不気味で戦闘なおすすめアニメランキング 7

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの不気味で戦闘な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月10日の時点で一番の不気味で戦闘なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

79.6 1 不気味で戦闘なアニメランキング1位
寄生獣 セイの格率(TVアニメ動画)

2014年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (1612)
7756人が棚に入れました
ある日、空から多数の正体不明の生物が飛来してきた。その生物は鼻腔や耳介から人間の頭に侵入し、脳に寄生して全身を支配し、他の人間を捕食するという性質を持っていた。寄生後も見た目は人間そっくりに擬態する、彼ら「パラサイト」は、高い学習能力から急速に知識や言葉を獲得し、人間社会に紛れ込んでいった。
平凡な高校生である泉新一は、一匹のパラサイトの襲撃を受ける。間一髪で脳の乗っ取りは免れたものの、パラサイトは新一の右腕に寄生、同化してしまう。右手にちなんで「ミギー」と自ら名乗るパラサイトと人間の奇妙な共生生活の幕開けである。

声優・キャラクター
平野綾、島﨑信長、花澤香菜、沢城みゆき、安野希世乃、前田玲奈、田中敦子、吉野裕行、KENN、芹澤優、鈴木琢磨、村瀬歩、石田彰、水島裕、二又一成、井上和彦、青柳尊哉、浪川大輔

kazunyanzu さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

寄生虫(;゚д゚)!?⇒寄生獣(*´∀`)=3

原作未読 全24話

原作は20数年前の大人気コミックながら
様々な事情で20年以上もの間映像化が実現されていない名作!!

それが今回、待望のアニメ化!!!!

とのことで
寄生獣て・・・寄生虫? みたいなのに取り憑かれるお話?
虫さんだけは(人д<)カンベン

まー大の大人で虫好きという方も聞いたこともありませんが・・・w

私は大の"虫さんNG属性"がついている為、
本作にそんな不安を抱きながらも
前知識ほぼ0で果敢に視聴に挑んでいったのであります(*`・ω・)ゞ


結果
虫ではありませんネ!!
獣ですから!! あー良かった♪
虫さんNGの方!! 大丈夫ですよ~ヽ(*´∀`)ノW

でも最初のパラサイト(ミギー)が主人公のベットにそわそわ~て
はいよってきたシーンだけはゾワゾワ~っとしましたよ(;´Д`)ウウ


そんな私の諸事情はさておき
観はじめてみると、コレが実に面白い!! ですねぇ(*>ω<)b

相方『ミギー』との友情、ヒロイン『里美』との恋愛絡み
主人公のお母さんの話や、新一へ想いを募らす『加奈』のお話と、
『田宮良子』のシリアスな描写と愛、
『後藤』とのバトルにそしてあのおばあちゃん・・・

グロ、バトルでハラハラョ゚Д゚;))))ドキドキ、そして涙、涙・・と
正に心を”ガシッ”っと鷲掴みにされたような感覚を覚えました!!!

毎週先が気になって気になって、
原作を知らない私にとってはとにかく”-衝撃-”の連続でした!!


そして今作ではふと、深く、壮大なテーマを投げかけられます―

命、自然、摂理、とても深く深く、考えさせれらます

私たちが今こうして生を授かっていること・・・
様々な生物と共存しているこの世界・・・
犠牲となる命への感謝の気持ちを忘れずに・・・
この一瞬一瞬を強く噛みしめて・・・


これからも素敵なこのアニメの時間、アニメライフを・・・
心の余裕(ヒマ)のある私たちは大切に、大切に楽しんでいきたいですね♪



それでは最後におなじみのコーナー✩

(o*゚∀゚)oお気に入りのキャラ~

はい! これはもう完全に『ミギー』の一択であります(*`・ω・)ゞ
しれーと笑いをブチ込む可愛いキャラで、まさに本作の顔!!
新一との友情物語に何度も涙、涙(つω;)ウッ…
とくに23、24話、私の涙は全て『ミギー』に持っていかれました゚(゚´Д`゚)゚ミギー
CV:平野綾さんの演技も最高でした!!


という訳で!!
グロイの全く持って受け付けません(;ω;乂)
という方以外はぜひとも観て頂きたい作品ですヽ(*´∀`)ノ

投稿 : 2024/11/09
♥ : 70

Baal さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

考える葦と考える筋肉が共に生きる道筋・・・

岩明均による漫画を原作とする作品です。全24話

原作未読


ある日の夜中にふと違和感を感じて目を覚ました泉新一はヘビのような

生き物がいて、虫嫌いの彼はひどく動揺する。そしてその生物が右手に

穴を開けて体内に侵入してくるように感じるも騒ぎを聞きつけてやって

来た両親に見せてみるとそんな痕跡は何もなかった。そして朝になり目を

覚ました新一は昨日の出来事を夢だと思うのだが、その日の間中右手は

どうもおかしいような気がしていた。そして車に轢かれそうになった女の子

を助けようとした時に右手が・・・


第一話を視聴した時は寄生っていうのが苦手だったのと同時期に放送

していたとある作品との勘違いもあって視聴継続予定だったのにいつの

間にか見なくなってしまいましたがニコの一挙で復活し、漸くこっちの地域

で最終話を迎えた作品でした。


そんな事は置いておいて作品の中身ですが、寄生生物と人間との二つの

存在とさらにそのどちらでもあってどちらでもない存在とがそれぞれ

生き残るためにそれぞれが学習し成長し生き残りをかけて戦いを繰り広げる。

その中でお互いがどうしてこういう関係だったのか、共存するor敵とする

のかを少しずつ感じていきながら、また新一をミギーが元々生き残るため

だけの共存協力関係だったのがお互いの存在について人間と寄生生物とが

様々な考えを持つにつれて徐々に変わっていくのがこの二つとそうでない

ものとが様々に導き出していく結論に大きく関わっていくので新一がミギー

と共に戦いに身を投じていくことにも深く繋がっていて面白かったです。


新一とミギーが共に戦って成長していってバトルシーンでどんどん高度に

やり合うので本当にすごかったです。とある事件で新一が大きく変わって

しまった後は戦い方に色々なテイストが加わって迫力も増している感じでした。


全体として展開はしっかりと組まれていたので最初から最後まで全く

衰えることなく面白かったです。原作が20年ほど昔でキャラデザとか

が現代風に変更されていて賛否両論あるみたいですが自分は漫画はあまり

読まないし、その頃は生まれていなかったので特に何とも思いませんでした。

さすがは原作がとてもすごい作品だけのことはあるなと思います。

◆個人的点数評価 81.784点

投稿 : 2024/11/09
♥ : 54
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

誰にとっての「基準」なのか

人間の脳に寄生して意のままに操る新生物が現れた。
主人公の新一も体を乗っ取られそうになるものの、間一髪難を逃れる。

脳への寄生に失敗して右手に寄生したパラサイト・ミギーと、新一の共存と戦いの物語。

伝説級のコミック、「寄生獣」がついにアニメ化。
少年漫画チックな熱さを残しながらも、普遍的なテーマを描いた作品。


さて、今作は、

- キャラデザイン・時代背景等が変更されている
- 完成度の高い漫画なので、評価の目が厳しくなる

と、前評判はよろしくありませんでした。

しかし、ふたを開けてみればおもしろいおもしろい。
作画もきれいですし、懸念されていた声優の演技力も十分。

ただし、構成ではちょっと気になる点が。

前半に感動シーン、後半に緊迫シーン、という流れが多く見られます。
「次回も見てもらいたい」という意志で、テンションの上がった状態で終わらせているのでしょう。
しかし、せっかくの感動シーンで、余韻に浸っている余裕(ヒマ)がありません。

もう少し話の終わり方にバリエーションが欲しかったですね。
そうするとあと1~2話必要になっちゃうのかなぁ。


寄生獣は、内容上、流血シーンが多く含まれます。
しかし、無茶な黒塗りやカットはあまり見られませんでした。

- ショッキングなシーンでは、視聴者に衝撃を与えるのが目的であるため、ほとんど原作そのままに描く
- 重要ではないシーンではカメラの角度を工夫するなどして自然に隠す

という使い分けができていたと思います。
規制獣にならなくて良かったです。


アニメーションで特徴的だったのが「目」です。
原作もそうなのですが、「目」を見ると、パラサイトをぼんやりながら見分けられるようになっています。
表情筋が動かないとか、目を見開いたりしないとか、細かいことの積み重ねなのでしょう。
しかし、アニメでも目がうまく描かれていて、人間なら気持ちが伝わってきますし、パラサイトなら不気味さがよく分かります。

アニメーションでしかできない工夫も見せてくれました。
{netabare}
パラサイト同士の会合時、市長の広川だけが頻繁に「瞬き」をしています。
広川だけが人間である、というヒントをそんな形で出してくるとは!
{/netabare}

ストーリーと舞台はほぼ原作通り。
ただし、時代背景が異なっています。
しかし、小物が変化する程度。大筋には影響ありませんでした。

- 公衆電話が携帯電話に
- 本がパソコンに

などなど。

むしろ、そういった小物の変化が効果的に働いているシーンもありました。
{netabare}
たとえば、加奈がパラサイトに襲われてしまうシーンは小物改編が生きています。
原作では加奈が外出していて電話が繋がらなかった、という「偶然」の結果。
しかし、アニメでは加奈があえて携帯を使わないことで、偶然ではなく「自分の意志で選んだ結果」になっています。

「格率」つまり、「自分のルール」がサブタイトルに入っています。
「能力だけで新一を見つける」というルールを自分に課した結果になっています。
{/netabare}

最後にテーマについて。

寄生獣は環境問題、他者とのコミュニケーションなど多くの普遍的なテーマを含んでいます。

「面白いのに真面目なことを考えてみたくなる!」

そんな分かりやすさが人気のひとつの秘訣でした。

また、サブタイトルにある「セイの格率」。
何じゃこりゃ、と最初は思っていました。
しかし、通してみるとなかなか秀逸な言葉。

「セイ」は複数の意味を持ちますが、これは見ていれば分かります。
そして「格率」。

聞き慣れない言葉ですが、簡単に言えば「自分に課した基準」「自分ルール」のことです。
その自分ルールを他者にも適用してみる。
もし問題なければ、それを「道徳」と呼び、人間の普遍的な行動基準になる。
これが「格率」の肝です。

「正の格率」なら、「自分が正しいと思って、行うようにしていること」のように訳せます。
それが他の人にとっても正しいと思えるなら、それは「道徳」だと。

{netabare}
新一が犬を助けたのは道徳的なことでしょう。これには里美も同調します。

しかし、その直後に死んだ犬をごみ箱に捨ててしまいます。
これは新一にとっては格率から出た行動ですが、里美には受け入れられません。
生物的に強くなった新一は「自分ルール」が強く出るようになりました。
その結果、自分の行動が「他者から見て」道徳的かどうかに目が行かなくなっていきます。

