鰺鱒 さんの感想・評価
4.5
揺蕩おうとも水は流るる
原作は作者情報のみ、あとは知らず。
オノナツメ原作の時代物。
大いに楽しみました。ほぼ一気観でした。
じっくりと展開される心情描写と謎解き、あるいは、人情時代物がお好きなら、是非ご覧いただきたい逸品です。
==物語
時代フィクション、捕り物+人情物の雰囲気が濃く現れています。(僕が思う)メジャーなところだと池波作品に似た雰囲気ですが、それよりもさらに落ち着いた、場合によっては陰湿さに似た雰囲気を持ち合わせています。
全12話を余すことなく使い、じっくりと描写される人情、心情の変化とドラマは観応え十二分でした。
==作画
オノナツメの独特なキャラ造形を、ある意味でさらにオノナツメ風に尖らせたキャラクターデザインに感じた。同原作の他作品はACCAしかしらないが、それと比べると、より「オノナツメ風味」が強く感じられるように思う。この、独特なオノナツメ風味のキャラデザインが苦手な方も多いと思うが、(そもそもアニメ全般にいえることですが)そのうち慣れるはず。
キャラクターデザインに関することを除いて、静止画としてもアニメーションとしても上質と思う。とても丁寧という印象。視線、姿勢のちょっとした変化での演技もみられる。月明かり、蝋燭明かりに照らされた人物、特に顔の陰の描写は本当に丁寧に描かれていると感じた。全体的にカメラワーク(視点の置き場所、焦点の置き場所)が独特で、おもしろかった。
==音楽・劇伴
OP・EDは、本編の雰囲気とはまるで違う明るい曲。不思議とこれがよく合う。
OP映像は、後退する視点から映す江戸の町並みや登場人物。影絵のようで、でも立体感を感じる。丁寧だけど、シンプルだなぁ・・・と思って観ていたら、曲の終わりでバチコンと音ハメしてきやがった(ネタバレレビューを読む )。思わず背筋が痺れた。
劇伴は全体的に良かったとおもう。
以下、ネタバレ込みの雑感
==粋: タイトルコール(サブタイコール)ネタバレレビューを読む
==粋:次回予告ネタバレレビューを読む
==粋・・・じゃないやつネタバレレビューを読む
==↓完全なネタバレ
ネタバレレビューを読む
[2020/10/24 v1]
[2020/12/26 配点調整]