不死身で友情なおすすめアニメランキング 7

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの不死身で友情な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月29日の時点で一番の不死身で友情なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

74.0 1 不死身で友情なアニメランキング1位
怪物事変(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (310)
1125人が棚に入れました
古来よりこの世の影に潜み、人に見つからぬよう、人と関わり合って生きる“怪物"(けもの)という存在。彼らの多くは人間の世界に適応し、社会に交じり生活していた。しかし現代では、人と必要以上に深く関わろうとするケースが多数報告されるようになっていた。探偵事務所を営む隠神は、そんな“怪物"たちが起こす怪事件のうちの一つを追い、片田舎のとある村を訪れる。そしてそこで夏羽という少年に出会う—

声優・キャラクター
藤原夏海、花江夏樹、村瀬歩、諏訪部順一、小野大輔、花守ゆみり、花澤香菜、下野紘

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

良い意味でのマイナー感と丁寧な作りのショタアニメ。ボ卿「君たちは実に可愛いですね」。

 薄い本が欲しい…、そう思わせてくれる作品はあまりないのですが、本作は珍しく終始そう思わせてくれるキャラ力があった。



 薄い本が欲しくなるのは、私としては媚び過ぎてはアカンし、かつ作風が明るすぎだったり、全体的にそういう風には見たくないキャラや関係性だとそうは思わない。


 本作は、全体的な作風のダークさ+マイナー感と、同時にキャラがデザインも含めてしっかり生きた物になっているし、関係性を1クールかけてしっかり構築しているし、キャラクター性の土台をしっかり据えるのに使っているのが好感が持てる。


 キャラクターデザイン的に、いかにも腐女子に媚びました的なセンスだとゲンナリな私ですが、本作は王道なオーソドックスなスタイルを抑えつつ、ちゃんとセンスを感じられるバランスがなかなかのもの、原作の絵が上手いんだろうが、キャラクターデザインの人が地味にセンスあるからこそ出来る芸当だろう。


 本作は珍しくショタキャラが多い作品だが、みんな被らないで一人一人が弱さや駄目さも含めて可愛らしい。エグいそれぞれのバックグラウンドも単なる味付けじゃなく、キャラクター性に落とし込めているから◎。


 主役のカバネの悟りキャラ、というか心がまだ存在していないような状態から、みんなとの関係性の中で心が出来ていく過程は王道でまた良し!。やたら感動げじゃなく、ちょっとギャグっぽく描く照れ隠し感もいいじゃないか。


 少ない女子キャラのコンと綾の存在も無碍にできない。コンは大谷育江さん感があって花守さんの新たな一面を見たし、綾のメスガキ感の素晴らしさは薄い本必至!。



 全体的に見ると傑作ではないが、良心的に丁寧に作られてる感じが好感を持たせる佳作である。まだセットアップだから本格的に物語が動いていくであろう2期が早く見たい。


 数少ない大きな不満点は、石田さんをあんまり大したことない悪役に使ったこと。天下の石田さんやで!、全ての黒幕か、最強クラスの敵に使わんかい!。子安さんとかもだが、お歴々を安く使わんといて。ヤングさんじゃないが「しょ〜もない役で呼ぶんやないぞ!」。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 32
ネタバレ

えりりん908 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ザ・少年マンガ!(妖怪退治系)

決して、別に馬鹿にしてる訳じゃありませんよ~(笑)

まさしく、正統派の、「熱血少年王道アニメ」っていう、
そんな感じの作品になりそうだという意味の
タイトル付けなんです。

王道少年アニメ要素その①
主人公が、{netabare}半妖の少年で、かなり高い戦闘能力と、
その力を封印する妖具を携行しているって設定。{/netabare}
CVは藤原夏海さんですけど、女の子の役もいいけど、
藤原さんは、やっぱり少年役がはまりますねー(#^^#)

王道少年アニメ要素その②
妖怪退治系{netabare}バトル+ホラー&ちょっとスプラッター
ここは非常に期待したいところですね!
腕力バトルは初回からハッスルしてくれてますけど、
鬼滅みたいな心理バトルとかも楽しめそう(^_^){/netabare}
やっぱり少年マンガといったら、バトルとホラーは、
欠かせませんね!

王道少年アニメ要素その③
主人公の少年と、よきライバルであり、かつ仲間となる、
そんな感じの、{netabare}やはり妖怪の血を引く子が出てきます。
ツンの方の子が主人公と同い年ぐらいなんで、
いろいろと張り合ったり、ぶつかって喧嘩したり、
お互いの危機一髪のときに助け合ったり、
協同して難敵に挑んで戦ったりするんだろうなぁ。{/netabare}
ショタ要素ありで、そういうのがお好きな方にもハマりそうですww

王道少年アニメ要素その④
少年を導く{netabare}クールで頼りになる師匠の存在。
探偵事務所の所長さんですが、この方も半妖で、
妖怪の起こす不審事件を専門にしてるご様子です。{/netabare}
これまたCVが諏訪部さんです。
この方、今期何本アニメ出演されているのでしょう?
この作品では、低めの二枚目声で演じていらっしゃるけど、
大車輪の大活躍ですね!

王道少年アニメ要素その⑤
少年向けライト風味{netabare}お色気キャラ(≧▽≦)
ここはまだ、どうなるのかは未知数なんですけど(笑)
日笠さんや上坂さんはそういう役、実績も豊富でこなれてますけど、
花澤香菜さんや花守ゆみりさんがCV出演されるようなんで、
そういう展開になるなら、新鮮かな?ってww{/netabare}
きっと、そのあたりは押さえていくのでしょうねww

まだ1話観ただけですけど、
作画もわりと綺麗だし、
今後の展開、意外と言っては失礼なんですけど、
次週の第2話からも、
楽しく視聴できそうだと、期待しています!!


観終わりました!
{netabare}少年アニメなんだけど、
それはそうなんだけど、
意外なほどに、熱かった!
そんな感じの作品。
そう思ってしまいました。
メインキャラひとりひとりのエピソードの展開もしっかりしていたし、
この感じのまま、
夏羽君のエピソード、
続きでじっくりと鑑賞したいな!
そう思えた作品です。
2期やってくれるの、待ってます(^^♪{/netabare}

投稿 : 2024/12/28
♥ : 30

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

現代社会を舞台にした伝奇物。読みは「かいぶつ」じゃないよ、「けもの」だよ!

