利を奪われるか。イリニャンさん、可愛すぎる(笑) アーニャも良いキャラだよな。「吸血鬼より、宇宙を飛んだ方に驚く」。確かに。どっちがレアかということか。ある意味、吸血鬼を越える存在な。だから、そのお願い事の謎演出やめろて。

9話目 ☆3
宇宙を「そら」と言うのは、当たり前のように使うのは、どうなんだろうね。なんか、昭和の演出? 恋敵? 

10話目 ☆4
この夜のピクニックも、作画次第だよな。

11話目 ☆4
そこで、イリナの言葉を繰り返すのは、素晴らしい。白黒の演出。アーニャ、悪い顔(笑)

12話目 ☆4
はっきり言ったな。エドモンド本田(笑) まあ、乗っかるしかないやな、全力で。むしろ、アメリカへの攻撃になったか。最後は、かなり綺麗にまとめたな。好きです、こういう綺麗事(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 22
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

ソ連の宇宙開発を題材とした話

宇宙開発競争時代のソ連を舞台とした話。
史実に忠実な部分もあり、その上に"吸血鬼"というファンタジー要素を足した作品。

{netabare}
個人的にこの作品は6話までがめっちゃ面白くて、その先はまあまあ面白いという感じの作品だった。
序盤の訓練回がほんとに良かった。
重力への耐性を付ける訓練や暑さに耐える訓練など、専門的な要素があったのが良かったし、着地の訓練では高所恐怖症の改善とかそういった要素もしっかりと組み込まれており、丁寧さ・専門性がちゃんとしていて素晴らしかったと思う。

その上で"吸血鬼"という忌み嫌われたヒロインを国が国とは言えちゃんと人間のように扱う主人公に魅力があった。
6話ではヒロインのために自分が投獄されようとも立場が上なおじさんに歯向かったり、とにかく最近のラノベでは珍しく主人公がしっかりしていた印象。

その先は悪くはないけど少し失速したかな。
訓練は良かったけど、いざ打ち上げとなるとなぜかあっさり感があった。
まあ変な演出をあえて入れてないんだろうけどどこか淡々としすぎていた感じ。
レフが宇宙に行くまでの流れもイリナが宇宙に行くまでの流れに比べると少し丁寧さに欠けて、良いか悪いかと言えばいいんだけど、序盤ほどの良さは感じなかった。
決め回ほどあんまりだった謎作品でした。
なんというか、展開が予定調和すぎてそこまで面白みがなかったかな。
そんな感じで最終回まで終わっていった。

最終回で連合王国ではまだ吸血鬼は差別されているみたいな情報があったけど、この作品における"吸血鬼"は黒人とかユダヤ人のメタファーか。

基本的に話にこれと言ったダメな点はありませんでしたが、声優は正直酷い。
林原めぐみにメインヒロインは正直もうきつい。
声を張り上げたときの演技とか聞いてられなかった。
灰原哀みたいに完全に定着しているならまだしも、1クールの深夜アニメで若いキャラに林原めぐみを当てるのはどうなの。

↓一話毎メモ
{netabare}
1話 ☆8
宇宙系最近だと珍しい。久々のアリプロ。
アリプロは当たりはずれが激しい。
ハンバーガーの皮肉面白いw ラノベなのに面白そう。
あくまで萌え寄りでやるのか。
まあ自分は萌えアニメの方が好きだからいいけど。
太陽に弱いのに宇宙行けるのか。
え、さっそく吸血鬼ばれしそうだがw
まさかの林原めぐみヒロイン。正直合ってない。
一般人にばれてはいけないだけでこの人らにはばれてもいいのか。
人気のなさそうなラノベのほうが面白いのはなぜなのか。

2話 ☆9
吸血鬼って言っても身体能力は同じか。
吸血鬼要素ってどこで活きてくるのだろう。
こういうラノベっぽい要素はいらないなぁ。
牛乳が血からできてるとか細かい知識が多いのがいい。
90℃とか耐えられるのか。
人と温度の感じ方同じらしいのに。
重力への対策とか専門的な内容がいい。
これマジで辛そう。
クールぶってるのに高所恐怖症なのかわいい。

3話 ☆8
処刑する意味あるのか?
少しずつ高所恐怖症が改善していく感じがいい。
ソ連さぁ...。
ラノベだけどラノベっぽさがあまりないのがいいな。

4話 ☆8
いやいややってるわけじゃないのか。
最初は無理やり連れて来られた感じかと思った。
このアニメに一つ駄目な点があるとすれば差別描写が中途半端なことか。
人間として扱ってる人の方が多い気がする。

5話 ☆9
ずっと訓練だな。見てはいけないものを見てしまった感。
成功率5割でも低いな。

6話 ☆10
ヴァニタスかな? 
爆弾を積むという秘密をイリナに隠す主人公もつらそう。
主人公がイリナのことを思っていてしっかりと魅力あるのもいいね。

7話 ☆7
ええ、主人公あっさり脱出かよ。
粛清w なんかあっさりだな。
この料理番組って実話なの?
そっか最終的な目標は月か。

8話 ☆8
N44への待遇良くなりすぎじゃない?
あくまで"実験犬に敬意を払ってるのと同様に"敬意を払う、こういうところしっかりしてるのがいい。
あっさりと別れちゃうのか。
次の目標を有人飛行にするというセリフでイリナが差別されていることが表現されているのもしっかりしてるなと。

9話 ☆8
なんか今回作画と言うか雰囲気おかしくない?w
ちょっと今回見てられんわ、この崩し作画嫌い。
うーん全然イリナと別でやってきた感が出せてない。
一か月もあってなかった感がない。x

10話 ☆7
日常回あんまりなんだよな。
なんか映画パートイリナの知性が下がってる気がする。
血を吸われたいって...w えぇ...。
決定遅くね? レフ選ばれなそう。選ばれた。

11話 ☆7
セルフ粛清。イリナの感想を言うのか。
やっぱこのアニメ決め回はあっさり感を感じてしまう...。

12話 ☆6
この作品、主人公の年齢がもっと高かったらよりリアリティが出て良かっただろうな。
無言演出 はい粛清
こんな大々的に発表するのか。
下手したら撃たれるだろこれ。
やりたいことはわかるけど持って生き方がかなり強引。
あって真っ先にすることがマントをかけるなのは良かった。
月へ行くという更なる目標を定めるのがいいね。
連合国では差別されているということはやはり吸血鬼はユダヤ人か黒人か? 

{/netabare}

曲評価(好み)
OP「緋ノ月」☆5.5
ED「ありふれたいつか」☆9
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 6

69.7 9 任務でラノベ原作なアニメランキング9位
スパイ教室 2nd season(TVアニメ動画)

2023年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (128)
478人が棚に入れました
MISSON《愛娘》の後に起きる-
もう一つの《秘密の任務(ものがたり)》
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

シリーズ構成と全く相性が良くないので好きな順番で観ました

“影の戦争”と呼ばれる各国スパイ同士の暗闘が繰り広げられる世界。
“陽炎パレス”に集められた落ちこぼれのスパイ少女がチーム<灯(ともしび)>として共同生活し、
師事した天才スパイのクラウスこと燎火(かがりび)に認められるよう仕掛けてみたり、
選抜チームで“不可能任務”に挑んだりする同名ライトノベル(未読)の連続アニメ化作品(全24話)

分割2クールを総括したレビュー・感想。


【物語 3.0点】
シリーズ構成は複数話にわたり不可能任務に挑む“MISSION”と、
1話完結でメンバーキャラクターを掘り下げる“File”で成り立つ。

これが、MISSIONが一段落付いた後に、Fileで1話だけキャラをピックアップして、次のMISSIONへ……。
という構成なら私も付いていけたのですが、Fileが3回も4回も続くと、流石に早く次のMISSON行ってよ~。
1ヶ月近くキャラ掘り下げているけど、もういいわw
といった感じで1クール目6話で一旦視聴断念。

分割2クール目の放送が始まって、MISSON《忘我》が面白そうだとなり、そこから視聴再開。
復帰にあたり、私は、相性の悪いシリーズ構成とは無理に毎週付き合わず、
基本的にMISSIONのエピソードが完結までたまったら一気見する。
Fileについては、気になるキャラがいたら暇つぶしに見てみる。
俺様♪自分の見る順番は自分で決めます♪(アネット風w)という方針で全話視聴完了。

結果、私の視聴順は……
{netabare} 1話~3話「MISSION《花園》」、4話(エルナ回)、5話、6話(ジビア回)、視聴断念。

13話~16話「MISSION《忘我》」、19話(《忘我》の主役・アネット回)、
7話(サラ回。アネットを唯一理解しているキャラが気になって)

8話~11話「MISSION《愛娘》」最新MISSION話数がたまるまで未見のMISSIONを優先視聴。
17話(モニカ回)、12話(グレーテ回)《忘我》、《愛娘》通じて重要なキャラの理解を深める。

18話(ティア回)話数揃うの待ってるMISSION《夢語》で重要になりそうだから予習。
20話~23話「MISSION《夢語》」、24話(リリィ回){/netabare}

と、見事にバラバラな惨状にw
物語3.0点というのは、微妙評価と言うより、構成無視した視聴で参考外なので基準点に据え置いたと言った方が適切ですw


でも、この構成。実は、多くのアニメ視聴者の要望を汲んだ構成とも言えます。

3話までにヤマを作ってくれなきゃ視聴切るとのトレンドに応え、
時系列すっ飛ばして、{netabare} エルナ{/netabare} という地の文で嘘を付く禁じ手を犯してまでヤマを作る。
飛ばした時系列は1クール中盤にキャラ回として後から埋める。

1クールじゃキャラの掘り下げが足りない。2クール欲しい。
とならないように、分割2クールで主要全メンバーのキャラ回を実現する。

こうした要望は私も訴えたりしますが、いざ実現してみるとリズムが合わなかったりする。
キャラ掘り下げれば良いってわけじゃないんだな~と考えさせられました。


【作画 3.5点】
アニメーション制作・feel.

