不死身で戦いなおすすめアニメランキング 9

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの不死身で戦いな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月26日の時点で一番の不死身で戦いなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

77.2 1 不死身で戦いなアニメランキング1位
不滅のあなたへ(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (439)
1625人が棚に入れました
フシは最初、地上に投げ込まれた“球"だった。持っていたのは「刺激を受けた物の姿へ変化できる能力」と「死んでも再生できる能力」。球から小石、オオカミ、そして少年へと姿を変化させていくが、赤子のように何も知らぬままさまよう。やがて出会う人々に生きる術を教えられ温かい感情を知り、人間を模して成長していくフシ。宿命の敵・ノッカーとの壮絶な闘い、大切な人との別れ…痛みに耐えながら自分の生き方を選びとり、力強く生きるフシの永遠の旅を描く。

声優・キャラクター
川島零士、引坂理絵、内田彩、愛河里花子、斎賀みつき、津田健次郎
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

フシの出会いと別れの物語

[2021.8.31]
1期見終わりました。
通してみると、やっぱりグーグー編が一番好きですね。
でも最終話もなかなか良い締め方だったと思います♪
2022年秋に2期の告知がありました。
1期はちょうど原作6巻までだったので、同じペースだと2期は原作12巻まで
で、ちょうど第1部の終わりまでになりそうです。
ここまできたら、第2部も見てみたいですねー。3期とかになるかもだけどw
最終話の感想は一番下に書きました。

[2021.4.14初投稿]
原作は、「聲の形」の大今良時さんということで読みました。現在は第二部連載中です。
手塚治虫の「火の鳥」を想起させるスケールの大きさを感じる物語で、これがマガジンで週刊連載で描かれていることに作者の凄さを感じました。

ただ、アニメ化して面白くなるかな、とちょっと不安なところもあって。
作品のテーマがぱっと見、掴みづらいので、他にも作品が沢山あって、飽きやすいアニメ視聴者にはなんだかよくわからない作品だなーと投げられちゃう可能性もあるのかなと。
好きな話はグーグー編です。

NHKでアニメ放映ということで、それなりのクォリティの作品になるのかなと思ってましたけど、期待通りの出来みたいでとりあえず嬉しいです♪
全20話みたいです。
第一部の最後までやってくれると嬉しいけど、話数的に大丈夫かちょっと不安。

お話が進んだらまた感想など追記したいと思います☆

【第1話 最後のひとり】
{netabare}レッシオオカミのジョアンがなぜあんなに離れたところで死んでしまったのかを考えてみました。
私の妄想ですけどジョアンは少年のために楽園の場所を探していたのではないかと。
その途中で足にケガをしてしまい・・と考えるとちょっとせつないですね。
「僕のこと、ずっと覚えていて」がずっしりときます。
結局あの少年の名前って不明なんだよね。{/netabare}

【第2話 おとなしくない少女】
{netabare}マーチ編が始まった。
アニメは丁寧に進めてるみたいで進行はゆっくり目っぽい。
これだと第一部の途中で終わりそう。
「それ」はマーチと出会って幸運だったと思う。
最初に自分に愛情を注いでくれる相手と出会えたんだから・{/netabare}・

【第3話 小さな進化】
{netabare}ラストのアリガトオの声、インパクトあって良かったです。{/netabare}

【第4話 大きな器】
{netabare}この作品、ひとつ残念に思うところはオッケーとかハッピーとかスケジュールとか言ってるところ。
現代が舞台ならいいんだけど、こういう世界観を大切にしてほしい作品でやられちゃうと萎えます。。
作品が軽くなっちゃう気がする。
連れてこられたヤノメから脱出するマーチたち。
そして次回・・・! {/netabare}

【第5話 共にゆく人】
{netabare}フシは「刺激」を受けて、「器」を獲得する。
そして今回も新たな「器」を獲得するんだけど、こういうのなんだかやりきれないです・・
でも、フシは出会った人や動物たちをずっと覚えててくれるんですよね。
フシの中で彼らは永遠に生き続けるのでしょう。
次回、いよいよ「敵」が現れます。
このあたりからわけわかんないって思われそうでちょっと心配。{/netabare}

【第6話 私たちの目的】
{netabare}ヤノメから一緒に逃げた老婆ピオランとの再会。
彼女はフシに言葉や知識を教える。
前半はそんな二人のやりとりやフシが成長していく様子が微笑ましいです。
後半はいよいよ「敵」が現れて物語の雰囲気も変わります。
これは賛否あるでしょうね。何このバトル?って。
次回はいよいよグーグー編が始まります!
原作読んでた時から好きな話だったので、とても楽しみです♡{/netabare}

【第7話 変わりたい少年】
{netabare}グーグーいいキャラしてますね。やっぱりグーグー編は面白いです。
グーグーもリーンも原作よりもコミカルな感じになったかな。
ピオランのアップの作画が気合入っててちょっと笑った。。
グーグーはフシの兄貴分として、フシにとって大切な存在になっていきます。
次回も楽しみです♡{/netabare}

【第11話 過去からの贈り物】
{netabare}今回の話は原作の時から好きで、アニメもうまく演出してたと思います。
夢桔梗の花から、グーグーとリーンのあの日につながっていくところ、じわっときます。
グーグー、フシ、リーン、ピオラン、酒爺。
彼らの平穏な日々がずっと続けばいいのに。
これを言ってもどうしようもないのだけど、ノッカーいらない。{/netabare}

【第20話 残響】
かなり久々の感想になりました。
というのも私ジャナンダ島編(トナリ編)があまり好きじゃなくて。。
今回のピオランの話、とても良かったですね。
フシと再開したときのピオランのとても嬉しそうな笑顔。
老いていくピオランの面倒を見続けるフシ。
二人の関係には愛情が感じられて、{netabare}最期のフシの号泣に{/netabare}ちょっとうるっときちゃいました。
1話の頃と比べると、フシの成長がとても感じられたラストでした。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 44
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

『死』と『永遠』

この物語のテーマは、『死』と『永遠』なのでは?
と感じました。

出会う人が亡くなるたびに、その人の容姿を真似ることができるフシ。
そのフシが少しずつ成長していく物語。

球の頃は何も感じなかったフシ。
それがやがて、暑さ寒さを感じ
視覚や嗅覚、聴覚、触覚を感じ、
言葉を覚え、文字を覚え、生きる術を覚え、
そして心を成長させていく。

フシにかかわりをもった人たちがフシを成長させていき、やがて亡くなる。
そして新たな出会いがフシに訪れる。そしてその出会った人もまた…


人間はいつかは必ず亡くなる存在ですが、その心は永遠に受け継がれていく。
それをうたった物語なのかもしれません。

この物語の主要な人物を紹介します。


マーチ:{netabare}
マーチは大人になることを夢見ていた幼い少女。
誰よりもお話するのが好きな彼女は、フシに言葉や木の実の取り方を教えてくれました。
体こそ幼いけど、フシにとってお母さんのような人です。
だけど彼女は、自分の夢をかなえることができませんでした。
{/netabare}

グーグー:{netabare}
あらゆる運から見放されていたグーグー。
だけど彼は心根の優しい立派な少年です。

グーグーには幸せになってほしい。
私はそう願わずにはいられませんでした。

でも、フシと出会う主要な人は…。それがわかっているので悲しくて悔しくて…
グーグーは今でもフシと共に旅をしている。そう思いたいです。
{/netabare}

ビオラン:{netabare}
ビオランは罪を背負っている老婆。
いつ亡くなってもおかしくない彼女は、フシに文字を教えます。
そして年老いて死ぬということがどんなことかを、フシに身をもってわからせてあげたのです。
人間はいつか必ず命が尽きる。フシはそれを理解します。
{/netabare}

トナリ:{netabare}
小説家になることを夢見ていた彼女。
彼女は、フシにみんなで戦うことの大切さを教えます。
小説家にこそなれませんでしたが、彼女は罪人の暮らす島で島長(しまおさ)として過ごします。
彼女は、いつか再びフシに再会するかもしれません。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 59
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ツンドラの白夜の森から

イワ…ンじゃなかった石からでしたね
原作未読


アニメを観るようになって再評価したものの一つがNHK。
定評ある残酷描写が柔らかくなるかもと危惧してた『進撃の巨人』はごりごりだったし、進撃だけが聖域というわけでもなく『ヴィンランド・サガ』もごりんごりん。
『ツルネ』は京アニ大賞特別賞かなんかで鳴り物入り感があったし、大作『ピアノの森』ではガチ世界的ピアニストからの音源でした。内容評価はともかく力の入れっぷりには信用を置いてます。

 不滅のあなたへ

ここでいう“あなた”は主人公。
ざっくり概要だと、死なない主人公が人間を見送っていく物語です。と同時に見送られる側は去り際に何かを残していくという意味でこのタイトルかもしれないたっぷり全20話。

NHKアニメ班にもガイドラインあると思うんですけど、生と死をわりかし真面目に扱ってる印象です。本作もその系統。
真面目に扱ってるが故か某民放を出汁にして感動ポルノ批判をしてたりもする最近のNHK。とある民放の24時間某番組で頑張る障碍者やってる裏番組で聾唖少女の厳しい現実を活写した『聾の形』ノーカット放送をぶつけたりするぐらい不真面目を許さない社風(適当)。
その『聾の形』作者大今良時氏の原作です。ナレーションにはこれまた朝ドラナレーション士の資格を持つ津田健次郎さんが担当します。ずぶずぶやんとツッコミがないのが不思議なくらいです。


そのNHKの次に関心をひいたのが宇多田ヒカルが唄う主題歌『PINK BLOOD』。ビッグネームなのはもちろんですが、作品と歩調を合わせた主題歌は好感度高しです。

 ♪ 自分の価値も解らないまま子供でいられない ♪

歌詞より一部抜粋しとります。そんなお話になってます。

主人公について
ツダケンさんが観測をすると決めて投げ入れた“球体”の特質“刺激を受けて変化する”が唯一のルールです。そう何もないところから。それが主人公だという冒頭。どう転ぶかわかりません。
球体はそのうち自我みたいなのが芽生えたり言葉を覚えたりとアップグレードしていきます。そこに適宜ツダケンさんが球体にアドバイスらしき助け舟を渡す描写が続くことから、なんとなく親子関係に近しい間柄を基軸にした成長物語に見えなくもないのですけどあくまで

