京都で熱いなおすすめアニメランキング 9

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの京都で熱いな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月04日の時点で一番の京都で熱いなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

87.5 1 京都で熱いなアニメランキング1位
劇場版 響け!ユーフォニアム ~誓いのフィナーレ~(アニメ映画)

2019年4月19日
★★★★★ 4.3 (423)
1951人が棚に入れました
昨年度の全日本吹奏楽コンクールに出場を果たした北宇治高校吹奏楽部。2年生の黄前久美子は3年生の加部友恵と、4月から新しく入った1年生の指導にあたることになる。全国大会出場校ともあって、多くの1年生が入部するなか、低音パートへやって来たのは4名。一見すると何の問題もなさそうな久石奏。周囲と馴染もうとしない鈴木美玲。そんな美玲と仲良くしたい鈴木さつき。自身のことを語ろうとしない月永求。サンライズフェスティバル、オーディション、そしてコンクール。「全国大会金賞」を目標に掲げる吹奏楽部だけど、問題が次々と勃発して……!?北宇治高校吹奏楽部、波乱の日々がスタート!

声優・キャラクター
黒沢ともよ、朝井彩加、豊田萌絵、安済知佳、石谷春貴、藤村鼓乃美、山岡ゆり、津田健次郎、小堀幸、雨宮天、七瀬彩夏、久野美咲、土屋神葉、寿美菜子、櫻井孝宏

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

群像劇としての厚みを出す為に台詞は一言もいらないということを学びました【LIVE ZOUND&イオン幕張ULTIRA感想追記】

※以下の本文では2018年の映画『リズと青い鳥』の略称を“映画『リズ』”、劇中に登場する楽曲「リズと青い鳥」の略称を“「リズ」”、劇中劇としての童話「リズと青い鳥」の登場人物は“リズ”と表記しています


2015年の第1期テレビシリーズ、
2016年の劇場版総集編『北宇治高校吹奏楽部へようこそ』と第2期テレビシリーズ、
2017年の劇場版第2作『届けたいメロディ』、
2018年の映画『リズと青い鳥』、
それらに続く『響け!ユーフォニアム』シリーズの完全新作長篇映画


結論から先に言ってしまうと、【『届けたいメロディ』と『リズと青い鳥』は本作やテレビシリーズとはパラレルワールド】と割り切ってください
本作の世界観は【テレビシリーズ第2期の続き】になりますので特に映画『リズ』との整合性は一致しません
メインスタッフはテレビシリーズでお馴染み、石原立也監督、花田十輝脚本、池田昌子キャラデザ、音楽は松田彬人、京都アニメーション制作


昨年度、全国大会出場を果たすも銅賞に終わった北宇治高校吹奏楽部
ユーフォニアム奏者の黄前久美子は同級生でトロンボーン奏者の塚本秀一の告白を受けて付き合いだす
久美子達は2年生となり、新たな体制となった吹奏楽部で改めて全国大会金賞を目指すことに
昨年度の全国大会出場と、顧問の滝昇先生の人気も相まって新入部希望者は潤沢
低音パートにも4人の1年生が入ってきた
しかし新入生でチューバ担当の鈴木美玲は卓越した演奏技術を持っているものの協調性が無く、同じ低音パート部員達にも馴染めていない
さらに久美子の直接の後輩に当たるユーフォニアム担当の1年生、久石奏もまた社交的な表の顔とは裏腹に部活動そのものに含むところを持っているよう
1年生の指導員を兼任する久美子は1年生の抱える問題を「めんどくさいな~」と口にしながらも積極的に支えていくことになる…


『リズと青い鳥』を除けば『ユーフォ』シリーズにとっては初の完全新作の長篇
劇中ではかなり長い年月の多岐に渡る出来事を合間合間を区切りながら描いており、非常に濃厚な内容の映画と言えるでしょう
具体的には起承転結が3回以上繰り返すと思っていただいて結構です


これまでのシリーズを踏まえた作品なので、最低でも総集編映画である『北宇治高校吹奏楽部へようこそ』と『届けたいメロディ』の2作はご覧になってから今作をご鑑賞いただくことをオススメします
と、言うのも今作の久美子はとても主人公らしい牽引力を持った人物として描かれますが、それは久美子が1年生の時に“アレだけ色々な事件を経験してきた”からなのです
特に印象的な部分で一人になった久美子が「響け!ユーフォニアム」という楽曲を演奏してあすか先輩のことを思い出したり、吹奏楽の原初的体験である姉との思い出を振り返ったりするシークエンスは、そのシークエンスが持つ久美子の心理描写をセリフや表情だけでは読み取れない形にした高尚な演出になっていると感じることでしょう


また劇中でコンクールの自由曲として選ばれる「リズと青い鳥」という童話をモチーフにした組曲が持つ物語性については、映画『リズと青い鳥』の中で詳しく描かれているので興味があればそちらも是非どうぞ
ただし先述の通り映画『リズ』はパラレルワールドであり、今作と整合性は一致しません
具体的には映画『リズ』劇中の傘木希美だと、ソリストになるだけの実力に及んでいないこも
映画『リズ』劇中で本来はオーボエとフルートが掛け合いをするパートを、(遊び半分だと思うが)久美子と麗奈が練習していたシークエンスが今作には存在しないこと
今作の鎧塚みぞれの性格が明るめに描写されているのでシリーズでは比較的に最も好転的なみぞれが描かれた『テレビ第2期』或いは描写が無かっただけで可能性としては存在する『届けたいメロディ』の世界観の続きと考えるのが自然なこと
この3点から映画『リズ』はパラレルワールドだと推測が出来ます


さて、「リズ」という楽曲を踏まえた上でクライマックスの演奏シークエンスまでに描かれる“群像劇としての『ユーフォ』”について話したいと思います
よくオイラは群像劇が好きだという話をするんですが、『ユーフォ』って登場人物が多い割りにスポットが当たるキャラが非常に搾られていて、ソレはソレでまとまっているという肯定的な観方も出来るんですが、登場人物は多ければ多いほど物語に厚みが欲しい派なんです、オイラは
そういう意味で『ユーフォ』は諸手を挙げて絶賛出来る作品では無かったのですが今作で少し考え方が変わりましたね
と、いうのも劇中では度々にみぞれと希美という2人が見切れるカットがあり、この2人がメインストーリーライン上はともかく、北宇治高校吹奏楽部の、特に「リズ」という楽曲に関しては欠かすことの出来ない重要な人物であることが多くを語らずに表現されているのです
「リズ」の第3楽章が始まるとオーボエとフルートがそれぞれ青い鳥とリズを表現する掛け合いパートがあり、それがこの楽曲において最も印象的なフレーズとして幾度か登場します
そこでこの掛け合いを演奏するのがみぞれと希美というわけ
ですがこの超重要人物2人、なんと台詞が一切として無いんですよね
声優もクレジットされてないのでガヤ等も含めて台詞ゼロは間違いなさそうです
この2人の関係性についてはテレビ第2期、或いは映画『リズ』で散々語られているので今更何か付け加えたところでメインのストーリーラインが散ってしまう恐れもあり、あえてモブの一部として扱っているということなのでしょう
そうまでしてもみぞれと希美を登場させているのは、この2人の存在こそが「リズ」という楽曲の物語性を引き立てているのだと、クライマックスで気付かせる為なんですね
台詞の無い登場人物から物語の厚みを感じるとは…いやはや恐れ入りました
思わず演奏シークエンス中に泣いてしまいましたからね;;


メインのストーリーライン上かかすことの出来ない人物として新1年生も加わり、物語は新しい局面を迎えます
特に鈴木美玲は卓越した演奏技術を持ちつつも孤立しがちな高坂麗奈と似た様な側面を持ちつつも、実際は麗奈ほど孤独を愛しているワケではない“弱い麗奈”とも言える存在であること
そして久石奏もまた、他人との距離感を計ることが得意ながら性根が捻じ曲がった“歪んでしまった久美子”と言える存在であることなど、久美子達2年生世代との対比になるキャラとして設定されてるのが面白い


原作では3年生になった久美子達の物語がいよいよ始まったようですが、3年生篇のアニメ化は正直難しいかもしれませんね…
今作では1年生指導員になったことでまるで悟りを開いたかのような落ち着いた様子で物事に対処する達観した態度の久美子が徐々に見受けられるようになっていきます
でもそれってつまり久美子にその任を指名した、恐らく吉川優子部長と中川夏紀副部長の才なんだと思うんですよ
久美子世代が入学する前に部の雰囲気を険悪にしてしまったのは優子世代ですし、麗奈と香織先輩のソロ争いに物申したのも優子自身、今作で奏ちゃんが途中憤慨するキッカケは夏紀ですし、映画『リズ』の主役は言うまでも無く優子世代
これまでの北宇治の事件には、常にその中核に優子世代がいたわけです
実は物語上の最大のキーパーソンは優子世代だったということになりませんか?
“なかよしがわ”と“のぞみぞれ”がいなくなった北宇治はあんま観たくない…;
というのがオイラの本音ですね


(とか言ってる間に3年生篇のアニメ化が決定しました、オイラが言いたいことは上記の通りなのであとは原作がめちゃくちゃ面白い、とかそういった不確定要素に期待しています)


ところで早見沙織に二言しか喋らせないアニメってなんだよwww


本日、2019/6/5までに4回ほどリピートしましたが4回目に数多くの『ユーフォ』ファンが“最高”と賛辞を贈る川崎チネチッタの8番スクリーン、通称“LIVE ZOUND”が今週で上映終了とのことで初めて足を運んでみました
いや~、本当に最高です!
関東近郊で『ユーフォ』を観る上でこのLIVE ZOUNDを超える劇場は存在しないと断言できます
剥き出しのウーファー2基にフロント左右に吊り下げられたラインアレイスピーカー、と仕様自体は立川シネマツーaスタに似ています
が、箱が正方形の為、音の定位が非常にハッキリしています
環境音、つまり川のせせらぎや人混みの喧騒などに広がりが感じられますし、演奏シークエンスではドコで何の楽器が鳴っているのか、一音一音がよ~く聴こえます
低音や高温が中音にかき消されて無いんですね
序盤の「それが私の生きる道」で左手に夏紀先輩のエレキ、右手に緑輝のベースがいるのが瞬時にわかりますし、クライマックスの「リズと青い鳥」に至っては、もはやこの劇場でなければ100%の音を聞き分けるのは難しいのでは?とすら感じます
セリフ類の音量も確実に上がっているのに、不自然な圧力や歪みは感じられませんので他の上映より数段セリフが聴き取り易いと思います
メインのキャラにセリフが被ってしまっているバックのモブが、何を言ってるのかが明白に解ります
唯一、このLIVE ZOUNDについて注意が必要な点ですが、後ろの席ほど傾斜が付いていて観易く聴き易くはなっているものの、最前列になるとスクリーン位置やスピーカー位置が高いこともあってかなり観上げることになってしまう点です
最前列ではLIVE ZOUNDの真価を体感することは出来ないと思って頂いて結構でしょう


イオンシネマ幕張新都心にてセカンドラン上映が決定し、イオン幕張が誇る8番スクリーンULTIRAで鑑賞してきました
正直音の定位はまぁまぁですかね
音の定位に関しては川崎チネチッタ>幕張≧新宿ピカデリー≧その他という感じです
低音は重く響くまさに重低音という感じですが歪んだ印象は無くクリアです
でも肝心の大型スクリーンが3Dに対応する為にシルバースクリーンなんですよね…『幼女戦記』の時にも同じことを書きましたシルバースクリーンだと色調が暗めになる上に霞が掛かったような靄が掛かった様な映像になります
これはちょっと僕の好みから外れる、というのが結論です

投稿 : 2024/11/02
♥ : 21
ネタバレ

シン☆ジ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

響け。。奏(かなで)の心と、全国大会の空に!

 
はあ・・遂に視聴できた・・
劇場版外伝の『リズと青い鳥』を視聴後、配信まで待てず、いつか観なきゃと思っていましたが・・
↓↓ネタバレじゃないけど作品に関係ないので畳んでおきます↓↓
~{netabare}
2020年某月某日。
まとまった自由な時間がとれることになり、5本で安くなるTSUTAYAレンタルで映画を観よう!と、思い立ちました。
でも・・

とあるキャッチユーザのレビューを拝見して、まさかとは思ってたけど・・そのまさか。
最寄りのTSUTAYA泉古内店に置いてないじゃん・・・orz

となり街の蔦屋書店仙台泉店まで行ってもいいんだけど、ある確証はないし、泉古内店にこの後探しに来る人もいるかも知れないし・・と思い、店内の専用端末で取り寄せしました。多分取り寄せたらその店に置くんだと思うし・・

で、今になってサイト検索してみたら、蔦屋書店仙台泉店にも取り扱いなし・・ちょっとちょっとTSUTAYAさん!京アニなめとんのw

自分みたいに探して諦めてる人って結構いるんじゃないかな。
なんだかなーだよ・・
やはりここは取り寄せて正解ですよね。

ちなみに、この日レンタルした5本は・・
■冴えない彼女の育て方 fine
■青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない
■劇場版 メイドインアビス-深き魂の黎明-
■この世界の(さらにいくつもの)片隅に
■サイコパス3 FIRST INSPECTOR
 (ユーフォがなかったために急遽選定。
  後にアマプラで配信されてることが判明w)
{/netabare}~

さ、いよいよ黄前ちゃんや麗奈との再会です・・

■エピソード
おっとおおーっ!
のっけからそうきますか!ww
~{netabare}
いきなりの、告白シーン・・
久美子の困り顔いただきました(^^)/

で、久美子もOKしたみたいですねw

ユーフォって百合要素あるし恋愛エピソードないのかと思ってたのでびっくり。でも、たまこまーけっとの例もあるし、大歓迎ですよー ^^

まずは新入生の勧誘ですね。
またもやエレキギターやドラムの演奏が・・
吹部って軽音楽もやるんですね。

うへぇ・・1年めんどくせぇw
今回は彼女らが引っ掻き回してくれそうですね ^^;

劇場版『リズと青い鳥』のヒロイン、みぞれと希美は・・
ちゃんといたw

顧問の滝が選択した自由曲は・・リズと青い鳥!
やっぱそうこなくちゃね ^^

今回は吹奏楽部の生々しいドロドロも健在(?)で、本当に部活青春してました。

恋バナの展開も楽しみでした。
ひょっとして、『ちはやふる』的な展開も!?なんて期待してたんですが。
花火大会のあと、恋人関係解消って・・・・
それほど吹奏楽に打ち込みたいってことね。
さすが。この作品は一味ちがうw

コンクール会場にあすか登場。
ちょっと鳥肌が立って、ジワっときた。
魔法のチケットってなんだったのw

この作品のために書き下ろされたという楽曲『リズと青い鳥』。
演奏シーンはヘッドホン推奨です。
衣擦れの音や繊細なハープの音、全体の強弱がよく聞こえます ^^
演奏シーンは凄かった・・・
特にみぞれの演奏シーン、ジーンと来ました (;_;

なのに・・なのに。
みぞれもいるのに、麗奈もいるのに・・
『リズと青い鳥』を最高の演奏をしたのに、金賞なのに・・
全国大会行けないんですか・・
いまの今まで、金賞=優勝だと思ってました。
金賞は何校もあるんですね。
より優秀な高校が多かったってことか。

観直してみれば、演奏終わりのシーンの演出が抑え気味だったかな。
ちょっと力強さが足りないというか。

そして、そういえば、劇場版『リズと青い鳥』はこの話の並列進行なんですね・・

帰りのバスににて・・
奏:
 頑張るってナンですか。
 だからいやだったんです。
 結局ナンにもならなかったじゃないですか。
 あんなに練習して、ケンカみたいなこともして、
 夏休みなのに毎日学校来て。
 バカみたいです、こんなの。

ナンにもならなくはないよ。
でもその価値に気付くのはもう少し後かな。

あの黄前ちゃんも、遂に三年に。そして部長!
みぞれは卒業かぁ・・
でも・・この悔しさを胸に、今度こそ・・・
{/netabare}~

期待に違わぬ絵と音楽の美しさでした。
これまであまり触れられることのなかった、久美子と秀一の関係も気になりました。
やはり1年の新入部員がいい具合にかき混ぜてくれました・・

そして・・これぞ青春! ^^;


■キャラ/キャスト
新キャラ中心に・・
~{netabare}
久石 奏(ひさいし かなで): 雨宮天
1年生。ユーフォニアム担当。
遂に天ちゃんも、京アニに。
七つの大罪から注目してます。
今回、可愛いけどカワイクない、
クセのある個性的なキャラで、
しっかりイライラさせて頂きましたw
これからのキャラなので大いに期待してます ^^

鈴木 さつき(すずき さつき):久野美咲
1年生。ツインテール。チューバ担当。
ええと、どっかで聴いた声。
無彩限のファントム・ワールド(熊枕久瑠美)、
3月のライオン(ヒロインの妹、モモ)、
む、七つの大罪(ホーク)これだ・・

鈴木 美玲(すずき みれい):七瀬彩夏
1年生。高身長でチューバ担当。
cv七瀬さんは・・
慎重勇者(フラーラ)、
お!サクラクエストのヒロイン(木春由乃)、
と、まちカドまぞくの猫(メタ子)・・
今回はおとなしいキャラでしたね。

黄前ちゃん:黒沢ともよ
声優さんの中でも個性的な
セリフの言い回しですね。
声を聴くのは『宝石の国』以来かな・・
第十二回声優アワード主演女優賞受賞の
貫禄すら感じるのは気のせいでしょうか。

麗奈:安済知佳
黒髪ロングなので作中キャラでは最もタイプかな。
安済さんは・・
灰と幻想のグリムガル(メリイ)、
クズの本懐(安楽岡花火)、
サクラクエスト(緑川真希)、
刻刻(佑河樹里)、
ハクメイとミコチ(セン)、
荒ぶる季節の乙女どもよ。(菅原新菜)・・
メインも多いですね ^^

加藤 葉月(かとう はづき):朝井彩加
2年生。チューバ担当。ちょい刺さるキャラw
浅井さんは・・
え。カリメロ(カリメロ)!
スクスト(降神陽奈)・・
お世話になってます。
元気なキャラが多いですね ^^

小笠原 晴香(おがさわら はるか):早見沙織
コンサート会場に来てくれました。
早見さんもマジ天使w
{/netabare}~

水着シーン・・
宇治って泳げる川があるんでしょうか・・
これ、公園かな?
私、気になりますw

エンドロールに山田尚子さんの名前を発見・・
そういえば公開は事件前でしたね。

 原作:宝島社文庫の小説
 制作:京都アニメーション
 公開:2019年4月
 視聴:2020年11月DVDレンタル

ED後も忘れず観てください ^^
3期が待ち遠しいです。
 

投稿 : 2024/11/02
♥ : 35
ネタバレ

はあつ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

響け!久美子

待ちに待ったテレビドラマの続編。
2年生になった主人公・黄前久美子を中心に、北宇治高校吹奏楽部の新年度の1年間が描かれます。

私は原作未読で、昨年鑑賞した映画「リズと青い鳥」以外、テレビドラマ以降のストーリー情報は一切入れず本作を鑑賞しました。

その上で、テレビアニメ版のファンの1人として素直に満足できたのは、映画の100分間という限られた尺の中で「期待していたモノ」を全て見せきってくれたこと。

「愛着あるキャラ達の個性的で愛嬌に溢れた数々の描写。」
「新しい部員達も含めて描かれる葛藤と熱い思い。」
「主人公・久美子の更なる成長。」
「物語中に組み込まれる心地好さと高揚感のある数々の演奏シーン。」

テレビドラマ(特に1期)で感じたハラハラ、ワクワクの「響け!ユーフォニアム」の魅力がギシギシに詰まっています。

そして更に今回の映画で加わった強い見応え感覚はニヤニヤです♪
同じ京都アニメーション制作の「たまこラブストーリー」のような恋のエッセンスが盛り込まれているのですが、作品の部活物としての熱い雰囲気を損ねる事なく本題のテーマにしっかりマッチした二人の爽やかな進展は、テレビドラマになかった味わいを絶妙に添えています。
本映画の脚本構成の中でもっとも個人的に秀一・・もとい、秀逸に感じました。(オッサンなんでお許しを^^;)

とまあ、映画としては満足するべきなんですが、2クールかけたテレビドラマに比べると、心情描写の時間が少なくキャラクターの掘り下げも不足しているため、テレビ版2期で感じた深みのある感動や余韻は得れたとは言いがたい・・・
欲を言えば、これだけ魅力的な部員達個々のドラマ要素があるのだから、もっと尺をとったコンテで登場人物の一人一人にじっくり感情移入して悲しみや喜びを味わいたかったです。
(テレビのクール放送が無理なら、映画を前後編の2本立てにすれば、本作を観る私のようなファンは必ず2本とも観るから興収も稼げたと思うのだが・・勝手な素人勘定かな・・・制作サイドはプロ集団。この美味しい題材をもっと上手く調理出来るのを承知の上で1本の映画に詰め込んだのは業界の大人の事情なのか?3期に繋げる為の戦略であって欲しい・・)

以下グダグダとネタバレ感想です
{netabare}
「好きなんだけど・・お前を!」
秀一の告白から始まる物語の開幕シーンは自分的にはややサプライズでしたが、それに合わせたオープニングの選曲はジャスト「いい感じ~♪」
交際に絡む反応には久美子らしさが出ててニヤニヤしまくりでした。
中学生でもさっさとキスをする恋愛物が多い中、「そういうことはしない・・」って、お前ら真面目かよっ!
ツッコミながらもラインのやり取りを見て清々しく感じます。
そんな二人のコンクールを前にしての一旦の決断にも純粋なひた向きさが伝わり胸が熱くなりました。
(父親的に将来の二人の結婚を認めます^^)

めんどくさい1年生筆頭、久石奏。

CV雨宮天さんの巧みにキャラの表裏さを感じさせる好演は魅力を引き出してました。
久美子役の黒沢ともよさんとの熱演、雨中での二人の本音をさらけ出した掛け合いは本作一番のエキサイティングなシーン。
「ボケっとした顔・・鏡貸しましょうか。」の奏の毒舌には久美子に悪いがニヤっとも。
相変わらずの熱い久美子節は冷めていた奏の心に火を着けます。
そうして受け継いだ熱い思いを感じさせる「悔しくて死にそうです!」は見事な締めでした。

不憫すぎる~加トちゃん葉月。

後輩の美玲にキツイ態度をとられ、挙げ句今年もオーディション落選。それでも「ゴメンねー」「やったじゃん」常に優しく振る舞います。
描写は少なかったけど、陽気さの影で1年の時から大きなチューバを背負い必死に練習してきた姿が偲ばれ健気さに泣けました。
さつきがなついてくれるのと、サンフェスで演奏する勇姿を映してくれたのがせめてもの救いですが、この娘をコンクールの舞台に立たすためにも続編切望です~

チョッと丸くなった?「特別」麗奈。

再び大吉山のシチュエーションでトランペットの音色と魅惑的な姿にご馳走さま♪
プロ奏者を目指すと言った彼女は、まだなりたい物を見つけていない久美子の良きナビゲーターであり相談友達ですね。
この娘も続編で先生へのLOVEを捧げる演奏をぜひ見届けたい~

「ハイっちゅーもーく!」の優子部長。

前年の晴香部長より貫禄があり堂々の部長ぶりでしたが、コンクールの結果に崩れ落ちる後ろ姿が切ない~~直後の、落ち込む部員達の前での発言は立派でした。
夏紀副部長との絡みと「マジ、エンジェルー♪」が聞けたのが幸いです。


やっぱり凄い!コンクールの演奏シーン

自由曲「リズと青い鳥」のフル演奏。今回も全奏者と楽器を映しだす圧巻の作画です。(風の音を出してた回転ドラムみたいのも楽器?)
みぞれのオーボエが際立つ楽曲は、その音色もさることながら彼女を一周するカメラアングルも巧みでシビれました。
素人の耳には前年の「三日月の舞」と遜色なく聞こえ、むしろ荘厳さを感じるくらい。
しかし全国大会の切符をつかんだのは昨年の北宇治のお株を奪ったかのような、新任ゲンちゃん先生(月永求の親戚?)の龍聖学園。
結果は次年度の展開を考えれば正直予想どおりでしたが、発表の瞬間はドキドキし北宇治の部員達と共に落胆しました~( ´△`)


最後に、押しも押されぬ北宇治高校吹奏楽部の顔に

かつて「ユーフォっぽい」と評された久美子。
ユーフォニアムの楽器紹介を見ると、
低音から高音まで色んなパートに顔を出し、メロディから伴奏までこなす何でも屋。
金管楽器から木管楽器まで幅広く音を合わす事が出来る。
とありました。(知名度が低く影が薄いとも^^;)
作品で映し出される彼女の成長は、まさにその楽器を体現していくかのようです。
テレビドラマでは色んなやっかい事に顔を出しては解決に奔走。
映画では気難しい後輩達を懐柔し、辛い先輩に寄り添う事で色んな人と馴染む術を身に付けます。
劇中、奏に指摘されて見せた本心、演奏を「上手くなりたい」の邪魔になるとわかりながら上手く立ち回ってでも皆と合わそうとする自分の事も認めようとする思いは、久美子自身がユーフォニアムのようでありたいと願っているのかも知れません。
そんな彼女が部長として率いる北宇治高校吹奏楽部の頂点への挑戦と、その先に待つ歓喜の光景が今から待ち遠しいです。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 39

76.0 2 京都で熱いなアニメランキング2位
無彩限のファントム・ワールド(TVアニメ動画)

2016年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (1214)
6649人が棚に入れました
人間の脳機能に変異が生じた近未来。

人は幽霊や妖怪の類を認識できるようになり、それらを「ファントム」と呼ぶようになった―――。

ホセア学院の高校1年生、一条晴彦はファントムに対抗しうる特殊能力をもち「五行の氣」で戦う先輩の川神舞、『ファントム・イーター』と呼ばれる能力をもつ和泉玲奈、ファントムと孤独に戦う水無瀬小糸と共に苦しくも楽しい〈煩悩溢れる〉学園生活を送っていた。

そしてある事件をきっかけに彼らはこの世界の真実を知ってしまう―――

声優・キャラクター
下野紘、上坂すみれ、早見沙織、内田真礼、田所あずさ、久野美咲、井上喜久子
ネタバレ

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ファントムという現象

【2016/3/31視聴完了して追記】

広範に発生した脳機能の障害によって、かつては非実在であった幻想が認識され、「ファントム」として人々の「現実」に侵入してきた世界。

キャラの胸の描写に注目が集まったようだが、それよりも、美少女の顔がひょいと変形してファントムを吸い込む描写の方が、アニメならではの独特の映像表現として特徴的であるように思う。
(それにしても、あの程度の描写を「エロい」と本気で感じる人はそんなに多いのだろうか?)

