2021年度の中国TVアニメ動画ランキング 1

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早速見ていきましょう!

65.8 1 2021年度の中国アニメランキング1位
天官賜福(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (60)
175人が棚に入れました
仙楽国の太子・謝憐(シエ・リェン)は天賦の才を持ち、人々を救うことを志して修行を積み、飛昇し武神となった。しかし彼は二度も天界から追放されてしまう。そして800年。謝憐は三度目の飛昇を果たした。しかし”三界の笑い者”といわれる彼に祈りを捧げる者は今やどこにもいない。謝憐は功徳を集めるべく、人々の住む下界に降りてこつこつとガラクタ集めをしながら、神官として出直すのであった。ある日、謝憐はガラクタ集めの帰り道で、”三郎(サンラン)”と名乗る不思議な少年と出会う――
ネタバレ

♡Sallie♡☆彡 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

天官賜福,百無禁忌。

第2期の放送に先立って再放送があったので観てみました。
当時は中国アニメってことでスルーしてたんですが,中華ファンタジーは好きだしそういうので観ないってフィルタリングするのは嫌だなと思って…。
けど,それ以外の情報は何もない状態で観始めました。
そしたら…全然意味分からないΣ( ̄ロ ̄lll)
それに…「これBLかー!!」って悟りまして,BLを苦手とするわたしは1話を観たあと少し放置しちゃってました。
(しかも相手役らしき男が俺様っぽくてわたしの好みじゃないと感じちゃった。。)
でも,そのあとアマプラで観直したら冒頭から「え。こんなシーンあったっけ!?」って。
みなさんのレビューにもあるように,このアニメは情報不足というか案内が少なく不親切です。
そしてそれ以上に,テレビ放送では本編をカットしちゃってるのが良くない!!
だから輪をかけて分かりづらくなってるんですよね。
日本はなんでそこらへんもっと臨機応変にできないんだろう!?!?
海外ドラマもそうですけど,本編はカットしちゃダメだろ!!
なのでこちらは観るなら動画配信サービスで観ることをおススメします。

初めのこのアニメの印象は「こういう中国ドラマ(仙侠モノ)よくあるよなぁ。ドラマをそのままアニメーションに落とし込んだ感じだな。」です。
とにかく背景がきれいで特に仙京の感じがドラマで描かれる仙界そのままでした。
でも,それと同時に「これアニメでやる必要ある!?ドラマで良くない!?」とも思いました。

あとはやっぱ(海外の)視聴者に用語や世界設定を理解させるって点で不親切。
ドラマだと登場人物が登場したときにテロップで名前を出してくれることがけっこうありますが,アニメはないの何で!?!?
ただでさえ人の名前覚えるの苦手なのに,中国の名前に慣れていないから性別も分からない。
いやいや。それ以前に何の名前なのかも分からない。
りんうぇん??
ツーレージン??
ミングァンビョー??
飛翔とは??
功徳??ホーキ??
そしてタイトル回収
「天官賜福,天の祝福があらんことを。」
「恐れるものなし。」
これは何!?神官同士のお決まりの挨拶か何かなの!?って。
もうさっぱりでした。

通霊陣なんかは普通に日本語読みだし,漢字さえ分かれば何のことだか日本人なら察することができると思います。
でもシュエンジェンとかナンヤン将軍とか中国語読みの中にあると,耳だけではどれが日本語読みされてる単語なのか分からなくて漢字も想像しようってならない。
どんな字なのかが分かれば何のことを言っているのかある程度分かるのが同じ漢字圏の強みなのに。
因みに霊文(リンウェン)は登場人物です。
あたかも名前のように使われていますが,本名はちゃんと別にあります(^-^;
このアニメでは1人につき本名や役職名,異名など複数の色んな呼ばれ方をされるのでそれも覚えなくては誰が誰のことを話しているのやら分かりません。
中国とは名前に関して相互主義にしましょうねって協定があるので中国語読みにしなくても良いと思うんだけどな。。。(だってどうせ四声まで合わせられないでしょ!?)
―って思いながら観ていたのだけど,そうすると三郎(サンラン)が“さぶろう”になっちゃってなんか笑えるというかシュールなのでやっぱこれで良かったのかなと思い直しました(笑)。
中国は長い間一人っ子政策をやってたので,三郎って名前には日本人には感じ取れないようなクラシカルな雰囲気があったりするのかな!?
(小説『トワイライト』でも人間よりずっと長く生きている吸血鬼のクラシカルな名前について言及されてたけど…。)