 刺激を受けて変化する“それ”の観測

であります。刺激となりうるものは何か?とどのような変化がもたらされたか?との視点を外さなければ迷子にはならないでしょう。
どうも観念的な話ですみません。
一個人の成長物語としての見方を否定したいわけではなく、環境因子がもたらす進化の物語とやや壮大な仕掛けを堪能するがごとき全20話というのを言いたい私です。
人類の起源はアフリカとなってますがそれと対極にある酷寒の地からこれまた異なる進化の過程を追ってみるのも一興。

もちろん娯楽作品であるためドラマティックなエピソードもままありますよ。 



※ネタバレ所感

■フシとゆかいな仲間たち

フシ役の川島零士さんは初主演とのことですが好演されてましたね。どんどこアップデートされてく主人公に合わせて声優として成長してったというわけではなく第1話からして引き込まれる演技をされてたと思います。

この作品のユニークなところはフシが主人公ムーブ起こしまくらずむしろ控えめで周りを囲む人たちが話を進めているところでしょうか。フシは観察者(CV津田健次郎)の観察対象でありながら、我々視聴者にとってはゆかいな仲間たちに触れるための触媒役を担ってくれてました。
例えるならネイチャーサイエンス系番組で森の中に定点カメラ置いて場合によっては数か月単位で計測してレア動物の生態を探る的なアレです。

そこを通り過ぎる人たち↓
{netabare}・ニナンナとヤノメ
 マーチ:生贄にされそうだった幼女
 パロナ:マーチを気にかけてた戦闘力高めな少女
 ハヤセ:大国からの使者で後にフシをストーキング
 ビオラン:婆さん
・タクナハ
 グーグー:仮面被った不遇の少年
・ジャナンダ島
 トナリ:褐色の不遇の少女{/netabare}

{netabare}最終回まできて初めてフシが寿命による人間の死を知ることとなるのがなによりの驚き。殺されない=死なない…ってフシは思いこんでましたね。
フシに変化をもたらす“刺激”とやらがこれまで不幸一辺倒だっただけに

 「お前の夢は何だ?フシ。ワシみたいにやりたいことをやれ!」

未来を見据えたメッセージを最後にもってくるとこがよかったです。2期決定の報もあり新たな角度からフシの変化の旅に随伴できることが楽しみです。{/netabare}

今よりも自身を大切にできるのかどうなのか含みを持たせたヒッキーの歌詞も響きます。

{netabare}「私の価値がわからないような人に大事にされても無駄」
「自分のためにならないような努力はやめた方がいいわ」
「誰にも見せなくてもキレイなものはキレイ」{/netabare}


■不死を巡る思惑たち

不死身や不老不死に向き合うにあたってちょっと不思議に思ったことがありました。

{netabare}誰もこのチートスキルを自分のものとしようとしないのよね。ハヤセだって自らを不老不死にしようとしてなかったと思える。この後どうなるかはわからんけど今のところそうである。
不老不死を個性の一つくらいの感覚で受け入れてる世界観。これこそ真の多様性の受容かと思います。
始皇帝や徐福みたいにエターナルパワー獲得が目的じゃないところが極めて日本らしい。
島では「とりあえず不死身だからお前行っとけ」とならずに子供が身を挺す。
なんなら貨幣をささっと作り出すこともできるだろうにそれもしない。

ある意味それを突破しそうなのがハヤセだっただけに2期の注目点ですね。{netabare}※最終回にちらっとご存命カットあったような…{/netabare}
彼女もともと生贄制度も鼻で笑ってるなど信仰心に乏しく、それが尋常ならざるフシと出会ってしまってそこにある種の“神”を見出しちゃったんでしょうね。カルトにハマる過程と酷似してますがいかんせん教祖はいない。ピュアな信仰心で抱く“畏怖の念”と“帰依(執着)”の感情を自分なりに消化しようとしてこじれてあんな風になったのだと理解しております。

思いのほかハヤセへの言及が長くなりましたが、物言わぬノッカーの存在も示唆に富むと思いますよ。
不老不死/不死身なんてこの地球見回してもあまりにも異質。この星の白血球やキラーT細胞みたいな設定だったとしても驚きはしません。{/netabare}



視聴時期:2021年4月~8月 リアタイ視聴

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2021.09.05 初稿

投稿 : 2024/11/23
♥ : 40

77.8 2 不死身で戦いなアニメランキング2位
王様ランキング アニメ(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (468)
1511人が棚に入れました
国の豊かさ、抱えている強者どもの数、そして王様自身がいかに勇者のごとく強いか、それらを総合的にランキングしたもの、それが“王様ランキング"である。主人公のボッジは、王様ランキング7位のボッス王が統治する王国の第一王子として生まれた。ところがボッジは、生まれつき耳が聞こえず、まともに剣すら振れぬほど非力であり、家臣はもちろん民衆からも「とても王の器ではない」と蔑まれていた。そんなボッジにできた初めての友達、カゲ。カゲとの出会い、そして小さな勇気によって、ボッジの人生は大きく動きだす———— 。
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ボタンの掛け違い

[文量→特盛り・内容→考察系]

【総括】
良いアニメだと思います。

基本は、「少年の成長と旅立ち」という、超王道のストーリー。一見すると、NHKやジブリでも通用しそうな、安心安全の世界観。

ただそこに、多くの不幸や悲しみ、残酷な現実なども混ざり合い、単なる児童アニメにはない深みがあります。大人でも楽しめるというか、大人だから楽しめるというか。

本作は考察しがいがあるアニメなので、久々に考察系で真面目に書いてみました。主に、人物描写について思うことを書きました。相変わらずクソ長いので、大変申し訳なくは思います(苦笑)。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
本作の特徴として、登場人物が「全員不幸を背負っている」「全員他者のために動いている」ことと、それが、「どれもこれも上手くいっていない」ことがあると思う。

例えるなら、オー・ヘンリーの「賢者の贈り物」のようなものだろうか。尤も、「賢者の贈り物」に比べれば、清廉でもないし、幸福でもないけれど。

私は、本作の面白いところは、人物描写の巧みさにあるように思っていて、どの人物も実に「人間らしい」のだ。

日頃から、高い教養と倫理性、社会的制限の元に生み出されたキャラクターを見慣れている我々現代人は、ついついキャラクターに整合性を求めてしまう。しかし、本来の人間は「支離滅裂」なことが普通なわけで。近代の純文学などでは、そういう人物描写がよくみられた。

利己的で、情動的で、短絡的な人間。それでも、100%の悪人とは断罪しきれない人間。大宰作品なんかが分かりやすい。

本作のキャラクターが、なぜ、他人のために動いているのに、誰も上手くいってないかというと、「他人のため」がいつの間にか「自分のため(自己救済)」になってしまっているからではないだろうか。多分、本人すら気付かないうちに。

皆さんの身の回りにもいませんか? 人を救うのが趣味や生き甲斐みたいになっていて、それはとても素敵なことなんだけれど、ちょっとウザがられている人。

簡単に言えば、「余計なお世話」。

論語に、「己の欲せざる所は人に施すこと勿れ」という有名な一節がある。幼小中学校の先生は当たり前のように「自分がやられて嫌なことは人にやるな」「もし自分がやられたらどうか考えてみなさい」と言うが、これは間違いとまでは言わないが、正しくはないと思っている。

本来は、「人の欲せざる所は人に施すこと勿れ」だ。「己の~」は、あくまで価値観が自分の側にある。自分が良いか悪いかはさておき、本来は、「その相手」がどう感じるかを見とる洞察力や想像力こそが、正しい意味での優しさなんだと思っている。

本作の登場人物は、正にこの「余計なお世話」が多い。特に、

ミランジョがボッスを子に転生させようとすること。ボッスがミランジョの魂を救おうとすること。

の2つは分かりやすい。どちらも別に、(今となっては)本人は特に望んでいない。そして、ミランジョがボッスを転生させたいのも、「自分がボッスと共に永久に生きたい」からだし、ボッスがミランジョを救おうとするのは、「自責の念」からだ。彼らはそれを死の間際に気付くけれど、それまでは「相手のため」を免罪符に、悪行の限りを尽くす。

なぜこうなったかというと、ボッスもミランジョも、過去に大きな悲しみを背負っており、そうして胸に空いた穴を、「何か」で埋めなければならなかったから。2人にとってそれは、「互いを救う」ことだった。(宗教なんかもそうだけど、本当に怖いのは、ご立派な大義名分の為にどんな手段でも正当化してしまう、どこまでも盲目的で利己的な人間なんだと思った)

これは、本作のヒロインとも言える活躍をした、ヒリングにしても、少しそういう部分が見える(ちなみに、私が本作で一番好きなキャラはヒリングです)。

序盤、ヒリングがボッジに冷たくあたっていたのは、「無能」な「我が息子」が王位につくことで、かえって苦しむのではないかという、親心(愛情)から。実に母親らしい思考。ただ、ボッジは単純に王になることを応援して欲しかった。

一方、ダイダは、母から「王への期待」をかけられているが、それは、「ボッジの代わり」であり、「ボッジを救う手段」だと(ヒリングの深層心理に)気付いていた(だって、ヒリングの性格上、もしボッジが優秀だったら、実子という理由だけではダイダを王には推薦しないだろう)。

正に、「代打」だと自分を卑下していたのである(本当は優秀だから、期待され、手をかけられなかっただけだが)。

だから、必要以上にボッジを見下し、いじめたのだ。あれは、母親の愛を独占したいという寂しさや、母の深い愛を受けるボッジに対する劣等感からの行動なのだろう(基本的にいじめっ子は、親からの愛情が不足している者がなりやすいという研究結果もある)。

ヒリングがあそこまで息子に大きな愛情を抱いたのも、実は、夫であるボッスからの愛情不足があるのだと思う。2人の夫婦間系は破綻までいっておらず、表面上は良いのもしれないが、実は、冷え込んでいる。

だって、旦那は仕事(王様)ばかりに熱心で、自分以上に亡妻を愛していて、更に心のど真ん中には別の女(ミランジョ)がいる。旦那はそれを上手く隠しているつもりだろうが、女性はそういうところに敏感だ。

ヒリングは根が良い人なので、そういう「満たされない思い」を「子に愛情を注ぐ」ことで埋めていたし、ダイダも、「足りない母の愛」を「ミランジョに頼る」ことで埋めていた。こういう歪なバランスの上で安定している関係は、何か1つのキッカケで崩壊するものだ。

だからまあ、最終話でダイダはミランジョを妻とし、ヒリングはドルーシと良い感じになったのだろう。ダイダのような男が、母性的なものを求めて姉さん女房をもらうのも、ヒリングのような女性が、無骨だが一途に自分だけを思う男性に惚れるのも、ままあることだろう。

