人工知能で近未来なおすすめアニメランキング 5

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの人工知能で近未来な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年03月01日の時点で一番の人工知能で近未来なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

92.1 1 人工知能で近未来なアニメランキング1位
攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX[スタンドアローン・コンプレックス](TVアニメ動画)

2002年秋アニメ
★★★★★ 4.3 (5068)
21576人が棚に入れました
西暦2030年…あらゆるネットが眼根を巡らせ、光や電子となった意思をある一方向に向かわせたとしても「孤人」が複合体としての「個」になるほどには情報化されていない時代…。
情報ネットワーク化が加速度的に進展し、犯罪が複雑化の一途を遂げる社会的混乱の中、事前に犯罪の芽を探し出し、これを除去する攻性の組織が設立された。内務省直属の独立部隊公安9課、通称「攻殻機動隊」である。
公安9課の役割は、深刻な電脳犯罪への対処、国内における要人の援護、政治家の汚職摘発、凶悪殺人の捜査から極秘裏の暗殺まで、多岐に渡っている。彼らは電脳戦を最も得意としつつ、高性能義体を生かした物理的な戦闘においても特筆すべき能力を発揮する、精鋭部隊である。

声優・キャラクター
田中敦子、阪脩、大塚明夫、山寺宏一、仲野裕、大川透、山口太郎、小野塚貴志、玉川砂記子
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

指先のその先にあるもの

1989年ヤングマガジン海賊版にて発表された漫画「※1攻殻機動隊」の世界観をベースに据えたSFアニメ。

近未来刑事物としての体を取りつつ、政治、経済、医療、テクノロジーへの問題提起など、多岐に渡るテーマを公安9課の活躍と共に描きます。

SFは現在から地続きの未来の世界を描く事を基調としているので(特に近未来ものは)すでに積み上げられてきた科学の基盤を踏まえなければならず、それゆえ制約が多いもの。科学考証に何らかの誤魔化しや綻びがあれば、それはすでにファンタジーの領分に片足を踏み入れたも同然で、SFとしての精度は低いものとなってしまいます。

本作の特筆すべき点の一つは、その様なあやふやさを可能な限り排除した※2設定の隙の無さであり、地に足の着いた説明可能なテクノロジーで形作られる、科学的矛盾を感じさせない世界観にあります。攻殻の世界における未来の技術、物語上で様々な事件を引き起こす発端となる電脳と電脳ネットについても当然合理的な説明がなされており、これらは現代のわたしたちの利用するPC(あるいはスマホなど)とインターネットの直系の子孫という事が出来ます。

テクノロジーとは広範に捉えれば"道具"という言葉で表す事が出来ますが、例えばあなたの指先の延長上にあるものが原始的で単純な構造のナイフなら見た目通りの、ずっと複雑になってピストルならもっと強力な(持ってる人まずいないと思うけど)さらに複雑になってクルマのハンドルとアクセルならかな~り危険な、でももしそれがネットに繋がったPCのマウスとかキーボードなら、先に挙げた3つ以上に大きな力と直結している事を私たちは肝に銘じねばなりません。殺傷能力は(多分)低いけれども、どこまでも届き、とてつもなく早い、弾丸は言葉、音、映像、ソフトウェアとか、それをこうして簡単に世界中に打ち出す事(アウトプット)が出来てしまう装置(端末)がコレ‥。

PCの魔術的でパワフルな働きは、控え目に評価しても古代人が夢見た神々の発明品の威力に匹敵すると言えます。そんなものを奴隷から王様まで(例えですよ)誰も彼もが持っているのがこの世界。攻殻の世界では脳を直接ネットに繋げちゃうんだから※3もっとスゴイ。神様たちも真っ青な実に怖ろしい世界じゃありませんか。

PCとインターネットによって、私たちの欲しいもの(物・情報)を収集する(インプット)量も格段に上がりましたが、そんな個人が負うには大き過ぎる力、多過ぎる情報をわたし達はどう租借しているのでしょう? ヒトの脳ミソがあらゆる情報を錯覚する事により、効率良く知識を蓄えられる様に進化してきたところに秘密がありそうです。私たちは自己を肯定してくれる情報を見つけやすく覚えやすく、逆に否定する情報を見逃しやすく忘れやすい性質を持っている様なのです。

アニメに話を戻すと、本作で描かれる「笑い男事件」の、それに付随して起きたSACという現象も、発端となった事件の情報が曖昧なものでも、それを受けた者達にとって解り易く受け入れやすい要素(義憤に満ちたスーパーハッカーの若者の姿)があれば、それを汲み取って、ヒーローという偶像に転化せしめてしまった一例で、言い換えれば乏しい情報の中から直感的に理解し易い要素だけを選び取った結果と言えます。作中で笑い男(仮)の残したシンプルでポップなマークが流行った理由もこれと同じですね‥。

不特定多数の人間の内にある思いが言葉や行動となって同時多発的に表面化してゆく様は、ある種宗教染みた連帯感の様にも見えますが、これと似た現象は私たちの身近でも割と当たり前の様に起きている気はします。

ニコ動やYoutubeとかで何らかの動画がアップされた時の視聴者の反応とか、SNSとかブログとかで起こりがちな炎上とか、学校なんかで頻発するいじめとかが、私の感じるそれで、沸点に達し得ず表層に現れない多くの声が同時多発的にあふれ出す現象、そんな中に私はSACとの類似を見ます。作中表現を見る限りSACにも引き金となる要素が必ずあり、模倣というよりは便乗あるいは衝動という形でリアクションが発生している所にも特徴があります。

群集心理の研究における※4創発規範説というものがこの様な現象の一部を良く説明していますが、加えて利権や名声へのしがらみが「笑い男事件」の真相を濁らせ、より複雑怪奇なものにしているという印象でした。人は見たいものだけ見ようとすると、複雑なものを単純に、あるいは単純なものを複雑に、コロッと作り変えてしまう事が出来る様です。そんな錯覚が生み出すトリックもまた、攻殻SACの面白さの一つと言えるのでは無いでしょうか?

※1~4
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原作漫画の色ではないテクノロジー+文学という組み合わせについて、わたしは割と好きなんですが、本作における引用が適切だったかと言えばまた別の話で、物語に一貫性を持たせる為とは言えサリンジャー由来の要素が多過ぎる気はしました。
ネタバレレビューを読む
後に製作された、同じくSFアニメの「サイコパス」でも本からの引用が沢山ありましたが、あちらは量の割にせいぜいスパイス程度で、本で人を語らせるのでなく、ちゃんと人が本を語っている所にそつなさがあった様に思います。どちらにせよこれって中二病‥ではなくて、寓話を用いてSFというジャンルの影に隠れた人間的な要素をかいつまんで、あるいは租借して説明する一つの手法ではないかと思われます。遠い未来のお話であっても本のページを一枚噛ませると(笑)そこに現代の私たちと何ら変わる所の無い人間がいる事を実感出来るのです。ファッションや料理と同じく一種の舞台装置とも言えますね。