脳機能障害という疑似科学的設定で「ファントム」を登場させているが、SF的に機能障害によって引き起こされた結果としての世界を描出するのではなく、この「ファントムのいる世界」を実現するため、理屈付けとして使用しているようだ。
「ファントム」のいる「世界」を支えるため、疑似科学外の不備を補うようにソシュールやヴィトゲンシュタインまで持ち出されてくるのだが(それにしてもソシュールが「残念知識」の一言で一蹴されるとは。大学から人文学部を廃止しろという暴言がまかり通るわけだ)、むしろこの「世界」を成立させているのは、フッサール現象学の認識論に近しい気がする。

ファントムを現実に存在するものとして認識している主体にとっては、ファントムが脳機能障害の産物であると説明されたところで、それを確かめる手段はない。
機能障害の幻影であるという説明を心から納得したとしても、認識している当人には、その「説明」が真であるか「確かめる」ことは不可能で、自身の「ファントムは現実にいる」という確信を無いことはできない。「懐疑」することは、「確信」の否定として、原理的に事後的にしか生じることができないからだ。

この点で興味深いのは、たまたま同じ製作会社が『中二病でも恋がしたい』を映像化していたことだ。
『中二病』の主題歌に「理想も妄想も現実も同じものだ」といった歌詞があり、ある意味で現象学の核心を把握していると言える。
主観の認識に現れてくる現象自体は妄想も現実も区別がなく、「それ」は現実であるという主体の「確信」が、「現実」かそうでないかを基礎づけている。

『中二病』ヒロインと姉の間で戦われる中二妄想的な「異能バトル」は、姉から見るとお玉と傘でポカポカ殴りあっているだけのことで、異能の飛び交う光景はヒロインの意識の中だけに存在する「現実」=他者にとっての妄想だ。
が、凸守との「バトル」においては、異能バトルの「現実」を共有する事により、他者が見て床の上を転がってじゃれているだけに見えようとも、当事者同士は「現実」の異能バトルを戦っている。
異能バトルは二人にとっての「現実」で、二人してゴロゴロ床を転げ回っているだけという認識は他者による外部からの観察に過ぎない。

このとき、観察者が、二人の「現実」を共有したとしたらどうだろう。この異能バトルが「現実」であるという「確信」と「信憑」が伝播したとしたなら。

「確信」は、意思的に選択する態度ではない。「それ」が主体にとって「疑えない」直観として「与えられる」という事だ。
事後的に、こんな異能バトルなどあるわけがないと懐疑しようとも、まず異能を「現実」として認識してしまう事をどうやっても止めることはできない。

このとき、観察者の前にも、視聴者が観ていた二人の主観的な異能バトルが「現実」として展開することだろう。


本作の「ファントム」のいる「世界」は、「確信」の共有がさらに広範に広がった「世界」だと看做す事が出来る。

確信の共有は、何もフィクションに限った話ではない。
目の前に赤く灯った信号機が確かにあるという自分の「現実」が他者にも同じく共有されていると「疑えない」からこそ、車の運転をすることができる。
信号機とまったく同様に、そこに「ファントム」が在ると共有されている状態、それが本作の「世界」だ。

ファントムのいる「世界」は、「言葉」と共に日々変化して更新されていく、という作中の描写が、本作が主題化しているのが認識のフレームとその共有という問題であることを示しているだろう。

いや、認識にまで問題を深めなくとも、もっと一般的に、思考のフレームのメタファーであるのか。
明らかに眼前のテーブルやコップと存在性格の異なる「ファントム」が、それらと等しく「現実」として区別なく人の意識に投影される「世界」は、自分自身のものとして自明であるはずの私の思考に、知らずに「同化」して当たり前の「事実」として一方的に紛れ込んでくる「もの」を表現しているのかもしれない。
何かを考えるとき、当たり前の前提であるかのようにとらえている「それ」は、「ファントム」のようにどこからともなく入り込んで「現実」のような顔をして居座っているだけなのではないか、と。

言葉が重要なものとして描写される表現は、そのことをよく示しているようだ。
そして、それは「日々に更新されている」

「自己責任」「グローバル化」「等価交換」「成長」「空気を読め」などなど、思考の中にいつの間にか侵入して共有「させられて」いる「ファントム」は種々あるようだ。

「現実」から「ファントム」を排除する主人公たちの愉快なアクションは、思考の前提にしている「それ」は「ファントム」ではないのかと立ち止まってみることを勧めてくる。

妖精が存在する世界という、言葉にすれば子供じみている「世界」に違和感なく入り込んで楽しく視聴できるのは、疑似科学的な設定が支えているからだけではない。
フッサールを参照しているとは思わないが、このような「人文知」を背後に見出すことも可能であるせいだろう。


上述のような解釈を挑発してくるものは、「ファントムのいる世界」を成立させるために「理由付け」を土台に置こうとする、本作の創作姿勢だ。

この「世界」は、なぜ、このような姿として存在しているのか。

世界を創るためには「それ」を描かねばならない、という創作姿勢が、現実世界の理解のために生まれた様々の解釈を招き寄せる。

現実的世界に「異能」や「ファントム」の類似物を登場させ、原理的な説明などないままに物語が進行するアニメ作品は多い。いや、最近では、大半がそうだろう。
まさしく「妄想」が共鳴して「現実」と感じられる視聴者だけを相手にするような「世界」創りに対して、「理由づけ」を設定しなければならないという姿勢は、広く「世界」を共有させようという意思が垣間見える。

はたして物語は「ファントム」は「何」であると結論付け、主人公はどう向き合っていくのか。
楽しみに見定めたいと思う。


【追記】

「ファントムのいる世界」を広く共有させることにはどうやら成功したように見える。
が、作品全体を貫く物語らしい物語が生まれない世界観に、不満の声も多いようだ。

原作については何も知らないが、この世界観はアニメ製作者の「解釈」によるものに思える。


主人公たちの属するクラブの様な物として登場する「対策室」は、これは原作からそのまま導入されたものだろう。

【脳機能「エラー」「対策」室】というネーミングは、ファントムのいる世界が、「現実」が侵されている、本来的な状態ではない、訂正されるべき「エラー」であると含意している。
「現実」を回復するために「対策」が必要であるのだと。

このような面倒な言葉遣いではないにせよ、同じような印象を直観した視聴者は多かっただろう。
だからこそ、一向に「エラー」を根絶する「対策」が描かれないことに違和感を感じていたのではないか。

だが、この「ファントムのいる世界」を成立させる「理由づけ」があるのだと明瞭に示しながら、キャラクターの視線が「理由」に向かう事を執拗に回避する物語が繰り返される。

映像表現上でも、「ファントム」に時折ブロックノイズの入る描写はコンピュータ映像を連想させて、ファントムがARのように「現実」に重ねられた、位相の違う存在だと示す意図があるのだと窺わせるのに、キャラクターの意識が「日常」から踏み出して「エラー」の根源に迫ることの無いよう慎重に進行させる語り方が貫かれる。


最終エピソードでは、{netabare}企業が人為的に引き起こした事件が描かれる。

「黒幕」の企業が、「裏」でファントムという「世界」の根幹に位置する存在を操作し、具体的な組織構造があいまいな対策室の「上層部」に働きかけて、根拠のよく分らない「権力」で事件を支配しようとするエピソードは、あまりにも幼い「陰謀論」の図式通りで、いかにも安直だ。{/netabare}


物語全体を、このような「理由づけ」に関わる「陰謀論」として描き出すことは、可能ではあっただったろう。
「エラー」「対策」室の活躍として、違和感なくスッキリとはするに違いない。
(このネーミングから推測して、おそらく原作では「陰謀論」的な物語進行ではないかと想像できる)
が、それは安直に過ぎると製作者は「解釈」したのではないだろうか。

認識や思考のフレームにまで類比可能な「ファントム」を、陰謀に基づく単一の原因を取り除けば排除できるという世界観では、いくらなんでも安易に過ぎると。

あるいは、「ファントム」はエラーなのだという「説明」で「確信」を覆すことは、人間存在の了解作用に矛盾していて物語を支えきれないのではないか、と。

キャラクターの心性が「日常」に固定されていて、「日常」を形作る「世界」の構造を「よく分らない」物として関心を向けない描写は、世界の仕組みを「陰謀」というブラックボックスに入れて「よく分らない」と思考停止する陰謀論の裏返しと言える。

わざわざ裏返したのは、より「この世界」を現実世界に類比させるための仕掛けのようだ。

主人公の語る広範な知識は、作中の「日常」を生み出す「世界」の「理由」に迫るために不可避の手続きであるはずなのに、常に「残念」や「無駄」という冠をつけられて一蹴される展開が繰り返される描写は、知性を積極的に投げ捨てて身を遠ざけようとする現実世界の反知性主義的気分を反映したものに見える。

「残念」知識、という言い方は、アニメの視聴において、込み入った描写や分りにくい展開に出会ったときに、「難しい」という言葉を選択して表現してしまう視聴者の知的感性にもシンクロするもので、より現実にひきつけた形で作品世界を作り上げようとする意図を想像させるものだ。

この、思考のフレームに侵入する「ファントム」を排除するのが困難な「現実世界」に引き寄せて世界観を構築していることが、本作がすっきりとしない印象を与えている大きな原因のようだ。
いや、排除してすっきりとしたカタルシスを与えることを回避しているようにすら見える。

モヤモヤした不全感を生み出す大きな要因として、もう一つ、ファントムを排除する基準が「迷惑」であるかどうかである、という点が挙げられるだろう。
現実に寄せようとする意図から導入されたものであるのか、あるいはこの「基準」を作中に設定したから現実世界にシンクロすることになったのかは不分明だが、現実では他者の行動を制御する基準として「迷惑」は支配的な概念であるように見える。

が、「迷惑」は、自分の道徳的な行動律にするには立派で有用なものだが、他者を排除したり、行動を「禁止」という形で「コントロール」する「基準」として用いようとすると、機能不全を起こす。
迷惑「だから」しては「ならない」、という命題は、常に、迷惑で「ない」からしても「よい」、という命題と切り離せないからだ。

秩序という観点からのみ見るならば、「基準」には「理由づけ」があってはならない。
前近代の「村の掟」のように、理由なく問答無用で順守されなければ十分に機能しない。

もう何年もの間、鉄道駅の構内には車内マナーの向上を訴えるポスターが貼られ続けているのに一向に効果が見られないのは、「この場合は」迷惑で「ない」、「今は」迷惑になって「いない」、という言い訳が成立する余地を排除できないからだ。

現実世界で「基準」が機能不全である不安定感が、そのまま本作の「ファントム」退治のモヤモヤ感に反映されている。
その場その時で「基準」がブレる曖昧性が、「ファントム」を排除したりしなかったりのストーリーの曖昧性にダイレクトに表れて、視聴者に割り切れなさを残す。
根拠が不明なまま見逃されるファントムや、そもそも「ルル」や「アルブレヒト」が排除の対象から当然のように除外されている事が、物語の地盤を恣意的で一貫性のない不安定なものに感じさせる。
巨大化するヌイグルミに恐怖した幼児が蒙ったトラウマという「迷惑」のために、アルブレヒトを排除するべきか決断を迫られる、という展開は決して描かれることはないだろう。

が、これは製作者が恣意的に設定を曖昧化しているからではない。
繰り返すが、現実世界に寄せようとする「解釈」が、必然的に現実の曖昧性を作中に導入させるのだ。

誰もが理由なく共有するリオタール流の「大きな物語」が消滅したという事態が、「理由づけ」を必要とする不十分な「基準」を導入せざるを得ない現実の不安定さを生むのだろう。
本作の「理由づけ」を根底に置く「世界」が、地盤の不安定な曖昧さを引きつけるのは必然とも言えるかもしれない。

陰謀論的なすっきりした架空世界ではなく、ファントムを一掃しないモヤモヤした「日常」に定位しようとする作品世界は、むしろ「現実」に向き合おうとする製作者の視線の現れではないだろうか。
安易に思考のフレームから「ファントム」を切り離せない現実世界を、真摯に考察していることの現れでは。


物語それ自体というよりも、このような解釈を挑発するものとして、楽しく視聴した。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 13
ネタバレ

keylove さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

なにこれ可愛い!作画は京アニクオリティー。でもそれだけって感じしましたけど。

京アニでこういうテンプレってありましたっけ?
僕の記憶ではなさそうなんだけど、ハルヒでもないし。


まず一言目に言わせてください。

和泉 玲奈ちゃん可愛すぎです^^ ^^ ^^
この子を愛でるために前半はあるんじゃない?
はやみんの声もはまりまくりだし、おっきな口を開けてるの可愛らしすぎでした^^
にやにや・・・


ということで
さて、テンプレにもいろいろあるというか、おそらく思い浮かべるのが主人公最強ハーレム学園異能ラブコメじゃないでしょうか。

これ、それに近いのは近いです。

ただ、別に主人公最強で進んでいくわけじゃなくて、むしろ主人公は能力としては地味ですよね。


はい、この作品は異能、学園、ラッキースケベ、戦いって要素があります。
ラブコメっていう要素は少なかったので(まあこの手のテンプレってあまりそれを描いてない気がしますけど)それは一応おいておきます。


設定としては、人類と未確認な生態やお化け、怪物のような類が少なからず同じ世界で合いまみれて暮らすことになった世界。

この作品の定義で言えば、もともとそういうものは同じ空間に存在していたのだけど、それを認識するすべを人間は持っていなかった。

だけど、ある会社で研究していた遺伝子組み換え施設にテロがあり、特殊なウイルスが蔓延してしまった。

ゆえに今まで架空とされていた謎の生物やUFOや怪物などほとんどなんでもありなものが見えるようになってしまった。
というもの。
その架空だったものを総称して、ファントムと呼ぶようになった。

そして、そのウイルスが影響して、子供たちの中に特殊な能力を持つものが現れる。

それは異能として、様々なタイプの能力を発揮し、それによってファントムに対抗することができるようになり、悪いファントムを封印したりという措置がとれるようになった。


というものです。


まあ、初期設定は悪くありませんでした。

ただ、一話からそのファントムと異能の力を持った学生たちの戦い?
がバカらしくて、その時点でストーリーに期待するのはあきらめました。

その一話の段階から押してたのが、おっぱい。
これ、評判良いのやら悪いのやら。

プルンプルン揺れてました(笑)

これが一応、メインヒロインなんですよね。

で、お決まりなんだけど、主人公の男子生徒は女子たちの中で一人。
他にも男子生徒はいるんだけど、この特殊能力者たちを集めた部活のこのチームの中では、いわばハーレム状態ってことになっていきます。


で、各お話なんだけど、これは良かったって思ったのが。

それぞれのキャラをきちんと掘り下げている。
というかそのキャラ一人のエピソードが一つのお話になっていました。

だからキャラを好きになるには充分な演出だったと思います。


ただですね、どこに向かってメインのストーリーが進んでるのかっていうのは曖昧というか、ほとんど描かれてなかったように思いますので、そういう意味では別に可もなく不可もなくって感じでしたね。

ラストの畳み込みもなんだかなー、でしたし。


でもキャラについてのエピソードに関しては割と良いお話なので、それには期待してもいいんじゃないかと思います。


とにかく、可愛いみんなの素敵なエピソードを楽しみましょうってアニメだったんじゃないかな?

二期があれば展開していくかもしれませんが。


で、各お話の前に主人公によるちょっとした前振りがあるんですよね。
なんというか、科学的だったり雑学的だったりで、これから始まるお話はこういう趣旨に基づいたものだよーって。

それが今までとちょっと違う演出ではありました。
妙に無駄な知識をひけらかしてる感がないではなかったですが・・・。


さて、魅力的なキャラを紹介しておきます。
{netabare}
一条 晴彦(いちじょう はるひこ)-下野紘さん
本作の主人公で異能の部活のチームで唯一の男子。
体力や戦闘力はまったくなく、無駄に広い知識と絵の才能を応用した能力で、戦うというよりはファントムを封印する役回り。
少年の晴彦がめちゃ可愛かったです。
あれは良いお話だったね。
cvの下野紘さんは、ef - a tale of memories.進撃の巨人、デュラララ!!×2 承、など多数で大活躍されています。


川神 舞(かわかみ まい)-上坂すみれさん
武道系の能力の持ち主で、戦闘専門で戦う女の子。
このメンバーの中では一学年上のお姉さんで、とにかく巨乳。
男勝りな性格ではあるけど、容姿は端麗でスタイルが良いので人気。
cvの上坂すみれさんは、中二病でも恋がしたい!、パパのいうことを聞きなさい!、ガールズ&パンツァー、など多数で大活躍されています。


和泉 玲奈(いずみ れいな)-早見沙織さん
ファントムイーターという能力を持つ、封印型。
見た目も何もかもお嬢様でありながら、大食漢で信じられないほどの食欲の持ち主。
この子が何より可愛らしくてたまりませんでした。
癒し系の話し方で、天然なところがあり、はやみんの声が天使に聞こえるほどでしたね。
そのcvの早見沙織さんは、セキレイ、そらのおとしもの、赤髪の白雪姫、など多数で大活躍されています。


水無瀬 小糸(みなせ こいと)-内田真礼さん
他の能力者とは一線を画すほどの実力を持つ能力者で、チームには属さず一人でファントム退治をしていた女の子。
声で攻撃する特徴を持つ、ツンデレな女の子。
この子を一言で言えば、ラブライブの西木野 真姫ちゃんだと思います。
同性に対しても自分を素直に表現できなくて、でもいじらしくて。
cvの内田真礼さんは、咲-Saki- 全国編、ご注文はうさぎですか?、中二病でも恋がしたい!、など多数で大活躍されています。


ルル-田所あずささん
このアニメオリジナルキャラクターらしいですけど、それにしては物語に要すぎる存在でしたね。
主人公といつも一緒にいるファントムで、妖精のように小さくて空を飛んで、おてんば。
明るいキャラが素敵でした。
cvの田所あずささんは、アイカツ! 、響け! ユーフォニアム、言の葉の庭、など比較的新しい作品で活躍されています。


熊枕 久瑠美(くままくら くるみ)-久野美咲さん
このさくひんの舞台であるホセア学院の初等部の4年生。
特殊能力を持っているものの、幼いために戦うという観念をもともとは持っていなかった。
戦い方もちょっと特殊です。
小学生ってことなので、まあめちゃ可愛いです。
cvの久野美咲さんは、俺の妹がこんなに可愛いわけがない、デュラララ!!×2 承、彼女がフラグをおられたら、などで活躍されていますが、もっと活躍しても良さそうな新しい声優さんです。
16年の出演の仕方からして、これから大活躍されそうですね。
{/netabare}

ここまでにしておきます。


最後に、猫ちゃんのエピソードではもう可愛らしすぎて我を失いそうになりました。

王道ラノベテンプレっていうより、可愛いものを見たい人にならおすすめできるんじゃないでしょうか?

投稿 : 2024/11/02
♥ : 32
ネタバレ

かさい さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

面白くない。

素直な感想。これに尽きる。

京アニの作品作りに対する姿勢や、スタッフも大好きだし、映像としての仕上がりやクオリティも流石だと思う。
それらを踏まえて尚、全く面白くない。
エスマ文庫なので、他の会社云々を言ってしまうのはお門違いかも知れないが、京アニだからなんとか成り立っているように見えるものの、他の会社がやっていれば即視聴断念するアニメであることは間違いない。

前作のユーフォで絶賛した筆者だが、今回は最後まで見るわけには行かないと思い、視聴を断念。
巷でも評判を聞くが、ツイッターや2ちゃんでもボロクソ言われている始末。
好き嫌いがはっきり分かれそうな作品だが、なぜ万人に受けないのかを真剣に考える必要がある。
尚、今回のレビューでは前作のユーフォとの違いと差を比較する形態もとる。
※未視聴なので未評価

良かった点。
・キャラクターデザイン
池田和美さん。石原さんとのコンビは中二恋以来。
各キャラ非常に可愛い。ただ、目の中に更に各色をいれるハイライトはファントムでは見られなかったものの、髪のグラデーションや頭を立体的に見せるハイライトなど、他のアニメではあまり見ない試みをしていた印象。
サブキャラやモブにもしっかりとした拘りが見え、どのキャラも満遍なく可愛い作品。
特に久留美ちゃんに関してはひたすらに可愛い。あの髪型に関しては、澤さんも言っていたように石原監督は天才だと思う。

・CGエフェクト
京アニ初の試みである、3D監督を配した作品。
1話からルルの鱗粉っぽいエフェクトや晴彦の家のモザイク処理、ファントム戦でのエフェクト等、エフェクト中心に撮影処理が施されていた。
前作のような画面のディティールアップよりも、何かを付け足すことに重点を置いていた気がする。
4話の異世界での処理は、今までに見たことのないいい味が出ているタッチになっていた。
処理は3Dの山本さんなのか、撮影の中上さんなのかは曖昧。

・作画
前作と大きく違う作画。
ユーフォは一つの仕草や芝居、表情はかなり拘っていたが、ファントムではおばけ等を多用した大胆なカメラワークやアクションが特徴的。表情も崩れるしギャグタッチではある。ファントムには色トレスを使い、ファントムが光っているように見せる処理もされている。大きいファントムも全て手描き。迫力もあり、カッコ良かった。
舞先輩の格闘アクションは奥行きを意識したレイアウトになっていたし、キャラが立体的に動く作画は流石だった。
9話では、モブの一人一人の姿勢や表情がとても細かく描かれている。

・7話Aパートに見た可能性。
河浪さん回。非常にリズミカルなカット割りで、セリフもシンプル、作画もはっちゃけた感じでメリハリがありとても楽しかった。


次に断念した原因を幾つかの要因としてまとめてみる。
断念した要因。
・内容
断念した要因の半分以上はこれが占めている。
シリーズ構成は志茂さん。担当は最近では甘ブリが最後か。
原作未読なので控えめに言うが、これは原作が面白くないのではないかと思う。
内容面ではまず設定。
各所で設定がめちゃくちゃやらグダグダやら散々言われているが、一体どこが悪くてそのように言われているのかを真剣に考察したかったが、バカバカしいので妥協。

・要素
さて、このアニメは何アニメなのか。
学園コメディーか、ラブコメか、ギャグアニメか、萌えエロアニメか。
それを考えると、どれにも当てはまっているように思えるが、実は何にも属し切れていないアニメなのではないだろうか。何もかもが中途半端なおかげで、1話で見せた舞先輩の大胆な乳揺れ作画などでかなりの視聴者はエロ路線も来るのかと期待したはずだが(実際にニコ動1話の再生回数で伺える)、それ以降は8話の温泉回くらいか。
コメディーとしては、かなりバカバカしくて頭を空っぽにすれば楽しめると言っている視聴者もいるようだが限度がある。
特に9話に関しては、構成も脚本も滅茶苦茶過ぎて見るに耐えない。
ただ、バカバカしいノリのコメディー全振りなら救いはあったかもしれないが、微妙なシリアスも加えてくるのでもう救いようがない。
キャラに関しても、玲奈ちゃんも小糸ちゃんも可愛いが、キャラとしての魅力は皆無に等しい。前半はキャラ集めにほぼ話数を費やしているので、最終的なまとめ方も、かなり怖くなってくるレベル。
まぁ、もし定義付けるのであれば、『妖怪学園コメディー』といったところだろうか。

・構成 {netabare}
キャラ集めに6話。
伏線としては、荒屋敷社関連と晴彦が拾った端末か。
面白そうな展開になるとは到底思えない上に、残り3話程度でどれだけの内容が出来るのか。9話まで1話完結を貫いたが、果たして吉と出るか凶と出るか。 {/netabare}