この辺の背景を絡めないと、最終話の突然の展開に驚き、場合によっては嫌悪を抱くかもしれないが、私は、本作を「弱き、哀しき、不完全な」大宰的なキャラによる話と捉えていたため、そういう「利己的で、情動的で、短絡的な人間」を愛おしいと思った(これは、近代文学好きならではの歪んだ思考ですねw)。

私は、人間らしい人間が好きだ。そして本作のキャラクターは、実に人間らしい。

話は少しずれてしまったが、ドーマスがボッジに寄せる思いと行動も、デスハーやデスパーがオウケンに寄せる思いと行動も、本人の願いとは少しずつズレているように感じ、

「本質的に優しい人間達の、他者を思いやる尊い行動が、悲しみを背負うことで僅かに感覚を狂わせ、まるでボタンを掛け違うように、悲劇を生み出してしまった話」

のように感じた。これが、本作における主たる感想である。

さて、そんな中、主人公のボッジだけは、「他者の理屈」で動いている。アドラー心理学によると、「共感とは、自分の価値観に合うものを見つけるのではなく、他者の価値観で物事を見聞きすること」だそうだ。

ボッジは、耳が聞こえないため、幼少期から周りを見渡す洞察力に長けていた。そして、口がきけないため、自分の思いを表現することが苦手になった。さらに、力が弱くいじめられたため、他者の弱さに寛容になり、共感的に他者を受け入れる素養をもった。

穿った見方をすれば、それが彼なりの「処世術」だったのかもしれない。

そんな彼が歪まなかったのは、彼が多くの愛情に包まれていたから。父、母からの愛情。継母からの愛情。師匠からの愛情。そして唯一足りなかった、友からの愛情。

それらは一部を除き、本質的な意味では「無償の愛」とは言えなかったが、ボッジはそれを最大限好意的に受け入れている。一昔前、「鈍感力」という言葉が流行ったが、その力が強いのだろうか。

確かに、多くの愛情を受けた子供は、他者を受け入れ、自分を見失わない。多くの挑戦と失敗が出来る。

それはそうのだが、如何せん、ボッジの境遇の辛さと、彼の人柄の良さが乖離しすぎていて、ここに「ご都合主義」を感じてしまった方も多いのではないだろうか。私はそうである。

私は本作を「純文学のような人間らしいキャラに魅力がある」と評したが、そういう意味で、一番「人間らしくない」のがボッジである。

たくさんの人物の歪みや悲しみを、まるでスポンジのように一手に引き受け、包んでしまう優しさ。それはもう、「王の器」を飛び越えて、「神の器」とすら思ってしまう。

ボッジが子供だったのもいけなかったのかもしれない。本来、子供なんて自分の理不尽を周りに撒き散らすのが役割で、それを受け入れるのが大人の役目なのに、本作はその逆。そこが、自分的には一番受け入れ難い部分だった(よって☆4)。

それだけに、ボッジがドーマスに見せた、恐怖と怒りの感情は、大変見応えがあったし、ボッジを「人」らしくしてくれた。ああいう場面が、もう少しあっても良かったと思う。

いや、なにも「歪んだ主人公」を見たいわけではない。性急すぎるのだ。ボッジの最終形態は今のボッジで良いとして、「強さ」も「優しさ」も、もっと時間をかけて獲得して欲しかったのである。

私は本作を観始めた頃は、「ジブリに、2時間映画にまとめてほしい」と思ったが、途中から、「世界名作劇場みたく、1年はやってほしい」と思うようになった。

本当は、ボッジとカゲの友情を丁寧に描き、たくさんの街を旅し、幾人もの「善」や「悪」に触れながら、葛藤し、次第に成長するボッジが観たかった。

尤もそれは、「今後」に描かれる部分だろうし、むしろそれかそが作品の主題で「王様ランキング」に関わるのだろう。

そういう意味で、作品のエピソード0(旅立ちの前)だけでここまで描き切れている本作は非常に優秀な作品だし、今後に期待がもてる作品だと思う。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 30

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

現代版「柳生兵庫介」。もともと王様ランキングの勝利条件が活人だったんでしょう。

 評価が難しいです。王様ランキングはどこへ?というのはまったく気になりませんでした。このレベルで引っ掛かる話では無かったです。まあ、途中で作者が表現したい内容に気が付いて路線変更したんでしょう。

 テーマは「活人剣」=無刀取り=政治の哲学として、個人の力ではなく人を活かすことこそ最強という話なんでしょう。

「活人剣」は津本陽氏の「柳生兵庫介」という小説で読んだくらいなので詳しいわけではありませんが、上泉信綱から石舟斎という系譜で誕生した徳川のお家芸の剣技、柳生新陰流の「無刀取り」です。

 逃げる=負けない剣、細い剣=急所を突く、そして、相手の力を利用する。西洋的な世界観の中でボッジの強さは極めて東洋的なので、物語中ずっとそのことを連想していました。まあ、それだけならありふれていると言えばありふれてるんですけどね。ただ、いろんな強さがありました。

 巨人というのはゴヤの絵画とかマーラーの交響曲にもありますが、極めて西洋的な印象を受けます。ダイダラボッチもありますけど…本作はまあ西洋の巨人でしょう。力=パワーです。そしてパワーは権力という意味もあります。
 不死というのはゾンビもあるし、人魚もありますが、私はターミネーターを連想しました。特にターミネータ2ですね。非人間的なところもT1000みたいでした。

 魔女、暗殺、剣技、怪物…強さの種類上げればキリがないですが、そう言った強さの中で、最強なのは活人剣…人を許し活かして行くことだと思いました。

 障碍、非力設定はその為でしょう。「力ない物は活人の道しかない」ではなく「活人こそ最強」だから「肉体の力は関係ない」です。だから、それぞれの内面を描いているようですが、そこにはテーマ性が見えなかったのかもしれません。

 結末もそれぞれの人が説得されて来たわけでなく「活人」されたわけです。しつこく魔法で傷を治す描写があったのは、このことを表現していたのかもしれません。倒すのではなく懐へ、です。
 王様ランキングという題名、1話の剣の戦いのプロセスとボッジの特徴からいって、この「活人」が描きたかった、主要なテーマだというのは間違いない気がしてきました。キービジュアルも裸ですからね。無力=無刀=最強を表しているんでしょう。

 ただ、それを各国を回って王様同士が比べっこして…とやるとあまりに露骨で寓話的になるので嫌だったんでしょう。あるいはデスパーやミランンジョ、オウケンを動かしているうちに話が変わったか。あるいはダイダとヒリングを動かしているうちに母について書きたくなったのかもしれませんね。 

 オウケン=王権、ダイダ=代打、ヒリング=ヒーリング治す、デスハー=ハーデスのアナグラム、ミランジョ=鏡女ですから名前の付け方単純ですよね。で、オウケンということは多分、初めは違う役割だったんだろうなあ、と思ったりもしました。

 最後魔人がどっかに行きます。つまり、無敵だけど人類の善悪に関わりないですね。彼に人間ではないし政治にも関係ありません。だからどうでもいいということでしょう。

 構造として中身は津本陽氏の「柳生兵庫介」というより柳生一族の「活人剣」がテーマで、舞台設定をシンデレラ、アナユキ、シンドバッドなどのディズニーにしたのでしょう。そこに母の愛がのっている感じです。
(追記 類似性は劉備玄徳でもいいですけどね。活人剣と明確に言っているのでやっぱり柳生でしょう)


 ただ、なぜボッジが活人の達人になれたか、です。耳が聞こえない部分=彼の無垢さ…それはイグノランス…愚かさにもつながります。ただ障碍者だから、ピュアというのはちょっとイヤです。「聲の形」の西宮硝子が障碍者だから不幸だ、少し馬鹿に見えると言っているのと一緒です。

 彼には本質が見えるのでしょうか。それとも母親の愛情を受け取った結果なのでしょうか。その辺、彼の純粋性については明確に読み取れませんでした。強さと表裏だとは思いますが。
 王様ランキングの初期の話からぶれたと思うのは、ここもあって活人の意味が読み取りづらいと思います。

 まあ1回目ということで、評価はマイルドにしています。読み取れない部分もあったかもしれません。

 いずれにせよ2クールで作家性がある完結するアニメを作ったことは素晴らしいと思います。話も単純では無かったので面白かったです。
 再視聴はどうでしょうか。ちょっと長いし原作者が良く勉強しているのかもしれませんが、かえって見たことがあるようなエピソードも多いのですぐは辛いですね。半年、1年たったら見るかもしれないし、放置かもしれません。





以下 2話までの第1印象です。

寓話や感動ポルノでなければいいのですが。結末で評価は決まりそうです。

 現時点ではなんとも言えない作品みたいですね。この悲惨な話はこの絵柄じゃないとみられないでしょう。

 みにくいアヒルの子+手塚治虫(どろろ、ブッダ等々)や999的な母との別れからのスタートでした。

 障碍やダイバーシティ、王様ランキング制度の無意味さみたいな題材の寓話あるいは感動ポルノならがっかりですが、王子とカゲがそういう既存の価値観を超越してくれたところで活躍してくれるなら面白そうです。

 途中経過より見終わった後でないと価値がわからなさそうですね。最後を楽しみに視聴継続します。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 20

kittys さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

いろいろな評価がありますが.....

