二重人格で覚醒なおすすめアニメランキング 3

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの二重人格で覚醒な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年04月26日の時点で一番の二重人格で覚醒なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

65.2 1 二重人格で覚醒なアニメランキング1位
BanG Dream! Ave Mujica(TVアニメ動画)

2025年冬アニメ
★★★★☆ 3.2 (181)
156人が棚に入れました
「言ったでしょう?残りの人生、わたくしに下さいと」 豊川祥子がメンバーを招き入れたバンド・Ave Mujicaは、 ライブやメディア露出など、商業的な成功を収めていた。 運命をともにすると誓った仲間も、生まれ育った家も失った少女。 彼女は何のために他人の一生を背負い、バンドを続けるのか。 過去も素顔も仮面で覆い隠し、今宵も完璧な箱庭に降り立つ。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

東京ギスドリ狂詩曲(ラプソディー)

【物語 4.0点】
狂っているが刺激的。先が読めないオリジナルアニメならではの展開。


世の中バンド音楽なんかじゃ解決できない問題もある。
問題なんて解決しなくても継続するバンドもある。

一生と誓ったバンドが長続きしないことなど日常茶飯事。
案外ギスギスして解散寸前なんじゃないか?って位のバンドが腐れ縁で続いたりもする。

柿本 広大監督らスタッフインタビューなどを拝見していると、
こうしたリアルのバンドの取材等で得た諸々(※1)
物語に仕立てるには毒が強すぎて、夢が無さ過ぎて、
キャラと推し活を大切にする2.5次元コンテンツでは憚られる。
音楽の力で課題解決していくバンド作品のテンプレにも中々フィットしない。

本作『~AveMujica』では、従来取り入れられなかったバンドあるあるを、
ここぞとばかりに自由に盛り込もうというスタッフの狂喜に満ちた信念を感じました。


象徴的だったのが第7話。
{netabare}RiNGの無観客ステージで行われたCRYCHIC(クライシック)の号泣“解散”ライブ。
私は率直に、あれほど皆が囚われ振り回されて来たバンドの呆気ない最期。
誰かに披露するパフォーマンスとしてはちょっと泣きすぎていたこともあって、
白けた気分にもなりました。が、白けたこの感情自体が新鮮でとても興味深いとも感じました。

運命共同体だとか言って誓って始めたバンドが、
多くの観客に看取られることもなく、凡庸なアマチュア学生バンドとして葬送される。
これもまた掃いて捨てる程あるバンドの現実であり、そこに踏み込んだシナリオは非凡でした。{/netabare}

対照的に第10話。
{netabare}復活したAveMujica。問題は何一つ解決していないし、
披露された歌詞世界の裏側には、初華の出生と過去にまつわる特大の地雷まで仕込まれている。
でもプロである彼女たちが奏でる音楽は一級品であり、その世界観は多くの観衆を魅了する。{/netabare}

バンドアニメにおいて、視聴者というのはメンバーの裏側を知り尽くした上で、楽曲を堪能できる特等席なのですが。
あのライブに限っては、裏を知れば知るほど、些細なメンバーの表情から色々察してしまい胃を抉(えぐ)られる、さながら断頭台。
記憶を消して、何も知らずにパフォーマンスを楽しんでいるモブの観客になりたい。
私が音楽アニメ観ていて、こんな感情を抱いたのは初めてです。



前作『~MyGO!!!!!』はキャラクターや展開の赴くままにシナリオをボトムアップしていくことで“迷子”を体現した脚本・構成。
対して『~AveMujica』は次々と課題要素をぶつけて、シナリオに負荷をかけて対応させていく方式。

その負荷は作中キャラクターだけでなく、スタッフにも及び。
立ちはだかった要素に対して、この脚本はどうだろうと、
毎話脚本(ほん)を書いては捨ててを繰り返したのだとか(※2)

『~MyGO!!!!!』と『~AveMujica』はプロット構築の面でも真逆でしたが、
やはり本シリーズは2作セットで対比しながら楽しむ作品。
想定以上にマイゴメンバーも絡んで来ましたし、
『~AveMujica』は想像以上に『~MyGO!!!!!』2期でした。
マイゴも新曲ありましたし。

ムジカメンバーにも脚本にもプレッシャーを与える制作方針により、
何かに負われる切迫感が視聴者まで伝わる高ストレスな内容が毎回継続。
SNSでは毎回トレンド入りし熱狂された本作ですが、地上波先行配信を行ったAbema含めて、
各サブスク・配信プラットフォームの再生ランキングは案外、低位。

賛否両論も含めて、リアルタイムで、つい色々と語り合いたくなっちゃう。
ここもオリジナルの醍醐味でした。


ラストもスッキリしたとは正直思いません。
ですが問題を内包したまま突き進むAveMujicaにはいっそう価値を感じました。
制作決定した『~MyGO!!!!!』&『~AveMujica』の続編。
私も首を洗って待望しています。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・サンジゲン

基本は3DCG。エモーショナルなカットには手描きも挿入する前作からの方針を継続。
問題だらけの現実を塗り替える虚構で客席の“共犯者”を夢に誘う。
ゴリゴリ世界観メタルバンドのAveMujicaのパフォーマンス映像は全体的に高圧力。

一方で時に変顔同然に、狂おしいくらい心情を発露させる表情描写も上々。
祥子/オブリビオニスの過去と事情が一気に開示される初回から、
あの時の彼女の表情の意味は、そういうことだったのかと、描写の濃密さに惹き込まれます。

私は特にパフォーマンス中に、睦/モーティスの表現力と交錯、対峙、自己嫌悪しながらも、
食い下がっていく、にゃむち/アモーリスの苦虫を噛み潰したような表情がお気に入りです。


東京・池袋界隈など、聖地巡礼欲求が高まる背景美術も相変わらず。
本作では終盤、{netabare}初華と祥子の幼少時{/netabare}の重要スポットとして、瀬戸内・小豆島も登場。
小豆島は『高木さん』の舞台でもあるので、いつかか行かねばという使命感がいっそう高まりました。
ただし、私も{netabare}赤羽警察署{/netabare}だけは行きたくありませんがw


