不登校で恋愛なおすすめアニメランキング 4

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの不登校で恋愛な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月27日の時点で一番の不登校で恋愛なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

75.3 1 不登校で恋愛なアニメランキング1位
よふかしのうた(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (390)
1352人が棚に入れました
「初めて夜に、誰にも言わずに外に出た。」 女子がニガテな中学2年生の夜守コウはただ今、なんとなく不登校中。 さらには、夜に眠れない日々が続いている。 そんなある日、コウは初めて夜に、誰にも言わずに外に出た。 夜風が気持ちよく、どこまでも自由で、昼間とちがう世界。コウは夜に居場所を見つける。 そこに突如、謎の美少女・七草ナズナが現れる。 彼女は、夜の住人・吸血鬼。 コウに、夜の楽しさを教えてくれるナズナ。 「今日に満足できるまで、夜ふかししてみろよ。少年」 夜に、そしてナズナに魅了されていくコウは、彼女に頼み込む。 「俺を吸血鬼にしてください」 ナズナは吸血鬼になる条件を教える。照れながら。それは…… 「人が、吸血鬼に恋をすること!」 果たして恋を知らないコウは、ナズナと恋をして、晴れて吸血鬼になれるのか!? ふたりぼっちの、特別な「よふかし」が始まる__
ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

退屈と自由

「退屈」。――パスカルやキルケゴールが、
人間存在の根源的な条件として執拗に凝視したこの事象が、
すこぶる哲学的なテーマであることは論を俟たない。

それはさて措き、本作のキーワードは「退屈」である。
古来悪魔は、退屈につけこんで人間を誘惑する。本作では、
退屈した吸血鬼が退屈した中学生を夜の世界へ誘う。どこか古風な筋書だ。
そこに相手との恋を成立させるための、"恋愛ゲーム"の要素も絡んでくる。

「夜」の非日常性が浸透したかのような、
微妙にデフォルメされ、非現実感の漂う物語空間。
吸血鬼が都会のビルの一室で、人間相手に添い寝屋を営んでいたり…。

幻想的な夜空の下の解放感。吸血美少女との深夜の逢瀬。
そんな夜の魅惑と高揚が少年の中で、吸血鬼という存在への憧れと結びつく。
二人が共有する夜の領分にはすでに、地熱のような、火照りのような、
隠微な恋情の兆しも確実にあったはずだ。


コウとナズナ。この二人の恋愛不全には通底するメンタリティーがある。
それはおそらく、「作為」の忌避だろう。

吸血鬼たちは眷族を得るための手段として恋愛を作為する。
純情なナズナが他の吸血鬼たちと距離を置こうとする背景でもある。
だが、「吸血鬼は"生きること"以外に何もしない」ゆえに、
それは「作為」でありながら同時に種族固有の「自然」でもあるだろう。
そして、作為的な自然、 あるいは自然化された作為とは取りも直さず、
我々人間、あるいは吸血鬼たちにとっての「社会」という存在に他ならない。

だから、そこに馴染めずに脱落したコウもまた、ナズナの同類なのだ。
象徴的なのは、子供のころの彼が野球の"ルール"を知らず、
背を向けてアリの群れの行動を観察しているシーン。現在の彼も
「好きでやってる」か「人にやらされてる」の二択で考えると言っており、
つまりは自然と作為とを区別する習性が生来備わっているということだ。
コウにとって恋愛は、ただ面倒な作為とだけ感じられるはずで、
そうした面倒な関係性の集積である学校そのものが、結局どうでもよくなった。

要するに、二人には解放されるべき現実の束縛があり、
「夜」が象徴する「自由」への渇望は、純粋で切実なものだったのである。


さて第11夜。物語は急転直下の展開を見せる。
突如、暴力的に闌入した朝の光によって、コウの「夜」は灰のように消え去る。
そのとき萌した吸血鬼への恐怖が、昼の世界、作為の日常への回帰を促す。
このドラスティックなフェーズの転換が意味するもの、それは、
二人の「退屈」をめぐる長いプロローグがここで終了し、
新たに「自由」をめぐるターンが開始されたということである。


{netabare}なぜ自分は吸血鬼になりたいのか―。
コウはその理由を自問し、自由な夜が好きだから、と自答する。
だが、周囲にもたらす結果まで考えざるを得なくなったとき、
自分の未熟な憧れが思い描いていた「自由」の限界に直面したのである。

悩んでいるコウに、ナズナが謝罪する。

「吸血鬼なんて退屈なだけだよ。ごめんね、嘘ついてて。」

一方、ようやく答えにたどり着いたコウは、それをシンプルにこう表現した。

「・・・覚悟なんてないよ。ただ…
 俺はナズナちゃんに退屈してほしくない…んだと思う。」

ここで控えめに表明されているものは、一つの意志である。
たとえ「自由」が幻想に過ぎず、「退屈」の方が現実であったとしても、
それを自分の責任において選択し、変更していこうとする意志。
いわば「自由」に伴う"責任"を自ら引き受けようとする、成熟した意志である。

そして、不当に奪われた二人の「自由で楽しい夜」を奪還することを宣言する。

「俺はナズナちゃんを好きになる! 退屈なんてさせない。俺といよう!」{/netabare}


・・・そうして、彼らの「夜」が更新される。
最終話のラスト、物語の次なる局面を予告するかのように、
ナズナのピュアでナイーブな内面を象徴する「なずな」のカットが挿入される。

恋愛とは本来利己的なものである。しかし同時に、
自己中心の世界から他者のいる世界へと移行する契機を含んでいる。
それは内面的な成熟の指標ともなり、コウの宣言には明らかにそれが認められた。
一見耽美で背徳的なパッケージに包まれたこの作品の本質は、
一人の少年の出会いと成長を描いた、超本格ジュブナイルなのである。

・・・"だがしかし"(笑)、この結論に自分はかすかな戸惑いを覚える。
おそらく本作の魅力は、意識化される以前の未分化の世界を描いた前半部にある。
序盤に登場した鮮烈きわまる「夜」のインパクトは、我々の思春期の
過渡的なあわいにあった感覚が束の間捉えていた、あの"遥かさ"を思い出させるのだ…。

アニメ第2期制作決定がすでに告知されている。
ポップな外観にやや抵抗を覚えた自分のように、 視聴を迷う向きもあろうが、
ストーリーのロジカルな展開も、イマジネーションの冴えも本物だと思える。
ドラマの構築力についてはもう少し先を観てからの判断になるにしろ、
個人的には必見と言っていい作品ではないかと思う。


2024. 5. 7

投稿 : 2024/11/23
♥ : 12
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

他の吸血鬼がでてから急に面白くなくなりましたね。

1話 夜とは大人の世界。少年がどう成長するんでしょうか。期待枠です。

{netabare}  情報が無くても分かる「だがしかし」の作者の絵柄です。ということは、この作者の最大の特徴は「女性の内面は描けない」ということです。「だがしかし」でほたるはしゃべるだけしゃべりますが、結局内面を見せません。あのグルグルの目は、ほたるの時からおもっていましたが、内面がない非人間性なんだと思います。

