世界線アニメ映画ランキング 5

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の世界線成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年02月16日の時点で一番の世界線アニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

74.8 1 世界線アニメランキング1位
四畳半タイムマシンブルース(アニメ映画)

2022年9月30日
★★★★☆ 4.0 (56)
373人が棚に入れました
八月、灼熱の京都、左京区。おんぼろアパート「下鴨幽水荘」で唯一のエアコンが動かなくなった。悪友の小津が昨夜リモコンを水没させたためである。「私」がひそかに想いを寄せる後輩の明石さんと対策を協議しているところに、見知らぬ青年が現れた。

彼は25年後の未来からタイムマシンに乗ってやってきたという。そこで「私」は、彼のタイムマシンで昨日に戻り、壊れる前のリモコンを持ってくることを思いつく。ところが、タイムマシンに乗り込んだ小津たちが、リモコンを持ってくるだけにとどまらず勝手気ままに過去を改変しようとするに至り、「私」は世界消滅の危機を予感する。
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

夢破れて四畳半あり

サイエンスSARU制作。

灼熱の京都、下宿先の下鴨幽水荘で、
クーラーのリモコンが壊れ絶望していた私の前に、
タイムマシンに乗ってやって来た青年が現れる。
真夏の大騒動、そして私の恋の行方!?

夢破れて四畳半あり、私の不毛な学生生活も、
下鴨荘を取り巻く面々は変わらず賑やかである。

{netabare}タイムマシンが本物だと知った私たち、
水没したリモコンを救いに、前日に戻るも、
過去の改変は世界を消滅させてしまうのではと、
辻褄合わせに奔走するコメディである。{/netabare}

かみ合わない会話と勘違いに笑える。
娯楽性に溢れ、物語の収まりも良く楽しい。
キャラクターの役割分担も良いし、
単純に映像が美しくなりとても観やすい。

やがて物語の局面が重なり全容が見え始める。
{netabare}私が約束した五山送り火、恋の行方は、
夏の終わりに素敵な余韻を残し心地が良い。{/netabare}

今ここにいることへの祝福、
とても良質な物語だと思います。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 25

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

「もうこのヒトの中には彼等はいないんだなぁ…」問題。綺麗に完結した作品の続編やリメイク問題。

 私の愛して止まない「四畳半」の新作と聞いて嬉しい半面、かなり時間を置いてるし、なにより監督が湯浅さんじゃないと聞いて嫌な予感が…(夏目監督は嫌いじゃない監督さんだが)。案の定なコレジャナイ感が横溢する作品でした。


 そもそも「四畳半」は短編の連なりで、アニメーション演出も割りかしアッサリしているタイプであった。「私」が延々と喋り続ける分、他のキャラクターたちはそんなに喋りたおさないし、内面もそんなに伺えない。つまりバランスをとって余白を上手く活かした造りになっていた。


 本作は長編になり、やたらみんな喋りたおしでアニメーション演出も過剰になってしまっている(関係ないがわさび以降のドラえもんもアニメーション演出も過剰さを感じる)。なんか小劇場の「バック・トゥ・ザ・フューチャー」もどきな、「伏線回収して凄いでショー」を見せられてる感が…。これが劇なら成立してるかもですが。


 そもそも「伏線で〜す」ってはったやつを、後で「実はこうでした〜」っていって繋げるのは伏線回収として全然上手くない!(某古沢脚本のことではない)。最初出てきた時は伏線だと気づかせないで、後々に意味をおびてくるのが上手い伏線回収だし、もっと言えば物語ってそんな小賢しい伏線回収ゲームじゃねぇから!。


 私がこの世で一番好きな女性キャラといっていい「明石」さんも勿論真綾さんで演技は変わってないはずなのに、かつての彼女とはなんか違う…。絵やボイスは最高でも、やはりキャラクター描写こそがキャラクターの魅力の核であり、本作の「明石」さんは私の知ってる「明石」さんとは別の世界線なんだろうが、そんなんじゃ納得せんよ。というか、この世界線と時系列は「明石」さんと「私」が付き合う前のはずなのに距離近すぎじゃね?。


