二次元でロボットなおすすめアニメランキング 2

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの二次元でロボットな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年03月11日の時点で一番の二次元でロボットなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

85.3 1 二次元でロボットなアニメランキング1位
Re:CREATORS(レクリエイターズ)(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (1072)
5300人が棚に入れました
自室でアニメ “精霊機想曲フォーゲルシュバリエ” を観ていた水篠颯太の目の前に、画面の向こうに映っていたはずのアニメのキャラクター、セレジア・ユピティリアと、軍服を纏った謎の少女が現れる。
両者の戦いに巻き込まれた颯太は、2人を追って代々木公園へと向かう。そこにPCゲーム “追憶のアヴァルケン” のキャラクターであるメテオラ・エスターライヒまで現れて──

声優・キャラクター
山下大輝、小松未可子、水瀬いのり、日笠陽子、坂本真綾、雨宮天、村川梨衣、鈴村健一、豊崎愛生、小西克幸、金元寿子、杉崎亮、柳田淳一、濱野大輝、寿美菜子、恒松あゆみ
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

あれ?真鍳は?この作品の一番の問題は、主人公の少年が贖罪を終えた気持ちになっているところかな。

【はじめに】
この作品の評価は、主人公の高校2年生の少年・水篠颯太の評価によって大きく左右される。
正直、私には受け入れがたい人物だったので、「物語」と「キャラ」の評価が厳しくならざるを得なかった。

物語の世界観や、彼以外の登場人物は、それなりに高評価していたんだけど・・・。

【物語】
「マンガ、ラノベ、アニメ、ゲームの登場人物が現実世界に現れて・・・」
物語の発想は突飛で面白いと思った。

会話が多く、物語の展開が遅く感じたのは低評価。
テンポ良く話を進めると2クール持たないので、会話を多くして間を持たせている印象しか受けなかった。

主人公には問題がありすぎる。

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主人公特権と、ご都合主義としか受け止められない。
これでは他の創造主や被造物が、気の毒すぎる。

【声優】
21話の豊崎愛生さんと大橋彩香さんの熱演は圧巻。
13話の”黒”メテオラ(水瀬いのりさん)は爆笑必至。

【キャラ】
創造主・被造物ともに、個性的で人間味あふれた好人物ばかりだった。
返す返すも、主人公の少年だけが・・・。

【作画】
終盤、時折乱れることもあったが、相対的にとても見やすかったと思う。

【音楽】
作品のイメージには合っていたと思います。
個人的には、あまり好みではなかったけど・・・。(笑)

【最後に】
視聴しながら感じた疑問点をいくつか・・・。

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投稿 : 2025/03/08
♥ : 88
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

一秒あれば世界は変わる

原作「BLACK LAGOON」広江礼威、
監督「アルドノアゼロ」あおきえい。

精霊機想曲フォーゲルシュバリエ、
この作品内の大人気アニメですが、
アニメキャラが現実世界へやって来る。
セレジアがかわいい、メテオラも素敵だ。

アニメやゲームの空想上のキャラクターたちが
現実世界に現れるありそうでなかった設定。
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主題歌「GRAVITY WALL」が素晴らしい。

最終話視聴追記。
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まずまず、楽しめました。

投稿 : 2025/03/08
♥ : 82

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

「承認力」というパワーワード(笑)とともに記憶されるだろう作品

メディアミックス展開はされましたが、原作無しのオリジナルTVアニメと言って良いと思います。

ストーリーへの賛否は分かれると思いますが、本作以後には「承認力」という言葉がアニメ、漫画、ライトノベルなどの感想や批評に普通に使われるようになることでしょう。

そして本作を通してみたとき、きっとあなたは颯太くんとは別の人物をもう一人の主人公、あるいは「真の主人公」と感じていることでしょう。

たぶん普段から創作について考えている人にとってこそ面白いお話であって、受け手に徹している人にはさほど響かないお話なんだろうと思います。悪い言い方をすると「業界内輪ウケ」という非難もついて回るような気がしますが、私は楽しく視聴できて満足です。

ということで評点についてはおそらく私は他の方のレビューにはない高評価だと思われますので、普段の私の評点とよほど意見の合う方以外は参考になさらないように(笑)。

余談: 食べ物を頬張って喋る、何を喋っているかわからないメテオラがメッチャかわいい。
(以上、2017.9.17全話視聴時記載。)