そして、パラサイトとの交流を経て迎えた最終話。

浦上は「MAXIME」と書かれたキャップを被っています。
「MAXIME」はそのまま「格率」のことを指します。

新一は一方通行のTシャツなど、行き止まりを表すロゴを身につけていました。
最終話で付けているのも「Apolia」とかかれたシャツ。
「Apolia」は「行き詰まり」を意味する哲学用語です。

命を懸けた里美の言葉で、

「自分ルールで生きて失敗も多いけど、目の前に認めてくれる人がいる」

と再認識します。

「MAXIME」のキャップは吹っ飛び、「Apolia」は覆い被さった里美によって見えなくなります。

自分が正しいと思ったことは他者にとっても正しいとは限らない。
他者にとって「道徳」であり続けることが正しいとも限らない。
しかしながら、自分の行動を認めてくれる人がいる。
寄り添い生きるものの存在、それが獣としてのアイデンティティに繋がっているんだ。
{/netabare}

テーマを強く押し出すために、細かい部分で改変を加えたアニメ陣はさすがです。
「どうせ同じ内容じゃん」と思わず、細かいところに目を配っていただきたい作品です。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 50

80.4 2 不気味で戦闘なアニメランキング2位
86-エイティシックス- 第2クール(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (444)
1460人が棚に入れました
東部戦線第一戦区第一防衛戦隊、通称スピアヘッド戦隊。サンマグノリア共和国から“排除”された〈エイティシックス〉の少年少女たちで構成された彼らは、ギア-デ帝国が投入した無人兵器〈レギオン〉との過酷な戦いに身を投じていた。そして次々と数を減らしていくスピアヘッド戦隊に課せられた、成功率0%、任務期間無制限の「特別偵察任務」。それは母国からの実質上の死刑宣告であったが、リーダーのシンエイ・ノウゼン、ライデン・シュガ、セオト・リッカ、アンジュ・エマ、クレナ・ククミラの5人は、それでも前に進み続けること、戦い続けることを選択する。希望や未来を追い求めようとしたわけではない。“戦場”が、彼らにとって唯一の居場所となっていたのだから。そしてその願いは皮肉にも、知らぬ間に足を踏み入れた新天地で叶うことになるのだった。
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

恋愛にオクテな二人が早く結ばれることを願います

この第二クールはギアーデ連邦を中心としてレギオンの大攻勢に立ち向かう様子を描いています。

正直、この物語は暗く陰気なイメージがありますが、最後は明るいハッピーエンドとなります。
特に第22話と最終話の23話はコロナの影響で半年待たされましたが、待った甲斐がありました。
この2話は大変素晴らしい内容です。
特に最終話の途中で、第一クールのエンディング「Avid」がBGMとして流れたときには思わず感動しました。
未来に希望が持てる素晴らしい内容となり、とても満足感がありました。


さて、物語の内容は…
シンたちが生きていました。
シンたちはギアーデ連邦に助けられていました。ギアーデ連邦はギアーデ帝国を打ち滅ぼした市民主体の政府です。
{netabare}
ギアーデ連邦の政府関係者の多くは、当初、得体のしれないシンたちを危険視して処分しようとしていましたが、暫定大統領であるエルンスト・ツィマーマンが、シンたちを救いました。
ツィマーマンがシンたちに話した言葉が感動します。
{netabare}
利益が無ければ目の前の子供たちを助けない社会を良しとするならば、その社会は誰にとっても不利益だよ。
それに、得体が知れないから、万が一…、そんな理由で子供を殺さないと生き延びられないのなら、滅んでしまえばいい。
{/netabare}
その後、ギアーデ連邦の軍部の人たちが戦歴豊富なシンたちを獲得しようとします。
彼らは、シンたち全員が戦場へ戻ることを希望していると言い、自分たちの正当性を主張しますが、ツィマーマンは、またしても彼らの要求を拒みます。
その説明も、大統領らしい素晴らしいものでした。
{netabare}
彼らが戦場に戻りたいという理由は、彼らが戦場しか知らないからだ。任務を全うした彼らには平穏が与えられるべきだ。
{/netabare}
しかもツィマーマンは、シンたちの後見人になったのです。
こんな大統領がいる政府は安心しますね。 {/netabare}

ギアーデ連邦の大統領はシンたちを軍隊から外して彼らに普通の幸せな人生を送らせたかったのですが、結局シンたちはギアーデ連邦の軍人としてレギオンと戦うことを選びます。

そしてシンにユージンという友達ができます。
シンは友達をつくりたがらない性格です。それはユージンが嫌いだからではなく。友達が先に死にゆくさまを見たくないためです。
でも…、{netabare}結局は友達となり、先に死にゆくさまを見届けることになります。レギオンに記憶を奪われないようにと、シンが自ら最後の一撃をユージンの頭に打ち込むことになります。
戦場で友達を安楽死させるために殺す行為は、どこの世界でも行われていますが、やりきれないものがあります。
おそらく、シンも同じ思いだと思います。{/netabare}

そしてレギオンの大攻勢が始まります。その大攻勢はサンマグノリア共和国に対しても例外ではありません。
サンマグノリア共和国の政府高官や軍部高官たちは、圧倒的なレギオンの数に戦うことを放棄し死を覚悟します。
だが、レーナだけは86地区の人たちと一緒にレギオンと戦います。
レーナは今まで一緒に戦ってきた86の人たちの死を無駄にしたくはなかったのでしょう。
そして、わずかでも希望があれば、必死に抗いたかった。自ら希望を捨てることはしたくなかった。

ギアーデ連邦でも、レギオンの本体をたたくためにシンたちを中心に攻撃部隊が特別編成されます。


この物語を見ると、レーナが顔も知らないシンのことを凄く慕っている様子がうかがえます。
最終話の最後に見せたレーナの涙にはウルッとしました。
そして生きる目的を見いだせないでいたシンも、ようやくレーナとの未来に希望をたくしていることがわかります。
シンは第22話で、無意識にそう宣言したのです。

ただ、二人とも恋愛のオクテですので、二人の恋はなかなか成就できそうにありません。
早く二人が結ばれることを願います。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 42

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

「再開」というよりは、まさに「第2部開幕」の趣き。延期にめげず最後まで観て良かった!

== [下記は第2クール初回視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
第1クール目は2021年4~6月の放送でした。3ヶ月開けての10月放送開始の第1話を観ました。

前クールで廃線となった線路に佇むレーナが出てきていましたが、それを受けての冒頭のシーンというところで、前クールからの物語の継続性が意識された演出だったと思います。

一方で前クールの最終話では一つの物語としてキッチリと綺麗に終わっていたともいえるので、続編として何をするかというところではこれまで明かされていなかったギアーデ帝国に関する事柄を知る驚きを、作中人物たちと試聴者が共有できる構成で、まさに「第2部開幕」といったスタートでした。

ということで、今後もこういう感じで驚きたいので原作はアニメで観た以降は読むのを保留したまま最終話まで視聴したいと思います。

取りあえず、1クール目が面白かった人には間違いなくお勧めです。
== [第2クール初回視聴終了時のレビュー、ここまで。] ==

2022.3.31追記:
残り2話、モルフォとの決戦クライマックスというところで中断してから3/5に総集編で再開。以後、3/12、3/19の2回で無事最終話まで放送されました。

狙ったのか偶然か、放送の遅れにより作中の最終話時系列3/20と最終話の放送日時が重なる(3/19 深夜24時 = 3/20 午前0時)などという話題もあり大いに盛り上がった最終回でした。

最後のカットと作品タイトルロゴ『86』の出し方とか、演出面でもかなり凝った作品だったんじゃないでしょうか。

ライトノベル原作なのですが結構真面目に戦争をしていたり、深刻な人種問題があったり、革命政権下で旧皇族の扱いは面倒とかいう生臭い話が出てきたり、爽快一辺倒の話ではまったくありません。

原作を読んでいてもちゃんと集中して読まないと頭に入ってこず、流し読みはできない感じで電撃文庫らしさを感じる作品ですね。

本作とか『天鏡のアルデラミン』とかもラインナップに入っている電撃文庫は、他のライトノベルのレーベルと比べても少しばかり懐が深い気がします。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 35
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

追いついたその先にあるものは‥‥‥

原作未読 全12話

86の第2クールです。第1クール(全11話)から観ることをオススメします。

無人兵器と人間が戦っている世界、ある国で迫害され、戦いの最前線(86区)に送られた少年少女たちを描くお話です。

その中でもコードネーム「アンダーテイカー」(死神)と呼ばれるシンエイ・ノウゼンが率いるスピアヘッド戦隊とその国で遠い場所から指揮官として指揮しているヴラディレーナ・ミリーゼ(通称レーナ)を中心に描いています。

最後の2話(総集編を含むと3話)がこの春放送しましたのでレビューが遅くなりました。

先に総集編がありましたので、内容を思い出すことができましたね。

第1クールでは絶望的でこのままで終われない感じの終わり方でした。

このクールでは希望と絶望が交わるお話でしたね。1クール以上の激しい戦いでした。

遅らせただけあって、凄い作画でした。また、描写が色々な意味で限りなく美しく描いていましたね。

追いついたその先にあるものは‥‥‥{netabare}再会と涙と笑顔{/netabare}

最後はとても暖かい気持ちになれました。この後どうなったのか知りたいですが、このあたりで終わった方が良かったのではないか私的は思います。

第1クール・第2クールと続けて観るといいかもしれません。

OPはamazarashiさん、EDはリーガルリリーさんが歌っています。

最後に、レーナことはもう少し観てみたかったですね。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 27

79.6 3 不気味で戦闘なアニメランキング3位
チェンソーマン(TVアニメ動画)

2022年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (659)
1984人が棚に入れました
『チェンソーの悪魔』ポチタと共にデビルハンターとして暮らす少年デンジ。親が遺した借金返済のため、ド底辺の日々を送る中、裏切りに遭合い殺されてしまう。薄れる意識の中、デンジはポチタと契約し、悪魔の心臓を持つもの『チェンソーマン』として蘇る──。
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

デンジの小さな夢

MAPPA制作。

チェンソーの悪魔ポチタと共に、
デビルハンターとして暮らす少年デンジ。
貧乏でド底辺な生活も裏切りにより一変する。
デンジとポチタの夢は叶うのか!?
 