それにしても,どこからどこまでを中国語読み/日本語読みにするかもふわっとしてるなーって思います。
固有名詞で線引きしてるのかと思ったんですが,例えば南陽殿の風信は「なんようでんのふうしん」でも「ナンヤンディエンのフォンシン」でもなく,「ナンヤンでんのフォンシン」って読みます。
でも仙楽国や与君山なんかは日本語読みなんですよね。。
呼び方も…
花城を例にすると,太子殿下からのいつもの呼び名とは別に,通り名というのか二つ名というのか…「血雨探花(けつうたんか)」という呼ばれ方もするし,「鬼王」や「絶境鬼王」って冠されたりもしてます。
(2期では鬼市の鬼達から“城主”って呼ばれたりも…)
その上「花城」さえも本名じゃないという…。

でも悔しいけどかっこいいんだよなぁ。
黒水沈舟(こくすいちんしゅう)とか青灯夜遊(せいとうやゆう)とか白衣禍世(はくいかせい)とかネーミングが!!

○○殿(でん)ってのは神官たちにとって,英語で言うところのofficeってのが近いんじゃないかなと思いました。
英語字幕でpalaceって訳されてるのを見かけましたが…。
で,神官っていうワードも何の説明もされないけど,日本でいうところの神様です。
日本だと神官は神に仕える人間のことだよね。。
あと鬼も日本と中国では意味が違うのでわたしは「??」となりました。
日本は鬼って妖怪の類で,『鬼滅の刃』とか観ててもそうだけど,もう鬼というだけで悪なんですよね。
だから問答無用でやっつけようってなります。
でも中国の“鬼”はいわゆる死人(しびと)のことです。
幽霊ってのが日本だと近いかも。
なので必ずしも人間に仇なすってわけじゃない。
人間を喰うっていう,日本だとデフォルトの設定もありません。
喰うやつもいるけどね…。
(成仏してない時点で何かしら訳アリではあるのだろうけど…。)
だから鬼だと分かってもすぐに戦いになるとかはなく,悪いことをしたっていう証拠や大義名分がなければ神官たちも手を出すことができないみたいなんです。
そういうのを分かっていないと観ていてめっちゃもやっとする。
{netabare}謝憐が花城と友達なの許されるの!?!?って…(苦笑)。
天界には絶対に隠しとかなきゃならないスキャンダルでしょ!!ってわたしは思いましたが…(;・∀・){/netabare}
まぁこの辺は2期の内容なのであまり言いません。

そして急に仙楽太子の伝説が差し込まれる。
まじで何なの!?それ今関係あるの!?
意味分かんないよ٩(๑`^´๑)۶―ってなりました。

なので,このアニメを楽しもうと思ったらある程度“お勉強”が要ると思いました。
お隣の国なのに,物語の造りも日本のオーソドックスなものではないです。
日本だと,事件が単発で起きてそれを1話か2話で解決していきますよね。
でも,こちらは一見そう見えても全然違います。
第1話は単なる世界設定紹介ストーリーではなく初めからフルスロットルで伏線が張り巡らされています。
何気ない会話や些細な事柄にもちゃんと意味があったりして「あれそういえば結局何だったんだ!?」って思い返して調べたりすると何かの伏線だったりするので調べないほうが良いです(笑)。
こんなに大風呂敷広げて良いのか!?って個人的には思うんですけど,どうやら全て伏線回収がされるらしくもう拍手を送るしかないです。
伏線っていうほどじゃないところでも…例えば南風と扶揺も自分で志願して来たくせに何であんなに仲悪い&太子殿下に対して当たりが強いの!?って普通みなさん思うと思うんですが,そういうのも何の説明もないまま話がすすみます。

「…この私が誰か知っているのか?」
「太子殿下でしょ」
「人間界の“真心”で世界の中心です」
「もしかしてバカにしてる?」
「ええ,追い返しましょう」

いやいやいや。
テンポ良すぎて何の話してんだか分かんないよ(笑)!!
でも,後から観返すと南風の流れるようなレスポンスがいつものやつ感というかお馴染みの感じなんだなぁってにやにやできます♪

2期を観終わった時点でこのレビューをしていますが,まだまだ分からないことだらけなのですぐに白黒はっきりさせてほしいって感じの人にはこのアニメは合わないと思います。

因みにわたしは自分の理解力を疑って調べてしまったら意図せずネタバレの憂き目にあいました(悲)。
なので黒幕とかいろいろ知っちゃってます。。

ぶーぶー言いましたがそれをクリアしちゃえばこの物語はとても精巧に作られていてこれ以上ないほどに面白いです!!
初めからBLと知ってたら観ませんでしたが,知らずに観てほんとに良かったです°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖
初見で第1話が分からないのはみんなそうだと思うので,最低でも5話まで,できれば(2期含めて)2周するとようやくこのアニメの面白さが分かってくると思います。
2期の最終話まで観て1期の第1話に戻ってくると,もう涙なしでは見れないくらい切ないです๐·°(৹˃ᗝ˂৹)°·๐
こんな美しい話をこんなに美しい作画で作られたらもう日本のアニメは叶わんよ。。―とさえ思ってしまいました。