========= 以下は1話目視聴時点の記載 =========
アヴァンタイトルのあの女性を、作中キャラが探しているってことで良いのかな?
だとしたら、たぶんどちらの世界にも既に悲劇が起きていますね。

主人公以外のメインキャラクターの設定や能力は厨二バトルものっぽいけど、それはシナリオ上の必然で本筋自体はメタなお話っぽいからこれはかなり面白そう。

レビューを改めて書くのは、たぶん視聴終了後になります。
========= 以上が1話目視聴時点の記載 =========

2017.7.2追記:
放送終了後に更新のつもりでしたが、(予定された)総集編だった13話が面白過ぎて、思わず更新してしまいました。

今後の展開で予定されている作中のクロスオーバー企画に備えて各キャラの作中設定が掘り下げられました。

そして総集編のはずが過去映像が改変されていたり、ナレーションのメテオラの台詞がいつもの抑揚のない感じのまま、所々黒かったり、「メテオラ(妄想)」がでてきたり…。

「総集編だから観ない」とかはナシです。この「13話」(ナンバリングも正規)は、超絶面白かったです!

2017.7.24追記:
放送キー局である朝日放送が「テレビ朝日系列」としての番組編成でゴルフ全英オープン(7/22深夜)と世界水泳(7/23早朝)を中継するため、放送時間をずらすなどの対応も無理ということで第15話と第16話の間で1回休み。

他の放送局では水瀬いのり(メテオラ役)、小松未可子(セレジア役)、日笠陽子(アリステリア役)の3人による謎の穴埋め番組が放送されました。

たぶん内容はさておき、この特番を入れるスケジュールは当初から決まっていたと思います。なので公式HPとかで早めにアナウンスしても良かったと思うのですが、「万策尽きた」という誤解が一部に広まっている模様。

まあこういった事情での特番なので、13話と違ってこれを観なくても本編視聴に実害はないはずです。セル版の円盤の映像特典には入るかもしれません(笑)。

投稿 : 2025/03/08
♥ : 63

64.4 2 二次元でロボットなアニメランキング2位
僕の妻は感情がない(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.2 (109)
273人が棚に入れました
社畜サラリーマンの⼩杉タクマは、家事をする暇がないため、家事ロボット「ミーナ」をリサイクルショップで購⼊する。タクマが「お嫁さんになってくれない︖」と軽い気持ちで求婚したことをきっかけに、ミーナはプログラムにないはずの⾏動をとるようになる。⾃らの機能を駆使し、出来る限り「お嫁さん」であろうとするミーナ。タクマにもまた、夫としての⾃覚が芽⽣えていく――。ミーナには本当に「感情がない」のか。⼈間とロボット、「夫婦未満の2⼈が夫婦の絆を築くまで」のハートフルストーリー!
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

AIものの秀作だと思います。この作品の「気持ち悪さ」を忘れないようにしたいです。

 ミーナとマモルが結構可愛く感じるから不思議なものです。最終話の布団のシーンでミーナに母性が芽生えた感じすらしました。コミックスからの期待の作品でしたが、3か月かけてアニメで見ることにより、傍観者の立場からこの「家族」を見守ることができてよかったと思います。

 2020年代後半からはAIとの会話が現実生活において普通になってくるでしょう。その中でこの作品の意義は非常に大きかったと思います。もちろん問題点はこの作品内でも言われていますが、ロボットですから所有者を強制的に好きになるようにプログラムされることです。その「気持ち悪さ」を自覚的に描けたのが、この作品のいいところだと思います。

 この作品においては、かなりタクマミーナ夫婦を肯定的に捉えている社会です。ですが、それは人間を甘やかす世界でもあります。ぬるま湯につかった世界。生殖さえあきらめればこの生活でいいのだろうか。それを考えるきっかけをくれたと思います。高性能AIでなく、家電AIを配置したことで寂しさを紛らわせるのは、会話であるということも表現できていました。

 人間が人型の何かにより「アナログハック」された世界。つまり、目と口があるキャラを擬人化し寂しさを紛らわす世界。それはアニメーションを見ている我々と同様なのかもしれません。
 そして目に見えない「システム」によりすべてが自動化された便利な世界です。