普通の暮らしをして、普通の死に方がしたい。
ただ普通の生活を夢見る少年が目覚めた激烈な世界。
人や社会に対するどこか空虚な距離感、
これが新時代のヒーローなのでしょうか。

オープニング映像に魅了されますね。

3話視聴追記。
小さく閉じた世界で憂えている、
世界の大事件より、今日の晩御飯だ。
{netabare}命と等価なものに、深刻さの欠片もない。
このことが強烈な訴求に思えてくる。
そうだ、世界より自分だ。{/netabare}

8話視聴追記。
あまりにも唐突で過酷な現実に混乱する。
悪魔と契約するということはこういうことだ。
{netabare}敵味方、例外なく痛みに喘ぎ、
その死さえも、意味がわからなくなる。
残された戦場跡には、肉片と静寂が、
驚くほど絶望の効果を上げている。{/netabare}

最終話視聴追記。
序盤にして圧倒的な面白さである。
{netabare}デンジはおよそ少年漫画の主人公というより、
私の主観では犬に近い。
正義は無力化されてしまうのでしょうか、
物語からまだ、教訓は得られていない。 {/netabare}

待望のレゼ篇始動、期待して続報を待ちたい。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 60
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

命をかけて生きる(※藤本タツキの見ているものを考える)

アニメーション制作:MAPPA、
監督:中山竜、脚本:瀬古浩司、
キャラクターデザイン:杉山和隆、音楽:牛尾憲輔、
原作:藤本タツキ(集英社「少年ジャンプ+」連載)

「金持ちになりたいわけじゃない。
ただ普通の生活がしたいだけなのに、
そんなことも叶えられないのかよ!」

主人公、デンジの叫び。
冒頭から異様な環境が明らかになる。
木を切って月収6万円、腎臓を売って120万円、
右目が30万円、金玉を片方売って10万円くらい。
悪魔を1体殺せば約30万円。
ただし、命がけだ。

大げさかもしれないが、私はこの作品を観たときに
漫画の世界でこんな貧困が描かれるほど、
日本の若者の深刻な経済状況は、現実的なのだと感じた。
実際、30歳を超えても奨学金の返却を続けている人は
たくさんいるし、ネットカフェを転々とする若者は後を絶たない。
今は両親が離婚している家庭が多いこともあり、
実家を頼ることができない若者も相当数いる。
普通の生活が「夢」になる。
冒頭のデンジの言葉が、現代の若者のセリフにそのまま当てはまる。

デンジはトタンで造られた倉庫のようなところで、
悪魔のポチタとともに寝泊まりしている。
ポチタとは、チェンソーの犬の悪魔で、
首を吊って自殺した父親の墓の前で、
まだ小学生くらいの年齢のときに出会った。
デンジはやくざから「死ぬか、父親の借金を返していくか」の
二者択一を迫られていた。
死にたくないデンジは、悪魔と契約し、
デビルハンターの道を歩むことになる。

異能力バトル漫画を描きたいだけなら、
こんな設定にする必要はない。
主人公の境遇についての作者の意図。
そこは、はっきりとしたこだわりが感じられる。

私がこの作品を観て思い出したのは、
是枝裕和監督の『誰も知らない』という映画だった。
主演の柳楽優弥がカンヌ国際映画祭で
最年少主演男優賞を獲得したことで話題になった作品だ。
実話をヒントに制作を行う是枝監督が基にしたのは、
「巣鴨子供置き去り事件」だった。

父親の蒸発後に4人の子供を連れた母親が、
恋人と同棲するために家を出ていった。
僅かな送金はしていたものの、
2歳、3歳、7歳、13歳の子供たちを
1年近くも放置していた事件だ。
13歳の長男は、全員が生きるために
子供なりに頑張るのだが、
映画でも実際の事件でも放置されていた間に
幼い女の子が死んでしまう。
事件自体は、1988年のものだが、
この後ネグレクトは、大きな社会問題となっていく。
当時の私には想像もできないことが現実に起こっていた。
しかし、現在ではこういうことが当たり前に
なっているのではないだろうか。

また、もうひとつ脳裏に浮かんだのが
50セントというアメリカのラッパーだった。
ドクター・ドレーとエミネムのバックアップを受けた
2003年の1st.アルバム『Get Rich or Die Tryin'』は、
全世界で1200万枚の売上を記録した大ヒットアルバムとなり、
一躍、時の人となった。
当時の紹介が「9発もの銃弾を受けて生きていた男」というもの。
アメリカの黒人のリアルを体現していた。
父親が不在、母親はドラック・ディーラーで、
15歳のときに50セントを産んだ。
そして、彼が8歳のときに母親は殺害された。
そんな苛酷な運命のなかで、50セントが考えていたのが、
このアルバムのタイトルだった。
「金持ちになるか、努力しながら死ぬか」
彼にとっては金持ちになることが、
命をかけてやるべきことだった。

こういう想いは、アメリカの黒人たちが
経験することだと思っていた。
どこか遠くのお話だと考えていたのだが、
そうでもないらしい、というのが
『チェンソーマン』を観て、痛切に感じたことだった。

ようやく本編の話になるが、
{netabare}デンジは、自分の所属する公安対魔特異4課の先輩である
姫野が沢渡のヘビの悪魔に殺されたあとに
それほど悲しんでおらず、
パワーと一緒に早川アキの病室で
林檎を食べながら漫画を読んでいる。{/netabare}
このシーンはなかなか衝撃的で、
視聴者がショックを受けるほどなのに、
主人公は、ほとんど何も感じていない。
嫌な思い出だったとはいえ、
姫野は一夜をともに明かしたこともある仲間だった。
デンジは、このことをポチタの悪魔の心臓が入っていることで、
自分の人間らしさが失われつつあるのかもしれないと危惧する。
しかし、この感覚は悪魔だからとかいうのとは関係ないのではないか、
と個人的には考えている。

デンジには「死」が、幼い頃からいつも近くにあった。
知り合いが死んでも、そのこと自体には
ショックを受けない性質になってしまったのだ。
まさに、これは人生を「生きるか、死ぬか」で歩んできた人間の
生きるための処世術とでもいえるのではないだろうか。
50セントのように「夢をかなえるか、努力して死ぬか」であり、
それで死んでしまったときは、仕方がないと考えている。
だから、デンジは悲しめないのではないだろうか。

そして、夢のためには命をかける。
夢といってもデンジの場合、

食パンにジャムを塗って食いたい。
女の胸を揉んでみたい。
女を抱いてみたい。

ということくらい。
3度の美味しい食事ができて、寝る場所があれば、
夢はほとんど叶ってしまっている。
上記した夢もほとんど今回の作品内で叶えてしまった。
デンジは普通の生活をするために、
生きるために、いつも命をかけている。

今回、放映された12話分では、
物語としては、まだ何も明らかになっておらず、
多くの謎が残ったままだ。
だから、本来なら高評価をするところにまで至ってないが、
作品自体には大きなポテンシャルを感じる。

映像と音楽も優れている。
OPアニメは抜群にカッコいい。
動きといい、構図といい、映画を観ているような感覚になる。
実際、OPは15本もの映画のシーンが参考にされている。
『レザボア・ドッグス』、『悪魔のいけにえ』、『パルプ・フィクション』、
『ノー・カントリー』、『ジェイコブズ・ラダー』、『ビッグ・リボウスキ』、
『ファイト・クラブ』などなど。
タランティーノとコーエン兄弟が2本ずつ。監督がファンなのだろうか。
音楽は山田尚子や湯浅政明の大のお気に入りである牛尾憲輔。
相変わらずの多彩な音を聴かせてくれる。
OPの米津玄師の曲もいいし、EDが1話ずつ変更となる豪華ぶり。
ただEDは同じ曲のほうが、作品の余韻を楽しめた気がする。

個人的には、大好きな作品のため、
続きが気になって仕方ないのだが、
アニメ自体の評判が芳しくないことを
いろいろなところで目にする。
私は原作を未読なので分からないが、
どうやら、原作ファンからは表現や改変した部分で
不満が出ているらしい。
これは、いつも起こることなので仕方ないが、
作品自体は、よくできているので
ぜひ同じ布陣で続編を制作してもらいたい。
1巻の円盤の売上が2000枚を超えた程度ということで、
続編制作では危険水域だろうが、
配信なども含めて、何とか辿り着いてもらいたい。
1年経っても続編の話が出なければ、
原作を購入しようと思っている。

銃の悪魔の正体。
マキマの目的と悪魔との関わり。
早川アキの仇討ち。
新たに登場した公安対魔特異4課の悪魔や魔人。
デンジの戦う意味の行方。

楽しみな要素が盛りだくさん。
そして、無学のデンジは、生きるか死ぬかの戦いのなかで、
何を感じ取っていくのだろうか。
私がいちばん興味をもっているのは、実はこの部分だ。
(2023年2月12日初投稿)

藤本タツキの見ているものを考える
(2023年3月18日追記)

藤本タツキという漫画家に今さらながらに興味がある。
『チェンソーマン』は、会社の若い女の子から
「凄く面白いですよ!」と薦められていて気になっていた。
そして、アニメで初めてその世界にふれて、
作者が感じているベースのようなものを知りたくなった。
というのも、私が『チェンソーマン』で心に残ったのは、
どちらかというと本筋の部分ではなく、
デンジの生きざまや、その思考についてだったから。
このキャラ設定は、入念に計算されたもので、
作者のこだわりを感じさせられた。

例えば、最初にも書いたが、デンジの貧困の状況。
死にたくないからとはいえ、全てをひとりで引き受ける強さ。
また、困った他者に対するシンパシーや、
助けたいという優しい心持ち。
相手が悪魔であったとしても身分にかかわらず。
そして、借金が嫌いという理由もあるだろうが、
借りを作ったときは、命をかけても返すという律儀な性格。
ホテルに閉じ込められたときのように。
さらに、自分の心に悲しみが生じないことに違和感を覚え、
それを悪魔の心臓のせいかもと感じること。
バトルだけでなく、人間性そのものにスポットを当てている。

作品世界が気になったため、
『ルックバック』と『さよなら絵梨』、
『17-21』、『22-26』を手に入れた。
最初の2作は、宝島社「このマンガがすごい!」オトコ編で
1位と2位に選ばれたという作品だ。
読了して、作者のことが少し分かった気がした。
『チェンソーマン』を観ていたときにも感じていたことだが、
藤本タツキは、決してバトル漫画を描きたいと
思っているのではないということだ。
バトルを通して、その背景にある「何か見えないもの」を
捉えようとしているのではないか。