==[下記は第1話視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり。]==
原作漫画の掲載誌は「ジャンプSQ(スクエア)」だったかと思います。第1話でアニメ化されてる部分の原作は既読です。たぶん、放送クールのどこか途中で未読箇所に入るんじゃないかと思います。

作中では「怪物(けもの)」と呼ばれていますが、要は妖怪変化の類ですね。そういった物が原因と思われる事件を扱う、表向きは探偵ということになっている隠神(いぬがみ)さんに拾われた日下夏羽(くさか かばね)くんが主人公です。

第1話は夏羽の故郷に依頼を受けた隠神がやってきて、いろいろあって探偵事務所に合流するまでの話ですね。

作品の性質上バトル要素はありますが、基本的には普通に格闘や武器を使用しての戦いになるので「目からビーム」みたいなことにはなりません。

作画やキャストの演技などアニメとしての出来はアニメ化の要求レベルはちゃんとクリアしていると思います、というかまあまあ良かった方でしょうか。

流血とかは多少あるので、そういうのが苦手な人には向かないかも。
==[第1話視聴終了時のレビュー、ここまで。]==

2021.3.29追記:
最終話まで視聴終了。タイトル回収したところで、想定に反してアニメ化部分は全て原作既読(単行本だとたぶん6巻の途中くらい)でしたがペース配分的にシリーズ構成なども適切で、アニメ化自体の出来は大変良かったと思います。

怪しい原作改変などもなく、アニメを観た人が原作を読んでもキャラクターデザインなども含めて違和感は全くないと思います。

状況としてタイトルの「怪物事変」を含めて事情がいろいろわかったところで夏羽たちが東京を離れることになるという、話の区切りとしてはなかなか良いタイミングで1クール終了の原作付きアニメ作品としてはほぼ満点の出来だと思います。

特に何の予定も聞いていませんが2期目も問題なく制作できる終わり方でしたし、原作の販促アニメとしても文句なしです。まあ、もうちょっと続くと派手なアクションシーンとかもあったんでしょうが、それはそれ。

余談: 直接関係ないけど本作と同一クールのEX-ARMとか原作からアニメ化の出来を比べられるとめっちゃかわいそう…。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 31

77.9 2 不死身で友情なアニメランキング2位
王様ランキング アニメ(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (470)
1518人が棚に入れました
国の豊かさ、抱えている強者どもの数、そして王様自身がいかに勇者のごとく強いか、それらを総合的にランキングしたもの、それが“王様ランキング"である。主人公のボッジは、王様ランキング7位のボッス王が統治する王国の第一王子として生まれた。ところがボッジは、生まれつき耳が聞こえず、まともに剣すら振れぬほど非力であり、家臣はもちろん民衆からも「とても王の器ではない」と蔑まれていた。そんなボッジにできた初めての友達、カゲ。カゲとの出会い、そして小さな勇気によって、ボッジの人生は大きく動きだす———— 。
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ボタンの掛け違い

[文量→特盛り・内容→考察系]

【総括】
良いアニメだと思います。

基本は、「少年の成長と旅立ち」という、超王道のストーリー。一見すると、NHKやジブリでも通用しそうな、安心安全の世界観。

ただそこに、多くの不幸や悲しみ、残酷な現実なども混ざり合い、単なる児童アニメにはない深みがあります。大人でも楽しめるというか、大人だから楽しめるというか。

本作は考察しがいがあるアニメなので、久々に考察系で真面目に書いてみました。主に、人物描写について思うことを書きました。相変わらずクソ長いので、大変申し訳なくは思います(苦笑)。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
本作の特徴として、登場人物が「全員不幸を背負っている」「全員他者のために動いている」ことと、それが、「どれもこれも上手くいっていない」ことがあると思う。

例えるなら、オー・ヘンリーの「賢者の贈り物」のようなものだろうか。尤も、「賢者の贈り物」に比べれば、清廉でもないし、幸福でもないけれど。

私は、本作の面白いところは、人物描写の巧みさにあるように思っていて、どの人物も実に「人間らしい」のだ。

日頃から、高い教養と倫理性、社会的制限の元に生み出されたキャラクターを見慣れている我々現代人は、ついついキャラクターに整合性を求めてしまう。しかし、本来の人間は「支離滅裂」なことが普通なわけで。近代の純文学などでは、そういう人物描写がよくみられた。

利己的で、情動的で、短絡的な人間。それでも、100%の悪人とは断罪しきれない人間。大宰作品なんかが分かりやすい。

本作のキャラクターが、なぜ、他人のために動いているのに、誰も上手くいってないかというと、「他人のため」がいつの間にか「自分のため(自己救済)」になってしまっているからではないだろうか。多分、本人すら気付かないうちに。

皆さんの身の回りにもいませんか? 人を救うのが趣味や生き甲斐みたいになっていて、それはとても素敵なことなんだけれど、ちょっとウザがられている人。

簡単に言えば、「余計なお世話」。

論語に、「己の欲せざる所は人に施すこと勿れ」という有名な一節がある。幼小中学校の先生は当たり前のように「自分がやられて嫌なことは人にやるな」「もし自分がやられたらどうか考えてみなさい」と言うが、これは間違いとまでは言わないが、正しくはないと思っている。

本来は、「人の欲せざる所は人に施すこと勿れ」だ。「己の~」は、あくまで価値観が自分の側にある。自分が良いか悪いかはさておき、本来は、「その相手」がどう感じるかを見とる洞察力や想像力こそが、正しい意味での優しさなんだと思っている。

本作の登場人物は、正にこの「余計なお世話」が多い。特に、

ミランジョがボッスを子に転生させようとすること。ボッスがミランジョの魂を救おうとすること。

の2つは分かりやすい。どちらも別に、(今となっては)本人は特に望んでいない。そして、ミランジョがボッスを転生させたいのも、「自分がボッスと共に永久に生きたい」からだし、ボッスがミランジョを救おうとするのは、「自責の念」からだ。彼らはそれを死の間際に気付くけれど、それまでは「相手のため」を免罪符に、悪行の限りを尽くす。

なぜこうなったかというと、ボッスもミランジョも、過去に大きな悲しみを背負っており、そうして胸に空いた穴を、「何か」で埋めなければならなかったから。2人にとってそれは、「互いを救う」ことだった。(宗教なんかもそうだけど、本当に怖いのは、ご立派な大義名分の為にどんな手段でも正当化してしまう、どこまでも盲目的で利己的な人間なんだと思った)

これは、本作のヒロインとも言える活躍をした、ヒリングにしても、少しそういう部分が見える(ちなみに、私が本作で一番好きなキャラはヒリングです)。

序盤、ヒリングがボッジに冷たくあたっていたのは、「無能」な「我が息子」が王位につくことで、かえって苦しむのではないかという、親心(愛情)から。実に母親らしい思考。ただ、ボッジは単純に王になることを応援して欲しかった。

一方、ダイダは、母から「王への期待」をかけられているが、それは、「ボッジの代わり」であり、「ボッジを救う手段」だと(ヒリングの深層心理に)気付いていた(だって、ヒリングの性格上、もしボッジが優秀だったら、実子という理由だけではダイダを王には推薦しないだろう)。

