人種差別でファンタジーなアニメ映画ランキング 2

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の人種差別でファンタジーな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月10日の時点で一番の人種差別でファンタジーなアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

72.1 1 人種差別でファンタジーなアニメランキング1位
ズートピア(アニメ映画)

2016年4月23日
★★★★☆ 4.0 (189)
1100人が棚に入れました
体の大小や、肉食か草食かに関わらず、動物たちが平和に共存する大都会ズートピアを舞台に、夢を信じる新米警官のウサギ・ジュディが、夢を忘れた詐欺師のキツネ・ニックと共に、ズートピアに隠された驚くべき事件に挑んでいく姿が描かれる。

声優・キャラクター
上戸彩、森川智之、三宅健太、玄田哲章、竹内順子、高橋茂雄

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

これが本当の《意識高い系・社会派アニメ》。やるなディズニー!

本作については、一時あにこれの2016年春シーズン作品ランキング1位になっていたことから、個人的に結構気になっていたのですが、わざわざ映画館に足を運んで鑑賞するに至らないまま、いつの間にか上映期間が終わってしまいました。

それが先日、たまたま視聴する機会があり、これが私の事前の期待を遥かに超えて興味深い内容だったので、これは早速、紹介レビュー書かなくちゃな、と思った次第です。

さすがのディズニー作品・・・というよりも、むしろこれ、アメリカじゃないと到底、発想が生まれないし企画も制作も通らない種類の作品だったんですね。

幾ら金が掛かっているのか分からないフル CG技術は勿論秀逸だと思いますが、それよりも本作の場合は、シナリオが実に見事で、見ていて何回も「う~ん、そう来たか」と唸ってしまいました。

だいたい、CG技術だけなら『アナと雪の女王』で既に同等なものを見ていますし、私の場合は、以前書いたレビューのとおりアナ雪のシナリオは実は大して評価していません(・・・というより字幕版と日本語吹替版の2回も鑑賞したにも係わらず、アナ雪は私の頭の中ではとっくの昔に風化した作品になってしまっています)。

だけど本作は、たった一回視聴しただけなのに、かなり鮮明というか、今後もきっと長く忘れられないだろうな・・・と今から確信できる程の強い印象が残りました。

それは、アナ雪に代表される「安心できるけど詰まらない」印象(私だけ?)のディズニー作品というよりは、アメリカという国と社会が現実に地上に存在し、そしてそこへの“問題意識“と、しかしそれでも、それを努力して乗り越えようとする制作者側の“希望”とが滲み出ているようなコンセプチュアルな作品、“日本という国と社会”があってこそ生まれる見事なアニメ作品(*1)があるのとパラレル(平行)な関係で、現代の“アメリカという国と社会”があってこそ生み出された作品・・・という風に私には見えたわけで、そういう意味で、本作こそ正真正銘の《一見の価値がある作品》と個人的に捉えたいわけです。


◆「被害者ビジネス」「弱者利権」「ポリティカル・コレクトネス」「ソーシャル・ジャスティス」

要は、こういう言葉に少しばかり関心がある人にとって、見応えのある作品ではないか、と私には思えたわけです。

そういう意味で本作は、日本のアニメ作品の中でも《社会派アニメ》とか《意識高い系》と一部で評されており、私も実は以前に少しばかりの期待をもって視聴してみたものの、結局「何だコレ?こんな浅い内容で終わっちゃうの?ガッカリだなあ・・」という感想にしかならなかった作品群(あえて具体名は出しませんが)とは、完全に一線を画す作品に個人的には見えたわけです。

ちょっと解説すると、「被害者ビジネス」とか「弱者利権」というのは、読んで字の如くですが、“自分が被害者だ・弱者だ”ということを(それが事実かどうかはともかく)殊更に強調し感情的に捲くし立てることによって、相手側のまっとうな理屈に基づく異論反論までをも遮断して、自分の都合を押し通すタイプの問題行為であり、とくにアメリカでは、1960-70年代のいわゆる「それまで差別され抑圧されていた人々」の「解放の時代」が一段落したあと、1980年代に入って以降に、今度はそのやり過ぎの反動として顕在化してきた問題で、政治的あるいは社会的に「ポリティカル・コレクトネス(政治的適正さ)」とか「ソーシャル・ジャスティス(社会的正義)」とは何か?ということを巡って、長々と真剣な議論が続けられ、司法的ないし政治的な判断が時に示されたり、双方の部分的な合意がこれまで積み重ねられ続けている重要かつセンシティブな事柄です。