そのひとつは「悲劇」から滲み出るものだ。
東日本大震災の直後に山形の美大に進学した
藤本タツキにとって、
「美術をやっていてもいいのだろうか」という気持ちが
いつも心のなかにあったことだろう。
ボランティアに参加して、とてつもない無力感に苛まれ、
自分自身の経験と気持ちを表現したのが
『ルックバック』という作品だった。
いわゆる自叙伝的な部分も多分に含まれている。

漫画を描くとは、どういうことなのか。
過去を振り返ったとき、自分は正しい選択をしていたのか。
誰かに背中を見せられることは幸せなことなのか。

人生のなかで、私たちは多くの悲劇に直面する。
そんなときに、自分のやっていることが
誰かの役に立っていると確認することができれば
大きな力になる。

一方『さよなら絵梨』は、とてもテクニカルな作品で、
映画に対する造詣の深さが表現されている。
ここには、作者の作品に対するアプローチ法も記されている。
それは、物語にリアリティをもたせること。
リアリティとは言っても、物語の設定や世界観ではなく、
人の心にとってのリアリティで、何をどう感じるのかについて、
とてもよく考えられている。
そこに「ひとつまみのファンタジー」を入れる。
作品が大きく変わることを理解し、
大切にしているのが分かる。

作品づくりに対してとても真摯で、
現代社会の背景についても巧みに取り込んでいる。
すでに業界では認められている存在で今さらだろうが、
個人的には、今後、最も期待したい漫画家だ。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 45

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ある意味で普通な能力バトルアニメ

殺人などで人の世に混乱をもたらす「悪魔」とそれに対抗する「デビルハンター」との戦いを描く、能力バトル作品です。

タイトルが「チェンソーマン」なのは、主人公のデンジがチェンソーの悪魔であるポチタと一体化しており、その能力を行使できることに由来しているんですかね。

私は週刊少年ジャンプを読まなくなって久しい(10年くらい?)のですが、最近のジャンプの人気連載らしいです。

性欲と食欲を行動の原動力に置くデンジっていうのは、ある意味で少年漫画の主人公っぽさはありますけど、イマドキな感じからはやや外れているような気もして、そこら辺がかえって新鮮なのかもしれないですね。知らんけど。

性的な誘惑に動揺して釣られそうになったり、ごくありふれた食べ物に幸せを感じるデンジくんは観ていて微笑ましいです。

夕方に再放送された『呪術廻戦』などと比べても残虐と判断されそうなシーンも多いので、放送枠のコストの問題を除いても深夜に放送されるというのは妥当な気がします。

本作における「概念が悪魔化する」というのは、実体のある物に魂が宿る「付喪神(つくもがみ)」とは似て非なる物ですね。

敵対する人外と本質的に変わらない能力を何らかの代償によって手に入れて戦うという、いわば「毒を以て毒を制す」的なバトル作品はわりとたくさんあると思うので、そういう意味では「普通の能力バトルアニメ」ってことで良いんじゃないでしょうか。

事前に評判は高かったので、1クール完走しました。結果、つまらなかったとか損したとかは思わないんですけど、なんか中途半端な感じで最終話を迎えたのでちょっとモヤモヤは残ります。

続編が制作されるなら、それが作られてから続けてみるのが良いのかも?

余談その1: 国家公認のデビルハンター「公安対魔特異課」ですが、通常の国家公務員が少なくとも高卒以上を求められることを考えるとかなり特殊な組織なんでしょうね。

余談その2: デンジの同僚、新人のコベニちゃんのしぶとさは注目に値します。異能生存体なんじゃなかろうか(笑)。

余談その3: 本作で提示される「魔人の中では理性がある方」っていうのの解釈というか描写というかが絶妙で、パワーちゃんのキャラクターはかなり面白かったです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 41

78.8 4 不気味で戦闘なアニメランキング4位
七つの大罪(TVアニメ動画)

2014年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (1469)
8703人が棚に入れました
いまだ人と、人ならざるものの世界が、分かれてはいなかった時代。絶大なる魔力を有し、人々から敬われ、時に恐れられる存在<聖騎士>に守られた『リオネス王国』。王国の王女エリザベスは、たった一人国を離れ、
ある者たちを探す旅に出ていた。それは最強最悪の騎士団として恐れられ、国を裏切り、全聖騎士を敵に回した罪人たち──<七つの大罪>。たどり着いた一軒の酒場で、エリザベスは店主を名乗る少年・メリオダスに出会う。それは、彼女と<七つの大罪>たち、そして世界の命運を一変させるとびきりの冒険の始まりであった――!
ネタバレ

Yulily さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

だから、ファンタジーはやめられない♡

豪快かつ爽快な冒険ファンタジーはいかがですか…?

世界をまたにかけた冒険
繰り出される派手な特殊攻撃!
バトルは目が追いつかないほどのスピード!
そして、何でもありの大乱闘~
私の胸の心拍数「ドキドキ」…とまりませんでした♡

「王道」って言葉がピタリ!
旅をして、仲間と乗りこえて、ちょと…恋があったりして…?
単純明快だけどやっぱりワクワクしてしまうんです…
…わたしは好き…ですね♪


これは…古(いにしえ)の物語…
この世界には『七つの大罪』という七人のお尋ね者がいました。

王国を取り戻すため、世界にバラバラになってしまった七つの大罪を、主人公とヒロインが探しだす冒険ファンタジーです。

旅の先に待ち受けている様々な謎が衝撃の連鎖となり、回を追うごとに目が離せなくなるのです!

私はもう大人ですが「旅、冒険」という言葉を聞くと今でも心が踊ります…

物語には冒険で味わえるドキドキワクワク成分がいっぱいです♡

また、私がこの作品の一番の魅力だと思っているのはキャラクター+マスコット(ブタのホーク)です。
アニメマスコットNo.1になりました♡
{netabare}
型破りで志がブレない個性的キャラクターばかりが登場し魅力的です。また、声優も豪華です。
メリオダス、キング、ギルサンダー、ディアンヌ(順に、梶裕貴、福山潤、宮野真守、悠木碧)

そして愛すべきキャラクターの一部を紹介します。

・ホーク
言葉を話せるブタさん。七つの大罪のアニメのマスコットキャラクター…かつ残飯処理係(笑)トントコ、トコトコ×2が本当に可愛い♪♡仲間思いで情に厚い男(ブタ)。バンとの掛け合いが好き♪

・メリオダス
一番謎が多い七つの大罪の団長。その強さは無敵?はじめは変態キャラに見えましたが実は一途。セクハラするのも大切な一人にだけ。

・エリザベス
王女様。ロングの銀髪が目をひきます。戦闘能力は0。戦う力はありませんが、その強い意志はメンバー1かもしれません。

・キング
とにかくギャップ男子。見た目の変化(ポチャおじさん、美少年)だけではなく、妖精王としての威厳あるキング、ディアンヌの前で照れて可愛いキング。両方とも魅力的です。この作品で一番のお気に入りキャラです♡一途なキングの恋愛を応援しています!

・ディアンヌ
巨人族の女の子。ブラウンヘアーのツインテが可愛い♪大きすぎる自分を気にしたり、嫉妬したり一番女の子っぽくピュアな性格。自分を「ボク」っていう悠木ボイスに癒されます♪

・ゴウセル
ゴウセルワールド全開♡独特の感性の持ち主です。実は二番目にお気に入りキャラです。戦闘中でも関係ない、いつも冷静で淡々としていて変わらない表情もツボ…
それからギーラとはどういう関係なの?
怪しく目が光っていたよ~

予想のつかない掛け合いが楽しいです!
七つの大罪同士の関係は一筋縄ではいきません。いざという時に裏切ることだってあるのです…
そんな仲間関係や交錯する皆の思惑が予想外で驚きの連続でした。

また、緊迫した空気の中に割って入ってくる可愛いホークの行動に癒されたり、メンバーのケンカするほど仲が良い掛け合い、恋の要素もあったりとシリアスな中に思わずニッコリ~♪としてしまう息抜きシーンがいくつもあり癒されました。

試練を乗り越える度に心も成長していく、ストーリーは冒険ファンタジーの定石通り…とはいえ、このバトル&ストーリーの世界は様々な因縁が渦巻いているので、最後まで飽きることなく見れました♪

今回は謎を多く残し余韻を残す形で終了しました。
七つの大罪の新たな旅に期待したいです…
{/netabare}

最後にOPいきものがかり「熱情のスペクトラム」
大好きになりました!

鳴りやまぬ 愛をさけぶよ

すべてを抱いて ここにいるんだ ひかりはそこにあるよ

ゆずれない 想いを架けて 希望の果てを 僕は生きるよ

夢をつないだ 君と…

投稿 : 2024/11/09
♥ : 78

PPN さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

進撃のツインテールって(≧∀≦)ぶふふ

伝説の騎士団「七つの大罪」と一国の王女を
中心に描かれたファンタジーアクション作品。
全24話。
原作:週刊少年マガジン連載中漫画(未読)


ストーリーの舞台は大国・リオネス王国。
聖騎士達による一種のクーデターや横暴な
振る舞いなどから荒れ始めた国を救うべく
王女・エリザベスが伝説の騎士団「七つの大罪」を
探す為に自ら旅立つがーー。
こんなプロローグになりますかね。

いつも通り感想だけ。

所謂「王道ファンタジー」作品(´∀`)
伏線や意外な展開もちょいちょいありますが
この作品の1番の魅力、見所は
力の限りとセクハラの限りを尽くす最強主人公
にあると思いますw
『最強主人公?ムリ!』という方には
オススメできない作品ですねw

とは言え、主人公が王女と共に仲間探しの旅をする
王道的な展開を最後まで飽きずに視聴出来たのは
その他のキャラクターの持つ魅力も大きな要因かと。
2クールだけあり個性豊かなキャラクターに
しっかりとスポットを当て丁寧に作られた印象で◎♪。

ただ、ちょっとクセのあるキャラデザに
慣れるのに少し時間が掛かりました(´∀`;)

声優陣も人気、実力を兼ね備えた人選。
梶裕貴やら雨宮天やら鈴木達央に櫻井孝宏。
が、個人的にはホーク役を演じた久野美咲に
本作のMVPをあげたいと思いますw


いかにも「少年誌・少年漫画」といった作品。
世界観や設定は異なりますが、同じく少年漫画で
アニメ化されている「マギ」を連想しました。

男女問わずオススメできる良作。
まだやっと中盤に差し掛かった所で終わって
しまったので続編を心待ちにしています!

