世界征服でロボットなアニメOVAランキング 3

あにこれの全ユーザーがアニメOVAの世界征服でロボットな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月22日の時点で一番の世界征服でロボットなアニメOVAは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

71.8 1 世界征服でロボットなアニメランキング1位
ジャイアントロボ THE ANIMATION 地球が静止する日(OVA)

1992年7月23日
★★★★★ 4.1 (116)
533人が棚に入れました
シズマ博士が開発した、完全無公害・完全リサイクル可能な夢のエネルギー源、シズマドライブの恩恵で、未曾有の繁栄を迎えた人類。しかし、争いの種は尽きなかった。世界征服を企む秘密結社BF団と、それに対抗するため組織された国際警察機構が世界の裏面で激しい闘いを続けていたのだ。国際警察機構側の九大天王を筆頭としたエキスパート達、BF団側の十傑集を筆頭にしたエージェント達が争う中、エキスパートの一人である草間大作は、父の形見である巨大ロボット、ジャイアントロボを操り、人類の未来と平和のためにBF団と戦っていた。
ネタバレ

血風連あにこれ支部 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

うーむ…どうした事だ。何故我々までもがこんな所に

いや、これも孔明様の狙い通りに違いない。
そうだ。事態に急変あらばこの袋を見ろと言っていた。ハラリ
なるほど……。OVAジャイアントロボのレビューをしろという事か……。

あらすじを短くまとめると、近未来、第三のエネルギーシズマドライブが繁栄している時代において
BF団と国際警察機構の二大勢力が火花を散らす中、進行される「地球静止作戦」をめぐって
シズマドライブ第三のサンプルを争いあうという話だ。

作画は超絶クオリティだ。CGでなく手書きのセル画だというのに、
あまりにも見ごたえのあるクオリティでとても90年代のアニメとは思えない。
声優はベテラン声優が並ぶ豪華布陣だ。
作曲はポーランド国立ワルシャワフィルハーモニックオーケストラによるフルオーケストラ。
まさに溜息が出るようなクオリティなのに、話の質がまったく足を引っ張ってないどころか
横山キャラと今川監督のハイテンション作劇が引き起こす化学反応が
あらゆる視聴者を釘付けにしているあたりはまさに圧巻!痺れます。
だが本作の魅力は、まだまだこんなものでは語り尽くせない。

例えば、テーマ。この作品に提示されてるテーマは二つ。
「父と子」と「エネルギー問題」。
「エネルギー問題」は、現代において動力という足をもがれた地球人が、なすすべもなく見ていることしか出来ないという重苦しさを描きながら、{netabare}その元凶である敵ロボットに立ち向かえるのが、かつて人類が恐れもしたいにしえの動力、原子力を使って動くジャイアントロボだけ{/netabare}という因果関係が実に良かった。
また「父と子」というテーマにおいて。大作と幻夜、共に父親から遺産を託された者同士が、ぶつかりあう関係性が非常に良かった。
{netabare}幸せは犠牲なしには得る事はできないのか、時代は不幸なしに越えることは出来ないのか。
ep7にて父親の言葉を信じて戦い続ける大作の姿と、それを支える大人達の姿がなんとも胸を打つのだ。
{/netabare}
恐るべきは今川監督である。これほど重いテーマを横山作品のスターシステムという土台でハイクオリティに描ききった手腕は、やはり評価されてしかるべきではないだろうか。実現は不可能に近いと思っても、続編が見たいものだとこれほど切に願うアニメも無い。

ところでこのアニメ、我らが血風連の首領である怒鬼様もOVA6巻より参戦しておられるぞ!
出番は少ないし台詞だってないが、実に凛々しい風貌をしておられる。その勇姿は是が非ともご覧あれ!
そしてBF団と国際警察機構。二大勢力の激突と草間大作の戦いの行く末を見届けるがいい!

