shino さんの感想・評価
3.8
重力の虹
富野由悠季監督作品。
アムロとシャア、宿命の最終決戦。
宇宙世紀0093年、
シャアは地球連邦軍に宣戦布告し、
ネオジオンを率い反乱の狼煙を上げる。
{netabare}小惑星アクシズを地球に落下させ、
人類の歴史に終わりを告げようとしている。{/netabare}
壮大な宇宙を舞台にした群像劇だ。
アースノイドとスペースノイドの、
民族的・政治的軋轢は一向に収まらず、
悲劇的な戦争がいつの時代も人を苦しめる。
宿命や因果によって始められた戦争に、
果たして善悪の価値判断はあるのだろうか。
人類は難しい局面を向かえている。
端的に言って物語は面白くはない。
しかしながらこれで良いのかも知れない。
ガンダムとは未熟で煮え切らない少年たちと、
理想に燃え理想に敗れた大人たちの物語なのだ。
スタイリッシュなカラーとフォルム、
ミニマルデザインの極致であり、
アシンメトリーに装備されたファンネル。
νガンダムこそ最も洗練されたMSに推したい。
サザビーとνガンダムの殴り合いは、
通常の理解を超えて至高の域に達する。
これこそがシャアのシャアたる所以であるのだ。
皆さんも良きアニメライフを。