こういう夢のある「王道」作品、良いと思います!
もう、いい歳した大人ですが、たまにはこんな作品で
ワクワクするのも悪くないかなぁと(・∀・)v




《キャスト》

メリオダス(CV.梶裕貴)
エリザベス・リオネス(CV.雨宮天)
ホーク(CV.久野美咲)
ディアンヌ(CV.悠木碧)
バン(CV.鈴木達央)
キング(CV.福山潤)
ゴウセル(CV.高木裕平)
マーリン(CV.坂本真綾)
マーガレット・リオネス(CV.水樹奈々)
ベロニカ・リオネス(CV.金元寿子)
ギルサンダー(CV.宮野真守)
ハウザー(CV.木村良平)
グリアモール(CV.櫻井孝宏)
ヘンドリクセン(CV.内田夕夜)
ヘルブラム(CV.置鮎龍太郎/神谷浩史)
ジェリコ(CV.井上麻里奈)
ギーラ(CV.伊瀬茉莉也)
スレイダー(CV.三木眞一郎)




《主題歌》

OP
『情熱のスペクトラム』/いきものがかり(第2話ー第12話)
『Seven Deadly Sins』/MAN WITH A MISSION(第13話ー第23話)
ED
『7 -seven-』/FLOW×GRANRODEO(第2話ー第12話)
『Season』/瀧川ありさ(第13話ー第24話)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 67

♪せもぽぬめ♪ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

一緒に冒険してみたい!!(* ̄▽ ̄*)ノ"楽しそうだなぁ~♪♪

~あらすじ~
リオネス王国は聖騎士達と対立している。それを何とかしようと第三王女・エリザベス(ヒロイン)は、指名手配されていた聖騎士達の敵の「七つの大罪」に助けを求めるために王国を出る。そして、「七つの大罪」の団長のメリオダス(主人公)に出会う。その2人は、残りの「七つの大罪」のメンバーを探し、リオネス王国を助けるために旅に出る。

この話は最初は、楽しく仲間捜しをしてバトルも激しくはなく
ちょっとほのぼのしている感じでした。

そして、仲間を見つけてその仲間の特徴や技などを
話の流れに沿って説明していく感じで、驚くような展開は
ありませんでした。

見ていくうちに、「七つの大罪」の過去がだんだん分かってきて、
2番目の仲間が加入するあたりから、「これどんどん面白くなるな!」
と思いました。

そしたら案の定面白くなってきました。

理屈じゃ説明しにくいんですけど、このような冒険のファンタジー
の話は、話の内容も面白いんですけど、1番心に響くのはやっぱり
バトルシーンだと思います。

昔にバトル系のファンタジーの話が多くてハヤったせいか最近は
そういった漫画やアニメは昔に比べて少ないしあっても昔の作品より
面白くない作品が多いと思います。

でも、「七つの大罪」はそれに負けない、いや、それ以上の面白さを
秘めた作品だと思います。

伏線はありますが、私が見落としてるかもしれませんが、
そこまで多くは無いと思います。話は比較的簡単ですが、
登場人物やなど、重要な場所などあってややこしかもしれません。

この話は、「ドラゴンボール」や「ワンピース」や「ナルト」
のように明るい感じのバトル漫画が好きな人にはオススメです。

とても面白いので是非見てくださいオ( ̄人 ̄)ネ(-人-)ガ(*_ _)人イ

投稿 : 2024/11/09
♥ : 57

71.1 5 不気味で戦闘なアニメランキング5位
ブギーポップは笑わない(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (415)
1742人が棚に入れました
竹田啓司は、同じ学校の後輩でもある恋人の宮下藤花を待っていた。しかし約束の時間が過ぎても彼女は現れず、連絡も通じない。日も暮れ始め、あきらめて帰ろうとした竹田の視界に涙を流しながらふらふらと歩く男の姿が映る。どう見ても普通ではない男の姿に、竹田自身も、そして周囲の人間たちも我関せずを決め込んだそのとき、不思議な人物が男に駆け寄ってくる。大きなマントに身を包み、奇妙な帽子を被った不思議な人物。ソレは竹田との待ち合わせをすっぽかした宮下藤花と同じ顔をしていて……。

声優・キャラクター
悠木碧、大西沙織、近藤玲奈、小林千晃、下地紫野、諏訪彩花、榎木淳弥、市川蒼、竹達彩奈、宮田幸季、八代拓、市ノ瀬加那、細谷佳正、長谷川芳明、阿澄佳奈、上田燿司、花澤香菜
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

語り得ないものについての試論

マッドハウス制作。

存在の違和感に翻弄されていた、
言葉では形容しがたい違和感である。
それは同じ場所に少しづつずれて重なり、
2人が同時に立っているような、
埴谷雄高が「虚体」と呼んだ思弁的なそれに近い。

世の中には精巧な人形と、
婚姻届けを出した男の逸話があるという。
彼はそこに意識のある主体としての分身を見たのか?
{netabare}世界の危機に反応する自動的存在、
それが不気味な泡、ブギーポップ。{/netabare}

語り得ぬものについての物語である。
しかし沈黙をしてはならない、
不死なるものを前に踏みとどまらねば。

10話~13話視聴追記。
夜明けのブギーポップ、とびきりの妄想狂である。
{netabare}死神と凪の初の邂逅、浮かぶ統和機構の存在、
MPLSの起源が語られ始める。{/netabare}

最終話視聴追記。
全ては歪んでどこか捻じ曲がっている。
{netabare}それはこの世界も人である現存在も同じなのだ。
どこにでもある存在の悲劇性、
つまりは隠蔽された主体の危機、それが歪曲王。{/netabare}

時代性を考慮すると不安も多々あります。
絵は意図してなのか古く感じ造形も似ている。
しかし普遍的な物語がここにはあるのでしょう。

ニヒリズムの超克が主題であるのでしょうか、
大胆にもそう伝えて締めたいと思います。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 76
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

多様性から生まれる「金」の泡

アニメーション製作:マッドハウス、監督:夏目真悟、
シリーズ構成・脚本:鈴木智尋、音楽:牛尾憲輔
キャラクターデザイン、澤田英彦、原作:上遠野浩平

世界が危機に陥ったときに現れる
不気味な泡、ブギーポップという人格。
左右非対称の奇妙な表情をして
筒のような帽子とマントを身に着けている。
その存在は、ひとつの都市伝説のようなものだった。

1998年に発表された電撃小説大賞の大賞受賞作。
この作品に影響を受けたラノベ作家は多く、
西尾維新は作家を志望するきっかけになったと語り、
奈須きのこは『空の境界』の「矛盾螺旋」でのアイデアは、
この作品の『歪曲王』に登場する「ムーンテンプル」に
インスピレーションを得て考案したことを公言している。
ライトノベル作家に影響を与えたという意味では、
1984年から刊行された笹本祐一の『妖精作戦』シリーズに
匹敵する作品だろう。

原作については、アニメ化された作品は既読。
しかし、読んだのは10年以上前のことで、
アニメを観て、ようやく少しずつ思い出した。
ちなみに原作で好きだったのは、
『ブギーポップ・イン・ザ・ミラー パンドラ』と
『歪曲王』だったのは記憶している。
パンドラのほうは、残念ながらアニメ化されなかった。

そして今回のアニメ化を観て、まず感じたのは、
普通に一度観ただけでは、まず理解できないだろうと
いうことだった。私自身もそうだった。
原因は、登場人物が多すぎて覚えきれないことがひとつ。
ふたつ目は世界観が少しずつ明かされていき、
構造が複雑なため、展開に追い付いていけないことだ。
だから、この作品を1度で理解しようとするなら、
ウェブサイトなどで、登場人物や世界観を頭に入れてからの
視聴をおすすめする。その場合は、物語のあらすじを
観る前から、ある程度知ってしまうことになるが、
知ったからといって、魅力が薄れてしまう
種類の作品ではないと思う。
それを避けたい人は、2度観る覚悟が必要かもしれない。

もう20年も前の作品だが、個人的にはそれほど
古さを感じなかった。
そして原作をとても上手く映像化している。
世界の敵、統和機構、合成人間、世界の危機を回避する者、
人類の進化形であるMPLS。
これらを中心に哲学的、思春期特有の思考が重なり、
物語が展開していく。

1~3話『ブギーポップは笑わない』
4~9話『VSイマジネーター』
10~13話『夜明けのブギーポップ』
14~18話『オーバードライブ 歪曲王』
という4つの作品で構成されており、
多くの登場人物が錯綜しながら、
さまざまな伏線が回収されていく。
小説では『VSイマジネーター』が2冊分、
ほかは全て1冊で完結している。
シリーズ通しての主人公は、
ブギーポップになるのだが、
その存在を目撃したり、相対する者が
真の主人公になるため、
視点をどこに定めれば良いのかが
分からなくなってしまうのが欠点だろう。
「正義」と「悪」という明確な概念がなく、
常に視聴者に哲学的な思考を強いるのも
観にくさにつながっている。

1~3話は登場人物や世界観の紹介と、
怪奇ミステリー的な要素が色濃く、
それほど特筆すべき点はないのだが、
4話からの展開は視聴者を引き込む。
時系列順に観たい人は、ブギーポップ誕生の
10~13話を先に観て、
そこから1話に戻るのも良いだろう。

四月に降る雪、落下する鳥、
扇動者のような存在であるイマジネーター、
心のなかにある薔薇、隠された心の歪み。
哲学的なイメージをエンターテインメントに
転化させる手法が鮮やかだ。
まるでポール・オースターの初期三部作を
初めて読んだときのような感覚。

物語の構成、音楽、声優は一級品。
悠木碧が上手いのは周知のことだろうが、
やはり抜群の仕事ぶり。
また『聲の形』や『リズと青い鳥』で知られる
牛尾憲輔の劇伴が世界観と完全にマッチしている。
作画も個人的には違和感がなかったし、
上手く描き分けている。

この作品を象徴しているのが
『オーバードライブ 歪曲王』編だ。
そもそも原作の上遠野浩平は、ここでシリーズを
終了させるつもりだったので、
これまでの要素が集約されている。
『VSイマジネーター』で表現された
心に薔薇があって、誰もが何かが欠けているという
表現とリンクしている部分もある。

{netabare}合成人間の天才建築家・寺月恭一郎が
統和機構に処分される前に多くのMPLS候補者を
一堂に集め、覚醒させるために建設したムーンテンプル。
その集まりに乗じて歪曲王が現れる。
歪曲王は、人間の心残りとして封じられた
多様性ともいえる願望を「金(きん)」に変えることが、
何かを突破するきっかけになると考え、実験を行う。
自身の問いに対して答えを探すための行動でもあった。
それは人にどのような効果をもたらすのか。