投稿 : 2024/11/16
♥ : 7

babylon913 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

最高のエンターテイメント

文句なしの満点ですよ
個人的今川作品No.1
まず評価したいのは劇伴
天野正道先生とワルシャワフィルによる日本アニメ史上最も壮大なオーケストラ
それまでアニメ劇伴で最も規模がでかかったのはヤマトの劇場版で30人ほどのオーケストラだったそうですがこれはその倍以上です
後に天野正道交響曲第二番GRとして纏められる楽曲は日本の現代音楽の代表作の一つに数えられるほど
全七話でサントラ総数七枚!
圧倒的です
次ですがキャラクターはこれ以上魅力のある作品他にあるか?!というレベル
スターシステムによって横山大先生の作品から選りすぐりの好漢が集結
もちろんオリジナルキャラクターも引けを取りません
特に人気の十傑集をはじめ国際警察機構の皆さんもかっこよすぎます
声優はあの銀河声優伝説にも負けないほどの超豪華キャスト
作画はセル画時代最高峰と何をとっても美味しいとこばかり
ストーリーは御自分の目でということで
何度も言いますが最高の作品です
是非見てください

投稿 : 2024/11/16
♥ : 5

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

Gガンダム×横山光輝オールスター=爆熱大傑作。

Gガンダムの今川監督作品だけあって、正に男泣きロボット?アニメの傑作


ジャイアントロボより凄い人間達が多数登場するトンデモナイ作品


歴代横山光輝キャラが敵味方に入り乱れる、他にないオールスター作品。


頑張りすぎて続編は…


敵でも味方でも漢!な奴はは素晴らしい!


マスターアジアに続く、最高の敵役の衝撃のアルベルト


指パッチンが武器な敵がいるのは今川作品だけ!


結論:遺言はちゃんと残しましょう


今川監督の先品がまた見たい。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 8

66.7 2 世界征服でロボットなアニメランキング2位
冥王計画ゼオライマー(OVA)

1988年11月26日
★★★★☆ 3.7 (90)
318人が棚に入れました
大迫力のメカアクションと衝撃的なストーリーテリングで、数多のロボットアニメファンを魅了したOVA。秘密結社・鉄甲龍を率いる少女・幽羅帝は、配下の八卦衆に対し世界征服のための決起を表明した。しかしその前に立ち塞がるは、組織を離反した木原マサキが奪取した八卦ロボ・天のゼオライマー! 現在は普通の少年・秋津マサトによって操られているその機体が秘めた絶大なパワーは、次々に八卦衆の命を奪っていく。気弱なマサトが、ゼオライマー搭乗時に突如豹変するその冷酷さの正体とは? 原作となったのは18禁コミックで、時折挿入されるセクシャルな描写にその名残がある。とはいえ引用したのは部分的な設定のみであり、基本的にはアニメオリジナルといっていい作品となっている。

声優・キャラクター
関俊彦、本多知恵子、田中秀幸、荘真由美、鈴置洋孝、佐久間レイ、佐々木優子、勝生真沙子、玄田哲章、塩沢兼人、速水奨、辻村真人、政宗一成

hiroshi5 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

もうちょっと尺が長ければな~・・・。それにしてもゼオライマーが強い!強すぎる!!なんか無敵すぎて物語がどうでも良くなってくるw

他の皆さんがもう書いていますが、私も書かせていただきます。

「ぜオライマー強すぎだろ!!ww」

強いんだろうな~って見る前から思ってたんですが、想像を絶する強さだった。
その強さは力が強いとか、破壊力が凄いとかそんなんじゃなくて、他の敵ロボットと比較してぜオライマーが圧倒的に強いって話です。

初めから敵の中でもずば抜けて強いんだろうな~って思わせる雷のオムザックはあれだけ引っ張っておいて一瞬で敗退。
一応オムザックは核ミサイルなんぞ効きもしないほどの強さなんですけどね~w
それを一瞬で葬り去るゼオライマーはどんだけ~って話ですな。


まぁゼオライマーの強さも、やたらに技術が高いのも(人格をデータとして保存してそれを他の人物に転送するとか)設定としてそうするしかなかったと割り切るべきなんだろう。
昔の作品は意外に技術が高くて理解に困る^^;


実は、ここまでロボットにことに触れてきたが、この作品の主なポイントはロボットではない。
この作品は1987年に放送された「破邪巨星弾劾凰」の合体アクションの陽性な雰囲気とは違うロボットアニメを表現しようと制作された作品だ。

主人公の秋津まさとと木原マサキという第二の人格との葛藤、各ロボットを乗りこなすパイロット達のコンプレックスに焦点を当てて、戦うことの意味や宿命というものの卑劣さを表現している。

まぁ、表現しているつもりなんだが、結局のところゼオライマーが強すぎてキャラたちの葛藤が単純で簡単なものに見えてしまうのも確かだ。


そもそも全4話で構成されている為、物語が超急ピッチで進み視聴者を感動させる前に次の戦いへと引きずり込んでいく。
多分、この作品は尺が長ければなかなか良いデキになっていたと思う。