正に、「代打」だと自分を卑下していたのである(本当は優秀だから、期待され、手をかけられなかっただけだが)。

だから、必要以上にボッジを見下し、いじめたのだ。あれは、母親の愛を独占したいという寂しさや、母の深い愛を受けるボッジに対する劣等感からの行動なのだろう(基本的にいじめっ子は、親からの愛情が不足している者がなりやすいという研究結果もある)。

ヒリングがあそこまで息子に大きな愛情を抱いたのも、実は、夫であるボッスからの愛情不足があるのだと思う。2人の夫婦間系は破綻までいっておらず、表面上は良いのもしれないが、実は、冷え込んでいる。

だって、旦那は仕事(王様)ばかりに熱心で、自分以上に亡妻を愛していて、更に心のど真ん中には別の女(ミランジョ)がいる。旦那はそれを上手く隠しているつもりだろうが、女性はそういうところに敏感だ。

ヒリングは根が良い人なので、そういう「満たされない思い」を「子に愛情を注ぐ」ことで埋めていたし、ダイダも、「足りない母の愛」を「ミランジョに頼る」ことで埋めていた。こういう歪なバランスの上で安定している関係は、何か1つのキッカケで崩壊するものだ。

だからまあ、最終話でダイダはミランジョを妻とし、ヒリングはドルーシと良い感じになったのだろう。ダイダのような男が、母性的なものを求めて姉さん女房をもらうのも、ヒリングのような女性が、無骨だが一途に自分だけを思う男性に惚れるのも、ままあることだろう。

この辺の背景を絡めないと、最終話の突然の展開に驚き、場合によっては嫌悪を抱くかもしれないが、私は、本作を「弱き、哀しき、不完全な」大宰的なキャラによる話と捉えていたため、そういう「利己的で、情動的で、短絡的な人間」を愛おしいと思った(これは、近代文学好きならではの歪んだ思考ですねw)。

私は、人間らしい人間が好きだ。そして本作のキャラクターは、実に人間らしい。

話は少しずれてしまったが、ドーマスがボッジに寄せる思いと行動も、デスハーやデスパーがオウケンに寄せる思いと行動も、本人の願いとは少しずつズレているように感じ、

「本質的に優しい人間達の、他者を思いやる尊い行動が、悲しみを背負うことで僅かに感覚を狂わせ、まるでボタンを掛け違うように、悲劇を生み出してしまった話」

のように感じた。これが、本作における主たる感想である。

さて、そんな中、主人公のボッジだけは、「他者の理屈」で動いている。アドラー心理学によると、「共感とは、自分の価値観に合うものを見つけるのではなく、他者の価値観で物事を見聞きすること」だそうだ。

ボッジは、耳が聞こえないため、幼少期から周りを見渡す洞察力に長けていた。そして、口がきけないため、自分の思いを表現することが苦手になった。さらに、力が弱くいじめられたため、他者の弱さに寛容になり、共感的に他者を受け入れる素養をもった。

穿った見方をすれば、それが彼なりの「処世術」だったのかもしれない。

そんな彼が歪まなかったのは、彼が多くの愛情に包まれていたから。父、母からの愛情。継母からの愛情。師匠からの愛情。そして唯一足りなかった、友からの愛情。

それらは一部を除き、本質的な意味では「無償の愛」とは言えなかったが、ボッジはそれを最大限好意的に受け入れている。一昔前、「鈍感力」という言葉が流行ったが、その力が強いのだろうか。

確かに、多くの愛情を受けた子供は、他者を受け入れ、自分を見失わない。多くの挑戦と失敗が出来る。

それはそうのだが、如何せん、ボッジの境遇の辛さと、彼の人柄の良さが乖離しすぎていて、ここに「ご都合主義」を感じてしまった方も多いのではないだろうか。私はそうである。

私は本作を「純文学のような人間らしいキャラに魅力がある」と評したが、そういう意味で、一番「人間らしくない」のがボッジである。

たくさんの人物の歪みや悲しみを、まるでスポンジのように一手に引き受け、包んでしまう優しさ。それはもう、「王の器」を飛び越えて、「神の器」とすら思ってしまう。

ボッジが子供だったのもいけなかったのかもしれない。本来、子供なんて自分の理不尽を周りに撒き散らすのが役割で、それを受け入れるのが大人の役目なのに、本作はその逆。そこが、自分的には一番受け入れ難い部分だった(よって☆4)。

それだけに、ボッジがドーマスに見せた、恐怖と怒りの感情は、大変見応えがあったし、ボッジを「人」らしくしてくれた。ああいう場面が、もう少しあっても良かったと思う。

いや、なにも「歪んだ主人公」を見たいわけではない。性急すぎるのだ。ボッジの最終形態は今のボッジで良いとして、「強さ」も「優しさ」も、もっと時間をかけて獲得して欲しかったのである。

私は本作を観始めた頃は、「ジブリに、2時間映画にまとめてほしい」と思ったが、途中から、「世界名作劇場みたく、1年はやってほしい」と思うようになった。

本当は、ボッジとカゲの友情を丁寧に描き、たくさんの街を旅し、幾人もの「善」や「悪」に触れながら、葛藤し、次第に成長するボッジが観たかった。

尤もそれは、「今後」に描かれる部分だろうし、むしろそれかそが作品の主題で「王様ランキング」に関わるのだろう。

そういう意味で、作品のエピソード0(旅立ちの前)だけでここまで描き切れている本作は非常に優秀な作品だし、今後に期待がもてる作品だと思う。
{/netabare}

投稿 : 2024/12/28
♥ : 30

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

現代版「柳生兵庫介」。もともと王様ランキングの勝利条件が活人だったんでしょう。

 評価が難しいです。王様ランキングはどこへ?というのはまったく気になりませんでした。このレベルで引っ掛かる話では無かったです。まあ、途中で作者が表現したい内容に気が付いて路線変更したんでしょう。

 テーマは「活人剣」=無刀取り=政治の哲学として、個人の力ではなく人を活かすことこそ最強という話なんでしょう。

「活人剣」は津本陽氏の「柳生兵庫介」という小説で読んだくらいなので詳しいわけではありませんが、上泉信綱から石舟斎という系譜で誕生した徳川のお家芸の剣技、柳生新陰流の「無刀取り」です。

 逃げる=負けない剣、細い剣=急所を突く、そして、相手の力を利用する。西洋的な世界観の中でボッジの強さは極めて東洋的なので、物語中ずっとそのことを連想していました。まあ、それだけならありふれていると言えばありふれてるんですけどね。ただ、いろんな強さがありました。