【キャラ 4.0点】
ギター&ボーカル・三角初華 / ドロリス (CV.佐々木李子)
ギター・若葉睦 / モーティス (CV.渡瀬結月)
ベース・八幡海鈴 / ティモリス -(CV.岡田夢以)
ドラム・祐天寺にゃむ / アモーリス (CV. 米澤茜)
キーボード・豊川祥子 / オブリビオニス (CV. 高尾奏音)
(以上 敬称略)

祥子が始めたAveMujica。彼女が主役と思いきや、
エンドロール先頭にクレジットかつ、ナレーションを務めるのは初華。
メンバー全員、心にも仮面を付けた二面性を有していますが、
虚構で現実を塗り替えたいという一番願っていたのは初華だったのかな。
と最後は納得させられました。

この回は、このキャラ回。残り数話で、あのキャラ回まだだから、シナリオはこういう配分で着地する。
こんな2.5次元物の文法など端から無視。
特に{netabare}多重人格{/netabare}を抱えた睦が他を圧迫する勢いで肥大化する、
推しを平等に楽しみたい層にはストレスフルな構成。

ただ“カップリング”要素の燃料補給は豊富だった印象。
MyGO!!!!とAveMujica。バンド横断カップリングネタも美味でした。
中盤、{netabare}“そよ・ザ・デンジャラス”と“マスク・ド・オブリビオニス”が路上で取っ組み合い{/netabare}を始めた時はビックリしましたがw

私は特に、バンドマネジメントの辛苦を共有する海鈴と立希。
{netabare}立希が「海鈴、本当にムジカやってたの?」と急所口撃し、「何が言いたいんだよ……」と海鈴の敬語を崩す{/netabare}など、
“うみたき”には可能性を感じるので、続編でも掘り下げて欲しいです。


【声優 4.5点】
ライブ活動を兼務する。時にライブパフォーマンスがメインで声優は初心者のキャストもいる。
2.5次元物において、声優評価は渋くなりがちな私ですが、
本作については各々のキャラの二面性も見事に表現していたと高く評価したいです。

祥子役の高尾 奏音さんや、初華役の佐々木 李子さん辺りは声優キャリアも積んできて安定していましたし、
睦/モーティス狂気の{netabare}一人13役{/netabare}をこなした渡瀬 結月さんも複雑な演技に好対応していました。

特筆したいのはドラマーメインで本作が声優初挑戦となった米澤 茜さん。
初心者の自分は台本片手に演じていては表現しきれないと、
毎度セリフを丸暗記してアフレコに挑んだというエピソードが衝撃的。
理屈は分かりますが、それを本当にやってのけてしまう。
上手い下手以上に、チャンスの前髪を引き千切る勢いで掴んで来る。
夢を切り開く人はこういう方なのだなと、
{netabare}九州弁{/netabare}の熱演も含めて、ガッツに圧倒されました。

和み要素となったのが海鈴役の岡田 夢以さん。
抑揚をセーブした口調で{netabare}「私も綺麗な顔してますから」{/netabare}。ツボりましたw
海鈴は面白い娘なので、今後もネタの追加供給を望みます。


何より癒やしとなったのが、MyGO!!!!!・愛音役の立石 凛さん。
前作レビューにて私は、抑揚のない陽キャという難役という部分で、苦言も呈してきましたが。
今作の愛音は突破力があるキャストの演技も含めて太陽でした。
前作低評価して悪かったと反省すると共に、今作の陽キャ供給に感謝致します。


【音楽 4.5点】
AveMujica。ヘヴィメタル、シンフォニック・メタルを追求。

キーボード担当した祥子役の高尾 奏音さんはピアノジュニア国際コンクールで
グランプリ歴もある声優界最強クラスのピアノガチ勢。
キャスト判明した時は、ついに弾いてくれるかと興奮が収まりませんでした。
リアルライブでは、弾けるのは当然とばかりに、微笑みながら鍵盤見ずにキーボード2台演奏、
光を求めるように月に向かって手を差し伸べる、深々とお辞儀するなどパフォーマンス面でもムジカを体現。

ドラムの米澤 茜さん。にゃむちの豪快な両利きドラムは、キャラではなくキャストからの逆輸入設定。
キーボードやドラムが暴れまくるムジカのライブ映像は半端ないです。
初回TV放送後、配信されたOP主題歌「KiLLKiSS」の4thライブ映像。
凄すぎて何度も見ています。

メインギター&ボーカルの初華役の佐々木 李子さん。
幼少から舞台で実績を積んで来た方。
あにこれ民にとっては『かげきしょうじょ』“エトワール”山田彩子役として印象に残っている方も多いのではないでしょうか。
故に、ロックにしては、かなり歌劇調ですが、世界観をゴリ押す同バンドにはマッチ。
しばしば「命を懸けている」とムジカへの覚悟を語る彼女。
私も刺し違える覚悟で受け止めたいものです。


同バンドデビュー以来、ほぼ全ての楽曲で作詞を担当している元・SOUL'd OUTのMC・Diggy-MO'氏。
最近は作曲領域にまで踏み込んで来ており、ムジカへの関与を強めています。
本作提供曲も聖書を想起させるフレーズが散りばめられますが、
決して外連味を狙った粉飾などではなく、熟考して幾重にも練り上げられた重厚な世界観であることが、
例えば、同氏によるミニアルバム「ELEMENTS」全曲楽曲解説などからも窺い知ることができます(※3)



【参考文献】(※1)Febri/監督・柿本広大が振り返る『BanG Dream! Ave Mujica』制作舞台裏

(※2)アニメイトタイムズ/衝撃的な展開の続くTVアニメ「BanG Dream! Ave Mujica」。柿本広大監督が明かす、第9話までの制作の裏側。そして気になるAve Mujicaのこれから【ロングインタビュー】