作画で極上だと唸らされる場面は少ないものの、
20世紀前半の欧米風の背景美術に、スパイ道具を再現したプロップデザインと、
スパイたちが暗躍する世界を構築する一式は揃う。

銃撃戦、格闘戦や、少女たちの異能表現、ワイヤーによる人体解体などにもスパイアクションを感じましたが、
私がムードを一番感じたのは案外モニカのダーツだったり。

日常シーンではキャラの主線を太めに描画してコミカルな雰囲気を醸し出すなど、
緩急もまずまず。


【キャラ 4.0点】
スパイ要素を使った王道ラノベアニメとして志向されたキャラ作り。
落ちこぼれだけど一芸が光るスパイ少女たちの能力も、
スパイ任務よりも登場人物の個性を表現したり、
絡んだキャラの理解を深めるために活用される。

その傾向がよく現れていたのがMISSION《忘我》。
相手の目を3秒見つめただけで心が読めてしまうティアの能力でも読み切れないアネットの底知れなさ。
それが開示される戦慄。
スパイ能力が相互のキャラ解析に活用された本シリーズらしい連携プレイが光ったMISSIONだったと思います。


師匠の天才クラウス。
適当に、ぱぱっとなどと自らの技術を理屈で説明できないほど凄腕なため、教育が苦手w
ただ教え子のどんな歪んだ性格も長所として評価できる懐の深さ。
ただでさえ最強なのに、指導を通じて自らがさらに最強になっていく姿。
など良い先生の一面も。

ただ「極上だ」とのクラウスの決め台詞。
この種のラノベの口上は、多少ズレていても口数で押していくもの。
ですが、クラウスの極上は、私にとって良くてせいぜい上々くらいで、まぁまぁでも極上と濫用されている感ありw
こうやってツッコんでいる時点で、私もクラウスの術中にハマっているのでしょうかw


【声優 4.0点】
超豪華。

<灯>メンバー
雨宮 天、伊藤 美来、東山 奈央、悠木 碧、上坂 すみれ、
佐倉 綾音、楠木 ともり、そして{netabare} エルナ役の水瀬 いのり{/netabare} (以上敬称略)

{netabare} エルナ役いのりんの「不幸~」と「アネットがいじめるの~」{/netabare} など、
癖になるキャラ口調にも好対応する辺りは流石に実力者が揃っています。

ですが、この強力キャスト陣なら、キャラアニメだけではなく、
もっと本格スパイとして華麗に騙してとの欲も出てしまいます。

リリィ役の天ちゃんも文字通り毒を吐くポンコツリーダー属性だけじゃなくて、
巧みな毒舌も交えたスパイ合戦で魅せて欲しかったなと思ってみたり。

とは言えグレーテ役・伊藤 美来さんやアネット役あやねるの、
深層心理の吐露にはゾクゾクさせられました。

ただ個人的MVPは200%嫌われる!との意気込みで繰り出された
{netabare} マティルダ役・斎藤 千和さん{/netabare} の怪演。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は藤澤 慶昌氏。
定評のある明快なサウンドでスパイ、コメディを往復する作風を好演出。

OP主題歌はnonocが「楽園」で分割1クール目の「灯火」に引き続き担当。
ここまで堅実にアニソン歌手としてのキャリアを積んできているnonocさん。
返す返す思うのは彼女の硬質なボーカルはやはりラノベアニメ向きだなと。
川田 まみさんが引退し、黒崎 真音さんも去った今、彼女にはもっとラノベアニメを盛り上げて欲しいです。

ED主題歌はsajou no hana「ニューサンス」
ジャジーなピアノをアレンジして狂気を孕んだスパイ世界にマッチさせた上々のロックナンバー。
なんですが、FileではピックアップしたメンバーのキャラソンEDに差し替わるため、使われた話数は実質半分くらいw
この構成もまた作品の性格を象徴。


【感想】
スパイ要素を使ったキャラアニメとしては、2クールでひと通りキャラ掘り下げたし、
私は続編はもう良いかなと思うのですが。

本作は、本格スパイ物志向も捨て切れていないのが見切れない部分。
特にラストのMISSION《夢語》の、蟻か?ヒーローか?
明確な熱戦ではない混沌とした冷戦が続く中で、スパイの存在意義を問う内容は、
多くの現代スパイ映画も共有する王道葛藤テーマ。

〈焔(ほむら)〉の過去と合わせてスパイとは何か?を掘り下げるのならば、
続編は是非、構成通りの順番で観てみたいです。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 16

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

MISSION≪愛娘≫の後に起きる―――もう一つの≪秘密の任務(ものがたり)≫。

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ第1期は視聴済です。
超が付くほど有名どころで旬な声優さんを惜しみなく投入した作品でしたね。

リリィ:天ちゃん
グレーテ:みっく
ジビア:奈央ぼう
モニカ:碧ちゃん
ティア:すみぺ
サラ:あやねる
アネット:ともりる
エルナ:いのりちゃん

どうです、この顔ぶれ…
色んな作品で主役を演じている方ばかりですよ。
これって凄いことだと思いません?

面子を見ただけで視聴意欲の湧きまくる作品も珍しいと思うんですけれど…
この作品は一切の妥協がありませんよね。

どの声優さんも、私にとって気になる声優さんで甲乙なんて付けられませんが、今ともりるの演技が少しきになっています。

この作品では「俺様」を一人称にする元気の良いアネットを演じていますが、ちょうど今放送されている「豚のレバーは加熱しろ」のジェス役は、キャラの立ち位置としてはちょど真逆…
個人的にはジェスが私の「どストライク」のキャラなんですよね(〃ノωノ)
ジェスの出来の良いフィギィアが販売されたらポチっと食指が動いてしまうかもしれません^^;

…って、また脱線してしまいました^^;

新人スパイの寄せ集めが、僅かな時間をクラウスと鬼ごっこの様な訓練を経て不可能任務に赴き、それを成功させる…
私たちは、他のスパイを知らないので彼女たちの技術レベルがどの程度なのかは良く分からないうちに物語が動いていきました。

だから、この第2期が彼女たちのスパイとしての本質を見ることができる構成になっていました。
各々に秘められた能力を駆使して任務に挑んでいく…
それぞれの立ち位置も微妙に相まって一筋縄ではいかない展開繰り広げられたのが、個人的には良かったと思っています。

さて、推しですが…
正直キャラについても甲乙付け難いです。
普通に考えれば物語の主軸を担うリリィ、グレーテ、ティアあたりを良きと思うのが自然でしょう。
実際、私もこの3キャラの魅力は相当だと思っています。
それじゃ、他のキャラと一線引けるか…と考えると、それも違うような気がするんですよね。

推しについては、物語をもう少し進めてから決めても遅くはないと思いたいです。
原作の既刊は15巻で、アニメ第2期までで原作5巻分のストックを使ったことになっているようですから…
原作のストックがメッチャ残っているではありませんか!
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、nonocさんによる「楽園」
エンディングテーマは、sajou no hanaさんによる「ニューサンス」

1クール全12話の物語でした。
物語も概ね綺麗に纏まっていたのではないでしょうか。
声優さんが良いと見応えありますね~^^
メッチャ堪能させて貰いました。
続編制作の発表…楽しみにしていますね♪

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

普通にスパイやってる!?1期のハチャメチャぶりは何だったのかな?

 最終話(12話、通算24話)まで観ました。
 2023.10.06

 2期まで観ると、キャラクター達に愛着も湧いてきます。小悪党を懲らしめる系の話は面白かったです。

 今回の敵、帝国側のスパイ「蛇」が割とちゃんとしたスパイ組織だったので、1期ほどシナリオがメチャクチャではありませんでした。

 そのため、10代の割には登場人物達に貫禄があるというか…。ティアなんて、お前何歳だよ?とツッコミを入れたくなります。場末のスナックにいそうな程の人生経験がありそうです。

 完璧なスパイ、クラウスさんが若い女ポンコツスパイ達を集めている時点でシリアス、コメディどちらの路線にしても何かおかしいのは、物語の構造上仕方無いのかもしれません。

 キャラクターを愛せれば良い…キャラアニメとしては成功の部類だと思います。

 オススメかと言うと…、ここでレビューしている方達は、私も含めて1期から残っている精鋭なので、差し引いて判断されるのがよろしいかと思います。

………………………………………………………………………

 1話(13話)観てのレビューです。2023.07.15

 2期1話、結構面白かったです。こういう、わちゃわちゃした展開は面白いです。

 結局、8人の美少女を愛でる話なので、敵対スパイを殺しまくったり、要人にハニートラップを仕掛けたりするハードな展開は出来ません。

 敵を拷問するのも、されるのもやるなら2次創作でと言った所でしょう。

 そのため、シリアスパートがギャグっぽくなり、シナリオも全て破綻しているという惨劇を1期で目の当たりにしてしまいました。

 もう、シリアスは辞めて、正義の世直しスパイ物にしたほうが面白いと思います。

 もう、キャラ人気も固まってきたでしょうから、不人気キャラは卒業させて、人数を減らすのも良いかもしれません。

 何かしらのテコ入れの必要性を感じた2期1話でした。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4

75.8 10 任務でラノベ原作なアニメランキング10位
魔法科高校の劣等生 来訪者編(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (484)
2259人が棚に入れました
2095年10月31日。未観測の戦略級魔法によって、朝鮮半島南端の軍事都市と艦隊が消滅した。《灼熱のハロウィン》と呼ばれたこの日から、世界は新たな戦略級魔法師の登場に震撼することになる。中でも「世界最強の魔法部隊」であるスターズを擁する北アメリカ合衆国(USNA)は危機感を募らせ、秘密裏に未観測の戦略級魔法と、その魔法を使用した魔法師の正体を暴こうと躍起になっていた。それから約二ヶ月後の12月24日。街がクリスマスの飾りとイルミネーションで賑わっているなか、達也たちは交換留学でアメリカに行くという雫の送別会のために、アイネ・ブリーゼに集まっていた。雫がアメリカに行く期間は三ヶ月。雫によると、彼女に代わって第一高校に来るのは、同い歳の女の子だという。同い歳の女の子だという。同じ頃、USNAのスターズ基地では、一人の少女が第一高校への潜入調査に赴く準備を進めていた。彼女の名はアンジェリーナ・クドウ・シールズ。スターズ歴代最年少の総隊長にして、戦略級魔法ヘヴィ・メタル・バーストを操るUSNA最強の魔法師だった――。

声優・キャラクター
中村悠一、早見沙織、日笠陽子、内山夕実、寺島拓篤、佐藤聡美、田丸篤志、雨宮天、巽悠衣子、花澤香菜、井上麻里奈、諏訪部順一
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