現3話まで視聴しています。

王様の順位を決めるアニメですが、流行りの最強系ではありません。
むしろ最最最最弱からのスタートです。

結果として昇りつめて行く作品ですが、王様の成長はすこぶる悪く急成長するものでもありません。

では何が面白いのか。結論はまわりの人間関係や敵勢力の立ち位置あります。
ですので、派手なアクション、洗練された作画が好きという方は合わないです。

簡単にあらすじを説明すると王様はしゃべることができず、聞くこともできないのでコミュニケーションを取ることもままなりません。そして力も子どもなので皆無です。

しかし、まわりをどんどん味方につけていきます。理由はぜひ見てください。

噛めば噛むほどいい味を出して行くアニメです。まだ3話なのですが次の4話を見たくてたまりません。

王様ランキングのまわしものみたいなコメントですがそれくらいよかったので素直書いたつもりです。ぜひ一緒に楽しみましょう。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 3

67.1 3 不死身で戦いなアニメランキング3位
エルゴプラクシー(TVアニメ動画)

2006年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (421)
2564人が棚に入れました
焦土と化した大地と大気中に蔓延する未知なるウィルス、太陽光は粉塵により遮られ、地球は荒涼を極めていた。そのような環境下で生きていくために人々は隔離されたドーム型都市の中での生活を余儀なくされる。完全な管理体制下にある都市ロムド。人々は「オートレイヴ」と呼ばれるロボットとともに模範的、従順なる「良き市民」として生活していた。しかし近年、犯罪とは無縁と思われていたロムドでオートレイヴに自我の発症をもたらすコギトウィルスの感染が増加し、問題となっていた。ロムドの市民情報局に勤める若きキャリア、リル・メイヤーは、ウィルスに感染し制御不能に陥ったオートレイヴの暴走事件、そして多発する謎の市民斬殺事件の捜査にあたっていた。

coldikaros さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

究極的に難解

いやー、難しい。これほど一話一話考えながら見たアニメは久しぶりです。伏線多すぎ^^;
流し見なんてした日にはこのアニメはただの駄作にしか見えないでしょう。
そんな感じで内容ですが、簡単に言えば「存在」をテーマに神話テイストにまとめたかなり壮大なSFです。
非常に曖昧ですが僕にはこうとしか言いようがないように思われます。
難解である分前半はほとんど伏線張りに費やされています。謎ばかりが増える上に、どれが重要なのかも分かりづらいです。自分で整理しつつ見進める必要があります。
後半は話は進みますが、最終話までほとんど謎です。故に最終話は全てが詰まっていると言っていいほど、言葉と暗示が盛りだくさんです。
レビューの中にはいくつか本筋からそれた話があったというものもありましたが、あれは最終話での謎解きと考察に不可欠な回なのでくだらないと思っても見て損はないです。おそらくどれがそれなのか見れば分かります^^;
総じて、無駄なことをしない非常に中身の詰まった作品だと僕は思いました。
少なくともさらっと見れる作品では決してなく、見てる最中や見た後に考察したりするのが好きな人にお勧めします。
考察アニメとして、とてもいいアニメだったと僕は考えています。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 11

Anna さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

マングローブ一押し作品!体験しないと損です!

「侍チャンプルー」「ミツコとハッチン」など、オリジナルアニメーションに定評のある“マングローブ”製作作品!!私も大ファンです!
その中でもこの「Ergo Proxy」は、独特の世界観や美しい映像・音響・キャラクターデザインが印象的で、他作品と一味ちがう面白さがある!
美術的に素晴らしいのはもちろんだが、ストーリーも重厚で生命の起をテーマにしている。その徹底した世界観ゆえ、あまり受け付けない方もいるようですが、是非もっと多くの方に見ていただいて評価していただけたらとおもいます!

投稿 : 2024/11/23
♥ : 7
ネタバレ

manabu3 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

魅惑的で独特な世界観

終末論的世界観、荒廃した世界、ディストピア的なユートピア、都市設計、奇抜なデザインなど、どれも魅惑的で素晴らしく非常に面白い作品だった。自我を持ったロボット、夢と現実、私?など、この作品に包含されたテーマは哲学的で難解であり、興味深い内容であった。しかしながら全体を俯瞰するとどのテーマの扱いも中途半端で結果的に奥深さに欠けてしまったように思えた。悪く言えば、他作品の良い所を一つの作品に無理やり詰め込もうとした、そんな印象を受けてしまった。その突飛さと乱雑さが面白いといえば面白いが、物語の一つ一つに一貫性がないように感じてしまった。また世界設定についての説明が希薄で不親切だったが、説明描写の少なさと、それ故の作品理解の難解さが、この作品の良さとも言えるのかもしれない。兎にも角にも世界観はとても素晴らしく、数字では表せない良さがあった。

{netabare}十六話は、死んだ大地を旅するお話{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 10

62.1 4 不死身で戦いなアニメランキング4位
無限の住人(TVアニメ動画)

2008年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (95)
530人が棚に入れました
「剣道とは勝つことへの道」を標榜する剣客集団・逸刀流。彼らに両親を殺された少女・凛は仇討ちを遂げるため、不死の肉体を持つ男・万次に用心棒を依頼する。

声優・キャラクター
関智一、佐藤利奈、野島裕史、中井和哉、江原正士、小西克幸、浪川大輔、能登麻美子、豊口めぐみ、森川智之、三木眞一郎、坂本真綾、菅生隆之、関俊彦

65.9 5 不死身で戦いなアニメランキング5位
吸血鬼ハンターD(OVA)

1985年12月21日
★★★★☆ 3.6 (66)
293人が棚に入れました
西歴一万二千九十年、最終戦争後の遥かなる未来の地球は、貴族と呼ばれる吸血鬼が君臨していた。辺境の村ランシルバに弟ダンと二人暮らしの少女ドリスは、小竜狩りの後、吸血鬼に血を吸われた。その吸血鬼を倒さぬ限り、一生呪われた存在になることを恐れたドリスは、一人の吸血鬼ハンターをやとう。名はD、貴族と人間の混血児ダンピールだ。左手は人面。村八分にされたドリスらを夜、農場で貴族である伯爵の娘ラミーカや麗らが襲い、彼らはDの存在を知る。

67.8 6 不死身で戦いなアニメランキング6位
ゲゲゲの鬼太郎 [第6作-2018](TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (90)
326人が棚に入れました
アニメ化50周年を記念して制作される。

21世紀も20年近くが経ち人々が妖怪の存在を忘れた現代。
科学では解明が出来ない現象が頻発、流言飛語が飛び交い大人たちは右往左往するばかり。
そんな状況をなんとかしようと妖怪ポストに手紙を書いた13歳の少女・まなの前に
カランコロンと下駄の音を響かせてゲゲゲの鬼太郎がやってきた…。

声優・キャラクター
沢城みゆき、野沢雅子、古川登志夫、庄司宇芽香、藤井ゆきよ、田中真弓、島田敏、山口勝平
ネタバレ

石川頼経 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

これは面白い! 今一番、面白いアニメだと思います。

現代の社会問題や風刺をふんだんに要素に盛り込み、スマホを操る今風のアニメ美少女の猫娘やヒロインの少女の犬山マナちゃんや依頼者と全く新しい鬼太郎です。

3話の五輪批判(ただし、まずいのか五輪とは明言してないが)は印象的でした。
皮肉なのはスマホ歩きをしていた小学生が巨大競技場を建設している横で
「こんなの作るくらいならもっと金を使う事があるだろう」とか言ってた事です。
そして、奇遇なもので三話のあとで西日本大水害が起こってしまったんですよね。
東京五輪なんかの準備をしている資金と労力があるくらいなら、北陸大雪、熊本地震、大阪北部地震、猛暑など日本で立て続けに起こっている天災に投じてもらいたいものですね。

そして、この作品は地獄少女が好きな方にも合っている作品だと思います。
少しだけ地獄少女と雰囲気が似ています。
14話に出てきた妖怪も閻魔あいと妖怪になったいきさつがそっくりです。
ちなみにこの回で一時的に体を取り戻した目玉おやじの声がドラゴンボールの孫悟空そっくり、目玉おやじの声優が悟空の人で砂かけババアの声優がルフィですしね。
さらに17話に出てきた妖怪が追っていた「姫様」の横顔が閻魔あいにそっくりだでした。
15話が予想の斜め上を行く展開に神作だと話題になってましたが 、17話もかなりの神作でした、最後の方は感動しました。
17話の妖怪の物語って地獄少女の輪入道の生き様にも似ている気がします。
ちなみに13話のゲスト妖怪は輪入道だったりします(勿論、地獄少女の輪入道とは別個体ですが)
この話しも「一番醜悪なのは人間」という事で考えさせられる話しでした。

地獄少女好きの人には全話見るだけの価値はあると思います。

追加① この作品でちょっと気になる事をひとつ。字幕の女性キャラの一人称がなとが正確ではありません。
例えば女性キャラがどう聞いても「わたし」と発声しているのに字幕では「あたし」と表記されている部分などがやたら多いです。
アニメの字幕はなんだか、結構、いい加減な傾向があり、声優の発声を正しく記してない部分ってありますね。

追加② ネットで検索していると「ゲゲゲの鬼太郎をダシにして五輪反対を訴えるなんてケシカラン、もし水木しげる先生がこの話しを視たらどう思うんだ!?」
とかいうレビューがありました。

いえ、元々、水木しげる先生は太平洋戦争で出征させられて片腕を失う重傷を負ったりして、
元々、政治的・思想的な方で漫画でも反戦漫画など非常に思想的な作品を描かれる方です。
ゲゲゲの鬼太郎に関しても「子供たちのための痛快な漫画」などではなく、元々、思想的です。
さらに言うと水木氏は妖怪研究家であり「妖怪は日本の妖精である」とも言って妖怪の存在を信じています。

あと、水木先生の描かれた反戦的な漫画でチハ戦車を「こんなブリキのオモチャのような戦車を作った人はおれたちに謝って欲しいよ」と悲壮感たっぷりに兵士が発言しているくだりがあり、
チハ戦車や突撃する日本兵ををギャグにしているような愉快痛快なアニメのガルパンとは大違いです。

追加③
このアニメはコミカル話しも多いですが、反面、ハードな所があり、とても子供たちに見せられるような内容ではない描写がたくさんあります。
悪い人間が多数の難民たちを無理矢理、外国から船で連れてきて、彼らを妖怪を利用してダイヤモンドにしようとするためにコンテナに詰め込もうとする際に逃げだした難民に背中からピストルで発砲し難民はぶっ倒れます。
そして言ったセリフが「馬鹿野郎、この弾丸一発でお前らを何人買えると思ってるんだ」です。
凄い発言ですよね?