 巨人というのはゴヤの絵画とかマーラーの交響曲にもありますが、極めて西洋的な印象を受けます。ダイダラボッチもありますけど…本作はまあ西洋の巨人でしょう。力=パワーです。そしてパワーは権力という意味もあります。
 不死というのはゾンビもあるし、人魚もありますが、私はターミネーターを連想しました。特にターミネータ2ですね。非人間的なところもT1000みたいでした。

 魔女、暗殺、剣技、怪物…強さの種類上げればキリがないですが、そう言った強さの中で、最強なのは活人剣…人を許し活かして行くことだと思いました。

 障碍、非力設定はその為でしょう。「力ない物は活人の道しかない」ではなく「活人こそ最強」だから「肉体の力は関係ない」です。だから、それぞれの内面を描いているようですが、そこにはテーマ性が見えなかったのかもしれません。

 結末もそれぞれの人が説得されて来たわけでなく「活人」されたわけです。しつこく魔法で傷を治す描写があったのは、このことを表現していたのかもしれません。倒すのではなく懐へ、です。
 王様ランキングという題名、1話の剣の戦いのプロセスとボッジの特徴からいって、この「活人」が描きたかった、主要なテーマだというのは間違いない気がしてきました。キービジュアルも裸ですからね。無力=無刀=最強を表しているんでしょう。

 ただ、それを各国を回って王様同士が比べっこして…とやるとあまりに露骨で寓話的になるので嫌だったんでしょう。あるいはデスパーやミランンジョ、オウケンを動かしているうちに話が変わったか。あるいはダイダとヒリングを動かしているうちに母について書きたくなったのかもしれませんね。 

 オウケン=王権、ダイダ=代打、ヒリング=ヒーリング治す、デスハー=ハーデスのアナグラム、ミランジョ=鏡女ですから名前の付け方単純ですよね。で、オウケンということは多分、初めは違う役割だったんだろうなあ、と思ったりもしました。

 最後魔人がどっかに行きます。つまり、無敵だけど人類の善悪に関わりないですね。彼に人間ではないし政治にも関係ありません。だからどうでもいいということでしょう。

 構造として中身は津本陽氏の「柳生兵庫介」というより柳生一族の「活人剣」がテーマで、舞台設定をシンデレラ、アナユキ、シンドバッドなどのディズニーにしたのでしょう。そこに母の愛がのっている感じです。
(追記 類似性は劉備玄徳でもいいですけどね。活人剣と明確に言っているのでやっぱり柳生でしょう)


 ただ、なぜボッジが活人の達人になれたか、です。耳が聞こえない部分=彼の無垢さ…それはイグノランス…愚かさにもつながります。ただ障碍者だから、ピュアというのはちょっとイヤです。「聲の形」の西宮硝子が障碍者だから不幸だ、少し馬鹿に見えると言っているのと一緒です。

 彼には本質が見えるのでしょうか。それとも母親の愛情を受け取った結果なのでしょうか。その辺、彼の純粋性については明確に読み取れませんでした。強さと表裏だとは思いますが。
 王様ランキングの初期の話からぶれたと思うのは、ここもあって活人の意味が読み取りづらいと思います。

 まあ1回目ということで、評価はマイルドにしています。読み取れない部分もあったかもしれません。

 いずれにせよ2クールで作家性がある完結するアニメを作ったことは素晴らしいと思います。話も単純では無かったので面白かったです。
 再視聴はどうでしょうか。ちょっと長いし原作者が良く勉強しているのかもしれませんが、かえって見たことがあるようなエピソードも多いのですぐは辛いですね。半年、1年たったら見るかもしれないし、放置かもしれません。





以下 2話までの第1印象です。

寓話や感動ポルノでなければいいのですが。結末で評価は決まりそうです。

 現時点ではなんとも言えない作品みたいですね。この悲惨な話はこの絵柄じゃないとみられないでしょう。

 みにくいアヒルの子+手塚治虫(どろろ、ブッダ等々)や999的な母との別れからのスタートでした。

 障碍やダイバーシティ、王様ランキング制度の無意味さみたいな題材の寓話あるいは感動ポルノならがっかりですが、王子とカゲがそういう既存の価値観を超越してくれたところで活躍してくれるなら面白そうです。

 途中経過より見終わった後でないと価値がわからなさそうですね。最後を楽しみに視聴継続します。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 20

kittys さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

いろいろな評価がありますが.....

現3話まで視聴しています。

王様の順位を決めるアニメですが、流行りの最強系ではありません。
むしろ最最最最弱からのスタートです。

結果として昇りつめて行く作品ですが、王様の成長はすこぶる悪く急成長するものでもありません。

では何が面白いのか。結論はまわりの人間関係や敵勢力の立ち位置あります。
ですので、派手なアクション、洗練された作画が好きという方は合わないです。

簡単にあらすじを説明すると王様はしゃべることができず、聞くこともできないのでコミュニケーションを取ることもままなりません。そして力も子どもなので皆無です。

しかし、まわりをどんどん味方につけていきます。理由はぜひ見てください。

噛めば噛むほどいい味を出して行くアニメです。まだ3話なのですが次の4話を見たくてたまりません。

王様ランキングのまわしものみたいなコメントですがそれくらいよかったので素直書いたつもりです。ぜひ一緒に楽しみましょう。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 3

74.4 3 不死身で友情なアニメランキング3位
亜人(TVアニメ動画)

2016年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (917)
5005人が棚に入れました
高校生、永井圭。トラックによる追突死の直後、謎の蘇生。これにより国内3例目の不死の新人類・亜人であることが判明した。警察および亜人管理委員会により捕獲作戦、開始。同刻、管理下にあった2例目の亜人が何者かの幇助により逃走。この者らは直ちにテロ活動を展開し人類への復讐を開始した。
永井圭の動向を注視せよ。繰り返す・・・

声優・キャラクター
宮野真守、細谷佳正、大塚芳忠、櫻井孝宏、小松未可子、平川大輔、洲崎綾、福山潤、木下浩之

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

フィクションの鉄則「大きな嘘をひとつだけつけ!」

…を地で行くような感じの作品(原作マンガは未読です)。
つまり映画「シン・ゴジラ」なんかと同じやり方ですね。

本作では「亜人の存在」という大嘘(いや、本当にいたらゴメン)の下に、存在したら政府の対応や法整備はどんな感じになるかとか、亜人に人権は認められるべきなのかとか、そういうテーマでお話を作っているわけです。

大嘘である「亜人」を認めてしまうと、作中の社会状況や人物の行動はわりともっともらしい感じに描かれています。

で、こちらだけ観ると結末はモヤモヤすること請け合いなので、うっかり最後まで観てしまったならきっと分割2クール目も観たくなるんじゃないかと思います。

EDの背景アニメが何気なくネタバレ風なので、これから観る人で本当にネタバレを気にする場合には、EDは目をつぶるかもしくはとばしましょう(笑)。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 28