魔法師の平穏を目指す達也の大計は続いていく……

【物語 4.0点】
第一高校へ交換留学生としてリーナがUSNA(北アメリカ大陸合衆国)より来日(勿論、真の目的あり)
街で多発する魔法師襲撃すなわち“吸血鬼事件”の解決と真相究明。
などがシナリオの軸だが、
根幹はやはり魔法師が兵器や道具として使い潰される
不遇の改善のため活動する主人公・司波達也らの奮闘。

能力を持たない人間たちに差別される犯人たちから魔法師を同族視される。
魔法師こそが進化した人類であると主張する過激派。
など魔法師が一般社会に溶け込んで穏やかに暮らすためのハードルの高さが、
精緻な21世紀末の社会描写により、改めて浮き彫りになる。

現状に対して達也はラストも{netabare}「分解」より「再成」(※人間には許されない位のスケールw){/netabare}
を誇示することで、再三再四、大志を示す。


科学により観測され、管理された魔法という基礎設定もいっそう洗練。
特にエネルギー保存の法則を超越する魔法の源が、
{netabare}異次元から供給されるとした余剰次元理論の仮説{/netabare}
には興奮しました♪

並の中二病設定では満足できない重症患者の私にとっては、
このシリーズはある意味、究極の中二病作品なのかもしれませんw


【作画 3.5点】
アニメーション制作・エイトビット

バトルシーン描写もエフェクト等のド派手な演出よりも、
管理された魔法のリアリティを探求した説明重視。
日常シーンでは作画カロリーはさらに低減される。

episode7での達也の活躍が象徴的。
伝家の宝刀“マテリアル・バースト”以外のスキルをフル活用した立ち回り。
この最強お兄様の本質は、「精霊の目(エレメンタル・サイト)」により、
捕捉した敵の能力を丸裸にする能力と、
得られた情報を対象の出自や政治・社会的背景も含めて、
分析、判断できるだけの知識にある。
地味ながら、さすがとしか言い様がない状況を、
サーモグラフィー風も交えたの透視映像で演出する等の渋い仕事で魅せる。


【キャラ 4.5点】
TVアニメでも本格的に登場となったリーナ。
劇場版『~星を呼ぶ少女』でも描かれていた
実はエリート軍人なのに、意外と抜けている部分はそのままに、
不可解な日本趣味なども掘り下げられる。
達也だけでなく、正ヒロイン・深雪との対決も色々な意味でヒートアップ。

彼女もまた軍人らしからぬ部分を無自覚に押し殺して任務に当たる無理を、
達也に指摘される形で作品テーマに合致する。


能力だけでなく、宿命や家を背負って
肉体&精神年齢いずれも高そうな高校生たち。
と思いきや秘められた意外な属性も発掘されたりする。
という他の魔法師キャラ設定も相変わらず。

21世紀末のSF設定ならではの萌えの探求もマニアック。
例えば、{netabare}光井ほのかの達也への想いなどが投影されたロボット(愛称・ピクシー)を通じて、
ダダ漏れになる乙女心{/netabare}とかw
いや……そんなパターンで赤面されても、20世紀生まれの私は反応に困りますってw


【声優 4.5点】
主人公・司波達也役の中村 悠一さん。
そもそも、人工的な精神改造により、
脳内に仮想魔法演算領域を組み込んだため、感情希薄になっている達也。
そんな中でも微かに滲み出た怒りや喜びといった機微が読み取れる好演が、
達也のキャラクター性を高める。

達也役として引き続きナレーションおよびナビゲート役も兼ねる中村さん。
世界情勢等への精通もまた、魔法師の幸福という達也の大願成就のため。
一本筋が通った部分も演技で捉えているから伝わって来ます。


妹・司波深雪役の早見 沙織さんも熟成。
お兄様の微かな感情の揺れ動きを捉える包容力を表現。
ここまで兄の気持ちを理解していても、
兄妹以上の関係になりたい気持ちを胸に秘めたままなので、
距離を詰め切れない、いじらしさとか。


そんな兄妹の感情が静かに火照る、
自動運転車内の二人の掛け合いが私は堪らなく好きなんだ。


正ヒロイン・深雪を再認識させられた末の、
スピンオフコミック『魔法科高校の優等生』のアニメ化決定♪さすがですw


【音楽 4.0点】
劇伴は岩崎 琢氏の続投。バトルシーンではオーケストラ風あり、テクノ風あり、
Lotus Juiceの参加曲ありの豊富なバリエーションでSF魔法戦を盛り上げる。

日常コメディパートでは「謎BGM」と称される老獪(ろうかい)なサウンドが炸裂w
リーナがポンコツを発揮するシーン等で多用されたレゲエ風に、
七草(さえぐさ)先輩による{netabare}暗黒のバレンタインチョコ{/netabare}のシーンではアフリカ民族音楽風と、
国籍に囚われないフリーダムな楽曲が宛がわれ混迷に拍車をかけるw


OPはASCA「Howling」
サビの“Wow wow”がライブで最高にブチ上がりそうな快作♪
が……今は大観衆を集めた公演は中々できない状況。
そこで敢えて咆哮する辺りに情熱を感じます。

EDは佐藤ミキさんの「名もなき花」
良作バラードをシットリと歌い上げる。
この落ち着いたボーカルは私が未知のベテラン歌手だろうか?
と思いきや、これが彼女のメジャーデビューシングル。恐れ入りました。

歌詞は、OPがリーナの、EDは深雪の心情を描写。
主題歌でも両ヒロインの場外戦が勃発!?

投稿 : 2024/11/02
♥ : 28

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

USNA(北アメリカ大陸合衆国)スターズ総隊長はポンコツ金髪美少女…。

[総評]
魔法が技術としてある程度確立した世界観の中で、第三次世界大戦後の世界を描いたSFファンタジー作品。本作は2期目に相当します。

1期目のレビューにも書いた通り本作中の世界情勢はわりと殺伐としたもので、第一を含む各魔法科高校についても国の将来を担う士官学校的な空気感が若干感じられます。

そんな世界での「交換留学生」というのが只者であるはずもなく、アクション面に限らない本作原作の特徴が出ていると思います。

そんな原作3巻(上・中・下)に渡る来訪者編を、それなりに尺を取ってアニメしか観ていない層にも楽しめるように上手くアニメ化できていたという印象です。

第11話以降の構成には、来訪者編以降の展望を踏まえたものを感じるので具体的にアナウンスのあった『魔法科高校の優等生』アニメ化以外に、何か未発表の第3期制作スケジュールがあるのかもしれません。

== [下記は第1話視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
電撃文庫から刊行されている人気ライトノベル『魔法科高校の劣等生』のアニメ化第2期目作品です。

原作の『魔法科高校の劣等生』は短編集を含む全33巻にて2020年9月に無事完結を迎えていますが、本作でアニメ化される<来訪者編>は以降のシリーズ終盤まで活躍するキャラクターや設定の結構な部分が軒並み明かされるエピソードなので、今後のアニメ化作品視聴の可能性や原作購入の判断の上でもぜひ観ておくと良いんじゃないかと思います。

アニメ作品中での時系列的には:

1. 魔法科高校の劣等生(1期目)
2. 魔法科高校の劣等生 来訪者編(2期目: 本作品)
3. 劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女

となっていて、1.でアニメ化が割愛された<追憶編>は3.で一部フォローされる感じになっております。3.に出てくるキャラのほとんどは1.もしくは本作品2.中でみんな出てくる感じです。

アニメとしては上記3.で初見だったリーナ(アンジェリーナ・クドウ・シールズ)がシリーズ中のエピソードで初登場となる作品となっています。

本作品を視聴するにあたって3.を観ている必要はまったくないはずですが、1.は観ておくかもしくは1.相当の原作部分を読んでおかないと話にはついていけなくなりそうな気がします。ということで、まだの方はひとまずここでさようなら。




本作では、前作で出てきた外国である大亜連合(大亜細亜連合: 中華人民共和国が母体)に続いて、第二の外国としてUSNA(北アメリカ大陸連合: アメリカ合衆国が母体)が登場します。

作中では第三次世界大戦終結後35年ほど経っていて日本と表立った戦争状態にある外国はありませんが、わりと一触即発的な殺伐とした国際情勢になっていて、主人公の司波達也(しば たつや)や妹の深雪(みゆき)をはじめとする魔法師はいずれの国でも実戦力として海外渡航制限を受けるような世相において、達也や深雪の同級生である北山雫(きたやま しずく)と交換留学という形でリーナがある任務を帯びて入国してくるという第1話でした。

来訪者編が原作で<上・中・下>の3巻構成だったので、1クールの放送であればこの3巻分のエピソードのみがきっちりアニメ化されることになると思います。

第2話以降も楽しみです。
== [第1話視聴時のレビュー、ここまで。] ==

2020.11.19追記:
第7話まで視聴終了。主にリーナが出てくる場面で使用される呑気な曲調のBGMが、彼女のポンコツぶりに天才的にマッチしていてとても気に入っています。

さて、第6話で<来訪者編>では初お目見えしたピクシー(メイドロボ)ですが、こいつは1期目の<横浜騒乱編>で出てきていた奴ですね。当時何を考えて東山奈央をキャスティングしたのかは謎ですが、現在獲得している人気を考えると2014年当時のキャスティングとしては大当たりだったかもしれませんね。

2020.12.29追記:
第13話(最終話)まで視聴終了。

原作本来の意味での「来訪者編」は第11話Aパートまででした。

第11話Bパート以降は次の「ダブルセブン編」のエピソード、あるいはタワー関連の話はアニメオリジナル要素です。

ただ、第12、13話も原作者脚本回なのでオリジナルとはいえ、原作は無視したものにはなっておらず数字落ち(エクストラ)の説明は本編中での説明としては原作よりも詳しかったといえるかもしれません。

原作既読でしたが、面白く観ることができました。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 32
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

大晦日とおにいさま

※注 本レビューは大晦日にUPしたややネタ色が濃いものとなります。予めご承知おきください。

 48年ぶり2回め {netabare}帝京第五高校(愛媛県/2017春){/netabare}
 24年ぶり2回め {netabare}玉置浩二(ソロ/2020紅白){/netabare}
 12年ぶり2回め {netabare}Mr.Children(2020紅白){/netabare}
  6年ぶり2期め {netabare}魔法科高校の劣等生 来訪者編 うぃーっす{/netabare}