 セックスの話は顔を赤らめないで、恋愛の話は恥ずかしい。14歳なのに女性がわからない、性に興味がない。非常に現代的ですね。これは痛い人には痛いと思います。世代が近い人からは共感を得るんでしょうか。
 ノイタミナ枠ですから、この辺りにテーマ性は見出せそうですね。夜の世界とはすなわち「大人の世界」のアナロジーです。新橋的な酔っ払いも出ていましたね。あのシーンがつまり自分たちは大人とは違う側にいるということでしょう。

 つまり、大人の世界を少年が知る話なんでしょう。吸血姫は成長はしません。「だがしかし」の結末は知りませんが、ほたる同様少年の前を通り過ぎるだけでしょう。ちょっとフリクリのハルコの雰囲気もありました。

 それにしてもいい夜空、背景でした。少年が見る夜の世界は不思議な色がついています。それは現実でもあり現実ではない世界で未知の世界ということでしょうか。空を飛ぶというのは飛翔でもあり、また地に足がつかない不安でもあります。

 ナズナさん、肉体はエロかったです。だけど、内面がないのでエロく感じない。それはあの瞳のせいなのか、言動のせいなのか。

 本作の結論がどうなるにせよ、いいところに目を付けましたね。令和の14歳はエヴァのシンジと違い、性に興味がもてない。自己肯定感がないのではなく、自分自身が理解できない感じです。さてどういう話になるか楽しみです。実は成長を否定したりして。それはそれで面白そうです。 {/netabare}



2話 吸血=〇ックス。EDに多分全部何かを込めている。

{netabare} まあ、セックスとか伏字にするようなものでもないですが、題名なので慎みました。

 あれ、化物語?という感じでスタートしました。ちょっとメタ的な虚構感を出したいんでしょうか。EDとか見るとそんな感じもあります。

 それは良いとして、なるほど吸血はセックスのアナロジーという感じなんですね。年上のビッチ女…というより食事のためなら「パパ活女」という感じでしょうか。いや、EDとかみるともっと直接ですね。風俗嬢的です。恋愛には照れてしまうという感情が非常に納得できます。

 私はどうも魅力的な売春婦キャラにメチャメチャ弱いので、ナズナさんが一気に気に入ってしまいました。照れると急にナズナさんがエロく見えるのが不思議です。

 EDはすごかったですね。ちょっと信じられないくらいのクオリティでした。美術面でもそうですけど、テーマ性がフルフルで込められている感じです。
 EDではナズナのエロをあえて強調しています。「泡」はソープ嬢的ともいえるし、直接そうでなくてもそういった場面を連想させます。ナズナの本来の生き方を表しているのでしょう。ペットボトルやグラスが溢れでていましたね。露骨なアナロジーですね。

 レモンは何でしょうね。甘酸っぱさの象徴でしょうか。レモンの花子言葉は「誠実な愛」らしいです。それがグルグル回っていたし、レモンから汁が溢れています。
 ナズナさんが、作り物の街を破壊する存在なのはわかりました。イスは普通は権力の象徴ですけど…どうでしょう。光が当たっているのでそういう意味はありそうですが、あまり権力的なイスにも見えません。この辺りが思いっきり何かを象徴していましたね。単純に見れば既存の社会、価値観の破壊者ですが、どうでしょうね。今後どうなるかちょっと楽しみです。


 で、売春婦との恋愛ドラマは悲恋が多いですよね。まあ、吸血姫は直接売春婦ではないですが、住む世界が違う…うーん。少年マンガだからどうでしょう。子供になって遊ぶというのも無邪気に見えて欠落や寂しさですからね。しかもその遊び道具がトランシーバー…おもちゃのコミュニケーションツール…まだまだ気持ちの伝え方が子供だ、ということでしょう。

 いずれ少年が成長すると、やっぱりフリクリみたいに目の前を通り過ぎて行くんでしょうか。他の女性キャラも出るみたいだからどうでしょうね?

 あおりと俯瞰の画面がある作品は作画技術に自信がある証拠でしょう。安心して見られます。
 で、新キャラでましたね。彼女と最後くっついてナズナとは…になるとまさにフリクリですがどうでしょうね?

 とにかく2話、素晴らしいストーリーと演出、EDには感動しました。視聴は決定ですね。 {/netabare}


3話 生々しすぎて正視に堪えない、という人がいても不思議じゃない感じです。

{netabare}  改めてOPじっくり見ると、OPのイチジクの葉ですけど、恥ずかしいものを隠すの意味があります。りんごは禁断の果実でもあり、誘惑でもあります。まあ、そういう話ですね。吸血で友達の前でそういうのやめてとか。いつもやってるの?とか。EDもそうでしたが、本作は全編にわたってアナロジーがちりばめられています。
3話の副題が「いっぱい出たね」ですし。

 アキラと再会した後の、ナズナとの布団のシーンもまさにその行為のアナロジーですし。女の友達と数回あうだけで、俺の事好きとか思春期過ぎるでしょう。なんでもラブ。セリフの通りですね。主人公はナズナを好きになるために一緒にいたのに、アキラにも期待する。主人公のマインドはやはり幼いです。

 で、友達とは何か、なぜ連絡を取らなかったのか、か。そして、学校の存在意義…か。やっぱり既存の社会に対する価値観もテーマなんでしょうか。吸血姫は異質な存在…すべて破壊するもの。夜とは反社会。セックスは隠すべきもの。

 なぜナズナが怒っているのか想像ができない。友達の定義。解答が言葉にならないと何も理解できない主人公。ゼロかイチかの解答を必要とする。現代的ですね。思春期の肉体と精神のモヤモヤに解答が欲しい。そして誰かとつながりたい。生々しすぎます。本作に本能的感情的に反発する人も出てくるのでは?