・主人公 {netabare}
一条晴彦(CV.下野さん)
残念知識をベラベラとアバンで披露。本編でも事件の解決に貢献。ラッキースケベでハーレム環境。特質した能力は無し。状況説明。
魅力的ではないな...。
更には舞先輩が少し晴彦を意識してしまっている?終盤にこの展開を持ってきたら相当つまらなくなるはず。 {/netabare}



個人的な不満点。
・演出
前作のユーフォでは演出してるぞ!というスタッフの演出面での拘りをものすごく感じることが出来た作品だったし、全編通しても、山田さんを感じることが出来るアニメになっていたと思う。
一方、ファントムでは、アクションが目立ってしまうせいであまり演出面での魅力を感じることが出来なかったが、3話の藤田さん回や6話の山田さん回はらしさを凄く感じることが出来たし、挑戦的な演出も見れて女性スタッフ回は個人的には好み。
また、スケジュール的な関係もあるのだろうが、小川さんや三好さんをコンテではなく、演出のみでの参加は残念でならない。

・ルルという圧倒的に邪魔なキャラ。
個人的に田所さんというキャストの声の張り方や演技が気に食わないという点もあるが、邪魔にしか感じれない。存在の有り難みを感じれない。
シナリオ上、今後ファントムとして重要な役割を担っているのか。

・舞先輩のプレッシャー {netabare}
メンバーが少ないからとは言え、小学生を巻き込むのはあんまりではないか。その辺りの設定(ファントム排除専門部隊・警察など)はどうなっているのか。学生に倶楽部としてやらせていいことなのだろうか。
舞先輩のナチュラルなお誘いによって久留美ちゃんは過度なプレッシャーを感じてしまう。なんともいたたまれない。 {/netabare}


総括
京都アニメーションは大好きな制作会社の一つだということは揺るぎのない事実。
しかし、面白くないアニメを面白くないとい言えないアニメファンにはなりたくないし、いつまでも京アニ補正はかけられない。
しかし、京アニなので腐ってもアニメーションとしては十分魅力的で手が込んでいるのも事実なので、撮り溜めして気が向いたら見ようと思う。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 13

67.7 3 京都で熱いなアニメランキング3位
トータル・イクリプス(TVアニメ動画)

2012年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (814)
4014人が棚に入れました
1973年、地球に襲来した異星起源種「BETA」によって引き起こされた戦争は、人類を滅亡の淵へと追いやった。圧倒的な物量で迫るBETAに対し、人類は対BETA戦、人型兵器「戦術機」を実用化して戦線に投入、世界規模の抵抗を試みた。しかし、押し寄せるBETAに劣勢を強いられた人類は、ユーラシア大陸の大半を失うことになる。以降、30年近くも攻防は続くが、BETAとの戦いに光明は見えず、人類は未だ泥沼の中でもがいていた。2001年、極東の最前線を支える日本帝国では、次期主力戦術機の開発が問題となっていた。そこで、国連軍の「プロミネンス計画」における日米共同の戦術機改修計画が提案される。帝国斯衛軍に籍を置く篁唯依は、計画責任者の任を与えられてアラスカへと向かう。それと同じ頃、米国軍の若き衛士ユウヤ・ブリッジスもまた、アラスカの地を目指していた。その出会いが運命を大きく変えることを、このときのふたりはまだ知らずに――。滅亡の危機に瀕した地球を舞台に、対"BETA"戦の要である人型兵器"戦術機"の新型開発をめぐる、熱き人間たちのドラマを描いたロボット・アクション作品!
ネタバレ

柴犬→柴猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

全ては稲垣前監督の思い付きから始まった・・・

【総括】
稲垣前監督の思い付き・・・第1話から武御雷を出したい。
彼は『オルタ』が好きで、武御雷への思い入れもあったようです。
しかし普通に『TE』を始めてしまうとそれは難しい。
そこで考えられたのが『帝都燃ゆ』です。
だからあれは『TE』ではなく『オルタ』のテイストで作られているのです。
しかもアメリカでの試写があったのでかなり力を入れて作られました。
(実際に渡米の直前まで作画の修正作業をしていたらしい)
こうしたことが第3話以降の制作スケジュールをタイトにした原因となったことは明らかです。
また、ストーリー的にも『帝都燃ゆ』と『TE』本編では温度差が大きいので、
初めて観る方に過度の期待とその後の大きな落胆を与えてしまいました。
未完とはいえどこに向かっているのかが分からないストーリーの弱さはもちろん原作の問題です。
私は放送前のレビューで『本編や他の外伝と比べると切迫感や燃える展開がやや不足気味だから、
うまいアレンジを期待したいところです』と書きましたが、残念ながらそうはなりませんでした。
ストーリーの流れはほぼ原作通り。
ただ日本やソ連内部の主導権争いといった部分をほとんど削ってしまったので、
ますます温くて良く分からないストーリーになってしまいました。
結局のところ、私を含めた『マブラヴ』ファンにとっては『ぬるぬる動く戦術機が見れて良かった』、
その程度の記憶しか残らない作品となってしまったことは非常に残念です。
それでも2期が作られそうな感じはあります。
(根拠は第24話のレビューをご覧ください)
個人的には『TE』の2期よりも『マブラヴ』の本編、
そして同じ外伝でも『TE』より遥かに面白い『シュヴァルツェスマーケン』や、
『THE DAY AFTER』のアニメ化を期待したいところです。
『TE』は『オルタネイティヴ第一計画』と銘打ってますので、今後の展開はこんな感じでしょうか。

第二計画:マブラヴ・エクストラ
第三計画:マブラヴ・アンリミテッド
第四計画:マブラヴ・オルタネイティヴ
第五計画:シュヴァルツェスマーケン
第六計画:THE DAY AFTER

これはあくまで『マブラヴ』オタである私の希望でしかありませんがw
でももし実現出来るなら、その時はきちんとした準備をしてからにして欲しいと願って止みません。

【各話レビュー】
{netabare}
【第24話】《最後まで頑張って観た人の感想「結局何がしたかったの?」・・・だよねw》
最後ヒヤヒヤしながら観てしまいました。
唯依がいつ狙撃されるのかと・・・。
そう、原作では最後に彼女が何者かに狙撃されて終わるのです。
それにしてもBETAとの戦いも戦術機の開発話も中途半端で一体何なの?と思ったはずw
原作だとこれで全体の1/3くらいに当たる第1部が終了したところです。
アニメの終わり方は2種類用意していたようで、
ひとつは完全に完結させる終わり方だったらしいのですが、
放送されたものを見ると2期を作りたそうな感じですね。
実際に出来るかどうかはわかりませんがw
ではこの先、話はどう展開されるのか?
・・・私も知りませんw
続きは2月発売予定のゲームでどうぞw
そうそう、テロの黒幕であるマスターが投げたナイフが地図の日本に刺さりましたが、
あれは『オルタ』のあの事件の黒幕が彼であることを暗示してるのだと思います。
実は他にも『オルタ』との関わりがあるシーンが原作にはあったのですが、
あれは削らないで欲しかった・・・。
とにかく無事に最終回に辿り着けて良かったですw
いろいろと問題点が多かったアニメ版TEですが、その教訓を今後に生かしてもらいたいものです。
何といってもこれは『オルタネイティヴ第一計画』なのですから・・・。

【第23話】《『我々は勝利した!』・・・選挙速報☆当選確実☆》
いや~、予想はしていたとはいえ凄いテロ(ップ)の嵐でしたw
せっかく出来のいい回だったのについてないですね~、本当に。
さて、今回のテロを起こしたのは難民解放戦線とキリスト教恭順派である訳ですが、
恭順派の方が一枚上手だったようで、難民解放戦線のメンバーは悲惨な末路を迎えてしまいました。
一方、戦術機の戦いの方はというと、実に良く動いてました。
演出も良かったし、ストーリーの面白さとは関係なしで楽しめる回だったのでは。
そのストーリーですが、相変わらず原作と同じ流れで進みつつも、違う部分が多くなってきました。
一番の違いはビェールクトが動いていること。
原作ではクリストファーはファルクラムに乗ってるんですよね。
で、最後に登場した変な装置も登場しません。
あれは何なのでしょうね?
次回でちゃんと分かるといいですが・・・。
その次回はもう最終回です。
やっと盛り上がってきたのにw
無駄を省けばもっと面白く出来たはずという思いもありますが、
『終わりよければ全てよし』という言葉もありますから、綺麗に終わらせてもらいたいものです。
もしも原作通りの終わり方をしたら・・・見た人の反応が怖いですw
『えっ、一体何なの?』っていう終わり方なのでw

【第22話】《こんなところにも日中関係悪化の影響が・・・イーフェイの運命は大きく変わったw》
イーフェイは原作では瀕死の重傷を負うのに・・・。
今中国人キャラを酷い扱いにするのは得策でないと判断したのか?w
ここまでの流れは全体としては原作通りですが、細かい部分に違いが出て来ました。
イーフェイが怪我をするのも、イーニァとクリスカが会うのももう少し後。
それと細かい描写が結構省略されていて、ちょっと残念です。
さて、インフィニティ―ズが攻撃していた施設はソ連のG弾研究所なのだそうです。
レオンの口から『G元素』なんて言葉が出てましたが、
『オルタ』をやってない人には何のことだかさっぱり分からない筈。
簡単に言うとBETAが持ち込んだ地球外物質のことで、
そのひとつから作られるのが『G弾』という強力な爆弾です。
『G元素』はハイヴ(BETAの巣)にあるので、
国内に10個ものハイヴを抱えるソ連はこの戦争が終わりさえすれば、
そうしたBETAの置き土産を大量に獲得することが出来るのです。
ちなみにハイヴ内での鹵獲物は国連が管理するとの条約がありますが、
カムチャツカのことを見てもソ連がそんなものを守る訳ないですよねw
BETA大戦後には世界的な資源獲得戦争が起こる。
それがこの世界の未来。
もちろんBETAに勝てれば・・・ですが。

【第21話&BD3巻】《何というか・・・おっぱいでけ~って感じの作画だったw》
中原さん、生天目さん、能登さんの3人によるコメンタリー。
「1巻、2巻、武道館!」はインパクトがあってズルい~というのと、
能登さんが「打ち上げはアラスカで!」と言っていたのが印象に残りました。
あ、BD3巻の感想です。
本編はテレビver.とほとんど変わりませんでした。

では21話。
今回のテロ、難民解放戦線の後ろにキリスト教恭順派がいることが分かりました。
マスターというのがリーダーの模様。
彼らの主張は
『BETAは神がもたらしたもの。だから抵抗(戦争)はやめ、運命(死)を受け入れよ』
というもの。
多くの難民を生み出すBETA戦争を悪とする難民解放戦線と一応利害は一致しているのですね。
そしてさらにその後ろにアメリカがいるというのがサンダークの考えな訳ですが、
確かに今回のインフィニティ―ズの行動は怪しさ満点でしたw
実際はどうなのでしょう。
さて、BETAのいる研究施設のようなところのシーンで『酵素の注入停止』と言ってましたが、
あれはBETAの活動を鈍らせる酵素のことです。
ならばそれを兵器に使えと言われそうですが、
大量生産が難しいという都合のいい設定があるので無理ですw
ということで次回はBETAさん大暴れか?w

【第20話】《また急にシリアスモードに・・・ああ、何というジェットコースター・アニメ》
前回までのことがまるでなかったかのように真面目な話になりましたw
OP、EDも変わって別のアニメのようですw
ということでテロ編スタートです。
いや~、一時はテロ編はやらないのかと思ったくらいに空気が緩んでましたがホッとしました。
ただ原作とは少し話の進行が違いますね。
アニメのオリキャラであるナタリー絡みの話は原作にはありませんし。
ここから先、ほぼ原作通りに進んだとして残り4、5回でちゃんと収まるのかが心配です。
さて、難民解放戦線が出て来ましたので、この世界について少し補足します。
BETAが支配しているのはユーラシア大陸。
ユーラシアを追われた人々はBETAのいない南北アメリカやオーストラリアに逃れ、
難民収容所などで生活しています。
戦争特需で経済的に潤っている国での貧しい生活。
こうしたことが難民解放戦線などの組織を生む背景になっているのです。
しかしこのテロ、サンダークは起こることを十分に予測していた節がありますね。
サンダーク自身がテロ組織と関わりがあるとは考えにくいですが、
これを利用して何かしようとしている可能性は十分にあります。
あとはBETAがどう絡んでくるのか・・・。
その辺が今後の注目ということになるでしょう。

【第19話】《これは今後の悲劇的な展開を際立たせるための演出だ・・・はぁ~、言ってて虚しくなってくる》
はい、温泉回です。ネタ回です。ギャグ回です。
大胸筋回です。激辛回です。百合回です。
も~何なんだ今回は。
今更エロで釣ろうって言うのか。
本当に意味が分からない。
あんまり面白くないと思っていた原作が神に見えてきましたよw
前半の水着回とは違って完全なアニメオリジナルの話でしたが、
何の意味もありませんでしたよね~。
『エウレカセブン』のフットサル回を思い出しましたよw
残りあと6話くらいか・・・。
本当にどういう終わり方にするつもりなのか?
仕方ないから次回に注目・・・と思ったらまた『特別編』という名の小休止w
もう本当にどこまでネタを提供すれば気が済むのかなw
既に私の中では『アニメ版TEなんて最初からなかったんや~』となりつつあります。
まあ最後はそうした気持ちを覆すような締めを期待したいところですが、期待薄かな~。
いや~、今回も愚痴ったな~。
レビューを読み返すと最初のうちはまじめに書いてるな~w
でも最近は愚痴ばっかり。
それがこの作品の現状を端的に示していると思います。
マブラヴシリーズ、初のアニメ化。
どうしてこうなった・・・。
今日は何回『本当に』って言っただろう?
いや、本当に呆れてます・・・。

【第18話】《キレがあるのにコクもある・・・最近飲み屋のシーンばっかりだなw》
あれ、OPが変わってない・・・だと?
11月から新OPだと聞いていたのにどういうこと?
はぁ、前回に引き続き今回も作画が酷い・・・。
EDクレジットにずらりと並ぶ外国人の名前を見て納得w
内容も相変わらず。
元々TEは原作からして微妙な話だったりするんですが、
アニメ版はそれに輪をかけて微妙のような・・・。
原作だともうこの辺から○○編が青旗編と並行して始まってるのに、そんな気配が全くありません。
どうもサンダークが何か企んでるっぽいので、もしかしたらここからはオリジナル展開?
今回もユウヤの過去話を含めて大部分がアニメオリジナルでしたし。
もはや原作を読んでいる私にも話がどこに向かっているのかも分からない状態です。
今更ながらもっと全体の構成をしっかりして欲しいな~。
同じマブラヴシリーズの『シュヴァルツェスマーケン』の爪の垢でも煎じて飲んで欲しいくらい。
あちらはあんなにも面白いのに。
『シュヴァルツェスマーケン』とは1983年頃の東ドイツを舞台にしたラノベで、
最近第4巻が出たばかりです。
こちらは絶望感と緊張感に満ちていますので、ぜひ読んでいただきたい作品です。
さて、TEに話を戻すと、来週は温泉回・・・だと?

【第17話&BD2巻】《マスター、もう一杯・・・ほろ酔いのオレンジジュース》
まずはDB第2巻が届いたので感想を。
作画がかなり修正されていて、クオリティが上がってます。
ただ作画はこの後更に酷くなってくるのでまだまだ安心はできませんがw
4話5話でたくさんあった『湯気』がなくなり、見晴らしがとても良くなってます^^
コメンタリーは3話のみですが、ユウヤ、唯依、クリスカの3人なので、1巻よりも内容があります。
(第1巻のコメンタリーには2話でお亡くなりになった女の子たちが登場。
作品への思い入れがないせいか、殆ど画面無視でガールズトークに終始。
たまに画面見て「あ、私死んでる~」とか言ってるような感じだったのでw)

では17話。
ひとつの話としての構成は悪くない。
しかし内容が大して面白くないし、作画は酷いし、手抜き感はあるし・・・。
何ともコメントのしようがない回ですねw
アバンはオリジナル。
あとは大体原作通りですが、場所が違ったりしてますね。
いや、本当に書くことがないw
個人的には青旗編が一番嫌いなので、早く終われという感じですw
この後の○○編はツッコミどころも多いけど、まあそれなりに面白いとは思います。
取りあえず来週はもっと頑張って欲しいな。
あ、来週からOPが変わります。

【第16話】《ワタシ中国人アルヨ・・・中国人キャラに「アル」とか言わせるなんて昭和時代のアニメじゃあるまいし》
とりあえずサイボーグ006を思い出してしまいましたw
でも今回気になったのはそれくらい。
作画はここ最近では一番安定していたし、戦術機は相変わらず良く動くし。
このくらいのクオリティでずっと作れればいいんですけどね。
さて、対人模擬戦の青旗がスタートした訳ですが、早速それぞれの国の思惑が見えてきました。
日本はXFJ計画の存続を賭けた戦い。
アメリカとソ連は他国を従わせる為に圧倒的な勝利を目指した戦い。
他国を従わせるということは自国主導でBETA大戦を終結させるということ。
それは戦後の世界でどの国が主導権を握るのかということでもあります。
そもそもラプター自体が戦後の対人戦争を睨んで開発された戦術機な訳ですが、
それはまたラプターが動いた回にでも。
今回はイーフェイがいろんな意味で堕ちてしまいましたw
着々と進むユウヤの『ユーコン・ハーレム化計画』。
本人は戦術機LOVEで全く自覚がないのが困ったのもです。
そして次回はとうとう難攻不落と思われたクリスカまでもが・・・。
ところでこの話、どうやって終わらせるつもりなんだろう?
原作は第一部終了で止まっているのですが、
アニメでは流石にあんな終わり方はないと思うんだけど・・・。

【第15話】《美味い、美味いよ、参ったぜ・・・唯依の肉じゃが大作戦》
作品解説・・・のような何かを挟んで再開です。
そしてブルーフラッグ編スタート。
相変わらずヌルヌル動く戦術機、カクカク動く人w
取りあえずひとりだけ作画がやたらといいイーフェイはスタッフから愛されてるに違いないw
今回からはシャロンも登場でますますハーレムのようになってきましたが、ユウヤは戦術機に夢中でw
そのユウヤはアラスカに来てから変わったと本人も自覚し始めたようですが、
そこで彼の米軍時代を知る男・レオンの登場です。
ユウヤが本当に変わったかどうかが試されることになる筈です。
ところで何でアメリカは他国に情報を収集される危険を冒してまで青旗に参戦して来たのか?
アメリカの思惑は一体どこに?
それは次回以降に明かされる・・・と思いますw
思惑と言えばこの期に及んで日本国内の国産に拘る勢力の話が出て来ましたが、
ならばプロミネンス計画への参加や、
レールガンの持ち出しに関するエピソードも描くべきだったのでは?(原作にはある)
その辺の構成がどうも中途半端で気になります。
そして最後にラプター登場!
(レオンさん、そんな所にいたら危ないだろw)
真打みたいな戦術機だけど、あんまり好きじゃないな~・・・。

【第14話&BD1巻】《1巻!2巻!武道館!!・・・光線級大活躍!》
まずはBD1巻を見たのでそのことについて。
作画の修正が数カ所ありました。
また、テレビ放送時に黒く塗り潰されていた所は・・・、
簡単に描写すると『内臓モグモグ』『生首ゴロゴロ』って感じでしょうかw

それでは14話。
Aパートは中々熱かったです。
やっぱり光線級が出てくるだけで状況が大きく変わってしまうんですね。
その光線級(今回はCMにも登場!)。
出来れば前回倒した要塞級の中からワラワラ出てくれば最高だったのにw
そして光線級吶喊(レーザーヤークト)も見たかった。
でもそれは『シュヴァルツェスマーケン』がアニメ化された時の為に取っておくべきか・・・。
熱かったAパートに比べるとBパートはアッサリ気味。
まあ原作でもそんな感じでしたけど。
とにかくこれで『カムチャツカ遠征編』が終了。
相変わらずこの世界の人類は表面上はともかく、心の奥底からの団結はしませんね。
でも実際にこういうことは起こり得ることだと思っているので、
この大戦を『団結しない人類』がどう戦って行くのかが気になります。
さて、この後は特別編とかいうもので一息入れて、その後青旗編~○○編へと進む筈です。
ストーリーが原作とは少し違うものになるかもとの情報もあるので楽しみです。

【第13話】《ええい、帝国軍の戦術機はバケモノか!?・・・不知火弐型頑丈過ぎw》
普通突撃級と壁の間に挟まれたら大破しそうなものですが、
あれだけ頑丈ならそれだけでも戦術機として十分な価値がありますねw
まあ、実際は主人公補正という目に見えない『機能』が働いたんでしょうが・・・。
アバンでは今回も過去話。
で、取りあえずこの人誰?って感じだったのでは?w
あれは崇宰(たかつかさ)恭子様です。
苗字からも分かるように五摂家の方で、青い武御雷に乗ってらっしゃいました。
私もそれ以上のことは分かりませんがw
さて、今回は結構面白かったです。
戦術機もBETAも良く動いてました。
ただ、ユウヤと唯依の会話になると時間が止まってしまうのがな~。
せっかくの緊迫感が台無しです。
でも唯依姫のデレが可愛いので許すw
中原麻衣さん、本当に上手いですね。
そうそう、要塞級BETAが出て来たのにあっけなく倒されて拍子抜けした人もいるのでは?
元々要塞級はただ大きいだけで、それ程脅威度の高い敵ではありません。
ただ十分な武器や弾薬を持たない状況で対峙した時は強敵ですし、
倒した後も注意しないといけないのですが、次回にそのシーンがあるといいな~。
とにかく今回は超・俺得ステラさん大活躍で満足でした!
・・・結局そこに落ち着くのかw

【第12話】《山本伍長・・・君は天才ですか?》
オリキャラ・山本伍長の登場で原作とは少し違った展開になりました。
原作では唯依がひとりで数体の戦車級BETAと戦いながらレールガンの破壊を試みます。
これがなかなかの激闘で、
『ふん、私を喰らいたいのか・・・だがな、私は些か高く付くぞ』
みたいなカッコイイセリフもあったのに・・・。
テレビ版の方も悪くはありませんでしたが、少し疑問も。
まず、足の遅い兵士級BETAが先行してあんなにたくさんいるのはおかしいのでは?
また、そんな状況でユウヤが戦術機から降りたのも疑問です。
原作では唯依をコックピットに収容して応急処置してたのに・・・。
あのシーンのせいで何か緊迫感が薄れてしまったような気がします。
ところで山本伍長がコアモジュールのプロテクトを突破してしまいましたw
『悪名高き横浜のプロテクト』と本人が言っていたようにあれは破られないで欲しかった・・・。
なにせ国連軍横浜基地の天才科学者・香月博士(『マブラヴ』本編の登場人物)が作ったものですから。
ちなみに原作ではコアモジュールと冷却モジュールに挟まれたフレームの隙間に入ろうとします。
さて、レールガンの持ち出しを諦めて次回はどうなりますか。
最後に一言・・・ステラさん可愛い^^

【第11話】《事件は戦場で起きてるんじゃない。基地で起きてるんだ!・・・踊る大謀略戦「軍事機密を死守せよ!」》
とうとう姿を見せたソ連の謀略。
彼らの描くシナリオはこんな感じでしょう。

BETAを基地に導く

国連軍には全てを放棄して退避させる

ミサイルや空爆、戦術機によってBETAを殲滅

基地に戻りレールガンを接収

国連軍には全てBETAに破壊尽くされ、何も残っていなかったと報告

欲しいのはレールガンの技術情報でしょうから、使える状態じゃなくても構わないのでしょう。
だから多少の破損は覚悟したこんな作戦に出た訳です。
しかし本当にこんなにうまくいくかどうか・・・。
BETAの行動を人間が完全に予測するなど不可能だということを忘れていませんか?
さて、今回は派手な戦闘シーンこそなかったもののテンポも良く、なかなか楽しめました。
ほぼ原作通りでしたが、レールガン付きの伍長はオリキャラですね。
しかしこの手のキャラは大体運命が決まっているような・・・w
唯依姫は久々の戦車級BETAとのご対面です。
ここで2話のシーンを活かすのかな~、そうだといいな~。
一方、相変わらずどこか浮いた存在のクリスカとイーニァ。
『突撃砲ってあんまり面白くないよね』ってw
そしてやはり気になるラトロワ中佐。
次回はそれぞれのキャラがどう絡んでくるのか?