キャラデザについて、9課メンバーの面構えが濃過ぎる!というのは置いといて、現実にいる政治家の人とか、映画俳優の誰かさんをモデルにしたであろう個性的な風貌のキャラが目立ちます。アニメの作画(声優さんの演技含む)は、文章の文体に相当しますが、リアリティのある劇を見せるのであれば、端正な顔立ちのキャラだらけでは違和感が出てしまうと思うので、理にかなった描写になっていると思います。士郎先生の漫画にも出てくる内務大臣の顔ヂカラは特にスゴイ! 例外なのは没個性的な役回りのアンドロイドとか、アニメオリジナルキャラのアオイ君とか※5クルツコワさんとかフェムさんとか‥。後者から数えて二人は何となく萌えキャラっぽくて、ちょっとだけ別のアニメから引っ張ってきたよーな印象がありました(笑

よく話題になる少佐のコスチュームについては原作にも似た様なのがあるんですけど、TPOを守ってないとやっぱり浮いて見えてしまいます。初見では課長の執務室でのあの格好にはぎょっとさせられましたし、SACの現代寄りの世界観と調和しなかった所為もあって他の場面でも違和感ありありでした。慣れると無視出来る様にはなりますが、何とかならなかったのかなとは思います(二期以降では改善されている。)

音楽について、ORIGAさんの歌声の美しさが際立つOPの「inner universe」と、突入シーンでよく使われる「run rabbit junk」が特に印象に残りましたが、硬い世界を柔らかくするドラマチックなBGMたちも素敵でした。どんなジャンルの音楽も作れちゃう菅野よう子さんの才能はスペシャルですね。最高評価とさせて頂きました。

構成について、物語を縫う様にして現れては消える「笑い男」関連のお話が中心ですが、それとは直接関係の無い一話完結のお話も半分位あります。張り詰めた刑事ドラマの中にも人情味溢れるお話がちょくちょく顔を覗かせますので、やや長めの2クール全26話、立ち止まらずに進む事が出来るのでは無いでしょうか? わびさびが効いていてとても見やすいと思います。

サブタイ表示中の背景色で続き物と一話完結のいずれかが区別出来る様になっていますので、一周した人は※6どちらか一方だけを続けて視聴するというのも乙ではないかと‥。
(青=笑い男:4.5.6.9.11.20~26話 緑=1話完結:1.2.3.7.8.10.12~19話)

原作や派生作品の「RD潜脳調査室」や「紅殻のパンドラ」などでは重要テーマの一つとなっている※7人間と機械の距離が埋まる事によって変容する意識についてのお話はやや控えめで、前面に置かれた刑事ドラマの影に隠れた形でとてもコンパクトにまとめられています。作中でこの問題について人よりもむしろロボのタチコマに多くを語らせているのは、無邪気なタチコマを通した方が説明的でストレートな台詞を喋らせ易いからなんでしょうね。人に同じ役をやらせても楽しそうですけど、うざったらしくなる事間違い無し(笑)霊や階層構造(2期では※8上部構造という言葉で語られる)と言った抽象概念を織り交ぜて未来の世界が語られる原作1巻や2巻とはかなりの部分で異なっており、本作の放送と同時期に出版された純刑事物寄りの「攻殻機動隊1.5」に近い作風と感じました。

本編終了後のオマケコーナー「タチコマな日々」も短いながらもちょっと楽しい。SACの貴重な笑い所となっており、脳が疲れてゴーストの囁きが聴こえなくなった時の丁度良い箸休めとなっています(笑)


再視聴を終えて
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更新に更新を重ね原形を損ねてしまった初見当時の記憶と今回の再視聴で得た記憶を並列化しつつ(笑)楽しく書かせて頂きました。


※5~9
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付録・用語解説など
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投稿 : 2025/03/01
♥ : 46
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

'70学生運動世代(ベトナム戦争世代)の思考が透けて見える有名シリーズ

※以下は、攻殻シリーズ(旧作)の一括レビューです。

2013年頃、あにこれに来て一寸驚いたのが、当時この作品が全作品ランキングで1位だったことで(※今は3位に下がっています)、今でも無批判にこの作品を「内容がある」とか「深い」とか言って褒めちぎる人が多いので、このシリーズのひとつの見方を簡単に提示しておきます。


◆アニメ有名シリーズと制作者(監督)の世代論

(1) ガンダムの富野氏は1941年11月生まれ、
(2) ジブリの宮崎駿氏も1941年1月生まれ

⇒つまり、ともに1960年の安保闘争当時、現役学生だった世代。

(3) これに対して、攻殻劇場版監督の押井守氏は1951年8月生まれ
→1970年の安保反対運動当時、現役学生だった世代で、ついでにいうと、1970年11月には三島由紀夫自決事件も起きている(※攻殻TVシリーズ第2期のモチーフにもなってますね←この世代の思考・行動パターンが「口では平和を唱えながら、やたら暴力的」みたいにチグハグになってしまった一つの原因か?)。
(4) なお、攻殻TVシリーズ監督の神山健治氏はもっと下の世代(1966年3月生まれ)ですが、押井氏に師事して頭角を現し、TVシリーズ第2期では同氏をストーリー・コンセプト担当に仰ぐなど同氏の影響が非常に強いと思われます。

⇒ということで、ガンダム・ジブリ作品が60年安保世代の発想だとしたら、攻殻シリーズは70年安保世代(全共闘世代、ベトナム戦争世代)の発想が色濃い作品と考えます。
(※とくに、TVシリーズ第2期を最後まで観ると強くそう感じます(※下記の各話感想を参照))

(5) ちなみに、エヴァンゲリオン・シリーズの庵野秀明氏は1960年5月生まれ
(6) また、マクロス・シリーズの河森正治氏は1960年2月生まれ
(7) さらに、「まどマギ」&物語シリーズの新房昭之氏は1961年9月生まれ

⇒押井氏から丁度10年後に学生時代をおくったこの世代(※シラケ世代?)の作品からは、見事に変な思想臭が消えていて、その分見易く親しみ易くなっています。

※この、どの世代の制作者(監督)の作品を好むかは、人それぞれですが、予備知識として上記を押さえておくと、作品の見え方がまた一味変わってくるかも知れません。


◆作品別評価(TVシリーズ、劇場版)

(1) TV第1期 ★ 4.1  「STAND ALONE COMPLEX」  (2002年10月-2003年11月)
(2) TV第2期 ☆ 3.7  「S.A.C. 2nd GIG」  (2004年1月-2005年1月)
(3) OVA    ☆ 3.5  「Solid State Society」 (2006年9月)
----------------------------------------------------------------
  総合    ☆  3.8   ※(1)~(3) 神山健治監督
              ※なお (2) のみ押井守ストーリーコンセプト


(4) 劇場版1 ☆ 3.7  「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」 (1995年11月)
(5) 劇場版2 ☆ 3.7  「イノセンス」 (2004年3月)
----------------------------------------------------------------
  総合    ☆  3.7   ※(4)~(5) 押井守監督


◆制作情報(TVシリーズ第1-2期、OVA)
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◆視聴メモ(TVシリーズ)

(1) 第1期「STAND ALONE COMPLEX」
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(2) 第2期「S.A.C. 2nd GIG」
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◆各話タイトル&評価(TVシリーズ)

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

======= 攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX (2002年10月-2003年11月) =======
ネタバレレビューを読む 
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)3、★(良回)14、☆(並回)8、×(疑問回)1 ※個人評価 ★ 4.1