 これは難しい話ですね。テーマを深掘りするほど訳がわからなくなる沼にはまりそうです。どう展開しどう畳むのでしょうか。

 それにしてもアキラちゃん、ふくらはぎ…腓腹筋、ヒラメ筋が発達しすぎですね。3:42を見てください。ナズナが夜の女でなよっとしているのとは対照的です。スポーツやっている設定かな。この辺りの対比にテーマ性を集約して絵で見せたのだとすれば作画はものすごく優秀ですね。

追記 あれ?肩幅も広いし…アキラって名前って…ひょっとして男…にしては胸あるよね???ただ、髪型とか、顔の造形とか…んん?腰から下の骨格と子供のころの足が内股なのは女性的なんだけど…ただ、瞳と睫毛がなあ…

 幼馴染の性別は疑えの原則が発動?名前が中性的だし…うーん。ブルーピリオドの1話ではちょっと騙されたしなあと思ったら声優さんが??? {/netabare}



4話 今のところずっと言葉遊びです。アキラが出てきたので飽きてはいません。が、単調になりつつありますね。


{netabare} なんか「14歳すぎ」ですね。見ているのがすごく恥ずかしいです。思春期のモノローグ。キスがどうとか性行為とか好きとか嫌いとか。手が触れるだけで恥ずかしいとか。

 遊ぶとか寝るの意味をどうとるかとか。少年誌だから暗喩で終わるんでしょうけど、問題は内面にどこまで踏み込めるかです。ナズナさんは舞台装置なので、もちろんコウの内面です。アキラまで行ければなおいいですね。
 せっかく恋愛と性行為の対比をしているわけですけど、今のままだと寸止めドキドキで終わるんでしょうか。少年誌だから限界あるし、そのための吸血姫ですからね。
 
 とはいえ、朝井アキラちゃんを出すことで設定の理解は進んでいます。結局、朝井アキラちゃんは思いっきり巨乳少女そのままでしたね。男だったら面白かったのに…と思いつつも、アキラが求めているのは友情問題、孤独などはあるみたいですね。

 恋愛ゲームのシーン面白かったです。プレステだし。萌えをメタ的にギャグにしているし…

 視聴継続して、また新キャラが出てきたり方向性が分かってきた辺りでレビューすると思います。 {/netabare}


5話 エロすぎ笑った。なお、彼女に元カレとの〇〇〇について聞いてはいけません。聞きたくても我慢しましょう。

{netabare} あるいは彼女が風〇嬢だったらどうしますか?それで生活していたんだけどなあ、と言われたら。

 いや最高でしたね。「楽しいのもストレス」というのも良かったし、なんかNTR…ではないですけど、彼女の昔の性体験を聞くようなドキドキ感。それが風俗勤めとか…

 男心と思春期の性欲。すごい話です。なんとなく思春期に引き戻されたような感覚がとてもいいです。

 あとナズナちゃんのエロさって肌の色?{/netabare}


6話 非日常とはなにか?変性意識状態を良く描けていました。

{netabare}  会社員の日常のしんどさ。会社の仕事が日常生活に精神的に喰いこんできます。さらに白河さんの場合深夜の呼び出しがありました。彼女に必要なのは非日常でした。

 その非日常の最たるものがナイトプールですね。プールというのは水が大量にある、というだけで不思議な場所です。そこに深夜、半裸の男女がいて、妖しい照明に、更にお酒も入って…さらに塩素の匂いなども相まって、普段の意識とは全く異なる世界です。これは催眠にかかっているようなものですね。

 そこでナンパをしていた男2人が思いのほかいい人というか普通の人というのも注目ポイントでしょう。解放によって性格が変わるんでしょう。また、解放することが苦手なコウ君がナイトプールで一人だけ日常から抜け出ていなかったのも描写として優れていました。

 そして、学校のプールに真夏に忍び込んで遊ぶ。これもまた、中学生くらいのときにやる非日常です。中学生のコウくんにとってナイトプールは場所が異質すぎて解放感よりも警戒感なんでしょうね。むしろ中学校のプールくらいのほうが、コウくんの非日常にとっては、リラックスできるのでしょう。ナズナちゃんと2人きりになれますし。

 思春期のコウくんと白河さん、そしてナイトプールの2人組。それぞれの日常と非日常。ストーリー展開も見せ方もとても素晴らしかったと思います。

 これを見ると本作のいう夜更かしは「変性意識状態」についてを描いているということがわかります。変性意識状態というのは、ググって貰えればわかります。(ウィキの説明はたいしたことがないので、変性意識-盆踊りとか変性意識-音楽、変性意識-登山とかでググってみてください。)

 意図してか図らずもなのかわかりませんが、非日常の中に身を置くと自己肯定感につながるそうです。その一方で宗教的なトランス状態に陥り、洗脳にかかったりもするみたいです。要するに薬物ですね。
 そういうところを掬い上げたこの6話は、非日常の大切さ、人間というものが非常に良く描けていました。

 レジャーや遊び、そして違う人と話すこと。これの有効性も表現できていたと思います。

 つらい現実もあり、NTR的なモヤモヤ、エロスもあって、何か人の心をざわざわさせる回でした。かなりの人の心に刺さるのではないでしょうか。生々しすぎて正視できない人がいても不思議ではないですね。

 なお、アキラちゃんはもう出てこないとなると、それぞれのキャラはゲストキャラ?となるとゲストで1テーマがあるんでしょうか。アキラちゃんの回では友情と男女…と短絡的に読み取っていましたが、描かれている内容はもう一度確認しておいた方がよさそうですね。


追記 「変性意識」ですが、ググり方は「変性意識-ハレとケ」…でもいいですね。ハレとケ…つまり共同体も祭りもなくなった現代人が生き残るためには?という、非日常という生存戦略をアニメという形で見せてくれている感じがあります。

 それとナズナちゃんの家がいわゆるミニマリスト的な感じなのも含意がありそうですね。モノを持つこと、持たないことの意味も考えたほうが良さそうです。 {/netabare}


7話 あー展開してしまいましたね。ストーリの進行を慌てた感じです。これはちょっと嫌な予感がします。

{netabare} 人間が増えて行く分にはよかったんですけど、吸血姫かあ…答えが全部ではないですけどセリフで語られてしまいましたね。せっかくの文学的なモヤモヤがあったのにちょっともったいないですね。
 吸血鬼同士の会話に女のテクニック的なものがありましたけど、やっぱり実際にコウくんを外で順番にナンパ(死語?)してほしかったなあ。

 ちょっと作者があきちゃったんですかね?それともこの退廃的な雰囲気が少年マンガでは受け入れられないので、分かりやすくしちゃった?
 最後の感じだと吸血鬼化にタイムリミットがあるんでしょうか。

 それにしても、不思議な街だなあとおもってましたけど、今回って海浜幕張?の幕張メッセ周辺?まあ、いろいろお世話になった場所なので何となく記憶にあります。
 あれって京葉線の高架っぽいですよね。で、ラウンジ的な場所の背景にあったのはメッセの国際展示場に見えました。あの最後にいた場所は近隣のホテルのラウンジかスイートルームの一部かなにか?
 ただ、初めの喫煙所ですけど、駅は海浜幕張ではないと思いますので、隣の新習志野辺りなんですかね?確認してませんけど。{/netabare}



8話 感覚的情緒的なものが、思考的観念的になった?