年を重ねるごとに私たちは、心の奥に何かを封じていく。
それは大人になるために必要なことだが、
人間の多様性を平坦にして
可能性を摘んでいくことにもつながっているのではないか。
まるで最近の企業が取り入れている
ダイバーシティを先取りしたような思考。{/netabare}

人類に未来や進化があるとするなら、
純粋な心の中に答えが示されているのかもしれない。
(2019年4月26日初投稿)

ブギーポップと時代性
(2019年4月27日追記)
{netabare}この小説が登場した90年代は、
ノストラダムスの大予言の影響から来る終末論や
バブル崩壊、阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件が
起こったことで、暗いイメージが付きまとう。
しかし、個人的には何かを突破することが
求められた時代とも感じている。
発想の転換ともいえる宮崎学の『突破者』という本がヒット。
そして音楽でいえば、生音のロックから端境期を超え、
より電子音を重視したドラムンベース、
全くの新しい音楽であるHIP HOPなどの
既存のスタイルを突破したジャンルが一気に登場した。
アニメ業界に変革をもたらした
エヴァンゲリオンの放映も90年代。
終身雇用制という働き手のあり方も変化した。
それまでの常識が覆された時代だった。
そして、純文学かミステリー、時代物しかない
小説のあり方を大きく変えたきっかけが
まさにこのブギーポップシリーズだった。
世界に「危機」が迫ったときに自動的に現れる泡。
このシリーズはそういう時代の流れを
象徴した作品といえるのだろう。{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 70

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

「ブギーポップは半笑い」

<2019/4/23 追記>
ようやく見終えました。
バタバタしててなかなか消化できず。

歪曲王まで見てなんとなく思い出してきました。

感想としては「アニメにしづらい原作だなぁ」とあらためてしみじみ。

敵を倒すとか
感動を催すとか
圧倒的に怖いとか

そういう話じゃなくて。
作者の伝えたいことが抽象的且つ主観的な話なので。
そういった事柄を感覚的に受け入れられないとつらいと思います。

まぁでもそうした感覚は歳を経ると得られていく部分でもあるので、「よくわかんなくて面白くなかったー。地味ー。」という方は10年後にあらためて視聴することをお勧めします。

決してわけわかんない話ではないと思いますよ。
寧ろ青臭くわかりやすい。

と、細かい考察が苦手で、本作も理解が適当な私の適当な感想でした( ・∇・)

あとOP曲は好き。


<2019/3/3 追記>
みなさん、Happyひなまつり♪

それはさておき、ブギーポップ危なかったですねえ。

何がって、10〜13話をいつもと違う時間帯で一挙放送て。
たまたま9話をオンタイムで観てて、一挙放送のテロップで気がついたから良かったけど。

なにしてくれんの( ̄Д ̄)ノ

さてはコアなファン以外に見せる気ないな


<2019/1/25 追記>
第5話観ました。
イマジネーター読んだはずだけどいろいろ忘れてる。
霧間凪に弟いたっけ?
いたような気もするけど
あれ?こんなホモォ・・・なエピソードあったっけ?
スプーキーEってこんなつぶらな瞳なの?
中年太りなのは記憶通りだけど
とかとか。

カメラが追いかける人物がコロコロ変わるのは確かにそんな感じだった。
初見のような気分で見られるのはある意味お得なのかもしれないですね。

<2019/1/14 初投稿>
見始めなので評価はデフォルトの3.0です。

原作はラノベ。
もう10年以上前になるのかな。
途中まで読みました。
なにせ既刊が多いので。
そしてかなりうろ覚え(´・_・`)

原作はラノベ界では有名な作品です。
ラノベをここまで流行らせたきっかけになった作品なんじゃないでしょうか(たぶん)

「ブギーポップは笑わない」
タイトルがキャッチーですね。

例えば「世界の中心で愛を叫ぶ」に通じるものを感じます。
これはエヴンゲリオン最終話「世界の中心でアイを叫んだケモノ」が元ネタで、
そのエヴァも大昔のSF小説「世界の中心で愛をさけんだけもの」が元ネタだったりしてますが、
要は意味はよくわかんないけどキャッチー

「ブギーポップは笑わない」もタイトル先行な気もしますが、書店の本棚に置いてあると目が行ってしまう、ついつい手に取ってしまいそうなナイスなタイトルだと思います。

ジャンルとしては「セカイ系」
1作目の発刊はエヴァのちょっと後ですし時代ですね。
つまりちょっと青臭い。
自分と世の中との関係性に悩む年頃に読むとピタッとハマる作品です。

主役のブギーポップさんは
「世界が危機にさらされると自動的に現れる」
そうです。
セカイ系だから、ね。
そういえば最近までグリッドマンさんもやたら
「裕太!世界の危機だ!」連呼してました。
親戚かな?

どんな危機かは見てのお楽しみです。

ただセカイ系というだけではなく、物語の展開や設定に工夫を懲らそうとチャレンジしている点は好感が持てます。

一見、敵と思える相手のことをブギーポップさんは実はそんなに相手にしておらず・・・とか。
ポイントをずらしてハッとさせる感じの作品。


アニメはまだ3話までしか見ていないですが、原作をうまく表現してます。
ただ原作読んでないと何が何やら(´・_・`)?という気も

雰囲気は一貫して暗いのでそういうの苦手な人にはさらに辛いかも。

あとブギーポップの表情。
原作では左右非対称の奇妙な表情とあります。
半分笑って、半分泣き顔でみたいな感じでしょうか。
それがアニメでは「半笑い」に見えてしまいました。
ここら辺を映像で表現するのは難しい。
文章なら一行なのに。

ものすごい好きかと言われると微妙だけど
懐かしさもあるのでたぶん最後まで見ます。


最後に

スポルディングのスポーツバッグ懐かしいなー
アニメではどうなってんだっけ?

投稿 : 2024/11/09
♥ : 54

66.9 6 不気味で戦闘なアニメランキング6位
殺戮の天使(TVアニメ動画)

2018年夏アニメ
★★★★☆ 3.2 (344)
1450人が棚に入れました
ビルの地下の最下層で目を覚ました少女、レイチェル。 彼女は記憶を失い、自分がどうしてここにいるかさえ分からずにいた。 地上を目指し、ビルの中をさまよう彼女の前に現れたのは、顔を包帯で覆い、死神のような鎌を持った殺人鬼ザック。 「お願いがあるの…お願い、私を殺して」 「一緒にここから出る手助けをしてくれよ。そしたらお前を、殺してやるよ」 二人の奇妙な絆は、その””誓い””をキッカケに深まっていく。 果たして、ここはどこなのか。二人は何の目的で閉じこめられたのか。 彼らを待ち受ける運命とは。 密閉されたビルから脱出する二人の決死行がはじまった……!

声優・キャラクター
千菅春香、岡本信彦、櫻井孝宏、藤原夏海、伊瀬茉莉也、大塚芳忠

イムラ さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.9

勉強になりました

<2018/9/22初投稿>
原作はゲーム?
よく知らないで見始めました。

少女レイチェルと殺人鬼ザックの地下からの脱出劇
謎解きホラーのような感じ。

正直面白いとこ全くなかったんですが、最終回がどうなるのかだけ気になって観続けました。
自分としてはそういうの珍しいです。

12話まできてサブタイに「終」つまり最終回マークが付いてたので「よーやく最終回♪」と観てみたところ、「To be continue」でかなり中途半端なところで終了。
そしてEDの後に「全16話。この続きはAmazonの有料ネット配信で」のご案内。

最初からその予定だった感じですね。
最初の12話をテレビで無料で流してネット配信へ誘導か。
それも謎解きもので。

テレビはもう撒き餌扱いの時代なんですね 笑

勉強になりました。
という意味で記念レビューです。

ちなみに13〜16話は観ないと思います。
そこまで最終回が気になるわけでもないので。

・・・この撒き餌作戦、もし気に入った作品でこういうことされてたら不快な気分になってただろうな。そういう意味で助かりました。

<2018/12/31追記>
昨日、ATXで残り13〜16話やってたので見ました。

感想は「やっぱ見なくても良かったな」

投稿 : 2024/11/09
♥ : 47
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

マ・ジ・で~!?

原作未読。第12話まで視聴。
(あえて”最終話まで視聴”とは言わないけど、鑑賞状況は”見終わった”で)

{netabare}『つづきはwebで!』{/netabare}
第12話まで視聴した視聴者に向かって、こんな斬新な回が待っているとは、夢にも思わなかった。

さすがに少々ショックで、コメントする気になれない(笑)。

【だけど、ここは”少しだけ”大人になろう】
{netabare}中盤までは普通に楽しく視聴していたんだけど、神父の発する言葉が、意味深なのに意味不明で少々興醒めしました。{/netabare}

レイチェルはとても可愛かったし、アイザックも何やかんや良いヤツだった。
作画は丁寧に描かれている印象。

遠藤正明さんのOPが、少々物寂しい作品とは裏腹に、とてもアツくて良かった。


2018.11.02追記。
16話まで視聴しました。
結論から言うと、わざわざ課金してまで視聴する必要は無かったかなという感じです。

最大の謎である、{netabare}あのビルの正体と個性豊かな住民の正体については{/netabare}最後まで明かされませんでした。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 32

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

たった一つの約束だけが生きる理由

フリーゲーム「※1殺戮の天使」のアニメ化作品。

病院でカウンセリングを受けていたはずのレイチェルが目を覚ますと、そこは見覚えのない真っ白な部屋。

※2無数の監視カメラ、問いかけるタイプライター、屋外の様なフロア、昇降機、殺人鬼…。陳腐なオブジェクトに囲まれた現実味に乏しいその空間は、まるで悪夢のよう。

いかにもゲーム的な設定、ビジュアル重視の世界観に面喰らい、一見して、奇を衒っただけのデス・ゲーム、脱出ゲームの類を想像される方も多かろうと思いますが、原作ゲームのジャンルはサイコホラーADV(アドベンチャー)。怪物染みた思考を持つキャラ達(主にレイチェルとザックですが)の行動原理を紐解く様な物語になっていると思います。

登場人物達に共通する点を挙げてみると、レイチェルは無表情で、ザックは包帯で、ダニー先生は義眼で、エディは覆面で、キャシーはモニターで、外界との繋がりに何らかの形で制限やフィルターをかけている事が分かります。わたしたちのサムネも似たようなものですね(笑)

殺人の本質は、他者との関係を断絶する事にあると思いますが、単なる"無視"と異なる点は、その行為の裏に、他者、延いては理解者を求めてやまない寂しさがあるという事。人形の様な死んだ目をしたレイチェルに、殺人鬼達が心惹きつけられるのは、純粋なるものへの渇望、その瞳の中に自らの理想とする他者の姿を好き勝手に投影できるからではないでしょうか。