海の人 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

商業的にもヒットした作品

◆アニメは1-2クールは視聴済み
◆一応、劇場版も視聴しました。
◆漫画は現時点での話数は読んでいます。
◆実写劇場版は見ておりません。

まずは、ストーリーですが

コメ欄を見る限り 様々な方が書かれているので
詳しくは描きません

が、ざっと纏めると
「死なない」存在の「亜人」が存在しています。
その、亜人達が繰り広げる話です。

序盤は亜人と人間の戦い

中終盤は亜人同士の戦い
(中には人間との戦闘もあります)

今までに無い、
戦闘描写で視聴者を引き込むでしょう。

正直、ストーリーは難しくありません。
(個人的な意見です。)

単純にテロとそれを止める者達の戦いです。

「なんか、難しそう」と思って
見ないのは、正直勿体ないですね。

とりあえず、
ダラダラストーリーが進むことは無いです。

あと、展開が原作と少し違います。
どちらも、なかなか面白いので見るなり読むなりしてください。

キャラクターについてですが

主人公が変わっています。

僕は正直 作画よりも
ここが1番好き嫌いが別れるかもしれません。

いわゆる、自分勝手ですね、
僕的にはいい味 出してると思います。

周りの味方も色とりどりなので見ていて面白いです。
基本的に仲間感でピリピリしていますが

それが、一致団結した時は胸熱ですよ。

さて、敵側ですが、こちらは
佐藤さん1人が群を抜いて、目立っているので

周りが薄く感じましたね

ですが、それでも頑張って目立っていた
田中さん、あなたは凄いです。

周りのメンバーも一人一人描写はある物の
やはり、佐藤さんにインパクト負けしてるといったところです。

音楽ですが、
BGMは基本的に
ダークなアップテンポな曲が多い印象です。
作品にマッチしていて、いい感じでした。

主題歌は1クールの方が作品にあっているかなと思います。
2クールは完全にノリノリな曲なので、
アニソン好きならハマるかな
何しろ、fripSideとangelaの合作なので

エンディングですが、
1-2クールどちらも落ち着いており

片方は声優が歌っております。

作画についてですが
ジャケットを見れば分かりますが3DCGアニメです。
制作会社は3D専門のポリゴン・ピクチュアズですね

私的にはいい出来に仕上がってると思います。

まず、表情の作りがいい
喜怒哀楽をしっかり表現出来ています。

背景もいいと思います。
激しい戦闘描写も、問題なく見れる。

一番、目に止まる亜人も作りがよく引き込まれます
無駄のない、3Dというのが僕の率直な感想です。

声優については
自分自身詳しくないですが

大塚芳忠が好きなら、
まず抑えておきたい作品です。


最後に総評ですが、

3Dアニメが嫌いでも、
1度は見て欲しい作品になっています。

刺激が欲しいなら1度は見る出来でしょう。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 1
ネタバレ

愛花 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

大好物のダークファンタジーo(`ω´ )o

亜人、途中まで漫画で読んでおりまして、
本当に引きつけられるストーリーです!

この世界も、人々も、主人公さえも、とても狂ってます。
「巨人の次は亜人」との宣伝文句で売り出されていたのですが、
わかってはまた深まっていく謎、普通じゃない主人公、
様々な立場の人の思惑が入り乱っていたりと、
要素的には進撃の巨人と同じタイプだと思います。

CGが苦手で避けてきたのですが、ストーリーの続きが気になって視聴することに。
明らかにフルCGだとわかる作画でちょっと悲しいですが、
音・声・動きがあるというのはやっぱり偉大だ!
アニメばんざい!ヾ(@⌒ー⌒@)ノ笑

OPもEDも良いと思います(*^_^*)
特にEDは感動しました!
宮野さん、やはり歌がお上手ですね。。
声高い。。
そしてEDのアニメーションに引きつけられました!
ここまで見てきた方ならわかりと思いますが、これ、{netabare} ストーリーをなぞってる{/netabare}んですよね!!
ここはどういうことなのだろう、などと想像が膨らみます!!


7話まで視聴して
{netabare}
原作を忠実に追ってます。
黒い幽霊(IBM)同士の戦いは3DCGをいかした迫力あるものになってますね!(*^^*)
亜人・IBM・佐藤の目的など、まだまだ謎だらけで続きが楽しみです。
{/netabare}

最後まで視聴して
{netabare}
すごーく続きが気になるところで終わりましたね(^^;;
佐藤軍が圧倒的に強い…強すぎる…
不意をつかれたのに完勝してしまいました(>_<)
そして永井くん、 思ったよりいい人でしたね( ̄▽ ̄)
これまでは亜人vs人間だったのが、これからは亜人(佐藤)vs亜人(永井)になりそうですね、
ここに人間たちはどう関わってくるのでしょうか…⁇

{/netabare}

投稿 : 2024/12/28
♥ : 31

78.0 4 不死身で友情なアニメランキング4位
ZEGAPAIN ゼーガペイン(TVアニメ動画)

2006年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (1102)
6619人が棚に入れました
未来的にデザインされた街・舞浜市に住み、近郊の高校に通う普通の学生、キョウ。たった1人で水泳部を切り盛りする彼は、中学以来の因縁を持ち難癖をつけてくる宿敵達とのいざこざも意に介せず、練習と水泳部への勧誘の為、学校の室内プールへと向かう毎日。
ある日、幼なじみのリョーコに頼まれ、映画研究部作品の撮影中、やる気の無いキョウはNGを出し撮影は中断。ふと、窓の外を見るとそこで彼は飛び込み台の最上段に立つ、1人の見知らぬ美少女・シズノを見つける。
水泳部入部希望者と察したキョウは、慌ててプールへと急ぐが、シズノは声にならない謎の言葉を残し、華麗な飛び込みを見せ忽然と姿を消す。シズノの事が忘れられないキョウだったが、程無くして彼女はキョウの自室に瞬間移動したかの如く唐突に現れる。
シズノはキョウに「ゲーム」の始まりを宣言。彼女の導きのままにキョウは異空間へ転送され、美しい光の装甲をまとった巨大ロボット「ゼーガペイン・アルティール」に乗り込み、敵と目されるキャラクターをシズノと共に倒していく。
だがしばらくして、キョウは様々な疑問に対峙していく事になる…。