(※3)音楽ナタリー/楽曲を手がけるDiggy-MO'が語る!「BanG Dream!」発のヘヴィメタルバンド・Ave Mujicaの世界



以下、初回興奮して今後の展開を予測するも見事に的を外した感想w

【#1~#3先行上映会感想】初回から呑み込まれる

長いので折りたたみ
{netabare}
何かスゲーもんを見せつけられたなという感想が残りました。
公開初日、3話まで劇場鑑賞で観終えた夜、私は興奮して中々寝付けませんでした。
TV放送前でもあるので、極力ネタバレを回避しつつ、この整理できない私の感情も含めて言語化していきたいと思います。


こういう作品を観ると、つくづくエンタメ消費というのは残酷な趣味で、
ミュージシャンや声優まで含めた、広く芸能人というのは己が才能や、技術、プライバシーまで消費者に切り売りする、心身を削る過酷な職業なんだなと思い知らされます。

消費者は、私も含めて、芸能人自身が見せたくない物ほど見たいし、
やっちゃいけないことほど、やられると狂喜する。
芸能人はまさに国民の玩具、“お人形”なのです。
そして、お人形は飽きたら捨てられ、また次、次と消費者の欲求は留まるところを知りません。

その無限の欲望の坩堝(るつぼ)に身を投じる芸能人は、
自分のどこまでなら差し出しても自身を壊さずに済むか、
日々ギリギリの駆け引きを行っているのだと思います。

熟練した芸能人ならば、消費者との駆け引きも手慣れたものでしょうが、
経験不足の若手となると技術のみならず、自分の出し入れも未熟で、
時に自分の支柱となる致命的な部分まで差し出してしまい自壊してしまう。
近年、声優さんも含めて、若手芸能人の
精神疾患による活動休止などが相次いでいるのは、
仕事量のコントロールも含めた、自身と消費者との折り合いの問題も一因なのでは?と私は邪推します。

では、この心身を切り売りする芸能活動は残酷だから、
もう一切止めたほうが良いのかと言うと、そうでもなく。
消費者に何をどこまで差し出すかというギリギリの勝負の中でこそ、
覚醒する才能もあるわけで、捨て難い物があります。


何を長々と自説を垂れ流しているのかというと、
本作はAveMujicaバンドメンバーの本性を暴き出す内輪の“ギスドリ”仮面舞踏会(マスカレード)に留まらず、
作品を視聴し消費する我々が秘める残虐性をも指弾して来る危険物だと言うことです。

鑑賞中、私は、昔の映画だと『ブラック・スワン』、近年だと映画『エルヴィス』、
あとは秋元系のアイドルグループで私が唯一推していた欅坂46が、
平手一強の笑顔を見せないアイドルとして、暗黒方面に覚醒し、ぶっ壊れていく過程などを思い出しながら、
コイツはとんでもないアニメだなと放心していました。


AveMujicaを立ち上げたオブリビオニスこと豊川祥子(さきこ)も、
未熟な少女たちがプロとしてやっていく過酷さは重々承知しており、
プロデビュー後も芸能マネージャーなどの他人に管理を委ねず、
祥子がAveMujicaを自分自身の居場所として守り抜くためのリスクマネジメントも周到だったはずでした。

が、これも初回(※核心的ネタバレ){netabare} 成り上がりのため売名を急ぐ、にゃむ(アモーリス)により、ゴシップによるプライバシーの買い叩きから自分たちを守る防具でもあったマスクが剥がされ、{/netabare} あっけなく箍(たが)が外れ、
AveMujicaもまた祥子の手を離れ、消費者の熱狂の坩堝に呑み込まれていくのです。

前作『~MyGO!!!!!』は不穏な伏線をヒタヒタ張って中盤以降、起爆する感じだったので、
リスクを察知しながら徐々にガードを固めていく感じでしのげましたが。
『~AveMujica』は初回から崩壊のカウントダウンが始まる感じなので、それでは間に合いません。

視聴の際は、初回からガードを固めて行くことをオススメします。


呑み込まれるぞ。{/netabare}

投稿 : 2025/04/26
♥ : 11

たナか さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

シンフォニー・オブ・デストラクション

バンドリ改めギスドリの真打、アヴェムジカ編。
ギスドリ1期のMYGO編見てないとイミフです。

ブシロもやっと商売が上手くなってきたなあ…とほっこり
爆死したD4DJのメンツがバンド組んだりとかで救済できませんかねえ

OP・ユーベルブラットOPに欲しかったのはこの厨二感、いいですねー
ED・同上。

リアルイベントビジネスのライバルはにじさんじやホロライブか。声優の卵を1年かけて育てたプロジェクトは全方位でクオリティが高く、ファン層を拡大していくのは間違いない。ほぼ素人に7弦ギターや5弦ベースを仕込む鬼畜のブシロード。しかしきちんとモノにしてるメンバーはさすが。

Gt.&Vo.ドロリス/三角初華
ギスドリの良心かと思えばただのヘタレ。相方は聖人。

Gt.モーティス/若葉睦
モーティスはただの邪魔者?彼女の救済はナシか

Ba.ティモリス/八幡海鈴
不動のメンタルってか大概なサイコパス、もしくは大人っていう表現なのか

Dr.アモーリス/祐天寺にゃむ
マジで社会性あるのこいつだけ、高1設定は完全に失敗

Key.オブリビオニス/豊川祥子
結局いつも誰かが拾ってくれる、やっと復活の兆し

07
え?モーティス終わり?まあ萌えアニメだしこれくらいでいいのか

1期の種まきがきちんとカタルシスになってていいのですが、やっぱMYGOが本気だすとエロゲみたいな痛々しさが厳しい。自分に酔いすぎ。初期の新海誠みたいなナルシズム。いやまあそれに酔えるのがアニメの良さですけどね、バンドリシリーズは本来ギャン泣きポルノではなかったので。長期シリーズだからこそのバリエーションでいいのですけど。