{netabare} 1年っていうのは、どうでしょう。受験までの日数のアナロジーでしょうか。中学生の大人になるまでの悩みですから、当然タイムリミットはあるでしょうね。となると、本作はやっぱりフリクリエンドな気がしてきました。

 ナズナちゃんが「好きになる」という気持ちがわかったらどうでしょうね。旧来の価値観だと目の前からいなくなるのが正解です。つまり、最後の事件としてあの吸血鬼との抗争の末、吸血鬼になれなくても命は助けるけどみんないなくなるとか記憶をなくすとか?
 期限がついたということは、ナズナちゃんは彼を眷属にしないし、彼の前から去ってゆくのが一番濃厚ですね。

 ナズナちゃんは、おいしい血をすう…つまり、メリットがあるから近くにいます。いっぽうでコウくんは現状から逃げたいのでナズナちゃんにすがります。この関係が崩れないと成長がないです。既存の価値観を崩すということで、工夫がある終わり方になると面白いのですが、どうなるんでしょうか?

 キャラ的には「だがしかし」の焼き直しになりそうな配置になってしまいました。原作者は多分女性の描写が苦手なんでしょうね。ホタルちゃんほどではないですけど、ナズナちゃんの内面も非常に単純だし、他の吸血鬼はステレオタイプのビッチあるいは婚活女子だし。
 となると「だがしかし」の最終回のがっかり感を再現するんでしょうか。少年向けだからしょうがないとはいえ、唐突というか無理やりすぎでしたね。

 全体的な構造が非常にわかりやすくなってしまいました。極めて思考的観念的になって行きつつあります。夜更かしの感情的感覚的情緒的な話から、どんどんわかりやすく思春期の悩みを見せてしまっています。特に7話以降で当初の幻想的な訳の分からない話の中のモヤモヤ感が急速に薄れつつあります。

 話展開させないで、最後突然ナズナちゃんがいなくなる、みたいな感じがよかったかなあという気もします。まあ好みの問題ですけど。{/netabare}



最終話 他の吸血鬼が出てから、急に面白くなくなったと思います。 

 吸血鬼になると人を殺すか眷属にするか、あるいは我慢するという設定が足枷になって、畳めなくなった感じですね。原作がどうなっているのかしりませんが、アニメ版のオープンエンディング、つまり今後の事は視聴者に委ねる、というのは、狙った結末ではなく畳めなくなったのでなんとかソフトランディングを狙った風に見えました。

 コウくんの吸血鬼になる=人を殺すか渇望に耐えるという悩みがどこかに行ってしまいましたね。物語を展開させるために吸血鬼の部分をクローズアップさせたのが、破綻を生んだ気がします。

 前半は、吸血鬼になるには恋愛というきっかけが必要で、なった後は、他人の性や欲望が無ければ生きられない、という大人の世界=夜の世界のアナロジーで、酔っ払いとか会社員のおねーさんとかで大人の世界の厳しさと、アキラちゃんで友情などもかなりいい感じだったと思います。
 うまく思春期を描いていたのに、物語の中心が吸血鬼設定に移行したことで、視点がブレた気がします。

 他の吸血鬼が出てから、急に面白くなくなったと思います。狙いも演出も悪くなかっただけに竜頭蛇尾感がすごくて、残念な結果でした。




 

投稿 : 2024/11/23
♥ : 26
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

世間体の影に隠れたモヤモヤが気持ち良く吸い上げられる感じ

眠れぬ不登校中2男子が初めて繰り出した深夜の世界にて、
出会った吸血鬼ナズナと共に夜更かししたり、
自分も吸血鬼にしてもらおうとナズナちゃんに恋しようしたりする。
同名連載コミック(未読)の連続アニメ化作品(全13話)


【物語 4.0点】
不良と“普通”の間のグレーゾーンを巧みに言語化。

この作品、字面にすると、どうしても非行少年の話に見えて伝えるのに難儀します。
主人公・夜守コウは学校にも行かず、露出の激しいヒロインと、夜の街を徘徊。
挙げ句、{netabare} 添い寝マッサージ店で無届けの未成年就労してみたり、
ラブホに女を連れ込んで?{/netabare} みたり。
ヴァンパアキラーが策を弄するまでもなく、補導案件ですw

ですが、夜の世界に身を委ねていると、
コウは、人間社会で普通でいるために皆が我慢している諸々を我慢しなかっただけ。
共感できる心情が多数掘り起こされ、それが作品特有の居心地の良さにつながっています。

主人公の世代設定から学園生活への折り合いが焦点になりますが、
第六話は社会人にとっても刺さる内容でした。
{netabare} 疲れ果てているのに上司の呼び出しに応じようとする白河さんを止めようとする件。
昔、辞めた会社で上司の無茶振り出社命令無視して、高速爆走した夜を思い出して、{/netabare} ウルッとくるものがありました。
人間やめて普通でいるくらいなら、まともじゃない自分を大事にした方が良いに決まっています。

……と、安心しきった所で、終盤、夜の吸血鬼の世界が如何に危険か?永遠が如何に退屈か?
コウがこのまま人間やめて良いのか?
{netabare} 吸血鬼になれる期限は一年{/netabare} など聞いてない契約詳細や現実を突きつけて自問させる構成も○。

グレ切らない塩梅もまた心地良かったです。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・ライデンフィルム

目を引くのが背景のきらびやかに美化された夜の街並み。
深夜帯が未知の領域だった頃の憧れを思い出させてくれます。
色彩設計・滝沢 いずみ氏は『物語』シリーズのカラーデザインなども手掛けてきた色のプロ。
蛍光紫、グリーンなど極彩色を配し、夜の世界の非日常感を際立たせる。

ゆったりしたムードの中、稀に差し込まれるバトルアニメーション。
スピード感、部位欠損を伴うグロと、思い切りが良く、ここは吸血鬼の世界なのだと目が覚めます。


【キャラ 4.5点】
ヒロインの吸血鬼・七草 ナズナ。
まぐわうだの、ちちくるだの、{netabare} 先っぽだけだからだの、ズッコンバッコンのできちゃった婚{/netabare} だのw
大胆なファッション同様、自重しない下ネタは吸血鬼仲間からも呆れられる程。

ところが、いざ恋バナとなると{netabare} 恋愛学一生赤点レベル{/netabare} のポンコツぶりw
夜のフライト同様、アップダウンの激しい性格で、会話劇にリズムを生み出す。


ナズナちゃんと三角関係の様相を呈するコウの同級生女子の朝井 アキラ。
超早起きの破綻気味の生活サイクルで、夜更かし中のコウと早朝に鉢合わせる。
夜の街に出歩くのはいけないことで、朝早いと殊勝な心がけだと思われる。
これもまた世間体の欺瞞を突いたキャラ設定。

ナズナとアキラ。イカれた夜の世界と、真っ当な朝の世界。
早朝のせめぎあいを眺めながら思索にふけるのも楽しかったです。


【声優 4.5点】
ヒロイン・ナズナ役の雨宮 天さん。
セクハラオヤジ同然の?濁声までカバー。芸域の広さを改めて思い知らされました。
これならベテランになってからも、村の大ババ様役とかで貫禄を示してくれそうです。