そういう点で、アメリカとは国や社会の成り立ちや在り方に違いのある我が国の場合は、問題意識そのものが、アメリカに比べるとどうしても浅く甘い感じになってしまい、問題の片方の側だけ(つまり自称「弱者」の側の主張だけ)をやたらに扇情的に強調するだけのタイプの作品がこれまで目立っていた(今も目立っている)ような印象が個人的にはあり、前述のような《社会派アニメ》とか《意識高い系》とされる作品について、これまで視聴済みだけれども特に評価すべきほどの感想も持てず、かといって別に酷評するほどの感想もないので、そのまま放置してきた作品が幾つかあるわけです。

その点、本作は、私にとってほぼ初めて、肯定的な意味で《社会派アニメ》として高く評価したい作品となったわけで、そういう意味では、自分がこれまで高評価を付けてきた、自分が何度も見たくなる《大好きな作品》というわけではないので、個人的な評価点数をそうした種類の作品の限界と決めている4.4としました。

公式サイトによれば、8/24にBD/DVDがリリースされるそうで、それを機会に、より多くの方に視聴していただきたい個人的な《お勧め作品》となりました。

(*1)日本ならではの作品・・・それは主に、世界基準だと異常なくらいに“感情描写が繊細な”作品群と個人的には考えています

投稿 : 2024/11/09
♥ : 37

ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ズートピア。それは草食動物も肉食動物も、みんなが仲良く暮らし、誰でも何にでもなれる街。

2016年公開のディズニー映画。

動物がメインだし、
子ども向けかと思ってあまり意識していませんでしたが、

これは面白かった!!

大人も子どもも、
どの世代も純粋に「面白い!」と楽しめる作品です^^

120分ほどの作品ですが、
時間を長く感じずに、ずっと楽しめました♪


● ストーリー
肉食動物が草食動物を襲い、
草食動物が肉食動物を恐れていた時代は、昔のこと。

今は肉食動物と草食動物が共に暮らしている。
最初に仲良く暮らした街が“ズートピア”。

ウサギのジュディ(♀)は、
警察官になることを夢見た女の子。

周囲から無理だと言われてもあきらめず、
夢を叶え、ズートピアの警察官になったジュディ。

詐欺師でキツネのニック(♂)に協力させて、
14匹の動物が行方不明になっている事件の解決に乗り出した。


ジュディが警察官になる過程もひとつの大きなストーリーだし、

ジュディが警察官になってズートピアで働き、
ニックと出会い、
行方不明事件に関わることになり、
ほとんど残されていない手がかりを追っていく…。

とにかくストーリーが目まぐるしく動いていきます。

そしてその展開ひとつひとつに、
次へつながる重要な手がかりが隠されていて、面白い。

次から次へと何かが起こる怒涛の展開というよりも、

「これで一件落着。」と息がつけると思ったら、
実はもっと大変なことになっているじゃないか、な驚き。

とにかくよくできたストーリーなんです。
伏線の張り方&回収の仕方が上手い!

夢をあきらめないことの大切さを説いていたり、
アメリカの人種差別を匂わせる部分もあったり、
テーマも奥深く感じます。

かわいい動物のお話かと思ったら
それは大きな勘違いで、

ざっくり言うと、
警察官が大きな事件を解決するために奔走するお話でした。


● キャラクター
夢見ることをあきらめず、夢を心の支えにしている、
前向きなウサギのジュディ。

彼女の夢を信じる心は、
何よりも彼女を強くする。大きな行動力を生み出す。

そんな彼女の姿に共感したり、
励まされたりした人が多いはず。

私もジュディ大好きです♪


そしてジュディのパートナーとして活躍するのが、
キツネのニック。

詐欺師です。悪いやつです。頭の回転を活かしたスカした野郎です。

なのになぜだろう、
物語が終盤になればなるほど、ニックがかっこいいんだよな~。

「やれやれ、しょうがないなあ。」なキザな表情が
たまらないんですけど(*´Д`)ハァハァ

一緒にいて頼りになるところもかっこいいのだけどね♪

キザなんだよな!ナルシストなんだよな!