声優・キャラクター
浅沼晋太郎、花澤香菜、川澄綾子、朴璐美、牧野由依、渡辺明乃、坪井智浩、井上麻里奈、吉野裕行、加藤将之、神谷浩史、ゆかな、家中宏、久川綾

yosshi____ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

最近見た中で1番鳥肌が立った作品。

ずっと見よう見ようと思ってたのですが、今更ながら視聴しました。
まず初めに6話までは頑張って見て下さい。

この作品は映画のマトリックスの世界と同じと言ってしまえば簡単ですが、そうではなく、もっと深く濃い内容となってます。

かなりスピリチュアルな話になりますが、ふとたまに、そもそも自分というのは、体という実態のことなのか、脳という意識のことなのかと考えたことがあります。自分の体に他人の意識が入って、他人の体に自分の意識が入った時、果たしてどっちが本当の自分なのかと。
誰でも一度くらいは考えたことがあるのではないでしょうか。

ゼーガペインで伝えたいことはここにあると私は感じました。

意識さえあれば、実態などなくとも生きている。と考えるもの(ガルズオルム)と、実態がなければ生きているとはいえない。と考えるもの。(セレブレム)

これはその両者の戦いであり、26話を通して描かれました。

見終わって、説明不足なところは多々ありましたし、ラストのところも複雑にしすぎた感じはありましたが、それでも今まで見てきたアニメの中でもかなり素晴らしい作品だったと思います。
特にEDの入りは今まで見てきたどの作品よりも素晴らしかったです。

難しい内容が好きな方、考察しながら楽しみたい方におすすめしたい作品です。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 5

YOSIMIX さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

放映時代の技術では真新しい世界観が楽しめる!

12'09.28 再度鑑賞 記載

最近、全て観てきたアニメを再度鑑賞した上で改めて記載
し直しているレビュー作品の一つです。

ロボットものという点からアニメに入っていきましたが、
それ以上に物語の設定が非常に良くできていて、単に
アクション性だけでなく、学園的要素、ヒューマニズム、
悲しい世界観、熱い思いと現実の壁、展開の意外性など、
色々な楽しみ方ができる作品です。

個人的な事ですが…マシーンがアーマード・コアという
ゲームに出てくる期待に似ている気がして、そんな所から
もなんとなく魅かれていった作品でした^^

量子化された物体の転送、反映、映像化や本作の中に存在
する「AIキャラ」たちの行動や反応など、まさに新しい
AI思想と具現化を打ち出した代物と言えるのではないで
しょうか。

本作品が放映された時期には、未来的思想やタイムマシーン
等のような時間時期や時空間を彷徨う思想のアニメや映画は
多々存在しますが、それらとは別に同じ時間帯のループを
元に未来を切り開く選択をするという、新しいジャンルとも
言える設定はなかなか魅力ある作品でした。

さらに、作品の内容に特化した映像技術と美的感覚はなかな
か良く、作画の良さを感じさせる表現にさらに好評価へと
つながる要因でもありました。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 9
ネタバレ

disaruto さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

「痛み」を受け止める強さ

制作はサンライズのオリジナルアニメです。
ジャンルはSFロボット・恋愛です。
人によっては鬱と感じるかもしれないシリアス展開なので苦手ならば若干注意です。


高校生のソゴル・キョウは水泳部立て直しのために尽力していた。
ある日突然、彼はミサキ・シズノというミステリアスな女性に連れられてロボットに乗り、敵と戦う。
彼にとってその戦いは「仮想現実のゲーム」だと思っていた…。


斬新な世界観・恋愛を主軸に置いた人間ドラマ・水泳と映画を用いた青春劇・ロボットバトル・「生」についての哲学・シリアス(鬱)展開。
盛り込まれたそれぞれの要素が絡み合って奥行きのあるストーリーになっています。
どれもぼやけておらず、納得のできるストーリー展開になっています。

その中でも前者三つの要素が秀逸。
ロボットアニメ、というか他のアニメでここまで複合ジャンルをまとめたのはあまり見たことないですね。
その要素のどれもが「痛み」を伴っています。


1話見たときにこんなシリアスな話だとは思っていませんでしたw
普通に過ごしていた日常がこうも簡単に崩れ去る恐怖。
「生きていること」とはどういうことかと問う。
主人公に降りかかる数多くの試練。
私はこういう設定の作品は見たことがなかったので、世界の真実が分かったときは結構驚きました。

主人公に起こった試練のまとめ。
{netabare}・一度記憶を消去されている
・この世界が幻だと知る
・自分たちは幻体という存在と知る
・サーバーがリセットされてループする
・リョーコが消滅する
こんなところでしょうか?{/netabare}

とってもシリアスなことが起こっているのですが、主人公の性格でそこまで重く見えない不思議。
主人公が直球野郎で見ていて気持ちがいいのが本作の救いになっています。
加えて彼は意外と物知りであったりするので馬鹿ではないのが良い。


その他のヒューマンドラマについて。
恋愛に関しては主人公とヒロイン二人の三角関係が基本なのでこれまた重め。
設定が設定なだけに、どっちも気持ちは分かるんですよねえ…。
また、ルーシェン、シマ、クリスといったサブキャラの話も結構しっかりしています。
特にクリスの回は感動しちゃいました。

青春劇に関してはこれまた設定のために主人公には非常につらい仕様になっていますw
部活動再建のためにかつての仲間と友情を取り戻していくキョウ。
普通に青春アニメとしても見ることが出来るのが凄い。
正直、細かいSF設定が分からなくなってもヒューマンドラマで楽しめます(私です)。


本作の難点は序盤の訳の分からなさ。
加えて、ロボットアニメですが戦闘シーンがイマイチ面白くないところ。
ロボットアニメと思って視聴すると肩透かしを食らうかもしれません。
加えてよく分からない所があるので、詳しい人に教えてほしいくらいですw

難点かどうかは微妙ですが、結構声優が棒読みです。
気になったのは数人でその他は上手だったのですけどね。
率直に言えば、気になったのは浅沼さんと花澤さんw
浅沼さんは割と前半で慣れましたが、花澤さんはずっと気になりましたw
これが良いって仰る花澤さんファンも意外と多いので、見てみるのもアリかな?
正直、私はにわかだから今の彼女の演技の方が良いと思うんだけどねw


総括して、取っ付きづらさはかなりありますが、前半を乗り切れたら作品にぐいぐい引き込まれるかと思います。
ロボットアニメは後半にならないとイマイチ面白さが分からないので、前半で切らないであげてくださいw
見ごたえのある作品でした。

どうでもいいですが、キャスト紹介で主要キャラが四人ですよね?
キョウ・リョーコ・シズノ・ルーシェン。
何でルーシェンがずっと入っているのとか個人的に思っていたのですが、24話で分かりました。
彼は{netabare}キョウに憧れていたヒロインの一人だった{/netabare}ってことですねえ。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 54

71.0 5 不死身で友情なアニメランキング5位
スペースコブラ(TVアニメ動画)