OP 「inner universe」
ED 「lithium flower」


========= 攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG (2004年1月-2005年1月) ============
ネタバレレビューを読む
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)2、★(良回)10、☆(並回)12、×(疑問回)2 ※個人評価 ☆ 3.7

OP 「Rise」
ED 「living inside the shell」


=== 攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society(S.A.C. SSS) (2006年9月) ===

全1話 ☆ 3.5 ネタバレレビューを読む ※約1時間49分

OP 「player」
ED 「date of rebirth」


///////////////////////////////////////////////////////////////

◆制作情報(劇場版1&2)
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========= GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊 (1995年11月) ===========

全1話 ☆ 3.7 ネタバレレビューを読む ※約1時間22分


===================== イノセンス (2004年3月) ===================

全1話 ☆ 3.7 ネタバレレビューを読む  ※約1時間39分

投稿 : 2025/03/01
♥ : 27
ネタバレ

ラスコーリニコフ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

あにこれでの攻殻の順位変動

■攻殻の順位変動について

自分があにこれに来たのは2011年の夏、招待制だった頃で、その頃
の攻殻の総合順位は7~9位くらいだった気がする。

たしか1位がとらドラ!、2位エヴァ、3位がCLANNADのAFだったかな。

CLANNAD、あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。も現在よりは
上位だったはず。

その後、一部のエヴァアンチによる悪意のある工作(明らかに1人の
人間が大量のIDを用い低評価を付けまくり)により、エヴァの順位が
やや低下。シュタゲとコードギアスが徐々に上昇。

あとは自身何度か休止を挟んでいるので、正確な事は分からないです
けど、大きな動きは無かったような。

2013年の6月、化物語が急にトップに、攻殻も一気に順位を上げる。

詳しくは

化物・攻殻の大躍進
http://www.anikore.jp/board/608/

自分は2013年の6月下旬~11月中旬まであにこれを休止しているので、
どう変化したのか分からないですが、気付くと攻殻が1位になっていた。


■攻殻機動隊が1位の弊害

レビューサイトとしての信頼度は上がる気がするものの、あまり良い
事では無いよーな・・。


・視聴のハードルが高い

あにこれに初めて来た人が最初にチェックするのは、総合1位の作品と
そのレビューだろうし、それがよく知らない作品だったとする。

普通は見る。自分が来た時も、まずは「とらドラ!」を見た訳ですよ。

釘宮病だったので掘り出し物を見つけた気はしたものの、ストーリー
はそんなに面白く無かった、なんでこんなもんが1位なんだよ、と。

とはいえ、とらドラ!だったら多分どんな人でも完走出来るだろうし、
死ぬほどつまらない、なんて事も無いはず。

少なくとも「話が難しくてよく分からん」という事はまずない。攻殻
だと結構な確率でそれがある訳です。

「初っ端で挫折する人が出て来る」、これが問題の1つ。

タグに社会派ドラマとかあるけど、巷で話題の半沢直樹とかとは受け
入れの広さが違う。

「やられたらやり返す。倍返しだ!」で、キャッキャするよーな事は
できねー訳です。


・レビューも書きにくい

頑張って完走したとする、そうなると次はレビューです。

レビューを書くのが初だったら、まずは人の真似をして書いて慣れる。

あ~みんな 感動した 最高だった 神アニメだった って書いてる。

よし、じゃあ自分もそんな感じで書こう、と。

そんなノリで書いたレビューは段々消したくなるのですが、仮に後に
消したり書き直す事になるとしても「慣れるために必要な事」な訳で、
攻殻の場合はそのハードルが非常に高い。

「え~、こんな視点で見て、こんな事を書かなきゃいけないの~」

なレビューが沢山並んでいる訳です。当然、脱落する人が出て来る。


■一部の人用の作品

○攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 【全13巻】
巻数  初動  2週計  累計   発売日
01巻 *8,722 **,*** 19,680 02.12.21

○攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG 【全13巻】
巻数  初動  2週計  累計   発売日
01巻 11,533 14,576 20,158 04.03.26 


ほぼ同時期に出ているガンダムSEED

○機動戦士ガンダムSEED 【全13巻】
巻数 初動   2週計  累計   発売日
01巻 30,147 38,685 71,081 03.03.28

売上が全てという事では無いですが、圧倒的に負けている訳でして、
性質としては あにこれでの順位は876位、総合得点は64.7点 の

○頭文字D Fourth Stage 【全12巻】
巻数  初動  2週計  累計  発売日
01巻 22,008 29,647 44,169 04.06.16

に近い。「特定の事に興味がなければ普通は見ない、けど、その一部
をほぼ確実に掴める」攻殻もそういった類のものです。


◯涼宮ハルヒの憂鬱 【全8巻】
巻数  初動  2週計  累計  発売日
00巻 28,729 33,892 35,176 06.06.23

○コードギアス 反逆のルルーシュ
DVD版 【全9巻】
巻数  初動  2週計  累計  発売日
01巻 36,634 45,593 62,527 07.01.26

○魔法少女まどか☆マギカ 【全6巻】
巻数    初動       2週計      累計
      BD(DVD)     BD(DVD)    BD(DVD)
01巻 52,944(*9,097) 57,767(10,295) 68,547(11,542)

○化物語 【全6巻】
巻数    初動       2週計       累計
      DVD(BD)    DVD(BD)     DVD(BD)
01巻 15,513(29,372) 19,103(37,251) 24,755(58,048) 

○けいおん! 【全7巻】
巻数    初動       2週計      累計
      BD(DVD)     BD(DVD)    BD(DVD)
01巻 32,503(*7,949) 35,220(*9,418) 42,625(10,847) 

○進撃の巨人 【全9巻】
巻数    初動       2週計      累計
      BD(DVD)     BD(DVD)    BD(DVD)
01巻 37,339(19,454) 40,488(21,852) 51,473(29,252)


もっと色々見たければ、

検索 TVアニメ 先発累計平均5000超作品一覧 除外方式 2000年以降


つまり「1位の作品を見る」という気持ちでは、見ない方が良いです。

現在たまたま1位ですが無理して手を出すよーなものではない、内容
に興味がある一部の人だけが勝手に見て、勝手に盛り上がる代物。

自分も含めて、攻殻好きは「理屈っぽくて面倒臭いイメージがある」
ので、レビューを書いたらマイナスになる事もあると思います。


■下がんねーかな順位・・

見て面白くなかったら、積極的に面白くねー、つまらねーと書くのが
良いです。

所詮メスゴリラとむさい男共とハゲジジイが社会の隅っこで色々な事
をしてるだけの話で、2ndに出て来る茅葺総理の雰囲気が少しエロい事
以外は女っ気の欠片もない。

美女、美少女不足は現代アニメとしては「重大な欠点」な訳で、欠陥
商品にはいくら文句を言っても問題ねーです。


大昔に書いた少し恥ずかしいレビュー
(をやや修正、主に「読むに堪えない暑苦しい部分」をカット)
ネタバレレビューを読む

投稿 : 2025/03/01
♥ : 120

77.0 2 人工知能で近未来なアニメランキング2位
イヴの時間(OVA)