 実際の彼氏彼女問題でもあるが、「四畳半」の時の「明石」さんは「私」が遠くから見ている実はラブな後輩という位置であって、そんなに描かれない部分が多いからこそ引き算が活きて最高だったのかもしれない。「私ってあんな声なのですか?。変な声…」のシーンは萌えたけど。


 本作に限らず、原作者当人がやってても時間があくと「もうこのヒトの中には彼等はいないんだなぁ…」って寂しくなる時があるくらいだし、やはり時間を置いてのリメイクや続編は例外もあるが基本は無用!。当たった企画の続編とかじゃないと企画や予算がおりづらいって問題はあるのかもだが、そんな業界の構造問題まで視聴者が忖度して「もう少しこう何というか。手心というか…。」な判断をしなきゃならん義理はなし。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 4
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

神話大系よりテーマは薄いが、面白さアップ。最後は結局??

「四畳半神話大系」の設定は引き継いでいますが、独立した話として成立していました。ややこしいことに本当に独立しているかどうかは定かではないし、ジャンルをどう捉えるかは人それぞれだと思いますけど。

 神話体系のような哲学的というか、青春の捉え方というか、そういうストーリーとは違って、かなり純粋に楽しめます。面白さだけでいえば、圧倒的に本作の方が面白いです。
 時間的にも映画と同じくらいで終わります。そのせいで構成も脚本もちゃんと練り込まれているのも、ダラダラ中だるみがなくて興味が途切れませんでした。

 作画は相変わらずの独特な表現で、本作を見る楽しみとなっています。京都と古い下宿という舞台に不思議とマッチした味のある作画でした。
 その独特の作画の中、明石さんが大正時代のような雰囲気を持ちながら現代的な少女なのがなんとも可愛いです。坂本真綾さんの演技もさすがです。

 キャラたちも整理されて、登場人物の動きが理解しやすいので、神話大系ほど面倒くさくないのも良かったです。

 なお、今回気が付きましたが、小津、樋口、明石って映画監督の名前でしたね。なにかあるのでしょうか?

 で、ストーリーですが、本作はどこに解答があるかも含めて謎を考えるのが面白いので、まず見て欲しい作品ですが、ディズニー+独占だとちょっとハードル高いかもしれません。解答について思うところはネタバレにして下に書きます。

 評価は高くていいと思いますが、深さがちょっと…と思わなくはないです。名作認定まではいきませんが、十分秀作でしょう。評価4.3くらいで80点程度は十分あると思います。1回しか見ていないので発見することがあれば、またかえます。

 で、ネタバレですけど…

{netabare} (ディズニー+の区切りで)5話まで見ればタイムトラベルもので、ラブコメの結末の物語でもあります。明石さんと主人公が結婚して子供が出来て、その子が田村だという話です。ここまでで十分面白いですが、6話ですね。これを見ると「あれ?本作全体が映画の一部ということ?」と混乱させられます。どこまでが現実なんでしょうね?

 鯖鉄道で何が言いたいかです。あのおかしなロゴマークに何か意味があるのか。あるいは「心の中にある物語」として、タイムマシンブルースという映画の伏線というかアナロジーになっている気もします。

 99年前にクーラーのリモコンがある時点で解決に納得感はないですし、この世界観にタイムマシンというのも唐突感はありますので、全部が「四畳半タイムマシンブルース」という映画でした、というほうが、SF的ラブコメとしては説得力はあります。

 ラブコメの結末としては、現実にタイムマシンが来た話ならハッピーエンドで、めでたしめでたしと思いたいところですけど、本作も神話大系の一つだと思うと、世界線の一つで映画をとりましたというのが正解でしょうか。
 ただ、映画の結末は本来なら宇宙の崩壊のはずなんですよね。そうなってないということはどういうことでしょう?一筋縄ではいきません。{/netabare}

投稿 : 2025/02/15
♥ : 7

89.2 2 世界線アニメランキング2位
劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ(アニメ映画)