【第10話】《同志マブラヴスキー、貴様の父は誰だ?・・・我が偉大な祖国、ソビエト連邦です!ナシュ・ウラー(祖国万歳)!》
今回は興味深いシーンの多い回でした。
まずはレビュータイトルにあるような儀式。
これは中央から派遣されている政治将校向けの一種のショーみたいなもの。
内心ではそうしたエリートロシア人を酷く嫌っている訳ですからね。
それにしてもロシア人でありながら最前線にいるラトロワ中佐がやはり気になります。
次にブリーフィングのシーン。
3者の思惑がぶつかり合って面白かったです。
どうにかして不知火やユウヤを出撃させたいボーニング社のハイネマンやソ連のサンダーク中尉。
そこに何かを感じて思い通りにはさせまいとする唯依やイブラヒム。
そんなこととは関係なしにユウヤの希望を叶えようとするアルゴス試験小隊の面々。
最後は命令という形で決着が付きましたが、果たしてそれがどういう結果を導くのか・・・。
そして久々の登場となった巌谷中佐。
帝国軍内の描写は3話以降では初めてですね。
実は原作ではもっと多いのです。
しかも会話の中身がもっと濃い。
しかしそれは『オルタ』を前提にしていることも多いので、
アニメ版ではその辺のさじ加減が難しいのかもしれませんね。
さて、地中侵攻によりBETAが基地近くに出現。
これはソ連の思惑通り・・・なのか?

【第9話】《とあるツンデレ娘の電磁投射砲・・・唯依姫?いつの時代の方ですの!?》
実戦試験が始まりました。
と同時に護衛部隊は非協力的だし、参謀たちは何やら企んでいたりで直ぐに劣勢に。
いや~、実にソ連らしくていいw
そして今回初登場になるソ連の試験部隊を率いるサンダーク中尉が実に胡散臭くていいw
今後の活躍を期待してますよ!
今回のハイライトはレールガンの発射シーン。
素直に良かったと思います。
ただそこに資金を集中したせいか、他の戦闘シーンで止め絵が使われていましたね。
前回のレビュータイトルじゃないけど、何が起きても変じゃない!
今後もいろんな面でハラハラさせてくれそうですw
今後といえばクリスカとイーニァにはどんな秘密があるのかにも注目したいところです。
さて、今回は原作とは少し違う展開だったんじゃないかと感じて読み直してみましたが、
ほぼ原作通りでした。
違うところといえばレールガンの射線から退避する場面でラトロワ中佐のモノローグが入ったこと。
あれは『まだ』なくても良かったような。
でもないと行動が分かりにくいかな~・・・。
最後に白井黒子さんから一言。
「三下の『背中に気を付けろよ』みたいなセリフは死亡フラグですのよ!」
・・・実に分かり易いフラグ、ありがとうございましたw

【第8話】《何が起きても変じゃない・・・カムチャツカ遠征編始まる》
前回のバカンスムードから一変して最前線へ。
しかもソ連領内。
子供の頃のイメージのせいか、あの国の中では何が起きても変じゃないという気がしてしまいます。
そして早速そんな雰囲気を醸し出している回でした。
さて、せっかくソ連に行ったのならあの国の状態について誰かに説明セリフを言わせて欲しかったです。
国土の殆どを失い、シベリアの東の端で何とか踏ん張っていること。
アラスカの一部をアメリカから借り受けて政治機能はそこに移転したこと。
これらが分かっていると『ロシア人はアラスカに逃げた』という少年兵のセリフも理解しやすいのに。
しかし最前線の少年兵たちは荒んでますな~。
まあ、ロシア人じゃないというだけで最前線に送られてしまっては仕方ないのでしょうか?
あの世界でもソ連の民族問題は健在ということですね。
そしてそんな彼らが恐れている(?)ラトロワ中佐の存在が今後の鍵を握りそうです。
そうそう、今回は戦車隊が登場!
ロボットものはどうしてもロボットだけが戦っているようになりがちですが、
あの世界は総力戦ですから、ああいう描写はちょっと嬉しかったです。
ただ、最初に出てきた戦車級BETA、大き過ぎです。
本当はもうちょっと小さいw

【第7話】《水着美女とキャッキャウフフ♪・・・君も国連軍においでよ!》
水着回終了。
やはりただのサービス回でしかありませんでした。
ユウヤと唯依やクリスカの関係を描きたいなら水着である必要はないですし。
ちなみに最後のシーンは前回言われていたように広報用の素材撮影です。

切りがいいのでここで3話~7話の総括を。
原作を読んでいても物足りない部分でしたが、アニメでもそれは同じでした。
『マブラヴ』に必要不可欠な『絶望感』や『燃え展開』が圧倒的に不足しています。
演習は唯依の言うように所詮『ごっこ』でしかありません。
番外編である2話であれ程のものを見せてしまったので、余計にそう感じてしまいます。
あとサービスカットを入れる余裕があるのなら、
カットしないで欲しいシーンがたくさんあったのですが・・・。
全体的に説明不足が目立ちます。
さて、次回からはまた『マブラヴ』らしい話になります。
原作で一番好きな部分です。
だから余計なサービスカットなど入れずにしっかりと作って欲しいな~と強く思います。
予告で声が聞けた○○○○さんの登場、今から楽しみです。

最後に7話で印象に残ったことを。
唯衣姫のケツがエロ過ぎる!
あの作画に全てを注いだんじゃないかと思うくらい、いい絵でしたw
・・・ああ、真面目に書いた総括が台無しに。

【第6話】《夏だ!海だ!水着だ!・・・無人島ツアーもあるよ》
今回は『環境耐久試験』が行われるカリブ海に浮かぶ島が舞台。
環境耐久試験とは熱帯や極寒の地で戦術機の性能がどの程度落ちるのかを確認するものです。
忙しいのは主にメカニックの人たちでパイロットはそれ程やることがありません。
なので完全にリゾート気分。
いや~、見事に水着回ですねw
これがアニメオリジナルだったりしたら怒りも感じるのだけど、しっかりと原作にある話です。
だからもう仕方ないと諦めるて楽しむしかないw
戦術機がもっと見たいぞ!とか、2話の雰囲気が懐かしいぞ!という人は、
そろそろ切ろうかなと思う頃かもしれませんが、早まってはいけません。
8話からは面白いと思います(原作通りなら)。
なのでもうちょっと辛抱しましょう。
それにしても後方はのどかですねw
最前線の悲惨さが嘘のようです。
BETAは空を飛ばないし、ミサイルのような遠隔地を攻撃する手段もありません。
だから後方が急襲される恐れはないんですよね。
さて、話の方はなんだかんだで無人島に辿り着きました。
美女ふたりに囲まれたユウヤが羨ましいw
この3人、いったいどうなるのでしょう?
次回予告からすると一線を越えてしまうのか!?
・・・って言うか、予告狙い過ぎw

【第5話】《ユウヤの異常な愛情・・・ または彼は如何にして反抗するのを止めて94セカンドを愛するようになったか》
ユウヤの目が怪しい・・・。
『不知火弐型』を見つめる目がw
ハーレムには目もくれず、彼はこのまま戦術機LOVEな男になっていくのでしょうか?
さて、ユウヤVS唯依の第2ラウンド。
今回はユウヤの方に味方したくなります。
だってベースになっている機体が『不知火壱型丙』ですから。
唯依が語ったように現場からの要求に答えて思いつくままに改修を重ねた結果、
とんでもなく反応がピーキーで燃費も悪くなってしまったという曰く付きの機体。
そのせいで100機くらいしか生産されませんでした。
だから『ベテラン衛士しか乗りこなせない』とユウヤが言ったのはほぼ正解。
そういえば第2話で唯依たちを助けに来た教官が乗ってましたね。
さすがにうまく乗りこなしてましたが・・・。
で、これをアメリカの技術でアップグレードしようというのがXFJ計画。
今回登場したのは『不知火弐型フェイズ1』。
外見は壱型丙とまったく同じ。
中身の部品をより性能のいいアメリカ製に変えているだけです。
『フェイズ1』という名が付いていることからも分かるようにこれはまだ完成形ではありません。
『フェイズ2』の登場はもうちょっと先になります。
さて、来週は○○回か・・・。

【第4話】《やっぱりアラスカは寒いね・・・という訳で湯気多め》
さあ、始まりました。
ユウヤと唯依の言い争いがw
知ってはいましたがアニメで見てもいい感じはしませんね、やっぱりw
でも序盤は主人公に共感しにくくするのはアージュ作品では普通のことです。
最初から魅力的な人間であるとこはほとんどない。
そしてここからいろいろな人に出会い、様々な経験をして成長していくことになるのが常道です。
この先ふたりの行く先には何が待ち構えているのか?
とりあえずは観る側も今の状況に辛抱しながら見守ることが重要です。
さて、本編が始まって2話目。
おかしなことに気付きました。
チョビが可愛いw
原作ではただギャーギャーうるさいキャラでしかなかったのにw
何か作画もいいし、もしかしてスタッフに愛されてる?w
ロシアっ娘たちの作画もいい。
他が総じて微妙なだけにこの待遇の差は目立ちます。
そういえば第1,2話で頑張り過ぎた影響は第6話まで出るらしいです。
ということは第7話からはクオリティアップが望めるのか?
ま、期待しないでおきましょうw
今のところ原作から大胆なカットが行われてます。
話の繋がりとしては十分だと思うのですが、
今後の展開を考えると残しておいた方が良かったのでは?と思うところがあり、わたし気になります。

【第3話】《拝啓、大原さやか様・・・僕はあなたの声を聞いているだけで》
本編開始。
舞台はアラスカに。
分かってはいましたが、全く違う話になりましたw
BETAに侵略されていない地域のどこかのんびりとした雰囲気は、
第1話前半の京都の様子と似てますね。
ただこちらは軍事基地。
集まっているのは各国のエース級衛士と敏腕メカニック。
ぬくところではぬいて仕事はキッチリという感じでしょうか。
原作既読者としてはやや緊張感に欠ける展開が続く序盤の出来が心配だったのですが、
活字で読むよりもアニメの方がずっと面白く感じます(ストーリー自体の面白さは別として)。
ということで今後にも大きな期待をしたいところなのですが、
3話にして監督が交代してるんですよね。
アニメスタッフの中では稲垣さんがもっとも『オルタ』の世界に詳しかった為、
いろいろと負担が大きくなり過ぎたというのが表向きの理由らしいです。
現場を離れるわけではなく、脚本や絵コンテに専念するということですが、
序盤でのこうしたゴタゴタはあまりいい感じはしませんね。
さて、主要キャラの声には殆ど違和感がありませんでした。
というか大原さやかさんの声が好き過ぎるw
この人の声を聞いているだけで昇天しそうな私がいる。
何でうちのかみさんはああいう声じゃないんだろう・・・。

【第2話】《いい『オルタ』だった・・・来週からは新番組『トータル・イクリプス』をお送りします》
『帝都燃ゆ』が終了。
最初は1話くらいの分量で作る予定だったこのプロローグ。
しかし出来上がった初稿のシナリオは何故か4話分。
さすがにプロローグとしては長過ぎだろうということで2話に縮めたらしいです。
ちょっとエピソードにブツ切り感があった(特に前編)のは、
この辺に原因の一旦があるのかもしれません。
戦術機のCGは相変わらず低予算の割りには良く頑張っています。
可動兵装担架の展開とか見ていてワクワクしました。
そして武御雷の登場シーンはただただ神々しかった。
BETAの動きは大体思った通りで良かったです。
あの圧倒的な物量で迫ってくる怖さを理解してもらえたはず。
ただ光線級の描写に不満が。
短いインターバルでレーザーを放ち、殆ど外すことがないというのが光線級の脅威。
それなのに演出の都合なのか結構外しまくってました。
こうした設定は兵器の開発が戦闘機から戦術機へシフトするきっかけとなった重要なものなので、
もうちょっとしっかりと描いて欲しかったものです。
さて、いよいよ来週から本編が始まります。
原作通りなら今回のようなグロシーンは今後殆どないはずです。
それを安心と取るか、物足りないと取るかは人それぞれだと思いますがw

【第1話】《始まった・・・けどこれは『オルタ』だよね》
いきなり原作にはないアニメ・オリジナル話。
まあ、原作通りに始めたら話がさっぱりわからないでしょうから、
主人公のひとり『篁唯依』の過去を見せながら世界観の説明をするのは良かったと思います。
それでも『オルタ』初体験の方には疑問だらけだったと思いますがw
とりあえずは30年以上も地球外生命体『BETA』と戦争をしていて、
『戦術機』と呼ばれるロボットが兵力のひとつとして使われている世界だと分かればそれで良いのでは。
・・・と言いつつも、もうちょっとうまいやり方があったのでは?と思わざるを得ないです。
これでは掴みとしては弱すぎますし。
そもそも試写会では2話まで続けて見せているんですよね。
だったら初回は1時間でやった方が良かったのでは?・・・
一方で、動く戦術機がカッコイイ!
もともと戦術機のデザインが凄く好きだったわけですが、
アニメで見て改めてその造形の良さを認識しました。
戦術機見たさに5回も続けて観てしまったw
次回は京都防衛戦!
戦術機大活躍!の回だといいのですが、違うだろうな~きっとw
いずれにしても楽しみです。
最後に一言・・・人物作画、もう少し頑張ろうw
アップの絵はいいんだけど、それ以外がなあ~・・・。
{/netabare}

【放送前レビュー】《戦術機開発をめぐるアラスカでの熱き戦い・・・敵はBETAか人類か》
{netabare}
かつて、アメリカのレーガン大統領は国連でこう演説しました。

『恐らく人類を一致団結させる為には、外的な、宇宙の脅威が必要なのです。
もしこの世界が外からやってくるエイリアンの脅威に直面したならば、
世界的な差異などというものはあっという間に消えてしまうだろうと私は考えています』

あれから25年、エイリアンは現れず、
その間私たちは絶えず人類同士の紛争を目の当たりにしてきました。
もし今、人類の共通の敵… もっと見るである宇宙人が攻めて来たとしたら、
世界は本当にそれぞれの利害を捨てて一致団結することが出来るのでしょうか?

ここは人類に敵対的な地球外起源種・BETAと30年以上も戦い続けている『地球』。
そこには存亡の危機に瀕してもなお、一致団結出来ない人類の姿があります。
この『地球』の姿を見たら、レーガンはいったい何を思うのでしょう?

さて、『トータル・イクリプス』は『マブラヴ・オルタネイティヴ』の世界観を活かした外伝です。
ほぼ独立した話なので本編の内容を知らなくても大丈夫。
(しかしこの世界の歴史を軽く知っておくとより一層楽しめます)
何故外伝を先にアニメ化したのかというと、本編のアニメ化にはいろいろと障害があるのです。
長編である、口うるさい濃いオタがいる、政治や思想が絡んでいる(ように見える)、
エロゲである、避けて通れない強烈なグロがある・・・などなど。
アニメ化の話は8年くらい前からあったようですが、
こうした理由により制作決定とまではいきませんでした。
そこで今回の『トータル・イクリプス』のアニメ化です。
この作品は『マブラヴ』シリーズの中では最もアニメ向きの作品だと言われています。
確かに可愛いキャラが多いし、登場する戦術機の種類も豊富で、
映像ソフトのみならず、フィギュアやプラモといった立体物の展開もし易いかもしれません。
一方、ストーリー面では激戦の連続である最前線の話ではないということもあり、
本編や他の外伝と比べると切迫感や燃える展開がやや不足気味で、
物足りなさを感じるという声が濃いオタの間にあることは事実です。
しかし今回のアニメ化に際しては単に原作をトレースするだけの作品にはせず、
『アニメのトータル・イクリプス』を作りたいと言っているようなので、
その辺でのうまいアレンジを(不安もありますが)期待したいところです。
もっともマブラヴオタとしては、
ぬるぬる動く戦術機やBETAがようやく見られるというだけでも十分幸せなのですが・・・。

物語は国際協調をスローガンに戦術歩行戦闘機(戦術機)開発の
情報・技術交換を目的とした計画(プロミネンス計画)が進められているアラスカが舞台。
それぞれの国がそれぞれの事情を抱えてここに集って来る訳ですが、
徐々に兵器開発をめぐる参加各国の政治的介入や、兵器メーカーの思惑、
更にはこの世界に生きる人々の思想や信条などが絡んでいき、
テストパイロットたちはそれに翻弄され始めることになります。
そんな中テストパイロットとして、衛士(戦術機のパイロット)として、
そして人として成長していく若者たちの姿が原作では描かれています。
はたしてアニメではどういう『トータル・イクリプス』になるのでしょうか、とても楽しみです。
放送はテレビ東京系で7月1日深夜スタート。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 36
ネタバレ

わざ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

ネットで見た疑問に対する解説(世界観・設定について)

ネットで見た、いろんな疑問に対する解説をしていこうかな、と思います。
ネタバレを避けるために、深くまでは解説しないつもりです。
「分からないところがあってネットで調べたいけど、ネタバレが不安!」っていう人に役立つと思います。
ちなみに私は、マブラヴ(エクストラ~オルタ)プレイ済みです。トータルイクリプスは、漫画を読んでるだけなので、詳しくは知りません。
よって、世界観などマブラヴ作品に共通する部分などの解説です。

{netabare}
・一話:帝都燃ゆ 前篇
{netabare}
Q:BETA(ベータ)って何?
A:簡単に言うと、異星生命体です。どういう目的があってか地球に攻めてきて、人類は非常にやばい状態です。

Q:なんでロボット(戦術機)で戦うの?
A:BETAには様々な種類がいますが、その中で一番厄介なBETAが、光線(レーザー)級と呼ばれるBETAです。その光線級のレーザーの性能は「380㎞離れた高度1万mの飛翔体を的確に捕捉し、30㎞以内の進入を許さない」、だそうです。とりあえずものすごいってことです。これによって、戦闘機、爆撃機などの航空戦力が無力化されたために、高機動力の陸戦兵器である戦術機が使用されているというわけです。

Q:なんで首都が京都なの?
A:この作品の日本は、第二次世界大戦で、1944年に条件付き降伏をしているため、原爆を投下されていません(かわりにドイツに落とされました)。そして、無条件降伏をしていないため、権力のある皇帝が存在し続け、京都が日本帝国の中心となっているからです。

Q:なんで女ばっかなの?
A:男もいます。いますが、とっくに男は徴兵され、前線に送られています。

Q:なんであんなにエロいパイロットスーツなの?
A:このアニメの原作は、小説ですが、その小説の原作がエロゲだからです。一応、羞恥心をなくすため、という設定があります。

Q:日本以外の国は?
A:ユーラシア大陸の国はほぼ壊滅状態といってもいいでしょう。ヨーロッパもかなり押されていたはずです。

Q:核使わないの?
A:使ってます。使ってもこれだけ苦戦してます。
{/netabare}

・二話:帝都燃ゆ 後篇
{netabare}
Q:主人公(唯依)以外死んじゃったの?
A:そのようです。というか唯依は主人公ではありません。まだ未登場のユウヤ・ブリッジスという日系アメリカ人です。

Q:いろんなBETAが出てきたけど詳しく!
A:あんまり長いとあれなので簡単に。
・緑色で硬い甲殻のようなものを持っているBETAが突撃(デストロイヤー)級です。攻撃方法は突進。後ろからの攻撃には弱い。
・大きな腕を持っている白いBETAが要撃(グラップラー)級です。攻撃方法は腕による打撃。顔に見えるものは尾節にある感覚器官です。サソリに近い感じです。
・少し小さめで赤色のBETAが戦車(タンク)級です。攻撃方法はまとわりつき、かじる。物量で押されなければ戦術機の脅威とはなりません。ですが、このBETAに数多くの戦術機が破壊されています。
・黄色く、巨大なBETAが要塞(フォート)級です。攻撃方法は尾節による打撃攻撃など。動きは遅いですが、要塞の名のとおり、高い防御力と攻撃力を兼ね備えています。
・白く、人より少し大きい程度のBETAが兵士(ソルジャー)級です。攻撃方法は、打撃や咀嚼?です。BETAのなかで一番弱いです。また、このBETAにトラウマを持っている方も多いですw
・光線級は、1話のときに解説したので割愛します。
2話まで登場したBETAは、これらだと思います。まぁ、まだいろんな種類がいるんですけどね…

Q:戦術機とか明らかにハイテクなものが存在するのに、戦艦が現役ってどうなの?
A:相手は、人間ではなく航空兵力のないBETAですから戦艦の艦砲射撃は有効なのです。二話では、戦艦が活躍していましたね。ちなみに、この世界では第二次世界大戦で大和級戦艦が沈没しておらず、数度の大規模改装を経て、現役となっています。また、史実では建造中止となったアメリカのモンタナ級戦艦も存在しています。

Q;艦砲射撃が有効なら遠距離射撃をずっと行ってたほうがよくない?
A:無理です。光線級は飛んでくる砲弾をも正確に撃ち落とします。今回、艦砲射撃が有効だったのは戦術機が光線級の数を減らしてくれていたからです。

Q:唯依を助けにきた青い戦術機は何?
A:唯依も言っていましたが、「武御雷(たけみかづち)」という戦術機です。唯依らが搭乗していた「瑞鶴」の後継機であり、最新鋭の戦術機です。
また、日本帝国には「五摂家」(史実で存在した五摂家とは別物です)という政治の中心となっている武家があり、五摂家の者は青い戦術機に搭乗します。(ガンダムでいうシャア専用の赤いMSみたいなものです)
今後、よく登場する機体なので覚えておきましょう。

Q:青い武御雷には誰が乗っているの?
A:これはTE本編にはおそらく関係の無い疑問だと思います。一応、答えておくと、五摂家のうちの斑鳩家の当主が搭乗していたと思われます。彼は、京都防衛戦で斯衛第16大隊の指揮官をやっていたそうなので。

Q:京都攻められて、いきなり3年後に飛んだけどあのあとどうなったの?
A:京都が壊滅したので、遷都し、首都は東京になります。その後も、BETAは侵攻を続け、東京直前まで攻められ、そして膠着状態に。状況を打破するため、とある新兵器が使用され、押し返す。といった流れで3年経ちます。詳しくはマブラヴオルタ本編で説明されます。

Q:次回予告で「ラプター」って出てきたけど、戦闘機じゃないの?
A:現実世界では戦闘機ですが、マブラヴ世界では戦術機の名前となっています。1970年代には戦闘機が全く役に立たないことになってますからね。ラプター以外にもストライク・イーグルやラファール、タイフーンなど世界各国の戦闘機の名前が戦術機につけられていますね。
{/netabare}

・三話:錚々たるユーコン
{netabare}
Q:アラスカのユーコン基地は何してるところなの?
A:国連軍ユーコン基地は、BETAに対抗するため、各国の相互協力などを目的とした基地です。トータル・イクリプスではXFJ計画という日米協同の計画を軸にストーリーが進んでいきます。

Q:輸送機や戦術機が高く飛んでいたけど、光線級に撃ち落とされたりしないの?
A:ユーコンから一番近いハイヴ(BETAの基地か巣みたいなもの)は、ソ連領マガダン州エヴェンスクのハイヴですが、ここからユーコンまでかなりの距離があるので、光線級の射程外のようです。

Q:XFJ計画って何?
A:日本帝国の戦術機「不知火」(二話で教官が乗っていた機体)の改良を目的とした計画です。

Q:模擬戦で戦術機が派手に動き回っていたけど、あんな動きできたの?
A:まず、前回までとは戦術機が違います。二話まで主に登場した機体は、「激震」と「瑞鶴」の二つです。三話で登場したのは「F-15E ストライクイーグル」と「F-15ACTV アクティブイーグル」です。前者の二つは、第一世代機といって、機動力よりも装甲を重視しているのですが、後者は第二世代機であり、装甲を減らし、機動力を重視した機体となっているため、第一世代機よりも遥かに高機動なのです。あとは衛士の操縦技術の差でしょうか。

Q:対人訓練って意味あるの?
A:対人訓練でも、戦術機の操縦技術向上には効果が得られます。また、ブリーフィング中にイブラヒム中尉が言っていた「CASE:47」は、対テロリスト用の演習プログラムです。このような世界情勢ですし、各国政府に不信感を抱いている人も少なくはないでしょうから、対人訓練もある程度は必要だと思われます。

Q:唯依はユウヤの操縦のどこに失望したの?
A:これは、次の話で明かされると思いますけど、ユウヤが突撃砲をパージした後のタリサの近接攻撃をよけるところを見直せばわかると思いますよ。
{/netabare}

・四話:朧月の群れ
{netabare}
Q:吹雪って?
A:1997年に配備された高等練習機であり、不知火の多くのパーツを流用しています。主機出力は低めですが、武装化すれば、実戦での使用も可能です。

Q:イーニァとクリスカが乗っていた戦術機は何?
A:ソ連の「Su-37UB チェルミナートル」ですね。ソ連の第二世代機「Su-27 ジュラーブリク」を準第三世代仕様にアップグレードした戦術機です。二人が搭乗しているのは、複座型コックピットを搭載したもので、前席(イーニァ)がガンナー、後席(クリスカ)がドライバーです。

Q:今回出たBETAってシミュレーションかなにか?
A:今回の戦闘は、JIVES(ジャイブス)というシステムを使ったシミュレーション訓練でした。JIVESは、戦術機の実機を使います。また、弾薬消費による機体重量変化など実戦におけるあらゆる状況をシミューレートすることができ、より実戦に近い訓練が可能です。

Q:ユウヤはなぜ日本の戦術機を乗りこなせないの?
A:戦術機は開発した各国の運用思想によって、特性が変わってきます。
日本の場合は、起伏の多い地形があり、そのような環境の中での運用を考慮して急激な加減速にも耐えうる設計がなされています。また、頭部の大きなセンサーマストなど日本機は突起物が多いですが、その突起物を利用し、機動制御を行います。これは、稼働時間向上のための工夫であり、日本製戦術機の大きな特徴です。
それに対し、アメリカ製戦術機では、機動制御を跳躍ユニットだけで行なっています。ユウヤは、日本を毛嫌いしていることもあり、日本製戦術機の特性を理解しようとせず、アメリカ式で無理矢理に吹雪を操縦しているため、乗りこなせていないのでしょう。