あとは原作がBLってとこには言及させてください。
お好きな方には何の問題もないと思います。
でも,苦手なわたしでもこちらはなんとか大丈夫でした。
正確にいうと,アニメ自体はBLではありません。
本国がなかなかに難儀な国なので規制されてブロマンスに薄めているのだそう。
わたしはブロマンス以上BL未満に感じました。ライトBLって感じ。
特に2人の恋愛模様が描かれる物語になっているわけではないのですが,観ているとロマンティックな雰囲気が訪れます。
(声優さんは“花城タイム”とか言ってたな。)
急に時間の進みがゆっくりになってロマンティックなBGMが流れます(笑)。
わたしは苦笑しつつ観てましたが,腐女子/腐男子の皆さんにとっては尊いシーンみたいです(笑)。
わたしは花城が「スパダリきめてるけど相手男だよ!?!?」なんて思いながら観てました。
{netabare}お姫さまだっこされてる太子殿下の手がしっかり男性の手。。{/netabare}

でもね,それ以上に(そんなことどうでもよくなるくらいに)画がめちゃくちゃきれいなんです!!
そしてこの2人の物語が見ていて苦しくなるくらい美しい。
わたしは第5話での三郎との会話でもっていかれました。(何を)
第5話は物語もめちゃくちゃわたし好みでした。
陰陽師の安倍晴明が百鬼夜行に出くわしてうまくやりすごした話とかまさにそんな感じでしたし, 剪灯新話や霊幻道士のキョンシー,昔の映画『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』の世界がとても好きなのでちょっとホラーっぽい雰囲気も観ていてわくわくしました★
なのでBLっぽいからと言って観ないのはもったいないなと思います。
逆にいえば,このBL設定が視聴者層を狭めていてもったいないなと感じました。
2人のカップリングを推してる方達には怒られそうだけど,そう思っちゃうほど本筋の物語が面白いのです。

あと個人的に1番はやっぱり三郎のキャラクターですね。
キャラデザ神がかって良いですね!!
それにまだ10代の少年という設定にはあまりにも色っぽすぎる!!
キャラクター自体が色っぽいのはもちろん,「灰を消せば鬼は消滅するんだ」って言って骨灰を“ふっ”て吹く仕草にわたしはヒンメル(『葬送のフリーレン』より)の如く血を吐きました(笑)。
あと太子殿下の質問にすぐ答えずに,肩に落ちてきた楓の葉をふぅって吹いて落としてから答えるの…なんなの。。。
こういう,物語には関係のない些細な仕草が「神は細部に宿る」とはよく言ったものだなぁと思わされましたね。
中国語版もチラ見したのですが,この色っぽさには日本の声優さんの声&演技も大きく貢献していると感じました。
何度も観返してるんですが,三郎ってやたらはぁって息を吐いているんですよね。
色気の正体はこれか!!ってつきとめましたよ。(何の話)
とにかくキャラデザ・性格・声・演技・セリフ・仕草…もう全てにおいて色気がカンストしてる!!!
(けど,「僕を狙ってるの?」はちょっと攻めすぎた訳ですね。英語字幕だと「何か他のことしようとしてる?」って感じだったので中国語もそうなんだろうと思います。)

音楽も中国語版及び日本語版で神曲揃いです。
1期の曲も好きだし,2期の曲も素敵です。
正直日本語版のEDはピンとこなかったけど,挿入歌の「一花一剣」や「新嫁娘」は推し曲です。
中国語版の曲はどれも(日本なら)アニメの曲ではないですね。
なんか壮大な大河ロマン(実写)に使われそうな感じです。
正直最初は上の世代には好まれそうな曲調だけど…どうかな。。
なんて思っていたのだけど,最近では一生聴いています(笑)。
わたしはサブカル臭のないこういう曲も悪くないと思いました。
あと日本版のシドの曲もとても良かったしOPのクレジットとともに赤い花が花開くアニメーションも好きでした。