感情込み上げてるともりが全然まともに歌えてないの、実にいいですね。わざわざ別録までしてるのにそこをあえてキャラに言わせないし誰も触れない。楽器はともかくあそこで「おまえ歌えてないやん台無し」って流石ににゃむや海鈴でも言えないでしょう。こういうところがブシロアニメの良さ。いくらでもゲームで後付け補足できるからってのもあるだろうけど。

やっぱりどうみても上級国民サマのおままごとでしかないのだが、新海誠作品を観るようにピュアでイノセントなメルヘンマインドで観るべきでしょう。とくにMYGOはそうしないとあまりに痛々しすぎる。

海鈴にとってはムジカが参加バンドの最高位なので復活を望むのもまあそりゃそうでしょう。にゃむも同様に上昇志向ってだけでいい。

まだ7話でこれをやるなら、もう完全にさらなる絶望に突き落とす格好の前フリでしかない。しかし上げて落とす前フリにしては高度が高すぎてえらい角度になってしまった。祥子攻略完了、ラスボスは海鈴か、それとも…。

んでクライシックがなんと!!!!first take出演!!!!

いやーブシロさんビジネス上手くなったやん。アニメバンドをリアルイベントでやるのは真似されまくって独自性がなくなったイノベーションのジレンマ。アニメやゲームでバンドのバックストーリーを語れる利点を最大限に活かしたグレイトなアイデア。今は無きあの伝説のバンドがついに復活!をゼロイチでやれるマッチポンプ。アメージング!!!!これにはマジでやられた。これは誰も真似出来ないし、パクって二番煎じもシラけるだけで成立しない。んでリアルでも2バンド分で3バンド編成が可能。上手い、上手いなー。いやマジでD4DJのメンツもどうにか拾ってください。睦は7弦あってこそなのでMYGOやクライシックにはもったいない

アップの泣き顔だけ手描きなのはマジでなんなの、顔が幼すぎて萎える
そんなに豚をブヒブヒさせたいのか。まあマーケティングとしては正しいのかも

投稿 : 2025/04/26
♥ : 4
ネタバレ

芝生まじりの丘 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

客観的評価はさておきカルト的な中毒性があった

Mygoが面白かったので視聴しました。

客観的な魅力の面で十分優れているかというと疑問で、人に勧められるかと言うと考えてしまいます。

しかし、主観的な部分で言うと、アニメでこんなにしっかりリアルタイムで視聴して、毎日匿名掲示板でスレで喋って、と盛り上がったのは自分にとっては初めてで今後もおそらくないので代えのない作品でした。

匿名掲示板で他の人もカルト的だと言う風にこの作品を表現する人は多かったのでそのような体験をした人は自分だけではないのだと思います。

なぜこのようなカルト性が生まれたのでしょうか?

【作品のカルト性について考える】
一つには、mujicaというバンド自体のカラー、作品としてのカラーの影響があるかと思います。
放映途中に書いた感想でも書きましたが、mygoとmujicaではバンドとしての方向性と物語としての方向性が対になっているように思います。バンドとして、mygoはリアルな生活に寄り添うポストロックバンドで、mujicaは人形たちがゴシック趣味の舞台劇を演ずるヴィジュアル系バンドで、既にメジャーデビューも終えています。そして物語としてmygoは現実的な質感を非常に大事にした等身大のストイックなバンド物語(無論アニメ的なファンタジー要素は多く含まれるにせよ)であるのに対し、mujicaは猥雑でケレン味に溢れ装飾的でより規模の大きいグルーヴ感を与える物語を展開しました。
そのような作品、バンドとしてのカラー自体がカルト的な風土を作り上げる源泉を持っていたのだと思います。簡単に言えばmygoを見ると人は現実に目線のピントを合わせたい気持ちになりますがmujicaを見るともっと妄想と物語の海に溺れてしまいたいというような気持ちになるのです。

2つ目にはキャラクターの魅力の強い作品であることです。
このアニメの楽しみ方には何か大昔の東方とかのノリを思い出しました。強烈な個性を持った善とは言えないキャラクター群の魅力が先行し、本編のストーリー自体はややバックボーンにあるという点が似ています。
自分はソシャゲアニメをあまり見ていませんでしたがこれはもしかすると部分的にはソシャゲアニメの利点かもしれません。キャラクター設定がしっかりとファンが生まれるように作られている気がします。
ここには脚本の貢献も甚だしいです。8話の後半でそれまで影の薄かった海鈴を大して驚くべき描写をしたわけでもないのにすっかりキャラ立てしたのはなんだか感心しました。

3つ目には作り手側の何か真剣さがあったのかもしれません。ネットでは脚本家と監督がトラブっているのではないかという噂もありますが、作品を通じてそんなぶつかり合いが起きるのはある意味妥協がない証拠です。人が喧嘩になるまで通そうとするような意思の漲りが作品に浸透しているかもしれません。カルト的なものを作るにはまず、作り手側が信仰を、心血を犠牲に捧げなければならないと思います。

4つ目には間接表現・象徴表現等の多用です。この作品には余韻や解釈の余地を残すような表現が細かく大量にあり、それらが自分の中でアニメを反芻させることを強要したり、人と解釈を共有しあったりということへとつながります。