2013年4月20日
★★★★★ 4.1 (2610)
13658人が棚に入れました
「狂気のマッドサイエンティスト」を自称し、いまだ厨二病をひきずる大学生・岡部倫太郎。秋葉原の片隅、「未来ガジェット研究所」で偶然、過去へと送信できるメール「Dメール」を発明してしまったことから、彼とその仲間たちは世界規模の大事件に巻き込まれることになる。

「シュタインズ・ゲート」は、タイムパラドックスにより引き起こされる悲劇と、それに立ち向かう仲間たちの絆を描く物語である。

声優・キャラクター
宮野真守、花澤香菜、関智一、今井麻美、後藤沙緒里、小林ゆう、桃井はるこ、田村ゆかり
ネタバレ

Appleモンキー さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

紅莉栖祭り!ヽ(=´▽`=)ノ

SG世界線に到達してからちょうど1年後の8月。
α世界線とβ世界線を漂流していた記憶がフラッシュバックする岡部倫太郎。
SG世界線とα世界線・β世界線との記憶が混在した岡部倫太郎は突如SG世界線から消失する。


*映画のDVDが12月3日に決定~★^^
*それまで待てません・・・!
*当然初回限定盤買いまふ♪


■劇場版
{netabare}
映画版、すごい迫力でした。
さすがの宮野さん(*´∇`*)
そしてフラッシュバックするα・β世界線での惨劇も迫力大です。

そしてそして、フェイリス・ニャン・ニャンの{netabare}「見つめながらまぜまぜ」 {/netabare}の破壊力は超絶www


映画版は、くりすが大活躍でした。アニメ版では、岡部がタイムリープして世界線を漂流しましたが、今回は立場が逆で、くりすがタイムリープして世界を変えようとしています。くりす派の私としお腹一杯です^^


岡部を取り戻す方法は{netabare}2005年にタイムスリップして岡部のファーストキスをくりすが奪う{/netabare}ことでした。


{netabare}鳳凰院凶真の設定を教えたのが、くりすということ{/netabare}になったので、「過去を変えずに結果を変える」という条件は満たせたか難しいところですが、結果として {netabare} 岡部=鳳凰院凶真{/netabare}は変わらないのでOK?


今回、岡部を取り戻す方法を見つけるのはかなり難しかったですね。


というのもアニメ版と異なり、{netabare} 「Dメールを送って過去を変えた結果、世界線が変わり、その結果、まゆしーが死んでしまう」というような因果関係{/netabare}がなかったからですね^^;


とはいえ、岡部が消えてしまった原因は {netabare} 未来から来た鈴{/netabare}があっさりと教えてくれたので、岡部を取り戻す方法は、 {netabare}①岡部の混線した記憶を消すか、②SG世界線の強烈な記憶を上書くか{/netabare}に絞られて、劇中では後者の方法をとることになったみたいです。


最終的にとった行動は {netabare} 2005年にタイムスリップして岡部のファーストキスをくりすが奪う{/netabare}ことでしたが、これは{netabare}①ファーストキスを奪われた=強烈な記憶を植え付ける、とともに②SG世界線をα・β世界線と異なる世界線として岡部にきちんと認識させる{/netabare}ことにもなってるんですかね。

というのも、{netabare} くりすが2005年に来ている{/netabare}ことは、α・β世界線では起こりえないはずだからですね^^


色々考えながら劇場版楽しめました^^
まだ原作やってないので原作買おうかなぁ
{/netabare}

■DVD
やっと発売されましたDVD。初回限定盤を買いました~^^
{netabare}
劇場版はニヤニヤ展開が多いですね^^
そしてアニメ24話分を知っているとグッとくるシーンが多いです。
やっぱり「目を見ながらまぜまぜ」は名シーンです(笑)^^

ドラマCD「現存在のアポステリオリ」でのダルと鈴羽の会話シーンは思わずクスリとしてしまいました。

劇場版以外にもたっぷり楽しめる特典版です^^
{/netabare}

投稿 : 2025/02/15
♥ : 162

ももくさ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

この作品が批判される意味がわからない、本当にすばらしい作品です!!

レビューがあまり良くなかったので期待せずに観に行きましたが・・・

「すばらしい!」

観に行こうか悩んでいる人がいれば絶対に見たほうが良いと勧める!!!