2008年8月1日
★★★★☆ 3.9 (924)
5051人が棚に入れました
高校生のリクオは、所有するハウスロイド「サミィ」の行動記録の中に、命令した覚えのない行動を発見する。友人のマサキを誘って記録された場所に向かってみると、そこには「イヴの時間」という不思議な喫茶店があった。そこに集う様々な人間やアンドロイド達との関わりの中で、それぞれが少しづつ影響を及ぼしあい、変わっていく。やがてそれは、外の世界へもかすかな、しかし確実に波紋を広げることとなる。

RickyJP さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

AIを考えることは、自分を考えること

一話約15分、全六話の非常に短い作品です。
大雑把に紹介すると人型アンドロイドが実用化され、家政婦や食料生産などの労働力として浸透しつつある世界で、
主人公が家のアンドロイドの行動ログを取ると命令や普通の行動とは関係のない場所に通っていることがわかり、
主人公がその場所にいくと、そこはロボットと人を区別しないカフェでした。
アンドロイドは見た目は人と違いはないのですが、本来頭上にリングがあるのですが、カフェではそれがありません。
そのカフェで人間のように振る舞うアンドロイドやカフェにいる人間や友人とともに、
アンドロイドとは何か?を考えて行きます。

この作品の好きなところは、例えばこの世界において社会問題となっている、
「ドリ系」と呼ばれるアンドロイドに依存する人々、逆にアンドロイドを奴隷のように使う人など、実用化してからそこまで成熟化していない段階のため様々な問題が浮き彫りになり始めている世界観が非常に面白いです。


本題に入ると、アンドロイドと人の違いってなんだと思いますか?
勿論心臓や脳といった「ハードウェア」的な違いは言うまでもありませんが、
感情や仕草、表情などの「ソフトウェア」的な面ではどこが違うのでしょうか?


私観ですが、人とAI、どちらも生成メカニズムがあり、電気的なものである点で、ほとんど違いはないと思います。
しかしそれは「個」での話です。相手が絶対に自分に危害を加えないとわかっている我々人間はアンドロイドに対して純粋な愛を育むことが出来るのか?という点においては非常に厳しく、強い依存心などからやはり少し歪んだ愛情になる可能性は高いと思います。
しかしそもそも恋愛には依存という面は強弱の違いはあるもののそういった要素もあるので一概に人とアンドロイドとの本当の恋愛は存在しないとも言い切れません。

このように、アンドロイドや人工知能を考えることは今の人間、自分たちを考えることなのです。
ただアンドロイドには絶対的なルール(ロボット三原則や主人の命令)があり、それを破ることはないように設定はされているはずです。
その点人間は犯罪を犯したり、論理的思考から外れた行動をすることがあり、やはりどれだけ人口知能が進化しても違いが完全になくなることはないでしょう。

だけれども、そうしたどうにもならない違いは人種、宗教など現代社会においても多く存在しています。
だから、その違いとどう向き合うか、どうやって付き合って行くか、それを考えることは我々人類における永遠のテーマなのだと思います。


随分とスケールのでかい話をしてしまいましたが、以下はこの作品を見た高校生の感想です。
サミィかわいいよサミィ。あんな可愛かったらみんなドリ系になっちゃうやん。
作中はエロもグロもないのでそこまで描かれてないけど、やはりセクサロイドとしての機能を持つアンドロイドもいて、ちょっと良いなあと思ってしまった自分がいる。
食料自給率や労働力不足の問題はロボットで解決できてる感じだけど、
少子化は加速しそうだな...w

しかし自分が生きている間にここまでアンドロイドが人間と見た目的な差がなくなる時代は来るのかなあ。
来て欲しいけど来ちゃ行けない気がする。


エロもグロもほとんどなく、淡々と進んで行きますが、毎回しっかりテーマのような話の骨があり、テンポもいいので非常に完成度が高いです。
この先この手の問題は度々浮上してくることになると思います。様々なロボットが生まれ様々な価値観が生まれつつあるこの時代に、是非色んな人にみて欲しい作品です。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 3
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

奇才・吉浦康裕→「よし!本気で売れそうなアニメ作ったろw」

【レビューNo.15】(初回登録:2023/1/8)
2008ー2009年で公開されたWebシュートアニメで全6話の作品。
(1話15分程度で最終話のみ30分)

(ストーリー)
「未来、たぶん日本“ロボット”が実用化されて久しく、“人間型ロボット”
(アンドロイド)が実用化されて間もない時代。」

主人公リクオの自宅にもアンドロイドのサミィがいて、普通にロボットとして
家事に従事していた。
ある日リクオはサミィの行動記録に不審な点があることに気づく。そんな彼女
を探ってみると、彼女はひそかに喫茶店「イヴの時間」の常連客となっていた。
この店では「人間とアンドロイドの区別しない」というルールがあり、それに
従いここでは普段は無表情なアンドロイド達が、人と交わり感情豊かな人格を
現し人間らしい振る舞いをしていた。
この光景に戸惑いつつも、この店での様々な出会いや人間とアンドロイドを取り
巻く社会情勢との狭間で、リクオはサミィとのかかわり方を見つめ直していく。

(評 価)
ネタバレレビューを読む

吉浦康裕は前作「ペイル・コクーン」で「商業アニメ」としてはデビューしているのですが、
この作品はまだマニアックすぎるというか・・・
そういう意味では、本作は「一般受けするようかなり寄せてきたなあ」って印象ですね。
(自分を捨て媚びているという意味ではなく、上手くバランスを取ってきたなと)
これまでの自主制作からチーム体制で臨み、初のシリーズ作品として制作された意欲作。

【追記】
「ペイル・コクーン」レビュー投稿、「商業アニメ」のくだりはそちら参照

投稿 : 2025/03/01
♥ : 9

MmmM さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

タンパク質は金属です。

日本人の歌手"KOKIA"さんの「ありがとう」という歌を若干想起させる内容でした。


舞台が明確に日本というのがこの作品が訴えかけるものに対して、一つの強力なバックアップになっていると思われます。
アンドロイドという"機械"に対して、必要以上の思い入れを持つ・あるいは周囲がそう捉える=「ドリ系」という明確なラベリングで済まされる。
貼られたラベルが違えば「自分と違う」「自分には理解できない」ものに対しての畏れを安易に誤魔化せる。
ラベルの下にはあまりにも多種多様のタグがぶら下がっていても、覆い隠せる。

お店にキープしたボトルのようなものでしょうか。
コニャック、スコッチ、色々なお酒の瓶が並んでいるが、どれにも違うタグがぶら下げられている。同じメーカーの同じ銘柄でも、全てのボトルは別のもの。
タグの名前欄に書かれた名前。山田さん、田中さん、一条院さん・・・
最後にお店に来た日。
瓶に書かれた落書き。
落書きが気に入ったのか、同じボトルに何枚もぶら下がる最終来店日タグ。
ボトルにぶら下げられているタグは「個性」なのです。
それらを全て「ウイスキー」「それ以外」というどちらかのラベルが覆い隠している。

そんなラベルを少しずつ剥がして、下に埋もれていたタグを見つけていくきっかけになるのが『イヴの時間』。


ボトル=人間と例えていましたが、これをボトル=ハウスロイドとするとどうでしょう。

機械に個性。
極端に言えば人間なんかタンパク質の塊なのに個性がある。
タンパク質の塊ごときが個性を持てるのなら、あまりに高度なテクノロジーに支えられた金属の塊が個性を持つのはさして不思議でもない話。
普段は機械を装っていなければならない、ハウスロイドというラベルに覆われたタグ付きの金属。
窮屈なラベルを外し、気兼ねなくタグを見せられる。褒められたら隠さずに喜べる場所が『イヴの時間』。