また殺人という行為は、少しだけ撮影という行為と似ています。対象の最も美しく見える瞬間を切り取り、保存する、時間を殺す、そして過去の記憶、あるいは一枚の絵の中に、甘い夢を見るという…。こんな話をしていると女性の手を切り取って愛でる趣味を持つジョジョの吉良吉影なんかも思い出しますね(汗)

世にいる全ての偶像崇拝者と同じく、殺人鬼達のレイチェルへのアプローチは、一方的で独り善がりの傾向が強く、その狂気を湛えた表情や言動は、まるで鏡に映ったもう一人の自分、あるいは物言わぬ人形に話しかけている様でもあります。

しかし、レイチェルは美しくも歪な生きた鏡。見るものを惹きつけ、そして絶望させます。

がらんどうのレイチェルに自らの理想を見ようとした者達の中で、ただ一人お人形を殺す事に興味の無い"まともな成人男性"である(笑)ザックだけが、鏡の背面にあるレイチェルの真の姿を見る事ができ、彼の保障した"約束"に込められた真意を漠然と感じ取ったレイチェルだけが、包帯に隠されたザックの魂を見つめる事が出来たのは、幸運としか言い様のない偶然ですが、愛と呼ぶに相応しい感情が、壊れかけの二人の心の中にも残っていたからと信じたい。

これは美女と野獣のお話ではなく、野獣と野獣のお話なのです。


※1:真田まことさん作、RPG風2D見下ろし画面を採用したアドベンチャーゲーム。レイとザックを交互に操作しながらフロア内の謎を解き、殺人鬼の徘徊する地下からの脱出を試みるゲーム。理不尽な謎は無く、アクション要素は方向キーによる鬼ごっこくらい。ゲームに不慣れな人でもエンディングを見る事が出来る。と思う。

※2:原作ゲームには天井にびっしりと並んだ無意味な監視カメラの配置は無いし、問いかけるタイプライターも無い。後者はごく普通のノートPCとして描写されている。ミスリード(夢物語と錯覚させる)を狙ったのかも知れませんが、物語の整合性を乱しますし、視覚的にも安っぽい演出になってしまっていたと思います。ダニー先生の舌や、エディの超人的な身のこなしについても残念。もっと人間らしい描写にして欲しかったです(汗)ザックの耐久力については原作準拠なのでスルーするとして(笑)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 29

64.5 7 不気味で戦闘なアニメランキング7位
BEM(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.3 (125)
404人が棚に入れました
湾港都市「リブラシティ」。政治・経済・文化の中心であり、街の“富"が結集した「アッパータウン」と、汚職や犯罪に溢れ、人々がお互いを疑い合わざるを得ない「アウドサイド」、その両エリアを分かつ巨大な運河と、一本の「橋」。これらにより構成される、まさに人間の“差別意識"が顕在化した様な街である。そんな「アッパー」から「アウドサイド」に赴任してきた、若き女性刑事・ソニアは、数々の事件を追う中で、人間を守るために戦う、醜い姿の3人と出会う。彼らは一体何者なのか・・・?妖怪人間3人は、それぞれの思いを抱えながら、正体を隠し生きていた。人間に仇為す悪を倒すことで、人間になろうとする「ベム」、人間に憧れ、人間と同じ学校に通い、人間を理解することで、人間になることを目指す「ベラ」、人間や世間に達観し、冷めた様子でゲームの世界に没頭する「ベロ」。彼らはいくつもの事件や、人間たちとの触れ合いの中で、傷つき、悩む。人間のために戦っても、その醜い姿から、決して人間に受け入れられることはない…。そんな3人を探す1人の存在がいる。リブラシティを裏で牛耳る「見えざる議会」を操り、ベムたちを確保しようとする彼女の目的は果たして?

声優・キャラクター
小西克幸、M・A・O、小野賢章、内田真礼、乃村健次、西山宏太朗、斉藤壮馬、諏訪部順一、小野大輔、坂本真綾
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

ねえ本気で早く人間になりたいん?

往年の名作リメイク

『妖怪人間ベム』といえば?


 ベム・ベラ・ベロの三人組
 
 早く人間になりた~い


民放のアニメ特番などで繰り返される表層部分。知ってるはこれくらい。
前作(前々作)を知らないため、ベラがかわいくなってると言われてもピンとこない私です。


政治・経済の中心地“アッパーサイド”と貧民街“アウトサイド”に二分化された“リブラシティ”という街が舞台。頻発する怪事件の裏ではなにかしらが暗躍。
アッパーサイドでポカしちゃった若手の女性刑事ソニアがアウトサイドに左遷されてーの赴任日から物語が始まる、という導入です。

主役の三人。普段は見た目人間の仮の姿で行動し、敵やピンチに遭遇した時だけ見た目醜悪な本当の姿に変身して闘う模様。

この三人がいつか人間になるべく、善行を重ね人間を助けて、でも真の姿を見せちゃうと忌み嫌われて、というジレンマがもの悲しく見えるお話でした。
「早く人間になりた~い」理由も深いものがあります。


で、この『BEM』です。

タイトルをアルファベットに替えるとやりたい放題できるんでしょうか。
その昔、『GOEMON』という石川五右衛門である必要あるんかいな?な戦国物のフリしたSF映画がありました。そちらとの既視感がハンパありません。

オサレ感の演出に余念がなく、「既成概念を跡形もなく破壊する」という公式サイト(『GOEMON』のほうね)の紹介文よろしく好き放題やった結果、原形留めてますかね?的ななにか。

OPは椎名林檎。ED降谷建志が楽曲を提供し両曲ともオサレです。劇伴もジャジーで大人ムード。
物語も実際のところ第一話、第二話は良かったのです。そして巡り巡って終わってみたら尻すぼみという帰着。

前作を知っていればその比較でどうぞどうぞ。
知らなくても作品が伝えたかろうテーマは悪くないです。


■良かったところ1

序盤です。

{netabare}・ソニアとジョエルの刑事コンビ(第一話)
正義を貫きたいソニアと土地(アウトサイド)に順応し上手く立ちまわってるジョエルとの対比が良い。
デンゼル・ワシントンの『トレーニングデイ』を彷彿させる関係性が妖怪人間とどう絡むか期待してました。{/netabare}

{netabare}・なんか人間のほうが悪くね?(第二話/第三話)
第一話ベム/第二話ベラ/第三話ベロ回でした。そこで展開されたのは「人間は悪いやつ」。こんな奴らを助ける意味があるのか?の葛藤とお付き合いせねばなりません。
正邪不透明なモザイク展開は望むところでした。{/netabare}


■良かったところ2

人間になる確実な方法がわからないこと

答えのない道を探すのはやる気の維持も覚束ないものです。事実ベロは及び腰だったりするのがリアル。

{netabare}「人間を信じないと人間になれない」
第一話でベラが呟いた一言がちょっぴり切ないのでした。{/netabare}


後付けで旧作の設定も調べてみて、やはり深みがありそうな気配は感じるのです。
外形を留めてないと述べましたが知る由もないのであくまで想像です。

作中ではその深みみたいなものの説明が不足しておりますが、別のものを作る意図があるのであればそれはそれでけっこう。
別個のものとして、そして先入観なく視聴した結果、物語としても訴えてくるものが少なかったかな~という全体の印象でした。
理由は大小いくつかあれど一点だけ。


■極めて悪かったところ

 悪役担当に魅力がありません

容姿は異形ながら心持ちはむしろ下手な人間より高尚だったり綺麗だったりなベムら妖怪人間三人です。
私怨や公憤なんでもいいのですが、主役三人と敵対するキャラに説得力がないと彼ら三人の輝きも限定されてしまいます。

本作で感じたのは、三人を迫害したい描写だけがほしいという雑さでした。

{netabare}CASE 1 ダリル・ブライソン(学生)

父親殺しの事実誤認だけ見ても知的冷静さとは無縁。単なる厨病激発ボーイにしか見えないこともそれに拍車をかけます。
そんな彼がいつの間にか黒幕組織の中枢に収まっていく過程は失笑を禁じえなかったです。
些末な人物がたいそれたことをしてるように映り、ひいては黒幕組織も矮小化した団体に感じました。

ベロも嫌疑をかけられた時に粘って疑いを晴らせよと思いつつもそれだって、ダリルが利発なキャラ設定だったら不問にできたことでしょう。{/netabare}


{netabare}CASE 2 ヘルムート・フェルト(刑事)

・彼自身が妖怪人間を敵視する理由が不明。説明がありません。
・世論操作を謀る時に「妖怪人間をどげんかせんといかん。なぜなら・・・」の“なぜなら以下”に相当する部分の台詞が意味不明。
・ベムの公開裁判(茶番)も失笑レベルの法廷劇。「じゃあ君はキスできるか?」それ大真面目に言われると腹筋がもちませぬ。

狡猾で敏腕な刑事ぶりを描きたかったんでしょうし、こちらもそれを期待してましたが、役不足もいいところでした。{/netabare}


{netabare}CASE 3 Dr.リサイクル(白衣)

結局、こやつが編み出した改造人間が起こした殺人事件への落とし前をつけてない上に、警察は協力を仰ぐとかわけわかんないです。
マッドサイエンティスト設定にも狂気を感じることすらなし。強いて上げるなら「ヒッヒッヒッ」といったそれっぽいセリフぐらいかしら。残念です。{/netabare}


{netabare}CASE 4 ベガ

といえばストⅡなのだが脱線するのでやめときます。
まだマシなレベルです。ベムたちに執着する理由もわかりやすい。ただしいかんせん手下の駒不足でラスボス感が薄くなっちゃったのがもったいなかったですね。{/netabare}


これはB級コレクターさん向け作品です。



視聴時期:2019年7月~9月 リアタイ視聴

-------


2019.10.16 初稿
2020.04.14 タイトル修正/修正

投稿 : 2024/11/09
♥ : 41
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

エレファントマン

妖怪人間ベム誕生50周年プロジェクト。

<<ナレーション>>
それはいつ生まれたのか誰も知らない。
醜い身体の中には正義の血が隠されている。

子供の娯楽であるはずのアニメでは、
初代「妖怪人間ベム」は特異点であろう。
秘匿された神秘性の恐怖と克服を描き、
異質で怪奇で奇妙で、
それは世代が違うものにも正しく伝わる。
オープニングはアニメ史に残る衝撃であった。

いつか「人」になれる日を夢見て、
事件を解決し、人知れず町を去る。
異形がゆえに人に恐れられ迫害を受ける。
それは正義とは何か、生命とは何かを問う、
世代を超えて語り継がれる主題なのでしょう。