ネタバレを避けたいので・・・ぼんやりと。

良い点は

◆物語がアニメ版同様きちんと練られている◆

アニメを見たときからストーリーが神だと思っていたので、その部分が劇場版でも劣っていなかったから良かった~!話の運び方もアニメと似てる気がするなー


悪い点は

◆説明が足りて無さ過ぎる◆

難しめの話なので私は理解するのに時間も説明ももっと必要だなぁ・・・。映画見て時間経ってから理解が徐々に追いついていくのは私が馬鹿だからなのか・・・??





笑いあり感動あり絶望あり(!)のシュタゲらしい作品。
とりあえず「すばらしい!」の一言に尽きる。
とある魔術のインなんとかさんの映画の100倍面白いw

もう一回観に行きたいなー。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 17

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

プロットはすごく良かったと思うのですけどぉ・・・

まず注意したいのが原作やテレビシリーズを知らない人が観ても1ミリの得にもならない仕様であることです
オカリンと共に壮絶なループの繰り返しを経てその先に待つシュタインズ・ゲート世界線へと辿り着いた者だけが観ることを許される映画だということをご承知下さい










2011年8月
Dメールやタイムリープマシンを巡る事件から1年、秋葉原の未来ガジェット研究所では帰国した牧瀬紅莉栖を迎えるパーティーが開かれていた
しかし事件の真相をただ一人記憶する特異点、「リーディングシュタイナー」の持ち主である岡部倫太郎は、1年前の壮絶な時間旅行の経験からなのか、かつて体験したいくつもの世界線の様子が突然フラッシュバックする異変に苦しんでいた
初めは妄想か白昼夢だと気を落ち着かせる岡部だが徐々に現実との区別がつかなくなっていき重症化してしまう
しかしそれは虚構などではなく並行するいくつもの世界線が見せた別の現実
それらが特異点である岡部に負荷となって集中し、「岡部のいない世界=r世界線」へと岡部を強烈に引き込もうとする力だった
リーディングシュタイナーの片鱗である「デジャヴ」という形で別の世界線での体験を記憶していた牧瀬紅莉栖はただ一人異変に気付き、封印されていたタイプリープマシンを完成させ岡部の消失を喰い止めるべく孤軍奮闘する・・・










と、プロットだけなぞるとすごくwktkモノの傑作
特にオカリンの人格形成にまつわる過去のターニングポイントに、実は某人物が関わっていたことが明かされるところなど良く考えたものです
ただ残念に、単に映画として雑だったと感じてます


前半はオカリンのモノローグで始まっておきながら、後半では主人公はすっかり紅莉栖へバトンタッチしてしまっており、のめり込み感を削いでいる
尺が90分もあった割りに肝心要のオカリンの過去への伏線の弱さ
オカリンと紅莉栖以外のラボメンの出番が少ないなど


ハッキリさせたいのですが、多くの方が心配なされている蛇足だったか?という点は否定しておきます
ただ結局シュタゲの面白さって伏線の回収、回収、また回収ってところだったじゃないですか?
2年近く待たされていることと劇場版であるということもあって期待値が高かっただけに、落胆する部分も多々あったというのが正直な気持ちです


ええ、ですがギャグパートはよかったですよw
それと紅莉栖と鈴羽のやりとりも聞き所


ファンなら必視、というほど大袈裟な言い方も出来ないのですが「完全新作オリジナルストーリー」と大見得切っただけあって先にも言った通りお話のプロットは悪くなかったです
でも先日ぱるたんに「花いろ、AURA、シュタゲ、観るならどれ?」と聞かれた時「花いろ観ろ」と即答してしまいましたw
暇なら是非全部観てあげて(爆

投稿 : 2025/02/15
♥ : 55

81.1 3 世界線アニメランキング3位
劇場版 呪術廻戦 0(アニメ映画)