ついでながら言うと、ロボットのデザインや攻撃の仕方などはかなりカッコイイ。
ちょっと勿体無いな~と思わずにはいられないが、それも全4話では仕方が無い。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 12

Etzali さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

木原マサキの中にある優しさと世界に抱く業の念

(2012.10/12)
1話30分、全4話の作品

単に冥府の王となるなら感情のないアンドロイドをパイロットにすれば良かったのではないかと思う。

造られた存在に感情を持たせたのはマサキの優しさではないだろうか? 
感情を持たせ、憎しみや恋心・嫉妬を抱えながらゼオライマーと八卦ロボを戦わせ、世界を破滅に導くのならそれこそ究極の「人の業」なのだろうが、そうは思いたくない…

この作品はゼオライマーが勧善懲悪な立ち振る舞いをしていない所が面白いです。

世界の救い方はそれぞれありますが、この作品は破滅によって世界を救うという今までにないロボットアニメでした。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 8
ネタバレ

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

脳髄に直接叩きつけられる衝撃。神と悪魔の如き聖戦。

これは、イクサー1と同じくレモンピープルという雑誌に連載されていた漫画作品(原作者は違います)を平野俊弘(現:俊貴)監督が映像化したアニメです。

こちらもやはり美少女が出てくるし際どい性描写も出てくるのですが、イクサー1のような娯楽要素はなく、むしろ対極のような存在であります。


原作からの改変もなされ(原作読みました)、より『人の業』が感じられる哲学めいたストーリーですね。

敵味方入り乱れる人間関係。
どのキャラも自分の欲望や感情を包み隠さずぶつけ合う、対立の連続。どこまでもドロドロな人の闇が描かれています。

そして愛し憎み合う中で発覚する驚愕の真実・・・!
自分は自分なのか?どこまでが自分でどこまでが他人なのか?
設定の妙によって黒幕の存在意義がますます高まっています。
(これに似た設定を平野監督はロウランでも使ってましたが、ゼオライマーの秀逸さには敵いませんでしたね。)


このアニメで最も揺さぶられるのは『自我』の概念だと思います。
非現実的な設定なのに、登場人物の心情描写が生々しい現実感を帯びているせいで説得力があります。
ここでも幽羅帝(ゆうらてい)を演じる荘真由美さんの好演が素晴らしいです。今回は主人公のマサキを演じる関俊彦さんの鬼気迫る演技も鳥肌ものです!!



僕はスーパーロボット大戦というゲームはやったことがありませんが、どうやらゼオライマーはその性能から有名らしいですね。
スーパーロボット、と呼ぶにふさわしいと思います。ゼオライマーは本編では人の業を裁く神のごとき存在です。搭乗する人間によっては悪鬼に姿を変えます。
どんなときでもゼオライマーを見ているとその異様なオーラに呑まれてしまいます。怖いし、身震いさせられます。



最後までどうか見届けて下さい。最後の晴れやかな三人の表情にこそこのアニメの真髄があります。
時間の都合上話の繋がりに雑な部分があるのは残念でならないですが、とても感銘を受けたロボットアニメです。



すごーーくどうでもいいこと。
{netabare}
駅の改札で他の利用者がICカードで通ろうとして。
そしたら残高不足で『チャージしてください。』って引っ掛かってたんですよね。
そのとたん頭の中に『チャージなどさせるものか!!』ってマサキの声が浮かんできて(笑)
笑いをこらえるの大変でした。


それだけです。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 10

66.3 3 世界征服でロボットなアニメランキング3位
ロボットカーニバル(OVA)

1987年7月1日
★★★★☆ 3.7 (25)
150人が棚に入れました
オリジナルビデオアニメが隆盛となった1980年代中盤に、作家性を前面に押し出して製作されたオムニバス作品である。大友克洋は本作ではオープニング、エンディングを担当しているが、短い時間に大友アニメのエッセンスが詰まっている。タイトルロゴの英字は、ディテールいっぱいに構造物が判別できるよう描き込まれた建造物。それが機械として走って来る構図や、オモチャ箱的で遊園地のような中身が丁寧に段取りを踏んで崩壊していく映像など、まさしく『スチームボーイ』の縮図と言っても良い光景がそこにある。他の作家がそれぞれ「ロボット」をお題に独特の世界を展開する中で、大友克洋はちょっと肩の力を抜いた映像主体の短編をつくりあげている。

Anna さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

”ロボット”をテーマにした、おもちゃ箱の世界!