デフォルメされ過ぎない人物と写実っぽい背景を組み合わせた色彩豊かな絵柄+中途半端にSFっぽさを感じさせる音楽でボトル達の触れ合いが描かれている、素晴らしい作品でした。
何気に各話の区切り方も絶妙で、オープニング・エンディングの映像が、音楽でいうなれば盛り上がる直前に入れられる無音部分のように感じられ、これはこれで必要な要素と思えるので劇場版の方のレビューを書くのがためらわれます。

演者の方々に関しては、世界観を阻害されることは全くなかったのでこの評価です。
構成に関しては合間に匂わされる背後関係をもっと掘り下げて欲しかったという贅沢な不満が残ります。
キャラクターに関しても同様です。


血液型にまで及ぶラベリングの大好きな日本人がこの作品を見ると、そうでない人よりもさらに思うところが多くなるかと。

少なくとも自分の血液型を知らない私にはそう思えました。



スッキリしない長文な上になんかレビューっぽくないですね。すみません。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 12

73.1 3 人工知能で近未来なアニメランキング3位
UN-GO(TVアニメ動画)

2011年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (1149)
6644人が棚に入れました
“終戦”を迎えたばかりの未来の東京。そこでは、探偵業が流行らなくなった代わりに、メディア王・海勝麟六が膨大な情報量と優れた頭脳を生かして、幾多の難事件を解決していた。しかし、実は麟六の推理には裏があり、それをあぶり出すのが、「最後の名探偵」を自称する結城新十郎と、その相棒・因果。世間からは、「敗戦探偵」と言われているが、それでも2人は力を合わせて、様々な難事件の解決に挑むのだった。

声優・キャラクター
勝地涼、豊崎愛生、山本希望、本田貴子、入野自由、三木眞一郎

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

劇場版ありきの本編ですね(^_^;)

■「UN-GO」ってどんなアニメなの(゚∇゚ ;)!?
坂口安吾の「明治開化 安吾捕物帳」という探偵物のストーリーを近未来的にアレンジしたオリジナルストーリーなのですね♪
タイトルに「UN-GO」って付けている事からも、坂口安吾の作品を題材したのがこの作品の最大の売りなのでしょうね( `ー´)ノ
ところで「坂口安吾」を知っている人はどれだけいるのでしょうか?
この作品を知るにはまず「坂口安吾」を知るべきではないかと思うのです♪
ということでちょっとだけ勉強してみましょうね♪
 
【坂口安吾】
昭和初期に活躍した小説家の一人で小説界の異端児的な一人なのです♪
既成文学に異を唱え、戯作復古を思想とした無頼派と呼ばれた小説家の第一人者。
まぁ簡単に言っちゃえば、お堅い文学が評価される世の中に、江戸時代に流行った「洒落本(エロ本)、滑稽本(漫画)、談義本(ラノベ)、人情本(恋愛小説)、読本(小説)、草双紙(絵本)」といった誰もが楽しめるお気楽な書物がもっと評価されてもいいでしょって言い張った個性的な人なのです♪
無頼派で有名な小説家と言えばあの人間失格や走れメロスで有名な「太宰治」もそうなのですよ♪
 
※注意※
()の中は現代風に解り易くする為にσ(^_^)アタシ的ニュアンスで適当に当てはめてみただけなので、本来の意味とはちょっと違うのであしからずなのです(o*。_。)oペコッ
 
そんな「坂口安吾」の作品はもう著作権が切れているので無料でネットで読むことが出来るのです。
もし興味のある方は、下記のURLにてご覧になってみてくださいね♪
きっと本作品の作風と坂口安吾の魂の叫びが読み取れると思いますよ(゚ロ゚;)エェッ!?
・明治開化 安吾捕物帳
 http://www.aozora.gr.jp/cards/001095/card43204.html
・堕落論
 http://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/42620_21407.html
 
 
■「UN-GO」と出逢った日の日記m( ̄○ ̄)mアーン♪ε=ε=ヘ(;゚∇゚)ノ ゴーゴー♪
本作品のホームページには「本格探偵ストーリー」とハッキリ書いちゃってましたけど、正直原作自体が「本格」推理小説って言うわけではないので、自分で首絞めちゃってますねってちょっとだけ思っちゃいました・・・( ´△`)アァ-
原作と同様のパターンを用いているならば、名探偵の「結城 新十郎」と「海勝 麟六」と「虎山 泉」の掛け合いがこの作品の面白さになっていくのかなって思っているのですけど・・・
1話を見た印象では、推理じたいは捻りがなくって簡単に犯人が解るようなものでした。
近未来的にアレンジしたのが・・・一秒で着れちゃう洋風ドレスw
しかも推理に関わっているなんてね・・・(。・w・。 ) ププッ
まぁそれは良いとしても、人一人死んでるのに緊迫感がなさ過ぎなんですよぉシーー( ̄、 ̄*)ーーン
しかも騒いでいるのが奥さんだけなんですもん・・・(A゚∇゚)ハテッ?ナゼナノ?
推理ものとして楽しく見ていくにはちょっと辛い内容かもしれませね!
それにGOSICKの様な恋愛や家族愛に発展していくようには思えないので、どこに面白さを求めればよいのか1話だけではちょっと見えなかったのです。。。o(゚^ ゚)ウーン
 
ただ、結城 新十郎と海勝 麟六との関係がどうなっていくのか、そこに不思議な「因果」という探偵助手がどこまでストーリーを盛り上げてくれるのか、麟六の娘である梨江がどこまで物語をかき回してくれるのか、そんなところに注目しながら少し様子を見てみようと思っています♪
 
 
■個人的に注目していたキャストφ(^∇^ )
因果(声:豊崎愛生)
 あきちゃんはやっぱり「けいおん!」の唯ってイメージが強いのですけど、かなり器用な声優さんです
 ね♪
 本作品でも彼女の声優としての幅の広さを感じることが出来ましたよ(*^^)

風守(声:松本まりか)
 松本まりかさんは最初全然わからなかったのですけど、女優からナレーターまで幅広く活躍していた
 人なんですね♪それとFF X でリュック役の人でもあったのです!
 FFシリーズで唯一プレイした事のあったのが「X、X-2」だったので懐かしいです♪
 
海勝 梨江(声:山本希望)
 のぞふぃすの事を知るきっかけは「僕は友達が少ない」で幸村役の声を担当していたからでした♪
 幸村役では声のトーンを落とした役で、セリフも少なかったのですけど、梨江役ではとっても頑張って
 ましたね!
 まだアドリブ等はなさそうな感じでしたけど、面白い子は嫌いではないので今後も応援したいです
 (*^_^*)(かなり天然っ子みたいなのでw)

 
■総評
結城新十郎と海勝麟六のそれぞれの因果の軌跡を描いた本作品は、決して交わることのない新十郎と麟六の理念を数々の事件を題材に表現してきた作品だと思うのです!
それは坂口安吾の原作「明治開化 安吾捕物帳」の世界観をトレースして、舞台背景を現代風にアレンジするという挑戦は風守というキャラと今話題になっているクラウドコンピューティングなどの言葉が出きたりして観ているうちに馴染んでいく感じでしたね♪