魔法科高校と帝京系列の高校は互いに9校ずつあるようです。名盤『深海』にクレジットされてる「Mirror」と同名曲は1期後半のEDでした。作曲はTAMAI KENJI(ちと苦しい)。今回2期EDタイトルはこれまた「名もない花」となんかしら邪推してしまいそうです。
オカルトの一種?魔法といったファンタジーの産物に科学の持つ合理性を持ち込んだ意欲作。のっけから高校物理か生物かで習ったおなじみ半減期を意識したリリース時期や年末に一区切りつける秋クールでの放送にプロモーションの合理性を感じます。きっと大晦日紅白で大物アーティスト久々ご登場の裏にはおにいさまの暗躍があったのかもね。

そんな「言われてみればそんな気もするけどまぁ荒唐無稽だよね」な2020秋クールの注目作品です。


原作未読 全32巻

2クール費やした1期のおさらいは以下

#1-#7  入学編(1-2巻)
#8-#18  九校戦編(3-4巻)
#19-#26 横浜騒乱編(6-7巻)

この長編小説。司波達也(CV中村悠一)が高校を入学するところから卒業するまでの『高校生編』がアニメ2期放送と機を同じくして無事完結との朗報です。
このアニメ2期『来訪者編』は1期からの地続きで達也が高校1年生時代の最後を飾るエピソードとのこと。途中に劇場版を挟んでいますが1期放送から6年越しのアニメ新作に該当します。

2期
#1-#13 来校者編(9-11巻)

歯抜けになってる巻はすっとばしてるかOADとかでやってるんでしょう。2期完走してみて話の繋がりで齟齬を起こしてるようには見えなかったです。
これまで小説2巻分のエピソードで刻んでたのを上中下巻の3巻分を1クール全13話での放送です。1巻あたり3.5話~5.5話のペース配分を踏襲して2期も1巻あたり4.4話と無理もなさそうな構成、といったところでしょうか。


 さすおに

「さすがはお兄様です」の強烈な印象で語られる本作の2期を前に私の観点をおさらいしときます。

1.のめりこむでも揶揄するでも“さすおに”な兄妹を楽しめるか?
2.科学する魔法の論理構築っぷりに唸れるか?
3.特殊部隊や外国の軍事勢力とタメを張れる高校生を許容できるか?

基本的に立ち位置はネガティブ。1.3.はあくまで「我慢できそうか」が判断基準なのです。真顔で言うなら度の過ぎたフェチシズムは気持ち悪いし「なわけねーだろ」な最強ぶり。それなりに話題になってるわりに弾かれた方は似たような理由で撤退してるかと存じます。
そんなわけで少なくとも私にとって引力足り得るのは2.です。ここは2期もきちんとやりつつ新しい風を吹かしてました。だがしかし…

{netabare}「CADを必要としないからキャストジャマーは意味が無い」{/netabare}

私なんて直近の再放送だからまだしも6年ぶり2回めの視聴者の皆さん大丈夫でした?
キャストジャマ―、CADを必要としない、サイオン波パターン、プリズスキャルブ、エシェロン等々。
3日休むと勘を戻すために時間を要すのと同様に、専門用語が多い作風に対しては一気に観るか原作を読んどいたほうが良さそうでした。
なお食い気味に観てなかったからかところどころ理解できておりません。


魔法がひとつの技術みたいな位置づけとなってる世界ですからその源泉であるCAD(シーエーディー)を必要とせずに魔法チックなものを発動できる展開で物語上大きい波風を立ててる2期。
いわゆるとってつけたような安直な作品の一つに見えがちですがなかなかどうして。さはさりながら荒唐無稽なことを大真面目に丁寧にやってるだけが取り柄といった私の評価です。

 結局、司波達也おにいさまがキリッとしちゃえば万事OK!

そんなおにいさまを笑ってはいけないのが本作のルールなんでしょう。
笑っていいおにぃはコ○リコの小っちゃいほうだけです。



視聴時期:2020年10月~12月 リアタイ

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2020.12.31 初稿
2021.10.09 修正

投稿 : 2024/11/02
♥ : 42

69.9 11 任務でラノベ原作なアニメランキング11位
星界の紋章(TVアニメ動画)

1999年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (136)
748人が棚に入れました
『星界の紋章』は、森岡浩之によって執筆されたSF小説(スペースオペラ)、ライトノベル、及びそれを原作としたアニメ作品。また「星界の紋章」の番外編で、ラフィールの出生に関する話を描いた「星界の断章」がある。
 人類が、太陽から0.3光年離れたところに発見した「ユアノン」なる素粒子を利用した恒星間宇宙船を開発し、惑星改造により太陽系外に居住惑星を拡大し始めて何世紀も後のこと…。ハイド星系・惑星マーティンの政府主席の息子ジント・リンが幼少の頃、彼の故郷は「アーヴによる人類帝国」なる星間帝国の大艦隊によって侵略を受けた。彼の父ロック・リンは降伏と引きかえに貴族の称号を得、そのためジント自身も帝国貴族の一員となる。それから7年後、ハイド伯爵公子となったジントは、皇帝の孫娘ラフィールと運命的な出会いをする。 その時からジントは帝国貴族として生きていく事を決意する。

声優・キャラクター
今井由香、川澄綾子、高島雅羅、遊佐浩二、友川まり、陶山章央、藤貴子、千葉一伸、塩沢兼人、小杉十郎太、深見梨加、土井美加、鈴木英一郎、子安武人、日野由利加、石塚運昇、池水通洋
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

簡単にデレない娘さんの強烈な魅力

原作未読


劇場版控えてるとか祝円盤発売とかの商売っ気を感じない&空気を読まないラインナップが魅力のJ-COMさんの今クール再放送メニューのうちひとつ。
1999年1月~3月と“製作委員会”方式もまだまだおおっぴらになったかどうかな20年以上前の作品です。かつ衛星放送のみの On Air で知名度は底の底。

・WOWOW放送で認知度低め
・OPが服部克久のインストゥルメンタル
・Bパート終了。CM後のED。
・鬼籍に入られた声優さんらの在りし日のお姿

スペースオペラがどんなものか私はよく知りませんし、宇宙空間のあれやこれやで興奮する男の子でもなかったし、時系列でアニメ文化史を語れるほど造詣も深くありません。
どんな位置づけの作品か語る言葉は持ちあわせてませんが、上記4点をもって古い作品に価値を見い出してもいいかも。20年以上前の作品は視聴のハードルが上がるものですが古典もいいもんです。

今は配信会社。昔は衛星放送。聴けば一発でわかる曲の数々、服部克久氏。御年80歳を超えお見かけする機会もなくなり郷愁を誘います。OPインストとEDへの入り演出も最近は滅多に見ることはありません。
塩沢兼人、石塚運昇、鈴置洋孝。声を聞いただけでその人だと分かるのが声優さんという存在でした。
ためしに同時期の作品眺めたら、子供向けなキャラもの。頭身低めで目が大きい女の子を前面に出したもの。パッと見そんなのが大半ですね。「あー秋葉原にいる人こういうの好きそうだよねー」な作品群です。明らかにそれらとは違う匂いがします。
1999年は宇多田ヒカルのファーストアルバムが邦楽アルバム売上史上最高位を記録した年です。リアタイ時は家電買う以外の目的では秋葉原に目もくれない人生を歩んでおりました。


前置き長くなりましたが、普通に面白いですよ。
ハヤカワ文庫のSF小説が元ネタです。『グインサーガ』や海外の翻訳ものの堅いイメージがあってあまり読んだことのないレーベル。複数巻刊行済なので1クールで収まるわけないのですが、きちんと13話の中で一定の結論を用意してます。
最近「俺たちのなんとかは…」「大事なお知らせ!2期決定!」「続きは劇場で!」「この続きは3か月後だよん」とぶん投げエンドばかりに遭遇してたので、やや駆け足だったとしても作り手の誠意に静かに感動します。たまたまかは置いといて過去作品はきちんとけじめつけてるものが多い印象です。

画面比率ワイド(16:9)とスタンダード(4:3)の差も懐かしかったり、ここまではほぼ昔の作品の作り方ならではの部分しか書いてませんが、内容も古臭いって感覚は僕の場合ありませんでした。


では内容について。
地球ではない、とある人間の住む惑星に人外さん“アーヴ”が押し掛けて、降伏勧告みたいなことをするところから始まる物語。
で、何を言っているのかわからねーと思うが、おれも何をされたのかわからなかった.的な話に発展するのですが、この侵略する側のアーヴの皆さんが誇り高く聡明でこちらに感情移入してきます。それでいて“奴隷の平和”みたいなテーゼは微塵もありません。


 ね?わかんないでしょ?


基本は人間ジント♂(CV今井由香)と人外さんラフィール♀(CV川澄綾子)のボーイミーツガールなんです。
ヒロインのデザインは置いといてとにかくこのラフィールが魅力的です。「俺は女性を見た目ではなく性格で」とポイント稼ぎたい男子はぜひご視聴ください(適当)。

誇りが高く聡明で寿命の長い種族です。人間との寿命差が引き起こす哀感はあります。ここを全面アピールの『さよならの朝に約束の花をかざろう』という名作もありますが本作この1クールでの優先順位は高くありません。
むしろ“誇りが高く聡明”この種族適性を前面に出してくることで生じるジントくんとのすれ違いを楽しみ、徐々に絆を深めていくさまに目を細めることができると思います。

さらに

「そなた」「であろう」「するがよい」

が口癖のやんごとなきご身分のラフィールにひざまずく快感がありますね。これニッチなフェチシズムであるかどうかは現物を確かめていただければと。

{netabare}「ラフィールと呼ぶが良い」

と笑顔で語りかけた某シーンでは自分電気が走りました。{/netabare}

一見尊大に見えますが、本来の性格は素直。嘘がつけない性格でもあります。
簡単にデレないし、ほっぺ赤くしないし、ラッキーなんとかも皆無だし、サービスショットもありません。あの冴えないヒロインだって感情を爆発させたのにラフィールはそれがない。


耐えられますか?

1.好き好き光線だしまくりな女の子の好意に気づかない鈍感主人公を「ヘタレてんな~」とマウントとりながら睥睨することに

2.テンプレ化したツンデレ娘に「あーまたこのパティーンかよ」と辟易したフリして実は安心している自分に

慣れてしまっているそこのあなた!