8人のクリエータが「ロボット」をテーマで作ったオムニバス作品です!1987年に発売。

"OPENING""ENDING”は大友克洋が担当。
けたたましい花火やファンファーレと共にロゴが登場し、家々を破壊しながら進んでゆきます。さながら、ハウルの動く城のようです。

★森本晃司監督「フランケンの歯車」
初監督作品!世界征服を企むマッドサイエンティストの老人が、野望のためにロボットを作り上げるというお話。
細部まで描かれており、老人のロボットへの並々ならぬ愛と希望が伝わってきます!ロボットが立ち上がる数分間は、すばらしい出来!シュールなBGMをバックに、あの演出は鳥肌ものです!

★大森英敏監督「DEPRIVE」
捕われた少女を奪い返すため自らを戦闘ロボットへと改造し、悪と戦うヒーロー物語。
とんでもない変身っぷりです!敵キャラがハデハデしく印象的。スピード感にあふれ、音楽も架橋になるにつれてテンションアップ!
まさしく、"―完―"という感じでした。

★梅津泰臣監督「プレゼンス」
ロボットである男の首を、少年達が蹴り上げる画から始まる、なんとも奇妙な作品。淡い色彩と繊細で丁寧な絵がとても素敵です。
人物の1つ1つの動作が美しく、見せ方がとても上手!今見ても、色使いが斬新できれいに見えます。作品も音楽も、少し切ない仕上がりになっています…。

★北爪宏幸監督「STAR LIGHT ANGEL」
遊園地での、女の子達のゆれる想いを描いた作品。絵も音楽もまさにこの時代のアニメという感じです!表情豊かな顔の演技が印象的。突如暴れだす悪役ロボットが、かなりハイクオリティーです!

★マオラムド監督「CLOUD」
監督が、かつて自費出版した落書き集「雲と少年」を元にして作り上げたフィルム。鉛筆画と淡い色合いだけで描かれた、絵画的なファンタジー作品。
ロボットは、まっすぐまっすぐ歩き続けます。その上で、雲がゆれ、雨が降り始め、嵐に変わり荒れ狂います。限られた色と線だけで動く映像が、とても洗練されていて印象的。最後にロボットが振り向いた瞬間にとても感動しました。

★北久保弘之監督「明治からくり文明奇譚~紅毛人襲来之巻~」
他監督と作風がまったく違って、舞台は江戸の雰囲気と西洋が織り交ざった日本。街に巨大なからくりロボットが現れ、人々を襲います。愛嬌あるキャラクターが印象的。ロボットの腕がもげてしまう場面は笑えました。

★なかむらたかし監督「ニワトリ男と赤い首 」
深夜の新宿、魔物達の饗宴を見てしまった酔っぱらいの男が、怪人ニワトリ男に追いかけまわされるお話。
動きが活き活きしていて、ディズニーのアニメのよう。たまに出る、影絵的な演出が面白いです!
魔物たちの暴れ狂う姿は迫力があります。

ENDINGは情緒的な音楽のあと、ロゴを爆破することでがっちり締めくくられています!
全部通して見ると、おもちゃ箱にもぐりこんだ気分でした。
こうしてみると、本当にすばらしいアニメは時代を経ても色あせないことを、ますます実感しました。
個人的には、森本晃司監督と梅津泰臣監督の作品が好みです。
このような企画を、今の時代でもやってくれれば話題になると想うのですが・・・。

満足度120%のおもちゃ箱作品でした!

投稿 : 2024/11/16
♥ : 3

Etzali さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

OP映像だけでもいいから、観て下さい! いや、マジで!!

(2013.6/20)

ロボットを通して、破壊と創造、正義と悪、理想と現実、愛と苦悩を描いた8つの作品短編集。

中でも、作画・音楽・キャラデザともに最高だったのは3つめ「プレゼンス」。もうこれだけで、1クール作品作ってほしいぐらいです。

「プレゼンス」の監督である梅津泰臣さんは、2014年3月現在放送中の『ウィザードバリスターズ 弁護士セシル』の監督なのでレンタル・もしくは全話配信があれば観てみたいですね。

その「プレゼンス」の内容はイノセンスでも取り扱われている、人形は人ではないのか?と問いかけたり、人とそのエゴから生まれた恋愛感情を綺麗かつ切なく描写しているかと思います。

また大友克洋さんも参加していて、彼が手がけた作品は「AKIRA」・「MEMORIES」と観ましたが何で毛嫌いしていたんだろうと自分でも不思議なくらい大友克洋さんの凄さを魅せつけられた作品です。

因みに大友さんがOP・EDアニメーションを担当している訳ですが、そのアニメーションの丁寧・繊細さは圧巻です!