ナズナちゃんの際どいボケにツッコむ夜守コウ役の佐藤 元さん。
メインどころを射止めるだけのキレの良さと心情を汲む繊細さを併せ持っています。
この春放送のTVアニメ版『君は放課後イムソニア』でも不眠症の主人公少年役を演じるそうで、そちらも楽しみです。

楽しい夜の世界に波乱をもたらす喫煙私立探偵・鶯 餡子(うぐいすあんこ)役の沢城 みゆきさん。
こちらも粘着質な濁声で脅しをかけてくる芸域の広さを見せる。
将来、天ちゃんとハードボイルド物とかで共演するのを見たいとか思ってみたり。


戸松 遥さん、喜多村 英梨さん、伊藤 静さん……。
ナズナの吸血鬼仲間のキャスト陣も男を誑(たぶら)かす外面を操る妙演で魅せる。
そんな豪華吸血鬼キャスト陣の中で、あざといロリ成分を提供するのが小繁縷(こはこべ)ミドリ役の大空 直美さん。
メイド喫茶ナンバーワンを射止めたという巧みな話術も再現。
吸血鬼コミュニティーを狂わせるだけでなく、私も眷属になってもいいかも?と魔が差しそうになったりw

蘿蔔(すずしろ)ハツカ役の和氣 あず未さん。{netabare} 性別の壁を超える{/netabare} ボクっ娘ボイスもハイレベルでした。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は出羽 良彰氏。
夜のムードを壊さない静かなシンセの音色が程よいスパイス。
ですが命のやり取りをする場面ではギターを唸らせて踏み込んで来ます。

主題歌はOP「堕天」、ED「よふかしのうた」共にCreepy Nuts。
そもそも本作は「よふかしのうた」を元に構想されており、このタイアップEDは言わば“逆輸入”。
さらに、夜と、コウとナズナ二人のムードが極まった時に流れる「ロスタイム」も上々の挿入歌で、まさにCreepy Nuts無双。

勢いに乗じて?Creepy NutsのR-指定とDJ 松永のご両人はキャストとしても出演。
中々の話術で、{netabare} ナイトプールでナズナちゃんナンパしてましたw{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 31

66.3 2 不登校で恋愛なアニメランキング2位
恋愛フロップス(TVアニメ動画)

2022年秋アニメ
★★★★☆ 3.3 (180)
501人が棚に入れました
街に出て、あたりを見渡せば一人は視界に入るだろう平凡な男子高校生・柏樹朝(かしわぎ・あさひ)。 代わり映えのしない毎日に何の疑問も持たずに出かけた学校への道のりで、朝は様々な災難に見舞われる。それは出かける前に何の気なしにつけたテレビでやっていた奇妙な占いの通り。 次々と起こるトラブルの中で、5人の少女たちと最悪とも言える出会いを果たした朝。 身も心も疲れ果て、やっとの思いでたどり着いた学校で、彼が目にしたのは、転校生や新任の教師としてやってきた5人の少女たちの姿だった。 必死に顔を隠す朝だったが、隠し通せるわけもなく......。 自称・朝の親友を名乗る伊集院好雄(いじゅういん・よしお)から、5人との関係を聞かれる朝。 5人の少女たちとも一緒に過ごすうちに全てが誤解であることがわかり、少しだけ打ち解けていく。 そして放課後、家に帰ろうと靴箱をあけると、そこには一通のラブレターが。 差出人不明のラブレターには校舎裏の桜の木の下で待っていますと書かれていた。これもまた占いの通り。こうなったら全てを確かめてやろうと、朝は桜の木の下へと向かう。 桜舞う季節、5つの恋の風が吹き抜ける淡く切ない青春ラブストーリーが今、幕を開ける。

よこちゃん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

急展開で面白くなるアニメ

アニオリ作品だそうですね。
主人公の朝(あさひ)と5人の美少女キャラとのラブコメか、6人で住むの?五等分の花嫁みたいな話だなと思って視聴してたんですが、とにかくラッキースケベ的な微エロと少し下品な下ネタが多すぎる。話もまぁ普通かなって感じ、でもラブコメ好きだし声優陣も豪華で美少女キャラは可愛い、私はそれだけでも楽しめるが、突拍子の無い回もあり少しスベッてるし、断念した方が多いかもと観てました。

でも何か引っかかてたんですよね。一緒に住む理由が軽いノリで強引。1人を除いて何故その設定?教師がいるのも不思議。主人公に好意を最初から持っている。いつの時代??など。そして第7話…
うわーきたー急展開、やはり伏線だったか!一気に面白くなります。かなり珍しいんですが終盤に私半泣きしました。

だから私は途中で断念しないんですよ。もちろん時間が無く忙しい方は仕方ないんでしょうが、第1話の途中で切る人もいますよね、私はありえないと思います。ただこのアニメを勧めるなら第7話まで観てねとは言いますね(^^;
そして偉そうに言った私も一つだけ第1話で切ったアニメがあります。その名もポプテピピック!

確かに第6話までは普通なんですが、それらも伏線として必要なんですよ。長めだったから余計に第7話は驚きます。残念だったのはやはりエロと下ネタの多さ、何故そうしたのか?それが不快で断念した人いそうでもったいない。私も評価下げて物語点4.0にしました。音楽はOPも2種類のEDも良いですよ。

こう言う伏線貼るためにスロースタートなアニメの評価、全部視聴して低評価にするのは良いですが、断念したのに低評価にするからこう言うアニメ少ないですよね。初めから飛ばして尻すぼみになるアニメより面白いと思うんですけどね。

私は好きなアニメなのでお勧めしますよ。第7話まで観てくださいね。

2023年2月1日

投稿 : 2024/11/23
♥ : 18

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

隣にはいない。でも、ずっと傍にいる。

今期の中で、ナックルボールばりの変化球だったのがこの作品でした。
序盤は恋愛アニメの王道というか常套というか、滑り出しは悪く無かったと思います。
ただ、中盤がビックリ箱みたいな展開の連続で「このごった煮のどこに面白い要素があるんだろう」と思ってしまったほど唖然とした展開が続きました。

きっとこのままの展開だったら途中で視聴を諦めていたかもしれません。
ですが、この作品はそんな唖然とする展開を、これ以上ないくらい綺麗に纏めてくれていたんです。
しかも、更なる超展開まで登場するというとんでもないサプライズまで用意されていたのですから…
そして付け加えるなら…泣ける要素まで注入されていますので。

完全にしてやられましたよ…
流石オリジナル作品だけありますね。


街に出て、あたりを見渡せば一人は視界に入るだろう平凡な男子高校生・柏樹朝。
代わり映えのしない毎日に何の疑問も持たずに出かけた学校への道のりで、朝は様々な災難に見舞われる。
それは出かける前に何の気なしにつけたテレビでやっていた奇妙な占いの通り。

次々と起こるトラブルの中で、5人の少女たちと最悪とも言える出会いを果たした朝。
身も心も疲れ果て、やっとの思いでたどり着いた学校で、彼が目にしたのは、
転校生や新任の教師としてやってきた5人の少女たちの姿だった。