キツネにここまで感情入れ込めるのは、
ニックが初めてです(*´Д`)


主要人物である2人はもちろん、
他の動物もいいキャラしてる♪

個性や性格がしっかりしていて、
動物というより人間みたい。

だけど動物の特徴も残していて、
それがいい味出してます♪

ニックの友達であり、免許センターの職員でもある
ナマケモノのフラッシュが特に私のお気に入り♪

動きも会話もスローすぎて、
大爆笑でしたwww

表情の変化がスローで流れるというのもなかなか斬新♪
ひたすら楽しませてもらいました^^笑


● 作画
毛並み感といい、
表情といい、

もはやアニメなのか?と思ってしまうほどリアル。

アクションシーンも見ごたえあるし、
ズートピアも不思議な街だし、
いろいろな動物が登場するし、

抵抗なく楽しめました♪


● 音楽

【 主題歌「トライ・エヴリシング」 】

英語版ではシャキーラが、
日本語版ではDream Ami(E-girlsの元メンバー)が歌っています。

英語版はかっこいいし、
日本語版では歌詞の意味がよくわかるから感動するし、

私はどちらも好きです^^

ズーラシアンブラスとコラボしたバージョンも好き♪


DVDには、
BGMが収録されたスタジオでのインタビュー映像が入っています。

これを観ると、
BGMをもっと楽しみたくなりました♪


● まとめ
観た人の話を聞いたことがなかったし、
観る前はそれほど楽しみにしていなかったのですが、

実際に観てみるととても楽しめて、
心に残る作品となりました♪

大人も子どもも楽しめる作品であることは、
間違いなしです^^

投稿 : 2024/11/09
♥ : 34

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

新・伏線の教科書

2D吹き替え版を劇場鑑賞。


物語における伏線の張り方は二種類に大別されると思います。

一つはバチン!バチン!と音が聞こえるくらい、
これ見よがしに伏線を張り、受け手にもろに意識させるパターン。
ホラーや泣きゲーなどに多い伏線です。

もう一つは受け手に伏線と意識させないようにヒタヒタと伏線を張って、
受け手のガードがら空きになった脳天に向けて伏線を起爆させ、
心の奥深くにテーマやメッセージを食い込ませるステルス(隠密)型の伏線です。


“ウサギ初”の新米女性警官の奮闘記であるこのディズニー映画はどちらかと言うと後者。
ステルス伏線の巧妙な使い方で鑑賞者を魅了し、楽しませる逸品です。

元より、本作はそれぞれの動物らしさという世間の先入観で、
外見や行動パターンが構築されたアニマルキャラたち。
○○らしさ、ありのままという固定観念。
それらを何にだってなれるというズートピアの理想や、
主人公ウサギ警官による夢パワーで、揺さぶったり、乗り越えたりするのがテーマ。

そのため、伏線を秘匿するための化けの皮は街中にいくらでも転がっています。
大体、ウサギ警官の相棒からして、キツネの詐欺師w
ステルス伏線にとってはズートピアは圧倒的なホームグラウンドなのであります。


が、それ以上に、伏線を張るスタッフの技術が老獪過ぎて素晴らしいです。

単なるアメリカンジョークかと思いきや物語の重要な鍵だった。
この程度なら特にハリウッド等ではよくある伏線技術。

ですが、本作ではさらに、伏線回収されたと思ったら、実は回収こそが次の伏線でもあった。
あるいは回収された伏線は一本に過ぎず、実はあの場面にはまだ伏線が隠されていた。
その他、小物を活用した伏線の刷り込みも多彩。
サバンナの生態系並に多種多様な伏線技術が
小気味よいテンポで披露され飽きさせません。

伏線回収のタイミングも上手いの一言。
例えばジョークのネタに偽装した伏線。
それを場面の印象を忘れかけた頃に、コツンと伏線回収して、
ノーガードのハートに喜怒哀楽や社会風刺を突き刺してくる。