何というか異質な世界観なんですが、どこか惹きこまれてしまう。独特な雰囲気なので好き嫌いが分かれるのかも…

短編アニメ作品で初めてお気に入りのモノに出会えました(^^)

投稿 : 2024/11/16
♥ : 13

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ロボットに関するテーマを俯瞰した作品。

 オムニバス形式のロボットをテーマにしたアニメです。ロボットアニメのテーマ性を俯瞰するのもいいし、有名クリエータの力試しを観賞するもよし。非常に興味深く面白い作品です。

 冒頭のOPからロボットカーニバルと描かれた巨大ロボットが出てきます。キャラは一目でわかる大友克洋氏。移動都市の理不尽さがコミカルなアニメの中に不穏なものを感じます。

 1話目はフランケンシュタインもの、です。アンドロイドの暴走と破壊問題です。ロボット、AIなどの負の側面です。まあ、類例は数知れずでしょうね。開発者が地球のようなオブジェを持っていることから、技術による地球征服を目論んだ因果応報とも取れなくはないです。

 2話目はロボットが大切な主人のために自らを改造し戦いに行く話です。ロボット軍団に奪われた少女をロボットが助けに行きます。テーマとしてはロボットの使命と使途そして主人との関係などです。「ビートレス」などにつながるテーマです。「キャシャーン」のロボットによる軍団のイメージも強く感じます。

 3話目は人造の美少女もの、です。働き者の妻に対する不満からか、人造の美少女ロボットを愛でる話です。「おれ等じゃん」という感じでクリエータの自己投影でもあるのでしょう。
 美少女ロボットが「意思」を持ってしまい、愛を訴えられますがそれは主人公の望むものでは無かった。それで破壊するというところが、ポイントになります。我々の2次元やロリなどに対するスタンスと重なります。
 そして、主人公が老後を迎えたときに…という話で、2次元あるいは人工の美少女から逃れられない男の悲哀を感じます。梅津泰臣の美少女が見ものです。

 4話目はロボットはあんまりテーマ的には関係ありません。友達と二股をかけられた少女の前に現れた男の話です。映像的にはロボットですけどね。逆にカッコ悪いロボットに見えるものに恋をする=ルッキズムの否定=本当の恋、と言う風にとれます。恋愛もののストーリーのコア部分と言えるでしょう。

 5話目はロボットと命…早く人間になりたい?でしょうか。核兵器のような映像が出てくるのと、女神のようなイメージが印象的に描かれるます。「火の鳥」のような永遠性を読み取ればいいのかもしれませんし「星の人」のように死ぬことによって、人間と等価になる、と見てもいいかもしれません。

 6話目は日本の職人パワーで西洋機械文明の侵略に立ち向かうという話です。伝統技術の凄さを表した作品でしょう。

 7話目は機械文明の反乱です。これもキャシャーン的です。一人というか一台の原付バイクが機械文明の反乱に組せず、人間の男を助ける…という話に見えます。意図は違うかもしれませんが。
 最近では「VIVY」の終わりの方などでもありましたが、本来人間とパートナーであるはずの機械が氾濫を起こすとは「使いかたを間違える」ということになるでしょう。

 で、EDです。丸い玩具のようなロボットが爆発します。そして冒頭でてきた移動都市のようなものが壊れます。

 全体的にロボット=人間にとっては便利だけど牙をむくと怖い、ロボットと人間の関係性、ロボットの意思などのテーマが描かれていたと思います。

 私的には3話の妻に隠れて美少女ロボットを愛でる話に感情移入しました。映像的にはどれも見ごたえはありますが、2話、7話が良かったです。5話は詩的でいいんですけど作りすぎかなあ。6話が話もテーマもつまらなかった印象です。1話は平凡、4話はなんじゃこりゃ、ですね。

 ということで、ロボットをめぐるテーマを俯瞰したような作品で、難解さは無く比較的分かりやすく含意を提示してくれている気がします。考察や歴史の確認の練習にもいいし、考察の楽しさを知るきっかけになるのではないでしょうか。

 絵も奇麗だし、昔のアニメでゴージャスな作画でした。オムニバスなのでストーリーやキャラに5や4.5はつけ辛いですが、満足度は高い作品です。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 5
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