【ストーリー的な瑕疵】
ストーリーには客観的に勧められない点、期待を超えない部分もありました。
一つ目は思ったほどクレイジーな展開がラインを超えなかったことです。個人的には作品はもっとバッドエンドに陥ってもよかったと思います。バンドメンバー全員がメンバーの誰かの発狂で死んでしまって夢の中でライブをやって終わるとかそういうレベルのぶっ飛び展開でもよかったかなとか。
作品自体はケレン味に溢れている風なのに全体のストーリーとしては最後はサクッとわりと落ち着くところに落ち着いていてそこにミスマッチのような感じはありました。ただこれは勝手な期待というものだったかもしれませんが。
2つ目は色々な要素に手を出している反面展開がとっ散らかって全体の統一感がなかったり一つ一つが十分深掘れていないことです。ケレン味と言う言葉を使いましたが作中では視聴者の気を引く問題、サスペンスがあれこれ湧き起こりますが大概が消化不良で終わってさらに次の問題へと進んでいくという感じがありました。深掘りできたポイントは無限にある気がしていてなんだか勿体無い気分ではありました。
逆にありえたかもしれないifストーリーとかを考えるのは楽しい話ではあります。
色々そういうもやもやが残る分思考の余地が広がっているというのもカルト要素かもしれません。

【祥子のわかりにくさ】
主人公的立ち位置にありながら、この作品で一番心情がわかりづらいのは豊川祥子だと思います。彼女がなぜmujicaを作ったのか、彼女がなぜバンドの音楽性に固執するのか、なぜmujicaのようなスタイルのバンドを考案したのか?彼女がなぜ時に光のような存在であったり、時に辛辣で嫌味な人間になったりするのか、そこに明確なわかりやすい回答が与えられていないように見えます。それは「ベースの脚本に無理があるから」という風に片付けることもできますが、そこに解釈可能なバックボーンを導く楽しみもあります。
この作品にはなんかそういう、ことについてこじつける余裕が残されています。チェーホフの銃、オッカムのカミソリの反対に、ここには不要な象徴に溢れているので。

【忘却/オブリビオニスについて】
{netabare}
忘却と責任という対比があります。人は何か失敗体験を得た時、苦しみから逃れるためにその忘却を望みます。トラウマをフラッシュバックすることなど、求めません。しかし失敗の後も世界は続きます。たとえ消えてしまうものにも後始末は必要です。後始末の義務こそが責任です。CRYCHICで祥子は自己の事情でバンドが続けられなくなったとき、それを無責任に破棄しました。CRYCHICには後始末がなく、断絶と忘却を祥子は求めました。しかし、結局忘却には綺麗な後始末が必要だったのです。祥子は忘却することはできず、それを叶えるためにmujicaが生まれました。この誤った後始末はむしろ問題を広げました。CRYCHICの再演は、祥子にとってCRYCHICの問題の後始末になりました。だから祥子はもうmujicaを続ける理由はありませんでした。mujicaをやめれば、全く別の世界に羽ばたいていき、CRYCHICのことなど忘れてしまったでしょう。しかし、mujicaを始めた責任が、後始末が残りました。そしてそれは一生という重みでした。責任を取り、後始末をすればmujicaのことを忘却できるでしょう。しかし、その責任を取るには一生がかかります。一生をかけた忘却というのはもはや忘却ではありません。そしてmujicaが終わらず、忘却されないことでその因果の根本にあるCRYCHICもまた永遠になるのです。
つまり祥子はとても忘却が不得意な人間でした。

この物語自体には後始末のない多くの事柄が残っています。それゆえにこの作品は忘却されず、永遠となるのです。
{/netabare}


【視聴途中時点での感想】
1話の感想
{netabare}
素人の第一印象としては前クールで丁寧につくりあげていた祥子のヒールとしての姿や秘密を用意する仮面という舞台装置を早々と解体してしまうことは勿体無いような気がした。
例えば、秘密が露見する前に仮面を被った祥子と長崎そよ等が対話するようなサスペンス溢れる場面ををいくらでも作り上げられただろうし、ヒールとしてもうすこしヘイトを高めてから悲しき過去を放ちカタルシスを生み出すことも可能であったはずだという気もした。


ただ、逆にあくまでそれらの既存の道具を引っ張るのでは期待を超えない作品になるので、そうではなく今作としての物語をきっちりと作っていることの現れであるとも感じた。
正直、貴族の貧乏人への没落というネタだけでは今どき使い古しで弱いのでそれで終わるより、そうしたことはあくまで舞台背景の一つにすぎないというスタンスもそれはそれでありである。

今後に期待です。
{/netabare}

7話までの感想
{netabare}
7話までで前半の一区切りと思われる。

思い出補正かもしれないが今までのところストーリーとしては前作の方が優れていると感じる。本作とmygoは関連性は強いがそもそものストーリーのテーマカラーが少し違っており、その差異はバンドの音楽性の違いに象徴されるように思う。

Mygoはポストロック的な音楽を基調としており、生々しさと繊細なモダンさを音楽で打ち出していた。そしてストーリー上も剥き出しの生生しさと繊細なモダンさを基調としていた。
一方でAve Mujicaはゴシックな古風な西洋の人形劇を模したヴィジュアル系とかコンセプチュアル・バンドとでもいうべきジャンルだ。そしてそのストーリーもMygoとは逆にどぎついカラーのヒロイックなものだ。

Mygoでは優等生の失敗や去勢、発達障害の周囲とのズレといった現代的でリアリティのある設定・テーマを取り上げた。一方でAve Mujicaでは古典的で味の強い設定が多用される。飲んだくれでどうしようもない父親、法外な経済力を持つ家の娘、二重人格障害、有名人の娘、人気スター、といった一般人とはかけ離れた世界の人が取り上げられる。筋立てとしても7話で祥子が睦の家に参り帰らないシーンなど何か中世の話でも見ているかのような古典的な匂いを感じる。そして登場人物の行動に何かギクシャクとしたぎこちなさを感じるのはあたかも人形劇のようだ。人物の裏の感情が深く読み取れて「彼女なら正しくそうするだろう」と思うようなことがない。
そして、この味の強い、アゴーギグを効かせたスタイルというのは何かもっとうまく消化することもできるように感じる。こういうケレン味の強さはある種、ウテナとかレビュスタに通じるものがあると思う(Ave Mujicaのバンド性自体がレヴュー的な舞台芸術に似ているのかもしれない)が、それらの方がそういうテーマを扱うということにかけてはうまくやれていた部分があったのではないだろうか。