必死に顔を隠す朝だったが、隠し通せるわけもなく……。
自称・朝の親友を名乗る伊集院好雄から、5人との関係を聞かれる朝。
5人の少女たちとも一緒に過ごすうちに全てが誤解であることがわかり、少しだけ打ち解けていく。

そして放課後、家に帰ろうと靴箱をあけると、そこには一通のラブレターが。
差出人不明のラブレターには校舎裏の桜の木の下で待っていますと書かれていた。
これもまた占いの通り。こうなったら全てを確かめてやろうと、朝は桜の木の下へと向かう。

桜舞う季節、5つの恋の風が吹き抜ける
淡く切ない青春ラブストーリーが今、幕を開ける。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

感想して振り返って思うこと…
これぞ正に「淡く切ない青春ラブストーリー」でした。

公式HPのINTRODUCTIONに記載されている通り、5人の女の子たちが登場します。
演じている声優さんの面子がヤバいくらい凄いんですよ。

和泉沢 愛生(CV:みっく)
アメリア・アーヴィング(CV:あやち)
イリーナ・イリューヒナ(CV:りえりー)
白 夢華(CV:ひーちゃん)
カリン・イステル(CV:高野麻里佳さん)

どうです?
凄い面子でしょ^^

これはアニメを視聴して耳が幸せになるヤツです。

物語については、何を言ってもネタバレしそうなのと、この作品については是非実際に視聴していただき、展開のアップダウンを自身で体感して欲しいので敢えて書かないことにします。
と言っても、いつも殆ど書いていませんが…(*ノωノ)

作品を最後まで視聴頂けると、公式サイトのTOPページに記載されており、このレビューのタイトルに引用させて頂いた「隣にはいない。でも、ずっと傍にいる。」の意味が分かるはずです。
この言葉を見た瞬間、胸がジーンと熱くなりましたよ。

オープニングテーマは、鈴木このみさんによる「Love? Reason why!!」
エンディングテーマは、5人のヒロインによる「Flop Around」

1クール全12話の物語でした。
途中の展開にはビックリしたものの、ラストまで視聴して本当に良かったと思えた作品でした。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 11

ボンゴレ11代目 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

最初だけ見て内容の薄いラブコメは大間違い

大体低評価つけてるのは3話切りとかそこら辺前後の人だと思いますね。
このアニメは何も考えず作られたように思われがちですがそれも後半まで見れば意味があったものだと分かる。理不尽で強引な設定もそれもちゃんと理由があり内容が薄いどころか伏線がたくさん仕込まれてて濃かったレベルです。後半の方は少し専門用語も多く出てきて脳死で見てたら度肝抜かれると思います笑。アニオリで展開がまだわからない分期待して見れます。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 2

64.0 3 不登校で恋愛なアニメランキング3位
ねらわれた学園(アニメ映画)

2012年11月10日
★★★★☆ 3.7 (297)
1481人が棚に入れました
本作は眉村卓の同名小説を、監督の中村亮介自ら脚本を執筆。(※内藤裕子との共著)
時代を現代の中学校に置き換え、新しい解釈によるアニメ映画化が実現。
制作はサンライズ第8スタジオ(「境界線上のホライゾン」「アクセル・ワールド」)が担当し、思春期の心象風景を淡くも鮮烈に描き出す話題作。
キャストにはナツキ役にAKB48の渡辺麻友が劇場版アニメ映画で初主演声優を務める。ナツキの幼なじみで相手役となる関(せき)ケンジ役を、 『SUPER8』(11)、「エウレカセブンAO」(12)の主役を演じた声優・本城雄太郎。ナツキ・ケンジが通う中学に”転校生“として現れる京極に、 『涼宮ハルヒの憂鬱』の古泉一樹、『黒執事』のセバスチャン・ミカエリスなど数々のアニメで主役を演じる小野大輔。ナツキ・ケンジの同級生のカホリ役に 「海月姫」の倉下月海役や、「こばと。」の花戸小鳩役などで主役を演じ、歌手としても人気の花澤香菜、と人気・実力ともに豪華なキャスティングが実現。
主題歌「サヨナラの橋」はナツキの声を演じる渡辺麻友が担当し、作品に彩りを加え、オープニングテーマ「銀色飛行船」はアニメファンにも定評の高いsupercellが担当。こちらも豪華な顔ぶれで本作を盛り上げる。

声優・キャラクター
渡辺麻友、本城雄太郎、小野大輔、花澤香菜
ネタバレ

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ぬるい演技、浮ついた作画、しつこいメタファー・・・でも問題なのは主題歌だろ(´・ω・`)

マジ何回目の映画化ですか?


って最初は飽きれてましたけど、実はアニメ化したのはこれが初めてだそうでw
いやはやw失礼しやすた(*´ω`*)テヘペロ


たぶんプロデューサーが目指したかったのは『時かけ』みたいなコメディタッチ&青春恋愛ドラマ
んでもってそこはかとな~く原作との繋がりをチラ見せさせるような作りの作品
たぶんその考え方は間違っちゃいないっす
実際そーゆー作品に仕上がりました『時かけ』的な何か


監督に起用されたのはマッドハウスの秘蔵っ子で『魍魎の函』や青い文学シリーズ『走れメロス』の若手、中村亮介
これまでの落ち着いた雰囲気の監督作とは一変し、自らも脚本を手掛けて「時かけ風味の四角関係恋愛ドラマ」へのアレンジに挑戦してます


原作と最も違うポイントなのが「ケータイの存在」をテーマにしているところでしょうか
ケータイって結局ただの道具に過ぎないんじゃないのか?本当に無くてはならない物なのか?じゃあテレパシーがケータイに取って代わればそれで皆ハッピーなのか?
そんな感じのお話です


でもイマドキ「ケータイ禁止令」がテーマになるってのもオイラ世代の学生(10年前)ならトモカクとして、このご時勢では現実味ないような気もしましたけどね;


映像面では監督が得意とする背景の美しさ、撮影処理やCGを用いたエフェクトが随所に際立っております
舞台となった湘南海岸付近の街並みや江ノ島の風景をあたかも『クリスチャン・リース・ラッセンの絵画』のような美麗で幻想的なフィルムに仕上げているのはチェックしておきたいところ
(ってかまた江ノ島かよw今年何本目ですかw)


ただ色々と「どーにかならんかったのかw」と笑ってしまうシークエンスがあるんですわ
まずヌルヌル動きまくる作画のクオリティに反して、声優の演技が超ローテンション;
特に前半、ヒロインの一人であるナツキの人間離れした運動神経をやたらオーバーに描写し、ナツキの元気っ子っぷりをアピールしているものの、、、ナツキを演じているまゆゆ自体は妙に落ち着いた喋り
こうなってくるともう作画が過剰なのか、まゆゆが下手なのかワカラナイ
っていうかミスよね、演出的にはw