2021年12月24日
★★★★★ 4.1 (350)
1469人が棚に入れました
『呪術廻戦』原点 愛と呪いの物語-。

集英社「週刊少年ジャンプ」で連載中の、芥見下々による漫画作品「呪術廻戦」。2018年3月から連載が開始され、人間の負の感情から生まれる呪いと、それを呪術で祓う呪術師との闘いを描き、既刊16巻にしてシリーズ累計発行部数は驚異の5000万部を突破。2020年10月から2021年3月までは毎日放送・TBS系列にてテレビアニメが放送され、深夜アニメ枠ながら、高視聴率を獲得。定額制動画配信サービス全体の視聴者数週間ランキングでも約2カ月に渡って1位を記録し続けるなど、一大ムーブメントを巻き起こした。(GEMランキングクラブ調べ/2021年1月23日~3月20日の毎週土曜に過去1週間の視聴作品を調査)

そして、2021年12月24日。『呪術廻戦』は映画となって新たなステージを迎える。劇場版で描かれるのは、既刊単行本の中でも人気のストーリーの一つである『呪術廻戦』の前日譚、「呪術廻戦0 東京都立呪術高等専門学校」。通称“0巻”。

『劇場版 呪術廻戦 0』―これは、呪術廻戦の原点の物語であり、“愛と呪いの物語”。

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

作画は良くても溜めがないのでは上がらない。こんなんで愛を語らいでか!。

 鬼滅ほどじゃないがヒット中の新作を見てまいりました。結論を言うと、TVアニメと同じ良さと悪さががある。つまりTVアニメが好きな人なら大きな不満はないでしょうが、そうじゃない人には物足りないでしょう。


 バトルシーンの作画が良いのは、もう言い尽くされてることなので今更言いません。ただ、本作は背景美術のレベルが高い!。特に高専周りの場面は、密度とスッキリとしたセンスが調和していて見事。ユーフォーほど深海のような暗闇に対する耽溺や、京アニのような光に対する過剰なほどの拘りとも違う味わいがあります。


 正直言いいますとバトルに読み合いも何もないし、積み上げたもんが一気に爆発する感覚がないからせっかくの作画もイマイチ上がらないのだが。


 ただ、問題のはキャラとストーリーという肝心の部分は弱いということ。本作は連載前の短期読み切りだから仕方ない面もあるが、そこはブラッシュアップが必要だったろう。


 シンジ君丸出しな乙骨君はシンジ君ほど病んでないし、溜がないからリカちゃんを使いこなせるようになる瞬間も、仲間との絆が結ばれたカタルシスも無し。予告でやってた「お前なんで呪術高専に来たんだよ!」なシーン、終盤のクライマックスくらい重要な場面かと思ったが早々だから重さがない。そもそも乙骨君の苦しみの過程も、リカちゃんとの愛の過程も描かれてないからなんで悩んでんの?って感じ。


 そもそもリカちゃんの存在があまりに抽象的というか、断片的な思い出ばっかだから実は乙骨のイマジナリーフレンドなんじゃ?くらいに思ってしまった。自分の過失で死なせてしまった違う女の子を核にした自己防衛のために作りあげた孤独な乙骨の哀しみの産物くらいやって欲しかった。なんでリカちゃんがあんな力があるのか?の説明もジャンプお得意のアレでギャグ気味に言われても苦笑ですわ。


 敵役の魅力不足とか、短い尺で説明的なエピソードが多いとか、相変わらず修行や努力を魅力的に描けてないとか他にも問題があったけど、根本は呪術廻戦だけじゃなく他のヒット作品にも見られる弱点に行き着くように思えた。即ち全ての基本である筆力という単純な能力の不足である。


 なんとなく王道とされるようなシチュエーションや設定を持ってきたり、過去のヒット作のエッセンスというか風味を軽く持ってきても、その面白さを支えていたキャラの魅力を効率的に描きこむという基本ができてなきゃ全てが弱くなる。やたら過去回想で重めのエピソード入れときゃ、キャラを描き込めるだろってのはナンセンス。やたら安易にトラウマが云々な作劇連発は辞めたほうがいい。


 出落ち的に派手で奇抜な魅了あるビジュアルと設定を持ってきても、掘り下げていくと常識的な良い人ってくらしか出てこないのはキャラクターを創造するという行為に対する愛と能力が未熟と言わざるをえない。人間ってもっと複雑なもんよ。