その消化を妨げているのはもしかしたらMygoの系譜の関係にあるかもしれない。絵作りのリアリティラインとかそういう作品のコンセプト的な部分で微妙にMygoを継承している部分があり、そのリアル志向な部分がストーリーのケレン味とズレを産んでいるかもしれない。

ただとはいえ見ていて面白いことは事実で今後も期待して視聴します。
{/netabare}

感想追記
{netabare}
この作品でおそらく語られない興味深い事柄はこの味の濃い舞台劇という世界観を生み出した祥子の創作性の源泉である。女子高生が文化祭の影響でCRYSHICを始めるというのはわかるが、Ave Mujicaを始めるというのは何か別の相当な主張があるのである。朧げにそのことはストーリーにも現れる。「作りたい作品を作ることにこだわる祥子」と「ゲストの期待に応えることを重視する若麦」という対立が序盤にうっすらと描かれるのがそれである。にゃむちがここでゲストの期待に応えることを重視する、というのはとても得心のいく事柄である。彼女はYoutuberであり、成功を貪欲に望むタレントの卵なのだから。だが祥子は?確かに、人形劇の世界観重視の独特のバンド活動で自ら脚本を書き、曲を書く奔走ぶり、プロデュースへの努力や仮面への執着からは(睦への配慮もあるにせよ)彼女のこだわりが窺える。だがその彼女の創作へのこだわりは物語の中では完全に背景化され、決して語られない。
そもそも彼女がなぜバンドをまた始めたのか、という理由もあまり語られない。「つらい現実からの逃避のため」というのが一応彼女のバンドをやる意味だと説明されがちではある。だが親が飲んだくれ、バイトと学生に忙しい人間が逃避で奔走してバンド活動を始めるのだろうか?まだ少しの隙間にyoutubeを見たり何かをやるというならわかるがそうしたこととは違うのである。
それを外しているのは脚本の穴であるようにも思うが、それを語られないが存在するものとして捉えることができるなら少し楽しみにもなるかもしれない。
{/netabare}

投稿 : 2025/04/26
♥ : 1

88.0 2 二重人格で覚醒なアニメランキング2位
機動戦士ガンダムSEED[シード](TVアニメ動画)

2002年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (2012)
10303人が棚に入れました
コズミック・イラ(C.E.)70年に「血のバレンタイン」の悲劇によって引き起こされた、ナチュラルを代表する地球連合軍(O.M.N.I.Enforcer)とコーディネイターを代表するザフト軍(Z.A.F.T.)の緊張は頂点に達しやがてコーディネイターのみからなるスペースコロニー国家「プラント」は、ナチュラルの国家群からなる国際機関「地球連合」に対し独立を宣言し、戦争が始まる。\n中立国オーブのコロニーヘリオポリスで平和な学生生活を過ごす学生だったキラ・ヤマトは、ザフト軍の襲撃に際し秘密裏に製造されていたモビルスーツストライクガンダムに乗り込み、撃退する。軍の最重要機密に触れたという理由で拘束されるが、その優秀なパイロット能力などから、人員不足のアークエンジェルにおける主戦力として、ストライクのパイロットを務めることになり、激烈な戦火の中に身を投じていくこととなる…。

声優・キャラクター
保志総一朗、三石琴乃、桑島法子、子安武人、豊口めぐみ、高戸靖広、井上隆之、白鳥哲、鳥海勝美、渋谷茂、千葉一伸、大川透、宝亀克寿、石田彰、摩味、関智一、笹沼尭羅、関俊彦、川津泰彦、田中理恵、西川貴教、進藤尚美

偽ニュー隊長 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

宇宙世紀シリーズしか認めない人でも

SEED前後のガンダム作品は宇宙世紀シリーズとは異質の物が多い。
宇宙世紀シリーズ以外認めないなんて人も結構いるのではと思う。
(私もGなど設定読んだだけで嫌悪感が)
ガンダムSEEDはそんな人にもお勧めできる。

私も最初は、ガンダムが5体も出てくるのかよ、とか
美男美女の話かよ、と思っていた。
この当時のガンダム(W以降)作品は女性視聴者獲得のため
イケメンが数多く出てくるのは否定できない。
そして、やたらと「ガンダム」が強い。
ガンダムはロボットではなく人だろ?と今でも私は思っている。

そんなマイナスイメージしか持っていなかった私ではあるが
視聴開始すると同時にマイナスイメージは吹っ飛んだ。

物語の本質は初代ガンダムを髣髴とさせる。
戦争の残酷さや過酷さ、お互いの主張のぶつかり合い。
そして戦争に対する心の葛藤。
見始めは初代ガンダムに似てるとさえ思わされた。

「ナチュラル」vs「コーディネータ」という図式は
ファーストの「地球人」vs「スペースノイド」のそれに似ている。
まさに、初代ガンダムを現代風にアレンジした作りになっている。

初代ガンダムファンには嬉しいシチュエーションが盛りだくさんだ。
宇宙世紀以外にアレルギーのある方はこれを観れば
少しは抵抗がなくなるのではと思う。

また、作中の音楽がすばらしかった。
OPのインヴォークを始め名曲が多い。
暁の車はその中でも特にいい。

作画は当時にしてはがんばっていると思う。
それまでのCG作品は違和感たっぷりだったが
これはまあまあだったといえる。
使い回しが多いのは目をつぶろうw

まだ、見てない方や宇宙世紀シリーズ以外認めないって方
是非1度ごらんあれ。


と、まあ色々書いてきたが
つまり、何が言いたいかというと

当時、カガリとラクスでどっち派なんて言ってたもんだw
私はカガリ派(`・ω・´)キリ

投稿 : 2025/04/26
♥ : 26

蒼月 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

歴代アニメで堂々1位。

賛否両論あるみたいですが、私の中では歴代アニメ第1位ですね。

ガンダムの戦闘シーンはたくさんあり楽しめるし
友情や恋愛、人間関係なども深く考えてあり
青春期の主人公のもどかしい気持ちに感情移入もしやすかったです。

なんと言っても主人公のキラが強くかっこいいです。
キラが物語が進むにつれ成長していく姿も必見です。

私が見てきたロボット系のアニメは大体どこかがぬけてる(恋愛系が納得いかないものが多い)んですが
SEEDに関しては恋愛、友情、感動、涙、もどかしい気持ち、戦闘シーンなど、すべてにおいて完ぺきだと思います。