簡単でない娘をいざ目の前にしたからって掌返しのクレームは受けつけません。…と煽っときます。



※オマケ

■子安さんとゲスキャラの好相性

いやもうこれはそれっぽいのが出てきた時にエンドテロップで答え合わせしましょう。
「あ~やっぱり!」となるかと思います。

{netabare}クロワールのことですよ。{/netabare}



■帝国軍の敬礼

誇り高く聡明なアーヴの皆さんの帝国軍。軍略は妥当性があり、リスクを一つずつ排除して合理的な判断を下そうと助力している描写あり。事にあたっての指揮官の覚悟と部下への命令内容もアツいものがある。上官も上官なら即座に意を酌む部下たちもかっこよい。
そんな彼らの敬礼。

{netabare}オリラジ藤森が「サンキューでーす」してるようにしか見えないという罰ゲーム{/netabare}



視聴時期:2020年1月~3月 地上波再放送

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2020.03.14 初稿
2020.09.27 修正

投稿 : 2024/11/02
♥ : 31
ネタバレ

芝生まじりの丘 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

王道をゆくジュブナイルSF

私は放送当時のオタクではないし、オタク情報網もだいぶ低レベルなので多くを知らない。
しかし、最近、ちょっと昔の情報をちょろちょろ仕入れられ、このアニメも知るに至った。正確には前から名前は聞いていたのだが、まあ普通にラノベ原作ものにも、SFものにもそんなに興味はなかったのだが、界隈では有名らしいので視聴。

結果として期待通りであり、なるほど、これは有名になるじゃろという出来だった。うん、面白い。


昔のラノベって普通に臭さ薄めでラノベってよりジュブナイルなんだなあ。
現代で見て、これは、という目新しさはそんなに無いが、非常に丁寧に作られており、王道なSF作品と呼べる出来に仕上がっている。
なんというかラノベアニメにありがちなツッコミどころが少ないし、個性的とは言わないが作画も丁寧で、ちゃんとアニメを作っている感じがする。
上橋菜穂子系(守り人シリーズとか)とか思い出した(こちらについては原作しか知らん)。まあ刊行年代も近いか。

スペースオペラ系と呼ばれているが、宇宙船での戦争がメイン、という作品では無く、地球風の星に潜伏したり、独自の規律をもつ宇宙船に滞在したりといった内容が主。
正直あんまりロボットバトル要素とか、宇宙船バトルみたいなの好きじゃないので、その辺はよかった。同様に宇宙バトルモノ(?)系が好きでない人も楽しめると思う。
ただ、正直地上潜伏編は惜しい出来で、ああ、この人は宇宙を書くべき人なんだなと思った。遊園地の逃避行のシーンは演出が遊べばより面白いシーンにできたと思う。

もっとも特筆すべき点はやはり世界観の作り込みであり、架空の種族や星、国、制度、といった世界観全体が十分な説得力を持っていることか。架空の世界の設定ってあんまり現実感わかないから、説明されても面白く感じないのだけど(特に宇宙系はテンプレ感が強くて)、この作品では世界に引き込まれた。
あと、世界観が結構重厚な反面、外面も内面もキャラクタ造形は近現代のラノベやらアニメに近しい部分もあり、そのへんのズレも面白い。でもまあ、やっぱりラノベ作品という印象は薄いが。

残念な点は続編以降戦記メインになりそうなことか、普通にこのテイストで、主人公とヒロインの二人での権威のない冒険をもうちょっとみたかった。エピソードの数的には少ないので食い足りない感じ。
そして、見てみないことにはわからないが、私はあまり大規模な戦記はあまり好きではないので不安。

もう一つ残念な点を述べると、まあ世界観の説得力と、王道で面白いジュブナイル的ストーリー、より他の魅力はないということか。面白くはあるが、良くも悪くも王道、という感じはある。

でもまあ、名作だね。記憶の波に飲まれて消えるにはちょっと勿体無い作品かなと。



【戦争というテーマ】(どうでも良いので畳んだ)
{netabare}
詳しくはないのでわからないが、戦争モノというのは、もう廃れたが昔はだいぶ流行っていた。2000年前後のアニメ作品では司令官と部下など、ヒエラルキーのある組織での戦いの話はよく見受けられる。一方最近は個人の争いに焦点を合わすことは多くとも、こういった戦記もの、というのはあまり見ないように感じる。これを、戦争が終わってから時間が随分経って来たからだ、と私なんかは憶測するが、あんまり信憑性は持てない。
{/netabare}

-------------
追記
昔のラノベが全部良きジュブナイルだ、というのは暴論ですね。この時代のハヤカワで出版されたラノベっていうのでこの作品はむしろ特殊らしいし。昔、"吸血鬼ハンターD"とかいう昔のラノベを読んでクソほどつまらなかったのを思い出した(個人の感想)。アレを良きジュブナイルとは言いたくない。それに1990年にはスレイヤーズも刊行されているのだから。まあただ、ラノベ界隈の方向性がまだ今のように定まっていなかったのは事実だと思うが。

また、他方で著者がこの作品を"ジュブナイル"としてでなくやはり"ラノベ"として出版したかったのは概ね明白であり、そこを勘違いしてはいけないかもしれない。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

ボーイ・ミーツ・ガール(SF風味)(2017.5.23: 大幅改稿)

視聴時点で原作小説(ハヤカワ文庫刊)既読。WOWOWでの有料放送だったため、たぶんアニメ自体の知名度は低めだと思います。

<星界>シリーズとして『星界の戦旗』へと続き続巻刊行中です。原作シリーズとして『星界の戦旗』は未完なのですが、その前日譚である本作はきっちりストーリーの区切りがついています。

原作のカバーイラストは、プリンセスメーカーなどで有名な赤井孝美さんです。そのままの絵柄だとアニメでは動かせません(笑)ので、アニメではそれなりに線の整理されたキャラクターデザインになっていますが、原作イラストの面影はなんとなく残っている気がします。

本作品世界では居住可能惑星の探査と亜光速宇宙船による宇宙移民により人類は銀河の各星系に広がっていますが、主人公ジントが居住するハイド星系は超光速航行の技術を持っておらず、惑星ハイドは独立した経済活動を行っている民主的な惑星国家です。

そんなハイド星系である日、宇宙空間での謎の爆発が発生して「アーヴによる人類帝国(フリューバル・グレール・ゴル・バーリFrybarec Gloer Gor Bari)」、通称「アーヴ帝国」に所属しているという宇宙船が出現して、ハイド星系の帝国への帰属を迫るのです。

その日から、ハイド国政府主席だった父の息子であったジントの数奇な運命が始まり、それから数年の時を経て皇女ラフィールとの運命的な出会いを果たすのです…。


<星界>シリーズはいわゆる「スペースオペラ」です。スペースオペラではどうやって星間航行を可能にするかが1つの課題だと思うのですが、本シリーズではそのアイディアがユニークで、またこの航行手段により宇宙船同士の戦闘が特殊なものになっています。この効果により、潜水艦での戦闘のような独特の緊張感が産まれ、かなり見ごたえある戦闘シーンとなっていると思います。

またヒロインであるラフィールを含めて「<アーヴ>は宇宙での活動に適するような遺伝子改造により発生した種族で、ビジュアルが普通の人類と異なる」という設定があります。

逆に<アーヴ>が地上世界(惑星の地表)で生活することは皆無で、この辺りの生活習慣の違いから発生するジントとラフィールの常識のギャップもなかなか面白いところですね。もちろん、我々の常識はジントに近いわけですけれども。

<アーヴ>の設定に忠実なビジュアライズをすると、普通のアニメキャラ(髪や瞳が青くエルフ耳の美形キャラ)になるというのは、原作者が狙ってやっていることではあるのですが、これも面白いですね。

あと、言語オタク的には作中のオリジナル言語「アーヴ語」が面白いかもしれません。アニメでは、ストーリー冒頭のナレーションがアーヴ語です。

OPはオーケストラ演奏による雄大なもので、インストゥルメンタルです。いわゆる「主題歌」という奴ではありません。めっちゃカッコいい曲ですね。

SF、スペースオペラ好きにはお薦めです。ジュブナイルものとしても楽しめると思います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 28

67.4 12 任務でラノベ原作なアニメランキング12位
処刑少女の生きる道 バージンロード(TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (259)
691人が棚に入れました
かつて日本から訪れ世界に大災害をもたらした≪迷い人≫。彼らは過去に世界を滅ぼすほどの厄災をもたらしたことから「禁忌指定」となり、人知れず処刑する必要があった。≪迷い人≫の処刑を生業とする≪処刑人≫のメノウは、ある日、日本人の少女・アカリと出会う。いつものように任務を遂行しようとしたメノウだが、アカリの“とある能力"により失敗に終わってしまう。アカリを確実に処刑するため、彼女を連れて、いかなる異世界人をも討滅可能な儀式場があるというガルムの大聖堂を目指すメノウ。殺されるために旅をしているとは知らず純粋に楽しむアカリの姿に、メノウのなかで何かが変わり始めていた。――これは、彼女が彼女を殺すための物語。

しんちゃん さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

異世界、タイムリープ…を、「じゃない」側から見たら

原作未読。

今期は異世界者として「骸骨騎士様」とこの作品の2つを観ていたが、切り口・まとめ方が対照的だった。個人的には、「処刑少女」のほうが良かった。この、「面白かった」じゃなくて「良かった」という表現には、もちろん含みがあります。

いわゆる「異世界」ものって、本来は、現実世界ものだといちいち年代や場所の設定、人物の職業などに『現実と違う』とか『物理的にあり得ない』とかのツッコミが入ってめんどくさくなるから、いっそのこと“この世ではない世界”ってことにして現実世界の設定や物理法則とか無視して、いろいろ自由にできるようにしちゃおう、っていう意図から誕生したジャンルだと思うのですよ。

でもね、そうするとじゃあ何のためにわざわざ物語を異世界で展開するのかっていう、根本的な作品の意図がより鮮明に浮かび上がってくるわけです。で、巷に言う「なろう系」というのは、主人公に現実ではあり得ないハーレムとかチートスキルとかをやらせたくて異世界にしました、っていう(それはそれで一定のニーズがあるのだけど)しょうもないオナニー的作品が大量増殖してしまったことへの侮蔑的な呼称でしょう。

「処刑少女~」は、そういった状況に対するある種の「反転」による批評を意図した作品だと言えるのかなと思いました。チートスキルとともに異世界転生した人間に無双「される」側を主人公にして、はた迷惑な転生者が主人公に「処刑」される様子を描く。また、タイムリープ能力を持つ転生者の側にいる人間は、世界をどんなふうに認識するのか、というのを描くからです。