Q:ユウヤは実戦経験がないの?
A:ありません。
ユウヤが特別というわけではなく、米軍衛士は対BETA実戦経験がない衛士が多いです。なぜなら、アメリカ大陸は、1974年にBETAユニット(BETAの宇宙船みたいなもの)が落着しましたが、一年前の中国の惨状(1973年に中国にBETAユニット落着)を見ているため、BETAユニット落着とほぼ同時に戦術核を集中運用し、BETAを殲滅しました。それ以降、地球に飛来してくるBETAユニットは、核兵器で迎撃しています。

Q:最後に出てきた戦術機は?
A:XFJ計画の主役である「不知火 弐型」です。次回に期待しましょう!
{/netabare}

・五話:正しき資質
{netabare}
Q:冒頭の訓練の洞窟みたいなの何?
A:あれがハイヴ内部です。ハイヴへの侵入に成功した場合、あのように横坑(ドリフト)と呼ばれる通路を通り、最深部の反応炉へ辿り着き、破壊することが、ハイヴ攻略の目的です。

Q:今BETA何やってんの?
A:BETAは常に進軍しているわけではありませんし、前線では、一生懸命BETAの侵攻をこれ以上広げないように、間引き作戦を行なっています。

Q:二話は、青い武御雷だったけど、唯依の武御雷は色違ったけどなんで?
A:作中で「インペリアルロイヤルガード」って出てきましたね。帝国斯衛軍のことです。武御雷は、斯衛軍用の戦術機なのですが、武御雷及び瑞鶴の色は、衛士の出身の家の格によって変わります。
最上位が、「紫」、政威大将軍が搭乗。
次が「青」、五摂家の者が搭乗。(二話の最後で登場)
次が「赤」、五摂家に近い有力武家出身が搭乗。(一、二話の小隊長)
次が「山吹色」、譜代武家出身が搭乗。(唯依)
次が「白」、武家出身が搭乗。(一、二話の訓練兵らなど)
最後が「黒」、武家以外の一般衛士が搭乗。
基本的に上位の機体のほうが性能が高いです。
{/netabare}

・十一話:BETA進撃
{netabare}
Q:重光線(レーザー)級って?
A:中国の実験小隊のメンバーが「重光線級」と言っていましたね。トータル・イクリプスではまだ未登場です。今後登場するか分かりませんが、一応解説しておきます。
簡潔に説明すると、名前のとおり光線級の強化版みたいなBETAです。光線級、重光線級の二つをあわせて「レーザー属種」とも呼ばれています。
全高は21mと戦術機より大きく、レーザーの威力も光線級よりかなり高いです。レーザーの発射インターバルは36秒。このように強力なBETAですが、生産コストが高いBETAのようで量産はされていないようです。

Q:電磁砲を爆破できないなら、BETAに喰わせればよくね?
A:確かにそうすることでソ連への情報流出は防ぐことができますが、その代わりに、BETAに情報を明かすことになってしまうのです。
BETAはああ見えても学習し、対策をしてくることがあります。例えば、BETAは当初、地球に来たときは、光線級が存在しませんでした。よって、航空戦力を用い、戦局を優位に進めていた人類ですが、航空戦力に対抗した光線級の出現によって、航空戦力が無力化されたのです。このように電磁砲への何らかの対策をとってくることが考えられる以上、BETAに最新鋭の兵器の情報を与えるのは危険なので、最後の手段にしたいですね。
{/netabare}

・十五話:追い縋る十字架
{netabare}
Q:最後に出てきたラプターって何?
A:アメリカが開発した第三世代戦術機で、高いステルス性が特徴の機体です。ステルスなのは実在するラプター戦闘機と同じですね。
また、ラプターは、ステルス性能が高いだけではなく、他の第三世代機を圧倒するほどの機動力も兼ね備え、正に最強の戦術機といえるでしょう。
しかし、非常に高価なのも特徴で、脚部の設置樹脂のみで第一世代機と同等の価格だそうです。
また、劇中に登場した紺のカラーリングのラプターは先行量産型で、通常型は灰色です。
{/netabare}

・十七話:仄暗き追憶
{netabare}
Q:ラプターのステルス性能ってBETAに効果あるの?
A:BETAに対してラプターのステルス性能は「全く効果ない」です。
それなのに何故ステルス性能なんてついているのか。
それは、アメリカがBETA大戦後の人類同士の戦争を見越しているからです。
BETA大戦が終結すれば、BETA特有の希少資源や枯渇した食糧や資源を求めて、各国同士で戦争になるとアメリカは予想しているのでしょう。
{/netabare}

・二十四話:白い闇
{netabare}
Q:結局BETAとの決着はつかないの?
A:つきません。
TEは戦術機開発の物語であって、BETA戦争が話の主題ではないですから。
二話のような対BETA戦を見たい人は、「マブラヴオルタネイティブ」をプレイするか、オルタがアニメ化するのを待てばいいと思いますw
{/netabare}

・原作ゲーム「マブラヴ」について
{netabare}
アニメを見て、「原作ゲームにも興味が出た!」っていう人はいると思うので少し原作について書いておきます。
トータル・イクリプスはゲーム「マブラヴオルタネイティヴ」(以下、オルタ)のスピンオフ作品です。
トータル・イクリプスでは、戦術機開発に関する物語でしたが、オルタでは、BETAとの戦争が本筋となっていて、トータル・イクリプスのような人類同士の啀み合いはそれほどありません。(対人戦が全くないわけではありませんが)

「それじゃあ、オルタっていうやつをプレイすればいいのか」と思った人! まだ早いです。
オルタには、「マブラヴ」という前作があります。マブラヴには、EXTRA編とUNLIMITED編というものがあります。(最初はEXTRA編しかプレイできません)
EXTRA編は、BETAが存在しない平和な私たちが住むような世界が舞台で、よくある学園モノのエロゲーです。朝は、幼馴染の女の子が起こしに来て…みたいな感じの。
UNLIMITED編は、EXTRA編で特定キャラのルートをクリアするとプレイすることができるのですが、「平和な学園生活を過ごしていた主人公が朝目覚めると、人類とBETAの戦争が起きている世界に飛ばされていた!」という始まり方で、主人公は、変化した世界に戸惑いながらも、BETAとの戦争に巻き込まれていく…というストーリーです。
この飛ばされた世界がトータル・イクリプスと同じ世界であり、トータル・イクリプスよりちょっと後の時間軸です。
大体の登場人物は、EXTRA編からオルタまで同じで、ストーリーも繋がっています。
よって、オルタをきちんと楽しみたいのなら、前作「マブラヴ」からのプレイをお勧めします。
また、オルタには、同じくアージュより発売の「君がいた季節」、「君が望む永遠」のヒロイン達も登場します。
マブラヴとオルタは18禁版と全年齢版がPCにて発売中。
PS3、Xbox360にて両作品とも発売中。
PCの18禁版では、エロ・グロともにあり、その他全年齢版ではエロカット・グロ修正あり、だったと思います。
最後は、宣伝っぽくなっちゃいましたが、原作ゲームに興味を持った方は、ぜひやってみてはいかがでしょう。
{/netabare}


完璧に調べてから書いているわけではないので、間違いがあったら指摘お願いします。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 19

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

恋敵だそうです 解ったげて・・

2012年7月1日 - 12月23日TV放送された。全24話。
「マブラヴ オルタネイティヴ」(ギャルゲ)を元にスピンオフ
のメディアミックス展開として制作されたTVアニメ作品。

本編が2001年10月22日を基準にしたSF設定なので平行世界か
時代改変モノとなるのかな。

第1話と第2話は世界観を説明する、TVアニメ版オリジナルの
プロローグとなり、シリーズの特徴である残虐シーンも盛り
込まれていが、テレビ放送では真黒に塗りつぶされている。

1話は世界観とヒロイン達のセイラー服姿での描写があり、
京都斯衛軍衛士養成学校に通う訓練生時代が描かれている。

2話は訓練生だったヒロインが前線に駆り出され・・この戦
いで親友や恩師を失い、たった一人生き残ったという悲惨な
経験をする・・如何にも不気味なクリーチャーが親友を喰う
シーンや頭部が転がる描写が有る。

"グロが苦手な人は絶対に視ない方が良い!"TV版は真黒処理
とはいえ、何が起きているかは"容易に想像できるグロ映像"
等が戦闘の随所に含まれている。

ヒロインが居た部隊はヒロイン以外全滅。その後直ぐに京都
がBETにより陥落崩壊・・此処までがエピローグ。

3話以降は、それから3年後の世界を描く。
※2話で最終回説の強い作品。


日米共同新型戦術機開発チーム"アルゴス試験小隊"に配属に
なった"ユウヤ・ブリッジス"小尉と"篁 唯依"中尉の二人を
軸にしてテストパイロットやメカニック達による熾烈な戦い
や非情で残酷な戦場が描かれる。

序盤は此処のプライドやコンプレックス等の兼ね合いで良く
あるバラバラで歪な人間関係などが描かれる。

因みに映画やアニメで多少誇張があるが・・上官に初対面で
あからさまに不快感ではなく敵意剥き出しなのはアニメ的。
的確に御託を並べる感覚があれば"唯依"に言われて当たり前
の事を上官で開発者としてそのまま言われているだけ・・

ユウヤ・ブリッジスは質の悪い厨二みたいだ・・精神が12歳
~15歳程度にしか感じない・・エリートとは到底思えない。
ディスティニーのシン波のワースト。年齢がシンより上なら
ユウヤがNo1確定。 後は後半に蟠りが消え成長する可能性
の分だけはシンよりマシ程度。
グロ等もそうだけど終始過剰な演出でピーキーに煽る傾向。
そういう如何にもな誇張や人のグロ精神が苦手な人も注意。

キャラデザは萌系でやや綺麗系とロリ系のMix。デティール
はやや高めで個性や表情も良く出ている感じ。 メカデザは
それなりに個性があって動きも良い感じ。カット割等演出は
矢張り基本的にピーキーな雰囲気を煽るアングルなども含め
作風としては一貫性があるかなと思う。

その分兵士の休日的な余暇はこれ又底抜けに陽気でアメリカ
のミリタリー映画っぽいイメージ。トップガンの見過ぎか?

国家間のイニシアチブの取り合いや連合してても他国の兵器
がボロクソにやられると「ざまみろ」我が国こそ先進国で優秀
な「民族!!」的な表現も多い。

似た傾向の作品は結構あるし特別なものは無いのでグロ映像
やピーキーで厨二な主人公が浮いて印象に残る様な感じ。
それでも主人公中心に収束する辺りが如何にも元エロゲ風。

敵の進撃が常にワンパターンの描写で何とも言い難い・・
1クール丸々成長しない世間知らずのお子様主人公と同じ。
13話でまた調子ブッコキのドヤ顔でラブコメとかギャグ。

内容だと視聴層は小学生向け。総合的には中学生だけど・・
一部表現や映像は高校生にもどうか?疑問符。大人には・・
稚拙過ぎて見処が映像や音など世界観中心になりそう。
そのバランスだと矢張りグロとバカ台詞が際立ってしまう。

折り返しは敵との人類存亡をかけた劣勢で悲壮な戦況の最中
で思想だの政治だの人間同士の醜態の王道展開の中でユウヤ
が全ヒロインに惚れられて・・色んな死を見ても成長しない
ユウヤを皆が「変わった」「成長した」「何かを期待させる」等の
テンプレ大絶賛・・その周囲に居るメインがクライマックスに向かって我こそ主役だとカオス展開。2期でもやる気か?

結局着地できず。



良くも悪くも「音楽制作 - avex entertainment」
ハードなSF風メカ系(ロボ兵器)バトルアクション等世界観に
良く馴染んでいるように感じた。倖田來未は結構聴いた。


OP「Go to the top」作詞・歌 - 倖田來未 (2話~19話)
※第1話ではエンディングテーマとして使用された。

OP「Doubt the World」歌 - 栗林みな実 (2O話~24話)

ED「signs 〜朔月一夜〜」歌 - 栗林みな実 (2話~19・24話)

ED「スノウメヰデン」歌 - 美郷あき (17話) 
※第24話では挿入歌としても使用された。

ED「Revise the World」歌 - ayami (20話~23話)

挿入歌
「NO PLACE LIKE A STAGE」 歌 - GRANRODEO (第3話/第16話)
「True 4 Eyes」 作詞・歌 - 栗林みな実 (第4話)
「Apocalypse of Destiny」 歌 - ayami (第5話、第23話)



ユウヤ・ブリッジス:小野大輔
アメリカ陸軍戦技研部隊からアルゴス試験小隊に転属
少尉。コールサインは「アルゴス1」。米日人のハーフ。
幼少時に受けた差別から日本に異様憎しみと差別観が有る。

篁 唯依:中原麻衣
アルゴス試験小隊配属。日本の譜代武家出身の女性士官。
日本帝国斯衛軍装備実験部隊「白き牙中隊 中隊長で中尉。
「XFJ計画」日本側開発主任。新型戦術機の開発に関わる。
戦術機操縦技能も極めて優秀で、徒名は「ユイ姫」

タリサ・マナンダル:野川さくら
陽気で活発で喧嘩っ早い気性の荒いネパール陸軍の少尉。
コールサインは「アルゴス2」勇猛な山岳民グルカ族出身。
童顔で小柄な体形であることから徒名が「チョビ」と定着
戦術機操縦は非情に優秀だが勘と感覚に頼った操縦を行う。

ヴァレリオ・ジアコーザ:浜田賢二
アルゴス試験小隊所属。イタリア共和国陸軍の少尉。
コールサインは「アルゴス3」小隊の潤滑油的な役割の存在。高い機動性や状況判断能力でベテラン衛士以上の腕を誇る。
ラテン系特有の軽いノリで女好きだが、面倒見が良い。

ステラ・ブレーメル:大原さやか
コールサインは「アルゴス4」スウェーデン王国陸軍の少尉。
的確な判断力と高い狙撃能力を持つテストパイロット。
彫刻を連想させるようなナイスバディの巨乳を持つ美貌。
穏やかな性格で茶目っ気も有るが、茶化されると怒る。

ヴィンセント・ローウェル:杉田智和
国連軍戦術機実験評価部隊配属。アメリカ陸軍の軍曹。
メカニック担当。世界でも屈指の非情に優秀な技能を持つ。
快楽主義で女好き。人に対する細かな気遣いを忘れない。
実は努力家。不知火・弐型の整備主任を務める。

イブラヒム・ドーゥル:小山力也
アルゴス試験小隊率いる指揮官。トルコ共和国陸軍中尉。
元トルコ陸軍の精鋭・第94戦術機甲大隊「コブラ」の衛士。
元アルゴス1。常に部下の安全を最優先に考えている。


クリスカ・ビャーチェノワ:生天目仁美
ソビエト連邦陸軍の実験部隊・イーダル試験小隊に所属
Su-37UB「チェルミナートル」搭乗テストパイロットで少尉。
ユウヤ達アルゴス試験小隊の面々とライバル関係にある。
排他的で交流がない精神的に不安定な部分を垣間見せる。

イーニァ・シェスチナ:能登麻美子
ソ連軍イーダル試験小隊所属テストパイロットで少尉。
クリスカとともに“紅の姉妹”の異名で呼ばれている。
幼い外見から想像できない高い戦術機操縦能力を秘めてる。
熊のぬいぐるみ「ミーシャ」を大切にする等、幼さもある。

イェジー・サンダーク:斧アツシ
イーダル試験小隊の指揮官。ソ連戦術機開発を率いてる。
エリート部隊の中央戦略開発軍団に所属の中尉(大尉相当)
極めて有能で冷徹で目的達成のためなら手段を厭わない。

フィカーツィア・ラトロワ:本田貴子
ソビエト連邦陸軍精鋭部隊・ジャール大隊を率いる中佐。
歴戦の勇士で特にロシア被支配民族の人々の英雄的存在。
愛機はSu-37M2「チェルミナートル」既婚者で息子がいる。


レオン・クゼ:羽多野渉
アメリカ陸軍第65戦闘教導団"インフィニティーズ"少尉。
ユウヤと同じハーフで「日系人としての誇りを持っている」
日本人を侮蔑するユウヤの元同僚で非常に険悪な間柄。

シャロン・エイム:田中理恵
アメリカ陸軍少尉。「山猫」の異名を取る凄腕の女性衛士。
ユウヤの元同僚で元恋人。現在レオンと恋人関係にある。
鋭い洞察力を持つ。陽気で世話好きであるが勝ち気な性格。

ガイロス・マクラウド:竹内良太
アメリカ陸軍少尉。特務隊"インフィニティーズ"の一員。
筋肉質な体格で無骨かつ寡黙だが気遣う余裕も併せ持つ。

キース・ブレイザー:松本忍
アメリカ陸軍中尉。特務隊"インフィニティーズ"小隊長。
沈着冷静冷徹な人物。癖の強い部下を纏める。

フランク・ハイネマン:津田英三
「プロミネンス計画」技術顧問。謎めいた部分が多い人物。
ユーコン基地出向中のボーニング社戦術機開発部門重役。

崔 亦菲:石原夏織
統一中華戦線の中尉。暴風試験小隊長。殲撃10型に搭乗。
中華民国国籍。戦術機の射撃/近接戦等操縦技能が優秀。
凶暴で強気で強引な性格。指揮官としての能力も高い。
王 霞鳳(潘めぐみ)李 玲美(赤崎千夏)慮 雅華(三宅麻理恵)
といった部下たちを率いている。

甲斐 志摩子:高橋美佳子
京都斯衛軍衛士養成学校訓練生で、唯依の親友の1人。
嵐山補給基地防衛任務中、BETAにより機体ごと大破死亡。

石見 安芸:藤村歩
京都斯衛軍衛士養成学校訓練生で、唯依の親友の1人。
嵐山補給基地防衛任務中、BETAにより機体ごと大破死亡。

能登 和泉:金元寿子
京都斯衛軍衛士養成学校訓練生で、唯依の親友の1人。
嵐山補給基地防衛任務中、BETAの襲撃で機体を失い死亡。

山城 上総:植田佳奈
京都斯衛軍衛士養成学校訓練生で、唯依の親友の1人。
嵐山補給基地防衛任務中、BETAに包囲された所を唯依に
発見され喰われる前に撃ち殺してくれと懇願するも・・
唯依が躊躇う間に目前でぐちゃぐちゃに喰い千切られる。


指導者(マスター):鈴村健一
「真の平等と人類皆の平等なBETAによる救済」リーダー。
キリスト教恭順派をまとめ上げ、高いカリスマ性を有する。

少佐(クリストファー):稲田徹
元軍人だけで構成された部隊を率いる壮年の男性。
東欧連合試験小隊から奪ったSu-47「ビェールクト」を駆る。

ヴァレンタイン:櫻井浩美
難民解放戦線の実働部隊リーダーを務める女性。

ジゼル・アジャーニ:佐倉綾音
ヴァレンタインの妹。テログループの一員。
国連軍警備部隊の格納庫を襲撃し、兵器などを強奪した。

ナタリー・デュクレール:柚木涼香
ユーコン基地の歓楽街にあるバー「Polestar」の従業員。
幼少期にフランスからカナダへ疎開してきた難民。

リダ・カナレス:ayami
XFJ計画専任オペレーターの1人で、スペイン出身。

ニイラム・ラワムナンド:日笠陽子
XFJ計画専任オペレーターの1人で、インド出身軍曹。
唯依を肴として女性同士の性的な妄想を楽しむり百合傾倒。

フェーベ・テオドラキス:高森奈津美
XFJ計画専任オペレーターの1人で、ギリシャ出身。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 3

74.3 4 京都で熱いなアニメランキング4位
夜は短し歩けよ乙女(アニメ映画)

2017年4月7日
★★★★☆ 3.8 (334)
1745人が棚に入れました
クラブの後輩である“黒髪の乙女”に思いを寄せる“先輩”は今日も『なるべく彼女の目にとまる』ようナカメ作戦を実行する。
春の先斗町、夏の古本市、秋の学園祭、そして冬が訪れて…。
京都の街で、個性豊かな仲間達が次々に巻き起こす珍事件に巻き込まれながら、季節はどんどん過ぎてゆく。
外堀を埋めることしかできない“先輩”の思いはどこへ向かうのか!?

声優・キャラクター
星野源、花澤香菜、神谷浩史、秋山竜次、中井和哉、甲斐田裕子、吉野裕行、新妻聖子、諏訪部順一、悠木碧、檜山修之、山路和弘、麦人

♡Sallie♡☆彡 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

アニメ化してくれてありがとうヽ(*´□`*)ッ

このアニメの原作はわたしが大好きな小説です。
森見作品の中でも1番好き。
彼の小説はラノベでもないのにドラマ化よりアニメ化の方が向いているらしく,「四畳半神話大系」や「有頂天家族」がアニメ化されているのにこちらはアニメ化されていませんでした。
是非してほしいなぁとかねがね思ってはいたのですが,なんと映画としてアニメ化されると知った時は「なんとしてでも観ねば!!」と思ったものです。
でも,結局映画館に足を運ぶこともなく時が経ってしまいました。
4年も前の作品なのか…。

こちらは「四畳半神話大系」で登場した人達が出てきたりする(というか互いにリンクし合っている)ので,同じように作ってくれて感謝!!って感じでした。
とくにキャラクターデザイン。
キャラクター原案は中村佑介じゃないと!!
あと,言っておきたいのは声優ですね。
羽貫さんの中の人はわたしの中で1番馴染みがあるのは「ゴシップガール」のセリーナなんだけど,羽貫さんの声もやっぱりぴったりでまた彼女をキャスティングしてくれて良かったと思いました。
古本市の神様は…これ小津じゃん!!ちっちゃい小津!!
ぶっちゃけこの小説読んだの多分10年くらい前だと思うので,あんまりよく覚えてないのだけど小津ではなかったと思うんだよな…(笑)。
また読んでみようかな。。
あと何気にジョニーも同じ声優さんなんですね。
とにかく残念なのは樋口師匠ですよね。。
けれど,こちらの樋口師匠も全然良かった☆
また「四畳半~」のアニメも観てみようかな。
そして,以下は「四畳半~」とは違うキャスト。
まずは先輩の星野源。
もう星野源まんまじゃん!!って感じですね。
観る前誰がやるのかチェックしてなかったから星野源でびっくりした。
わたしはオールナイトニッポンで彼のしゃべる声だけを聴くっていうことがよくあるので(最近全然聴いてないけど),そのせいもあってか終始星野源がチラついて集中できない感じでした。
でも,よく頑張ってるなとは思いました。
彼の出演作品をあんま観てない人とかだったら特に違和感なく観れたんじゃないかなと思います。
星野源は「逃げるは恥だが役に立つ」の平匡さんといいこういう地味な男性の役が合ってるなぁ。
ただまぁ,「四畳半~」の「私」が良かったからなぁ。
それと比べちゃうとね。
チラつくといえば,ロッチの中岡ですね。
彼もとても上手だったけど,やっぱ中岡だなぁって。
逆にロバートの秋山は全然分かんなかった!!
え。出てた!?って感じでした。
黒髪の乙女の声はめっちゃ良かった★
とにかく可愛くてこんな声の女の子に生まれたかったと思いました。
そして,学園祭事務局長。
やば。色っぽいしイケボすぎる。
でも,妙に聴き馴染みが…と思ったら阿良々木くんか!!
正直,阿良々木くんの声が好きではないのですが,あたしこの人の声自体はむしろ好きなんだな。
「天官賜福」でもイケボだと思ったものなぁ。
先輩と学園祭事務局長が会話するとやっぱりアニメは声優さんだよなって思っちゃう。
演技力って点ではもちろん俳優さんでも良いんだけど,声優さんはイケボなのよ。
そして,紀子さん。
しゃべってる時は普通に観てたんだけど,歌い出してからびっくり!!
「え。うま。」って思って中の人調べちゃいましたよ。

そもそも「四畳半~」と「夜は短し~」の主人公と黒髪の乙女って別人物なのかな??
明石さんも黒髪の乙女ってことだったけど,ちょっとキャラは違う感じするよね。
「夜は短し~」の方が子どもっぽいというか不思議ちゃんな感じ。
それでいうと,わたしはこの不思議ちゃんな黒髪の乙女がとても好きで,ここ10年くらいずっと黒髪なのはこのキャラクターの影響もあるんだけど…。
(カラーしようとするたび「黒髪の乙女」というワードがチラつく)
この映画観てびっくりするくらい変な娘に描かれている気がしてちょっとショックでした。
ヘンテコだけど可愛らしい子っていうイメージだったから。
特に詭弁踊り。
あんな踊りだったの!?!?
活字だとどんな風に表現されてたのか覚えてないけど…。