 ヒットしてようがなかろうが、そこを抑えてる人は過去の作品から要素を持ってきてようがなんだろうが面白い作品を作れる。面白い作品に必要な条件というのを考えていくと、色々あるけど最終的にはそこに行き着くように思える。シンプルでも太い線のキャラを描き込めるかどうか。なんとなくの雰囲気やジャンルで価値が決まるわけじゃない。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 25

よこちゃん さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

面白いとしか言いようがない

2期観ようかなと思ってたら、この劇場版をすっかり忘れてた事に気づき慌てて視聴。

主人公なんか見た目地味だな、あれっ!このキャラの名前知ってる!なんでだろおかしいな。
とか思いつつも、いやー1期に続いて面白いですね。
序盤から展開がスピーディーで掴まれます。戦闘シーンはやはりよく動くしキャラも多く戦い方も多彩で飽きないですね。かと言ってバトルばかりだけでなくキャラ同士の掛け合いも面白く、せつない感動シーンもあり、105分あっという間に終わりました。劇場版は失敗する作品もある中、尺もちょうど良く上手くまとまっており満足しました。

最後の次作への不穏な予告のようなシーン、そして視聴後調べ主人公の名前の件が分かり、かー!そりゃ知ってるはずだわ、伏線っぽいなやられたーとまた余韻に浸るのでした。

視聴まだの方は1期からどうぞ。ベタなジャンプ原作でも面白いのは間違いないので、1期から不当に評価下げてる方がいる気がしますが認めましょうよ。このレベルでダメなら正解なんでしょうかね。
ぜひお勧めします、2期も楽しみです。

2024年2月22日

投稿 : 2025/02/15
♥ : 16

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

この世界観に見える子ちゃんを放り込んでみたい

<2021/12/31 初投稿>
「逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ」

映画の途中、シンジ君の例の決め台詞が聞こえたような。
気のせいですか?笑

本日、大晦日に観に行ってきましたー。

そんな混み混みでなくてよかった。
ただ三分の二くらいが女性客でちょっとびっくり。
五条悟人気があるにせよ、呪術廻戦のテイスト自体は男子向けに寄ってると思ってたから。

この年末は珍しく映画館で三作も鑑賞。
「ARIA The BENEDIZIONE」
「The Matrix Resurrections」
そして「呪術廻戦 0」

三つの中では本作が一番楽しめました。
虎杖たちが入学する前の都立呪術高専を舞台としたスピンオフ。

本編の前日譚のせいか、本編知らなくてもかなり楽しめる、一見さんに優しい作りになってました。

主人公は乙骨憂太さん
アニメ本編ではほぼ未登場。
量産型エヴァみたいなのに取り憑かれてる。
雰囲気がまんまシンジ君
声優のキャスティングは狙ってのものなんだろうな。

ヒロインは祈本里香ちゃん 
担当声優はみんな大好きざーさん
なので癒し系
里香ちゃんが出てくるたびに心癒されます٩( ᐛ )و

敵役の親玉・夏油は櫻井孝宏さん。
ブリーチの悪役の人とかと似てるのは気のせい?
でもそんな憎めない。
敵役は全部で5人くらいいたのかな。
夏油さん以外は初登場。
1人乳首がハートマークのマッチョなおっさんいたけど。
あれはなに?笑
普通にいるし。
誰もツッコまないしで、かなり気になりましたwww

あとは本編でお馴染みの面々は、高専一年トリオ以外は大体勢揃いでしたね。
特に2年生トリオの真希、棘、パンダはレギュラー級に格上げでした。

棘は相変わらず強いっすねぇ。
その棘さん。
「呪力が発動しないように普段はおにぎりの具の種類の単語しか発しない」んですよね。
でも疑ってるんですよ。
棘に「しゃけ」と言われた人は、密かに「しばらくの間、おにぎりは具がしゃけのしか食べられなくなる」呪いにかかってたりしてるんじゃないの?とかw
掛けられた方は気がつかないだけでw