その視点の転換は、非常に面白いと思いました。が、少なくともアニメ作品単独として見た場合には、そのユニークな設定を生かしきった物語だったとは言いづらいかなと感じました。異世界の側の階級闘争や神職組織内のゴタゴタといった、転生者とその処刑とは直接関係のない話が延々と続きますし、主人公の育て親?とのエピソードが回想の中で何度も出てきますが、結局その人物に関する謎は最後まで解かれずに終わってしまいます。

でも、そういう意味では原作を大胆に改変して1クールで話をきれいに終わらせた「骸骨騎士様」に比べて、原作に忠実?に途中までで話を投げっぱなしにした「処刑少女」の制作チームのほうが、私としては評価したい。

なぜなら、異世界ものは結局チート・ハーレムといった読者の欲望に忠実になる以外のオチの付け方は、「桃太郎」化した超絶テンプレの勧善懲悪ストーリーしかないわけです。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                          というか12回も見続けて最後に自分が「桃太郎」のテンプレを見ていたのかと思うと、脱力感がハンパない。それぐらいなら、「これはあくまでプロローグで、興味を持った方は原作をお読みください」と突き放してくれた方がありがたい。その意味においてです。

でも、異世界ものというのは、(世界の定理について読者との間に共通理解がないために)どうしても登場人物たちを中心に世界を回し、説明することになってしまう。小説の場合は尺の制約はないからいくらでも長い物語を書き続ければいい(むしろ長編にしたほうが読者も読み続けてくれて喜ばれるしもうかる)のに対して、12話という枠のあるアニメでは、意外性のあるストーリーを展開する前に世界の説明と主要な物語をたどるだけで尺が尽きてしまう。「処刑少女」も、そうした制約の中でテンプレ化しない道を一生懸命探った結果の作品だと思うが、やはり12話でまとめきることはできず、尻切れトンボとならざるを得なかったのだろうと思いました。

幸い、作画や音楽については一切の手抜きなし、申し分ないレベルのクオリティだったし、声優も主役級2人の新人も悪くなかったし、回りをベテラン勢で固める手堅い配役でした。制作陣の誠実さが感じられる作品だった…けれども、これで2期があるか?と言われれば、きついでしょうねえ。批評性以外に作品の魅力があまりないから。私としては、機会があったら、原作も読んでみたいと思いますが。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

設定だけは良かった。

{netabare}
1話の出だしは、いかにもこの作品は他のなろうとは違いますよと言わんばかりに皮肉を入れたり、異世界ながら現代風な世界観だったり、そして、無能なナナのようなどんでん返し展開でかなり期待してた。続きの2話も結構百合要素も強めな感じで、序盤の印象はクール内でもトップクラスだったのだが、そこからは落ちる一方。

まず一番のガッカリポイントとして処刑少女要素が全然ないこと。
処刑したのが一話のモブだけという...。
あかりは特別な存在だから保留するにして、同時並行で別のターゲットを殺していくという風に、あくまで処刑少女としての仕事を描くべきだったと思う。
なぜか訳の分からない敵とばかり戦っておて、見たいものから逸れている感もあるし、グダグダやっている感も否めない。

急に「異世界人を殺す羽目になってたのは実はあのおばさんのせいなんだ!!」とか言われて喧嘩をし始めても、異世界人を殺す処刑少女としての場面が一話しかないもんだから共感しがたい。
てかそもそもおばさん自体存在感が薄いからそんな意外性のある展開というわけでもなく、唐突な印象を受けた。
おばさんの動機も死ぬほどしょうもないし、あの回でこのアニメはダメだと確信した。

実際おばさんとの戦闘後は良くも悪くも、普通のなろうになったなと言う印象。
この世界が異世界人から影響を受け近代化しているという設定に関しても大して活かされず、目の前に現れた敵を倒すだけという可もなく不可もない展開。
もう灯を殺すとかそんな話はどこか遠くへ行ってしまってるのでグダグダ感が否めなかった。戦闘自体も特段面白いということもなく、本当に普通。
中盤から後半になってくると百合もかなりごり押し感があって、百合好きの自分からしても正直きつかった。

あと、あの金髪のキャラは何がしたかったのか。電車の上で急に戦闘を始めたかと思ったらいつの間にかVSおばさんの回で共闘展開になっているし、その回だけかと思えば最後の敵との戦いでも共闘してるし、本当に何がしたかったのか。こんな共闘した後に対立されても茶番感しか。

まあただ、実は目的が一致しているという、灯やメノウの設定に関しては面白かったというか惹かれるものはあった。
タイムリープキャラをサブ主人公に据えた話と言うのも目新しさがあって良かったかな。
最終目標やラスボスが明瞭になったというのもあってどちらかというと最終回後の話の方が、グダグダ感がなくなって面白くなりそうではある(?)
フレアがラスボスで、自分の弟子を始末している"処刑少女"という設定も面白そう。一期の範囲だと本領が発揮できていない感は少しあった。

序盤は結構面白くて、中盤は微妙、終盤は普通と言った感じの作品ですかね。
キャラの作画に関してはずっと安定していたけど、作画は普通だった。

↓一話毎メモ
{netabare}
1話 ☆9
結構よさそう。あっ...。出だしは良かったのに、異世界転生の流れと「異世界転生!?」って驚く主人公のせいで台無し。
異世界転生の流れ雑すぎない?
いや、けど転生後にネガティブなのは結構いいか?
おい、主人公寒い会話やめろ。なろう特有のマヨネーズ推し。
知ってて草。これは...逆張りなろう作品?
おお、世界観がちゃんとしてる異世界っぽいな。
日本人街が出来てるって言う設定も面白い。ノブレス難民救済。
独自の世界観がある異世界久しぶり。どういうことだってばよ。
無能なナナ? 面白い説。葛藤を残しつつ殺すのがいい。
光学迷彩? 異世界人はノブレスVSファウストの戦争の道具?
予想以上に面白かった。ダークホース枠? かわいい。死なないで。
OPなんて? OP微妙だな...。

2話 ☆8
キャラデザほんと可愛いよな。鬼頭あかり? 焦りすぎ。
自分の傷もいやせるよな。追い打ちはよ。顔芸。これ百合アニメ?
列車あるのか。修羅場。なんか好きだわこのアニメ。

3話 ☆6
やっぱり百合枠だったかw 謎の化け物
ちょっと話それすぎじゃない? 作画頑張って。
異世界人を殺す話だけやってればいいのに。
あかり守るの草。よくある列車が止まらない展開。
エッッッ ??? このもし失敗したらの回想いる?
失敗したけどやり直したのでは?ってこと。

4話 ☆8
今回で結局話面白いアニメか面白くないアニメかはっきりしそう。
怖い。露骨な百合豚向け路線。

5話 ☆2
百合が露骨すぎる。なんでこいつと仲良くなってんの?
心読まれてる?w 何が起こってるんだ?
主人公に殺し依頼してた側がおかしかったってこと?
処刑少女全否定だしなんかなぁ。
いや、けど目的が若返りぐらいなら異世界人殺せるしそれでもいいんじゃないの? 純粋概念受け継がれるの?

6話 ☆6
ちょっとマシなたんもし枠って感じだな。ループものだった? 何があった? 誰の話がしたいのか絞ってくれ。
モモとババアとあかりの話同時にやられても。
いや、フレアに変装できたからといってなんで出し抜けた?
変装する意味あった? 結局これでもう処刑少女()やめるの?
全くやってなかったけど。
まああかりがメノウを信じてた理由は整合性あって良かったかな。
これでまたループなの? サクガンみたいな回想

7話 ☆6
OP好きになった。百合のごり押し。
この子がちゃんと異世界人始末してるとこ一話のあのモブ分しか見てないんだが。最終的にモモが敵対してフレア連れてくるオチありそうだな。
まだ薬飲ませたりしてるんかよw
アイアンメイデンって言うほど苦しまずに死ねそう。

8話 ☆4
この世界の総意として異世界人は始末しないといけないのね。
ちゃんとした理由が必要だよな
下品すぎるわ。麻薬(魔薬) あんまり魔物化に意味なさそうだが。
あかりが少しきつくなってきた。序盤は推してたアニメなんだけどなぁ。

9話 ☆3
なんかもうこのアニメきつい。
もう今更こいつと敵対しても茶番なんだよな。女には優しい。
何がトリガーになって未来が変わった?
何が面白くないんだろうなこれ。処刑少女要素がないにしても展開を結構工夫してるのはわかるんだが。

10話 ☆7
いや、復讐する気満々だったじゃんw なるほど?
フレアが禁忌でないと見逃したことが誤りであったということにしたいのか? 
捻くれてんな。生まれた マトリョーシカかな?
しょうもない会話やってないではよ進めろw
そういやこの世界近代化進んでて映画もあるんだったな。
その割には町は前近代風なのね。

11話 ☆4
敵が寒いわ。この金髪は何がしたいんだよ。
話は悪くないけど敵が生理的に無理。霧ってなんなんだ?

12話 ☆5
エンドロールまで見ろ。これはいいリョナ。
腕ちぎられるとこまでやってくれたら最高だった。
そこであの回想の場面になるのか。
これ結局ダラダラしてるだけで面白くないアニメだったな。設定だけ。

曲評価(好み)
OP「Paper Bouquet」☆8
ED「灯火セレナード」☆7.5
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 11

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

12話見ないと真価が分からない作品。異世界転生だと思わない方がいい。

 なるほど…1話で予感したとおり、非常に面白かったです。大きな構造が良く練られていました。

 メノウとアカリがお互い抱えている秘密。そして教室のフラッシュバック。一体どういう構造で現世と異世界が繋がっているのかという謎。アーシュナやフレアなどに秘められた謎。どこをとっても興味が尽きません。

 タイムループものではありますが、タイプループがこういう大きな謎の構造の中でWHYを解き明かすためのものとして機能しています。ですのでタイプループで事件を解決するという話ではありません。あるいはタイムリープそのものも謎を構成しています。エピソードを通じてそういう謎の提示があって、謎が解き明かされる方向に進みます。

 異世界ものではありますが、SFの匂いがする舞台設定でセリフの一つ一つ、エピソードの隅々まで意味がありそうな作品でした。

 冒頭のアカリの不自然なメノウへの態度、そして内面を見せないキャラ造形などが後になってちゃんとわかる構造になっていました。
 少年の話や大司教、パンデモニウムなどのエピソードを使って上手く世界観や謎、設定を説明できていたと思います。