総括です。
第一にこの小説をアニメ化してくれてありがとうと,まずはそこです。
でも,やっぱ原作は原作の独特の文体が1番の魅力で,「四畳半~」はそれが存分に活きてた感じだったけど,こちらはそうでもなく途中でちょっとだらけちゃいました,わたし。
やっぱ長々と観るよりはテレビアニメとして30分ずつ観ていくって方が集中力がもつというのかな。合ってる気がします。
小説って純文学と大衆文学っていう括りがあると思うのですが,アニメでそういう括りがあるとしたらわたしはこちらを大衆アニメではなく純アニメとしたいです。
観て面白い楽しい感動するというのではなく芸術作品寄りというのかな。
なので,好き嫌いは分かれるというのか,このアニメの味を理解できる人ってのは限られてくる気がします。
まぁ森見登美彦の小説自体割と人を選ぶみたいなので,そこは仕方ないのかもですが…。
わたしは彼の世界観が好きなので,このアニメも好きだと思いました。
また原作読みなおしたり,「四畳半神話大系」のアニメも観直してみようかな♪
(因みに原作読んだ当時に「ラ・タ・タ・タム」は読みました。実在する絵本なのでこのアニメが好きな方はこちらも是非☆)

追記
みなさんのレビュー読んで原作と違う点をいろいろを知り,「やっぱそうだよね!!」と共感することしきりでした。
原作読んだのかなり昔だから「わたしの覚え違いかな?」とか「こんなシーンあったかな?」「こんな設定・展開だったかな?」とか思ってたので…。
原作がとても素晴らしいので正直原作通りにやってほしかったかな。
特に一夜って設定は「え。そうだったっけ?」ってなった点です。
あと「魔風邪恋風邪」はもっと冬のほっこり感があった気がするけど,アニメだとカオスになってて残念でした。
やっぱ原作読みなおします!!
そして,もっと批判的なレビューを書いてやります!!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

この「世界観」初見で理解できるの? →先に「四畳半神話大系」で学習することをオススメ

【レビューNo79】(初回登録:2023/8/27)
小説原作のアニメ映画で2017作品。90分程度。
視聴理由は「四畳半神話大系」の森見登美彦×湯浅政明作品だったので。
キャッチコピーは「こうして出逢ったのも、何かのご縁」

(ストーリー)
舞台はある京都の大学。
「先輩」は、1年前から同じクラブの後輩である「黒髪の乙女」に恋をして
いる。
彼は日々彼女を追い掛け、なるべくその目に留まろうと「ナカメ作戦(なる
べく彼女の目に止まる)」を実行していた。
そんな先輩の気持ちはつゆ知らず、乙女は好奇心の赴くまま、夜の先斗町を
歩いていく。
これはそんな2人の夜にまつわる物語。

(評 価)
・「四畳半神話大系」は別格ながらも、個人的には本作も評価
 前回レビューしましたが、そもそも「四畳半神話大系」は1クール使って、
 最初は「平行世界」を描いて同じような展開を繰り返しつつも、伏線を巧
 妙にバラマキながら、終盤でこれらを見事に回収していき、皆を「あっ」
 と言わせる「神作品」ですからね。
 それを踏まえ本作は「四畳半神話大系」を彷彿させる世界観を描きつつも、
 映画の尺の中で、キャッチコピー「こうして出逢ったのも、何かのご縁」
 をしっかり落とし込んでいたので、個人的にはかなり評価できる作品かな
 と思います。

・この「世界観」初見で理解できるの?
 ただ私は「四畳半神話大系」で、この手の作品に免疫があったから楽しめ
 ましたが、これ本当に何も知らない方が視聴されたら「ついていけるの?」
 というところに疑問を感じました。
 「四畳半神話大系」も正直最初は「??」って感じで、上述の通り「平行
 世界モノ」で3回ほど同じような展開を観て、それでようやく馴染んできて、
 この作品の良さや味が判ってきたって感じなので・・・
 個人的には先に「四畳半神話大系」で、この世界観を学習することをオス
 スメします。

・内容は奇天烈感が強い(上述の補足)
 この作品の格子はシンプルで
 ★黒髪の乙女に恋する先輩は始めは縁遠く、「ナカメ作戦」等ヘタレな状
  況から、いろいろな人との「ご縁」などが巡り巡って、先輩も勇気を出
  して行動し、本当の「ご縁」にたどり着く。
 という「純愛もの」なのですが、この「いろいろな人との「ご縁」が曲者
 で、この部分の厚みが凄いんですね。ここが「森見登美彦×湯浅政明」作
 品の真骨頂であり、雰囲気を例えるなら(四畳半でも書きましたが)
 「ベクトルの違う『西尾維新×シャフト』」みたいな?!
 ストーリー展開も奇天烈感が強く、通常の「ピュアラブストーリー」感覚
 で観てると面食らう感じですね。なのでちょっと耐性が必要かなっと。

・以下簡単なあらあらすじを書いておきます(章立ては原作から)
 ・先斗町での一夜の物語
  原作では京都の四季になぞられ、各季節毎の4編の物語として描かれてい
  るらしいのですが、本作では「一夜の物語」と改変されたようです。個人
  的にはこの演出は◎。
  「夜の帳が下りてから夜明けまでを、2人がどう過したのか。」
  → タイトル「夜は短し歩けよ乙女」にピッタリハマる感じが心地よい。

 ・第一章(春):夜は短し歩けよ乙女
   {netabare}「恥ずかしながら、このとき私は単身、魅惑の大人世界に乗り出したい
   と思いました。要するに先輩方に遠慮することなく、無手勝流にお酒が
   飲みたかったのです。」
  この黒髪の乙女、かなりの酒豪です(笑)
  このお酒の「ご縁」から様々な「ご縁」を紡いでいき・・・
  樋口君&羽貫さんの「四畳半神話大系メンバー」が話を先導していく演出
  がニクい。{/netabare}

 ・第二章(夏):深海魚たち 
  {netabare}「ここはまるで本の海。私は深海魚となって獲物を求めて回遊する所存」
  「下鴨納涼古本祭り」を舞台に、2人はどんな本と「ご縁」があるのか。
  特に先輩にとっては、彼女にまつわる「古い絵本」をゲットするという、
  重要な使命が・・・{/netabare}

 ・第三章(秋):ご都合主義者かく語りき 
  {netabare}「学園祭とは青春の押し売り、たたき売り、いや青春闇市なり」
  学園祭事務局は、神出鬼没な集団「韋駄天コタツ」とゲリラ演劇「偏屈王」
  に頭を悩ませていた。そして黒髪の乙女もゲリラ演劇騒動に巻き込まれ、
  それを知った先輩は・・・
  ゲリラ演劇→「ミュージカル」と「恋愛」が見せ場になっています。{/netabare}

 ・第四章(冬):魔風邪恋風邪
  {netabare}「君はどんどん進んでいくから、なかなか誰も追いつけない。なのに何度
   も通りかかるやつっておかしいと思わない?」
  これまでの喧騒が嘘のように、巷では「李白風邪」が大流行。一人元気な
  な「黒髪の乙女」はそれまでの「ご縁」に沿って、いろいろな人の元にお
  見舞いに訪れます。
  そして最後にお見舞いに向かった先は・・・{/netabare}

テーマの「ご縁」に沿って、様々な個性的なキャラが登場しては入れ替わって
いき、上述の通り四季のイベントも入ってくるので、物語の展開はかなり早い
です。そして
「最初『点』で出会っていた人たちは、実は『線』で繋がっていた」
という仕掛けは、テーマ「ご縁」にピッタリで思わず唸ってしまいます。
{netabare}最後に「お見舞い」という形で、キャッチコピー
「こうして出逢ったのも、何かのご縁」
を回収していくストーリー展開は本当に秀逸です。{/netabare}
問題はその見せ方が好みにあうかどうか・・・
でも、こんな作品も楽しめるようになると世界が広がるのは確かなので、まず
は「四畳半神話大系」から「森見登美彦×湯浅政明作品」の世界に足を踏み入
れてはいかがでしょう。
って「何の作品のレビューやねん!」って感じですが(笑)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

命短し 恋せよ 男子も。

[文量→中盛り・内容→酷評系]

【総括】
原作組なので、チト辛めの評価です。

非常に不思議な映画。映画単独で内容を理解するのは難し、、、いや、ほぼ無理なんじゃないかと思います。

アニメーションとして本作を観たとき、他にはない独特の映像表現が観られますから、アニメ好きなら観ても損はないでしょう(第41回オタワ国際アニメーションフェスティバル長編部門グランプリ、第41回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞受賞)。

ただ、もし映画を観て、ちょっとでも興味をもった方は、是非、原作を読んでほしいとおもいます。

第20回山本周五郎賞受賞作品。第137回直木賞候補、2007年本屋大賞第2位。2017年2月時点で累計売上130万部を超えるベストセラーとなっている(Wiki参照)のは、伊達じゃないということが分かります。

映画がかなり原作改編しているので、ある意味、映画を観てても関係なく、原作を楽しめると思います。

個人的には、映画版は☆3.5。原作は☆5です。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
細かな点での、改編の文句は勿論あります。(李白がショボすぎるとか、実行委員長の女装ピックアップとか)言い出したらキリがないのですが、一番を挙げるなら、文化祭編。パンツ番長と紀子さんのエピソード改編は酷すぎる。

原作では、紀子さんは紀子さんで、象の尻を展示するというエキセントリックな方法で、パンツ番長を探しています。そんな紀子さんを手助けするのが、「黒髪の乙女」です。そして、同じような廻り合わせの中で、パンツ番長の願いを叶えようと奮闘するのが、「先輩」。本作は、語り手がコロコロ変わるのが特徴の小説で、「黒髪の乙女」と「先輩」が微妙に繋がりながら、絶妙にすれ違いながらストーリーが進んでいくのが楽しいのですが、この学園祭編は、まさに真骨頂という感じ。最終的に、パンツ番長の願いを叶えるために必死になる先輩を見て、初めて「恋」の兆しを感じる「黒髪の乙女」。もの凄く大事なところなのに、映画では、「先輩」が「パンツ番長の恋より、自らの願いを優先している」ように見え、なぜあれで「黒髪の乙女」が惚れるかが謎です(抱き締められたからって、そんなバカな。確かに、原作でもそうだけど、抱き締めるまでの過程が違いすぎるでしょ)。

とまあ、予定より長く書いてしまいましたが(笑)、実は、そんなのは些事です。

一番大事なことは、監督が、この原作の「一番の旨味」を勘違いしていること。

本映画の独特の映像表現は、原作者「森見登美彦」さんの独特の文体を表現したものでしょう。夢と現実の境目が曖昧で、どこか酒に酔っているような、自分に酔っているような、古めかしくも新しい、軽妙な文体。いわば、「森見節」を表現するものとして、この映像表現は、非常に素晴らしい。その点に関しては、何の文句もない。

でも、本作に限って言えば、作品の一番の旨味(魅力)は、「キャラクターの良さ」なんですよ。

(奇しくも、入賞歴引用するためにWikiを開いたら載っていたけど)山本周五郎賞の選考委員だった重松清は、同賞の授賞理由として著者が黒髪の乙女の「一人称の「天然」を描ききった」ことを理由に挙げている。

とあるように(流石、重松さん♪)、とにもかくにも、黒髪の乙女の魅力なんです。

原作の彼女は、もっとつかみどころがなくて、可憐で、軽やかで、芯が強くて。天然ですけどバカじゃない。いや、高いレベルのバカではあるんですが、とにかくもっと、可愛いんです。

変態親父におっぱいを触られても、友達パンチ1発で終わらせ、鯉のリュックをワクワクして背負い、ご飯主義者とパン食連合の討論会で、「ビスコを食べれば良いのです!」と宣言し、りんご飴をチロチロ食べながら夜の町をトテトテ歩くような、不思議な可愛さなのです。

勿論、対となる先輩も、不器用ながら一途で、素敵な人です。

もし、この原作を映像化するなら、森見さんの文体の不思議さを表現するよりも、ヒロインの魅力をちゃんと表現し、主人公との恋愛を丁寧に描写した方が良かったとおもいます。スタート地点を間違え、ずっとボタンをかけ違え続けた映画化に感じました。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 22

70.9 5 京都で熱いなアニメランキング5位
スキップビート!(TVアニメ動画)

2008年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (347)
1706人が棚に入れました
高校にも行かず日夜バイトに明け暮れる主人公・最上キョーコは幼馴染であるロックミュージシャン・不破尚と同居し、生活費を一人で賄っていた。歌手志望で家出同然に上京した尚に献身的に尽くす事が無上の喜びだったが、尚がデビューし超人気歌手となった後は次第に距離が開いてきていた。
そしてついにある日、自分が単なる家政婦代わりに上京させられたことを知り、あっさりと別れを告げられる。捨てられてしまったキョーコは失意の中で尚に復讐すべく、芸能界入りに挑戦する決意を燃やす。執念と根性で無理を通し、尚の所属するアカトキと並ぶ大手芸能プロダクションのLMEの新人発掘オーディションに参加し審査員の意表を突き、一次審査を通過する。しかし続く二次審査で愛する心と愛されたいと思う心が欠けている事を露呈してしまい、落選してしまう…。

声優・キャラクター
井上麻里奈、小西克幸、宮野真守、早水リサ、川中子雅人、石井康嗣、今野宏美

08261216 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

少女漫画で45巻!?

なんだその長期連載!!!
って、電子書籍の新刊ニュースで見て、原作読んだのですが、ストーリー展開上手いし、キャラ立ってるし、笑えるし、泣けるし、伏線凄いし、この作者天才か?
と3回読み直してる途中で気付いたのですが、アニメ化と韓国ドラマ化してたんですね。とりあえず、実写はちょっとなぁと、アニメを見てみたのですが・・・。
上手く拾って、ふわっと原作では飛ばしてる、諸々やモー子さん命名の謎も解けました。

原作の絵は好きではなかったのですよね。
多分、本屋に通ってた頃、目に入らなかったのはそのせいかと・・・。
一回目読んだ時、敦賀さん、馬面・・・。
足長いし、12頭身?人としてどうなの?という所も、若干違和感あるものの、アニメでは上手く馴染んでますね。

※原作話※
かなり漫画読んでますけど、こんな面白い漫画読んだことない。
18年前からこんな作品が存在してたなんて、全く知らなかったことに後悔しかけましたが・・・元々、完結済みの方が一気読みできるので、18年手を付けなかったことに、安心しつつも・・・あと何年で終わるのだろうか?不慮の事故で、自分が死んだ場合、続きが気になって成仏できないのではないかと、思う程、はまってます。
兎角、キョーコが母に足蹴にされていた理由は想像を遥かにというか、想像を絶するものでした。そりゃ、そうなるよな・・・・・。
これは・・・未だにスッキリと判明していない敦賀君の過去は如何なものかと身構える程に、その為、二人の恋愛模様は読者が悶絶する程、進展しません。18年前から読んでる人たちが可哀相になる程。
でも、全く飽きさせない。ダラダラ感が全くなく引き込まれる世界感。ヒロインにここまで魅力のある作品はみたことない。
少女漫画のヒロインって、お決まりに、さして魅力のない女子高生がイケメンにひたすらモテるという謎の展開が多いですから。
それ故、この作者天才だと唸ったのですが・・・。
なので、今まで好き好んで読んでいた漫画たちが一気に霞んで見えて・・・他の作品を読もうにも、比較してしまって、つまならく見えて、もう一回読もう・・・と中毒性がある危険な漫画です。
男性が読んでも面白いと思います。
個人的には、名作と呼ばれる少年漫画すら霞んで見えます。
これ程の伏線、ストーリー展開は、他の作者さんは書けないかと・・・。
特に驚きなのは、ドラマや映画の内容やセリフ、所作をよく思い付くなぁと、脱帽ものです。
難点を言えば、本格活動が凡そ1年程の16歳でトップミュージシャンの不破尚には無理がある。
20代女性に抱かれたい男7位にもかなり無理がある。
更に言えば、芸歴5年の20歳の俳優なぞ、日本ではペーペー。
それが抱かれたい男1位、更に無理がある・・・。
脇を固めるのもまた10代が大半。
少女漫画だし、16歳のヒロインに合わせた結果なのでしょうが・・・。

45巻もかなりいい所で『つづく』になってしまっているので、初めて雑誌『花とゆめ』を電子書籍で買ってしまった程・・・。
※原作話終了※

という訳で、原作を忠実に再現している、更に補足までしている、このアニメの2期が12年後の今もないのが、逆に驚きました。

2008年制作アニメとウィベキアでみたので、正直、画力は期待してなかったのですが、上手いし、なんで、2期、3期と続きがないのか、疑問でしかないですね。

監督には敬意すら抱く程、原作を深く理解し、一分一秒目が離せないアニメを見たのは初めてです。
ただ、25話で纏めるのは20話以降辛かったのか、遠巻きの絵が荒くなり、23話から少し飛ばしてましたが、それを差し引いても良作アニメでした。

ネットで調べた所、制作会社は吸収合併されたようです。その会社で作れば良かったのに、つまらないゲイアニメを作る暇があるなら!
ならば、強奪してでも作ろうという制作会社がいないのが不思議で仕方ない。
こんな傑作が埋もれているのが、実に腹正しいです。

それにしても怨キョが動き、喋るのは最高に愉快でした。
ヒロインの声優さんは始めは耳障りな声でしたが、坊、幼少期、恐キョを一人でやりのけてしまう。結構な演技幅の広い声優さんで、驚きました。

因みに、怨キョがレイノに捕まるシーンが見たいので、24巻辺りまでやって欲しい。あとヒール兄弟が見たい。やっぱり3期までやって欲しい。
(願望が膨らむ膨らむ)

アニメの難点を言えば、神様が作った箱の中身は怨キョではありません。25話(12巻では)謎とされているので仕方ないとは思いますが、作者さんに指摘して欲しかったな。

お願い、NHKさん・・・。
理解のできない崩壊の一途を辿る『進撃の巨人』より、スキップビートの2期、3期アニメを作って下さい。
凄い、いいところでアニメが終わってるのよぉぉ!!!今からなの!面白く、更に伏線が増えていくのが!!!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 0

ふわふわマショマル さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

次観たい!それを実現させるには?

アニメ観た後、コミック37巻まで購入。
原作が14年続いてると知ってビクッリ〜。
敦賀蓮がフェミニンで小西克幸さんの声は度ハマりですね。
尚役の宮野真守さんも現在2016年ですので大分前の放送でしたが、あの頃はハマリ役です。現在の宮野さんの蓮役も出来そうな気がします、観てみたいです。

皆さんが、何故あの終わり方で2期が無いのか?
私もハマったアニメだったので気になり、Wikiってみましたら。
制作アニメ会社が放送後、他のアニメ会社に吸収されて、放置されてる様です。
私は、その吸収された会社のHPを訪ねて、問い合わせてみました。
是非、2期が観たいっという内容です。

2期作るつもりだったけど、会社が何らかの事情であのまんまで終わってしまっのではないかと思われます。その結果、原作が売れたのではないかと思われます。
作品自体も良いから勿論、コミックまで購入するわけですが。。。
絶対に気になる、これからっとい時の終わり方なので、原作買う覚悟で観た方がいいかもしれないですね。(笑)

現在もなお原作が続いているので最初はコミックで追いましたが、何ヶ月も待てずマガジンに手をつけてしまった程、私的には度ハマりなストーリーでした。

特に芸能界がよく描かれてる良作品だと思います。
三角関係ですれ違う心の心理描写がスパイスたっぷりですね。
心理学か?男の世界も知り尽くされ、作者の人生経験値高い?っと感じましたので、Wikiりましたら、やはり素敵な歳を重ねた年代の女性でした。

あんな世界で、あんな事が有りそうだし、狭い世界なのできっとよく会うでしょうし、あの世界で恋多き人は大変だなぁ。。。っと想像しちゃいました。
キョーコちゃんのキャラがすごく良いです。芸能界はあの位猪突猛進でないと、生きていけないのですね。

男性よりは女性の方がハマりやすいですね、きっと。
何度見ても、コミック読んでも飽きない程に私はお馬鹿になってしまったほどでした。是非、大好きになった人は現在の会社に問い合わせるのもいいかもです。
問い合わせ先は、http://tyo-animation.com 問い合わせからできると思います。

追記 : 40巻記念盤のCDでは、蓮とキョーコちゃんのイヤ、精霊コーンとキョーコちゃんのストーリーが聴けて感動!! 声優のお二人もこのアニメを再び演じたいと言ってました。やはり、あの続き見たいですね。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 5

じぇりー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

少女漫画原作モノでは最も好感が持てたヒロイン

アイドル戦国時代と言われる昨今。
ポッと出の、まだまだ普通の女の子にしか見えない彼女たちは、しかし口々にこんなことを訴えてくる:

「子供の頃から、芸能界に入るのが夢だった」

「一生懸命やっていれば、願いは必ず叶う」

「みんなに夢を届けるお仕事がしたい」

…嘘くさいと思ったことは無いだろうか。
現在の芸能界は門戸自体は広く、入るためのハードルも低くなってきているため、いずれは淘汰されるであろう供給過多の状況で、「頑張っていれば、夢は叶う。皆に気付いてほしい!」と言われても…10年後の彼女たちから同じ言葉が聞けるとは到底思えない。

それに比べ、自分の青春を捧げてまで献身的に尽くした男に手酷く捨てられ、その復讐をすべく芸能界入りを目指すヒロイン・キョーコは、そんな上っ面な夢を語る女の子よりもずっとリアルで好感が持てる。

ロックシンガーとしてブレイクした尚からばっさりと切り捨てられた時点で、キョーコの尚への執着は殆ど消え去っている。

潔いほどの立ち直り。「復讐」というより、「キレイになって見返してやる!」「あんなイイ女を振って、惜しいことをした…と思わせてやる!」的な発想である。
未練タラタラに昔の男を追い掛け回すのではなく、むしろ追い越してやろうという思い。非常に共感できる。

そしてキョーコはその気持ちを全く美化せずに、真正直に表に出す。見ていて小気味良い。
怨みや憎悪の念をばらまき散らすシーンは、毎回コメディタッチで描かれていて、クスリと笑える。

芸能の世界に限らず、仕事でも勉強でも成功を収めようと思ったとき、ポジティブな感情だけでは充分なエンジンにはならない。

「あの人には負けたくない」「悔しい」「今度こそやり返してやる!」という思いが、時に人を駆り立てるものではないだろうか。

キッカケなど何でもいい、動力源があれば、徐々にそれが純粋な追及へと変化していき、いずれ花が咲くこともある。

登場人物それぞれのモノローグが多く、自分自身の本当の気持ちや間違いに気付いていくプロセスがとても丁寧に描かれていた点も良かった。

また、ヒロインを筆頭に、特に女性キャスト陣の好演も光っていた。

思わぬ良作に出会えた。
男性が見ても楽しめるアニメではないだろうか。おススメ!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12

70.6 6 京都で熱いなアニメランキング6位
弱虫ペダル NEW GENERATION(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (298)
1449人が棚に入れました
インターハイでの激闘を終えた、総北高校自転車競技部。

1年の小野田坂道は、同級生の今泉や鳴子と共に、ニューバイクに乗り換え、3年生が抜ける新生チームとしての新たな闘いに向けて走り出していた。
総北の新キャプテンに任命された手嶋も、盟友の青八木と共に連覇を目指し動き出す。そんな中、坂道は憧れの先輩である巻島から、ある事を告げられる...。

声優・キャラクター
山下大輝、鳥海浩輔、福島潤、岸尾だいすけ、松岡禎丞、宮田幸季、諏訪彩花、諏訪部順一、潘めぐみ、安元洋貴、森久保祥太郎、伊藤健太郎、代永翼、阿部敦、野島健児、宮野真守、下野紘、羽多野渉
ネタバレ

kakelu さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

なんか顔が少女漫画みたいに!? 内容は変わってないから物語重視なら問題なし。

1話の感想 ★★★★ 4.0
インハイ後
{netabare}
顔変わりすぎw
今泉は顔尖ってて、なんか前よりブサイクになってる。
2年の先輩とか原型留めてないレベル。
目かな?目が大きくなったのがアカンのかな?
でも、景色とかはより綺麗になってていい感じ。
バイクも新しくなり、これから新たなスタートなんだが…
小野田の調子はイマイチっぽい。{/netabare}

2話の感想 ★★★☆ 3.5
不調の小野田
{netabare}
凹みすぎたろ、小野田。
どれだけ巻島先輩が心の支柱だったんだ…
でも、手嶋先輩のおかげで少しはマシになったかな?{/netabare}

3話の感想 ★★★★ 4.0
ヒルクライム大会
{netabare}
手嶋、キャプテンらしいことするじゃん!
実力でではなく、ガッツでみんなを率いるタイプか!
おかげで、小野田が息を吹き返した!!{/netabare}

4話の感想 ★★★★ 4.0
優勝は…
{netabare}
小野田の完全復活だな!
あんなんだが、才能は手嶋さん以上ってのが信じられん。
3年生たちはこれで引退…
金城さん、田所さん、精神的な支柱が居なくなることが与える影響とは…
来年、1年生は何人入るかな?{/netabare}

5話の感想 ★★★☆ 3.5
泉田の考え
{netabare}
確かにインハイでは、クライマーの片鱗も見せたが、鳴子からスプリンターを取るのは酷じゃないか…
鳴子はスプリンターだからこその鳴子だろう。
{/netabare}