みだしたら止まりません!
全力ですすめたいアニメです。

投稿 : 2025/04/26
♥ : 9

大和撫子 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ガンダムシリーズで最高傑作

批判もかなり多い作品ですが、キャラの魅力さ、MSの格好良さ、シナリオ、戦闘シーン、恋愛要素、音楽どれをとっても私はガンダムシリーズの中で一番良かった作品だと思います。
実際アニメ―ジュなどのランキングでもいろいろな部門で1位や上位ランクを獲得しています。
とくにSEED覚醒は見ていて楽しい演出です。
しかし、これほど賛否両論になるのも珍しい。
好きな人は絶賛してるし、嫌いな人はとことん批判してますから・・・。

投稿 : 2025/04/26
♥ : 16

73.2 3 二重人格で覚醒なアニメランキング3位
はねバド!(TVアニメ動画)

2018年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (510)
2016人が棚に入れました
運動神経抜群だが、なぜかバドミントンを避ける1年生「羽咲綾乃」。
日本一を目指し、日夜練習に明け暮れる3年生の「荒垣なぎさ」。

部を支える仲間やコーチ、そして個性溢れるライバルたち。

インターハイを目指す、県立北小町高校バドミントン部の軌跡を描いた、マンガ「はねバド!」(濱田浩輔/講談社『good!アフタヌーン』連載)が待望のアニメ化!!

超高速で舞う羽根(シャトル)に想いを乗せて、青春バドミントンストーリー開幕!!

声優・キャラクター
大和田仁美、島袋美由利、三村ゆうな、小原好美、伊瀬茉莉也、茅野愛衣、下田麻美、櫻庭有紗、岡本信彦、小松未可子、大原さやか

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

バドミントン廃人(ジャンキー)集まれ!?(原作の「オカシイ人たち」キャラを先取りした序盤の構成→8話: 原作を知っていると「綾乃はああでなくちゃ」と思う自分がいる(笑)

原作コミックスは既刊13巻で継続中。

今のところ高校のバドミントン部の話ではあるのですが、おそらくマンガの作者はそこに留まらないもっと先まで描きたいんじゃないかと勝手に思っています。

第5話を終わった時点で原作では1巻相当部分が終わり、2巻目の内容に差し掛かっている感じです。

が、各所で声が上がっている通りアニメと原作で序盤のストーリー構成が変更になっていますね。原作1、2巻目辺りだと主人公の羽崎綾乃(はねさき あやの)はさておき、コニーは第5話でのお風呂の場面で見せたようなもっと柔らかい感じのキャラクターでした。

原作だとインターハイに入った辺りから、綾乃も含めてバドミントンのこととなるとちょっとオカシイ人たち(バドミントンのせいで人間関係まで歪む)が軒並み出てくる感じなので、アニメではそういった空気を先取りしてこのような構成にしたのかもしれません。

私はこの原作独特の空気は好きなんですが、本作はいわゆる「爽やかスポ根」ではない気がしますのでアニメの方で人気が出るかは良くわかりません。なぜかOP/ED主題歌は「爽やかスポ根」に合ってそうな感じなのですが。

良くも悪くもそういった「オカシイ人たち」の歪んだところを早めにぶつけてきた感じがします。アニメ化話数から考えた尺の問題でそうしたのだと思いますが、吉と出るか凶と出るか…。

2018.8.6追記:
第6話まで視聴。尺の関係でいくつかの試合内容をカットするにしても原作では複数だった理子ちゃんの試合がひとまとめにされてしまって、扱いが雑で可哀想…。

2018.8.20追記:
第8話まで視聴。とりあえず「足長おじさん」関連エピソードは全面カットってことですかね。綾乃の態度悪さは、原作でもあんなものだったような気がします。

そんなちょっとオカシイ綾乃やコニーが意外と好きな私はきっと少数派なので、アニメ単体でみた場合のセールスは悪そうです…。

2018.9.3追記:
第10話まで視聴。原作のヴィゴ(足長おじさん)はアニメに出てこないことは確定的ですね。ヴィゴのいくつかの役割は、アニメでは羽千夏(うちか)さんが肩代わりする?

なぎさが「普通のスポ根主人公」をやっている横で、綾乃と羽千夏さんの関係はアニメではどう決着させるのでしょうか…。

2018.10.1追記:
第12話(最終回)まで、無事に完走。羽千夏さんが原作のヴィゴの役割をいくつか肩代わりするのは予想通りでした。

EDの背景が通常EDと違って最終回スペシャルでしたね。

2期目を作る気はない感じのアニメ・オリジナルな最終回でしたが、「1クール完結のアニメ作品」と割り切って考えると良かったのかなと思います。ただまあ、原作は原作で面白いのでこのまま読み続けると思いますが。でも、「原作はスッパリ読まない」っていうのもアリかと思いました。

面白かったです。

投稿 : 2025/04/26
♥ : 51
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

なぎさ可愛いよなぎさ

2018年夏アニメ。全13話。
漫画原作。未読です。

高校のバドミントン部を舞台としたちょっと重い雰囲気の青春スポーツもの。長身で攻撃を得意とする努力型のなぎさと、小柄で防御を得意とする才能型の綾乃のダブル主人公で物語が進行します。
アニメはクオリティが高いけど思ったより癖の強い作風ですね。原作とはだいぶ変更されているようです。