 アニメの作画は素晴らしかったですね。丁寧で破綻の無い作画なのはもちろんのこと、原画…特に女性の身体…立ち姿とかイスでだべっている姿などの骨格というか、デッサンが非常に人間を感じさせました。手の形も非常によくできていましたし。あるいはCGが優れているのでしょうか。人物の人間らしい作画はすごかったと思います。

 異世界転生もの、という枠に収まる作品ではなさそうです。非常に出来がいい作品でした。ストーリーという点では、なろう系の異世界ものは足元にも及ばない、くらいよくできた作品だと思います。世界観、舞台設定、キャラ設定、謎の作り方どれをとってもレベルが高い出色の作品です。

 
 ただ、良く出来過ぎていて、面白さがどこかに置いてけぼりになっている気がします。「転生もの」というカテゴリーでくくられてしまったのが不幸なのかもしれません。
 今のアニメ界、WEB小説界は、設定が丁寧に説明されて、一直線にストーリーが進まないと、評価されない傾向にあります。

 それと、世界観、設定が複雑でちゃんとできているがゆえに、キャラの内面描写がちょっと薄い感じです。そこに感情移入のむつかしさがあったかもしれません。
 謎がある故にモノローグが厳しい構造なのはわかりますが、ヒロイン2人もそうですけど、アーシュナなども内面が見えないので感情移入しづらいです。あえて言えばモモが乗りやすいですけど、ストーリーを俯瞰して見られる立ち位置ではないので、やはりメノアかアカリのどちらかにライドしたいですね。

 細かい事を言えば、冒頭の鉄道ジャックのところに関係者が集まりすぎとか、若干ご都合主義がありました。1つの列車に全員が乗る必然性とかあるともっと良かったかなあ。それとマノンの母娘のエピソードもちょっとあの人と肉親である意味が希薄だなあ、とは思いました。そうしないと登場した意味が薄くなるのはわかりますけど。12話の尺ですから省略した部分があるのでしょうか。

 OPの雰囲気も良かったですね。EDは続きが気になって飛ばしがちだったので、あまり味わってなかってなかったです。

 総評すると、世界観、舞台設定、キャラ設定、謎、エピソードの積み重ね、アニメの出来、特に女性の身体の作画、OP曲やOPアニメなどどれをとっても非常に良い作品でした。
 ただ、正直いって時代遅れの可能性があります。本作は古き良き「ちゃんとしたラノベ」になっていて、連載物ならではの単純な一直線の話ではないので、後半まで見て面白さが分かってくる構造でした。

 それに加えてキャラに乗りづらいので、見ている側に1話で作品の良さが伝わらないと、早々に切られるでしょう。そしてそれは見ている側だけの責任ではない気がします。異世界転生ものにみえますので、小説の読解力を要求したり、SF心を要求するのは酷だと思います。
 1話2話くらいで面白さに気が付いてもらえないとなると、厳しいですね。回を重ねるごとに面白くなっていきますし、6話まで行けば完走でしょうけど。12話で真価がわかります。

 なんとなく評判を見る限り、過小評価されている感のある作品です。ちょっとブギーポップを思い出しました。あれも非常に出来がいいですが、昔なら良くても今のアニメ視聴者には辛いでしょう。
 逆に言えばおそらく原作もなかなかの出来でしょう。アマゾンで3巻まで0円なので小説版確認して見ようと思います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 22

69.4 13 任務でラノベ原作なアニメランキング13位
勇者、辞めます(TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (295)
973人が棚に入れました
魔王軍の侵攻から世界を救った勇者レオ。 しかしその強さは平和な世を迎えた人間にとっても脅威となり、ついには聖都から追放されてしまった。 地位も名誉も居場所も失い、彷徨う勇者が行き着いた先は――ボロボロの魔王軍!? 人への恨みか自暴自棄か、魔王に正体を隠しつつ、四天王と共に軍の立て直しに挑むレオ。 引退勇者の大仕事、その先に待つものは......?
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

タイトルのダブルミーニングが良かった。

{netabare}
前半は日常モノなので、後半は設定が明かされて、良パートとも面白かった。

序盤は割と否定的な意見が多かったみたいだけど、普通に自分は楽しめたかな。
説教臭いというのもわかるけど、実際に的確なアドバイスではあるし、脚本自体は中身が合ってよかったと思う。
基本的に主人公も魔王幹部たちのことを考えての行動をするので印象が良かったし、勇者と幹部との交流、会話に重きが置かれている作品なので、日常系作品としての面白さもあった。キャラも各々個性もあって型にはまっていなかったし、全員何か駄目な点があり、それを改善していくという流れなので印象に残りやすかった。

後半パートは予想外な設定も多く明かされていき、どんでん返しもあったりで意外性があり良かった。
勇者の過去以外にも、魔族と人間の対立関係も、実は人間が悪でしたみたいな陳腐なものではなかったし、これ系の作品では珍しくテンプレからの流用ではない、独自の設定で世界観を作りこめていた印象。
後半は勇者の過去回想を多く挟んだりで、内面の描写も丁寧だったので、勇者として生きることの辛さが伝わってきてレオの自殺願望にも共感できた。
タイトルのダブルミーニングも過去回を見た後だと響くものがある。
勇者の過去編辺りからEDが雰囲気に合ったものに変わるのも良かった。
両方とも曲自体は個人的にはイマイチだが、作品の空気感が表現できているし、EDが二つ用意されているという事実自体に気合の入れようが伝わってきて作品に対するイメージは上がる。

前半は勇者が魔王幹部を正していく、と言うものだったのに対して、後半はその逆の構図。お互いのダメな部分を互いに修正していくというストーリー構成が、両者の成長モノとして出来が高かった。
なろう系だと主人公が他人から何かを教わるみたいなものはあまりないしね。

一か所残念だったのが、メインのプロット自体はいいものの見せ方が下手なせいで茶番みたいになってたところがあったことかな。レオがいきなり豹変して襲い掛かるパートは絶対に不要だった。

賢者の石に関しては結局保留と言う形になったが、最後は勇者や魔王幹部など、キャラ関連の話に関しては綺麗にまとまった終わり方。
2期をやってもたぶん蛇足になるだけだからここで終わりでいいかな。

↓一話毎メモ
{netabare}
1話 ☆7
こういう系、王道とは反対をいってるつもりなんだろうけど、それすらもう寒いと思えるレベルにまでありふれてるんだよな。少しは疑えやw
いや、意外とギャグ調なら面白いかも? そんな恐れられることか?
そうはならんやろ。魔王になっとるやんけ。
ハーレムじゃないし意外といいのでは。

2話 ☆7
やっぱこのアニメ普通に面白いな。服透けそう。
これ系ならそれなりには楽しめるわ。

3話 ☆7
溺死しそう。どうせ自分で見つける。ガバガバ。
どうやってそこに行ったんだよw

4話 ☆9
随分と現代的な街だな。最初から顔変えられるなら変えとけ。
エキドナかわいい。いや、飲みすぎだろ。体死ぬぞ。
まだ切れてて草。やっぱ結構面白いなこれ。
人間が実は悪みたいな単純な二分法でもなくて、一応魔族が悪だけど、魔族を救うためには致し方ないみたいなどっちにも納得できる理由があるのがいい。

5話 ☆8
退職か。メルネスさんはコミュ障です イキリオタク感がすごいw
これ結構面白いのでは。魔界のお仕事モノ。

6話 ☆8
こいつ見た目サイコパス感あるよな。シリアス路線面白くない。草。
文明が発達した異世界じゃなくて地球なのかよw この設定いるんか?w
銃あれば殺せそう。いや負けるか?普通 核使え。それで数百年たったのか。
これなら魔術要素いるのかなぁ。けど正直この設定いらないよな。
形勢逆転。結構真面目な雰囲気があるのはいい。

7話 ☆8
結局才能だよな。他の幹部にそのこと喋っちゃうんかよ。
最終回で逆に助ける流れかな。こっちもロボアニメ始まる? 体育会系...。
エドヴァルト本人が戦ったら意味ないのでは。
魔王幹部をこんなに圧倒するメカを作れたなら普通に魔物殲滅出来ただろw
説教系主人公。

8話 ☆10
ん? 結局こいつ裏切るつもりではないのか? めっちゃ喋るじゃん。
会話シーンのみながらセリフの一つ一つがいいな。
主人公が誰かを救う話と思ってたけど、本当は逆なのか?
けど結局死ねないんだよね。特殊ED?

9話 ☆10
ほとんど人間なのかよw 何のために魔族側に? 国が気に入らないの?
茶番感。天然可愛い。カップルかよ。
賢者の石手に入れた後のことを自分がいない前提で喋ってるってことは。
まあそうなるわな。久々に好みに合ったなろうかもしれん。
勇者辞めますのタイトルの意味が良かったな。

10話 ☆2
いや、さすがに豹変しすぎだな。
あの一瞬で狂ったってことならいいけど、ここまでなら少し茶番感があるな。
最高な引きから微妙な展開って珍しいな。
何もせずに殺されたらいいじゃん。何か微妙だな。
前回でハードルを上げすぎた感がある。
さすがに主人公を豹変させすぎてギャグアニメになってる。
いや、世界を滅ぼしたかったからってのは魔王幹部にアドバイスしてたことの理由はなってないんだよ。男女平等パンチ 違うんだよな。

11話 ☆8
今回よさげ。やっぱ設定はいいよね。作者の妄想って感じじゃなくてちゃんと話作られてていい。
前回微妙だったのに今回結構良かった

12話 ☆8
プロットはいいけど見せ方が悪い気がする。結局根本の段々と人の心が失われていく問題解決しなくない?
俯瞰 欠陥プログラム。エイブラッドのセリフが回収されるのもいいな。
強固な自我とやらで自害も出来そうだなw 結局賢者の石はw
まあ綺麗に主人公周りの話は纏まっていたのでヨシ。

曲評価(好み)
OP「BROKEN IDENTITY」☆8
ED1「Growing」☆5.5
ED2「de messiah」☆6
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 9
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

そういう感じですか

とあるフォロワーさんのレビューで慎重勇者に似た作品だ的なものを見たので、気になって視聴してみた。

結果、おおむねその通りであった。

勇者辞めますってそういうことねっていう。現在の話と過去回想を織り交ぜながら伏線回収?と言っていいのかラストに繋がる話を断片的に拾っていく感じ。
最初のほうは強すぎて一般人に忌避されたことにうんざりして自分が倒したはずの魔王軍になんとか取り入って人材育成するだけの話に見えてうんざりするような内容にも思えるが、個人的には段々と目が離せなくなった印象。
理想を語る魔王がかっこいい。貢献したい気持ちにもなるかも。