1982年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (156)
657人が棚に入れました
戦いの記憶を消し、平凡なサラリーマンに身をやつしていたコブラだったが、アクシデントに巻き込まれたことをきっかけに再び冒険のスリルを求めて宇宙へと旅立つ。折りしも悪の組織ギルドが謎のイレズミを背負った三姉妹捜しに躍起になっていた頃、コブラはそのひとりジェーンと知り合う…。

声優・キャラクター
野沢那智、榊原良子、藤田淑子、小林清志、高島雅羅、加藤精三、内海賢二

esso-neo さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ヘッ、サイボーグのトーストなんざママレード付けても食えねえや

 監督がかの出崎監督。主演のコブラが野沢那智、相棒のレディは榊原良子。もはや現代のアニメにはない魅力が詰まっている。そのセリフ、その芝居、その画面、どれをとっても退屈させず現代でこれをいかに超えなければいけないのか、同時に何を残していくべきなのかべつにアニメ製作にかかわってるわけでもないのに考えてしまう。もはや“魅力”そのもののあり方が変わってしまったのか。それは無理もないことだけど、今でもコブラは多くの男児をうならせるキャラクターのはずだ。いちいち新時代だとかいってひとつ爆発したものに倣って同様の爆発をしていてはそれは昔となんの変わりもないのだ。もっといろんなアニメに賞賛とケチがつけば楽しいのになぁ。
 こう書いておいてなんだけどこのレビューは賞賛のほうで。
 やっぱり時代が違う。なのに今見ても退屈しない。たいした脚本が仕込まれてるわけではない。でもべつにアニメなり映画なり、ストーリーがすごいってだけで必ずよくなる保障なんてないのだ。なんにせよ見所はコブラの野沢那智を始めとするモブにいたるまでの声優陣、そして監督らによる作画と演出で魅力を持たせていることが見ていて退屈はさせない要因なのだろう。昭和もいいもんだなぁ。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 7

ひげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

漢という名の物語

やっぱりコブラっていったら野沢那智、出崎演出&羽健だろう?まぎれもなくヤツなんだよ。
ルパンに似てる?スタッフかぶってますからね・・
最初は山田さんだったらしいがさすがに似すぎだから変えたとかなんとか。
話は原作に結構近い。いろいろと細かいところは変わっているが。


最近は動画サイトでフラグクラッシャー&スペースほむら等として有名になってしまった。あれはあれで大爆笑するが。
ついでに元ネタのほうもぜひ観てほしい。
これもあのかっこいいOPのせいよね。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 8

らぶはんたー さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

ハードボイルド

一言で言うと、かっこいい男。
小学生のときにサイコガンに憧れて以来大好きですw
OP・EDともに最高で、最近のアニメは歌手の歌がタイアップされていたりしますが、コブラの世界観を現したテーマソングが最高にかっこよかったw

シティハンターの冴羽リョウに通ずるモノがあります。

てか、コブラからSFを取ったらシティハンターかw

とにかく野沢那智さんのコブラが一番かっこよく、ステキでした!
ご冥福をお祈りいたします。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 4

67.3 6 不死身で友情なアニメランキング6位
銀河漂流バイファム(TVアニメ動画)

1983年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (71)
386人が棚に入れました
地球から遙か四十数光年。イプザーロン系宇宙にある人類の植民惑星が異星人ククトニアンに攻撃され、護衛の守備隊は全滅、13人の子供達が取り残されてしまう。彼らは異星人に囚われた家族や友人達を自分達の力だけで救出するために、人型兵器ラウンドバーニアンで異星人と戦いながら、地球軍の練習艦ジェイナス号で旅をする

声優・キャラクター
難波克弘、鳥海勝美、竹村拓、野沢雅子、菊池英博、冨永みーな、笠原弘子、羽村京子、原えりこ、千々松幸子、佐々木るん、滝沢久美子、あきやまるな、古田信幸
ネタバレ

kakizaki さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

子供というイメージ  それだけで観ないというのは惜しい作品

どうしても、この作品が観れなかった。


中心キャラが子供で、自分勝手にやってそれがまかり通ってしまうそんなアニメになってしまうと感じたからだ。


実際このアニメを観てみて、現実的に不可能というか、そのアニメの設定を入れても、そうなるのってホールインワンより確立低いだろというものがいっぱいあったが、


少年や少女達がゆっくりと成長していく姿やほんとに小さい子達がまったく成長しない姿は、結構リアルだった。



そしてロボットものには、よくある主人公一人で、敵の軍隊を一掃してしまうチートのような卑怯な設定は、このアニメには、なく皆で協力して、
{netabare}
皆で協力して、自分たちの目的を達成した。そこが素晴らしくメッセージ性があった。

普通ならば、この争いが終息するところまでをアニメにするが、彼らの目的は、そこにはなく両親に会うためという一つの目的のために動いた。その目的が達成したところでアニメが終わらせるのは、このアニメの主要キャラをとても若い世代にした意味でもあるように感じた。

また、最後のラストシーンは見ものである。
{/netabare}


普通80年代アニメは、ここまで長い作品は、打ち切りされるのが多いが、この作品は、その当時の中高校生などの署名によって2クール打ち切りを逃れ、当初の通りの4クールになったらしい。

その当時の署名した人たちに感謝して、この名作をぜひ観てほしい。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 13

むらさきたましい さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

単なるロボットアニメではないです

ロボットが大活躍するだけの物語ではありません。
大人も出てきますが、頼りがいのある大人ではありません。

もちろん、子供達もスーパーではないので、色々ぶつかりながら宇宙を旅します。
そして、旅の途中で、色々な真実が明らかになっていきます。

絵柄も優しく、見易い作品だと思います。
子供たちだけで宇宙をさまようという設定なので「彼方のアストラ」がお好きな方は、比べてみても面白いと思います。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 14
ネタバレ

け~・える・い~ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

等身大の物語

個人的には、サンライズのロボットアニメの中でも一番の良作だと思ってます。
{netabare}
この作品には、ニュータイプも、他を圧倒するような新兵器も登場しない。
人類が滅亡の危機に瀕するような事態も起こらない。

主人公たちは、どこにでもいる普通の少年少女たち。
目的は、ただ生き残ること、そして家族と再会すること。
登場する兵器は、主役メカのバイファムも含め完全量産品ばかり。

今のアニメにあるような派手な要素はなにもない。

年上の女性にほのかな憧れをいだき、エロ本を見つけて喜んで、女子に見つかりそうになって慌てふためく。思慮足らずで相手を傷つけ、けんかして、落ち込む。自分勝手、わがまま。落書きをする。
そんな年相応で、見ている誰にでも当てはまりそうなキャラクターたち。
自分たちの手の届く範囲にあるものを守りたいという当たり前で、誰にでも理解できる行動原理。
変に大風呂敷を広げることなく、一貫して家族との再会を目指すというシンプルにまとめられストーリー。