クライマックスになってくると時空の狭間に浮かんだ“取り残された記憶の世界”がメタファー的にやたら絡んできますが、あそこは普通にアニメ的なサイキックバトルで決着を付けちゃった方が良かったような気がします;
実際、このメタファーがちょっとしつこ過ぎる
率直にイイと感じれたのはケンジとナツキの幼少期のトラウマにまつわる部分だけかなぁ・・・


あとケンジの妹ってキーパーソンとしては使い切れてないし、絶対不要でしょ(可愛いんだけどw)
ケンジの祖父が倒れる描写も不要


一番の問題点はやはりまゆゆが歌う主題歌w
まゆゆにも秋元康にも恨みはないけど、どう考えてもこの作品の雰囲気や村井秀清さんの劇伴にマッチしているのはOPテーマに使われているsupercellの『銀色飛行船』
『銀色飛行船』の出来が素晴らしすぎて、まゆゆの曲がエンドロールで流れることには違和感しかないぜ!w


いや、まあでも生徒会に殴り込みをかけるシークエンスとその直後の4人で海に行くシークエンス
つまりギャグパートw
あの辺は面白かったのでこまけぇところは大目に見たい


声優に関しても超脇役のはずの戸松っちゃんがメチャクチャ上手いとか
なによりも主役のケンジ、本城雄太郎くんはやはり声優界の次代を担う逸材や!と感動と歓心で胸イッパイですよw


画面や音楽のクオリティが高かった一方で、もう少しまとめて欲しかった部分が目立った地に足の着いてない作品だと感じましたね;










{netabare}でもエンドロールが終わった後のエピローグで『銀色飛行船』がもう一回流れたので全て許す!!!(笑){/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 24
ネタバレ

ストライク さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

恋愛物としては大好物でした 

原作 小説

学園 恋愛 SF もの

本編 106分

あらすじはあにこれを参考された方がいいかと・・・

映像はめっちゃ綺麗でした。


ヒロインである涼浦ナツキの声をAKBの渡辺麻友と云う子が(自分、彼女の事は知らないです)やってましたが、以外に全然上手でしたよ!


感想

家が隣同士で幼馴染の 涼浦ナツキ と、関ケンジ
転校生の京極リョウイチ と、春河カホリ
この4人の恋愛模様と、京極リョウイチの目的とが、話のメインですかね。

自分としては、{netabare} 未来の月からやって来た{/netabare}京極の目的となるSFの部分より、恋愛模様を重視して観てました。
だってその方が好きだから・・・^^

ナツキはケンジを想い・・・
ケンジはカホリを想い・・・
カホリは京極を想い・・・
京極は・・・ {netabare} カホリと両想い{/netabare}

{netabare}
ナツキはケンジに対して、直ぐ手が出て暴力的だけど、ホントは繊細で泣き虫な女の子でした。
ケンジの事を一途にずっと好きで、なんだか可愛かったです。
幼い頃、花火の上がってる時にナツキが何度も「大好き」って告白するも、花火の音でケンジは聞こえてないとか・・・
なんだかベタ過ぎるな~

でも、幼馴染っていいよね~ なんだか憧れます。
自分にはそんな幼馴染はいなかったので。

ナツキが、ケンジがカホリの事を好きだと分かってからが、観ていてこっちまで切なかったです。
゜(゜´Д`゜)

海岸でナツキがケンジにキスして、泣きながら気持ちを伝えるシーンはもらい泣きでした。


終盤、カホリと京極が別れるシーンでも、
「好き、大好き、未来に帰るしかないのなら、私が行くから・・・」と言うが、京極は「さよなら」と、手にキス・・・ここも切なかったです。


最後、ケンジが京極を助け、心臓の負担により片道しか行けない月へと送りに行きます。
ケンジと京極が消えてしまうと、カホリとナツキは二人の事を忘れてしまい・・・
そのままEDテロップが流れます

え~
うそ~ん!q(T▽Tq)
バットエンドなの~?

でも、ED後(時が流れて次の春)に、転校生としてケンジが戻って来て、ナツキだけ記憶が戻ります。

おお~w
よかったね~ ナツキ~

でも、カホリがケンジと一緒にいた不思議な動物(使い魔)を見て驚いた表情は、もしかしたら京極の事を思い出したのかな? 

涙と感動のラストでした~ q(T▽Tq)
 

カホリと京極は悲恋で終り、残念でした。
仕方ないですね、京極の生まれた時代が未来だったのだから・・・

結局、京極の目的は果たせなかった訳だが、相手の心が読める力なんて嫌だよね。
ムダに傷つけ、傷てけられるし・・・
「琴浦さん」観てればその理由がよく解るはず。

{/netabare}

SF部分は、自分の理解力不足により、解らない所があって微妙でしたが・・・
その辺、もうちょっと分かりやすくして欲しかったな~っと。
1回観ただけでは難しいですね。^^;

ストーリー的にはまずまず面白かったです。
恋愛物としては、切なくて感動できる作品でした。
とっともよかったです。(@´▽`@)ノ
おすすめです。


主題歌 :「サヨナラの橋」 渡辺麻友

OP: 「銀色飛行船」 supercell


「サヨナラの橋」のサビの部分
「好きでした~♪
あなたが好きでした~♪」
って所がいいですね!^^

「銀色飛行船」も、哀愁感じる良い曲で、流石 supercell

両方ともCD購入です。 ^^

PS:最初、京極リョウイチを見たとき、エヴァの渚カヲルに見えたのは自分だけかな? ^^;

投稿 : 2024/11/23
♥ : 47

ato00 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

そんなにねらわれていない学園

SF作家眉村卓氏の名作、初のアニメ化です。
しかし、原作とは別物と考えた方がよいでしょう。
恋愛要素が強く、ねらわれた感が薄い作品です。

第一印象は、作画が美しい。
桜の花びらが秒速5センチメートルで散っています。
また、画面いっぱいにキラキラが弾けるシーンもあります。

物語は、美少年転校生が起点となり、不思議現象が多発。
徐々に核心にせまります。
正直ストーリーは平凡ですが、原作のオマージュには「なるほど」と思いました。

暴力ヒロインの声がまゆゆ。
サブヒロインの花澤さんに引けを取りません。
まゆゆ、声優初心者とは思えません。
AKBに置いておくにはもったいない逸材ですね。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 49

63.4 4 不登校で恋愛なアニメランキング4位
Candy boy キャンディボーイ(OVA)

2008年5月2日
★★★★☆ 3.6 (150)
877人が棚に入れました
とある双子の何気ない日常のお話―― いつになく、そわそわする奏。何かを待っている奏の不自然な行動に気付く雪乃と、その影で咲夜のたくらみが…。
都内某所の高校に通う双子の高校二年生、櫻井姉妹の周りで起きる学園コメディー。
ネタバレ