{netabare}実は3000年も生きていて機械文明の出身。人間を守るために生み出された人工生命体の最後の生き残り。伝説の人物との交流もある。超成長が売りで今まで戦った全ての敵の能力を吸収している。人間を守ることをプログラムされたため、平和な世界に違和感があり、自ら世界を滅ぼす行動をして人間を守る環境を生み出すのではないかと予期不安に襲われて魔王軍に殺してもらいたいと考えていた。自分の命を託せるか見極めるために魔王軍に入ったというわけ。心臓が賢者の石だったとはね。まあ限界あるでしょうね。
魔王が最後の力を振り絞ることで発動した勇者封じの術でもってようやく行動を停止し、やっと死ねると安堵するも情もあってか魔王は死なせないと決意。プログラムに実際逆らえる能力あるわけだから、勇者辞めるようにやってみろと。見事辞められましたね!最後の最後にやっぱ死にたくないとはなるんすね。{/netabare}

予期不安から行動に移せないけど、やってみたら案外いけました。
案ずるより生むが易しとはまさにこのことな作品。


OP
BROKEN IDENTITY 鈴木みのり
ED
Growing 東山奈央
de messiah 東山奈央
主題歌は地味に良かったぞ。
EDの2曲目が凄いTK感溢れすぎ。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
魔王軍の侵攻から世界を救った勇者レオ。しかしその強さは平和な世を迎えた人間にとっても脅威となり、ついには聖都から追放されてしまった。地位も名誉も居場所も失い、彷徨う勇者が行き着いた先は--ボロボロの魔王軍!?人への恨みか自暴自棄か、魔王に正体を隠しつつ、四天王と共に軍の立て直しに挑むレオ。引退勇者の大仕事、その先に待つものは......?


1. 次の職場は魔王城
世界を救ったにも関わらず、その強さ故に人々から恐れられ、居場所を失った勇者レオ。彷徨の末に辿り着いたのは、自ら半壊滅に追いやった魔王軍だった。レオは元勇者として採用面接に挑むが、魔王エキドナに追い返されてしまう。それでも諦めないレオが頼ったのは、かつて戦った四天王たちだった。

2. 明日の自分が楽になる仕事をしろ
魔王軍に仮採用された勇者レオ。正規採用のためには、正体を隠しつつ魔王軍復興に貢献し、四天王の推薦を得なければならない。手始めに、四天王の中で最も頭脳明晰な魔将軍シュティーナを手伝うことにしたレオは、黒騎士オニキスを名乗って行動することにする。しかし、シュティーナの仕事量は完全に限度を超えていて……

3. ちょっとした気付きが仕事の効率をあげる
魔王軍にとって最重要任務の一つである兵站を任された獣将軍リリ。その大らか過ぎる性格のせいで、仕事の効率はまったくあがらず、部下も困惑するばかり。そんなリリのサポートをすることになったレオは、頭ごなしに注意するのは効果的ではないと判断。なんとかリリ自身が状況改善の必要性に思い至るよう一計を案じることに……

4. 地獄の飲み会

5. 仕事を辞めたくなったら一度相談しろ
突如として魔王軍にもたらされた衝撃的な二つの報告。なんと竜将軍エドヴァルトが自刃を申し出る一方で、無影将軍メルネスは旅に出てしまったという。ひとまずメルネスの対応を引き受け、その後を追うレオ。なんとかメルネスに追い付いて旅の理由を尋ねると、思わぬ答えが返ってきて……

6. 勇者、長年の悩みを聞いてもらう

7. 良い戦士が良い上司になるとは限らない

8. A.D.2060東京某所にて
魔王軍の侵攻から世界を救った勇者レオ。しかしその強さは平和な世を迎えた人間にとっても脅威となり、ついには聖都から追放されてしまった。地位も名誉も居場所も失い、彷徨う勇者が行き着いた先は--ボロボロの魔王軍!?人への恨みか自暴自棄か、魔王に正体を隠しつつ、四天王と共に軍の立て直しに挑むレオ。引退勇者の大仕事、その先に待つものは......?

9. 勇者、辞めたい

10. 世界を滅ぼしてでも、世界を救おう
エキドナと四天王に対し、自らが『賢者の石』の持ち主であると明かしたレオ。さらにエキドナが守ろうとした世界を滅ぼすと宣言し、石を手に入れたくば自分を止めてみろと言い放つ。突如として勇者と魔王の立場が逆転した状況に動揺を隠せないエキドナと四天王。幾度となく魔王を打ち倒してきたレオの力が、エキドナたちに牙を剥く。

11. 勇者の資格
3000年前、魔族から人々を守るために生み出されたレオにとって、仲間と共に強敵を倒し、勇者として世界を救うことが唯一の存在意義だった。しかし長きに渡る平穏の中で、それは刻一刻と薄れゆき、失われていく。自らの存在意義を保つため、レオの頭の中に一つの計画が思い浮かぶ。それが、この物語の始まりだった--

12. 勇者、辞めます

投稿 : 2024/11/02
♥ : 11
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

挑戦的な取り組みで、完結するのも良いです。エンタメが弱いかなあ。

 まず、完結する物語だったのは大変良かったです。こんなことで喜ぶのも何ですが、完結している物語は読み取れるものが多い気がします。だからこそ記憶に残ります。

 本作は加えて、SF的な発想と異世界を組み合わせて面白い話にしたてました。演出やエピソードが必ずしも優れているとはいいません。実際、単なる異世界ものとして見たときには「つまんなさそう」と2話切りしました。構成あるいは惹きつける何かが初期にあれば、もっと評価が変わっていた気がします。
 ただ、一方で意外性という点ではいい意味で騙されたということですね。冒頭のシーンの意味とか見返すと、なるほど…結構伏線もあるしがんばってたんだ…と分かりますが、ちょっとこの異世界ものが氾濫している中で誤解を受けやすいというか、私が実際見誤りました。

 ライトノベル等なら表紙や帯の情報で、おそらく読み進めるだろう話も、アニメになると1~3話でがまんできなくなりますから、その点では過小評価されやすいでしょう。もうちょっとアニメ化に際して工夫がなかったのかなあと思います。

 結果的にストーリーは面白かったと思います…知的には。あるいは、感心するとか興味深いという意味ですね。「人魚」「バンパイヤ」等の不老不死の退屈、AI的な使命の問題、火の鳥のような「文明」の栄枯盛衰など沢山の要素が盛り込まれていました。それが上手くマッチしていい話になっていたと思います。

 感覚的…つまりエンタメ的には若干弱いと思います。ギャグが弱い、演出が弱いので面白さ、バトルのワクワク、ピンチのドキドキがないですね。仕掛けのせいでダブル主役の2人の内面描写が弱くて、感情移入の相手先がブレブレだったので、没入感がなかったせいかもしれません。

 で、結末ですね。{netabare} 本作はバッドエンドをいかにうまく昇華して勇者と魔王の生きざまの集大成として死を選択するか、が作品の意味かなと思っていました。寂しいけど死をハッピーエンドとして処理する流れがどうなるのかが楽しみでしたが、違っていましたね。必死の魔王のワザが「命と引き換えじゃないんかい」という突っ込みをしたくなります。
 結果的にわかりやすい方のハッピーエンドにしました。これはこれでマイルドで楽しいですが、勇者や魔王のキャラと人生に込めた意味性が希薄になった気もします。その点で肩透かしでしたが、死を選ぶのも安易と言えば安易ですので、{/netabare}ここは原作者の選択を尊重すればいいと思います。

 ということで、想像以上に話は良かったと思います。エンタメが弱いのと、昨今の異世界モノの御多分に漏れず、アニメはちょっと安っぽかったのが残念でしたが、こういう挑戦的でしかも1クールで完結させる作品は嫌いじゃないです。

 このサイト基準の評価は低いですが、話の内容は80点くらいあげてもいいかも。


以下 視聴時のレビュー

{netabare} 1話 ストーリーというか設定を見る限りでは、面白くなるかもしれないと思いました。歴史ものでは強者に対する支配者の疑心暗鬼はよくある話ですし、魔王と勇者の組み合わせは「まおゆう魔王勇者」という例もあります。ギャグに振るなら「はたらく魔王さま」的な構造もあり得ます。

 ただ、実際作品を見ると、不思議なくらい作品の雰囲気に面白くなる可能性を感じません。演出なのか設定なのかキャラなのかストーリーなのか…全部?うーん。なんか違う感じが…感覚的で申し訳ないです。
 あんまり語ってもしょうがないですが、肝心の「強さ」と人間VS魔王の設定に関して世界感の作り込みが甘い気がします。あるいは主人公の造形なのかキャラ作りなのか。

 ぜひぜひこの感覚を裏切って欲しいところです。 

 作画から言ってさほど手抜きというわけでもなさそうなので、チェックはすると思います。


11話 あれ、SFだった?ちょっと再検討中です。 

 2話切りしてましたが、なんか皆さんのレビューが不穏なコメントが多いので興味でて10話、11話チェックしました。結構面白そう?SF?しかも、結構、テーマ性がある?ちょっとチェックします。


11話 なるほど…アイデンティティの問題かあ。

 つまり仕事の話をしていたのは、有用性の話ですね。一見、勇者の持つ宿命の話と乖離したお気楽な話で進行します。が、これって、自分が常に何かの役に立っていなければという勇者の行動原理の表れだったということでしょう。

 昔の話で出てきた悪魔とのやり取りがなかなかいいシーンで、10話につながります。
 不老不死の退屈、強すぎる故の孤独、やりがい、自己肯定…いろんなことが入っていますし、AIアンドロイド的な面白さが感じ取れます。
 善悪の相対化はちょっと陳腐な面もありますが、魔王がなかなか可愛いいし、四天王のキャラが立っているので、ちゃんと成立しています。

 ストーリーも設定もテーマも入り込めればかなり良作だと思いますが、エンタメの部分が置き去りだったというか、伏線の工夫が足りなくて、せっかくのいい話、いい設定が活かしきれなかったか…うまくいけば「慎重勇者」のようなカタルシスがある作品になりそうですが、どうでしょう?最終回、結構楽しみです。

 多分次回で最終回ですよね。見終えたらレビューします。{/netabare}

 

 

投稿 : 2024/11/02
♥ : 19
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