遊微々 さんの感想・評価
4.9
いの1番に大事なことは 2度とここにゃあくるなってこと 3度のめしにはことかかないが 4方を格子にかこまれて 5分とおかず見張りが回る 6でもないとこへ来ちまった 第7監獄たぁここのこと
『王ドロボウJING』第4巻に収録されている第七監獄編、及びアマルコルド編を2004年にOVA化。
TVアニメーション以上に原作世界観の魅力を存分に引き出した傑作OVA。
OVAだけあって作画が高いレベルで安定しており、中でもTVアニメからさらに進化、洗練されたキールロワイヤルの演出は必見。ホントカッコイイ、出来ればBGMは据え置きが良かったけども。
ちなみにDVDに収録されてたコメンタリーによると、今作の監督を務めたわたなべひろし氏はキールロワイヤルに対して、熱いとか冷たいとかそういった温度を感じるようなものでないと感じていたので、アニメ化に際しキールロワイヤルをエメラルドグリーンで表現されたのだとか。
また不可思議な夢の世界を表現したジャズ調のBGMも秀逸。TVアニメ版もそうでしたがJINGは本当に音楽が素晴らしい。あの極彩色の世界観を見事なまでに演出してくれてます。
そしてJING最大の魅力はなんと言ってもやはりその巧みな言葉遊び。レビュータイトルで書いた第7監獄の詩の時点で既にテンションブチ上げものなのですが、本作は夢をテーマに展開されるので、それにちなんだ言葉遊びが多数出てきますね。
「他人の夢まで欲しくなる人一倍夢見がちなタイプでね」
(夢の中の風景を見て)「眼の覚めるような風景ですね・・・」
「どうだい?ゆめかげんは?」
「人生とは死という熟睡に入るまでに見る夢そのものなのか?つまるところ人間ってのは、おしゃべりな夢遊病者に過ぎない」
あーー!!惜しい!!これだけの作品が埋もれているのは実に惜しい!
マジでリメイクして欲しい!!