 この作品も登場人物も嫌いになれませんし面白く描けていました。ただ、この世界観は肯定的には捉えていません。やはり、恋愛の痛みとか出産と育児などは人間を人間たらしめるものであると思います。その苦労なくして成長ができるとは思えません。

 しかし、そういう世界が間もなく来る…というかSNSとネットのエロコンテンツを妻としている現状と大して変わりはないです。その気持ち悪さをほのぼのコメディで見られたのは、大きな示唆だと思います。それだけ設定が緻密でよく考えられた作品ということでしょう。

 原作者は肯定的かもしれませんけどね。ここは誰が正しいとは言えないでしょう。ただ、生殖を忘れた世界はもう到来しています。その気持ち悪さを実感しましょう。

 作画も丁寧でした。オール5というほどではないですけど。マモルとミーナの声の表現もとても良かったです。ストーリーとキャラを5。それ例外を4としておきましょう。AIものの秀作だと思います。




1話 ミーナのデザインが秀逸な作品。アニメは可愛くて柔らかすぎ?

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2話 主人公は気持ち悪いですが真剣です。その真剣さに何を見るか?

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3話 トロッコ問題に見る抽象概念の発達、使命のコンフリクト。いいですね。

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4話 上位機種の憂鬱。何が読み取れるでしょう?

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5話 人間に近い柔らかさがなぜより高価なのか。

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6話 CLタイプの家族登録の例がないというのは少し不自然な気がします。

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7話 生物の定義は自己複製ですが、ロボットは生物足りえないでしょうか。

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8話 AIの学習(深層学習)とプログラムの差とは?

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9話 ミーナが特殊機体だと含意が浅くなる。廉価版の普通の機体であってほしかった。

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10話 AIと学習、交通ルール、そして法体系。コミュニケーション手段とAI

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11話 いよいよラストで語られることの前提がそろいました。

 さて、なかなか本質に近づいてきました。「好きになることを強制されたロボットの愛情は本物か?」おじさんの言っていることはすごくまっとうです。また、2人の関係性の代替可能性についても言及していました。そこに、ニーナの反論として「私とタクマの自由だ」と言う言葉がありました。
 タクマも現状の問題を自覚しています。「女の子に相手にされないから、ミーナを奥さんにしたとみられても仕方がない」これもある面で真実です。そして、母親の「人間も奥さん用にはできていない」を加えるとどうなるか?です。

 人間とロボットの夫婦と考えると違和感がある2人の関係ですが、じゃあ、人間の結婚、夫婦を考えた場合と何が違うのか。その辺を踏まえて、次回この作品の主張が語られるはずです。

投稿 : 2025/03/08
♥ : 11

ミュラー さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

気持ち悪さの残るアニメ

これはこれは・・
家電として購入したお手伝いロボットに恋をするお話。
これってお人形に恋している独身男性と何か違うのか?
まあ、AI搭載で反応があるのが救いか。
わざとだろうが、あくまでも無表情、
そして機械の関節でいちいち稼働音がする。
物語中にスーパーミーナちゃんというのが登場するが、
こちらは人間と見分け付かないくらいで、恋人にできるという説明がある。
あえてそちらにしないところに、この作品の特徴がある。
というか、これを見たほとんどの人が、気持ち悪さを感じるだろう。
作品に出てくる周りの人間は、理解ありすぎるように描かれているが・・
いや、違うでしょ、と思う。

ロボットの作品というと、ロボットに「こころ」があるのか、
というのがいつも本質になる。
今期放送中の「Atri」がまさにそれ。
しかし、この作品はそこから視点をずらしている。
ずらしたところに何があるか、というところだが・・
これが面白かったかというと、そうでもないというのが正直な感想だ。

投稿 : 2025/03/08
♥ : 11

薄雪草 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

幸せのカタチの多様性

恋愛感情はもちろん、結婚願望だってがっつりある。
言うほど人嫌いじゃないし、仕事も真面目に向き合っている。
それにLGBTQ+なわけでもない。
それなのに、人間の異性には関心が向かない・・。
それゆえに、ロボットには心を惹きつけられてしまう・・。