そして、このアニメの深みを高める部分として、この時間帯のアニメでは珍しく、敵対した妖怪を倒す(殺す)事があります。
それが例え「かわいそうな妖怪」であったとしてもです(これは復活しない性質の一部の妖怪の話しだけで全ての妖怪には当てはまりませんでした)。

追加④
この作品の挿入曲の曲調がどこかで聞いた事あるなと思ったら、
最高のアニメ音楽職人、キュアメタルこと高梨康治さんの担当だったんですね。
この人、仕事しすぎですね、
この人のツイッターを見に行ったら「一カ月で百曲収録した」とか凄い事言ってます。

追加⑤
ところで、あの、「名無し」という黒幕っぽい妖怪(?)ですが、もしも六期のラスボスではないとすると、あの妖怪と決着をつけたあと、物語が終わるのかまた新展開になるのかまだわかりません。
どうなるんでしょうね?
ゲゲゲの鬼太郎は今、六期ですが、ゲゲゲの鬼太郎五期は三年くらいやったし前番組のドラゴンボール超も三年くらいしたので、この六期も三年くらいやるのかもしれません。
少なくとも一年はやると思います。
最近の1クール、2クールが主体のアニメとは違うロングラン作品なので、そこを踏まえて慌てず騒がずにサザエさんやちびまる子ちゃんや地獄少女を視るようにゆったりと構えて視るのが正解の作品だと思います。
私も一話、一話の展開に興奮しすぎました。
まあ、元々、私はそういう主義ですし、アニメを視る時に「早く終わらないかな?」なんて思いながら見るのは良くないと思います。
アニメは一話、一話、楽しむために視るものであって、完走したりコンプリートするために視るものではありませんしね。

第20話について
これまた、教育的・思想的な内容の話しでした。
「日本で昔起きた戦争」というのを「日本がアメリカに一方的に攻められた戦争」と誤解していた、まなちゃんに間違いを正すシーンがあります。
太平洋戦争(大東亜戦争)で真珠湾陰謀説とか「日本はアメリカに嵌められた」とか主張している右寄りの人には抗議したくなる内容だったかもしれませんね。
とはいえ、遠い南洋の島で戦死していった英霊たちに感謝する部分、彼ら兵士達にも人生があったというような描写もあり、単なる左翼思想だけの話しではなかったのは良かったです。

21話がなんだか、明らかに子供向けの善悪がはっきりしたお涙頂戴的な話しでイマイチでした(あくまで大人の私の意見であり、こういう子供向けの話しもロングラン作品ではちょくちょく必要なのは理解できる)が
22話はやたらハードな話しでした。
鬼太郎が間接的かつやむおえなかったとはいえ人を殺してますし、他にも妖怪が暴れ回った事で人が死んでます。

それと気になったのが、今回の話しで暴れる妖怪(牛鬼)を封じた神様であるカルラ様(迦楼羅天)が
やたらと人々に科学的、生物学的な説明をしていたのが印象的でした。「気体」がどうだの「細胞を変化させ」だの・・・
相手が現代人たちだから、こういう説明をした方が良かったと判断したのでしょうか?
もしも、昔の人相手なら「禁忌」とか「神の戒め」とか神秘的・神事的・宗教的なものの言い方をして人々を畏怖させていたでしょうね。
でも、それだったら「元通り岩に妖怪を封印する」みたいな、原始的な方法で妖怪を封じるのではなく、
もっと科学的機関に預けて厳重に保管させた方が良いのにと思いました。
そうしないと、またどこかのバカが封印を解くと思います。

現実に11、12話で日本はタヌキ妖怪軍団に支配されかける程の危機を迎えたのですから、それなりの予算を投入して対妖怪特務機関でも作って、
戦いを鬼太郎一味にまかせたりせずに対妖怪戦闘部隊を作ったり、倒した妖怪の厳重な封印管理を行ったりするべきだと思いました。
まあ、そこまで現実的に考察するのも無粋なのかもしれませんが・・・

追加考察 タヌキ妖怪軍団の話しって思えば、ジブリ作品の「平成狸合戦ぽんぽこ」のダークバージョンみたいな話しでしたね。

25話について
久しぶりで可愛いマナちゃんを堪能できました。
それでこの話しをなんだか「地獄少女のパクリだ」とか言う意見が多いですね。私は地獄少女の大ファンではありますが、
地獄少女のプロット自体が実はゲゲゲと必殺仕事人を参考にしたものです。
ちなみにゲゲゲの鬼太郎4期第35話『鬼太郎の地獄流し』脚本:島田満1996.9.8は2005年放映の地獄少女より九年も前の話し。原作に至っては数十年前の話しです。
中には地獄少女の「人を呪わば穴二つ」を地獄少女のオリジナルだと思っている人も居るようでした。
その言葉は日本で昔からあった諺です。

27話
バックベアードを首領とする西洋妖怪軍団との戦いという新章突入です。
魅力的な新美少女キャラも登場し期待度抜群です。
しかも、この新章にはあの「名無し」も噛んでいるようです。
それと今回の話しはマレーシアから逃げてきた難民妖怪たちとの軋轢が問題になっていて、そこが恒例の社会風刺になっていました。
西洋妖怪の強キャラたちに全滅させられたようですが・・・

ゲゲゲの世界観について解説
アニメ鬼太郎は現在、六期まであり、他に「墓場鬼太郎」がありますが、 全て、それぞれパラレルだって事は製作者たちが明言してました(訂正、一期と二期だけは直接の続編として続いてました)。
三期のヒロインのユメコちゃんの四期への続投問題でスタッフが審議した時、別世界の鬼太郎を描くべきとか言って、続投させなかったのもその一つです。
ちなみに原典の筈の漫画盤ですら、掲載誌によっていろいろパラレルがあるようです。
バッグベアードもぬらりひょんも鬼太郎一味の「長年の宿敵」などではなく、掲載誌や各期のアニメごとに初顔合わせの敵でしょう。

ですので。ゲゲゲ六期は基本的に独立した物語で「過去期のアニメ盤ゲゲゲではこうだった」とか「原作ではこうだった」という意見はあまり意味がないようです。
過去作はどうだったとかではなく、新しく創られた最新作の鬼太郎だと割り切って楽しむのが一番、良い楽しみ方だと私は思います。

今季の鬼太郎は数話の特別(不穏)な話しを除いては基本的に鬼太郎は「正義のヒーロー」「人間の味方」です。
その動機は「過去に"ミズキ"という人物」に助けてもらったからだそうですが、
「墓場鬼太郎」派の人は今の六期鬼太郎が好みでない人はいるようですね。
墓場は鬼太郎は不気味なスレた性格で「人間・正義の味方」ではなくホラー色が強かったですから。
加えて言うと、六期鬼太郎は前にしていたドラゴンボール超のノリが垣間見えますね。スタッフもほぼ同じなのでしょう。
上にも書きましたが、14話の目玉親父はほとんどDBの孫悟空で「身勝手の極意」のような動きをし、幽遊白書の霊丸のような攻撃をしてました。

34話
久しぶりの社会風刺ネタ
{netabare}ねずみ男が先頭に立って「アニエスの即刻、国外退去を求める」「アニエスが居るから日本が西洋妖怪に攻撃されるんだ」と・・・
それを庇った鬼太郎に対してもねずみ男は「鬼太郎、お前、俺たちとアニエス、どっちが大切なんだ?」と鋭い問いかけをして鬼太郎を追い込みます。

鬼太郎は、はっきりとは返答しませんが、「その質問に答えを出してはいけないと思うんだ」と眼玉親父に言います。
アニエスも鬼太郎に「なぜ、私を助けてくれたの?」の回答
にもはっきりと返事はしませんが、FF9の名言の「誰か助けるのに理由なんてものがいるのかい?」が鬼太郎の心情なのかもしれません。 {/netabare}

35、36話
いよいよ、西洋妖怪篇が佳境に入ってきました。
日本妖怪たちに石を投げられるアリエスを庇った猫娘がアリエスに「頼れる時には誰かを頼りな」と諭す所はカッコイイです。ワンピースのルフィの名言を彷彿とさせます。
ブリガドン計画の内容も明かされました。
バッグベアードが今までのシリーズにないほどの外道に描かれています。
何かと暗躍する「名無し」の動向に気になります。

それにしても、今回の鬼太郎はえらく作画が気合入ってますね。
前作の「ドラゴンボール超」の神作画をそのまま、引き継いでいる感じです。
ただ、平常回ではあんまり、その神作画の素晴らしさを体感出来なかったのですが、シリアスな展開が深まっていくとどんどん映えてくる感じです。

* ただし、不安要素として主演で鬼太郎役をうまくこなしていた沢城みゆきさんの産休問題ですね。収録分が終わったらどうするんでしょうね?

西洋妖怪編終了。
バックベアードが第二形態としてムキムキマンになって戦ったのはオドロキました。
美少女魔女アリエスともお別れ。
いずれは再登場しそうな気がします。特に名無しとの戦いの時には駆けつけてくれる筈です。

それで、38話で、また平常回に戻りました。
しかし平穏な日常どころか、その平常回第一回の露骨に凶悪犯罪要素があり世相的な悪の話しでした。
ねずみ男が死体喰いの妖怪と結託しての新商売というか犯罪行為・・・
病気で死んだ母親の死体を死体喰いの妖怪に食わせて年金詐欺、交通事故を起こして轢き殺した死体、つい女性が旦那の頭を殴ってつい殺してしまった死体なども依頼されて同様に処理。
ねずみ男は「俺には金(依頼料)、死体喰い妖怪は死体が喰え、依頼者には利益、三者全員が得するウィンウィンウィン」とはしゃいでましたが、
とても子供向けアニメとは思えない。あんまりな凶悪犯罪描写・・・・
ある意味、バックベアード以上に悪質な行為に唖然としました。

43話
滅茶苦茶、重い話しです。ていうか西洋妖怪編、終わってからやたらダークな話しが多いです。
今回の話しはアニメ鬼太郎史上でも最高級のダーク話しです(ちなみに話し自体は原作にあったが大幅なリメイクを加えてます)
{netabare}人が死にます。
そして今回は鬼太郎が人を殺します。そしてその娘に「私はあなたを許さない、絶対」と言われます。
この娘もいくら愛する父親のためとはいえ正気ではなくなっています。吸血妖怪になってしまった父親のために自殺サイトで志願者を募集するのですから。
おそらく、彼女はいずれは妖怪化して鬼太郎を襲う気がします。以降に引きずる話しです。{/netabare}
それと今回の話し、どう見ても某〇〇〇〇細胞の事件に着想得てますね。

45話
今回もダークな話しでした。 {netabare}
ラスト近くになって急に雲行きが怪しくなる嫌な話しです。
正直、怖かった。いや「妖怪が出てくる」とかとは別の意味で怖い話しです。
鬼太郎は自ら人を殺す事は本当にやむおえない時だけで稀ですが、見殺しにする事は結構ありますね。
もっとも。今回は対象人物が警察に自首してれば助けてたでしょうけど。{/netabare}

46話
この話しの感想ですが、やたらと敵が強かったです。鬼太郎一味壊滅寸前。西洋妖怪軍団より強かったのではないだろうか? 予想外の事態 {netabare}まなの不完全五芒星覚醒{/netabare}がなければ鬼太郎一味が負けてたです。これだけ鬼太郎一味を苦戦させた妖怪も珍しいです。

47-49話
名無しとの決戦話しです。しかし・・・{netabare}約一年間、引きずってきたボスとしてはちょっと呆気なさすぎですね。むしろ名無しとの決戦の前振りの猫娘とマナと鬼太郎の葛藤劇が良かったですね。
マナの母親をうっかり殺してしまったと思い込む猫娘とマナ,五芒星の力が暴走して猫娘を殺してしまうマナ、鬼太郎の事と次第によってはマナを殺さんばかりの怒りを示す鬼太郎・・・とかなりハードな展開でした。
これらの話しは名無しの話しというよりマナちゃんの宿命とご先祖様の話しが主題なのかもしれません。
それにしてもマナちゃんは近年のアニメでも屈指の可愛いヒロインですね。外見的にも性格的にも・・・最後に名無しに名前を付けて成仏させてやる所は良かったです。しかし名無し、簡単にやられすぎ・・・
今までの日常回の敵や中ボスでも、もっと鬼太郎一味を苦しめた妖怪は多数います。46話の雛人形とか・・・
気になるのはあの世から連れ帰った猫娘の処置はこれからどうなるんでしょうね? またお姉さんに戻るのかあの幼女の姿のままなのか・・・{/netabare}
それにしても、マナちゃんは可愛い、私が見てきたアニメ美少女でもトップクラスの美少女キャラです。

新情報
四月以降も鬼太郎、続くようです。
もう、名無しで引っ張るのも難しいと思いますので、
名無しとの決着が付いたあとのボスは月並みですがぬらりひょん?