もちろん人気者の五条悟さんも出てましたよ。
むしろ五条悟ファン向けにサービスしすぎなのでは、ぐらいの露出度。
ああ。
だから女子多かったのか。
中村悠一と櫻井孝宏の組み合わせは女子垂涎ですやね。

こんな面々が終始はちゃめちゃどんぱちしてました。
そこら辺の映像は終始凄かったデスよ


ところで呪霊のデザイン。
パワーダウンしたような。
なんか気味悪さが薄れてるような。
と少し不思議に思ってたのですが。
はたと気がつきました。
そういえば最近まで強烈なオバケが毎週登場するアニメやってました。

「見える子ちゃん」

それのせいで感覚が薄らいでしまってたようです笑。

最後にまとめ。
某レビュアーさんの「デートでの鑑賞にぴったり」という感想は的を射ていたと思います。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 23

62.6 4 世界線アニメランキング4位
ルパン三世 風魔一族の陰謀(アニメ映画)

1987年12月18日
★★★★☆ 3.3 (75)
374人が棚に入れました
飛騨の山奥にある神社で、石川五ェ門と墨縄家の跡取り娘である紫との結婚式が行われていた。いにしえの習わしに従い、墨縄家の壺が五ェ門に手渡されようとしたその時、覆面装束の一団が壺を奪おうと現れた。ルパン達の活躍で何とか壺を取り返したのもつかの間、花嫁の紫がさらわれてしまう。その壺には墨縄一族の先祖が残した財宝のありかが記されていた。 そして、それらを狙う風魔一族は、四百年もの間その財宝を狙っていた。それを知ったルパンたちは、墨縄家の隠し金庫から壺を盗み出して紫との交換へ向かう。一方、風魔はルパンが死亡したと思いこんで警察官を引退し、山寺の住職となった銭形警部を呼び寄せた。

大和撫子 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.3

声優陣総入れ替え

ギャラの関係で声優陣を総入れ替えし批判を受けてしまった作品。
変更した声優陣は「うる星やつらの諸星あたる役の古川登志夫」や「Dr.スランプのアラレちゃん役の小山茉美」など、みんな有名な声優さん達なのだが、やっぱり違和感があり過ぎます。
ルパンアニメのレギュラー陣の声はいつものメンバー以外には考えられません。
とはいえ、一度は開始5分ぐらいで見るのをやめてしまいましたが、再度見てみると慣れなのか次第に見れるようになってきました。
肝心のストーリーははっきりいって劇場版にしてはスケールが低い内容。
音楽も一新されています。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 2
ネタバレ

ヲリノコトリ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ルパンベスト10のためのレビュー

【あらすじ】
五右衛門が許嫁と結婚する。しかしその許嫁の家系が代々守ってきた財宝を狙う謎の集団(と、ルパン)が現れる。

【成分表】
笑い★★★☆☆ ゆる☆☆☆☆☆
恋愛★★★☆☆ 感動★★☆☆☆
頭脳★☆☆☆☆ 深い★☆☆☆☆

【ジャンル】
ルパン三世、劇場版4作目(1987)、五右衛門中心

【こういう人におすすめ】
「とりあえずルパン三世観てみるわ」って人。ルパン作品をどんどん観ていくのであれば、この作品を早めにみておくことをオススメする。

【あにこれ評価(おおよそ)】
61.6点。

【個人的評価】
色々と「他のと違う」というのは感じていたが、単純にトップクラスに好きだった作品。特に作画が好きだった。
『自分のお気に入り』『おすすめしたい作品』

【他なんか書きたかったこと】
{netabare}
 ルパンベスト10のためのレビュー。↓以下同文。
{netabare}
 まだ私が無垢な魂をぶら下げて山野を駆け巡っていた頃、風邪をひくと隣町の小児科に行き、ついでに隣町のレンタル屋で「ビデオ」を借りてきて、布団の中でそれを見ながら、私の液性免疫が急性上気道炎を撃退するのを待つ、という風習が我が家にはあった。
 その「ビデオ」(現在で言うDVDの立ち位置)はほとんどがアニメ映画であり、そのため私は、私が受精卵としてすら存在していなかったときの古いアニメ映画をほとんど知っている。
 ジブリコンプリートなどは我が家にとっては序の口で、ルパン映画、劇場版クレヨンしんちゃん、劇場版ドラえもんなどはほぼ制覇したと思われる。 その中でクレヨンしんちゃんとドラえもんはあまり覚えていないが、ルパン三世は当時の汚れ始めた私の魂にジャストフィットしたらしく、各作品を非常に鮮明に覚えている。