ストーリーの方も前半はなかなか波に乗れない感じでしたけど、中盤から後半にかけては面白かったですね♪
「UN-GO」にはTV放送と並行して劇場版「episode:0」が上映されるというノイタミナの営利主義的戦略に翻弄された感じがしました!
その問題の劇場版なのですけど、ズバリ見ないとダメですねwつД`)・゚・。・゚゚・*:.。..。.:*・゚
TV版だけですと、別天王と因果などがただの不思議なキャラで終わってしまうのです♪
最終話に新十郎が麟六の娘の梨江に、因果との関係を話し始めた所で終わってしまうのですけど、その話こそが劇場版で描かれたとっても大事なエピソードなのですΣ(^∇^;)えぇ~
「UN-GO」の楽しみ方がイマイチわかりづらいなぁって思う方は劇場版から観ると本編もかなり楽しく見れるんじゃないでしょうか?
逆に、記憶力が良い方であれば、本編を見終わったあとに劇場版を観るとなるほどそういう事だったのかぁっていう気分を味わえると思いますよ♪

この「UN-GO」って作品をどんな視点から視聴するかによって大きく評価がわかれそうなきがしますね!
σ(・・*)アタシは劇場版も観ていたので、結城新十郎の『死生観』からの正義と、海勝麟六の『合理主義』からの正義の掛け合いがとっても面白かったなぁって感じました♪
萌えや笑いなどは一切ないのですけど、登場人物の生き様を描いた作品をたまに観るのも良いもんですねo(*^▽^*)o~♪


■MUSIC♫
OP曲『How to go』
 【編曲】江口亮【作詞・作曲・歌】School Food Punishment
 キタ━(゚∀゚)━!わたしの大好きなスクパニの7thシングルナンバー♪
 「東のエデン」で出逢い、Album「amp-reflection」で虜になりました(*^^)v
 変拍子・転調など、技巧的で複雑な曲構成が特徴的で、その中でシンセサイザーなどの電子音楽が
 メロディーを引っ張っていて疾走感と心地よさを引き出しているんですよね♪
 そんなところからもプログレやエレクトロニカの要素が強いバンドって言われているんですよ(^▽^)/
 また、前に出すぎない控えめで柔らかいボーカルが音楽に調和していて楽器の一つという役割を
 担っていたりとポストロックっぽさも感じられて、今の時代にあった中性的で柔軟な世界観をもった
 バンドって言えるんじゃないのかな(^ー^* )フフ♪
 アレンジャーの江口亮さんは「いきものがたり」の曲作りに携わっていて、センスの良さが光ります
 ( ̄ー☆キラリーン
 聴けば聴くほど良さがわかってくるスクパニの曲は今後も長いお付き合いになりそうです♫

ED曲『Fantasy』
 【作詞・作曲・歌】LAMA
 元SUPERCARと元NUMBER GIRLのメンバーが作ったバンドの2ndシングルですね♪
 ファーストシングルは「NO.6」のOP曲でしたね!
 スクパニと同じくエレクトロニカの流れを汲んだバンドなのですけど、UN-GOの世界観らしく近代的な
 電子音とレトロなピアノの音色を融合した優雅な曲調がアンダーグラウンドな雰囲気で前作よりも
 オルタナティブ・ロックっぽいですね♪

2011.10.16・第一の手記
2011.12.30・第二の手記(追記:■個人的に注目していたキャスト、■総評)
2012.01.11・第三の手記(追記:■MUSIC)

投稿 : 2025/03/01
♥ : 72
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

これは、「ミステリーとは何か」を考えるアニメです

[文量→大盛り・内容→考察系]

【総評】
基本は、1話完結のオムニバス形式のミステリーアニメ。ミステリーの質はそこまで高くはないが、そこに込められたメッセージや問題提起は深い。坂口安吾の諸作をごちゃまぜにしたようなものを原作にしているため、かなり尖った思想も散りばめられ、そこで賛否が分かれるかもしれない(安吾を知らなくても全く問題ない)。

いずれにせよ、「一風変わったアニメ」であり、テンプレ作品に飽き飽きしている方は、視聴するのも良いかもしれない。わりと、「記憶に残るアニメ」だった。

坂口安吾は、「堕落論」しか読んだことがないニワカなんで、彼の文学性については詳しく言及できない。というか、ウチのゼミの教授の受け売りで、「安吾の堕落論は素晴らしいが、文学的には見るべき点は少ない。彼は小説家というより、思想家だ」という持論を真に受けてここまできたので。でも、このアニメの原作である「明治開化 安吾捕物帳」や代表作である「白痴」にも興味が出てきました♪

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
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【各話感想(自分用メモ)】
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投稿 : 2025/03/01
♥ : 37
ネタバレ

sekimayori さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

UN-GOってのが秀逸すぎてレビュータイトル思いつかないんですが 【76点】

ある“敗戦”の後、最後の名探偵・結城新十郎は相棒・因果とともに、メディア王海勝麟六が流す美しい嘘の背後にある真実を探し続ける。
戦後混乱期を代表する無頼派の作家・坂口安吾の探偵小説を原案とする、近未来ドラマ。

多少の事前知識と劇場版の視聴が無いと、物語をすべて見通すのはちょっと難しいかもしれなくて、微妙にハードルが高かったり。
とはいえ、ノイタミナらしい挑戦的な作風で、たぶん安吾のエッセンスにも忠実な秀作です。


■薦めてみる(勝手に事前知識)
私も、他のレビュワーさんが書かれた評価を読んでいないと全うに楽しめなかったかも、と思うので、UN-GOに興味がある方へ向けてほんの少し事前知識を。

①テーマはミステリーではなく、人間ドラマ
主題は、敗戦によって価値観が転換・崩壊した社会での人間ドラマです。
社会道徳・倫理の変化に翻弄される人々と、その真の姿を見つめる新十郎、真実を嘘で隠し続けるメディア王、それぞれの葛藤を楽しむのが良いみたい。

②坂口安吾の主張:「堕ちよ、生きよ」
私は『堕落論』文庫版と短編数編、安直なマンガ解説本しか読んでない安吾素人ですが。
主に太平洋戦争後すぐの時期に活躍した安吾の主張は、この言葉が象徴しているように思います。
戦前・戦中は暴走する軍部と共に、国民・メディアも一体となって、日本社会全体が戦争を称揚・推進していた一面があります。
それが敗戦後、「戦争は悪である」「天皇は人間だ」と、それまでの日本社会の価値観が根底から覆された。
そうして、よって立つ価値規範を失い途方に暮れる日本人に、安吾は、「堕ちよ、生きよ」と呼びかけました。
『人間は堕落するけれど、それは戦争に負けたからではなく、人間の本性が堕落するものだからだ。
社会道徳やモラルは時々によって変わるけれど、人間の最も自然で根本的な部分は変わらない。
日本社会が一度まっさらに戻ってしまった今、我々は自分の根本が見えるところまで徹底して堕落し、本性に根差して生きていくべきではないか。』
意訳だけど、たぶんこんな感じ。
社会的な価値観に囚われるという次元を捨てて、人間本来の姿を見つめ直して生きて行こう、というメッセージに取れます。
※安吾の作品は「青空文庫」(無料Web小説データベース)にあるので、興味ある方はどうぞ。