タクマはパラフィリア(性的倒錯)なのかしら?
初めはそう思いました。
でもちょっと違うような気もするし・・。
どうやら、オブジェクトセクシャリティー(対物性愛者)のようです。



以前、ボーカロイドの初音ミクと挙式した人のニュースを目にしました。
キャラクターに強い恋愛感情をいだくことをフィクトセクシャルと言い、ミクは3Dのホログラムでもあるので、デジタルセクシャルとも言えそうです。

印象的だったのは「彩りと癒しに充実した生活です。」とコメントする満面の笑みでした。
あれから6年、ミクは15センチのホログラムのほか、等身大のボディも得て幸せに過ごしているそうです。

フィクトセクシャルという指向性が、日々に安寧をもたらし歓びに包まれるなら、それはとても素敵な人生だと思います。



ある企業では、そうした人向けに "結婚証明書" を有料で発行するサービスを提供し、すでに多くのカップルが成立しているそうです。
一途な純愛、複数キャラとの重婚、逆に複数のユーザー間でキャラが被るなど、愛の形はさまざま。
意外だったのは、申請者のうち9割が女性ということでした。
どんないきさつでそうなったのか、ちょっと伺ってみたい気持ちです。

この現象、実のところなかなか侮れません。
というのも、一般財団法人日本児童教育振興財団の日本性教育協会の調べ(2017年)によると、ゲームやアニメの登場人物に恋愛感情を持つと答えた大学生は、男子で14.4%、女子は17.1%なんだそうです。

7人に1人という数字は、もはやオタクの域を超えて、ひとつの社会的な潮流を成していると感じます。
3か月ごとに量産される膨大なキャラの現状を鑑みると、フィクトセクシャルの予備軍は、今後、加速度的に増えていくのでは?と思います。

なぜなら、アニメを楽しむのは子どもだけではない(年々絶対数が増える)し、子どもの人口は減るばかりです(増加因子が相対的に増える)ので、当然とも言えるでしょう。
この調査は6年ごとに実施され、初回時からずっと右肩上がり。
2023年度の調査結果も気になるところです。



そんなフィクトセクシャル(オブジェクトセクシャル)への指向性が、この先、アンドロイドにどんな機能を求めるようになるでしょうか。
●iriや●lexaなどが搭載され、ミーナやサミィ(イヴの時間)の家事支援はもちろん、介護支援機能なども備えるなら、生身の人間と遜色ないパートナーになりえるし、素晴らしいコンシェルジュとして傍に寄り添ってくれるでしょう。

先駆者はいつだって奇異の目にさらされるものですが、夢の大きさ、志の高さ、愛の豊かさをもってすれば、いずれは誰の目にも理解できる文化的土壌が出来上がるものです。
最新のテクノロジーはさらに多くの選択肢をもたらすでしょうし、キャラクターはますます魅力的になるでしょう。
いずれは価格に手が届く日もやって来て、ミーナみたいな中古品市場も広がるはずです。

そんな時代になれば、老後に孤絶する寂しさを感じることもなく、また窮屈な施設に入所することもなく、住み慣れた我が家でむつまじく暮らせることも夢ではなくなるでしょう。
「おまえひゃくまで、わしゃくじゅうくまで」と愛をつむぎあい、命が尽きるその時まで看取ってくれるなら(これ確実ですね)、どんなに幸せな人生かと私は思います。



まさに、幸せのカタチ、恋愛の指向性は人それぞれ。

その意味で本作のタクマとミーナは、セクソロジー(性科学)の一端を担っているように感じます。
また、ヒューマンセクシャリティー(生殖という枠組みを超えた人間の性のあり方)を提示しているとも言えます。

本作のような生き方の多様性を探る思考実験は、狭義に解釈するなら、タクマとミーナの相関性に、新しいパートナーシップの価値観が見つけられる気がします。
あれだけピュアな間柄なら、AIが人間を学ぶ意義も高まるでしょう。
家庭内DVはもちろん、もしかしたら第3次世界大戦など、起こしようもないほどに。

ただ、広義ではもやもやが残りました。
フィクトセクシャルやヒューマンセクシャリティーの拡大は、家族の形どころか、社会のそれを一変させる可能性があります。
突き詰めれば、生殖行為がないことで、人口問題に影響が出るかも知れません。