具体的な物語に関しては2期の方でレビューしたいと思います☆
下記はわたしが1番好きなシーン。


『じゃあ花城になにか弱点はある?』

「骨灰だ。灰を消せば鬼は消滅するんだ」
「鬼界の風習では自分が認めた相手がいれば鬼はその人に骨灰を託す」

『真心を捧げても消滅してしまうかも…それだと気の毒だな』

「あっはは。そうでもない。もし僕が骨灰を託したら,それをどうされようと本望だね」

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

設定が凝り過ぎた中国BLアニメ

中国小説原作の古風なファンタジーのBL一歩手前アニメ
アニメ一期はまだあまりBLっぽさが前面に出てないですが、原作はBLです
※中国本土では同性愛が推奨されてないため、アニメはBLを薄くしたのだと思います

すごいクオリティだし物語も凝っています
小難しい話はスルーしてBL視点で見れば最高だけど、BLに興味なくてストーリーだけ楽しみたい人にとっては敷居が高くてきついアニメだと思います
かなり辛辣なレビューになってしまいましたが、美術も物語もキャラの信頼関係も美しくて素晴らしいBLアニメ、説明不足で敷居高すぎる序盤がとにかくもったいない

このアニメの欠点はアニメづくりや海外展開に慣れてないところ、もっと丁寧に説明してくれたら海外でも受け入れられやすかったかも

中国の独特な凝った設定がかなりとっつきづらいし説明が足りないので最初はわけがわからない、整いすぎた美形ばっかりなので慣れるまでは顔の判別が難しいし、モブが無駄に目立ちすぎてるし、中国語に慣れてないので誰のことを話しているのかもわかりづらい
そんな感じで序盤はなにがなんだかわかならくて敷居がとても高く感じられますが、このアニメの魅力は小難しい設定ではないので、とりあえずわからないところは無視して5話くらいまで見続ければだいぶ慣れてきて見やすくなってくるかも
キャラクターの行動も唐突で、なんでそんなことした?って思うような行動も多いのがもったいないかな

【音楽】
主題歌はOPがシドさん、EDが雨宮天さんで、どちらも好きだしいい曲だと思うけど、あくまでも中華風なだけで中国の歌ではないので、中国版の主題歌のほうがこの作品の雰囲気に合っていると思う
日本の幕末アニメの主題歌を外国人が歌っていたらなんか違うって思うのといっしょかな?

【シナリオ】
例えていうなら古文書のような印象のなんか堅苦しい世界観設定で、その独特な文化が色濃く表れたエキゾチックな世界観は魅力的だけど、中国人以外には馴染みのないワードや理解できない概念が多く会話を聞いていてもイメージがわかないので、とても敷居が高く感じます

【バトル】
作画は凄いけど単調なバトルシーンは面白みが少ない

【総評】
欠点ばかり書いたけど、BLが好きな人は最初のとっつきづらさに我慢して見続ける価値アリです!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 14

ヌンサ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

いずれ字幕版も見てみたい

実写ドラマを見るほどではないですが、この手の衣装の感じは好きなので、
中国制作のアニメのクオリティの現在地を確認する意味も含めて視聴しました。

まず作画が素晴らしい。とにかく素晴らしい!日本のアニメだったら省略されていそうな、
細かい動作も丁寧に作画されていて惚れ惚れします。まあ、たまに露骨にクオリティーの落ちたカットもありましたが、原画が欲しくなりますね・・・特に霊文の。

これはBL作品なので(匂わせる程度なので全然大したことないのですが)たぶん誰も注目していないと思いますが、霊文の美しさには卒倒しそうになりました。霊文様と言わせていただきたいです。

しかしメインはイケメンキャラたちです。彼らが会話しているだけで癒されます。たまに出る崩し顔は、唐突過ぎて演出的にスベっているときもありますが、
国の文化の違いによって笑いのツボが違う場合のガイドとしては機能していると思いました。

似た問題として、脚本はまだまだかもしれません。
ストーリーがよくわからないと言っている人が多いように感じます。僕もよくわかりませんでした。
おそらくですが、ストーリー上重要なセリフとそうでないセリフを同じようなトーンでしゃべっているので、視聴者がストーリーラインを見失いやすい構成になってしまっているのではないかと思います。
シロウト考えですが、ナレーションを入れるとか、
重要なことは何度も言わせるとかした方が良いのかもしれません。



挿入歌はもちろんですが、日本版の主題歌はどちらも世界観に合っていて素晴らしかったです。



今回は話数によってテレビで見たり配信で見たりしたのですが、
wikiによると30分に収まらなかった話はテレビではカットされているようです。
・・・テレビもそれくらい融通利かせろよと言いたくなりますが、
今後は実写含めて、テレビの尺にとらわれない作品が勢いを増すでしょうね。

↑うーん、フル尺を視聴するために配信で全話見直すかブルーレイを買うか迷う・・・。

「魔道祖師」の存在は後から知ったので、これから見ます。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4
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