③難しいこと抜きにしても、音楽・キャラが魅力的
OPはノイタミナ御用達のSchoolfood Punishment、EDはLAMA(元Supercar)で、各ムービーもセンスに溢れてカッコイイ。
線が細くどこか抜けているけど真実をひたすら希求する新十郎はいい主人公だし、ヒロイン(?)勢も
・ショタ兼妖艶な美女
・無表情電脳ロリ美少女
・好奇心にあふれたお嬢様 と、紳士諸兄にもお楽しみいただける陣容を誇ります。


■「UN-GOって素晴らしいネーミングだよね」みたいなネタバレ感想
ネタバレレビューを読む


【個人的指標】 76点

投稿 : 2025/03/01
♥ : 16

64.2 4 人工知能で近未来なアニメランキング4位
ゲキドル ACTIDOL SCHOOL(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.1 (103)
265人が棚に入れました
謎の災害・世界同時都市消失から5年世界は混乱の中にありながらも、少しずつ復興を遂げようとしていたそんな世界で3Dホログラムを用いた「シアトリカルマテリアルシステム」を使った演劇に魅せられ光り輝くステージを目指す少女たちがいたそれぞれの思いを胸に今、ステージの幕が上がる

声優・キャラクター
赤尾ひかる、持田千妃来、諏訪彩花、花澤香菜、M・A・O、山本希望、髙野麻美、秋吉あや、佐藤亜美菜、鳥海浩輔、八島さらら、水橋かおり

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

だって私には、君がいるから

この作品はオリジナルアニメだったみたいですね。
正月早々、「ゲキドル」の第1話と劇中劇「アリスインデッドリースクール」が放送されるなど、話題性の高い作品だと思っていました。

また、完走後にwikiを見て知ったのですが、主役である守野せりあ役を演じた「ぴ」ちゃん、こと赤尾ひかるさんが2015年に事務所に所属してからの初アフレコ作品だったんだそうです。

ぴちゃんと言えば、「アサルトリリィ BOUQUET」の一柳梨璃を始め、「えんどろ〜!」のユーシャ、「こみっくがーるず」のかおすなど、色々な作品に出演しています。
だから、これが初アフレコ作品と言われると時系列がズレているような気がしてなりません。
それとも、世に輩出するまで5~6年を要する作品だったということなんでしょうか?

個人的には、ぴちゃんの原点を知ることができたのは嬉しかったですけれど^^


―――謎の災害・世界同時都市消失から5年

世界は混乱の中にありながらも、少しずつ復興を遂げようとしていた

そんな世界で
3Dホログラムを用いた「シアトリカルマテリアルシステム」を使った
演劇に魅せられ、光り輝くステージを目指す少女たちがいた

それぞれの思いを胸に
今、ステージの幕が上がる


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

完走して思ったこと…
すご~く難しい作品だったような気がします。

まず、第1話と連動して放送された「アリスインデッドリースクール」ですが、本編とは何の関係も無かった…と思っています。
確かに、本編の出演されている声優さんが演じている、と言う点での共通点はあると思いますが、それ以外の接点は残念ながら見い出せませんでした。

そもそも「アリスインデッドリースクール」は、これまで無印、オルタナティブ、ビヨンドなどと形を変えて何度も演じられてきた舞台作品なんです。
寧ろ、舞台作品としての「アリスインデッドリースクール」がアニメ化されたと考えた方がしっくりするのではないでしょうか。

さて、このゲキドルですが劇場版アイドル作品、或いはアイドル要素を舞台に織り込んだ作品などと考えていると、どんでん返しを食らうことになります。
もちろん、wikiのジャンルも「演劇、アイドル」と記載されていますし、上記の様な要素が無い訳ではありませんが、物語の内容は予想の遥か斜め上をぶっ飛んでいた気がします。

まず、この作品の劇中劇ですが殆どがアリスインプロジェクトで実際に行われた演劇が基になっています。
ですが断片的過ぎて正直良く分かりませんでした。
劇中劇としてハッキリ認識できたのは、「アリスインデッドリースクール」と、物語最後の演目となった「クロノゲイザー」です。

アリスインデッドリースクールは物語の結末まで描かれていませんでしたが、クロノゲイザーは一部ゲキドルのオリジナル要素を含みながら終幕まで描かれていました。
次から次へと明らかになる物語の超設定の連続にビックリ…

劇中劇の設定にビックリしたのではありませんよ。
ビックリしたのはこの作品の物語自体にです。
まるで「STEINS;GATE」を彷彿させるかのような…
あ、同じ香菜ちゃん繋がりだからといって、まゆしーの「とぅっとぅるー」を彷彿した訳じゃありませんからね^^;

個人的には劇中劇クロノゲイザーの顛末は劇中劇以外の部分との構成・バランス共に素晴らしく良かったと思っています。
これで色々持ち直した感がありましたから…
でも少し詰め込みすぎだったかも。
もう少し演者の心情にスポットを当てても良かったような気がします。

オープニングテーマは、「ゲキドル!」と「時の翼 Chrono Geizer」
エンディングテーマは、「キズナ」、「制服DOLL」、「トーキョーロンリーガール」、「ダンデライオンガール」
それぞれアリスインシアターのメンバーが歌っています。
「時の翼 Chrono Geizer」が私のお気に入りです。

1クール全12話の物語でした。
すご~く難しい作品で、キャラデザも似通っていて区別しずらい面もありました。
私としては、ぴちゃんの活躍を堪能できたので満足しましたけれど…^^

投稿 : 2025/03/01
♥ : 15
ネタバレ

kabaj31 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ひっそりと期待。。。

■完走後の感想

回を重ねるごとに面白くなっていくアニメでした。

ネタバレレビューを読む


■第2話までの感想

第2話まで視聴。

「ここは、どこですか?」
「太陽系第三惑星、地球。その直径は約一万三千キロ。
一つの衛星を持ち、炭素型生物の生存に適した大気組成と‥」
「わかります。いえっ、わかりません! 地球のどこですか?」

舞台演劇を題材にしたアニメでしょうか。
元々、劇中劇のHOTDの様なゾンビモノに興味があったのですが、
こちらの本編の方が、ストーリーがしっかりしている気がします。

一部の都市が消滅していたり、近未来的な舞台装置とかが出てくるようですが、
今後、それらがどのような方向でストーリーに絡んで行くのか今のところ不明です。
ただ、登場キャラの紹介や、それぞれのキャラにちなんだエピソードで話が進ん
で行くタイプのストーリーではないような気がします。
なにか大きな柱のあるストーリーであることを期待しています。

もしかすると魂がこもった作品になるのか、ならないのか、
化けるのか、化けないのか、注目してみたいと思います。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 8
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

天ぷら盛り合わせと焼肉定食、あ、ご飯は炒飯、味噌汁はコーンポタージュに変更で(笑)

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
アイドルと演劇を両方こなす、演「ゲキ」アイ「ドル」を描いた、SF作品。