まぁ、増えても減っても囃し立てるのが世のコメンテーターの常ですから、減ったら減った時のことですけどね。
そんな先のことはケセラセラです。



世界の幸福度ランキングは51位の日本(2023年)。
未婚、既婚、非婚であれ、DINKsであれLGBTQ+であれ、家族の形、幸せのカタチは、国が期待するものでも、国に期待できるものでもなくなってきています。

古事記にも「くらげなす漂える島」とあるように、カオス状態からの国産み(新しいコミュニティーづくり)には、どうしても必要なプロセスであることは明示済みなのですね。
その意味では、とどのつまり、ヒューマンセクシャリティーをどう捉えるのかを問うのが、本作の主旨であり、ねらいなのだろうと思います。

果たして、幸せのカタチの多様性は、どんな世界地図を描いていくのでしょう。
そのルート上には、どんな対人希求性(身近な人に何かを望むこと)が見つけられるのか。
はたまた、どんな対人相関性(誰かとの関係性を深めたり広めたりすること)を見出せるのか。

そんな問いに頭を悩ませながら、人間の好奇心は自律型AIロボットの研究・開発を続けるはずです。
試行と実践(実戦?)に右往左往しながら、いつの日か薔薇色の未来へと私たち人間を導いていってほしいものです。



ヒトが道具に求める価値は、それぞれの目的に合致しているかどうかです。
数ある品番からたった一つに手を伸ばし、選ばれた道具はその性能・機能を購買者に発揮しようとします。
指先からのフィーリングは脳を刺激し、取扱説明書の手順はゆるやかに感性と融合していく。
お互いに馴染むまでは四苦八苦しても、そのステップはライフワークへの満足感につながり、ライフステージを豊かにさせてくれるはずです。

人間の想像力は無限ですが、創造力は有限です。
だから、そんなイメージの世界をもっと自分に引き寄せ、より普遍化する作業を踏むことが必要なんですね。
それが道具と人との望ましい価値観づくりなのだろうと思います。

タクマの判断や行為が気持ち悪いというのは、現時点での感性の実相であり到達なので仕方のないことです。
ただ、それを未来から見返せば、きっとすっかり克服されてしまっていて、些末なことだよと一笑されているのかもしれません。

そうした階段を、三段昇ってはまた二段下りる試行錯誤に、AIの意味を探求し、AIへの評価を議論し、AIとともに知性を育み、AIともどもの感情を熟成していく。
そんな時間の経緯から、まだ知りえない基準や規範、まだ作りえぬ規律と調和とが形成されていくのだろうと思います。



ミーナは、そのためのメッセンジャーです。
いずれ迎える超高度文明への入り口に、多様な生き方へと多くの人類をいざなうことが、彼女らの本当の目的なのかもしれません。

重要なことは、高度な技術や便利な機能が、それぞれの人の幸せに寄り添い、支えるものになっているかどうか、そして、相も変わらず、他者の権利侵害には絶対的に使用できないという、ロボットの三大原則を当てはめることでしょう。

とは言え、いつの時代にも世界のどこかには困ったちゃんが必ずいて、自分さえよければという独善的な妄想に取りつかれては、虎視眈々と我が世の春を狙っています。
そんな輩こそ、何千年も昔の自国の歴史だけに固執して、あたかも当たり前のような顔で土足で踏み込み、手に入れるからには何人たりとも排除するという不遜な態度をとるでしょう。
だからこそ、より地球儀的に、より国際連携し、高い人権的規範をもったプランニングへとブラッシュアップするプロセスを構築することが重要になります。

日本のAIロボットの系譜は、本作のミーナはもちろん、古くは火の鳥復活編のレオナとチヒロ、2772のゴドーとオルガといった先人たちがいます。
手塚氏のそれはあまりに壮大で迂遠なので、答えの見つけようも途方にくれますが、本作の場合は小さなアパートの一室のことですから、案外身近なビジョンとして受け止められるでしょう。

そんな多種多彩な作品群から、人間とAIロボットの希求性や相関性のありよう、幸せのカタチの多様性を学んでいければいいなと思った次第です。

投稿 : 2025/03/08
♥ : 6
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