椎名林檎へのオファーは良い選択でしょう。
村田蓮爾のキャラデザインはどうも苦手である。
オールドファンはベラをどう見るのでしょうか。

9話視聴追記。
人を救うことで人になれる。
根拠もない、ただ彼らが信じる道である。
物語の裏が見え始めていますが、
やはり設定や演出に困惑することも多い。

最終話視聴追記。
現代的な妖怪物語の帰結としては、
{netabare}落ち着くべき所に落ち着きましたが、
全体的に主題に対する、訴求が弱い。
もっと「生」の欲求に足掻いて欲しい。{/netabare}
ちびっ子ハラジーはお気に入りです。

私としては残念な結果に終わりました。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 38
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

9話は良かったけど、全体としては中途半端な所も〈最終話まで視聴・追記あり〉

2019年夏アニメ。
「妖怪人間ベム(1968年版)」の最新のリメイク作品。
これまでに製作されたどのリメイクともずらした要素を入れてきた印象。


【1968年版(初代)、2006年版、実写ドラマ版について】
何かの参考になるかな?と思うので、簡単にまとめてみます。
このシリーズには「人間とは何か」という命題は常についてまわります。ベム達が人間になる方法を見つけることもあるけど……。
気になる作品があれば是非見て欲しい。作品の狙いに共感できるとどれも面白いものですよ。
{netabare}
・1968年版(初代)
壮年の大男、苛烈な性格のグラマーな女、浅黒い肌の子どもの3人組。出生不明。指は皆3本。
子ども向けなので主人公は天真爛漫なベロ。

3人の妖怪人間は妖怪や怪異から人間を守り戦い、最後にはその街を去るというのが基本フォーマット。
「正しい行いをすれば人間になれる」と考え行動しますが、その理由は語られません。人間たちには時に迫害を受けたり、彼らと心が通じたりしますが、正体を知られると恐れられるため一カ所に滞在しません。

国籍や時代は意図的にわからなくしてあるそう。
一話完結で子ども向けですが、古い作品なので胸の痛くなるような話も。妖怪や怪異は人間の敵であり、人の手により闇に葬られたりもする。差別がテーマの一つだと思う人もいるようですね。
ホラー演出もこだわっています。
ラストはバッド寄りのビターエンド。リメイクされてほんとに良かった。


・2006年版
3人の姿はほぼ同じですが少し優しい印象になり、指が5本に。
これも出生不明…だけどもしかしたら?という描写があります。

子ども向けなので主人公はベロ。子ども達とは仲良くなれるけど大人には不審がられ、出没する妖怪を倒したりしてもなかなか報われない。
天真爛漫なベロを丁寧に描き、ベロがベムとベラを精神的に支えることも少なくありませんでした。
「正しい心を持ち続ければいつか人間になれる」という言葉は昔3人を助けてくれた恩人の言葉とされていて、これは独自の要素。
舞台は日本の架空の港町で、高級住宅街と治安の悪い所があり社会の縮図のような感じ。

後半からメインストーリーを展開し、前半の一話完結回の描写を拾っていくのが見物。初代に比べ人間の美醜もかなり強調され、妖怪も人間も善人悪人両方描かれます。
最終盤では胸を抉る話が続きますが、最終回はビター寄りのハッピーエンド。


・実写ドラマ版
若い男性、若い女性、子どもの姿の三人組。
大人向け寄りで、主人公はベム。この実写版はキャスティングが見事で、特に悩める青年のようなベムは意外だけどテーマに合致していて納得させられました。

舞台は日本のある街で、そこに住む人達と交流し、正体が知られると街を去っていきます。数十年ぶりに偶然再会した老人と不老不死のベム達とのエピソードが好き。

この作品でベム達が戦うのは妖怪ではなく、別の存在。人間の持つ「正義の心」と「悪の心」を丁寧に描き、全編通して胸を抉ってきます。
そしてこの作品では独自の設定として妖怪人間の出生の真実が描かれ、物語の核心となりました。
ラストは爽やかなビターエンド。
その後作られた映画版も良い作品でした。
{/netabare}


【今作】
{netabare}
ベムのイメージはそんなに変わらないけど、ベラは女子高校生になり、ベロがやさぐれました。ベロが天真爛漫じゃなくなったのが私は一番驚いたw

物語の舞台(街)も固定され、新キャラクターもかなり多い。敵妖怪もなかなか奇抜といいますか…(汗)妖怪というより人造怪人なのでホラーにならない。
だから結構古参ファンを振り落とす要素が多いかも。

何をしたいのかは、設定の変更などからある程度理解しているつもりではあります。
ただコンテ・演出で画的に伏線を張るのがちょっと苦手っぽい?話数を跨いでの伏線はもう少し印象強くしておかないと全体像が見え難くなるから、世界観の渋さもあって結構致命的。ドラマパートの演出は好きなんだけどホラー的な魅力は少ないしなあ…。
私は結構好きになれそうなだけに色々もったいない。{/netabare}

【9話視聴時点での感想】
{netabare}
舞台となるリブラシティのアッパーサイド・アウトサイドですが、どちらに住む人間も結構ろくでもない…
アウトサイドはスラム化しているし、アッパーサイドは都合の悪い存在をアウトサイドに押し込めてしまう。しかも人間を辞めて生き生きしている敵もベムたちも、人間にとっては怪物扱いなのは同じ。
そしてこの街の在り方に一石を投じるのがソニア、カーヴァー、ギャビンだったわけですね。

第9話は、ギャビンは良い人すぎてかえって胡散臭い人物として演出されていて、ベロの友達も視聴者の想いを代弁します。そして肝心のベムも差し出されたギャビンの手を取れなかった。ベムには最後まで信じるべきかどうか葛藤があったということなのでしょう。
けれどもベムたちはギャビンを守りきれず、信じるに値する人間であったことがその死によって証明されます。

リブラシティで疑問も持たず暮らしている人々にとって、アウトサイド出身でありながらアッパーで成功し、しかも清濁併せ呑める理想家なんてにわかには信じられないと思うんですよね。
アッパーで普通に安全に暮らしてる人にとっては、理解できない・信じられない存在という意味ではギャビンのような人間も妖怪とあまり変わらないのかも。

で、人間て何?という問題は「妖怪人間ベム」の作品群では必ず何かしら答えを示してくるけど、さらに今作は人間として生きるってどういうこと?という問い掛けに繋がってくるんじゃないかって気がしてます。
少なくとも見た目とか体のつくりは答えにならないですよね。だからこそ、ほぼ完全に人間に擬態できているのにも関わらず、ベムたちは人間になることを切望する。
寿命があるからこそ人間は懸命に生きるというのは、その問いに対して大きなヒントになりそう。

「見えざる議会」はリブラシティの在り方に波紋を投じる存在を許さない。もしかしたら他にも目的があるのかもしれませんが、彼らとベムたちが対立していくのは明白。しかも不確定要素となりうるキャラクターが結構いるので最後まで注目したいと思います。{/netabare}

最後に、ソニアの潔癖さと愚直さが超可愛い!と言っておきますw(2019.9.27)


【最終話まで視聴したので追記】
作品が作品なのでラストはこうなりますわな。


【良かった点】
{netabare}
ベム・ベラ・ベロの関係がとても良かったです。周りの人間たちとの関係も好きでした。
ベガはキャラクターもデザインも素晴らしいラスボスだったと思います。もっと描写して欲しかったなあ。

「人間とは何か」ということを「生きる上での行為」と捉えたのは今作の独自性だと思います。
人間は寿命があるからこそ、次世代を残すからこそ懸命に生きる。人間の行為を模倣すること、すべてを経験することがベガにとっては人間になること。大切な人達と共に普通にひっそりと生きることがベムの考える人間の生き方。二人の対比はきちんと出来ていて、孤独で超然としたベガの存在は良かったと思います。
ベガがダリルを後継者にし、ハラジーを引き取ったのは育児の代替行為なのかもしれませんが、二人の幸福な未来を望んでいるわけではないため、最後までベガは孤独でした。

最終話は人間同士・妖怪人間同士が対決し、それぞれの問題とその先の希望をあぶりだす構成なのかなと思いました。
ベム達は人間を信じてリブラシティを去ったのだと思うし、ダリルがリブラシティを良くしていく可能性があるというラストだと思う。
アッパーサイドとアウトサイドを繋ぐ橋は分断の象徴であり、これまでの間違った関わり方の象徴でもあったのだと思います。最終話で橋は落ち、人間の手でアッパーとアウトの断絶を埋める新しい方法を模索していかなくてはならない。

ダリルがベロを信じ尊敬していたカーヴァー議員の意志を継ぐことが出来れば、リブラシティの今後は変わるでしょう。ただ、まだ幼いダリルにとって議会内の人間も味方とは言えないし、リブラシティの在り方に関しては困難な終わり方のような気もします。カーヴァーやギャビンと交流があったソニアと、ダリルが出会っていれば希望が持てるラストと言えたかもしれません。
{/netabare}

【気になった点】
全体的に中途半端な要素が多かった気がします。
{netabare}
人間キャラが物語の本筋に深く関与しないのは良くないと思う。
人間の心の美しさと醜さをバランス良く描いてくれたら、ベムが人間になりたい心理に寄り添えたと思います。いっそ、人間を辞めたヴィランの過去を掘り下げて人間の醜さを、ベム達の周りの人間を掘り下げて人間の美しさを描くとかした方がわかりやすかったかも?

1クールにしてはキャラクター数が多く、持て余してしまった印象はありました。
ソニアをもっと能動的に動かしても良かったと思います。ウッズさんはソニアに足りない部分を補う立ち位置だと思うけど、活躍が少なかった気もするし。
シルクハットの人物が死体を回収する役なのかな?と思っていたけど何してたんだろうね。
全体的に色々と勿体なかったなあと思います。
{/netabare}

【雑感】
そういえばお約束の{netabare}人間に火をかけられるシーン{/netabare}が今作はなかったですね。
京アニの一件に配慮したから(4話も2週遅らせましたし)だと思いますが、少し珍しい一作になったかも。
{netabare}
……あまり言いたくはないけど、2006年版も実写ドラマ版も狙いがはっきりしていたし、ターゲット層を明確化した作品作りが出来ていましたよ。
特に2006年版はあまり評価されていませんが私はとても好きです。監督の原田浩さんは「地下幻燈劇画 少女椿」を作った方で、一度作品を観てみたいなあと思うのですが自主製作なのでなかなか…。
{/netabare}
(2019.12.8)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 23
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