こうした手練手管の限りを尽くしたエンタメ精神が実にお見事。
伏線回収で私がこんなに舌を巻くのは、
私的伏線のバイブル『ダイ・ハード』一作目以来かもしれません。


ちょっとした詐欺が横行するストーリーだったからなのか、
伏線を張るのって、何だか詐術に似ているな。
という着想も得てしまいましたw

でもこういう詐欺だったら大歓迎♪
振り込め詐欺は多くの人を騙して、金品を奪い、泣かせます。
でもズートピアの詐術の如き鮮やかな伏線技術は、
せいぜい私の心と主題歌ソングのダウンロード料金をかっさらうくらいw
実に気持ちよくキツネにつままれ大満足な劇場映画鑑賞。

スタッフには万感の想いを込めてこの“詐欺師”め!という謝辞を贈りたいと思います♪

投稿 : 2024/11/09
♥ : 29

66.1 2 人種差別でファンタジーなアニメランキング2位
ムーラン(アニメ映画)

1998年9月1日
★★★★☆ 3.6 (27)
153人が棚に入れました
ディズニー・アニメの第36作目。2000年前から語り継がれてきた『木蘭辞』に登場するムーランの伝説をもとにアニメ化したアドベンチャー・ファンタジー。フン族の軍勢に苦しむ戦乱の中国。皇帝は各家から一人の兵士を出すように命じる。ムーランは、老いた父親に代わって軍に兵士として加わることを決意。髪を切り名前をビンと変え、勇猛な兵士に変装する。ムーランは過酷な訓練を経て、戦場で目をみはる大活躍を繰り広げる。

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

男装の道化師

日本語版をTVで観たので
原曲がどんなだったのかわかりませんが、セリフを兼ねたミュージカルな歌の日本語版のリズムや歌詞がアイタタ タ…でした。声優さんがとっても歌いにくそう。歌についてはそれ以上あまり考えないようにして観ました。


主人公ムーランは不器用で情けなくも芯のある女性で。
いわば男装の麗人、なんだけど帳尻合わない感じでカッコ悪くて、一生懸命で。親近感が湧きました。
男装ならではのお風呂シーンの混乱も、ディズニーならではなのか?品の良さがありました。

紛れ込んだ軍隊のメンツ、凸凹おかしな奴らで楽しかったです。
(でっかい大らかなひょうたん顔の人が誰かに似てるな〜?と思っていたら、四畳半神話大系のお師匠でした。)

敵の強烈な邪悪さや、戦で焼かれた町に漂う無言の哀しみの表現など、言葉でなく絵の力で見せてくるシーンが印象強かったです。


家の面目を保つためには、一旗あげなければ帰れないと思っていたムーラン。
面目なんて考えると窮屈だろうけど、出来うる限りの柔軟さで挑んだ姿は、かっこよかったな。

働く女性を意識した現代的なテーマを絡めてたのかもしれないけど、そういうこと考えなくても子供の頃にディズニーの色気が苦手だった私にはサッパリ観やすくて良かったです。

これはディズニーの中でも好きな作品になりそうです。



一旗挙げたあとの皇帝による表彰のスピーディーさ(日を改めずその場で!)が面倒なくて良かったけど、速いね。エコだね。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 23

シェリー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

女性が「女」を捨てるとき。

1998年に中国の伝説『花木簡』を題材に制作されたディズニーアニメーション作品。
主人公はファ・ムーラン。女性です。両親にお見合いを勧められ、結婚を願われますが本人にはまったく興味がありません。
その時代に求められる美しい女性像は彼女に当てはまらず、ついでに礼儀もなっていませんでした。
そんなことよりも、何も気にせず自由なままでいることの方が彼女の性分に合っていました。
ところがある日、フン族が攻めてきたことをきっかけに各家男子1人に対し徴兵がかかりました。
男は1人しかいないファ家の父は前の戦争で生活に支障が出るほどの傷を足に負っていましたが、
そんなことは聞いてはもらえず、戦争に出ざるを得なくなりました。父のことが大好きなムーランは見ていられませんでした。
自分は結婚もせず、父は苦しむばかりだ。ムーランは一大決心をします。
長く美しい髪をばっさりと切り落とし、体を鎧に包み、雨の降る明け方に父の代わりに出兵しました。
女が出兵したと知られれば大変です。さあムーランはばれずにやり遂げることができるのでしょうか。