6話の感想 ★★★★☆ 4.5
スプリンターの意地
{netabare}
御堂筋の進化により負けてしまった鳴子。
鳴子ってあんがい負けっぱなしよな。
鳴子の悲しんでる姿には心揺さぶられた。
こっちも泣けたよ…
鳴子には元気になってほしい。{/netabare}

7話の感想 ★★★★☆ 4.5
走行会
{netabare}
アブの筋肉が増えてた!!
今回は背筋か〜
アブは先輩を超えたな!
なかなか熱いばとるだった。
次は、山岳が先輩を超える番だな!{/netabare}

8話の感想 ★★★★ 4.0
来年こそは
{netabare}
今回はシルバーの髪の人が1番熱かったな。
山岳もこれで前に向ける。
みんながみんな、3年生たちは立派すぎ。
こんな立派な人、大学でもそういないぞ?{/netabare}

9話の感想 ★★★☆ 3.5
新年度
{netabare}
今年は新入生が大量だな。
全員が残るわけではないと思うが、それでも多いよな。
やはり優勝のおかげかな。
杉本、なんか雰囲気変わってるやん。
ギャグ要員から脱却なるか。{/netabare}

10話の感想 ★★★★☆ 4.5
杉本の力
{netabare}
あの杉本がかっこいいだと!?
泣きそうになったんだが。
吠え方のダサさが身近に感じる。
もし自分があの高校にいたら杉本くらいのポジションなんだろうな。{/netabare}

11話の感想 ★★★★☆ 4.5
決着
{netabare}
杉本、惜しかったな…
今回はとてもかっこよく見えた。
杉本も2年になったんだな〜
小野田も2年らしく1年をリードできる走りが出来るじゃん!
去年の巻島さんの登りを見た時と同じような反応をしてたな。{/netabare}

12話の感想 ★★★★ 4.0
インハイ予選
{netabare}
ほぼ周回遅れを巻き返して、トップとは凄すぎ。
そりゃ、観客も燃えるわ。
仲間の大切さを教えるのかと思いきや、結局は仲間にも負けたくないって気持ちを教えることになったな。
確かに、そっちの方が総北っぽい。{/netabare}

13話の感想 ★★★★ 4.0
合宿スタート
{netabare}
鏑木は意外と体力とかは普通だよな。
走りは早いが。
鏑木は手嶋と青八木コンビみたいに、2人で真の力が出せるタイプか。
確かに、酷だが頑張れ。
それより、ここに来ての新キャラが登場!{/netabare}

14話の感想 ★★★★☆ 4.5
古賀さん
{netabare}
絶対に古賀さんを入れるべきだろ!!
みんなのこと知ってるし才能あるし!
でも、手嶋も頑張って来たからな〜
こういうのを監督やキャプテンは決めなあかんのか…
難しい仕事だ。{/netabare}

15話の感想 ★★★★ 4.0
ようやくゴール
{netabare}
古賀さん…
あんたの涙は忘れへん!
御堂筋に負けて以来、鳴子は成長したな。
気合が違う。
鏑木はまだ自分の方向性に気づかず。
はよ、気づけアホ!{/netabare}

16話の感想 ★★★★ 4.0
2度目のインハイ
{netabare}
おいおい、鏑木よ〜
いきなり敵の精神攻撃に動じてどうする!!
まぁ、1年だからしゃーないのか?
でも、先が不安だ。{/netabare}

17話の感想 ★★★★ 4.0
スタート前
{netabare}
スタートまでが長いよ。
ようやく始まったなインハイ!
小野田は単純で扱いやすいな。
しかも、ムードを良くしてくれる!
いいね、あんな人が1人いるだけで全然違って来るからな。{/netabare}

18話の感想 ★★★☆ 3.5
スプリント始め!
{netabare}
まだ鏑木は自分の脚質分かってないんかい!
先輩方、教えたってーな。
でも、才能は飛んでもなさそう。
恐ろしいな〜
アブは健在で嬉しいよ。{/netabare}

19話の感想 ★★★★ 4.0
銅橋
{netabare}
はみ出していると色々あるんだな〜
性格がアレだから良かったが、小野田くんみたいなのなら地獄だよ。
引きこもりになっても、不思議じゃない。
そういう意味では銅橋は適任だよな〜{/netabare}

20話の感想 ★★★★ 4.0
スプリント結果
{netabare}
ようやく神様の正体が分かっ…てないな。
気づけよ!!
しかし、スプリンターの才能は半端ないな。
スプリンターの自覚を持ってもっと努力すれば化けるぞ。{/netabare}

21話の感想 ★★★☆ 3.5
箱根の戦略
{netabare}
箱根がそんな作戦でくるとは。
やはり王者して何もをしてでも勝たないといけないって事なのかな。
小野田は、呑み込まれることなく入れるのか?{/netabare}

22話の感想 ★★★☆ 3.5
ゼッケン1の宿命
{netabare}
周りからの妨害、あれいいの?
確かにしゃーない気もするがまったくフェアじゃないやん!
自転車って、ローカルルールが多い気がする。
真波の愛され自慢には素直にムカついたw{/netabare}

23話の感想 ★★★★ 4.0
小野田の反撃
{netabare}
流石、小野田ちゃん!
1なだけあるな〜
今回、また新しい曲になったな。
正直、前回のヒメの方がよかった。
しかし、小野田の鼻歌クライムってw
ダサいな。{/netabare}

24話の感想 ★★★★☆ 4.5
手嶋の全力
{netabare}
手嶋さん、めちゃくちゃ頑張るやん!
手脚が限界に達してからの持久力、パないな。
この人、十分凄いと思うけどな。
他の小野田や真波が才能ありすぎなだけ!
こりゃ、ワンチャン行けるか?{/netabare}

25(最終)話の感想 ★★★★ 4.0
1番に山に登るのは
{netabare}
最後は小野田が決めちゃうと思ってたんだけど、来なかったな。
手嶋さんは真面目だね〜
待たなくても誰も文句なんか言われなかったのに。
初勝利を目前にして、敵を待つとか普通無理だよ。
いい人だよな〜
手嶋を助けた小野田には、やはり主人公かと思わされたね。
今期はここまでか…
1期のように1日目は終わるかと思ってたけど、終わらんかったな。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 6

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

あの熱い夏(インターハイ)が、来る。

この作品は、シリーズ第3期の作品になります。
物語の内容に繋がりがあるので、前期を未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。

メンバー全員が力を振り絞って挑んだ激闘の末、インターハイの頂きを制した総北高校自転車競技部。
金城、田所、巻島先輩らの底力と不屈の闘志をひしひしと感じさせてくれた3年生も世代交代の波には逆らえません…
代替わりした新生総北高校自転車競技部が始動するところから今回の物語は始まります。

今期の作品を見てまず感じたのは2年生…とりわけ主将となった手嶋純太の著しい成長っぷりです。
物語はずっとインターハイをなぞってきたので、実際のところその裏側は描かれていないので、大会に出場できなかった選手が何を思い、何を考え、何に打ち込んできたのかは正直分かりません。
ですが、手嶋の言動を見ていれば分かります…
人一倍努力してきたこと…そして金城先輩の後釜としてチームを引っ張って行くと決めた並々ならぬ決意を…

ですが、彼がもし独りぼっちだったらきっとここまで成長していなかったと思います。
時に良きライバル…そしてお互いに支えあえる同級生の青八木が並走してくれたからにほかなりません。
でも改めて思うのは3年生の偉大さと存在の大きさです。
精神的支柱が無くなると人はどうなるか…少し考えれば答えは容易に想像できると思います。

そこで何を選択するか…どんなに些細でもきっかけに気付いて前に進めるかで、その後の生き方は大きく変わってきます。
迷い…落ち込み…色んな事がありましたが、メンバーの気持ちが一つに重なり物語が動いていきます。

「目指すはインターハイ連覇!」
大会に出場する総北のメンバーは特にこの気持ちが強かったと思います。
だって、金城さんたちが抜けたから勝てなくなった、なんてきっと死んでも言われたくないから…

でも先輩たちの抜けた穴ってやっぱり大きい…
ただの先輩じゃないんです…
高校生の中では指折りのオールラウンダー、スプリンター、クライマーなんです。
田所さんに至っては、最速通貨者の称号であるグリーンゼッケンを取ってしまうほどの実力の持ち主なんです。
戦力ダウンが否めない状況の中、主将である手嶋はチーム構成に相当悩んだのではないでしょうか。
物語の中では手嶋の悩んだ素振りは殆ど見られませんでしたけれど…

しかしどれだけ悩んでも時間は待ってはくれません。
チームの中でも紆余曲折ありましたが、現状できうる中で最高のチームを編成しインターハイに臨んでいきます。
改めて感じるのは、総北以外の学校は軒並み戦力アップしていることです。

昨年優勝争いをした箱根学園のチーム構成なんて正直半端ありません。
前回も相当強いと思いましたが、正直今年は昨年以上の実力の持ち主で構成されているように思います。
箱根学園は自転車競技における常勝強豪校なので、インターハイでてっぺんを狙うには最短の近道です。
でも、総北だって昨年優勝校なのだから、もう少しメンバーが揃っても良さそうなのに…
なんて思っていましたが、レースが始まり視聴を続けていくうちに新生総北の見方が変わったのは事実です。

1年生の鏑木にもセンスは感じるものの、一番ビックリしたのは2年生の底力です。
どれだけ努力を積み重ねてきたんだろう…と思います。
だってスポーツって上達が目に見える競技ではないから…
1年間…前回優勝したインターハイから今までの時間…
きっと自転車に自分の全てを費やしたんだと思います。
その必要性を肌身に感じていたのは2年生の二人…

だってレースに出なきゃいけないから…
レースに出るという事は偉大な先輩の抜けた穴を埋める、という事だから…
3年生との力の差は歴然で新しく入った坂道ら3人にレギュラーの座を譲った二人…
速さを追い求める競技だから速いヤツが出場する…
こんな道理は最初から分かっています。
だけど、チームの事を思う気持ちは坂道らより少なくても1年分は勝っているんです。
世の中が道理で動くことばかりでも心底納得できたか…と考えるときっと答えはクエスチョンだと思います。
だから2年生は何度も下唇を噛み締めた1年間だったと思います…
レースに出れない悔しさだってきっと半端なかった筈です。
でもその悔しさが成長のバネになったから今の手嶋らがあるんだと思います。

レースはまだ序盤…
でも目に見えないレースは既にデットヒートを繰り返しています。
そして物語の進展に合わせて手嶋純太の熱さを身体全部で感じることになります。
私なら絶対できないこと…それをいとも簡単にやってのける手嶋…
喉から手が出るほど欲しいモノは天秤にかけるモノなど無いはずなのに…
それくらい手嶋の覚悟が本物だった…という証だったなと思います。
そんな手嶋の言動が気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、夏代孝明さんの「ケイデンス」と「トランジット」
エンディングテーマは、佐伯ユウスケさんの「ナウオアネバー」

3期は2クール25話の構成でした。
1期38話、2期24話とこれまで合計87話も放送されてきたのに全然尺が足りない…
昨年よりネジを2,3本外さないときっと欲しいモノには手の届かない物語が始まったのだと思います。
そして既に4期の放送が2018年の冬アニメからと決まっています。
この熱いデットヒートが今後どの様に展開していくのか…これからもしっかり見守っていきたいと思います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 17
ネタバレ

四畳半愛好家 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

スポーツマンシップって難しい…。

 なんて思わせてくれるエピソードがありましたね…今回の3期。
 基本的には、人気の名シーンなんでしょうが…個人的には複雑な気持ちになりました。あの行為についての感想は下記の「物語評価」に書かせていただきます…。

 とにもかくにも、3期まで全部で7クール分も観たわけですが、相変わらず熱くて面白い!!

 最初はあまり好かなかった主人公の小野田君ですが、3期まで来ると一番応援しているキャラだったりします!「小野田がんばれ!」って気持ちで視聴しました。

 中途半端なところで終わりましたが、4期決定したらしいんでファンの皆さんは安心してくださいね。


●以下項目別感想詳細

物語:3.5
 相変わらず熱い。個人的には部内のレギュラー争いが特に熱くて面白かったです。ただ、試合の展開とかはどうしても似たものになるので、飽きっぽい人だと、そろそろ飽きちゃうかもしれません…。

 それと手嶋先輩の「スポーツマンシップ行為」について…{netabare}

 真波のチェーントラブルに付き合い、手嶋は「待つ」という行為を選び、結果的に負けます…。
 あの手嶋の行為はある種美しい行為かもしれませんが、個人的には少し残念でした。自分を「凡人」と自負するなら、ロードレースがチームスポーツだっていうなら、あそこは勝ちに行くべきでは?と思ってしまいます。御堂筋じゃないけど、スポーツなら勝ちにこだわるのが自然だし、汚いとは思えません…。

 ただ、1日目の「山岳賞」でしかない??(それを言ったら元も子もありませんが)ので、スポーツマンシップをないがしろにしてまで勝利に執着すべきではなかったのかも…。これが3日目のゴールシーンだったら怒りますよね…。

 そもそもこのスポーツに詳しくないので、違和感を感じているのかもしれません。自分がやってきたテニスだったりサッカーならば、相手が負傷しても自分のプレーに集中するのみですし、厳しい状況なら相手の怪我を逆に利用する戦法に徹するでしょう…。ロードの世界はそういったスポーツとは一線を画しているのかも知れません。

 ともかく手嶋さんは格好良かったです。最後まで「待っていた」ことを否定する気遣いとかが特に。周りも手嶋自身も凡人って連呼するもんだから、手嶋=弱い と思ってましたが、真波の登りに食らいつけるとか…全然凡人じゃないじゃん!(少し真波が弱体化した印象もありますが…。)

(てか小野田君めっちゃ追いついてたし、もう小野田君が山岳賞で良いのでは?と思ったり…。)
{/netabare}

声優:4.0
 相変わらず豪華ですし、演技も安定しています。

キャラ:3.5
 前期と比べると少し低めで。
巻ちゃんを初めとする総北の魅力的な先輩方が消えたことも悲しいですが、その分面白い後輩は入りましたし、杉元や小野田の成長もあって、総北のキャラ達には問題なし。

 問題は箱学の小粒感。個人的に好きだった新開さんと荒北がいなくなった穴がなかなか埋まりません。真波はなんか弱くなった気がするし、少し感じ悪くなった気がする…。泉田なんてボスを張れるほどの選手には見えないし、感じわるk…(ry。葦木場は好きだけど、穴は埋まらんわなぁ…。ほかのキャラに期待しています。

 京伏の御堂筋は相変わらず面白い!が、石垣がいないのも寂しい…。

作画:3.5
 特に作画が変だと思ったことはありません。文句なしですね。

音楽:3.5
 OP、EDは毎作恒例のさわやか系。個人的には特に好きでもない感じです。

総評(平均):3.6
 安定して楽しい作品だと思います。総北の2年生たちの見せ場はきっとこれからでしょうし、4期に期待しています!!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8

80.9 7 京都で熱いなアニメランキング7位
劇場版 呪術廻戦 0(アニメ映画)

2021年12月24日
★★★★★ 4.1 (343)
1426人が棚に入れました
『呪術廻戦』原点 愛と呪いの物語-。

集英社「週刊少年ジャンプ」で連載中の、芥見下々による漫画作品「呪術廻戦」。2018年3月から連載が開始され、人間の負の感情から生まれる呪いと、それを呪術で祓う呪術師との闘いを描き、既刊16巻にしてシリーズ累計発行部数は驚異の5000万部を突破。2020年10月から2021年3月までは毎日放送・TBS系列にてテレビアニメが放送され、深夜アニメ枠ながら、高視聴率を獲得。定額制動画配信サービス全体の視聴者数週間ランキングでも約2カ月に渡って1位を記録し続けるなど、一大ムーブメントを巻き起こした。(GEMランキングクラブ調べ/2021年1月23日~3月20日の毎週土曜に過去1週間の視聴作品を調査)

そして、2021年12月24日。『呪術廻戦』は映画となって新たなステージを迎える。劇場版で描かれるのは、既刊単行本の中でも人気のストーリーの一つである『呪術廻戦』の前日譚、「呪術廻戦0 東京都立呪術高等専門学校」。通称“0巻”。

『劇場版 呪術廻戦 0』―これは、呪術廻戦の原点の物語であり、“愛と呪いの物語”。
ネタバレ

テナ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

失礼だな 純愛だよ

今回、見るか止めるか悩んだ作品
少年ジャンプで鬼滅に続き人気作品の呪術廻戦ですね。
1度は誰もがタイトルくらい聞いた事がある有名作

実はこの作品、アニメ放送では正直な話、面白いとは個人的に思えない作品でした。
じゃ、ダメな作品か?と言えば、そうでもなく普通過ぎるかな?と。

Q「じゃ、何故見ようかな?と思った?」

A「話題性があり、今回はアニメ版とは違う0のエピソードだから」

↑です!

実は、私は心が荒んでいるのか……大抵ハマる作品って最初は否定から入ってるのが多いんですよね。
自分のイメージを超えるからこそ素敵な作品に感じハマる事が出来るのだと思っていますが、素敵な作品を素敵だと見抜ける純粋な心が欲しいですね。

さて、何故、私がこんな前置きをしているのか、実はここまで、劇場版を見る前夜に書いています。

理由として、人気作品と言えど、アニメが合わなったとか、興味はあるけど見ていないなどの私と同じ考えを持っている方にが見た場合は、劇場版0はどうした印象になるかを書き記したいと考えたからです。

アニメも流し見しかしていない。
主人公の名前すら覚えてない、そんな人間が見たら、どんなレビューになるのか……どう映るのか、話題性だけで見に行っても面白いのか……書いていきたいと思います。


では、ストーリーですが、結論から言いますと「面白かった」です。
呪術廻戦0(以下、劇場版0と表記)はまず、初心でも見えます。
本編を知らない人、キャラを知らない人も安心して見られます。

主人公の乙骨憂太の周りの人間は自己紹介が簡単にされるのでキャラ名を知らなくても直ぐに馴染めます。
後半に京都高校のアニメでは手を叩いて瞬間移動してた人がいる高校のメンバーのいる学校の人達が居ますが、こちらは余り気にならなかったです。
名前を知らなくても劇場版0までなら付いていけます。

次に、迫力ですが、迫力なら他のアクションの方が上の作品が沢山あります。
迫力もこれ単体映画なら充分かもしれませんが、アクションアニメが好きな人には物足りなく感じるかもしれません。
しかし、この作品のアクションにはスピード感があり目を楽しませてくれます。

主人公の乙骨憂太の声優さんがエヴァのシンジ君と同じかな?
シンジ君といい乙骨憂太といいキャラの性格にあった良い声優さんのチョイスがセンスをあって、よく考えて選ばれて、よく考えて演じてるなぁ〜って制作側の頑張りが1番見てとれは配役でした。

乙骨憂太が教室で凹んでる姿やセリフがシンジ君を思い出されました(*꒪꒫꒪)
乙骨憂太のセリフの「死んじゃダメだ、死んじゃダメだ、死んじゃダメだ」が
シンジ君の「逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ」を思い出すw

さて、ストーリーも軽く追います。

{netabare} 乙骨憂太とリカちゃん。
2人は幼い頃に結婚の約束をします。
子供の頃の約束……これがあんな呪いになるんだ……可愛いく大人になると少し恥ずかしいそんな思い出でが、こうねじ曲がったのかと思うと少し悲しく感じましたが、ラストの呪いの本当の意味を知って、そっかそうだったんだって思いました。

リカちゃんを呪いから解放して事実を知った乙骨憂太は涙します。
でも、リカちゃんは「生きていた頃より、ずっと一緒に居られた6年が幸せだったよ」と言葉にします。

多分、彼女は入院生活が長かったみたいだから、呪いでも好きな人の傍で一緒に居られる時間が大切で嬉しかったんでしょうね。 {/netabare}

確かに、乙骨憂太の言う通りなんでしょうけど、それも悪い事ばかりでは無かった。
犠牲も沢山あって沢山の人も傷付けられ命を落とした。
それでも、乙骨憂太がしてきた事で幸せを感じたり出会って良かったって思える人達だって沢山居たんだと思いました。
リカちゃんとの別れは少しうるっと来ました。

実は、呪術廻戦本編だと私は余り好きなキャラが見つけられませんでしたが、劇場版0を見て、乙骨憂太が結構好きになれました。

理由としては、私はあまりウジウジしたキャラは好きにはなれないのですが、乙骨憂太に関しては普段は自分に自信が無さそうにしているのに、友達を侮辱されたり、友達のピンチを見たら雰囲気をガラリと変えて、しっかり発言や行動が出来る姿がカッコイイと思ったからです。

後は……友達をリスペクトしてる所かな?
彼は常に誰かの強さや凄さを素直に認めているって点も素敵ですね。
後、乙骨憂太は戦いの中で凄まじい速度で成長して行く。
その理由の一つがそこにある気がしました。

何にでも、戦いの中で成長する人間ってのは凄いのですが、乙骨憂太はそのタイプの人間ですね。
最後の戦いはカッコイイですね。


最後にリカちゃん……
{netabare} 化け物になっても心は化け物になって居なかったのかもしれません。

リカちゃんは子供の頃に死んでいるから化け物になっても、その子供特有の正義感や無邪気感が物語に反映されていて……

乙骨憂太が虐められた時は虐めっ子を殺してる感覚はなくて、止めてるだけで力加減が解らない子供だから結果あんな事になったり。

学校の化け物を倒す時も、「リカ!綺麗なの好き」って化け物を屠るシーンも遊んでて綺麗?な物が出るからドンドンしちゃう止まらない子供の遊び心が反映されてる気がしました。
グロいけど(*꒪꒫꒪)

後は、マキにヤキモチを妬いたのも子供ならではなのかな?
大人でも好きな人の事になるとヤキモチ妬いたりする。
子供であるリカちゃんは、乙骨憂太とマキが打ち解けていくのを見て、自分を見て貰えなくなるって恐怖を感じたのかもしれませんね。
自分の姿は化け物なのに相手は普通の女の子で美人さんだし、乙骨憂太は怖がっていりして、化け物になった、リカちゃんに優しく微笑んでくれた事はない。
ただただ羨ましかった。
コイツさえ居なければって……

だから、「お前ばかりずるい」って一言で……
でも、このシーンは1番彼女を人間らしく見えて、本当に乙骨憂太が好きなんだって感じました。
リカちゃんからすれば、殺ろうと思えば直ぐに殺れた。
でも、掴み取って涙を流して暴言を履いて躊躇してした。

彼女は乙骨憂太が大好きだ、大好きな人の友達であり仲間である。
マキが乙骨憂太を認めてくれたのを知ってる。
乙骨憂太が友達を大切にしてるのも知ってる。
だから、彼女を傷つける事は乙骨憂太を傷つける事になる。
だから、躊躇ったのかな?って。


でも、乙骨憂太に怒られたら泣いて嫌わないでって子供らしさの凄くある怪異?でした。

前半は、乙骨憂太がリカちゃんに振りまされてる感がありましたが、後半は乙骨憂太がリカちゃんを制御している感じがしました。{/netabare}

と、言う訳で劇場版0はアニメや原作を見てない私でも普通に楽しめたと思います。
私の様に本編や原作知らない人でも全然見える作品だと思います。

原作では乙骨憂太は出るのかな?出るならきかいが在れば原作にも触れてもいいかもしれない。
そんな気がした作品でした。

余談ですが、私がiPhoneで使用してるキーボード着せ替えアプリで、乙骨憂太と打つと予測変換に「失礼だな 純愛だよ」って名言が変換リストに出てきますww

投稿 : 2024/11/02
♥ : 16
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

未だに消化しきれない特級濃度の前日譚

原作コミック『呪術廻戦 0 東京都立呪術高等専門学校』は未読。

2021年末公開後まもなく劇場鑑賞済。

原作シリーズ未見状態で鑑賞するとスッキリしない感じがあって、
長らくレビュー書きあぐねていました。

乙骨の“純愛”は本作だけでもある程度理解はできるのですが、
対峙する夏油(げとう)の“大義”については映画だけだと、
非術者を“猿”と見下す典型的な人類見下し型イカれボスキャラという表層しかすくえなくて。

それでいて夏油の大義形成の経緯を示唆するカットもあったりするので、
こりゃ夏油の真意を知るまではレビュー書けないなとサボりを正当化して約1年半w

TVアニメ2期「懐玉・玉折」にて正義漢だった夏油が最悪の呪詛師に転落していくいきさつを共有できたので、
2期が閑話に入っている合間を縫って本作を配信で再視聴しました。


【物語 4.0点】
節目節目で振り返る価値のある濃厚な前日譚。

1回目鑑賞時は、TVアニメ1期にて頻出した、呪いこそ人間らしいとの作品の主張を補強する視点で。
{netabare} 「愛ほど歪んだ呪いはない」{/netabare} との五条悟先生の持論も噛み締めた上で。