 で、今回ルパンベスト10を作ろうと思い立って、ついでに短めにレビュー書きます。最低でも10個書かなあかん(笑)
 あ、ルパン三世のテレビアニメ1期もたぶん「ビデオ」で観てるんですが、さすがに作画が古すぎて心に留まらなかったようで覚えてないです。だから「ルパンは本来こういうものなのだ!」みたいなのは無理っす。原作も知らないし、というかモンキー・D・パンチさんが何者かもいまいちわかってないし、栗田貫一さんの声に何の違和感も感じてません(笑)
 そういう若輩者の素直な感想です。
{/netabare}

 声優陣を総入れ替えして「ルパン三世のテーマ」を使わなかった作品。当時はかなり波紋を生んだ。

 というのをwikiで知って、いまびっくりした。
 ルパンの声が違うのはもちろんわかっていたが、作画の躍動感、ストーリー展開、ダンジョンを攻略する感じとか、とっつぁんの立ち位置とかかなり好きだった作品。
 幼い私にはこの「他と違う感じ」が新鮮で良かった。「セラヴィと言わないで」というテーマ曲も印象に残っている。好きな作品。まだルパンを知らない人は、ルパンに対する固定観念が出来上がる前に見てほしい作品。
{/netabare}

投稿 : 2025/02/15
♥ : 8

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

声優総入れ替えで波紋を起こした作品?

1987年12月公開された劇場版シリーズ第Ⅲ作。73分。
もともとはシリーズ初のOVA作品として企画されていた。

レギュラーの声だけ入れ替えたら人気再燃しそうな作品。
映像は結構面白い。風魔ということで和風テイストでも
あるせいか、作画や色彩も見やすい気がする。
キャラのデザインも見慣れてるデザインに近い。

ルパンと銭形の声は殺意が覚醒めるレベルで残念。

山田康雄のコミカルな演技を是としないスタッフの意図で
変更がなされたとの情報もあるらしいけど古川登志夫さん
の演技はそれ以上に軽く滑稽・・というより妙に軽薄・・

うる星やつら(諸星あたる)のイメージが既に大ヒットして
いてイメージ的に山田以上に三枚目な演技が定着していた
はずなので・・単純にギャランティの問題のみに感じた。
イメージ一新なら徹底して渋いルパンを演じて欲しかった。

しかもケチったギャラ以上に売上が減るのでは本末転倒と、
至極当然の結果を叩き出した作品のような気もする。

風魔一族の壺の争奪バトル描写や温泉宿内のカーチェイス
等映像面は本当に良く出来ていると思う。




ルパン三世:古川登志夫
石川五ェ門:塩沢兼人
次元大介:銀河万丈
峰不二子:小山茉美
銭形警部:加藤精三

投稿 : 2025/02/15
♥ : 0

計測不能 5 世界線アニメランキング5位
ヤマトよ永遠に REBEL3199 第一章 黒の侵略(アニメ映画)

2024年7月19日
★★★★☆ 3.9 (5)
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西暦2207年。ガミラス本星とイスカンダル星が消滅した事件から二年後。突如、太陽系に謎の巨大物体“グランドリバース”が出現する。地球防衛軍の善戦虚しく、幾重もの防衛網を易々と突破したグランドリバースは、悠然と地球の新首都へと降下。音も無く出現する降下兵の群れや上陸する多脚戦車により、瞬く間に首都は制圧されてゆく。もはや地球には抗う術はないのか……。そのとき、旧ヤマト艦隊クルーに“ヤマトへ集結せよ”と極秘指令が下る。人類の命運を賭け、未踏の時空へと宇宙戦艦ヤマトの航海が始まる。
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