等身大のキャラクターの等身大の物語、それが銀河漂流バイファムなのだと思う。
等身大だから、分かりやすく、素直に共感することができる、物語の世界に入っていける。
主人公たちが、旅のなかで仲間と協力し合い、時には反発をしながら経験を積み、思い悩み少しずつ成長していく姿に引き込まれていく。
地味かもしれないが、すごくいい作品だと思います。

音楽もよいです。
オール英詩のOPもいいですが、番組後半から使用された挿入歌「君はス・テ・キ」は、作品にすごくあっていて名曲です。この曲の流れるラストシーンは・・・是非、見てください。
同じく番組後半の挿入歌「THE ASTRO ENEMY ミューラァのテーマ」も敵のテーマなのに、哀愁漂う感じでかっこいいです。

※古い記憶に基づいて書いてるので、思い違い等が含まれているかもしれません。{/netabare}

投稿 : 2024/12/28
♥ : 7

75.8 7 不死身で友情なアニメランキング7位
東京喰種√A(TVアニメ動画)

2015年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (1517)
8679人が棚に入れました
「 悲劇、2周目。」人間の死肉を喰らう怪人"喰種"が潜む街――東京。大学生のカネキは、ある事故がきっかけで"喰種"の内臓を移植され、半"喰種"となる。人を喰らわば生きていけない、だが喰べたくはない。人間と"喰種"の狭間で、もがき苦しむカネキ。どちらの世界にも「居場所」が無い、そんな彼を受け入れたのは"喰種"芳村が経営する喫茶店「あんていく」だった。そしてカネキは自らが"喰種"と人間、ふたつの世界に「居場所」を持てる唯一人の存在であると知る。互いが歪めた世界を正すため、カネキは"喰種"と人間の想いが交錯する迷宮へと立ち入るが…。――僕は"喰種"だ――全てを守れる「強さ」を欲したカネキが取った究極の選択は、

声優・キャラクター
花江夏樹、雨宮天、宮野真守、菅生隆之、諸星すみれ、浅沼晋太郎、梶裕貴、小西克幸、釘宮理恵、豊永利行、遊佐浩二、下野紘、悠木碧、戸松遥、井上和彦、瀬戸麻沙美、近藤孝行

ゆりなさま さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

金木がお姫様だっこしてるその白い布のキャラに驚いた!

東京喰種√A(アニメオリジナルストーリー)

悲劇2周目開始!

今回の√Aは原作とは違ったもう1つの東京喰種。
原作者石田スイが紡ぐアニメオリジナルで1期の後から進行、
金木くんがあの1期での戦いからアオギリに入ったお話。
ちなみに原作ではアオギリには入っていませんね。
なのでオリジナルなんですが、ところどころ原作と同じシーンやお話が
あるので原作読んでる方にはああ!ってなるかなヽ(*´∪`*)ノ"


1番驚いたのがこの√Aのアイコンにもなってる今作表紙について。
金木くんが抱いてるこの白い布かぶされてるキャラが意外でした。
最終回で判明!「え?そう来たか・・。」って思ったな。
もちろん判明した直後はびっくりでしたけど
金木くんとの関係を考えたら納得で想像はずれていい意味での裏切りd(>ω<*)


そして個人的に気になってた原作の:reには続くのか・・。
ED後観て思いました。「ーーキタ!」
なので、今度アニメやるとしたら:re に続くだろうと悪魔で勝手な予想です。
まぁ、グールには結構裏切られたり
意外なことが起きたり多いのでどうなんだろうか・・。
原作の:re溜まったら放送を期待したいですヾ(●´□`●)ノ


それにしても、終わり方が私は想像してなかったパターンだったので
ヒデ登場&あの血にはちょっといろいろ驚かされました。
CCGに関しては原作とほとんど変わらないかな。
ただ、金木はあそこでどうなった?
:reにつなげるなら予想はつくけど、うーんイマイチ・・スッキリしなかったです。


EDの作画について。
毎回変わるので毎話飛ばさず観ました。
第10話のED作画よかったな〜。

あと、やはり1期で使われてた、TKfrom凛として時雨『unravel』が
私は好きでした♡
なので最終回のピアノ版なのかな?
挿入されてたの嬉しかったのとあの流れてる間はなんか不思議な感覚でした。


なんとなく「悲しい」そんなイメージが残りました。
OVA化決定の東京喰種「JACK」楽しみにしていたいと思います。
読んでくださりありがとうございました人´∀`).☆

投稿 : 2024/12/28
♥ : 56

ネオン さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

一話の最後の挿入歌

Darkness falls on another day
(あの日、暗闇に落ちたんだ)

And the light just seems so far away
(光は遠くにあるんだろう)

Am I here all alone?
(僕はずっとここで孤独なのかな?)

Cuz lts just feels so cold oh so cold
(寒いんだ、すごく冷たいよ、、)

Is there more than what meets the eye?
(瞳に映るものなんてあったっけ?)

Is something higher keeping me alive
(何かが僕を生かす為に高く押し留めているんだ)

Maybe hope buried deep within
(たぶん希望なんか深く埋もれてしまってる)

Heres what needed to begin again
(ここからもう一度やり直す必要があるんだ)

Now i must belive in something
(今何かを僕は信じなきゃだめなんだ)

I can not see for now
(今僕はなにもみえないけど)

Im on my own
(僕自身の力で)







最後は入見さんの言葉で締めようと思います


カネキ君
そんなに強くなって
そうするしかなかったのね、選ぶしかなかったのね。
可哀想ね...カネキ君...

投稿 : 2024/12/28
♥ : 6
ネタバレ

Appleモンキー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

タイトルなし

原作と異なるアニメオリジナル展開となるのでしょうか??

■第1話~第3話
{netabare}
原作ではヤモリ戦後、半殺しの定義を淡々と語るカネキくんが
結構面白かったのですが、そこがスッポリなくなってたのが
残念でした・・・。

なぜカットされたかというと、カネキくんがそのまま
アオギリに入っちゃうからなんですね。

カネキくん視点ではあまりストーリー展開せず、
捜査官視点での展開がメインになるんでしょうか??
{/netabare}

■第11話
{netabare}
原作と細かい展開は違いつつも、大筋は同じですね~
この後カネキくんどうなるんでしょ??
原作だとあんな展開になっちゃいます。。。
アニメの結末に期待です^^
{/netabare}

■第12話
{netabare}
登場人物の生死ははっきりさせずの、最終話でした。
原作の「:RE」を読んでいれば結末ははっきりしているのですが、
1期並みのモヤモヤ終了かも。

2期は釘宮さんのジューゾーが存在感だしてましたね^^

{/netabare}

投稿 : 2024/12/28
♥ : 74
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