声優さんの演技とても良かったと思います。
試合シーンの躍動感のある作画とカメラワークが素晴らしく、ドラマ部分の重さと爽やかさをよく演出できていたのも良かったです。
OP、ED、音楽もとても良かった。使われ方にも違和感が無くて好きでした。

【良かった点】
{netabare}
女子メインだろうなと思って見始めたけど、思ったよりも男子にもスポットを当ててくれてそれも良かった。葉山くん好きです。
立花コーチと太郎丸先生もすごく好きでした。


とにかくなぎさが可愛かった…いや、もしかしたら変だと思われるかもしれないけど、私は頑張るなぎさが一番可愛いと思ったし応援してました。
自分の弱さを知るなぎさと、母親への依存から自分の心を直視できない綾乃。この二人を本筋に据え、最後にはなぎさが成長し綾乃をアスリートとして引き上げたのが一番好きな点。
第1話で「何のためにバドミントンをやるのか」という主題がきちんと示されていて、それが一貫されていたのもとても良かったと思います。

対等な相手とは言葉よりもバドミントンでこそ自分の気持ちを伝える、というのが凄かった…色んな意味で。
支えてくれる人達がいてくれないとバドミントンには打ち込めない。でもコートに入れば誰も入っては来られないし助けてはくれない。そして対戦相手はいても、本当に戦わなければならない相手は自分自身。
スポーツアニメとして納得行く描写が貫かれていて、複雑な感動があって良かったです。


試合に勝つことで自分に勝ったなぎさに対して、綾乃は負けて自分を見つめ直した。
綾乃が負けたくなかったのは、母親に置き去りにされた切欠になった薫子、母親を奪われたと感じるコニーの二人。ですが、母親のことに関係無く勝ちたいと思った相手はなぎさが初めてだったと思います。
対戦相手として、精神的には先輩としてコートに立ったなぎさは最高に格好良かったです。
なぎさに「打とうよ!」って言う綾乃は、あれたぶん甘えてるんでしょうね。小さい頃に母親と打っていたのと同じ気持ちなんだろうなと思うとちょっと可愛い…かも?

コニーや薫子と綾乃の話。この二人とのエピソードは綾乃の精神的な成長に必要で、重かったけどそれぞれ良かったと思います。
特にコニーとの最初の出会い。あの時点で綾乃は「勝って部の皆の役に立ちたい」と思っていて、あのままだったら母親から部の仲間へと依存先が変わるだけだったでしょう。
ただ先に煽ったのはコニーとはいえ、再開した時のエピソードが少し可哀想だったかなあ…と思ったら、ラストシーンでほえほえのキーホルダーが綾乃の鞄に付いているから、和解してるのですね。良かった。


メイン二人だけでなく、部内の描写も面白かったです。
なぎさは自分は綾乃に才能で劣ると思っていて、でも理子はなぎさに対して同じことを感じているのも描写されていて良かったです。才能の有無はある意味相対的なもので、確かに才能に恵まれる選手はいますけど、人それぞれ伸びる時期や適した環境があるのも事実ですし。
葉山くんにしても理子にしても、身近に手の届かない相手がいても腐らなかったことは本当に凄いことだと思う。{/netabare}


【気になった点】
{netabare}
ずっと綾乃がキツイ態度を取っていたのがちょっと良い気持ちにはなりませんでしたし、なぎさが荒れていた時と綾乃が病んでる時とでは部内の反応がかなり違っていたのも気になりました。

お母さんももう少し良い描き方があったんじゃないかな、とは感じました。二人にとってバドミントンが命であることは理解できるけど、ほとんど悪びれもしないのは流石に綾乃が気の毒だなあ…。
コニーの態度からしてお母さんはコニーも同じ育て方をしたのだろうし、お母さん自身は何も反省してないじゃんと思ってしまった…{/netabare}


描写次第でもう少し気持ち良く終わらせられたと思うのでちょっとお勧めはしにくいけど、全体的にはとても良かったと思います。
(2018.10.18)

投稿 : 2025/04/26
♥ : 29
ネタバレ

どどる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

性格が良くてもスポーツは強くならない

性格が悪いからってスポーツ強くなるわけじゃないですが(周囲の関係を考えると性格良い方が有利な気も)、このアニメーションにおける上位選手の性格の悪さとはつまり、
・能力が高いために状況が理解できてしまって冷笑的
・負けん気が強すぎてツンデレ的
・強さに価値を置きすぎて、他のことの優先順位が低い
こういった、現実にもあるパターンの誇張です。

自分がそのジャンルにおいてたかが中間50%程度の人間でも、下位20%の人が間違った努力をしているのは分かってしまうものです。
お勉強、スポーツ、全てにおいて完璧か最低で、人生において常に一方的な視点しか持てなかった人以外は、キャラクターの心理的な動きに自分の感情を重ねることが出来るのではないでしょうか。

あとは単に性格悪いキャラ好きな人もオススメです。
私はどちらかというと、このクチです。
{netabare}
8話で足を組くんでなぎさちゃんの試合見下しているあやのん超かわいいです。
{/netabare}

スポーツにさわやかさを求める人にはオススメはできません。
パッケージにだまされて見たら、思ったものと違った人はいると思います。
私も最初はさわやかそうなパッケージで敬遠していたのですが、知人に好きかもよと薦めてもらえました。
とても楽しいです。


11話まで視聴。あいかわらずあやのちゃんが良い感じです。
終わりが近くなってきての心配は、とにかく「爽やかな感じで終わってしまわないか」ということです。
あやのちゃんは基本的には良い子で中盤から精神のバランスを乱しているだけというのはしっかり描写されているのでそこに帰っていきそうな気もするのですが、いまこのアニメが好きだなーってなってる人はたぶんあやのちゃんの感じの悪さが好きなんじゃないでしょうか。
私のことですが。

最終回視聴。
おおむね心配していた方向性には行きましたが、心配していたような終わりかたではありませんでした。
素のあやのちゃんかわいい…。

投稿 : 2025/04/26
♥ : 13
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