すごく好きな作品です。
あなたはジャンヌ・ダルクを知っていますか?僕は大好きなので名前とほんのちょっとだけ詳しく知っています。
時は15世紀初頭。英仏百年戦争の後半。
「フランスは1人の女によって沈められ、1人の少女によって救われた。」と言います。
前者はイザボー・ドゥ・バヴィエールという淫乱女で数多くの貴族と肉体関係を持ち、国をめちゃくちゃにします。
そしてそれを戦いによって救ったのが後者であるジャンヌダルク。本名ジャンヌ・ド・ピュセル。
13歳で天命を受け、命を懸けてそれを実行し見事やり遂げますが、異端審問により(私怨もあり)19歳で火刑を宣告されます。
ジャンヌは天命を受けてから男装に身を包み、神を誰よりも深く信じ、ずっとそれだけを見つめてきました。
しかし19という若さで死刑に処されてしまいます。火刑で炎に体が焼かれる中、彼女は神の名前を叫び続けたと言います。
悲しいお話です。
僕はムーランにも似たものを感じます。彼女の場合はジャンヌのように悲しくはなく、むしろその頑張りが報われるお話です。
しかし、女性に生まれてきながらそうしては歩むことはできずに、なにかのために自分を捨てる姿はすごく悲しい。
ほんとうに悲しいけれど、どうしてかそういう姿に僕はとても惹かれてしまいます。

本作『ムーラン』でもムーランは決して女性であることを嫌がってたわけでも、また戦闘に長けていたわけでもありません。
ひ弱でちょっとわがままな可愛い女の子です。
そんな彼女が父のために戦地へ赴く姿を見ると身を切られるような冷たい感覚に襲われます。
しかし、訓練を重ねて愉快な仲間と立派な隊長の下で成長していく姿や、戦いで功績をあげたときには得も言われぬ感動がありました。
ひとりの少女の生活や戦いにおける苦しみがよく描かれ、またそれが報われるストーリーには救いがありました。

本作ではディズニーおなじみのお騒がせも出てきます。
その名はムーシュー。かつて守り神であったけれど失敗して1人死なせてしまい、ドラ叩きに降格した龍です。
そしてもう一匹。クリキーと言う名のコオロギです。それも「幸運のコオロギ」という嘘のコオロギ。
そういう役って大抵は1人なのですが、今回は2人。この2人でこそこそと色んな企みをしているのがなかなか笑えました。

女性が「女」を捨てるとき。
それは男がなにかを捨てるときとは違った切なさや苦味が口いっぱいに広がります。
なぜそんな運命を辿らなくてはならなかったのか。どうしようもない哀しみがとめどなく溢れ出てきます。
しかし、それでも凛として生きる彼女のたちの背筋の伸びたまっすぐな姿にはどこか惹かれます。
この作品でもそれは十分に感じられました。とても良い物語でした。
ラストの、娘であるムーランを迎えるシーンでの父の対応も素晴らしかったです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 13

スカルダ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

Who I am inside? 最悪から一転。

日本ではあまり人気が無い本作ですが、アメリカだとかなり人気の高い作品。
日本語に訳すと臭過ぎるセリフなので、出来れば字幕を切って見て欲しい。

さて、最初の10分の印象は最悪。
期待せずに見たけれど、期待を裏切るクソさ。
ここは、はっきり文句を言っておこう。

「登場人物が全員釣り目!!」

アメリカ人から見た中国人のステレオタイプに吐き気がする。
人種差別も甚だしい。ディズニーに対して激しく抗議したい!

が・・・主題歌のReflectionが流れてから一転。完全に涙腺が崩壊しました。

「本当の自分とは何か?」

というテーマが見えてからは、もう涙が止まりません。神曲多すぎっす!
泣きすぎて右の袖がびしょ濡れっすwww


大量の水分を奪われてしまったので、これから中華粥作ります!

投稿 : 2024/11/09
♥ : 3
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