50話
新展開、鵺を始めとする地獄四将という新たな強敵たちと戦いへと突入です。
しかし、特筆すべきは敵より味方です。
新キャラクターの鬼道集という組織に属する石動零(いするぎれい)CVは神谷浩史さん。
もはや鬼太郎ワールドの雰囲気のキャラとは全く違うキャラです。
このキャラは「邪鬼眼」というか「菊池秀行の世界」というか「アララギ先輩」というか・・・悪く言えば厨二病の妖怪ハンターのキャラが加わります。彼が出てくるシーンは違うアニメになってるぞ・・・
EDもまるで「幽遊白書」のようなEDに変わりましたし。
鬼太郎と対する敵は同じなのですが、彼はいわば「悪・即・斬」のような考え方で、人に害をなした妖怪は降伏しようと許さず、取り込んで自らを強化します。
「鬼神の腕」とか言ってるのは「ぬーべー」を彷彿とさせますね。

なんだか「ゲゲゲの鬼太郎」という定番作品を利用して凄い傑作アニメ作品を作ろうという制作側の意気込みが感じられます。
ただ、このアニメ、子供対策なのか箸休めのためなのか、ちょくちょく、幼稚な話、子供騙し的な話、たわいのない話も織り交ぜているのですが・・・そういうのが気に入らない人もいるかもしれません。
しかし、前にも書いた通り何年も続くロングラン作品にはそういう回も必要なのです。

鬼太郎の「正義」について
{netabare}50話での石動零との対立でも思ったのですが、鬼太郎自身、決して「盲目的な人間の味方」ではなく、独特な立ち位置の部分があります。
それは墓場鬼太郎のひねくれた鬼太郎とも違います。
彼は弱い妖怪を虐待したり、犯罪行為を行った人間の味方では決してありません。
そういう人間は懲らしめたり脅したり警察に自首を薦めたりします。
33話では「娘が幼い頃、妖怪と契約して繁栄と引き換えに将来、娘を嫁として差し出す」と約束した件で娘を助けるように懇願する父親に対して「そういう約束があるのなら守るべきだ」とつっぱねます。
そして、前にも言ったように猫娘を力が暴走して殺してしまったまなに対して「事情次第では殺す」ほどの怒りを燃やします。
要するに人間だろうと妖怪だろうと、固定的に何かの味方とか、何かを敵として動いているのではなく、
状況と事情を調査し思考したうえでの彼なりの「正義」で動いているのです。 {/netabare}
やはり結構、深い作品です。

51話
ついに「元号変更ネタ」
というか、ひょっとするとあらゆるアニメの中で初めて元号変更ネタを使ったアニメかも。
それとちょっと気になったのは「鬼道衆」というのが出てきたけど、これって東京魔人学園にも出てきた設定ですね。
別物でしょうけど・・・
{netabare}思ったより早く大きな猫娘復活です。{/netabare}

ていうか、今期の鬼太郎、バトルアニメの要素がやたら強いです。
さすがにドラゴンボール超の後番組ですね・・・

52話
今回は石動零も登場せず、上記に書いた箸休めのための子供たちへの教訓的な話し。どこかで聞いたようなストーリーですし、大人が見たらイマイチな回かも。
{netabare} 「早起きしなくても良い、勉強しなくても良い、お手伝いしなくてもいい、お母さんがうるさい」。
だからといって、それから逃避して自分に都合の良い世界に行ってはいけませんというような話。
最後は予想通り「お母さんがうるさいのは子供を思ってのためと感涙の再会」{/netabare}
まあ、こういう話しも嫌いではないですが。

*訂正 対象年齢層も低くどこかで聞いたような類型話しではありましたが、今思うと適度に面白かったです。

53話
ぬ!? 子供っぽい話し、二連発!!

54話
30年前の話しですが、鬼太郎が人を殺してますね。それともあの父親を殺したのは泥田坊なのでしょうか?
やや深めの話しです。人と妖怪がどうしても共存できない場合、鬼太郎は仕方なく妖怪を倒してしまいます。

55話
たわいのないギャグ話しでした。

鬼太郎、52~55話で急に日常回になってます。
いや、別に必ずしも日常回が悪いというわけではなく、今まで多くの傑作日常回を生み出してきた六期鬼太郎にしては、正直、52話以降の日常回は出来がイマイチな気がします。
どうやら鬼太郎役の沢城みゆきさんが産休したので、今は事前に撮り溜めした日常回の放映を続けているようです。
これから、当面、そうなるようですね。
新シリーズの地獄四将篇が非常に面白そうだっただけに中断は正直、残念です。

56話
地獄四将篇はひとまず中断のようです。
まあ、また面白くなってきました。
{netabare}石動零もようやく、再登場し西洋妖怪たちが再び襲来、バッグベアード復活をもくらむ彼らとの闘いという展開になるようです。 {/netabare}

*ちょっと考察
うーん・・・・・皮肉にも私があまりの面白さに感銘を受けてオール5に評点を上げてから何だかイマイチというか迷走してきましたね。
推測ですが沢城みゆきさんの産休問題もあるんでしょうが、
ゲゲゲ自体が三月いっぱいで終わるかどうか議論があって、続投が急に決まってしまい迷走してるのかもしれません。
確かに名無しとの決着が着いた段階で終わってたら綺麗にまとまってましたね。
それでも52話までは文句なく面白かったんですけどね。
それと「地獄四将篇」というのは一人目の鵺が倒された時点で終了でもうやらないのかもしれませんね。

63話
今の鬼太郎六期は「地獄四将と鬼道衆・石動零」「バッグベアード復活をもくらむ西洋妖怪残党」といったメインストーリーをちょくちょく交えながら、単発回主体という感じで。少々、話しの流れが読みにくくなってる中、今回はまあまあ面白かったです。

基本的には七夕回でしたが、魅力的なゲストヒロインたる笹の精・星華とぬりかべとの淡い恋模様、相変わらず金儲けと土地開発が目的のねずみ男と人間の陰謀。
そして {netabare}ねずみ男を騙して操るタヌキのような凶悪な妖怪、あしまがり、なんだか、鬼太郎ってタヌキがやたら悪役として登場しますね、なかなか強い妖怪で鬼太郎たちを結構、苦戦させます。 {/netabare}
善悪がはっきりした。ありがちな話しとも言えない事もないですが、こういう奇をてらってない話しも楽しくて良いです。
EDもシリアスなものから、やたらとノーテンキなものに変更されました。コメディ主体に路線変更のつもりでしょうか?
それにしても、星華の声優が{netabare}ひーちゃん{/netabare}だったのも驚きました。

64話
地獄少女にでも出てきそうなハードな話し。
「地方権力者に牛耳られた町」というのは「野生の証明」以来、ちょくちょくある話しですね。

65話
最高クラスのおふざけ回、鳥取、鳥取と鳥取愛布教の話しです。

66話
これは何と言ったら良いのか・・・{netabare}ハッピーエンドかと思いきや、ドンデン返しの残酷な結末に驚かされます。
本当にこの結末で良かったのか・・・特にマナは相当にショックを受けてました。
それと鬼太郎はこうなってしまうという事を察していたのに止めようとしないのがなんとも・・・「本当に良いのか?」くらいの一言くらいあっても良いと思います。{/netabare}、今季の鬼太郎はつくづく深いです。

67話
ギャグ回、面白かったです。
ラインだかフェイスブックもどきだかのサイトで「いいね」を貰う事に狂って暴走してしまう女性の物語です。
しかし、配役された嶋村侑さんも酷いキャラを演じたものですね。この人は演技の幅が広い。

68話
地獄流しの話、てっきりハードな話しかとおもったら、{netabare}子供向きの教育回、悪い事はしてはいけない、反省する事が大切、人は誰しも一人で生きているわけではないなど、良い要素が盛り込まれてます。ラストもすがすがしいハッピーエンドです。{/netabare}

74話、75話
地獄四将最強の玉藻の前(九尾の狐)との対決、強かったです・・・
戦闘力も高かったが頭もキレる妖怪で鬼太郎一味、石動零を苦しめます。
そして地獄と現世の境を破壊しかけて日本をいやこの世を未曾有の危機に陥れます。
{netabare}幸い、猫娘&まな&アニエス姉妹のヒロイン陣、鬼太郎ファミリー、地獄四将の一人の伊吹丸の助太刀もあり、倒すことができました。そして次週からはついに鬼太郎究極の宿敵たるあの妖怪との闘いを描く新章がはじまります。{/netabare}

あと、思ったんですけど、あの日本の女性総理、無能で情けないの一言に尽きる。
普通、こういうフィクション作品で女性指導者が出てくると大概はキレものなのですが、まるで女性の欠点を凝縮したような無能な指導者で、こんな人が日本の首相なので鬼太郎たちの苦労もことさら辛くなっているのでしょう。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 41
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

東京ゲゲゲイのYouTube動画「ゲゲゲイの鬼太郎」もオススメ

<2020/5/2 追記>
全話見終わりました。
丸②年!全97話!
かなり面白かったですよ。
勧善懲悪だったり、
人間社会へのアイロニーだったり、
愛だの恋だの平和だのだったり、
純粋に妖怪楽しむ話もあったり
飽きさせませんでした。
本シリーズは鬼太郎、目玉おやじ初めて声優を一新してましたが良い感じにハマってて気にならなかったし。
やはり鬼太郎は永遠。