ねこmm。 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ず~っとずっといっしょだよ☆  【ねこ's満足度:75pts】

全7話(+EX2話)のOVA。
観てるこっちが恥ずかしくなるくらいのラブラブバカップルが主役の日常系ラブコメです。

ただ、女の子同士なんです。しかも実の双子の姉妹なんです(笑)。
『Candy Boy』なんてタイトルですが、完全にタイトル詐欺です。
男の子は一切出てきません。あしからず。

天然ぶりぶりな甘えん坊の姉・雪乃(ゆきの)。
しっかり者に見えてたま~に変なスイッチが入っちゃう妹・奏(かなで)。
そこらへんの中途半端なカップルよりはるかに恋人らしい恋人です。この二人。
実はもう一人下に妹がいるんですが、この子も二人の関係認めちゃってます。
しかも{netabare}最終回では姉に助言までしちゃってます{/netabare}。ビックリです。
ちなみに妹の奏には百合ストーカーがいます。
二人の後輩の咲夜(さくや)。この子がこの作品のお笑い担当です(笑)

1話10分強という尺の為、そんなに深いストーリーではないです。
それでも、ただ単にイチャイチャしてるだけというわけではありません。
いつまでも今の関係でいられるように、進路のことを真剣に考える二人。
そんな意外とまじめなエピソードもあったりします(でもまぁ姉妹なんですけどねw)。

女の子は可愛いし、作画もとても丁寧に描かれてます。
エロ要素は一切無いので、そのあたりはご安心を。(ご了承を、かな?w)
いわゆる百合アニメですが、その中でもお気に入りな作品のひとつです♪

投稿 : 2024/11/23
♥ : 28

ほるん吹き さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

まったり見られる百合アニメ

双子姉妹の百合なお話。
生まれたときからずっと一緒、同じ高校に通い、同じ寮部屋で暮らす双子姉妹の雪乃と奏。
出掛けるときは手を繋ぎ、寝るときは一つのベッドに二人寄り添って寝る。笑顔で見つめあっては頬を赤らめ、好きだという思いははっきり伝えあう。
作中で終始ラブラブしていて、見ているこっちが恥ずかしくなってしまうようなお話です。

ガチな百合作品というと、二人が深い関係を築こうとする禁断の愛、的な展開になり、しかしながら同姓であるがゆえの将来的な悩みや葛藤を抱く…というのがありそうですが、この作品では描かれていません。
そもそもお互いに一線を越えようというところまではなく、あくまで二人は一緒に居られればそれで良しという感じなので、ドロドロした展開にもならず、二人の関係性については安心して見ていられます。
ただそれによって、「仲の良すぎる姉妹」程度にしか見えなくなって、その姉妹設定が百合要素としてはマイナスになっていると感じる人もいるかもしれません。


雪乃と奏のまったり空気にアクセントを加えてくれるのは、彼女らの妹・雫と、後輩の咲夜の存在です。

雫はシリアス要員。
雪乃と奏の上京後、学校も不登校で心を閉ざし気味。仲の良すぎる二人の間に入っていけず、どんどん遠くへ行ってしまうような寂しさを抱えています。彼女のエピソードはこの作品に足りなかった泣き要素たっぷりです。
残念なのはCVの小林ゆうさん。いや声優さん自体は嫌いではない、というかどちらかといえば好きなのですが、妹キャラというのが個人的には合わなすぎでした。

咲(さく)ちゃんはギャグ要員w ある出来事をきっかけに奏に惚れこんでいます(性的に)。
奏に対しての愛が、最初は遠目に見ているだけだったのが徐々にエスカレートしていき、人目もはばからぬ大胆な行動へと変化していく様子が見ていて面白かったですw
彼女の特徴をあげると…
     年上のお姉様好き、お嬢様、ツインテール、かなり積極的、ポジティブ、変態、
     お姉様を盗撮、私物を勝手に入手、困っているときには良き相談相手になる事も。
…うん、これはとあるシリーズの黒子まんまですねw あのキャラほどぶっ飛んではいませんが最終的には出てくるだけで面白いです。
良くいえばどんな場面でも明るく盛り上げてくれ、悪く言えば雰囲気ぶち壊しw 私は好きですけどね、こういうウザかわキャラ。
奏の咲ちゃんに対する対応が割とドライなので、扱いが不憫にも思えてしまいました(後輩としてはとても大切に思っています)。
いっそ美琴が黒子にするように、吹っ飛ばしてしまったほうが当人もスッキリするでしょうにw



全7話+EX2話、しかも1話あたり10~20分という短さながら、笑いあり、涙ありのさまざまなエピソードが詰め込まれており、さくっと観られる割に1クール分くらいの充実感を得られた作品でした。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 19

disaruto さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

はじめての「ゆりあにめ」

制作はAICのオリジナルアニメです。
ジャンルはGL・日常系ラブコメです。


両想いである双子の櫻井雪乃・奏姉妹の学園生活を描くラブコメ。


たびたび「百合」がどうのこうのとか言っている私なんですけれど「百合(GL)アニメ」と呼ばれる作品群を見たことなかったわけですねw
これではアホみたいなので短い本作(全7話の計2時間ほど)を最初に見てみることにしました。

本作はまあ、たしかにガチ百合な作品ではありますけど、毛嫌いしそうな描写はほとんどなく、「けいおん」「ゆるゆり」「咲」なんかが大丈夫な人は何の問題もなく見れるかと。
キスシーン?はあるけど多分そんなに問題ではない。
でも甘々な描写は非常に多く、「百合スキー」な方はご満足いただけそうです。


登場人物は基本的に四人。
妹で美術部所属、しっかり者の櫻井奏。
姉で水泳部所属、天然な櫻井雪乃。
二人の後輩で水泳部所属、奏が大好きなストーカー?神山咲夜。
二人の妹で不登校気味、お姉ちゃんっ子の櫻井雫。

基本的には姉妹百合を存分に堪能するスタイルです。
そこに咲夜が絡んできて笑いを提供してくれたりします。
雫はちょっとシリアス要員で辛気臭い感じになりますが、これなしでは本作は成り立ちません。


特にストーリー性があるってわけではないのですが、だからと言ってつまらないわけではないです。
「お互いが一緒にいるためにはどうしたらいいか」というGLの作品では鉄板(私が知る限りではこういう系統が非常に多い)な内容を重くなりすぎずに扱っています。
こういうちょっと切ない感じがたまらなく私は好きw(GL漫画は微妙に読むのです)

声優に関して、主人公二人はぴったり。
特に雪乃の声はツボ。
個人的には雫役の小林さんがちょっと合ってなかったかな?


総括して、結構良質な百合アニメでしたね。
「百合風味のアニメ」ではなく「百合アニメ」を見たい方は本作から初めてみてはいかがでしょうか?
初めてみた奴が何言ってんだって話なんですけれどねw
百合好きな方は是非オススメをご教示ください。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 25
ページの先頭へ