2回目鑑賞時は、非術師の人類鏖殺(おうさつ)を正当化する夏油一味の視点も交えた上で。
悟ならやれるのに何故やらない?との夏油の苛立ちも考慮した上で。

角度を変えたら違った味わいが滲み出て来る。
骨太の世界観に支えられたシナリオには噛み応えがあります。


2度の鑑賞を経ても尚、整理し切れないのが五条悟と呪術協会との関係とその真意について。

悟が協会の“おじいちゃんたち”の何に苛立っているのかは、
{netabare} 「若人から青春を取り上げるなんて許されていないんだよ。何人たりともね。」{/netabare}
との発言からもある程度推察できます。
人類が呪いを生み出すからと言って、禁忌を増やし過ぎたら人間性の否定ですからね。

ただ悟や協会が人類と呪いの管理について、どの辺りを落とし所にしているのか?論点は未だおぼろげ。
TVアニメでの虎杖悠仁の取り扱い方針の違いから、悟の方が呪いや人類の活動に関してある程度寛容なのだろうか?とは思いますが。

これは悟の真意を知った段階、或いは最後、{netabare} 悟が夏油に囁いたセリフが明らかになった{/netabare} 時点で3回目観ないとw
ただ色々なテーマを持って繰り返し挑むだけの価値のあるストーリーだとは思うので、
私は再々見の機会を楽しみにしております。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・MAPPA

相変わらず真っ正直にキャラを直線的に動かさない。
一つとしてパターン化された感じがしない複雑な動線で構築されたバトルアニメーションには傑出したエンタメ性が宿ります。
私のお気に入りは駒のようにクルクルと回りながら呪霊を切り刻む禪院真希のアクション。

近年、作画とCGの融合をビジョンとして掲げる同スタジオ。
1期で全て作画だった呪霊ですが、劇場版ではサソリと魚群はCGにしました。
というのは見ていればCGだよなと分かります。
が、呪術高専でのバトルシーンなどの背景にもCGが。
などというのは言われないと分かりません。

制作現場では、このカットは作画で行くか?CGで行くか?
判断が付かない場合は両方のパターンでパイロット映像作って比較検討したりしたそうで。
そういう意味でも本作は、当時の作画とCGがせめぎ合う最前線だったのだと思います。


そんな作画とCGの“つなぎ目”をスムーズにする上でも注目したい制作集団がsankaku。
本シリーズでも“帳(とばり)”が下りる映像などでお馴染みの同グループ。
3Dモデリングとアニメーションの架け橋として活躍するsankakuの名前。
スタッフ欄で発見する度に、遅れ気味な日本アニメのデジタル化の進展を確認して、嬉しくなるクレジットの一つです。


【キャラ 4.0点】
主人公少年・乙骨優太。
気弱な少年だが、行動を共にする“特級過呪怨霊”折本里香の力により特級として呪術高専へ。
「生きる力」への渇望で一皮むけて行く乙骨の姿は、
「正しい死」を求めて呪術師になった本編主人公・虎杖(いたどり)悠仁とは志向性が対称的。
その生を求める乙骨の力こそが{netabare} 死んだ里香を呪った源泉。{/netabare}
生と呪いは表裏一体。本作の掲げるテーマは誠に悩ましくて中毒性があります。

禪院真希、狗巻棘、パンダ。
乙骨と同級の1年生つまりTVアニメ1期の2年生の先輩たちが格好良いのも高ポイント。
彼らの心情を理解すると1期「京都姉妹校交流会編」がまた観たくなります。


2期「懐玉・玉折」視聴前後で、ガラリと印象が変わるのが“百鬼夜行”を引き起こした夏油らの呪詛師グループ。
夏油が体術もイケる口というのも初見時は、手強いラスボスを演出する平凡なスパイスといった印象でしたが、
2期視聴後に再見すると{netabare} フィジカルお化けの伏黒に惨敗した{/netabare} 教訓も踏まえてメッチャ鍛錬したんだろうな?と妙な感慨を覚えます。

夏油配下の枷(はさ)場奈々子&美々子姉妹にしても、
気に食わないオヤジは狩って吊るす!けしからんギャルといった第一印象でしたが、
事情を知った上だと、{netabare} 術師に無理解な人間たちに迫害されていたあの幼い双子が、{/netabare}
よくぞここまで立派な呪詛師に育ったと、ちょっとだけ感動しちゃう不思議w


【声優 4.5点】
主人公・乙骨優太役には緒方 恵美さんを指名。
2021年は『シン・エヴァ』の碇シンジ役に続き、興行収入“100億の女”連発となった緒方さん。
自己否定感に苛まれる少年の鬱屈と、それが自己肯定感に転化した時の世界を揺るがす程の爆発的なエネルギー。
キャリアの中でこうした表現を積み重ねてきた方の主演はまさに適任でした。

そのCV.緒方さんと、呪いに成り果ててまで愛を語らう相手となった折本里香役には、
花澤香菜さんを選出。
定評のある可愛らしい少女ボイスから、禍々しい呪い溺愛ボイスまでカバーする流石の芸域の広さ。
クライマックスの{netabare} 乙骨の「いっしょに逝こう」に対する{/netabare} 狂喜の叫び声の演技には周りのキャスト、スタッフ陣も震撼したのだとか。
実際、何度聞いてもネジが飛んでいて凄まじいですw


天才・五条悟を足止めするアフリカンな呪詛師・ミゲル役には天才・山寺 宏一さんを起用。
時間稼ぎにしては豪華過ぎるバトルシーンをベテランの妙技が支える“百鬼夜行MVP”
ミゲルさん噛ませ犬で終わるかと思いきや、まだ先があるみたいなので、キャスト共々再会を楽しみにしています。


【音楽 4.0点】
劇伴は堤 博明氏、照井 順政氏、桶狭間 ありさ氏。1期の三者共作体制が継続。
OPの「Greatest Strength」では英語詞バラードも交え劇場版のスケール感を盛り上げる。


ED主題歌はKing Gnu。
「逆夢」はジックリと愛を語るバラード。
「一途」は狂おしい想いを叫ぶアップテンポナンバー。
いずれも上記の{netabare} 「愛ほど歪んだ呪いはない」{/netabare} との持論など毒も織り込んだ上々のタイアップ。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 28

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

作画は良くても溜めがないのでは上がらない。こんなんで愛を語らいでか!。

 鬼滅ほどじゃないがヒット中の新作を見てまいりました。結論を言うと、TVアニメと同じ良さと悪さががある。つまりTVアニメが好きな人なら大きな不満はないでしょうが、そうじゃない人には物足りないでしょう。


 バトルシーンの作画が良いのは、もう言い尽くされてることなので今更言いません。ただ、本作は背景美術のレベルが高い!。特に高専周りの場面は、密度とスッキリとしたセンスが調和していて見事。ユーフォーほど深海のような暗闇に対する耽溺や、京アニのような光に対する過剰なほどの拘りとも違う味わいがあります。


 正直言いいますとバトルに読み合いも何もないし、積み上げたもんが一気に爆発する感覚がないからせっかくの作画もイマイチ上がらないのだが。


 ただ、問題のはキャラとストーリーという肝心の部分は弱いということ。本作は連載前の短期読み切りだから仕方ない面もあるが、そこはブラッシュアップが必要だったろう。


 シンジ君丸出しな乙骨君はシンジ君ほど病んでないし、溜がないからリカちゃんを使いこなせるようになる瞬間も、仲間との絆が結ばれたカタルシスも無し。予告でやってた「お前なんで呪術高専に来たんだよ!」なシーン、終盤のクライマックスくらい重要な場面かと思ったが早々だから重さがない。そもそも乙骨君の苦しみの過程も、リカちゃんとの愛の過程も描かれてないからなんで悩んでんの?って感じ。


 そもそもリカちゃんの存在があまりに抽象的というか、断片的な思い出ばっかだから実は乙骨のイマジナリーフレンドなんじゃ?くらいに思ってしまった。自分の過失で死なせてしまった違う女の子を核にした自己防衛のために作りあげた孤独な乙骨の哀しみの産物くらいやって欲しかった。なんでリカちゃんがあんな力があるのか?の説明もジャンプお得意のアレでギャグ気味に言われても苦笑ですわ。


 敵役の魅力不足とか、短い尺で説明的なエピソードが多いとか、相変わらず修行や努力を魅力的に描けてないとか他にも問題があったけど、根本は呪術廻戦だけじゃなく他のヒット作品にも見られる弱点に行き着くように思えた。即ち全ての基本である筆力という単純な能力の不足である。


 なんとなく王道とされるようなシチュエーションや設定を持ってきたり、過去のヒット作のエッセンスというか風味を軽く持ってきても、その面白さを支えていたキャラの魅力を効率的に描きこむという基本ができてなきゃ全てが弱くなる。やたら過去回想で重めのエピソード入れときゃ、キャラを描き込めるだろってのはナンセンス。やたら安易にトラウマが云々な作劇連発は辞めたほうがいい。


 出落ち的に派手で奇抜な魅了あるビジュアルと設定を持ってきても、掘り下げていくと常識的な良い人ってくらしか出てこないのはキャラクターを創造するという行為に対する愛と能力が未熟と言わざるをえない。人間ってもっと複雑なもんよ。


 ヒットしてようがなかろうが、そこを抑えてる人は過去の作品から要素を持ってきてようがなんだろうが面白い作品を作れる。面白い作品に必要な条件というのを考えていくと、色々あるけど最終的にはそこに行き着くように思える。シンプルでも太い線のキャラを描き込めるかどうか。なんとなくの雰囲気やジャンルで価値が決まるわけじゃない。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 25

69.0 8 京都で熱いなアニメランキング8位
ハイスクールD×D HERO(TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (207)
1278人が棚に入れました
早朝から誘惑してくる朱乃、急接近してきた小猫、そしてますます積極的になったアーシアに、3人への対抗心を燃やすリアス。
歌劇な争奪戦の中心にいる一誠は、幸福なエロエロライフに鼻の下を伸ばすばかりだった。

平穏な日常をマンキツする一方で、オカルト研究部のメンバーばバアル家とのレーティングゲームと一誠たちの修学旅行に向けて着々と準備を進めていた。

修学旅行の行き先は、異なる神話体系が存在する京都。
観光を楽しもうとする一誠たちだったが、到着するやいなやカオス・ブリゲード一派と古都に棲まう妖怪たちの悶着に巻き込まれてしまう。
一誠はリアスの愛する京都を守るため、新たな「可能性」を模索するが……。

声優・キャラクター
梶裕貴、日笠陽子、浅倉杏美、伊藤静、竹達彩奈、野島健児、小山力也、逢坂良太、中村悠一

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

赤龍帝(おとこ) 対 獅子王(おとこ)

この作品はハイスクールD×Dのシリーズ4期目に相当する作品です。
物語の内容に繋がりがあるので、前期未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。

気が付けば4期目…と言う印象が一番しっくりする気がします。
元々は一介の男子高校生だった兵藤一誠は、その身に宿すセイグリッド・ギアのせいで命を落としてしまいましたが、学園一の美少女であるリアス・グレモリーによって転生し、以降彼女の下僕悪魔として生きていく…

という設定で本作品は始まりましたが、気が付いてみると次々と襲い来る仲間の危機を脱する傍らでレーティングゲーム…というスタイルが、今ではすっかり定着したように思います。

今期の作品を視聴して先ず気になったのがキャラデザが変わった点でしたが、wikiをググってみたところ、キャラデザだけでなく、監督を始めとする制作スタッフが一新されていたみたいです。
何故制作スタッフが大幅に変更されたかは分かりませんが、この作品の魅力は損なわれていなかったので一安心でした。

制作スタッフの違いにより、作風がガラッと変わってしまう事は少なくありませんから…
そしてその結果、作品の評価に響くことだってあり得るのも、アニメ業界の厳しさなのだと思います。

wikiをググった際に目に入ってしまったのですが、原作の小説は全25巻で完結し、今後続編が始まるんだそうです。
一方、アニメの方は現在4期まで放送されましたが、原作の第3章(7巻~12巻)の途中までが使われています。
つまり、何が言いたいのかというと、原作のストックは山ほど残っているのでアニメ5期、6期と続いていくことに対する障害が無い、ということです。
これは幸先が良いですね。

気になるのは、一誠がどんどん戦士として強くなっていく点です。
もちろん、強くなるのは悪い事ではありません。
ですが、他の人と比べると強さに対するスピードとスケールが圧倒的に違うんです。
最初は、チェスの駒の一つポーンでしかなかった一誠がどんどん強くなるのは、この作品の見どころであり醍醐味でもあると思うのですが、時折過程をすっ飛ばし過ぎなのでは、と思えなくもないのが正直なところです。
これが赤龍帝の宿命なんでしょうか…?

もう一つの違和感…それは冥界で「おっぱいドラゴン」が子供たちに大人気であるということ…
子供たちに人気があるのは、どちらかといえば良いことだと思います。
ですが、子供たちが一斉に「おっぱい、おっぱい…」と歌いだすのはビックリです。
確かに昔「お母さんと一緒」でも類似の題材を取り上げた歌が無かった訳ではありません。
ですが、小さい子供の情操教育上の問題がある上、そもそもこの作品自体にAT-Xでは視聴年齢制限番組がかけられているにも関わらず、冥界では小さい子供が大勢でおっぱいを連呼することに対して違和感を感じずにはいられませんでした。

更に気になる点を挙げると、一誠によるハーレム化に一層磨きがかかっている点は気になります。
確かに、「ハーレム王に俺はなるっ!」からこの物語が始まりました。
だから多少のお色気は有っても気になりませんし、むしろ一誠のこれまでの活躍の成果だと思っています。
ですが、最近…一誠の廻りの女の子たちは、みんなポンポン脱ぎ過ぎじゃありませんか?

映像が解禁されたからといって、ポンポン人目に晒すのも限度があると思うんです。
元々リアスの露出が一番高いと思っていましたけれど、最近じゃ故意の露出はむしろ控えめ…
それより、アーシアが負けじと露出で奮闘するのは…元々そんなキャラでしたっけ!?
それにこの作品には種ちゃんやまややんも出演しているんですよ…

別に露出が嫌いな訳ではありませんし、豊富なファンサービスである事も理解しているつもりです。
ですが、そろそろ登場する皆さんの恥じらいが恋しくなってきたのかもしれません…
むしろ、露出だけがこの作品の魅力…という風には思われたくないのも本音なんですけどね。

でも原作は相当過激だと聞いたことがあります。
もしかすると、これでも原作には遠く及ばないのかもしれませんけれど…

今回の物語は大きく二つ…
前半は一誠たちが修学旅行先である京都で巻き込まれるトラブルについて…
そしてもう一つは若手最強と称されるサイラオーグ・バアル眷属とのレーティングゲームです。
どちらも手に汗握る展開が繰り広げられます。
そしてそれぞれの顛末…気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、Minamiさんの「SWITCH」
エンディングテーマは、たぴみるさんの「モテないくせに(`;ω;´)」
私はどちらの曲も好きでしたよ。

1クール全12話の物語でした。
今回も物語の途中で終わった感がありました。
今は何の情報もありませんが、きっと続編は制作されると信じています。
これまでグダグダだった点にも進展が見られましたし、結果的には良かったのではないでしょうか。
一誠の更なる成長と今後の展開…楽しみです♪

投稿 : 2024/11/02
♥ : 9
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

7話で断念

5話までの感想{netabare}
一期は面白かったが二期で「あれ?」となって三期で「こりゃ辛い」となりました。
確か三期は途中で脱落したんじゃなかったかな。

特にダメだったのがこの作品の肝になる部分の「オッパイ好き」の扱い。
構造としては“ダッシュ勝平”的なもので良く言えば王道、悪く言えば古めかしい系なんだけど、物語を進めてくウチに段々と「オッパイオッパイ言ってるが、実はそんなに好きではない?」と疑問に思うことがチラホラ。
そんなんね、男だったら好きなのは当たり前で、それとは一線を隔した常人離れして好きであるからこその設定なハズなのに、妙に素に戻るというか常識人ぶるというか…。
「テキトーにオッパイ叫ばせとけばいい」って雑さを感じる、一時期のあかほりさとる作品を見てるような気分。
「〇〇が好きすぎてしょうがない主人公」ってことならちょっと前にネジ好き少年が主人公の“ヘボット”ってのがありまして、あれに比べると好きさ加減はホント弱い。
あとは子猫がデレたことかなぁ、お陰で気持ち悪いキャラにジョブチェンジしてくれましたぞ。
それと英雄派か、末裔のクセになにご本人ぶってんの?ってのは結構キツい(ってか一子相伝なん?)。
まぁ英雄派だけでなく既存の神話や伝承モノをホイホイ出すのがアホ臭い、そういうのに頼らないと「コイツスゲーんだぞ」って表現できんのか。
他にも「う~ん」って点は多々あるけど割愛。

ってなことを思いつつ四期となる今作を見てて、感想も書く気無かったのですが──しまった、むしろ書いておけば良かったか。
5話、懸念してた「本当にオッパイ好きなん?」って問題が如実に表れることに。
ピンチになってエルシャに言われて「あ、自分はオッパイドラゴンなんだ」と気付くって…なんだそれー?
ひと時も忘れないくらい好きだったんじゃないのかよ、ってかだからこそ0話は狂気状態から戻って来られたんじゃないのか。
そこまで好きでもないのなら1話戻ってこれたのは別に大したことではなくなってしまう、逆に0話戻って来れたのを大したことだと扱いたいなら失念(言われるまで気付かない)させるなよと。
こう都合のいい時に設定を出したり引っ込めたりされるのって辛いんですよね…。
どうしようねこれ。

絵が変わってなければ今期見てませんでした。
変わったことで「ノリももうちょいマシになるかな?」と期待した訳で…う~ん、ノリは前からのまんまなのかねぇ?{/netabare}

7話で断念{netabare}
敵が手加減してくれる、都合よく誰かが助けに来てくれる、都合よく新たな能力に目覚める

萎える要素だけど、1個だけならまだしも3つ同時とは…数え役満って感じですかね。
前からそうだったけど、主人公は常に権威に守られてるのはホントもう止めた方がいいと思うぞ。
これ以上見ても文句しか出なさそうだし断念~。
3期まで見たんだけどねぇ…あ、3期も途中で断念したんだっけか。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

原作寄りになったらしい

制作会社がティー・エヌ・ケーからパッショーネに変更されたのに伴い、キャラデザも大幅に変更。原作のイラストに近いものに戻ったとか。

0話は前期が途中からオリジナル展開になったことで{netabare}アーシアが異次元に飛ばされたところから{/netabare}スタート。最初、間違ったのかと思った。そこから原作に沿ったストーリーに戻したようだ。{netabare}暴走したイッセーを鎮めるために、おっぱいドラゴンのうたを流してリアスの乳首を押すように促す。{/netabare}

前半は{netabare}リアス、朱乃、子猫を除くメンバーで京都へ修学旅行。セイクリッドギアの歴代赤龍帝の残留思念との対話。エルシャとベルザードがくれたものが鍵を握るはずだけど、なぜか周囲が性欲を思いのままにぶつけるように。九重の母八坂を取り戻すためにカオス・ブリゲードの英雄派と戦う。曹操たちとのバトルに負けそうになるも、イッセーはリアスを召喚し、乳首を押してパワーアップ。ベルザードが意外とお茶目。最終的に西海龍童(ミスチバス・ドラゴン)と初代孫悟空の助太刀で何とか退けた。{/netabare}

後半は{netabare}魔力がないせいで虐げられてきたが、鍛え上げられた肉体ひとつで戦うサイラオーグとのレーティングバトル。負けられない戦いだが、コリアナ・アンドレアルフスのストリップはさすがにどうだろう?結局、ブラジャーよりも先にパンツを脱ごうとしたことに怒ったイッセーに不飛ばされちゃう。最終決戦はレグルスを身に纏い本気モード(見る人によっては勇者王に見えるらしい。自分は聖闘士星矢だと思った。)のサイラオーグとイッセーの一騎打ち。負けそうになるし、歴代赤龍帝の負の感情に飲み込まれそうになるが、観客のおっぱいコール、歴代白龍皇の一人の協力、リアスへの想いにより、リアスに告白するついでにパワーアップして打ち破る。それと並行してイッセーがリアスを名前ではなく、部長と呼ぶ問題を解決する話も。愛し合うからこそ、しっかり名前で呼んでほしいですよね。「抱こうとする女をここまでしても、部長・・・?あなたにとって私は・・・」というリアスがサウナで良い雰囲気になりそうだったときに放った言葉が頭に残る。イッセーがそこに中々気づかないのは見ていて非常にもどかしいものがあった。気絶しても尚、戦い続けるサイラオーグ、イッセーとリアスの幸せなキス、昏睡状態だったサイラオーグの母が目覚めたことが印象的だった。{/netabare}

おっぱいドラゴンが人気者で、誇り高い赤龍帝が貶められているように感じ、咽び泣くドライグが印象的だった。そして、パイリンガル有能すぎる。
レイヴェルがハーレム要員に加わったのも嬉しい。そして、堕天しそうなイリナ可愛い。ゼノヴィアも好きだなあ。

前半と後半でOP映像が若干違う。

5期が楽しみじゃあ~

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2

58.9 9 京都で熱いなアニメランキング9位
眼鏡(OVA)

2009年8月20日
★★★★☆ 3.4 (22)
110人が棚に入れました
メガネっ娘を愛してやまない少年 銀縁めぐむ。ある日彼は、好みのタイプ直撃の少女、千里サツキと出会う。果たして彼は、自然な流れでサツキをメガネっ娘にすることが出来るのか!?ハートフルメガネコメディアクション!

maruo さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

眼鏡は顔の一部です B+

眼鏡キャラのベストを作ろうとしていてちょっと調べものをしていたら、偶然あにこれのこの作品のページがヒットしたので、物は試しと視聴してみることにしました。

眼鏡萌えの方にとっては「眼鏡なカノジョ」という作品が有名でしょうが、この作品はそれとは違い萌えではなくコミカルを前面に押し出したお話です。

物語は、
眼鏡っ娘オタクの少年が、眼鏡がとても似合いそうな女の子と出会い、何とか眼鏡をかけさせようとします。
しかし、彼女は眼鏡にトラウマを持っており、激しい抵抗にあってしまいます。
手を変え品を変え眼鏡をかけさせようとする少年の願いはかなうのでしょうか・・・
というものです。

物語は20分程度で、ギャグやパロディを交えて、非常にテンポ良く進んでいきます。
少年の異常なまでの執着が滑稽に描かれており、当初見ていて「そこまでやるか?」と思ったのが、そのうち「頑張れ!」という気持ちに変わってくるのが分かりました。
そして物語の最後はしっかりと落ちています。
ああそうきたか!と手を叩いてしまうこと請け合いです。
気軽な気持ちでサクッと見てみればきっと楽しめると思いますよ。

ただ一つ不満なのは、女の子に勧めていた眼鏡が私の好みのタイプではなかったことでしょうか。
学級委員長の娘が付けてそうな眼鏡の方が・・・いやこの話はもうやめておきましょうww

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8

color さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

メガネっ娘好きじゃなくても女の子には試しに一回かけてほしいという気持ちはすごくわかる

メガネっ娘のなにがいいって、そりゃフレームごしの上目づかいでしょ。
メガネをかけてないのならかけさせたいし、すでにかけているのなら外したい。
などというフェチ丸出しのアニメではありませんでした。

メガネっ娘を愛する少年が、同じクラスの少女(メガネっ娘ではない)に一目惚れしてしまい、どうにかメガネをかけさせようと奮闘します。少女にボッコボコにされながらも、同じくクラスメイトの女子から高次元のサポートを受け、真っ向勝負の偏愛を貫きます。

突然メガネをかけようとしてくる男なんて、変態以外の何者でもないんですが、それを容赦なく叩きのめす少女のメガネにまつわるエピソードが意外にしっかりしているので、観ている方もメガネをかけさせたいなと思いながら楽しめました。

本作は自主制作のCGアニメです。超短編形式の物語で、全編通しても約20分というコンパクトさ。パロディありホロリありの密度の高い作品が、ちょっとした時間にサクッと観れちゃうのは得した気分になれていいですね。

制作者サイト
http://www.iro-dori.jp/

ニコニコ動画(公式本編)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm7986823

投稿 : 2024/11/02
♥ : 14

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

眼鏡がいくつあっても足りないw

眼鏡そのものへのマニアも多いが、こちらは眼鏡っ子オタクの男の子と、
眼鏡に深いトラウマを持った女の子を主人公にした自主制作映画作品。

3Dで描かれるこの作品の舞台はどうやら京都?
眼鏡っ子なら誰でも良いというわけではなさそうなのだが、
一目惚れしてしまった相手にはしつこいほどつきまとい、
必死で自分の思いを遂げようとするその心理以上に、
アレルギーのごとく強烈な拒否をし続ける女の子のキレっぷりが面白いし、
男の子との大げさなバトルがかなり笑える。

個人的には眼鏡っ子より、眼鏡自体のほうに興味があるし、
彼は彼女のことを好きというより、眼鏡をかけさせたい!
って想いのほうが強いようなので、
彼の熱い想いは計り知れないのだが、
確信した想いをこの目で確認したいって気持ちにはすごく共感できた。

果たして、彼女は眼鏡をかける日がくるのだろうか。
答えは観てのお楽しみw

投稿 : 2024/11/02
♥ : 24
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