ところで話は変わりますが、
ダンスグループ「東京ゲゲゲイ」のYouTube動画「ゲゲゲイの鬼太郎」というものがありまして。
鬼太郎好きの方には是非一度ご覧いただきたい。

そしてもしこの動画にハマったら椎名林檎「公然の秘密」PVもおすすめします。
後ろのダンサー二人が凄いです!
向かって右側が東京ゲゲゲイのリーダーなのですが、左側の女性ダンサーともどもごっついカッコイイです。

<2019/12/7 追記>
第84話「外国人労働者チンさん」
この南方妖怪チンさんがマッパで、本名が放送禁止用語?
ということで馬鹿馬鹿しいシモネタ回でした。
一応外国人労働者問題をチクリとはしてますが基本はシモネタ。

秀逸なのはこの「チンさん」の声優。
杉田智和!
まさかというかやっぱりというか笑
アフレコでチンさんの本名を連呼する杉田智和

<2019/9/29 追記>
第73話 ヤマタノオロチ回
子供の頃、この話がめちゃくちゃ怖かったんですが、その恐怖の根源の部分が6期バージョンではかなり軽くなってます。
これなら子供が見ても怖くない。
自分にとっては物足りないですが。

第74、75話 玉藻前≡九尾

白面の者というかナルトの中のアレです。
白面に比べると可愛らしいですけど。
白面先輩が怖すぎるだけかも。

お話はすっきりうまくまとまってました。
古谷徹を宿し旅に出る神谷浩史とかシュールだな、と思ったり。

これで長かった四大妖怪編も終わり、次回からはついにあの「知らんうちに人ん家に上がり込んで気がついたら一緒に飯食ってる『冴えない彼女の育て方の加藤恵』のような図々しさがウリのアイツがやってくるそうですよ。
多分、孫じゃない方だと思います。

<2019/9/8 追記>
第72話 妖怪いやみ

確かこの妖怪って原作や昔のアニメでも出てましたね。
鬼太郎の「じゅて〜む」はなんとなく覚えてます。

インパクト強いんですけど、今回はめちゃくちゃ面白かった。
6期の鬼太郎の中でも指折りじゃないでしょうか。

一年以上見ていて美形猫娘にも慣れたこともあり、猫娘がカッコ良いです。
心象風景の描写も◎。

鬼太郎に興味あって6期観てない方はこの話だけでもお勧めしますよ。

そして次回予告。
「ヤマタノオロチ」回ですか。
小さい頃、多分二期かな。
これ観てものすごく怖かったこと覚えてます。

<2019/6/8追記>
3週前の56話は吸血鬼エリート
先週の58話は半魚人とカマボコ

前者のエリート、私はアニメで見たのは初めてですが、原作で読んだ記憶があって、水木しげるキャラの中でもかなり個性的。
シティボーイズのきたろうさんにちょっと似てて本当にこういう人いそうな感じ。

本作でもこのエリートさん、ギター弾くんですけど弾いてる絵面も曲も妙に頭に残ってクセになる。
お話はよく覚えてませんでしたが、アニメのストーリーはオリジナル要素が強いような気がします。
でも面白かったですよ。
中尾隆聖さんの声がぴったりハマってる。
さすがはフリーザ様。

後者のカマボコは、子供の頃、おそらくアニメ版第2期で見た記憶があります。
こちらはストーリーは大体覚えていて、6期のアニメも概ね同じかな。
あらすじが、
{netabare} 鬼太郎は半魚人に大王イカに変えられ、木っ端微塵に爆破され、大量のカマボコにされ、売り飛ばされます。目玉おやじたちはそのカマボコを買い集め鬼太郎を蘇生。{/netabare}
とシュール。
なぜこうなる?という超展開です。
ただ昔見たとき、なんか怖かったんですよね。
自分が幼かったからでしょうけど。
その怖がった自分を思い出しながら懐かしく楽しみました。

<2019/3/25追記>
48話観ました。
予想外にハード

レビュータイトルは嘘です。
いや、まんざら嘘でもないか。
これまでは爽やかだったり心あったまったりする話も多かったし。

ところがですよ。
最初の頃からネタ振りされ続けてきた「カオナシ」じゃなくて「名無し」さんが先週ぐらいから話の中心になってきてます。

で、これが重い。

あれ?今は深夜かな?
と錯覚するくらいには。

どう話が転がっていくのか来週が楽しみです。


なんだかんだでほぼ1年観てきました。
総論としては意外と面白い。
最初↓のレビューでも同じこと書いてましたね 笑

でも本当に面白いと思ってます。
だってなんだかんだで1年間毎週見てたもの。
録画だけど。

嫌味にならないくらいの、ちょっとしたスパイスという感じでダークさが振りかけられてます。

いろんな面で良い塩梅。

6期でこの面白さ。
やっぱ鬼太郎って永遠だな。

<2018/4/1初投稿>
※視聴中なので評価はデフォルトの3です

6作目なんですね。
ここ何作かはほとんど観てなくて興味もなかったのですが、たまたま今作の1話を見るともなしに見てしまいました。

意外と面白い。
日曜朝、ONE PIECEの前の時間なので純粋に子供向けかと思ったら案外そうでもない。

スマホが普及してたりユーチューバーが出てきたりの現代が舞台。

お話は昔の鬼太郎に寄せてる感じ。
もちろん墓場鬼太郎までは行かないけど、それでも少しだけダークな雰囲気が漂ってます。

絵は綺麗ながらも少し影があります。
キャラクターの造形も然り。

鬼太郎はヒーロー的に闘いますが、熱量は少なくクール。
目玉おやじが解説担当なのはいつものこととして。
ヒロインの女の子は必要なんかな?とか思いましたが、いないとたぶんこれからのお話に深みがなくなっちゃうんでしょうね、という感じ。

今回の鬼太郎の世界では人間には妖怪が見えない。
妖怪の存在を信じ始めると見えてくる。

鬼太郎に夏目友人帳や地獄少女とか少しまぶしたような印象を受けました。

これからネズミ男や猫娘、子泣き爺や砂かけ婆などの常連が出てきてどういう感じになるか、2話目以降が少し楽しみです。

最後にちょっとびっくりポイント
○目玉おやじが野沢雅子。感慨深いですね
○鬼太郎が霊ガンみたいのぶっ放してました

投稿 : 2024/11/23
♥ : 35

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ゲゲゲ(墓場)の鬼太郎はスマートフォンとともに 猫姐さん出撃!

2018年春アニメ 放送中 日曜朝ゴールデンタイムアニメ たぶん4クール以上

原作 水木しげる 構成 大野木寛 キャラデザ 清水空翔 音楽 高梨康治 
制作 東映アニメーション

鬼太郎 CV沢城みゆき
目玉おやじ CV野沢雅子
ねずみ男 CV古川登志夫
ねこ娘 CV庄司宇芽香
砂かけばばあ CV田中真弓
子泣きじじい ぬりかべ CV島田敏
一反もめん CV山口勝平

1960sから10年ごとに放送される鬼太郎シリーズ第六期始まりました。
第一期 65話 墓場の鬼太郎~ゲゲゲの鬼太郎の少年マガジン連載版のアニメ化
第二期 45話 水木しげるの短編を鬼太郎主人公に脚色したオリジナルが半数。
第三期 108話 原作のほぼ全エピソードを80年代風脚色でリメイク。エロとか多し。
第四期 114話 鬼太郎の完全版を目指し出来るだけ忠実なアニメ化。だが子供向け。
第五期 100話 21世紀版と言うことでキャラデザ一新オリジナルストーリー。薄口。

そして第六期開始です。
現代日本を舞台にしながらもおどろおどろしい鬼太郎の登場・・・
あれれ、鬼太郎と目玉おやじが可愛いです。
ものすごーく深夜アニメ調の作画はリアルで観やすく萌えも多そうです。

第一話 なつかしい妖怪「のびあがり」登場です。
一期では大ピンチで怖かったんですが、今の子供はどう思いますかね。
綺麗なこだわり作画で見る現代版「鬼太郎」
初めての人にはお勧めの豪華版になりそうです

第二話 見上げ入道ですが今回はレギュラー妖怪陣の顔見世です。
70s二期からレギュラーの猫娘登場が見せ場ですね。

1期 1話だけの登場 
2期 ブサ可愛いレギュラーヒロイン ド派手なワンピース
3期 夢子の当て馬 だがCカップ 
4期 地味だがヒロイン 相当可愛くなってきた ピンクの猫娘
5期 献身的萌え美少女 今回の制作陣はありえない猫娘と発言。
6期 モデル体型のツンデレ 身長計測の結果171cm

夢子っぽい立ち位置の「犬山まな」CV藤井ゆきよ との関係が気になります。

第三話 で今回の鬼太郎の設定が見えてきました。
個人的には鬼太郎(沢城みゆき)と目玉親父(野沢雅子)の声に馴染めません。
10年代鬼太郎ですが、日曜朝というハンデにどう立ち向かうのかが見ものです。
4期5期に比べるとホラー色が強そうです。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 36

67.6 7 不死身で戦いなアニメランキング7位
蒼穹のファフナー EXODUS(TVアニメ動画)

2015年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (401)
2175人が棚に入れました
あなたは、そこにいますか?