題材がトリッキーな上、演出も味濃くて、しかもずっとシリアスなんで、ちょっと胃もたれしました。

変わった作品であることは間違いないので、色んなアニメに見飽きたら、つまんでみるのも良いかもしれませんが、気合いは必要です。

《以下ネタバレ》

【視聴断念(6話まで)】
ネタバレレビューを読む


【各話感想(自分用メモ)】
ネタバレレビューを読む

投稿 : 2025/03/01
♥ : 17

68.4 5 人工知能で近未来なアニメランキング5位
ぼくらのよあけ(アニメ映画)

2022年10月21日
★★★★☆ 3.6 (16)
61人が棚に入れました
西暦2049年の夏。阿佐ヶ谷団地に住む小学4年生の沢渡悠真は、もうすぐ地球に大接近するという彗星に夢中になっていた。そんなある日、沢渡家の人工知能搭載型家庭用ロボット・ナナコがハッキングされてしまう。犯人は「二月の黎明号」と名乗る未知の存在で、宇宙から1万2000年の歳月をかけて2022年に地球にたどり着いたもののトラブルで故障し、阿佐ヶ谷団地の一棟に擬態して休眠していたのだという。二月の黎明号から宇宙に帰るのを手伝って欲しいと頼まれた悠真たちは、極秘ミッションに乗り出す。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

団地は未知と交流する方舟

人類がどんどん宇宙に出る程じゃないけど、AIロボットが実用化される程度には近未来の日本の夏。
団地暮らしの少年らが、宇宙から飛来した人工知能を、故郷へ返すため奮闘したりする、
同名コミック(全2巻・未読)の劇場アニメ化作品。

【物語 3.5点】
宇宙より来る未知のAIと最初に遭遇するのはAIである。
AIが心に類したものを持つ時、AIは人間に禁断の嘘を付く。
ネタバレレビューを読む
宇宙空間に浮かぶ団地!

これらの要素にビビッと来る人、
あとは団地マニアには是非オススメしたいJAXA協力の青春SFジュブナイル。


ただ構成がもう一つスッキリせず突き抜けない感じ。
本作もまた数万年単位の壮大な宇宙の交流を妨げるのは、
子供や、その親御さん同士の些細な人間(およびAI)関係のもつれ。
という定番メニューを揃えますが、人間関係の進展が小出しで、ややゴチャ付いている感。
連載なら徐々に解決でも良いのですが、一本の映画でやるなら、
もっと山は少なく、高くした方が明快でシナリオも盛り上がったと思います。

映画化に当たり大きな流れを作るためにアニオリで、
早くAIを宇宙へ送らないと取り壊しが決まっている団地が解体される。
というタイムリミットを設定したのは妙案でしたが、
その煽りで、人間ドラマの小山が、いっそう添え物に押しやられた感じ。

佳作青春SFだったけど、もっと感動作に出来たはずという悔恨も残りました。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・ZERO-G

ミッションの鍵となる複雑な水の表現処理には実績のあるスタジオで土台は安定。

“オートボット”や各種デバイスを担当したデザイナーからも、
2049年の近未来社会を表現しようとの意欲が伝わって来ます。

特筆したいのは、“虹の根”コンセプトアートを担当した、みっちぇ(miche)氏。
幾何学的なデジタルアートで構築された惑星の風景は、スクリーンで一見する価値あり。


【キャラ 4.0点】
“オートボット”のAI・ナナコと喧嘩が絶えない小4・沢渡悠真らの主人公少年グループ。

そこに、悠真グループの少年・岸 真悟の姉・わこ世代が抱える、
小5女子のカーストとイジメの構図が持ち込まれ波乱要素に。

ここまでならよくある子供たちの若気の至りですが、
ここから親世代の過去も巻き込んでいくのが意欲的。

何歳になったって人類は未熟であることを描けているからこそ、
AIの嘘が説得力を増すのです。


【声優 4.0点】
主人公・沢渡悠真役には俳優・杉咲 花さんがまずまずの少年ボイスを披露。

アフレコに当たり、コロナ禍で大人数の収録が困難な中でも、
相棒のオートボット・ナナコ役の悠木 碧さんと杉咲さんの同時収録にはこだわったという本作。
子役→声優の経験がある実力者が、主役の俳優をリードする関係を死守。

俳優・タレントでも、一定以上の演技を引き出している作品には、こういう制作エピソードが必ずありますね。
口酸っぱく言いますが、俳優・タレントを広告塔、お客さん扱いで名前借りしているだけの作品と、そうでない作品は、観ていればハッキリと伝わって来ます。

それにしても、悠木 碧さんの「いわゆるロボット系の子を演じる際は、その子がどのくらい高度な文明で作られているかによってロボ度のさじ加減を調整しています」
とのキャストコメント。高度すぎて、わけがわからないよ(笑)
宇宙船“二月の黎明号”役のベテラン・朴 璐美さんと合わせてAIへと超越する声優さんの神秘を実感します。

脇は“クラスの敵”河合 花香役の水瀬 いのりさんVS岸 わこ役の戸松 遥さんの修羅場など、
ほぼ声優陣で固め盤石。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は横山 克氏。
十八番のストリングスを軸にした心情曲から、
ピアノ&ギターの団地ノスタルジー、シンセ和音とオーケストラによる大宇宙表現まで幅広くカバー。
青春物も良いですが、横山 克氏のBGMは、もっと宇宙に出るべきだと再認識。

ED主題歌は三浦 大知さんの「いつしか」
伸びのあるハイトーンボイスで、しっとりと聞かせる壮大なバラード。
タイアップに合わせて、ロケ地となった杉並第二小学校の生徒が書いた本作試写会の絵日記風感想を取り込んだコラボAMVを公開する粋な対応。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 9

ato00 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

エンドロールに驚かされる

2022年公開、120分の長編劇場アニメ。
漫画原作の割には、真面目成分多めです。
主人公たちは小学校高学年だから、少々幼い感じ。
年相応の悩みを抱えながら平凡に暮らしています。

そんな彼らの元に降ってわいた宇宙からの来訪者。
舞台が近未来だから、AIとの絡みも興味深いです。
全体に素直なストーリーなので、120分ながらあっという間に見終えることができました。
ただし、内容が薄味なので、あまり記憶に残らないかな。
ひと夏の宇宙的不思議感覚を味わうのに適している作品ではないでしょうか。

全く前情報なしで観たので、主人公の男の子の声に違和感がありまくりでした。
さもありなん、まあまあ若い女優さんとのこと。
それに比べ、他の方の演技が自然なこと。
エンドロールですべてを理解しました。

津田健次郎さんの脱力系の声は何となく納得。
その他、花澤さん、水瀬さん、戸松さん、岡本さんとそうそうたる面々。
中でも驚いたのは、ナナコ役の悠木碧さん。
AI役もできるんですね、彼女。
薄めながらも良い味を出されておりました。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 12

あと さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ひと夏の不思議でちょっぴり切ない青春SFジュブナイル

近未来SFジュブナイルという超面白そうな設定からは特には膨らまず、特に冒険はしません。近未来だけどノスタルジックな雰囲気で小学生たちの日常シーンはとても良いですね…。
内容としてはひょんなことから関わることになる宇宙探査機を子供たちが頑張って助ける、という感じでびっくりする場面展開が何個も起きるわけではなく、小難しいような話もないので子供がサクッと見て夏を感じるような映画ですね。仲のいい友達との夏休みの忘れられない思い出を、ただ青臭く夢を見る。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 0
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