西暦2150年。遠い宇宙から来たシリコン型生命体・フェストゥムとの戦いは、新たな局面を迎えていた。

第一次蒼穹作戦で砕かれた北極ミールは、その欠片を世界中にまき散らした。

それらはやがて、独立したミールとして、個別の活動を始めた。
大半のミールは人類への憎しみを抱き、戦いを挑んできたが、一部のフェストゥムは人類との共生を選択した。

同じ思想を持つ者は、人類のなかにも存在した。彼らは人間であり、フェストゥムでもあった。その存在が戦局を混乱させ、より多くの憎しみを生んだ。

戦いはもう、人類対フェストゥムという単純な構図では語れなくなっていた。

そんななか、竜宮島だけは戦いの表舞台から姿を消し、沈黙を守っていた。2年前の来主 操との邂逅で、島はミールと対話する手段を手に入れた。それは島に、可能性をもたらした。アルヴィスの子たちは、戦いの準備を整えながら、敵を理解する術を模索していた。

そして、今また、島に更なる進化がもたらされそうとしていた。フェストゥムの言語を解する少女と、フェストゥムに守られた少女。

二人が出会う時、新たな世界の扉が開く…。


声優・キャラクター
喜安浩平、石井真、松本まりか、佐々木望、福圓美里、新井里美、白石稔、白石涼子、梶裕貴、島﨑信長、小野賢章、石川由依、田中正彦、土師孝也、篠原恵美、葛城七穂、小林沙苗、石川静、高瀬右光、ゆかな、諸星すみれ、てらそままさき、遠藤綾、小松美智子、京田尚子、大友龍三郎、置鮎龍太郎、中村悠一、岡本信彦、森田成一、潘めぐみ、宇乃音亜季、佐々木りお、鈴木達央、浅倉杏美、世戸さおり
ネタバレ

生来必殺 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

古里は遠くにありて、Lにゆく

一部から熱狂的な支持があり、名作であるとさえ言われている
蒼穹のファフナーの続編がついに登場。

前作は色々とクセが強く、必ずしも万人向けとは言い難い内容だったのに対し
本作は画も見やすく、テンポもよく、音楽の質も向上しており
より多くの視聴層に受け入れられるような仕上がり具合になっている模様。

戦闘シーンもかなり派手派手になっていて、それがファフナーらしくないと言えばそこまでだが
ファフナーの設定を踏まえて考えたら、納得できないことも無い展開だ。

個人的には戦闘シーンというよりも、後輩と彼等を育成する立場に回った
前作のパイロットたちの絡み合いが面白いと感じた。

大人になった前作のパイロットたちの人間的に成長した姿を確認できるのが
本作の見所であり、ファフナーに不可欠な構成要素である日常シーンの丁寧な描写はやはり格別であると言える。

期待していたファフナー展開よりもヌルイという印象を受けたが
リミッターが解除されていよいよ飛翔していく予兆を感じつつ
後半戦に期待したく思う。



タナからボタもち・・・ 
「あなたは そこにいますか?」
{netabare}
星屑流れる銀河の架け橋で、アルタイル ベガ。。。
待ち人来る?
{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 12

さゆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

「みんな、もういい!休んで!!」

1期のことを考えると「まだ戦わなきゃいけないの!?(´;ω;`)」と辛い気持ちでした…。
2クール目を見てからじゃないとまだなんともという部分もありますが、新キャラたちも味があってさすがファフナー!!という印象。
BGMもすごい迫力で、バトルシーンは息をのみます。
あと、前作見てない人には難しい感じですが、その分前作要素詰め込まれてて『見ててよかった…』と何度も涙ぐみました。
これから見る方は是非、1期、OVA、映画と全部見てからをオススメします!

投稿 : 2024/11/23
♥ : 1

シン風 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

作画力 ☆評価*10 物語の複雑さ*10 やはりこの作品は凄かった

始め見た時、映画かこれは………
と思ってしまいました。

Σ(゚д゚lll)


これの印象と言えば、もうこれと言ってもいいくらいのものが、

○☆/作画力/!!!


すげ〜の一言に尽きます。
やっちゃいましたね(ーー;)


まぁ、作画の話はこれくらいにしておき。

次に内容ですが………

これも事故過ぎ。



話を「はぁ…あ……」

と言いながら鑑賞してました。^_^

凄いですね。一貫してますね。

なるほど、なるほど。素晴らしい作品ですね、これは。

私的に、楽しめた作品です。

しかし不満や、マイナスの所は多々あります。

その一つとしては、主人公達の髪型。
などなど。




では、最後に一言


命は尽きる
これは生物全般に共通した概念

しかし命の尽き方には種々多彩なバラエティーがある

しかれど、それは自分が決められる名刺のような軽いものではない
存在故に、無意識の始まりがあり
また終わりがある

そんな中……
一人の男は

命の意味を探し出す

投稿 : 2024/11/23
♥ : 5

55.0 8 不死身で戦いなアニメランキング8位
TRICKSTER -江戸川乱歩「少年探偵団」より-(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★☆☆ 2.9 (172)
816人が棚に入れました
時は2030年代。謎の探偵、明智小五郎の元に集う『少年探偵団』。彼らは大小様々な事件を持ち前の行動力で解決に導いてきた。ある日、メンバーの花崎健介は謎の少年、小林芳雄と出会う。『正体不明の靄』により「死ねない」身体となってしまった小林は、自身の死を望み、他人との接触を拒んでいた。そんな彼の存在に興味を抱いた花崎は「『少年探偵団』へ入らないか」と持ちかける・・・小林と花崎。彼らの出会いはやがて、世紀の犯罪者 である怪人二十面相と明智小五郎の因縁と絡み合い、二人の運命を動かしていく・・・

声優・キャラクター
山下大輝、逢坂良太、梅原裕一郎、木戸衣吹、田所あずさ、GACKT、古川慎、山谷祥生、小野大輔、増元拓也

69.0 9 不死身で戦いなアニメランキング9位
獣兵衛忍風帖(アニメ映画)

1993年6月5日
★★★★☆ 3.9 (70)
289人が棚に入れました
江戸時代前期、下田村に広まった疫病の原因を解明すべく望月藩家老は召し抱えの忍びを村に潜入させる。しかし、彼らは待ちかまえていた忍び軍団・鬼門八人衆の手によって全滅させられてしまう。その中でただ一人生き残ったくの一・陽炎を救ったのは、偶然その場に居合わせたはぐれ忍び・牙神獣兵衛だった…。

声優・キャラクター
山寺宏一、篠原恵美、青野武、阪脩、郷里大輔、永井一郎、大友龍三郎、大森章督、高島雅羅、森功至、屋良有作、若本規夫、関俊彦、勝生真沙子、野本礼三、菅原淳一、鈴木勝美、森山周一郎
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

時代劇壮絶アクション作品

約92分

妖獣都市、バンパイアハンターD、魔界都市<新宿>の監督である川尻 善昭監督作品です。
AT-Xで放送されていたので観てみました。

上記3つの作品を観て今回この作品を観たのですが、共通するのは怪しげな雰囲気で、人でないものと戦い、アクションシーンが凄絶というところです。(AT-Xでは視聴年齢制限でした)

お話は、江戸初期、主君をもたない忍で主人公の牙神獣兵衛(きばがみ じゅうべえ)が、忍で鬼門八人衆と呼ばれる1人に襲われている忍者でヒロインの陽炎(かげろう)を助けたため、色々な陰謀や策謀に巻きまれる時代劇エンターテインメント作品です。

時間が短いので、ほとんどがアクションシーンです。八人衆との戦いがメインですが、人数が多いだけあってあっさり終わるバトルあり、迫力のあるバトルもありました。 {netabare} (剣同士の戦いが一番迫力がありました){/netabare}

終わり方は良かったのですが、最後のバトルシーンはどこかの作品に似てましたね〜

容赦のないバトルが多く残酷な描写が多い作品なので、苦手な方は気をつけて観てくださいね。

最後に、主人公の獣兵衛のCVは山寺宏一さんですが、主人公の顔や髪型がCOWBOY BEBOP-カウボーイビバップの主人公のスパイクに似ていて、ちょっと思い出しましたw(性格はこちらの方がかなり真面目なキャラですね)

投稿 : 2024/11/23
♥ : 24

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

「忍者アニメ」といったらこれ

まあ、山田風太郎原作なだけあって濃い、エロい、グロいの三拍子。しかし、本筋が王道中の王道だし、主人公の牙神獣兵衛がどっからみてもスパイク・スピーゲルだし、声優山ちゃんだし、豪華だしで見所いっぱいです。

作画も演出もこの頃のリアル劇画調そのものですが、よく動くし、なによりもありえない忍法がかっこいいです。

「君の名は」や「ソードアートオンライン」が流行る今じゃありえないだろうなあ。。。

ハリウッドではキアヌ・リーブスやサミュエルジャクソン、タランティーノ、ミーガンフォックスなどが好きだと公言してますね。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 5

Dkn さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ジャパニーズ忍者の印象を広めた傑作“Ninja Scroll”

山田風太郎の『忍法帖』シリーズの影響が大きくある本作。

“あにこれ”的に言うと「バジリスク~甲賀忍法帖~」ですね。

監督の“川尻善昭”さん世代は、いわゆる忍者モノが流行った時代でした。

それまで原作があるアニメを作って来た監督が、強く影響を受けた自身を構築するもので作品を作りたいと思った時期だったといいます。その為これまでの川尻作品よりも色濃く“らしさ”が出た作品になっています。

ちなみに代表作は『妖獣都市』『獣兵衛忍風帖』『バンパイアハンターD』『アニマトリックス』など

アニメクリエイターのオリジナル作品は影響を受けたものが同ジャンル(映像作品)にあることが多く、どうしてもどこかで観たようなアニメになってしまったり、シーン先行の映像的なこだわりだけが表面に出てしまっているものが多く、多少この「獣兵衛忍風帖」にもあったりします。(登場人物や忍者のイメージ自体は山田風太郎作品や、横山光輝の「伊賀の影丸」等の忍者漫画の影響なのですけどね)

ですがストーリーはテンポが良く主題も分かり易く作られていて、マニアックになり過ぎていません。映像としての魅せ方も凝っていて、ストレスになりにくい作りをしているところが素晴らしいですね。

日本よりも海外で爆発的に売れたのは、忍者モノに慣れ親しんだ日本人だと既視感を与えてしまうからかもしれません。後に、獣兵衛忍風帖の海外表記“Ninja Scroll”を観た海外の映画監督などに多大な影響を与えたといいます。日本でも多々この作品に似たものを見ます。単作としてではなく、歴史の1ページとして見られるようになってしまったのは残念です。

私の世代ならいざしらず、今見るなら伊賀と甲賀の対抗戦という構図と、登場人物の因縁や恋愛模様を組み合わせ、脚本のお手本とも言えるようなカタルシスを作り上げている山田風太郎原作。かつ、それをスタイリッシュに表現した漫画化。そして理解度の高いアニメ化と、三段階を経て生み出された「バジリスク~甲賀忍法帖~」を圧倒的にススメます。

勝手な推測なのですけど、バジリスクの作者“せがわまさき”さん。あの方は自作品に獣兵衛忍風帖のデザインをかなり踏襲してる気がするんですよね。まあ、それは卵が先か鶏が先かの問題になりますけど(笑)勿論ここからだけでなく、今までの忍者モノを組み合わせながらやったのだと思います。どこかにインタビューとか無いかな?


言うまでもなく、私はこの獣兵衛忍風帖が好きです。

この作品にしか無い表現やアイディアが沢山あるので、興味をもった方は鑑賞するのもオツですよ。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 15
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